説明

高周波薬剤導入装置及び高周波薬剤導入方法

【課題】高周波で薬剤を皮膚に効率良く導入できる。
【解決手段】周波数;20〜100kHz、電圧;200V〜800Vを生成する高周波・高電位生成回路30を備え、かつ該高周波・高電位生成回路30は、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成する高周波波形形成回路を備え、該高周波波形形成回路により出力される、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚27に供給し、皮膚27の角質層、表皮・真皮層に薬剤を選択的に導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔等の皮膚にビタミン等の薬液を浸透させる高周波薬剤導入装置及び高周波薬剤導入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から使用されている顔等の皮膚に薬剤を導入するための薬剤導入装置は、主に直流電流を用いていた。特許文献1には、電源電極と、被施術者の人体に接続される電極との間に、直流電圧を印加して、施術する部位に電極を押し付けて部位上の薬液のイオン化により皮膚に薬剤を浸透させていた。このような従来の直流電界による薬液浸透法では、薬剤が皮膚を通り抜けて人体の内部まで浸透し、皮膚に薬剤イオンが留まっていないため、薬剤の十分な効用が得られていない。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【特許文献】特開2000−217881
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の直流による薬液浸透法では、薬剤が皮膚を通り抜けて人体の内部まで浸透していたため皮膚自身への薬剤の効用が十分に行われていない欠点を鑑みてなされたもので、AC(高周波)波形を用いて、この高周波の波形を選択的に形成し、選択された波形を各皮膚層に適用することにより、薬液を皮膚に選択的に留めておくことが可能にした高周波薬剤導入装置及びその方法を提供することにある。また、より手軽に効率良く顔等の表皮に薬剤を導入する高周波薬剤導入装置を提供する。また、使用する周囲の環境に影響されずに安定して局部位の表皮に薬剤を効率良く導入できる高周波薬剤導入装置を提供する。また、ハンディタイプであるため、より手軽に効率良く顔等の表皮に薬剤、イオン効果を導入できる高周波薬剤導入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成し、該高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、皮膚の角質層、表皮・真皮層に選択的に薬剤を導入する高周波薬剤導入装置。
【0006】
周波数;20〜100kHz、電圧;200V〜800Vを生成する高周波・高電位生成回路を備え、かつ該高周波・高電位生成回路は、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成する高周波波形形成回路を備え、該高周波波形形成回路により出力される、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、皮膚の角質層、表皮・真皮層に薬剤を選択的に導入する高周波薬剤導入装置。
【0007】
高電位イオン導入装置は、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択する少なくとも1つの周波数波形選択手段を備える。
【0008】
前記皮膚に電流;0.3〜2.0mAを供給する。
【0009】
高周波薬剤導入装置は、前記高周波・高電位形成回路をハンディタイプの高周波・高電位生成回路内蔵プローブに組み込んでいる。
【0010】
高周波薬剤導入装置は、高周波・高電位生成回路を皮膚等への設置型高周波・高電位生成回路内蔵デバイスに組み込んでいる。
【0011】
高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成し、該高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、皮膚の角質層、表皮・真皮層に選択的に薬剤を導入する高周波薬剤導入方法。
【0012】
周波数;20〜100kHz、電圧;200V〜800Vを生成し、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成して、該高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、薬剤を皮膚の角質層、表皮・真皮層、あるいは角質層及び表皮・真皮層に選択的に導入する高周波薬剤導入方法。
【0013】
皮膚への薬剤導入方法であって、薬剤導入方法は、顔、皮膚、頭皮、歯部、水虫、関節、肩こり、又は打撲の部位から選ばれた少なくとも1つの部位への薬剤の導入する。
【0014】
高周波薬剤導入方法において使用される薬剤を入れた樹脂製外装体。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る高周波薬剤導入装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る高周波薬剤導入装置を示す他の概略構成図である。
【図3】ヒト摘出皮膚におけるAPMの皮膚透過量を示す図である。
【図4】ヒト摘出皮膚におけるAPMの皮膚各層への浸透量及び経皮透過量を示す図である。
【図5】本発明に係る高周波薬剤導入装置を示す概略図である。
【図6】本発明に係る他の高周波薬剤導入装置を示す概略図である。
【図7】本発明に係る高周波薬剤導入装置の高電位導入プローブの高周波・高電圧生成回路を示す回路図である。
【図8】本発明に係る太陽電池を組込んだ高周波薬剤導入装置の高周波・高電圧生成回路を示す回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係る高周波薬剤導入装置を示す基本構成図である。高周波薬剤導入装置は、電源本体10とハンディタイプの高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20とを備え、電源本体10と高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20とは、一般に家庭用で使用されている低電圧用コード17で接続されている。高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20は、高周波・高電位生成回路30と電極24を備える。高周波・高電位生成回路30と電極24とは高電圧用導線28で接続されている。高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20は、電極24と共に発熱体15を備えてもよい(図2)。なお、高周波・高電位生成回路30と電極24を備えていれば、ハンディタイプの高周波・高電位生成回路内蔵プローブでなくてもよい。電源自体に高周波・高電位生成回路を備え、電源と配線で接続された電極を備えていればよい。
【0017】
本発明に係る高周波薬剤導入装置を使用してヒト摘出皮膚における薬剤;APM(リン酸アスコルビルMg)の時間経過における皮膚透過量を図3に示す。また、皮膚各層への皮膚各層への浸透量及び透過量を図4に示す。薬剤の浸透量は、高速液体クロマトログラフィーで測定した。測定において、周波数は、65kHzを使用した。皮膚への印加電圧及び電流は、表1に示す。
【表1】

【0018】
図3は、ゼロ時間から6時間後のヒト摘出皮膚におけるAPM(リン酸アスコルビルMg)の皮膚透過量を示すクラフである。図4は、ヒト摘出皮膚におけるAPM(リン酸アスコルビルMg)の皮膚各層への皮膚透過量及び経皮透過量を示すクラフである。ここで、皮膚各層は、SC;角質層、E;表皮・真皮層である。
【0019】
図3及び図4において、DCは、直流、ACは、高周波(交流)、AC(+)は、高周波(交流)の+側波形、AC(−)は、高周波(交流)の−側波形、AC(−)(B terminal)は、高周波(交流)−側波形で、かつ電極を樹脂で覆ったものである。
【0020】
図3において、時間経過に従い摘出したヒトの皮膚に薬剤であるAPMが、DC、AC、AC(+)、AC(−)、AC(−)Bterminalで透過していることがわかる。DCを除けば、AC(+)での透過量が他のAC、AC(−)、AC(−)Bterminalに比べて大きいことがわかる。図4から、DC、AC、AC(+)、AC(−)、AC(−)Bterminalで皮膚をAPMが透過していることが観察された。薬剤が、皮膚の角質層(SC)及び表皮・真皮層(E)に浸透していることが観察された。薬剤の各皮層への透過量を見てみると、薬剤は、DCにおいて、角質層及び表皮・真皮層を透過していることがわかる。AC、AC(+)、AC(−)、AC(−)B terminalで、薬剤は、角質層及び表皮・真皮層を透過している量が少なく、角質層及び表皮・真皮層に留まっていることがわかる。特に、AC(−)で、薬剤は、角質層及び表皮・真皮層を透過している量がほとんどないことがわかる。AC(−)B terminalでは、薬剤を表皮・真皮層に比べてより多く角質層に留めておくことが可能であり、またAC(+)では、薬剤を角質層に比べてより多く表皮・真皮層に留めておくことが可能であり、またACでは、薬剤を角質層及び表皮・真皮層に留めておくことが可能である。従来のDCによる薬液浸透法では、薬剤が角質層及び表皮・真皮層を通り抜けて人体の内部まで浸透していたが、本発明による高電位を利用したAC、AC(+)、AC(−)、AC(−)B terminalによれば、薬剤を角質層及表皮・真皮層に留めておくことが可能となった。
【0021】
ここで、金属製(金属メッキ含む)電極が、樹脂で覆われていない場合、電極にAC波形、AC(+)波形、AC(−)波形を選択的に導入することにより、薬剤を皮膚の角質層、表皮・真皮層に選択的に導入することは可能となる。一方、電極が、金属で樹脂で覆われている、AC(−)B terminalの場合、薬剤を皮膚の角質層に導入するのに適している。
【実施例】
【0022】
以下、本発明に係る高周波薬剤導入装置を図面を参照して詳述する。
図5は、本発明に係る高周波薬剤導入装置の概略図を示す。高周波薬剤導入装置20は、電源本体10と低電圧用コード17で接続されたハンディタイプの高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20とを備える。高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20は、使用者が手で握るための対極となる握持部22と、握持部22の先端側に設けられたヘッド部21とを備える。ヘッド部21は、電気的に接続されている通電導子12を取り付けており、通電導子12は、電極24を備えている。握持部22より先端側のヘッド部21には高周波・高電位生成回路30が組み込まれている。高周波・高電位生成回路内蔵プローブのヘッド部21と握持部22とは樹脂等で一体成形して作られている。高周波薬剤導入装置は、高周波・高電位生成回路30と、発振回路36を備える。よって、高周波薬剤導入装置は、発振回路36で20〜100kHzの高周波を作り、高周波により高電位形成トランス38を駆動して電圧を200V〜800Vに昇圧される。
【0023】
ここで、高周波・高電位生成回路30と電極24との間が高電位側となり、一方高周波・高電位生成回路30と電源入力端34との間が低電圧側となる。握持部22は、高電位の対電極を形成する。高電位側と低電位側との間、すなわち高周波・高電位生成回路30と握持部22の対極23との間にフィンガー・ガイド(電位バリヤー)19を設けてもよい。使用者が、対極23を手で握持することで人体がアース電位となる。よって、高周波・高電位生成回路と対電極とが完全に分かれた形で高電位差が確立される。そのため安定した高周波・高電位の導入効果が得られる。なお、握持部22に高電位の対極を形成するために握持部22の内面に銅箔等のフィルムを取り付けてもよい。高周波・高電位生成回路30は、握持部22の対電極23からできるだけ離れた位置に配設されることが好ましい。
【0024】
通電導子12は、円盤形状を有し、顔等の皮膚に高電位を導入するための電極24が組み込まれている。通電導子12は、高周波・高電位生成回路内蔵プローブのヘッド部21と連結されている。通電導子12の電極24は、外装体26としての絶縁性樹脂で囲ぎょうされている。このため、電極24に200V〜800Vの電圧が印加された場合であっても、電極を介して皮膚表面に流れる電流は、0.3から2.0mAとなる。電極と外装体表面とは、2mm〜5mmの間隔をもって設けられていることが好ましい。かくして、皮膚表面に、周波数;20〜100kHzの高周波、電流;0.3から2.0mAが供給される。なお、電流は、薬剤が皮膚に導入された際に、薬剤自身が、色の変色を起こさず、また電気分解を起こさないで、皮膚の安全性が得られるように設定されていればよい。
【0025】
ここで、皮膚表面と電極24を覆っている樹脂製外装体26の表面との間にビタミンCやヨウド等の薬液を滲み込ませた部材である布70が置かれた場合、この布は、マイナスに帯電する作用を有しているので、電極24がマイナスの極性に帯電していると、ビタミンCやヨウド等の薬液を滲み込ませたマイナスに帯電した布からプラスに帯電した皮膚にビタミンCやヨウド等の薬液は、浸透していく。
【0026】
かくして、高周波薬剤導入装置を用いて皮膚等を施術する場合、施術する部位に薬剤を設けて、使用者が高周波・高電位生成回路内蔵プローブを握持り、一方通電導子を薬剤の設けられた施術する部位に押し付ける。これにより、施術する部位に高周波、微電流を供給して薬剤のイオン化等により皮膚に薬剤を浸透させることができる。
【0027】
図6は、電極24が、外装体26としての樹脂等で囲ぎょうされていない高周波・高電位生成回路内蔵プローブの概略図を示す。図6では、電極24が、皮膚に面して露出している以外の構成は、図6と同じである。この場合、電極24に高電位がかかるのを防止するために、図7及び図8の回路で、高電位形成トランス38と電極24への出力端子との間に保護用インピーダンス素子として抵抗50が設けられており、電極を介して皮膚表面に流れる電流は、0.3から2.0mAとなる。
【0028】
この場合、薬剤を入れた樹脂製容器を皮膚の表面に設けて、金属製の電極24から薬剤を入れた樹脂製容器を介して薬剤を皮膚に浸透させてもよい。
【0029】
電極24が、マイナスの極性に帯電されると、電極24と皮膚の表面との間にビタミンCやヨウド等の薬液を滲み込ませた布を置くことにより、マイナスに帯電した布からプラスに帯電した皮膚にビタミンCやヨウド等の薬液は、浸透していく。
【0030】
上述したように、高周波薬剤導入装置は、高周波・高電位生成回路30の発振回路36で20〜100kHzの高周波を作り、かつ高周波により高電位形成トランス38により200V〜800Vの電位をつくる。そして、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形が、皮膚に供給される。高周波の選択されたAC波形、AC(+)波形、AC(−)波形を作るために、図7及び図8において高周波波形形成回路52が、高電位形成トランス38と電極24への出力端子との間に設けられている。高周波波形形成回路52は、フォトトライマック又はリレーを備える。また、電極24の極性は、高周波・高電位生成回路に極性切り替え回路を設けることにより、薬液を滲み込ませた部材の極性に合せて切り替えることが可能となる。
【0031】
かくして、高周波波形形成回路52により出力される、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、薬剤を皮膚の角質層、表皮・真皮層に選択的に導入する。使用者が、皮膚に供給する高周波波形;AC、AC(+)、AC(−)を選択するために、高周波・高電位生成回路内蔵プローブは、▲1▼AC用、▲2▼AC(+)用、▲3▼AC(−)用の選択ボタンを備える。ユーザは、これらボタンを選択して押すことで▲1▼AC用、▲2▼AC(+)用、▲3▼AC(−)を選択できる。よって、ユーザの操作性が高められ、かつ皮膚への薬剤・イオンの導入を効率よく行うことができる。高周波;▲1▼AC、▲2▼AC(+)、▲3▼AC(−)に切り替えるポタンは、高周波・高電位形成回路内蔵プローブではなく、電源本体や付設ボタン(プローブや電源本体と別個に設ける)に設けてもよい。
【0032】
上記高周波・高電位生成回路は、手に持つハンディタイプの高周波・高電位生成回路内蔵プローブに組み込み込ませた実施例で説明したが、高周波・高電位生成回路は、薬剤の上に置かれる設置型の高周波・高電位生成デバイスに組込ませてもよい。また、高周波・高電位用電極は、薬剤の入った容器内に設けてもよい。
【0033】
図7は、高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20の高周波・高電位形成回路を示す。高周波・高電位生成回路30は、発振回路36と、コンデンサ37と、高電位生成トランス38とを備える。電源本体から低電圧用コード17を介してプローブ20の電源入力端子34に入った12ボルトの電圧により、インバータトランジスタからなる発振回路36を駆動して周波数;20kHzから100kHz、好ましくは周波数;45kHzから58kHzを出力する。そしてその出力は、コンデンサ37を介して高電位生成トランス38を駆動して200V〜800Vに昇圧された高電位を出力する。さらにインバータトランジスタ36が同時に駆動するのを防ぐためのチョークコイル40と、高周波・高電位生成回路30が動作時に点灯するLED42とを備える。高周波・高電位生成回路30からの高電圧出力の出力端44と電極24の入力端46とが高電圧用導線28を介して接続され、高周波・高電位が電極24に供給される。高電位生成トランス38は、その入力端子を対電極側に、その出力端子を高出力側に配置する。対電極23は、高周波・高電位生成回路30の高電位生成トランス38と電源入力端子34との間の低電圧側の手で握持する領域に形成される。
【0034】
さらに、高周波・高電位生成回路は、高周波;▲1▼AC、▲2▼AC(+)、▲3▼AC(−)に切り替えるための高周波波形形成回路52を備える。さらに、皮膚表面への電流を0.3から2.0mAにして供給するためのインピーダンス素子(抵抗)52が組み込まれている。
【0035】
図8は、太陽電池を組み込んだ高周波・高電位生成回路内蔵プローブの高周波・高電位生成回路の駆動を行うための回路を示す。
太陽電池を組み込んだ回路は、太陽電池60の電力を蓄電するための蓄電用コンデンサ62と、定電圧用ダイオード64と、逆流防止ダイオード66と、出力用スイッチ68とを備え、太陽電池の出力は、蓄電用コンデンサ62を介してインバータで構成されるトランジスタからなる発振回路36に接続されている。なお、高周波・高電位生成回路30の駆動は、上記図7と説明と同じであるので省略する。
【0036】
高周波薬剤導入装置は、上述した顔等の皮膚へのイオンや薬剤の導入の他に以下の用途にも適用できる。頭皮や体の皮膚をマッサージに使用することもできる。また、にきび、しみやそばかす等の治療にも適用できる。さらに水虫の治療に適用できる。このように、皮膚のケア、予防や治療に適用できる。また、歯磨きや歯を白くすることや、口臭の防止することや、歯垢を取り除くことも出来る。肩こり等の疲労、捻挫に適用できる。
なお、高周波・高電位生成回路内蔵プローブのヘッド部には、使用する目的に応じて種々の形状物を取り付けることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0037】
顔、皮膚、頭皮、歯部、水虫、関節、肩こり、打撲等への薬剤の導入
【符号の説明】
【0038】
電源本体10
通電導子12
発熱体15
低電圧用コード17
フィンガー・ガード19
高周波・高電位生成回路内蔵プローブ20
ヘッド部21
握持部22
対電極23
高周波・高電位用電極24
外装体26
皮膚27
高圧用導線28
高周波・高電位生成回路30
電源入力端34
発振回路36
コンデンサ37
高電位生成トランス38
チョークコイル40
LED42
出力端44
入力端46
高周波波形形成回路52
インピーダンス(抵抗)50
太陽電池60
蓄電用コンデンサ62
定電圧用ダイオード64
逆流防止ダイオード66
出力用スイッチ68
薬剤を滲込ませた部材70

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成し、該高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、皮膚の角質層、表皮・真皮層に選択的に薬剤を導入する高周波薬剤導入装置。
【請求項2】
周波数;20〜100kHz、電圧;200V〜800Vを生成する高周波・高電位生成回路を備え、かつ該高周波・高電位生成回路は、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成する高周波波形形成回路を備え、該高周波波形形成回路により出力される、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、皮膚の角質層、表皮・真皮層に薬剤を選択的に導入する高周波薬剤導入装置。
【請求項3】
高電位イオン導入装置は、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択する少なくとも1つの周波数波形選択手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の高周波薬剤導入装置。
【請求項4】
前記皮膚に電流;0.3〜2.0mAを供給することを特徴とする請求項1又は2記載の高周波薬剤導入装置。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれか1項の高周波薬剤導入装置は、前記高周波・高電位形成回路をハンディタイプの高周波・高電位生成回路内蔵プローブに組み込んでいることを特徴とする請求項1記載の高周波薬剤導入装置。
【請求項6】
前記請求項1から4のいずれか1項の高周波薬剤導入装置は、高周波・高電位生成回路を皮膚等への設置型高周波・高電位生成回路内蔵デバイスに組み込んでいることを特徴とする高周波薬剤導入装置。
【請求項7】
高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成し、該高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、皮膚の角質層、表皮・真皮層に選択的に薬剤を導入する高周波薬剤導入方法。
【請求項8】
周波数;20〜100kHz、電圧;200V〜800Vを生成し、高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形を選択的に形成して、該高周波(交流)波形、高周波(交流)の+側波形、高周波(交流)の−側波形の少なくとも1つの選択された高周波波形を皮膚に供給し、薬剤を皮膚の角質層、表皮・真皮層、あるいは角質層及び表皮・真皮層に選択的に導入する高周波薬剤導入方法。
【請求項9】
皮膚への薬剤導入方法であって、薬剤導入方法は、顔、皮膚、頭皮、歯部、水虫、関節、肩こり、又は打撲の部位から選ばれた少なくとも1つの部位への薬剤の導入することを特徴とする請求項7又は8記載の高周波薬剤導入方法。
【請求項10】
前記皮膚に電流;0.3〜2.0mAを供給することを特徴とする請求項8又は9記載の高周波薬剤導入方法。
【請求項11】
請求項7又は8記載の高周波薬剤導入方法高周波薬剤導入方法において使用される薬剤を入れた樹脂製外装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−223540(P2012−223540A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105681(P2011−105681)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(391059159)株式会社ベステック (9)
【出願人】(505125923)
【Fターム(参考)】