説明

骨格構造体

【課題】成形過程において金属インサートと骨格部材との間から樹脂シートが流出するのを防止又は抑制することができる骨格構造体を得る。
【解決手段】樹脂シート48の外側は、繊維と樹脂との複合材より成る被覆部材50によって被覆されており、被覆部材50は、金属インサート30及び樹脂シート48と共に骨格部材22の内部に埋設されるインサート体52を構成している。骨格構造体20の成形過程においては、樹脂シート48が硬化された後に、骨格部材22が硬化されることで、樹脂シート48の流出が防止又は抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維と樹脂との複合材より成る骨格部材を含む骨格構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
骨格構造体においては、繊維と樹脂との複合材(例えばCFRP)より成る骨格部材を備える構造体が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構造体で被取付部品を締結する部位には、骨格部材の内部に金属インサートを配設する場合がある。
【0003】
ところで、このような構造体において、金属インサートと骨格部材との線膨張差による剥離荷重を抑えるために、金属インサートと骨格部材との間の全域に樹脂シートを介在させる構造(例えば、特許文献2参照)が適用されることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−215489公報
【特許文献2】特開2006−297927公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この構造では、骨格部材と樹脂シートとの粘度が違うので成形過程において樹脂シートが金属インサートと骨格部材との間から流出してしまう。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、成形過程において金属インサートと骨格部材との間から樹脂シートが流出するのを防止又は抑制することができる骨格構造体を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載する本発明の骨格構造体は、繊維と樹脂との複合材より成る骨格部材と、前記骨格部材において被取付部品を取り付ける部位の内部に配置される金属インサートと、前記骨格部材の内部に配置され、前記金属インサートの外側を被覆する樹脂シートと、繊維と樹脂との複合材より成り、前記樹脂シートの外側を被覆すると共に、前記金属インサート及び前記樹脂シートと共に前記骨格部材の内部に埋設されるインサート体を構成する被覆部材と、を有する。
【0008】
請求項1に記載する本発明の骨格構造体によれば、繊維と樹脂との複合材より成る骨格部材において被取付部品を取り付ける部位の内部には、金属インサートが配置されている。この金属インサートの外側は、骨格部材の内部に配置された樹脂シートによって被覆されている。
【0009】
ここで、樹脂シートの外側は、繊維と樹脂との複合材より成る被覆部材によって被覆されており、被覆部材は、金属インサート及び樹脂シートと共に骨格部材の内部に埋設されるインサート体を構成している。このため、骨格構造体の成形過程においては、まず、金属インサート上の樹脂シートが被覆部材によって被覆された状態で硬化され、その後、金属インサート、樹脂シート及び被覆部材を含んで構成されたインサート体が骨格部材の内部に埋設され、この状態で骨格部材が硬化されることで骨格構造体が成形されると、骨格部材が硬化される際には樹脂シートは既に硬化されているので、樹脂シートの流出が防止又は抑制される。
【0010】
請求項2に記載する本発明の骨格構造体は、請求項1記載の構成において、前記金属インサートは、前記樹脂シート及び前記被覆部材のいずれによっても被覆されずかつ前記骨格部材の内壁面に対向する対向面を備えている。
【0011】
請求項2に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートの前記対向面は、樹脂シート及び被覆部材のいずれによっても被覆されずかつ骨格部材の内壁面に対向している。このため、骨格構造体の成形過程において、金属インサート、樹脂シート及び被覆部材を含んで構成されるインサート体が形成された段階で、金属インサートの前記対向面の外周側における樹脂シートの厚さが目視によって確認可能となる。すなわち、樹脂シートの成形具合がインサート体の単位で判断できる。
【0012】
請求項3に記載する本発明の骨格構造体は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記金属インサートは、前記樹脂シート及び前記被覆部材のいずれによっても被覆されずかつ前記骨格部材の開口部に臨む締結面を備え、前記締結面は、締結具によって前記骨格部材に前記被取付部品を取り付けた状態で締結荷重を受ける面とされている。
【0013】
請求項3に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートの締結面は、樹脂シート及び被覆部材のいずれによっても被覆されずかつ骨格部材の開口部に臨んでおり、締結具によって骨格部材に被取付部品を取り付けた状態で締結荷重を受ける面となっている。このため、被取付部品の取付剛性は、例えば被取付部品が樹脂シート及び被覆部材を介して骨格部材の締結側の面に取り付けられる場合に比べて高くなる。
【0014】
請求項4に記載する本発明の骨格構造体は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の構成において、前記金属インサートは、前記被取付部品が取り付けられる側へ向けて裾野を広げた形状をなす第一張出部を備えている。
【0015】
請求項4に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートの第一張出部は、被取付部品が取り付けられる側へ向けて裾野を広げた形状をなしている。このため、被取付部品が骨格構造体に取り付けられた状態では、被取付部品側から金属インサート側への荷重が分散すると共に、第一張出部の端部の薄肉化により第一張出部の端部への応力集中が緩和される。
【0016】
請求項5に記載する本発明の骨格構造体は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の構成において、前記金属インサートは、前記被取付部品が取り付けられる側へ向けられた面部に対して略直交する壁面の一部が前記骨格部材の内壁面に沿う形状に形成されると共に当該内壁面側へ向けて裾野を広げた形状をなす第二張出部を備えている。
【0017】
請求項5に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートは、被取付部品が取り付けられる側へ向けられた面部に対して略直交する壁面の一部が骨格部材の内壁面に沿う形状に形成されると共に当該内壁面側へ向けて裾野を広げた形状をなす第二張出部を備えている。このため、被取付部品が骨格構造体に取り付けられた状態では、被取付部品側から金属インサート側への斜め方向の荷重が分散すると共に、第二張出部の端部の薄肉化により第二張出部の端部への応力集中が緩和される。
【0018】
請求項6に記載する本発明の骨格構造体は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の構成において、前記金属インサートは、前記被取付部品が取り付けられる側へ向けられた面部とは反対側の面部が前記骨格部材の内壁面に直接突き当てられている。
【0019】
請求項6に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートは、被取付部品が取り付けられる側へ向けられた面部とは反対側の面部が骨格部材の内壁面に直接突き当てられている。このため、例えば、被取付部品側から金属インサート側へ荷重が作用し、金属インサートと樹脂シートとが剥離した場合やインサート体と骨格部材とが剥離した場合にも、骨格部材の内部での金属インサートの姿勢が保持される。
【0020】
請求項7に記載する本発明の骨格構造体は、請求項4記載の構成において、前記金属インサートは、前記第一張出部の張出側の端部が面取りされている。
【0021】
請求項7に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートは、第一張出部の張出側の端部が面取りされているので、被覆部材は当該端部側の形状に沿わせて配置しやすい。このため、インサート体を成形するために被覆部材を配置する際には、第一張出部の張出側の端部や当該端部を被覆する樹脂シートと、被覆部材との間に、被覆部材の短絡(換言すれば、第一張出部の張出側の端部側の形状に沿わずに配置すること)による隙間が発生しにくくなり、ひいては、前記隙間の発生に起因した樹脂シートの流出や金属インサートの移動が抑制される。
【0022】
請求項8に記載する本発明の骨格構造体は、請求項5記載の構成において、前記金属インサートは、前記第二張出部の張出側の端部が面取りされている。
【0023】
請求項8に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートは、第二張出部の張出側の端部が面取りされているので、被覆部材は当該端部側の形状に沿わせて配置しやすい。このため、インサート体を成形するために被覆部材を配置する際には、第二張出部の張出側の端部や当該端部を被覆する樹脂シートと、被覆部材との間に、被覆部材の短絡(換言すれば、第二張出部の張出側の端部側の形状に沿わずに配置すること)による隙間が発生しにくくなり、ひいては、前記隙間の発生に起因した樹脂シートの流出や金属インサートの移動が抑制される。
【0024】
請求項9に記載する本発明の骨格構造体は、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の構成において、前記金属インサートに肉抜き穴が形成されると共に、前記肉抜き穴がパテ埋めされている。
【0025】
請求項9に記載する本発明の骨格構造体によれば、金属インサートに肉抜き穴が形成されると共に肉抜き穴がパテ埋めされている。このため、金属インサートが軽量化されると共にインサート体の成形時には樹脂シートの肉抜き穴への流出が抑えられる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の骨格構造体によれば、成形過程において金属インサートと骨格部材との間から樹脂シートが流出するのを防止又は抑制することができるという優れた効果を有する。
【0027】
請求項2に記載の骨格構造体によれば、成形過程において樹脂シートの成形具合をインサート体の単位で判断できるという優れた効果を有する。
【0028】
請求項3に記載の骨格構造体によれば、締結具によって骨格部材に被取付部品を取り付けた場合に被取付部品の取付剛性を確保できるという優れた効果を有する。
【0029】
請求項4に記載の骨格構造体によれば、被取付部品側から金属インサート側への荷重を分散することができると共に、第一張出部の端部の薄肉化により第一張出部の端部への応力集中を緩和することができるという優れた効果を有する。
【0030】
請求項5に記載の骨格構造体によれば、被取付部品側から金属インサート側への斜め方向の荷重を分散することができると共に、第二張出部の端部の薄肉化により第二張出部の端部への応力集中を緩和することができるという優れた効果を有する。
【0031】
請求項6に記載の骨格構造体によれば、金属インサートと樹脂シートとが剥離した場合や、インサート体と骨格部材とが剥離した場合にも、骨格部材の内部での金属インサートの姿勢を保持することができるという優れた効果を有する。
【0032】
請求項7に記載の骨格構造体によれば、インサート体を成形する際には、第一張出部の張出側の端部や当該端部を被覆する樹脂シートと、被覆部材との間の隙間の発生を抑えることができ、ひいては、前記隙間の発生に起因した樹脂シートの流出を抑制することができるという優れた効果を有する。
【0033】
請求項8に記載の骨格構造体によれば、インサート体を成形する際には、第二張出部の張出側の端部や当該端部を被覆する樹脂シートと、被覆部材との間の隙間の発生を抑えることができ、ひいては、前記隙間の発生に起因した樹脂シートの流出を抑制することができるという優れた効果を有する。
【0034】
請求項9に記載の骨格構造体によれば、金属インサートを軽量化することができると共にインサート体の成形時には樹脂シートの肉抜き穴への流出を抑えることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る骨格構造体を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿った拡大断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿った拡大断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるインサート体を成形するまでの工程を示す斜視図である。図4(A)は金属インサートを示す。図4(B)は金属インサートに樹脂シートを被覆した状態を示す。図4(C)はインサート体を示す。
【図5】本発明の第1の実施形態における骨格構造体を成形するまでの工程を示す斜視図である。図5(A)は骨格芯材部品を示す斜視図である。図5(B)は骨格芯材を示す斜視図である。図5(C)は骨格構造体を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態において段付きワッシャを骨格部材側に配設するための手順を示す断面図である。図6(A)は座繰り加工前の状態を示す。図6(B)は座繰り加工後の状態を示す。
【図7】本発明の第1、第2の実施形態に係る骨格構造体が適用された車体後部の一部を示す模式的な斜視図である。
【図8】図7の8−8線に沿った拡大断面図である。
【図9】図7の9−9線に沿った拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る骨格構造体20について図1〜図7を用いて説明する。なお、骨格構造体20は、車体骨格用とされ、これらの図において適宜示される矢印FRは骨格構造体20の組付状態における車両前方側を示しており、矢印UPは骨格構造体20の組付状態における車両上方側を示しており、矢印INは骨格構造体20の組付状態における車両幅方向内側を示している。
【0037】
図7には、骨格構造体20が適用された車体後部10の一部(車両右側の一部)が模式的な斜視図にて示されている。図7に示されるように、骨格構造体20(図中では破断して示す)は、車体後端部において車両幅方向を長手方向として配置されたリヤクロスメンバを構成しており、リヤサイドメンバ(詳細後述する左右一対の車体骨格用の骨格構造体60)の後端部間に掛け渡されている。この骨格構造体20の長手方向の両端部には、被取付部品(被締結部品)としてのリアサスペンションメンバ12の後端部12Aが締結により固定されている。なお、リアサスペンションメンバ12は、比較的重量が大きい重量物であり、リヤサスペンション(図示省略)を支持している。
【0038】
図1には、骨格構造体20が斜視図にて示され、図2には、骨格構造体20の締結部構造(取付部構造)が図1の2−2線に沿った拡大断面図にて示され、図3には、図1の3−3線に沿った拡大断面図が示されている。
【0039】
図1〜図3に示されるように、骨格構造体20は、骨格部材22を備えている。骨格部材22は、繊維(例えば、炭素繊維)を樹脂で固めて構成された複合材、すなわち、繊維強化樹脂(FRP、例えば、炭素繊維強化樹脂(CFRP))より成るFRP骨格(例えば、CFRP骨格)とされている。換言すれば、骨格構造体20は、FRP構造体部品(例えば、CFRP構造体部品)となっている。
【0040】
また、骨格部材22は、骨格構造体20の外郭を構成しており、図1及び図2に示されるように、組付状態において車体上下方向に対向配置される上壁22A及び下壁22Bを備えている。上壁22Aの前端寄り部位と下壁22Bの前端とは、前壁22Cによって連結されており、前壁22Cは、上壁22A側から下壁22B側へ向けて組付状態での車両後方側に若干傾斜している。また、上壁22Aの後端寄り部位と下壁22Bの後端とは、後壁22Dによって連結されており、後壁22Dは、上壁22A側から下壁22B側へ向けて組付状態での車両前方側に僅かに傾斜している。さらに、図1に示されるように、前壁22C、後壁22D、及び下壁22Bの側端、並びに上壁22Aの側端寄りの部位が側壁22E、側壁22Fにて連結されている。これらにより、骨格部材22は、台形枠状の閉断面構造を形成している。
【0041】
図2に示されるように、下壁22Bの所定部位には、開口部としての座繰り孔24A(貫通部)が貫通形成されており、上壁22Aには、下壁22Bの座繰り孔24Aの対向位置の一部に貫通孔24B(貫通部)が貫通形成されている。骨格部材22における座繰り孔24A及び貫通孔24Bの形成部位は、被締結部品であるリアサスペンションメンバ12の後端部12Aを締結する部位に対応して設定されている。
【0042】
骨格部材22の内部(断面内部)には、発泡ウレタンコアU(広義には「発泡コア材」として把握される要素であり、「発泡ウレタンフォーム」ともいう。)が充填されると共に、この発泡ウレタンコアUに埋設されるように、金属製(本実施形態ではアルミニウム合金製)の金属インサート30が配置されている。金属インサート30は、骨格部材22において座繰り孔24A及び貫通孔24Bが形成された部位に対応した部分、換言すれば、骨格部材22においてリアサスペンションメンバ12の後端部12Aを取り付ける部位の内部に配置されており、骨格部材22の上壁22Aと下壁22Bとを繋ぐように配設されている。
【0043】
図4(A)には、金属インサート30の外観斜視図が示されている。図4(A)に示されるように、金属インサート30は、略筒形状を成すインサート本体部32を備えている。インサート本体部32は、平面視で金属インサート30の背面側を構成する縦壁面30A側から略U字形状に膨出しており、図3に示されるように、膨出側を成す湾曲部32Aが骨格部材22の前壁22C側へ向けられるように配置される。すなわち、図2に示されるように、インサート本体部32の湾曲部32Aは、骨格部材22の前壁22Cから離れてインサート本体部32のボルト挿通孔34にほぼ沿っている。
【0044】
図4(A)に示されるように、インサート本体部32のボルト挿通孔34は、インサート本体部32の湾曲部32A寄りにおいて軸心方向に沿って貫通形成されている。このボルト挿通孔34の内面にはタップにより雌ねじ部(図示省略)が形成されている。図2に示されるように、このボルト挿通孔34には、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aを貫通した締結具としてのボルト14の軸部14Aが挿入されて螺合されるようになっている。
【0045】
なお、このボルト挿通孔34の雌ねじ部にボルト14が螺合されることによって、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aは、ボルト14の頭部14Bと、金属インサート30側の段付きワッシャ40(詳細後述)と、の間に挟まれて締結されるようになっている。
【0046】
インサート本体部32の軸線方向一端部側からは第一張出部36が軸線方向に交差する方向にかつ一体に延設されている。この第一張出部36は、リアサスペンションメンバ12が取り付けられる側へ向けて湾曲しながら裾野を広げた形状をなしており、図4(A)に示されるように、平面視で略U字形状をなしている。
【0047】
図2に示されるように、金属インサート30の底面30Bは、インサート本体部32の底面と第一張出部36の底面とを含んで構成されており、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aが取り付けられる側へ向けられた面部とされている。この底面30B側には、ボルト挿通孔34の外周側に凹状の凹座部130Bが形成されている。この凹座部130Bには、段付きワッシャ40のボス部40Aが配設されている。
【0048】
段付きワッシャ40は、短円筒状に形成されたボス部40Aの軸線方向一端側からフランジ40Bが同軸的かつ一体に延設されて構成されている。ボス部40Aは、その外径が凹座部130Bの内径よりも若干小さく設定されると共に、その内径がボルト挿通孔34の内径(最大径)よりも若干大きく設定されている。また、フランジ40Bの外径は、凹座部130Bの内径に対し十分に大きく設定されており、骨格部材22の下壁22Bに接着剤42で接着されている。
【0049】
また、金属インサート30は、底面30Bに対して略直交する壁面の一部としての縦壁面30Aが図3に示すように、骨格部材22の後壁22D(外周壁)の内壁面122Dに沿う形状に形成されており、図3及び図4(A)に示すように、骨格部材22の後壁22D(外周壁)の内壁面122D側(換言すれば、縦壁面30A側)へ向けて湾曲しながら裾野を広げた形状をなす第二張出部38を備えている。また、図3の部分拡大図に示されるように、金属インサート30は、第二張出部38の張出側の端部が大きく面取りされている(面取り部を符号38Aで示す。)。
【0050】
また、図2及び図3に示されるように、金属インサート30の所定部位(余肉部)には、重量軽減用の肉抜き穴44が軸線方向に直交する方向に貫通形成されている。また、肉抜き穴44を囲い込む樹脂シート48(詳細後述)が肉抜き穴44に流れ込まないように、金属インサート30よりも軽量のパテ46で肉抜き穴44が埋められて(パテ埋めされて)いる。パテ46としては、例えば、セラミックス等を用いることができる。
【0051】
骨格部材22の内部には金属インサート30の外側を被覆する樹脂シート48が配置されている。このように金属インサート30を樹脂シート48で囲むのは、金属インサート30と骨格部材22との線膨張差により(例えば、骨格部材22の成型温度から常温に冷える際に)発生する剥離応力を樹脂シート48の弾性変形によって吸収するためである。また、樹脂シート48は、前記剥離応力を吸収するためにある程度の厚みを備えている。
【0052】
この樹脂シート48の外側は、被覆部材50によって包まれるように被覆されている。被覆部材50は、繊維(例えば、炭素繊維)を樹脂で固めて構成された複合材、すなわち、繊維強化樹脂(FRP、例えば、炭素繊維強化樹脂(CFRP))より成るFRP層(例えば、CFRP層)とされている。この被覆部材50は、金属インサート30及び樹脂シート48と共に骨格部材22の内部に埋設されるインサート体52(繊維強化樹脂インサート、CFRPインサート、図4(C)参照)を構成している。
【0053】
なお、金属インサート30の形状は、被覆部材50の基材を貼り付けやすいようにR状の湾曲面を備えた形状とされており、これにより被覆部材50の基材は容易かつ連続的に金属インサート30に貼り付けられるようになっている。
【0054】
図2に示されるように、金属インサート30は、凹座部130Bの底面を構成する締結面31Bが樹脂シート48及び被覆部材50のいずれによっても被覆されずかつ骨格部材22の座繰り孔24Aに臨んでいる。換言すれば、段付きワッシャ40が配設される前の状態では締結面31Bは座繰り孔24Aから露出している(図6(B)参照)。金属インサート30の締結面31Bは、ボルト14によって骨格部材22にリアサスペンションメンバ12の後端部12Aを取り付けた状態で段付きワッシャ40側から締結荷重を受ける面とされている。また、金属インサート30は、骨格部材22への対向面としての上面30Cが樹脂シート48及び被覆部材50のいずれによっても被覆されずかつ骨格部材22における上壁22A(外周壁)の内壁面122Aに対向した状態で内壁面122Aに直接突き当てられている。この上面30Cは、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aが取り付けられる側へ向けられた底面30Bとは反対側の面とされている。一方、金属インサート30の縦壁面30Aは、樹脂シート48及び被覆部材50を介して骨格部材22の内壁面に接合されている。
【0055】
(骨格構造体の成形手順及び作用・効果)
次に、骨格構造体20の成形手順を説明すると共に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0056】
図1に示される骨格構造体20の成形過程においては、まず、作業者は、図4(A)に示される金属インサート30の外側の大部分(上面30Cを除く部分)に、図4(B)に示されるように、樹脂シート48を貼り付け、さらにその外側を包むように、図4(C)に示されるように、被覆部材50の基材を貼り付ける。
【0057】
ここで、図3に示されるように、金属インサート30における第二張出部38の張出側の端部は、被覆部材50のみによって被覆されるが、第二張出部38の張出側の端部は面取りされているので、被覆部材50の基材は当該端部側の形状に沿わせて配置しやすい。
【0058】
このため、図4(C)に示されるインサート体52を成形するために、被覆部材50の基材を貼り付ける際には、図3に示される第二張出部38の張出側の端部や当該端部を被覆する樹脂シート48と、被覆部材50の基材との間に、被覆部材50の基材の短絡(ショート)による隙間(空隙)が発生しにくくなる。なお、図中では面取り部38Aがない対比構造における被覆部材の短絡位置を一例として二点鎖線Sで示す。また、インサート体52は、金属インサート30の外側に樹脂シート48及び被覆部材50の基材が被覆された状態で、圧力がかけられて加熱されることによって成形(硬化)されるが、このような成形時には前記隙間の発生に起因した樹脂シート48の流出や金属インサート30の移動が抑制される。
【0059】
また、インサート体52の単位(小さい部品単位)で成形がなされるので、成形時において型内にセットされる成形対象の向きの自由度が大きい。このため、樹脂シート48が流出しにくい向きに成形対象をセットすることが容易にできる。
【0060】
また、図4(C)に示されるように、インサート体52は、金属インサート30の上面30Cが樹脂シート48及び被覆部材50のいずれによっても被覆されていない露出面となっている。このため、インサート体52が形成された段階で、金属インサート30の上面30Cの外周側における樹脂シート48の板厚が目視によって確認可能となる。すなわち、樹脂シート48の成形具合がインサート体52の単位で判断できる。よって、仮に樹脂シート48に成形不具合(所定の厚みが確保できないこと等)があっても、インサート体52の単位で廃棄すればよく、骨格構造体20(図1参照)全体を廃棄するのに比べてコストメリットが大きい。
【0061】
その後、インサート体52と、図5(A)に示される発泡ウレタンコアUの発泡材とが、型に入れられて成形されることによって、インサート体52と発泡ウレタンコアUとがASSY化され、図5(A)に示される骨格芯材部品54Aが形成される。骨格芯材部品54Aは、図5(B)に示される骨格芯材54の長手方向の一方側を構成しており、左右対称品の骨格芯材部品54A、54Bが接着剤56によって直列的に接合されることで、骨格芯材54が形成される。
【0062】
その後、この骨格芯材54の外側に図5(C)に示される骨格部材22の基材を貼り付けることによって、インサート体52を骨格部材22の内部に埋設させ、この状態で加圧及び加熱によって骨格部材22を硬化させることで、骨格構造体20が成形される。ここで、図2に示される骨格部材22が硬化される際には樹脂シート48は既に(先に)硬化されているので、樹脂シート48の流出は防止又は抑制される(製造品質の向上)。
【0063】
その後、図6(A)に示される骨格構造体20の下部側(二点鎖線Bで示される部位)に、座繰り加工(機械加工)を施して座繰り形状を形成する。最後に、図6(B)に示されるように、座繰り加工を施した部位に、段付きワッシャ40が下方側から(矢印A方向から)嵌め込まれるように配設されて骨格部材22の下壁22Bに接着剤42(図2参照)で接着される。
【0064】
以上説明したように、本実施形態に係る骨格構造体20によれば、成形過程において図2に示される金属インサート30と骨格部材22との間から樹脂シート48が流出するのを防止又は抑制することができる。
【0065】
補足すると、CFRP骨格部材と金属インサートとの間に樹脂シートのみが介在された対比構造では、CFRP骨格部材と樹脂シートとの粘度の違うために、成形過程において樹脂シートが金属インサートと骨格部材との間からフォームコアや金属インサートのねじ穴等に流出してしまい、組付の不具合や見栄えの低下がもたらされる可能性がある。これに対して、本実施形態に係る骨格構造体20では、樹脂シート48を先に硬化させてから骨格部材22を硬化させるため、骨格部材22を硬化させる際の樹脂シート48の流出が防止又は抑制される。
【0066】
また、本実施形態に係る骨格構造体20では、金属インサート30の締結面31Bは、樹脂シート48及び被覆部材50のいずれによっても被覆されずかつ骨格部材22の座繰り孔24Aに臨むと共に、ボルト14によって骨格部材22にリアサスペンションメンバ12の後端部12Aを取り付けた状態で締結荷重を受ける面となっている。このため、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aの取付剛性は、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aが例えば樹脂シート48及び被覆部材50を介して骨格部材22の締結側の面に取り付けられる場合に比べて高くなる。
【0067】
なお、金属インサート30において、縦壁面30Aの外側には樹脂シート48が配設されているので、この樹脂シート48によって、金属インサート30と骨格部材22との線膨張差による接着剥がれが防止される。
【0068】
また、本実施形態に係る骨格構造体20では、金属インサート30の第一張出部36は、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aが取り付けられる側へ向けて湾曲しながら裾野を広げた形状をなしている。これにより、大きな荷重が入力される締結部位の面積が広くなるため、リアサスペンションメンバ12の後端部12Aが骨格構造体20に取り付けられた状態では、リアサスペンションメンバ12の後端部12A側から金属インサート30側への荷重が分散する。また、第一張出部36の端部が薄肉化されることで、第一張出部36の端部への応力集中が緩和され、さらには軽量化を図ることもできる。
【0069】
また、本実施形態に係る骨格構造体20では、図3に示されるように、金属インサート30は、縦壁面30Aが骨格部材22の後壁22Dの内壁面122Dに沿う形状に形成されると共に、第二張出部38が骨格部材22の後壁22Dの内壁面122D側(換言すれば、縦壁面30A側)へ向けて湾曲しながら裾野を広げた形状をなしている。これにより、縦壁面30Aの面積が広くなるため、図2に示されるリアサスペンションメンバ12の後端部12Aが骨格構造体20に取り付けられた状態では、リアサスペンションメンバ12の後端部12A側から金属インサート30側への斜め方向の荷重が縦壁面30Aによって分散する。また、図3に示される第二張出部38の端部が薄肉化することで、第二張出部38の端部への応力集中が緩和される。また、湾曲部32Aを骨格部材22の前壁22Cに沿わせずに湾曲させることで大幅な軽量化を図ることができる。
【0070】
また、本実施形態に係る骨格構造体20では、図2に示されるように、金属インサート30は、上面30Cが骨格部材22の上壁22Aの内壁面122Aに直接突き当てられている。このため、例えば、リアサスペンションメンバ12の後端部12A側から金属インサート30側へ荷重が作用し、金属インサート30と樹脂シート48とが剥離した場合やインサート体52(被覆部材50)と骨格部材22とが剥離した場合にも、骨格部材22の内部での金属インサート30の姿勢が保持される(換言すれば、転びが抑制される)。
【0071】
また、本実施形態に係る骨格構造体20では、金属インサート30に肉抜き穴44が形成されると共に肉抜き穴44が金属インサート30よりも軽量のパテ46で埋められて(パテ埋めされて)いる。このため、金属インサート30が軽量化されると共にインサート体52の成形時には樹脂シート48の肉抜き穴44への流出が抑えられる。
【0072】
補足すると、骨格構造体20には、リアサスペンションメンバ12との締結部へ大荷重が入力されるため、この部分に所定値以上の剛性が求められるが、本実施形態に係る骨格構造体20では、軽量化された金属インサート30によって高い剛性を確保することができる。このため、骨格構造体20を車体に適用することでCFRPボデーの利点(高剛性かつ軽量)を損なわずに済む。
【0073】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る骨格構造体60について、図7〜図9を用いて説明する。図8には、骨格構造体60の締結部構造(取付部構造)が図7の8−8線に沿った拡大断面図にて示され、図9には、骨格構造体60の締結部構造(取付部構造)が図7の9−9線に沿った拡大断面図にて示されている。
【0074】
図7に示されるように、骨格構造体60は、車体後部の両サイドにおいて略車両前後方向を長手方向とするリヤサイドメンバを構成している。なお、図7〜図9において、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
図7に示されるように、骨格構造体60は、略矩形状の閉断面を備えた長尺状の骨格部材62を備えている。骨格部材62は、骨格部材22と同様に、繊維(例えば、炭素繊維)を樹脂で固めて構成された複合材より成るFRP骨格(例えば、CFRP骨格)とされている。
【0076】
骨格部材62の内部には、その後部側における車体幅方向内側寄りに、インサート体としての第一インサート体64及び第二インサート体66が埋設されている。第一インサート体64は、リアサスペンションメンバ12の前端側の第一被締結部12Cが締結により固定されている。第一インサート体64の構造は、第1の実施形態におけるインサート体52(図2、図3等参照)と実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0077】
第一インサート体64よりも車両後方側に配置される第二インサート体66は、被取付部品(被締結部品)としてのアブソーバ58(図中では模式化した一部を二点鎖線で示す)を締結により固定するための金属インサート70と、リアサスペンションメンバ12の第二被締結部12Bを締結により固定するための金属インサート68と、を備えている。金属インサート68、70は比較的近い距離にあるため、まとめて一つの第二インサート体66の内部に埋設されており、これによって部品点数の削減が図られている。なお、アブソーバ58は、サスペンションの一構成要素であり、このアブソーバ58の締結部には大きな荷重が入力されるようになっている。
【0078】
図9に示されるように、金属インサート68は、以下に説明する点を除いて、概ね金属インサート30(図2参照)と同様の構成とされている。よって、金属インサート68において、金属インサート30(図2参照)と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。金属インサート68には、ボルト挿通孔34(図2参照)に代えてボルト挿通部34Aが形成されている。ボルト挿通部34Aは、上面30C側に貫通していない点を除いてはボルト挿通孔34(図2参照)と同様の構成とされている。
【0079】
また、金属インサート68は、第一張出部36の張出側の端部が大きく面取りされている(面取り部を36Aで示す。)。金属インサート68における第一張出部36の張出側の端部に面取り部36Aが形成されることによって、作業者は、被覆部材50の基材を第一張出部36の張出側の端部側の形状に沿わせて貼り付けやすい。このため、第二インサート体66を成形するために被覆部材50の基材を貼り付ける際には、第一張出部36の張出側の端部や当該端部を被覆する樹脂シート48と、被覆部材50の基材との間に、被覆部材50の基材の短絡(ショート)による隙間(空隙)が発生しにくくなり、ひいては、前記隙間の発生に起因した樹脂シート48の流出が抑制される。
【0080】
また、図8に示されるように、アブソーバ58の被取付部58Aを締結により固定するための金属インサート70は、以下に説明する点を除いて、概ね金属インサート68(図9参照)と同様の構成とされている。よって、金属インサート70において、金属インサート68(図2参照)と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
金属インサート70は、インサート本体部32(図9参照)に相当するインサート本体部72を備えている。インサート本体部72は、上部側よりも下部側が縦壁面30Aから離間するように突出しており、図8の断面視で段差形状を形成している。インサート本体部72は、下部側にて車両幅方向外側に配置される部位にボルト挿通部34Bが形成されている。ボルト挿通部34Bは、ボルト挿通部34A(図9参照)と同様の構成とされている。
【0082】
また、インサート本体部72は、縦壁面30A側も被取付部品を締結可能な部位になっており、縦壁面30A側からはボルト挿通部34Cが形成されている。ボルト挿通部34Cは、ボルト挿通部34Bの軸線方向に直交する方向を軸線方向としている点を除いて、ボルト挿通部34Bと同様の構成とされている。
【0083】
また、縦壁面30A側には、ボルト挿通部34Cの外周側に凹状の凹座部130Aが形成されて段付きワッシャ40のボス部40Aの配設用とされている。この凹座部130Aの底面を構成する締結面31Aは、樹脂シート48及び被覆部材50のいずれによっても被覆されずかつ骨格部材62の開口部としての座繰り孔62Aに臨んでいる。
【0084】
以上説明した本実施形態の構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
【0085】
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、被取付部品としてのリアサスペンションメンバ12やアブソーバ58が締結によって骨格構造体20、60に固定されているが、被取付部品は、例えば、骨格構造体に対して係合等により取り付けられた被取付部品であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
12 リアサスペンションメンバ(被取付部品)
14 ボルト(締結具)
20 骨格構造体
22 骨格部材
24A 座繰り孔(開口部)
30 金属インサート
30B 底面(被取付部品が取り付けられる側へ向けられた面部)
30C 上面(対向面、反対側の面部)
31A 締結面
31B 締結面
36 第一張出部
38 第二張出部
44 肉抜き穴
46 パテ
48 樹脂シート
50 被覆部材
52 インサート体
58 アブソーバ(被取付部品)
60 骨格構造体
62 骨格部材
62A 座繰り孔(開口部)
64 第一インサート体(インサート体)
66 第二インサート体(インサート体)
68 金属インサート
70 金属インサート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維と樹脂との複合材より成る骨格部材と、
前記骨格部材において被取付部品を取り付ける部位の内部に配置される金属インサートと、
前記骨格部材の内部に配置され、前記金属インサートの外側を被覆する樹脂シートと、
繊維と樹脂との複合材より成り、前記樹脂シートの外側を被覆すると共に、前記金属インサート及び前記樹脂シートと共に前記骨格部材の内部に埋設されるインサート体を構成する被覆部材と、
を有する骨格構造体。
【請求項2】
前記金属インサートは、前記樹脂シート及び前記被覆部材のいずれによっても被覆されずかつ前記骨格部材の内壁面に対向する対向面を備えている請求項1記載の骨格構造体。
【請求項3】
前記金属インサートは、前記樹脂シート及び前記被覆部材のいずれによっても被覆されずかつ前記骨格部材の開口部に臨む締結面を備え、前記締結面は、締結具によって前記骨格部材に前記被取付部品を取り付けた状態で締結荷重を受ける面とされている請求項1又は請求項2に記載の骨格構造体。
【請求項4】
前記金属インサートは、前記被取付部品が取り付けられる側へ向けて裾野を広げた形状をなす第一張出部を備えている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の骨格構造体。
【請求項5】
前記金属インサートは、前記被取付部品が取り付けられる側へ向けられた面部に対して略直交する壁面の一部が前記骨格部材の内壁面に沿う形状に形成されると共に当該内壁面側へ向けて裾野を広げた形状をなす第二張出部を備えている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の骨格構造体。
【請求項6】
前記金属インサートは、前記被取付部品が取り付けられる側へ向けられた面部とは反対側の面部が前記骨格部材の内壁面に直接突き当てられている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の骨格構造体。
【請求項7】
前記金属インサートは、前記第一張出部の張出側の端部が面取りされている請求項4記載の骨格構造体。
【請求項8】
前記金属インサートは、前記第二張出部の張出側の端部が面取りされている請求項5記載の骨格構造体。
【請求項9】
前記金属インサートに肉抜き穴が形成されると共に、前記肉抜き穴がパテ埋めされている請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の骨格構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−274789(P2010−274789A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129486(P2009−129486)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】