説明

高吸水性樹脂およびその製造方法

【課題】生理食塩水、海水に対する吸水性能および生分解性に優れた高吸水性樹脂およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 セルロース又はセルロース誘導体を含有する高吸水性樹脂であって、下記(1)及び(2)の要件を満足することを特徴とする高吸水性樹脂。
(1)セルロース又はセルロース誘導体の含有量が50wt%以上である。
(2)24時間浸漬後における生理食塩水に対する吸水量が50g/g以上、海水に対する吸水量が30g/g以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高吸水性樹脂およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、活性汚泥処理剤や土壌保水剤、生ゴミ処理補助剤として有効に利用できる生理食塩水、海水に対する吸水性能および生分解性に優れた高吸水性樹脂およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高吸水性樹脂は親水性の直鎖状あるいは分岐状高分子の架橋体であり、三次元網目構造を持つ多孔質体で、水と接触すると水に溶けようとする力で吸水するが、分子間に架橋構造があるため分子鎖の広がりが抑制され、そのバランスにより、一定量吸水した膨潤状態のヒドロゲルとなる。このように吸水した水は、スポンジや綿状パルプのように多孔質の穴や毛細管現象により取り込まれた水と違い、圧力をかけても離水しにくく、その吸水量が樹脂1gあたり10g以上のものを一般に高吸水性樹脂と称する。
高吸水性樹脂は、紙オムツや生理用品等の衛生材分野、湿布剤や体液吸収剤等の医療分野、活性汚泥処理剤、土壌保水剤等の農業・園芸分野、鮮度保持材等の食品分野、シーリング材や結露防止材等の土木・建築分野、その他電気電子材料分野や塗料・接着剤分野など、多種多様な分野に利用されている。特に近年、活性汚泥処理における大量のエネルギー使用や、森林伐採による砂漠化、ゴミ処理などの環境面での問題から、活性汚泥処理剤や土壌保水剤、生ゴミ処理補助剤としてのニーズが高まってきている。
【0003】
活性汚泥処理剤や土壌保水剤、生ゴミ処理補助剤として利用するためには、まず高塩濃度の水溶液に対する高い吸水性能、例えば生理食塩水に対しては50g/g以上の吸水量(樹脂1g当たり50g以上の生理食塩水を吸水すること)、海水に対しては30g/g以上の吸水量が必要である。しかしながら、一般的なポリアクリル酸系の高吸水性樹脂は、純水中での吸水性能には優れるものの、水中の塩濃度が高まるにつれて吸水性能が一気に低下する。さらに、ポリアクリル酸系の高吸水性樹脂は生分解性を有していない。したがって、ポリアクリル酸系の高吸水性樹脂を活性汚泥処理剤や土壌保水剤、生ゴミ処理補助剤として利用することはできない。
一方、澱粉やセルロースなどの天然高分子を原料とする高吸水性樹脂はポリアクリル酸などの合成高分子を原料とするものに対して比較的塩に対する吸水性能が高く、生分解性も期待できることから様々な研究がなされている(特許文献1、特許文献2及び特許文献3)。
【0004】
まず特許文献1には、生分解性を高めた高吸水性樹脂として、カルボキシルメチルセルロースとクエン酸の混合架橋体が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された高吸水性樹脂は、0.9%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水と同じ塩濃度)に5分間浸漬した時の吸水量が17g/g程度である。本発明者らの検討によれば、この値は24時間浸漬した場合においても大きく変化することはなく、せいぜい34g/g程度であった。更に生分解性も8%程度しかなかった。
また特許文献2では、カルボキシルメチルセルロースとアスパラギン酸の混合架橋体が開示されているが、これは0.9%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対する吸水量は42g/g(60分間浸漬)程度であった。更に特許文献2に記載された架橋体は生理食塩水に対する溶解分が30%を越え、吸水テスト中にティーバック外で樹脂が溶出してしまうという問題があった。
更に生理食塩水の高吸水性樹脂として、カルボキシルメチルセルロースとポリビニルアルコールの混合架橋体が特許文献3に開示されているが、この混合架橋体の生理食塩水に対する吸水性能は20g/g前後であり、高塩濃度の水溶液に対する吸水性能が低いという課題は改善されていない。
【0005】
【特許文献1】特開平7−82301号公報
【特許文献2】特開平8−89796号公報
【特許文献3】特開2004−10634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、活性汚泥処理剤や土壌保水剤、生ゴミ処理補助剤として有効に利用できる生理食塩水、海水に対する吸水性能および生分解性に優れた高吸水性樹脂およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を加えて結果、特定の要件を満たす高吸水性樹脂が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、セルロース又はセルロース誘導体を含有する高吸水性樹脂であって、下記(1)及び(2)の要件を満足することを特徴とする高吸水性樹脂である。
(1)セルロース又はセルロース誘導体の含有量が50wt%以上である。
(2)24時間浸漬後における生理食塩水に対する吸水量が50g/g以上、海水に対する吸水量が30g/g以上である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、生理食塩水、海水に対する吸水性能および生分解性に優れた吸水性樹脂およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の高吸水性樹脂は、セルロース又はセルロース誘導体の含有量が50wt%以上、好ましくは70wt%以上であることが必要である。セルロース又はセルロース誘導体の含有量はNMR法や熱分解法等の化学分析手法によって測定することができるが、50wt%未満である場合には、吸水性能が低下する。セルロース又はセルロース誘導体の含有量が50wt%以上であれば、例えばポリビニルアルコールのような生分解性ポリマーを混合してもよい。
【0010】
本発明におけるセルロースとは、パルプ、精製リンター、コットン及び酸で加水分解処理された結晶性セルロースであり、またセルロース誘導体とは、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルエチルセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等の酸性基を有するセルロース誘導体、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース等のヒドロキシルアルキル化されたセルロース誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース等のアルキル化されたセルロース誘導体が挙げられ、更にこれらのナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等も含まれる。高い吸水性能を発現するという観点からセルロース誘導体が好ましく選ばれ、特にカルボキシルエチルセルロース(−OCHCHCOOH)およびそのナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩が吸水性能と生分解性を両立するという観点から最も好ましい。セルロース誘導体の置換度は、0.05〜2.8の範囲、好ましくは0.2〜1.5の範囲である。置換度が0.05未満の場合、得られる高吸水性樹脂の吸水性能が低下する。また、置換度が2.8を超える場合、得られる高吸水性樹脂の生分解率の低下や架橋効率の低下が生じる。セルロース誘導体がカルボキシルエチルセルロースの場合、その合成過程で発生するカルバモイルエチル基(−OCHCHCONH)が0.01〜0.5の範囲で含まれていてもよい。尚、ここで置換度とは、セルロースの3つの水酸基が特定の置換基に置き換わった度合いを示し、例えば置換度1.0とは1つの水酸基が特定の置換基に置き換わっていることを示す。置換度は、NMR法や化学
分析法で測定することが可能である。
これらのセルロース又はセルロース誘導体は、単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0011】
本発明の高吸水性樹脂は、生理食塩水に対する吸水性能が50g/g以上(樹脂1g当たり50g以上の生理食塩水を吸水)であり、海水に対する吸水性能が30g/g(樹脂1g当たり30g以上の海水を吸水)以上であることが必要である。生理食塩水に対する吸水性能が50g/g未満、海水に対する吸水性能が30g/g未満の場合には、特定量の水分を吸収しようとすれば、大量の樹脂の使用が必要となり、例えば活性汚泥処理剤として使用する場合、活性汚泥乾燥重量に対して20wt%以上の高吸水性樹脂の添加が必要であり、コスト面で不利となる。高吸水性樹脂の生理食塩水、海水に対する吸水性能は、高吸水性樹脂の使用量抑制の観点から、好ましくは生理食塩水に対して80g/g以上、海水に対して50g/g以上、より好ましくは生理食塩水に対して100g/g以上、海水に対して80g/gである。生理食塩水、海水に対する吸水性能に特に上限はないが、溶解分の低減と吸水ゲル強度保持の観点から、いずれも2000g/g以下が好ましい。
【0012】
本発明の高吸水性樹脂の生分解率は、好ましくは15%以上である。15%未満の場合、土壌を汚染する。
また本発明の高吸水性樹脂は、生理食塩水又は海水のいずれに対しても、その溶解分が30%以下であることが好ましい。溶解分が30%を超える場合、充分なゲル強度や安定性を保つことができない。
本発明の高吸水性樹脂は、セルロースまたは予め合成され、単離しておいたセルロース誘導体を水に分散または溶解し、架橋させる方法(二段階法)とセルロース誘導体を合成し、単離せずに直接架橋させる方法(直接架橋法)の二つに大別できるが、まず二段階法について説明する。
【0013】
本発明ではセルロースとして、パルプ、精製リンター、コットン及び酸で加水分解処理された結晶性セルロース、またセルロース誘導体として、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルエチルセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等の酸性基を有するセルロース誘導体、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース等のヒドロキシルアルキル化されたセルロース誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース等のアルキル化されたセルロース誘導体及びこれらのナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を利用することができる。特にカルボキシルエチルセルロース(−OCHCHCOOH)およびそのナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩は、セルロース誘導体の合成と架橋反応を同時に進行させる直接架橋法を用いる場合、カルボキシルメチルセルロースの直接架橋法と比較して製造コスト的に有利である。即ち、カルボキシルメチルセルロースはセルロースと反応剤であるクロロ酢酸の反応の際、塩化ナトリウムが副生成物として脱離・除外されるので、原料の総重量に対して除外分(塩化ナトリウム)の重量のロスが発生する上に、除外分の回収・廃棄設備が別途必要になるので、それがコスト的に上乗せされる。一方、カルボキシルエチルセルロースの場合、アクリロニトリルの付加反応であり、副生成物が発生しないので、ロス分がなく、更に除外分の回収・廃棄設備も不要であるので、設備的にシンプルでランニングコストも低減される。また本発明の方法によれば、高い効率でカルボキシルエチルセルロースが合成され、更にカルボキシルエチルセルロースと架橋剤との反応が進行するので、カルボキシルメチルセルロース等他のセルロース誘導体に対して生産性が高く、工業的に極めて優位である。
【0014】
本発明に用いるセルロース又はセルロース誘導体の重合度は、80〜1800の範囲であることが好ましい。セルロース又はセルロース誘導体の重合度が80未満の場合、得ら
れる高吸水性樹脂の吸水性能が低下する。一方、重合度が1800を超える場合、セルロース誘導体の溶液粘度の急激な上昇により、架橋反応の不均一化を招いて吸水性能が低下する。より好ましくは150〜1500、最も好ましくは300〜1000の範囲である。
【0015】
本発明の高吸水性樹脂は、セルロース又はセルロース誘導体と架橋剤とを混合することによって製造することができる。混合する方法としては、粉体のまま混合する方法、スラリー状のまま混合する方法、溶液状態で混合する方法等が挙げられる。均一に架橋させるという観点から、溶液状態で混合する方法が好ましい。溶液状態で混合する方法において使用する溶媒には、水やメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の親水性有機溶剤と水との混合溶媒を用いることができる。メタノール等の親水性有機溶剤と水との混合溶媒を用いる場合、親水性有機溶剤の含有量は50wt%以下であることが架橋反応の均一性の観点から好ましい。
セルロース又はセルロース誘導体の溶液の濃度は0.1〜20wt%、好ましくは1〜10wt%である。濃度が0.1wt%未満の場合、溶液の量が多くなることや架橋剤との架橋反応効率が低下することにより、製造効率が低下する。また、濃度が20wt%を超える場合、溶液粘度が高くなり、均一に反応することが困難になる。
【0016】
本発明では、ジビニルスルホン、エピクロロヒドリン、多官能エポキシ化合物、多価金属塩の群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を用いることができる。多官能エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールジグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリシトール、ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また多価金属塩としては、アルミニウムイオン、鉄イオン、チタニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の多価金属イオン等が挙げられる。水溶性の高さ、セルロース及びセルロース誘導体との反応性の高さ、ゲル強度の観点から、ジビニルスルホンおよびエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、硫酸アルミニウムカリウムが好ましい。
【0017】
また本発明では、多価のカルボン酸及びアミノ酸化合物の群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を用いることができる。多価のカルボン酸としては、カルボキシル基や水酸基を合計で2個以上有する化合物であれば特に際限はなく、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、ポリアクリル酸、マレイン酸、ポリマレイン酸、こはく酸等が挙げられる。アミノ酸化合物としては、カルボキシル基と反応可能であれば、特に限定されるものではないが、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、シスチン、メチオニン、トリプトファン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸やグルタミン酸等の酸性アミノ酸、及び塩類等が挙げられる。水溶性の高さ、セルロース及びセルロース誘導体との反応性の高さ、ゲル強度の観点から、クエン酸、コハク酸、アスパラギン酸、グルタミン酸が好ましい。
本発明における架橋方法としては、ジビニルスルホン、エピクロロヒドリン、多官能エポキシ化合物、多価金属塩の架橋剤で架橋させる方法と、多価カルボン酸化合物及びアミノ酸化合物の架橋剤で架橋させる方法に分けられる。
【0018】
まずジビニルスルホン、エピクロロヒドリン、多官能エポキシ化合物、多価金属塩で架橋させる方法について詳細を述べる。
ジビニルスルホン、エピクロロヒドリン、多官能エポキシ化合物の架橋剤の使用量は、
セルロース又はセルロース誘導体中の水酸基やカルボン酸等、架橋剤と反応し得る官能基のモル数に対して、0.1〜50モル%、好ましくは1〜20モル%の範囲である。架橋剤の使用量が、0.1モル%未満の場合、目的とする吸水性能を達成できない他、得られる高吸水性樹脂の溶解分が増加し、ゲル強度が低下する。また、架橋剤の使用量が50モル%を超える場合、架橋反応が過度に進行し、得られる高吸水性樹脂の吸水性能が低下する。
【0019】
本発明の架橋反応は、pH8以上のアルカリ性条件下で行われる。アルカリ性媒体としては、特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、トリエチルアミン等のアミン系の化合物等が挙げられる。
架橋する際の温度は、0〜100℃である。温度が0℃未満の場合、架橋反応速度が遅くなり、製造効率が低下する。温度が100℃を超える場合、架橋剤が溶媒である水やアルコール類と反応し、架橋効率が低下する。好ましくは20〜80℃である。
架橋反応の時間は、特に限定されるものではなく、反応温度、吸水性樹脂の物性に応じて、適宜設定すればよいが、通常5分〜48時間程度である。
得られた架橋体の後処理方法は特に限定されないが、メタノール等の親水性有機溶媒に浸漬・再沈殿させ、真空乾燥機等を用いて完全に水分或いは残存する溶剤を除去した後、粉砕することにより高吸水性樹脂を製造することができる。
【0020】
次に多価カルボン酸化合物及びアミノ酸化合物で架橋させる方法について詳細を述べる。
多価カルボン酸化合物及びアミノ酸化合物の架橋剤の使用量は、セルロース又はセルロース誘導体中の水酸基やカルボン酸等、架橋剤と反応し得る官能基のモル数に対して、0.01〜10モル%、好ましくは0.05〜5モル%の範囲である。架橋剤の使用量が、0.05モル%未満の場合、目的とする吸水性能を達成できない他、得られる高吸水性樹脂の溶解分が増加し、ゲル強度が低下する。また、架橋剤の使用量が10モル%を超える場合、架橋反応が過度に進行し、得られる高吸水性樹脂の吸水性能が低下する。
架橋する際の温度は、60〜95℃である。温度が60℃未満の場合、架橋反応速度が遅くなり、製造効率が低下する。温度が95℃を超える場合、架橋剤が溶媒である水やアルコール類と反応し、架橋効率が低下する。好ましくは70〜85℃である。
架橋反応の時間は、特に限定されるものではなく、反応温度、吸水性樹脂の物性に応じて、適宜設定すればよいが、通常30分〜5時間程度である。
【0021】
次いで、反応生成物をメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の親水性有機溶媒で洗浄する。
洗浄後、反応性生物を60〜95℃で乾燥させる。温度が60℃未満の場合、洗浄で用いた親水性溶媒が除去できない。温度が95℃を超える場合、吸水性能が著しく低下する。好ましくは70〜85℃である。乾燥の時間は、特に限定されるものではないが、通常3〜24時間程度である。
【0022】
乾燥後のポリマーを、120〜160℃での温度範囲では5分間〜5時間熱処理する。この温度範囲内で熱処理することによって、架橋剤による化学的架橋に加え分子内水素結合による物理的架橋が適正に進行する。温度が120℃未満の場合、十分に分子内水素結合が起こらず、吸水性能が低下する。温度が160℃を超えると、分子内水素結合による物理的架橋が過度に起こり、吸水性能が低下する。好ましくは130〜150℃である。更に熱処理時間が5分間未満では、熱処理による分子内水素結合が起こらず、また5時間を越えると分子内水素結合が進行しすぎて吸水性能が低下する。好ましくは10分間〜3時間、より好ましくは20分間〜2時間である。ここで、特許文献1には、熱処理された樹脂を再度親水性有機溶剤に浸漬させ、再度乾燥熱処理を繰り返しているが、このような
方法を採用すると分子内に過度な水素結合が起こり、著しく吸水性能が低下するので好ましくない。
【0023】
セルロース誘導体を合成し、単離せずに直接架橋させる方法(直接架橋法)の場合、カルボキシルエチルセルロースを以下の(a)〜(d)の工程を経て合成し、次いで(e)の工程で、水溶液中のセルロース濃度が0.1〜20wt%になるように水を添加するなどして調整する。(e)のセルロース誘導体に各種架橋体を添加し、既に記載した方法を実施することで本発明の高吸水性樹脂が得られる。
(a)パルプ、精製リンター、コットン及び酸で加水分解処理された結晶性セルロース等のセルロースにアルカリ濃度0.1〜40wt%のアルカリ金属水酸化物からなる水溶液をセルロースの重量に対して1.2〜50倍量になるように添加し、0〜80℃、5〜120分間浸漬する工程。
(b)セルロース重量に対してアルカリ水溶液が0.2〜10倍量になるように圧搾する工程。
(c)(b)にアクリロニトリルをセルロースのグルコース残基当り0.2〜15モル相当量投入してから、アルカリセルロースとアクリロニトリルを−30〜50℃で、2〜350時間反応させシアノエチルセルロースを合成する工程。
(d)(C)のシアノエチルセルロースを単離することなく、温度−30〜30℃で、水及びアルカリ水溶液を添加し、反応系内のアルカリ濃度0.1〜18wt%に調整して1〜36時間アルカリ加水分解させ、カルボキシルエチルセルロースに変換する工程。
(e)系中の水溶液のセルロース濃度を0.1〜20wt%に調整する工程。
【0024】
本発明の高吸水性樹脂は、活性汚泥処理剤として利用することができる。活性汚泥に対する高吸水性樹脂量は活性汚泥中の水分量に左右されるが、活性汚泥総重量に対して0.01〜20wt%である。0.01wt%未満であると活性汚泥中の水分を十分に吸収することができない。一方、20wt%を越えるとコスト的に不利になる。
本発明の高吸水性樹脂で吸水処理された活性汚泥は有機成分を大量に含んでおり、土壌改良剤として利用することができる。また本発明の高吸水性樹脂をそのまま土壌保水剤として直接土壌に混ぜ込み利用することができる。その場合、土壌中の高吸水性樹脂含有量は0.01〜1wt%の範囲であることが好ましい。土壌中の高吸水性樹脂含有量が、0.01wt%未満の場合、土壌改良効果や土壌中で十分な保水効果が現れない。土壌中の高吸水性樹脂含有量が1wt%以上の場合、コスト的に不利となる。
本発明の高吸水性樹脂は、紙オムツや生理用品等の衛生分野、湿布剤や体液吸水剤等の医療分野、泥水シールド工法の逸泥防止用の汚泥ゲル化剤、シーリング材、結露防止材等の土木・建築分野、野菜、肉や魚等の鮮度保持材等の食品分野、農業用の土壌保水剤や種子コーティング剤等の農業・園芸分野、化粧品、保冷材、芳香剤・消臭剤、雑貨等の化粧品・トイレタリー分野、電気・電子材料分野、塗料・接着剤分野等、さらには、油水分離材や廃液吸収剤、防振材、防音材、玩具等多種多様な分野に利用することができる。特に、本発明の高吸水性樹脂の高塩濃度の水溶液に対する吸水性能が必要となる用途としては、活性汚泥処理剤や土壌保水剤、生ゴミ処理補助剤等が挙げられ、本発明の高吸水性樹脂はこのような用途に対しても利用することができる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例などにより更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例などにより何ら限定されるものではない。本発明における測定方法を以下に示す。
(重合度測定の方法、表に生分解性記入)
(1)吸水性能(g/g)
高吸水性樹脂0.2gをナイロン製ティーバッグ(重量ag)中に入れ、過剰の0.9%塩化ナトリウム水溶液又は人工海水SEALIFE((株)マリン・テック製)35gを水1Lに溶解した人工海水に浸漬し、室温24時間放置した。24時間経過後、5分間
ティーバッグをつり下げて、付着の水分を除去した後、ティーバッグごと重量A(g)と高吸水性樹脂を入れていないティーバッグ(重量bg)の吸水後の重量B(g)を測定し、次式によって吸水性能(g/g)を算出した。
吸水能(g/g)={(A−a)−(B−b)}/0.2
【0026】
(2)生分解率
JIS−K−6951に従い、無水リン酸二水素カリウム8.5g、無水リン酸水素二カリウム21.75g、リン酸水素二ナトリウム33.4g、塩化アンモニウム0.5gを蒸留水に溶解して1000mlにした標準試験培養液400mlに、高吸水性樹脂80mgを添加し、次いで、標準活性汚泥が30ppmとなるように添加した。この培養液を攪拌しながら、25℃で28日間培養した。前記期間中に発生した二酸化炭素の量を定期的に測定し、発生した二酸化炭素の総量A(mg)を求めた。また、高吸水性樹脂を添加していない培養液から発生する二酸化炭素の総量B(mg)を同様に求めた。さらに、高吸水性樹脂が完全に分解した時に発生する二酸化炭素の量の計算値C(mg)とから、次式により生分解率(%)を求めた。
生分解率(%)={(A−B)/C}×100
【0027】
(3)溶解分
高吸水性樹脂0.5gを0.9%食塩水150ml中に入れ、充分に膨潤させた。次いで、200メッシュの金属ふるいで高吸水性樹脂を濾別し、濾液50mlを重量A(g)のビーカーに回収し、熱風乾燥機で乾燥させた。乾燥後のビーカーごとの重量B(g)を測定し、次式により、溶解分を算出した。
溶解分(%)=[{(B−A)/50}×150−150×0.009]×100
(4)二十日大根育成試験(発芽率)
土壌1kgに、二十日大根の種子100粒を播種した。2日に1回水やりし、3週間の育成試験を行った。3週間後に発芽した種子数を数え、次式により発芽率を算出した。
発芽率(%)={(発芽した種子数/播種した種子数)}×100
【0028】
(実施例1)
カルボキシルエチルセルロース(置換度0.7、重合度800)の3wt%水溶液20gとジビニルスルホン0.1g(セルロース誘導体の官能基のモル数に対して10モル%)とを室温で攪拌して混合した。この混合液に1M水酸化ナトリウム水溶液5.2g加え、混合溶液をpH13に調製した後、25℃で24時間静置して、架橋反応を進行させた。得られたゲル状の固形物をメタノール400gで沈殿させ、得られた沈殿物を真空乾燥機で乾燥させた。得られた乾燥物を粉砕機で粉砕し、高吸水性樹脂を得た。得られた高吸水性樹脂の生分解率は59%、溶解分が12%であった。
【0029】
(実施例2)
実施例1において、架橋剤であるジビニルスルホンをエチレングリコールジグリシジルエーテル(セルロース誘導体の官能基のモル数に対して10モル%)に変更し、架橋反応を40℃、5時間で実施した以外は、実施例1と同様にして高吸水性樹脂を得た。
(実施例3)
実施例1において、カルボキシルエチルセルロースの3%水溶液14gとポリビニルアルコール(分子量3500、けん化度86%以上)の3%水溶液6gの混合溶液(セルロースの含有量70%)に変更した以外は、実施例1と同様にして高吸水性樹脂を得た。
【0030】
(実施例4)
実施例1において、カルボキシルエチルセルロースを綿を0.4%塩酸水溶液で130℃、1時間加水分解処理して得られた粉末状セルロース(重合度300)に変更した以外は、実施例1と同様にして、高吸水性樹脂を得た。
(実施例5)
実施例1において、カルボキシルエチルセルロースを重合度1500のものに変更し、架橋反応を25℃、48時間で実施した以外は、実施例1と同様にして、高吸水性樹脂を得た。
【0031】
(実施例6)
カルボキシルエチルセルロース(置換度0.9、重合度800)の3%水溶液20gとクエン酸0.005g(セルロース誘導体の官能基のモル数に対して0.35モル%)とを室温で攪拌して混合した。この混合液に75℃で1時間攪拌して、架橋反応を進行させた。得られたゲル状の固定物をメタノール400gで沈殿させ、得られた沈殿物を70℃、15時間乾燥させた。得られた乾燥物を140℃で30分間熱処理をして、粉砕機で粉砕し、高吸水性樹脂を得た。
(実施例7)
実施例6において、カルボキシルエチルセルロースをカルバモイルエチル基を含んだカルボキシルエチルセルロース(カルボキシルエチル基の置換度0.80、カルバモイルエチル基の置換度0.04、重合度800)に変更した以外は、実施例1と同様にして、高吸水性樹脂を得た。
【0032】
(実施例8)
重合度800のコットンリンターを約1〜5mm角に粉砕して、10g採取し、15wt%
濃度の水酸化ナトリウム水溶液100 gに30℃で30分間浸漬した。セルロース重量に対してアルカリ水溶液重量が5倍量になるまで圧搾し、アクリロニトリルをセルロースのグルコース残基当り1.0モル加え、二軸型混練機を用いて0℃で24時間攪拌した。その後、25 gの純水を加えて反応系内のアルカリ濃度を10wt%に調整し、30℃で16
時間混練した。その反応溶液にクエン酸を0.08g(セルロース誘導体の官能基のモル数に対して0.35モル%)加え、室温で攪拌させ混合した。次いで、この混合液を75℃で1時間攪拌して、架橋反応を進行させた。得られたゲル状の固定物をメタノール800gで沈殿させ、得られた沈殿物を70℃、15時間乾燥させた。得られた乾燥物を140℃で30分間熱処理をして、粉砕機で粉砕し、高吸水性樹脂を得た。
【0033】
(実施例9)
実施例1において、カルボキシルエチルセルロースをカルボキシルメチルセルロース(置換度0.7、重合度800)に変更した以外は実施例1と同様にして、高吸水性樹脂を得た。
(実施例10)
実施例6において、カルボキシルエチルセルロースをカルボキシルメチルセルロース(置換度0.7、重合度800)に変更した以外は実施例1と同様にして、高吸水性樹脂を得た。
【0034】
(比較例1)
実施例1において、ジビニルスルホンの量を0.7g(セルロース誘導体の官能基のモル数に対して70モル%)に変更した以外は実施例1と同様にして、高吸水性樹脂を得た。
(比較例2)
実施例3において、カルボキシルエチルセルロースの3%水溶液6gとポリビニルアルコール(分子量3500、けん化度86%以上)の3%水溶液14gの混合溶液に変更した以外は実施例1と同様にして、高吸水性樹脂0.6gを得た。
(比較例3)
実施例6において、クエン酸の量を0.02g(セルロース誘導体の官能基のモル数に対して20モル%)に変更した以外は実施例1と同様にして、高吸水性樹脂を得た。
実施例1〜10、比較例1〜3で得られた高吸水性樹脂の生理食塩水及び海水に対する吸水量を下記表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1より、実施例1〜10の高吸水性樹脂は、生理食塩水、海水に対する吸水性能に優
れていることがわかる。一方、比較例1のカルボキシルエチルセルロースに対してビニルスルホンを過剰に加えた高吸水性樹脂及び比較例2のカルボキシルエチルセルロースとポリビニルアルコール比が3:7で混合して製造された高吸水性樹脂、比較例3のクエン酸を過剰に入れて製造された高吸水性樹脂はいずれも、本発明の吸水性能に及ばなかった。
【0037】
(実施例11)
20%濃度の活性汚泥500gに対して、実施例1の高吸水性樹脂0.3gを混合し、24時間室温で放置した。得られた活性汚泥と高吸水性樹脂の混合物50gを赤玉土950gに混合し、二十日大根の育成試験を行った。尚、水やりは2日に1度の頻度で行った。発芽結果を表2に示す。
(比較例4)
赤玉土1kgに対して、二十日大根の育成試験を行った。発芽結果を表2に示す。
(比較例5)
活性汚泥処理剤として比較例1記載の高吸水性樹脂を使用した以外は、実施例11と同様にして、二十日大根の育成試験を行った。発芽結果を表2に示す。
(比較例6)
赤玉土950gと20%濃度の活性汚泥50gを混合し、実施例11と同様にして、二十日大根の育成試験を行った。発芽結果を表2に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
表2より、実施例11の活性汚泥と本発明の高吸水性樹脂を含有した土壌は、比較例4の赤玉土だけの土壌と比較して非常に高い発芽率を示した。比較例5の活性汚泥と生理食塩水及び海水吸水性能の低い高吸水性樹脂を混合した土壌は、比較例4の発芽率と比較して顕著な効果は認められなかった。比較例6の活性汚泥を混合した土壌は、大量の水分と急激な富栄養化の影響か、発芽率が著しく悪かった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の高吸水性樹脂は、活性汚泥処理剤や土壌保水剤、生ゴミ処理補助剤として有効に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース又はセルロース誘導体を含有する高吸水性樹脂であって、下記(1)及び(2)の要件を満足することを特徴とする高吸水性樹脂。
(1)セルロース又はセルロース誘導体の含有量が50wt%以上である。
(2)24時間浸漬後における生理食塩水に対する吸水量が50g/g以上、海水に対する吸水量が30g/g以上である。
【請求項2】
高吸水性樹脂が、置換度0.05〜2.8のカルボキシルエチルセルロースであるセルロース誘導体を含有することを特徴とする請求項1に記載の高吸水性樹脂。
【請求項3】
生分解率が15%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高吸水性樹脂。
【請求項4】
生理食塩水又は海水のいずれに対しても、その溶解分が30%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高吸水性樹脂。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の高吸水性樹脂の製造方法であって、下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする高吸水性樹脂の製造方法。
(1)セルロースまたはセルロース誘導体を、水に0.1〜20wt%の濃度で分散または溶解させる。
(2)上記(1)の溶液に、ジビニルスルホン、エピクロロヒドリン、多官能エポキシ化合物及び多価金属塩の群の中から選ばれる少なくとも一種の架橋剤をセルロース又はセルロース誘導体の官能基のモル数に対して、0.1〜50モル%添加する。
(3)上記(2)の混合溶液の架橋反応を0〜100℃、5分〜48時間、pH8以上のアルカリ条件下で行う。
【請求項6】
請求項5に記載の高級水性樹脂の製造方法であって、(1)のセルロース誘導体の水溶液を下記(a)〜(e)の方法で調整することを特徴とする高吸水性樹脂の製造方法。
(a)セルロースにアルカリ濃度0.1〜40wt%のアルカリ金属水酸化物からなる水溶液をセルロースの重量に対して1.2〜50倍量になるように添加し、0〜80℃、5〜120分間浸漬する工程。
(b)セルロース重量に対してアルカリ水溶液が0.2〜10倍量になるように圧搾する工程。
(c)(b)にアクリロニトリルをセルロースのグルコース残基当り0.2〜15モル相当量投入してから、アルカリセルロースとアクリロニトリルを−30〜50℃で、2〜350時間反応させシアノエチルセルロースを合成する工程。
(d)(c)のシアノエチルセルロースを単離することなく、温度−30〜30℃で、水及びアルカリ水溶液を添加し、反応系内のアルカリ濃度0.1〜18wt%に調整して1〜36時間アルカリ加水分解させ、カルボキシルエチルセルロースに変換する工程。
(e)系中の水溶液のセルロース濃度を0.1〜20wt%に調整する工程。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の高級水性樹脂の製造方法であって、下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする高吸水性樹脂の製造方法。
(1)セルロースまたはセルロース誘導体を、水に0.1〜20wt%の濃度で分散または溶解させる。
(2)上記(1)の溶液に、多価カルボン酸化合物及びアミノ酸化合物の群の中から選ばれる少なくとも一種の架橋剤をセルロースまたはセルロース誘導体の官能基のモル数に対して、0.01〜10モル%添加する。
(3)上記(2)の溶液の架橋反応を60〜95℃、30分〜5時間で行う。
(4)上記(3)の溶液を親水性有機溶媒で置換し、60〜95℃、3〜24時間乾燥
させる。
(5)上記(4)で得られたゲルを、120〜160℃、5分〜5時間で熱処理を行う。
【請求項8】
請求項7に記載の高級水性樹脂の製造方法であって、(1)のセルロース誘導体の水溶液を下記(a)〜(e)の方法で調整することを特徴とする高吸水性樹脂の製造方法。
(a)セルロースにアルカリ濃度0.1〜40wt%のアルカリ金属水酸化物からなる水溶液をセルロースの重量に対して1.2〜50倍量になるように添加し、0〜80℃、5〜120分間浸漬する工程。
(b)セルロース重量に対してアルカリ水溶液が0.2〜10倍量になるように圧搾する工程。
(c)(b)にアクリロニトリルをセルロースのグルコース残基当り0.2〜15モル相当量投入してから、アルカリセルロースとアクリロニトリルを−30〜50℃で、2〜350時間反応させシアノエチルセルロースを合成する工程。
(d)(c)のシアノエチルセルロースを単離することなく、温度−30〜30℃で、水及びアルカリ水溶液を添加し、反応系内のアルカリ濃度0.1〜18wt%に調整して1〜36時間アルカリ加水分解させ、カルボキシルエチルセルロースに変換する工程。
(e)系中の水溶液のセルロース濃度を0.1〜20wt%に調整する工程。
【請求項9】
活性汚泥と活性汚泥重量に対して0.01〜20wt%の請求項1〜4のいずれかに記載の高吸水性樹脂とからなることを特徴とする土壌改良剤
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかに記載の高吸水性樹脂を0.001〜1wt%含有することを特徴とする土壌。

【公開番号】特開2010−18670(P2010−18670A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179047(P2008−179047)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】