説明

骨形成の刺激または強化および細胞の自己再生のための組成物および方法

石灰化の刺激または強化、および細胞の再生を刺激するためのDkkタンパク質、Wnt拮抗剤、Wnt阻害剤、または他の関連タンパク質の使用を含む、骨疾患、骨折、骨損傷、および他の骨異常の治療のための組成物および方法。1つのDkkタンパク質、Dickkopf−2(Dkk−2)は、Dkk−2によって阻害され、かつ/または拮抗されうるWntタンパク質とは無関係に骨形成を刺激するように作用する。Dkk−2は、特異的ターゲティング能の強化および石灰化を刺激または強化することにおける生物活性の強化を示した。Dkk−2は、造血幹細胞および間充織幹細胞の分化および自己再生において、特に骨芽細胞形成および破骨細胞形成においても役割を果たした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の参照
本出願は、2004年5月19日に出願され、その全体の内容が参照によりその全体が本明細書で援用される、ダン・ウー(Dan Wu)らによる「骨形成および骨モデリングのための組成物および方法」という名称の特許出願に関する。
【0002】
発明の分野
本発明は、石灰化を刺激または強化するための、かつ細胞の再生を刺激するためのDickkopf−2(Dkk2)、Wntタンパク質の拮抗剤および/または阻害剤であるタンパク質を含む組成物および方法に関する。Dkk2は、Dkk2によって阻害および/または拮抗されうるWntタンパク質とは無関係に骨形成を刺激するように作用する。具体的には、Dkk2は骨芽細胞分化を、かつしたがって石灰化を刺激する。Dkk2は、造血幹細胞および間充識幹細胞の分化および自己再生、特に骨芽細胞形成および破骨細胞形成においても役割を果たす。
【0003】
本出願において引用または特定されたすべての特許、特許出願、特許刊行物、科学論文などは、本発明が属する従来技術をより完全に記載するためにその全体が参照することにより本明細書で援用される。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
ヒトおよびマウスの遺伝学的証拠は、低密度リポタンパク質受容体タンパク質(LRP)、WntコレセプターLRP−51、2が骨再形成において重要な役割を果たすことを示す3−6。さらに、標準Wntタンパク質および活性化β−カテニンが、骨芽細胞様細胞のアルカリホスファターゼ(AP)活性を刺激する3、7。しかし、標準Wntおよびその拮抗剤Dickkopf(Dkk)分子の骨形成の調節における正確な役割は依然として不明のままである。Dkkタンパク質は骨形成における好ましくない調節因子として機能すると考えられている。Dkkタンパク質は、Wntシグナル伝達の好ましくない調節因子であることが示されているシステインが豊富に分泌されるタンパク質である。4つのDkkタンパク質がヒトにおいて同定されており、Dkk1、Dkk2、Dkk3、およびDkk4と呼ばれている。
【0005】
LRP5突然変異と骨量との間には、人体研究に基づき、相関関係があり、それによって、LRP5が骨の発達の調節において重要な役割を果たすことを示す3−6。この結論は、LRP−5遺伝子が破壊されているマウスの試験によって、さらにLRP5の高い骨量の突然変異が骨組織にターゲティングされたマウスにおいて確認された8、9。証拠により、標準Wntがβ−カテニンを安定化してLEF−1/TCF転写活性を活性化する能力10、またはβ−カテニンを安定化して骨芽細胞様細胞のAP活性を刺激する能力3、7のいずれかに基づき分類される。まとめると、これらの所見すべては、骨形成の調節における標準的なWntシグナル伝達の関与を示す。しかし、標準Wntタンパク質が骨形成を調節する機序は依然として不明のままである。
【0006】
ヒト骨髄は、とりわけ造血幹細胞(HSC)および間充織幹細胞(MSC)を含有する。in vivoでは、幹細胞は自己再生の特徴を有し、それらを自ら無制限に再生させることを可能にする。この再生の特徴は、細胞がin vitroで成長する場合つねに確認されるわけではない。MSCは、例えば骨芽細胞、軟骨細胞、含脂肪細胞などの間充織組織系統へ分化するが、HSCは血液細胞を含む多数の細胞系統の前駆体として使用される。単核前駆体細胞は、初期造血幹細胞由来であり、破骨細胞は単核前駆体細胞の融合由来の形態である。ナチュラルキラーT(NKT)細胞は、Tリンパ球の一部であり、これも造血幹細胞由来である。そのT細胞受容体(TCR)による刺激により、NKT細胞は高レベルの免疫調節サイトカインを産生し、これは自己免疫、腫瘍拒絶、および移植組織片関連反応の抑制など免疫反応もやはり調節する。
【0007】
MSCは、骨髄間質細胞、骨前駆細胞、および骨芽細胞幹細胞としても知られるが、これらは、造血幹細胞の維持、拡大、または再生のための微小環境を調節する支持細胞層としての機能を果たす。骨芽細胞は、その骨内膜表面で造血増殖因子を産生し、それによってHSC発達に重要な役割を果たすことが認められている間質細胞である。骨芽細胞の数の増大は結果としてHSC集団の増大をもたらすことが明らかにされている1*、2*
【0008】
Wnt3aは、標準Wntの1つであり、これは幹細胞増殖、特に造血幹細胞増殖の直接の調節において機能することが認められている。Wnt3aは、幹細胞の増殖および自己再生を含む多数の発達イベントに関与する3*、4*。Wnt3aは、間質細胞による造血幹細胞系統発達の間接的な調節においても機能する(ヤマネ(Yamane),Tら、「Wnt Signaling Regulates Hemopoiesis Through Stromal Cells」)。外因性Dickkopf−1(Dkk−1)は、Wntの拮抗剤であり、これは培養間充織幹細胞の増殖を増大させることが明らかにされている。Dkk1抗体が添加されると、培養間充織幹細胞の増殖は減少した。同じDkk1効果は培養MG−63骨肉腫細胞においても確認された5*、7*。しかし、Dkkタンパク質の造血幹細胞、NKT細胞、および他のタイプの幹細胞に対するin vivoおよびin vitro効果は未知である。本発明ではDkkタンパク質のさまざまな幹細胞に対する効果が記載される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の背景
本発明は、骨粗鬆症および他の骨疾患など骨再生に関連した一部の問題に対処する方法および組成物に関する。本発明は、骨折もしくは他の骨の損傷または異常の治癒に役立つ組成物の使用をも提供する。具体的には、本発明は、有効量のDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤を対象に投与する工程を含む哺乳類の対象における骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法を提供する。
【0010】
本発明は、有効量のDkk、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤を投与する工程を含む不十分な石灰化によって、またはDkk、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の発現の増大をもたらすことによって特徴づけられる臨床症状のための遺伝子治療法をさらに提供する。
【0011】
本発明の他の態様では、Dkk、Wnt阻害剤、Wnt拮抗剤、または関連タンパク質の遺伝子発現、検出、および定量化は、さまざまな骨疾患の潜在的な診断法としての機能を果たす。
【0012】
本発明の別の態様では、骨細胞分化を選択的に刺激するが、Wntシグナル伝達を阻害する能力を欠くものを含む、Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の突然変異体または別の形態が提供される。
【0013】
本発明は、石灰化の刺激において特異的なターゲティングまたは生物活性の強化を示す、Dkkの融合タンパク質など他の改良をも提供する。
【0014】
本発明は、Dkk2を過剰発現させるDkk関連遺伝子導入マウスまたは実験動物の開発をさらに提供する。かかる動物は、突然変異体または改変Dkkおよび関連融合タンパク質のin vivo評価および特徴づけのモデルとしての機能を果たしうる。
【0015】
本発明は、Wnt、Dkk、Wnt阻害剤、Wnt拮抗剤、または関連タンパク質の造血幹細胞の自己再生、NKT細胞、および自己再生幹細胞に対するin vivoおよびin vitroでの効果に対処する方法および組成物にも関する。
【0016】
本発明のさらに別の態様では、骨髄移植、および造血幹細胞、NKT細胞、および他の幹細胞のin vivoおよびin vitroでの拡大など、治療用途のDkkタンパク質の開発が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、骨疾患、骨折、骨損傷、および他の骨異常の治療のための方法および組成物を提供する。これは有効量のDkkタンパク質、Wnt阻害剤、Wnt拮抗剤、または他の関連タンパク質を哺乳類の対象に投与し、石灰化の刺激または強化をもたらす工程によって達成される。
【0018】
Dkkは、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含みうる。Dkkタンパク質は、Dkkタンパク質によって阻害または拮抗されうるいかなるWntとも無関係であるタンパク質、標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用するタンパク質、またはDkkの酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、若しくはホモログをも含む。Wnt拮抗剤は、Dkk、タンパク質、糖、化学薬品、脂質、糖タンパク質、糖脂質、ポリペプチド、核酸、低分子化合物、Wnt1、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、Wnt16、または以下のタンパク質の少なくとも1つ、もしくは以下のタンパク質の少なくとも1つの断片、すなわち、Dkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、またはsFRP3タンパク質を含む。Wnt阻害剤は、Dkk、タンパク質、糖、化学薬品、脂質、糖タンパク質、糖脂質、ポリペプチド、核酸、低分子化合物、Wnt1、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、Wnt16、または以下のタンパク質の少なくとも1つ、もしくは以下のタンパク質の少なくとも1つの断片、すなわち、Dkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、またはsFRP3タンパク質を含みうる。タンパク質もしくはタンパク質断片は、天然の起源に生物学的に由来するものであってもよく、または組換えDNA法を使用して得ることもできる。ヒト対象の治療のためには、タンパク質もしくはタンパク質断片は非ヒト起源由来であることが好ましい。免疫反応の可能性は、免疫抑制剤による対象の治療によって、または1999年7月16日に出願されたラッバニ(Rabbani),E.らによる「対象における疾患を予防し治療するための非選択的免疫ダウンレギュレーション(SIDR)介在翻訳過程、およびSIDR確立に有用な訓練され、またはプログラムされた細胞、組織、または器官を含む組成物(Novel Selective Immune Down Regulation (SIDR) Mediated Translation Processes for Preventing or Treating Diseases in a Subject,and Compositions of Matter Comprising Trained or Programmed Cells,Tissues or Organs Useful for SIDR Establishment)」という名称の特許出願第09/356,294号明細書に記載された薬剤特異的免疫操作の適用によって最小限に抑えられ、または削減されうる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態においては、特定のDkkタンパク質、Dkk2タンパク質が骨の疾患、骨折、損傷、および異常の治療に使用される。Dkk2は、石灰化を刺激または強化することにおいて特異的なターゲティング能の強化および生物活性の強化を示した。従来技術において、Dkk1およびDkk2はWntの阻害剤として作用し、結果として骨形成、刺激、強化、または再生阻害をもたらすことがわかった。具体的には、Dkk1(より強い阻害剤)もしくはDkk2(より弱い阻害剤)が前骨芽細胞期前に添加されると、骨の刺激または強化は発生しなかった。本発明は、Dkk2(より強い刺激剤)もしくはDkk1(より弱い刺激剤)が添加されると、骨形成の刺激または強化が認められることを示す。Dkk2は、Wntシグナル伝達の拮抗剤としてのその役割と無関係である経路によって培養骨芽細胞の石灰化を刺激した。Dkk2は、Dkk1(より強いWnt拮抗剤)もAxin(細胞内Wnt阻害剤)も、Frzbもまた石灰化を刺激することが確認されなかったため、この非Wnt経路により機能すると考えられている。骨芽細胞分化は、Dkk2の発現のアップレギュレーションによって達成された。骨芽細胞の分化の刺激に加えて、Dkk2は産生されるWntをも阻害した。
【0020】
Wntタンパク質が骨芽細胞前駆細胞の自己再生を刺激することが確認された。Wnt7b、Wnt3a、およびWnt1を含むWntタンパク質は、骨芽細胞特異的2.3kb CollA1プロモータを活性化することによって、骨形成原細胞再生を刺激するだけではなく、骨芽細胞分化を刺激することもわかった。本発明は、Wnt7b、Wnt3a、およびWnt1を含む標準Wntが骨芽細胞分化において重要な役割を果たすことを提供する。Wntが前骨芽細胞に添加されると、前骨芽細胞は骨芽細胞へ分化した。Dkk2が石灰化を刺激し、または強化する段階でWntをin vitroで成熟骨芽細胞に添加しても、石灰化はWntによって刺激または強化されなかった。
【0021】
骨芽細胞は、幹細胞も見出される適所に局在する。この場所では、造血幹細胞が継続的に自己再生する。骨芽細胞はWnt、特にWnt7bを産生し、かつWnt7bはin vivoで幹細胞を増加させることがわかっているため25、26、骨芽細胞は造血幹細胞の自己再生を刺激する27、28。Wnt、もしくはWntを産生する骨芽細胞をin vitroで幹細胞に添加すると、細胞は自己再生を示した。Dkk2はWntを阻害することがわかったため、Dkk2をこれらの細胞に添加すると、細胞の再生は停止し、それらは分化を開始した。
【0022】
本発明は、Dkk2がin vivoで骨芽細胞の数を増加させることを示した。骨芽細胞は造血幹細胞の自己再生を刺激することがわかっているため27、28、Dkk2も幹細胞を異なる機序または経路によって再生させるはずである。
【0023】
不十分な石灰化によって特徴づけられる臨床症状は、遺伝子工学、遺伝子操作、または他の遺伝子治療法の使用によって治療されうる。これらの方法としては、新しい遺伝子の導入、生物に存在する遺伝子の削除、または結果として発現の増加または減少をもたらす対象に存在する遺伝子の追加のコピーの導入が挙げられる。例えば、所望の結果がDkk、Wnt阻害剤、Wnt拮抗剤、または関連タンパク質の増加もしくは過剰発現である場合は、石灰化が刺激され、または強化される。このことはDkk2を過剰発現させる遺伝子導入マウスを開発した場合に示された。本発明は、これら改変マウスを突然変異体、もしくは改変Dkk、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤、および関連融合タンパク質のin vivo評価および特徴づけのためのモデルとして使用することを可能にする。これら融合タンパク質は、石灰化を刺激または強化することにおいて特異的ターゲティングまたは生物活性を強化することがわかっている。これらの突然変異体、改変、または融合タンパク質としては、骨細胞分化または増殖を選択的に刺激するが、Wntシグナル伝達を阻害する能力を欠くものが挙げられる。
【0024】
遺伝子操作は、新しい遺伝特徴の一時的発現、または永続的な導入のいずれかによって実行されうる。操作はex vivoでの細胞で実行後、細胞の対象への導入によって実行されうる。逆に言えば、操作はin vivoで実行されうる。ex vivoでの一時的発現の方法としては、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのin vitroでの細胞培養への適用、またはアデノウイルスなど一時的発現に一般的に使用されるベクターによる感染が挙げられる。in vitroでの永続的な発現に使用されうる方法としては、1995年12月15日に出願されたラッバニ(Rabbani),E.らによる「治療および診断用途の組成物をもたらす新規特性および/または同組成物を示す新規特性(Novel Property Effecting and/or Property Exhibiting Compositions for Therapeutic and Diagnostic Uses)」という名称の特許出願第08/574,443号明細書に記載されたリガンド介在取込み、選択可能なマーカーとの発現ベクターによる細胞培養の形質転換、またはウイルスベクターとの感染が挙げられる。これらの例としては、レトロウイルスおよびアデノ随伴ウイルス(AAV)に基づくベクターが挙げられる。in vitroまたはin vivoでの適切な標的細胞への材料の導入のための向性は公知の方法を使用して変更されうる。
【0025】
Dkk2発現の減少または削除をもたらす遺伝子導入マウスモデルが開発されたとき、最終的には骨密度の減少という結果になった。したがって、Dkk2は、in vitro細胞培養モデルおよびin vivo遺伝子導入マウスモデルにおける骨形成の調節において重要な役割を果たすことがわかった。
【0026】
さらに、骨芽細胞および破骨細胞の減少がDkk2ノックアウトマウスにおいて確認された。この減少は、次いで、任意のDkk2細胞のその後の産生の減少をもたらした。これは、Dkk2が骨芽細胞形成および破骨細胞形成において重要であることを示す。破骨細胞および骨芽細胞はそれぞれ造血幹細胞(HSC)および間充織幹細胞(MSC)由来であり、かつ存在する造血幹細胞の数は存在する骨芽細胞の数に比例するため、骨芽細胞または破骨細胞の減少は結果としてHSCまたはMSCの減少をもたらす。Dkkは増殖および骨髄からの成人幹細胞の細胞周期へのリエントリーに必要であることがわかっている。Dkk2タンパク質は造血および間充織幹細胞由来の系統の発育および増殖において重要な役割を果たすため、Dkk2がHSCおよびMSCの増殖、分化、および自己再生に関与していると思われる。Wnt7bは骨芽細胞分化中にアップレギュレートされることもわかっているため、Wnt7bも細胞の分化および増殖に対する効果を有する。最近、一定の条件下で、ヒトNKT Vα24細胞が活性化され、in vitroで分化または増殖しうることも証明されている8*、9*。したがって、Dkkタンパク質、Dkk誘導体、Wnt阻害剤、Wnt拮抗剤、および他の関連タンパク質は、造血幹細胞、NKT細胞、および他のタイプの細胞の再生用の治療薬として開発されうる。
【0027】
これらの治療薬は、それらを直接、疾患、骨折、または異常の部位へ導入することによる骨髄移植など特定の用途で使用されうる。それらは、間接的に、治療薬と(対象から除去された)細胞をin vitroで組合わせることによって使用され、それによって細胞を増殖させ、次いで最初の細胞および増殖細胞を対象へ再導入させることもできる。具体的には、所望の細胞は罹患対象から除去され、in vitroで支持細胞層を伴う所望の細胞の再生を刺激するのに有効な量のDkk、Wnt阻害剤、Wnt拮抗剤、または関連タンパク質とともに配置されうる。支持細胞層は、細胞増殖または分化を促進する間充織幹細胞、間質細胞、または他のタイプの細胞を含んで成りうる。次いで、再生細胞は対象へ再導入される。細胞は他の対象から除去され、再生され、かつ罹患対象へ再導入をもされうる。
【0028】
本発明は、感染性疾患の治療のための組成物および方法をも記載する。これらの疾患は、すべてのタイプのウイルス介在または免疫薬介在肝炎、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染を含む。ウイルス感染はHBV、HCV、またはHIV感染でありうる。治療は、変換細胞のin vitro再生を含む。細胞は、治療されている特定の疾患に対して耐性を示す少なくとも1つの遺伝子を導入するために変換される。
【0029】
好ましい実施形態は、ウイルスに感染した対象からCD34+細胞を得て、そのウイルスに対して耐性を示す遺伝子を導入するために細胞をin vitroで変換する工程を含む。次いで、変換細胞は、支持細胞層と、in vitroで変換細胞の再生を刺激するのに十分な量のDkk、Wnt阻害剤、Wnt拮抗剤、または関連タンパク質を提供する工程を含む条件下に培養される。細胞が増殖すると、それらは感染対象へ再導入される。
【0030】
本発明は、Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングアッセイをも提供する。好ましい実施形態では、第1の試験管にDkk2発現レトロウイルスで変換されたMC3T3細胞、第2の試験管に対照ベクターで変換されたMC3T3細胞、および第3の試験管にDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログで変換されたMC3T3細胞が提供される。各々の試験管における石灰化の量が測定される。第1の試験管における石灰化の量が第2の試験管における石灰化の量よりも多く、かつ第3の試験管における石灰化の量とほぼ同じである場合には、Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログは、石灰化を強化または刺激するように機能する。
【0031】
別の実施形態では、第1の試験管にDkk2発現アデノウイルスで変換されたBMS培養物細胞、第2の試験管に対照ベクターで変換されたBMS培養物細胞、および第3の試験管にDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログで変換されたBMS培養物細胞を含むDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングアッセイが提供される。各々の試験管における石灰化の量が測定される。第1の試験管における石灰化の量が第2の試験管における石灰化の量よりも多く、かつ第3の試験管における石灰化の量とほぼ同じである場合には、Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログは、石灰化を強化または刺激するように機能する。
【0032】
さらに、疾患を治療する哺乳類の対象に投与されるDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングのための別の実施形態では、第1の試験管に調節、免疫調節、またはNKT細胞、および支持細胞層、第2の試験管に調節、免疫調節、またはNKT細胞、およびDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、若しくはホモログ、および第3の試験管に調節、免疫調節、またはNKT細胞、Dkkタンパク質、および支持細胞層が提供される。3つの試験管の各々における細胞再生の量が測定される。第2の試験管における細胞の量が第1の試験管における細胞の量よりも多く、かつ第3の試験管における細胞の量とほぼ同じである場合には、Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、若しくはホモログは、細胞を再生させ、または増殖させるように機能する。
【0033】
Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングのための別の実施形態は、(1)MC3T3細胞を対照ベクターで変換する工程と、(2)MC3T3細胞をDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログを含むレトロウイルスで変換する工程とを含む。次いで、変換細胞はアリザリンレッドで石灰化に対して染色される。対照(1)が石灰化を示すことがなく、かつ(2)示す場合は、Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログは石灰化を強化し、または刺激するように機能する。
【0034】
in vitroスクリーニングアッセイの好ましい実施形態は、前記方法におけるMC3T3細胞の代わりにBMS培養物細胞の使用、およびアリザリンレッドの代わりにキシレノールオレンジによる染色を含む。
【0035】
本発明は、Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連タンパク質、またはホモログのDkk2ノックアウトマウスへの添加により石灰化の強化または刺激がもたらされるin vitroスクリーニングアッセイをも提供する。
【0036】
材料と方法
BMS細胞培養および骨形成分化の誘導
3か月齢マウスからのBMS細胞培養を先に記載したように生成した11。BMS細胞を、100U/mlペニシリン、100U/mlストレプトマイシン、および10%FCS含有α培地中10×10細胞/ウェルの密度で一時的に培養した。5日後、培養物を4%パラホルムアルデヒドで4℃下10分間固定した。骨芽細胞コロニー形成をAP(シグマ・ディアグノスティックス(Sigma Diagnostics))に対して染色することによって視覚化した。細胞がコンフルエントになったら、それらを10nMデキサメタゾン、8mM β−グリセロリン酸塩、および50ug/mlアスコルビン酸の存在下で骨形成分化を受けるように誘導した。培地を2日置きに交換した。培養物を固定後にフォン・コッサ(Von Kossa)硝酸銀またはアリザリンレッドで染色することによって視覚化した。
【0037】
骨髄細胞および破骨細胞分化の誘導
マウスの骨髄からの細胞を、抗生物質、10%FCS、30ng/ml MCSF、および60ng/ml RANKL含有α培地中5×10細胞/ウェルの密度で48ウェルプレートに播種した。培地を2日置きに交換した。6日目、骨芽細胞を4%パラホルムアルデヒドで4℃下10分間固定し、TRAP染色(シグマ・ディアグノスティックス(Sigma Diagnostics))によって視覚化した。
【0038】
マウス頭蓋冠からの骨芽細胞培養
マウス頭蓋冠を5−8日齢マウスから除去し、PBSで2回洗浄し、0.05%トリプシン、0.2mM EDTA、および0.5mg/mlコラゲナーゼP含有PBS溶液で消化し、骨芽細胞を放出させた。骨芽細胞を遠心分離によって収集し、100U/mlペニシリン、100U/mlストレプトマイシン、10%FCS、および1%非必須アミノ酸を有するDMEM中2×10細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートに播種した。7日後、細胞はコンフルエントになった。培地を抗生物質、10%FCS、5mM β−グリセロリン酸塩、および25ug/mlアスコルビン酸含有α培地に交換した。培地は毎日交換した。生きた細胞培養物を20nMキシレノールオレンジで染色することによって石灰化を視覚化した。
【0039】
免疫染色
BMS細胞を6ウェルプレートのカバースリップに播種した。カバースリップをさまざまな時点で固定し、ベクター・ラボラトリーズ(Vector Laboratories)製のブロッキング試薬によってブロッキングした。次いで、細胞を透過化し、抗Dkk2モノクローナル抗体で染色した後、ローダミン抱合二次抗体で染色した。
【0040】
QPCRおよびノーザン分析
Total RNAをTRIzol試薬(インビトロジェン(Invitrogen))を使用し、メーカーの指示に従って単離した。QPCR分析のために、リアルタイムRT−PCR用のSuperScript(商標)ファースト・ストランド合成システム(First−Strand Synthesis System)(インビトロジェン(Invitrogen))でRNAを逆転写した。QPCRをQuantiTect(商標)SYBRグリーンPCRキット(キアゲン(Qiagen)を使用し、DNAエンジンOPTICON(商標)(MJリサーチ社(MJ Research Inc.))インスツルメントで実行した。β−アクチンを各々の試料の内部基準として使用した。先に記載した式を使用し24、mRNAレベルの相対変化をp−アクチンmRNAレベルに対して標準化した。ノーザン分析のために、RNA(10μg)をアガロースゲルによって分離し、[32P]標識プローブでプロービングされたナイロン膜に移した。
【0041】
SiRNAおよびDkk発現
H1プロモータベースのsiRNA産生単位を、次いでレトロウイルスを製造するために使用されたレトロウイルスベクターへ挿入した。MC3T3細胞をレトロウイルスに感染させた。ベクターで安定して変換された細胞をハイグロマイシン(カルビオケム・ノババイオケム社(Calbiochem−Novabiochem Co.))によって選択した。ハイグロマイシン耐性クローンを試験のためにプールした。
【0042】
BMS細胞におけるWnt1、Dkk1、Dkk2、およびsFRP3の過剰発現のために、Wnt1、mDkk1、mDkk2、またはsFRP3発現カセット含有アデノウイルスを生成した。BMS細胞培養をアデノウイルスで変換し、生きた細胞培養物を20nMキシレノールオレンジで染色することによって視覚化した。
【0043】
in situハイブリダイゼーション
Dkk1、Dkk2、およびWnt7bの完全長コード領域を使用し、アンチセンスおよびセンスプローブを合成した。RNA標識キット(ロシュ(Roche)、Indianapolis、インディアナ州(IN)、米国)を使用してジゴギジゲニンでプローブを標識した。3週齢マウスからの脛骨の切片を脱ろうし、再水和し、4%パラホルムアルデヒドで再度固定した。切片を2%グリシンおよびプロテイナーゼKで処置し、無水酢酸/TEA溶液を使用してアセチル化した後、ジゴギジゲニン標識プローブでハイブリダイゼーションした。50%ホルムアミド、5×SSC、および5%SDSで30分間70℃下に切片を2回、かつ50%ホルムアミド、2×SSCで30分間65℃下に洗浄後、切片を抗ジゴギジゲニンアルカリホスファターゼ抗体でインキュベートした後、ニトロブルーテトラゾリウム/4−ブロモ−5−クロロ−インドリルリン酸塩でインキュベートし、これにより紫青色が得られる。切片はメチルグリーン(核)およびオレンジG(細胞質(cytoplasma))で対比染色もされた。
【0044】
BMD測定
Dkk2ノックアウトマウスモデルを作製した。2か月齢マウスをPIXImus小動物DEXAシステム(GE−ルナー(Lunar)、マディソン(Madison)、ウィスコンシン州(WI))による二重エネルギーX線吸収法(DXA)を使用してそれらの骨石灰化密度について検査した。
【実施例】
【0045】
1.標準Wntによる骨芽細胞の石灰化の刺激
骨髄間質(BMS)細胞を、その発現が骨芽細胞および骨細胞に限定される、2.3Kb CollA1プロモータによって制御された緑色蛍光タンパク質(GFP)導入遺伝子(2.3Col−GFP)11を有する3か月齢マウスから単離した。したがって、GFPは、骨芽細胞のマーカーとして使用されうる。10日目、BMS培養物を対照アデノウイルス発現ルシフェラーゼ、またはアデノウイルス発現Wnt1のいずれかに感染させた。20日目、培養物を固定し、フォン・コッサ(Von Kossa)銀染色またはアリザリンレッド染色で石灰化に対して染色した。骨芽細胞分化の広く使用されている2つのマーカー、骨シアロタンパク質(bone sailioprotein)(BSP)およびオステオカルシン(OC)もノーザンブロット分析を使用して検査した。
【0046】
Wnt1発現アデノウイルスによる変換またはWnt3a馴化培地(CM)の処置は、骨形成インデューサ、デキサメタゾン、アスコルビン酸、およびβ−グリセロリン酸塩の存在下で一次BMS培養物の石灰化における増加をもたらした(図1A)。この石灰化における増加は、最終的な分化マーカーとして作用する骨細胞の増加によるものであった。BSCおよびOCマーカーの発現は、Wnt1アデノウイルスに感染した細胞においても増加した(図1B)。
【0047】
2.標準Wntは骨形成原細胞におけるAP活性を刺激する
骨髄間質(BMS)細胞を、2.3Col−GFPを有する3か月齢マウスから単離した。10日目、BMS培養物を対照アデノウイルス発現ルシフェラーゼ、またはアデノウイルス発現Wnt1のいずれかに感染させた。15日目、細胞をその後にAP活性に対して染色した。
【0048】
図1A−aに示されているように、Wnt1発現アデノウイルス(Ad−Wnt1)に感染させたBMS培養物は、対照ウイルスに感染させた培養物よりもAP染色を示すように思われた。コロニー数の計算は、Wnt−1感染が結果としてコロニーの数よりもむしろサイズの増加をもたらすことを示した。この結果は、標準WntがAP活性を刺激し3、7(おそらく骨芽細胞前駆細胞の増殖を刺激することによって)、かつLRP−5欠乏が骨芽細胞前駆細胞の増殖を減少させる以前の所見と一致する。
【0049】
3.BMS培養物における内因性標準Wntの識別
BMS培養物におけるWntの発現パターンを識別するために、一次BMS培養物からの19種類のWntのmRNAをリアルタイムRT−PCRによって測定した。RNAを異なる時点でマウスBMS培養物から抽出した。リアルタイムRT−PCRを使用し、19個のWntのmRNAレベルを測定した。BMS培養物におけるDkk1およびDkk2の発現もリアルタイムRT−PCRによって検査した。
【0050】
Wnt7b cDkkもリアルタイムRT−PCRを使用してクローン化し、LEF−1−ルシフェラーゼリポーターアッセイによって標準Wntであることを検証した。Wnt7b、Dkk1、およびDkk2をin vivoで識別するために、Wnt7b、Dkk1、およびDkk2をプローブとして使用することによりマウス長骨切片でin situハイブリダイゼーションを行った。
【0051】
それらの結果は、標準Wntの中で、Wnt1およびWnt7b RNAのみが一次BMS培養物において検出可能であった。Wnt1の発現は辛うじて検出可能であり、その量は全分化周期中に変化することはなかった。対照的に、Wnt7bの発現レベルは分化中に大幅に変化した。Wnt7b mRNAは5日目の分化培地の添加後8日目にピークに達し、次いで図2Aに示されているように低レベルに減少した。Dkk2 mRNAのレベルは分化中に大幅に増加したが、Dkk1 mRNAのレベルは分化の最終段階でのみ増加した(図2A)。
【0052】
in situハイブリダイゼーションの結果は、骨細胞におけるDkk1(図2B)および骨芽細胞におけるDkk2およびWnt7b発現を示した。骨形成原細胞分化中、Wnt5aおよび5bは、図3Aおよび図3Bに示されているように大幅に増加した。
【0053】
4.骨形成原細胞におけるWnt機能に対するDkkの拮抗作用
BMS細胞を2.3Col−GFPを有する3か月齢マウスから単離した。6日目、組換えDkk1タンパク質(1μM)または対照バッファーをBMS培養物に添加した。GFP発現を蛍光顕微鏡検査を使用して検査した。Dkk1タンパク質で処置した細胞は、対照細胞(図4B)と比べGFP発現(図4A)における減少を示した。2.3Kb CollA1プロモータによって制御されたGFP導入遺伝子を有するマウスにおけるGFP発現と石灰化との間に強い相関関係が確認された11。Dkk1タンパク質によるGFP発現の減少は、標準Wntによって介在される骨形成原細胞分化の早期段階がDkk1によって遮断されうることを示す1、12、13
【0054】
5.標準Wntは骨芽細胞分化の後期段階で石灰化を刺激することはない
BMS細胞を2.3Col−GFPを有する3か月齢マウスから単離した。15日目、BMS培養物をWnt1を有するアデノウイルスまたは対照アデノウイルスのいずれかに感染させた。17日目、BMS培養物をキシレノールオレンジによって石灰化に対して染色した。
【0055】
結果は、BMS培養の後期段階で、標準Wntの添加は、図5に示されているように石灰化に対する効果を有することはないことを示した。
【0056】
6.標準Wntは骨形成原細胞の分化中にDkk2発現をアップレギュレートする
もとは頭蓋冠培養由来のMC3T3細胞を骨形成分化を受けさせることができる。MC3T3細胞の石灰化はBMS培養物で確認されたほど強固ではなかったが、OC、BSP、およびコラーゲンIを含む骨芽細胞分化マーカーの多くは、一次培養のものと同様の発現パターンを示した。MC3T3細胞をWnt1−アデノウイルスまたは対照アデノウイルスのいずれかで変換した。細胞mRNAを分化中に異なる時点で単離した。ノーザンブロット分析を使用し、Dkk2発現を分析した。
【0057】
2.3Col−GFPマウスからのBMS細胞培養物を10日目にWnt3aCMまたは対照CMで処置し、GFPを11日目に検査した。BMS細胞をアッセイのためにカバースリップに播種した。GFPが発現した場合、細胞を抗Dkk2モノクローナル抗体およびローダミン(レッド)標識二次マウス抗体で免疫染色した。GFPおよびローダミンを共焦点顕微鏡法によって検査した。
【0058】
Wnt1変換MC3T3におけるDkk2 mRNAのレベルは、対照細胞におけるものと比べ大幅に増加した(図6A)。図6Bは、標準Wntが2.3Col−GFPに刺激しうることを示す。Dkk2発現は、2.3Col−GFPと共局在化される(図6C)。
【0059】
7.Dkk2は培養骨形成原細胞の後期段階中に石灰化を刺激する
早期骨芽細胞増殖および分化におけるDkk2の役割を検査するために、siRNAを使用してDkk2の発現をノックダウンさせた14。H1RNAポリメラーゼIIIプロモータが特にDkk2をターゲティングするヘアピン二本鎖siRNAの合成を推進するin vivosiRNA製造法を採用した15(SupDkk2)。MC3T3細胞をDkk2 siRNAで安定して変換させ、レトロウイルスまたは対照レトロウイルスを生成し、分化させた。Dkk2発現レベルをリアルタイムRT−PCRによって異なる時点で測定し、石灰化をフォン・コッサ(Von Kossa)銀染色によってモニタリングした。
【0060】
BMS培養物を8日目に分化させ、13日目にDkk2発現アデノウイルスまたは対照アデノウイルスのいずれかで変換し、17日目にキシレノールオレンジで石灰化に対して染色した。
【0061】
SupDkk2(SupDkk2細胞)で安定して変換されたMC3T3細胞は、分化誘導後6日目までに低レベルのDkk2 mRNAを示した(対照細胞のレベルの約3分の1)(図7A)。意外にも、Dkk2 mRNAレベルは9日目にSupDkk2細胞において上昇を開始し、12日目には、SupDkk2細胞におけるDkk2 mRNAレベルは対照siRNAベクターで安定してトランスフェクトされたMC3T3細胞におけるものよりも5倍高かった(図7A)。対照的に、分化中に対照MC3T3細胞におけるDkk2の発現レベルには大幅な変化が確認されなかった(図7A)。SupDkk2細胞は、20日目に近づき石灰化を示し始め、その数日後には石灰化の大きな増加を示した(図7B)。非変換MC3T3細胞および対照ベクターを含有するものは、それらを35日後に分析した場合でもバックグラウンド石灰化のみを示した(図7C)。SupDkk MC3T3細胞は、Dkk2発現パターンおよび石灰化能に関して、対照MC3T3細胞よりも一次BMS培養物により酷似していた。これらの結果は、MC3T3細胞においては、siRNAによるDkk2発現の阻害が、通常はDkkによって阻害される標準的なWntシグナル伝達活性を増加しうることで説明されうる。Wntシグナル伝達のかかる増加はDkk2発現をアップレギュレートし、siRNA抑制からの最終的な回避をもたらす。このDkk2の高いレベルがMC3T3をさらに分化させる。
【0062】
アデノウイルスで変換されたBMS細胞におけるDkk2の過剰発現は結果として、対照アデノウイルスで変換されたBMS細胞によって示される石灰化の欠如と比べ、図7Dに示されているように、石灰化の刺激をもたらす(図7E)。
【0063】
8.骨芽細胞における石灰化に対するWnt阻害剤sFRP3の効果
sFRP3は、Wntシグナル伝達に拮抗する可溶性Wnt結合タンパク質として作用する。ここでのその使用は、石灰化に対するその効果の観察に役立つ35、36。BMS培養物を13日目にsFRP3発現アデノウイルスまたは対照アデノウイルスのいずれかで変換し、17日目にキシレノールオレンジで石灰化に対して染色した。
【0064】
結果は、sFRP3アデノウイルスで変換されたBMS細胞と対照アデノウイルスで変換されたBMS細胞との間に石灰化の差がないことを示した。sFRP3は特定の骨芽細胞期においてBMS細胞培養における石灰化に対する効果を有さないが、Dkk2は同段階で石灰化を刺激しうると思われる。これは、この段階において、Wntの阻害が石灰化に影響を及ぼさないことを示す(図8)。
【0065】
9.Dkk2ノックアウトマウスにおける骨密度の減少
総骨ミネラル密度をPIXImus小動物DEXAシステム(GE−ルナー(Lunar)、マディソン(Madison)、ウィスコンシン州(WI))による二重エネルギーX線吸収法(DXA)によって、野生型雄マウスおよびDkk2ノックアウト雄マウスにおいて55日齢の時点で測定した。
【0066】
表1は、Dkk2ノックアウトマウスの総骨密度が野生型マウスにおける総骨密度よりも7.286%少ないことを示す。これらの結果は、Dkk2が発育中の骨形成において重要な役割を果たすことを示す。
【0067】
【表1】

【0068】
10.石灰化はDkk2ノックアウトマウスからの骨芽細胞培養において減少する
骨芽細胞培養物をマウス頭蓋冠(野生型およびDkk2ノックアウト)から得た。6日目、1mMアスコルビン酸および5mM β−グリセロリン酸塩を培地に添加することによって分化させた。15日目、細胞培養をキシレノールオレンジで石灰化に対して細胞培養物を染色した。
【0069】
15日目までに、Dkk2ノックアウトマウスからの細胞培養物には石灰化は検出されなかった(図9cおよび図9f)が、野生型マウス(図9aおよび図9d)またはヘテロ接合マウス(図9bおよび図9e)からの細胞培養物には強い石灰化が生じた。図9d、図9e、および図9fは、顕微鏡下に透過光の石灰化像を示す。
【0070】
11. 骨芽細胞および破骨細胞における形成はDkk2ノックアウトマウスにおいて減少する
野生型マウス、Dkk2ノックアウトマウス、およびヘテロ接合マウスからのBMS細胞培養物を5日目にAP活性に対して染色し、骨芽細胞コロニー形成をモニタリングした。破骨細胞形成のために、30ng/mlマクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)および60ng/mlレセプターアクティベーターの核因子KappaB(NF−kappaB)リガンド(RANKL)を培地に添加することによって骨髄細胞培養を分化させた。6日目、破骨細胞を酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)によって染色し、顕微鏡下に多核化細胞形態についてチェックした。
【0071】
骨芽細胞コロニーの数は、野生型マウス(図10A)またはヘテロ接合マウス(図10B)からの培養におけるものと比べ、Dkk2ノックアウトマウス(図10C)からの培養において大幅に減少した。
【0072】
同様に、破骨細胞数も野生型マウス(図11A)またはヘテロ接合マウス(図11B)からの培養におけるものと比べ、Dkk2ノックアウトマウス(図11C)からの培養において大幅に減少した。破骨細胞の起源は骨芽細胞のものと異なる。前者は造血(hematopoeitic)幹細胞の子孫であるが、後者は間充織幹細胞の子孫である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】骨形成原細胞増殖および分化の標準的なWnt刺激を示す図である。図1Aは、対照もしくはWnt1アデノウイルスに感染し、またはWnt3a CMで処理された2.3Kb CollA1プロモータによって制御された、GFP導入遺伝子を有する3か月齢マウスから単離された骨髄間質(BMS)を示す。細胞を5日後にAP活性に対して染色し、または固定し、指示された時点で石灰化に対して染色した(b、フォン・コッサ(Von Kossa)銀染色、c、アリザリンレッド染色)、図1Bは、異なる分化段階での骨形成マーカーOCおよびBSPの発現のノーザン分析である。
【図2】骨形成原細胞におけるDkk1、Dkk2、およびWnt7bを示す図である。図2Aは、最初にDkk1およびDkk2の発現が増大し、かつWnt7bの発現が増大し、次いでBMS細胞分化中に減少することを示すリアルタイムRT−PCRの結果を示す。図2B、図2C、および図2Dは、in situハイブリダイゼーション像でのマウス長骨部を示す図である。図2Bは、Dkk1が主に骨細胞において発現することを示す。図2Cは、Dkk2が主に骨芽細胞において発現することを示す。図2Dは、Wnt7bが骨芽細胞において発現することを示す。
【図3】リアルタイムRT−PCRを使用するBMS細胞分化中のWnt5aおよびWnt5bを示す図である。図3Aおよび図3Bは、骨形成原細胞分化中に、Wnt5aとWnt5bの両方の発現が最初に増加し、次いで減少することを示す。
【図4】Dkk1が初期段階で骨芽細胞分化を抑制しうることを示す図である。2.3 CollA1からのBMS培養物を組換えDkk1タンパク質(1μM)または対照バッファーのいずれかで処置した。GFPの発現を指示された時点で検査した。図4Aは、Dkk1処置培養におけるGFPレベルが対照(図4B)におけるよりもはるかに低いことを示す。これらの結果は、骨芽細胞分化が指示時点でDkk1タンパク質によって阻害されることを示す(図4C)。
【図5】標準Wntが骨芽細胞分化の後期段階に影響を及ぼすことがないことを示す図である。図5Aは、石灰化が、指示時点で対照アデノウイルス(図5B)によって処置されたBMS培養物におけるものと比べ、Wnt1アデノウイルスで変換されたBMS培養物において増加または減少しないことを示す(図5C)。
【図6】Dkk2が骨芽細胞における標準Wntによってアップレギュレートされることを示す。図6Aはノーザンブロットの結果であり、Dkk2mRNAレベルがWnt1アデノウイルスで変換されたMC3T3細胞培養で大幅に増加し、かつDkk2 mRNAが対照アデノウイルスで処置されたMC3T3細胞培養では検出されなかったことを示す。図6Bは、2.3Col−GFPマウスからのBMS細胞におけるGFPがWnt3aCMの添加によって24時間以内に変化されうることを示す。この結果は、標準Wntが骨芽細胞分化を刺激しうることを示す。図6Cは、Dkk2抗体で免疫染色された2.3Col−GFPマウスからのBMS細胞培養の像を示す。発現されたDkk2タンパク質が、骨芽細胞分化マーカーである2.3Col−GFPで共局在化されている。
【図7】石灰化のDkk2刺激を示す図である。すなわち、図7Aは、SupDkk2または対照ベクターで変換されたMC3T3細胞における分化のさまざまな時点でのリアルタイムRT−PCRによって測定された相対Dkk2レベルを示す。図7Bは、SupDkk2で変換されたMC3T3細胞の石灰化を示す。図7Cは、対照ベクターでトランスフェクトされたMC3T3細胞の石灰化を示す。これらの結果は、Dkk2発現と石灰化との間に強い相関関係があることを示す。図7Dは、Dkk2発現アデノウイルスで変換され、指示時点でキシレノールオレンジで染色されたBMS培養物を示す(図7F)。図7Eは、対照アデノウイルスに感染し、指示時点でキシレノールオレンジで染色されたBMS培養物を示す。石灰化の独自のパターンがDkk2変換細胞培養において確認された。
【図8】Wnt阻害剤であるsFRP3は石灰化を刺激できないことを示す図である。sFRP3発現アデノウイルスまたは対照アデノウイルスのいずれかでBMS培養物を処置した。図7Eで確認された独自の石灰化パターンがここでは確認されなかった。
【図9】Dkk2が石灰化に必要であることを示す図である。マウス頭蓋冠からの骨芽細胞培養を分化させた。15日後、細胞培養をキシレノールオレンジで石灰化に対して染色した。野生型マウス(図9aおよび図9d)またはヘテロ接合マウス(図9bおよび図9e)からの細胞培養は強い石灰化を示した。対照的に、Dkk2ノックアウトマウスからの培養(図9cおよび図9f)はまったく石灰化を示すことはなかった。図9d、図9e、および図9fは顕微鏡下に透過光による像である。
【図10】Dkk2が前骨芽細胞形成の好ましい調節因子であることを示す図である。野生型マウス、Dkk2ノックアウトマウス、およびヘテロ接合マウスからのBMS細胞培養を5日目にAPに対して染色し、骨芽細胞コロニー形成をモニタリングした。骨芽細胞コロニーの数は、野生型マウス(図10B)またはヘテロ接合マウス(図10C)からの培養におけるものと比べ、Dkk2ノックアウトマウス(図10A)からの培養において大幅に減少した。
【図11】Dkk2の破骨細胞形成に対する効果を示す図である。マウスの骨髄からの培養をM−CSFおよびRANKLの培地への添加によって分化させた。6日後、破骨細胞を酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)によって染色し、顕微鏡下に多核化細胞形態についてチェックした。破骨細胞数は、野生型マウス(図11A)またはヘテロ接合マウス(図11B)からの培養における破骨細胞数と比べ、Dkk2ノックアウトマウス(図11C)からの培養において大幅に減少した。
【図12】骨形成の調節における標準WntおよびDkkタンパク質の役割に対するモデルを示す図である。標準Wnt(例えば、Wnt7b)の発現は前骨芽細胞段階で増加する。標準Wntは前骨芽細胞の増殖および骨芽細胞への分化を刺激する。分化中、Dkk2発現はアップレギュレートされ、さらに分化をも刺激する。このDkk2効果は、骨芽細胞成熟の増殖期中にWntシグナル伝達に対するその拮抗作用と無関係である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法。
【請求項2】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項3】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項4】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法。
【請求項5】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法。
【請求項6】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのDkkタンパク質を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物。
【請求項9】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法。
【請求項13】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項14】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項15】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法。
【請求項16】
Wnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法。
【請求項17】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのWnt阻害剤を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物。
【請求項19】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記Wnt阻害剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片、を含む請求項12〜16および18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記Wnt阻害剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、またはsFRP3タンパク質の少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項12〜16および18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記Wnt阻害剤が、Wntl、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16を含む、請求項12〜16および18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記Wnt阻害剤が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項12〜16および18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法。
【請求項26】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項27】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項28】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法。
【請求項29】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法。
【請求項30】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項25〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物。
【請求項32】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記Wnt拮抗剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片を含む、請求項25〜29および31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記Wnt拮抗剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、またはsFRP3タンパク質の少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項25〜29および31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記Wnt拮抗剤が、Wntl、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16を含む、請求項25〜29および31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記Wnt阻害剤が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項25〜29および31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法。
【請求項39】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項40】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法。
【請求項41】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法。
【請求項42】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法。
【請求項43】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項38〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物。
【請求項45】
前記組成物が薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項48】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項49】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項50】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項51】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項52】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項53】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項54】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項55】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項56】
少なくとも1つのDkkタンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項57】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項47〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項47〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
少なくとも1つのDkkタンパク質を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する治療用組成物。
【請求項60】
少なくとも1つのDkkタンパク質を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である治療用組成物。
【請求項61】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項59または60に記載の方法。
【請求項63】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項59または60に記載の方法。
【請求項64】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記阻害剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項65】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記阻害剤がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項66】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記阻害剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項67】
少なくとも1つのWnt阻害剤を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記阻害剤がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項68】
Wnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記阻害剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項69】
Wnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記阻害剤がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項70】
Wnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記阻害剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項71】
Wnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記阻害剤がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項72】
Wnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記阻害剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項73】
Wnt阻害剤を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記阻害剤がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項74】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項64〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項64〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
少なくとも1つのWnt阻害剤を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記阻害剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する治療用組成物。
【請求項77】
少なくとも1つのWnt阻害剤を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記阻害剤がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である治療用組成物。
【請求項78】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項76または77に記載の方法。
【請求項79】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項76または77に記載の方法。
【請求項80】
前記阻害剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片を含む、請求項64〜73、76、および77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記Wnt阻害剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、またはsFRP3タンパク質の少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項64〜73、76および77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記Wnt阻害剤が、Wnt1、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16を含む、請求項64〜73、76、および77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記Wnt阻害剤が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項64〜73、76、および77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記拮抗剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項85】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記拮抗剤がDkkによって拮抗されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項86】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記拮抗剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項87】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記拮抗剤がDkkによって拮抗されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項88】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記拮抗剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項89】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記拮抗剤がDkkによって拮抗されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項90】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記拮抗剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項91】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記拮抗剤がDkkによって拮抗されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項92】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記拮抗剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項93】
Wnt拮抗剤を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記拮抗剤がDkkによって拮抗されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項94】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項84〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記拮抗剤が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する治療用組成物。
【請求項96】
少なくとも1つのWnt拮抗剤を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記拮抗剤がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である治療用組成物。
【請求項97】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項95または96に記載の方法。
【請求項98】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項95または96に記載の方法。
【請求項99】
前記Wnt拮抗剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片を含む、請求項84〜93、95および96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記Wnt拮抗剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、またはsFRP3タンパク質の少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項84〜93、95および96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記Wnt拮抗剤が、Wntl、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16を含む、請求項84〜93、95および96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記Wnt拮抗剤が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項84〜93、95および96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項104】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨形成を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項105】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項106】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項107】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項108】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の石灰化を刺激または強化するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項109】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項110】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞前駆細胞の増殖を調節するための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項111】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する方法。
【請求項112】
Dkk2タンパク質を投与する工程を含む骨芽細胞の分化を直接加速させるための方法であって、前記タンパク質がDkkによって阻害され、または拮抗されうるいかなるWntとも無関係である方法。
【請求項113】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項103〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記タンパク質が標準的なWntシグナル伝達の調節におけるその役割とは無関係に作用する治療用組成物。
【請求項115】
少なくとも1つのDkk2タンパク質を含む骨疾患、骨折、骨損傷、または骨異常の治療のための治療用組成物であって、前記タンパク質がDkkによって阻害されうるいかなるWntとも無関係である治療用組成物。
【請求項116】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項114または115に記載の方法。
【請求項117】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項114または115に記載の方法。
【請求項118】
a)対象から細胞を得る工程と、
b)in vitroで
(i)支持細胞層と、
(ii)前記細胞の再生を刺激するのに十分な量のDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤と、を提供する工程と
を含むin vitroで細胞の自己再生を促進するための方法。
【請求項119】
前記支持細胞層が、細胞増殖または分化を促進する間充織幹細胞、間質細胞、または他のタイプの細胞を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記細胞が、造血幹細胞を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記細胞が、調節、免疫調節、またはNKT細胞を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項123】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項124】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、sFRP3タンパク質、またはそれらのいずれかの組合せの少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項125】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、Wntl、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、Wnt16、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項126】
哺乳類の対象における疾患の治療のための方法であって、
a)前記対象または別の対象から細胞を得る工程と、
b)前記細胞をin vitroで
(i)支持細胞層と、
(ii)前記細胞の再生を刺激するのに十分な量のDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤と、の存在下で再生する工程と、を含む方法。
【請求項127】
前記支持細胞層が、細胞増殖または分化を促進する間充織幹細胞、間質細胞、または他のタイプの細胞を含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記細胞が、造血幹細胞を含む、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
前記細胞が、調節、免疫調節、またはNKT細胞を含む、請求項126に記載の方法。
【請求項130】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項126に記載の方法。
【請求項131】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項126に記載の方法。
【請求項132】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、sFRP3タンパク質、またはそれらのいずれかの組合せの少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項126に記載の方法。
【請求項133】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、Wntl、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、Wnt16、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項133に記載の方法。
【請求項134】
哺乳類の対象における疾患の治療のための方法であって、
a)前記対象から細胞を得る工程と、
b)前記細胞をin vitroで変換し、特定の疾患に対して耐性を示す少なくとも1つの遺伝子を導入する工程と、
c)前記変換細胞をin vitroで
(i)支持細胞層と、
(ii)前記変換細胞の再生を刺激するのに十分な量のDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤と、の存在下で再生する工程と、
d)前記再生細胞を前記対象へ再投与する工程と、を含む方法。
【請求項135】
前記支持細胞層が、細胞増殖または分化を促進する間充織幹細胞、間質細胞、または他のタイプの細胞を含む、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記細胞が、造血幹細胞を含む、請求項134に記載の方法。
【請求項137】
前記細胞が、調節、免疫調節、またはNKT細胞を含む、請求項134に記載の方法。
【請求項138】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項134に記載の方法。
【請求項139】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項134に記載の方法。
【請求項140】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、sFRP3タンパク質、またはそれらのいずれかの組合せの少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項134に記載の方法。
【請求項141】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、Wntl、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、Wnt16、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項134に記載の方法。
【請求項142】
哺乳類の対象におけるウイルス感染の治療のための方法であって、
a)ウイルスに感染した対象からCD34+細胞を得る工程と、
b)前記細胞をin vitroで変換し、前記ウイルスに対して耐性を示す遺伝子を導入する工程と、
c)前記変換細胞をin vitroで
(i)支持細胞層と、
(ii)前記変換細胞の再生を刺激するのに十分な量のDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤と、の存在下で再生する工程と、
d)前記再生変換細胞を前記対象へ再投与する工程と、を含む方法。
【請求項143】
前記支持細胞層が、細胞増殖または分化を促進する間充織幹細胞、間質細胞、または他のタイプの細胞を含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記細胞が、造血幹細胞を含む、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
前記細胞が、調節、免疫調節、またはNKT細胞を含む、請求項142に記載の方法。
【請求項146】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項147】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、化学薬品、または低分子化合物、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、環状分子、複素環有機分子、核酸、脂質、荷電脂質、極性脂質、非極性脂質、糖、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質、若しくは化学薬品の断片、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項148】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、以下のタンパク質、すなわちDkkタンパク質、crescentタンパク質、cerebrusタンパク質、axinタンパク質、Frzbタンパク質、グリコーゲンシンターゼキナーゼタンパク質、T細胞因子タンパク質、dishevelledタンパク質、sFRP3タンパク質、またはそれらのいずれかの組合せの少なくとも1つ、または前記タンパク質の少なくとも1つの断片を含む、請求項142に記載の方法。
【請求項149】
前記Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤が、Wntl、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、Wnt4a、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、Wnt16、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項150】
前記ウイルス感染が、HBV感染、HCV感染、またはHIV感染を含む、請求項142に記載の方法。
【請求項151】
前記投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項126、134、および142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
前記疾患が、すべてのタイプのウイルス介在または免疫薬介在肝炎、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染を含む、請求項118、126、134、および142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記ウイルス感染が、HBV感染、HCV感染、またはHIV感染を含む、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記疾患が、大腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性ループス、骨粗鬆症、非アルコール性脂肪肝炎、糖尿病、耐糖能異常、肥満、メタボリック・シンドローム、対宿主性移植片病、多発性硬化症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、眼疾患、ブドウ膜炎、皮膚疾患、腎疾患、血液疾患、ITP、PA、自己免疫肝疾患、他のリウマチ疾患、内分泌疾患、血管炎、強皮症、CREST、神経疾患、肺疾患、筋炎、耳疾患、重症筋無力症、非HIVエイズ、エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、強皮症、混合性結合組織疾患、セリアック病、CREST症候群(皮膚石灰沈着症、レイノー症候群、食道機能不全、手指硬化症、および毛細血管拡張症)、もしくは他の免疫関連または免疫介在性障害もしくは疾患を含む、請求項118、126、134、142、および152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
疾患を治療するために、哺乳類の対象に投与されるDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連若しくは関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroで
(i)第1の試験管に調節、免疫調節、またはNKT細胞、および支持細胞層と、
(ii)第2の試験管に調節、免疫調節、またはNKT細胞、およびDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連または関連タンパク質、またはホモログ、および支持細胞層と、
(iii)第3の試験管に調節、免疫調節、またはNKT細胞、Dkkタンパク質Wnt阻害剤またはWnt拮抗剤、および支持細胞層と、を提供する工程と、
b)各々の試験管における細胞再生の量を測定する工程と、
c)前記第2の試験管における細胞の量が、第1の試験管における細胞の量よりも多く、かつ前記第3の試験管における細胞の量とほぼ同じであることを確認する工程と、を含むアッセイ。
【請求項156】
哺乳類の対象に投与されると石灰化を強化するDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroで
(i)第1の試験管にDkk2発現レトロウイルスで変換されたMC3T3細胞と、
(ii)第2の試験管に対照ベクターで変換されたMC3T3細胞と、
(iii)第3の試験管にDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログで変換されたMC3T3細胞と、を提供する工程と、
b)各々の試験管における石灰化の量を測定する工程と、
c)前記第1の試験管における石灰化の量が、前記第2の試験管における石灰化の量よりも多く、かつ前記第3の試験管における石灰化の量とほぼ同じであることを確認する工程と、を含むアッセイ。
【請求項157】
哺乳類の対象に投与されると石灰化を強化するDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroで
(i)第1の試験管にDkk2発現アデノウイルスで変換されたBMS培養物と、
(ii)第2の試験管に対照アデノウイルスで変換されたBMS培養物と、
(iii)第3の試験管にDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログで変換されたBMS培養物と、を提供する工程と、
b)各々の試験管における石灰化の量を測定する工程と、
c)前記第1の試験管における石灰化の量が、第2の試験管における石灰化の量よりも多く、かつ前記第3の試験管における石灰化の量とほぼ同じであることを確認する工程と、を含むアッセイ。
【請求項158】
前記BMS培養物が、2.3Kb Coll A1プロモータによって制御されるGFP導入遺伝子を有する3月齢のマウスから単離されたBMS細胞を含む、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
哺乳類対象に投与されると石灰化を強化するDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログのin vitroスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroで
(i)第1の試験管にDkk2発現アデノウイルスで変換された石灰化を強化する細胞と、
(ii)第2の試験管に対照アデノウイルスで変換された石灰化を強化することがない細胞と、
(iii)第3の試験管にDkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連もしくは関連タンパク質、またはホモログで変換された細胞と、を提供する工程と、
b)各々の試験管で石灰化の量を決定する工程と、
c)前記第1の試験管での石灰化の量が、前記第2の試験管での石灰化の量よりも大きく、かつ前記第3の試験管での石灰化の量とほぼ同じであることを確認する工程と、を含むアッセイ。
【請求項160】
a)再生幹細胞と、
b)Dkkタンパク質と、
c)支持細胞層と
を含む哺乳類の対象における疾患の治療用の治療用組成物。
【請求項161】
a)Dkkタンパク質と、
b)支持細胞層と
を含む哺乳類の対象における疾患の治療用の治療用組成物。
【請求項162】
a)Dkkタンパク質、Wnt阻害剤、またはWnt拮抗剤の酵素ホモログ、類似機能を有する非関連性または関連性タンパク質、またはホモログと、
b)支持細胞層と
を含む哺乳類の対象における疾患の治療用の治療用組成物。
【請求項163】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項160〜162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記組成物が、薬剤として許容される担体をさらに含む、請求項160〜162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
前記組成物が、錠剤、丸剤、糖衣錠、液体、ゲルカプセル、シロップ剤、スラリー、または懸濁液として調製される、請求項160〜162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
哺乳類における疾患を治療するための方法であって、
a)前記対象または他の対照から細胞を得る工程であって、前記細胞が調節、免疫調節、またはNKT細胞を含む工程と、
b)前記細胞を
(i)支持細胞層と、
(ii)前記細胞の再生を刺激するのに十分な量のDkkタンパク質と、の存在下で再生する工程と、
c)前記再生細胞を前記対象に再投与する工程と、
d)前記対象における細胞の再生を刺激するのに十分な追加の量のDkkタンパク質を前記対象に投与する工程と、を含む方法。
【請求項167】
投与する工程が、吸入、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはそれらの組合せによる投与を含む、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記Dkkタンパク質が、Dkk1、Dkk2、Dkk3、Dkk4、またはそれらの組合せを含む、請求項166に記載の方法。

【公表番号】特表2008−516892(P2008−516892A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527414(P2007−527414)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/017420
【国際公開番号】WO2005/112981
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(500334070)エンゾー セラピューティクス, インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】Enzo Therapeutics, Inc.
【住所又は居所原語表記】C/O Enzo Biochem, Inc., 527 Madison Avenue, 9th Floor, New York, New York 10022, United States of America
【出願人】(506383984)
【出願人】(506384327)
【出願人】(506384316)
【出願人】(506383939)
【Fターム(参考)】