説明

高出力DC−DC変換器のためのシステムおよび方法

【課題】電圧変換のシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】位相偏移変調信号を生成し、交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給する。この交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、複数の電圧変換器を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に電力調整器に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、電子DC−DC変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
DC−DC変換器は、直流(DC)電源を、ある電圧レベルから別の電圧レベルに変換する電子回路である。DC−DC変換器は、電力システムおよび携帯用電子機器等の様々な用途において重要である。また、DC−DC変換器は出力電圧を調整することもできる。昇圧型変換器/ブーストコンバータ、そのDC入力電圧より高いDC出力電圧を有する変換器である。降圧型変換器/バックコンバータ、そのDC入力電圧より低いDC出力電圧を有する変換器である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
電圧変換のシステムおよびその方法を開示する。位相偏移変調信号を生成し、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給する。この交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、複数のフルブリッジ型電圧変換器を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換する。このようにして、燃料電池スタックまたは電池等からの低電圧DC電源を、高電圧DC出力に変換する。
【0004】
例えば、本開示の実施形態により、燃料電池スタックまたは電池(一般に約40から約60Vdc)等の低電圧電源を、航空機の電力分配システムに組み込む手段が提供される。この航空機の電力分配システムでは、DC負荷に電力を供給するための調整された両極性の約270Vdcの電圧と、電圧源インバータのための単極性の約600〜約800Vdcの電圧と、が必要である。
【0005】
ある実施形態では、電圧を変換する方法により、複数の位相偏移変調信号を生成し、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給する。この方法ではさらに、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、複数の電圧変換器を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換する。
【0006】
別の実施形態では、電圧変換システムが、制御モジュールおよび複数の電圧変換器を含む。この制御モジュールは位相偏移変調信号を生成し、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給する。この交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、電圧変換器を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換する。
【0007】
さらに別の実施形態では、電圧変換システムを提供する方法により、制御モジュールおよび複数の電圧変換器が提供される。この制御モジュールは、複数の位相偏移変調信号を生成し、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給する。この交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、電圧変換器を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換する。
【0008】
ここでは、いろいろな構想を簡略的に紹介するための概要を提供し、これらの構想を下記の発明を実施するための形態でさらに説明する。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを目的としたものでもなく、この特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして用いられることを目的としたものでもない。
【0009】
以下の図面と併せて考察すると、発明を実施するための形態および特許請求の範囲を参照することで、本開示の実施形態をより完璧に理解することができる。これらの図面では全体を通して、同じ参照番号は同様の要素を示している。これらの図面は、本開示の理解を容易にするために提供され、本開示の広さ、範囲、規模、または適用性を制限するものではない。これらの図面は必ずしも一定の縮尺では示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の実施形態による、例示的な電圧変換回路を示す図である。
【図2】本開示の実施形態による、電圧変換システムの例示的な機能ブロック図である。
【図3】本開示の実施形態による、電圧変換プロセスを示す例示的なフローチャートである。
【図4】本開示の実施形態による、電圧変換システムを提供するプロセスを示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、本開示または本開示の実施形態の用途および使用を制限することを目的としていない。特定の装置、技術、および用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に記載する例に対する修正形態は、当業者には容易に明らかであり、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で規定された一般原則を他の例および用途に適用することが可能である。本開示は、特許請求の範囲と範囲が一致しており、本明細書に記載され、かつ示された例には限定されないものとする。
【0012】
本開示の実施形態を、機能ブロックの構成部品および/または論理ブロックの構成部品、ならびに様々な処理ステップに関して、本明細書で説明することができる。特定の機能を実行するよう構成される、任意の数のハードウェア構成部品、ソフトウェア構成部品、および/またはファームウェア構成部品により、このようなブロック構成部品を実現できることは明らかであろう。簡潔にするために、本明細書に記載されるシステムのフルブリッジ型変換器、変圧器、低域通過フィルタ、および他の機能的な態様に関する従来の技術および構成部品(およびシステムの個々の動作構成部品)は、本明細書では詳細に説明しないものとする。さらに、本開示の実施形態が、様々なハードウェアおよびソフトウェアと連動して実行可能であり、本明細書に記載する実施形態が、本開示の単なる例示的な実施形態であることが、当業者には明らかであろう。
【0013】
本開示の実施形態を、非限定的な実際の用途、すなわち、高出力の航空機の用途のためのDC−DC変換に即して本明細書で説明する。しかし、本開示の実施形態は、そのような航空機またはDC−DC変換の用途には限定されず、本明細書で記載される技術を別の用途で利用することも可能である。例えば非限定的に、本実施形態は、AC−DC変換、DC−AC変換、AC−AC変換、または他の変換に応用可能である。
【0014】
本明細書を読んだ後の当業者に明らかであるように、以下は、本開示の例および実施形態であり、これらの例に従った動作には限定されない。本開示の例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、別の実施形態を利用することができ、構造的な変更を行うことができる。
【0015】
本開示の実施形態により、例えば、(約40〜約60Vdc等の)低電圧電源を、航空機の電力分配システムに組み込む手段が提供される。この航空機の電力分配システムは、DC負荷に電力を供給するための調整された両極性の約270Vdcの電圧、および電圧源インバータのための単極性の約600〜約800Vdcの電圧を必要とする。低電圧(約40Vdc等の)から高電圧(約800Vdc等の)への高変換率を、高出力(例えば、約1kWより高い)で実現することができる。低電圧電源には、例えば非限定的に、燃料電池スタック、ソーラーアレイ、電池、または他の電源が含まれ得る。
【0016】
一実施形態では、燃料電池スタックまたは電池等の低電圧DC電源から両極性の約270Vdcの電圧、および/または単極性の約600から約800Vdcまでの電圧を生成する高出力のDC−DC装置および方法が開示される。高出力DC−DCアーキテクチャにより、直列接続した出力の4つの変圧器/整流器と結合する、4相の交互に並んだフルブリッジ型変換器等の幾何学的接続形態(topology)が提供され、この4つのフルブリッジ変換器の間で位相偏移を制御することができる。
【0017】
図1は、本開示の実施形態による、例示的な電圧変換回路(変換器100)を示す図である。4つの実質的に同一の電圧変換器(A相、B相、C相、D相)はそれぞれ、変圧器に接続されたフルブリッジ型変換器を含む。変換器100は、A相電圧変換器と、B相電圧変換器と、C相電圧変換器と、D相電圧変換器とを含み、これらの電圧変換器は、それらの入力が全てDC電源102と接続するよう構成されている。A相電圧変換器は、第1のフルブリッジ型変換器128と、第1の変圧器122と、第1の整流器152と、第1の低域通過フィルタ120とを含む。B相電圧変換器は、第2のフルブリッジ型変換器126と、第2の変圧器124と、第2の整流器154と、第1の低域通過フィルタ120とを含む。このように、A相とB相とは、第1の低域通過フィルタ120を共有するが、別の実施形態では、各相が1つの低域通過フィルタを含むことができる。C相電圧変換器は、第3のフルブリッジ型変換器138と、第3の変圧器132と、第3の整流器156と、第2の低域通過フィルタ130とを含む。D相電圧変換器は、第4のフルブリッジ型変換器136と、第4の変圧器134と、第4の整流器158と、第2の低域通過フィルタ130とを含む。このように、C相とD相とは、第2の低域通過フィルタ130を共有するが、他の実施形態では、各相が1つの低域通過フィルタを含むことができる。
【0018】
第1のフルブリッジ型変換器128は電子回路を含み、この電子回路は、DC電源102からの変換器の入力電圧160の変換を可能にし、出力電圧を、第1の変圧器122へ正の電圧または負の電圧のいずれかとして印加することを可能にし、DC電源102から変換されたA相の出力電流142を、第1の変圧器122を通して、正の電流または負の電流のいずれかとして送ることを可能にするよう動作可能である。スイッチQ1およびスイッチQ4を閉じることにより、A相の出力電流142を、正の電流として、第1の変圧器122を通して送ることができる。スイッチQ2およびスイッチQ3を閉じることにより、A相の出力電流142を、負の電流として、第1の変圧器122を通して送ることができる。第1のフルブリッジ型変換器128は、第1の相(A相)で動作する。
【0019】
第2のフルブリッジ型変換器126は電子回路を含み、この電子回路は、DC電源102からの変換器の入力電圧160の変換を可能にし、出力電圧を、第2の変圧器124へ正の電圧または負の電圧のいずれかとして印加することを可能にし、DC電源102から変換されたB相の出力電流144を、第2の変圧器124を通して、正の電流または負の電流のいずれかとして送ることを可能にするよう動作可能である。第2のフルブリッジ型変換器126は、第2の相(B相)で動作する。このB相は、例えば非限定的に、約90度のA相からの位相偏移、約180度のA相からの位相偏移、または他の好適な位相偏移を含むことができる。
【0020】
当業者なら理解するように、位相偏移は、別の信号から位相がオフセットした信号の相を含むことができる。例えば、B相の回路を、A相から約90度オフセットした相で変調された信号で制御することができる。
【0021】
第3のフルブリッジ型変換器138は電子回路を含み、この電子回路は、DC電源102からの変換器の入力電圧160の変換を可能にし、出力電圧を、第3の変圧器132へ正の電圧または負の電圧のいずれかとして印加することを可能にし、DC電源102から変換されたC相の出力電流146を、第3の変圧器132を通して、正の電流または負の電流のいずれかとして送ることを可能にするよう動作可能である。第3のフルブリッジ型変換器138は、第3の相(C相)で動作する。このC相は、例えば非限定的に、約45度のA相からの位相偏移、約90度のA相からの位相偏移、または他の好適な位相偏移を含むことができる。
【0022】
第4のフルブリッジ型変換器136は電子回路を含み、この電子回路は、DC電源102からの変換器の入力電圧160の変換を可能にし、出力電圧を、第4の変圧器134へ正の電圧または負の電圧のいずれかとして印加することを可能にし、DC電源102から変換されたD相の出力電流148を、第4の変圧器134を通して正の電流または負の電流のいずれかとして送ることを可能にするよう動作可能である。第4のフルブリッジ型変換器136は、第4の相(D相)で動作する。このD相は、例えば非限定的に、約135度のA相からの位相偏移、約270度のA相からの位相偏移、または他の好適な位相偏移を含むことができる。
【0023】
第1の変圧器122、第2の変圧器124、第3の変圧器132、および第4の変圧器134はそれぞれ、第1の電流(例えば、それぞれA相の出力電流142、B相の出力電流144、C相の出力電流146、D相の出力電流148)の第1のAC電圧を、例えば非限定的に、1対6、3対1の変圧率または他の好適な変圧率で、第2のAC電圧に変換させるよう動作可能である。
【0024】
図1に示す実施形態では、第1の整流器152、第2の整流器154、第3の整流器156、および第4の整流器158は、それぞれ全波整流器を含む。あるいは、第1の整流器152、第2の整流器154、第3の整流器156、および第4の整流器158は、それぞれ、例えば非限定的に、変圧器の中央に取り付けた整流器(transformer center−tapped rectifier)、ブリッジ整流器、または他の好適な整流器を含むことができる。第1の整流器152は、第1の変圧器122のAC出力をDCに整流するよう動作可能である。第2の整流器154は、第2の変圧器124のAC出力をDCに整流するよう動作可能である。第3の整流器156は、第3の変圧器132のAC出力をDCに整流するよう動作可能である。第4の整流器158は、第4の変圧器134のAC出力をDCに整流するよう動作可能である。
【0025】
第1の低域通過フィルタ120および第2の低域通過フィルタ130はそれぞれ、例えば非限定的に、RCフィルタ、RLCフィルタ、または他の好適な低域通過フィルタを含むことができる。第1の低域通過フィルタ120は、第2の整流器154と直列の第1の整流器152からの出力を平滑化するよう動作可能である。第2の低域通過フィルタ130は、第4の整流器158と直列の第3の整流器156からの出力を平滑化するよう動作可能である。
【0026】
A相およびB相と、それらの各々の変圧器122/124および整流器152/154は、変換器100の上部アームEを含み、C相およびD相と、それらの各々の変圧器132/134および整流器156/158は、変換器100の下部アームFを含む。
【0027】
変換器100が上部アームEで、(Nを基準として)+270Vdcの電圧を生成するように、A相とB相は直列接続される。変換器100が下部アームFで、(Nを基準として)−270Vdcの電圧を生成するように、C相とD相は直列接続され。整流後、+270Vdcおよび−270Vdcの出力電圧が得られる。アームEとアームFとを直列接続することで、変換器100は、フルブリッジ型変換器の位相偏移変調を通じて、540〜800Vdcの電圧を生成することができる。上部アームでB相をA相から90度遅らせ、(同様に、下部アームでD相をC相から遅らせ)、C相をA相から45度遅らせると、入力電流のリップルを最小限にすることができる。このようにして、交互に並んだ動作モード1が実現される。
【0028】
B相のA相からの遅れ(D相のC相からの遅れ)を90度から180度に変更し、C相のA相からの遅れ(D相のB相からの遅れ)を約45度から約90度に変更することもできる。B相とA相との間の遅れが約180度、かつC相とA相との間の遅れ約90度で、交互に並んだ動作モード2が実現される。変換器100の入力電流のリップルは、単一のフルブリッジ型変換器の入力電力のリップルと比較して2倍小さい。一般に、変換器100の入力電流のリップルおよび出力電圧のリップルは、4つのフルブリッジ型変換器の交互に並べる角度の関数である。
【0029】
本開示の実施形態により、約40〜約60Vdcの可変低電圧電源から、変圧器/整流器に結合した交互に並んだ4相フルブリッジ型変換器を用いて、約±270Vdcの出力電圧を生成し、かつ、位相偏移変調を行って、最大約800Vdcの出力電圧を生成するアーキテクチャが提供される。一般的な航空機のDC負荷のための約±270Vdcの電圧、または一般的な航空機の電圧源インバータのための約600〜約800Vdcの電圧のうちのいずれか一方を、変換器100の出力から分配することができる。
【0030】
図2は、本開示の実施形態による、電圧変換システム(システム200)の例示的な機能ブロック図である。実際のシステム200は、任意の数の入力モジュールと、任意の数のプロセッサモジュールと、任意の数のメモリモジュールと、任意の数の他のモジュールとを含むことができる。説明を容易にするため、図示されるシステム200は、簡易な実施形態として示す。システム200のこれらの要素、および他の要素は、共に相互接続して、システム200内の種々の要素間の通信を可能にする。一実施形態では、システム200のこれらの要素、および他の要素は、結合回路228を介して共に相互接続することができる。本明細書に開示される実施形態に関連して説明される、種々の例示的なブロック、モジュール、回路、および処理論理回路を、ハードウェア、コンピュータ可読ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の実用的な組合せで実行することができることが、当業者なら理解するであろう。
【0031】
ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのこの互換性および適合性を明確に説明するために、種々の例示的な構成部品、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、それらの機能に関して概略的に説明する。これらの機能性を、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのうちのどれで実行するかは、システム全体が担う具体的な用途と、設計に依存する。本明細書に記載される構想に通じている者であれば、これらの機能性を具体的な用途ごとに好適なやり方で実行することができるが、これらの実行の決定は、本開示の範囲から逸脱させるものとして解釈されるべきではない。
【0032】
システム200は、図1に示す実施形態と類似する機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の機構、機能、および要素を、ここでは重複して説明しないものとする。
【0033】
システム200は、電圧変換器1 202および電圧変換器N 216(N個目の電圧変換器)等の、任意の数の電圧変換器1〜N、結合回路228、および制御モジュール224を含むことができる。Nは1より大きい整数でよい。より多くの相と結合することにより、より高いNの値を選択して、より高い電圧および電力レベルを得ることができ、これにより、入力側および出力側でリップルをさらに小さくすることができる。
【0034】
電圧変換器1〜N(202〜216)は、DC電源226の入力電圧を出力232での出力電圧に変換するよう動作可能である。電圧変換器1〜Nはそれぞれ、例えば非限定的に、フルブリッジ型変換器204/210と、変圧器206/212と、整流器238/240と、低域通過フィルタ208/214と、または他の好適な回路構成部品とを含むことができる。
【0035】
例えば、一実施形態では、電圧変換器1〜Nは4つのフルブリッジ型変換器を含むことができ、これらの4つのフルブリッジ型変換器は、図1の変換器100で示した実施形態のものと類似する。この場合、電圧変換器1〜Nは、4つのフルブリッジ型変換器128/126/138/136が、それらの入力で1つの同じ電源(DC電源102)と結合する構造を含む。各フルブリッジ型変換器128/126/138/136は、各変圧器122/124/132/134にそれぞれ結合し、次いで、これらの各変圧器が、各整流器152/154/156/158にそれぞれ接続する。整流器152/154/156/158は、変圧器122/124/132/134のセンタタップを通して、直列接続する。
【0036】
あるいは、電圧変換器1〜Nを様々な仕方で結合して、高いDC電圧を得ることができる。例えば非限定的に、フルブリッジ型変換器204/210の数が4つより多い(例えば、N>4)場合、2つより多い整流器の出力を直列接続することができる。さらに、より多くの相を結合し、Nの数を増やすことにより、より高い電圧および電力レベルに各実施形態を拡張することができ、これにより、入力側および出力側でリップルをさらに小さくすることができる。
【0037】
結合回路228は、電圧変換器1〜Nを相互に結合させるよう動作可能である。結合回路228により、電圧変換器1〜Nを、例えば非限定的に、直列、並列、直列および並列の併用、または他の結合構成で結合させることができる。結合回路228は、ゼロ個以上の低域通過フィルタ230を含むことができ、この低域通過フィルタ230は、例えば非限定的に、電圧変換器1〜Nのステージ間のリップルを平滑化するよう動作可能である。調整されたDC電圧を出力するために、1つまたは複数の低域通過フィルタ208/214/230が必要であり得る。
【0038】
制御モジュール224は、制御論理回路220およびメモリ論理回路222を含む。制御モジュール224は、電圧変換器1〜Nを制御するために位相制御信号を生成するよう動作可能である。制御モジュール224は、例えば非限定的に、トランジスタ(図1のQ1、Q2、Q3、Q4等)に対する順次ゲート信号(sequential gate signal)の生成と、異なる出力電圧を実現するためのフルブリッジ型変換器(図1の128/126/138/136等)ごとの位相偏移変調の制御と、リップルのサイズを最小にするために相を交互に並べる制御と、他の好適な制御機能とを実行することができる。
【0039】
制御論理回路220は処理論理回路を含み、この処理理論回路は、システム200の操作に関連する機能、技術、および処理作業を実行するよう構成される。特に、処理論理回路は、本明細書に記載するシステム200をサポートするよう構成される。本明細書に記載する機能を実行するよう設計された、汎用プロセッサ、内容参照可能メモリ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、任意の好適なプログラマブル論理素子、ディスクリートゲート回路もしくはトランジスタ論理回路、ディスクリートハードウェアの構成部品、またはそれらの任意の組合せを用いて、制御論理回路220を実行することができる、または実現することができる。このように、プロセッサをマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、状態マシン(state machine)等として実現させることができる。
【0040】
例えば、デジタル信号プロセッサおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサコアと連動する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他のこのような構成等のコンピュータデバイスの組合せとして、プロセッサを実行することもできる。
【0041】
メモリ論理回路222は、メモリを備えるデータ記憶領域を含むことができ、このメモリはシステム200の動作をサポートするために初期化される。メモリ論理回路222は、システム200の機能性をサポートするために必要に応じてデータを記憶、維持、および供給するよう構成されている。例えば、メモリ論理回路222は、位相偏移値、時間間隔、電圧値、または他のデータを記憶することができる。
【0042】
実際の実施形態では、メモリ論理回路222は、例えば非限定的に、不揮発性記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス等)、ランダムアクセス記憶デバイス(例えば、SRAM、DRAM)、または当技術分野で既知の他の任意の形態の記憶媒体を含むことができる。
【0043】
メモリ論理回路222は、制御論理回路220と結合し、かつ、例えば非限定的に、データベース、制御論理回路220により実行されるコンピュータプログラム、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、プログラムを実行する際に用いる一時データ、または他のアプリケーションを記憶するよう構成することができる。さらに、メモリ論理回路222は、データベースを更新するための表を含有する動的更新データベースを表すことができる。
【0044】
メモリ論理回路222は、制御論理回路220と結合することができ、これにより制御論理回路220がメモリ論理回路222からの情報の読み取り、かつメモリ論理回路222へ情報を書き込むことができるようになる。例えば、上記の通り、制御論理回路220は、メモリ論理回路222にアクセスして、位相偏移値、時間間隔、電圧値、および他のデータにアクセスすることができる。
【0045】
例として、制御論理回路220およびメモリ論理回路222は、それぞれの特定用途向け集積回路(ASIC)に常駐することができる。メモリ論理回路222を、制御論理回路220に組み込むこともできる。ある実施形態では、メモリ論理回路222は、制御論理回路220により実行される命令が実行されている間、一時変数または他の中間情報を記憶するキャッシュメモリを含むことができる。
【0046】
図3は、本開示の実施形態による、電圧変換プロセス300を示す例示的なフローチャートである。プロセス、方法、またはそれらの任意の組合せを行うためのコンピュータ実行可能命令を有する、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、コンピュータ可読媒体により、プロセス300に関連して行われる種々の作業を機械的に実行することができる。
【0047】
プロセス300は、任意の数の追加の作業、または代替作業を含むことができ、図3に示す作業は、説明される順序で行う必要はなく、プロセス300を、本明細書では詳細に説明していない追加機能性を有する、より総合的な手順またはプロセスに組み込むことができることは理解されよう。例示を目的として、以下のプロセス300の説明では、図1〜図2に関する上記の要素を参照することができる。
【0048】
実際の実施形態では、電圧変換器−1 202、電圧変換器−N 216、結合回路228、および制御モジュール224等の、システム200の異なる要素により、プロセス300の一部を行うことができる。プロセス300は、図1〜図2に示す実施形態と類似の機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の機構、機能、および要素を、ここでは重複して説明しないものとする。
【0049】
プロセス300は、複数の位相偏移変調信号を生成することにより、開始することができる(作業302)。位相偏移変調信号を供給して、負荷要求に従って異なる出力電圧レベルを実現する、または、変動する入力電圧から安定した出力電圧のレベルを実現することができる。
【0050】
プロセス300は、位相偏移変調信号を交互に並べて、この交互に並んだ位相偏移変調信号を供給することにより(作業304)、続けることができる。この交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、要求される出力電圧および要求される電流リップルのサイズを実現することができる。
【0051】
プロセス300は、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、電圧変換器202/216等の複数の電圧変換器を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換することにより(作業306)、続けることができる。電圧変換器202/216はそれぞれ、フルブリッジ型変換器204/210と、変圧器206/212と、整流器238/240とを含むことができる。フルブリッジ変換器204/210は、位相偏移変調信号および入力電流のうちの少なくとも一方に結合しており、入力電流を第1のAC電流に変換するよう動作可能である。変圧器206/212は、フルブリッジ型変換器と結合しており、第1のAC電流の第1の電圧を第2のAC電流の第2の電圧に変換するよう動作可能である。整流器238/240は、変圧器と結合しており、第2のAC電流をDC出力電流に変換するよう動作可能である。電圧変換器202/216の出力を、例えば非限定的に、直列に、並列に、または他の好適な構成で結合することができる。
【0052】
プロセス300は、入力電流の電流リップルを低減するように、交互に並んだ位相偏移変調信号を構成することにより(作業308)、続けることができる。交互に並んだ位相偏移変調信号を、種々の交互に並べる角度、例えば非限定的に、約45度、約90度、約135度、約180度、または他の好適な交互に並べる角度で交互に並ぶように構成して、所与のアプリケーションまたはデバイスのために、電源入力電流リップルを低減し、かつ/または、変圧器の出力電圧を平滑化することができる。例えば、上記に説明した通り、交互に並べる角度を選択することができ、これにより、交互に並んだ動作モード1、または交互に並んだ動作モード2が実現できるようになる。動作モード2と比較して、動作モード1は入力電流リップルを約50%小さくすることができ、リップル周波数を2倍にすることもできる。
【0053】
プロセス300は、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、入力電流の電流リップルを低減することにより(作業310)、続けることができる。
【0054】
プロセス300は、出力電圧の電圧リップルを低減するように、交互に並んだ位相偏移変調信号を構成することにより(作業312)、続けることができる。
【0055】
プロセス300は、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、出力電圧の電圧リップルを低減することにより(作業314)、続けることができる。
【0056】
プロセス300は、少なくとも1つの電圧変換器の出力を低域通過フィルタでフィルタ処理することにより(作業316)、続けることができる。
【0057】
プロセス300は、位相偏移変調信号の位相偏移変調を用いて、出力電圧の出力電圧レベルを制御することにより(作業318)、続けることができる。
【0058】
プロセス300は、少なくとも1つの電圧変換器の動作を停止させることで、出力電流および出力電圧を制御することにより(作業320)、続けることができる。例えば、図1を参照すると、DC出力104が中性点N114に対して約+270Vの正極112と、中性点N114に対して約−270Vの負極116とを有する場合、C相電圧変換器およびD相電圧変換器の動作を停止することにより、約+270Vの正極112だけにDC出力104を設定することができる。
【0059】
図4は、本開示の実施形態による電圧変換システムを提供するためのプロセス400を示す例示的なフローチャートである。プロセス、方法、またはそれらの任意の組合せを行うためのコンピュータ実行可能命令を有する、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、コンピュータ可読媒体により、プロセス400に関連して行われる種々の作業を機械的に実行することができる。例示を目的として、以下のプロセス400の説明では、図1〜図2に関する上記の要素を参照することができる。
【0060】
プロセス400は、任意の数の追加の作業または代替作業を含むことができ、図4に示す作業は、説明される順序で行われる必要はなく、本明細書では詳細に説明していない追加機能性を有する、より総合的な手順またはプロセスに、プロセス400を組み込むことができることが理解されよう。実際の実施形態では、電圧変換器−1 202、電圧変換器−N 216、結合回路228、および制御モジュール224等の、システム200の異なる要素により、プロセス400の一部を行うことができる。プロセス400は、図1〜図2に示す実施形態と類似の機能、材料、および構造を有することができる。したがって、共通の機構、機能、および要素を、ここでは重複して説明しないものとする。
【0061】
プロセス400は、複数の位相偏移変調信号を生成し、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給するよう動作可能な制御モジュールを設けることにより(作業402)、開始することができる。
【0062】
プロセス400は、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて制御されており、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換するよう動作可能な、複数の電圧変換器を設けることにより(作業404)、続けることができる。
【0063】
プロセス400は、位相偏移変調信号および入力電流のうちの少なくとも一方と結合しており、入力電流を第1のAC電流に変換するよう動作可能なフルブリッジ型変換器を設けることにより(作業406)、続けることができる。
【0064】
プロセス400は、フルブリッジ型変換器と結合しており、第1のAC電流の第1の電圧を第2のAC電流の第2の電圧に変換するよう動作可能な変圧器を設けることにより(作業408)、続けることができる。
【0065】
プロセス400は、変圧器と結合しており、第2のAC電流をDC出力電流に変換するよう動作可能な整流器を設けることにより(作業410)、続けることができる。
【0066】
プロセス400は、少なくとも1つの電圧変換器の出力と結合しており、この出力を低域通過フィルタでフィルタ処理するよう動作可能な低域通過フィルタを設けることにより(作業412)、続けることができる。
【0067】
プロセス400は、電圧変換器の出力を直列結合することにより(作業414)、続けることができる。
【0068】
このように、本開示の実施形態により、低電圧電源を航空機の電力分配システム等の電力分配システムに組み込む手段が提供され、この航空機の電力分配システムでは、DC負荷に電力を供給するための調整された両極性の電圧、および電圧源インバータのための単極性の電圧が必要とされる。
【0069】
既存の変換器と比較して、開示の実施形態による、この4相のフルブリッジの位相偏移変調変換器では、燃料電池を保護するためのより小さな入力電流リップルを発生させる、つまり4つのフルブリッジ型変換器が45度で交互に並ぶことで、DC主電源(燃料電池等)には、フルブリッジ型変換器を1つだけ用いる既存の解決法と比較して、4倍のスイッチング周波数を有する電流リップル(ピークツーピークのリップルが、少なくとも4倍小さい)が見える。したがって、入力電流リップルは著しく低減される。
【0070】
また、一般の電力変換器と比較して、開示の実施形態による、交互に並んだ変換器のアーキテクチャの入力/出力フィルタのサイズがより小さいことで、入力ステージのキャパシタおよび出力ステージのキャパシタの二乗平均(RMS:Root Mean Square)電流が低減される。さらに、開示の実施形態による、交互に並んだ変換器アーキテクチャの電磁妨害(EMI:Electro Magnetic interference)フィルタリングステージのサイズが低減されることにより、出力電流および出力電圧のリップルが低減され、したがって、EMIフィルタリングの要求も低減される。さらに、本明細書に記載する交互に並んだ変換器アーキテクチャの実施形態では、4相を通して電力を共有することで、半導体デバイスへのストレスが低減される。
【0071】
この文書では、一般に、「コンピュータプログラム製品」、「コンピュータ可読媒体」、「コンピュータ可読記憶媒体」等の用語を用いて、例えば、メモリ、記憶装置、または記憶ユニット等の媒体を指すことができる。制御モジュール224に特定の動作を実行させるために、制御モジュール224が用いる1つまたは複数の命令を、コンピュータ可読媒体のこれらの形態および他の形態を用いて記憶することができる。そのような命令は一般に、「コンピュータプログラムコード」または「プログラムコード」(コンピュータプログラムの形態または他の分類に分類することができる)と呼ばれ、これらが実行されると、システム200の電力利用スケジューリング方法(power utilization scheduling methods)を可能にする。
【0072】
上記の説明では、共に「接続される」または「結合される」要素またはノードまたは機構を参照している。本明細書に用いられる「接続される」とは、明示的に別段の定めがある場合を除き、1つの要素/ノード/機構が、必ずしも機械的にではなく、別の要素/ノード/機構に直接つながる(または直接通信する)ことを意味する。同様に「結合される」とは、明示的に別段の定めがある場合を除き、1つの要素/ノード/機構が、必ずしも機械的にではなく、別の要素/ノード/機構に直接または間接的につながる(または直接または間接的に通信する)ことを意味する。したがって、図1〜図4では、要素の例示的な配列を示したが、追加の介在する要素、装置、機構、または構成部品が、本開示の実施形態に存在してもよい。
【0073】
図面および文章で示す通り、電圧変換に関する方法を開示し、この方法は、複数の位相偏移変調信号を生成するステップと、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給するステップと、この交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、複数の電圧変換器100、202〜216を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換するステップとを含む。一変形例では、この方法は、入力電流の電流リップルを低減するように、交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するステップを含む。別の変形例では、この方法は、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、入力電流の電流リップルを低減するステップをさらに含む。
【0074】
さらに別の変形例では、この方法は、出力電圧の電圧リップルを低減するように、交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するステップをさらに含む。別の変形例では、この方法は、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、出力電圧の電圧リップルを低減するステップをさらに含む。一代替例では、電圧変換器100、202〜216がそれぞれ、位相偏移変調信号および入力電流のうちの少なくとも一方と結合しており、入力電流を第1のAC電流に変換するよう動作可能なフルブリッジ型変換器128、126、138、136と、フルブリッジ型変換器128、126、138、136と結合しており、第1のAC電流の第1の電圧を第2のAC電流の第2の電圧に変換するよう動作可能な変圧器122、124、132、134と、変圧器122、124、132、134と結合しており、第2のAC電流をDC出力電流に変換するよう動作可能な整流器152、154、156、158とを含む。さらに別の代替例では、この方法は、電圧変換器100、202〜216のうちの少なくとも1つの電圧変換器の出力を低域通過フィルタでフィルタ処理するステップをさらに含む。さらに別の代替例では、この方法は、位相偏移変調信号の位相偏移変調を用いて、出力電圧の出力電圧レベルを制御するステップをさらに含む。ある変形例では、この方法は、電圧変換器100、202〜216のうち少なくとも1つの電圧変換器の動作を停止させることで、出力電流および出力電圧を制御するステップをさらに含む。
【0075】
一態様では、電圧変換システムが開示され、この電圧変換システムは、複数の位相偏移変調信号を生成し、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給するよう動作可能な制御モジュールと、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて制御されており、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換するよう動作可能な複数の電圧変換器100、202〜216とを含む。一事例では、制御モジュールは、入力電流の電流リップルを低減するように、交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するようさらに動作可能である。別の事例では、制御モジュールは、出力電圧の電圧リップルを低減するように、交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するようさらに動作可能である。一変形例では、制御モジュールは、電圧変換器100、202〜216のうちの少なくとも1つの電圧変換器の動作を停止させることで、出力電流および出力電圧を制御するように、交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するようさらに動作可能である。
【0076】
別の変形例では、電圧変換器100、202〜216はそれぞれ、位相偏移変調信号および入力電流のうちの少なくとも一方と結合しており、入力電流を第1のAC電流に変換するよう動作可能なフルブリッジ型変換器と、フルブリッジ型変換器128、126、138、136と結合しており、第1のAC電流の第1の電圧を第2のAC電流の第2の電圧に変換するよう動作可能な変圧器122、124、132、134と、変圧器122、124、132、134と結合しており、第2のAC電流をDC出力電流に変換するよう動作可能な整流器とを含む。別の変形例では、このシステムは、電圧変換器100、202〜216のうちの少なくとも1つの電圧変換器の出力と結合しており、この出力に低域通過フィルタでフィルタ処理を行うよう動作可能な低域通過フィルタをさらに含むことができる。一変形例では、このシステムは、電圧変換器100、202〜216の出力が直列結合することを含む。
【0077】
さらに別の態様では、電圧変換システムを設ける方法が開示され、この方法は、複数の位相偏移変調信号を生成し、この位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給するよう動作可能な制御モジュールを設けるステップと、交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて制御されており、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換するよう動作可能な複数の電圧変換器100、202〜216を設けるステップとを含む。一事例では、この方法は、この電圧変換器100、202〜216を設けるステップが、位相偏移変調信号および入力電流のうちの少なくとも一方に結合しおり、入力電流を第1のAC電流に変換するよう動作可能なフルブリッジ型変換器128、126、138、136を設けることと、フルブリッジ型変換器128、126、138、136と結合しており、第1のAC電流の第1の電圧を第2のAC電流の第2の電圧に変換するよう動作可能な変圧器122、124、132、134を設けることと、変圧器122、124、132、134と結合しており、第2のAC電流をDC出力電流に変換するよう動作可能な整流器を設けることとをさらに含むことを、さらに含むことができる。一変形例では、この方法は、電圧変換器100、202〜216うちの少なくとも1つの電圧変換器の出力と結合しており、出力を低域通過フィルタでフィルタ処理するよう動作可能な低域通過フィルタを設けるステップをさらに含む。さらに別の変形例では、この方法は、電圧変換器100、202〜216の出力を直列結合させるステップを含む。
【0078】
この文書で使用される用語およびフレーズ、ならびにその変形物は、明示的に別段の定めがある場合を除き、制限するのとは反対である、制約のないものとして解釈されるものとする。上述の例として、用語「含む」は、「制限なしで含む」等として読み取られるものとし、用語「例」とは、議論される項目の典型的な事例を提供するために用いられ、それらの項目の網羅的な、または制限的な一覧ではない。「従来の」「伝統的な」「通常の」「標準の」「既知の」等の形容詞、およびその類似の意味を有する用語は、説明される項目が所与の期間に限定される、または所与の時間以降に利用可能な項目に限定されると解釈されないものとし、その代り、従来の、伝統的な、通常の、または標準の技術が現時点または将来の任意の時点において、利用可能または既知でよいことを包含するものとして読み取られるものとする。
【0079】
同様に、接続詞「および」でつながれた項目の集合は、それらの項目の中のありとあらゆる項目が、その集合の中に存在しなければならないとは読み取られないものとし、むしろ、明示的に別段の定めがある場合を除き、「および/または」として読み取られるものとする。同様に、接続詞「または」でつながれた項目の集合は、その集合内で相互排他性が求められると読み取られないものとし、むしろ、明示的に別段の定めがある場合を除き、「および/または」として読み取られるものとする。さらに、本開示の項目、要素または構成部品は、単数で記載または特許請求され得るが、単数に対する制限が明示されている場合を除き、複数もその範囲内であることを意図する。「1つまたは複数の」、「少なくとも」、「非限定的に」または他のいくつかの事例内での類似フレーズ等の範囲を広げるための語句およびフレーズの存在により、そのような範囲を広げるフレーズが欠如し得る事例では、より狭い範囲の場合が意図される、または求められることを意味しないものとする。
【0080】
本明細書で使用される「動作可能」とは、明示的に別段の定めがある場合を除き、本明細書に記載される「使用することができる」、「使用もしくはサービスに適している、または用意できている」、「特定の目的に使用可能である」、および「列挙された機能または所望の機能を実行することができる」を意味する。用語「動作可能」とは、システムおよび装置に関して、動作状況にある場合、そのシステムおよび/またはその装置が完全に機能し、較正され、そのための要素を含み、列挙される機能を実行するための適用操作性要求(applicable operability requirements)に一致していることを意味する。用語「動作可能」とは、システムおよび回路に関して、動作状況にある場合、そのシステムおよび/またはその回路が完全に機能し、調整され、そのための論理回路を含み、列挙される機能を実行するための適用操作性要求に一致していることを意味する。
【符号の説明】
【0081】
100 変換器
102 DC電源
104 DC出力
112 正極
114 中性点
116 負極
120 第1の低域通過フィルタ
122 第1の変圧器
124 第2の変圧器
126 第2のフルブリッジ型変換器
128 第1のフルブリッジ型変換器
130 第2の低域通過フィルタ
132 第3の変圧器
134 第4の変圧器
136 第4のフルブリッジ型変換器
138 第3のフルブリッジ型変換器
142 A相の出力電流
144 B相の出力電流
146 C相の出力電流
148 D相の出力電流
152 第1の整流器
154 第2の整流器
156 第3の整流器
158 第4の整流器
160 入力電圧
200 システム
202 電圧変換器−1
204 フルブリッジ型変換器
206 変圧器
208 低域通過フィルタ
210 フルブリッジ型変換器
212 変圧器
214 低域通過フィルタ
216 電圧変換器−N
220 制御論理回路
222 メモリ論理回路
224 制御モジュール
226 DC電源
228 結合回路
230 低域通過フィルタ
232 出力
238 整流器
240 整流器
300 電圧変換プロセス
400 プロセス
Q1 閉スイッチ
Q2 閉スイッチ
Q3 閉スイッチ
Q4 閉スイッチ
E 上部アーム
F 下部アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧を変換する方法であって、
複数の位相偏移変調信号を生成するステップと、
前記位相偏移変調信号を交互に並べて、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給するステップと、
前記交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、複数の電圧変換器(100、202〜216)を制御して、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記入力電流の電流リップルを低減するように、前記交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、前記入力電流の前記電流リップルを低減するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記出力電圧の電圧リップルを低減するように、前記交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するステップをさらに含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて、前記出力電圧の前記電圧リップルを低減するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電圧変換器(100、1〜N、202〜216)がそれぞれ、
前記位相偏移変調信号および前記入力電流のうちの少なくとも一方と結合しており、前記入力電流を第1のAC電流に変換するよう動作可能なフルブリッジ型変換器(128、126、138、136)と、
前記フルブリッジ型変換器(128、126、138、136)と結合しており、前記第1のAC電流の第1の電圧を第2のAC電流の第2の電圧に変換するよう動作可能な変圧器(122、124、132、134)と、
前記変圧器(122、124、132、134)と結合しており、前記第2のAC電流をDC出力電流に変換するよう動作可能な整流器(152、154、156、158)と
を含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
電圧変換システムであって、
複数の位相偏移変調信号を生成し、
前記位相偏移変調信号を交互に並べ、交互に並んだ位相偏移変調信号を供給するよう
動作可能な制御モジュールと、
前記交互に並んだ位相偏移変調信号を用いて制御されており、入力電圧の入力電流を出力電圧の出力電流に変換するよう動作可能な複数の電圧変換器(100、202〜216)と
を含むシステム。
【請求項8】
前記制御モジュールが、前記入力電流の電流リップルを低減するように、前記交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するようさらに動作可能な、請求項7に記載の電圧変換システム。
【請求項9】
前記制御モジュールが、前記出力電圧の電圧リップルを低減するように、前記交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するようさらに動作可能な、請求項7または8に記載の電圧変換システム。
【請求項10】
前記制御モジュールが、前記電圧変換器(100、202〜216)のうちの少なくとも1つの電圧変換器の動作を停止させることで、前記出力電流および前記出力電圧を制御するように、前記交互に並んだ位相偏移変調信号を構成するようさらに動作可能な、請求項7ないし9のいずれか一項に記載の電圧変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−81362(P2013−81362A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−219630(P2012−219630)
【出願日】平成24年10月1日(2012.10.1)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】