説明

高い濾過率を有するシリカキセロゲルをベースとするビール清澄化助剤

約0.2〜約2.0m/gの孔容積、約5〜約40ミクロンの中央粒径を有するキセロゲル粒子を含み、約30重量%未満の微粉を含む、飲料の処理のために有用な組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キセロゲル、キセロゲルの製造方法、及びキセロゲルを用いて飲料を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールの透明度は消費者の受容に影響を与える重要なファクターである。ビール中に混濁が存在すると、通常、劣った品質を連想させる。しかしながら、ビールの混濁は自然な現象であり、その形成を防止又は遅延させるためには適切な処理が必要である。寒冷混濁(チルヘイズ)は、混濁感受性のタンパク質によって形成される。混濁感受性タンパク質を除去する物質は、「ビール純粋令(Reinheitsgebot)」としても知られているドイツの純度法下で認可されなければならない。この法律に合致する化学添加剤を用いることに代わる方法は、混濁感受性タンパク質の除去をもたらすシリカゲルを使用することである。最後に、混濁感受性タンパク質を除去するために用いる物質は全て、ビールから除去しなければならない。
【0003】
市場において、数多くのシリカをベースとするビールの安定化剤又は清澄化剤が存在する。これらは2つの群、ハイドロゲル及びキセロゲルに分類することができる。いずれのゲルも、米国特許4,515,821;4,636,394;5,622,743;及び6,565,905のような多くの公報(これらの全ての事項は参照として本明細書中に包含する)に記載されているものと同様の方法を用いて製造される。ハイドロゲルは、典型的には、55〜70重量%の水、及び99.0%の純度(焼成後)の純度を有する45〜30重量%のシリカを含む。ハイドロゲルは、通常の粉砕技術を用いて所望の粒径に粉砕する。キセロゲルに関しては、典型的には、粉砕の前に通常の乾燥法を用いて水を除去し、得られるキセロゲルは約70〜80重量%未満の水を含む。いずれのゲルも、一般に同様の方法で粉砕する。いずれのゲルに関しても、粉砕中に利用できるプロセス制御パラメーターを用いて粒径を所望の値に調節する。典型的には粒子の形成後に起こり、文献において周知のゲルの熟成プロセス中のプロセス条件を用いて、表面積、孔容積、孔径分布等に関するゲルの内部構造を変化させる。孔容積及び表面積は、低温における窒素吸着(BET)を用いて測定し、ケルビン式を用いて算出する(例えばDIN−66131)。ハイドロゲルに関しては、かかるパラメーターは、典型的には、孔内の水の存在のためにこの方法では測定されない。更に、測定前に乾燥することは、このプロセスはゲルの構造を変化させるので不可能である。
【0004】
キセロゲルとハイドロゲルとは、安定化における効率及び濾過率の点でそれらの挙動が大きく異なる。キセロゲルは安定性の向上において高い特性を与え、一方、ハイドロゲルはビール中の同等の固体濃度において濾過率が非常により良好である。したがって、通常、キセロゲルを用いる場合に必要な量よりも2〜3倍の量のハイドロゲルを用いることが必要である。
【0005】
ビール安定化助剤ゲルの他の重要な特性は、粒径及び粒径分布に関する。商業的に入手できるかかる製品の平均粒径は、典型的には、5〜40ミクロンの範囲である。かかるゲルの粒径は、効率(即ち、混濁感受性高分子量タンパク質の除去/吸着)及び濾過率に大きく影響を与える。微細な径の粒子は、一般に安定性を向上させる点で良好な特性を有するが、濾過するためには更なる時間が必要である。この関係は、典型的には、キセロゲルに関して、ハイドロゲルに関するものと同様に適用される。
【0006】
シリカの接近可能表面の寸法は、ビールの安定性の点での効率のためにも重要な点である。シリカゲルは、開気孔及び大きな表面積を有するアモルファスの不活性粒子である。典型的には、好ましいシリカゲルは高い表面積及び大きな孔を有するものであり、これにより混濁形成分子をシリカ表面上に吸着させることが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、許容できる安定化特性を有し、同時に速やかに濾過することのできる飲料安定化剤に対する必要性が産業界において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要:
本発明は、約0.2〜約2.0mL/gの孔容積、約5〜約40ミクロンの中央粒径を有するキセロゲル粒子を含み、約30重量%以下の微粉を含む、飲料の処理のために有用な組成物に関する。
【0009】
本発明は、また、ハイドロゲルを調製し;ハイドロゲルを加熱してキセロゲルを形成し;キセロゲルを粉砕して組成物中の粒子を形成し;そして、組成物から少なくとも5重量%の微粉を除去する;ことを含む、飲料の処理のために有用なキセロゲル組成物の製造方法にも関する。
【0010】
本発明は、更に、キセロゲル組成物を準備し;飲料を準備し;そして、該キセロゲル組成物を用いて該飲料を濾過する;ことを含み、該組成物が、約0.2〜約2.0mL/gの孔容積、約5〜約40ミクロンの中央粒径を有するキセロゲル粒子を含み、組成物が約30重量%以下の微粉を含む、飲料を処理する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明:
本発明は、キセロゲルに特有のビール清澄化における高い特性を、ハイドロゲルをベースとする清澄化助剤に匹敵する濾過率を有するという利益と共に有する、キセロゲルをベースとするビール清澄化助剤に関する。
【0012】
本明細書において言及する「微粉」という用語は、Retsch GmbHから入手できるマイクロ精密篩Type LTG-Siebvibratorによって測定して約10ミクロン未満の粒径を有する粒子として定義される。本明細書において言及する表面積(BET)はDIN−66131を用いて窒素吸着によって測定し、孔容積はMicromeritics Instrument Corp.から入手できるASAP 2400を用いて測定する。本明細書において言及する容積相関粒径の中央値は、Malvern Instruments Ltd.から入手できるMalvern Mastersizer 2000を用いて光回折によって測定する。キセロゲルの湿分含量は、ASTM−D6869を用いてKarl Fischer法による水含量の電量測定によって測定する。透過度としても知られている「濾過率」という用語は、多孔質物質が流体を透過する能力の測定値であり、ダルシー則によって規定され、TS72を用い、EBC基準にしたがって標準EBCフィルターを用いて濾過助剤の透過性を測定することによって測定する。この方法は、Fachverlag Hans Carlから入手できる「Analytica-EBC」と題された書籍(ISBN 3−418−00759−7)の10.9節において見ることができる。EBCフィルターは、「Normfilter EBC」の名称でVEL S.A.から入手することができる。
【0013】
一態様においては、本発明は、約0.2〜約2.0mL/gの孔容積、約5〜約40ミクロンの中央粒径を有するキセロゲル粒子を含み、組成物の全重量を基準として約20重量%以下の微粉を含む、飲料の処理のために有用な組成物に関する。この態様においては、組成物は、約18重量%以下の微粉、典型的には約17重量%以下の微粉、より典型的には約15重量%以下の微粉、更により典型的には約13重量%以下の微粉を含んでいてよい。キセロゲルは、一般に、組成物の20重量%以下、より典型的には0〜10重量%の量の湿分を含む。キセロゲル粒子の孔容積は、より好ましくは約0.2〜約2.0mL/g、更により好ましくは約0.4〜約1.5mL/gの範囲である。中央粒径(V0.5)は、好ましくは約5〜約40ミクロン、更により好ましくは約10〜約25ミクロンの範囲である。この態様においては、粒子は、約200〜約900m/g、好ましくは約400〜約800m/gの範囲の表面積を有する。キセロゲルは好ましくはシリカであるが、アルミナ、チタニア、又はこれらの混合物などの他の無機酸化物を本組成物において用いることができる。
【0014】
本発明は、また、ハイドロゲルを調製し;ハイドロゲルを加熱してキセロゲルを形成し;キセロゲルを粉砕して組成物中の粒子を形成し;そして、組成物から少なくとも5重量%の微粉を除去する;ことを含む、飲料の処理のために有用なキセロゲル組成物の製造方法にも関する。好ましくは組成物から少なくとも約10重量%の微粉を除去し、より好ましくは組成物から少なくとも約20重量%の微粉を除去し、更により好ましくは組成物から少なくとも約30重量%の微粉を除去する。
【0015】
以下において本発明の一態様にしたがってシリカゲルを製造する方法を記載するが、当業者に周知なように同様の方法で他の無機酸化物ゲルを製造することができる。SiO濃度が10〜25重量%となるようにケイ酸塩を無機酸と反応させることによって、シリカヒドロゾルを製造し、ゲル化する。過度に低いSiO濃度は、ゲル化時間を延ばし、水含量を増加させ、その後の洗浄及び乾燥工程における効率を低下させる可能性があり、工業的に実用的でない。過度に高いSiO濃度は、ゲル化プロセスを過度に促進する可能性があり、均一な物理特性を有するシリカハイドロゲルを得ることができない。ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸アンモニウム、又は他のものを用いることができ、ケイ酸ナトリウムが工業的に最も多く用いられる。無機酸に関しては、硫酸、硝酸、塩酸、又は他のものを用いることができ、一般的に硫酸を用いる。
【0016】
次に、シリカハイドロゲルを水で洗浄することによって無機塩を除去する。洗浄したシリカハイドロゲルを、20〜100℃の温度で2〜10のpHを有する水によって熱水処理すると、平均孔径及び孔容積が増大する。このプロセスにおいては、シリカハイドロゲルを熱水処理に関するものに相当する条件下で水によって洗浄する場合には、洗浄及び熱水処理を同時に行うことができる。熱水処理の条件に関しては、pH又は温度を上昇させると、比表面積が大きく低下する傾向がある。pH又は温度を低下させると、処理時間が長くなる傾向がある。したがって、シリカハイドロゲルは、望ましくは、6〜8.5のpH及び40〜80℃の温度において熱水処理する。熱水処理において、シリカゲルの一次粒子が可溶化及び沈殿してシリカゲルの比表面積が減少し、一方、平均孔径及び孔容積が増加する。したがって、比表面積は非常に徐々に減少し、一方、平均孔径及び孔容積は増加する。一次粒子は、一次粒子が互いに結合する点において増加した結合強度を得て、シリカゲルの構造が安定化及び増強される。
【0017】
水洗浄プロセス及び熱水処理プロセスは逐次的に行うことができ、或いは2つのプロセスを同時に行うことができる。
【0018】
洗浄し熱水処理したシリカハイドロゲルは、比較的大きな平均孔径、孔容積、及び比表面積を有する。
【0019】
本発明によるキセロゲルを提供するために、ゲル中の湿分が約20重量%未満、好ましくは約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満となるまで、ハイドロゲル床を通して100〜180℃の範囲の温度の空気を吹き込むことによってハイドロゲルを乾燥する。その後、従来のミルを用いてキセロゲルを所望の粒径に粉砕する。キセロゲルを製造するための方法は、米国特許6,565,905及び5,622,743において見ることができる。
【0020】
粉砕したキセロゲルの形成の次に、空気分級器又はこのプロセスのために好適な他の同様の装置を用いて、粉砕中に本来生成する微粉を除去する。空気分級器は、工業界において周知であり、空力プロセスを用いて投入粒子の粒径分布を微細フラクションと粗フラクションに分画する。微細フラクションと粗フラクションとの間の分画径は調節することができ、本発明においてはこれを用いて濾過率を制御する。ハイドロゲル清澄化助剤のものと同等の濾過率を有するキセロゲルビール清澄化助剤を提供するために、キセロゲル組成物中の全微粉を、組成物の全重量を基準として約20重量%以下、典型的には約18重量%以下、より典型的には約17重量%以下、更により典型的には約15重量%以下に減少させることができる。
【0021】
本発明にしたがって製造したキセロゲルは、ビール、ワイン、及びフルーツジュースなどの種々の飲料における清澄化及び安定化助剤として用いることができる。飲料を清澄化する方法は、工業界において一般的に知られており、米国特許5,622,743及び6,565,905(これらの全ての内容は参照として本明細書中に包含する)に記載のものが挙げられる。本発明の清澄化助剤は、典型的には、濾過前に、約0.1〜約1.0g/L、好ましくは約0.2〜約0.8g/L、より好ましくは約0.3〜約0.7g/Lの量で飲料に加える。飲料は、一般に、清澄化助剤を用いて少なくとも30分間、典型的には少なくとも2時間処理する。これは、一般に、濾過前に清澄化助剤を熟成タンク又は清澄化タンク内に加えることによって行う。しかしながら、清澄化助剤は、また、連続飲料製造又は清澄化プロセスにおいて用いることもできる。濾過助剤などの他の添加剤を、本発明の清澄化助剤と共に用いることができる。一般に、飲料は、珪藻土濾過機を用いるか又は膜濾過装置によって、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間濾過する。
【0022】
一態様においては、熟成タンク内においてビールを約1月間発酵及び熟成することによって若ビールを製造する。本発明の清澄化助剤をタンクに加え、ビールと少なくとも15分間接触させる。次に、ビールを2℃において、0.2mの濾過面積を有する珪藻土フィルターを通して、500L/m/時の流速で3時間濾過する。次に濾過したビールを瓶詰めする。
【0023】
本発明の清澄化助剤を用いて処理した飲料の安定性は、40g/hlにおける硫酸アンモニウム価によって測定することができる。一般に、かかる処理した飲料は、約10より大きく、好ましくは約12より大きく、より好ましくは約14より大きく、更により好ましくは約15より大きい硫酸アンモニウム価を有する。硫酸アンモニウム価は、ビール中の高分子量タンパク質の量の尺度であり、タンパク質除去の観点でのビールの安定化の結果の指標である。ビールの物理的安定性は、他のファクターの中でもとりわけ、可溶性高分子量タンパク質の量、ポリフェノールのレベル、及びビールが曝露された酸素レベルによって定まる。タンパク質とポリフェノールとの間の温度及び酸素依存性の化学反応により、0℃前後の温度における寒冷混濁、及びその結果ビールの不安定性が引き起こされる。ビール清澄化剤を用いて選択的吸着を行うことにより、溶解しているタンパク質の含量を減少させ、それによりビールの安定性を向上させることができる。ビールに飽和硫酸アンモニウム溶液を加えると、高分子量タンパク質が沈殿する。加える硫酸アンモニウム溶液の量、及び得られるビールの濁度は、PT標準装置を用いて測定する。この方法は、MEBAK−2.19.2.5法(MEBAK=中央ヨーロッパ醸造物分析協定)である。
【0024】
本発明の清澄化助剤の濾過率は、一般に約35ミリダルシーより大きく、好ましくは約40ミリダルシーより大きく、より好ましくは約45ミリダルシーより大きく、更により好ましくは約50ミリダルシーより大きい。典型的には、濾過率は、約35ミリダルシー〜約1000ミリダルシー、好ましくは約40ミリダルシー〜約500ミリダルシー、より好ましくは約45ミリダルシー〜約300ミリダルシー、更により好ましくは約50ミリダルシー〜約200ミリダルシーの範囲である。
【0025】
本発明を限られた数の態様によって説明したが、これらの特定の態様は本明細書において記載され特許請求されている発明の範囲を制限することを意図するものではない。更なる修正及び変更が可能であることは、本明細書中の代表的な態様を検討することにより当業者に明らかである。実施例及び明細書の残りの部分における全ての部及びパーセントは、他に特定しない限り重量基準である。更に、明細書又は特許請求の範囲において示す全ての数の範囲、例えば特定の特性の組、測定値の単位、条件、物理的状態、又は割合を示すものは、明らかに、言及するか又は他の方法で示すかかる範囲内に含まれる全ての数、並びにそのように示されている全ての範囲内の数の全ての部分集合を文字通り含むものであると意図される。例えば、下限R及び上限Rを用いて数値範囲が開示されている場合には常に、この範囲内に含まれる任意の数Rが具体的に開示されている。特に、この範囲内の次式の数R:R=R+k(R−R)(式中、kは1%の増分で1%〜100%の範囲の変数であり、例えばkは、1%、2%、3%、4%、5%、・・・50%、51%、52%、・・・95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である)が具体的に開示されている。更に、上記で算出されるRの任意の二つの値によって表される任意の数値範囲も、具体的に開示されている。本明細書において示し記載したものに加えて、本発明の任意の修正は、上記の記載及び図面から当業者に明らかとなろう。かかる修正は、特許請求の範囲内に包含されると意図される。
【実施例】
【0026】
特許請求された発明の具体例として、以下の実施例を与える。しかしながら、本発明は実施例において示される具体的な詳細に限定されないことを理解すべきである。
【0027】
実施例1:
本実施例においては、最先端技術にしたがって、500m/gの表面積を目標として従来のシリカハイドロゲルを製造した。次に、Hosokawaから入手できるACM 30ミルを用いてシリカを17.6ミクロンの粒径に粉砕した。この生成物は、Grace Gmbh & Co. KG.から入手できるDARACLAR 920の商標名で市場において周知である。この試料(試料A)の種々の特性を測定し、濾過特性を評価した。結果を表1に示す。
【0028】
実施例2:
本実施例においては、キセロゲルを得るために、固定床内において150℃の空気の加熱流によって実施例1のハイドロゲルを乾燥した。圧縮空気を用いるジェットミルを用いて、キセロゲルを16.4ミクロンの粒径に粉砕した。この生成物も、Grace GmbH & Co. KG.から入手できるDARACLAR 915Kの商標名で市場において周知である。この試料(試料B)の種々の特性を測定し、濾過特性を評価した。結果を表1に示す。
【0029】
実施例3:
比較試料B(実施例2)からのキセロゲルを、比較試料Aに関するものと同じACM 30ミルを用いて、19.0ミクロンの平均粒径に(ジェットミルに代えて)機械的に粉砕した。この生成物は微粉を含んだままであった。この試料(試料C)の種々の特性を測定し、濾過特性を評価した。結果を表1に示す。
【0030】
実施例4:
本実施例においては、Alpine TSP 315分級器を用いて実験用の比較試料C(実施例3)を分級した。この手順によって10%の微粉を除去した。平均粒径は、典型的な変動範囲(18.5ミクロン)内で比較的変化しないままで保持されていた。この試料(試料D)の種々の特性を測定し、濾過特性を評価した。結果を表1に示す。
【0031】
商業的に入手できる比較生成物試料A及びBは、安定性(即ち40g/hlにおける硫酸アンモニウム価)及び濾過率に関して予測されていたものと整合していた。即ち、キセロゲル(試料B)は高い安定性を与えるが低い濾過速度を有し、ハイドロゲル(試料A)は高い濾過速度と共に低い安定性を与えた。
【0032】
試料Cは、ジェットミルと比較した機械的ミルの効果を示す。試料B及びCはいずれも、同一のキセロゲルから製造された。表に示されるように、試料Cと試料Bとの間で測定された特性に大きな差はなく、これによりいずれの粉砕法も同等の結果を与えることが示される。
【0033】
本発明にしたがって製造された生成物である試料Dは、高い安定性と高い濾過速度の好ましい特性の両方を併せ持っていた。全ての物理データ及び特性データを表1に列記する。
【0034】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.2〜約2.0mL/gの孔容積、及び約5〜約40ミクロンの中央粒径を有するキセロゲル粒子を含み、約20重量%以下の微粉を含む、飲料の処理のために有用な組成物。
【請求項2】
該キセロゲルが20重量%以下の量の湿分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該キセロゲルがシリカを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
該孔容積が約0.2〜約2.0mL/gの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
該中央粒径が約10〜約25ミクロンの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が約18重量%以下の微粉を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
組成物が約15重量%以下の微粉を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
該粒子が約200〜約900m/gの範囲の表面積を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
該組成物が少なくとも約40ミリダルシーの濾過率を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物を用いて飲料を処理する方法。
【請求項11】
ハイドロゲルを調製し;
ハイドロゲルを加熱してキセロゲルを形成し;
キセロゲルを粉砕して粒子を形成し;そして
組成物から微粉を除去して、組成物が約20重量%以下の微粉を含むようにする;
ことを含む、飲料の処理のために有用な組成物の製造方法。
【請求項12】
該キセロゲルが約20重量%以下の量の湿分を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
該キセロゲルがシリカを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
該孔容積が約0.2〜約2.0mL/gの範囲である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
該中央粒径が約10〜約25ミクロンの範囲である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
該粒子が約200〜約900m/gの範囲の表面積を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
キセロゲル組成物を準備し;
飲料を準備し;そして
該キセロゲル組成物を用いて該飲料を濾過する;
ことを含み、該組成物が、約0.2〜約2.0mL/gの孔容積、約5〜約40ミクロンの中央粒径を有するキセロゲル粒子を含み、組成物が約20重量%以下の微粉を含む、飲料を処理する方法。
【請求項18】
該飲料が、ビール、ワイン、又はフルーツジュースを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該キセロゲルが約20重量%以下の量の湿分を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
該キセロゲルがシリカを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
該孔容積が約0.4〜約2.0mL/gの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
該中央粒径が約10〜約25ミクロンの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
組成物が約18重量%以下の微粉を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
組成物が約15重量%以下の微粉を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
約0.2〜約2.0mL/gの孔容積、及び約5〜約40ミクロンの中央粒径を有するキセロゲル粒子を含み、少なくとも約40ミリダルシーの濾過率を有する、飲料の処理のために有用な組成物。
【請求項26】
該組成物が少なくとも約45ミリダルシーの濾過率を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
該キセロゲルが20重量%以下の量の湿分を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
該キセロゲルがシリカを含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
該孔容積が約0.4〜約2.0mL/gの範囲である、請求項25に記載の組成物。
【請求項30】
該中央粒径が約10〜約25ミクロンの範囲である、請求項25に記載の組成物。
【請求項31】
組成物が約20重量%未満の微粉を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項32】
組成物が約15重量%未満の微粉を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項33】
該粒子が約200〜約900m/gの範囲の表面積を有する、請求項25に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−500010(P2010−500010A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523176(P2009−523176)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006687
【国際公開番号】WO2008/017393
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(500445446)グレース・ゲーエムベーハー・ウント・コムパニー・カーゲー (12)
【Fターム(参考)】