説明

高分子太陽電池及びその製造方法

【課題】導電性高分子層の抵抗を低減させ、太陽電池の電流流通量及び太陽電池転換効率を向上させることを特徴とする、高分子太陽電池及びその製造方法の提供。
【解決手段】本発明の高分子太陽電池及びその製造方法において、その電池は、基板、基板上に位置する第一電極、第一電極上に位置し導電性高分子と添加物を含む導電性高分子層、導電性高分子層上に位置する半導体層、半導体層上に位置する第二電極とにより構成される。その製造方法ステップには、第一電極を基板上に成長させ、添加物と導電性高分子を混合して混合物を形成、混合物を第一電極上に堆積し導電性高分子層を形成、半導体層を導電性高分子層上に堆積、第二電極を半導体層上で蒸着させるステップを含む。本発明は、添加物を導電性高分子中に加えることにより、導電性高分子層の抵抗値を低下させ電池効率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及びその製造方法に関するものであり、特に、導電性高分子(例えば3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate) , PEDOT:PSS)と添加物(例えばマンニトール(mannitol)等)の導電性高分子層を備え、導電性高分子層の抵抗を低減させ、太陽電池の作業効率を高める、高分子太陽電池及びその製造方法を提案するものである。
【背景技術】
【0002】
早期の高導電度高分子においては、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate) , PEDOT:PSS)が、最も広く応用されていた。良好な熱安定性及び高導電度、可視光区においても透明であることが主な原因で、有機光電部品に応用された。2000年前後、ある種の方法によって市販のPEDOT:PSSの導電度を向上させられることが次々に発見された。例えば、その化学構造を変化させたり、異なる有機溶剤、界面活性剤、”OH”を具える官能基を混入したりする(doapnt)等の方式[J.Huang et.al Adv. Funct. Mat.15,290(2005)]によって、PEDOT:PSSの導電度を向上させるものである。多くの研究者達が高導電のPEDOT:PSSを酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide, ITO)導電ガラスの代替として使用を試みた。例えば、2002年W.H.Kim等は、PEDOT:PSSにグリセロール(glycerol)を加え、低抵抗値高透過率の導電高分子を生成、この導電性高分子によって酸化インジウムスズ(ITO)で製作した有機発光ダイオード(OLED: Organic light-emitting diodes)を代替した[W.H.Kim et.al Appl. Phys. Lett. 80, 3844(2002)]。同年、M.K.Fung 等は、一般高分子発光ダイオードを使用したPEDOT:PSS中にグリセロールを混入させることにより、PEDOT:PSSに比較的大きな電流を通させ、高分子発光ダイオードの効率もまた、1.3cd/A から 1.7cd/Aに向上した。[M.K.Fung et.al Appl. Phys. Lett. 81, 1497(2002)]。
【0003】
現在の製作技術において、効率5%に近い有機太陽電池の実験室では、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UC Santa Barbara) のA.J.Heeger教授が代表的である。A.J.Heeger教授グループは、アフターアニーリングの方法によって、エネルギー転換効率を5.1%にすることができた。[W.Ma. et.al Adv. Funct. Mater. 15, 1617(2005)]。しかし、この世界のトップレベルでは、有機半導体層の研究が重視されており、重要な鍵となる要素は軽視されている。即ち、太陽電池において不可欠な導電性高分子層の抵抗値である。この導電性高分子の抵抗値は、太陽電池全体の効率に影響するものであることから、本発明は、PEDOT:PSSの抵抗値を低減する方法により、太陽電池エネルギー転換効率を向上させる目的を達成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、導電性高分子(例えば3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate) , PEDOT:PSS等)と添加物(例えばマンニトール(mannitol)等)を含む高分子太陽電池の導電性高分子層によって、導電性高分子層の抵抗を低減させる、高分子太陽電池及びその製造方法の提供を最も主な目的とする。
【0005】
本発明は、導電性高分子(例えば3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate) , PEDOT:PSS等)と添加物(例えばマンニトール(mannitol)等)を含む高分子太陽電池の導電性高分子層によって、太陽電池の電流流通量及び太陽電池転換効率を向上させる、高分子太陽電池及びその製造方法の提供を次の目的とする。
【0006】
本発明は、高分子太陽電池及びその製造方法に関するものであり、高分子太陽電池は、基板、基板上に位置する第一電極、第一電極上に位置し導電性高分子と添加物を含む導電性高分子層、導電性高分子層上に位置する半導体層、半導体層上に位置する第二電極とにより構成される。高分子太陽電池及びその製造方法のステップにおいては、まず、第一電極を基板上に成長させ、添加物と導電性高分子を混合して形成した混合物を第一電極上に堆積し導電性高分子層を形成、半導体層を導電性高分子層上に堆積、第二電極を半導体層上で蒸着させることにより高分子太陽電池を形成する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、高分子太陽電池は、
基板と、
基板上に位置する第一電極と、
第一電極上に位置し、導電性高分子と、マンニトール、ソルビトール、N-メチルピロリドン、イソプロパノール、ジメチルスルホキサイド、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、界面活性剤により構成されるグループの内の一つもしくはグループの混合物から選択される添加物とを含む導電性高分子層と、
導電性高分子層上に位置する半導体層と、
半導体層上に位置する第二電極と、により構成されることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記基板は、ガラス基板、高分子プラスチック基板、電子回路基板で構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項3の発明は、請求項2記載の高分子太陽電池において、前記高分子プラスチック基板の材料は、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項4の発明は、請求項2記載の高分子太陽電池において、前記電子回路基板は、シリコン基板であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項5の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第一電極は、透光性導体および半透光性導体により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項6の発明は、請求項5記載の高分子太陽電池において、前記透光性導体は、酸化インジウムスズおよび酸化インジウム亜鉛により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項7の発明は、請求項5記載の高分子太陽電池において、前記半透光性導体は、金属薄層であり、その金属薄層は、銀、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、金、クロムにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項8の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレンにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項9の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレントリデシルエーテルであることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項10の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記半導体層は、p型半導体層とn型半導体層の組み合わせ層、バッファ層とp型半導体層とn型半導体層の組み合わせ層、p型半導体層とn型半導体層の混合層、p型半導体層とn型半導体層の混合層とp型半導体層とn型半導体層の組み合わせ層により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
【0008】
請求項11の発明は、請求項10記載の高分子太陽電池において、前記p型半導体の材料は、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、共役オリゴマー、小分子により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項12の発明は、請求項11記載の高分子太陽電池において、前記されるポリチオフェン誘導体は、ポリ3-ヘキシルチオフェン、ポリフルオレン誘導体はポリジオクチルフルオレン、ポリフェニレンビニレン誘導体はポリ[2-メトキシ-5-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレンであることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項13の発明は、請求項11記載の高分子太陽電池において、前記共役オリゴマーはセキシチオフェンであることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項14の発明は、請求項11記載の高分子太陽電池において、前記小分子は、ペンタセン、テトラセン、ヘキサベンゾコロネン、フタロシアニン、ポルフィリン、ペンタセン誘導体、テトラセン誘導体、ヘキサベンゾコロネン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項15の発明は、請求項10記載の高分子太陽電池において、前記n型半導体層の材料は、C60、C60誘導体、C70、C70誘導体、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ誘導体、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック-ビス-ベンジミダゾール、N,N'-ジメチル-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック-ビス-ベンジミダゾール誘導体、N,N'-ジメチル-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、高分子、半導体ナノ粒子により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項16の発明は、請求項15記載の高分子太陽電池において、前記カーボンナノチューブは、多壁型カーボンナノチューブ及び単一壁型カーボンナノチューブにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項17の発明は、請求項16記載の高分子太陽電池において、前記カーボンナノチューブの断面直径は100nmより小さいことを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項18の発明は、請求項15記載の高分子太陽電池において、前記C60誘導体は、フェニルC61-ブチル酸-メチルエステルであることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項19の発明は、請求項15記載の高分子太陽電池において、前記高分子は、ポリ2,5,2’,5’-テトラヘキシルオキシ-7,8’-ジシアノ-ジ-ピー-フェニレンビニレン及びポリ9,9’-ジオクチルフルオレン-co-ベンゾチアジアゾールにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項20の発明は、請求項15記載の高分子太陽電池において、前記半導体ナノ粒子は、二酸化チタン、セレン化カドミウム、硫化カドミウムにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
【0009】
請求項21の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第二電極は、単層構造および二重層構造により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項22の発明は、請求項21記載の高分子太陽電池において、前記単層構造の材料は、マグネシウム金合金であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項23の発明は、請求項21記載の高分子太陽電池において、前記二重層構造の材料は、フッ化リチウム/アルミニウム及びカルシウム/アルミニウムにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項24の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第一電極の円型と導電性高分子層の円型は同様もしくは異なるものであることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項25の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記添加物は、マンニトールであり、導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項26の発明は、請求項25記載の高分子太陽電池において、前記マンニトールと3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸の重量比の範囲は1:99から9:91であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項27の発明は、請求項26記載の高分子太陽電池において、前記マンニトールと3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸の最良重量比は9:91であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項28の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記半導体層は、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の混合層であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項29の発明は、請求項28記載の高分子太陽電池において、前記ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの重量比値の範囲は1〜1.25であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項30の発明は、請求項29記載の高分子太陽電池において、前記ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの最良重量比値は1であることを特徴とする高分子太陽電池としている。
請求項31の発明は、請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第二電極は、カルシウム層及びアルミニウム層を含んでおり、カルシウム層は半導体層上に堆積し、アルミニウム層はカルシウム層の保護層となることを特徴とする高分子太陽電池としている。
【0010】
請求項32の発明は、高分子太陽電池の製造方法は、
第一電極を基板上に成長させ、
添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成、
混合物を第一電極上に堆積し導電性高分子層を形成、
半導体層を導電性高分子層上に堆積、
第二電極を半導体層上で蒸着させて高分子太陽電池を形成するステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項33の発明は、請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成するステップ後には、更に、第一加熱ステップ及び室温まで冷却するステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項34の発明は、請求項33記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第一加熱ステップの温度は100〜200℃、加熱時間は5分から3時間とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項35の発明は、請求項34記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第一加熱ステップの最良温度は140℃、最良加熱時間は1時間であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項36の発明は、請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記半導体層を導電性高分子層上に堆積するステップ後には、更に、溶剤蒸発ステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項37の発明は、請求項36記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記溶剤蒸発ステップの時間は5分から30時間とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項38の発明は、請求項37記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記溶剤蒸発のステップの最良時間は10時間であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項39の発明は、請求項36記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記溶剤蒸発ステップ後には更に、第二加熱ステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項40の発明は、請求項39記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第二加熱ステップの温度は70〜200℃、第二加熱ステップの時間は0分から10時間とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項41の発明は、請求項40記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第二加熱ステップの最良温度は100℃を超え、第二加熱ステップの最良時間は15分とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項42の発明は、請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成するステップにおいて、添加物は、マンニトール、ソルビトール、N-メチルピロリドン、イソプロパノール、ジメチルスルホキサイド、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、界面活性剤により構成されるグループの内の一つもしくはグループの混合物から選択され、導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項43の発明は、請求項42記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記マンニトールと3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸の最良重量比は9:91であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項44の発明は、請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記半導体層を導電性高分子層上に堆積するステップにおいて、半導体層は、ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの混合層であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項45の発明は、請求項44記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの最良重量比は1:1であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項46の発明は、請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第二電極を半導体層上で蒸着させて高分子太陽電池を形成するステップにおいて、第二電極は、カルシウム層及びアルミニウム層を含んでおり、カルシウム層は半導体層上に堆積、アルミニウム層はカルシウム層の保護層であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
請求項47の発明は、請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記混合物を第一電極上に堆積し導電性高分子層を形成するステップにおいて、その堆積方法には、スピンコーティング、ディップコーティング、ドロップキャスト、ドクターブレード、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティングを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の高分子太陽電池及びその製造方法は、導電性高分子層の抵抗を低減させ、太陽電池の電流流通量及び太陽電池転換効率を向上させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に示すとおり、本発明の高分子太陽電池は、基板1、基板1上に位置する第一電極2、第一電極2上に位置し導電性高分子と添加物を含む導電性高分子層3、導電性高分子層3上に位置する半導体層4、半導体層4上に位置する第二電極5とにより構成される。導電性高分子層3に含まれる添加物とは、マンニトール(mannitol)、ソルビトール(sorbitol)、N-メチルピロリドン(N-methylpyrrolidone)、イソプロパノール(isopropanol)、ジメチルスルホキサイド(dimethyl sulfoxide)、N,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、界面活性剤により構成されるグループの内の一つもしくはグループの混合物から選択される。
【0013】
基板1は、ガラス基板、高分子プラスチック基板、電子回路基板で構成されるグループの内の一つから選択され、且つ、電子回路基板は、シリコン基板である。その内高分子プラスチック基板の材料は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene teraphthalate, PET)とポリカーボネート(polycarbonate)から選択する。
第一電極2は、透光性導体および半透光性導体により構成されるグループの内の一つから選択され、その透光性導体は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide, ITO)と酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide, IZO)により構成されるグループの内の一つから選択、その半透光性導体は、金属薄層であり、その金属薄層は、銀、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、金、クロムにより構成されるグループの内の一つから選択される。
導電性高分子層3の導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate) , PEDOT:PSS)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアセチレン(polyacetylene)により構成されるグループの内の一つから選択される。添加物は界面活性剤とし、その界面活性剤は、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(poly[oxyethylene tridecyl ether])である。
【0014】
半導体層4は、図2に示したような、p型半導体層41とn型半導体層42の組み合わせ層、図3に示したような、バッファ層43、p型半導体層41、n型半導体層42の組み合わせ層、図4に示したような、p型半導体層とn型半導体層混合層44、図5に示したような、p型半導体層とn型半導体層混合層44、p型半導体層41、n型半導体層42の組み合わせ層により構成されるグループの内の一つから選択され、p型半導体層41の材料は、ポリチオフェン(polythiophene)、ポリフルオレン(polyfluorene)、ポリフェニレンビニレン(polyphenylene vinylene)、ポリチオフェン誘導体(polythiophene derivatives)、ポリフルオレン誘導体(polyfluorene derivatives)、ポリフェニレンビニレン誘導体(polyphenylene vinylene derivatives)、共役オリゴマー、小分子により構成されるグループの内の一つから選択される。ポリチオフェン誘導体(polythiophene derivatives)はポリ3-ヘキシルチオフェン(poly(3-hexylthiophene), P3HT)、ポリフルオレン誘導体(polyfluorene derivatives)はポリジオクチルフルオレン(poly(dioctylfluorene))、ポリフェニレンビニレン誘導体(polyphenylene vinylene derivatives)はポリ[2-メトキシ-5-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン(poly[2-methoxy-5-(2-ethyl-hexyloxy-1,4-phenylene vinylene])、共役オリゴマーはセキシチオフェン(sexithiophene)、小分子は、ペンタセン(pentacene)、テトラセン(tetracene)、ヘキサベンゾコロネン(hexabenzcoronene)、フタロシアニン(phthalocyanine)、ポルフィリン(porphyrins)、ペンタセン誘導体、テトラセン誘導体、ヘキサベンゾコロネン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体により構成されるグループの内の一つから選択される。
【0015】
n型半導体層42の材料は、C60、C60誘導体、C70、C70誘導体、カーボンナノチューブ(Carbon nanotubes)、カーボンナノチューブ誘導体、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック-ビス-ベンジミダゾール(3,4,9,10-perylene tetracarboxylic-bis-benzimidazole, PTCBI)、N,N'-ジメチル-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(N,N'-dimethyl-3,4,9,10-Perylenetetracarboxylic acid diimide, Me-PTCDI)、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック-ビス-ベンジミダゾール誘導体、N,N'-ジメチル-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、高分子、半導体ナノ粒子により構成されるグループの内の一つから選択される。C60誘導体はフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(phenyl C61-butyric acid methyl ester, PCBM)であり、高分子は、ポリ2,5,2’,5’-テトラヘキシルオキシ-7,8’-ジシアノ-ジ-ピー-フェニレンビニレン(poly(2,5,2’,5’-tetrahexyloxy-7,8’-dicyano-di-p-phenylenevinylene, CN-PPV))、ポリ9,9’-ジオクチルフルオレン-co-ベンゾチアジアゾール(poly(9,9’-dioctylfluorene-co-benzothiadiazole, F8BT))により構成されるグループの内の一つから選択される。カーボンナノチューブ(Carbon nanotubes)は、多壁型カーボンナノチューブ及び単一壁型カーボンナノチューブにより構成されるグループの内の一つから選択され、且つカーボンナノチューブの断面直径は100nmより小さい。半導体ナノ粒子は、二酸化チタン、セレン化カドミウム、硫化カドミウムにより構成されるグループの内の一つから選択される。
【0016】
第二電極5は、単層構造および二重層構造により構成されるグループの内の一つから選択され、その単層構造の材料はマグネシウム金合金であり、その二重層構造の材料は、フッ化リチウム/アルミニウム及びカルシウム/アルミニウムにより構成されるグループの内の一つから選択される。第一電極2の円型と導電性高分子層の円型は同様もしくは異なるものであり、第一電極2の円型はネット状構造もしくはその他構造である。
添加物は、マンニトール(mannitol)であり、導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate) , PEDOT:PSS)であり、マンニトール(mannitol)と3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS等)の重量比の範囲は1:99から9:91であるが、最良重量比は9:91である。半導体層4は、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の混合層であり、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の重量比は1〜1.25、最良重量比値は1である。第二電極5は、カルシウム層150及びアルミニウム層160を含んでおり、カルシウム層150は半導体層140上に堆積し、アルミニウム層160はカルシウム層150の保護層である。
【0017】
本発明の高分子太陽電池の製造方法は図6に示すとおりであり、次のステップを含む。
S1:第一電極2を基板1上に成長させる。
S2:添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成する。
S3:混合物を第一電極2上に堆積し導電性高分子層3を形成する。
S4:半導体層4を導電性高分子層3上に堆積する。
S5:第二電極5を半導体層上で蒸着させて高分子太陽電池を形成する。
【0018】
前記S2の添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成するステップ後には、更に、第一加熱ステップ及び室温に冷却するステップを含み、その第一加熱ステップの温度は100〜200℃、加熱時間は5分から3時間とするが、第一加熱ステップの最良温度は140℃、最良加熱時間は1時間である。
前記S4の半導体層4を導電性高分子層3上に堆積するステップ後には、更に、溶剤蒸発ステップを含み、その溶剤蒸発ステップの時間は5分から30時間とするが、最良時間は10時間である。溶剤蒸発ステップ後には、更に第二加熱ステップを含み、第二加熱ステップの温度は70〜200℃、時間は0分から10時間とするが、最良温度は100℃を超え、最良時間は15分とする。
前記S2の添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成するステップにおいて、添加物は、マンニトール(mannitol)であり、導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate) , PEDOT:PSS)であり、マンニトール(mannitol)と3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS)の重量比の範囲は1:99から9:91であるが、最良重量比は9:91である。
前記S3の混合物を第一電極2上に堆積し導電性高分子層3を形成するステップにおいて、その堆積方法には、スピンコーティング(spin-coating)、ディップコーティング(dip coating)、ドロップキャスト(drop casting)、ドクターブレード(doctor blading)、インクジェットプリンティング(inkjet printing)、スクリーンプリンティング(screen printhing)、もしくはその他の堆積方法を含む。
前記S4の半導体層4を導電性高分子層3上に堆積するステップにおいて、半導体層4は、ポリ3-ヘキシルチオフェン( P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の混合層であり、ポリ3-ヘキシルチオフェン( P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の重量比値は1〜1.25であるが、最良重量比値は1である。
前記S5の第二電極5を半導体層上で蒸着させて高分子太陽電池を形成するステップにおいて、第二電極5は、カルシウム層150及びアルミニウム層160を含んでおり、カルシウム層150は半導体層140上に堆積、アルミニウム層160はカルシウム層150の保護層である。
【0019】
次に、良好な実施例を挙げる。
まず、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS)(化学構造は図7参照)中にマンニトール(mannitol)(化学構造は図8参照)を加えるが、そのPEDOT:PSSとマンニトール(mannitol)の重量比は9:91で、導電性高分子層3の材料とする。半導体層4は、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)(化学構造は図9参照)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)(化学構造は図10参照)の混合物であり、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の重量比値は1:1とする。
【0020】
基板110上に酸化インジウムスズ薄膜120を成長させた後、酸化インジウムスズ薄膜120上に導電性高分子層130を塗布する。本実施例において我々が使用した導電性高分子層130は、マンニトール(mannitol)を加えた3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS)であり、その後、加熱(140℃、1時間)、室温まで冷却した後、更に半導体層140を導電性高分子層130上に堆積する。半導体層140の材料はポリ3-ヘキシルチオフェン( P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の混合物であり、スピンコーティング法によって堆積させた後、基板110を密封した培養皿に10時間放置、溶剤をゆっくり蒸発させてから再度加熱(110℃、15分)、その後基板110を蒸着機内に移動、更に上のカルシウム層150を蒸着、最後にカルシウム層150を保護する為、上のアルミニウム層160を蒸着することにより、図11に示した本発明の高分子太陽電池が形成される。
【0021】
図12に、本発明の高分子太陽電池に関する良好実施例の100mW/cm2AM1.5G照光における電流密度-偏圧図を示す。純のPEDOT:PSSを使用した場合、開回路電圧は0.60V、短路電流密度は16.0mA/cm2、充填効率は0.64、標準的なスペクトラム校正をした後のエネルギー転換は4.6%となる。また、PEDOT:PSSにマンニトール(mannitol)を加えた後、開回路電圧は0.59V、短路電流密度は22.7mA/cm2、充填効率(fill factor)は0.53、エネルギー転換は5.4%に向上する。我々は二極体の暗電流において直列抵抗を求めたが、マンニトール(mannitol)を加えた後の直列抵抗は、2.0Ω・cm2から1.0Ω・cm2に低下した。よって太陽電池の改善は実際において、抵抗値の改善から得られることが推論できる。
【0022】
上述の結果から、部品の転換効率が20%近くにまで向上したことが明らかにわかる。これは太陽電池について言えば、既に理想的な進歩である。よって、この方法は実施が非常に可能であるばかりでなく、部品機能を増進させる有効的な方法であることが充分に証明された。また、この転換効率比は、現在のいかなる文献において取り上げられたものより高く、世界新記録であり、本発明の重要性を更に明らかに示している。
【0023】
上述したとおり、本発明の高分子太陽電池及びその製造方法において、高分子太陽電池は、導電性高分子(例えば3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS))と添加物(例えばマンニトール(mannitol))を含んだ導電性高分子層によって、太陽電池の全抵抗を低下させ、並びに、太陽電池の電流流通量及び太陽電池転換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の高分子太陽電池に関する概略図である。
【図2】本発明の高分子太陽電池に関する半導体層構造概略図(1)である。
【図3】本発明の高分子太陽電池に関する半導体層構造概略図(2)である。
【図4】本発明の高分子太陽電池に関する半導体層構造概略図(3)である。
【図5】本発明の高分子太陽電池に関する半導体層構造概略図(4)である。
【図6】本発明の高分子太陽電池に関する製造方法のステップフローチャートである
【図7】本発明に関する良好実施例の3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS)の化学構造図である。
【図8】本発明に関する良好実施例のマンニトール(mannitol)の化学構造図である。
【図9】本発明に関する良好実施例のポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)の化学構造図である。
【図10】本発明に関する良好実施例のフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の化学構造図である。
【図11】本発明の高分子太陽電池に関する良好実施例の構造概略図である。
【図12】本発明に関する、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS)及び9wt%のマンニトール(mannitol)を含んだ導電性高分子層を純の3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT:PSS)とした、100mW/cm2(AM1.5G)照光における電流密度と偏圧図である。
【符号の説明】
【0025】
1 基板
2 第一電極
3 導電性高分子層
4 半導体層
41 p型半導体層
42 n型半導体層
43 バッファ層
44 p型半導体層とn型半導体層混合層
5 第二電極
110 基板
120 酸化インジウムスズ薄膜
130 導電性高分子層
140 半導体層
150 カルシウム層
160 アルミニウム層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子太陽電池は、
基板と、
基板上に位置する第一電極と、
第一電極上に位置し、導電性高分子と、マンニトール、ソルビトール、N-メチルピロリドン、イソプロパノール、ジメチルスルホキサイド、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、界面活性剤により構成されるグループの内の一つもしくはグループの混合物から選択される添加物とを含む導電性高分子層と、
導電性高分子層上に位置する半導体層と、
半導体層上に位置する第二電極と、により構成されることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項2】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記基板は、ガラス基板、高分子プラスチック基板、電子回路基板で構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項3】
請求項2記載の高分子太陽電池において、前記高分子プラスチック基板の材料は、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項4】
請求項2記載の高分子太陽電池において、前記電子回路基板は、シリコン基板であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項5】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第一電極は、透光性導体および半透光性導体により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項6】
請求項5記載の高分子太陽電池において、前記透光性導体は、酸化インジウムスズおよび酸化インジウム亜鉛により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項7】
請求項5記載の高分子太陽電池において、前記半透光性導体は、金属薄層であり、その金属薄層は、銀、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、金、クロムにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項8】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレンにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項9】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレントリデシルエーテルであることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項10】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記半導体層は、p型半導体層とn型半導体層の組み合わせ層、バッファ層とp型半導体層とn型半導体層の組み合わせ層、p型半導体層とn型半導体層の混合層、p型半導体層とn型半導体層の混合層とp型半導体層とn型半導体層の組み合わせ層により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項11】
請求項10記載の高分子太陽電池において、前記p型半導体の材料は、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、共役オリゴマー、小分子により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項12】
請求項11記載の高分子太陽電池において、前記されるポリチオフェン誘導体は、ポリ3-ヘキシルチオフェン、ポリフルオレン誘導体はポリジオクチルフルオレン、ポリフェニレンビニレン誘導体はポリ[2-メトキシ-5-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレンであることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項13】
請求項11記載の高分子太陽電池において、前記共役オリゴマーはセキシチオフェンであることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項14】
請求項11記載の高分子太陽電池において、前記小分子は、ペンタセン、テトラセン、ヘキサベンゾコロネン、フタロシアニン、ポルフィリン、ペンタセン誘導体、テトラセン誘導体、ヘキサベンゾコロネン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項15】
請求項10記載の高分子太陽電池において、前記n型半導体層の材料は、C60、C60誘導体、C70、C70誘導体、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ誘導体、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック-ビス-ベンジミダゾール、N,N'-ジメチル-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック-ビス-ベンジミダゾール誘導体、N,N'-ジメチル-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、高分子、半導体ナノ粒子により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項16】
請求項15記載の高分子太陽電池において、前記カーボンナノチューブは、多壁型カーボンナノチューブ及び単一壁型カーボンナノチューブにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項17】
請求項16記載の高分子太陽電池において、前記カーボンナノチューブの断面直径は100nmより小さいことを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項18】
請求項15記載の高分子太陽電池において、前記C60誘導体は、フェニルC61-ブチル酸-メチルエステルであることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項19】
請求項15記載の高分子太陽電池において、前記高分子は、ポリ2,5,2’,5’-テトラヘキシルオキシ-7,8’-ジシアノ-ジ-ピー-フェニレンビニレン及びポリ9,9’-ジオクチルフルオレン-co-ベンゾチアジアゾールにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項20】
請求項15記載の高分子太陽電池において、前記半導体ナノ粒子は、二酸化チタン、セレン化カドミウム、硫化カドミウムにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項21】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第二電極は、単層構造および二重層構造により構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項22】
請求項21記載の高分子太陽電池において、前記単層構造の材料は、マグネシウム金合金であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項23】
請求項21記載の高分子太陽電池において、前記二重層構造の材料は、フッ化リチウム/アルミニウム及びカルシウム/アルミニウムにより構成されるグループの内の一つから選択することを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項24】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第一電極の円型と導電性高分子層の円型は同様もしくは異なるものであることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項25】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記添加物は、マンニトールであり、導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項26】
請求項25記載の高分子太陽電池において、前記マンニトールと3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸の重量比の範囲は1:99から9:91であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項27】
請求項26記載の高分子太陽電池において、前記マンニトールと3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸の最良重量比は9:91であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項28】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記半導体層は、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とフェニルC61-ブチル酸-メチルエステル(PCBM)の混合層であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項29】
請求項28記載の高分子太陽電池において、前記ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの重量比値の範囲は1〜1.25であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項30】
請求項29記載の高分子太陽電池において、前記ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの最良重量比値は1であることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項31】
請求項1記載の高分子太陽電池において、前記第二電極は、カルシウム層及びアルミニウム層を含んでおり、カルシウム層は半導体層上に堆積し、アルミニウム層はカルシウム層の保護層となることを特徴とする高分子太陽電池。
【請求項32】
高分子太陽電池の製造方法は、
第一電極を基板上に成長させ、
添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成、
混合物を第一電極上に堆積し導電性高分子層を形成、
半導体層を導電性高分子層上に堆積、
第二電極を半導体層上で蒸着させて高分子太陽電池を形成するステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項33】
請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成するステップ後には、更に、第一加熱ステップ及び室温まで冷却するステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項34】
請求項33記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第一加熱ステップの温度は100〜200℃、加熱時間は5分から3時間とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項35】
請求項34記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第一加熱ステップの最良温度は140℃、最良加熱時間は1時間であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項36】
請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記半導体層を導電性高分子層上に堆積するステップ後には、更に、溶剤蒸発ステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項37】
請求項36記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記溶剤蒸発ステップの時間は5分から30時間とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項38】
請求項37記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記溶剤蒸発のステップの最良時間は10時間であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項39】
請求項36記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記溶剤蒸発ステップ後には更に、第二加熱ステップを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項40】
請求項39記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第二加熱ステップの温度は70〜200℃、第二加熱ステップの時間は0分から10時間とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項41】
請求項40記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第二加熱ステップの最良温度は100℃を超え、第二加熱ステップの最良時間は15分とすることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項42】
請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記添加物と導電性高分子を混合し混合物を形成するステップにおいて、添加物は、マンニトール、ソルビトール、N-メチルピロリドン、イソプロパノール、ジメチルスルホキサイド、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、界面活性剤により構成されるグループの内の一つもしくはグループの混合物から選択され、導電性高分子は、3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項43】
請求項42記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記マンニトールと3,4ポリエチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルフォン酸の最良重量比は9:91であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項44】
請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記半導体層を導電性高分子層上に堆積するステップにおいて、半導体層は、ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの混合層であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項45】
請求項44記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記ポリ3-ヘキシルチオフェンとフェニルC61-ブチル酸-メチルエステルの最良重量比は1:1であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項46】
請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記第二電極を半導体層上で蒸着させて高分子太陽電池を形成するステップにおいて、第二電極は、カルシウム層及びアルミニウム層を含んでおり、カルシウム層は半導体層上に堆積、アルミニウム層はカルシウム層の保護層であることを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。
【請求項47】
請求項32記載の高分子太陽電池の製造方法において、前記混合物を第一電極上に堆積し導電性高分子層を形成するステップにおいて、その堆積方法には、スピンコーティング、ディップコーティング、ドロップキャスト、ドクターブレード、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティングを含むことを特徴とする高分子太陽電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−166675(P2008−166675A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104258(P2007−104258)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(598139748)國立交通大學 (92)
【Fターム(参考)】