説明

高いスポット配置精度で印刷する方法

【課題】プリント回路基板の印刷において、ランダム/不均等に離間配置されたエゼクタ位置を備えたプリントヘッド、及び複数のプリントヘッドの粗い位置合わせを用いて、高いスポット配置精度で印刷する。
【解決手段】ランダム/不均等に離間配置されたエゼクタ位置を備えたプリントヘッド、及び多重プリントヘッドの粗い位置合わせを用いて、高いスポット配置精度でスポットを印刷する。カメラを用いて全てのプリントヘッドから出たスポット位置を正確に判定し、高いアドレス指定能力で印刷することによって行われる。スポット配置精度は、スポット位置に再現性があり、且つ他のシステム誤差が無視できる限りにおいて、アドレス指定能力によって決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プリント回路基板、即ちPCBは、一般のポケベルやペイジャ及びラジオから高性能なレーダ及びコンピュータ・システムに及ぶ装置内で見られる、相互接続された電子部品の内蔵モジュールである。回路は、一般に、基板として知られる絶縁盤表面に堆積された、又は「印刷された」、導電性材料の薄層によって形成される。個々の電子部品は、基板の表面に配置され、相互接続回路にはんだ付けされる。基板の1つ又はそれ以上の縁部に沿ったコンタクト・フィンガは、他のPCB又はオン・オフ・スイッチといった外部の電気装置へのコネクタとして作動する。プリント回路基板は、信号増幅器といった単一機能、又は多機能を実行する回路を有することができる。
【背景技術】
【0002】
回路組立体の他の2つのタイプは、プリント回路基板に関連する。IC又はマイクロチップと呼ばれることもある集積回路は、ICの方が、シリコンの非常に小さなチップの表面の所定位置で電気化学的に「成長」する、より多くの回路と部品を含むことができることを除けば、プリント回路基板と同様の機能を実行する。ハイブリッド回路は、その名前が意味するように、プリント回路基板のように見えるが、表面に配置されてはんだ付けされるのでなく、基板の表面上で成長するいくつかの部品を含む。
【0003】
回路の印刷は、費用のかかるリソグラフィ・プロセスを単純な印刷操作で置き換えることにより生産に関連するコスト削減を試みる、台頭しつつある技術である。従来の回路製造で使用されている繊細で時間を要するリソグラフィ・プロセスを用いるのではなく、基板上にパターンを直接印刷することにより、回路印刷システムは、生産コストを大幅に削減することができる。印刷された回路パターンは、実際の形状(即ち、薄膜トランジスタのゲート領域、ソース領域、及びドレーン領域、信号線、オプトエレクトロニクス機器部品等といった、最終回路に組み込まれることになる素子)を含むことができ、或いは、その後の半導体処理(例えばエッチング、注入等)のためのマスクとすることができる。
【0004】
印刷されたワックス・パターンは、PCBを作るための銅エッチング・マスクとして用いられることができる。レーザ・ダイレクト・イメージング(LDI)は、この目的のために現在使用されている、マスクレスのリソグラフィ法であるである。これは、レーザを用いて、直接フォトレジスト上にパターンのラスタ像を描く。これを費用対効果が高いものにするためには、特別な高速なレジストを有することが必要である。また、PCB製造における最終の重要なステップである、レーザ・ダイレクト・イメージングを用いたはんだマスク・パターン形成に適した方法は存在しない。
【0005】
典型的には、回路印刷は、固体基板を横切る単一の軸(「印刷移動軸」)に沿って、ラスタ・ビットマップにより、印刷溶液(一般的には有機材料)を堆積させることを含む。プリントヘッド、及び特にそれらのプリントヘッドに組み込まれたエゼクタの配置は、印刷移動軸に沿って印刷するように最適化される。パターンの印刷はラスタ様式で行われ、プリントヘッド内のエゼクタが基板上に印刷材料の個別の液滴を小出しにするに従って、プリントヘッドが、基板を横切る「印刷パス」を作り出す。各印刷パスの終わりで、新しい印刷パスの開始前に、基板に対するプリントヘッド位置を印刷移動軸に対して垂直方向で調整することができる。プリントヘッドは、回路パターンが全体に印刷されるまで、この様式で基板を横切って印刷パスを作り続ける。
【0006】
印刷溶液の液滴は、いったんプリントヘッドのエゼクタから小出しにされると、濡れ作用を通じて基板に自身を付着させ、次にその場所で凝固し始める。堆積される材料の大きさと形状は、濡れと凝固の競合するプロセスに左右される。相変化材料を印刷する場合、凝固は、印刷された液滴が基板へとその熱エネルギーを失って固体状態に戻るときに、生じる。別の場合、溶剤又は担体中の、有機ポリマのようなコロイド懸濁液、及び電子材料の懸濁液が印刷され、基板を濡らし、印刷された形状を残す。印刷溶液及び基板の熱的条件及び材料の性質が周囲の雰囲気条件と共に、堆積された印刷溶液が液体から固体へと変化する特定の速度を決定する。
【0007】
半導体製造プロセスのためにはスポットの配置精度が非常に重要である。良好なスポット配置精度を得ることに失敗すると、パターン形成の欠陥をもたらすことがあり、これは歩留まりを低下させ、一貫しない機器性能へと至る可能性がある。
【0008】
高いスポット配置精度を有するためには、所望のピッチ又は所望のピッチの倍数で均等に離間配置されたエゼクタを有するプリントヘッドを有することが非常に望ましい。従って、均等に離間配置された一列のエゼクタを備えたプリントヘッドを有することが一般的である。次いで、この列は、エゼクタ間のスペースが調整されることができるように、処理移動方向に対して回転される。しかしながら、市販されているプリントヘッドの幾つかは、不均等に離間配置された高密度のエゼクタを有している。高密度のエゼクタは望ましい特徴ではあるが、不均等に離間配置されたエゼクタは望ましい特徴ではない。現在、不均等に離間配置されたエゼクタを備えたプリントヘッドは、所望の位置からそれほど偏っていないエゼクタを選択し、低いアドレス指定能力で印刷することによって高いスポット配置精度を生じる、特定のシステムにおいて用いられている。これは、印刷に適したエゼクタの数を限定し、従って、プリントヘッド内に高密度のエゼクタを有していることの利点を低下させる。
【0009】
幾つかのプリントヘッドは、エゼクタ位置における偏りを有しており、これは、意図的に導入されたものの場合もあり、或いは他の製造上の制限によって引き起こされたものである場合もある。例えば、エゼクタピッチが169.32μm(150dpi(ドット/インチ)に対応)のプリントヘッドは、150DPIの倍数(600DPI、1200DPI、等)の理想的な印刷スポット位置を与えることになる。しかしながら、エゼクタのうちの幾つかが169.32μmの理想的位置になく、偏りを有している場合、印刷スポットは、150DPIで印刷されたときの偏りによって制限されるスポット配置精度を有することになる。
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,247,787号明細書
【特許文献2】米国特許第6,972,261号明細書
【特許文献3】米国特許第6,890,050号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえ、ランダム/不均等に離間配置されたエゼクタ位置を備えたプリントヘッド、及び複数のプリントヘッドの粗い位置合わせを用いて、高いスポット配置精度で印刷する方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ランダム/不均等に離間配置されたエゼクタ位置を備えたプリントヘッド、及び多重プリントヘッドの粗い位置合わせを用いて、高いスポット配置精度でスポットを印刷する方法が、本明細書において開示される。これは、視覚システムを用いて全てのプリントヘッドから出たスポット位置を正確に判定し、高いアドレス指定能力で印刷することによって行われる。スポット配置精度は、スポット位置に再現性があり、且つ他のシステム誤差が無視できる限りにおいて、アドレス指定能力によって決定されることになる。
【0013】
例示的な実施形態によれば、高いスポット配置精度で基板上にスポットを印刷する方法が提供される。この方法は、カメラと、各プリントヘッド上に1つ又はそれ以上のエゼクタを備えた1つ又はそれ以上のプリントヘッドとを含む、印刷システムの複数の構成要素を設定し、少なくとも1つのプリントヘッドのエゼクタの全てから少なくとも1つの液滴を噴射し、カメラを用いて、プリントヘッドから出た印刷スポットの位置を測定し、測定されたスポット位置を、少なくとも1つの仮想プリントヘッドを記述する初期仮想位置として共通座標系に格納するステップを含む。
【0014】
例示的な実施形態の他の態様によれば、データ処理装置上で実行可能であり、且つ、高いスポット配置精度で基板上にスポットを印刷するために使用可能な、1組のプログラム命令を格納する記憶媒体が提供される。この1組のプログラム命令は、カメラと、各プリントヘッド上に1つ又はそれ以上のエゼクタを備えた1つ又はそれ以上のプリントヘッドとを含む、印刷システムの複数の構成要素を設定するための命令と、少なくとも1つのプリントヘッドから少なくとも1つの液滴を噴射するための命令と、カメラを用いて、プリントヘッドから出た印刷スポットの位置を測定するための命令と、測定されたスポット位置を、少なくとも1つの仮想プリントヘッドを記述する初期仮想位置として共通座標系に格納するための命令と、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、中央処理装置(CPU)、CPUのためのメモリ記憶装置、及び連結された表示装置を含む、従来のコンピュータ・コンポーネントにより実行される、データ・ビット上の演算のアルゴリズム及び記号表記で提示される。これらのアルゴリズム的記載と表記は、データ処理技術分野の当業者によって、他の当業者にその研究の内容を最も効果的に伝えるために用いられる手段である。アルゴリズムは一般に、所望の結果に導く首尾一貫した一連のステップとして理解されている。これらのステップは、物理量の物理的操作を要するステップである。通常は、必ずしも必須ではないが、これらの量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、及びそれ以外の操作が可能な、電気的又は磁気的な信号の形態をとる。主として一般に慣例であるという理由により、これら信号を、ビット、値、要素、記号、文字、項、数、又はその種の他のものとして言及することが、ときとして便利であることが証明されている。
【0016】
しかしながら、これらの全て及び同様の用語は、適切な物理量と関連づけられるものであり、これらの量に適用される便利な標識にすぎないことを理解すべきである。以下の議論から明らかなように、別に特記されない限りは、記載全体を通して、「処理」又は「計算(computing)」又は「計算(calculating)」又は「判定」又は「表示」等のような用語を用いた議論は、コンピュータ・システムのレジスタ及びメモリ内部の物理(電子的)量として表されるデータを、コンピュータ・システム・メモリ若しくはレジスタ、又は他のそのような情報記憶装置、伝送装置、若しくは表示装置内の物理量として同様に表される他のデータへと操作及び変換するための、コンピュータ・システム又は同様の電子的計算装置の作用とプロセスに言及していることが認識される。
【0017】
例示的な実施形態はまた、本明細書において議論される操作を実行する装置にも関連する。この装置は、必要な目的に特化して構築することができ、又はコンピュータに格納されたコンピュータ・プログラムによって選択的に作動され又は再設定される、汎用コンピュータを含むことができる。そのようなコンピュータ・プログラムは、各々、コンピュータ・システム・バスに連結される、フレキシブル・ディスク、光学ディスク、CD−ROM、及び、磁気光学ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光学カード、又は電子的命令を格納するのに適した任意の媒体といった、コンピュータ可読記憶媒体に格納することができるが、これらに限られるものではない。
【0018】
本明細書において提示されるアルゴリズム及び表示は、いずれの特定のコンピュータ又は他の装置にも固有に関連付けられるものではない。多様な汎用システムを本明細書における教示に従ったプログラムと共に使用することができ、或いは、本明細書において説明される方法を実行するための、さらに特化した装置を構築することが便利であると立証できる。これら多様なシステムの構造は、以下の説明から明白となる。それに加えて、例示的な実施形態は、いずれの特定のプラグラミング言語にも関連して説明されるものではない。本明細書において説明される例示的な実施形態の教示を実施するために、多様なプログラミング言語を使用することができることが認識される。
【0019】
機械可読(Machine Readable)媒体は、機械(例えばコンピュータ)によって可読な形態で情報を格納又は伝送するためのいずれかの機構を含む。例として、機械可読媒体は、いくつかの例を挙げるだけでも、読み込み専用メモリ(「ROM」)、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュ・メモリ装置、及び電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)を含む。
【0020】
例示的な実施形態の説明において、「データ」という用語は、本明細書においては、情報を示す又は含む、物理的信号を指す。この場合、物理光のパターン又は物理光を表すデータの集合としての「画像」は、文字、単語、及び文書、並びに図形及び回路レイアウトといった他の形状を含むことができる。画像の一部又は全てに関するデータの項目を操作する場合、その操作は「画像処理」を実行する。
【0021】
画像のたった1つの画素が、その全てが多様な実施形態に適用することができる多くの既知のシナリオの1つでフォーマットされ、サンプリングされ、又は、生成されるだけでも、その画像は高いアドレス指定能力を持つ画像であり得る。高いアドレス指定能力を持つ画素は、高いアドレス指定能力を持つ複数の画素事象を含む画素であることができ、ここで、例えば、高いアドレス指定能力を持つ画素事象の各々は、その画素に関しての書込みスポットの特定の空間配置に対応し、且つ、その特定の空間配置における書込みスポットの性質を表す値を有する。例えば、2進の高いアドレス指定能力を持つ画素において、高いアドレス指定能力を持つ画素事象の各々は、書込みスポットが、対応する空間配置で「オン」か「オフ」かを示すシングル・ビットである。一般に、上記のように用いられる場合の高いアドレス指定能力は、グリッドの空間的サンプリングが一方向で他の方向よりも高い、画素のグリッドを指す。
【0022】
高いアドレス指定能力はまた、一般に、画像化装置が書込みスポットのサイズよりも細かい精度で書込みスポットを位置決めできる、画像化方法に当てはまる。例として、典型的な高いアドレス指定能力(すなわち、高精度)のシステムは、40μmの書込みスポット、ラスタ・ラインに対して、垂直の方向に600DPIのアドレス指定能力、及びラスタ・ライン方向に4800DPIのアドレス指定能力で作動することができる。
【0023】
高いアドレス指定能力はまた、書込みシステムへの入力よりも高いサンプリング解像度での画像の書込みに当てはまる。同様に、高いアドレス指定能力はまた、少なくとも1つの次元での、入力解像度よりも高い画素サンプリング解像度にも当てはまる。例えば、300DPIの入力解像度は600DPIに変換することができ、その解像度変換は、高いアドレス指定能力と称される。
【0024】
高アドレス指定能力の画像を書き込むシステムは、典型的には、クロック変調、振幅変調、パルス幅変調、パルス幅位置変調又は同等の手順を用いた、レーザ又は同様の書込み装置を制御する。レーザ・スキャナ以外の画像化装置もまた、高いアドレス指定能力を用いる。例として、インクジェット装置は、高いアドレス指定能力でのスポット配置をもたらす液滴噴射速度を有することができ、LED像形成バーは、スポット・サイズとダイオード間隔に対して相関が高い速度で、LED「オン」事象をクロック制御することができる。
【0025】
本明細書において説明される例示的な実施形態の1つ又はそれ以上の特徴は、例えば高いアドレス指定能力の画像を含む、どのようなデジタル画像にも適用することができる。
【0026】
さらに、画像をデジタルで再生する多くのシステムが、スキャニング領域に移送されてきたときに文書を適切に位置合わせする機械式システムを使用することが周知である。機械式システム及び方法は有用ではあるが、典型的には、文書がスキャナによって取り込まれる前にスキャニング面上の完全な位置合わせ位置に文書を配置することができない。従って、電子的システム及び方法が、画像を正確に位置合わせするのに必要とされる精密な調整を適用するために利用される。
【0027】
例えば、入力された文書又は画像が取り込まれる前に画像センサに対して回転された状態になる場合、「スキュー」が導入される場合がある。スキュー補正は、文書の縁部に対する文書の回転の大きさ及び方向を判定し、画像データに対して対応する反対の回転を適用することによってスキューを排除する、周知の画像化プロセスである。
【0028】
ここで図面を参照すると、図1は、例示的な実施形態の態様の実施に適した印刷システム2の基本的なアーキテクチャを示す。印刷システム2は、コンピュータ/ワークステーション(又はPC(パーソナルコンピュータ))4を含み、これは、アナログ波形生成器6、デジタル波形生成器8、ビデオフレーム・グラバ10、及びモーション・コントロール12のような種々の機能を含む。
【0029】
アナログ波形生成器6は、多重の圧電プリントヘッド14のノズルのための低電圧波形13を生成する。波形増幅器16はアナログ波形生成器6から受信した信号を増幅する。デジタル波形生成器8は、画像の各画素についてのデジタル印刷データを生成する。ビデオ・フレーム・グラバ10は、ビデオ画像を取り込み、カメラ18と通信する。モーション・コントロール12は、基板及び圧盤(図示せず)を動かし、位置トリガ20を作成する。
【0030】
図2は、印刷システム2の概略図である。本明細書で開示される実施形態は例示の目的のために回路印刷について説明されているが、これらの実施形態は印刷システムからもたらされる高解像度の形状が必要とされるいかなる状況にも適用することができることに留意されたい。印刷システム2は、基板32を支持する(及び、選択した場合には並進させる)ためのスタンド30と、印刷支持構造体36に取り付けられた印刷組立体34とを含む。コンピュータ/ワークステーション4は、システムコントローラとデータプロセッサの両方の役割を果たす。スタンド30は、基板32の方向を調節することを可能にする回転プラットフォーム38を含む。回転プラットフォーム38上のオプションとしての位置合わせ形状40を、基板全体の位置決め及び捕捉を提供するために含めることができる。印刷組立体34は、剛体のマウント42に取り付けられた、(回転固定具上の)プリントヘッド14(高倍率能を有する)とカメラ18とを有する。剛体のマウント42上には、独立して取り付けられた多数のプリントヘッド14があってもよい。プリントヘッド14の各々は、エゼクタ・ベース46に取り付けられた1つ又はそれ以上のエゼクタ44を含む。エゼクタ44は、印刷流体の液滴を基板上に小出しにするように構成される。形成される印刷パターンの種類及び意図される用途に応じて、印刷流体は、ワックス又はフォトレジストのような相変化材料(半導体プロセスマスクを形成するため)、並びに溶液処理可能な電子的(即ち、導電性、半導体、又は誘電体)材料、及び有機又は無機材料のようなコロイド懸濁液(例えばIC形状を形成するため)を含む、種々の材料を含むことができる。基板32は、ウェハ、ガラス板、又は、更には布若しくはプラスチックのような可撓性材料といった、その上でパターン形成を実施することができるいかなる材料も含むことができる。以下で論じられるように、エゼクタ44は、種々の実施形態に応じて、種々の配置及び配向とすることができる。
【0031】
コンピュータ/ワークステーション4は、PCB又はICレイアウト・データのようなレイアウト・データをデータ・ソース48から受信し、次いで、適切な制御信号を印刷支持構造体36及び/又はスタンド30に提供するように構成される。データ・ソース48は、ネットワーク・コンピュータ、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を介して接続されたレイアウトデータベース、又は、更にはCD−ROM若しくは他の取外し可能記憶媒体を含む、任意のレイアウト・データ・ソースを含むことができる。コンピュータ/ワークステーション4によって提供された制御信号は、プリントヘッド14の移動及び印刷動作を、これが基板32に対して並進するように制御する。印刷動作は、印刷支持構造体36によって、スタンド30によって、又はその両方の組み合わせによって提供されることができることに留意されたい。さらに、プリントヘッド14は固定保持されることができる一方で、スタンド30は基板を並進させるので、印刷動作はプリントヘッド自体の実際の移動を必ずしも伴う必要はないことに留意のこと。コンピュータ/ワークステーション4はまた、カメラ18から画像データを受信し、処理するためにも連結されている。カメラ18は、印刷システム2のために、手作業及び自動化された較正能力の両方を提供することができる。
【0032】
印刷システム2からもたらされる所望の回路パターンを得るために、PCB又はICレイアウト・データは適切に処理されなければならず、プリントヘッド14は適切に構成されなければならず、プリントヘッド14は、スタンド30に対して正確に位置合わせ及び較正されなければならない。
【0033】
前述のように、不均等に離間配置されたエゼクタを備えたプリントヘッドは、所望の位置からそれほど偏っていないエゼクタを選択し、関与しているエゼクタの低減されたセットによって印刷することによって高いスポット配置精度を生じるシステムにおいて用いられることが多い。関与しているエゼクタの解像度よりも精細な印刷解像度を得るためには多重印刷パスを用いなければならない。しかしながら、これは印刷に適したエゼクタの数を限定し、従って、プリントヘッド内に高密度のエゼクタを有していることの利点を低下させる。さらに、プリントヘッドの幾つかは、エゼクタ位置に偏りを有し、或いは、垂線から角度を成す軌跡を描く液滴を生じさせ、これは、意図的に導入されたものの場合もあり、或いは他の製造上の制限によって引き起こされたものである場合もある。それゆえ、エゼクタの幾つかが理想的な位置になく、偏りを有している場合、印刷スポットは、印刷されたときの偏りによって制限されるスポット配置精度を有することになる。
【0034】
図3は、基板32に対して平行ではないプリントヘッド102の例を示す。これは、プリントヘッド102の反り、傾きなどによって起きることがある。これにより、種々のエゼクタ106と基板32との間の間隙g1、g2等に差が生じる。種々の間隙g1、g2等におけるこれらの差は、噴射された液滴108の飛行時間(Δt)における差をもたらすことになる。
【0035】
飛行時間はt=g/vで与えられる。ここで、gは間隙であり、vは噴射された液滴の速度である。
【0036】
飛行時間の差(Δt)は、処理方向における印刷スポットの位置の差(Δy)へと変換される。そして、Δy=(Δt)×uである。ここで、uは基板が移動する速度である。
【0037】
Δyは高い印刷速度では大きくなり、これが補正されない場合、スポット配置精度を低下させることになることを理解すべきである。正確なスポット位置を得るために所望の印刷速度でフローチャート(図4、図8及び図9)に示されるアルゴリズムを使用すると、反り/傾きに起因するスポット配置の不正確さを回避することができる。
【0038】
プリントヘッドに関するこれら及び他の問題を回避するために、高いスポット配置精度で印刷する以下の方法を用いることができる。
(1)適切な装置を設定し(即ち、多数のプリントヘッドを妥当な程度まで位置合わせする、等)、
(2)所望のプリントヘッドの全てのエゼクタから液滴を噴射し(プリントヘッドはランダム/不均等に離間配置されたエゼクタ位置を有すると仮定する)、
(3)視覚システム(例えばカメラ)を用いて、プリントヘッドから得られたスポットの位置を正確に測定し、
(4)検査されたスポット位置を、新規なエゼクタ位置を備えた新規な仮想プリントヘッドとして用い、
(5)高いアドレス指定能力及び多重パスで印刷して、高いスポット配置精度を得る。
【0039】
ここで図4を参照すると、印刷方法が更に詳細に説明される。第1段階で装置が設定される。最初に、図5(プリントヘッドから噴射されている液滴の側面図)に示されるように、多数のエゼクタ44を備えた多数のプリントヘッド14が、基板32及び印刷される画像に対して所望の位置に取り付けられる(非常に精度の高い位置合わせをする必要はない)(202)。各プリントヘッドからの印刷スポット203を観察することができ(204)、プリントヘッドに対してその位置が再現可能な様式で測定されるように、カメラ18がプリントヘッド14に対して機械的に剛直な様式で取り付けられる。ここで図6を参照すると、これは印刷スポット203を含めた基板32の平面図であり、参照番号205は、処理走査方向Pに対して直交する方向における全仮想エゼクタ・アレイの、第1エゼクタからのスポットを表すことに留意されたい。
【0040】
印刷速度Vは、以下の式に従って設定される(206)。
V=S×E (1)
ここで、Sは所望のスポット配置精度であり、Eは最大噴射周波数である。
【0041】
次に、プリントヘッド14が安定した噴射モードとなるように、幾つかの連続する液滴が噴射され(208)、小数の画素の間隙を残す(210)。
【0042】
ここで第2の段階に移り、1滴から数滴の液滴が、所望のプリントヘッド14の全てのエゼクタ44から噴射される(212)。
【0043】
次いで、カメラ18を用いて、印刷スポット203の位置が正確に測定される。図7に示されるように、基板32はカメラ18の下に位置決めされ、カメラ18は、印刷スポット203に対してズームし、焦点を合わせる(214)。全ての印刷スポットの位置座標が測定される(216)。それらの位置が記憶される。これらのスポット位置は、これらの位置に対して信頼性の高い精度で印刷する「仮想プリントヘッド」の記述としての役割を果たす。
【0044】
仮想プリントヘッドの記述は、この時点の後で改善又は修正することができる。エゼクタの母集団全体及びその各々のスポットを再測定して、位置データを上書きすることができる。仮想プリントヘッド記述は、同様のアプローチを用いて後で修正又は較正することができる。
【0045】
エゼクタのサブセット(小集合すなわち1つ又は複数のエゼクタ)は、検査されることができるスポットを印刷することができる。これらのスポットの位置は、初期仮想プリントヘッド記述によって予測される期待位置と比較されることができる。この差は、(A)物理的なプリントヘッドの移動、又は(B)仮想位置データの修正のいずれかによって、全ての仮想プリントヘッド位置に適用されることができる並進及び/又は回転を記述することになる。エゼクタのサブセットのみを検査し、補正を規定することによって、仮想位置データ全体を素早く修正することができる。これらの位置における「差」は、デルタ、誤差、変位、シフト、ドリフト、較正、又はマーキング産業において一般に用いられる他の名前で呼ぶことができることに留意されたい。
【0046】
スポットが印刷される精度は印刷画像を検査することによって評価することができる。スポット位置における誤差は、印刷された画像に現れることになる。得られた印刷画像を予期された画像と比較した場合、誤差を識別することができる。スポット位置の誤差を明らかにする画像は、マーキング業界において用いられている。例えば、逸脱したスポットを含んで印刷された傾斜した連続線は、ぎざぎざした鋸歯状の外観を表すことがある。どのエゼクタが逸脱スポットを引き起こしたかを識別することが可能である。そして、そのスポット配置における誤差を測定することが可能である。この誤差情報により、仮想プリントヘッド位置の記述は、(A)各スポット位置を個別に変更することによって、又は(B)仮想位置又は物理的なエゼクタの母集団に対して適用する全般的な並進及び/又は回転を決定することによって、改善又は更新することができる。
【0047】
仮想プリントヘッドは、測定された位置そのままではなく、再計算された測定位置である。この再計算測定位置は、「印刷されたスペース(空間)」における2つ又はそれ以上のエゼクタ・スポットの更新された測定位置が与えられた場合に、全てのスポット位置が再現性のある精度の範囲内で決定できるように、再計算された測定位置である。
【0048】
プリントヘッドを「仮想化」し、これを特定ではあるが共通の座標系に関連付けるための方法は、(1)エゼクタ番号1を原点と定義し、それによりエゼクタ番号1のX、Y座標をそのプリントヘッドから出た測定スポットから差し引き、(2)スポット位置に対する線形フィッティングを行った後、傾斜を差し引くこと、である。従って、プリントヘッドを、プリンタから取り出し、後で依然として有効な仮想プリントヘッド位置と共に再度取り付けることが可能である(印刷速度及び標的基板表面に対する垂直方向の関係が同じと仮定して)。
【0049】
次に、画像の印刷が所望される。所望の、印刷解像度、スポット配置精度、画像ファイル、及び仮想プリントヘッドに基づいて、計算により、発射時間、位置、及びパス数の印刷レシピが構築される。デザイン・レイヤは、所望のスポット配置精度Sに対して適切な解像度でラスタ化される(218)。プリントヘッドの1つのエゼクタが、有効印刷データを有する第1のラスタ列に位置合わせされる(220)。そのエゼクタで第1のパスを作成し、その第1のラスタ列における形状を創出する。同じパスの間に、印刷が必要とされる列の上を通過する仮想スポット位置を有する他のエゼクタが、液滴を噴射することができる。もっと多くの列の印刷が必要とされる場合、プリントヘッドは位置をシフトし、他のパスが作成される。走査方向に対して垂直な方向における非常に高い解像度は、非常に多数のパスを作成し、そのようにして処理方向に対して垂直な所与の距離当たりの印刷可能な列の数を増加させる場合に、実現することができる。処理方向において、非常に高い解像度は、処理方向における所与の距離当たりの許容される噴射事象を増加させることによって実現することができる。
【0050】
最後の段階において、高いアドレス指定能力で、且つ多重パスによって印刷して、高いスポット配置精度を得ることが望ましい。これは、全てのアクティブなプリントヘッドについて各エゼクタに位置合わせされた各ラスタ列からの印刷データを抽出することを伴う(222)。エゼクタ、ラスタ列、及びラスタ行が、エゼクタ位置ではなくスポット配置データを用いて各噴射事象に対して選択される。各エゼクタに関連付けられたデータが印刷される(224)。処理走査方向に対して直交する方向の仮想エゼクタ・アレイ全体の第1のエゼクタを、有効印刷データを有する次のラスタ列に位置合わせする(226)。換言すれば、これはアレイの1つの縁部上の最も外側のエゼクタである(図6参照)。このパスの間に他のラスタ列を通過することになるいかなる仮想エゼクタも関与するように計画を立てることができる。ステップ222、224、及び226は、全ての印刷データがラスタ列から抽出されるまで繰り返される(228)。
【0051】
従って、仮想プリントヘッド記述に基づいて、所望の画像を作成するために用いられるべき印刷シーケンスを計算することができる。次に、仮想プリントヘッド記述を利用して計算された印刷シーケンスで画像を印刷することができる。この方法によれば、4800DPIでの印刷は、所与のエゼクタに対するいかなる液滴噴射角の変動の付加の可能性も含めて5.3μm(ミクロン)のスポット配置誤差を与えることになる。
【0052】
印刷スポットの位置の測定は、エゼクタ位置の熱的に誘導される変化、液滴速度変化のエゼクタ毎のばらつき等のような再現性のある全ての問題点を補償することになる。パス数を制限することができるように、プリントヘッド間で可能な限り位置合わせを行い、理想位置からの偏りを最小化することが望ましい。測定値のひずみを回避するために、特に較正の際に、安定した基板を使用すべきであることもまた理解されたい。また、温度のような環境も、影響を最小化するために制御すべきである。
【0053】
この、上記の較正手順は、高速視覚システムで必要とされる頻度で実行することができる。
【0054】
従って、システムは、印刷スポット位置を正確に判定するために、モーション・コントロール及び視覚を含むことができる。システムが、スポット位置を求めるための視覚システムを有し、この情報を高いアドレス指定能力で印刷するために用いる場合、不均等に離間配置されたエゼクタを備えたプリントヘッドを用いて、スポットの良好なスポット配置精度を得ることが可能である。
【0055】
或いは、プリントヘッド・エゼクタが、経時的に(所望の許容差内で)非常に再現性の高い位置でスポットを生成する場合、(A)エゼクタの相対スポット位置を互いに相対的に較正すること、及び、(B)スポットの絶対位置を、測定されたスポット位置のサブセット(小集合)のスポット位置に基づいて再計算することが可能である。ステップ(A)は、1回のみ又はまれにしか行うことができないのに対し、ステップ(B)は必要に応じてしばしば実行することができる。
【0056】
単一のヘッドについての較正ステップ(A)は、既に概説し、図4に示した。多重プリントヘッドのために拡張された較正ステップ(A)を、より詳細に図8に示されるフローチャートで概説する。最初に、所望の角度でランダム/不均等に離間配置されたエゼクタを備えたプリントヘッド14が取り付けられる(正確な位置合わせは必要ではない)(302)。各プリントヘッドから出た印刷スポットを観察することができ(304)、プリントヘッドに対してその位置が再現可能な様式で測定されるように、カメラ18がプリントヘッド14に対して機械的に剛直な様式で取り付けられる。底部ステージ252の速度Vは等式(1)に従って設定され、一方、上部ステージ254は静止したままである(図5及び図7参照)。
【0057】
次に、プリントヘッド14が安定した噴射モードとなるように、幾つかの連続する液滴が噴射され(308)、小数の画素の間隙を残す(310)。
【0058】
次いで、1滴から数滴の液滴が、所望のプリントヘッド14の全てのエゼクタ44から噴射される(312)。
【0059】
次いで、カメラ18を用いて、プリントヘッド14から出た印刷スポット203の位置が正確に測定される。従って、基板32は、カメラ18の下に位置決めされ、カメラ18は、第1のプリントヘッドに対してズームし、焦点を合わせる(314)。次いで、基板32はカメラ18の下に位置決めされ、カメラ18は第1のエゼクタから出たスポットに対してズームし、焦点を合わせる(314)。次いで位置座標が測定される(316)。カメラ18のズームは、カメラの軸が基板32の表面に対して完全に垂直でないことに起因する誤差をもたらすことがあることに留意されたい。このような誤差を回避するためには、各スポット測定に対して1つのズーム倍率でカメラ18を用いることが有用であり得る。そのため、カメラ18をズームイン及びズームアウトすることができるが、ズーム値は各スポット測定の間、同じにすべきである。
【0060】
次のステップは、基板32を移動させ、カメラ18の焦点を次のエゼクタから出た印刷スポットに合わせることである(318)。次のエゼクタから出た印刷スポットの位置座標が測定される(320)。次に、第1のエゼクタから出た印刷スポットに対する相対位置が計算される(322)。これらの最後の3つのステップを、そのプリントヘッドの全てのエゼクタの座標が測定されるまで続ける(324)
【0061】
再び、基板32がカメラ18の下に位置決めされ、カメラ18は、次のプリントヘッドの第1のエゼクタからの印刷スポットに対して、ズームして、焦点を合わせる(326)。上記のことが、全てのプリントヘッド14のエゼクタ44の相対位置が得られるまで続ける(328)。
【0062】
最後に、各プリントヘッド14についての印刷スポット位置データがデスキュー(deskew)される(300)。デスキュー操作は、プリントヘッド配列に固有のものとして取られる全てのエゼクタ・スポット又はエゼクタ・スポットのサブセットの位置データに対する線形フィッティングから算出された傾斜を差引きすることによって達成することができる。次いで、位置は、第1のエゼクタの位置を差引くことによって、互いに相対的なものとされる。プリントヘッドのスキュー及びデスキューは、極座標を用いて行うことができる。プリントヘッド14のスキューは、シータ(Θ)=逆正接(v/u)(=tan-1 v/u)によって求めることができる。ここで、(0,0)は、第1のエゼクタの座標であり、(u,v)は、同じ行の最後のエゼクタの座標である。回転後の点の座標は、u’=rcos(Θ)及びv’=rsin(Θ)で表すことができる。ここでrは、

であり、Θは回転の角度である。
【0063】
測定ステップ(B)は、図9のフローチャートにより詳細に概説される。最初に、1滴の液滴が、所望のプリントヘッド14のエゼクタ44のサブセットから噴射される(402)。1つの実施形態において、サブセットは、各プリントヘッドの最初と最後のエゼクタから構成することができる。次いで、カメラ18を用いて、プリントヘッドから出た印刷スポットの位置を正確に測定する。そのようにして、基板32がカメラ18の下に位置決めされ、カメラ18は、第1のプリントヘッド(404)に対してズームし、焦点を合わせる(404)。次に、基板32がカメラ18の下に位置決めされ、カメラ18は、第1のエゼクタから出た印刷スポットに対してズームし焦点を合わせる(405)。そして、第1のプリントヘッドの第1のエゼクタから出たスポットの位置座標が、測定される(406)。次いで、基板32がカメラ18の下に位置決めされ、カメラ18は、プリントヘッドの同じ行の最後のエゼクタからのスポットに対して、焦点を合わせる(408)。
【0064】
次の数ステップにおいて、各プリントヘッドの現在の全体の位置と位置合わせを表す位置及びスキュー係数が計算され(410、412、414)、ステップ(A)で得られた全てのエゼクタ・スポットのデスキューされた相対位置に適用されて(416)、そのプリントヘッドでの印刷のためのエゼクタ・スポット位置の正確で絶対的な決定が得られる。次いで、基板32がカメラ18の下で位置決めされ、次のプリンタヘッドの第1のエゼクタから出たスポットに対して、ズームし、焦点を合わせる(418)。このプロセス(B)は、プリンタ内の全てのプリントヘッドに対して実行される(420)。
【0065】
図10〜図12は、任意のエゼクタレイアウトを有するプリントヘッドが、どのように高いアドレス指定能力で高いスポット配置精度を生じることができるかを示す。図10は任意のエゼクタ位置を有するプリントヘッドの座標を示す。図11は、600DPIで任意のエゼクタ位置を有するプリントヘッドを用いて処理方向を横切って印刷されて42.33μmまでの散乱を示す、ラインの例を図示する。図12は、4800DPIで任意のエゼクタ位置を有するプリントヘッドを用いて処理方向を横切って印刷されて5.29μmまでの散乱を示す、ラインの例を図示する。
【0066】
例示的な実施形態は、エゼクタのスポット位置における不正確さ及び多数のプリントヘッドの互いの不整合を補償することによって、高いスポット配置精度でスポットを印刷するための簡便な方法を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】システム・アーキテクチャの概略図である。
【図2】例示的な実施形態の態様を実施するために適した印刷システムを示す概略斜視図である。
【図3】基板に対して平行ではないプリントヘッドを示す。
【図4】例示的な実施形態の態様に従って高いスポット配置精度で基板上に印刷する方法のフローチャートである。
【図5】プリントヘッドから噴射されている液滴の側面図である。
【図6】印刷スポットを含めた基板の平面図である。
【図7】印刷スポットに対して焦点を合わせたカメラの側面図である。
【図8】例示的な実施形態の他の態様による、第1のスポットに対するエゼクタの相対スポット位置を較正する方法のフローチャートである。
【図9】例示的な実施形態の他の態様による、スポットの絶対位置を測定する方法のフローチャートである。
【図10】任意のエゼクタ位置を有するプリントヘッドの座標を示すグラフである。
【図11】600DPIで任意のエゼクタ位置を有するプリンタヘッドを用いて処理方向を横切って印刷されたラインを示すグラフである。
【図12】4800DPIで任意のエゼクタ位置を有するプリンタヘッドを用いて処理方向を横切って印刷されたラインを示すグラフである。
【符号の説明】
【0068】
2:印刷システム
4:コンピュータ/ワークステーション
6:アナログ波形生成器
8:デジタル波形生成器
10:ビデオフレーム・グラバ
12:モーション・コントロール
13:低電圧波形
14、102:プリントヘッド
16:波形増幅器
18:カメラ
20:位置トリガ
30:スタンド
32:基板
34:印刷組立体
36:印刷支持構造体
38:回転プラットフォーム
40:位置合わせ形状
42:マウント
44、106:エゼクタ
46:エゼクタ・ベース
48:データ・ソース
108:液滴
203:印刷スポット
252:底部ステージ
254:上部ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高いスポット配置精度で基板上にスポットを印刷する方法であって、
カメラと、各プリントヘッド上に1つ又はそれ以上のエゼクタを備えた1つ又はそれ以上のプリントヘッドとを含む、1の処理方向を持つ印刷システムの複数の構成要素を、設定し、
少なくとも1つの前記プリントヘッドの前記エゼクタの全てから少なくとも1つの液滴を噴射し、
前記カメラを用いて、前記プリントヘッドから出た印刷スポットの位置を測定し、
前記測定されたスポット位置を、少なくとも1つの仮想プリントヘッドを記述する初期仮想位置として共通座標系に格納する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記印刷システムにプリントヘッドを取り付け、
前記プリントヘッドでスポットのサブセット(小集合)を印刷し、
前記スポットのサブセットを検査及び測定して、そのプリントヘッドに対して予め規定された仮想プリントヘッド座標系を見出し、
前記仮想プリントヘッド座標系及びその中の前記スポット位置を仮想印刷システムに対して関連付けること、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
データ処理装置上で実行可能であり、且つ、高いスポット配置精度で基板上にスポットを印刷するために使用可能な、1組のプログラム命令を格納する記憶媒体であって、
前記1組のプログラム命令が、
カメラと、各プリントヘッド上に1つ又はそれ以上のエゼクタを備えた1つ又はそれ以上のプリントヘッドとを含む、印刷システムの複数の構成要素を、設定する命令と、
少なくとも1つの前記プリントヘッドから少なくとも1つの液滴を噴射するための命令と、
前記カメラを用いて、前記プリントヘッドから出た印刷スポットの位置を測定するための命令と、
前記測定されたスポット位置を、少なくとも1つの仮想プリントヘッドを記述する初期仮想位置として共通座標系に格納するための命令とを含む、
ことを特徴とする記憶媒体。
【請求項4】
前記1組のプログラム命令が、
プリントヘッド上のエゼクタのサブセットから複数のスポットを印刷する命令と、
前記スポットを検査するための命令と、
前記プリントヘッドに対する前記初期仮想位置からの回転及び並進差を判定するための命令と、
前記プリントヘッドに対する前記仮想位置を更新するための命令と、
前記更新された仮想プリントヘッド記述に基づいて所望の画像を作成するために用いられる印刷シーケンスを計算するための命令と、
前記更新された仮想プリントヘッド記述を用いて前記計算された印刷シーケンスで画像を印刷するための命令とをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−155630(P2008−155630A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324405(P2007−324405)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(504407000)パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】