説明

骨補填材および骨補填剤の製造方法

【課題】移植から骨治癒までの期間を短縮することができるとともに、血流の悪い部位においても良好な骨治癒を得る。
【解決手段】骨欠損部に移植される基材2と、該基材2の少なくとも外表面に付着し、50μm以下の直径寸法を有しリン酸カルシウムからなる微粉体3とを備える骨補填材1を提供する。本発明によれば、微粉体3により少なくとも基材2の外表面において骨形成が促進されることにより、骨治癒までの期間の短縮を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨補填材および骨補填剤の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リン酸カルシウム系の多孔質体からなる人工の骨補填材が知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。このような骨補填材を骨欠損部位に移植すると、周辺の骨組織の骨細胞が骨補填材に移動し、また、血液が孔内を流れることにより骨補填材が自家骨化し、骨欠損部位において骨形成を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−113090号公報
【特許文献2】特開2002−272832号公報
【特許文献3】特開2003−038636号公報
【特許文献4】特開2009−050419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜4に記載の骨補填材は、気孔率や気孔の形状などを工夫し、骨細胞および血液が骨補填材の内部にも侵入しやすくすることにより、骨形成の早期化を図っている。しかしながら、骨補填材を骨欠損部位に移植してから十分に骨形成されるまでの期間の更なる短縮が求められている。また、これらの骨補填材を血流の悪い部位に移植して骨形成させようとした場合、骨補填材の十分な骨形成を得ることが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、移植から骨治癒までの期間を短縮することができるとともに、血流の悪い部位においても良好な骨治癒を得ることができる骨補填材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、骨欠損部に移植される基材と、該基材の少なくとも外表面に付着し、50μm以下の直径寸法を有しリン酸カルシウムからなる微粉体とを備える骨補填材を提供する。
本発明によれば、骨欠損部に基材を移植することにより、骨欠損部を補填することができる。この場合に、微粉体によって骨形成が効率的に促進されるので、移植から骨治癒までの期間を短縮することができるとともに、血流の悪い部位においても良好な骨治癒を得ることができる。
【0007】
上記発明においては、前記微粉体が、60〜80%の気孔率を有する多孔質体からなっていることが好ましい。
また、上記発明においては、前記微粉体が、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)からなっていることが好ましい。
このようにすることで、骨形成をさらに促進することができる。
【0008】
また、上記発明においては、前記基材が、リン酸カルシウムからなっていてもよい。
このようにすることで、基材の自家骨化を図ることができる。
また、上記発明においては、前記基材が、β−リン酸三カルシウムからなることが好ましい。
このようにすることで、基材のより良好な自家骨化を図ることができる。
【0009】
また、上記発明においては、前記微粉体が、前記基材の切削により生じた切削粉であってもよい。
このようにすることで、簡便な方法で製造することができる。
また、上記発明においては、前記基材は、直径寸法が1〜2mmの連通孔を有することが好ましい。
このようにすることで、基材の内部における骨形成を促進させることができる。
【0010】
また、本発明は、50μm以下の直径寸法を有しリン酸カルシウムからなる微粉体を、骨欠損部に移植する基材の少なくとも外表面に付着させる付着ステップを備える骨補填材の製造方法を提供する。
本発明によれば、付着ステップによって基材の少なくとも外表面に微粉体を付着させることにより、骨形成を効率的に促進し、移植から骨治癒までの期間を短縮することができるとともに、血流の悪い部位においても良好な骨治癒を得ることができる。
【0011】
上記発明においては、前記基材を切削する切削ステップを備え、前記付着ステップが、前記切削ステップにおいて前記基材を切削したときに生じた切削粉である前記微粉体を前記基材に付着させてもよい。
また、上記発明においては、前記付着ステップが、前記微粉体の混合液を前記基材に付着させた後に乾燥させてもよい。
このようにすることで、簡便な方法で微粉体を基材に付着させることができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記付着ステップの後に、前記微粉体を付着させた前記基材を焼成する焼成ステップを備えていてもよい。
このようにすることで、微粉体を基材の表面により堅固に付着させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、移植から骨治癒までの期間を短縮することができるとともに、血流の悪い部位においても良好な骨治癒を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る骨補填材の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る骨補填材の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図2の骨補填材の製造方法の変形例を示すフローチャートである。
【図4】実施例1の実験結果を示すグラフであり、(a)直径75〜100μmの顆粒および(b)直径25〜75μmの顆粒を用いたときの破骨細胞の貪食作用を示している。
【図5】実施例3に係る骨補填材を移植した実験結果であり、(a)本発明に係る骨補填材を移植して4ヶ月経過したときの下顎骨を示す写真と、(b)(a)の写真の一部を拡大した写真である。
【図6】比較例1の実験結果であり、(a)抜歯後の穴を空洞にしたまま4ヶ月経過したときの下顎骨を示す写真と、(b)(a)の写真の一部を拡大した写真である。
【図7】比較例2の実験結果であり、(a)切削粉を付着させた骨補填材を移植して4ヶ月経過したときの下顎骨を示す写真と、(b)(a)の写真の一部を拡大した写真である。
【図8】実施例2により製造された微粉体の粒度分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施形態に係る骨補填材1および骨補填材1の製造方法について図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態に係る骨補填材1は、図1に示されるように、骨欠損部に移植される基材2と、該基材2の表面に付着した多数の微粉体3とを備えている。
【0016】
基材2は、60〜80%の気効率を有するβ−TCPの多孔質体からなる。β−TCPは、骨欠損部に移植された後、周囲の骨組織からの作用により徐々に生体に吸収されながら自家骨へと置換されていく。図1には基材2として立方体形状のものを示しているが、基材2の形状は、補填すべき骨欠損部の形状に応じて適宜変更可能である。例えば、基材2は、直方体形状や円柱形状でもよく、顆粒形状でもよい。基材2には、直径が1〜2mmの連通孔4が1つ以上(図示する例では4つ)形成されている。このように比較的大きな連通孔4を形成することにより、基材2を内側からも効率的に自家骨化させることができる。
【0017】
微粉体3は、基材2と同様に、60〜80%の気効率を有するβ−TCPの多孔質体からなり、50μm以下の直径寸法を有している。微粉体3の直径が50μmより大きくなると、微粉体3による骨形成を促進する作用が低下する可能性がある。微粉体3は、基材2の外表面および連通孔4の内面に付着している。基材2表面における微粉体3の密度は、3.0g/cm以下が好ましい。
【0018】
このように構成された本実施形態に係る骨補填材1は以下の製造方法によって製造される。
本実施形態に係る骨補填材1の製造方法は、図2に示されるように、基材2を形成する基材形成ステップS1と、基材2に微粉体3を付着させる付着ステップS2と、微粉体3を付着させた基材2を焼成する焼成ステップS3とを備えている。
【0019】
基材形成ステップS1は、例えば、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムおよび水を適切な割合で配合したスラリーを十分に反応させた後に乾燥させ、乾燥させて得られた固形物を粉砕し、粉砕して得られた粉末を鋳型内で焼結させることにより行われる。このときに、鋳型の形状を適宜選択することにより、連通孔4も形成される。
【0020】
付着ステップS2は、β−TCPの多孔質体からなる微粉体3を緩衝液に混合した混合液を基材2の外表面および連通孔4内面に付着させた後、基材2を乾燥させることにより行われる。これにより、微粉体3を、基材2の外表面および連通孔4の内面に容易に略均一に付着させることができる。
【0021】
焼成ステップS3は、微粉体3が付着させられた基材2を非酸素雰囲気下、例えば、窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で加熱することにより行われる。焼成時の温度は、β−TCPの融点より低ければよいが、300〜500℃が好ましい。焼成により、基材2に付着した微粉体3が基材2の表面と共有結合を形成し、微粉体3がより堅固に基材2表面に保持される。
【0022】
このように製造された骨補填材1によれば、骨欠損部に移植された後、基材2が時間の経過に伴って自家骨へと置換されることにより骨欠損部に骨を新たに形成することができる。このときに、基材2の外表面に付着した微粉体3によって、基材2の外表面において骨形成が促進される。これにより、基材2と該基材2に隣接する骨組織との骨癒合の早期化を図り、移植から骨治癒までの期間を短縮することができるという利点がある。さらに、連通孔4の内面に付着した微粉体3によって基材2の内側からも骨形成が促進されるので、基材2全体の自家骨化に要する期間をさらに短縮して骨治癒を早期化することができるという利点がある。
【0023】
また、基材2の気孔内にまで血液が十分に供給されない環境であっても基材2表面においては効率良く骨形成が進むので、例えば、人工股関節などの血流が十分に得られない部位であっても良好な骨治癒を得ることができるという利点がある。
【0024】
上記実施形態においては、微粉体3の混合液を基材2に付着させて乾燥させた後に焼成することにより微粉体3を基材2に付着させることとしたが、他の方法により微粉体3を基材2に付着させてもよい。
例えば、図3に示されるように、基材形成ステップS1の後に切削ステップS4により基材2を切削して連通孔4を形成する場合、付着ステップS2’は、切削時に生じた切削粉のうち、比較的大きな切削粉は除去し、微小な切削粉は基材2表面にそのまま残すことにより行われてもよい。このようにすることで、簡便な方法で微粉体3を基材2に付着させることができる。
【0025】
また、上記発明においては、基材2の材料としてβ−TCPを用いることとしたが、基材2の材料はこれに限定されるものではなく、生体適合性の高い材料であればよい。
基材2の材料としては、例えば、HAP(ハイドロキシアパタイト)などのリン酸カルシウムであってもよく、チタンやステンレスなどの金属でもよい。骨補填材1の製造方法において焼成ステップS3を行う場合には、焼成に耐えられる材料が用いられる。
【0026】
このように、基材2の材料にβ−TCP以外のものを用いた場合でも、基材2の表面に微粉体3を付着させることにより基材2表面における骨形成を促進し、基材2と該基材2に隣接する骨との骨癒合の早期化を図ることができる。また、従来骨癒合が難しいために骨補填材としての使用が困難であった材料、例えば、無機材料からなる基材2であっても、その表面に微粉体3を付着させることにより移植後の良好な骨癒合を図ることができる。
【0027】
また、上記実施形態においては、微粉体3としてβ−TCPの多孔質体からなるものを用いることとしたが、他のリン酸カルシウム系の材料からなるものを用いても、上述した実施形態と同様に、骨形成を促進することができる。
【実施例】
【0028】
次に、上述した実施形態に係る骨補填材および骨補填材の製造方法の実施例について説明する。
〔実施例1〕
異なる大きさのβ−TCPの微粉体に対する破骨細胞の貧食作用を以下の実験で調べることにより、微粉体の大きさと骨形成能との関係を調べた。
なお、新生骨を形成するには、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収とが並行して進行することが必要であると考えられている。すなわち、β−TCPの微粉体に対する破骨細胞の貪食作用の程度から、微粉体が骨形成能にもたらす効果を評価することができる。
【0029】
まず、ヒト末梢血から分離した破骨細胞を、細胞数が2×10個/mlになるようにHank’s緩衝液で調製した。次に、マイクロプレートの各ウェルに、作成した細胞懸濁液50μlと、β−TCP多孔質体の顆粒(微粉体)および5×10−5モルのルミノールを含んだ懸濁液50μlとを添加し、37℃でインキュベートした。
【0030】
ここで、β−TCP多孔質体の顆粒は、β−TCPの最終濃度が0、0.01、0.1、0.5および1mg/mlになるように、各ウェルに添加した。また、β−TCP多孔質体の顆粒として、直径が25〜75μmのものと直径が75〜105μmのものとを使用した。
【0031】
そして、インキュベート中に、マイクロプレートリーダを用いてルミノールからの発光を経時的に測定した。破骨細胞がβ−TCPを貧食することにより活性酸素が産生され、該活性酸素とルミノールが反応することによりルミノールが発光する。ルミノールの発光強度の測定結果を図4(a),(b)に示す。
【0032】
図4(a),(b)は、横軸がインキュベート時間を示し、縦軸がルミノールの発光強度を相対光単位(RUL)で示している。この実験結果から、直径寸法が75〜105μmの顆粒よりも、直径寸法が25〜75μmの顆粒を使用した方が効率的に破骨細胞によるβ−TCPの貪食が進むことが確認された。また、破骨細胞がβ−TCPと接触してから約5分間でその貧食作用が最大となることが確認された。
【0033】
以上の結果から、β−TCP多孔質体からなる直径25〜75μmの微粉体を基材の表面に付着させておくことより、破骨細胞を基材表面に効率的に捕捉してβ−TCPの吸収を促進させ、その結果として骨形成を促進することができることが示唆された。
【0034】
〔実施例2〕
実施例2に係る基材および微粉体を、以下の手順で製造した。
リン酸水素カルシウム二水和物と炭酸カルシウムとを、Ca:P=1.5:1となるように混合し、これに純水を添加して10重量%のスラリーを調整した。調整したスラリーをボールミル内で24時間摩砕しながら反応させた後、バット内に収容して80℃で乾燥させた。次に、乾燥して得られた固形物を粉砕し、750℃で1時間仮焼した。
【0035】
次に、仮焼して得られた粉末60gに、ポリアクリル酸アンモニウムエチレンノニルフェニルエーテル5mlを添加して撹拌することにより発泡体を生成した。次に、生成した発泡体を鋳型内に収容して80℃で24時間乾燥させた後、1時間に100℃ずつ昇温させ、1050℃で30分間焼結することによりβ−TCP多孔質体からなる基材を製造した。
【0036】
製造された基材の気孔率を粉末X線回折法で測定したところ、60〜80%であった。
微粉体は、製造した基材を粉砕して粉末状にした後、得られた粉末を孔径が25μmのふるいにかけて選別することにより得た。
【0037】
〔実施例3〕
次に、実施例2に係る基材と微粉体とからなる骨補填材の骨形成能を以下の実験により評価した。
まず、本実施例に係る骨補填材を以下の手順で製造した。基材として、75%の気孔率を有するもの使用した。基材は、外径が3.7mm、高さが10mmであり、一方の端面には深さが8mm、内径が1.3mmの孔が形成された略円筒形状のものを使用した。基材に、微粉体を0.1g/mlでPBSに混合した溶液を付着させた後、基材を十分に乾燥することにより本実施例に係る骨補填材を製造した。
【0038】
次に、24週齢のハイブリット犬の下顎の骨を抜歯し、抜歯から2ヶ月経過後に、抜歯により空いた下顎骨の穴内に本実施例に係る骨補填材を移植した。移植から4ヶ月後、下顎骨の移植部位を採取し、骨補填材の略中心位置において頬舌的に切り出して病理組織片を作成した。作成した病理組織片を、HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色を施した後、光学顕微鏡で観察した。
【0039】
本実施例に対する比較例1として、抜歯により空いた穴の内部を空洞の状態のままで4ヶ月経過させた下顎骨について、本実施例と同様に病理薄切片を作成・染色し、観察を行った。また、本実施例に対する比較例2として、切削により基材に孔を形成して切削粉をそのまま基材表面に残すことにより製造した骨補填材を用いたことを除いて本実施例と同様に移植、病理組織片の作成・染色、観察を行った。
【0040】
以上の3種類の観察結果を図5(a),(b)〜図7(a),(b)に示す。図5(a)、図6(a)および図7(a)は、実体顕微鏡により1倍の倍率で観察した写真である。図5(b)、図6(b)および図7(b)はそれぞれ、図5(a)、図6(a)および図7(a)の骨補填材の移植部位または下顎骨の穴の部位をシステム顕微鏡により10倍の倍率で拡大観察した写真である。
【0041】
図5(a),(b)は、本実施例に係る骨補填材を用いた結果を示している。下顎骨の穴A内、すなわち骨補填材が移植された部位にピンク色に染色された新生骨Bが観察できた。符号Cは歯槽を示し、符号Dは海綿骨を示し、符号Eは微粉体を示している。微粉体Eは、一部分に凝集して観察された。これは、微粉体Eの大部分は、吸収および自家骨に置換されたために観察されず、微粉体Eの一部のみが吸収および自家骨化せずに残ったためと考えられる。
【0042】
図6(a),(b)は、比較例1の結果を示している。下顎骨の穴A内は繊維性のコラーゲン組織Fによって満たされているとともに、炎症が惹起していることが確認された。
図7(a),(b)は、比較例2に係る骨補填材を用いた結果を示している。下顎骨の穴A内には、本実施例に係る骨補填材を移植した結果と同様に、新生骨Bが観察できた。また、切削粉はほとんど観察されなかった。これは、切削粉が吸収および自家骨に置換されたためと考えられる。
【0043】
以上の結果から、基材の表面に微粉体が付着した骨補填材を用いることにより、十分に早期に骨形成が進行することが確認された。
【0044】
〔実施例4〕
次に、実施例2により製造された直径25μm以下の微粉体の粒度分布を以下の手順で調べた。
実施例2により製造された微粉体を、トリトンX−100を添加した蒸留水に混合し、超音波バス内で出力150Wの超音波を照射することにより蒸留水内で十分に分散させ、分散溶液を調整した。次に、分散溶液の粒度分布を、日機装社製マイクロトラックHRAを用いて測定した。その測定結果を図8に示す。
【0045】
図8から、実施例2に係る微粉体の大きさは、1〜10μmnの範囲内に分布していたことが確認された。すなわち、直径が1〜10μmの微粉体により、骨補填材の骨形成を促進することができることが示唆された。
【符号の説明】
【0046】
1 骨補填材
2 基材
3 微粉体
4 連通孔
A 穴
B 新生骨
C 歯槽
D 海綿骨
E 顆粒
F コラーゲン組織
S1 基材形成ステップ
S2,S2’ 付着ステップ
S3 焼成ステップ
S4 切削ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨欠損部に移植される基材と、
該基材の少なくとも外表面に付着し、50μm以下の直径寸法を有しリン酸カルシウムからなる微粉体とを備える骨補填材。
【請求項2】
前記微粉体が、60〜80%の気孔率を有する多孔質体からなる請求項1に記載の骨補填材。
【請求項3】
前記微粉体が、β−リン酸三カルシウムからなる請求項1に記載の骨補填材。
【請求項4】
前記基材が、リン酸カルシウムの多孔質体からなる請求項1に記載の骨補填材。
【請求項5】
前記基材が、β−リン酸三カルシウムからなる請求項4に記載の骨補填材。
【請求項6】
前記微粉体が、前記基材の切削により生じた切削粉である請求項4に記載の骨補填材。
【請求項7】
前記基材は、直径寸法が1〜2mmの連通孔を有する請求項4に記載の骨補填材。
【請求項8】
50μm以下の直径寸法を有しリン酸カルシウムからなる微粉体を、骨欠損部に移植する基材の少なくとも外表面に付着させる付着ステップを備える骨補填材の製造方法。
【請求項9】
前記基材を切削する切削ステップを備え、
前記付着ステップが、前記切削ステップにおいて前記基材を切削したときに生じた切削粉である前記微粉体を前記基材に付着させる請求項8に記載の骨補填材の製造方法。
【請求項10】
前記付着ステップが、前記微粉体の混合液を前記基材に付着させた後に乾燥させる請求項8に記載の骨補填材の製造方法。
【請求項11】
前記付着ステップの後に、前記微粉体を付着させた前記基材を焼成する焼成ステップを備える請求項9または請求項10に記載の骨補填材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−239815(P2011−239815A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111969(P2010−111969)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】