説明

高い記憶密度を有する光学的記録材料

本発明は、基板、反射層、及び式(I)の化合物[式中、G1、G2及びG3は、それぞれ、互いに独立し、A1、A2及びA3は、それぞれ、互いに独立して、N(R14)、O、S又はSeであり、A4は、C(C1〜C5アルキル)2、C(C4〜C5アルキレン)、N(R14)、O、S、Se、N=C(R15)又はCH=C(R16)であり;M1は、第3〜15群の少なくとも三価の金属、最も好ましくはCo(III)又はCr(III)であり;Q1、Q2及びQ3は、それぞれ、互いに独立して、C(R17)、N又はPである]、又はその互変異性体を含む記録層を含む光学的記録媒体に関する。記録及び再生は、たとえば青色レーザーを用いて、特に350〜500nmの波長で実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に350〜500nmの波長で、優れた記録及び再生の品質を有する新規な光学的記録材料に関する。記録及び再生は、非常に好都合にも、同じ波長で高い感度で実施することができ、達成できる記憶密度は、公知材料の場合より有意に高い。加えて、本発明による材料は、特に過酷な条件、たとえば日光若しくは蛍光、熱及び/又は高湿度への露出の下でさえ、記録の前後で非常に優れた記憶特性を有する。加えて、その製造は、慣用のコーティング法、たとえばスピンコーティングを用いて、簡単かつ容易に再現可能である。
【0002】
国際公開第02/082 438号公報(WO 02/082 438)は、光学的記録材料のための、金属錯体アニオンによるものをはじめとする、イオン性塩の使用を開示している。これらの着色剤は、常に、窒素原子において、アルキル、アルケニル、アリール又はヘテロアリールで置換されている。しかし、その光学的特性は、増大する要求を充分には満足しない。特に、固体におけるその長波長の側での、屈折率はもとより、吸収及び吸収帯の勾配も、所望されるべき何かを依然として放置している。
【0003】
特開平11/34500号公報(JP-A-11/34500)、同11/92479号公報(JP-A-11/92479)及び欧州特許出願公開第0 903 733号公報(EP-A-0 903 733)は、520〜690nmで、CD−R又はDVD−Rのような光学的記録材料のために用いることができる、式:
【0004】
【化7】

【0005】
で示される着色剤の金属及びホウ素錯体を開示している。しかしここでも、できるだけ最高の記憶密度、及び単位表面積あたりの情報密度に必要な、UV範囲内又は近傍における光学的特性、特にスペクトル特性は、所望通りの最高の要求を満足することができない。単位表面積あたりの情報密度は、望ましいそれよりはるかに低い。
【0006】
そのため、従来の光学的記録材料は、高い要求をある程度までのみ満足するにすぎないか、又はすべての要求を同時に完全に満足できる程度に満たしてはいない。
【0007】
J. Org. Chem., 67/16, 5753-5772 (2002)は、多数のビス(o−アザヘテロアリール)メタンの合成、ならびに二価の遷移金属に関するその配位特性を記載している(ヘテロアリールは、1,3−アゾール−2−イル、1,3−ベンゾアゾール−2−イル及びアジニルであり、遷移金属は、Zn++、Cu++、Co++、Ni++、Hg++及びPd++である)。
【0008】
本発明の目的は、高い情報密度、感度及びデータ信頼性を有する光学的記録媒体である。そのような記録媒体は、堅牢で長持ちし、用いるのに容易でなければならない。更に、大量生産される製品として、製造するのに廉価でなければならず、できるだけ小さく、廉価な設備を必要とするのでなければならない。
【0009】
したがって、本発明は、基板、記録層、及び場合により一つ又はそれ以上の反射層を含む、光学的記録媒体であって、記録層が、式(I):
【0010】
【化8】

【0011】
[式中、G1、G2及びG3は、それぞれ、互いに独立して、
【0012】
【化9】

【0013】
であり;
1、A2及びA3は、それぞれ、互いに独立して、N(R14)、O、S又はSeであり、A4は、C(C1〜C5アルキル)2、C(C4〜C5アルキレン)、N(R14)、O、S、Se、N=C(R15)又はCH=C(R16)であり;
【0014】
1は、第3〜15群(以前の第IIIA〜VB群)の少なくとも三価の金属、好ましくはCo(III)、Cr(III)、Ru(III)、Fe(III)、Mn(III)、V(III)、Ti(III)、Y(III)、Mo(III)、W(III)、Nb(III)、Rh(III)、Ta(III)、Ir(III)、Au(III)、Al(III)、As(III)、Sb(III)、Bi(III)、Sc(III)、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Eu(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)又はLu(III)、最も好ましくはCo(III)又はCr(III)であり;
【0015】
1、Q2及びQ3は、それぞれ、互いに独立して、C(R17)、N又はPであり;
【0016】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR16は、それぞれ、互いに独立して、水素、R18、又はC6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル若しくはC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換されている)であるか;あるいは
【0017】
1及びR2、R3及びR4、R5及びR6、R7及びR8、R7及びR15、ならびに/又はR7及びR16は、対になって一緒に、C3〜C6アルキレン若しくはC3〜C6アルケニレン(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換され、かつ中断されていないか、又はO、S若しくはN(R14)で中断されていてもよい)、又は1,4−ブタ−1,3−ジエニレン:
【0018】
【化10】

【0019】
(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換され、かつ一つ又は二つの炭素原子が窒素原子で置き換えられていてもよい)であり;
【0020】
11、R14及びR15は、それぞれ、互いに独立して、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C1〜C4アルキル−[O−C1〜C4アルキレン]m若しくはC1〜C4アルキル−[NH−C1〜C4アルキレン]m(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)、又はC6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル若しくはC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換されている)であり;
【0021】
12、R13及びR18は、それぞれ、互いに独立して、R20、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)であり;
【0022】
17は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロアルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、アミノ、ニトロ、ホルミル、C(R16)=CR2122、C(R16)=NR23、N=CR2324、NHR25、NR2627、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、R28、N=N−R28又はR29であり;
【0023】
19は、ハロゲン、ヒドロキシル、O−R26、O−CO−R26、S−R26、NH2、NH−R26、NR2627、NH3+、NH226+、NHR2627+、NR252627+、NR26−CO−R25、NR26COOR25、シアノ、ホルミル、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、ウレイド、NH−CO−NHR25、NR26−CO−NHR25、ホスファト、PR2526、POR25OR26、P(=O)OR25OR26、OPR2526、OPR25OR26、OP(=O)R25OR26、OPO326、OP(=O)OR25OR26、SO226、スルファト、スルホ、R28、N=N−R28、又はC1〜C12アルコキシ若しくはC1〜C12シクロアルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又はハロゲンでモノ−若しくはポリ−置換されている)であり;
【0024】
20は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアナト、ヒドロキシル、O−R23、O−CO−R23、S−R23、CHO、COR24、CHOR23OR30、CR24OR23OR30、R31、N=N−R31、N=CR2324、N=CR2122、C(R32)=NR23、C(R32)=NR21、C(R32)=CR2122、NH2、NH−R23、NR2324、NH3+、NH223+、NHR2324+、NR232430+、CONH2、CONHR23、CONR2324、SO223、SO2NH2、SO2NHR23、SO2NR2324、COOH、COOR23、OCOOR23、NHCOR23、NR23COR30、NHCOOR23、NR23COOR30、ウレイド、NR23−CO−NHR30、B(OH)2、B(OH)(OR23)、B(OR23)OR30、ホスファト、PR2330、POR23OR30、P(=O)OR23OR30、OPR2330、OPR23OR30、OP(=O)R23OR30、OP(=O)OR23OR30、OPO323、スルファト又はスルホであり;
【0025】
21及びR22は、それぞれ、互いに独立して、NR2627、CN、CONH2、CONHR23、CONR2324又はCOOR24であり;
【0026】
23、R24及びR30は、それぞれ、互いに独立して、R31、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル若しくはC3〜C12シクロアルケニル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ若しくはC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であるか;あるいは
【0027】
16及びR23は一緒になって、R17及びR23は一緒になって、ならびに/又はR23及びR30は一緒になって、C2〜C12アルキレン、C3〜C12シクロアルキレン、C2〜C12アルケニレン若しくはC3〜C12シクロアルケニレン(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であるか;あるいは
【0028】
23及びR24は、共有される窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン若しくはモルホリン(それぞれ、非置換であるか、又はC1〜C4アルキルでモノ−ないしテトラ−置換されている);又はカルバゾール、フェノキサジン若しくはフェノチアジン(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R33で置換されている)であり;
【0029】
25、R26及びR27は、それぞれ、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C3〜C12シクロアルケニル、C6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル又はC5〜C12ヘテロアラルキルであるか;あるいは
【0030】
26及びR27は、共有される窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン若しくはモルホリン(それぞれ、非置換であるか、又はC1〜C4アルキルでモノ−ないしテトラ−置換されている)であり;
【0031】
28は、C6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル又はC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R20又はR29で置換されている)であり;
【0032】
29は、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル又はC3〜C12シクロアルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であり;
【0033】
31は、C6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル又はC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R33で置換されている)であり;
【0034】
32は、水素、シアノ、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロアルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、アミノ、NHR25、NR2627、R28、ハロゲン、ニトロ、ホルミル、N=N−R28、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、N=CR2324、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル若しくはC3〜C12シクロアルケニル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であり;
【0035】
33は、ニトロ、SO2NHR26、SO2NR2627、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、C1〜C12アルコキシ若しくはC3〜C12シクロアルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)であり;
【0036】
mは、1〜10の数である]
で示される化合物、又はその互変異性体を含む光学的記録媒体に関する。
【0037】
7がR8とともに架橋を形成するとき、R7は、好ましくは、同時にR15又はR16とともに架橋を形成しない。
【0038】
式(I)の化合物は、非平面的配位の幾何学を有しており、概して、合成の際に、それ自体は有用である異性体混合物へと導く。通常の分離方法によって容易に得られる、単一の異性体はもとより、その高度に対称的な配位子のために異性体を欠く式(I)の化合物も、すべて、この目的に適切であり、やはり本発明の目的である。
【0039】
1、G2及びG3は、その窒素原子において、金属に配位すると考えられる:
【0040】
【化11】

【0041】
しかしながら、A4がN(R14)、O、S若しくはSeであるときか、又はQ1、Q2又はQ3がN又はPであるときは、A4、Q1、Q2及び/又はQ3が金属と配位して、こうして更なる異性体へと導くことも可能である。好適ではあるが、G1、G2及びG3が金属と配位することは、必要でさえない。
【0042】
以下に開示されるような、他のいかなる好ましいものとも独立してか、又はそれらとの組合せで、式(I)におけるR2、R4、R6、R8、R9及び/又はR11は、好ましくは、互いに独立して、水素であり;最も好ましくは、R2、R4、R6、R8、R9及びR11は、すべて、水素である。これは、式(I)の化合物の形成を促進し、その安定性を強化するようである。したがって、本発明は、R2、R4、R6、R8、R9及びR11が水素である式(I)の化合物、及び光学的記録のためのその使用にも関する。
【0043】
酸性基、たとえばカルボキシル、スルホ、スルファト及びホスファトは、塩、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩、アンモニウム又はホスホニウム塩、たとえば、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Co2+、Zn2+、Sn2+、La3+、アンモニウム、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、Primene 81-R(商標)、Rosin Amine D(商標)、ペンタデシルアンモニウム、Primene JM-T(商標)、ジシクロヘキシルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、ブチルトリフェニルホスホニウム若しくはエチルトリフェニルホスホニウム、又は米国特許第6,225,024号明細書(US-6,225,024:ここで、これに対する参照を個別的に明示する)に列挙されたカチオンB−1〜B−169のいずれかの形態をなしてもよいことが理解されよう。
【0044】
ハロゲンは、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素、好ましくはフッ素、臭素又は塩素、特にアルキル上のフッ素(たとえばトリフルオロメチル、α,α,α−トリフルオロエチル、又は過フッ素化されたアルキル基、たとえばヘプタフルオロプロピル)、及びアリール、ヘテロアリール上のか、又はアラルキルのアリール部分上のか、若しくはヘテロアラルキルのヘテロアリール部分上の塩素若しくは臭素である。
【0045】
アルキル、シクロアルキル、アルケニル又はシクロアルケニルは、直鎖若しくは分枝鎖状、又は単環若しくは多環式であることができる。アルキルは、たとえば、メチル、直鎖又は分枝鎖C2〜C24アルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、特にメチル、エチル又はイソプロピルである。アルケニルは、たとえば、直鎖また分枝鎖C2〜C20アルケニル、好ましくはC2〜C3アルケニル、特にビニル、アリル又は2−プロピレンである。したがって、本発明は、特に、C1〜C4アルキル又はC2〜C3アルケニルを含む式(I)の化合物にも、またそのような化合物を含む光学的記録材料にも関する。これらの好適さは、式(I)中のC2〜C24アルキル又はC2〜C20アルケニルの位置とは無関係である。
【0046】
1〜C24アルキルは、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル又はテトラコシルである。C3〜C24シクロアルキルは、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、メンチル、ツイル、ボルニル、1−アダマンチル又は2−アダマンチル、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0047】
2〜C20アルケニル及びC3〜C20シクロアルケニルは、二つ又はそれ以上の二重結合が隔離されているか、又は共役していてもよい、モノ−又はポリ−不飽和のC2〜C20アルキル及びC3〜C20シクロアルキル、たとえば、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イル、2−シクロブテン−1−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル、1,4−ペンタジエン−3−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−ヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツイエン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル、又はヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、テトラコセニル、ヘキサジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、テトラデカジエニル、ヘキサデカジエニル、オクタデカジエニル若しくはエイコサジエニルの様々な異性体である。
【0048】
7〜C12アラルキルは、たとえば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニルエチル、9−フルオレニル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニルブチル又はω−フェニルヘキシルである。C7〜C12アラルキルが置換されているとき、アラルキル基のアルキル部分及びアリール部分は、ともに置換されていることができて、後者の選択肢が好ましい。
【0049】
6〜C12アリールは、たとえば、フェニル、ナフチル、ビフェニリル又は2−フルオレニルである。
【0050】
4〜C12ヘテロアリールは、不飽和であるか、又は4n+2個の共役π電子を有する芳香族の基、たとえば、2−チエニル、2−フリル、2−ピリジル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、又はチオフェン、フラン、ピリジン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピリジン及びベンゼン環からなり、非置換であるか、又は1〜6個のエチル、メチル、エチレン及び/若しくはメチレン置換基で置換された、その他のいかなる環系、たとえばベンゾトリアゾリルでもあり、ならびに適切な場合のN−複素環の場合は、そのN−オキシドの形態のものもそうである。
【0051】
5〜C12ヘテロアラルキルは、たとえば、C4〜C11ヘテロアリールで置換されたC1〜C8アルキルである。
【0052】
更に、アリール及びアラルキルは、金属に結合した芳香族の基、たとえば、それ自体は公知である遷移金属のメタロセンの形態での芳香族の基、より特別には、下式:
【0053】
【化12】

【0054】
で示されるものであることもできる。
金属M1は、好ましくは、正に荷電した三価のカチオン、たとえば、Co3+、Cr3+、Ru3+、Fe3+、Mn3+、Au3+、Al3+、Sb3+、Bi3+、Sc3+、La3+又はCe3+、最も好ましくはCo3+又はCr3+の形態をなす。
【0055】
式(I)の化合物は、たとえば、一つ若しくはそれ以上のアンモニウム基が存在するときか、又は金属M1が一つ若しくはそれ以上の過剰な正電荷を有するとき、たとえばTi4+、Zr4+又はV5+のとき、無機、有機又は有機金属のアニオンで中和されたカチオンであってもよく;網羅的でないその例は、Ti(Cl)3+、Zr(OH)3+又はVO3+である。M1が一つ又はそれ以上の過剰な正電荷を有する式(I)の化合物は、式(I)の配位子中にアニオンの置換基を有する、両性イオンであってもよい。
【0056】
無機、有機又は有機金属のアニオンは、たとえば、鉱酸、有機酸の共役塩基(たとえばアルコラート、フェノラート、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸)又は有機金属錯体のアニオン、たとえば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸、過ヨウ素酸、硝酸、炭酸水素、1/2炭酸、1/2硫酸、硫酸C1〜C4アルキル、硫酸水素、1/3リン酸、1/2リン酸水素、リン酸二水素、1/2C1〜C4アルカンホスホン酸、C1〜C4アルカンC1〜C12アルキルホスホン酸、ジC1〜C4アルキルホスフィン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ヘプタフルオロ酪酸、1/2シュウ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トシラート、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、フェノラート、安息香酸、又は負に荷電した金属錯体イオンであり得る。
【0057】
当業者は、熟知しているその他のアニオンを用いることもできることを容易に認識すると思われる。当業者には、x個の負電荷を有する無機、有機又は有機金属のアニオンの1/x、たとえば1/2SO42-が、場合に応じて、一価に荷電した数個のカチオン、又はx個の電荷を有する一個のカチオンを中和する、複数価に荷電したアニオンであることは自明であると思われる。
【0058】
フェノラート又は炭酸イオンは、たとえば、下式:
【0059】
【化13】

【0060】
[式中、R34、R35及びR36は、それぞれ、互いに独立して、水素、R18、又はC6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル若しくはC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換されている)]で示され、たとえばC1〜C12アルキル化された、特にtert−C4〜C8アルキル化された、フェノール及び安息香酸のアニオン、たとえば下式で示される:
【0061】
【化14】

【0062】
しかし、好ましくは、式(I)の化合物は、中性であり、かつ両性、又は特に非イオン性であるため、追加的な対イオンは、全く必要でない。
【0063】
特に、好ましいのは、A1、A2、A3及びA4が、それぞれ、互いに独立して、O、S若しくはN(R14)であり、かつ/又はQ1、Q2及びQ3が、C(R17)若しくはNであり;
【0064】
1、G2及びG3が、それぞれ、互いに独立して、
【0065】
【化15】


であり;
【0066】
1、R3、R5、R7、R10及びR16が、それぞれ、互いに独立して、水素、R18、又はC6〜C12アリール若しくはC7〜C12アラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、基R18で置換されている)であり;
【0067】
2、R4、R6、R8及びR9が、それぞれ、互いに独立して、H、F、OH、OCH3、OCF3、CH3、CF3、C25、C223、C232、C25、CH2OH、CF2OH又はCH2OCH3であり;
【0068】
14及びR15が、それぞれ、互いに独立して、非置換又はR19置換C1〜C8アルキルであり;
【0069】
12及びR18が、それぞれ、互いに独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、O−R23、CHO、CH=C(CN)2、CH=C(CN)CONH2、CH=C(CN)CONHR23、CH=C(CN)CONR2324、CH=C(CN)COOR23、CH=C(COOR23)COOR24、CONH2、CONHR23、CONR2324、SO2−C1〜C12アルキル、SO2NH2、SO2NHR23、SO2NR2324、COOH、COOR23、NHCOR23、NR23COR30、NHCOOR23、NR23COOR30、ウレイド、P(=O)OR23OR30、スルホ、又はC1〜C12アルキル、C1〜C12アルキルチオ若しくはC1〜C12アルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)であり;
【0070】
17が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、C(R16)=CR2122、C(R16)=NR23、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、N=N−R28、又はC1〜C12アルキル(非置換であるか、又は一つ以上のハロゲン置換基で置換されている)であり;
【0071】
19が、ハロゲン、ヒドロキシル、O−R26、NH2、NH−R26、NR2627、NR26−CO−R25、NR26COOR25、シアノ、COO−R26、カルボキシル、CONH−R26、CONR2627、スルファト、スルホ、又はC1〜C12アルコキシ(非置換であるか、又はハロゲンでモノ−若しくはポリ−置換されている)であり;
【0072】
23、R24及びR30が、それぞれ、互いに独立して、C1〜C12アルキル(非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル又はC1〜C12アルコキシ基で置換されている)、又は非置換C6〜C12アリール若しくはC7〜C12アラルキルであるか、あるいは;
【0073】
23及びR24が、共有される窒素と一緒になって、モルホリン、又はC1〜C4アルキルでN−置換されたピペリジンであり;
【0074】
25、R26及びR27が、それぞれ、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C6〜C12アリール又はC7〜C12アラルキルであるか;あるいは
【0075】
26及びR27が、共有される窒素と一緒になって、モルホリン、又はC1〜C4アルキルでN−置換されたピペリジンであり;
【0076】
31が、非置換又は置換C6〜C12アリール又はC7〜C12アラルキル、特にメタロセニル基であり;かつ/あるいは
【0077】
mが、1〜4の数である、
式(I)の化合物である。
【0078】
特に好ましいのは、Q1、Q2及びQ3が、C(R17)であり;G1、G2及びG3が、
【0079】
【化16】

【0080】
であり;A1、A2、A3及びA4が、O、S又はN(R14)であり;
【0081】
14が、C1〜C24アルキル、C1〜C4アルキル−[O−C1〜C4アルキレン]m若しくはC1〜C4アルキル−[NH−C1〜C4アルキレン]m(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)、又はC6〜C12アリール(非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換されている)であり;
【0082】
17が、水素、シアノ、COO−R26又はC1〜C12アルキルであり;
【0083】
18が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、O−R23、CH=C(CN)2、COOR23、ウレイド、CONR2627、SO226、P(=O)OR23OR30、又は非置換若しくは置換C1〜C12アルキルであり;
【0084】
19が、ハロゲン、ヒドロキシル、O−R26、シアノ、COO−R26又はカルボキシルであり;
【0085】
37が、H、メチル、エチル又はイソプロピル、特にHである、
式(I)の化合物である。
【0086】
これらの好適な意味は、個別にか、又はいかなる組合せでも該当する。式(I)の化合物は、一般的には、より好都合な特性を示し、より好適な個々の特徴を、それらは有する。
【0087】
やはり好ましいのは、
【0088】
【化17】

【0089】
である式(I)の化合物である。
この記録層は、好都合には、たとえば少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%の式(I)の化合物、又は主成分としてそのような混合物を含む。更に、慣用の成分、たとえばその他の発色団[たとえば、国際公開第10/75873号公報(WO 01/75873)に開示されたもの、又は300〜1,000nmに吸収最大値を有するその他のもの]、安定剤、12-、三重項−若しくはルミネセンス−消光剤、融点降下剤、分解促進剤、又は光学的記録媒体において既に記載されたその他いかなる添加剤も可能である。好ましくは、安定剤又は蛍光消光剤を、所望であれば加える。
【0090】
記録層が更に発色団を含むとき、そのような発色団の量は、好ましくは、固体層全体の吸収の最長波長両側の逆転温度の波長におけるその吸収が、全固体層中の式(I)の純粋な化合物の同じ波長における吸収の分数、好都合には多くとも1/3、好ましくは多くとも1/5、特に多くとも1/10になるような、少量でなければならない。吸収最大値は、好ましくは、425nm以上、特に500nm以上である。
【0091】
安定剤、12-、三重項−又はルミネセンス−消光剤は、たとえば、N若しくはSを含有するエノラート、フェノラート、ビスフェノラート、チオラート又はビスチオラートの金属錯体、あるいはアゾ、アゾメチン若しくはホルムアザン染料の金属錯体、たとえばビス(4−ジメチルアミノジチオベンジル)ニッケル[CAS番号第38465−55−3]、Irgalan Bordeaux EL(登録商標)、Cibafast N(登録商標)又は類似の化合物、ヒンダードフェノール及びその誘導体(場合により対イオンXも)、たとえばCibafast AO(登録商標)、o−ヒドロキシフェニル−トリアゾール若しくは−トリアジン、又はその他のUV吸収剤、たとえばCibafast W(登録商標)若しくはCibafast P(登録商標)又はヒンダードアミン(TEMPO又はHALS、場合により対イオンXも)及びカチオンのジイモニウムも、Paraquat(商標)又はOrthoquat(商標)塩、たとえばKayasorb IRG 022(登録商標)、Kayasorb IRG 040(登録商標)、場合によりラジカルイオンも、たとえばN,N,N’,N’−テトラキス(4−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンアミンアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、=ヘキサフルオロアンチモナート若しくは=ペルクロラートである。後者は、Organica(Wolfen、ドイツ国)から入手可能であり;Kayasorb(登録商標)の銘柄は、日本化薬株式会社から入手可能であり;Irgalan(登録商標)及びCibafast(登録商標)の銘柄は、Ciba Spezialitaeten-chemie AGから入手可能である。
【0092】
多くのそのような構造は、たとえば米国特許第5,219,707号明細書(US-5,219707)、特開平06/199045号公報(JP-A-06/199045)、同07/76169号公報(JP-A-07/76169)、同07/262604号公報(JP-A-07/262604)又は同12/272241号公報(JP-A-12/272241)から、それらのいくつかは光学的記録媒体と関連して、公知である。それらは、たとえば、上記に開示された金属錯体アニオンと、所望のいかなるカチオン、たとえば上記に開示されたカチオンとの塩、又はたとえば下式で例示される、金属錯体であり得る:
【0093】
【化18】

【0094】
当業者は、いずれかの濃度でのいずれかの添加剤がいずれかの目的に特に充分に適するかを、その他の光学的情報媒体から知るか、又は容易に特定するものと思われる。添加剤の適切な濃度は、たとえば、式(I)の記録媒体を基準にして0.001〜1,000重量%、好ましくは1〜50重量%である。
【0095】
本発明による光学的記録材料は、固体のアモルファス記録層の優れたスペクトル特性を示す。屈折率は、異例に高く、ある場合には2.5を上回りさえする。そのような化合物としては驚異的に低い、固体における凝集傾向のために、吸収帯は、狭く、かつ強くて、吸収帯は、長波長側で特に急勾配である。結晶子は、予想外にも、かつ非常に好都合にも形成されないか、又は無視できる程度にのみ形成されるにすぎない。書込み及び読取り波長の範囲内での層の反射率は、未書込み状態で非常に高い。
【0096】
これらの優れた層特性のために、高い感度、高い再現性、及び幾何学的に非常に正確なマーク境界を有する迅速な光学的記録を得ることが可能であって、屈折率及び反射率は、実質的に変化して、それが高度なコントラストを与える。マーク長と間隔距離との差(「ジター」)は、非常に小さくて、狭いトラック間隔(「ピッチ」)の相対的に薄い記録チャネルを用いて、高い記憶密度を得るのを可能にする。加えて、記録されたデータは、驚異的に低いエラー率で再生される結果、エラー修正は、少量の記憶スペースのみを必要とするにすぎない。
【0097】
非極性溶媒中でのそれをはじめとする、優れた溶解度のために、溶液は、高い濃度でさえ、たとえば貯蔵の際に、面倒な沈澱なしに用いることができる結果、スピンコーティングの際の問題は、大幅に削減される。これは、分枝鎖C3〜C8アルキルを有する化合物に特に該当する。
【0098】
記録及び再生は、同じ波長で実施することができ、そのため、好都合には350〜500nm、好ましくは370〜450nmの単一レーザー源を有する簡単な光学的装置系を好都合には必要とする。特に好適なのは、370〜390nm、特に約380nmのUV範囲であるか、又は特に390〜430nm、より特別には約405±5nmの可視範囲の辺縁においてである。高い開口数の光学的装置系による青又は菫色のコンパクトレーザーダイオード(たとえばNichia GaN 405nm)の分野では、マークは非常に小さく、トラックを非常に狭くすることができるため、1記録層あたり最高20〜25Gbを、120mmディスクで達成することができる。380nmでは、インジウムドーピングされたUV−VCSEL(垂直キャビティ表面発光レーザー)を用いることが可能であり、このレーザー源は、原型として既に存在する[Jung Hanら、MRS Internet J. Nitride Semicond. Res. 5S1, W6.2 (2000)を参照されたい]。
【0099】
したがって、本発明は、データを記録又は再生する方法であって、本発明による光学的記録媒体上のデータを、350〜500nmの波長で記録又は再生する方法にも関する。
【0100】
記録媒体は、公知の記録媒体の構造に基づき、たとえば、上に列挙されたものに類似する。それは、たとえば、透明な基板、式(I)の化合物の少なくとも一つを含む記録層、反射層、及び被覆層で構成されていて、書込み及び読取りは、基板を通じて実施される。
【0101】
適切な基板は、たとえば、ガラス、鉱物、セラミックス、ならびに熱硬化性及び熱可塑性プラスチックである。好適な支持体は、ガラス、及びホモ又はコポリマープラスチックである。適切なプラスチックは、たとえば、熱可塑性のポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、熱硬化性のポリエステル及びエポキシ樹脂である。特に好ましいのは、たとえば射出成形によって製造することができる、ポリカーボネート基板である。基板は、純粋な形態であることができるか、又は慣用の添加剤、たとえば、たとえば特開平04/167239号公報(JP-A-04/167239)に記録層のための光安定剤として提唱されたような、UV吸収剤又は染料を含んでもよい。後者の場合、書込み波長(レーザーの発光波長)の範囲内では、支持体基板に加えられた染料は、記録層上に集束するレーザー光の吸収は、皆無であるか、又はせいぜい非常に僅か、好ましくは約20%の最大値以下であるにすぎないこともある。
【0102】
基板は、好都合には、350〜500nmの範囲の少なくとも一部分にわたって透明である結果、書込み又は読取り波長の入射光の、たとえば少なくとも80%に対して透過性である。基板は、好都合には、10μm〜2mm、好ましくは100〜1200μmの厚さ、特に600〜1100nmの厚さであって、好ましくは、10〜200nm、好ましくは80〜150nmの溝深さ、100〜400nm、好ましくは150〜250nmの溝幅、及び200〜600nm、好ましくは350〜450nmの2巻き間の間隔を有する、らせん形の案内溝(トラック)をコーティング側に有する。異なる断面の形状、たとえば矩形、台形又はV字形の溝が、公知である。公知のCD−R及びDVD−R媒体と同様に、案内溝は、小さな周期的又は準周期的な横方向の変形(揺れ)を更に受けるため、回転速度と、読取りヘッド(ピックアップ)の絶対的位置との同期を可能にさせる。これに代えてか、又は加えて、偏光、すなわち同じ機能を、隣接する溝の間にマーキングすること(プレピット)によって実施することができる。
【0103】
記録媒体は、たとえば、スピンコーティングによる溶液の塗布によって施すことができるが、その目的は、層の厚さが、表面(「ランド」)上で、好都合には0〜40nm、好ましくは1〜20nm、特に2〜10nmであり、溝の中では、その幾何学に応じて、好都合には20〜150nm、好ましくは50〜120nm、特に60〜100nmである、可能な限りアモルファスな層を形成することである。
【0104】
反射層に適切な反射材料は、特に、記録及び再生に用いられるレーザー放射線の優れた反射を与える金属、たとえば、元素の周期表の主族13〜15及び副族3〜12の金属を包含する。Al、In、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Sc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、及びランタニド金属のCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLu、ならびにそれらの合金は、特に適切である。その高い反射率、及び製造の容易さのために、アルミニウム、銀、金又はそれらの合金(たとえばホワイトゴールドなる合金)、特に経済及び環境保全的見地からアルミニウムが特に好ましい。反射層は、好都合には、厚さが5〜200nm、好ましくは10〜100nm、特に40〜60nmであるが、より大きい厚さの反射層、たとえば1mm又はそれ以上の厚ささえも可能である。
【0105】
被覆層に適切な材料は、主に、プラスチックを包含して、それらは、薄層として反射層に、直接にか、又は接着促進剤の助けをかりて塗布する。たとえば書き込んだ際に更に変更することができる、優れた表面特性を有する、機械的及び熱的に安定なプラスチックを選ぶのが好都合である。このプラスチックは、熱硬化性プラスチック及び熱可塑性プラスチックであり得る。直接塗布される被覆層は、好ましくは、(たとえばUV放射線を用いて)放射線硬化されたコーティングであって、製造するのが特に簡単かつ経済的である。非常に様々な放射線硬化性材料が、公知である。放射線硬化性モノマー及びオリゴマーの例は、ジオール、トリオール及びテトロールのアクリラート及びメタクリラート、芳香族テトラカルボン酸や、アミノ基の少なくとも二つのオルト位にC1〜C4アルキル基を有する芳香族ジアミンのポリイミド、ならびにジアルキルマレインイミジル基、たとえばジメチルマレインイミジル基を有するオリゴマーである。接着促進剤を用いて塗布される被覆層には、基板層に用いられるのと同じ材料、特にポリカーボネートを用いるのが好ましい。用いられる接着促進剤は、好ましくは、同様の放射線硬化性モノマー及びオリゴマーである。接着促進剤を用いて塗布される被覆層に代えて、記録層及び反射層を含む第二の基板を用いてもよく、その結果、この記録媒体は、両面で作動することができる。好ましいのは、対称的構造であって、二つの部分を、接着促進剤によって直接にか、又は中間層を用いて、反射層側で一緒に結合する。
【0106】
そのような構造では、被覆層又は被覆材料の光学特性は、適用できる場合に、たとえばUV放射線による硬化が達成されさえすれば、それ自体は本質的に重要ではない。被覆層の機能は、記録媒体の全体としての機械的強度、及び必要ならば、薄い反射層の機械的強度を確保することである。たとえば厚い反射層が存在するときに、記録媒体が充分に強固ならば、被覆層を全く省くことさえ可能である。被覆層の厚さは、約2mmの厚が最大値であるべきなのが好ましい、記録媒体の全体としての厚さに依存する。被覆層は、好ましくは、10μm〜1mmの厚さである。
【0107】
本発明による記録媒体は、追加的な層、たとえば干渉層又はバリヤ層を有してもよい。複数(たとえば2〜10)の記録層を有する記録媒体を構成することも可能である。そのような材料の構造及び使用は、当業者に公知である。存在する場合、干渉層は、好ましくは、記録層と反射層との間、及び/又は記録層と基板との間に配置し、たとえば欧州特許出願公開第0 353 393号公報(EP-A-0 353 393)に記載されたような、TiO2、Si34、ZnS又はシリコーン樹脂という誘電体材料からなる。
【0108】
本発明による記録媒体は、それ自体は公知である方法によって製造することができ、用いられる材料及びそれらの機能に応じて、様々なコーティング法を用いることが可能である。
【0109】
適切なコーティング法は、たとえば浸漬、注ぎ掛け、刷毛塗り、ブレードコーティング及びスピンコーティング、ならびに高真空下で実施される蒸着法である。たとえば注ぎ掛け法を用いるときは、有機溶媒中の溶液を用いるのが一般的である。溶媒を用いるときは、用いる支持体がこれらの溶媒に敏感でないよう注意を払わなければならない。適切なコーティング法及び溶媒は、たとえば欧州特許出願公開第0 401 791号公報(EP-A-0 410 791)に記載されている。
【0110】
記録層は、好ましくは、スピンコーティングによる染料液の塗布によって施すが、満足すべきであると判明している溶媒は、特に、アルコール、たとえば2−メトキシエタノール、イソプロパノール若しくはn−ブタノール、ヒドロキシケトン、たとえばジアセトンアルコール若しくは3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、ヒドロキシエステル、たとえば乳酸メチルエステル若しくはイソ酪酸メチルエステル、又は好ましくはフッ素化アルコール、たとえば2,2,2−トリフルオロエタノール若しくは2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、及びそれらの混合物である。更に適切な溶媒は、当技術に周知であり、たとえば欧州特許出願公開第0 483 387号公報(EP-A-0 483 387)に開示されている。
【0111】
金属の反射層の塗布は、好ましくは、スパッタリング又は真空中での蒸着によって実施する。そのような手法は、公知であり、専門的文献[たとえばJ.L. Vossen & W. Kern, "Thin Film Processes", Academic Press, 1978]に記載されている。操作は、好都合には、連続的に実施し、金属の反射層の優れた反射率、及び高度の接着性が達成される。
【0112】
記録は、公知の方法に従って、記録層の表面上を定常的又は可変的速度で案内される、変調された、集束したレーザービームを用いて、固定長又は可変長のピット(マーク)を書き込むことによって実施する。情報の読取りは、それ自体は公知である方法に従って、たとえば「CD-Player and R-DAT Recorder」[Claus Biaesch-Wiepke, Vogel Buchverlag, Wuerzburg 1992]に記載されたように、レーザー放射線を用いて反射の変化を登録することによって実施する。当業者は、必要条件に精通していると思われる。
【0113】
本発明による情報含有媒体は、特に、WORM型の光学的情報材料である。たとえば、コンピューターにおけるCD−R(コンパクトディスク−記録可能)又はDVD−R(ディジタルビデオディスク−記録可能)と同様に、また身分証明書及び保安カードのためか、又は回折による光学的エレメント、たとえばホログラムの製造のための記憶材料としても用いることができる。
【0114】
あるいはしかし、CD−R及びDVD−Rとは実質的に異なり、記録及び再生が基板ではなく被覆層を通じて行われる(「溝内記録」)記録媒体も存在する。したがって、被覆層及び基板のそれぞれの役割、特に幾何学的及び光学的特性は、上記の構造と比較すると逆転する。同様な概念は、Proceedings SPIE-Int. Soc. Opt. Eng., 1999, 3864に、青色GaNレーザーダイオードと結合したディジタルビデオ記録について多数回記載されている。高い記憶密度に特に適切であり、相応して小さいマーク(「ピット」)を有する、そのような記録媒体については、正確な集束が重要であるため、製造法は、基本的には類似するが、それより著しく厄介である。
【0115】
しかし、本発明による式(I)の化合物は、逆転した層構造の増大する要求も驚異的にも充分に満たす。そのため、好ましいのは、基板、反射層、記録層及び被覆層という層順序を有する、逆転した層構造である。したがって、記録層は、反射層と被覆層との間に位置する。厚さが約50〜400μmの薄い被覆層が、(代表的には0.85の開口数で100μm)特に好都合である。
【0116】
逆転した層構造での記録層及び反射層は、原理的には、上に示したのと同じ機能を有する。したがって、それらは、溝の幾何学によるとおり、上に示した範囲内の寸法を有するのを常とする。
【0117】
逆転した層構造は、特に高い水準を必要とするが、それは、本発明に従って用いられる化合物が、たとえば記録層を金属の反射層に施したとき、また特に被覆層を記録層に塗布したときに、驚異的に充分に応えて、被覆層は、記録層に、摩擦、光酸化、指紋、湿分及びその他の環境の影響に対する適切な防護を与えることが必要とされ、0.01〜0.5mmの範囲内、好ましくは0.05〜0.2mmの範囲内、特に0.08〜0.13mmの範囲内の厚さを好都合には有する。
【0118】
被覆層は、好ましくは、レーザーの書込み又は読取り波長で、80%若しくはそれ以上の透過率を示す材料からなる。被覆層に適切な材料は、たとえば、上に列挙されたような材料、しかし特にポリカーボネート[たとえばピュアエース(登録商標)又はパンライト(登録商標)、帝人化成株式会社]、三酢酸セルロース[たとえばフジタック(登録商標)、富士写真フィルム株式会社]又はポリエチレンテレフタレート[たとえばルミラー(登録商標)、東レ株式会社]を含み、ポリカーボネートが特に好ましい。被覆層を直接塗布する場合は特に、放射線硬化性コーティング、たとえば、上に既に記載されたもの、たとえばSD347(商標)(大日本インキ株式会社)が好都合である。
【0119】
被覆層は、適切な接着促進剤を用いて、固体の記録層に直接塗布することができる。もう一つの実施態様では、固体の記録層には、金属、架橋結合させた有機金属、又は好ましくは誘電体無機材料の薄い分離層を、たとえば0.001〜10μm、好ましくは0.005〜1μm、特に0.01〜0.1μmの、たとえば、誘電体分離層の場合には0.05〜0.08μm、金属の分離層の場合には0.01〜0.03μmの厚さで追加的に塗布する。分離層、及び対応する方法は、国際公開第02/082 438号公報(WO 02/082 438:ここで、これに対する参照を明示的に行う)に開示されている。所望であれば、そのようなコーティングは、たとえば、支持材料と金属の反射層との間、又は金属の反射層と光学的記録層との間と同じ厚さで塗布することができる。これは、特定の場合、たとえば銀の反射体を含硫添加剤と組み合わせて記録層に用いるときには、好都合であり得る。
【0120】
特殊な変化形では、固体の記録層には、金属、架橋結合させた有機金属、又は誘電体無機材料の薄い分離層を、たとえば0.001〜10μm、好ましくは0.005〜1μm、特に0.01〜0.1μmの厚さで追加的に塗布する。その高い反射率のために、金属の反射層は、最大0.03μmの厚さが好都合であろう。分離層、及び対応する方法は、国際公開第02/082 438号公報(WO 02/082 438:ここで、これに対する参照を明示的に行う)に開示されている。
【0121】
本発明に従って用いられる式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、新規であるが、公知化合物から、公知の方法によって、たとえばJ. Org. Chem., 67/16, 5753-5772 (2002)と同様にして、容易に製造される。
【0122】
したがって、本発明は、式(I)の化合物にも関する。
【0123】
特に興味深い特性は、本発明の式(I)の化合物の混合物、ならびに本発明の式(I)の1種類又はそれ以上の化合物と、国際/欧州特許出願公開第2004/050 185号公報(PCT/EP 2004/050 185)の式(I)、(II)、(III)、(IV)及び/又は(V)による1種類若しくはそれ以上の化合物との混合物によって示される。
【0124】
成分を一緒にして混合することによって混合物を調製することに代えて、混合合成によって混合物を調製することも好都合には可能であって、金属を、所望のいかなる順序でも連続的にか、若しくは好ましくは同時に、予め調製されたリガンドの混合物に加えるか、又は逆に、リガンドを所望のいかなる順序でも連続的にか、若しくは好ましくはそれらのすべてを、予め調製された金属の混合物に加える。混合合成によって調製された混合物は、概して、おそらくはそれらの非対称的な成分のためか、物理的な混合物より多少とも優れた溶解度を有する。
【0125】
式(I)の1種類又はそれ以上の化合物、及び場合により慣用の添加剤に加え、本発明による光学的記録媒体は、その他の発色団、好ましくはメタルフリー発色団を含んでもよい。その他の発色団は、所望であれば、式(I)の化合物の総量を基準にして、1〜200重量%の量として加えてよい。その他の発色団の量は、式(I)の化合物の総量を基準にして、好ましくは5〜100重量%、特に10〜50重量%である。発色団は、好ましくは350〜400nm又は600〜700nm、たとえば380又は630nm前後で吸収最大値を有する、染料若しくはUV吸収剤である。
【0126】
追加される特に好適なメタルフリー発色団は、シアニン、アザシアニン、メロシアニン及びオキソノール、ならびにローダミン、たとえば、国際公開第04/006878号公報(WO 04/006878)、同第02/082438号公報(WO 02/082438)又は欧州特許出願公開第1 083 555号公報(EP-A-0 083 555)に開示されたもの、及び下式:
【0127】
【化19】

【0128】
で示されるものもそうである。上式中、R38は、C1〜C24アルキル又はC2〜C24アルケニル(それぞれ、非置換であるか、又は置換されていることができる)であり、R39は、いかなる置換基でもある。R38は、たとえば、メチル、エチル、ビニル、アリル、イソプロピル、n−ブチル、2−イソプロピルオキシエチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルヘキシル、2−シアノエチル、フラン−2−イルメチル又は2−ヒドロキシメチルであってよく;R39は、たとえば、C6〜C10アリール、C1〜C24アルキル又はC2〜C24アルケニルである。そのような発色団の純然たる例示的な例は、下式で示される:
【0129】
【化20】

【0130】
以下の実施例は、本発明を例示するが、その範囲を限定するものではない(別途指示されない限り、「%」は常に重量%を意味する)。
【0131】
実施例1
エタノール13ml中の酢酸コバルト(III)四水和物249mgの溶液を、エタノール13ml中の2−(4−イソプロピルチアゾリル)アミノチアゾール465mgの溶液に加えた。混合物を、空気の存在下、〜23℃で70時間撹拌した。溶液の色は、橙色から紫色に、最後に暗青色に変化した。溶媒を、減圧下で除去して、暗青色の残渣を得た。少量のメタノール及びエタノールを残渣に加えた。沈澱を、濾過によって回収し、少量の冷エタノールで洗浄し、50℃、1.2x103Paで乾燥した。こうして、未精製生成物170mgを、下式の異性体混合物(6:4の比)として得た:
【0132】
【化21】

【0133】
実施例2
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0134】
【化22】

【0135】
【表1】

【0136】
実施例3
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0137】
【化23】

【0138】
【表2】

【0139】
実施例4
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0140】
【化24】

【0141】
【表3】

【0142】
実施例5
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0143】
【化25】

【0144】
【表4】

【0145】
実施例6
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0146】
【化26】

【0147】
【表5】

【0148】
実施例7
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0149】
【化27】

【0150】
【表6】

【0151】
実施例8
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0152】
【化28】

【0153】
【表7】

【0154】
実施例9
実施例1による生成物(170mg)を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=体積比で2:1)によって二つの異性体に分離した。より低い極性の異性体(収量:90mg)は、下記のデータを有した:
【0155】
【表8】

【0156】
より高い極性の異性体(収量:60mg)は、下記のデータを有した:
【0157】
【表9】

【0158】
実施例10
下式の生成物を、実施例1と極めて同様にして得た:
【0159】
【化29】

【0160】
【表10】

【0161】
実施例11
下式の生成物を、実施例1及び10と極めて同様にして、しかしビス(2−チアゾリル)アミン及びビス(4−イソプロピル−2−チアゾリル)アミンの1:1混合物で出発して得た:
【0162】
【化30】

【0163】
この混合物のTLC(溶離剤としてCH2Cl2−アセトン=20:1)は、4色のスポットを示し、最低の極性のスポットは、実施例10の化合物に相当した。
【0164】
【表11】

【0165】
実施例12〜13
実施例1による混合物の純粋な異性体(実施例9に従って単離した)を、それぞれ、100倍の量の2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに溶解し、厚さ1.2mmの平坦なポリカーボネート板(直径120mm)にスピンコーティングした。淡青色の固体層を、光学的測定装置系[ETA−RT(商標)ディスク分析システム、STEAG ETA-Optik]を用いて測定した。屈折率は、405nmの波長で決定した。あるいはまた、化合物を、シリコンウェーハ上にスピンコーティングし、固体層を、分光エリプソメーター(Sopra)を用いて測定してもよい。
より低い極性の異性体は、以下のデータを有した:n=2.118、k=0.034。
より高い極性の異性体は、以下のデータを有した:n=2.142、k=0.044。
【0166】
実施例14
実施例1による異性体混合物100mgを、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール12.0gに溶解し、0.2μmテフロンフィルターを通して濾過した。次いで、染料溶液を、250rpmの回転によって、厚さ1.2mmの平坦なポリカーボネート板(直径120mm)に塗布した。次いで、回転速度を1,200rpmまで増加させた結果、過剰な溶液が振り落とされ、均一な固体層が形成された。乾燥した後、固体層は、371nmで0.44の吸収を有した。光学的測定装置系[ETA−RT(商標)、STEAG ETA-Optik]を用いて、層の厚さ、及び複素屈折率を決定した。405nmでは、染料層は、34nmの層の厚さ、2.12の屈折率n、及び0.030の減衰係数を有した。
【0167】
実施例15
真空コーティング装置[Twister(商標)、Balzers Unaxis]内で、厚さ30nmの銀の反射層を、厚さ1.1mmの有溝ポリカーボネートディスク(直径120mm、溝ピッチ400nm、溝深さ80nm、溝幅170nm)に塗布した。実施例1による異性体混合物40mgを、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール1mlに溶解し、0.2μmテフロン(商標)フィルターを通して濾過した。染料溶液を、スピンコーティング法によって反射層に塗布して、均一な固体層を形成した。場合により、厚さ40nmの誘電体層(SiON)を、真空コーティング装置[Cube(商標)、Balzers Unaxis]内でのRFスパッタリングによって連続的に塗布してもよい。最後に、感圧接着剤(総厚さ100μm、リンテック株式会社)を用いて一方の側に被覆したポリカーボネート薄膜を、誘電体層に接着した。407nmレーザーダイオード、及び0.85の対物レンズ開口数に基づく、市販のディスク試験機器[ブルーレイ(登録商標)ディスク用ODU−1000(商標)、パルステック工業株式会社]を用いて、5.28m/秒の直線速度、及び7mWのレーザー出力で、マークをディスク上に記録した。次いで、記録された部域を、0.35mWのレーザー出力で成功裡に再生した。
【0168】
実施例16
真空コーティング装置[Twister(商標)、Balzers Unaxis]内で、厚さ50nmの銀の反射層を、厚さ1.1mmの有溝ポリカーボネートディスク(直径120mm、溝ピッチ320nm、溝深さ21nm、溝幅150nm)に塗布した。実施例2による化合物14mgを、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール1mlに溶解し、0.2μmテフロン(商標)フィルターを通して濾過した。染料溶液を、スピンコーティング法によって反射層に塗布して、均一な固体層を形成した。場合により、厚さ40nmの誘電体層(SiON)を、真空コーティング装置[Cube(商標)、Balzers Unaxis]内でのRFスパッタリングによって連続的に塗布してもよい。最後に、感圧接着剤(総厚さ100μm、リンテック株式会社)を用いて一方の側に被覆したポリカーボネート薄膜を、誘電体層に接着した。407nmレーザーダイオード、及び0.85の対物レンズ開口数に基づく、市販のディスク試験機器[ブルーレイ(登録商標)ディスク用ODU−1000(商標)、パルステック工業株式会社]を用いて、5.28m/秒の直線速度、及び1.5mWのレーザー出力で、マークをディスク上に記録した。次いで、記録された部域を、0.3mWのレーザー出力で成功裡に再生した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、記録層、及び場合により一つ以上の反射層を含む光学的記録媒体であって、記録層が、式(I):
【化1】


[式中、G1、G2及びG3は、それぞれ、互いに独立して、
【化2】


であり;
1、A2及びA3は、それぞれ、互いに独立して、N(R14)、O、S又はSeであり、A4は、C(C1〜C5アルキル)2、C(C4〜C5アルキレン)、N(R14)、O、S、Se、N=C(R15)又はCH=C(R16)であり;
1は、第3〜15群(以前の第IIIA〜VB群)の少なくとも三価の金属、好ましくはCo(III)、Cr(III)、Ru(III)、Fe(III)、Mn(III)、V(III)、Ti(III)、Y(III)、Mo(III)、W(III)、Nb(III)、Rh(III)、Ta(III)、Ir(III)、Au(III)、Al(III)、As(III)、Sb(III)、Bi(III)、Sc(III)、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Eu(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)又はLu(III)、最も好ましくはCo(III)又はCr(III)であり;
1、Q2及びQ3は、それぞれ、互いに独立して、C(R17)、N又はPであり;
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR16は、それぞれ、互いに独立して、水素、R18、又はC6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル若しくはC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換されている)であるか;あるいは
1及びR2、R3及びR4、R5及びR6、R7及びR8、R7及びR15、ならびに/又はR7及びR16は、対になって一緒に、C3〜C6アルキレン若しくはC3〜C6アルケニレン(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換され、かつ中断されていないか、又はO、S若しくはN(R14)で中断されていてもよい)、又は1,4−ブタ−1,3−ジエニレン:
【化3】


(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換され、かつ一つ又は二つの炭素原子が窒素原子で置き換えられていてもよい)であり;
11、R14及びR15は、それぞれ、互いに独立して、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C1〜C4アルキル−[O−C1〜C4アルキレン]m若しくはC1〜C4アルキル−[NH−C1〜C4アルキレン]m(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)、又はC6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル若しくはC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換されている)であり;
12、R13及びR18は、それぞれ、互いに独立して、R20、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)であり;
17は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロアルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、アミノ、ニトロ、ホルミル、C(R16)=CR2122、C(R16)=NR23、N=CR2324、NHR25、NR2627、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、R28、N=N−R28又はR29であり;
19は、ハロゲン、ヒドロキシル、O−R26、O−CO−R26、S−R26、NH2、NH−R26、NR2627、NH3+、NH226+、NHR2627+、NR252627+、NR26−CO−R25、NR26COOR25、シアノ、ホルミル、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、ウレイド、NH−CO−NHR25、NR26−CO−NHR25、ホスファト、PR2526、POR25OR26、P(=O)OR25OR26、OPR2526、OPR25OR26、OP(=O)R25OR26、OPO326、OP(=O)OR25OR26、SO226、スルファト、スルホ、R28、N=N−R28、又はC1〜C12アルコキシ若しくはC1〜C12シクロアルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又はハロゲンでモノ−若しくはポリ−置換されている)であり;
20は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、チオシアナト、ヒドロキシル、O−R23、O−CO−R23、S−R23、CHO、COR24、CHOR23OR30、CR24OR23OR30、R31、N=N−R31、N=CR2324、N=CR2122、C(R32)=NR23、C(R32)=NR21、C(R32)=CR2122、NH2、NH−R23、NR2324、NH3+、NH223+、NHR2324+、NR232430+、CONH2、CONHR23、CONR2324、SO223、SO2NH2、SO2NHR23、SO2NR2324、COOH、COOR23、OCOOR23、NHCOR23、NR23COR30、NHCOOR23、NR23COOR30、ウレイド、NR23−CO−NHR30、B(OH)2、B(OH)(OR23)、B(OR23)OR30、ホスファト、PR2330、POR23OR30、P(=O)OR23OR30、OPR2330、OPR23OR30、OP(=O)R23OR30、OP(=O)OR23OR30、OPO323、スルファト又はスルホであり;
21及びR22は、それぞれ、互いに独立して、NR2627、CN、CONH2、CONHR23、CONR2324又はCOOR24であり;
23、R24及びR30は、それぞれ、互いに独立して、R31、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル若しくはC3〜C12シクロアルケニル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ若しくはC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であるか;あるいは
16及びR23は一緒になって、R17及びR23は一緒になって、ならびに/又はR23及びR30は一緒になって、C2〜C12アルキレン、C3〜C12シクロアルキレン、C2〜C12アルケニレン若しくはC3〜C12シクロアルケニレン(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であるか;あるいは
23及びR24は、共有される窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン若しくはモルホリン(それぞれ、非置換であるか、又はC1〜C4アルキルでモノ−ないしテトラ−置換されている);又はカルバゾール、フェノキサジン若しくはフェノチアジン(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R33で置換されている)であり;
25、R26及びR27は、それぞれ、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C3〜C12シクロアルケニル、C6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル又はC5〜C12ヘテロアラルキルであるか;あるいは
26及びR27は、共有される窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン若しくはモルホリン(それぞれ、非置換であるか、又はC1〜C4アルキルでモノ−ないしテトラ−置換されている)であり;
28は、C6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル又はC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R20又はR29で置換されている)であり;
29は、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル又はC3〜C12シクロアルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であり;
31は、C6〜C12アリール、C4〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アラルキル又はC5〜C12ヘテロアラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R33で置換されている)であり;
32は、水素、シアノ、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロアルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、アミノ、NHR25、NR2627、R28、ハロゲン、ニトロ、ホルミル、N=N−R28、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、N=CR2324、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C12アルケニル若しくはC3〜C12シクロアルケニル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C12アルコキシ又はC3〜C12シクロアルコキシ基で置換されている)であり;
33は、ニトロ、SO2NHR26、SO2NR2627、又はC1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C1〜C12アルキルチオ、C3〜C12シクロアルキルチオ、C1〜C12アルコキシ若しくはC3〜C12シクロアルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)であり;
mは、1〜10の数である]
で示される化合物、又はその互変異性体を含む光学的記録媒体。
【請求項2】
1が、正に荷電した三価のカチオン、好ましくはCo3+、Cr3+、Ru3+、Fe3+、Mn3+、Au3+、Al3+、Sb3+、Bi3+、Sc3+、La3+、又はCe3+、最も好ましくはCo3+又はCr3+である、請求項1記載の光学的記録媒体。
【請求項3】
記録層が、式(I)
〔式中、A1、A2、A3及びA4が、それぞれ、互いに独立して、O、S若しくはN(R14)であり、かつ/又はQ1、Q2及びQ3が、C(R17)若しくはNであり;
1、G2及びG3が、それぞれ、互いに独立して、
【化4】


であり;
1、R3、R5、R7、R10及びR16が、それぞれ、互いに独立して、水素、R18、又はC6〜C12アリール若しくはC7〜C12アラルキル(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、基R18で置換されている)であり;
2、R4、R6、R8及びR9が、それぞれ、互いに独立して、H、F、OH、OCH3、OCF3、CH3、CF3、C25、C223、C232、C25、CH2OH、CF2OH又はCH2OCH3であり;
14及びR15が、それぞれ、互いに独立して、非置換又はR19置換C1〜C8アルキルであり;
12及びR18が、それぞれ、互いに独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、O−R23、CHO、CH=C(CN)2、CH=C(CN)CONH2、CH=C(CN)CONHR23、CH=C(CN)CONR2324、CH=C(CN)COOR23、CH=C(COOR23)COOR24、CONH2、CONHR23、CONR2324、SO2−C1〜C12アルキル、SO2NH2、SO2NHR23、SO2NR2324、COOH、COOR23、NHCOR23、NR23COR30、NHCOOR23、NR23COOR30、ウレイド、P(=O)OR23OR30、スルホ、又はC1〜C12アルキル、C1〜C12アルキルチオ若しくはC1〜C12アルコキシ(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)であり;
17が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、C(R16)=CR2122、C(R16)=NR23、COO−R26、カルボキシル、カルバモイル、CONH−R26、CONR2627、N=N−R28、又はC1〜C12アルキル(非置換であるか、又は一つ以上のハロゲン置換基で置換されている)であり;
19が、ハロゲン、ヒドロキシル、O−R26、NH2、NH−R26、NR2627、NR26−CO−R25、NR26COOR25、シアノ、COO−R26、カルボキシル、CONH−R26、CONR2627、スルファト、スルホ、又はC1〜C12アルコキシ(非置換であるか、又はハロゲンでモノ−若しくはポリ−置換されている)であり;
23、R24及びR30が、それぞれ、互いに独立して、C1〜C12アルキル(非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上のハロゲン、ヒドロキシル又はC1〜C12アルコキシ基で置換されている)、又は非置換C6〜C12アリール若しくはC7〜C12アラルキルであるか、あるいは;
23及びR24が、共有される窒素と一緒になって、モルホリン、又はC1〜C4アルキルでN−置換されたピペリジンであり;
25、R26及びR27が、それぞれ、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C6〜C12アリール又はC7〜C12アラルキルであるか;あるいは
26及びR27が、共有される窒素と一緒になって、モルホリン、又はC1〜C4アルキルでN−置換されたピペリジンであり;
31が、非置換又は置換C6〜C12アリール若しくはC7〜C12アラルキル、特にメタロセニル基であり;かつ/あるいは
mが、1〜4の数である〕
の化合物を含む、請求項1又は2記載の光学的記録媒体。
【請求項4】
記録層が、式(I)
〔式中、Q1、Q2及びQ3が、C(R17)であり;G1、G2及びG3が、
【化5】


であり;A1、A2、A3及びA4が、O、S又はN(R14)であり;
14が、C1〜C24アルキル、C1〜C4アルキル−[O−C1〜C4アルキレン]m若しくはC1〜C4アルキル−[NH−C1〜C4アルキレン]m(それぞれ、非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R19で置換されている)、又はC6〜C12アリール(非置換であるか、又は適用できる場合に同一若しくは異なる、一つ以上の基R18で置換されている)であり;
17が、水素、シアノ、COO−R26又はC1〜C12アルキルであり;
18が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、O−R23、CH=C(CN)2、COOR23、ウレイド、CONR2627、SO226、P(=O)OR23OR30、又は非置換若しくは置換C1〜C12アルキルであり;
19が、ハロゲン、ヒドロキシル、O−R26、シアノ、COO−R26又はカルボキシルであり;
37が、H、メチル、エチル又はイソプロピル、特にHである〕
の化合物を含む、請求項1、2又は3に記載の光学的記録媒体。
【請求項5】
記録層が、式(I)
〔式中、
【化6】


である〕の化合物を含む、請求項1、2、3又は4に記載の光学的記録媒体。
【請求項6】
記録層が実質的にアモルファスである、請求項1、2、3、4又は5に記載の光学的記録媒体。
【請求項7】
被覆層を更に含み、基板、反射層、記録層及び被覆層がこの順に配置されている、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の光学的記録媒体。
【請求項8】
式(I)の化合物を含むことに加えて、メタルフリー発色団を含む、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の光学的記録媒体。
【請求項9】
データを記録又は再生する方法であって、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の光学的記録媒体上のデータを、350〜500nmの波長で記録又は再生する方法。
【請求項10】
請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
2、R4、R6、R8、R9及びR11が水素である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
好ましくは350〜500nmの波長での光学的記録のための、請求項10又は11に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−535778(P2007−535778A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500208(P2007−500208)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050670
【国際公開番号】WO2005/081239
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】