説明

高充填熱可塑性複合材料

複合材料は熱可塑性ポリマー基材及び熱可塑性ポリマー基材に分散される非炭素質抵抗率変性剤を含む。複合材料はおよそ1.0×104 ohm/sq〜およそ1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を有し、少なくとも一部の複合材料表面は約500nm以下の表面粗さ(Ra)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は一般に高充填熱可塑性複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
強まる技術革新時代に静電気及び静電放電(ESD)は費用がかかるかまたは危険を伴う。特に静電放電(ESD)が引火性混合物を発火させ、電子部品を損傷することはある。加えて静電気が清環境で汚れを誘引することはある。
【0003】
静電気と静電放電のそのような効果は電子部品製造で費用を要しうる。静電荷による誘引汚染物は電子装置の構成部品欠陥の原因となり、不良動作をもたらすことが可能である。さらにESDは構成部品を損傷し、装置を全く実行できなくするかまたは装置性能または推定寿命を減少することがある。そのような性能損は低評価製品につながり、ある場合に損失生産量と高い部品不良率は高単価になる。
【0004】
電子装置は次第複雑になり、構成部品寸法は縮小するので電子装置はよりESD感受性になる。さらにそのような装置の製造は金属で形成し難いかもしれない入り組んだ加工用具を使用する。金属部品は、例えば、成形品に初期接触するとき静電放電を生じるかもしれない過渡電流を示す。もっと最近は製造業者はそのような電子部品を製造することに用いるセラミック材料を始めた。セラミック材料は一般的絶縁性であるところが、製造業者は塗料及び添加剤を使用して静電散逸性質をそのようなセラミック材料に供給する。
【0005】
しかるにセラミック材料は高ヤング率、高摩耗抵抗、及び高温寸法安定性を有する傾向があり、セラミック材料は入り組んだ工具及び電子装置の有効構成部品に形成及び機械加工難であるかもしれない。典型的にはセラミック部品の形成はよく1200℃を越えて高温で行なわれる含浸圧縮を含む。一度形成されると一般静電気散逸セラミックスは高密度並びにある場合には11GPaビッカース硬度を越える増加硬度を示し、細部をセラミック部品に機械加工難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
もっと最近は製造業者はポリマー静電気散逸性材料を始めた。セラミック材料と同様に多くの高分子材料は普通絶縁性である。そういうものとして、高分子材料は一般的には静電散逸塗装被膜を塗被されるかまたは黒鉛もしくはカーボン繊維のような添加剤を含む。そのような材質は工具製作及び電子部品に形成容易であることが可能であるところが、そのような高分子材料は一般的にはセラミック材料に関して不十分機械的性質と不十分物理的性質を示す。例えば、そのような高分子材料は大抵不適格低引張強さと高熱膨張率を示し、そのような材質が有効可能である用途を限定する。さらにまたそのような材質は高温暴露後の不良機械的性質残率を示す。加えて前述高分子材料はカーボン繊維、カーボンブラック、または黒鉛をよく使用する。小形特別寸法を有する入り組んだ構成部品に機械加工されるときにそのような材質は粗面を有することがあり、及び、充填不良と高温スポットを形成し、静電放電に導くことがある。
【0007】
それ故に改良静電散逸性材料は好ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
特定実施形態において複合材料は熱可塑性ポリマー基質及び熱可塑性ポリマー基質に分散される非炭素質抵抗率調節剤を含む。複合材料は約1.0×104オーム/平方〜約1.0×1011オーム/平方の表面抵抗率を有し、少なくとも複合材料表面の一部は約500nm以下の表面粗さ(Ra)を有する。
【0009】
別の例示的実施形態において複合材料は熱可塑性ポリマー基質及び熱可塑性ポリマー基質に分散される少なくともおよそ67重量パーセント非炭素質抵抗率調節剤を包含する。複合材料は約1.0×104オーム/平方〜約1.0×1011オーム/平方の表面抵抗率を有する。
【0010】
さらなる例示的実施形態において複合材料はポリアリールエーテルケトン基質及びポリアリールエーテルケトン基質に分散される少なくともおよそ67重量パーセントの非炭素質抵抗率調節剤を包含する。複合材料は約1.0×104オーム/平方〜約1.0×1011オーム/平方の表面抵抗率を有する。
【0011】
追加例示的実施形態において複合材料はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基質及びPEEK基質中に分散される少なくとも約67重量パーセントの鉄酸化物を包含する。
【0012】
別の例示的実施形態において複合材料を形成する方法はポリアリールエーテルケトン粉末とおよそ67重量%の非炭素質抵抗率調節剤を練配合することを含む。複合材料は分散非炭素質抵抗率調節剤を有するポリアリールエーテルケトン基材を含む。
【0013】
さらなる例示的実施形態において電子装置製造に有用な成形用具は装置接触部材を含む。装置接触部材は熱可塑性ポリマー基質及び熱可塑性ポリマー基質に分散された非炭素質抵抗率調節剤を含む。複合材料は約1.0×104オーム/平方〜約1.0×1011オーム/平方の表面抵抗率を有し、少なくとも一部の複合材料表面は約500nm以下の表面粗さ(Ra)を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】分散非炭素質抵抗率調節剤を含む例示ポリマー基材の図解を含む図である。
【図2】分散非炭素質抵抗率調節剤を含む例示ポリマー基材の図解を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は良好に理解され、及びその多数特徴と利点は当業者に添付図面を参照することによりはっきりするものである。
【0016】
特定実施形態において製品は約1.0×104 ohm/sq〜約1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を有する複合材料で形成される。複合材料はポリマー基質と非炭素質抵抗率調節剤を含む。例においてポリマー基質はポリマーの二つの単量体間のエーテル結合を有するポリマーから形成される。例えば、ポリマーはポリエーテルまたはポリアリールエーテルケトンであることが可能である。非炭素質抵抗率調節剤はポリマー基質におよそ67重量パーセントの量で分散されることが可能である。特定の例においては非炭素質抵抗率調節剤は鉄酸化物を含む。
【0017】
例示的実施形態において複合材料はポリマー基質と非炭素質抵抗率調節剤を包含する。例えば、ポリマー基材は熱可塑性ポリマーで形成されることが可能である。例示的ポリマーはポリアミド、ポリフェニルスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアリールエーテルケトン、またはそれらの任意組合せを含む。例においてポリマーは重合体主鎖のエーテル結合を含む(すなわち、ポリマーの二単量体はエーテル基により互いに結合される)。例えば、ポリマーはポリエーテル、ポリアリールエーテルケトン、またはそれらの任意組合せを含むことが可能である。例示的ポリアリールエーテルケトンはポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、またはそれらの任意組合せを含むことが可能である。特定の例においてはポリアリールエーテルケトンはポリエーテルエーテルケトンを含むことが可能である。
【0018】
ポリマー基材は一以上の単量体で形成されるポリマーからなることが可能である。例えば、ポリマーは少なくとも1つの二ハロゲン化物と少なくとも1つのビスフェノラート塩で形成されることが可能である。例において二ハロゲン化物はジハリドベンゾフェノンのような芳香族二ハロゲン化物を含むことが可能である。少なくとも一ビスフェノラート塩はアルカリビスフェノラートを含むことが可能である。
【0019】
抵抗率調節剤は概略非炭素質である。炭質材料はポリマーを除く、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド、カーボン繊維、及びフラーレンのような大部分は炭素からなる(かまたは処理されて主に炭素を形成する有機物質)材料である。非炭素質材料とは一般に炭素がないかまたは炭素を含有するとしても金属カーバイド材料(すなわち炭化物セラミック)の形態においてのように炭素が陽イオンに共有結合された無機物質をいう。例において非炭質抵抗率変性剤は金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属硼化物、金属炭化物、珪素化合物、希望抵抗率を有する不純物半導体、またはそれらの任意組合せを含む。金属とは金属ならびに周期表の13、14、15及び16族の半金属を含む半金属を含むことを意味する。例えば、非炭素質の抵抗率変性剤は金属の炭化物または酸化物であることが可能である。特定の例においては非炭素質抵抗率変性剤は金属の酸化物である。
【0020】
特定の非炭素質抵抗率変性剤はNiO、FeO、MnO、Co23、Cr23、CuO、Cu2O、Fe23、Ga23、In23、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh23、V23、Nb25、Ta25、WO3、SnO2、ZnO、CeO2、TiO2-x、ITO(インジウム−錫酸化物)、MgTiO3、CaTiO3、BaTiO3、SrTiO3、LaCrO3、LaFeO3、LaMnO3、YMnO3、MgTiO3F、FeTiO3、SrSnO3、CaSnO3、LiNbO3、Fe34、MgFe24、MnFe24、CoFe24、NiFe24、ZnFe24、Fe24、CoFe24、FeAl24、MnAl24、ZnAl24、ZnLa24、FeAl24、MgIn24、MnIn24、FeCr24、NiCr24、ZnGa24、LaTaO4、NdTaO4、BaFe1219、3Y23・5Fe23、BiRu27、B4C、SiC、TiC、Ti(CN)、Cr4C、VC、ZrC、TaC、WC、Si34、TiN、Ti(ON)、ZrN、HfN、TiB2、ZrB2、CaB6、LaB6、NbB2、MoSi2、ZnS、ドープSi、ドープSiGe、III −V,II−IV半導体、またはそれらの混合物を含むことが可能である。例えば、非炭素質固有抵抗変性剤はNiO、FeO、MnO、Co23、Cr23、CuO、Cu2O、Fe23、Ga23、In23、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh23、V23、Nb25、Ta25、またはWO3のような、一般式MOの単独酸化物のような酸化物を含むことが可能である。別例では非炭素質抵抗率変性剤はSnO2、ZnO、CeO2、TiO2-x、またはITO(インジウム−錫酸化物)のようなドープ酸化物を含むことが可能である。さらなる例において非炭素質固有抵抗変性剤は混酸化物を含むことが可能である。例えば、混酸化物はMgTiO3、CaTiO3、BaTiO3、SrTiO3、LaCrO3、LaFeO3、LaMnO3、YMnO3、MgTiO3F、FeTiO3、SrSnO3、CaSnO3、またはLiNbO3のようにペロブスカイト構造を有することが可能である。追加的例では混酸化物はFe34、MgFe24、CoFe24、NiFe24、ZnFe24、Fe24、CoFe24、FeAl24、MnAl24、ZnAl24、ZnLa24、FeAl24、MgIn24、MnIn24、FeCr24、NiCr24、ZnGa24、LaTaO4、またはNdTaO4のようにスピネル構造を有することが可能である。別例では混酸化物はBaFe1219のようにマグネトプラムビット構造を有することが可能である。さらなる例において混酸化物は3Y23・5Fe23のようにガーネット構造を有することが可能である。追加的例において混合酸化物はBi2Ru27のような他の酸化物を含むことが可能である。別例では非炭素質抵抗率変性剤はB4C、SiC、TiC、Ti(CN)、Cr4C、VC、ZrC、TaC、またはWCのような一般式MCを有する炭化物材質を含むことが可能である。特定の例において非炭素質抵抗率変性剤はSiCを含む。さらなる例において非炭素質抵抗率変性剤はSi34、TiN、Ti(ON)、ZrN、またはHfNのように一般式MNを有する窒化物材質を含むことが可能である。追加的例において非炭素質抵抗率変性剤はTiB2、ZrB2、CaB6、LaB6、NbB2のような硼化物を含むことが可能である。別例では非炭素質抵抗率変性剤はMoSi2のような珪化物、ZnSのような硫化物、またはドープ−Si、ドープSiGeのような半導質、もしくはIII −V,II−IV半導体を含むことが可能である。特定の例において非炭素質抵抗率変性剤はFe23のような鉄の酸化物を含む。別の特定の例において非炭素質抵抗率変性剤はCuO及びCu2Oのような銅の酸化物を含む。加えてこれら充填材混合物は抵抗率、表面抵抗、及び機械的性質のような生じた複合材料の性質をこしらえるために使用可能である。さらに電気的性質は酸化物に他酸化物添加することによるかまたは非化学量論酸化の程度を調整することにより影響を及ぼされることが可能である。
【0021】
一般に非炭素質抵抗率変性剤は好ましい抵抗率を有する。例示的実施形態では非炭素質固有抵抗変性剤は約1.0 ohm・cm〜約1.0×105 ohm・cmのように、約1.0×10-2 ohm・cm〜約1.0×107 ohm・cmの抵抗率を有する。酸化鉄と酸化銅のような特定の例は約1×102〜約1×105 ohm・cmの抵抗率を有する。
【0022】
一般に非炭素質抵抗率変性剤は微粒質を含み、それ自体として繊維質ではない。例において微粒質は約45ミクロン以下もしくは約5ミクロン以下のように、約100ミクロン以下の平均粒径を有する。例えば、微粒質は約500nm以下もしくは約200nm以下のように、約1000nm以下の平均粒径を有することが可能である。特定の例において微粒子平均粒径は少なくとも約50nmもしくは少なくとも約100nmのように、少なくとも約10nmであることが可能である。ある一つの特定の例において平均粒径はおよそ100nm〜200nm範囲にある。
【0023】
特定の実施形態では微粒質は低アスペクト比を有する。縦横比は粒子の最長寸法と最長寸法に垂直な第二最長寸法に対する平均比率である。例えば、微粒質はおよそ1.5以下もしくはおよそ1.0以下のように、およそ2.0以下の平均縦横比を有する。特定の例において微粒質は大体球形である。
【0024】
例示的実施形態において複合材料は少なくともおよそ67重量パーセント非炭素質抵抗率変性剤を包含する。例えば、複合材料は少なくともおよそ75重量パーセント非炭素質抵抗率変性剤のように少なくともおよそ70重量パーセント非炭素質抵抗率変性剤を含むことが可能である。しかし、あまりの抵抗率変性剤は物理的、電気的または機械的性質に逆影響を及ぼすことがある。それ自体では複合材料はおよそ90重量パーセント以下もしくはおよそ85重量%以下の非炭素質抵抗率変性剤のように、およそ95重量パーセント以下の非炭素質抵抗率変性剤を含むことが可能である。
【0025】
別の例示的実施形態において複合材料は金属酸化物のような少量の第二フィラーを含むことが可能である。特にポリマー基材はおよそ5.0重量パーセント未満の硼素、含燐、アンチモンまたはタングステン酸化物を含むことが可能である。さらに複合材料は結合剤、湿潤剤、界面活性剤、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。特定の実施形態では複合材料は無結合剤、浸潤剤、及び界面活性剤である。
【0026】
複合材料は好ましい表面抵抗率および表面抵抗を示すことが可能である。例示的実施形態において複合材料は約1.0×104 ohm/sq〜約1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を示す。例えば、複合材料は約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×109 ohm/sqまたは約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×107 ohm/sqのようなおよそ1.0×105 ohm/sq〜およそ1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を示すことが可能である。例示的な実施形態において複合材料は約1.0×109 ohms以下、約1.0×108 ohms以下、もしくは約5.0×107 ohms以下のような表面抵抗およそ1.0×1012 ohms以下を示す。例えば、複合材料は約1.0×106 ohms以下のような表面抵抗約5.0×106 ohms以下を示すことが可能である。特定の実施形態において表面抵抗は約9.0×105 ohmsより大でない。
【0027】
さらに複合材料は好ましい体積抵抗率を示すことが可能である。例示的実施形態において複合材料は約5.0×106 ohm・cm以下のような体積抵抗率約1.0×108 ohm・cm以下を示す。例えば、体積抵抗率は約1.0×105 ohm・cm以下であることが可能である。典型的には体積抵抗率は約1.0×104〜約1.0×108 ohm・cmまたは約1.0×104〜約5.0×106 ohm・cmのようなおよそ1.0×104〜およそ1.0×1011 ohm・cmである。
【0028】
さらにまた複合材料は好ましい減少時間を示すことが可能である。減少時間を測定するために円板成形試料は帯電板に配置され、電圧が板に印加され、そしてオシロスコープは散逸時間を測定する。例えば、減少時間は、イオン・システムズ(Ion Systems)帯電板監視器形式210 CPM、ルクロイ(LeCroy)9310エーエム デュアル(Am Dual)400MHzオシロスコープ、及びキースリー(Keithley)6517A電位計を使用して測定されることが可能である。例示的実施形態において減少時間は接地用導体に関して100Vから0Vに静電荷を散逸する時間の測度である。例えば、複合材料は静電荷を100Vから0Vに散逸する0.5秒以下のような1.0秒以下の減少時間を示すことが可能である。特に100V減少時間は約0.005秒以下もしくはさらに約0.0001秒以下のように、約0.01秒以下であることが可能である。別実施形態では減少時間は10V〜0Vに静電荷を接地用導体に関して散逸する時間測度である。例えば、複合材料は10Vから0Vに静電荷を散逸する約0.05秒以下、約0.01秒以下、もしくはさらに約0.005秒以下のような約1.0秒以下の減少時間を示すことが可能である。
【0029】
特定の実施形態において複合材料の電気的性質は整調できるであろう。例えば、調整パラメーターは体積抵抗率(Rv)と抵抗率変性剤体積分率(vf)の逆最大対数正規比(すなわち、abs((logRvi−logRv(i-1))/(vfi−vf(i-1)))-1、式中iは体積分率による順列標本の組内のある一つの試料を表わす)として定義される。複合材料の例示的実施形態は多くて約0.75の最大対数正規比と少なくとも1.33の整調パラメーターを有することが可能である。例えば、整調パラメーターは少なくとも約1.75のように少なくとも約1.5であることが可能である。対比してカーボンブラックを含む一般的PEEK複合材は0.99の最大対数正規比と1.01の整調パラメーターを有する。
【0030】
複合材料はまた好ましい機械的性質を示すことも可能である。例えば、複合材料は非炭素質抵抗率変性剤不在ポリマー物質に関して好ましい引張強さを有することが可能である。例示的実施形態において複合材料は複合材料引張強さと非炭素質抵抗率変性剤不在構成ポリマーの引張強さの比として定義され、少なくともおよそ0.6の引張強さ性能を有する。例えば、複合材料は少なくともおよそ0.7、または特に少なくともおよそ0.75の引張強さ能力を有することが可能である。ある一つの実施形態において複合材料は少なくとも約2.0 kNの引張強さを示すことが可能である。例においては複合材料の引張強さは少なくとも3.0 kNのように少なくとも約2.5 kNである。さらなる例においてはピーク応力(引張強度としても参照される)は少なくとも約75 MPa、もしくはさらに少なくとも約90 MPaのように少なくとも約50 MPaであることが可能である。引張強さは例えば、ASTM D638のような標準技法を使用して決定されることが可能である。
【0031】
別例では複合材料は室温(約25℃)で測定されるときに少なくとも約5.0 GPaのヤング率を示すことが可能である。例えば、複合材料のヤング率は少なくとも約7.5 GPa、少なくとも約9.0 GPa、または少なくとも約11.0 GPaのように少なくとも約6.0 GPaであることが可能である。特定の実施形態は少なくとも約75.0 GPaのような少なくとも約25.0 GPaのヤング率を示す。特別複合材料の実施形態は少なくとも約110 GPa、もしくはさらに少なくとも約120 GPaのような少なくとも約90 GPaのヤング率を示すことが可能である。
【0032】
さらなる例示的実施形態において複合材は研磨されて低表面粗さを示すことができる。例えば、複合材は表面の少なくとも一部は約500nm以下の表面粗さ(Ra)を有するほどに研磨されることができる。特に表面粗さ(Ra)は約100nm以下のように約250nm以下であることができる。さらなる例において表面粗さ(Ra)は少なくとも約2.0マイクロメートル以下のように少なくとも約2.5マイクロメートル以下であることが可能である。追加例において表面粗さ(Rv)は約0.4マイクロメートル以下、もしくはさらに約0.25マイクロメートル以下のように約0.5マイクロメートル以下であることが可能である。特定の実施形態において全表面は低表面粗さを有することが可能である。
【0033】
追加の例示的実施形態において複合材料は好ましい熱膨張率を示すことが可能である。例えば、複合材料は150℃においておよそ50 ppm以下の熱膨張率を示すことが可能である。特に熱膨張率は150℃でおよそ30 ppm以下のようにおよそ35 ppm以下であることが可能である。
【0034】
例示的実施形態において複合材料はポリマーと非炭素質抵抗率調節剤を配合することにより形成されることが可能である。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)粉末のようなポリマー粉体あるいはポリマー粒体は非炭素質抵抗率変性剤微粒子と合わせられることが可能である。特定の実施形態ではポリエーテルエーテルケトン(PEEK)粉末と非炭素質抵抗率調節剤の少なくとも約67重量パーセントは混合される。
【0035】
混合物は溶融されて混ぜ合わされ、複合材料を形成する。例えば、混合物は少なくともおよそ350℃もしくはさらに、少なくとも400℃のような少なくとも300℃の温度で混ぜられることが可能である。特定の例では混合物は混合均質化され、押出されて押出物を形成する。押出物は切り刻まれ、破砕され、粗砕されるか、またはペレット化されることが可能である。
【0036】
例示的実施形態において複合材料は製品形成するために使用されることが可能である。例えば、複合材料は押出されて製品形成することができる。別例では製品は複合材料で成形されることができる。例えば、製品は射出成形され、熱間圧縮成形され、熱間等方圧プレス成形され、冷間等方圧プレス成形されるかまたはそれらの組合せであることが可能である。
【0037】
特定の実施形態の複合材料は有利に好ましい電気的性質、表面特性、及び機械的性質を示す。例えば、複合材料は好ましい電気的性質と組み合わせて好ましい引張強さと弾性率を示すことができる。加えて複合材料は抵抗率変性剤の高添加量にもかかわらず低荒さのような好ましい表面特性を示すことができる。
【0038】
特に複合材料は電子装置製造に有用な成形用具を形成するために使用可能である。例えば、成形工具は熱可塑性ポリマー基質と非炭素質抵抗率調節剤を含む複合材料から少なくとも一部分形成される装置接触部品を含むことができる。特定の例では複合材料は約1.0×104 ohm/sq〜約1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率と約500nm以下の表面粗さを有することが可能である。特に複合材料は少なくとも約67重量パーセントの非炭素質抵抗率調節剤を含むことが可能である。
【0039】
そのような複合材料は焼き付けソケットのような装置接触部品を形成するために特に有用である。別例では複合材料は複合材料は吸引チャックを形成するために使用されることができる。さらなる例において複合材料はピンセット先端の少なくとも一部のようにピンセットを形成するために使用されることができる。さらなる例において装置接触部品は選択配置装置を含むことができる。
【実施例】
【0040】
実施例1
試料はポリアリールエーテルケトンと80wt%酸化鉄を400℃の温度で練混合することにより調製される。ポリアリールエーテルケトンはVictrex Polymerから入手可能150-PFである。酸化鉄は0.3マイクロメートルの平均粒径を有する。試料は試験標準に従う見本形に射出成形される。
【0041】
複合材料は熱分析制御器を有するPerkin Elmer TMA7を使用して実測されるような150℃の温度で約30 ppm未満の熱膨張率を示す。熱膨張率は室温から250℃に1分について10℃の速度で荷重なく試料を加熱し、試料を冷却し、そして室温から250℃に1分について5℃の速度で50 mN荷重をもって試料を加熱することにより測定される。
【0042】
図1に図解されるように、生じた製品の磨き横断面のSEM像は分散された非炭素質抵抗率変性剤を示し、大体において非炭素質抵抗率変性剤凝集塊がない。そのような実質的無凝集分散は実質的に不変固有抵抗特性を供給し、高低抵抗率の交互領域に関連するESD危険を減少する。図2は高増量複合材の高倍率SEM像を含む。分散非炭素質抵抗率改質剤はポリマーで分離され、凝集塊を形成しない。
【0043】
さらにまた磨き試料は125 nm平均を有する90〜161 nmの範囲の表面粗さ(Ra)を示す。さらに表面粗さ(Rv)は0.1557〜0.4035ミクロンで変動し、平均表面粗さ(Rv)0.2796を有し、表面粗さ(Rt)は0.4409〜2.0219ミクロンで変動し、1.231ミクロンの平均表面粗さ(Rt)を有する。表面粗さはANSI/ASME(米国規格協会/アメリカ機械学会) B46.1-1985に従って測定される。
【0044】
実施例2
実施例1の試料はASTM(米国試験材料協会)D638に従って引張強さとヤング率を試験される。加えて無充填PEEK比較試料と30wt%ガラス繊維を有する450GL.30 PEEK比較試料は引張強さとヤング率を試験される。表1は結果を例証する。
【0045】
【表1】

【0046】
表1に説明されるように、試料1は無充填PEEKとガラス入りPEEKより有意に高い少なくとも11.0 GPaの弾性率を示す。加えて試料1は無充填PEEKの引張強さの少なくとも75%、3.1の引張強さを示す。
【0047】
実施例3
6試料は150-PF PEEKとほぼ80wt%Alfa Aesar 12375酸化鉄から作製される。試料はLeistitz ZSE18HP 40D双スクリュー押出機で400℃の温度において調製される。
【0048】
減少時間はIon Systems帯電極板監視器形式210 CPM、LeCroy 9310Am Dual 400MHzオシロスコープ、及びKeithley 6517A電位計を使用して測定される。測定は100Vと10V放電について行なわれる。表面抵抗はプロスタット・コーポレーション(Prostat Corp.)PRS-801抵抗系を使用して100Vで測定される。
【0049】
【表2】

【0050】
表2に説明されるように、数試料について100V減少時間は0.001秒未満であり、数試料について10V減少時間は0.005秒未満である。試料6は例外的なもののようである。加えて標本表面抵抗は1×107 ohms〜1×108 ohmsである。
【0051】
実施例4
複合材試料は引張強さ、伸び、及び弾性率を試験される。試料は150-PF PEEKとほぼ70wt%〜ほぼ80wt%Alfa Aesar 12375酸化鉄を含み、Leistritz ZSE18HP-40D双スクリュー押出機で400℃で練混合される。
【0052】
機械的性質は0.2 in/min試験速度と2000 lb Lebowロードセルを用いてASTM D638に従って試験される。表3は結果を例解する。
【0053】
【表3】

【0054】
表3に説明されるように、各試料は少なくともおよそ90 MPaの引張強さ、少なくともおよそ0.12%伸び、並びに少なくともおよそ75 GPaのモジュラスを示す。
【0055】
前開示主題は例証となり限定的でないと考えられてよく、添付特許請求の範囲は本発明の真範囲内にあるすべてのそのような改良、拡張、及び他実施形態を包含すると解釈される。かくして法律により許される最大限度まで本発明の範囲はあとに続く特許請求の範囲とそれらの均等物の最も広い許容解釈により決定されてよく、前述の詳細な説明により制限または限定されないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリマー基質と該熱可塑性ポリマー基質に分散される非炭素質抵抗率調節剤を含み、およそ1.0×104 ohm/sq〜およそ1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を有し、少なくとも一部の該複合材料表面は約500nm以下の表面粗さ(Ra)を有する複合材料。
【請求項2】
表面粗さ(Ra)は約250nm以下である、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
表面粗さ(Ra)は約150nm以下である、請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
表面粗さ(Ra)は約100nm以下である、請求項3に記載の複合材料。
【請求項5】
該少なくとも一部の該複合材料表面は2.5マイクロメートル以下の粗さ(Rt)を有する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項6】
該粗さ(Rt)値は2.0μm以下である、請求項5に記載の複合材料。
【請求項7】
該熱可塑性ポリマー基質はポリアミド、ポリフェニルスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアリールエーテルケトン、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項8】
該熱可塑性ポリマー基質はポリマーの二つの単量体間のエーテル結合を有するポリマーを含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項9】
該ポリマーはポリアリールエーテルケトンを含む、請求項8に記載の複合材料。
【請求項10】
ポリアリールエーテルケトンはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項9に記載の複合材料。
【請求項11】
該非炭素質抵抗率調節剤は実質的単分散される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項12】
表面抵抗率は約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×109 ohm/sqである、請求項1に記載の複合材料。
【請求項13】
表面抵抗率約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×107 ohm/sqの請求項12に記載の複合材料。
【請求項14】
該複合材料は約1.0×107オーム以下の表面抵抗を有する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項15】
表面抵抗は約5.0×106オーム以下である、請求項14に記載の複合材料。
【請求項16】
該非炭素質抵抗率調節剤は約1.0×10-2 ohm・cm〜約1.0×107 ohm・cmの体積抵抗率を有する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項17】
体積抵抗率は約1.0 ohm・cm〜約1.0×105 ohm・cmである、請求項16に記載の複合材料。
【請求項18】
体積抵抗率は約1.0×102 ohm・cm〜約1.0×105 ohm・cmである、請求項16に記載の複合材料。
【請求項19】
該複合材料は100V減少に約1.0秒以下の減少時間を示す、請求項1に記載の複合材料。
【請求項20】
減少時間は100V減少について約0.01秒以下である、請求項19に記載の複合材料。
【請求項21】
減少時間は100V減少について約0.001秒以下である、請求項20に記載の複合材料。
【請求項22】
該複合材料は10V減少に約1.0秒以下の減少時間を示す、請求項1に記載の複合材料。
【請求項23】
減少時間は10V減少について約0.01秒以下である、請求項22に記載の複合材料。
【請求項24】
減少時間は10V減少について約0.005秒以下である、請求項23に記載の複合材料。
【請求項25】
該非炭素質抵抗率調節剤は酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、硫化物、珪化物、ドープ半導体、またはそれらの任意の組合せである、請求項1に記載の複合材料。
【請求項26】
該非炭素質抵抗率調節剤はNiO、FeO、MnO、Co2O3、Cr2O3、CuO、Cu2O、Fe2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh2O3、V2O3、Nb2O5、Ta2O5、WO3、SnO2、ZnO、CeO2、TiO2-x、ITO(インジウム−錫酸化物)、MgTiO3、CaTiO3、BaTiO3、SrTiO3、LaCrO3、LaFeO3、LaMnO3、YMnO3、MgTiO3F、FeTiO3、SrSnO3、CaSnO3、LiNbO3、Fe3O4、MgFe2O4、MnFe2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、ZnFe2O4、Fe2O4、CoFe2O4、FeAl2O4、MnAl2O4、ZnAl2O4、ZnLa2O4、FeAl2O4、MgIn2O4、MnIn2O4、FeCr2O4、NiCr2O4、ZnGa2O4、LaTaO4、NdTaO4、BaFe12O19、3Y2O3・5Fe2O3、Bi2Ru2O7、B4C、SiC、TiC、Ti(CN)、Cr4C、VC、ZrC、TaC、WC、Si3N4、TiN、Ti(ON)、ZrN、HfN、TiB2、ZrB2、CaB6、LaB6、NbB2、MoSi2、ZnS、ドープSi、ドープSiGe、III −V,II−IV半導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項25に記載の複合材料。
【請求項27】
該非炭素質抵抗率調節剤は酸化物を包含する、請求項26に記載の複合材料。
【請求項28】
酸化物はNiO、FeO、MnO、Co2O3、Cr2O3、CuO、Cu2O、Fe2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh2O3、V2O3、Nb2O5、Ta2O5、WO3、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項27に記載の複合材料。
【請求項29】
酸化物はドープ酸化物を含む、請求項27に記載の複合材料。
【請求項30】
ドープ酸化物はドープSnO2,ZnO,CeO2,TiO2-x,ITO(インジウム−錫酸化物)、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項29に記載の複合材料。
【請求項31】
該複合材料は少なくともおよそ67wt%の非炭素質抵抗率調節剤を含む、請求項1に記載の複合材料。
【請求項32】
該複合材料は少なくともおよそ75wt%の非炭素質抵抗率調節剤を含む、請求項31に記載の複合材料。
【請求項33】
該複合材料はおよそ95wt%以下の非炭素質抵抗率調節剤を含む、請求項32に記載の複合材料。
【請求項34】
該複合材料はおよそ90wt%以下の非炭素質抵抗率調節剤を含む、請求項33に記載の複合材料。
【請求項35】
該非炭素質抵抗率調節剤は約5μ以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項36】
平均粒径は約1000nm以下である、請求項35に記載の複合材料。
【請求項37】
平均粒径は約200nm以下である、請求項36に記載の複合材料。
【請求項38】
平均粒径は少なくとも約100nmである、請求項37に記載の複合材料。
【請求項39】
該複合材料は少なくとも約5.0 GPaのヤング率を示す、請求項1に記載の複合材料。
【請求項40】
ヤング率は少なくとも約25.0 GPaである、請求項39に記載の複合材料。
【請求項41】
ヤング率は少なくとも約75.0 GPaである、請求項40に記載の複合材料。
【請求項42】
熱可塑性ポリマー基質;及び
該熱可塑性ポリマー基質に分散される少なくともおよそ67wt%非炭素質抵抗率調節剤;
を含み、ただし、複合材料はおよそ1.0×104 ohm/sq〜およそ1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を有する、複合材料。
【請求項43】
該熱可塑性ポリマー基質はポリアミド、ポリフェニルスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアリールエーテルケトン、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項42に記載の複合材料。
【請求項44】
該熱可塑性ポリマー基質はポリマーの二つの単量体間のエーテル結合を有するポリマーを含む、請求項42に記載の複合材料。
【請求項45】
該ポリマーはポリアリールエーテルケトンを含む、請求項44に記載の複合材料。
【請求項46】
ポリアリールエーテルケトンはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項45に記載の複合材料。
【請求項47】
該非炭素質抵抗率調節剤は実質的単分散される、請求項42に記載の複合材料。
【請求項48】
表面抵抗率は約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×109 ohm/sqである、請求項42に記載の複合材料。
【請求項49】
表面抵抗率約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×107 ohm/sqの請求項48に記載の複合材料。
【請求項50】
該複合材料は約1.0×107オーム以下の表面抵抗を有する、請求項42に記載の複合材料。
【請求項51】
表面抵抗は約5.0×106オーム以下である、請求項50に記載の複合材料。
【請求項52】
該非炭素質抵抗率調節剤は約1.0×10-2 ohm・cm〜約1.0×107 ohm・cmの体積抵抗率を有する、請求項42に記載の複合材料。
【請求項53】
体積抵抗率は約1.0 ohm・cm〜約1.0×105 ohm・cmである、請求項52に記載の複合材料。
【請求項54】
体積抵抗率は約1.0×102 ohm・cm〜約1.0×105 ohm・cmである、請求項53に記載の複合材料。
【請求項55】
該複合材料は100V減少に約1.0秒以下の減少時間を示す、請求項42に記載の複合材料。
【請求項56】
減少時間は100V減少について約0.01秒以下である、請求項55に記載の複合材料。
【請求項57】
減少時間は100V減少について約0.001秒以下である、請求項56に記載の複合材料。
【請求項58】
該複合材料は10V減少に約1.0秒以下の減少時間を示す、請求項42に記載の複合材料。
【請求項59】
減少時間は10V減少について約0.01秒以下である、請求項58に記載の複合材料。
【請求項60】
減少時間は10V減少について約0.005秒以下である、請求項59に記載の複合材料。
【請求項61】
該非炭素質抵抗率調節剤は酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、硫化物、珪化物、ドープ半導体、またはそれらの任意の組合せである、請求項42に記載の複合材料。
【請求項62】
該炭素質抵抗率調節剤はNiO、FeO、MnO、Co2O3、Cr2O3、CuO、Cu2O、Fe2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh2O3、V2O3、Nb2O5、Ta2O5、WO3、SnO2、ZnO、CeO2、TiO2-x、ITO(インジウム−錫酸化物)、MgTiO3、CaTiO3、BaTiO3、SrTiO3、LaCrO3、LaFeO3、LaMnO3、YMnO3、MgTiO3F、FeTiO3、SrSnO3、CaSnO3、LiNbO3、Fe3O4、MgFe2O4、MnFe2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、ZnFe2O4、Fe2O4、CoFe2O4、FeAl2O4、MnAl2O4、ZnAl2O4、ZnLa2O4、FeAl2O4、MgIn2O4、MnIn2O4、FeCr2O4、NiCr2O4、ZnGa2O4、LaTaO4、NdTaO4、BaFe12O19、3Y2O3・5Fe2O3、Bi2Ru2O7、B4C、SiC、TiC、Ti(CN)、Cr4C、VC、ZrC、TaC、WC、Si3N4、TiN、Ti(ON)、ZrN、HfN、TiB2、ZrB2、CaB6、LaB6、NbB2、MoSi2、ZnS、ドープSi、ドープSiGe、III −V,II−IV半導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項61に記載の複合材料。
【請求項63】
該非炭素質抵抗率調節剤は酸化物を包含する、請求項61に記載の複合材料。
【請求項64】
酸化物はNiO、FeO、MnO、Co2O3、Cr2O3、CuO、Cu2O、Fe2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh2O3、V2O3、Nb2O5、Ta2O5、WO3、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項63に記載の複合材料。
【請求項65】
酸化物はドープ酸化物を含む、請求項63に記載の複合材料。
【請求項66】
ドープ酸化物はドープSnO2,ZnO,CeO2,TiO2-x,ITO(インジウム−錫酸化物)、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項65に記載の複合材料。
【請求項67】
酸化物はペロブスカイト構造を有する、請求項63に記載の複合材料。
【請求項68】
ペロブスカイト質はMgTiO3、CaTiO3、BaTiO3、SrTiO3、LaCrO3、LaFeO3、LaMnO3、YMnO3、MgTiO3F、FeTiO3、SrSnO3、CaSnO3、LiNbO3、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項67に記載の複合材料。
【請求項69】
酸化物はスピネル構造を有する、請求項63に記載の複合材料。
【請求項70】
スピネル質はFe3O4、MgFe2O4、MnFe2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、ZnFe2O4、Fe2O4、CoFe2O4、FeAl2O4、MnAl2O4、ZnAl2O4、ZnLa2O4、FeAl2O4、MgIn2O4、MnIn2O4、FeCr2O4、NiCr2O4、ZnGa2O4、LaTaO4、NdTaO4、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項69に記載の複合材料。
【請求項71】
該非炭素質抵抗率調節剤はマグネトプラムビット物質を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項72】
該非炭素質抵抗率調節剤はガーネット構造を有する、請求項61に記載の複合材料。
【請求項73】
該非炭素質抵抗率調節剤は炭化物物質を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項74】
炭化物物質はB4C、SiC、TiC、Ti(CN)、Cr4C、VC、ZrC、TaC、WC、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項73に記載の複合材料。
【請求項75】
炭化物物質はSiCを含む、請求項74に記載の複合材料。
【請求項76】
該非炭素質抵抗率調節剤は窒化物物質を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項77】
窒化物物質はSi3N4、TiN、Ti(ON)、ZrN、HfN、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項76に記載の複合材料。
【請求項78】
該非炭素質抵抗率調節剤は硼化物を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項79】
硼化物物質はTiB2、ZrB2、CaB6、LaB6、NbB2、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項78に記載の複合材料。
【請求項80】
該非炭素質抵抗率調節剤は珪化物を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項81】
珪化物はMoSi2を含む、請求項80に記載の複合材料。
【請求項82】
該非炭素質抵抗率調節剤は半導体物質を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項83】
半導体物質はドープSi、ドープSiGe、III −V,II−IV半導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項82に記載の複合材料。
【請求項84】
該非炭素質抵抗率調節剤は鉄酸化物を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項85】
該非炭素質抵抗率調節剤は銅酸化物を含む、請求項61に記載の複合材料。
【請求項86】
該複合材料は非炭素質抵抗率調節剤を少なくともおよそ75wt%含む、請求項42に記載の複合材料。
【請求項87】
該複合材料は該非炭素質抵抗率調節剤をおよそ95wt%以下含む、請求項86に記載の複合材料。
【請求項88】
該複合材料は該非炭素質抵抗率調節剤をおよそ90wt%以下含む、請求項87に記載の複合材料。
【請求項89】
該非炭素質抵抗率調節剤は約5μ以下の平均粒径を有する、請求項42に記載の複合材料。
【請求項90】
平均粒径は約1000nm以下である、請求項89に記載の複合材料。
【請求項91】
平均粒径は約200nm以下である、請求項90に記載の複合材料。
【請求項92】
平均粒径は少なくとも約100nmである、請求項91に記載の複合材料。
【請求項93】
該複合材料は少なくとも約5.0 GPaのヤング率を示す、請求項42に記載の複合材料。
【請求項94】
ヤング率は少なくとも約25.0 GPaである、請求項93に記載の複合材料。
【請求項95】
ヤング率は少なくとも約75.0 GPaである、請求項94に記載の複合材料。
【請求項96】
ポリアリールエーテルケトン基質;
該ポリアリールエーテルケトン基質で分散される少なくともおよそ67wt%の非炭素質抵抗率調節剤;
を含み、ただし、該複合材料はおよそ1.0×104 ohm/sq〜およそ1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を有する、複合材料。
【請求項97】
該非炭素質抵抗率調節剤は実質的単分散される、請求項96に記載の複合材料。
【請求項98】
表面抵抗率は約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×109 ohm/sqである、請求項96に記載の複合材料。
【請求項99】
該非炭素質抵抗率調節剤は約1.0×10-2 ohm・cm〜約1.0×107 ohm・cmの体積抵抗率を有する、請求項96に記載の複合材料。
【請求項100】
該複合材料は100V減少に約0.01秒以下の減少時間を示す、請求項96に記載の複合材料。
【請求項101】
該複合材料は10V減少に約0.05秒以下の減少時間を示す、請求項96に記載の複合材料。
【請求項102】
減少時間は10V減少について約0.01秒以下である、請求項101に記載の複合材料。
【請求項103】
該非炭素質抵抗率調節剤は酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、硫化物、珪化物、ドープ半導体、またはそれらの任意の組合せである、請求項96に記載の複合材料。
【請求項104】
該非炭素質抵抗率調節剤はNiO、FeO、MnO、Co2O3、Cr2O3、CuO、Cu2O、Fe2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh2O3、V2O3、Nb2O5、Ta2O5、WO3、SnO2、ZnO、CeO2、TiO2-x、ITO(インジウム−錫酸化物)、MgTiO3、CaTiO3、BaTiO3、SrTiO3、LaCrO3、LaFeO3、LaMnO3、YMnO3、MgTiO3F、FeTiO3、SrSnO3、CaSnO3、LiNbO3、Fe3O4、MgFe2O4、MnFe2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、ZnFe2O4、Fe2O4、CoFe2O4、FeAl2O4、MnAl2O4、ZnAl2O4、ZnLa2O4、FeAl2O4、MgIn2O4、MnIn2O4、FeCr2O4、NiCr2O4、ZnGa2O4、LaTaO4、NdTaO4、BaFe12O19、3Y2O3・5Fe2O3、Bi2Ru2O7、B4C、SiC、TiC、Ti(CN)、Cr4C、VC、ZrC、TaC、WC、Si3N4、TiN、Ti(ON)、ZrN、HfN、TiB2、ZrB2、CaB6、LaB6、NbB2、MoSi2、ZnS、ドープSi、ドープSiGe、III −V,II−IV半導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項103に記載の複合材料。
【請求項105】
該非炭素質抵抗率調節剤は酸化物を包含する、請求項103に記載の複合材料。
【請求項106】
酸化物はNiO、FeO、MnO、Co2O3、Cr2O3、CuO、Cu2O、Fe2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、MnO2、TiO2-x、RuO2、Rh2O3、V2O3、Nb2O5、Ta2O5、WO3、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項105に記載の複合材料。
【請求項107】
該非炭素質抵抗率調節剤は鉄酸化物を含む、請求項106に記載の複合材料。
【請求項108】
該複合材料は非炭素質抵抗率調節剤を少なくともおよそ75wt%含む、請求項96に記載の複合材料。
【請求項109】
該複合材料は該非炭素質抵抗率調節剤をおよそ95wt%以下含む、請求項96に記載の複合材料。
【請求項110】
該複合材料は該非炭素質抵抗率調節剤をおよそ90wt%以下含む、請求項109に記載の複合材料。
【請求項111】
該非炭素質抵抗率調節剤は約200nm以下の平均粒径を有する、請求項96に記載の複合材料。
【請求項112】
平均粒径は少なくとも約100nmである、請求項111に記載の複合材料。
【請求項113】
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基質;及び
該PEEK基質中に分散される少なくともおよそ67wt%の鉄酸化物を含む複合材料。
【請求項114】
鉄酸化物は実質的単分散される、請求項113に記載の複合材料。
【請求項115】
該複合材料はおよそ1.0×104 ohm/sq〜およそ1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を有する、請求項113に記載の複合材料。
【請求項116】
表面抵抗率は約1.0×105 ohm/sq〜約1.0×109 ohm/sqである、請求項115に記載の複合材料。
【請求項117】
該複合材料は100V〜0V減少に約1.0秒以下の減少時間を示す、請求項113に記載の複合材料。
【請求項118】
該複合材料は10V減少に約1.0秒以下の減少時間を示す、請求項113に記載の複合材料。
【請求項119】
該複合材料は鉄酸化物を少なくともおよそ75wt%含む、請求項113に記載の複合材料。
【請求項120】
該複合材料は鉄酸化物をおよそ95wt%以下含む、請求項113に記載の複合材料。
【請求項121】
鉄酸化物は約200nm以下の平均粒径を有する、請求項113に記載の複合材料。
【請求項122】
該平均粒径は少なくとも約100nmである、請求項121に記載の複合材料。
【請求項123】
該複合材料は少なくとも約25.0 GPaのヤング率を示す、請求項113に記載の複合材料。
【請求項124】
ヤング率は少なくとも約75.0 GPaである、請求項123に記載の複合材料。
【請求項125】
該複合材料は少なくとも約50 MPaの引張強さを示す、請求項113に記載の複合材料。
【請求項126】
ポリアリールエーテルケトン粉末とおよそ67重量%の非炭素質抵抗率調節剤を配合し、分散非炭素質抵抗率調節剤を有するポリアリールエーテルケトン基質を含む複合材料を形成することを含む、複合材料形成方法。
【請求項127】
さらに該複合材料を製品形成することを含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
製品形成は該製品を押出すことを含む、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
製品形成は該製品を成形することを含む、請求項127に記載の方法。
【請求項130】
該製品の成形は該製品を射出成形することを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
該製品の成形は該製品を熱間圧縮成形することを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項132】
該製品の成形は該製品を熱間等方圧加圧成形することを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項133】
該製品の成形は該製品を冷間等方圧加圧成形することを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項134】
さらに該複合材料をペレット化することを含む、請求項126に記載の方法。
【請求項135】
装置接触部品を含む電子装置製造に有用な成形用具であって、該装置接触部品は熱可塑性ポリマー基質と該熱可塑性ポリマー基質に分散される非炭素質抵抗率調節剤を含む複合材料を包含し、該複合材料はおよそ1.0×104 ohm/sq〜およそ1.0×1011 ohm/sqの表面抵抗率を有し、該複合材料表面の少なくとも一部は約500nm以下の表面粗さ(Ra)を有する、成形用具。
【請求項136】
該装置接触部品は焼付ソケットを含む、請求項135に記載の成形用具。
【請求項137】
該装置接触部品は吸引装置チャックを含む、請求項135に記載の成形用具。
【請求項138】
該装置接触部品はピンセットを含む、請求項135に記載の成形用具。
【請求項139】
該材料はピンセット先端の少なくとも一部を形成する、請求項138に記載の成形用具。
【請求項140】
該装置接触部品は選配列装置を含む、請求項135に記載の成形用具。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−501675(P2010−501675A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525692(P2009−525692)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/075872
【国際公開番号】WO2008/022109
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】