高周波電力増幅器のための効率最適化コーディング
【課題】高周波電力増幅器の最大出力電力より低い出力電力であっても、より良いエネルギー変換効率が達成される、高周波電力増幅器用のコーディングユニットを提供する。
【解決手段】極性変調ユニット110は、コーディングユニット100の入力に加えられた入力信号をエンベロープ信号及びバイナリ位相信号として表すようにデザインされ、パルス幅変調ユニット120は、極性変調ユニット110のエンベロープ信号をパルス幅変調エンベロープ信号へ変換し、それをマルチプライヤ130の第一入力へ出力するようにデザインされている。極性変調ユニット110のバイナリ位相信号用第二出力は、マルチプライヤ130の第二入力に接続され、マルチプライヤ130は、バイナリ位相信号及びパルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行うようにデザインされており、これをコーディングユニット100の出力とする。
【解決手段】極性変調ユニット110は、コーディングユニット100の入力に加えられた入力信号をエンベロープ信号及びバイナリ位相信号として表すようにデザインされ、パルス幅変調ユニット120は、極性変調ユニット110のエンベロープ信号をパルス幅変調エンベロープ信号へ変換し、それをマルチプライヤ130の第一入力へ出力するようにデザインされている。極性変調ユニット110のバイナリ位相信号用第二出力は、マルチプライヤ130の第二入力に接続され、マルチプライヤ130は、バイナリ位相信号及びパルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行うようにデザインされており、これをコーディングユニット100の出力とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波電力増幅器用のコーディングユニット、このようなコーディングユニットを有する高周波電力増幅器、このような高周波電力増幅器を有する伝送ユニット及び高周波電力増幅器を動作させるためのコーディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、種々のコンセプト(クラスAB、クラスE、クラスF、ドハティ)に基づいて動作する高周波電力増幅器が用いられている。このような高周波電力増幅器は、例えば伝送ユニットのアンテナ出力段で利用可能である。高周波電力増幅器は、通常、システム(例:携帯電話基地局でのシステム)の電力消費の大きな割合を構成するので、エネルギー変換効率、つまり、出力電力と、高周波効率増幅器によって消費された全電力との間の比を最大にしなければならない。しかしながら、全てのタイプの増幅器では、エネルギー変換効率は、瞬間的な出力電力に依存し、一般に、出力電力の低下につれて低下する。
【0003】
本発明は、高周波電力増幅器が最大出力電力で動作する時間の割合は少なく、それよりも低い出力電力でのエネルギー変換効率が最大出力電力より低いという洞察に基づいてなされた。モバイル通信の分野で計画されたスペクトル効率的な変調方法では、最大から中くらいの出力電力の割合が増加し続けるので、低電力でエネルギー変換効率を増大させることは、非常に興味深い問題である。
【0004】
従って、本発明の目的は、典型的な動作ケースにおいて、高周波電力増幅器がエネルギー的により好ましい動作を行う新たな機会を提供することである。
【0005】
さらに、本発明は、無線通信(例:モバイル通信又は無線LAN(WLAN))の分野での典型的な伝送信号が搬送周波数に比較して低帯域幅を有するという事実に基づいている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第一観点は、高周波電力増幅器の最大出力電力より低い出力電力でも、より良いエネルギー変換効率が達成されるように、有用信号をバイナリ信号へエンコードする高周波電力増幅器用のコーディングユニットを導入する。
【0007】
コーディングユニットは、極性変調ユニット、パルス幅変調ユニット及びマルチプライヤを有する。極性変調ユニットは、コーディングユニットの入力に接続された入力を有し、コーディングユニットの入力に加えられた入力信号をエンベロープ信号及びバイナリ位相信号として表すようにデザインされている。パルス幅変調ユニットは、極性変調ユニットのエンベロープ信号用第一出力に接続されており、エンベロープ信号をパルス幅変調エンベロープ信号へ変換し、それをマルチプライヤの第一入力へ出力するようにデザインされている。極性変調ユニットのバイナリ位相信号用第二出力は、マルチプライヤの第二入力に接続されている。マルチプライヤは、バイナリ位相信号及びパルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行い、それをコーディングユニットの出力へ出力するようにデザインされている。
【0008】
本発明は、最高のエネルギー変換効率がスイッチング増幅器(トランジスタがスイッチとして動作するクラスD及びクラスS増幅器のような増幅器)を用いて達成されるという知見に基づいている。この目的では、スイッチング増幅器が可能な限り最高のエッジスティープネス(highest possible edge steepness)を有するバイナリ信号によって制御されることが重要である。なぜなら、これにより、バイナリ状態間の遷移(この間に、トランジスタ内を電流が流れ、トランジスタのドレインとソース又はコレクタとエミッタの間に電圧が同時に印加される。)ができるだけ素早く起こるからである。本発明は、コーディングの結果として、バイナリ中間信号の論理結合を通じたスイッチング増幅器の動作のための純粋なバイナリ制御信号を提供することによって、この点を考慮する。
【0009】
ここで、本発明は、上記のスイッチング増幅器では、損失電力は、実質的に2つの効果によって決定されるという知見を含む。これら2つの効果は、第一に、スイッチされた量(この量は、増幅器トポロジー、電圧又は電流に従う)の振幅により、及び第二に、2つのステージ間の遷移の間のスイッチング動作によるものである。このように、損失電力の大きさは、一方では、バイナリ信号の振幅で決まり、他方では、単位時間当たりのスイッチング動作の数で決まる。
しかしながら、これは、上記意味でのエネルギー変換効率の最適化のための2つの最適化条件が存在すること意味する。一方では、バイナリ信号は、有用信号がフルスケールであるときに有用信号のできるだけ大きい振幅を含むべきことであり、他方では、スイッチング損失によるエネルギー変換効率の劣化を制限内にするために、有用信号の振幅の減少に伴って、単位時間当たりのスイッチング動作の数を減少させるべきことである。クラスS増幅器で通常採用されるバンドパスシグマ-デルタ変調では、条件は両方共は実現しない。有用信号の振幅とバイナリ信号の比は、最大で約0.8に到達するのみであり、単位時間当たりのスイッチング動作の数は、有用信号の振幅から実質的に独立している。
【0010】
対照的に、本発明は、極性変調ユニットを用いて有用信号をエンベロープ(振幅)及びバイナリ位相信号へ分割することによって条件を充足させる。振幅及び位相は、極座標としても表現される。本明細書中の「極性変調ユニット」という名称は、ここから来ている。
【0011】
位相信号は、理想的には、2つの可能なレベル(例:0及び1)のみを有し、ゼロ又は中心を通過する位置に基づいて入力信号から直接得られる。エンベロープ信号は、エンベロープを表し、従って、比較的低周波数の、通常は連続振幅信号である。エンベロープ信号を変換して、接続された高周波電力増幅器を制御するのに適した形状にするために、エンベロープ信号は、パルス幅変調ユニットを用いてバイナリ表現に変換される。しかしながら、ここでの用語"パルス幅変調"は、既知のパルス幅変調のみを表すのではなく、連続振幅信号をバイナリ表現へ変換可能な他の変調方法をも含むと理解すべきである。ここで、単純で強固な実装のために、クロック(clocked)パルス幅変調方法が好ましい。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、極性変調ユニットは、極性変調ユニットの入力と極性変調ユニットの第二の出力の間に接続されたコンパレータを有する。コンパレータは、入力値が所定の閾値よりも低いときにロー信号レベルを出力し、入力値が所定の閾値よりも高いときに、ハイ信号レベルを出力する特性を有する。ある信号特性を有するある実装では、互いに異なる複数の閾値も利用可能である(Schmittトリガ特性)。
【0013】
極性変調ユニットは、好ましくは、極性変調ユニットの入力と極性変調ユニットの第二の出力の間に接続されたエンベロープ検出器を備える。エンベロープ検出器は、例えば整流器及びローパスフィルターを含む。
【0014】
別の実施形態では、コーディングユニットは、信号プロセッサとして構成され且つベースバンド信号からエンベロープ信号及びバイナリ位相信号を生成するようにデザインされている極性変調ユニットを含む。これは、エンベロープ信号及びバイナリ位相信号も伝送信号(ベースバンド信号)から直接生成又は計算可能であることを意味する。これにより、例えば、搬送周波数への変調のための別のアナログ回路が必要ない。
【0015】
本発明の第二の観点は、本発明の前述の観点によるコーディングユニットと、コーディングユニットの出力に接続されたスイッチング増幅器と、スイッチング増幅器の出力に接続されたフィルターユニット、好ましくは、バンドパスフィルターを有する高周波電力増幅器を導入する。技術用語では、スイッチング増幅器を種々のタイプのもの(例:増幅器クラスE、Fなどのもの)と理解するが、広帯域バイナリ入力信号によって制御され、この信号の振幅が増幅されたものを、出力にあるオーム終端抵抗で再現するタイプのものが好ましい(このタイプは、例えば、クラスSである必要がある)。フィルターユニットは、好ましくは、バンドパスフィルターであるが、下流にある他の機能コンポーネントの伝達関数によって実現してもよい。
【0016】
本発明によれば、高周波電力増幅器は、コーディングユニットにおいてパルス幅変調エンベロープ信号及びバイナリ位相信号の組み合わせから生じたバイナリ化されたコントロール信号によって制御され、このような信号を広帯域で増幅する。それから、所望の電力信号が、クラスSスイッチング増幅器で既知の方法で、バンドパスフィルターリングによって出力信号から再構成される。
【0017】
本発明の第三の観点は、本発明の第二の観点による高周波電力増幅器と、高周波電力増幅器のフィルターユニットの出力に接続された伝送アンテナを有する伝送ユニットに関する。
【0018】
本発明の第四の観点は、高周波電力増幅器を動作させるためのコーディング方法を導入する。このコーディング方法は、少なくとも次の工程を備える。
【0019】
-有用信号をエンベロープ信号及び位相信号へ分割する。
【0020】
-位相信号をバイナリ信号としてデザインする。
【0021】
-エンベロープ信号をパルス幅変調する。
【0022】
-バイナリ位相信号とパルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行う。
【図面の簡単な説明】
【0023】
ここで、実施形態の図を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図1】図1は、本発明の第一実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明の第二実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明の第三実施形態による極性変調ユニットを示す。
【図4】図4は、本発明の第四実施形態による極性変調ユニットを示す。
【図5】図5A〜5Fは、本発明の動作モードを説明するための例示曲線を示す。
【図6】図6A〜6Dは、既知のクラスSの高周波電力増幅器と本発明の効率の比較を示す。
【図7】図7A〜7Fは、図5A〜5Fの例示曲線の拡大した詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の第一実施形態を示す。本発明によれば、コーディングユニット(100)は、入力信号を適切な表現へ変換して、スイッチング増幅器として構成された高周波電力増幅器の効率最適化制御を行うために提供される。コーディングユニット100は、電力増幅器200の入力に接続された出力を有する。電力増幅器200の出力は、次に、好ましくはバンドパス又はローパスフィルターとして構成されたフィルターユニット300に接続される。フィルターユニット300は、フィルタリングによって、スイッチング増幅器200の出力信号から所望の伝送信号(コーディングユニット100の入力信号の電力増幅されたコピー)を回復するという従来から既知のタスクを有する。
【0025】
図2は、本発明の第二実施形態を示す。全ての図において、同じ符号が同じ要素を示しており、既に説明した要素について新たな説明は行わない。
【0026】
第二実施形態のコーディングユニット100は、極性変調ユニット110、パルス幅変調ユニット120及びマルチプライヤ130を備える。極性変調ユニット110は、連続振幅及び連続時間入力信号をエンベロープ(振幅)及び位相信号へ分割するようにデザインされている。理想的には、位相信号は、中心電圧に対して対称に2つの可能な出力レベルのみを有し、従って、振幅が離散的であるが、時間が連続的であり、従って、本発明の範囲内で"バイナリ"と表現される。これは、2つの可能な出力レベル間の変化のエッジの時間位置に基づいて入力信号の位相情報を運ぶ。対照的に、エンベロープ信号は、入力信号の振幅又はレベルを表す。理想的な変調器特性においては、このようないわゆる極座標表現は、入力信号について正確に全ての情報を含む。従って、入力信号は、損失無しで又は少なくともほぼ損失無しで位相信号及びエンベロープ信号の乗算によって回復可能である。
【0027】
本発明によれば、連続振幅及び連続時間エンベロープ信号がパルス幅変調ユニット120に与えられ、古典的なパルス幅変調による公知の方法で離散的振幅表現へ変換される。
【0028】
マルチプライヤ130は、ANDゲートと同様に、その入力に加えられた2つのバイナリ入力信号を乗算する。つまり。エンベロープ入力が正レベル(論理1)を示すときに、位相信号入力の入力信号が出力に現れ、論理0がエンベロープ入力に適用されると、定数レベル(論理0又は1)が現れる。これは、スイッチング増幅器200の入力でのスイッチング動作の数、すなわちスイッチング動作によって引き起こされる損失電力がコーディングユニット100の入力信号の振幅の減少と共に減少することを保証する。
【0029】
図3は、本発明の第三実施形態による極性変調ユニットを示す。極性変調ユニット110は、入力信号からエンベロープを抽出して出力するようにデザインされているエンベロープ検出器111を含む。さらに、極性変調ユニット110は、入力信号をバイナリ位相信号へ変換して出力するようにデザインされているコンパレータ112を含む。中心ポテンシャルが定義されていない場合、コンパレータ112の閾値電圧は、好ましくは、入力信号の平均値に対応するように調整される。オーバードライブされた増幅器、フリップフロップ(ラッチ)又は類似の既知のスイッチング要素もコンパレータとして利用可能である。
【0030】
図4は、本発明の第四実施形態による極性変調ユニットを示す。図示の例では、エンベロープ検出器111は、整流器113及びローパスフィルター114の直列接続によって実現される。もちろん、従来から既知の他の要素でエンベロープ検出器を構成したものも本発明の範囲内で利用可能である。このように、伝達される生データ(例:ベースバンド信号)からバイナリ位相信号及びエンベロープ信号を直接得ることができる。これは、信号プロセッサを用いて実現可能であり、アナログ変調方法は必要でない。本発明のこのような実施形態では、極性変調ユニット110は、信号プロセッサ内で実現される。
【0031】
図5A〜5Fは、本発明の動作モードを説明するための例示曲線を示す。図7A〜7Fは、より良い図示のための、図5A〜5Fの例示曲線の拡大した詳細を示す。
【0032】
図5Aは、簡潔さのため、類似の周波数の2つの正弦波信号の合計からなる例示入力信号を示し、うなり信号が生成されている。このような入力信号が本発明の実施形態の入力に与えられたとする。
【0033】
極性変調ユニットによって生成された位相信号を、図5Bに示す。低及び高出力レベル間は、できるだけ急なエッジ傾斜で変化する。エッジの時間位置は、入力信号のゼロ交差の位置に対応する。
【0034】
図5Cは、極性変調ユニットによって抽出された入力信号のエンベロープを示す。目視で確認すると、第1サブダイアグラム(図5A)に示した入力信号は、エンベロープ信号と(符号付き)位相信号の乗算によって回復可能であることが分かる。エンベロープ信号は、振幅が連続的なままである。これをパルス幅変調すると、図5Dに示す結果になる。
【0035】
図5B及び5Dの信号は、互いに掛け合わされ(AND結合され)、その結果(図5E)が接続された高周波電力増幅器を制御するために用いられる。より詳しく見ると、図5Eの信号も連続時間位相信号のために連続時間特性であることは注目すべきである。図5Fは、最後に、図5Eの信号のバンドパスフィルタリングから生じる全体構成の出力信号を示す。図5Aの信号と比較すると、入力信号が完全に再構成可能であることが分かり、これは、もちろん本発明の目的に従った電力増幅であった。
【0036】
図6A〜6Dは。既知のクラスSの高周波電力増幅器と本発明の効率の比較を示す。図6A及び6Bは、既知のクラスSの高周波増幅器の入力及び出力信号、すなわちバンドパスデルタ-シグマ変調によって変調された入力信号(図6A)及び増幅器の出力信号のフィルタリングから生じる全体構成の出力信号(図6B)を示す。図示を単純化するために、スイッチング増幅器による増幅率が1であると仮定した。図6C及び6Dは、本発明の実施形態での対応する信号を示す。図6Cは、入力信号を示し、図6Dは、出力信号を示す。
図6A及び6Cでの2つの例の増幅器の入力信号を比較すると、本発明のコーディングユニットを用いた場合には、従来技術よりも明らかに、増幅器のスイッチング活動が、得られる出力信号のレベルに従っている。つまり、出力信号のレベルがより低い位相においては、スイッチング活動もより低くなっている。スイッチング動作により損失が発生するので、このことは、従来の変調タイプ(例:4倍のオーバーサンプリングを有するバンドパスシグマ-デルタ変調また通常のパルス幅変調)とは対照的に、エンコードされた信号の電力が減少すると共にスイッチング動作の数が減少することを意味する。損失電力も減少するので、これは、バックオフ(back-off)でのエネルギー変換効率について利点を提供する。
構成全体の出力信号を比較すると、本発明のさらなる利点がある。すなわち、本発明の場合、出力信号の振幅が従来例よりも80%以上大きい(制御振幅が同一であるにも関わらず、図6Dでは振幅が約1.3であるのに対して、図6Bの従来例では、約0.7になっている)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波電力増幅器用のコーディングユニット、このようなコーディングユニットを有する高周波電力増幅器、このような高周波電力増幅器を有する伝送ユニット及び高周波電力増幅器を動作させるためのコーディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、種々のコンセプト(クラスAB、クラスE、クラスF、ドハティ)に基づいて動作する高周波電力増幅器が用いられている。このような高周波電力増幅器は、例えば伝送ユニットのアンテナ出力段で利用可能である。高周波電力増幅器は、通常、システム(例:携帯電話基地局でのシステム)の電力消費の大きな割合を構成するので、エネルギー変換効率、つまり、出力電力と、高周波効率増幅器によって消費された全電力との間の比を最大にしなければならない。しかしながら、全てのタイプの増幅器では、エネルギー変換効率は、瞬間的な出力電力に依存し、一般に、出力電力の低下につれて低下する。
【0003】
本発明は、高周波電力増幅器が最大出力電力で動作する時間の割合は少なく、それよりも低い出力電力でのエネルギー変換効率が最大出力電力より低いという洞察に基づいてなされた。モバイル通信の分野で計画されたスペクトル効率的な変調方法では、最大から中くらいの出力電力の割合が増加し続けるので、低電力でエネルギー変換効率を増大させることは、非常に興味深い問題である。
【0004】
従って、本発明の目的は、典型的な動作ケースにおいて、高周波電力増幅器がエネルギー的により好ましい動作を行う新たな機会を提供することである。
【0005】
さらに、本発明は、無線通信(例:モバイル通信又は無線LAN(WLAN))の分野での典型的な伝送信号が搬送周波数に比較して低帯域幅を有するという事実に基づいている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第一観点は、高周波電力増幅器の最大出力電力より低い出力電力でも、より良いエネルギー変換効率が達成されるように、有用信号をバイナリ信号へエンコードする高周波電力増幅器用のコーディングユニットを導入する。
【0007】
コーディングユニットは、極性変調ユニット、パルス幅変調ユニット及びマルチプライヤを有する。極性変調ユニットは、コーディングユニットの入力に接続された入力を有し、コーディングユニットの入力に加えられた入力信号をエンベロープ信号及びバイナリ位相信号として表すようにデザインされている。パルス幅変調ユニットは、極性変調ユニットのエンベロープ信号用第一出力に接続されており、エンベロープ信号をパルス幅変調エンベロープ信号へ変換し、それをマルチプライヤの第一入力へ出力するようにデザインされている。極性変調ユニットのバイナリ位相信号用第二出力は、マルチプライヤの第二入力に接続されている。マルチプライヤは、バイナリ位相信号及びパルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行い、それをコーディングユニットの出力へ出力するようにデザインされている。
【0008】
本発明は、最高のエネルギー変換効率がスイッチング増幅器(トランジスタがスイッチとして動作するクラスD及びクラスS増幅器のような増幅器)を用いて達成されるという知見に基づいている。この目的では、スイッチング増幅器が可能な限り最高のエッジスティープネス(highest possible edge steepness)を有するバイナリ信号によって制御されることが重要である。なぜなら、これにより、バイナリ状態間の遷移(この間に、トランジスタ内を電流が流れ、トランジスタのドレインとソース又はコレクタとエミッタの間に電圧が同時に印加される。)ができるだけ素早く起こるからである。本発明は、コーディングの結果として、バイナリ中間信号の論理結合を通じたスイッチング増幅器の動作のための純粋なバイナリ制御信号を提供することによって、この点を考慮する。
【0009】
ここで、本発明は、上記のスイッチング増幅器では、損失電力は、実質的に2つの効果によって決定されるという知見を含む。これら2つの効果は、第一に、スイッチされた量(この量は、増幅器トポロジー、電圧又は電流に従う)の振幅により、及び第二に、2つのステージ間の遷移の間のスイッチング動作によるものである。このように、損失電力の大きさは、一方では、バイナリ信号の振幅で決まり、他方では、単位時間当たりのスイッチング動作の数で決まる。
しかしながら、これは、上記意味でのエネルギー変換効率の最適化のための2つの最適化条件が存在すること意味する。一方では、バイナリ信号は、有用信号がフルスケールであるときに有用信号のできるだけ大きい振幅を含むべきことであり、他方では、スイッチング損失によるエネルギー変換効率の劣化を制限内にするために、有用信号の振幅の減少に伴って、単位時間当たりのスイッチング動作の数を減少させるべきことである。クラスS増幅器で通常採用されるバンドパスシグマ-デルタ変調では、条件は両方共は実現しない。有用信号の振幅とバイナリ信号の比は、最大で約0.8に到達するのみであり、単位時間当たりのスイッチング動作の数は、有用信号の振幅から実質的に独立している。
【0010】
対照的に、本発明は、極性変調ユニットを用いて有用信号をエンベロープ(振幅)及びバイナリ位相信号へ分割することによって条件を充足させる。振幅及び位相は、極座標としても表現される。本明細書中の「極性変調ユニット」という名称は、ここから来ている。
【0011】
位相信号は、理想的には、2つの可能なレベル(例:0及び1)のみを有し、ゼロ又は中心を通過する位置に基づいて入力信号から直接得られる。エンベロープ信号は、エンベロープを表し、従って、比較的低周波数の、通常は連続振幅信号である。エンベロープ信号を変換して、接続された高周波電力増幅器を制御するのに適した形状にするために、エンベロープ信号は、パルス幅変調ユニットを用いてバイナリ表現に変換される。しかしながら、ここでの用語"パルス幅変調"は、既知のパルス幅変調のみを表すのではなく、連続振幅信号をバイナリ表現へ変換可能な他の変調方法をも含むと理解すべきである。ここで、単純で強固な実装のために、クロック(clocked)パルス幅変調方法が好ましい。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、極性変調ユニットは、極性変調ユニットの入力と極性変調ユニットの第二の出力の間に接続されたコンパレータを有する。コンパレータは、入力値が所定の閾値よりも低いときにロー信号レベルを出力し、入力値が所定の閾値よりも高いときに、ハイ信号レベルを出力する特性を有する。ある信号特性を有するある実装では、互いに異なる複数の閾値も利用可能である(Schmittトリガ特性)。
【0013】
極性変調ユニットは、好ましくは、極性変調ユニットの入力と極性変調ユニットの第二の出力の間に接続されたエンベロープ検出器を備える。エンベロープ検出器は、例えば整流器及びローパスフィルターを含む。
【0014】
別の実施形態では、コーディングユニットは、信号プロセッサとして構成され且つベースバンド信号からエンベロープ信号及びバイナリ位相信号を生成するようにデザインされている極性変調ユニットを含む。これは、エンベロープ信号及びバイナリ位相信号も伝送信号(ベースバンド信号)から直接生成又は計算可能であることを意味する。これにより、例えば、搬送周波数への変調のための別のアナログ回路が必要ない。
【0015】
本発明の第二の観点は、本発明の前述の観点によるコーディングユニットと、コーディングユニットの出力に接続されたスイッチング増幅器と、スイッチング増幅器の出力に接続されたフィルターユニット、好ましくは、バンドパスフィルターを有する高周波電力増幅器を導入する。技術用語では、スイッチング増幅器を種々のタイプのもの(例:増幅器クラスE、Fなどのもの)と理解するが、広帯域バイナリ入力信号によって制御され、この信号の振幅が増幅されたものを、出力にあるオーム終端抵抗で再現するタイプのものが好ましい(このタイプは、例えば、クラスSである必要がある)。フィルターユニットは、好ましくは、バンドパスフィルターであるが、下流にある他の機能コンポーネントの伝達関数によって実現してもよい。
【0016】
本発明によれば、高周波電力増幅器は、コーディングユニットにおいてパルス幅変調エンベロープ信号及びバイナリ位相信号の組み合わせから生じたバイナリ化されたコントロール信号によって制御され、このような信号を広帯域で増幅する。それから、所望の電力信号が、クラスSスイッチング増幅器で既知の方法で、バンドパスフィルターリングによって出力信号から再構成される。
【0017】
本発明の第三の観点は、本発明の第二の観点による高周波電力増幅器と、高周波電力増幅器のフィルターユニットの出力に接続された伝送アンテナを有する伝送ユニットに関する。
【0018】
本発明の第四の観点は、高周波電力増幅器を動作させるためのコーディング方法を導入する。このコーディング方法は、少なくとも次の工程を備える。
【0019】
-有用信号をエンベロープ信号及び位相信号へ分割する。
【0020】
-位相信号をバイナリ信号としてデザインする。
【0021】
-エンベロープ信号をパルス幅変調する。
【0022】
-バイナリ位相信号とパルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行う。
【図面の簡単な説明】
【0023】
ここで、実施形態の図を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図1】図1は、本発明の第一実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明の第二実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明の第三実施形態による極性変調ユニットを示す。
【図4】図4は、本発明の第四実施形態による極性変調ユニットを示す。
【図5】図5A〜5Fは、本発明の動作モードを説明するための例示曲線を示す。
【図6】図6A〜6Dは、既知のクラスSの高周波電力増幅器と本発明の効率の比較を示す。
【図7】図7A〜7Fは、図5A〜5Fの例示曲線の拡大した詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の第一実施形態を示す。本発明によれば、コーディングユニット(100)は、入力信号を適切な表現へ変換して、スイッチング増幅器として構成された高周波電力増幅器の効率最適化制御を行うために提供される。コーディングユニット100は、電力増幅器200の入力に接続された出力を有する。電力増幅器200の出力は、次に、好ましくはバンドパス又はローパスフィルターとして構成されたフィルターユニット300に接続される。フィルターユニット300は、フィルタリングによって、スイッチング増幅器200の出力信号から所望の伝送信号(コーディングユニット100の入力信号の電力増幅されたコピー)を回復するという従来から既知のタスクを有する。
【0025】
図2は、本発明の第二実施形態を示す。全ての図において、同じ符号が同じ要素を示しており、既に説明した要素について新たな説明は行わない。
【0026】
第二実施形態のコーディングユニット100は、極性変調ユニット110、パルス幅変調ユニット120及びマルチプライヤ130を備える。極性変調ユニット110は、連続振幅及び連続時間入力信号をエンベロープ(振幅)及び位相信号へ分割するようにデザインされている。理想的には、位相信号は、中心電圧に対して対称に2つの可能な出力レベルのみを有し、従って、振幅が離散的であるが、時間が連続的であり、従って、本発明の範囲内で"バイナリ"と表現される。これは、2つの可能な出力レベル間の変化のエッジの時間位置に基づいて入力信号の位相情報を運ぶ。対照的に、エンベロープ信号は、入力信号の振幅又はレベルを表す。理想的な変調器特性においては、このようないわゆる極座標表現は、入力信号について正確に全ての情報を含む。従って、入力信号は、損失無しで又は少なくともほぼ損失無しで位相信号及びエンベロープ信号の乗算によって回復可能である。
【0027】
本発明によれば、連続振幅及び連続時間エンベロープ信号がパルス幅変調ユニット120に与えられ、古典的なパルス幅変調による公知の方法で離散的振幅表現へ変換される。
【0028】
マルチプライヤ130は、ANDゲートと同様に、その入力に加えられた2つのバイナリ入力信号を乗算する。つまり。エンベロープ入力が正レベル(論理1)を示すときに、位相信号入力の入力信号が出力に現れ、論理0がエンベロープ入力に適用されると、定数レベル(論理0又は1)が現れる。これは、スイッチング増幅器200の入力でのスイッチング動作の数、すなわちスイッチング動作によって引き起こされる損失電力がコーディングユニット100の入力信号の振幅の減少と共に減少することを保証する。
【0029】
図3は、本発明の第三実施形態による極性変調ユニットを示す。極性変調ユニット110は、入力信号からエンベロープを抽出して出力するようにデザインされているエンベロープ検出器111を含む。さらに、極性変調ユニット110は、入力信号をバイナリ位相信号へ変換して出力するようにデザインされているコンパレータ112を含む。中心ポテンシャルが定義されていない場合、コンパレータ112の閾値電圧は、好ましくは、入力信号の平均値に対応するように調整される。オーバードライブされた増幅器、フリップフロップ(ラッチ)又は類似の既知のスイッチング要素もコンパレータとして利用可能である。
【0030】
図4は、本発明の第四実施形態による極性変調ユニットを示す。図示の例では、エンベロープ検出器111は、整流器113及びローパスフィルター114の直列接続によって実現される。もちろん、従来から既知の他の要素でエンベロープ検出器を構成したものも本発明の範囲内で利用可能である。このように、伝達される生データ(例:ベースバンド信号)からバイナリ位相信号及びエンベロープ信号を直接得ることができる。これは、信号プロセッサを用いて実現可能であり、アナログ変調方法は必要でない。本発明のこのような実施形態では、極性変調ユニット110は、信号プロセッサ内で実現される。
【0031】
図5A〜5Fは、本発明の動作モードを説明するための例示曲線を示す。図7A〜7Fは、より良い図示のための、図5A〜5Fの例示曲線の拡大した詳細を示す。
【0032】
図5Aは、簡潔さのため、類似の周波数の2つの正弦波信号の合計からなる例示入力信号を示し、うなり信号が生成されている。このような入力信号が本発明の実施形態の入力に与えられたとする。
【0033】
極性変調ユニットによって生成された位相信号を、図5Bに示す。低及び高出力レベル間は、できるだけ急なエッジ傾斜で変化する。エッジの時間位置は、入力信号のゼロ交差の位置に対応する。
【0034】
図5Cは、極性変調ユニットによって抽出された入力信号のエンベロープを示す。目視で確認すると、第1サブダイアグラム(図5A)に示した入力信号は、エンベロープ信号と(符号付き)位相信号の乗算によって回復可能であることが分かる。エンベロープ信号は、振幅が連続的なままである。これをパルス幅変調すると、図5Dに示す結果になる。
【0035】
図5B及び5Dの信号は、互いに掛け合わされ(AND結合され)、その結果(図5E)が接続された高周波電力増幅器を制御するために用いられる。より詳しく見ると、図5Eの信号も連続時間位相信号のために連続時間特性であることは注目すべきである。図5Fは、最後に、図5Eの信号のバンドパスフィルタリングから生じる全体構成の出力信号を示す。図5Aの信号と比較すると、入力信号が完全に再構成可能であることが分かり、これは、もちろん本発明の目的に従った電力増幅であった。
【0036】
図6A〜6Dは。既知のクラスSの高周波電力増幅器と本発明の効率の比較を示す。図6A及び6Bは、既知のクラスSの高周波増幅器の入力及び出力信号、すなわちバンドパスデルタ-シグマ変調によって変調された入力信号(図6A)及び増幅器の出力信号のフィルタリングから生じる全体構成の出力信号(図6B)を示す。図示を単純化するために、スイッチング増幅器による増幅率が1であると仮定した。図6C及び6Dは、本発明の実施形態での対応する信号を示す。図6Cは、入力信号を示し、図6Dは、出力信号を示す。
図6A及び6Cでの2つの例の増幅器の入力信号を比較すると、本発明のコーディングユニットを用いた場合には、従来技術よりも明らかに、増幅器のスイッチング活動が、得られる出力信号のレベルに従っている。つまり、出力信号のレベルがより低い位相においては、スイッチング活動もより低くなっている。スイッチング動作により損失が発生するので、このことは、従来の変調タイプ(例:4倍のオーバーサンプリングを有するバンドパスシグマ-デルタ変調また通常のパルス幅変調)とは対照的に、エンコードされた信号の電力が減少すると共にスイッチング動作の数が減少することを意味する。損失電力も減少するので、これは、バックオフ(back-off)でのエネルギー変換効率について利点を提供する。
構成全体の出力信号を比較すると、本発明のさらなる利点がある。すなわち、本発明の場合、出力信号の振幅が従来例よりも80%以上大きい(制御振幅が同一であるにも関わらず、図6Dでは振幅が約1.3であるのに対して、図6Bの従来例では、約0.7になっている)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性変調ユニット(110)、パルス幅変調ユニット(120)及びマルチプライヤ(130)を有する高周波電力増幅器用コーディングユニット(100)であって、
前記極性変調ユニット(110)は、前記コーディングユニット(100)の入力に接続された入力を有し、前記コーディングユニット(100)の前記入力に加えられた入力信号をエンベロープ信号及びバイナリ位相信号として表すようにデザインされており、
前記パルス幅変調ユニット(120)は、前記極性変調ユニット(110)のエンベロープ信号用第一出力に接続され、前記エンベロープ信号をパルス幅変調エンベロープ信号へ変換し、それを前記マルチプライヤ(130)の第一入力へ出力するようにデザインされており、
前記極性変調ユニット(110)のバイナリ位相信号用第二出力は、前記マルチプライヤ(130)の第二入力に接続され、前記マルチプライヤ(130)は、前記バイナリ位相信号及び前記パルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行い、それを前記コーディングユニット(100)の出力に出力するようにデザインされている、コーディングユニット(100)。
【請求項2】
請求項1のコーディングユニット(100)であって、前記極性変調ユニット(110)は、前記極性変調ユニット(110)の入力と前記極性変調ユニット(110)の第二の出力の間に接続されたコンパレータ(112)を有する、コーディングユニット(100)。
【請求項3】
請求項1又は2のコーディングユニット(100)であって、前記極性変調ユニット(110)は、前記極性変調ユニット(110)の入力と前記極性変調ユニット(110)の第1出力の間に接続されたエンベロープ検出器(111)を備える、コーディングユニット(100)。
【請求項4】
請求項3のコーディングユニット(100)であって、前記エンベロープ検出器(111)は、整流器(113)及びローパスフィルター(114)を備える、コーディングユニット(100)。
【請求項5】
請求項1のコーディングユニット(100)であって、前記極性変調ユニット(110)は、信号プロセッサとして構成され、ベースバンド信号から前記エンベロープ信号及び前記バイナリ位相信号を生成するようにデザインされている、コーディングユニット(100)。
【請求項6】
請求項1〜5に記載のコーディングユニット(100)と、
前記コーディングユニット(100)の出力に接続されたスイッチング増幅器(200)と、
前記スイッチング増幅器(200)の出力に接続されたフィルターユニット(300)(好ましくは、バンドパスフィルター)を有する高周波電力増幅器。
【請求項7】
請求項6に記載の高周波電力増幅器と、
前記高周波電力増幅器のフィルターユニット(300)の出力に接続されている伝送アンテナを有する伝送ユニット。
【請求項8】
高周波電力増幅器を動作させるためのコーディング方法であって、
-有用信号をエンベロープ信号及び位相信号へ分割し、
-前記位相信号をバイナリ信号としてデザインし、
-前記エンベロープ信号をパルス幅変調し、
-前記バイナリ位相信号とパルス幅変調エンベロープ信号を論理AND結合する工程を備える、方法。
【請求項1】
極性変調ユニット(110)、パルス幅変調ユニット(120)及びマルチプライヤ(130)を有する高周波電力増幅器用コーディングユニット(100)であって、
前記極性変調ユニット(110)は、前記コーディングユニット(100)の入力に接続された入力を有し、前記コーディングユニット(100)の前記入力に加えられた入力信号をエンベロープ信号及びバイナリ位相信号として表すようにデザインされており、
前記パルス幅変調ユニット(120)は、前記極性変調ユニット(110)のエンベロープ信号用第一出力に接続され、前記エンベロープ信号をパルス幅変調エンベロープ信号へ変換し、それを前記マルチプライヤ(130)の第一入力へ出力するようにデザインされており、
前記極性変調ユニット(110)のバイナリ位相信号用第二出力は、前記マルチプライヤ(130)の第二入力に接続され、前記マルチプライヤ(130)は、前記バイナリ位相信号及び前記パルス幅変調エンベロープ信号の論理AND結合を行い、それを前記コーディングユニット(100)の出力に出力するようにデザインされている、コーディングユニット(100)。
【請求項2】
請求項1のコーディングユニット(100)であって、前記極性変調ユニット(110)は、前記極性変調ユニット(110)の入力と前記極性変調ユニット(110)の第二の出力の間に接続されたコンパレータ(112)を有する、コーディングユニット(100)。
【請求項3】
請求項1又は2のコーディングユニット(100)であって、前記極性変調ユニット(110)は、前記極性変調ユニット(110)の入力と前記極性変調ユニット(110)の第1出力の間に接続されたエンベロープ検出器(111)を備える、コーディングユニット(100)。
【請求項4】
請求項3のコーディングユニット(100)であって、前記エンベロープ検出器(111)は、整流器(113)及びローパスフィルター(114)を備える、コーディングユニット(100)。
【請求項5】
請求項1のコーディングユニット(100)であって、前記極性変調ユニット(110)は、信号プロセッサとして構成され、ベースバンド信号から前記エンベロープ信号及び前記バイナリ位相信号を生成するようにデザインされている、コーディングユニット(100)。
【請求項6】
請求項1〜5に記載のコーディングユニット(100)と、
前記コーディングユニット(100)の出力に接続されたスイッチング増幅器(200)と、
前記スイッチング増幅器(200)の出力に接続されたフィルターユニット(300)(好ましくは、バンドパスフィルター)を有する高周波電力増幅器。
【請求項7】
請求項6に記載の高周波電力増幅器と、
前記高周波電力増幅器のフィルターユニット(300)の出力に接続されている伝送アンテナを有する伝送ユニット。
【請求項8】
高周波電力増幅器を動作させるためのコーディング方法であって、
-有用信号をエンベロープ信号及び位相信号へ分割し、
-前記位相信号をバイナリ信号としてデザインし、
-前記エンベロープ信号をパルス幅変調し、
-前記バイナリ位相信号とパルス幅変調エンベロープ信号を論理AND結合する工程を備える、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【公開番号】特開2012−213155(P2012−213155A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71379(P2012−71379)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(502327850)
【氏名又は名称原語表記】Forschungsverbund Berlin e.V.
【住所又は居所原語表記】Rudower Chaussee17,D−12489 Berlin,Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(502327850)
【氏名又は名称原語表記】Forschungsverbund Berlin e.V.
【住所又は居所原語表記】Rudower Chaussee17,D−12489 Berlin,Germany
【Fターム(参考)】
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