説明

駐車空間監視装置

【課題】より高精度に駐車空間を算出することができる駐車空間監視装置を提供する。
【解決手段】駐車空間監視装置は、超音波センサ2,3を通じて車両1周辺の障害物と車両1との相対距離及び相対角度から車両1に対する障害物の相対位置を検知する。車両用障害物監視装置は、超音波センサ2,3が検知した障害物の各相対位置情報を各検知時の車両1の移動情報と関連付けて記憶する記憶部8に記憶された各相対位置情報から駐車空間を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駐車を支援するために駐車空間を監視する駐車空間監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場等において車両を駐車することは、障害物や他の駐車車両の位置を把握するのが難しく、難易度の高い運転操作である。このため駐車時の運転支援を行う駐車支援装置が各種提案されている。例えば、特許文献1に示される駐車支援装置は、超音波センサ及び車速センサを用いて、車両が後退を開始するまでの間に、車両と車両周辺の駐車車両との距離を検知し、検知距離データ及び車両の進行距離データを記憶する。同駐車支援装置は、進行距離データから車両の進行方向における駐車車両の長さを算出する際に、同進行距離データを積算して求められる駐車車両の長さよりも短くなるように、駐車車両の大きさを決定し、駐車予定領域(駐車空間)を設定する。そして、駐車支援装置は、同駐車予定領域との位置関係を算出して、駐車するための運転支援を行う。
【特許文献1】特開2006−7875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の駐車支援装置において、検知した駐車車両の大きさよりも短くなるように駐車車両の幅を算出しているのは、以下の理由による。即ち、上記の超音波センサは、扇形状や長楕円形状の検知範囲を持ち、駐車車両等の障害物が超音波センサの正面に位置していなくとも、この検知範囲に属する場合には、障害物を検知するためである。
【0004】
このように、検知した障害物(駐車車両)の長さを短く算出する、即ち実際の障害物の長さに近づけるための補正をすることにより、ある程度は正確に駐車空間を算出することができる。しかし、実際の障害物の大きさを正確に検知できていない以上、たとえ補正を行った場合であれ、駐車空間を正確に算出できないおそれがあった。そのため、より高精度に駐車空間を算出することができる駐車空間監視装置が求められていた。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高精度に駐車空間を算出することができる駐車空間監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、車両周辺の障害物と同車両との相対距離及び相対角度から同車両に対する障害物の相対位置を所定期間毎に検知する障害物検知手段と、前記障害物検知手段が検知した前記障害物の各相対位置情報を各検知時の車両の移動情報と関連付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記各相対位置情報から駐車空間を算出する駐車空間算出手段とを備えることを特徴とする駐車空間監視装置であることをその要旨としている。
【0007】
同構成によれば、車両周辺の障害物と車両との相対距離及び相対角度から車両に対する障害物の相対位置を所定期間毎に検知するため、障害物との相対距離だけでなく、相対角度を加味することにより障害物の車両に対する相対位置をより正確に把握することができる。そして、各相対位置情報は検知時の車両の移動情報と関連付けられているため、正確に把握した相対位置に車両の移動情報を加味することにより、障害物の大きさを正確に把握することができる。そして、同障害物の検知位置情報から駐車空間を算出することで、正確な障害物の大きさに基づいて駐車空間を算出することができるため、より高精度に駐車空間を算出することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駐車空間監視装置において、前記障害物検知手段は、送受信兼用の第1超音波センサと、受信専用の第2超音波センサとが離間して配置され、同第1超音波センサから送信された超音波の障害物からの反射波を同第1超音波センサ及び同第2超音波センサにより受信して、同反射波に基づき障害物と車両との相対距離及び相対角度を算出し、同車両に対する障害物の相対位置を検知することをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、第1超音波センサから送信された超音波の障害物からの反射波を第1超音波センサ及び第2超音波センサにより受信することで、障害物と第1超音波センサとの距離、及び障害物と第2超音波センサとの距離をそれぞれ検知することができる。そして、障害物と第1超音波センサとの距離、及び障害物と第2超音波センサとの距離の差と、第1超音波センサ及び第2超音波センサの離間距離とから第1超音波センサ及び第2超音波センサに対する障害物との相対角度を検知することができる。よって、障害物と第1超音波センサ及び第2超音波センサとの相対距離と相対角度とから車両に対する障害物の相対位置を検知することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の駐車空間監視装置において、前記駐車空間算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記相対位置情報と前記移動情報とに基づいて算出される障害物の検知位置を二次元マップに展開し、同二次元マップに基づき前記駐車空間を算出することをその要旨としている。
【0011】
相対位置情報は検知時における車両に対する障害物の相対位置であり、相対位置情報から駐車空間を算出するためには、車両の移動情報を加えて、障害物の全体像を把握する必要がある。そこで、上記構成によれば、相対位置情報と車両の移動情報とに基づいて障害物の検知位置を二次元マップに展開して駐車空間を算出している。すなわち、2つの情報を1つの情報に変換している。このため、相対位置情報と車両の移動情報との両方を別々に演算して駐車空間を算出することに比べ、障害物を把握するための演算を減らすことができるとともに、駐車空間の算出が容易となり、ひいては駐車支援時に駐車可能か否かの判断が速くなる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の駐車空間監視装置において、前記駐車空間算出手段は、車両の移動に伴い検知される前記相対位置情報が前記記憶手段に記憶される度に前記検知位置を前記二次元マップに逐次展開することをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、車両の移動に伴って記憶される相対位置情報に基づいて障害物の検知位置が二次元マップに逐次展開されるため、駐車空間を遅れなく把握することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の駐車空間監視装置において、前記駐車空間算出手段は、前記二次元マップに展開された前記検知位置のうち駐車空間を算出するために不要な検知位置を除去することにより前記二次元マップを最適化することをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、二次元マップに展開された検知位置のうち駐車空間を算出するために用いる所定個数の検知位置以外を除去し、二次元マップを最適化する。このため、演算に用いる検知位置を減らすことができ、演算を容易にすることができる。また、この二次元マップを用いた駐車支援を行う際にも同様に演算を容易に行うことができるようになる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の駐車空間監視装置において、前記記憶手段は、車両の移動情報として舵角情報を含み、前記障害物検知手段が検知した前記相対位置情報を同移動情報と関連付けて記憶することをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、車両の移動情報として舵角情報を含むため、運転者がステアリングホイールを操作して車両が直進でない方向へ移動しても、障害物の車両に対する相対位置を正確に検知することができる。ひいては、駐車空間を正確に把握できるようになる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の駐車空間監視装置において、前記障害物検知手段により検知される車両に対する障害物の相対位置に基づき障害物の存在を報知する報知手段を備え、同報知手段が障害物の存在を報知する障害物検知モードと、駐車空間を算出する駐車空間算出モードとのいずれかに切り替えられる切替手段を備えることをその要旨としている。
【0018】
駐車場等では車両が駐車車両等の障害物の近傍を通過するため、障害物を検知するようにした場合には、障害物が常に検知され、注意を促すための報知が連続的に行われることとなり、煩わしい。そこで、上記構成によれば、切替手段によって車両周辺の障害物の存在を報知する障害物検知モードと、駐車空間を算出する駐車空間算出モードとのいずれかに切り替えられる。このため、駐車場等では障害物検知モードから駐車空間モードに切り替えることにより、注意を促すための報知が連続的に行われることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、より高精度に駐車空間を算出することができる駐車空間監視装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明にかかる駐車空間監視装置を駐車支援装置に具体化した一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
<全体構成>
図1に示されるように、駐車支援装置は、車両1周辺の障害物を検知するために超音波を送受信する左側超音波センサ2及び右側超音波センサ3と、左側超音波センサ2及び右側超音波センサ3からの検知結果に基づき各種演算を行う制御装置4と、車両1の種々の情報を検出して、制御装置4へ出力する車両情報出力部5とを備えている。また、駐車支援装置は、運転者が車両1を駐車させる操作を支援するために制御装置4からの指令に基づき音声案内や注意を促す報知手段としての報知部12と、超音波センサ2,3によって検知された障害物の存在を報知する障害物検知モードと駐車空間を算出する駐車空間算出モードとの切り替えを行うモード切替スイッチ13とを備えている。モード切替スイッチ13は、運転席等に設けられている。ここで、障害物検知手段は、左側超音波センサ2及び右側超音波センサ3と、制御装置4とからなる。
【0021】
図2に示されるように、左側超音波センサ2及び右側超音波センサ3は、第1超音波センサ2a,3aと、第2超音波センサ2b,3bとの2つからそれぞれ構成され、車両1の左右両側面に設けられている。即ち、第1超音波センサ2a,3aは、超音波を車両1の側方へ送信するとともに車両1周辺の障害物に反射した超音波(反射波)を受信する送受信兼用の超音波センサである。第2超音波センサ2b,3bは、超音波を受信のみする受信専用の超音波センサである。なお、第1超音波センサ2a,3aと第2超音波センサ2b,3bとは、超音波センサ2,3を構成する図示しない単一の筐体の内部において車両1の前後方向へ所定の距離(センサ間距離)Dsを隔ててそれぞれ配置されている。
【0022】
図1に示されるように、制御装置4は、送受信部6を通じて超音波センサ2,3から超音波を所定の送信周期で送信させるとともに、送受信部6を通じて同超音波の障害物からの反射波を受信することにより、同反射波に基づいて障害物の相対位置情報を取得する制御部7を備えている。制御部7は、同送受信部6からの相対位置情報と車両情報出力部5からの車両1の移動情報とを関連付けて記憶手段としての記憶部8に記憶する。また、制御部7は、記憶部8に記憶された障害物の相対位置情報と車両の移動情報とに基づいて駐車空間を算出する駐車空間算出手段として機能する。
【0023】
車両情報出力部5は、車両1の移動情報を制御部7へ出力するものの総称であり、例えば、車両1の速度を検出し、前記移動情報として出力する速度センサ9と、変速機のシフト位置を検出し、前記移動情報として出力するシフトセンサ10と、ステアリングホイールの操舵角を検出し、前記移動情報として出力する舵角センサ11とを備えている。制御部7は、シフトセンサ10から入力されるシフト位置情報に基づき、車両1の入力から前進又は後進を、舵角センサ11から入力される舵角情報に基づき車両の進行方向を、速度センサ9から入力される速度情報から車両1の速度を認識する。
【0024】
<障害物の検知方法>
次に、左側超音波センサ2及び右側超音波センサ3による障害物の検知方法について図2(a)及び図2(b)を参照して説明する。ここでは左側超音波センサ2について説明し、右側超音波センサ3については対応する部材名称及び符号等を括弧書きとする。ここで、iは所定周期毎に対応する値を示す添え字である。
【0025】
図2(a)に示されるように、左側超音波センサ2(右側超音波センサ3)は、超音波の送信を通じて、センサ面20(30)の正面に扇形状の検知範囲Asiを形成する。左側超音波センサ2(右側超音波センサ3)は、例えば破線で示された障害物Eが検知範囲Asi内に進入した際には、障害物Eに反射した超音波(反射波)を受信する。制御部7は、センサ面20(30)において第1超音波センサ2a(3a)と第2超音波センサ2b(3b)との中点となるセンサ中心Osiと障害物との最短距離となる白丸印○で示された障害物Eの位置を車両1との相対位置Piとして検知し、この相対位置Piの情報を取得する。即ち、制御部7は、センサ中心Osiと白丸印○で示される位置Piとの相対距離Riと、センサ中心Osiを通り、センサ面20(30)に直交するセンサ法線Hと、センサ中心Osiと位置Piとを結んだ線分Fとがなす相対角度θiとから車両1に対する障害物Eの相対位置Pi(Ri,θi)を検知する。
【0026】
前述したように、検知範囲Asi内に障害物Eが存在する場合、図2(b)に示されるように、第1超音波センサ2a(3a)から送信された超音波(送信波A1)は、障害物Eに反射して、反射波として第1超音波センサ2a(3a)及び第2超音波センサ2b(3b)に受信される。ここで、障害物Eは、第2超音波センサ2b(3b)に近い側に存在するため、第1超音波センサ2a(3a)よりも第2超音波センサ2b(3b)が先に反射波を受信することになる。即ち、第2超音波センサ2b(3b)は、第1超音波センサ2a(3a)から超音波が送信されてから受信時間T1経過後に反射波C1を受信する。受信時間T1は、第1超音波センサ2a(3a)から超音波が送信されてから障害物Eに反射して第2超音波センサ2b(3b)に入射するまでの時間である。第1超音波センサ2a(3a)は、第2超音波センサ2b(3b)が反射波C1を受信してから受信時間差T2経過後に反射波C2を受信する。なお、送信波A1の送信と同時に第1超音波センサ2a(3a)及び第2超音波センサ2b(3b)には、残響波B1,B2が受信される。
【0027】
図2(a)に示されるように、相対角度θiは、三角測量の原理により、第1超音波センサ2a,3aと第2超音波センサ2b,3bとの超音波の受信時間差T2と、第1超音波センサ2a,3aと第2超音波センサ2b,3bとのセンサ間距離Dsとに基づき算出する。相対距離Riは、障害物Eに近い側の超音波センサの受信時間(ここではT1。)に基づき算出される距離を近似値として用いる。
【0028】
<駐車車両の検知>
次に、駐車車両の検知方法について図3を参照して説明する。ここでは、駐車車両Cpの前方を車両1が通過する場合について示している。
【0029】
図3に示されるように、駐車場等において、両超音波センサ2,3は、時刻t0から超音波の送信周期である所定時刻毎t1,t2,…に検知範囲As1,As2,…を形成する。両超音波センサ2,3は、検知範囲As1,As2,…に存在する障害物(駐車車両Cp)との最短距離となる位置を検知し、送受信部6を通じて相対位置P1,P2,…の情報を取得する。駐車車両等の障害物が存在しない場合には、送信された超音波が反射されないため相対位置情報は取得されない。制御部7は、車両情報出力部5から出力される車両1の移動情報と関連付けて相対位置P1,P2,…の情報を記憶部8に記憶させる。図3中では、障害物としての駐車車両Cpに対する所定時刻毎t1,t2,…に検知される車両1に対する駐車車両Cpの相対位置P1,P2,…を白丸印○で示している。なお、図3中の黒丸印●は、従来の駐車支援装置によって検出される検知位置を示している。
【0030】
本実施形態の駐車支援装置によって検知された白丸印○で示される駐車車両Cpの大きさは、従来の駐車支援装置によって検知された黒丸印●で示される駐車車両Cpの大きさより高精度である。なぜならば、超音波センサ2,3は、車両1に対する障害物の相対距離だけでなく、相対角度を加味することにより車両に対する障害物の相対位置を検知しているからである。ちなみに、本実施形態の駐車支援装置によって検知された各相対位置P1,P2,…に基づき駐車車両Cpの幅Wcを算出すれば、従来の駐車支援装置によって計測される黒丸印●で示される駐車車両Cpの幅WLよりも正確に計測される。
【0031】
<二次元マップへの座標変換>
駐車支援装置は、車両1の移動情報と関連付けて記憶部8に記憶された相対位置P1,P2,…の情報と車両の移動情報とに基づいて障害物の検知位置Qiを駐車空間マップ(二次元マップ)Mに展開し、同駐車空間マップMに基づき駐車空間を算出する。
【0032】
次に、上記のように検知された相対位置P1,P2,…の情報と車両1の移動情報とに基づいて算出される障害物の検知位置Qiの駐車空間マップ(二次元マップ)Mへの展開について図4(a)及び図4(b)を参照して説明する。なお、時刻t0におけるセンサ中心Osiの位置を原点Oとして、車両1の前面方向をY軸とし、同Y軸と直交する方向をX軸とする二次元マップに各検知位置Qiを展開する。
【0033】
記憶部8に記憶された各相対位置Piはセンサ中心Osiに対する障害物の相対距離Ri及び相対角度θiから求められるため、制御部7は記憶部8に記憶された車両1の移動情報を加えて駐車空間マップMにおける擬似的な検知位置Qiを算出する。即ち、センサ中心Osi(Xsi,Ysi)に対する障害物の相対位置Piの情報を車両1の移動情報を利用して二次元マップ上へ座標変換を行う。
【0034】
図4(a)に示されるように、車両1の走行方向であるY軸とセンサ中心Osiを通りセンサ面20(30)に直交するセンサ法線Hとがなす角度をセンサ角度αとすると、検知位置Qi(Xi,Yi)は以下のように算出される。
【0035】
Xi=Xsi+Ri・sin(α−θi) …(式1)
Yi=Ysi+Ri・cos(α−θi) …(式2)
また、図4(b)に示されるように、車両1の進行方向が時刻t0における車両1の走行方向であるY軸から外れるような場合には、舵角センサ11からの舵角情報に基づき、進行方向に対するセンサ法線Hの角度である車両進行角度βが算出され、同車両進行角度βを使用して、検知位置Qi(Xi,Yi)は以下のように算出される。
【0036】
Xi=Xsi+Ri・sin(α+β−θi) …(式3)
Yi=Ysi+Ri・cos(α+β−θi) …(式4)
このようにして、各相対位置P1,P2,…の情報と車両1の走行情報とに基づいて検知位置Qiが算出され、検知位置Qiが駐車空間マップMに展開される。制御部7は、こうした駐車空間マップMに基づき、駐車車両等の障害物を把握し、ひいては後述する駐車空間の算出を行うことで、その演算負荷の軽減が図られている。これは、2つの情報を1つの情報に変換して障害物を把握するため、センサ中心Osiに対する相対位置Piの情報と車両1の移動情報との両方を別々に演算して障害物を把握することに比べて演算が容易となる。
【0037】
<駐車空間の算出>
次に、前述のように構成された駐車支援装置の動作態様について説明する。
ここでは、図5に示されるように、例えば、2台の駐車車両Cp1,Cp2が間隔をおいて並列に駐車されている駐車場において、これら駐車車両Cp1,Cp2間に車両1を駐車する場合について説明する。なお、図5は、駐車場を示す平面図に、駐車空間マップMを重ね合わせて示している。
【0038】
運転者は、駐車場等に入ったら切替手段としてのモード切替スイッチ13を操作して、通常設定されている障害物検知モードから、駐車空間を算出し、駐車の可否を判断する駐車空間算出モードに切り替える。
【0039】
車両1がこれら駐車車両Cp1,Cp2の前方を通過することに伴い、制御部7は左側超音波センサ2により時刻t0から所定時刻毎t1,t2,…に検知された相対位置P1,P2,…の情報を検知位置Qiとして駐車空間マップMに展開する。なお、制御部7は、相対位置Piが検知され、車両1の移動情報と関連付けられて記憶部8に記憶される度に、検知位置Qiを駐車空間マップMに逐次展開する。車両1は等速で移動しているとする。以下に駐車空間の算出手順を示す。
【0040】
まず、制御部7は、時刻t0におけるセンサ中心Osiの位置を駐車空間マップMの原点Oとする駐車空間マップMを作成する。そして、制御部7は、時刻t0においては、左側超音波センサ2の検知範囲As0に障害物がなく、障害物が検知されないため、制御部7は検知位置Q0を駐車空間マップMに展開しない。
【0041】
制御部7は、時刻t1において、左側超音波センサ2の検知範囲As1に障害物となる駐車車両Cp1が存在するため、検知位置Q1を駐車空間マップMに展開する。即ち、図6(a)に示されるように、制御部7は、記憶部8に記憶された相対位置P1(R1,θ1)の情報及び車両1の移動情報(ここでは、車速。)を取得し、同移動情報から時刻t0から時刻t1までの間の移動距離、即ち原点Oに対するセンサ中心Os1の位置を算出する。ここでは、車両1が等速で直進しているので、時刻t0から時刻t1までの間の移動距離はd1となり、センサ中心Os1の座標は(0,d1)となる。よって、前述した二次元マップへの座標変換の(式1)及び(式2)を用いて、検知位置Q1(X1,Y1)を算出し、同検知位置Q1を駐車空間マップMに展開する。ここで、各パラメータは、Xsi=0、Ysi=d1、Ri=R1、α=90°、θi=θ1となる。
【0042】
X1=R1・sin(90°−θ1)=R1cosθ1
Y1=d1+R1・cos(90°−θ1)=d1+R1sinθ1
制御部7は、時刻t2においても同様に、左側超音波センサ2の検知範囲As2に障害物となる駐車車両Cp1が存在するため、検知位置Q2を駐車空間マップMに展開する。即ち、制御部7は、記憶部8に記憶された相対位置P2(R2,θ2)の情報及び車両1の移動情報を取得し、同移動情報から時刻t0から時刻t2までの間の移動距離を算出する。ここでは、車両1が等速で直進しているので、単位時間当たりの移動距離は一定となる。すなわち、移動距離はd1の積算値となるため2×d1となり、時刻t2でのセンサ中心Os2の座標は(0,2d1)となる。よって、座標変換の(式1)及び(式2)を用いて、検知位置Q2(X2,Y2)を算出し、同検知位置Q2を駐車空間マップMに展開する。ここで、各パラメータは、Xsi=0、Ysi=2d1、Ri=R2、α=90°、θi=θ2となる。
【0043】
X2=R2cosθ2
Y2=2d1+R2sinθ2
図6(b)に示されるように、制御部7は、時刻t3以降、各時刻tiにおいて障害物を検知した際には、検知位置Qiを駐車空間マップMに逐次展開する。なお、障害物となる駐車車両Cpがない部分は、検知無しとなり、駐車空間マップMに検知位置Qiは展開されない。ここでは、図5に併せて示されるように、制御部7は、時刻t1から時刻t10までの検知位置Q1から検知位置Q10と、時刻t31から時刻t40までの検知位置Q31から検知位置Q40とを駐車空間マップMに展開する。一方、時刻t11から時刻t30までの間は障害物が検知されず、制御部7は駐車空間マップMに展開しない。
【0044】
そして、図7(a)に示されるように、制御部7は、検知無しが継続している区間の前後の所定個数(本実施形態では8個。)の検知位置Qiをそれぞれ残して、不要な他の検知位置Qiを削除することにより最適化を行う。即ち、制御部7は、二点鎖線で示される最適化範囲Amに存在する検知位置Qiに基づいて駐車空間を算出する。このように最適化するのは、検知無しが連続している距離を検出することができれば、車両1が駐車することができる空間があるか否かを判断することができるためである。また、演算量を減らすこともできる。また、制御部7は、最適化として検知位置Qiが連続せず1個だけ検出されたような場合にも、同検知位置Qiを削除する。このようにすれば、例えば、超音波センサ2,3が外乱の影響を受けることにより駐車空間マップMに誤って展開された検知位置Qiが存在する場合に駐車空間がないと判断されることを防ぐことができる。
【0045】
図7(b)に示されるように、制御部7は、最適化範囲Amにおいて、検知位置Qiが検知されない非検知区間の非検知距離Lyを算出し、同非検知区間の両側から所定の余裕幅Woを減算した開口部の開口距離Lkを算出する。この開口部を入口とする空間が駐車空間となる。余裕幅Woは、車両1の乗降時に必要となる空間を確保するための幅である。
【0046】
図8に示されるように、制御部7は、開口距離Lkが車両1の幅Wc0以上の場合(Lk≧Wc0)には駐車可能と判断し、報知部12を介して駐車空間へ誘導する旨の報知を行う。一方、制御部7は、開口距離Lkが車両1の幅Wc0より小さい場合(Lk<Wc0)には駐車不可能と判断し、報知部12を介して駐車できない旨の報知を行う。
【0047】
制御部7は、駐車可能と判断した場合には、現在のセンサ中心の位置と開口部との位置関係から前進させるのか後進させるのかと、ステアリングホイールの回動量及び回動方向とを運転者に報知部12を介して報知し、駐車支援を行う。例えば、制御部7は、報知部12を介して「ハンドルを右に回動させて後退する」等の報知を行い、駐車支援を行う。
【0048】
なお、駐車空間の奥行き方向については、駐車車両Cp1と駐車車両Cp2との間を通過する際、あるいは駐車する際に運転者が目視により確認する。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
【0049】
(1)車両1周辺の障害物(駐車車両Cp)と車両1との相対距離Ri及び相対角度θiから車両1に対する障害物の相対位置Piを所定期間毎に検知するため、駐車車両Cpとの相対距離だけでなく、相対角度を加味することにより駐車車両Cpの車両1に対する相対位置Piを正確に把握することができる。そして、各相対位置情報は検知時の車両1の移動情報と関連付けられているため、正確に把握した相対位置Piに車両1の移動情報を加味することにより、駐車車両Cpの大きさを正確に把握することができる。そして、同駐車車両Cpの相対位置Piの情報から駐車空間を算出することで、正確な駐車車両Cpの大きさに基づいて駐車空間を算出することができるため、より高精度に駐車空間を算出することができる。
【0050】
(2)第1超音波センサ2a(3a)から送信された超音波の障害物(駐車車両Cp)からの反射波を第1超音波センサ2a(3a)及び第2超音波センサ2b(3b)により受信することで、駐車車両Cpと第1超音波センサ2a(3a)との距離、及び駐車車両Cp)と第2超音波センサ2b(3b)との距離をそれぞれ検知することができる。そして、駐車車両Cpと第1超音波センサ2a(3a)との距離、及び駐車車両Cpと第2超音波センサ2b(3b)との距離の差と、第1超音波センサ2a(3a)及び第2超音波センサ2b(3b)のセンサ間距離Dsとから第1超音波センサ2a(3a)及び第2超音波センサ2b(3b)に対する駐車車両Cpとの相対角度θiを検知することができる。よって、駐車車両Cpと第1超音波センサ2a(3a)及び第2超音波センサ2b(3b)との相対距離Riと相対角度θiとから駐車車両Cpとの相対位置Piを検知することができる。
【0051】
(3)相対位置Piの情報と車両1の移動情報とに基づいて検知位置Qiを駐車空間マップMに展開して、駐車空間を把握している。すなわち、2つの情報を1つの情報に変換している。このため、相対位置Piの情報と車両1の移動情報との両方を別々に演算して駐車空間を算出することに比べ、障害物を把握するための演算を減らすことができるとともに、駐車空間の算出が容易となり、ひいては駐車支援時の駐車可能か否かの判断が速くなる。
【0052】
(4)車両1の移動に伴って記憶される相対位置Piの情報が駐車空間マップMに逐次展開されるため、駐車空間を遅れなく把握することができる。
(5)駐車空間マップMに展開された検知位置Qiのうち駐車空間を算出するために用いる所定個数の検知位置Qi以外を除去し、駐車空間マップMを最適化する。このため、演算に用いる検知位置Qiを減らすことができ、演算を容易にすることができる。また、この駐車空間マップMを用いた駐車支援時に演算を容易に行うことができる。
【0053】
(6)車両1の移動情報として舵角情報を含むため、運転者がステアリングホイールを操作して車両1が直進でない方向へ移動しても、障害物の車両1に対する相対位置を正確に検知することができる。ひいては、駐車空間を正確に把握できるようになる。
【0054】
(7)駐車場等においては障害物検知モードから駐車空間モードに切り替えることにより、注意を促すための報知が連続的に行われることを防ぐことができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる駐車空間監視装置を駐車支援装置に具体化した第2の実施形態について、図9を参照して説明する。この実施形態の駐車支援装置は、駐車空間の開口部の幅が車両1の幅Wc0以上であるか否かだけでなく、駐車空間の奥行きの長さが車両1の長手方向、即ち全長以上であるか否かも判断できるようになっている点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0055】
図9に示されるように、車両1に設けられる超音波センサ22,23は、長楕円形状の検知範囲Bsiを形成する。この検知範囲Bsiの長軸の長さLxは車両1の全長Lc0よりも長く(Lx>Lc0)設定されている。これにより、並列駐車された駐車車両Cp1,Cp2の前方を通過して駐車空間を把握する際に、駐車車両Cp1と駐車車両Cp2とに挟まれた駐車空間の開口部の幅に加え、奥行きの長さも算出することができ、車両1が駐車可能か否かを判断することができる。
【0056】
具体的には、駐車支援装置は、第1の実施形態と同様に、車両1がこれら駐車車両Cp1,Cp2の前方を通過することに伴い、制御部7は左側超音波センサ22により時刻t0から所定周期の時刻毎t1,t2,…に検知された相対位置P1,P2,…の情報を検知位置Qiとして駐車空間マップMに展開する。
【0057】
時刻t0においては、左側超音波センサ22に検知範囲Bs0に障害物がなく、障害物が検知されてないため、制御部7は検知位置Qiを駐車空間マップMに展開しない。
制御部7は、時刻t1以降において、時刻t1から時刻t10までの検知位置Q1から検知位置Q10と、時刻t31から時刻t40までの検知位置Q31から検知位置Q40とを駐車空間マップMに展開する。一方、時刻t11から時刻t30までの間は障害物が検知されず、制御部7は駐車空間マップMに展開しない。なお、時刻t11から時刻t30までの間は左側超音波センサ22の検知範囲Bsiに障害物が存在しないため、駐車空間の奥行き方向において駐車可能か否かを判断することができる。
【0058】
制御部7は、検知位置Qiが検知されない非検知区間の非検知距離Lyを算出し、同被検知区間の両側から所定の余裕幅Woを減算した開口距離Lkを算出するとともに、検知範囲Bsiの長軸の長さLxから左側超音波センサ22と駐車車両Cp1,Cp2の先端との距離Lnを減算した奥行き距離Loを算出する。
【0059】
そして、制御部7はこれら開口距離Lk及び奥行き距離Loから駐車空間となる駐車範囲Apを算出し、車両1がこの駐車範囲Apに駐車可能か否かを判断する。制御部7は、開口距離Lkが車両1の幅Wc0以上(Lk≧Wc0)であり、且つ奥行き距離Loが車両1の全長Lc0以上(Lo≧Lc0)である場合には駐車可能と判断し、報知部12を介して駐車空間へ誘導する旨の報知を行う。一方、制御部7は、開口距離Lkが車両1の幅Wc0より小さい(Lk<Wc0)場合には駐車不可能と判断し、報知部12を介して駐車できない旨の報知を行う。また、開口距離Lkが車両1の幅Wc0以上(Lk≧Wc0)であって、奥行き距離Loが車両1の全長Lc0より小さい(Lo<Lc0)場合には必ずしも駐車できないこともないので、駐車する場合には周囲に注意するよう報知を行う。なお、駐車空間の奥行き方向に壁等があった場合には、その壁が超音波センサ22,23の検知範囲Bsiに存在するため、制御部7は、検知位置Qi(壁面上)を検知し、検知した検知位置Qiと駐車車両Cp1,Cp2の先端を繋いだ線との距離を奥行き距離Loとして、駐車空間を算出して、駐車可能か否かを判断する。
【0060】
駐車支援装置は、車両1を駐車範囲Apに駐車するよう駐車支援を行う。
上記のように、駐車車両Cp1,Cp2の位置(大きさ)を正確に算出して、同検知位置Qiから駐車空間となる駐車範囲Apを算出するため、より高精度に駐車空間を算出することができる。
【0061】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(7)の作用効果に加え以下の作用効果を奏することができる。
(8)超音波センサ22,23の検知範囲Bsiの長軸の長さLxを車両1の全長Lc0よりも大きくなるようにしたため、駐車空間の開口部の開口距離Lkに奥行き方向の奥行き距離Loを加えて、駐車空間を算出する。よって、より高精度に駐車空間を算出することができる。
【0062】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、並列駐車を行う際の駐車空間の算出について説明したが、縦列駐車を行う際の駐車空間の算出も行うことができる。縦列駐車の場合には、第1の実施形態では開口距離Lkと車両1の全長Lc0に余裕幅を加えた距離との比較を行う。縦列駐車の場合には、第2の実施形態では開口距離Lkと車両1の全長Lc0に余裕幅を加えた距離との比較に加え、奥行き距離Loと車両1の幅Wc0との比較を行う。
【0063】
・上記実施形態では、モード切替スイッチ13を備え、同モード切替スイッチ13が操作されると障害物検知モードと駐車空間算出モードとを切り替えるようにした。しかしながら、モード切替スイッチ13を省略し、駐車空間算出のみを行うようにしてもよい。なお、駐車空間を算出するか否かを切り替えるスイッチを備えてもよい。また、ナビゲーションと連動して、駐車場等の駐車操作を行う場所では自動で駐車空間算出を行うようにしてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、車両1の移動情報として舵角センサ11から舵角情報を取得することにより車両1の進行方向の算出を行い、進行方向の精度を高めるようにしたが、進行方向の変化がそれほどないと推定されるならば、車両1の移動情報として舵角情報を含めなくともよい。このようにすれば、情報が減るため演算量を少なくすることができる。
【0065】
・上記実施形態では、駐車空間を算出するために不要な検知位置Qiを除去するために、所定個数の検知位置Qiを削除したが、所定距離範囲に含まれない検知位置Qiを削除するようにしてもよい。
【0066】
・上記実施形態では、駐車空間マップMに展開された検知位置Qiのうち駐車空間を算出するために用いる所定個数の検知位置Qi以外を除去することにより駐車空間マップMを最適化した。しかしながら、演算量を減らす必要がない、又はノイズによる誤検知がないのであれば、最適化しなくてもよい。
【0067】
・上記実施形態では、検知位置Qiを駐車空間マップMに逐次展開したが、駐車空間を算出したい区間を走行したら、検知位置Qiを駐車空間マップMにまとめて展開したり、所定距離走行したら、検知位置Qiを駐車空間マップMにまとめて展開したりしてもよい。
【0068】
・上記実施形態では、相対位置Piの情報と車両1の移動情報とに基づいて検知位置Qiを算出して、同検知位置Qiを駐車空間マップMに展開し、同駐車空間マップMに基づき駐車空間を算出するようにした。しかしながら、超音波センサ2,3,22,23により検知された相対位置Piの情報と車両1の移動情報とを別々に演算して駐車空間を算出するようにしてもよい。
【0069】
・上記実施形態では、超音波センサ2,3の検知範囲を扇形状や長楕円形状にしたが、円形状等の他の形状に設定してもよい。
・上記実施形態では、超音波センサを用いたが、電磁波センサ等の他のセンサを用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】駐車支援装置の構成を示すブロック図。
【図2】(a)障害物検知手段の障害物検知を示す図、(b)障害物検知手段の送受信の波形を示す図。
【図3】駐車車両の検知を示す平面図。
【図4】(a)(b)検知位置の座標変換を示す図。
【図5】駐車場を示す平面図に二次元マップを重ね合わせた図。
【図6】(a)(b)二次元マップを示す図。
【図7】(a)(b)二次元マップを示す図。
【図8】二次元マップを示す図。
【図9】駐車場を示す平面図に二次元マップを重ね合わせた図。
【符号の説明】
【0071】
1…車両、2…左側超音波センサ、3…右側超音波センサ、2a,3a…第1超音波センサ、2b,3b…第2超音波センサ、4…制御装置、5…車両情報出力部、6…送受信部、7…制御部、8…記憶部、9…速度センサ、10…シフトセンサ、11…舵角センサ、12…報知部、13…モード切替スイッチ、20,30…センサ面、Asi…検知範囲、A1…送信波、B1,B2…残響波、C1,C2…反射波、Cp…駐車車両、Ds…センサ間距離、d1…移動距離、E…障害物、F…線分、H…センサ法線、Lc0…全長、Lk…開口距離、Ln…距離、Lo…奥行き距離、Lx…長軸の長さ、Ly…非検知距離、M…駐車空間マップ、O…原点、Osi…センサ中心、Pi…相対位置、Qi…検知位置、Ri…相対距離、T1…受信時間、T2…受信時間差、Wc0,Wc1,Wc2…車両の幅、Xi…検知位置X座標、Xsi…センサ中心X座標、Yi…検知位置Y座標、Ysi…センサ中心座標、α…センサ角度、β…車両進行角度、θi…相対角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周辺の障害物と同車両との相対距離及び相対角度から同車両に対する障害物の相対位置を所定期間毎に検知する障害物検知手段と、
前記障害物検知手段が検知した前記障害物の各相対位置情報を各検知時の車両の移動情報と関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記各相対位置情報から駐車空間を算出する駐車空間算出手段とを備える
ことを特徴とする駐車空間監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車空間監視装置において、
前記障害物検知手段は、送受信兼用の第1超音波センサと、受信専用の第2超音波センサとが離間して配置され、同第1超音波センサから送信された超音波の障害物からの反射波を同第1超音波センサ及び同第2超音波センサにより受信して、同反射波に基づき障害物と車両との相対距離及び相対角度を算出し、同車両に対する障害物の相対位置を検知する
ことを特徴とする駐車空間監視装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の駐車空間監視装置において、
前記駐車空間算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記相対位置情報と前記移動情報とに基づいて算出される障害物の検知位置を二次元マップに展開し、同二次元マップに基づき前記駐車空間を算出する
ことを特徴とする駐車空間監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載の駐車空間監視装置において、
前記駐車空間算出手段は、車両の移動に伴い検知される前記相対位置情報が前記記憶手段に記憶される度に前記検知位置を前記二次元マップに逐次展開する
ことを特徴とする駐車空間監視装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の駐車空間監視装置において、
前記駐車空間算出手段は、前記二次元マップに展開された前記検知位置のうち駐車空間を算出するために不要な検知位置を除去することにより前記二次元マップを最適化する
ことを特徴とする駐車空間監視装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の駐車空間監視装置において、
前記記憶手段は、車両の移動情報として舵角情報を含み、前記障害物検知手段が検知した前記相対位置情報を同移動情報と関連付けて記憶する
ことを特徴とする駐車空間監視装置。
【請求項7】
前記障害物検知手段により検知される車両に対する障害物の相対位置に基づき障害物の存在を報知する報知手段を備え、
同報知手段が障害物の存在を報知する障害物検知モードと、駐車空間を算出する駐車空間算出モードとのいずれかに切り替えられる切替手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の駐車空間監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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