高周波電磁波信号発生方法及び装置
【課題】気中放電によるGHz帯域電磁波信号を簡易にかつ再現性良く発生する方法及び装置を提供して、大がかりな実験装置がなくても簡易に気中放電がUHF法による絶縁診断に及ぼす影響、あるいはEMCに関する影響を調べることを可能にする。
【解決手段】一対の対向する上部及び下部電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつこの気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備える。この一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる。
【解決手段】一対の対向する上部及び下部電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつこの気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備える。この一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分放電に関係する電力・産業分野、高周波信号伝搬を取り扱う通信分野、静電気放電と関連する精密機器製造分野、或いはEMC関連分野などで用いることのできるVHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、送変電所等で使用されている電力機器は30年を超える高経年化が進んでおり、事故や故障が発生する前に機器の電気的異常を早期に発見することや異常状態を的確に判断することが望まれている。そのため、部分放電検出による絶縁診断が広く検討されている。そのなかで特に、部分放電により放射されるUHF帯の電磁波を検出するUHF法の適用が、広範囲の検出ができ且つ検出感度が高いことや即応性があること等の理由から鋭意検討されている(特許文献1参照)。この電磁波測定は、主としてUHF帯を対象としているため、一般にUHF法と呼ばれている。これまで主にガス絶縁開閉機器を対象としてUHF法の適用が検討されていたが、近年では、変圧器や電力ケーブルへの適用も報告され始めている。
【0003】
一方、これまで送変電所等で電磁波測定を行うと、1GHzを超える信号が発生することが経験されており、その発生源は気中絶縁部からの放電であることが推定されていたが、その確証はなく、また発生メカニズムも不明であった。このような1GHzを超える電磁波信号は、UHF法による機器内部の異常や故障による部分放電信号の検出に対しては、区別のしにくいノイズ源となり、部分放電検出や絶縁診断の精度の悪化を招くものである。そのため、この特性把握が必要である。また、簡易にこのような高周波気中放電を発生させることができれば、工場内で大がかりな実験装置がなくても実環境を模擬した部分放電試験や診断装置に及ぼす影響や装置の評価が行えることになる。このような高周波信号を簡易に発生する装置は、このような高周波気中放電に対するEMC(Electro Magnet Compatibility: 電磁両立性又は電磁適合性と言われ、電磁波を機器の外に出さない、外来電磁波に対しての耐力又は耐性)問題を調べる信号源としての利用もできる。
【0004】
このような高周波電磁波信号はEMCの問題として、あるいはその発生現象である静電気放電として精密機器製造分野や通信分野で検討が鋭意されている(特許文献2参照)。このような背景の元、空気中でGHzオーダの電磁波信号を簡易的にかつ再現性よく発生する手法と装置が必要とされている。
【特許文献1】特開2003−43094号公報
【特許文献2】特開2004−309153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、気中放電によるGHz帯域電磁波信号を簡易にかつ再現性良く発生する方法及び装置を提供して、大がかりな実験装置がなくても簡易に気中放電がUHF法による絶縁診断に及ぼす影響、あるいはEMCに関する影響を調べることを可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の高周波電磁波信号発生方法及び装置は、一対の対向する第1及び第2の電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつ、この気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備え、前記一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる。
【0007】
第1の電極の上に固体絶縁物を載置し、かつ、該固体絶縁物の上に前記フローティング金属部を載置して、前記気中絶縁部を該フローティング金属部と第2の電極の間の空気ギャップにより構成する。電圧分担用のコンデンサ或いは抵抗を用いて、第1及び第2の電極間に印加される電圧を分割して、この分割電圧を前記フローティング金属部に印加する。
【発明の効果】
【0008】
大型の電源を必要とせず、かつ大がかりな構成とすることなく簡易にGHz帯の気中放電による電磁波信号を発生できるため、実験や試験が容易に行えるようになる。気中放電によるEMC問題を簡易に検討できるようになる。
【0009】
また、フローティング金属部の電圧をコンデンサ(或いは抵抗)で任意に配分することで、GHz帯域の気中放電を簡易に再現性よく発生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第1の例を示す図である。図示のように、対抗配置した上部電極(棒電極)と下部電極(平板電極)の間において、下部電極の上に固体絶縁物を載置し、さらにその上にフローティング金属部を載置する。フローティング金属部は、例えば板状である。このように、一対の電極の間に、固体絶縁物と気中絶縁部を備え、この固体絶縁物と気中絶縁部の間に板状の金属物体を電気的に浮いた状態で支持する。上部電極は、棒状、柱状或いは筒状形状に構成し、また、その先端部に、一つあるいは複数の針や棒などの突起物を付けたり、あるいは表面に凹凸を付けることで、気中放電の発生が容易となる。下部電極は、平板状構成とする。上部及び下部電極やフローティング金属部の材料としては、ステンレス、アルミニウム、銅などを用いることができる。なお、フローティング金属部には、後述のように、所定の電圧を印加するが、本明細書において、フローティングとは、電圧を印加するか否かに関わらず、接地されずに、電気的に浮いた状態を示す用語として用いている。
【0011】
例えば5KVの商用電源電圧を、一対の電極間に印加し、かつ、この電圧を直列接続の2個の電圧分担用コンデンサC1,C2で分圧して、フローティング金属部に印加する(2〜4KVの印加により放電は開始する)。コンデンサ無しの状態で一対の電極間に電圧印加を行った場合にも放電の発生は可能であるが、電圧分担用のコンデンサを取り付けることで、気中部での絶縁破壊を発生させずに低い電圧で容易に放電を発生させることができるようになる。上部及び下部電極の間にあるフローティング金属部を境に、その上下に等価的にコンデンサが形成されることになるが、固体絶縁物は厚みが空気部より小さく且つ誘電率が高いためにその下側の等価コンデンサの容量は大きくなる。外部コンデンサC1,C2を取り付けない場合、電圧分担は上側の等価コンデンサが大きくなることになり、この状態で放電を起こすには、非常に大きな電圧を印加する必要があるが、放電は可能である。但し、その場合、固体絶縁物の外側を通る経路で気中部で絶縁破壊が発生する可能性も生じる。そこで、固体絶縁物を介したフローティング金属部の電圧分担を大きくするために、図示のコンデンサC1,C2を取り付けている。なお、このような電圧分担とするためには、C1の容量はC2と同等か小さくする必要があり、更にこれらC1とC2の容量は電極間の等価的コンデンサの容量よりも大きなことが必要である。電源には、商用周波数の交流以外にも、直流や高周波交流を用いることができる。但し、直流の場合は、図示のコンデンサC1,C2に代えて、電圧分担用抵抗を用いることになる。
【0012】
フローティング金属部からの放電には、上部の気中絶縁部で発生する気中放電と、下部の固体絶縁物と接触する部位での沿面放電の両方の放電発生がある。実際に発生する放電を模擬するためには、必要に応じて、両方の放電をそれぞれ或いは同時に発生できることが望ましい。このため、フローティング部の構成は、金属片を固体絶縁物に固定したり、あるいは自由に動けるように構成して、気中放電又は沿面放電或いはその両方を発生させる。
【0013】
放電には、極性効果による相違、具体的には正放電と負放電の相違がある。突起があるとその部位の電界は上がるが、突起に正の電圧が印加されていると電子は電界が強い方向へ加速されることになる(正極性の放電なので正放電)。一方、突起が負電圧であれば、電子は電界の弱い方向へ(突起から遠ざかる方向へ)移動することになる(負放電)。このように、電子の進む方向と電界が強くなる方向の関係で、放電の様子が変わることになる。フローティング部に近い下部電極(平板電極)を接地する、あるいは逆にして電源と接続する(即ち、図示の上部電極を接地する)ことで、放電形態を変化させることができる。
【0014】
図1に示す固体絶縁物は、プレスボードなどの絶縁紙やPETフィルム、ポリイミドフィルムなどの絶縁フィルム、あるいはエポキシやアクリルあるいはガラスなどの無機および有機固体絶縁物を使用する。また、これら固体絶縁物は、新品だけではなく、電気的絶縁劣化を受けたものを使用しても良い。固体絶縁物は、フローティング金属部を支持するだけでなく、絶縁破壊防止のために用いるものである。固体絶縁物がないと容易に破壊が起こり、信号発生源として使用できない。また、実際の絶縁構成もこのように固体絶縁物で金属部位を絶縁することが行われているので、固体絶縁物部位から発生する放電を模擬することが可能になる。
【0015】
上述したように、上部電極は、突起や表面粗さを大きくして、そこから放電を起こすことができるが、あるいは、ここから放電を発生させたくない場合は、図2に示すように、上部電極と同電位の金属性の電界緩和用の金属シールド(緩和リング)を上部電極の周囲に取り付けても良い。図中の金属シールドは、上部電極の先端側を周囲から取り囲むようにドーナツ型に配置されている。上部電極は、電極表面を平滑にしたり緩和リングを取り付けることで気中部での放電を抑制することができる。実放電を模擬可能にするためには、必要に応じて種々の形態の放電を発生できることが望ましい。
【0016】
実際の放電原因(固体絶縁物の劣化や欠陥、針や突起状電極など)に対応して、各種状態を模擬できる放電を発生させる必要がある。基本的放電は、フローティング金属部からの放電であるが、上部電極からの気中放電を発生させたり、或いは逆に抑制できることが望ましい。図示のような金属シールドを設けることにより、フローティング金属部や固体絶縁物部位からの放電のみを発生させることができる。
【0017】
上部及び下部電極の支持は、例えば、それぞれアクリル板などの固体絶縁物で固定し、そのアクリル板を対向させて、その四隅を棒状の支持物で固定すること(図示省略)で気中絶縁部ギャップを維持することができる。
【0018】
図3は、図1に示す高周波電磁波信号発生装置に電圧を印加したときに発生する放射電磁波スペクトル(周波数毎の信号強度)を示すグラフである。図3及び後述の全てのグラフにおいて、実線はバックグラウンドノイズ(BGN)を示し、かつ、点線はホーンアンテナで測定した周波数スペクトルの測定結果(PD:Partial Discharge)を示している。700MHz以下の領域はアンテナの感度外であるために信号強度は低くなっている。
【0019】
測定条件は、以下の通りである。フローティング金属部:直径50mm、高さ6mmの金属、固体絶縁物:厚み0.1mmのPETフィルム、上部電極:直径数センチの棒電極、下部電極:直径100mm、高さ21mmの平板電極、棒電極とフローティング金属部の間の空気ギャップ:55mm、として測定した。コンデンサの容量C1は、気中絶縁部の容量よりも十分大きなことが必要であり、C1>=C2が望ましい。この測定には、電圧分担用コンデンサC1,C2として、それぞれ500pF、を用いた。電圧分担用のコンデンサ2つを電極と並列に接続することにより、気中絶縁部に電圧が集中することを防いで、放電の発生が容易となる。数kVの60Hz商用周波数の高電圧印加で、1GHzを超える周波数成分、即ち、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする10GHz程度までの高周波電磁波信号を含む気中放電が発生した(図3においては、測定装置の限界のため6GHz程度までしか計測していないが、10GHz程度まで発生していると思われる)。なお、周知のように、SHF(super high frequency)帯の帯域は3GHz−30GHzであり、VHF(very high frequency)帯の帯域は30MHz−300MHzであり、UHF(ultra high frequency)帯の帯域は300MHz-3GHzである。
【0020】
フローティング部の固体絶縁物には、金属片の直下に穴や傷を付けたり、あるいは電気絶縁的に劣化したものを用いるなどして、その部位で放電を発生させることができる。図4は、本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第2の例を示す図である。フローティング金属部下部の領域の固体絶縁物に穴を開けたものである。厚み0.6mmのPETフィルムに、穴を開けて測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフを図5に示している。穴のサイズは、数mmから数cm径のフローティング金属部よりも小さくして、穴に落ちない程度であれば良い。固体絶縁物に穴を開けることに代えて、フローティング金属部下部の領域の固体絶縁物に傷を付けることによっても、同様に1GHzを超える周波数成分を含む気中放電を発生させることが可能となる。固体絶縁物に傷を付けたときの放射電磁波スペクトルを示すグラフを図6に示している。
【0021】
図7は、本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第3の例を示す図である。図4に示す穴あき固体絶縁物の穴の中に金属異物を入れてフリー異物(自由に移動可能の異物)としても、同様に1GHzを超える周波数成分を含む気中放電を発生させることができる。厚み10mm、直径150mmのアクリルの固体絶縁物の穴の中に、金属異物(6mm×2本、5mm×1本の計3本:直径0.15mm)を入れた状態で測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフを図8に示している。金属異物を入れた場合は、放電頻度が上がる効果が見られた。このようなフリー異物が機器に存在して電気事故の原因となる場合があるために、このような状態も模擬可能にするための構成を例示している。但し、フリー異物は、平板電極とフローティング金属部を短絡する程に長くすることはできない。
[比較例1]
図9は、比較例1を説明する図である。固体絶縁物として、2mm厚のプレスボードを使用し、かつ、上部電極と固体絶縁物間に20mmの空気ギャップを取った。図1の構成と対比すれば、フローティング金属部及びそれに電圧を印加するための電圧分担用コンデンサを有していない。この電極系では、GHzオーダの放電は確認できなかった。
[比較例2]
図10は、比較例2を説明する図である。図1の構成と対比すれば、フローティング金属部及びそれに電圧を印加するための電圧分担用コンデンサを有していないことに加えて、上部電極と固体絶縁物の間に空気ギャップが存在しない。このように、上部電極として棒電極を、かつ下部電極として平板電極を用いて、両電極間に固体絶縁物を挟み、電圧を加して放電を発生させると、図11のように1GHz程度までの気中放電しか発生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第1の例を示す図である。
【図2】金属性の電界緩和用の金属シールドの取り付けを説明する図である。
【図3】図1に示す高周波電磁波信号発生装置に電圧を印加したときに発生する放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図4】本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第2の例を示す図である。
【図5】固体絶縁物に穴を開けて測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図6】固体絶縁物に傷を付けたときの放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図7】本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第3の例を示す図である。
【図8】固体絶縁物の穴の中に、金属異物を入れた状態で測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図9】比較例1を説明する図である。
【図10】比較例2を説明する図である。
【図11】比較例2に示す構成により測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分放電に関係する電力・産業分野、高周波信号伝搬を取り扱う通信分野、静電気放電と関連する精密機器製造分野、或いはEMC関連分野などで用いることのできるVHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、送変電所等で使用されている電力機器は30年を超える高経年化が進んでおり、事故や故障が発生する前に機器の電気的異常を早期に発見することや異常状態を的確に判断することが望まれている。そのため、部分放電検出による絶縁診断が広く検討されている。そのなかで特に、部分放電により放射されるUHF帯の電磁波を検出するUHF法の適用が、広範囲の検出ができ且つ検出感度が高いことや即応性があること等の理由から鋭意検討されている(特許文献1参照)。この電磁波測定は、主としてUHF帯を対象としているため、一般にUHF法と呼ばれている。これまで主にガス絶縁開閉機器を対象としてUHF法の適用が検討されていたが、近年では、変圧器や電力ケーブルへの適用も報告され始めている。
【0003】
一方、これまで送変電所等で電磁波測定を行うと、1GHzを超える信号が発生することが経験されており、その発生源は気中絶縁部からの放電であることが推定されていたが、その確証はなく、また発生メカニズムも不明であった。このような1GHzを超える電磁波信号は、UHF法による機器内部の異常や故障による部分放電信号の検出に対しては、区別のしにくいノイズ源となり、部分放電検出や絶縁診断の精度の悪化を招くものである。そのため、この特性把握が必要である。また、簡易にこのような高周波気中放電を発生させることができれば、工場内で大がかりな実験装置がなくても実環境を模擬した部分放電試験や診断装置に及ぼす影響や装置の評価が行えることになる。このような高周波信号を簡易に発生する装置は、このような高周波気中放電に対するEMC(Electro Magnet Compatibility: 電磁両立性又は電磁適合性と言われ、電磁波を機器の外に出さない、外来電磁波に対しての耐力又は耐性)問題を調べる信号源としての利用もできる。
【0004】
このような高周波電磁波信号はEMCの問題として、あるいはその発生現象である静電気放電として精密機器製造分野や通信分野で検討が鋭意されている(特許文献2参照)。このような背景の元、空気中でGHzオーダの電磁波信号を簡易的にかつ再現性よく発生する手法と装置が必要とされている。
【特許文献1】特開2003−43094号公報
【特許文献2】特開2004−309153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、気中放電によるGHz帯域電磁波信号を簡易にかつ再現性良く発生する方法及び装置を提供して、大がかりな実験装置がなくても簡易に気中放電がUHF法による絶縁診断に及ぼす影響、あるいはEMCに関する影響を調べることを可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の高周波電磁波信号発生方法及び装置は、一対の対向する第1及び第2の電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつ、この気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備え、前記一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる。
【0007】
第1の電極の上に固体絶縁物を載置し、かつ、該固体絶縁物の上に前記フローティング金属部を載置して、前記気中絶縁部を該フローティング金属部と第2の電極の間の空気ギャップにより構成する。電圧分担用のコンデンサ或いは抵抗を用いて、第1及び第2の電極間に印加される電圧を分割して、この分割電圧を前記フローティング金属部に印加する。
【発明の効果】
【0008】
大型の電源を必要とせず、かつ大がかりな構成とすることなく簡易にGHz帯の気中放電による電磁波信号を発生できるため、実験や試験が容易に行えるようになる。気中放電によるEMC問題を簡易に検討できるようになる。
【0009】
また、フローティング金属部の電圧をコンデンサ(或いは抵抗)で任意に配分することで、GHz帯域の気中放電を簡易に再現性よく発生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第1の例を示す図である。図示のように、対抗配置した上部電極(棒電極)と下部電極(平板電極)の間において、下部電極の上に固体絶縁物を載置し、さらにその上にフローティング金属部を載置する。フローティング金属部は、例えば板状である。このように、一対の電極の間に、固体絶縁物と気中絶縁部を備え、この固体絶縁物と気中絶縁部の間に板状の金属物体を電気的に浮いた状態で支持する。上部電極は、棒状、柱状或いは筒状形状に構成し、また、その先端部に、一つあるいは複数の針や棒などの突起物を付けたり、あるいは表面に凹凸を付けることで、気中放電の発生が容易となる。下部電極は、平板状構成とする。上部及び下部電極やフローティング金属部の材料としては、ステンレス、アルミニウム、銅などを用いることができる。なお、フローティング金属部には、後述のように、所定の電圧を印加するが、本明細書において、フローティングとは、電圧を印加するか否かに関わらず、接地されずに、電気的に浮いた状態を示す用語として用いている。
【0011】
例えば5KVの商用電源電圧を、一対の電極間に印加し、かつ、この電圧を直列接続の2個の電圧分担用コンデンサC1,C2で分圧して、フローティング金属部に印加する(2〜4KVの印加により放電は開始する)。コンデンサ無しの状態で一対の電極間に電圧印加を行った場合にも放電の発生は可能であるが、電圧分担用のコンデンサを取り付けることで、気中部での絶縁破壊を発生させずに低い電圧で容易に放電を発生させることができるようになる。上部及び下部電極の間にあるフローティング金属部を境に、その上下に等価的にコンデンサが形成されることになるが、固体絶縁物は厚みが空気部より小さく且つ誘電率が高いためにその下側の等価コンデンサの容量は大きくなる。外部コンデンサC1,C2を取り付けない場合、電圧分担は上側の等価コンデンサが大きくなることになり、この状態で放電を起こすには、非常に大きな電圧を印加する必要があるが、放電は可能である。但し、その場合、固体絶縁物の外側を通る経路で気中部で絶縁破壊が発生する可能性も生じる。そこで、固体絶縁物を介したフローティング金属部の電圧分担を大きくするために、図示のコンデンサC1,C2を取り付けている。なお、このような電圧分担とするためには、C1の容量はC2と同等か小さくする必要があり、更にこれらC1とC2の容量は電極間の等価的コンデンサの容量よりも大きなことが必要である。電源には、商用周波数の交流以外にも、直流や高周波交流を用いることができる。但し、直流の場合は、図示のコンデンサC1,C2に代えて、電圧分担用抵抗を用いることになる。
【0012】
フローティング金属部からの放電には、上部の気中絶縁部で発生する気中放電と、下部の固体絶縁物と接触する部位での沿面放電の両方の放電発生がある。実際に発生する放電を模擬するためには、必要に応じて、両方の放電をそれぞれ或いは同時に発生できることが望ましい。このため、フローティング部の構成は、金属片を固体絶縁物に固定したり、あるいは自由に動けるように構成して、気中放電又は沿面放電或いはその両方を発生させる。
【0013】
放電には、極性効果による相違、具体的には正放電と負放電の相違がある。突起があるとその部位の電界は上がるが、突起に正の電圧が印加されていると電子は電界が強い方向へ加速されることになる(正極性の放電なので正放電)。一方、突起が負電圧であれば、電子は電界の弱い方向へ(突起から遠ざかる方向へ)移動することになる(負放電)。このように、電子の進む方向と電界が強くなる方向の関係で、放電の様子が変わることになる。フローティング部に近い下部電極(平板電極)を接地する、あるいは逆にして電源と接続する(即ち、図示の上部電極を接地する)ことで、放電形態を変化させることができる。
【0014】
図1に示す固体絶縁物は、プレスボードなどの絶縁紙やPETフィルム、ポリイミドフィルムなどの絶縁フィルム、あるいはエポキシやアクリルあるいはガラスなどの無機および有機固体絶縁物を使用する。また、これら固体絶縁物は、新品だけではなく、電気的絶縁劣化を受けたものを使用しても良い。固体絶縁物は、フローティング金属部を支持するだけでなく、絶縁破壊防止のために用いるものである。固体絶縁物がないと容易に破壊が起こり、信号発生源として使用できない。また、実際の絶縁構成もこのように固体絶縁物で金属部位を絶縁することが行われているので、固体絶縁物部位から発生する放電を模擬することが可能になる。
【0015】
上述したように、上部電極は、突起や表面粗さを大きくして、そこから放電を起こすことができるが、あるいは、ここから放電を発生させたくない場合は、図2に示すように、上部電極と同電位の金属性の電界緩和用の金属シールド(緩和リング)を上部電極の周囲に取り付けても良い。図中の金属シールドは、上部電極の先端側を周囲から取り囲むようにドーナツ型に配置されている。上部電極は、電極表面を平滑にしたり緩和リングを取り付けることで気中部での放電を抑制することができる。実放電を模擬可能にするためには、必要に応じて種々の形態の放電を発生できることが望ましい。
【0016】
実際の放電原因(固体絶縁物の劣化や欠陥、針や突起状電極など)に対応して、各種状態を模擬できる放電を発生させる必要がある。基本的放電は、フローティング金属部からの放電であるが、上部電極からの気中放電を発生させたり、或いは逆に抑制できることが望ましい。図示のような金属シールドを設けることにより、フローティング金属部や固体絶縁物部位からの放電のみを発生させることができる。
【0017】
上部及び下部電極の支持は、例えば、それぞれアクリル板などの固体絶縁物で固定し、そのアクリル板を対向させて、その四隅を棒状の支持物で固定すること(図示省略)で気中絶縁部ギャップを維持することができる。
【0018】
図3は、図1に示す高周波電磁波信号発生装置に電圧を印加したときに発生する放射電磁波スペクトル(周波数毎の信号強度)を示すグラフである。図3及び後述の全てのグラフにおいて、実線はバックグラウンドノイズ(BGN)を示し、かつ、点線はホーンアンテナで測定した周波数スペクトルの測定結果(PD:Partial Discharge)を示している。700MHz以下の領域はアンテナの感度外であるために信号強度は低くなっている。
【0019】
測定条件は、以下の通りである。フローティング金属部:直径50mm、高さ6mmの金属、固体絶縁物:厚み0.1mmのPETフィルム、上部電極:直径数センチの棒電極、下部電極:直径100mm、高さ21mmの平板電極、棒電極とフローティング金属部の間の空気ギャップ:55mm、として測定した。コンデンサの容量C1は、気中絶縁部の容量よりも十分大きなことが必要であり、C1>=C2が望ましい。この測定には、電圧分担用コンデンサC1,C2として、それぞれ500pF、を用いた。電圧分担用のコンデンサ2つを電極と並列に接続することにより、気中絶縁部に電圧が集中することを防いで、放電の発生が容易となる。数kVの60Hz商用周波数の高電圧印加で、1GHzを超える周波数成分、即ち、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする10GHz程度までの高周波電磁波信号を含む気中放電が発生した(図3においては、測定装置の限界のため6GHz程度までしか計測していないが、10GHz程度まで発生していると思われる)。なお、周知のように、SHF(super high frequency)帯の帯域は3GHz−30GHzであり、VHF(very high frequency)帯の帯域は30MHz−300MHzであり、UHF(ultra high frequency)帯の帯域は300MHz-3GHzである。
【0020】
フローティング部の固体絶縁物には、金属片の直下に穴や傷を付けたり、あるいは電気絶縁的に劣化したものを用いるなどして、その部位で放電を発生させることができる。図4は、本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第2の例を示す図である。フローティング金属部下部の領域の固体絶縁物に穴を開けたものである。厚み0.6mmのPETフィルムに、穴を開けて測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフを図5に示している。穴のサイズは、数mmから数cm径のフローティング金属部よりも小さくして、穴に落ちない程度であれば良い。固体絶縁物に穴を開けることに代えて、フローティング金属部下部の領域の固体絶縁物に傷を付けることによっても、同様に1GHzを超える周波数成分を含む気中放電を発生させることが可能となる。固体絶縁物に傷を付けたときの放射電磁波スペクトルを示すグラフを図6に示している。
【0021】
図7は、本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第3の例を示す図である。図4に示す穴あき固体絶縁物の穴の中に金属異物を入れてフリー異物(自由に移動可能の異物)としても、同様に1GHzを超える周波数成分を含む気中放電を発生させることができる。厚み10mm、直径150mmのアクリルの固体絶縁物の穴の中に、金属異物(6mm×2本、5mm×1本の計3本:直径0.15mm)を入れた状態で測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフを図8に示している。金属異物を入れた場合は、放電頻度が上がる効果が見られた。このようなフリー異物が機器に存在して電気事故の原因となる場合があるために、このような状態も模擬可能にするための構成を例示している。但し、フリー異物は、平板電極とフローティング金属部を短絡する程に長くすることはできない。
[比較例1]
図9は、比較例1を説明する図である。固体絶縁物として、2mm厚のプレスボードを使用し、かつ、上部電極と固体絶縁物間に20mmの空気ギャップを取った。図1の構成と対比すれば、フローティング金属部及びそれに電圧を印加するための電圧分担用コンデンサを有していない。この電極系では、GHzオーダの放電は確認できなかった。
[比較例2]
図10は、比較例2を説明する図である。図1の構成と対比すれば、フローティング金属部及びそれに電圧を印加するための電圧分担用コンデンサを有していないことに加えて、上部電極と固体絶縁物の間に空気ギャップが存在しない。このように、上部電極として棒電極を、かつ下部電極として平板電極を用いて、両電極間に固体絶縁物を挟み、電圧を加して放電を発生させると、図11のように1GHz程度までの気中放電しか発生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第1の例を示す図である。
【図2】金属性の電界緩和用の金属シールドの取り付けを説明する図である。
【図3】図1に示す高周波電磁波信号発生装置に電圧を印加したときに発生する放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図4】本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第2の例を示す図である。
【図5】固体絶縁物に穴を開けて測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図6】固体絶縁物に傷を付けたときの放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図7】本発明を具体化する高周波電磁波信号発生装置の第3の例を示す図である。
【図8】固体絶縁物の穴の中に、金属異物を入れた状態で測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【図9】比較例1を説明する図である。
【図10】比較例2を説明する図である。
【図11】比較例2に示す構成により測定した放射電磁波スペクトルを示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の対向する第1及び第2の電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつ、この気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備えて、前記一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる高周波電磁波信号発生方法。
【請求項2】
第1の電極の上に固体絶縁物を載置し、かつ、該固体絶縁物の上に前記フローティング金属部を載置して、前記気中絶縁部を該フローティング金属部と第2の電極の間の空気ギャップにより構成した請求項1に記載の高周波電磁波信号発生方法。
【請求項3】
電圧分担用のコンデンサ或いは抵抗を用いて、第1及び第2の電極間に印加される電圧を分割して、この分割電圧を前記フローティング金属部に印加する請求項2に記載の高周波電磁波信号発生方法。
【請求項4】
一対の対向する第1及び第2の電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつ、この気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備えて、前記一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる高周波電磁波信号発生装置。
【請求項5】
第1の電極の上に固体絶縁物を載置し、かつ、該固体絶縁物の上に前記フローティング金属部を載置して、前記気中絶縁部を該フローティング金属部と第2の電極の間の空気ギャップにより構成した請求項4に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項6】
電圧分担用のコンデンサ或いは抵抗を用いて、第1及び第2の電極間に印加される電圧を分割して、この分割電圧を前記フローティング金属部に印加する請求項5に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項7】
前記フローティング金属部は、前記固体絶縁物に固定するか、あるいは自由に動けるように構成した請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項8】
第1及び第2の電極のいずれか一方を接地し、かつ他方に電源電圧を印加する請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項9】
前記固体絶縁物には、前記フローティング金属部の直下に穴を開けたり、傷を付け、又は電気絶縁的に劣化したものを用い、或いはこの直下の穴の中に金属異物を入れた請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項10】
第1の電極は、平板状構成にし、かつ、第2の電極は、棒状、柱状或いは筒状形状に構成した請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項11】
第2の電極の先端部に、一つあるいは複数の針や棒を含む突起物を付けたり、あるいは表面に凹凸を付けた請求項10に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項12】
第2の電極は、電極表面を平滑にし、或いは緩和リングを取り付けた請求項10に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項1】
一対の対向する第1及び第2の電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつ、この気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備えて、前記一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる高周波電磁波信号発生方法。
【請求項2】
第1の電極の上に固体絶縁物を載置し、かつ、該固体絶縁物の上に前記フローティング金属部を載置して、前記気中絶縁部を該フローティング金属部と第2の電極の間の空気ギャップにより構成した請求項1に記載の高周波電磁波信号発生方法。
【請求項3】
電圧分担用のコンデンサ或いは抵抗を用いて、第1及び第2の電極間に印加される電圧を分割して、この分割電圧を前記フローティング金属部に印加する請求項2に記載の高周波電磁波信号発生方法。
【請求項4】
一対の対向する第1及び第2の電極の間に気中絶縁部と固体絶縁物を備え、かつ、この気中絶縁部と固体絶縁物の間にフローティング金属部を備えて、前記一対の電極間に電源電圧を印加して、VHF帯からSHF帯までの主にUHF帯域を中心とする高周波電磁波信号を発生させる高周波電磁波信号発生装置。
【請求項5】
第1の電極の上に固体絶縁物を載置し、かつ、該固体絶縁物の上に前記フローティング金属部を載置して、前記気中絶縁部を該フローティング金属部と第2の電極の間の空気ギャップにより構成した請求項4に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項6】
電圧分担用のコンデンサ或いは抵抗を用いて、第1及び第2の電極間に印加される電圧を分割して、この分割電圧を前記フローティング金属部に印加する請求項5に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項7】
前記フローティング金属部は、前記固体絶縁物に固定するか、あるいは自由に動けるように構成した請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項8】
第1及び第2の電極のいずれか一方を接地し、かつ他方に電源電圧を印加する請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項9】
前記固体絶縁物には、前記フローティング金属部の直下に穴を開けたり、傷を付け、又は電気絶縁的に劣化したものを用い、或いはこの直下の穴の中に金属異物を入れた請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項10】
第1の電極は、平板状構成にし、かつ、第2の電極は、棒状、柱状或いは筒状形状に構成した請求項6に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項11】
第2の電極の先端部に、一つあるいは複数の針や棒を含む突起物を付けたり、あるいは表面に凹凸を付けた請求項10に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【請求項12】
第2の電極は、電極表面を平滑にし、或いは緩和リングを取り付けた請求項10に記載の高周波電磁波信号発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−174914(P2009−174914A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11700(P2008−11700)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(504174135)国立大学法人九州工業大学 (489)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(504174135)国立大学法人九州工業大学 (489)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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