説明

高バリア保持具を備えた微小突起アレイの適用

個体に対して体表面を破壊するための微小突起部材を保持するための高バリア保持具を備えた経皮薬物送達系。保持具は、熱などによって容易に滅菌可能な高バリア材料(金属など)でできており、汚染を中に入れないようにするため、および微小突起部材の環境を維持するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2006年3月10日に出願された米国仮出願番号第60/781,049法の利益を主張し、その内容は、これらの全体において参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、衝撃によって角質層に微小突起部材を適用されるための装置および方法に関し、並びにより詳細には、本発明は、微小突起で角質層を貫通するための衝撃アプリケータ装置上に複数の微小突起を有する微小突起部材を取り付けるための保持具に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
皮膚などの体表の天然のバリア機能は、循環内に治療用物質を送達するという難題をもたらす。生物学的に活性な薬剤または薬物の送達のための経皮的装置は、健康を維持し、治療的に多種多様な病気を治療するために使用されてきた。たとえば、鎮痛薬、ステロイドなどは、このような装置により送達された。経皮薬物送達は、一般的に2つのグループ:「受動的」メカニズムによるか、または「能動的」輸送機構による輸送の1つに属するとみなすことができる。前者おいて、皮膚パッチなどの薬物送達では、薬物は、固体マトリックス、リザーバーおよび/または接着系に組み込まれる。
【0004】
経皮送達率を増加させる方法がいくつか存在する。薬剤の経皮送達を増加させるための一つの方法は、有益な薬剤である皮膚透過性賦活薬で皮膚を前処理すること、または一緒に送達することである。透過性賦活物質は、薬剤が送達される体表に適用されると、体表の選択性および/または透過性を増加させること、および/または薬剤の分解を減少させることなどにより、薬剤の経皮流入を増強させる。
【0005】
経皮薬物送達のもう一つのタイプは、薬物流入が種々の形態のエネルギーによって駆動される能動輸送である。たとえばイオン泳動は、電流により皮膚を横切って可溶化した薬物を輸送する「能動的」エレクトロトランスポート送達技術である。このメカニズムの実現可能性は、薬物の溶解度、拡散および安定性、並びに装置における電気化学によって制約される。薬剤の輸送は、薬剤の送達または送達の増強のための電流の適用を生じる、印加電位の適用によって誘導または増強される。
【0006】
しかし、現在のところ、多くの薬物および医薬品は、無傷の体表を介して、従来の受動的パッチまたはエレクトロトランスポート系によって効率的に送達することがいまだにできない。多量かつ純粋形態で利用できるようになっている、医学的に有用なペプチドおよびタンパク質の数が増大し続けていることを考慮すると、人体へのペプチドおよびタンパク質などのより大きな分子の経皮的送達または経皮送達には、関心がもたれる。ペプチドおよびタンパク質などのより大きな分子の経皮送達は、いまだ重要な難題に直面している。多くの例において、皮膚を介したポリペプチドの送達または流入の割合は、これらの大きなサイズおよび分子量のために、望まれる治療効果を生じるには不十分である。加えて、ポリペプチドおよびタンパク質は、皮膚への透過の間や後に、標的細胞に到達する前に容易に分解される。一方で、多くの低分子量化合物の受動的な経皮流入は、あまりに限定され治療的に有効ではない。
【0007】
しかし、(たとえば、皮膚を横切って)経皮流入を増大させるもう一つの方法は、機械的に皮膚を透過または破壊させることである。たとえば、この技術は、Godshallらに対する発行された米国特許第5,879,326号、Gandertonらに対する発行された米国特許第3,814,097号、Grossらに対する発行された米国特許第5,279,544号、Leeらに対する発行された米国特許第5,250,023号、Gerstelらに対する発行された米国特許第3,964,482号、Kravitzらに対する発行された再発行第25,637号、並びにPCT公開番号国際公開第96/37155号、国際公開第96/37256、国際公開第96/17648、国際公開第97/03718、国際公開第98/11937、国際公開第98/00193、国際公開第97/48440、国際公開第97/48441、国際公開第97/48442、国際公開第98/00193、国際公開第99/64580、国際公開第98/28037、国際公開第98/29298および国際公開第98/29365において言及されている。これらの装置は、皮膚の最外層(すなわち角質層)を穿刺するための、種々の形状およびサイズの穿刺要素または微小突起を使用する。一般にこれらの参照に開示された微小突起は、パッドまたはシートなどの薄い、平らな部材から垂直に伸長している。いくつかのこれらの装置における微小突起は、極めて小さく、わずか約25〜400ミクロン(μ)の寸法(すなわち、マイクロブレードの長さおよび幅)およびわずか約5〜50μのマイクロブレードの厚さである。その他の貫通要素は、約10μ以下の直径および約50〜100μの長さを有する中空針である。これらの微小な角質層貫通/切断要素は、それを通る経皮的薬剤送達または経皮的体分析物サンプリングの増強のために、角質層に相応した小さな微小スリット/微小な切断を作るように意図されている。穿孔した皮膚は、持続性薬剤送達または皮膚を介したサンプリングのための流入の改善をもたらす。多くの例において、角質層における微小スリット/微小な切断は、150μ未満の長さを有し、幅はこれらの長さより実質的に小さい。
【0008】
多くの微小突起装置は、微小突起アレイを有する。微小突起アレイが、皮膚を介した薬剤の送達またはサンプリングを改善するために使用されるときは、むらのない、完全かつ反復可能な微小突起による透過が望まれる。微小突起を含む皮膚パッチの手動による適用は、たいてい微小突起アレイ全体の穿刺深度の有意な変動を生じる。加えて、手動による適用は、使用者がアレイを適用する様式により、適用間で穿刺深度に大きな変動を生じる。個人が手で皮膚に微小突起アレイを押すときに、押す力は、コントロールすることが難しいであろうし、アレイの領域全体にわたって不均一になってしまうであろうことが、その理由である。むらのない反復可能な様式の微小突起皮膚穿刺貫通を提供する機械的に作動する装置により、角質層へ微小突起アレイを適用することができることは、望ましいであろう。
【0009】
典型的には、微小突起アレイは、そこからざっと垂直に伸長した複数の微小突起を備えた、薄い平らなパッドまたはシートの形態を有し、手動で扱うには困難なものである。さらに、このような手動による適用は、取扱者の指の皮膚を穿刺するリスクを有する。たとえ機械的に作動するアプリケータが、患者に微小突起アレイを適用するために使用される場合であっても、微小突起アレイは、やはりアプリケータ上に取り付けられなければならない。さらに、微小突起アレイは、使用者に対する傷害を防止するために保護される必要がある。したがって、微小突起部材を角質層へ適用するための再使用可能な衝撃アプリケータ装置に連結するための微小突起部材を保持するために、保持具が微小突起アレイを備えた一定の装置に使用される。たとえば、米国特許出願公開第20050148926号および第20050226922号は、微小突起アレイおよび保持具を備えた装置を開示する。前記特許出願公報は、その全体が本明細書に参照により援用される。
【0010】
しかし、このような以前の保持具は、製造の容易さ、滅菌の便宜、通常の取扱い下での無菌の維持および内部の保護された環境の維持が、なおも欠如している。必要なものは、容易に滅菌することができ、通常の環境下で取扱うことができ、かつ特別なパッケージング無しに無菌および内部環境をなおも維持することができる保持具である。本発明は、保持具を容易に製造、滅菌することができ、かつ保持具が、それ自体のパッケージとして作用することができ、通常の輸送、使用および取扱いの下での汚染からの環境バリアを提供するシステム、並びにこのようなシステムを製作し、および使用する方法を提供する。
【発明の開示】
【0011】
要旨
本発明は、衝撃アプリケータを備えた角質層への微小突起部材の適用のために、微小突起部材を保持するための保持具を提供する微小突起系および方法論に関する。微小突起部材は、角質層全体への薬剤の輸送を改善するための角質層を貫通する複数の微小突起を含む。微小突起部材は、耐熱材料でできている保持具によって保護される。本発明のもう一つの側面において、保持具は、高バリア材料で作られる。
【0012】
本発明の一つの側面によれば、微小突起部材のための高バリア保持具が提供される。保持具は、衝撃アプリケータに取り付け可能な第1の末端および角質層と接触するように構成された第2の末端を有する。角質層を穿刺する複数の微小突起を有する微小突起部材は、保持具内に位置する。好ましくは、微小突起部材は、保持具および/またはアプリケータを扱っている患者またはその他(たとえば、臨床検査技師)による不注意の接触から微小突起を保護するような様式で、保持具内に位置する。保持具は、高バリア材料および/または耐熱材料でできている。好ましくは、保持具は、熱またはガンマ放射線で滅菌することができる。
【0013】
本発明のさらなる側面によれば、保持具における微小突起アレイを保護するその上下端にバリアシールを備えた保持具が提供される。保持具並びに上部および底部シールは、好ましくは高バリア材料でできている。微小突起パッチは、微小突起のアレイを含む。好ましくは、微小突起部材は、保持具および/またはアプリケータを扱っている患者またはその他(たとえば、臨床検査技師)による不注意の接触から微小突起を保護するような様式で保持具内に位置する。
【0014】
本発明のさらなる側面において、微小突起部材を備えたパックされた保持具が提供され、組立て部品を形成する。パックされた組立て部品は、経皮薬物送達装置などの医療器具のための通常の輸送、貯蔵および取扱い環境下において、無菌および内部環境を維持することができるパッケージを提供する。保持具本体並びに上部および底部カバーは、微生物による汚染および酸素などの望まれないガスの両方から守るための無菌的バリアを提供するパッケージングとして作用する。保持具は、衝撃アプリケータに接続するように構成されている本体を有する。微小突起部材は、衝撃アプリケータによって提供される衝撃による角質層に適用するために保持具本体に取り付けられる。保持具は、汚染から守るためにパッケージングの一部として作用し、それを保護するための保持具を囲むさらなるパッキング材料を必要としない。したがって、保持具は、1回使用後に使い捨てることができ、新たな未使用の保持具は、薬物送達の別の事象のために同じアプリケータに装着することができる。
【0015】
本発明のもう一つの側面によれば、微小突起部材を角質層に適用して、角質層を介した薬剤の送達またはサンプリングを促進する方法が提供される。本方法は、高バリア保持具から高バリアのシールカバーを取り除くこと、衝撃アプリケータに保持具を取り付けること、および衝撃アプリケータにより角質層に微小突起部材を適用することを含む。もう一つの側面において、保持具は、耐熱材料でできている。
【0016】
もう一つの側面において、本発明は、高バリアおよび/または耐熱材料である材料から高バリア保持具を作る方法をさらに提供する。本方法は、ガス非透過性、高温耐性および適当な機械強度などの、保持具を形成するための望まれた特性についてのパラメーターを選択する工程を含んでいてもよい。たとえば、金属材料を、保持具を形成するために選択することができる。好ましい態様は、保持具を形成するためのシート金属材料を打ち抜き加工することを含む。
【0017】
一つの側面において、本発明は、微小突起薬物送達システムを送達するために、形成された金属保持具を使用して、高バリアパッケージ機能を筐体機能と組み合わせることを含む。微小突起システムを含む形成された金属パッケージ/筐体は、高バリアまたは耐熱材料である着脱可能な膜で上部および底面を(蓋も同様に)カバーして、容器/閉鎖系を完全なものにすることができる。保持具および薬物送達装置は、保持具を形成するための材料および構造、並びにガスバリアおよび熱滅菌を提供する装置の適切なパラメーターを選択することによって作ることができる。
【0018】
本発明は、薬物送達装置を高バリアおよび/または熱滅菌可能なパッケージと組み合わせ、したがって、パッケージおよびプロセシングを単純化すると共に、必要とされる環境のバリアを提供する:高バリア熱耐性の保持具により、以下の利点が提供される:
1. 二次バリアパッケージングの必要性が無くなる。
2. 保持具の滅菌は、より精巧な設備および処理条件を必要とする放射線またはガス殺菌以外の熱的滅菌を使用して、より容易となり得る。
3. 金属部分がより容易に再利用されて、環境の影響が減少する。いくつかのプラスチックは、再利用することができるが、金属サイクリングは、非常に効率的に行うことができる。たとえば、アルミニウムは、容易に再利用される。
4. 保持具を含む分離したパッケージングが無くなることにより、全体のパッケージングサイズが減少する。さらに、パッケージングからのゴミが生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
詳細な記載
本発明は、微小突起アレイが、適用を促進する保持具として、および微小突起アレイを保護するためのパッケージとして、両方に機能することができる保持具に保護されている微小突起装置を使用する薬物の経皮送達に関する。
【0020】
本発明を記述する中で、以下の用語が使用され、下記に示したとおりに定義される。この明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるように、単数形の「ある(a)」および「その(the)」には、内容が明らかに別のものを示さない限り複数の言及を包含する。
【0021】
本明細書に使用される「経皮」という用語は、皮膚、粘膜および/またはその他の体表に対する、体循環への通過のための薬物の局所適用による薬物の投与のための入り口としてのこれらの使用をいう。
【0022】
「生物活性薬」は、その最も広い意味で、透過を増強すること、または疼痛の軽減などの、いくつかの生物学的な、有益な、治療的な、またはその他の意図された効果を生じることが意図される任意の材料を意味するように解釈される。本明細書に使用される「薬物」という用語は、疼痛の軽減などの、いくつかの生物学的な、有益な、治療的な、またはその他の意図された効果を生じることが意図される任意の材料のことをいうが、その第一の効果が経皮的治療薬などの別の生物活性薬の送達を援助することである薬物(透過増強剤など)ではない。
【0023】
本明細書に使用される「治療的に有効な」という用語は、所望の治療的結果を生じるために必要な薬物の量または薬物投与の割合をいう。
【0024】
「高バリア」という用語は、経皮薬物送達装置などの医療用具のための通常の貯蔵および取扱い下で、材料が実質的に全ての酸素および二酸化炭素などのガスの混入、二酸化硫黄およびオゾンなどの汚染物質、並びに水蒸気を中に入れないようにすることができ、その結果、封をした保持具の中の雰囲気は、実質的に長時間、たとえば少なくとも6月、好ましくは1年以上の間このようなガスが実質的に存在しないことを意味する。中程度のバリア材料では、少量のこれらのガスが容器に透過することができ、低バリア材料では、相当量が透過することができる。
【0025】
本明細書に使用される「微小突起」および「微小突出物(microprotrusion)」という用語は、生きている動物、特に哺乳類、より詳細にはヒトの皮膚の基礎をなす表皮層または表皮層および真皮層の中に角質層を介して穿刺し、または切断するために適応させた穿刺要素のことをいう。
【0026】
本明細書に使用される「微小突起アレイ」または「微小突出物アレイ」という用語は、角質層を穿刺するためのアレイに配置された複数の微小突起をいう。微小突起アレイは、薄いシートから複数の微小突起をエッチングまたはパンチングすること、および図5に示したように、シートの面から微小突起を折りたたみ、または曲げて配置を形成することによって形成してもよい。また、微小突起アレイは、米国特許第6,050,988号に開示したように、それぞれの条片(群)の縁に沿って微小突起を有する1つまたは複数の条片群を形成することによるなどの、その他の公知の様式で形成してもよい。
【0027】
一つの側面において、本発明は、微小突起アレイを保持して適用を促進するための耐熱保持具として、並びに分配、輸送および貯蔵の間の市販の取扱いにおいて有益な薬剤または薬物送達のために角質層上に配備される直前に意図的に無菌バリアが壊される前に微小突起アレイの機械的完全性、無菌および内部環境を保護するパッケージング材料として、両方に機能可能な保持具を提供する方法論を含む。保持具は、経皮薬物送達のための微小突起装置に使用される。耐熱材料により、保持具を容易に熱滅菌することができる。
【0028】
後述するように微小突起部材を適用するためのアプリケーターシステムには、角質層に微小突起部材を適用するための衝撃アプリケータを含む。微小突起部材は、微小突起アレイを含むことができる。図1は、本発明の保持具を有することができる例示的な微小突起装置の概略断面図を示す。アクチュエータおよび保持具を備えた同様の装置は、特許文献20020123675、20050096586、20050138926、20050226922、および20050089554に記述されており、これらは、参照により本明細書に援用される。これらの文書のこのような装置およびその他の以前の微小突起装置は、本発明の保持具と共に使用されるように適応されうることが理解される。
【0029】
図1は、本発明の保持具34と共に使用するためのアプリケータ10の例示的態様を図示する。しかし、図1に記載の装置は、まさに一例であり、その他のアプリケータ配置も、本明細書に記述した保持具と共に使用してもよい。アプリケータ10は、本体12およびその本体12内を移動できるピストン14を含む。キャップ16は、微小突起部材44で角質層に衝撃を与えるようアプリケータを作動させための本体12上に提供される。衝撃スプリング20は、ピストン14の柱22周辺に位置し、本体12に関して下方へ(すなわち、皮膚の方へ)ピストンを片寄らせる。ピストン14は、実質的に平面か、わずかに凸面があるか、または特定の体表の輪郭にマッチするように構成された衝撃表面18を有する。ピストン14の表面18は、皮膚に接する微小突起部材44に衝撃を与え、微小突起90が、たとえば患者の皮膚の角質層を穿刺するようにさせる。
【0030】
図1は、引き上げられた位置のピストン14を示す。アプリケータが引き上げられるときに、ピストン14は、本体12を内部で上へ押し上げられて、ロック機構によって所定の位置にロックされる。ロック機構は、柱22上の止め具26および対応する止め金30を有する本体12上の可動性フィンガー28を含む。ピストン14が、本体12の方に移動して衝撃スプリング20を圧縮すると、止め具26がフィンガー28を曲げて、可動性フィンガーの対応する止め金30にカチンとかみ合う。引き上げる工程は、ピストン14を引き上げる位置に引き上げてロックする一回の圧縮動作によって行われる。
【0031】
引き上げられた位置において、ピストン14および本体12上の留め具26および止め金30は、取り外し可能にかみ合わされ、本体におけるピストンの下方への運動を防止する。また、図1は、本体12に取り付けられたパッチ保持具34を図示する。ロック機構の解放によるアプリケータ10の作動は、アプリケータの末端42が皮膚に対して保持されたまま、アプリケーターキャップ16に適用される下方への力によって行われる。キャップ16は、本体12とキャップとの間に位置するホールドダウンスプリング24によって、皮膚から離れる方向に傾けられる。キャップ16は、キャップから下方へ伸長するピン46を含む。キャップ16が、ホールドダウンスプリング24の傾きと反対の下方へ押されるときに、ピン46が可動性フィンガー28上のランプ48と接触し、可動性フィンガーを外に動かし、留め具26から可動性フィンガー28の止め金30を取り外す。これにより、ピストン14が解放し、ピストンが下方に動き、微小突起部材44で角質層に衝撃を与える。衝撃は、微小突起部材44の中心軸に実質的に平行に適用される。好ましくは、微小突起部材は、衝撃アプリケータが作動されるときに壊れる少なくとも1つのもろい要素(図に図示せず)によって、保持具に接続される。
【0032】
図2は、本発明の微小突起装置の例示的態様の分解組立等角図を図示する。保持具34は、アプリケータ10に装着させることができる。したがって、アプリケータ10は、微小突起部材44を、一端(この図におけるアプリケータ10に面している末端)から他端(この図におけるアプリケータ10に遠位である末端)の開口部を介して皮膚の方へ動かすために使用することができる。本発明のアプリケーターシステムは、再使用可能な衝撃アプリケータおよび使い捨ての微小突起部材を有するように構成することができる。このような配置の態様において、保持具は、衝撃アプリケータに着脱可能に取り付けられる。微小突起部材が患者の皮膚に適用(すなわち、衝突)された後、今や空の保持具をアプリケータから除去し、その後に新たな保持具/微小突起部材の組立て部品が、アプリケータに取り付けることができる。したがって、保持具は、1回使用後に使い捨てされるが、アプリケータは、多くの保持具と共に適用するために再使用可能である。アプリケータの費用が、多くの微小突起部材の適用に拡がり得るので、この形状は、費用上の利点を提供する(完全な使い捨てアプリケータおよび保持具、並びに微小突起部材の組立て部品の1回使用の場合における1回適用とは対照的である)。
【0033】
図3は、本発明で使用するための微小突起部材の例示的態様を図示する。図3は、鋭利な点を切断するブレード形状を有するマイクロブレード90の形態の複数の微小突起(または微小突出物)を示す。マイクロブレード90は、開口部94を有するシート92から実質的に90°の角度に伸びている。微小突起は、圧力が微小突起部材に適用され、たとえば体表上にミクロスリットが形成されるときに、表皮の角質層を透過するように大きさや形が設定されるのが好ましい。シート92は、薬剤(すなわち医薬品または薬物)リザーバーおよび/または角質層にパッチを取り付けるための接着剤を含む薬剤送達パッチまたは薬剤-サンプリングパッチに組み込まれてもよい。好ましくは、微小突起は、それぞれ、薬物と共に薬物被覆を(たとえば、微小突起の先端上またはその近くに)有する。微小突起部材および微小突起アレイは、当該技術分野において公知の技術で作製することができる。微小突起アレイを組み込む薬剤送達パッチおよびサンプリングパッチの例は、国際公開第97/48440号、国際公開第97/48441号、国際公開第97/48442号において見いだされ、こられの開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。また、リザーバーまたは薬物被覆を備えていない図3の微小突起アレイを皮膚の前処理として単独で適用してもよい。
【0034】
本発明の一つの態様において、微小突起は、1000ミクロン(μ)未満の突起長を有する。さらなる態様において、微小突起は、500μ未満、より好ましくは、250μ未満の突起長を有する。微小突起は、典型的には約5〜50μの幅および厚さを有する。微小突起は、針、ブレード、ピン、パンチおよびこれらの組み合わせなどの異なる形状において形成されてもよい。微小突起密度は、少なくともおよそ10微小突起/cm2で、より好ましくは少なくともおよそ200〜2000微小突起/cm2の範囲である。活性薬剤(薬物)が通過する単位領域当りの開口部数は、好ましくはおよそ10開口部/cm2〜約2000開口部/cm2である。
【0035】
保持具は、皮膚に対する衝撃の前の貯蔵および取扱いの間、微小突起部材を保持し、保護するために機能している。保持具は、衝撃アプリケータに取り付けられるように成形され、および構成される。保持具は、一般に円柱形の(または管状の)形状を有する。本明細書に使用される「円柱形の」または「管状の」は、中央にトンネルを備えた末端の外観の一般的に環形の壁を有するものを意味する。環形の壁の「環」は、完全な円形の形状から変化してもよく、したがって、丸くない卵形などであること、およびその上に起伏を有することもできる。また、環形の壁の環は、多角形の形状(たとえば、八角形の)にあるような一定の直線部分を有することができる。さらに、円柱において、直径は、壁の長さより長い必要はないが、一部の態様において、より短いことができる。もちろん、管(または円柱)は、直径を有することができ、管(または円柱)の末端は、実質的に環形状であることができる(すなわち、視覚的に環状に見える)。実質的に環形状の環を備えていても、必要に応じて、たとえば、グリップ溝の特徴などを提供するために、周囲に沿って(および/または管状の本体に沿って)起伏があることができる。
【0036】
保持具により、微小突起部材を、微小突起との不注意による接触の危険なしにアプリケータ装置上に容易に装着することができる。保持具により、封をされている時に、パッケージが適用前に汚染、折りたたみまたは微小突起部材に対するその他のダメージを防ぐように作用する。このようなパッケージ機能により、微小突起部材を備えた保持具を扱う時に、オペレータが手指消毒、グローブ使用、滅菌された機器、その他を含む特別な技術を使用する必要性が何ら無くなる。保持具および微小突起部材が、上で述べたように組立状態において共にパッケージすることができるが、必要に応じて、保持具は、また、製造、滅菌、取扱いおよび輸送のさらなる容易さを提供するために別々にパックすることができる。
【0037】
図4は、例示的態様の部分的な分解組立等角図を示し、保持具34が、シールカバー50によって両端がふさがれており、これが、シールカバー50および保持具34の外壁によって囲まれた内部構造を無菌的に保護している。「無菌的に保護すること」とは、患者への適用のための出荷、輸送および製造などの市販の経路ならびに臨床的状況における通常の取扱いおよび貯蔵過程下において、細菌およびウイルスなどの微生物汚染が、保持具内部の微小突起部材内に侵入することができないことを意味する。周知のように、医療器具は、(たとえば、製造業者の施設、配達業者の施設、病院、その他における)貯蔵のために、製造業者から種々の場所まで出荷され(たとえば、電車、トラック、ボート、飛行機、その他によって)、種々の条件下で種々の個人(輸送人員、臨床的な人員および患者を含む)によって扱われ得る。したがって、このような市販の経路および臨床的状況には、たとえば製造工場におけるパッケージング、保管、陸/海/空輸送、病院、診療所、家庭状況における取扱いおよび当該技術分野において公知のその他の状況を含む。
【0038】
さらに、保持具34の壁およびシーリングカバー50は、通常の取扱いおよび貯蔵過程下での外力から微小突起部材を保護し、したがって、保持具内の微小突起部材およびその他の内部構造の機械的完全性を維持する。たとえば、保持具およびカバーは、パッケージングとして働き、全ての取り扱い過程において、非無菌部分(設備、指、その他など)は、保持具の外側およびカバーと接触するだけである。したがって、機械的完全性および無菌は、このような輸送および取り扱い作業によって損なわれることはない。
【0039】
たとえば、図1、2または4に示される保持具は、好ましくは熱耐性で、かつ熱滅菌可能であり、通常の輸送、取扱い、貯蔵および使用下において、保持具が曲がらず、破損せず、またはへこまないような機械的に強力な材料でできている。典型的には、熱滅菌は、大気圧以上の15psi(77.5cmHg)の圧力下で、121℃の温度にて蒸気により行われる。乾熱滅菌は、大気圧にて180℃でなされる。乾熱が使用される場合、容器が封止されていてもよく、蒸気滅菌が使用される場合、容器は、滅菌過程の間に開いたままでなければならない。さらに、保持具は、酸化および加水分解などのメカニズムによる分解を防止するために、酸素および水蒸気などのガスの透過に対して封止することができるバリア材料でできていることが好ましい。
【0040】
薬学的適用に関する高バリア材料は、一般に0.155gm/25μ/m2/24時間未満の水蒸気透過率および/または1.55gm/25μ/m2/24時間未満の酸素透過率を有する。中程度のバリアは、水蒸気に対して0.155〜1.55gm/25μ/m2/24時間および酸素に対して1.55〜77.5gm/25μ/m2/24時間の透過率を有することができ、一方、低バリア材は、より高い対応する透過率を有する。保持具を作るための材料は、好ましくは、その過程の間に形を変えることなく滅菌温度および条件に耐えることができるであろう。熱耐性で、かつ熱滅菌可能な保持具を作るための適切な材料は、金属、セラミック、ガラス、クロロフルオロ重合体、金属化された重合体および特殊な多層構造物の複合材料などの高バリア重合体を含む。金属、セラミック、ガラスなどの高密度の材料は、ガスに対して不透過性であり、このような医療用具のための通常の貯蔵条件下で数年、数十年までもの極めて長期間の後でさえガスを通さないであろうため、これらが好ましい。このような高密度材料は、2以上、金属については3以上の比重を有する傾向がある。
【0041】
さらに、これらの高密度材料は、軟化または形状変化せずに、重合物質よりも非常に高い温度、たとえば400℃以上に耐えることができる。このような非重合体材料は、本明細書において「耐熱性」と呼ぶ。しかし、炭素形態、粘土および種々の結晶性材料などの、1000nm未満の寸法範囲のナノ材料で満たされた一定の重合体は、高バリア材料として分類されてきた。また、このような材料を使用することもできる。
【0042】
ある種の重合体(ポリイミドおよびフッ素化重合体など)およびシリコーン接着剤(シロキサン重合体)などの接着剤は、熱殺菌温度に耐えることができ、薬物送達のための装置を作る際に使用することができる。
【0043】
保持具を作るためには、特に好ましい材料は、金属であり、これには、アルミニウム、鋼、チタン、銅、亜鉛、スズ、並びにこれらの組み合わせや合金などの合金を含む。その他の金属、金、銀および白金などの貴金属でさえも使用可能であるが、このようなものは費用がかかるかもしれない。さらに、医療器具筐体を作るための当該技術分野において公知のその他の金属または合金を使用することができる。通常の大気下で長時間にわたって分解する傾向がある金属または合金の分解(酸化など)を防止するために、鉄、鋼、亜鉛、スズ、その他は、好ましくは重合体または陽極処理などの保護被覆で被覆されているであろう。酸化を防止するための金属材料に対する重合体および非有機的な処理/被覆は、当該技術分野において公知である。
【0044】
また、微小突起系を含む保持具は、成形されたプラスチック重合体の小片として作製することができる。使用することができる好ましい重合物質には、機械の部品などの構造的な部分および装置のために設計されたエンジニアリングプラスチックを含む。適切なエンジニアリングプラスチックには、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびある種の高密度ポリエチレンを含み、熱滅菌が望まれる場合は、その他の高温材料を含む。これらは、それ自体が射出成形および押出し成形に直ちに役立つ熱可塑性物質である。利用してもよいその他のプラスチックは、フェノリクス(尿素ホルムアルデヒド)、その他などの熱硬化プラスチック、並びに圧縮成形することができるフルオロポリマーなどの焼結材料である。消費者家庭の容器製品のために使用されるポリエチレン、ポリスチレン、その他などの通常の家庭のプラスチックは、微小突起産物の輸送および貯蔵に必要とされる高バリア特性(酸素バリアまたは水蒸気バリアなど)を提供しないであろう。さらなる外側のパッケージングが、必要とされる環境のバリア特性を提供するために必要とされてもよい。
【0045】
必要に応じて、高バリア材料は、プラスチック材料で被覆することができる。たとえば、通常のプラスチック保持具は、アルミニウム被覆などの金属被覆で被覆することができる。約2000オングストローム〜4000オングストロームの金属被覆(たとえば、アルミニウム被覆)が適切だろう。したがって、保持具本体が高密度(たとえば、金属)材料によって、または高バリア材料(たとえば、金属)で被覆された低バリア材料から作られるときに、微小突起アレイは、高バリア材料によって周辺を円周方向に囲まれる。さらに、より高度なバリアカバー(金属箔または金属被覆を備えた重合物質など)によって封止されたこのような保持具により、保持具の中身は、至る所が高バリア材料によって完全に囲まれる。
【0046】
図5は、本発明の保持具パッケージ60の態様を示し、微小突起アレイを備えた微小突起部材62は、無菌的にパッケージされ、底部カバー64および保持具68の上の上部カバー66によって汚染から封止される。微小突起アレイは、微小突起部材の上に位置し、微小突起部材から形成される。微小突起部材は、内側保持具(また裏側膜リング(backing membrane ring)とも呼ばれる)74の開口部を介してそのマイクロブレードから反対側で接着パッチ(adhesive patch)70に対して接着剤で取り付けられる。本態様における接着パッチ70は、裏側膜リング74に取り付けるためのウイング75を有するように示してある。接着パッチは、微小突起部材62の裏にあり、微小突起アレイのための裏側膜と考えることができる。微小突起アレイが患者の皮膚に適用されるときに、微小突起部材62が、アプリケータのドライバのピストンによって衝撃を与えられるまで、裏側膜リング74は、保持具68内部に微小突起部材62(したがって、微小突起アレイ)を保持するための保持具68内部の溝穴または引っ掛け85よって保持される。溝穴85は、長手方向溝(たとえば、グリップ溝84)に対応する保持具の壁の内面上のくぼみである。
【0047】
好ましくは、裏側膜リング74は、ポリエチレン、ポリウレタンおよびポリプロピレンなどの重合物質から構築される。好ましい態様において、裏側膜リング74は、ポリエチレンから構築される。
【0048】
図6は、保持具68のドライバ末端78および出口末端80に密着するように取り付けられた上部カバー66および底部カバー64と共に組立られた状態の保持具60を示す。上部カバー66は、裏側膜リング74および接着パッチ70を見ることができるように、図解上の理由で、透明として部分的に示してある。微小突起アレイを備えた微小突起部材62を患者に適用する前に、上部カバー66および底部カバー64が除去され、アプリケータを、保持具68の内部の微小突起部材62および裏側膜リング74を備えた保持具68に装着させる。
【0049】
アプリケータが微小突起部材62を動かすように作動状態にした後、微小突起部材62は、出口末端80の開口部を介してドライバ末端78から放たれて体表に衝撃を与える。アプリケータのピストンが微小突起部材62を押して、ウイング75にて急に止まることによって、裏側膜リング74から接着パッチを引きはがす。このように、微小突起部材62(および微小突起アレイと共に)は、使用まで無菌条件に保持される。必要に応じて、接着パッチ70は、アプリケータおよび保持具68が作動後に引き離された後で、微小突起アレイが体表上に残るような適切な接着性をもつ接着剤で作ることができる。適切な接着剤には、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsilosane)接着剤(たとえば、BASFから得られる)などのシリコーン接着剤、DUROTAKアクリル樹脂接着剤(National Starchから入手可能)などのアクリル樹脂接着剤および当該技術分野において公知のポリイソブチレン接着剤を含む。このような適用は、たとえば、体表下の組織への送達のために微小突起アレイ上に薬物を載せたときに、適用できるだろう。微小突起アレイは、衝撃後に皮膚の上にとどまるので、薬物は、組織に入るであろう。
【0050】
あるいは、接着パッチは、微小突起アレイが体表に衝撃を与えた後に元のように引き戻すことができるように、より強力な接着剤(すなわちより多くの接着性)で作ることができる。このような適用は、微小突起アレイから離れた後に薬物が衝撃部位に適用される場合に、適切であろう。また、接着パッチ70は、微小突起部材62の裏の領域の全てをカバーする(たとえば、完全な円板形状である)必要はない。また、接着パッチは、部分的にのみ、たとえば微小突起部材62の中心領域が接着パッチに取り付けられないような環状の形状で、微小突起部材62に取り付けることができる。
【0051】
必要に応じて、図7および図8に示すように、保持具68の周囲の剛性を強化する(すなわち、増大させる)ために、保持具は、保持具の壁に対する少なくとも1つの外周溝82と共に作ることができる。さらに、保持具68の長手方向剛性を強化する(すなわち、増大させる)ために、保持具は、1つまたは複数の長手方向溝84と共に作ることができる。このような溝は、特に一様な厚みをもつ壁を有する本体において、たとえば金属チューブ、シートまたはディスクから作られた材料のストック小片を加圧成形すること(プレス成形または打ち抜き加工)により作られた保持具と同様に、剛性を増加させるのに有用である。機械的な成形プロセスでは、鋳型セットおよび/または金属シートおよびチューブから所望の形状を得るポンチを使用し、また当該技術分野において公知である。さらに、このような長手方向溝および外周溝(「グリップ溝」とも呼ばれるであろう)は、適用の間に、より安全な掌握のためのより優れたグリップ表面を提供するのに有用である。グリップ溝は、たとえばくぼみ形状を有することができ、くぼみの横断面は、弧、Uまたは開いた上部および閉じた底面を有するその他の形状である。グリップ溝は、摩擦および圧力によって保持具を保持するための指に適した寸法を有することができる。たとえば、溝は、1〜10mm幅および1〜10mm深さであることができる。また、このような寸法は、プレス成形金属シートによって保持具を形成するのに便利である。保持具は、たとえば、まず長い金属チューブを形成し(たとえば、絞り加工による)、長い金属チューブを適切な長さの切片に切断することによって作ることができる。それぞれのチューブ切片は、次いで加工し、すなわち鋳型にプレス成形して、溝および起伏をもつ成形加工された保持具を形成することができる貯蔵小片である。
【0052】
図7の態様に示したように、保持具68は、さらに周囲の剛性または保持具を強化するために、出口末端80における開口部周辺の環状面85の上に円形のへり86をさらに有することができる。しかしながら、カバーを出口末端80に付けて、保持具の内部を封止することができる限り、円形のへり86および環状面87は、有用だが必要ではない。金属材料(合金でもよい)は、これらの延性および材料強度のため、グリップ溝および円形リップを備えた保持具を作るために特に適している。多くの金属材料(たとえば、銅、アルミニウム、鋼)は、これらを新たな形態または形状に作ること、および外部から適用された応力または圧力下で新しく形成された形態または形状を保持することができるほどの十分な延性を有している。したがって、プレス成形(または打ち抜き加工)による実質的に一様なシートまたは管状の壁厚を備えた金属材料のシートまたはチューブにより、グリップ溝を備えた保持具を形成して、掌握およびアクチュエータ操作下でさえも新たな形態を保持することができる。保持具は、アプリケータおよび指圧による通常の操作に耐えて、その機械的完全性を保持することができる。このような材料は、「プレス加工可能」である。また、金属材料の延性により、保持具が、実際に保持具壁において、一般的には全ての型打ちされた材料の小片において、実質的に一様な厚みを有するようにすることができる。
【0053】
図7および図8に示したような保持具態様は、さらに裏側膜リング74(すなわち、内側保持具)を受けるための、長手方向溝84の全ての裏側に溝穴85を有する。裏側膜リング74の縁は、溝穴85にパチンとはまり、保持され得る。
【0054】
保持具68の上下端(すなわち、ドライバ末端および出口末端)を封止するために、上部および底部カバーが提供される。好ましくは、上部および底部カバーは、微小突起アレイを微生物およびガス(たとえば、酸素)の汚染から保護することができるバリア材料で作られている。典型的には、上部および底部カバーを作るために適した材料は、金属被覆された高分子シートである。たとえば、ナイロン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、金属シートに結合され、または金属フィルムで被覆された高密度ポリエチレンなどの重合物質のシートが使用されてもよい。また、ポリイミド(たとえば、ポリピロメリットイミド)およびフッ素化重合体(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン)などの高温耐性重合体に結合した金属フィルムを使用することもできる。10μよりも大きな厚みの金属シートは、一般に高バリアと考えられ、金属被覆または2000〜4000オングストロームが、同様の結果を達成するために使用される。シールおよび保持具が同一材料で作られている必要はない。さらに上部および底部シールが同一材料で作られている必要はない。
【0055】
チューブ状容器の一つまたは二つの末端をカバーで封止するための多くの方法がある。たとえば、接着剤、傷口シール、ストッパー、ねじ口、圧着、その他などの封止メカニズムを使用することができる。このような封止技術は、当該技術分野において公知である。
【0056】
管状末端上にカバーシートを封止するための特に有用な方法は、ヒートシールであり、それは、容易に行われ、本明細書に開示した耐熱性保持具に適用することができる。さらに、ヒートシールは、開くのに都合がよい。ヒートシールは、封止される材料に対して熱および圧力を適用することよって達成される。ヒートシールでは、加熱された強固なまたは強力なパッドのいずれかを使用して、圧力が印加される。印加される温度は、一般に100℃〜200℃の間であるが、使用される封止剤に応じて、より高いまたは低くなってもよい。接着剤は、所望のヒートシール温度、生じる結合の強度および共に封止される材料の型に基づいて選択される。単純な接着剤系は、LDPE(低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、SURLYN(イオノマー)またはその他などのホモポリマープラスチック材料であるかもしれないし;または混合物として、種々の樹脂、蝋、ゴムの複合剤形あってもよい。薬学的適用については、使いやすさのために熱可塑性高分子を使用することができる。たとえば、ALCOA SURE-SEAL貯蔵蓋(lidding stock)を、アルミニウム保持具をヒートシールするために使用することができる。典型的には、ポリプロピレン封止剤は、アルミニウム保持具のための選択の材料であり、ガラス保持具には、SURLYN樹脂である。ヒートシール接着剤の選択は、使用のために選択される具体的な方法および材料に依存する。
【0057】
保持具が上部および底部カバーで封止されるとき、装置が製造される雰囲気下の雰囲気における空気または酸素が窒素などの滅菌された無酸素の無湿気なガスで置換されることが望まれるであろう。本過程は、装置の無菌を維持するために、当該技術分野において公知の標準的な技術で行われる。保持具が上部および下部で封止された後、上部および底部カバーを備えた保持具は、保持具内部の微小突起部材の無菌性を保存するための別の無菌パッケージングを必要とすること無く、汚染に対する保護のためのパッケージとして作用する。もちろん、大量の保持具の出荷の際に、さらなるパッケージングを通常使用して、一つの単位としてこれらを輸送する。たとえば、発泡樹脂製品、ボール紙、金属またはその他の材料で作られた箱を、保持具の複数の単位を含めるために使用してもよい。さらに、このような複数の単位および箱は、木枠、ペレット(pellets)、その他の中で出荷してもよい。上部および底部カバーで封止された保持具は、それ自体無菌的パッケージであるので、このようなさらなるパッケージングは、感染予防または無菌である必要はない。
【0058】
微小突起部材、並びに上部および底部カバーを備えた保持具は、熱によって滅菌可能である。乾熱によって滅菌される場合、滅菌前にカバーは所定の位置にあってよい。蒸気熱またはガス滅菌がなされる場合、滅菌は、カバーの一つが開放状態でなされなければならず、その後に無菌的に封止されなければならない。熱滅菌の過程は、当該技術分野において公知である。好ましい場合には、滅菌は、所定の位置のカバーと共に、当該技術分野において公知の過程で、ガンマ放射線によって行うことができる。カバーは、皮膚に微小突起アレイを適用するために保持具をアプリケータ(ドライバ)と結合される前に、除かれる。
【0059】
薬学的に許容される生物学的薬剤は、微小突起部材の上に、たとえば微小突起上の被覆によって、もしくは微小突起部材の開口部に、または両方で置くことができる。微小突起部材は、一つまたは複数の薬学的に許容される生物学的に活性な薬剤を有することができる。たとえば、被覆する薬物は、従来の医薬を含む、一つまたは複数の種々の薬物または生物学的に活性な薬剤、並びに小分子および生物製剤を有することができる。このような薬物または生物学的に活性な薬剤の例は、限定されないが、以下を含む:ロイチナイジングホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRH類似体(ゴセレリン、ロイプロリド、ブセレリン、トリプトレリン、ゴナドレリンおよびナプファレリン、メノトロピン(ウロフォリトロピン(FSH)およびLH)など)、バソプレッシン、デスモプレッシン、コルチコトロピン(ACTH)、ACTH(1-24)などのACTH類似体、カルシトニン、バソプレッシン、デアミノ[Val4,D-Arg8]アルギニンバソプレッシン、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、エリスロポエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、インターロイキン10(IL-10)、グルカゴン、成長ホルモン放出因子(GHRF)、インスリン、インシュリノトロピン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRN、NT-36(化学名:N[[(s)-4-オキソ-2-アゼチジニル]カルボニル]-L-ヒスチジル-L-プロリンアミド)、リプレシン、aANF、bMSH、ソマトスタチン、ブラジキニン、ソマトトロピン、血小板由来成長因子放出ホルモン、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛膜ゴナドトロピン、エポプロステロール(血小板凝集阻害薬)、グルカゴン、ヒルログ、インターフェロン、インターロイキン、メノトロピン(ウロフォリトロピン(FSH)およびLH)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベータ、ウロキナーゼ、ANP、ANPクリアランス阻害剤、BNP、VEGF、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、抗利尿ホルモンアゴニスト、ブラジキニンアンタゴニスト、セレダーゼ、CSI、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、エンケファリン、FAB断片、IgEペプチド抑制因子、IGF-1、神経栄養因子、コロニー刺激因子、副甲状腺ホルモンおよびアゴニスト、副甲状腺ホルモンアンタゴニスト、プロスタグランジンアンタゴニスト、ペンチゲチド、プロテインC、プロテインS、レニン阻害剤、チモシンα-1、血栓溶解剤、TNF、バソプレッシンアンタゴニスト類似体、α-iアンチトリプシン(組換え体)、TGF-β、フォンダパリヌクス、アルデパリン、ダルテパリン、デフィブロチド、エノキサパリン、ヒルジン、ナドロパリン、レビパリン、チンザパリン、硫酸ペントサンポリ、オリゴヌクレオチドおよびホルミビルセン(formivirsen)などのオリゴヌクレオチド誘導体、アレンドロニック酸、クロドロン酸、エチドロン酸、イバンドロン酸、インカドロン酸、パミドロン酸、リゼドロン酸、チルドロン酸、ゾレドロン酸、アルガトロバン、RWJ 445167、RWJ-671818、フェンタニル、レミフェンタニル、スフェンタニル、アルフェタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニルおよびこれらの混合物。
【0060】
また、薬物または生物学的に活性な薬剤は、遊離塩基、酸、荷電分枝または無電荷分子、分子複合体の成分または非刺激性の、薬理学的に許容される塩などの種々の形態であることができる。さらに、体のpH、酵素にて容易に加水分解される、活性な薬剤(エーテル、エステル、アミド、その他など)の単純な誘導体を使用することができる。
【0061】
薬物または生物学的に活性な薬剤は、材料を被覆する液剤および微小突起に被覆される液剤に組み込むことができる。
【0062】
典型的には、薬物または生物活性薬は、およそ0.1〜30重量%、好ましくは1〜30重量%の範囲の濃度にて、薬物被覆製剤中に存在している。好ましくは、生体適合性被覆に含まれる薬物の量(すなわち、用量)は、用量単位あたりおよそ1μg〜1000μgの範囲で、より好ましくは、およそ10〜200μgである。さらにより好ましくは、生体適合性被覆に含まれる薬物の量は、用量単位あたりおよそ10〜100μgである。
【実施例】
【0063】
下記は、本発明を実施するための具体的態様の例である。本実施例は、説明目的のためのみで提供され、いかなる形であれ本発明の範囲を限定することは意図されない。
【0064】
実施例1
保持具は、図4に示されたものと同様の、長軸方向および円周方向に配置された溝(グリップ溝)を備えた押圧成形によって200μ厚の陽極処理したアルミニウムシートから作られる。アルミニウムシートを絞り加工し、および所望の形状を達成するための連続した打ち抜き作業によって形成して、保持具を形成する。200微小突起/cm2を備えた約2cmの直径の微小突起アレイを作製して、保持具に配置し、ポリアクリラート接着剤によりポリエチレン材料の裏張りによって裏張りする。上部および底部カバーは、カバーのための25μのポリエステルフィルムに積層された25μのアルミ箔でできている。カバーアルミ箔を封止剤で内側を被覆して、ヒートシールによって保持具に付ける。この構造を最終的なカバー封止の後に、ガンマ放射線で滅菌する。
【0065】
もう一つの態様において、保持具は、絞り加工したアルミニウムチューブから切片をプレス成形することによって作製し、大気圧、180℃にて約2時間、乾熱によって滅菌する。熱耐性高分子材料および接着剤をバッキング材料のために、および微小突起部材のための接着剤のために使用する。
【0066】
もう一つの態様において、パーツを、γ、eビーム、乾熱または蒸気およびその他のガスにより、無菌的な最終組立体のために予め滅菌する。次いで、パーツを実質的に微生物のない状況の下で、無菌的過程により構築する。
【0067】
保持具は、6月を超える、さらに何年もの期間の間、酸素および透湿性を防止することができる。
【0068】
実施例2
酸素や水分などのガス状の環境要因からの保護を要求しない微小突起アレイを備えた製品では、保持具をバリアプラスチックから構築することができる。バリアプラスチック(ポリプロピレン)を溶解させ、図4に示した形状に似たグリップ溝を備えた1mmのポリプロピレンのわずかな壁厚を備えた保持具へ射出成形する。上部および底部カバーは、カバーのための25μのポリエステルフィルムに積層された25μのアルミ箔でできている。カバーアルミ箔は、封止剤のエチレン酢酸ビニル(EVA)および蝋混合物(Rohm&HaasによるMorprime)により内側を被覆して、ヒートシールまたは機械的構築によって保持具に付ける。この構造を最終的なカバー封止後に、ガンマ放射線で滅菌する。これにより、適度な環境バリアを生じる。保持具は、数日から数月の期間の間、酸素および透湿性を防止することができる。
【0069】
実施例3
構築のさらにもう一つの方法は、高バリア被覆を備えたより低いバリア材料で保持具を製造することである。より低いバリアのプラスチック材料であるポリスチレンを1mm厚の壁を備えた保持具に射出成形し、高バリア材料(2000〜4000オングストロームのアルミニウム)で被覆する。同様に、カバーを低バリア材料(50μのポリエステルフィルム)で作り、高バリア材料(2000オングストロームのアルミニウム)で被覆して、酸素および湿気などのガスに対する所望のバリアを達成する。これにより、高環境バリアとして役立つ構造を生じる。保持具は、数月から何年もの期間の間、酸素および透湿性を防止することができる。
【0070】
この文書において引用され、または記述されたそれぞれの特許、特許出願および刊行物の全ての開示は、本明細書により、参照により本明細書に援用される。本発明の実施は、他に示されない限り、当業者内の医薬品製品開発の当業者によって使用される従来の方法を使用するであろう。本発明の態様は、特異性と共に記述した。本態様は、制限的であるというよりはむしろ、本発明のあらゆる点において例証であることが意図される。本明細書に開示されたスキームの種々の構成、部分および成分の種々の組み合わせ、並びに順列は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって実行され得ることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
本発明は、態様における例によって例証してあり、言及が同様の要素を示すような添付の図面の図に限定しない。図は、その内容において特に明記しない限り一定の比率で示していない。
【図1】本発明に従った微小突起部材系を備えたアプリケータ装置および保持具の断面図を図示する。
【図2】本発明に従った微小突起部材系を備えたアプリケータ装置および保持具の等角図を図示する。
【図3】本発明に従った微小突起部材の部分の等角図を図示する。
【図4】本発明に従った上部および底部カバーを備えた保持具の部分の等角略図を図示する。
【図5】本発明に従った微小突起部材並びに上部および底部カバーを備えた保持具の分解組立等角図を図示する。
【図6】本発明に従った微小突起部材並びに封をした上部および底部カバー(透明として示してある)を備えた、パッケージされた図5の保持具の等角図を図示する。
【図7】本発明に従った微小突起部材を備えていない保持具の等角図を図示する。
【図8】本発明に従った図7の保持具の側面図を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角質層を穿刺する薬物送達のための装置であって:
薬物を送達するために角質層を穿刺するための複数の角質層を穿刺する微小突起を有する微小突起部材を含む保持具を含み、前記保持具は、耐熱管状本体を有し、前記微小突起部材は、前記角質層を穿刺するために前記保持具内から前記管状本体の末端の方へ動かすことができる装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記管状本体が、ガス不透過性バリア材料を含むガス不透過性であり、かつ前記保持具は、使い捨てである装置。
【請求項3】
前記バリア材料が、金属、セラミック、ガラスおよび高バリア重合体からなる群より選択される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、前記バリア材料は、金属であり、かつアルミニウム、銅、鋼、チタン、亜鉛、スズおよびこれらの合金からなる群より選択される装置。
【請求項5】
前記管状本体が、貯蔵および輸送の間に、微小突起部材の無菌および機械的完全性を保護するための無菌的バリアとして機能することができる、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記管状本体が、熱滅菌可能ガス不透過性バリア被覆を無菌的封止のために取り付けることができる末端を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記管状本体が、一様な厚みの壁を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
請求項2に記載の装置であって、前記管状本体は、一様な厚みの壁を有し、前記壁は、長手方向の硬性を改善するための1つまたは複数の長手方向の溝起伏を有する装置。
【請求項9】
請求項2に記載の装置であって、前記管状本体は、一様な厚みの壁を有し、前記壁は、1つまたは複数の長手方向の溝と1つまたは複数の外周の溝起伏とを有する装置。
【請求項10】
前記装置が、手持ち式操作のために指によって保持することができるサイズを有する、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記微小突起部材が前記角質層を穿刺するように動かされたときに、前記角質層の表面に付着して前記微小突起部材をそれに対して保持するための、前記微小突起部材に近接する接着表面をさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
角質層を穿刺する方法であって:
a.保持具から無菌的バリア被覆を除去して、前記保持具上の第1の開口部を露呈することと、前記保持具は、耐熱管状本体を有し;
b.前記保持具の第1の開口部にアクチュエータを装着することと、および、
c.前記アクチュエータを使用して、薬物送達のために前記角質層を穿刺するために、前記保持具の第2の開口部にて前記第1の開口部から離れて前記保持具内から患者の前記角質層に向けて複数の角質層を穿刺する微小突起を有する微小突起部材を動かすこと、
を含む方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、ガス不透過性であり、かつガス不透過性バリア材料から作製された管状本体を使用することを含み、および使用後に前記保持具を廃棄することを含む方法。
【請求項14】
金属、セラミック、ガラスおよび高バリア重合体からなる群より選択されるバリア材料から作製された管状本体を使用することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アルミニウム、銅、鋼、チタン、亜鉛、スズおよびこれらの合金からなる群より選択される金属材料から作製された管状本体を使用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
貯蔵および輸送の間に微小突起部材の無菌および機械的完全性を保護するための無菌的バリアとして機能することができる管状本体を使用することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
貯蔵および輸送の間に微小突起部材の無菌および機械的完全性を保護するための一様な厚みの壁を有する管状本体を使用することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法であって、貯蔵および輸送の間に無微小突起部材の無菌および機械的完全性を保護するための一様な厚みの壁を使用することを含み、前記壁は、硬性を改善するための1つまたは複数の溝起伏を有する方法。
【請求項19】
角質層を穿刺する薬物送達のために使用するための製造であって:
薬物を送達するために、角質層を穿刺するための複数の角質層を穿刺する微小突起を有する微小突起部材を含む保持具を含み、前記保持具は、耐熱管状本体を有し、前記微小突起部材は、前記管状本体の末端にて前記角質層を穿刺するために前記保持具内から管状本体の末端に向けて動かすことができる製造。
【請求項20】
前記管状本体が、ガス不透過性バリア材料を含むガス不透過性である、請求項19に記載の製造。
【請求項21】
前記バリア材料が、金属、セラミック、ガラスおよび高バリア重合体からなる群より選択される、請求項20に記載の製造。
【請求項22】
前記バリア材料が、金属であり、かつアルミニウム、銅、鋼、チタン、亜鉛、スズおよびこれらの合金からなる群より選択される、請求項20に記載の製造。
【請求項23】
請求項20に記載の製造であって、前記管状本体は、前記微小突起部材の無菌および機械的完全性を保護するためにその末端にて封止されたときに無菌的バリアとして機能することができ、かつ貯蔵および輸送の間に汚染を防止することができる製造。
【請求項24】
請求項20に記載の製造であって、無菌的封止を形成する前記管状本体の2つの末端に加熱滅菌可能なガス不透過性バリア被覆をさらに含み、前記被覆は、前記管状本体が一端にて、前記角質層を別の末端にて穿刺するために微小突起部材を動かすためのアクチュエータを受けることができるように、着脱可能である製造。
【請求項25】
角質層を穿刺する薬物送達のために装置を作製する方法であって:保持具を、角質層を穿刺する薬物送達のための装置を形成するためのドライバと連結することを含み、前記保持具は、薬物を送達するために角質層を穿刺するための複数の角質層を穿刺する微小突起を有する微小突起部材を含み、前記保持具は、耐熱管状本体を有し、前記微小突起部材は、前記角質層を穿刺するために前記保持具内から前記管状本体の末端に向けて前記ドライバによって動かすことができる方法。
【請求項26】
耐熱材料の耐熱金属ストック小片から、前記金属ストック小片をプレス成形して、前記保持具によって囲まれた空間に微小突起アレイを含む部材を保持するためにその中に溝穴を形成にすることによって前記保持具を作製することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
その必要のある被験体を治療するための担体微小突起アレイと合わせた生物活性薬の使用であって、前記微小突起アレイは、保持具に保持されており、前記保持具は、耐熱管状本体を有し、前記生物活性薬は、前記微小突起アレイを、前記被験体の前記角質層を穿刺するために前記保持具内から管状本体の末端に向けて動かすことによって送達される使用。
【請求項28】
角質層を穿刺する薬物送達のための装置であって:本体と前記本体内を移動するピストンとを含むアプリケータ、薬物を送達するために角質層を穿刺するための複数の角質層を穿刺する微小突起を有する微小突起部材;および前記アプリケータを作動して前記微小突起部材で前記角質層に衝撃を与えるための前記本体に位置するキャップを含む装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置であって、前記ピストンの後ろの周辺に位置した衝撃スプリングをさらに含み、前記スプリングは、前記本体に対して前記ピストンに偏っている装置。
【請求項30】
請求項28に記載の装置であって、前記ピストンは、実質的に平面、わずかに凸面である衝撃面を有するか、または特定の体表面の輪郭にマッチするように構成されている装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置であって、前記ピストンの表面は、前記微小突起部材が被験体の皮膚に対して衝撃を与えて前記微小突起に前記被験体の角質層を穿刺させる装置。
【請求項32】
前記本体内の適所に前記ピストンをロックするためのロック機構をさらに含む、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記本体内の適所に前記ピストンをロックするためのロック機構をさらに含む、請求項29に記載の装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置であって、前記ロック機構は、後ろに位置する止め具および前記本体に位置する可動性フィンガーを含み、前記フィンガーは、対応するラッチストップを有し、これにより、前記ピストンが前記体の方へ移動して前記衝撃スプリングを圧迫するときに、前記止め具は、前記可動性フィンガーの対応するラッチストップの上で前記フィンガーおよびスナップを曲げる装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−529400(P2009−529400A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500418(P2009−500418)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/006248
【国際公開番号】WO2007/106453
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(506353677)アルザ コーポレイション (23)
【Fターム(参考)】