説明

飲酒運転防止装置および運転者なりすまし防止方法

【課題】運転が開始された後でも運転者のなりすましを防止することができる飲酒運転防止装置を提供する。
【解決手段】運転者の指の生体情報による個人認証を行う個人認証手段11と、運転者の指の血管からのアルコール検出による飲酒判定を行う飲酒判定手段12と、一定期間毎に、個人認証手段11に個人認証を実行させ、飲酒判定手段12に飲酒判定を実行させる制御手段13とを備え、制御手段13は、個人認証の認証結果と飲酒判定の判定結果に応じて、車両の運転操作を不能とさせ、エンジンを停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲酒運転防止装置および運転者なりすまし防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲酒運転等に対する罰則の引き上げ、酒類提供行為や同乗行為の禁止等を内容とする道路交通法の改正など、飲酒運転根絶に向けた取組みが進められている。その中で、飲酒運転防止装置の実用化に向けた取組みが進められており、国内外の自動車メーカや自動車部品メーカにおいて、飲酒運転防止装置の開発が行われている。飲酒運転防止装置によるアルコール測定方法には、呼気吹き込み式や臭気センサ式が存在する。呼気吹き込み式は測定の度に強い呼気を吹き込む手間がかかることや、呼気吹き込み式および臭気センサ式はともに測定精度が低い。また、いずれの測定方法も、飲酒をしていない運転者によりアルコール測定を通過した後に、飲酒した運転者が運転を交代するといった運転者のなりすましによる測定回避が可能である。
【0003】
そこで、血中のアルコール検出による飲酒判定と、生体情報による個人認証とを組み合わせた飲酒運転防止装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−302915
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された飲酒運転防止装置では、アルコール成分に吸収される波長のアルコール吸収光成分を含む光を運転者の指に照射し、アルコール吸収光成分が吸収されたか否かで、運転者の指の血管にアルコール成分が存在するか否かを判定しているため、確実に運転者のアルコールの摂取を検出することができる。また、運転者の指の生体情報を基に個人認証を行っているため、確実に運転者本人についてアルコールの摂取の検出を行うことができる。
【0006】
しかし、個人認証と飲酒判定とを運転開始時にのみ行っているため、運転開始時の個人認証と飲酒判定とが終わった後に運転者が交代することによって、運転者のなりすましが可能である。
【0007】
そこで、本発明は、運転が開始された後でも運転者のなりすましを防止することができる飲酒運転防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による飲酒運転防止装置は、運転者の指の生体情報による個人認証を行う個人認証手段と、運転者の指の血管からのアルコール検出による飲酒判定を行う飲酒判定手段と、一定期間毎に、個人認証手段に個人認証を実行させ、飲酒判定手段に飲酒判定を実行させる制御手段とを備え、制御手段は、個人認証の認証結果と飲酒判定の判定結果に応じて、車両の運転操作を不能とさせ、エンジンを停止させることを特徴とする飲酒運転防止装置。
【0009】
本発明による運転者なりすまし防止方法は、飲酒運転防止装置を備えた車両システムで実行される運転者なりすまし防止方法であって、運転者の指の生体情報による個人認証と、運転者の指の血管からのアルコール検出による飲酒判定を行い、個人認証と飲酒判定とを一定期間毎に実行し、個人認証の認証結果と飲酒判定の判定結果に応じて、車両の運転操作を不能とさせ、エンジンを停止させることを特徴とする運転者なりすまし防止方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運転者が、運転中に常時指を置くステアリングの裏面に、指にかかる生体情報を基に個人認証を行う認証機能とアルコール検出機能とを有するセンサを取り付け、センサによる運転者の個人認証及び飲酒判定を、運転者が交代できないような一定期間毎に実施することによって、運転者のなりすましを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態が適用される車両の運転席の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態1におけるセンサ部100の一例を示す構成図である。
【図3】第1の実施形態が適用される車両システムの一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の主要部を示すブロック図である。
【図6】本発明の主要部を示すブロック図である。
【図7】本発明の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、第1の実施形態が適用される車両の運転席の一例を示す構成図である。図1に示す車両の運転席では、ステアリング3の裏面の上部の左右2箇所にセンサ部100が1つずつ埋め込まれている。運転者は、左右の手の測定対象の指を各センサ部100に置くようにしてステアリングを握る。なお、センサ部100はステアリング3に埋め込まずに、ユーザによって任意の場所に取り付けられるようにしてもよい。また、測定対象の指は、ユーザによって任意に変更できるようにしてもよい。
【0014】
図2は、本発明の実施形態1におけるセンサ部100の一例を示す構成図である。図2に示すように、センサ部100は、回路基板108に設置されている。センサ部100は、レンズ101と、撮像素子102と、静脈パターン撮像用光源103と、アルコール撮像用光源104と、指置き部106と、指置き面107とを備える。また、撮像素子102、静脈パターン撮像用光源103、アルコール撮像用光源104とは、回路基板108を介して電気的に接続されている。
【0015】
指置き部106は、運転者の指が納まる大きさに形成された凹部を有している。指置き部106の凹部の内側の両側面に、静脈パターン撮像用光源103と、アルコール撮像用光源104が設置されている。
【0016】
指置き面107は、静脈パターン撮像用光源103の発する光成分とアルコール撮像用光源104が発する光成分とを透過する材質で構成されている。
【0017】
静脈パターン撮像用光源103は、人体の静脈を流れる還元ヘモグロビン成分により吸収される波長の光成分を含む光を、指置き部106の凹部へ照射する。
【0018】
アルコール撮像用光源104は、アルコール成分に吸収される波長の光成分を含む光を、指置き部106の凹部へ照射する。
【0019】
撮像素子102は、還元ヘモグロビン成分に吸収される波長の光成分を受光して、指置き面107に置かれた運転者の指4の撮像を行う。運転者の指4の静脈を流れる還元ヘモグロビン成分によって光成分が吸収され、光成分が吸収された部分が静脈パターンとして撮像画像に黒く映る。これにより、運転者の指4の静脈パターンを取得することができる。また、予め記憶部204に記憶された運転者の静脈パターンと撮像した静脈パターンとを比較することによって、運転者の個人認証を行うことが可能となる。
【0020】
また、撮像素子102は、アルコール成分に吸収される波長の光成分を受光して、指置き面107に置かれた運転者の指4の撮像を行う。運転者が飲酒を行い、運転者の指4の静脈または動脈にアルコール成分が流れていた場合は、アルコール成分によって光成分が吸収され、光成分が吸収された部分が撮像画像に黒く映る。これにより、運転者がアルコールを摂取しているか否かの検出が可能となる。
【0021】
図3は、第1の実施形態が適用される車両システムの一例を示すブロック図である。図3に示すように、センサ部100は、光源駆動部105を備える。光源駆動部105は、センサ部100の各構成要素と回路基板108を介して電気的に接続されている。
【0022】
図3に示す車両システムは、センサ部100の動作を制御するMPU200を備える。MPU200は、制御部201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、記憶部204と、接続部205と、通信部206とを備える。
【0023】
ROM202は、MPU200を動作させるために必要なソフトウェアプログラムを記憶する。
【0024】
RAM203は、制御部201の制御処理や演算処理などを実行する際に生じる一時的なデータを記録する。また、接続部205を介して、撮像素子102から受信した撮像画像のデータを一時的に記憶する。
【0025】
記憶部204は、データ書き換えが可能な不揮発性メモリによって構成されている。記憶部204には、予め、運転者の静脈パターンが、車両の製造者や運行管理者などによって記憶されている。
【0026】
接続部205は、撮像素子102と光源駆動部105とに接続れている。
【0027】
通信部206は、CAN(Controller Area Network)などのネットワーク500を介して、車両に搭載されたステアリング制御部501、エンジン制御部502、シフトレバー制御部503およびその他の装置と接続されている。通信部206は、ステアリング制御部501、エンジン制御部502、シフトレバー制御部503およびその他の装置と、データ、メッセージなどの送受信を行う。
【0028】
ステアリング制御部501は、車両のステアリング装置の制御を行う。通信部206からロック要求メッセージを受信すると、運転者がステアリングの操作を行うことができないように、ステアリングをロックする。
【0029】
エンジン制御部502は、車両のエンジンの制御を行う。通信部206から車両停止要求メッセージを受信すると、車両のエンジンが停止している場合は、エンジンの始動をロックする。また、車両のエンジンが動作している場合は、速やかにエンジンを停止させる。また、運転者によって、エンジンが始動された場合には、エンジン始動通知メッセージを送信する。
【0030】
シフトレバー制御部503は、シフトレバーの制御を行う。運転者によってシフトレバーが操作された場合に、シフトレバー操作通知メッセージを送信する。
【0031】
光源駆動部105は、接続部205を介してMPU200から受信した駆動命令に従って、静脈パターン撮像用光源103およびアルコール撮像用光源104の点灯および消灯を制御する。
【0032】
撮像素子102は、接続部205を介して、MPU200から撮像命令を受信すると、撮像を行う。
【0033】
制御部201は、接続部205を介して、光源駆動部105に駆動命令を送信する。また、制御部201は、接続部205を介して、撮像素子102に撮像命令を送信する。また、撮像素子102から撮像画像を取得し、取得した撮像画像をRAM203に一時的に保存する。
【0034】
また、制御部201は、ロック要求メッセージや車両停止要求メッセージなどの制御メッセージを、通信部206を介して、ステアリング制御部501、エンジン制御部502、その他の装置に送信する。また、制御部201は、エンジン制御部502から、通信部206を介して、エンジン始動通知メッセージを受信する。また、制御部201は、通信部206を介して、シフトレバー制御部503から、シフトレバー操作通知メッセージを受信する。
【0035】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0036】
図4は、本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。MPU200の制御部201が、エンジン制御部502からエンジン始動通知メッセージを受信したか否かを確認する(ステップS401)。エンジン始動通知メッセージを受信している場合は(ステップS401のYes)、タイマをスタートさせる(ステップS402)。
【0037】
制御部201は、タイマをスタートさせた後、ステアリング3の左右2箇所に設置されているセンサ部100の光源駆動部105に、駆動命令を送出し、静脈パターン撮像用光源103を点灯させる(ステップS403)。制御部201は、撮像素子102に撮像命令を送信し、撮像素子102に撮像を実行させる(ステップS404)。撮像後、制御部201は、光源駆動部105に駆動命令を送出し、静脈パターン撮像用光源103を消灯させる(ステップS405)。
【0038】
制御部201は、左右のセンサ部100の撮像素子102からステップS404で撮像した画像を取得し、撮像画像の静脈パターンと、記憶部204に記憶されている静脈パターンとを比較し(ステップS406)、一致しているか否かを確認する(ステップS407)。
【0039】
ステップS407において、左右のセンサ部100から取得した静脈パターンのどちらか一つでも一致していなかったときは(ステップS407のNo)、制御部201は、速やかにステアリング制御部501にロック要求メッセージを送信し、ステアリングをロックさせる。また、エンジン制御部502に車両停止要求メッセージを送信し、車両のエンジンを停止させる(ステップS413)。
【0040】
ステップS407において、左右のセンサ部100から取得した静脈パターンがともに一致していたときは(ステップS407のYes)、制御部201は、光源駆動部105に駆動命令を送出し、アルコール撮像用光源104を点灯させる(ステップS408)。制御部201は、撮像素子102に撮像命令を送信し、撮像素子102に撮像を実行させる(ステップS409)。撮像後、制御部201は光源駆動部105に駆動命令を送出し、アルコール撮像用光源104を消灯させる(ステップS410)。
【0041】
制御部201は、撮像素子102からステップS409で撮像した画像を取得し、アルコール撮像用光源104によって照射した光が吸収されて黒く映っている部分が撮像画像の中にあるか否かを確認する(ステップS411)。左右のセンサ部100から取得した撮像画像のどちらにも黒く映っている部分がなかった場合は(ステップS411のNo)、アルコールが未検出であったことを運転者に通知する(ステップS412)。アルコール未検出の通知は、車両に表示装置が搭載されている場合は、未検出通知を文字として表示装置の表示画面に出力してもよい。また、車両に音声出力装置が搭載されている場合は、未検出通知を音声として音声出力装置から出力してもよい。
【0042】
ステップS411において、左右のセンサ部100から取得した撮像画像のいずれかに黒く映っている部分があった場合は(ステップS411のYes)、運転者がアルコールを摂取している可能性があるので、速やかにステアリング制御部501にロック要求メッセージを送信し、ステアリングをロックさせる。また、エンジン制御部に車両停止要求メッセージを送信し、車両のエンジンを停止させる(ステップS413)。
【0043】
ステップS412の処理を実行した後、タイマが3分経過したか否かを確認する(ステップS414)。ステップS414において、タイマが3分経過していたときは、制御部201は、ステップS402に戻り、再びタイマをスタートさせる。なお、タイマの設定時間を3分としたが、タイマの設定時間は、車両の運転者となる可能性がない製造業者や政府機関等が任意に設定できるようにしてもよい。
【0044】
以上に説明したように、第1の実施形態によれば、個人認証と飲酒判定とが、タイマによって一定期間毎に実施される。そのため、飲酒をしていない運転者が個人認証と飲酒判定とを通過した後に飲酒した運転者に運転を交代するといった運転者のなりすましを防止でき、飲酒運転をより確実に防止することができる。
【0045】
なお、本実施例では、センサ部100がステアリング3の裏面の上部の左右2箇所に1つずつ設置されているが、1箇所に複数個のセンサ部100が設置されていてもよい。
【0046】
そのように1箇所に複数個のセンサ部100を設置すれば、測定対象の指を複数にすることができるため、より精度の高い個人認証及び飲酒判定を行うことができる。
【0047】
また、ステップS401において、制御部201は、エンジン始動通知メッセージを受信したら、タイマをスタートさせているが、運転者の運転開始の意思表示が認識できる何らかの操作がされたときにタイマをスタートさせるようにしてもよい。例えば、運転者がシフトレバーをドライブモードに移動し、シフトレバー制御部503からシフトレバー操作通知メッセージを受信したら、タイマをスタートさせるようにしてもよい。
【0048】
また、ステップS407において、制御部201は、左右のセンサ部100から取得した静脈パターンのどちらか一方が一致していたら、個人認証を通過するようにしてもよい。
【0049】
また、ステップS411において、制御部201は、アルコール飲酒判定時とアルコール非飲酒判定時とでタイマの設定値を変更できるようにしても良い。タイマの設定時間は、運転者が第三者と運転を交代できないような時間に設定するか、または、交代できたとしても短時間の運転しかできないような時間に設定し、運転者交代を抑止する効果のある時間を設定する。
【0050】
また、ステップS411において、制御部201は、アルコール飲酒判定時に、飲酒判定の記録をファイルとして記憶部204に保存しておき、後に、車両の管理者が運転者の飲酒の確認をできるようにしてもよい。
【0051】
また、ステップS413において、制御部201は、運転者が運転中であった場合は、運転者が車両を安全に停車できる場所に移動できる十分な時間が経過した後に、ロック要求メッセージおよび車両停止要求メッセージを送信するようにしてもよい。
【0052】
また、個人認証を実行する前に、車両に表示装置が搭載されている場合は、文字としてその旨を表示装置の表示画面に出力してもよい。また、車両に音声出力装置が搭載されている場合は、音声としてその旨を音声出力装置から出力してもよい。
【0053】
そのように個人認証を実行する前に、その旨を運転者に通知すれば、運転者は、通知があったときにステアリング3のセンサ部100に指を置けばよく、常時センサ部100に指を置いておく必要がなくなる。
【0054】
また、予め運転者の静脈パターンを記憶部204に記憶させているが、記憶部204に静脈パターンが記憶されていない未登録の運転者を、後から追加登録できるようにしてもよい。そのような形態を実現するには、例えば、ステップS407において、制御部201は、静脈パターンが一致しなかったときは、撮像画像を一時的に撮像素子102に保存しておき、ステップS413で車両エンジンが停止したときに、MPU200への電源供給が止まる直前に、MPU200の電源電圧の低下を検出し、電源供給が止まるまでの間に、撮像素子102に保存しておいた撮像画像を、新規の静脈パターンとして記憶部204に記憶するようにすればよい。
【0055】
そのように静脈パターンを後から記憶部204に追加登録できるようにしておけば、ユーザ自身で登録者を増やすことができる。
【0056】
図5は、本発明による飲酒運転防止装置の主要部を示すブロック図である。図5に示すように、運転者の指の生体情報による個人認証を行う個人認証手段11(実施形態では、制御部201で実現されている。)と、運転者の指の血管からのアルコール検出による飲酒判定を行う飲酒判定手段12(実施形態では、制御部201で実現されている。)と、
一定期間毎に、個人認証手段11に個人認証を実行させ、飲酒判定手段12に飲酒判定を実行させる制御手段13(実施形態では、制御部201で実現されている。)とを備え、制御手段13は、個人認証の認証結果と飲酒判定の判定結果に応じて、車両の運転操作を不能とさせ、エンジンを停止させる。
【0057】
上記の実施形態には、以下のような飲酒運転防止装置も開示されている。
【0058】
(1)制御手段13は、タイマを備え、運転者によってエンジンの始動またはシフトレバー操作がされるとタイマをスタートし、タイマ設定時間が経過すると、個人認証手段11による個人認証と飲酒判定手段12による飲酒判定とを実行し、個人認証と飲酒判定とを通過した場合は、タイマを再スタートさせ、個人認証と飲酒判定とのいずれかを通過できなかった場合は、車両のエンジンを停止させ、車両のステアリングをロックさせる飲酒運転防止装置。
【0059】
(2)図6に示すように、静脈パターン撮像用光源21(実施形態では、静脈パターン撮像用光源103で実現されている。)とアルコール撮像用光源22(実施形態では、アルコール撮像用光源104で実現されている。)と撮像手段23(実施形態では、撮像素子102で実現されている。)とを含むセンサ20(実施形態では、センサ部100で実現されている。)を備え、センサ20は、車両のステアリングに設けられている飲酒運転防止装置。
【0060】
(3)図7に示すように、運転者の指の静脈パターンを記憶する記憶手段14(実施形態では、記憶部204で実現されている。)を備え、静脈パターン撮像用光源21は、静脈を流れる還元ヘモグロビン成分に吸収される波長の光を照射し、撮像手段23は、静脈パターン撮像用光源21からの光を照射された運転者の指を撮像し、個人認証手段11は、撮像手段によって撮像された運転者の指の撮像画像と、記憶手段14に記憶された静脈パターンとの比較によって個人認証を行う飲酒運転防止装置。
【0061】
(4)アルコール撮像用光源22は、血管を流れるアルコール成分に吸収される波長の光を照射し、撮像手段23は、アルコール撮像用光源22からの光を照射された運転者の指を撮像し、飲酒判定手段12は、撮像手段23によって撮像された運転者の指の撮像画像にアルコール撮像用光源22からの光が吸収されている部分があった場合に飲酒と判定する飲酒運転防止装置。
【符号の説明】
【0062】
1 フロントパネル
2 フロントガラス
3 ステアリング
4 運転者の指
11 個人認証手段
12 飲酒判定手段
13 制御手段
14 記憶手段
20 センサ
21、103 静脈パターン撮像用光源
22、104 アルコール撮像用光源
23 撮像手段
100 センサ部
101 レンズ
102 撮像素子
105 光源駆動部
106 指置き部
107 指置き面
108 回路基板
110 映像部
200 MPU
201 制御部
202 ROM
203 RAM
204 記憶部
205 接続部
206 通信部
500 ネットワーク
501 ステアリング制御部
502 エンジン制御部
503 シフトレバー制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の指の生体情報による個人認証を行う個人認証手段と、
運転者の指の血管からのアルコール検出による飲酒判定を行う飲酒判定手段と、
一定期間毎に、前記個人認証手段に個人認証を実行させ、前記飲酒判定手段に飲酒判定を実行させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記個人認証の認証結果と前記飲酒判定の判定結果に応じて、車両の運転操作を不能とさせ、エンジンを停止させる
ことを特徴とする飲酒運転防止装置。
【請求項2】
制御手段は、タイマを備え、
運転者によってエンジンの始動またはシフトレバー操作がされると前記タイマをスタートし、タイマ設定時間が経過すると、個人認証手段による個人認証と飲酒判定手段による飲酒判定とを実行し、
個人認証と飲酒判定とを通過した場合は、前記タイマを再スタートさせ、
個人認証と飲酒判定とのいずれかを通過できなかった場合は、車両のエンジンを停止させ、車両のステアリングをロックさせる
請求項1に記載の飲酒運転防止装置。
【請求項3】
静脈パターン撮像用光源とアルコール撮像用光源と撮像手段とを含むセンサを備え、
前記センサは、車両のステアリングに設けられている
請求項1または請求項2に記載の飲酒運転防止装置。
【請求項4】
運転者の指の静脈パターンを記憶する記憶手段を備え、
静脈パターン撮像用光源は、静脈を流れる還元ヘモグロビン成分に吸収される波長の光を照射し、
撮像手段は、前記静脈パターン撮像用光源からの光を照射された運転者の指を撮像し、
個人認証手段は、前記撮像手段によって撮像された運転者の指の撮像画像と、前記記憶手段に記憶された静脈パターンとの比較によって個人認証を行う
請求項3に記載の飲酒運転防止装置。
【請求項5】
アルコール撮像用光源は、血管を流れるアルコール成分に吸収される波長の光を照射し、
撮像手段は、前記アルコール撮像用光源からの光を照射された運転者の指を撮像し、
飲酒判定手段は、前記撮像手段によって撮像された運転者の指の撮像画像に前記アルコール撮像用光源からの光が吸収されている部分があった場合に飲酒と判定する
請求項3または請求項4に記載の飲酒運転防止装置。
【請求項6】
飲酒運転防止装置を備えた車両システムで実行される運転者なりすまし防止方法であって、
運転者の指の生体情報による個人認証と、運転者の指の血管からのアルコール検出による飲酒判定を行い、前記個人認証と前記飲酒判定とを一定期間毎に実行し、前記個人認証の認証結果と前記飲酒判定の判定結果に応じて、車両の運転操作を不能とさせ、エンジンを停止させる
ことを特徴とする運転者なりすまし防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−51413(P2012−51413A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193744(P2010−193744)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】