説明

駆動ユニット

【課題】駆動ユニットの軸方向長さを抑える。
【解決手段】所定の軸方向周りに回転自在に支持されたロータと、前記ロータの径方向外側に設けられたステータコアと、絶縁部材を介して前記ステータコアに巻線が複数回巻き回された巻線部と、前記絶縁部材に支持され、前記巻線部における前記軸方向外側の端面よりも前記軸方向内側で前記巻線の端部が接続され、外部からの電力が供給される端子と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の電動機は、ステータコアと、そのステータコアに複数回巻き付けられた巻線と、ステータコアと巻線との間を絶縁する樹脂製のインシュレータと、端子と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−10398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、端子の巻線接続部と巻線の末端部とは、巻線が巻き付けられた部分(インシュレータ)の径方向外側であって、かつ、軸方向外側において接続されている。このため、ステータコアの厚み(軸方向長さ)に端子の厚み(軸方向長さ)が加わるので、特許文献1の構成では、軸方向長さにおいて大型化していた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、軸方向長さを抑えることができる駆動ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の駆動ユニットは、所定の軸方向周りに回転自在に支持されたロータと、前記ロータの径方向外側に設けられたステータコアと、絶縁部材を介して前記ステータコアに巻線が複数回巻き回された巻線部と、前記絶縁部材に支持され、前記巻線部における前記軸方向外側の端面よりも前記軸方向内側で前記巻線の端部が接続され、外部からの電力が供給される端子と、を備えている。
【0007】
この駆動ユニットによれば、端子が、巻線部における軸方向外側の端面よりも軸方向内側で巻線の端部と接続される。これにより、端子における巻線の端部との接続部分が、巻線部における軸方向外側の端面よりも軸方向内側に配置されるので、当該接続部分が巻線部における軸方向外側の端面よりも軸方向外側に配置される構成に比べて、駆動ユニットの軸方向長さを抑えることができる。
【0008】
請求項2に記載の駆動ユニットは、請求項1に記載の駆動ユニットにおいて、前記巻線の端部と前記端子とが、前記ステータコアに対する前記径方向内側で接続されている。
【0009】
この駆動ユニットによれば、端子における巻線の端部との接続部分が、ステータコアに対する径方向内側に配置されるので、当該接続部分がステータコアに対する径方向外側に配置される構成に比べて、駆動ユニットの径方向長さを抑えることができる。
【0010】
請求項3に記載の駆動ユニットは、請求項1又は2に記載の駆動ユニットにおいて、前記巻線の端部と前記端子とが、前記径方向に沿って配置されると共に、前記軸方向に重ねられて接合されている。
【0011】
この駆動ユニットによれば、径方向に沿って配置された巻線の端部と端子とが、軸方向に重ねられて接合されるので、径方向に沿って接合代を長くとることができる。接合代を長くとることで、接合不良が生じにくく、装置の信頼性を向上させられる。また、径方向に沿って接合代を長くとったとしても、駆動ユニットの軸方向長さに影響がなく、当該軸方向長さを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係る駆動ユニットの側面断面図である。
【図2】図1に示される駆動ユニットの分解斜視図である。
【図3】図2に示されるカバーアッセンブリの斜視図である。
【図4】ステータを拡大して示す図1に示される駆動ユニットの側面断面図である。
【図5】ステータを拡大して示す図1に示される駆動ユニットの斜視図である。
【図6】ステータを拡大して示す第2実施形態に係る駆動ユニットの側面断面図である。
【図7】第2実施形態に係る駆動ユニットを軸方向視した図面である。
【図8】図6に示される駆動ユニットにおいて端子を取付部に固定する前の状態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
なお、ここでは、一例として、本発明の駆動ユニットが、電動自転車の動力源として使用される例について説明する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る駆動ユニット10について説明する。図1〜図5には、第1実施形態に係る駆動ユニット10の構成が図示されている。なお、各図において、矢印A方向は、駆動ユニット10の軸方向(以下単に「軸方向」という場合がある)を示し、矢印A1方向は、駆動ユニット10の軸方向外側を示し、矢印A2方向は、駆動ユニット10の軸方向内側を示す。駆動ユニット10(後述のステータコア182)の軸方向中央S(図1参照)を境界として、軸方向中央Sから離れる軸方向が軸方向外側であり、軸方向中央Sに近づく軸方向が軸方向内側である。また、各図において、矢印B方向は、駆動ユニット10の径方向(以下単に「径方向」という場合がある)を示し、矢印B1方向は、駆動ユニット10の径方向外側を示し、矢印B2方向は、駆動ユニット10の径方向内側を示す(後述の第2実施形態に係る駆動ユニット200を示す図6〜図8においても同様である)。
【0016】
図1に示されるように、第1実施形態に係る駆動ユニット10は、一対の固定軸12,14と、ロータ16と、ステータ18と、モータハウジング20と、外歯歯車22と、キャリア24と、回転部材の一例であるハブ26と、内歯歯車28とを主要な構成として備えている。
【0017】
一対の固定軸12,14は、互いに同軸上に配置されている。この一対の固定軸12,14には、ネジ部12A,14Aがそれぞれ形成されており、このネジ部12A,14Aには、ナット30,32がそれぞれ螺合されている。一方の固定軸12は、ナット30を用いて外部に固定され、他方の固定軸14は、ナット32を用いて外部に固定される。この場合の外部とは、例えば、自転車の車体である。
【0018】
ロータ16は、後述するステータ18と共にブラシレスモータを構成している。このロータ16は、一対の固定軸12,14の間に、この一対の固定軸12,14と同軸上に配置された出力軸34を有している。この出力軸34における他方の固定軸14側には、偏芯軸36が偏芯状態で設けられている。この偏芯軸36は、セレーション結合部38により出力軸34と結合されており、出力軸34と軸方向の反対側に突出する軸部36Aを有している。この軸部36Aは、出力軸34と同軸上に形成されている。
【0019】
ステータ18は、環状に形成されており、ロータ16の径方向外側に設けられている。このロータ16及びステータ18を有して構成されたブラシレスモータでは、ステータ18に回転磁界が生じると、ロータ16及びステータ18間に吸引・反発力が作用し、ロータ16と共に出力軸34が回転される。
【0020】
ステータ18は、図4及び図5に示されるように、具体的には、ロータ16の径方向外側でロータ16の周方向(回転方向(図5における矢印C方向))に沿って設けられた複数のステータコア(鉄心)182と、絶縁部材184を介して各ステータコア182に巻線186が複数回巻き回された巻線部188と、各巻線186の端部186Aが接続されると共に外部からの電力が供給される端子189と、を有して構成されている。
【0021】
巻線部188は、具体的には、絶縁部材184を介して各ステータコア182に巻き回された部分としての巻線部本体188Bと、巻線部本体188Bから延び出るとともに端部186Aを有する延出部188Cと、を有している。
【0022】
各絶縁部材184は、ステータコア182と巻線部188(巻線部本体188B)との間を絶縁する機能を有しており、例えば、樹脂で形成されている。各絶縁部材184は、具体的には、ステータコア182の表面に被覆される被腹部184Aと、被腹部184Aから軸方向外側に張り出した張出部184Bと、張出部184Bの径方向内側で被腹部184Aから軸方向外側に張り出し、端子189を支持する支持部184Cと、を有して構成されている。
【0023】
各支持部184Cは、具体的には、巻線部188の巻線部本体188Bに対する径方向内側で被腹部184Aから軸方向外側に張り出している。支持部184Cには、端子189の後述の被支持部189Bが差し込まれる差込部184Dが形成されている。
【0024】
巻線部188の巻線部本体188Bは、具体的には、絶縁部材184の張出部184Bと支持部184Cとの間において、被腹部184Aに巻線186が複数回巻き回されて形成されており、軸方向外側に端面188A(図4参照)を有している。また、巻線部188の延出部188Cは、軸方向外側に端面188D(図4参照)を有している。
【0025】
各端子189は、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)の径方向内側において径方向に沿って延びる帯状の本体部189Aと、本体部189Aの径方向外側部分に形成され支持部184Cに支持される被支持部189Bと、本体部189Aの径方向内側部分に形成され外部と接続される外部接続部189Cと、径方向における被支持部189Bと外部接続部189Cとの間に設けられ、巻線186の端部186Aと接続される端部接続部189Dと、端部接続部189Dと本体部189Aとを連結する連結部189Eと、を有して構成されている。
【0026】
各被支持部189Bは、軸方向内側に突出しており、各差込部184Dに差し込まれることで、各端子189が各支持部184Cに支持されている。外部接続部189Cは、軸方向外側に突出しており、後述の第一ハウジング40に形成された開口40Aと通じて外部と接続されるようになっている。
【0027】
連結部189Eは、径方向における被支持部189Bと外部接続部189Cとの間において、本体部189Aから周方向(図5における矢印C方向)に張り出している。端部接続部189Dは、連結部189Eの先端部から径方向外側へUの字状に湾曲しており、巻線186の端部186Aを挟持することで巻線186の端部186Aと接続されている。
【0028】
連結部189Eは、具体的には、軸方向内側へ湾曲しながら、本体部189Aから周方向(矢印C方向)に張り出しており、端部接続部189Dは、延出部188Cの端面188Dよりも軸方向内側であって、かつ、巻線部本体188Bの端面188Aよりも、軸方向内側に位置している。これにより、本実施形態では、延出部188Cの端面188Dよりも軸方向内側であって、かつ、巻線部本体188Bの端面188Aよりも、軸方向内側(軸方向におけるステータコア側)で、端部接続部189Dと巻線186の端部186Aとが接続されている。さらに、本実施形態では、端部接続部189Dは、ステータコア182(巻線部188)の径方向内側に配置されており、ステータコア182(巻線部188)の径方向内側で、端部接続部189Dと巻線186の端部186Aとが接続されている。
【0029】
モータハウジング20は、一方の固定軸12側からステータ18に取り付けられた第一ハウジング40と、他方の固定軸14側からステータ18に取り付けられた第二ハウジング42とを有している。この第一ハウジング40、ステータ18、及び、第二ハウジング42は、ボルト44により固定されている。さらに、第一ハウジング40及びステータ18は、ボルト45により固定されている。
【0030】
また、第一ハウジング40は、一方の固定軸12側に底部を有する扁平容器状に形成されている。この第一ハウジング40の底部には、円盤状のスペーサ46がボルト48により固定されている。このスペーサ46の中央部には、筒状部50が形成されており、この筒状部50には、一方の固定軸12が圧入されて固定されている。
【0031】
一方、第二ハウジング42は、円盤状に形成されている。この第二ハウジング42は、対向壁部の一例であり、後述するキャリア24に形成されたキャリア本体68と出力軸34の軸方向に対向している。この第二ハウジング42には、収容凹部52が形成されている。この収容凹部52は、キャリア本体68側に開口する凹形状とされており、ステータ18の内側に挿入されている。
【0032】
また、この収容凹部52の底部の中央部には、円環状の軸受収容部54が形成されており、この軸受収容部54には、第一軸受の一例である軸受56が収容されている。同様に、上述の第一ハウジング40の底部の中央部には、軸受収容部58が形成されており、この軸受収容部58には、第一軸受の一例である軸受60が収容されている。この一対の軸受56,60は、出力軸34の軸方向両端部を回転可能に支持している。すなわち、ロータ16は、一対の軸受(ロータ支持部の一例)56,60によって、出力軸34の軸方向周りに回転自在に支持されている。
【0033】
外歯歯車22は、第二軸受の一例である軸受62を介して偏芯軸36に回転可能に支持されている。図2に示されるように、この外歯歯車22の外周面には、複数の外歯22Aが形成されている。また、この外歯歯車22には、回転方向に並んで複数の伝導孔64が形成されている。この外歯歯車22は、図1に示されるように、後述する内歯歯車28と共に、収容凹部52に収容されている。
【0034】
キャリア24は、図2に示されるように、複数の伝導孔64に偏芯状態で挿入される複数の内ピン66と、この複数の内ピン66を支持する円盤状のキャリア本体68とを一体に有している。キャリア本体68は、他方の固定軸14と一体に形成されている。このキャリア本体68と軸部36Aとの間には、図1に示されるように、軸受70が設けられている。また、このキャリア24には、図2に示されるように、複数の内ピン66のうちの幾つかの内ピン66と同軸上に、この内ピン66の軸方向に貫通する貫通孔72が形成されている。
【0035】
一方、このキャリア本体68と対向する上述の第二ハウジング42には、複数の内ピン66の夫々の先端部が圧入(軽圧入)される複数の圧入孔74が形成されている。この複数の圧入孔74のうち貫通孔72と同軸上に位置する圧入孔74には、ネジ孔部74A(図1参照)が形成されている。そして、このキャリア本体68及び第二ハウジング42は、貫通孔72にボルト76が挿通されると共に、このボルト76の先端部がネジ孔部74Aに螺入されることにより互いに固定されている。なお、貫通孔72は、複数の内ピン66のうち少なくともいずれかに形成されていれば良い。また、複数の圧入孔74の全てにネジ孔部74Aが形成されていても良い。
【0036】
また、このようにしてボルト76の先端部がネジ孔部74Aに螺入されることに伴って、複数の内ピン66の夫々の先端部が複数の圧入孔74に圧入され、これにより、複数の内ピン66の夫々の先端部が第二ハウジング42に固定されている。
【0037】
ハブ26は、概略筒状のケース78と、このケース78に形成された開口部のうち他方の固定軸14側に位置する開口部を塞ぐカバー80とを有している。ケース78には、ロータ16、ステータ18、モータハウジング20、キャリア24、外歯歯車22、及び、内歯歯車28等が収容されている。また、このケース78に形成された開口部のうち一方の固定軸12側に位置する開口部には、軸受収容部82が形成されており、この軸受収容部82には、第三軸受の一例である軸受84が収容されている。この軸受84は、一方の固定軸12に一体回転可能に固定された上述のスペーサ46に対してケース78を回転可能に支持している。
【0038】
一方、カバー80の中央部には、軸受収容部86が形成されており、この軸受収容部86には、第三軸受の一例である軸受88が収容されている。この軸受88は、他方の固定軸14に一体に形成されたキャリア24に対してカバー80を回転可能に支持している。また、このカバー80は、内歯歯車28よりも径方向外側に設けられた固定部90において内歯歯車28とボルト92により固定されている。さらに、このカバー80は、ボルト94によりケース78に固定されている。
【0039】
内歯歯車28は、上述の外歯歯車22及びキャリア24と共に減速機構を構成しており、内周面に複数の内歯28A(図3参照)を有している。この内歯歯車28には、外歯歯車22が内接噛合されている。
【0040】
そして、この駆動ユニット10では、ロータ16と共に出力軸34が回転されると、偏芯軸36が回転され、これにより、内歯歯車28と外歯歯車22との噛み合い位置が変化することにより、内歯歯車28と共にハブ26が回転される。
【0041】
また、図1,図2に示されるように、この駆動ユニット10において、一方の固定軸12、第一軸受56,60(図1参照)、ロータ16、ステータ18、モータハウジング20、及び、スペーサ46(図1参照)は、互いに組み立てられてモータアッセンブリ96を構成している。また、偏芯軸36、軸受62、軸受70、及び、外歯歯車22は、互いに組み立てられてギアアッセンブリ98を構成している。さらに、図1,図3に示されるように、カバー80、軸受88、及び、内歯歯車28は、互いに組み立てられてカバーアッセンブリ100を構成している。
【0042】
そして、この駆動ユニット10は、例えば、次の要領で組み立てられている。すなわち、先ず、モータアッセンブリ96、ギアアッセンブリ98、及び、カバーアッセンブリ100がそれぞれ組み立てられる。
【0043】
続いて、貫通孔72にボルト76が挿通されると共に、ボルト76の先端部がネジ孔部74Aに螺入されることにより、キャリア本体68及び第二ハウジング42が互いに固定される。このとき、ボルト76の先端部がネジ孔部74Aに螺入されることに伴って、複数の内ピン66の夫々の先端部が複数の圧入孔74に圧入される。
【0044】
また、このキャリア本体68の第二ハウジング42への組み付けと前後して、軸受84が軸受収容部82に組み付けられると共に、ケース78にモータアッセンブリ96が組み付けられる。そして、この状態で、カバー80がボルト94によりケース78に固定される。以上の要領で、駆動ユニット10は、組み立てられる。
【0045】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0046】
この駆動ユニット10によれば、巻線186の端部186Aと接続される端子189の端部接続部189Dが、巻線部188における延出部188Cの軸方向外側の端面188Dよりも軸方向内側に配置されているので、端部接続部189Dが端面188Dよりも軸方向外側に配置される構成に比べて、駆動ユニット10の軸方向長さを抑えることができる。また、この駆動ユニット10によれば、巻線186の端部186Aと接続される端子189の端部接続部189Dが、巻線部188における巻線部本体188Bの軸方向外側の端面188Aよりも軸方向内側に配置されているので、端部接続部189Dが端面188Aよりも軸方向外側に配置される構成に比べて、駆動ユニット10の軸方向長さを抑えることができる。
【0047】
また、この駆動ユニット10によれば、端子189の端部接続部189Dが、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)の径方向内側に配置されているので、端部接続部189Dが、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)の径方向外側に配置される構成に比べて、駆動ユニット10の径方向長さも抑えることができる。
【0048】
このように、本実施形態に係る駆動ユニット10によれば、その軸方向及び径方向において小型化を図ることができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る駆動ユニット200について説明する。図6〜図8には、第2実施形態に係る駆動ユニット200の構成が図示されている。ここでは、前述の第1実施形態に係る駆動ユニット10の構成と異なる部分について説明し、同一部分については、適宜説明を省略する。なお、駆動ユニット100の構成と同一機能を有する部分には、同一符号を付している。
【0050】
第2実施形態に係る駆動ユニット200では、図6及び図7に示されるように、巻線部188の延出部188Cが、ステータコア182(巻線部本体188B)に対する径方向内側(矢印B2側)へ径方向(軸方向と直交する方向)に沿って延出されている。具体的には、延出部188Cの端部186Aは、その軸方向(長さ方向)が径方向に沿うように配置されている。
【0051】
また、金属製の各端子189は、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)の径方向内側において径方向に沿って配置された板状の本体部189Aと、本体部189Aに連結され延出部188Cの端部186Aと接続される端部接続部189Dと、本体部189Aに連結され外部と接続される外部接続部189Cと、を有している。本体部189Aは、具体的には、軸方向(矢印A方向)に厚みを有すると共に、径方向(矢印B方向)に長さを有する板状に形成されている。本体部189Aには、後述の取付部41の固定部41Bが挿入される挿入孔189Eと、後述の取付部41の凸部41Aが嵌め込まれる嵌込孔189Fと、が形成されている。嵌込孔189Fは、挿入孔189Eに対する径方向外側(矢印B1側)に配置されている。
【0052】
端部接続部189D及び外部接続部189Cは、本体部189Aにおける嵌込孔189Fに対する径方向外側部分において径方向に沿って配置されている。従って、端部接続部189D及び外部接続部189Cは、挿入孔189E及び嵌込孔189(取付部41に対する固定部分)から、径方向外側にずれた位置に配置されている。
【0053】
また、端部接続部189Dは、本体部189Aにおけるロータ16の周方向(図7における矢印C方向)一方側に配置され、外部接続部189Cは、本体部189Aにおけるロータ16の周方向の他方側に配置されている。
【0054】
そして、端部接続部189Dは、延出部188Cの端部186Aをその軸方向外側から本体部189Aとの間に挟んで、端部186Aと接合されている。すなわち、本体部189Aの径方向外側部分及び端部接続部189Dと、延出部188Cの径方向内側部分としての端部186Aとが、軸方向に重なって接合されている。外部接続部189Cは、外部からの電線190をその軸方向外側から本体部189Aとの間に挟んで、電線190と接合されている。
【0055】
また、第2実施形態に係る駆動ユニット200では、樹脂製のモータハウジング20の第一ハウジング40の一部が、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)の径方向内側であって、ロータ16の軸方向外側に配置されており、端子189が取り付けられる取付部41を構成している。この取付部41には、嵌込孔189Fに嵌め込まれ軸方向外側に凸状とされた凸部41Aと、凸部41Aの径方向内側に設けられ端子189を固定する固定部41Bと、が形成されている。
【0056】
固定部41Bは、具体的には、端子189の挿入孔189Eに挿入され軸方向外側に突出すると突出部41Cと、突出部41Cの先端部で突出部41Cの径方向外側に張り出したフランジ部41Dと、で構成されている。
【0057】
具体的には、端子189は、固定部41Bによって以下のように取付部41に対して固定される。
【0058】
図8に示されるように、固定部41Bは、端子189を固定する固定前において、円柱状をしており、フランジ部が形成されていない形状(状態)とされている。また、延出部188Cは、端子189を固定する固定前において、巻線部本体188Bから軸方向外側に延出された状態となっている。
【0059】
そして、図7に示されるように、延出部188Cの端部186Aを、端部接続部189Dで本体部189Aとの間に挟んで、端部接続部189Dと端部186Aをと接合する。
【0060】
次に、端子189の挿入孔189Eに対して円柱状の固定部41Bが挿入され、かつ、端子189の嵌込孔189Fに対して凸部41Aが嵌め込まれるように、延出部188Cの根元部分を折り曲げる。これにより、本体部189Aは、嵌込孔189Fに凸部41Aが嵌め込まれると共に、挿入孔189Eに固定部41Bが挿入されることで、取付部41に対して、位置決めされる。
【0061】
そして、円柱状の固定部41Bを、軸方向外側から加熱しながら加圧すること(熱かしめ)により、径方向外側に張り出したフランジ状(鍔状)に形成する。これにより、突出部41C及びフランジ部41Dを有する固定部41Bとなる。
【0062】
以上のように端子189が固定部41Bによって固定されることより、端部186Aと端子189とは、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)に対する径方向内側で接続されている。また、端子189は、延出部188Cの軸方向外側の端面188Dよりも軸方向内側で、端部186Aと接続されている。具体的には、端子189は、延出部188Cの軸方向外側の端面188Dと、ロータ16の軸方向外側の端面16Aとの間で、端部186Aと接続されている。
【0063】
なお、端子189は、巻線部188の巻線部本体188Bの端面188Aよりも軸方向内側で、端部186Aと接続される構成であってもよい。
【0064】
このように、第2実施形態に係る駆動ユニット200では、端子189が、延出部188Cの軸方向外側の端面188Dと、ロータ16の軸方向外側の端面16Aとの間で、端部186Aと接続されているので、駆動ユニット200の軸方向長さを抑えることができる。
【0065】
また、第2実施形態に係る駆動ユニット200では、径方向に沿って配置された端子189及び端部186Aが、軸方向に重ねられて接合されるので、径方向に沿って接合代を長くとることができる。接合代を長くとることで、接合不良が生じにくく、装置の信頼性を向上させられる。また、径方向に沿って接合代を長くとったとしても、駆動ユニット220の軸方向長さに影響がなく、当該軸方向長さを抑えることができる。
【0066】
次に、本発明の実施形態の変形例について説明する。
【0067】
上述の本発明の実施形態において、駆動ユニット10、200は、電動自転車の動力源として使用されていたが、その他の用途に使用されても良い。
【0068】
また、ケース78は、スペーサ46に軸受84を介して回転可能に支持されていたが、一方の固定軸12に軸受84を介して回転可能に支持されていても良い。
【0069】
同様に、カバー80は、キャリア24に軸受88を介して回転可能に支持されていたが、他方の固定軸14に軸受88を介して回転可能に支持されていても良い。
【0070】
また、第1及び第2実施形態では、端部接続部189Dと延出部188Cの端部186Aとは、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)の径方向内側で接続されていたが、延出部188Cの端面188Dよりも、軸方向内側(軸方向におけるステータコア側)で接続されていれば、ステータコア182(巻線部188の巻線部本体188B)の径方向外側で接続されていても良い。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0072】
10・・・駆動ユニット、16・・・ロータ、182・・・ステータコア、184・・・絶縁部材、186・・・巻線、188・・・巻線部、189・・・端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸方向周りに回転自在に支持されたロータと、
前記ロータの径方向外側に設けられたステータコアと、
絶縁部材を介して前記ステータコアに巻線が複数回巻き回された巻線部と、
前記絶縁部材に支持され、前記巻線部における前記軸方向外側の端面よりも前記軸方向内側で前記巻線の端部が接続され、外部からの電力が供給される端子と、
を備えた駆動ユニット。
【請求項2】
前記巻線の端部と前記端子とは、前記ステータコアに対する前記径方向内側で接続されている請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記巻線の端部と前記端子とは、前記径方向に沿って配置されると共に、前記軸方向に重ねられて接合されている請求項1又は2に記載の駆動ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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