説明

高周波加熱装置

【課題】リード付き電流ヒューズ使用時におけるサービス時の電流ヒューズ交換時のプリント基板ごとの交換によりサービス費用が高くなるという課題、及び管形電流ヒューズ使用時における電気用品安全法のヒューズホルダーと管形電流ヒューズの接触部の温度上昇の温度限度のため、管形電流ヒューズを冷却すること。
【解決手段】プリント基板1にリード付き電流ヒューズ2を設けると共に、リード付き電流ヒューズ2の両端に電気的に接続されたハトメ3を各々設けるか、もしくはリード付き電流ヒューズ2の両端に電気的に接続され、一部にランド6を設けたパターン7を各々設けると共に、ランド6に穴8を設ける。また、電流ヒューズ2交換時は、ハトメ3、もしくは前記穴8に、サービス専用のリードの両端にめがね端子5を接続したリード付き電流ヒューズのめがね端子5をねじ止めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高周波加熱装置の電流ヒューズ部の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高周波加熱装置の一例を図7に示す(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、特許文献1に記載された従来の高周波加熱装置のノイズフィルター基板の正面図である。図7に示すように、プリント基板1にリード付き電流ヒューズ2がハンダ付けされている。
【0004】
もう一例を図8に示す(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
図8は、特許文献2に記載された従来の高周波加熱装置のノイズフィルター基板の斜視図である。図8に示すように、プリント基板1にヒューズホルダー9がハンダ付けされており、ヒューズホルダー9には管形電流ヒューズ10が嵌め込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−159767号公報
【特許文献2】特開平6−29084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、電流ヒューズ2にリード付き電流ヒューズを使用した場合、プリント基板1にハンダ付けされているので、市場で電流ヒューズ2が溶断し、部品交換サービスする時に、最近はハンダ付けの信頼性などの観点から、リード付き電流ヒューズのみを交換する事はほとんどなく、プリント基板1ごとの交換が通例であり、サービス費用が高くなるという課題を有していた。なお、上記従来例はノイズフィルター基板にリード付きヒューズがハンダ付けされているが、高周波加熱装置の制御基板にリード付きヒューズがハンダ付けされている場合も多々あり、その場合は、制御基板の方がノイズフィルター基板より、より高価なのでサービス費用がさらに高くなるという課題を有していた。
【0008】
一方、電流ヒューズ2に管形電流ヒューズ10を使用した場合は、ヒューズホルダー9が必要だが、電気用品安全法によって、ヒューズホルダー9と管形電流ヒューズ10の接触部の温度上昇には、温度限度が設けられているので、管形電流ヒューズ10を冷却するために、冷却ファンによる冷却をしたり、冷却したりするための部品を追加するなど、性能面での制約やコスト高になるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、リード付きヒューズを使用することにより、電気用品安全法による温度限度はないので、ヒューズを冷却するための性能面での制約やコスト高になる事がなく、かつ市場でヒューズが溶断し交換サービスする時でも、プリント基板ごとの交換が不要で、ヒューズのみを交換する事が出来るので、サービス費用も安価ですむ高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、プリント基板上にリー
ド付き電流ヒューズを設けると共に、前記リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続されたハトメを各々設けるか、もしくは前記リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続され、一部にランドを設けたパターンを各々設けると共に、前記ランドに穴を設ける事により、電気用品安全法による温度限度はないので、ヒューズを冷却するための性能面での制約やコスト高になる事はなくなる。
【0011】
また、市場でヒューズが溶断し交換サービスする時は、リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続されたハトメ、もしくはリード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続され、一部にランドを設けたパターンを各々設けると共に、前記ランドに設けた穴に、サービス専用のリードの両端にめがね端子を接続したリード付き電流ヒューズのめがね端子をねじ止めする事により、ヒューズのみの交換が可能となり、プリント基板ごとの交換は不要になるので、サービス費用も安価ですむものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の高周波加熱装置は、プリント基板上にリード付き電流ヒューズを設けると共に、前記リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続されたハトメを各々設けるか、もしくは前記リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続され、一部にランドを設けたパターンを各々設けると共に、前記ランドに穴を設ける事により、電気用品安全法による温度限度はないので、ヒューズを冷却するための性能面での制約やコスト高になる事はなくなる。
【0013】
また、市場でヒューズが溶断し交換サービスする時は、リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続されたハトメ、もしくはリード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続され、一部にランドを設けたパターンを各々設けると共に、前記ランドに設けた穴に、サービス専用のリードの両端にめがね端子を接続したリード付き電流ヒューズのめがね端子をねじ止めする事により、ヒューズのみの交換が可能となり、プリント基板ごとの交換は不要になるので、サービス費用も安価ですむものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における高周波加熱装置のプリント基板の正面図
【図2】本発明の実施の形態1における高周波加熱装置のプリント基板の回路図
【図3】本発明の実施の形態1及び2における高周波加熱装置のサービス専用ヒューズの正面図
【図4】本発明の実施の形態2における高周波加熱装置のプリント基板の正面図
【図5】本発明の実施の形態2における高周波加熱装置のプリント基板の裏面図
【図6】本発明の実施の形態2における高周波加熱装置のプリント基板の回路図
【図7】従来の高周波加熱装置の一例を示すプリント基板の正面図
【図8】従来の高周波加熱装置の他の例を示すプリント基板の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、プリント基板上にリード付き電流ヒューズを設けると共に、前記リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続されたハトメを各々設ける事により、電気用品安全法による温度限度はないので、ヒューズを冷却するための性能面での制約やコスト高になる事はなくなる。また市場でヒューズが溶断し交換サービスする時は、リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続されたハトメに、サービス専用のリードの両端にめがね端子を接続したリード付き電流ヒューズのめがね端子をねじ止めする事により、ヒューズのみの交換が可能となり、プリント基板ごとの交換は不要になるので、サービス費用も安価ですむものである。
【0016】
第2の発明は、第1の発明におけるハトメの代わりにリード付き電流ヒューズの両端に
電気的に接続され、一部にランドを設けたパターンを各々設けると共に、前期ランドに穴を設ける事により、前記穴とサービス専用のリードの両端にめがね端子を接続したリード付き電流ヒューズのめがね端子をねじ止めする事により、ヒューズのみの交換が可能となり、プリント基板ごとの交換は不要になるので、サービス費用も安価ですむものである。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における高周波加熱装置のプリント基板の正面図、図2は、本発明の第1の実施の形態における高周波加熱装置のプリント基板の回路図、図3は本発明の第1の実施の形態における高周波加熱装置のサービス専用ヒューズの正面図を示すものである。
【0019】
図1、図2及び図3において、ノイズを防止するためのノイズフィルターのプリント基板1と、プリント基板1にハンダ付けされ、定格電流以上の電流が流れた時溶断し、安全を保つためのリード付き電流ヒューズ2と、リード付き電流ヒューズ2の両端と電気的に接続されたハトメ3と、サービス専用リード付き電流ヒューズ4と、サービス専用リード付き電流ヒューズ4の両端にカシメなどで固定されており、プリント基板1上のハトメ3と電気的かつ機械的に接続可能なめがね端子5から構成されている。
【0020】
以上のように構成された高周波加熱装置について、以下説明する。
【0021】
高周波加熱装置に内蔵されているノイズフィルターのプリント基板1には、リード付き電流ヒューズ2がハンダ付けされているので、電気用品安全法による温度限度はない。市場でリード付き電流ヒューズ2が溶断し、ヒューズ2を交換サービスする場合は、プリント基板1上の2箇所のハトメ3に、サービス専用リード付き電流ヒューズ4の両端のめがね端子5をネジ(図示せず)で止めれば、ヒューズ交換が完了する。この場合、ネジ止めに、例えばM4の先細小ネジを使用する場合、ハトメ3の内径は丸3.5程度が機械的強度を保つのに良い。
【0022】
なお、前記構成では、リード付き電流ヒューズ2とハトメ3をノイズフィルターのプリント基板1に設けているが、高周波加熱装置の制御用のプリント基板などに設けても同様な効果を得ることが出来る。
【0023】
(実施の形態2)
図4は本発明の第2の実施の形態における高周波加熱装置のプリント基板の正面図、図5は本発明の第2の実施の形態における高周波加熱装置のプリント基板の裏面図(一部省略図)、図6は本発明の第2の実施の形態における高周波加熱装置のプリント基板の回路図、図3は本発明の第2の実施の形態における高周波加熱装置のサービス専用ヒューズの正面図を示すものである。
【0024】
図3、図4、図5及び図6において、ノイズを防止するためのノイズフィルターのプリント基板1と、プリント基板1にハンダ付けされ、定格電流以上の電流が流れた時溶断し、安全を保つためのリード付き電流ヒューズ2と、リード付き電流ヒューズ2の両端と電気的に接続され一部にランド6を設けたパターン7と、ランド6に設けた穴8と、サービス専用リード付き電流ヒューズ4と、サービス専用リード付き電流ヒューズ4の両端にカシメなどで固定されており、プリント基板1上のランド6と電気的かつ機械的に接続可能なめがね端子5から構成されている。
【0025】
以上のように構成された高周波加熱装置について、以下説明する。
【0026】
高周波加熱装置に内蔵されているノイズフィルターのプリント基板1には、リード付き電流ヒューズ2がハンダ付けされているので、電気用品安全法による温度限度はない。市場でリード付き電流ヒューズ2が溶断し、ヒューズを交換サービスする場合は、プリント基板1上の2箇所の穴8に、サービス専用リード付き電流ヒューズ4の両端のめがね端子5をネジ(図示せず)とナット(図示せず)でネジ止めすれば、サービス専用リード付き電流ヒューズ4の両端のめがね端子5とプリント基板1のランド6が電気的、機械的に接続され、ヒューズ交換が完了する。
【0027】
なお、前記構成では、リード付き電流ヒューズ2、ランド6、パターン7及び穴8をノイズフィルターのプリント基板1に設けているが、高周波加熱装置の制御用のプリント基板などに設けても同様な効果を得ることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように、本発明にかかる高周波加熱装置は、高周波加熱装置に限らず、電流ヒューズが必要な他の機器にも使用でき、幅広く応用が可能である。
【符号の説明】
【0029】
2 リード付き電流ヒューズ
3 ハトメ
4 サービス専用のリード付き電流ヒューズ
5 めがね端子
6 ランド
7 パターン
8 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板上にリード付き電流ヒューズを設けると共に、前記リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続されたハトメを各々設けたことを特徴とした高周波加熱装置。
【請求項2】
プリント基板上にリード付き電流ヒューズを設けると共に、前記リード付き電流ヒューズの両端に電気的に接続され一部にランドを設けたパターンを各々設けると共に、前記ランドに穴を設けたことを特徴とした高周波加熱装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図2】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−65916(P2011−65916A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216648(P2009−216648)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】