高品質の内側フィーチャおよび輪郭を切断するための方法および装置
プラズマアークトーチシステムを使用して複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法を、コンピュータ数値制御装置で実現することができる。自動化された方法は、a)穴フィーチャの直径に基づいたリードインコマンド速度を使用して穴フィーチャに関するリードイン(110)を切断するステップと、b)穴フィーチャに関する対応するリードインコマンド速度より速い周縁コマンド速度を使用して穴フィーチャに関する周縁(160)を切断するステップを含むことができる。自動化された方法は、同じ直径または異なる直径を有する追加の穴フィーチャごとに、ステップa)およびステップb)を繰り返すステップc)も含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に、プラズマアーク切断トーチシステムに関する。より詳細には、本発明は、プラズマトーチチップ構成を使用して加工物における内側フィーチャ(feature)および輪郭を切断する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]プラズマ切断は、ガス流れをプラズマ状態に加熱するために絞られた電気アークを使用する。高温のプラズマ流れからのエネルギーが、加工物を局所的に溶融する。多くの切断プロセスに対して、補助的なガス流れ(シールドガス流れ、またはシールド流れとしても知られる)が使用されて、トーチを保護し、切断プロセスを補助する。高温のプラズマ流れおよびシールド流れの運動量は、溶融材料を除去するのを補助し、加工物内に切断カーフ(カーフ)として知られるチャネルを残す。
【0003】
[0003]プラズマトーチと加工物の間の相対運動により、プロセスが加工物を効果的に切断するのに使用できるようになる。シールドガスは、プラズマガスおよび加工物の表面と相互作用し、切断プロセスにおいて重要な役割を果たす。ノズルオリフィスの下流側では、プラズマおよびシールドガス流れが接触し、熱伝達および物質移動を可能にする。
【0004】
[0004]図1は、既知の自動化されたプラズマトーチシステムの図である。自動化されたトーチシステム10は、切断テーブル22およびトーチ24を含むことができる。自動化されたシステムで使用することができるトーチの1つの例として、ニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造されたHPR260オートガスシステムがある。トーチ高さ制御装置18は、ガントリ26に装着することができる。自動化されたシステム10は、駆動システム20も含むことができる。トーチは、電源14によって電力供給される。プラズマアークトーチシステムは、ガス組成(たとえばシールドガスおよびプラズマガスに関するガス種(gas type))、およびプラズマアークトーチに関するガス流量を調整/構成するために使用することができるガスコンソール16も含むことができる。自動化されたトーチシステム10は、ニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造されたたとえばHypertherm Automation Voyagerなどのコンピュータ数値制御装置12(CNC)も含むことができる。CNC12は、動作パラメータを決定するためにCNC12が使用する情報を入力または読み取るためにトーチのオペレータによって使用されるディスプレイスクリーン13を含むことができる。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、切断速度、トーチ高さ、ならびにプラズマガス組成およびシールドガス組成を含むことができる。ディスプレイスクリーン13は、動作パラメータを手動で入力するためにオペレータが使用することもできる。トーチ24は、トーチ本体(図示されない)およびトーチ本体の前端部に装着されたトーチ消耗部品(consumable)も含むことができる。CNC12の構成のさらなる議論は、Hypertherm社に譲渡された米国特許出願公開第2006/0108333号に見出すことができ、その開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
[0005]図2は、消耗部品およびガス流れを含む既知のプラズマアークトーチチップ構成の断面図である。電極27、ノズル28、およびシールド29は、プラズマガス30が電極の外側とノズルの内側表面との間を流れるように共に重ね合わされている。プラズマチャンバ32は、電極27とノズル28の間に画成される。プラズマアーク31は、プラズマチャンバ32内に形成される。プラズマアーク31は、加工物37を切断するためにノズルの前端部のプラズマノズルオリフィス33を通ってトーチチップを出る。シールドガス34は、ノズルの外側表面とシールドの内側表面との間を流れる。シールドガス34は、シールドの前端部のシールド出口オリフィス35を通ってトーチチップを出て行き、プラズマアークを囲むように構成することができる。いくつかの例では、シールドガスは、同様にシールド29内に配置されたブリード穴36を通ってトーチチップを出て行く。シールドガス流れの一部分は、プラズマガスと共にカットカーフに入ることができ、切断アークと加工物表面37の間に境界層を形成する。この境界層の組成は、アークから加工物表面への熱伝達、および加工物表面に生じる化学反応に影響する。プラズマトーチ消耗部品の1つの例として、80アンペアの電流で軟鋼を切断するためのHPR130システム用のニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造された消耗部品がある。ノズル28は、本出願の譲渡人によって所有され、その開示が、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる、Couchらに発行された「Nozzle And Method Of Operation For A Plasma Arc Torch」という名称の米国特許第5,317,126号に記載されるような換気されたノズル(たとえば内側ノズルおよび外側ノズル、ならびに内側ノズル片と外側ノズル片の間に形成され、バイパス流れを大気に送るバイパスチャネルを備える)であることができる。
【0006】
[0006]既知の方法を使用してプラズマアークトーチによって切断された内側フィーチャ(たとえば、穴フィーチャ、実質的に円形の穴、スロットなど)が、たとえば突起、ディボット(divot)(くぼみ)、「傾斜」または「テーパ」などの欠陥を生じる可能性がある。傾斜またはテーパは、加工物の底面でのフィーチャの大きさが、プレートの上面でのフィーチャの大きさより小さいことである。たとえば、加工物の上部にある内側フィーチャ(たとえば穴/穴フィーチャなど)の直径は、内側フィーチャを通過するボルトの大きさに適合するように切断する必要がある。穴フィーチャが、突起、ディボット、傾斜、またはテーパなどの欠陥を有する場合、穴フィーチャの欠陥により、穴フィーチャ直径が加工物の上部から加工物の底部にかけて変わるおそれがある。そのような欠陥は、ボルトが加工物の底部を通過するのを妨げる可能性がある。リーマ加工またはドリル加工などの補助的なプロセスが、加工物の底部でボルト穴フィーチャの直径を拡大するために求められる。穴切断の質を確実にするこの従来の方法は、時間を浪費する可能性があり、単一の加工物で穴および輪郭を切断するより効率的な方法が必要であることを示唆する。
【0007】
[0007]多くのガス混合物が、プラズマ切断プロセスでのプラズマガスおよびシールドガスの両方に使用することができる。たとえば、軟鋼を加工するために、プラズマガスとして酸素が使用され、シールドガスとして空気が用いられる。いくつかの低電流加工(たとえば65A未満)は、薄い材料(たとえば10ゲージ(2.5mm)未満の加工物など)を切断するために、酸素をプラズマガスとシールドガスの両方に使用する。酸素プラズマガス/空気シールドガスの組み合わせは、高切断速度で大きな部品を高品質かつスラグを最小限に抑えて生成することができるので、50アンペアを超えるアーク電流で軟鋼に用いるものとして一般に知られている。そのような切断プロセスは、いくつかの欠点を有する。たとえば、酸素プラズマガス/空気シールドガス構成は大きな断面を直線的な縁(たとえば輪郭など)によってきれいに切断できるが、そのようなガスの組み合わせは、高品質の穴フィーチャを切断することができない。その代わりに、酸素プラズマガスおよび空気シールドガスによる穴フィーチャ切断は、かなりの傾斜または「テーパ」を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008]従来から、たとえば切断部のリードイン(lead−in)(導入部)が切断部の周縁に移行する場所の「突起」(たとえば過剰な材料など)などの、穴フィーチャの欠陥を修正するため、不要な過剰な材料を切断することによってリードインの付近に残された欠陥を「除去する」ために、周縁を切断した後、アークは残されたままになる。このプロセスは、「オーバーバーン(over burn)」と呼ばれる。しかし、オーバーバーンは、過剰に材料を除去するおそれがあり、さらに大きな欠陥を残す(たとえば突起の代わりにディボットを残す)ことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]本発明は、大きなフィーチャまたは輪郭に関する生産性および切断の質を維持しながら、プラズマアークトーチを使用して加工物から切断された小さな内側部分のフィーチャ(たとえば穴フィーチャ)に関する切断の質を、大幅に改善する。既知の方法を使用してプラズマアークトーチを使用して切断された穴フィーチャ(たとえば穴)は、突起(たとえば切断された材料が十分でなく、過剰な材料が残された場所)、ディボット(たとえば過剰に材料が切断された場所)、たとえばボルトが加工物の底部を通過するのを妨げるおそれのある傾斜および/またはテーパなどの欠陥を生じる可能性がある。切断パラメータ(たとえばガス組成、切断速度、切断電流など)が、大きなフィーチャまたは輪郭に対する質を維持しながら、小さな内側部分のフィーチャの切断の質を改善するように操作することができる。シールドガス組成は、行われている穴切断の縁部のテーパ、または傾斜に影響を与える可能性がある。たとえば、単一のプラズマトーチの消耗部品構成を使用して、単一の加工物において、第1のシールドガス組成が、輪郭を切断する場合に使用でき、第2の異なるシールドガス組成が、1つまたは複数の穴または小さな内側フィーチャを切断する場合に使用できる。
【0010】
[0010]切断部の「リードイン」の切断速度は、穴フィーチャに関する切断の質に影響を与える可能性がある。切断部のリードインに関して切断部の残りの部分と同じ速度を使用すると、切断部のリードが周縁に移行する場所で、突起などの欠陥を生じる可能性がある。上記に留意したように、従来から、「オーバーバーン」プロセスは、過剰な材料を除去するために使用できるが、オーバーバーンプロセスは、過剰に材料を除去する可能性があり、その後でディボットなどの欠陥が残る。傾斜および/またはテーパを最小限に抑えるのを補助するために、低N2ガス組成(たとえばO2プラズマガスおよびO2シールドガスのガス組成など)の使用も、小さな内側フィーチャを切断するために使用することができる。たとえば空気を使用して加工物を切断することは、O2ガスを使用して切断するほど、欠陥を生じやすくはない。O2プラズマおよびO2シールドガスを使用することは、穴フィーチャでの突起および/またはディボットなどの欠陥をさらに大きくする可能性がある。単一の加工物において穴を切断する場合、および輪郭を切断する場合に、シールドガス組成を変えることによって、補助的なプロセスの必要をなくすことができる。レーザ切断システムは高品質の切断を生成することができるが、プラズマアークトーチシステムは、内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャなど)を切断することに対する低費用の代替となるものを提供する。
【0011】
[0011]1つの態様では、本発明は、プラズマアークトーチシステムを使用して複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法を特徴とし、自動化された方法は、コンピュータ数値制御装置で実現される。自動化された方法は、a)穴フィーチャの直径に基づいたリードインコマンド速度を使用して、穴フィーチャに関するリードインを切断するステップと、b)穴フィーチャに関する対応するリードインコマンド速度よりも速い周縁コマンド速度を使用して穴フィーチャに関する周縁を切断するステップとを含むことができる。自動化された方法は、同じ直径または異なる直径を有する追加の穴フィーチャごとに、ステップa)およびステップb)を繰り返すステップc)も含むことができる。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、自動化された方法は、複数の穴フィーチャを切断するために使用される補助的なガス組成よりも高い窒素含有量を有する補助的なガス組成を使用して輪郭を切断するステップを含むことができる。
【0013】
[0013]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断する自動化された方法を特徴とし、各穴フィーチャがリードイン部分、穴周縁部分、およびリードアウト部分を含む。方法は、第1の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、第1のコマンド速度を使用して第1のリードインを切断し、第1のリードインを切断した後に第1のコマンド速度から第2のコマンド速度にコマンド速度を増加させることによって、第1の直径を有する加工物において第1の穴フィーチャを切断することを含むことができる。方法は、第3のコマンド速度を使用して第2のリードインを切断することによって第1の直径よりも大きな第2の直径を有する加工物において、第2の穴フィーチャを切断するステップであって、第3のコマンド速度は第1のコマンド速度よりも速いステップと、第2の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために第2のリードインを切断した後に、コマンド速度を第3のコマンド速度から第4のコマンド速度に増加させるステップも含むことができる。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、第4のコマンド速度および第2のコマンド速度が実質的に同じである。自動化された方法は、第1の補助的なガス流れを使用して、加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップと、第2の補助的なガス流れを使用して、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップと、第1の補助的なガス流れまたは第2の補助的なガス流れよりも高い窒素含有量を有する第3の補助的なガス流れを使用して、加工物において輪郭を切断するステップとを含むこともできる。いくつかの実施形態では、第1の補助的なガス流れおよび第2の補助的なガス流れが、実質的に同じガス組成を有する。
【0015】
[0015]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法を特徴としている。自動化された方法は、第1のガス組成を有する補助的なガス流れを開始し、第1の組の切断パラメータによって第1の穴フィーチャを切断することによって、第1の自動化されたプロセスを使用して第1の直径を有する第1の穴フィーチャを切断するステップを含むことができる。自動化された方法は、第2のガス組成を有する補助的なガス流れを開始し、第2の組の切断パラメータによって第2の穴フィーチャを切断することによって、第2の自動化されたプロセスを使用する第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の穴フィーチャを切断するステップであって、第2の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータが第1の組の切断パラメータと異なるステップも含むことができる。自動化された方法は、第1および第2のガス組成よりも多い窒素含有量を有する第3のガス組成を有する補助的なガス流れを開始し、輪郭を第3の組の切断パラメータによって切断することによって、第3の自動化されたプロセスを使用して輪郭を切断するステップであって、第3の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータが第1または第2の組の切断パラメータと異なるステップも含むことができる。
【0016】
[0016]第1の組の切断パラメータは、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、および第1のガス組成を含むことができる。第2の組の切断パラメータは、第2のリードインコマンド速度、第2の周縁コマンド速度、および第2のガス組成を含むことができる。第3の組の切断パラメータは、輪郭コマンド速度および第3のガス組成を含むことができる。輪郭コマンド速度は、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、第2のリードインコマンド速度、および第2の周縁コマンド速度よりも速くなっていることができる。第1のガス組成および第2のガス組成は、実質的に同じ(たとえば同じ)であることができる。
【0017】
[0017]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチによって加工物において少なくとも第1の穴フィーチャおよび第2の穴フィーチャを切断する自動化された方法を特徴とし、第2の穴フィーチャは、第1の穴フィーチャよりも大きくなっている。方法は、プラズマアークトーチを第1の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度に増加させることにより、第1のリードインを切断し、第1の周縁を切断するために、第1のリードインの後に切断速度を増加させ、第1の周縁の内側カーフ縁が、第1のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または増加させることにより、加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップを含むことができ、切断電流は、第1のリードインの外側カーフ縁が第1の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所、またはその場所の付近で消滅する。方法は、プラズマアークトーチを第2の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度より速い第2のリードイン切断速度まで増加させることによって第2のリードインを切断し、第2の周縁を切断するために、第2のリードインの後に切断速度を増加させ、第2の周縁の内側カーフ縁が、第2のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または増加させることによって、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップも含むことができ、切断電流は、第2のリードインの外側カーフ縁が第2の周縁の外側カーフ縁に合流する場所、またはその場所の付近で消滅する。
【0018】
[0018]いくつかの実施形態では、電流の減少は、第1の穴フィーチャまたは第2の穴フィーチャの直径に基づいた点で、第1の穴フィーチャまたは第2の穴フィーチャを切断する間、開始することができる。
【0019】
[0019]別の態様では、本発明は、様々な厚さの複数の加工物において、様々な大きさの輪郭および複数の穴フィーチャを切断するように構成されたプラズマアークトーチシステムを特徴としている。システムは、対応する電流レベルおよびコンピュータ数値制御装置(CNC)のための電極およびノズルを有するプラズマアークトーチを含むことができる。CNCは、複数のガス組成から、穴フィーチャを切断するために使用される第1の補助的なガス組成、および輪郭を切断するために使用される第2の補助的なガス組成を選択するように構成することができる。CNCは、複数の周縁切断速度から、加工物の材料厚さに基づいた周縁切断速度を選択することもできる。CNCは、複数のリードイン速度から、切断される穴フィーチャの大きさ、および加工物の材料厚さに基づいたリードイン速度を選択することができ、各周縁切断速度は、各対応するリードイン速度よりも速くなっている。
【0020】
[0020]リードイン速度は、切断される穴フィーチャの大きさに比例したものであることができる。コンピュータ数値制御装置は、複数の負の時間オフセット値から、電流レベルに基づいた負の時間オフセット値を選択するように構成することができる。負の時間オフセットは、切断される穴フィーチャの大きさ、または電流レベルに基づいたものであることができる。
【0021】
[0021]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチシステムによって、加工物において複数の穴フィーチャを切断するために、情報担体で有形に実施され、コンピュータ数値制御装置で動作可能なコンピュータ読取可能製造物(コンピュータで読み取り可能な製造物:computer readable product)を特徴としている。コンピュータ読取可能製造物は、コンピュータ数値制御装置が、空気より低い窒素含有量を有するシールドガス組成を選択し、切断される穴フィーチャに対して、切断される穴フィーチャの直径の関数であるリードイン切断速度を確立し、切断される穴フィーチャに対して、対応するリードイン切断速度よりも速い周縁切断速度を確立し、プラズマアークトーチを減速させるための第2のコマンドとは独立になっているプラズマアークを消滅させるための第1のコマンドを提供するように、動作可能である指令を含むことができる。
【0022】
[0022]周縁切断速度は、加工物の厚さに基づいたものであることができる。
[0023]別の態様では、本発明は、加工物において穴フィーチャを切断する場合に、プラズマアークトーチを制御するための自動化された方法を特徴としている。方法は、切断部に沿った第1の位置でプラズマアークを消滅させるための第1のコマンドを確立するステップであって、プラズマアークトーチの動作を変えるために、第1のコマンドが第2のコマンドとは独立であるステップと、切断部に沿って第1の位置の前にある第2の位置での電流の減少の開始を決定する第1のコマンドと関係づけられた負の時間オフセットを確立するステップとを含むことができる。
【0023】
[0024]第1の位置は、穴フィーチャの周縁の外側カーフ縁と、穴フィーチャのリードインの外側カーフ縁との間の交差部に対応することができる。プラズマアークトーチの動作を変えるステップは、プラズマアークトーチを減速または加速するステップを含むことができる。負の時間オフセットは、第1のコマンドと電流の減少の開始との間の遅延、および電流の減少の開始とプラズマアークの消滅との間の時間の合計であることができる。いくつかの実施形態では、負の時間オフセットは、切断チャートから取り込まれる。負の時間オフセットは、穴フィーチャの直径または電流レベルの関数であることができる。
【0024】
[0025]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用する複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャを切断するための切断パラメータを確立するための自動化された方法を特徴としている。方法は、各穴フィーチャの周縁に沿った切断部の外側カーフ縁が、各穴フィーチャのリードインに沿った切断部の外側カーフ縁に実質的に合流する場所に対応する第1の位置を確立するステップを含むことができる。方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径、または切断電流レベルに基づいて、第1の位置の前にある第2の位置を確立するステップと、プラズマアークトーチが第1の位置に達するとき、プラズマアークが実質的に消滅するように第2の位置でプラズマアーク終止を開始するステップも含むことができる。
【0025】
[0026]いくつかの実施形態では、複数の穴フィーチャは、所与の厚さによって加工物において切断され、第2の位置と第1の位置の間のプラズマアークトーチが移動した距離は、複数の穴フィーチャに関して実質的に同様である。自動化された方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径に基づいた負の時間オフセットを決定するステップであて、負の時間オフセットは、第2の位置でプラズマアークの終止の開始を決定するステップも含むことができる。複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャは、プラズマアークトーチに関する1つの組の消耗部品を使用して切断することができる(たとえばプラズマトーチの消耗部品を変更することなく穴フィーチャを切断するための自動化されたプロセスなど)。いくつかの実施形態では、加工物は、各穴フィーチャを切断するのを開始するために穿孔することができる。
【0026】
[0027]1つの態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用して、加工物において、穴フィーチャなどの内側フィーチャを切断する方法を特徴としている。プラズマアークトーチは、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の一部分に沿って切断するために使用できる。方法は、第1の領域において、第1の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して切断するステップであって、第1の切断パラメータの組は、第1の切断電流および/または第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を含むステップも含むことができる。方法は、第2の領域において、第2の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して、切断するステップも含むことができる。第2の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組と異なる(たとえば組の中の少なくとも1つのパラメータが異なる)ことができ、第2の切断電流および/または第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を含むことができる。方法は、第3の領域において、第3の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して、切断するステップも含むことができる。第3の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組または第2の切断パラメータの組と異なることができ、第3のトーチ速度を確立する第3の切断電流および/または第3のコマンド速度を含むことができる。
【0027】
[0028]コマンド速度は、トーチ/切断速度に関する設定点であることができる。トーチ速度は、コマンド速度設定点に達するためのトーチの加速/減速、およびプラズマアークトーチシステムに固有の非効率/限界によってオフセットされたコマンド速度であることができる。
【0028】
[0029]いくつかの実施形態では、第1の領域は切断部のリードインに対応し、第2の領域は切断部の周縁に対応し、第3の領域は切断部のカーフブレークイン(break−in)領域に対応する。穴フィーチャは、少なくとも部分的には、第2の領域における切断部の外側カーフ縁、および第3の領域における切断部の外側カーフ縁の少なくとも一部分によって画成できる。第1の領域における切断は、加工物において半円を切断することを含むことができる。
【0029】
[0030]第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。いくつかの実施形態では、第3の切断電流が、第3の領域における少なくとも一部分の間の第2の切断電流よりも少なくなっている。
【0030】
[0031]1つの態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャなどの内側フィーチャを切断する方法を特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して第1の領域において切断するステップと、第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を使用して第2の領域において切断するステップを含むことができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。
【0031】
[0032]内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)は、実質的に円形の穴またはスロットであることができる。
[0033]経路は、第3の領域を含むことができる。第1の領域は切断部のリードインに対応することができ、第2の領域は切断部の周縁に対応することができ、第3の領域は切断部のカーフブレークイン領域に対応することができる。方法は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する第2の領域における始端に対応する位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の領域において切断電流を減少させるステップも含むことができる。切断電流は、少なくとも部分的には、第3の領域における始端と第2の領域における始端との間の長さに基づいた比率で減少させることができる。
【0032】
[0034]第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。トーチ速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に低下させることができる。第3のコマンド速度は、たとえば第3の領域における切断に使用することができる。第3のコマンド速度は、第3のトーチ速度を定めることができる。切断電流の減少は、第3のトーチ速度および減少時間(たとえば、電流が実質的に0アンペアに達するために必要な時間)によって決定された、第3の領域における位置で開始することができる。
【0033】
[0035]方法は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスを含むガス流れ組成を使用して、第1の領域または第2の領域において切断するステップを含むことができる。
[0036]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、内側フィーチャ(穴フィーチャなどの)を切断する方法を特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1の領域および第2の領域を切断するステップを含むことができる。第2の領域に関する切断のコマンド速度は、第1の領域における切断のコマンド速度と異なることができる。方法は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が第1の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交わる点で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように第3の領域における切断電流を低下させるステップも含むことができる。方法は、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップも含むことができる。
【0034】
[0037]いくつかの実施形態では、方法は、第1の領域における切断のコマンド速度よりも速いコマンド速度によって、第2の領域において切断するステップを含むことができる。
【0035】
[0038]第2の領域における穴フィーチャの中心から切断部の外側カーフ縁までの距離は、第1および第3の領域が交差する点で、第3の領域における穴フィーチャの中心から切断部の外側カーフ縁までの距離に実質的に同様になっていることができる。穴フィーチャは、実質的には、第2の領域における切断部の外側カーフ縁、および第3の領域における切断部の外側カーフ縁の少なくとも一部分によって画成できる。いくつかの実施形態では、第1の領域は切断部のリードインに対応し、第2の領域は切断部の周縁に対応し、第3の領域は切断部のカーフブレークイン領域に対応する。
【0036】
[0039]トーチ速度は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する点の後に減速させることができる。トーチ速度は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する点の後の所定の距離で0に達するように減速させることができる。
【0037】
[0040]いくつかの実施形態では、第3の領域における切断電流は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように減少させることができる。
【0038】
[0041]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、内側フィーチャ(穴フィーチャなどの)を切断する方法を特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、切断の第1の領域のコマンド速度と異なるコマンド速度によって、第2の領域において切断するステップを含むことができる。方法は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が、第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、漸減する材料を除去するために第3の領域において切断電流を減少させるステップも含むことができる。方法は、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップを含むことができる。
【0039】
[0042]いくつかの実施形態では、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が、第1の領域における切断部の外側カーフ縁と交差するところで、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、切断電流が第3の領域において減少させることができる。漸減する材料が、少なくとも部分的には、第1の領域における切断部の外側カーフ縁、および第3の領域の切断部の外側カーフ縁によって画成できる。いくつかの実施形態では、第3の領域は、切断部の第2の領域におけるコマンド速度よりも速いコマンド速度によって切断することができる。
【0040】
[0043]別の態様では、本発明は、穴フィーチャの欠陥を緩和するプラズマ切断システムを使用して加工物において内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)を切断する方法を含むことを特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、切断のはじめに加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャを切断するための)ステップとを含むことができる。方法は、加工物に対して切断アークおよび切断速度を確立するステップと、穴切断経路における第1の点の後に切断速度を第2の切断速度に増加させるステップとを含むことができる。方法は、切断速度を減少させることなく、穴切断経路における第2の点の後に、切断電流を低下させるステップも含むことができる。第2の切断速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達するまで、維持することができる。第2の切断速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達する前に第3の切断速度に増加させることもできる。
【0041】
[0044]第1の領域は、切断部のリードインを画成することができ、第2の領域は、穴フィーチャの周縁の少なくとも一部分を画成することができる。
[0045]いくつかの実施形態では、切断速度を増加させるステップは、穴切断経路の第1の領域において第1のコマンド速度によって切断するステップと、穴切断経路の第2の領域において第1のコマンド速度より速い第2のコマンド速度を使用して切断するステップ含むことができる。第1のコマンド速度は、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。
【0042】
[0046]切断電流は、穴切断経路の第2の点の後に低下させることができ(すなわち開始された切断電流の減少)、切断アークは、穴切断経路の実質的に第1の点の付近で消滅させることができる。いくつかの実施形態では、トーチは、加工物において穴フィーチャを形成するために、穴切断経路における第2の点から切断し、穴切断経路における第1の点に戻ることができる。切断電流は、穴切断経路における第2の点から切断して、穴切断経路の第1における点に戻る間、減少させることができる。
【0043】
[0047]別の態様では、本発明は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、内側フィーチャ(穴フィーチャなどの)を切断するためのプラズマアークトーチシステムを特徴としている。プラズマアークトーチシステムは、電極およびノズルを含むプラズマトーチ、プラズマアークトーチに切断電流を供給するリード、プラズマトーチを動かすプラズマトーチに取り付けられたガントリ、および第1の領域、第2の領域、および第3の領域においてプラズマアークトーチの切断パラメータを制御するコンピュータ数値制御装置を含むことができる。コンピュータ数値制御装置は、第1の領域に関する第1のコマンド速度、および第2の領域に関する第2のコマンド速度を確立することができる。第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。コンピュータ数値制御装置は、第3の領域に関する第3の切断電流も確立することができる。第3の切断電流は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する位置で、第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように減少することができる。
【0044】
[0048]コンピュータ数値制御装置は、プラズマアークトーチの切断パラメータを認識するために、参照表を含むことができる。
[0049]第3の切断電流は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が第2の領域の切断部の外側カーフ縁と実質的に位置が合うように、漸減する材料(たとえば穴フィーチャの切断を仕上げるのに加工物に残留する材料)を除去するために、減少することができる。
【0045】
[0050]別の態様では、本発明は、情報担体で有形に実施され、プラズマアークトーチシステム用のコンピュータ数値制御装置で動作可能なコンピュータ読取可能製造物を特徴としている。コンピュータ読取可能製造物は、コンピュータ数値制御装置が、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を備える経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、(たとえば穴フィーチャなどの)内側のフィーチャを切断するための切断パラメータを選択するように動作可能である指令を含むことができる。切断パラメータは、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいた、第1の領域に関する第1のコマンド速度、および切断の第2の領域に関する第2のコマンド速度を含むことができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。切断パラメータは、第3の領域に関する第3の切断電流も含むことができ、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する場所で、第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の切断電流が減少する。
【0046】
[0051] 第3の切断電流は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が第2の領域の切断部の外側カーフ縁と実質的に位置が合うように、漸減する材料(たとえば穴フィーチャの切断を仕上げるのに加工物に残留する材料)を除去するために、減少することができる。
【0047】
[0052]別の態様では、本発明は、穴フィーチャの欠陥を緩和するプラズマアークトーチを使用して、加工物において、内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)を切断する方法を特徴としている。プラズマアークトーチは、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断できる。方法は、第3の領域を切断するための複数の切断電流減少動作のうちの1つを選択するステップを含むことができ、複数の切断電流減少動作のそれぞれが、穴フィーチャの直径の関数である。方法は、トーチヘッドが、第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する場所で第3の領域から第2の領域へ通過するときに、プラズマ切断電流を消滅させるステップも含むことができる。方法は、トーチヘッドが第3の領域から第2の領域へ通過するまで、第3の領域内のトーチ速度を実質的に維持または増加させるステップも含むことができる。
【0048】
[0053]別の態様では、本発明は、穴フィーチャの欠陥を緩和するプラズマアークトーチを使用して、加工物において、内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)を切断する方法を特徴としている。プラズマアークトーチは、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断できる。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に伝達するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、経路の第1の領域および第2の領域を切断するステップを含むことができる。切断電流の減少は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する第2の点で切断電流が消滅するように、第3の領域の第1の点で開始することができる。第3の領域の第1の点は、切断電流の減少時間に基づいて決定することができる。方法は、トーチ速度が、第2の点の後の所定の距離で実質的に0に達するように、プラズマアークトーチを減速するステップも含むことができる。
【0049】
[0054]いくつかの実施形態では、所定の距離が約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約6.35ミリメートル(約1/4インチ)であり、穴切断速度の上限が約55ipm、およびテーブル加速に関する下限が約5mGである。
【0050】
[0055]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法を特徴としている。経路は、第1の領域および第2の領域を含むことができる。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に伝達するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1のコマンド速度(たとえば第1のトーチ速度を確立する)を使用して第1の領域において切断するステップを含むことができ、第1のコマンド速度は、加速度曲線(たとえばプラズマアークトーチシステムに関してプログラムされた)の一部分である。方法は、第2のコマンド速度(たとえば第2のトーチ速度を確立する)を使用して、第2の領域において切断するステップ含むことができ、第2のコマンド速度は、加速度曲線の一部分であり、同時に第1のコマンド速度より速くなっている。
【0051】
[0056]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法を特徴としている。経路は、第1の領域および第2の領域を含むことができる。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に伝達するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1のトーチ速度で、第1の領域および第2の領域が実質的に交差する場所(たとえば切断部のリードインが切断部の周縁に移行する場所)で切断するステップ含むことができる。方法は、第2のトーチ速度で第2の領域の少なくとも一部分を切断するステップも含むことができ、第2のトーチ速度が第1のトーチ速度よりも速くなっている。
【0052】
[0057]1つの態様では、本発明は、プラズマトーチによって加工物において、穴および輪郭を切断するための方法を特徴とする。1つの実施形態では、方法は、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極を含むプラズマトーチを含み、プラズマアークが、プラズマチャンバ内で生成される。1つの実施形態では、プラズマトーチは、プラズマアークトーチへのシールドガス流れを供給するためのシールドガス供給ライン、および切断速度およびシールドガス組成を含む切断パラメータを制御するための制御ユニットも含む。1つの実施形態では、方法は、輪郭が切断される場合に、シールドガスが第1のシールドガス組成を含み、穴が切断される場合に、シールドガスが第2のシールドガス組成を含むように切断パラメータを制御するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1のシールドガス組成は、第2のシールドガス組成と異なる。
【0053】
[0058]別の態様では、本発明は、プラズマトーチ切断動作において小さな内側フィーチャの切断特性を改善する方法を特徴としている。1つの実施形態では、方法は、第2のシールドガス組成を使用する小さな内側フィーチャを切断するステップであって、小さな内側フィーチャは加工物の予期した輪郭切断部の中に配置されるステップと、第1のシールドガス組成を使用して予期した輪郭切断部に対応する輪郭を切断するステップを含む。
【0054】
[0059]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用して、加工物において穴および輪郭を切断するための方法を特徴とする。プラズマアークトーチは、プラズマチャンバ内で生成されたプラズマアークが加工物を切断するために使用されるように、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極、ならびにシールドガス流れをプラズマトーチに送るシールドガス供給ラインを含むことができる。1つの実施形態では、方法は、加工物において穴を切断するステップを含み、シールドガス流れは、穴の縁の傾斜が実質的になくなるように選択される第2のシールドガス組成を含む。1つの実施形態では、方法は、輪郭を切断するステップであって、シールドガス流れが第1のシールドガス組成を含むステップと、穴を切断する間、第2のシールドガス組成が第1のシールドガス組成よりも少ない窒素を含むように第1のシールドガス組成および第2のシールドガス組成を制御するステップとを含むこともできる。
【0055】
[0060]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用して、加工物において穴を切断するための別の方法を特徴とする。方法は、高電流消耗部品を含むプラズマアークトーチを含むことができ、高電流消耗部品は、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極を含む。1つの実施形態では、方法は、50アンペアを超えるアーク電流を使用して、プラズマチャンバ内でプラズマアークを生成するステップと、穴が切断されているとき、シールドガス組成が、穴の側壁にいかなる傾斜の可能性も実質的になくなるような窒素の量を含むようにシールドガス流れのシールドガス組成を制御するステップとを含むこともできる。
【0056】
[0061]本発明は、1つの態様では、加工物において、穴および輪郭を切断するためのプラズマトーチシステムを特徴とする。1つの実施形態では、プラズマトーチシステムは、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極を含むプラズマトーチチップ構成を含み、プラズマアークが、プラズマチャンバ内で生成される。1つの実施形態では、プラズマトーチシステムは、プラズマトーチチップへのシールドガス流れを供給するためのシールドガス供給ライン、およびシールドガス流れの組成を制御するための制御ユニットも含む。1つの実施形態では、制御ユニットは、輪郭を切断している間、シールドガス流れが第1のシールドガス組成を含み、穴を切断している間、シールドガス流れが第2のシールドガス組成を含むように、シールドガス流れの組成を制御する。1つの実施形態では、この改善は、制御ユニットで動作可能な、情報担体において有形に実施されたコンピュータ読取可能製造物を備え、コンピュータ読取可能製造物は、輪郭を切断しているときは、第1のシールドガス組成を選択し、穴を切断しているときは、第2のシールドガス組成を選択する指令を含むプラズマアークトーチシステムに関する切断情報を含む。
【0057】
[0062]別の態様では、本発明は、情報担体において有形に実施され、プラズマトーチシステムにおいて使用するためのCNCで動作可能なコンピュータ読取可能製造物を含む構成要素を特徴としている。1つの実施形態では、コンピュータ読取可能製造物は、穴を切断している間は、シールドガス流れが第2のシールドガス組成を含み、輪郭が切断されているときは、シールドガス流れが第1のシールドガス組成を含むような指令を含む、プラズマアークトーチを使用して加工物から穴および輪郭を切断するための切断情報を含む。
【0058】
[0063]別の態様では、本発明は、シールドガス流れの組成を含むプラズマトーチの切断パラメータを制御するためのコンピュータ数値制御装置を特徴としている。1つの実施形態では、制御装置は、プロセッサ、電子記憶デバイス、プラズマアークトーチに制御指令を与えるインターフェース、およびプラズマトーチ用のシールドガス流れの組成を選択するための参照表を含む。1つの実施形態では、制御装置は、プラズマトーチが、加工物において穴または輪郭を切断するかどうかに従ってシールドガス流れの組成を制御する。
【0059】
[0064]任意の上記の態様は、1つまたは複数の以下の特徴を含むことができる。第2のシールドガス組成は、穴の縁の傾斜が実質的になくなるように、第1のシールドガス組成よりも少ない窒素を含むことができる。いくつかの実施形態では、加工物は軟鋼であり、いくつかの実施形態では、第1のシールドガス組成は空気であり、いくつかの実施形態では、第2のシールドガス組成は酸素である。第2のシールドガス組成は、穴切断中に基本的に酸素からなることもできる。1つの実施形態では、シールドガス流れの流量は、穴切断の間に低下させることができる。トーチの切断速度は、穴切断の間に低下させることができる。1つの実施形態では、切断パラメータを制御するステップは、加工物の厚さに対する穴の直径の比率に従って第2のシールドガス組成を制御するステップをさらに含むことができる。比率は、2.5以下であることができる。いくつかの実施形態では、比率は1以下である。いくつかの実施形態では、比率は、0.7以下であり、および/または穿孔の貫通の大きさによって制限されている。
【0060】
[0065]任意の上記の態様は、1つまたは複数の以下の特徴も含むことができる。1つの実施形態では、切断パラメータを制御するステップは、アーク終止に対する電流増加シーケンスを含むことができ、増加は輪郭切断および穴切断の両方に関して一定である。切断パラメータを制御するステップは、第2のシールドガス組成が、第1のシールドガス組成よりも総体積の割合として少ない窒素を含み、それによって穴の縁の傾斜が実質的に低下するように、シールドガス流れの窒素の量を制御するステップをさらに含むこともできる。
【0061】
[0066]任意の上記の態様は、1つまたは複数の以下の特徴も含むことができる。1つの実施形態では、方法は、プラズマトーチシステムに使用するCNCで動作可能な、情報担体において有形に実施される、コンピュータ読取可能製造物を提供するステップ含むことができ、コンピュータ読取可能製造物は、輪郭を切断しているとき、第1のシールドガス組成を選択し、穴を切断するとき、第2のシールドガス組成を選択する指令を含むプラズマアークトーチに関する切断情報を含む。いくつかの実施形態では、第2のシールドガス組成は、加工物の厚さに対する穴の直径の比率に従って選択することができる。また、いくつかの実施形態では、切断情報は、穴が切断されるとき、制御ユニットが加工物の厚さに対する穴の直径の比率に従って第2のシールドガス組成を制御するような指令を含む。
【0062】
[0067]1つの利点は、一般に輪郭切断部で達成される生産性およびスラグのレベルを維持しながら、高品質のプラズマ切断の穴を生産する能力である。別の利点は、より高価なシールドガス混合物を短い間の穴切断への使用に限定することによって、全体の部品コストへの影響を最小限に抑えることである。さらなる利点は、オペレータが、単一の加工物において穴および輪郭を切断する場合に、単一の構成のトーチ消耗部品を使用できるようにすることで、時間効率がより優れたものになり、同時に穴切断および輪郭切断の両方に関して、従来の単一のシールドガスの切断技術を使用する場合に見られる質の劣化を防止することである。
【0063】
[0068]本発明のその他の態様および利点は、以下の図面および説明から明らかにすることが可能であり、それらの全ては、例として本発明の原理を例示するに過ぎない。
[0069]上記に説明した本発明の利点は、さらなる利点と共に、以下の説明を添付の図面と共に参照することによって、よりよく理解することができる。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、本発明の原理を示す際に、全体的に強調がなされている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】既知の機械化されたプラズマアークトーチシステムの図である。
【図2】既知のプラズマアークトーチチップの断面図である。
【図3】例示の実施形態による、予期した穴および輪郭の切断部アウトラインを示すサンプルの加工物である。
【図4】穴の円筒度を決定するために使用される許容誤差の測定を示す。
【図5】例示の実施形態による、提唱されたガスシステムを有するプラズマアークトーチシステムのブロック図である。
【図6A】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する経路の第1の領域を示す概略図である。
【図6B】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する経路の第2の領域を示す概略図である。
【図6C】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する経路の第3の領域を示す概略図である。
【図6D】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する第4の領域を示す概略図である。
【図6E】本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。
【図6F】本発明の別の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。
【図7】図7Aは本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャを切断するための直線的なリードイン形状を示す。図7Bは本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャを切断するための四分円のリードイン形状を示す。図7Cは本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャを切断するための半円のリードイン形状を示す。
【図8】図8Aは本発明の例示の実施形態による、加工物を切断するための経路の第1の領域が直線である、穴フィーチャの上面図を示す。図8Bは本発明の例示の実施形態による、図8Aからの穴フィーチャの底面図を示す。図8Cは本発明の例示の実施形態による、加工物を切断するための経路の第1の領域が半円形状である、穴フィーチャの上面図を示す。図8Dは本発明の例示の実施形態による、図8Cからの穴フィーチャの底面図を示す。
【図9】本発明の例示の実施形態による、異なるリードインコマンド速度に関して測定されたずれを示すグラフである。
【図10】本発明の例示の実施形態による、リードインコマンド速度に関する例示の参照チャートである。
【図11】本発明の例示の実施形態による、穴切断経路の一部分の概略図である。
【図12】本発明の例示の実施形態による、時間の関数としての切断電流およびコマンド速度を示すグラフである。
【図13】本発明の例示の実施形態による、切断パラメータに関する例示の参照チャートである。
【図14】本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャに関して測定されたずれを示すグラフである。
【図15】本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断するプラズマアークトーチを操作する方法を示す。
【図16】異なるプロセスから切断された穴に関する穴の質の結果を示すグラフである。
【図17】本発明の例示の実施形態による、ガス流れがどのように操作されるかを示す流れ図である。
【図18】本発明の例示の実施形態による、軟鋼を切断するための異なるガスの組み合わせを示す表である。
【図19】図19Aは従来技術の切断プロセスによって切断された穴の断面である。図19Bは本発明の例示の実施形態に従って切断された穴の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
[000100]「穴フィーチャ」(たとえば穴)は、直径(または寸法)が、加工物(プレート)の厚さに対して約2.5以下の比率を有する形状として定義することができる。たとえば、図3は、15.24×15.24センチメートル(6×6インチ)平方の片で1.27センチメートル(0.5インチ)厚のプレート鋼100が示され、そのプレート鋼100は、1つの実施形態では、より大きな加工物(図示されない)から切断することができる。鋼100の1.27センチメートル(0.5インチ)厚のプレートにおいて、1インチ直径の穴フィーチャ105は、2の比率を有する。本明細書では、穴/穴フィーチャは、必ずしも円形でない小さな内側部分のフィーチャとして分類することができるが、フィーチャの大部分は、材料の厚さよりも約2.5倍以下の寸法(たとえば、1.27センチメートル(1/2インチ)のプレート鋼100において2.54センチメートル(1インチ)平方110)を有する。「輪郭」などのフィーチャは、直線切断部115または湾曲切断部120の両方を含むことができる。
【0066】
[000101]上記に留意したように、従来技術の方法を使用して切断された穴フィーチャは、ディボット(たとえば過剰に材料がとられる)、突起(たとえばとられる材料が不十分である)、「傾斜」または「テーパ」などの欠陥を生じる可能性がある。傾斜は、完成した穴切断の円筒度によって測定することができる。円筒度は、2つの同軸の円柱によって確立された公差領域として定義され、図4に示されるように、それらの円柱の間に、円筒の穴の表面が配置されなければならない。図4では、公差領域は、2つの矢印81の間の空間として定義することができる。公差領域が小さいほど、表面は、より「完全な」円筒を示す。一方で、穴フィーチャにおける大きなテーパまたは傾斜は、大きな公差領域を生じる。穴フィーチャの円筒度は、座標測定器(「CMM」)を使用して測定することもできる。たとえば、穴フィーチャの穴フィーチャ表面(たとえば取り囲むテーパ、突起、またはディボット)は、穴フィーチャの縁74の上部71、中間部72、および底部73の付近で測定することができる。この測定データは、穴フィーチャの円筒度を定める同軸円筒を形成するために使用される。同軸円筒の間の径方向の差は、矢印81の間の空間によって示される。
【0067】
[000102]フィーチャ(たとえば、穴フィーチャ、輪郭など)を切断するために使用できる例示のトーチシステム構成が、図5に示される。図5は、本発明の実施形態による自動ガス制御システムを含む、例示のプラズマアークトーチシステムのブロック図である。プラズマトーチシステムは、図1に関連して上記に説明された要素の全て含むことができる。さらに、トーチシステムは、プラズマガスおよびシールドガス(たとえば補助的なガス)をプラズマアークトーチ41に供給するガスコンソール40を含むことができる。プラズマガスおよびシールドガスは、ガスコンソール40からガス供給ライン42を通り、いくつかの実施形態では、ガス選択コンソール45へと流れ、ガス計量コンソール44は、ガス混合がプラズマトーチ41へと続く前に、異なるタイプのガスの混合を可能にする。ガス選択コンソール45は、複数のガスのうちの1つの選択および混合を可能にし、次いで選択されたガスは、ガス計量コンソール44によって計量することができる。ガスコンソールは、たとえば酸素、窒素、F5、H35、H5、および空気などを含むガス入力を受けることができる。次いで、ガス計量コンソール44は、プラズマガスおよびシールドガスを測定することができる。この制御構成は、プラズマシステムが、穴穿孔、穴切断、または輪郭切断のために、必要なシールドガスまたはガス混合物を素早く変更することができるようにする。たとえば、穴フィーチャを切断するとき、ガスコンソール40は、穿孔プロセスの間、シールドガスとして空気を供給することができ、金属プレートの穿孔が完了したとき、ガスコンソール40は穴切断のためにシールドガスからO2に自動的に切り替えることができる。プラズマシステムが、輪郭を切断に移行する場合、ガスコンソール40は、穿孔プロセスおよび切断プロセスの両方のためのシールドガスとして、シールドガスを切り替えて、空気に戻すことができる。そのような素早い切り替えは、CNC12におけるコードまたはプログラミングによって指示できる。1つの実施形態では、穴を切断するためのシールドガス組成はO2である。いくつかの実施形態では、穴フィーチャを切断する場合に選択されるシールドガス組成は、輪郭を切断するときに使用されるシールドガス組成よりも、含まれる窒素が少ない。いくつかの実施形態では、穴フィーチャを切断する場合に使用されるシールドガス組成は、He、N2、O2、またはその組み合わせを含むことができる。
【0068】
[000103]シールドガス流れを運搬するように構成されたガス供給ライン42は、いくつかの実施形態では、シールドガス供給ライン42Aと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、プラズマガス流れを運搬するガス供給ラインは、プラズマガス供給ライン42Bと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、プラズマガス流れの組成は、バルブ47を使用して制御される。いくつかの実施形態では、バルブ47は、オン−オフソレノイドバルブであり、いくつかの実施形態では、バルブは可変ソレノイドバルブである。いくつかの実施形態では、プラズマガスおよびシールドガス(たとえば補助的なガス)は、O2、空気、He、N2またはその組み合わせであることができる。ガス計量コンソール44は、オン/オフバルブ、またはソレノイドバルブでもあることができる、通気弁48も備えることができる。いくつかの実施形態では、通気弁48は、プラズマガスおよびシールドガスの素早い切り替えを可能にするために使用される。
【0069】
[000104]CNC12は、プラズマトーチシステムを制御する任意のコンピュータであることができる。CNC12は、プロセッサ、電子記憶デバイス、およびプラズマアークトーチに制御指令を与えるためのインターフェースを有することができる。記憶デバイスは、内蔵型または外付けのものであることができ、加工物において切断する部分に関するデータを含むことができる。他の実施形態では、CNC12は、手動でプログラムすることができ、いくつかの実施形態では、CNC12は、プラズマトーチシステムの動作パラメータを選択または構成することができるコンピュータ読取可能指令を含むコンピュータ読取可能製造物を含むことができる。
【0070】
[000105]下記に再現したのは、CNC12に関する例示のコンピュータ読取可能指令である。下記の例示の指令は、全て、ニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造された、HPR260 Autogas Consoleを有するHypertherm Automation Voyager CNC制御装置を使用して正方形の輪郭切断部に切断される円形の穴フィーチャに対応する。Hypertherm Automation CNC制御装置によって使用される、下記の例示のコードは、穴(G59 V503 F1.01からG59 V507 F31)、および輪郭(G59 V503 F1からG59 V507 F31)に関する2つの別々の切断チャートを提供する。他の形のコードまたはコンピュータ読取可能指令は、同様の、またはさらには同一の最終的な出力を提供するために、1つまたは複数の切断チャートと共に使用することができる。特に、下記の例示のコードの左の列は、参照されるコードラインを含み、右の列は全体的に、各コードラインに含まれる一般的な指令の説明を提供する。
【0071】
G20 英国単位を設定する
G91 インクリメンタルプログラムモード
G59 V503 F1.01 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V504 F130 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V505 F3 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V509 F31 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G00X1.7500Y−1.7500 穴の中心に移動する
M07 プラズマ開始
G03X−0.0970I−0.0485 穴モーション
G03X0.0015Y0.0168I0.0970 穴モーション
G03X0.0212Y−0.0792I0.0955J−0.0168 穴モーション
M08 プラズマ停止
G59 V503 Fl 輪郭切断用の切断チャートをロードする
G59 V504 F130 輪郭切断用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V505 F2 輪郭切断用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V507 F31 輪郭切断用のカスタム切断チャートをロードする
G00X−1.6757Y1.5624 輪郭開始位置に移動する
M07 プラズマ開始
G01X0.2500 輪郭モーション
G01X3.0000 輪郭モーション
G01Y3.0000 輪郭モーション
G01X−3.0000 輪郭モーション
G01Y3.0000 輪郭モーション
G01Y0.2500 輪郭モーション
M08 プラズマ停止
M02 プログラム終了
[000106]いくつかの実施形態では、コンピュータ読取可能製造物は、切断チャートと呼ばれている。いくつかの実施形態では、コンピュータ読取可能製造物(図示されない)、または切断チャートは、トーチ41が加工物において輪郭を切断しているときは、第1のシールドガスを選択し、同じ加工物においてトーチが穴フィーチャを切断しているときは、第2のシールドガス組成を選択するための指令を含む切断情報を含む。いくつかの実施形態では、切断チャートは、切断のタイプに基づいたシールドガス組成を選択する情報を含む(たとえば輪郭切断部または穴フィーチャ切断部)。いくつかの実施形態では、CNCは、切断チャートに含まれる指令に応じて、1つのシールドガスから別のシールドガスに素早く切り替えることができる。いくつかの実施形態では、トーチのオペレータは、シールドガス組成を選択し、CNC12は、たとえばトーチのオペレータからの情報の入力に基づいたプラズマガス供給ラインバルブ44を制御するための信号のみを提供する。
【0072】
[000107]いくつかの実施形態では、トーチのオペレータは、穴フィーチャおよび輪郭切断指令の両方を含む切断プログラムを選択する。オペレータは、連続して実行するように設計された穴切断チャートおよび輪郭切断チャートを選択することができる。いくつかの実施形態では、穴フィーチャ切断部は、加工物にCNC12によって予期した輪郭切断部の中に配置される。切断プログラムが、穴フィーチャ切断および輪郭切断の両方のための指令を含む場合、第2のシールドガス組成を使用して穴フィーチャが最初に切断され、次いで、第1のシールドガス組成を使用して輪郭切断部が切断されるように、切断チャートがさらなる指令を含む。予期した輪郭切断部の形状内で穴フィーチャを最初に切断することは、穴フィーチャが切断されている間の加工物の移動を防止し、したがって部品の輪郭切断部が最初に切断され、穴フィーチャが次に切断される場合に起こるずれをなくす。
【0073】
[000108]他の実施形態では、コンピュータ読取可能製造物は、ニューヨーク州LockportのMTC社によって作成されたネスティング・ソフトウェアなどのネスティング・ソフトウェアである。ネスティング・ソフトウェアは、第1のシールドガスおよび第2のシールドガスが、切断される部分のCAD図面に基づいて使用される場合に指示するコードを提供することができる。ネスティング・ソフトウェアは、穴フィーチャ直径の加工物の厚さに対する比率に基づいて、穴フィーチャまたは小さな内側フィーチャを識別するために、CAD図面を使用することができる。次いで、ネスティング・ソフトウェアは、輪郭を切断するときには、第1のシールドガスが使用され、穴フィーチャを切断するときには、第2のシールドガスが使用されるように、CNC12に指令を与えることができる。あるいは、CNCは、ネスティング・ソフトウェアから指令を与えられずに、穴フィーチャ切断および輪郭切断のための適切なシールドガスを選択するソフトウェア含むことができる。
【0074】
[000109]図6A〜6Cは、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャ(たとえば実質的に円形の穴または円形のスロット)を切断するための経路100を示す。経路は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域の少なくとも3つの領域を含むことができる。本明細書で使用される用語「(1つまたは複数の)領域」は、切断部のセグメントもしくは部分、または加工物の上のトーチヘッドの移動経路を含むように定義することができる。いくつかの実施形態では、経路は第4の領域を含む。経路は、切断電流が流れているか消滅したかに関わらず(すなわち、プラズマアークトーチが加工物を切断しているかどうかに関わらず)プラズマアークトーチ(たとえば図1に示されるトーチ)の動作を定めることができる。明瞭にするために、図では個々の領域が画定されているが、領域の間の移行部(たとえば第1の領域から第2の領域への移行部、第2の領域から第3の領域への移行部など)は、明確な位置ではなく、緩衝型の領域であることができる。
【0075】
[000110]図6Aは、切断の「リードイン」を画定することができる、経路の第1の領域110を示す。プラズマアークトーチは、第1の領域の始端120から第1の領域の終端130に第1の領域110に沿って切断することができる。経路110の第1の領域に沿った切断部は、対応する外側カーフ縁140および対応する内側カーフ縁150を含むことができる。この実施形態では、第1の領域110は、「半円」形状のリードイン切断部を画定する。第1の領域110の形状(たとえば、リードインの形状)、およびコマンド速度は、加工物からの穴フィーチャ切断の質に影響を与える可能性のあるパラメータである。コマンド速度は、トーチ/切断速度に関する設定点であることができる。トーチ速度は、コマンド速度設定点に達するためのトーチの加速または減速、およびプラズマアークトーチシステムに固有の非効率または限界によってオフセットされたコマンド速度として定めることができる。
【0076】
[000111]図6Bは、切断部の周縁(たとえば穴周縁および/または穴フィーチャの周縁)を画定することができる、経路の第2の領域160を示す。プラズマアークトーチは、第2の領域160の始端170から第2の領域160の終端180まで第2の領域160に沿って切断することができる。図示されるように、トーチヘッドは、第1の領域110の終端130から第2の領域160の始端170内に移動することができる。第2の領域160における切断部は、対応する外側カーフ縁190および対応する内側カーフ縁200を含むことができる。
【0077】
[000112]図6Cは、経路の第3の領域210を示し、その経路は、切断部のカーフブレークイン領域(たとえば「リードアウト」)を定めることができる。プラズマアークトーチは、第3の領域210の始端220から第3の領域210の終端230への第3の領域210においての経路に(たとえば第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する)沿って切断することができる。図示されるように、トーチヘッドは、第3の領域210の端部230からたとえば第2の領域160の始端170に戻って対応する位置240内に移動することができる。第3の領域210における切断部は、対応する外側カーフ縁250を含むことができる。
【0078】
[000113]経路の第3の領域210は、第1の領域110(たとえばリードイン)の外側カーフ縁140が、第2の領域160の内側カーフ縁200と実質的に交差する、点260または点260の付近で始まることができる。図に示されるような点260は、カーフの先縁261(たとえば第2の領域160における切断部の先縁)が、内側カーフ縁200の前に第1の領域110の外側カーフ縁140に割り込むとき、近似される。したがって、カーフブレークイン領域は、カーフの先縁261(たとえば第2の領域160における切断部の先縁)が、第1の領域110の外側カーフ縁140に割り込むところで実際に生じる。しかし、明瞭にするために、経路の第3の領域210は、点260、または点260の付近で始まるように画定することができる。この実施形態では、経路の第3の領域210は、第1の領域110(たとえばリードイン)の外側カーフ縁140が、第3の領域210の外側カーフ縁250および/または第2の領域160の始端170の外側カーフ縁190と実質的に交差する位置に対応する「0度点」270、または実質的に「0度点」270の付近で終端する。第3の領域210における電流の減少、および/または第1の領域110、第2の領域160、または第3の領域210におけるトーチのコマンド速度の変更は、加工物からの穴フィーチャ切断の質に影響する可能性のあるパラメータである。
【0079】
[000114]いくつかの実施形態では、穴フィーチャは、欠陥を最小限に抑えた円形の穴フィーチャであり、第2の領域160における穴フィーチャの中心280から切断部の外側カーフ縁190までの距離は、第1の領域110および第3の領域210が交差する点で、第3の領域210における穴フィーチャの中心から切断部の外側カーフ縁250までの距離に実質的に等しくなっていることができる。
【0080】
[000115]加工物から穴フィーチャを切断するために、プラズマアークトーチが、第1の領域110から第2の領域160に移動し、次いで第3の領域210に移動し、さらに第4の領域に移動することができる。トーチヘッドの移動は、第1の領域110の始端120から始まり、第1の領域110の終端130に達する経路を追従することができる。第1の領域110の終端130から、トーチは、第2の領域の終端180に続く第2の領域の始端170に移動することができる。第2の領域160の終端180から、トーチは、第3の領域210の終端230に続く第3の領域210の始端220に移動することができる。第3の領域210の端部230において、トーチは、第2の領域160の始端170と重なり、または加工物の別の位置に達する経路240を続けることができる。穴フィーチャは、少なくとも部分的には、第2の領域160における切断の外側カーフ縁190、および第3の領域210の切断部の外側カーフ縁250の少なくとも一部分によって画成できる。
【0081】
[000116]加工物において穴フィーチャを切断するために、プラズマガス流れを開始することができ、パイロットアークを点火するために、電流流れを開始することができる。アークは、加工物に伝達することができる。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチは、第1の位置(たとえば第1の領域110の始端120または点280)で加工物を穿孔することによって加工物において穴フィーチャを切断を開始し、経路の第1の領域110に沿って、加工物において半円(たとえば半円経路)を切断する。プラズマアークトーチは、第1の領域110に沿って切断し、経路の第2の領域160に「リードイン」し、穴フィーチャの周縁の切断を開始することができる。プラズマアークトーチは、経路の第2の領域160に沿って、経路の第3の領域210内へ切断することができる。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチは、O2プラズマガスおよびO2シールドガスを使用して経路の第2の領域160に沿って切断する。プラズマアークトーチは、実質的にトーチのコマンド速度を維持し、またはトーチのコマンド速度を増加させて、加工物を第3の領域210において切断することができる。プラズマアークトーチは、「0度点」270(たとえば第1の領域110(たとえばリードイン)の外側カーフ縁140が、第3の領域210の外側カーフ縁250、および/または第2の領域160の始端170の外側カーフ縁190と実質的に交差する)、または実質的に「0度点」270の付近に達するまで、経路の第3の領域210において加工物を切断し続けることができる。切断電流は、プラズマアークトーチがこの「0度点」270(たとえばアーク切断点)、または「0度点」270の付近に達するとき、切断電流が消滅し、かつ/またはアークが「切断する」(たとえばプラズマアークトーチが加工物を切断するのを停止する)ように、第3の領域210において減少させることができる。トーチヘッドは、トーチがもはや加工物を切断していないにもかかわらず「0度点」270を越えて移動し続けることができる。トーチヘッドが「0度点」270に達し、かつアークが消滅した後、トーチヘッドは、経路240に沿って減速することができる。トーチヘッドは、第2の領域160と重なる経路240を移動しながら減速することができる。図6Cに示されるように、トーチが穴フィーチャの円形の経路に追従する経路240に沿って減速された場合、「リードアウト」モーション角(“lead−out”motion angle)(たとえば、その後トーチが減速して停止する「0度点」270の後にトーチヘッドが移動する角度)、および最小「リードアウト」モーション長(“lead−out”motion length)(たとえば、その後トーチが減速して停止する「0度点」270の後にトーチヘッドが移動する距離)を計算するために、以下の式を使用することができる。
【0082】
L=V2/(2・a) 式(1)
Φ=360・L/(Π・D) 式(2)
ここで、「L」は最小リードアウトモーション長、「V」はトーチヘッドの速度、「a」はテーブル減速、「D」は穴フィーチャのモーション径である。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、電流が消滅した後でのみ減速を開始する。最小リードアウトモーション長「L」は、「0度点」270の前にトーチが減速を開始しないのを確実にするために、「0度点」270と、トーチが減速して停止する点との間に必要な最小限の距離として定めることができる。トーチヘッドは、「0度点」270の後の所定の距離で、減速して点290で停止するように命令を受けることができる。いくつかの実施形態では、最小リードアウトモーション長は、約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である。
【0083】
[000117]図6Dは、本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドに関する経路(たとえば「減速領域」)の第4の領域240または240’を示す。上記に留意したように、プラズマアークトーチは、プラズマアークトーチが、「0度点」270(たとえば第1の領域110の外側カーフ縁140が、第3の領域210の外側カーフ縁250、および/または第2の領域160の始端170の外側カーフ縁190と実質的に交差する)、または実質的に「0度点」270の付近に達したとき、切断を停止すること(たとえば切断電流の消滅)ができる。プラズマアークトーチヘッドは、経路の第4の領域240または240’に入り、第4の領域において減速することができる。
【0084】
[000118]いくつかの実施形態では、第4の領域240は、実質的に第2の領域160の始端170と空間において重なる。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、経路が加工物の別の位置に延出する第4の領域240’において移動することができる。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、アークが実質的に消滅するまでトーチが減速を開始しないように、「0度点」270の後に、減速して所定の距離(たとえば約6.35ミリメートル(1/4インチ))に配置された点290または301で停止することができる。
【0085】
[000119]加工物から穴フィーチャを切断するための方法は、第1の切断パラメータの組から少なくとも1つの切断パラメータを使用して、第1の領域110において切断するステップと、第2の切断パラメータの組から少なくとも1つの切断パラメータを使用して、第2の領域160において切断するステップと、第3の切断パラメータの組から少なくとも1つの切断パラメータを使用して、第3の領域210において切断するステップを含むことができる。第1の切断パラメータの組は、第1の切断電流、または第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を含むことができる。コマンド速度は、使用者、CNC、またはコンピュータプログラムなどによる速度設定のための設定点であることができる。トーチ/切断速度は、コマンド速度設定点に達するためのトーチの加速または減速、およびプラズマアークトーチシステムに固有の任意の非効率または限界によってオフセットされたコマンド速度として定めることができる。第2の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組と異なる(たとえば少なくとも1つのパラメータが異なる)ことができ、第2の切断電流または第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度(たとえば第1のコマンド速度よりも速い)を含むことができる。第3の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組または第2の切断パラメータの組と異なる(たとえば少なくとも1つのパラメータが異なる)ことができ、第3の切断電流(たとえば第2の切断電流よりも小さい)または第3のトーチ速度を確立する第3のコマンド速度を含むことができる。第1、第2、および第3のパラメータの組は、互いに独立になっていることができる(たとえばパラメータは、互いに独立に選択される)。
【0086】
[000120]いくつかの実施形態では、2つの同一であるパラメータの組は全くない。たとえば、プラズマアークトーチシステムは、第1の領域から第2の領域に移行する場合にコマンド速度を変更することができる(たとえば第2の領域におけるコマンド速度がより高いようにコマンド速度を増加させる)。より高いコマンド速度(たとえばより高いトーチ速度を生じる)は、向心加速度における変化を最小限に抑え、アークによる動的応答を最小限に抑えるように、第1の領域(たとえばリードイン)でなく第2の領域(たとえば周縁)を切断するために使用することができる。コマンド速度が第1の領域と第2の領域の間で実質的に維持される場合、第1の領域における向心加速度は、第2の領域よりも大きくなり、切断アークによる動的応答および望ましくない欠陥を生じる可能性がある。プラズマアークトーチシステムは、第2の領域から第3の領域に移行しているときに、切断電流を変更する(たとえば第3の領域において切断電流を減少させる)こともできる。プラズマアークトーチシステムは、第3の領域から第4の領域に移行するときに、トーチ速度も変更することもできる(たとえば切断電流が消滅した後に、トーチの減速を開始する)。
【0087】
[000121]図6Eは、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。方法は、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して第1の領域110において切断するステップ310を含むことができる。方法は、第1の領域から第2の領域に移動するときにトーチ速度が増加するように、第2のトーチ速度を確立する第2の異なるコマンド速度を使用して、第2の領域160において切断するステップ320も含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のコマンド速度および第2のコマンド速度は、加速度曲線の一部分である(たとえば第2のコマンド速度が第1のコマンド速度よりも速い場合に)。いくつかの実施形態では、加工物は、第1のトーチ速度(たとえばコマンド速度によって確立された)で切断され、その場合に第1の領域および第2の領域は実質的に交差し、第2のより速いトーチ速度が第2の領域の少なくとも一部分(たとえば第2の領域の大部分)を切断するために使用される。上記に留意したように、トーチ速度は、望ましくない欠陥を生じる可能性がある切断アークによって向心加速度および動的応答における変化を最小限に抑えるように、第1の領域から第2の領域に移動しているときに増加させることができる。方法は、切断電流が、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する(たとえば図6Cおよび6Dに示されるように「0度点」270、または実質的に「0度点」270の付近で)第2の領域210の始端170に対応する位置/点で実質的に0アンペアに達する(ステップ350)ように、第3の領域210において切断電流を減少させる(たとえば切断電流を低下させる)ステップ330も含むことができる。方法は、電流の減少中に第3の領域においてコマンド速度を実質的に維持、またはさらに増加させるステップ(ステップ340)を含むことができる。方法は、切断電流が実質的に0に達した後に、プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップを含むことができる(ステップ360)。
【0088】
[000122]第2の領域160に関する切断部のコマンド速度は、第1の領域110における切断部のコマンド速度と異なる(たとえばより速い)ことができる。第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。第3の領域210は、切断部の第2の領域160におけるコマンド速度よりも速いコマンド速度(たとえば第3のコマンド速度)によって切断することができる。トーチ速度は、第1の領域110の切断部の外側カーフ縁140が、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250と実質的に交差する点(たとえば図6Cおよび6Dに示されるような「0度点」270)の後に減速させることができる。トーチ速度(たとえばトーチヘッドの実際の速度)は、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140が、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250と実質的に交差する点の後の所定の距離で0に達するように減速させることができる。
【0089】
[000123]第3の領域210におけるプラズマ切断電流(たとえば第3の切断電流)は、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する場所で、トーチヘッドが第3の領域210から第2の領域160に通過するとき、消滅することができる。切断電流は、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250が、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140と実質的に交わる点/位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の領域210で低下させる(たとえば減少させる)ことができる。第3の領域210における切断電流に関する減少は、少なくとも部分的には、第3の領域210の始端220と、第2の領域160の始端170との間の長さに基づいた比率で減少させることができる。あるいは、切断電流が減少される比率は、加工物から切断される穴フィーチャの直径の関数であることができる。切断電流の減少は、第3のトーチ速度および減少時間(たとえば、電流が実質的に0アンペアに達するために必要な時間)によって決定された、第3の領域210における位置で開始することができる。
【0090】
[000124]プラズマアークトーチは、穴フィーチャの傾斜および/またはテーパなどの欠陥を減少させるために、O2プラズマガスおよびO2シールドガスのガス流れ組成(たとえば、または低N2ガス組成)を使用して、第1の領域110、第2の領域160、および/または第3の領域210において切断することができる。
【0091】
[000125]プラズマアークトーチシステム(たとえば、図1に示されるような)は、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断するために使用することができる。プラズマアークトーチシステムは、電極27およびノズル28を含むプラズマトーチ24、プラズマアークトーチ24に切断電流を供給するリード、プラズマトーチを動かすガントリ26、および第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210においてプラズマアークトーチの切断パラメータを制御するCNC12を含むことができる。CNC12は、加工物において穴フィーチャを切断するための、切断パラメータを選択することができる。情報担体で有形に実施され、CNC12で動作可能なコンピュータ読取可能製造物は、CNC12が切断パラメータを選択するように動作可能な指令を含むことができる。CNC12は、第1の領域110に関する第1のコマンド速度、および第2の領域160に関する第2のコマンド速度を確立することができる。第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。CNC12は、第3の領域210に関する第3の切断電流も確立することができ、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140が、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250と実質的に交差する場所で、第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の切断電流が減少する。CNC12は、プラズマアークトーチの切断パラメータを認識するために、参照表を含むことができる。
【0092】
[000126]図6Fは、本発明の別の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。図6Fは、穴切断の間にプラズマアークトーチが追従する例示の移動経路を示し、その移動経路は、加工物の上部に沿って完全にトレースされる。最初に、プラズマガスおよびシールドガス流れは、アーク電流と共に開始することができる。ガス流れおよび電流アークの開始は、オペレータによって使用される消耗部品およびトーチ構成に基づいて、変わることができる。全てがHypertherm(登録商標)社に譲渡され、全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,070,227号、米国特許第5,166,494号、および米国特許第5,170,033号は、プラズマアークの開始、動作、および停止、ならびに切断プロセスの間に使用できる、様々なガス流れおよび電流設定を記載する。プラズマアークは、開始した後に、加工物に伝達される。アークが加工物に伝達された後に、いくつかの実施形態では、トーチ高さはトーチ高さ制御装置を使用して下げられる。穴切断は、プラズマアークを使用して、最初に加工物を穿孔する(たとえば点370で)ステップによって加工物において始まる。プラズマアークによって加工物が貫通して穿孔された後に、シールドガスが穴切断に最適化されたシールドガス組成に切り替えることができる。いくつかの実施形態では、トーチは、穴切断パターンに沿って加工物内に穴を切断するために加工物全体を横断して移動し始め、その穴切断パターンは、いくつかの実施形態では、プラズマおよびシールドを引き寄せる部分によって決定することができる。
【0093】
[000127]加工物から穴フィーチャを切断するために、加工物を穿孔して(たとえば穿孔位置370で)、加工物において内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始することができる。切断アークおよび切断速度は、加工物に対して確立することができる(たとえば、点370で加工物を穿孔し、切断速度を定めるコマンド速度を設定する)。切断速度は、穴切断経路において、第1の点380の後に第2の切断速度に増加させることができる(たとえば、図6Aで上記に説明したような第1の領域の端部の後で)。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチは、トーチが第3の領域に沿って切断するとき、移動した直線距離当たりの電流量が低下するように、第3の領域において加工物を切断することができる。切断電流は、穴切断経路における第2の点390の後に、切断速度を実質的に維持しながら、または切断速度を増加させながら、(たとえば、図6B〜6Cで上記に説明したように、第2の領域の終端の後に、および第3の領域の始端で、または始端の後で)減少させることができる。プラズマアークトーチは、第3の領域において切断する間、切断電流を実質的に維持し、なおかつコマンド速度を増加させる(たとえば、それによってトーチ速度を増加させる)こともできる。トーチは、加工物において穴フィーチャを形成するために、穴切断経路における第2の点390から切断し、穴切断経路における第1の点380に戻ることができる。切断電流は、穴切断経路における第2の点390から切断して、穴切断経路における第1の点380に戻る間、減少させることができる。切断アークは、穴切断経路における実質的に第1の点380の付近で(たとえば図6C〜6Dに示される「0度点」270付近で)消滅させることができる。第2の切断速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達するまで維持することができ、または切断電流が(たとえば第1の点380、または第1の点380の付近で)実質的に0アンペアに達する前に、第2の切断速度は、第3の切断速度に増加させることができる。
【0094】
[000128]本明細書に説明された任意の技術は、自動化された方法/プロセスを使用して、加工物において2つ以上のフィーチャ(たとえば図3に示されるような、穴フィーチャ105および/または輪郭115または120)を切断するために使用することができる。自動化された方法は、プラズマアークトーチを使用して、複数の穴フィーチャまたは他のフィーチャ(たとえば輪郭)を切断するために使用することができる。本明細書で用いられる「自動化された方法」は、そのプロセスが、1組の消耗部品(たとえばオペレータが切断中に消耗部品を変更する必要がない)を使用するプラズマアークトーチシステムによって(たとえばオペレータによる指令が最小限または全くなく)自動的に行われることを意味する。
【0095】
[000129]たとえば、自動化されたプロセスは、a)穴フィーチャの直径に基づいたリードインコマンド速度を使用して(たとえば図6Aに示されるような)穴フィーチャのためのリードインを切断するステップ、およびb)穴フィーチャのための対応するリードインコマンド速度より速い周縁コマンド速度を使用して(たとえば、図6Bに示されるような)穴フィーチャの周縁を切断するステップを含むことができる。ステップa)およびb)は、同じ直径または異なる直径を有する追加の穴フィーチャごとに自動的に繰り返すことができる。自動化されたプロセスは、穴フィーチャに加えて1つまたは複数の輪郭を切断するステップを含むこともできる。輪郭(たとえば図3に示されるフィーチャ115または120)は、複数の穴フィーチャを切断するために使用される補助的なガス組成よりも高い窒素含有量を有する補助的なガス組成を使用して(たとえば図5のガス制御システムを介して)切断することができる。
【0096】
[000130]別の実施形態では、第1の直径を有する第1の穴フィーチャ、および第1の直径よりも大きな第2の直径を有する第2の穴フィーチャが、自動化されたプロセスを使用して切断することができる(たとえば消耗部品を変えずに1組の消耗部品を使用してプラズマアークトーチによって自動的に切断される)。各穴フィーチャは、リードイン部分(たとえば図6Aの第1の領域)、穴周縁部分(たとえば図6Bの第2の領域)、およびリードアウト部分(たとえば図6Cの第3の領域)を含むことができる。たとえば、第1の穴フィーチャは、第1の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、第1のコマンド速度を使用し、第1のリードインを切断した後に、コマンド速度を第1のコマンド速度から第2のコマンド速度に増加させて切断することができる。自動化された方法は、第1のコマンド速度よりも速い第3のコマンド速度を使用して第2のリードインを切断することによって、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップも含むことができる。コマンド速度は、第2の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、第2のリードインを切断した後に、第3のコマンド速度から第4のコマンド速度に増加させることができる。いくつかの実施形態では、第4のコマンド速度および第2のコマンド速度が実質的に同じである。自動化された方法は、第1の補助的なガス流れを使用して加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップと、第2の補助的なガス流れを使用して加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップと、第1の補助的なガス流れまたは第2の補助的なガス流れよりも高い窒素含有量を有する第3の補助的なガス流れを使用して加工物において輪郭(たとえば図3のフィーチャ115または120)を切断するステップも含むことができる。第1の補助的なガス流れおよび第2の補助的なガス流れは、実質的に同じガス組成を有することができる。
【0097】
[000131]別の例示の自動化されたプロセスは、加工物において、複数(たとえば2つ以上)の穴フィーチャ(たとえば図3に示されるようなフィーチャ105)を切断するために使用することができる。自動化された方法は、たとえば、第1の直径を有する第1の穴フィーチャ、第1の直径よりも大きな第2の直径を有する第2の穴フィーチャ、および輪郭を切断するために使用される1つまたは複数の自動化されたプロセスを含むことができる。たとえば、第1の穴フィーチャは、第1のガス組成および第1の組の切断パラメータを有する補助的なガス流れ(たとえば図5に示されるシステムを使用して)を開始することによって、第1の自動化されたプロセスを使用して切断することができる。第2の穴フィーチャは、補助的なガス組成を有し、第2の組の切断パラメータを使用する補助的なガス流れを開始することによって、第2の自動化されたプロセスを使用して切断することができる。第2の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータは、第1の組の切断パラメータ(たとえば異なるリードインコマンド速度および/または切断速度)と異なることができる。輪郭フィーチャ(たとえば図3でのフィーチャ115または120)は、穴フィーチャを切断する際に使用されるより多い窒素含有量によるガス組成を使用して切断することができる。たとえば、自動化された方法は、第1および第2のガス組成よりも多い窒素含有量を有する第3のガス組成を有し、第3の組の切断パラメータを使用する、補助的なガス流れを開始することによって第3の自動化されたプロセスを使用して輪郭を切断するステップを含むことができる。第3の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータ(たとえば補助的なガスのガス組成)は、第1および第2の組の切断パラメータと異なることができる。第1の組の切断パラメータは、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、および第1のガス組成を含むことができる。第2の組の切断パラメータは、第2のリードインコマンド速度、第2の周縁コマンド速度、および第2のガス組成を含むことができる。第3の組の切断パラメータは、輪郭コマンド速度および第3のガス組成を含むことができる。輪郭を切断するために使用されるコマンド速度は、穴フィーチャを切断する間に使用されるコマンド速度(たとえば第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、第2のリードインコマンド速度、および第2の周縁コマンド速度)よりも速くなっていることができる。いくつかの実施形態では、第1のガス組成および第2のガス組成は、同じまたは実質的に同じであることができる。
【0098】
[000132]いくつかの実施形態では、自動化された方法は、第1の穴フィーチャ、および第1の穴フィーチャよりも大きくなっている第2の穴フィーチャを切断するために使用される。自動化された方法は、プラズマアークトーチを第1の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度に増加させることにより第1のリードイン(たとえば図6Aに示されるような第1の領域)を切断し、第1の周縁(たとえば図6Bに示されるような第2の領域)を切断するために、第1のリードインの後に切断速度を増加させ、第1の周縁(たとえば図6Bに示される第2の領域160の内側カーフ縁200)の内側カーフ縁が、第1のリードインの外側カーフ縁(たとえば図6Aに示されるような第1の領域110の外側カーフ縁140)と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または増加させることによって、加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップを含むことができ、切断電流は、第1のリードインの外側カーフ縁が第1の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所(たとえば、図6Cに描かれるような「0度点」)、またはその場所の付近で消滅する。電流の減少は、切断部(たとえば図6Cおよび11に示されるような第3の領域210)のリードアウトの間に開始することができる。方法は、プラズマアークトーチを第2の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度より速い第2のリードイン切断速度まで増加させることによって第2のリードインを切断し、第2の周縁を切断するために、第2のリードインの後に切断速度を増加させ、第2の周縁の内側カーフ縁が、第2のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または上昇させることによって、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップも含むことができ、切断電流は、第2のリードインの外側カーフ縁が第2の周縁の外側カーフ縁に合流する場所、またはその付近で消滅する。いくつかの実施形態では、電流の減少は、少なくとも部分的には、切断されている穴の直径(たとえば第1の穴フィーチャまたは第2の穴フィーチャの穴の直径)に基づいたリードアウトに沿った点で開始される。いくつかの実施形態では、加工物は、各穴フィーチャを切断するのを開始するために穿孔される。
【0099】
[000133]プラズマアークトーチシステム(たとえば図1のシステム)は、様々な厚さの加工物において、様々な大きさおよび寸法の複数の穴フィーチャおよび輪郭を切断するように構成することができる。システム(たとえば、図1に示されるような)は、対応する電流レベルおよびコンピュータ数値制御装置(たとえば図1のCNC12)のための電極(たとえば、図2の電極27)およびノズル(たとえば、図2のノズル28)を有するプラズマアークトーチを含むことができる。CNCは、プラズマアークトーチに関する切断パラメータを制御するように構成することができる。たとえば、CNCは、穴フィーチャを切断するために用いられる第1の補助的なガス組成、および輪郭を切断するために使用される第2の補助的なガス組成の複数のガス組成(たとえば、図5に示すような自動ガス制御システムからの補助的なガス流れ組成)を選択することができる。CNCは、複数の周縁切断速度から、加工物の材料厚さに基づいた周縁切断速度(たとえば図6Bに示されるような第2の領域を切断するために使用される切断速度および/または対応するコマンド速度)を選択することもできる。CNCは、複数のリードイン速度から、切断される穴フィーチャの大きさ、および加工物の材料厚さに基づいたリードイン速度(たとえば、図6Aに示されるような第1の領域を切断するために使用される切断速度および/または対応するコマンド速度)を選択することができ、各周縁切断速度は、対応するそれぞれのリードイン速度よりも速くなっている。リードイン速度は、切断される穴フィーチャの大きさに比例したものであることができる。CNCは、複数の負の時間オフセット値から、電流レベル(たとえば切断電流レベル)に基づいた負の時間オフセット値を選択するように構成することができる。負の時間オフセット値は、非同期停止コマンドと関連付けることができる。下記に論じるように、非同期停止コマンドは、プラズマアークトーチにプラズマアークを消滅させ、なおかつトーチヘッドを移動させ続けるように命じるコマンドである。負の時間オフセットは、プラズマアークトーチがトーチヘッドを移動させながら、電流の減少(たとえば電流の停止)の開始を始める時を制御し/決定する値を有する変数として定めることができる。負の時間オフセットに関する値は、図6Cに示されるようにトーチヘッドが「0度点」に達したときまでに電流が消滅するような点で、電流の減少が始まるように選択することができる。トーチヘッドは、電流が消滅するまで移動し続けることができる。負の時間オフセットは、切断される穴フィーチャの大きさ、または電流レベルに基づいたものであることができる。
【0100】
[000134]CNCは、コンピュータ読取可能製造物から指令を取り込み/読み取り/取得するように構成することができる。プラズマアークトーチシステムによって、加工物において複数の穴フィーチャおよび/または輪郭フィーチャを切断するために、情報担体で有形に実施され、CNCで動作可能なコンピュータ読取可能製造物。コンピュータ読取可能製造物は、CNCにロードすることができ、穴を切断するとき空気より低い窒素含有量を有するシールドガス組成をCNCが選択するように動作可能な指令を含むことができる。製造物は、CNCに、切断される穴フィーチャに関するリードイン切断速度(たとえば、図6Aに示すような第1の領域を切断するための切断速度および/または対応する切断速度)であって、切断される穴フィーチャの直径の関数であるリードイン切断速度を確立させ、切断される穴フィーチャ用の周縁切断速度(たとえば、図6Bに示されるような第2の領域を切断するための切断速度および/または対応する切断速度)であって、対応するリードイン切断速度よりも速くなっている周縁切断速度を確立させることもできる。製造物は、プラズマアークを消滅させるために、第1のコマンド(たとえば非同期停止コマンド)を提供することもでき、第1のコマンドは、プラズマアークトーチを減速させるための第2のコマンドとは独立になっている。周縁切断速度は、加工物の厚さに基づいたものであることができる。
【0101】
[000135]図7A〜7Cは、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する際に使用することができる経路(たとえばリードイン形状)の第1の領域に関する異なる形状を示す。異なるリードイン形状が、加工物から穴フィーチャを切断するために使用できる。図7Aは、穴フィーチャを切断するための、例示の直線リードイン形状110Aを示す。図7Bは、穴フィーチャを切断するための、例示の四分円110Bのリードイン形状を示す。図7Cは、穴フィーチャを切断するための、例示の半円のリードイン形状110Cを示す。
【0102】
[000136]図8A〜8Dは、第1の領域における半円形状の経路(たとえば半円のリードイン)を使用して加工物から切断された穴フィーチャ、および第1の領域における直線経路(たとえば、直線リードイン)から切断された穴フィーチャの結果を示す。図8A〜8Dは、「移行」点400A〜Dを示し、そこで第3の領域210の端部230が、第2の領域160の始端170と実質的に交差する(たとえば切断部のリードインが切断部の周縁および切断部のカーフブレークイン領域(たとえば「リードアウト」)と交わる)。図8Aは、経路の第1の領域に関する直線形状(たとえば図7Aの110A)を使用して、加工物からの穴フィーチャ切断部の上面図を示す。図8Bは、図8Aの穴フィーチャの底面図を示す。図8Cは、半円リードイン形状(たとえば、図7Cの110C)を使用した穴フィーチャの上面図を示す。図8Dは、図8Cの加工物からの穴フィーチャ切断部の底面図を示す。図8A〜8Bに示されるように、直線形状の第1の領域を使用した穴フィーチャ切断部(たとえば、図8Aの直線リードインまたは110A)が突起などの望ましくない欠陥を生じた。図8C〜8Dに示されるように、半円110C様の形状にされた第1の領域(たとえば、半円リードイン)を使用した穴フィーチャ切断部は、直線リードインを使用した穴フィーチャ切断部よりも欠陥が少ない穴フィーチャを生成した。
【0103】
[000137]図9は、本発明の例示の実施形態による、異なるリードインコマンド速度に関して測定されたずれを示すグラフである。グラフは、図6A〜6Cに示されるような第1の領域、第2の領域、および第3の領域が合流する移行領域における穴フィーチャでのずれの測定値を示す。グラフは、異なる「リードイン速度」(たとえば、図6Aに示されるような第1の領域に沿った切断に関して設定されたコマンド速度)に関するずれ(「Dレベルのずれ」)を示す。特に、グラフは、「Dレベルのずれ」を示し、それは、図6C〜6Dに示されるような「0度点」270から反時計回りに+90度、および「0度点」270から時計回りに−90度で穴フィーチャにおいて測定されたずれである。「0.000」ラインは、穴が、欠陥/ずれがない「完全な」穴である場合に穴があるべき場所である。「0.000ライン」の上および下の点は、それぞれ突起およびディボットなどのずれ/欠陥を示す。−90度の点および+90度の点で、より小さなずれ/欠陥があり、「0度点」(たとえば、図6C〜6Dでの点270)の付近でより大きなずれ/欠陥がある。穴フィーチャの厚さおよび周縁を包含する円筒度と比較して、(図4に対して上記に説明したように)、図9でのずれは、所与の深さでの穴フィーチャのセグメント/部分を反映する。リードイン速度(たとえば経路の第1の領域に関するコマンド速度)が、穴の周縁を切断するための速度(たとえば経路の第2の領域に関するコマンド速度)より低いことが望ましいが、穴フィーチャに関する最適な速度が存在している。リードイン速度を最適化することは、正の角度でのずれ(たとえば、ディボットまたは突起)をさらに減少させることができる(たとえば、第1の領域が第2の領域の始端に移行するところの第2の領域において)。
【0104】
[000138]穴フィーチャにおけるずれを測定するための方法は、穴の直径および中央の位置を決定するために、穴の底部付近の深さで、リードインおよびアーク停止領域から離れて穴フィーチャの半円を走査する(たとえば、図6A〜6Dに示されるように、たとえば−90度の点から+90度の点に時計回りに、または+90度の点から−90度の点に反時計回りに、穴の第2の領域/周縁の部分を走査する)ステップを含むことができる。方法は、ほぼ同じ深さで、穴のリードインおよびアーク停止領域を走査し(たとえば、図6A〜6Dに示されるように、たとえば+90度の点から−90度の点に時計回りに、または−90度の点から+90度の点に反時計回りに第3の領域および第2の領域の始端を走査し)、(たとえば、リードインおよびアーク停止領域から離れて走査することによって得られた測定値をリードインおよびアーク停止領域を走査することによって得られた測定値と比較することによって)測定された穴の直径および位置からずれを計算する第2のステップを含むことができる。上記に留意したように、電流は「0度点」270(たとえば、図6C〜6Dに示されるように、第1の領域の外側カーフ縁が、第3の領域の外側カーフ縁と交差する場所)で、または実質的に「0度点」270の付近で消滅することができ、このようにして「アーク停止領域」を定める。ずれのデータは、各角度点にプロットすることができる。穴フィーチャを切断するための最適なプロセスを決定するために、領域において最小の欠陥(たとえば0に最も近いずれの値)を有するリードイン速度を穴の大きさごとに選択することができる。
【0105】
[000139]図9は、様々なリードイン速度(たとえば、図6Aに示されるような経路の第1の領域に関する様々な速度)に関するずれのプロットである。穴は、130アンペアの切断電流およびO2/O2(プラズマガス/シールドガス)のガス組成を使用して、3/8インチ(9.525ミリメートル)軟鋼から切断された10.01ミリメートル(0.394インチ)直径の穴であった。穴フィーチャの周縁(たとえば、図6Bでの第2の領域)に関する切断速度は、約45ipmに設定された。このプロセス、材料、および穴のサイズに関する最適なリードイン速度は、約25〜27ipm(プロット440および450)で設定された速度であった。たとえば、約40ipm(プロット480)で設定されたリードイン速度から切断された穴フィーチャは、約25〜27ipmで設定された切断のリードイン速度から切断された穴より大きな欠陥(すなわち、約0.584ミリメートル(約0.023インチ)で測定された突起)を生成した。約20ipm(プロット410)で設定されたリードイン速度から切断された穴フィーチャは、約25〜27ipmで設定された切断のリードイン速度から切断された穴より大きな欠陥(すなわち、約−0.33ミリメートル(約−0.013インチ)で測定されたディボット)を生成した。対照的に、約25〜27ipmのリードイン速度で切断された穴フィーチャは、約0ミリメートル(約0インチ)から約0.05ミリメートル(約0.002インチ)で測定された突起(たとえば、+90度から0度の点で時計回りに定められた第2の領域の部分における)を生成した。
【0106】
[000140]一般に、最適なリードイン速度は、穴の直径がより小さくなるとき低下する。穴の直径の関数としての最適なリードイン速度のプロットが、図9に示されるプロットと同様に試験され、展開され、式に曲線適合される。式に関する係数が、穴切断チャートに現われる可能性があり、それがCNCによって行われる計算において読み取られ、使用される。図10は、本発明の例示の実施形態による、リードインコマンド速度に関する例示の参照チャート570である。図10に示されるように、最適なリードイン速度は、穴の直径の関数であることができ、加工物の切断電流レベルおよび厚さに基づいて変わることができる。穴フィーチャの大きさは、リードイン速度の大きさと直接的に関係づけることができる。たとえば、より小さな穴フィーチャは、より遅いリードイン速度を使用して切断することができ、より大きな穴フィーチャは、より速いリードイン速度を使用して切断することができる。たとえば、130アンペアで9.525ミリメートル(0.375インチ)の軟鋼加工物から7.01ミリメートル(0.276インチ)直径の穴フィーチャを切断するためのプロセスは、穴フィーチャにおける欠陥を最小限に抑えるために、約12ipmに設定された最適のリードイン速度を有することができる。対照的に、130アンペアで9.525ミリメートル(0.375インチ)の軟鋼加工物から8.001ミリメートル(0.315インチ)直径の穴フィーチャを切断するためのプロセスは、穴フィーチャにおける欠陥を最小限に抑えるために、約19ipmに設定された最適のリードイン速度を有することができる。
【0107】
[000141]図11は、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する際に使用される経路に関する第3の領域を示す。トーチヘッドの動作は、経路210を追従することができる。第3の領域は、第1の領域110の外側カーフ縁140(たとえば、切断部のリードイン)が「0度点」270(たとえば、第1の領域110の外側カーフ縁140が第3の領域210の外側カーフ縁250と合流する場所)に対して第2の領域160の内側カーフ縁200と交差する点から延出することができる。上記に留意したように、第2の領域160の内側カーフ縁200が交差する前に、切断部の先縁261が第1の領域の外側カーフ縁と交差するときの近似である。穴を切断する間にトーチ角度位置(Φ)580がΦrefに達するとき、ほぼ第3の領域210が始まる場所で、カーフ先縁がリードイン(たとえば第1の領域)外側カーフ縁140に割り込む。Φ580が低下すると、残りの材料の量が低下し、Φ=0(「0度点」)で0に達する。残りの材料(たとえば、「漸減材料」590)は、Φの関数として計算することができる。
【0108】
[000142]漸減する材料590は、トーチヘッドが第3の領域210の始端220に達した後に、切断される加工物から残った材料であることができる。減少する材料590が、少なくとも部分的には、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140、および第3の領域210の切断部の外側カーフ縁250によって画成できる。過剰に材料を除去することで穴フィーチャにディボットが生じる可能性があり、十分に材料を除去しないことで穴フィーチャに突起が生じる可能性がある。したがって、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250が、第2の領域160における切断部の外側カーフ縁180と実質的に整列するように、第3の領域210において除去される材料を最適化することが望ましい。穴フィーチャを切断するための、残りの除去される材料(たとえば、漸減する材料590)の量は、第3の領域210に沿って(たとえば、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する、第3の領域210の始端220から第3の領域210の端部230に)変わるので、トーチが第3の領域210に沿って移動するときに加工物を切断するために使用される電流密度は、正確な量の材料が加工物から除去されるように最適化することができる。切断電流の減少(たとえば、第3の切断電流)および/またはトーチ速度(たとえば切断速度)の変更は、第3の領域210においてトーチが移動する直線距離当たりの所望の電流密度の量を提供するように最適化することができる。第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250が、第2の領域160における切断部の外側カーフ縁180と実質的に整列するように、減少する材料590を除去するために、第3の領域210において切断電流を減少させることができる。方法は、トーチヘッドが第3の領域210から第2の領域(たとえば、図6Cに示される領域240)に対応する位置へ通過するまで、第3の領域210におけるトーチ速度を実質的に維持または増加させるステップも含むこともできる。
【0109】
[000143]図12は、本発明の例示の実施形態による、時間の関数としての切断電流およびコマンド速度を示すグラフ600である。プロセス電流610は、「0度点」270’(たとえば、図6Cおよび図11に示されるように、第1の領域110の外側カーフ縁140が第3の領域210の外側カーフ縁250と合流する場所)、または実質的に「0度点」270の付近で減少および消滅するような信号を受ける(たとえばCNCによって)こと620ができる。電流を減少させる信号620が送られる時と、電流レベルが実際に減少し始める時との間に伝播遅延630がある可能性がある。トーチ速度640(たとえばトーチ速度)は、トーチヘッドが「0度点」270’を通過した後、および電流が消滅した後(たとえば、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に)に減速させることができる。
【0110】
[000144]第3の領域において切断するための複数の切断電流減少動作のうちの少なくとも1つが選択され、複数の切断電流減少動作のそれぞれは、穴フィーチャの直径の関数であることができる。切断電流は、切断電流610が、第1の領域、第2の領域、および第3の領域210’が(たとえば、第3の領域210’の端部230’付近で)実質的に交差する第3の領域210における第2の点270’(たとえば、図6C〜6Dに示されるような点270に対応する)、または実質的に第2の点270’付近で消滅するように、第3の領域210’における第1の点(たとえば、第3の領域の始端、または第3の領域の始端の付近で)で減少させることができる。第3の領域の第1の点は、切断電流の減少時間を使用して決定/計算することができる。トーチ速度が、第2の点270’の後の所定の距離650(たとえば、6.35ミリメートル(1/4インチ))で実質的に0に達するように、プラズマアークトーチを減速させることができる。
【0111】
[000145]プロセス電流610の減少、および第3の領域210’における停止は、最大プロセス切断速度で(たとえば、実質的にコマンド速度を維持することによって)、または第2の領域よりも高いトーチ速度で(たとえば、コマンド速度を増加させることによって)行うことができる。電流停止610は、0度マーク270(たとえば、リードイン/穴移行位置、または第1の領域が第2の領域に移行する場所)と実質的に同時であることができる。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、減速されて640、(上記に説明したような)最小「リードアウト」モーション長に等しい、またはそれより長い、「0度マーク」270’の後の所定の距離650(たとえば、6.35ミリメートル(1/4インチ))で停止することができる。プラズマは、トーチが「0度点」270、または「0度点」270の付近に達する場合に電流が消滅するように、電流の減少時間および伝播遅延に対応する時に減少するように信号を受けること620ができる。したがって、プラズマ電流が減少するように信号を受ける点620と電流が消滅する点270との間の時間間隔は、減少時間に対応することができる。
【0112】
[000146]いくつかの実施形態では、第1のコマンド(たとえば、非同期停止コマンド)が切断部に沿った第1の位置(たとえば、図6Cの「0度点」270および図12の270’)でプラズマアークを消滅させるように確立され、第1のコマンドはプラズマアークトーチの動作を変えるための第2のコマンドとは独立である。自動化されたプロセスは、切断部に沿って第1の位置(たとえば0度点270’)の前にある第2の位置651で電流の減少の開始を決定する第1のコマンドと関係づけられた負の時間オフセットを確立するステップも含むことができる。負の時間オフセットは、プラズマアークトーチシステムが電流の減少を開始する時を決定する変数であることができる。負の時間オフセットの値は、トーチが第2の位置に達した時点で電流の減少の開始が始まり、トーチが第1の位置に達する時に電流が消滅するように選択することができる。いくつかの実施形態では、第1の位置651は、切断されている穴フィーチャの周縁の外側カーフ縁(たとえば、図11の縁190)と、切断されている穴フィーチャのリードインの外側カーフ縁(たとえば、図11の縁140)との間の交差に対応する。プラズマアークトーチの動作を変えるステップは、プラズマアークトーチを減速または加速するステップを含むことができる。負の時間オフセットは、第1のコマンドと電流の減少の開始との間の遅延630、および電流の減少の開始とプラズマアーク610の消滅との間の時間の合計であることができる。いくつかの実施形態では、負の時間オフセットは、切断チャート(たとえば、下記に示すような図13のチャート660)から取り込むことができる。負の時間オフセットは、切断されている穴フィーチャの直径または電流レベルの関数であることができる。複数の穴フィーチャが切断される場合、本明細書に説明される技術が、切断されている穴フィーチャごとに行うことができる。
【0113】
[000147]図13は、本発明の例示の実施形態による、切断パラメータに関する例示の参照チャート660である。電流の減少時間は、切断チャート660に含むことができる。電流の減少時間は、プロセスの電流レベルに応じて変わることができる。例として、400Aの電流レベルによって動作するプロセスが、減少させるために(たとえば、電流を消滅させるために)約250msかかる可能性がある。約50アンペアの電流レベルによって動作するプロセスは、減少させるために約50msかかる可能性がある。したがって、「0度点」(たとえば、図6Cおよび図11に示すように、第1の領域の外側カーフ縁が第3の領域の外側カーフ縁と合流する)で電流を消滅させるために、CNCは、少なくともコマンド速度および減少時間(たとえば、電流を消滅させるためにかかる時間)に基づいた点で電流を消滅させるために、プラズマアークトーチシステムに信号を送り、電流を減少させることができる。
【0114】
[000148]図6C〜6Dで上記に説明したように、アークが消滅し、トーチが「0度点」に達するまで、プラズマアークトーチが減速し始めないように、最小の減速時間は、プラズマアークトーチが減速して停止するために設定することができる最小の時間として定めることができる。最小の減速時間は、トーチヘッド速度に関する上限(たとえば、1/4インチ(6.35ミリメートル)軟鋼加工物に関する80アンペアプロセスが、約55ipmの切断速度を使用することができる)、およびテーブル減速に関する下限(たとえば、「スローテーブル」が約5mGのテーブル減速を有することができる)を使用することにより計算することができる。EQN1の上が、最小リードアウトモーション長「L」(たとえば電流が消滅した後、および/またはトーチヘッドが実質的に「0度点」に達した後までテーブルが減速し始めないように、設定できる最小距離であり、その最小距離は速いトーチ速度および遅いテーブルに関して計算される)を計算するために使用することができ、それは約55ipmのトーチ速度、および約5mGのテーブル減速が与えられた場合に約6.35ミリメートル(約0.25インチ)であることができる。したがって、ほとんどのプロセスに関して、電流が消滅するまで、プラズマアークトーチがトーチヘッド速度を維持するように、プラズマアークトーチは「0度点」の後の6.35ミリメートル(0.25インチ)で停止するために減速するように命令を受けることができる。より低い速度(たとえば、より遅いトーチ速度)および/またはより速いテーブル(たとえば、より大きなテーブル減速)を伴うプロセスは、「0度点」の後の6.35ミリメートル(0.25インチ)に達する前に停止するが、テーブルは電流が消滅した後にさらに減速する。別の実施形態では、トーチヘッドを減速させる(たとえば停止する)ためのCNCの負のカットオフ時間は、伝播遅延630、プロセス減少610(たとえば、電流を減少させるためにかかる時間)、任意の追加のリードアウトおよびモーション減速時間650の合計に設定することができる。
【0115】
[000149]図9で上記に説明したように、図14は、図6A〜6Cで示した第1の領域、第2の領域、および第3の領域が合流する移行領域における穴フィーチャでのずれの測定値を示す。特に、グラフは、図6A〜6Dに示されるような「0度点」から反時計回りに+90度、および「0度点」から時計回りに−90度での穴フィーチャにおけるずれを示す。グラフ670は、本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャに関して測定されたずれを示す。プロット661は、図6Aに示されるような、第1の領域の外側カーフ縁を示す。リードイン/リードアウトフォームエラー「ディング」および/または「ディボット」の深さを最小限に抑えるため、プロセス減少(たとえば、図6Cおよび12に示されるように第3の領域における電流に関して減少させること)は、最大プロセス切断速度を実質的に維持または増加させる(たとえば、より高いコマンド速度を設定することによって切断速度を増加させる)ことによって行うことができる。穴に関する第3の領域(たとえば、図6Cに示されるように−90度と0度の間)において生成された平均のずれ(たとえば、ディボット)は、約−0.508ミリメートル(約−0.020インチ)であった。
【0116】
[000150]図15は、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断するプラズマアークトーチを操作する自動化された方法を示す。ソフトウェアは、CNCが実行するためのコードを生成し、プラズマシステムにトーチの動作中にいくつかのステップを行うように指令することができる。1つのステップは、プラズマアークトーチに関するロックアウト高さ制御(locking out height control)(ステップ800)を含むことができる。ガス組成(たとえば、プラズマ/シールドガスに関するO2/O2)は、参照チャートから設定することができる(ステップ810)。カーフ値(たとえば、参照チャートからの)は、切断される穴フィーチャ直径からのモーション径を計算する(ステップ820)ために使用することができる。1つのステップは、穴切断チャートにおける値からコマンド速度を読み取り/設定するステップ(ステップ830)を含むことができる。穴フィーチャを切断するために使用される経路は、360度アーク、非同期停止コマンド、およびリードアウトアーク長(たとえば、図6Dに示されるような第4の領域におけるアーク)を含むようにプログラムする(ステップ850)ことができる。非同期停止コマンドは、プラズマアークトーチにプラズマアークを消滅させ、なおかつトーチヘッドを移動させ続けるように命じるコマンドであることができる。次いで、トーチ停止コマンド(たとえば、トーチを減速させて停止させるコマンド)は、後で与えられる。非同期停止コマンドは、「0度点」(たとえば、図6C〜6Dに示されるような点270)で挿入することができ、電流が「0度点」で実質的に0に消滅するように、減少時間に対応する時間間隔によるオフセット(たとえば、負の時間オフセット)を含むことができる(ステップ840)。リードアウトアーク長は、「0度点」の後までトーチが減速し始めないように(たとえば、電流が消滅するまでトーチ速度が低下しないように)、最小リードアウトモーション長に対応するようにプログラムすることができる(たとえば、EQN.1で上記に説明したように)。穴の中心からモーション径のリードイン形状(たとえば半円)(ステップ860)をプログラムすることができる。リードイン速度は、穴切断チャートにおける値(たとえば、上記に説明したような第1の領域に関するコマンド速度)から読み取り/設定する(ステップ870)ことができる。電流の減少時間は、任意の数の穴の大きさに関して参照表から読み取ることができ、上記に説明したように、任意の重要な伝播遅延が、非同期停止コマンドをオフセットする時間間隔に加わる可能性がある。したがって、適切な電流の減少時間は、任意の数の穴の大きさに関して計算することができる。
【0117】
[000151]いくつかの実施形態では、自動化された方法は、加工物において複数の穴フィーチャを切断するステップを含む。上記に説明した方法は、各穴フィーチャを切断するために使用することができる。上記に説明したステップ840は、各穴フィーチャの周縁に沿った切断部の外側カーフ縁が、各穴フィーチャのリードインに沿った切断部の外側カーフ縁に実質的に合流する場所(たとえば、図6Cの「0度点」270および図12の270’)に対応する第1の位置を確立するステップを含むことができる。方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径、または切断電流レベルに基づいて、第1の位置の前にある第2の位置(たとえば、図12の位置651)を確立するステップと、プラズマアークトーチが第1の位置に達するとき、プラズマアークが実質的に消滅するように第2の位置でプラズマアーク終止を開始するステップも含むことができる。電流の減少の開始に対応する第2の位置は、切断のリードアウト(たとえば、図6Cおよび図11に示されるような第3の領域210)に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、異なる穴の直径を有する複数の穴フィーチャが、所与の厚さを伴って加工物において切断され、第2の位置から第1の位置にプラズマアークトーチが移動した距離が、複数の穴フィーチャに関して実質的に同じ(たとえば同じ)である。自動化された方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径に基づいた負の時間オフセットを決定するステップであって、負の時間オフセットは、第2の位置でプラズマアークの終止の開始を決定するステップも含むことができる。複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャは、プラズマアークトーチに関する1つの組の消耗部品を使用して切断することができる(たとえばプラズマトーチの消耗部品を変更することなく穴フィーチャを切断するための自動化されたプロセスなど)。いくつかの実施形態では、加工物は、各穴フィーチャを切断するのを開始するために穿孔することができる。
【0118】
[000152]図16は、異なるプロセスから切断された穴に関する穴の質の結果を比較するグラフである。グラフは、異なる切断プロセス880〜920を使用して切断された穴フィーチャに関する円筒度を示す。円筒度は、穴の大きさ(たとえば穴の直径)の関数であることができる。図16でプロセス880〜920を使用して切断された穴フィーチャは、直径がそれぞれ10.01ミリメートル(0.394インチ)であり、9.525ミリメートル(3/8インチ)厚の軟鋼加工物において切断された。プロセス900〜910は、本明細書に説明された本発明の実施形態の例示の特徴を組み込むプロセスから切断される穴フィーチャである。プロセス920は、レーザ切断システムを使用した穴フィーチャ切断であった。レーザ切断システムは、以前により高品質の(たとえば、プロセス920をたとえばプロセス880と比較して)穴を生み出したが、プラズマアークトーチシステムは費用がより低かった。したがって、プラズマアークトーチシステムから切断された高品質の穴が求められる。
【0119】
[000153]プロセス880に関するプロット(「ベンチマークプラズマ」)は、既存の方法からの穴フィーチャ切断に関する円筒度を示す。プロセス880に関するガス組成は、シールドガスにO2プラズマガスおよび空気を使用した。直線リードイン(たとえば、第1の領域に関する直線切断)が使用され、トーチが「0度点」の前に(たとえば、電流を消滅させる前に)減速された。プロセス880からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約1.499ミリメートル(約0.059インチ)であった。
【0120】
[000154]プロセス890に関するプロット(「部分A」)は、プロセス880からの唯一の変更がガス組成であった場合の穴フィーチャ切断に関する円筒度を示す。プロセス890に関するガス組成は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスであった。プロセス890からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約2.54ミリメートル(約0.100インチ)であった。したがって、プロセス880からシールドガス組成および流量を単に変更することは、穴フィーチャにおける欠陥を拡大させた。
【0121】
[000155]プロセス900に関するプロット(「部分B」)は、穴フィーチャに関する円筒度を示し、その場合に、半円形状を使用して、第1の領域を切断し(たとえば、半円リードイン)、第2の領域に関するコマンド速度が、第1の領域に関するコマンド速度よりも速くなっている。しかし、トーチは、電流が消滅する前に(たとえば、図6C〜6Dに示されるように「0度点」の前に)減速された。プロセス900に関するガス組成は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスであった。プロセス900からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約0.9906ミリメートル(約0.039インチ)であった。したがって、このデータは、切断部に沿ってコマンド速度を変更し、半円リードインを選択したことが穴の質を向上させたことを示す。このプロセスによって切断された穴切断フィーチャは、直線のリードインを有し、第1の領域と第2の領域の間のトーチ速度の変更が全くないプロセスを使用することによって切断される穴よりも低い円筒度を有する。
【0122】
[000156]プロセス910に関するプロット(「完全なソリューション」)は、穴フィーチャに関する円筒度を示し、その場合に半円形状を使用して第1の領域が切断され、第2の領域に関するコマンド速度が、第1の領域に関するコマンド速度よりも速く、電流が消滅した後に(たとえば、上記に説明した「0度点」の後に)トーチが減速された。プロセス910に関するガス組成は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスであった。プロセス910からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約0.508ミリメートル(約0.020インチ)であり、それによって、その他のプラズマアークトーチプロセスと比べて切断の質の改善を示す。このプロセスによる穴フィーチャ切断部は、電流が消滅する前に減速されたトーチによって穴フィーチャ切断部よりも低い円筒度を有する。
【0123】
[000157]プロセス920に関するプロット(「レーザ」)は、レーザ切断システムを使用する穴フィーチャ切断についての円筒度を示す。レーザシステムからの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約0.381ミリメートル(約0.015インチ)であった。本明細書に説明された実施形態の態様/フィーチャを組み込む穴フィーチャを切断することは、プロセス900〜910に関するプロットに示されるように、プラズマアークトーチシステムを使用して切断される穴の質を改善した。
【0124】
[000158]図17は、本発明の原理を実現するために、コンピュータ数値制御装置(たとえば、図5のCNC12)などのプロセッサをどのように使用して、ガス流れを操作することができるかを示す流れ図である。図17は、本発明の例示の実施形態による、情報担体において実施されるコンピュータ読取可能製造物内に含むことができる流れ動作を示す。その他の実施形態も、本発明の範囲内にある。図17に示されるように、切断される部分を含むCADファイルがCNC1510またはネスティング・ソフトウェアに提供され、切断チャートに含まれる指令に基づいて、CNCがシールドガス組成を選択する。別の実施形態では、ネスティング・ソフトウェアに含まれる指令は、シールドガス組成を決定する。いくつかの実施形態では、CNCは、穴フィーチャまたは輪郭が切断されているかどうか決定するためにコンピュータ読取可能指令を使用したのち、トーチに電源が入り1520、アークが加工物に伝達される1530。アークが開始されたとき、開始のシールドガスおよびプラズマガスが使用され、たとえばその組み合わせが下記の図18に示される。アークが加工物に伝達された後に、トーチが加工物に下げられ、アークが加工物を穿孔する1540。1つの実施形態では、アークは、空気を穿孔シールドガスとして使用し、加工物を穿孔する。穿孔ステップが完了した後、CNCは、コンピュータ読取可能指令を使用して、穴フィーチャが切断されるか、輪郭が切断されるかに応じて、適切なシールドガスを選択する。いくつかの実施形態では、穴フィーチャが切断されるか、輪郭が切断されるかについての決定(および適切なシールドガス組成の選択)は、加工物の厚さに関連した穴の寸法の調査に基づいている。1つの実施形態では、フィーチャの直径が加工物の厚さの約2.5倍以下である場合、小さな内側フィーチャ(たとえば、穴フィーチャ)が切断され、CNCは第2のシールドガスを選択する1550。いくつかの実施形態では、穴フィーチャ切断のために選択されたシールドガス組成はO2であり、いくつかの実施形態では、シールドガス組成は、O2、He、N2、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態では、シールドガス組成に関する指令は、切断チャートの指令に含まれている。第2のシールドガスが選択された後に、CNCは、第2のシールドガス組成がシールドガス供給ラインを通って流れるようにシールドガス流れを制御する。次いで、穴フィーチャは、切断チャートに含まれる指令によって決定され、またはネスティング・ソフトウェアによって指定された第2のシールドガス組成を使用して、加工物において切断される1560。1つまたは複数の穴フィーチャが加工物において切断された後に、CNCが輪郭切断動作を開始する1570。
【0125】
[000159]CNCが輪郭切断動作を開始するとき、輪郭切断に関して開始のシールドガスおよびプラズマガスを使用して、アークが再び開始される1530。次いで、アークが加工物を穿孔し1540、輪郭切断が開始すると、CNCが輪郭切断動作に関して第1のシールドガスを選択する1580。輪郭が切断されることが決定されると、CNCが輪郭切断に関して第1のシールドガス組成を選択する1580。輪郭の認識は、切断部の形状に基づいて選択することができ、または内側フィーチャの場合には、切断される開口の直径と加工物の厚さとの比率に基づいたものであることができる。いくつかの実施形態では、輪郭を切断するとき、アークの開始、加工物の穿孔、および輪郭切断の全てが、単一のシールドガス組成、すなわち第1のシールドガス組成を使用して行われる。いくつかの実施形態では、アークの開始および加工物の穿孔の間のシールドガスは、加工物において輪郭形状を切断するときに使用されるシールドガスと異なる。加工物において穴フィーチャまたは輪郭を切断するとき、同じ作業ステップに従うことができるが、各ステップに関して異なるシールドガス組成を選択することができる。
【0126】
[000160]図18は、本発明の実施形態に使用できるガスの組み合わせの例を示す表である。1つの実施形態では、ガスは、穴フィーチャ切断または輪郭切断などの、行われるプラズマトーチ動作に基づいた、最適のガス切断特性を提供するように選択される。図18に示される例示のガス組成は、軟鋼切断用途に関するものであるが、他の材料の加工物が、そのような材料により適した異なるシールドガス組成を使用して切断することができる。いくつかの実施形態では、HeおよびN2の混合物が、ステンレス鋼またはアルミニウムを切断する穴フィーチャシールドガスに関して、酸素の代わりに使用することができる。
【0127】
[000161]図18に実証された実施形態では、輪郭または穴フィーチャを切断している間、システムは、プラズマアーク開始の間にプラズマガスおよびシールドガスとして空気を提供する。空気は、アークの開始の間にO2と比べてより優れた消耗部品の寿命をもたらす傾向にあるので、プラズマガスとして使用される。アークが開始し、加工物に伝達された後に、プラズマガスがO2に変更され、シールドガスが穿孔プロセスに関する空気としてそのまま残る。この場合に、電流が切断電流に上昇されたとき、ノズルへの損傷を防止するために、プラズマガスが、ノズル設計に適切なガス、この実施形態ではO2に切り替えられる。ほとんどの場合に、最大切断電流に達した時に切断ガスが存在することが望ましい。一方で、穿孔プロセスに関するシールドガスは空気としてそのまま残る。穿孔動作に関する空気シールドガスは、より小さな穿孔貫通を残すことが示され、それは加工物において廃物を抑える。加工物が穿孔された後に、プラズマトーチが、トーチの動作によって貫通の縁に沿って切断を開始する。穿孔において、トーチは一般に静止し、目的は、加工物を完全に貫通することである。切断は、一方で、所望の形状を形成するために、露出した縁を切断することによって、トーチを移動することを伴う。
【0128】
[000162]図18の表を再び参照すると、穿孔ステップの後に、シールドガスは、輪郭切断か穴フィーチャ切断かのタイプに基づいて選択することができる。輪郭を切断する際には、シールドおよびプラズマガスが、変更されないまま残る。O2のプラズマガスと空気のシールドガスの組み合わせを使用して輪郭を切断する場合に、O2のプラズマガスと空気のシールドガスの組み合わせは、直線的なスラグのない縁および速い切断速度を可能にする(たとえば、切断速度またはコマンド速度)が、大きな角度のテーパまたは傾斜を有する穴フィーチャを形成する傾向になり、質の低い穴フィーチャを形成する。穴フィーチャまたは小さな内側フィーチャを切断する場合に、O2をプラズマガスとして保ち、シールドガスもO2に切り替えることによって、穴フィーチャのテーパは、なくならないとしても低減させることができる。軟鋼を切断する場合にO2シールドガスを使用することによって、シールドガス内の窒素の量が低下されるので、テーパは空気と比べて低減される。したがって、低い窒素含有量を有するその他のガスまたはガス組成を、図18の実施形態に使用することができた。他の実施形態では、異なる組成の組み合わせを有するシールドガスが、穴フィーチャを切断するときに使用することができる。
【0129】
[000163]図19Aは、従来技術の切断プロセスを使用した(たとえば、同じ加工物において輪郭切断および穴フィーチャ切断の両方に関して同じシールドガス組成を使用した)穴切断の断面の1つの例である。図19Aでは、穴の円筒度(「テーパ」または「傾斜」)は、穴の縁74の上部71、中間部72、および底部73での直径の測定値に等しい直径を有する、同軸の円柱を形成することによって測定することができる。直径の間の最も大きな差が、矢印81の間の空間によって示される。図19Aにおける2つの基準の円筒の半径の間の大きな差が、低い質の穴を示している。そのような穴は、かなりのポスト切断処理を必要とする可能性がある。
【0130】
[000164]図19Bは、上記に説明した例示の技術を組み込む、本発明の実施形態による穴フィーチャ切断の断面である。穴の円筒度(「テーパ」または「傾斜」)は、穴の縁74の上部71、中間部72、および底部73での直径の測定値に等しい直径を有する、同軸の円柱を形成することによっても測定することができる。図19Bでは、穴切断の縁の傾斜またはテーパが図19Aの穴の縁の傾斜と比較して大幅に低減される(図3も参照されたい)ことが理解できる。さらに、低減された円筒度は、図19Aと比べて矢印81の間の低下した距離によって理解することもできる。穴の縁の傾斜またはテーパの低下によって、2つの同軸の円筒の間の円筒度公差領域が最小になり、ポスト切断処理を全く必要としない、はるかに高い質の穴を生じる。
【0131】
[000165]上記に説明した技術は、デジタル電子回路、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせで実現することができる。実現は、コンピュータプログラム製造物、すなわち情報担体(たとえばCPS)において有形に実施されたコンピュータプログラムとしてのものであることができる。情報担体は、(たとえばプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータなどの)データ処理装置により実行するための、またはデータ処理装置の動作を制御するための、機械読取可能な記憶デバイスであり、または伝播された信号内にあることができる。
【0132】
[000166]コンピュータプログラム(たとえば、コンピュータプログラムシステム)は、編集された、または解釈された言語を含む、任意の形のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピュータ環境において使用するのに適した他のユニットとしてのものを含む、任意の形で装備することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、または1つの場所にあり、もしくは複数の場所に渡って分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータで実行されるように装備することができる。
【0133】
[000167]方法のステップは、入力データに基づいて作動し、出力を生成することによって、本発明の機能を行うためのコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって行うことができる。方法のステップは、たとえばFPGA(フィールドプログラマブル論理アレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって行うこともでき、装置は専用論理回路として実装することができる。モジュールは、その機能を実現するコンピュータプログラムおよび/またはプロセッサ/専用回路の一部分を指すことができる。
【0134】
[000168]コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、一般および専用のマイクロプロセッサの両方であり、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般にプロセッサは、読み出し専用メモリ、またはランダムアクセスメモリ、あるいは両方から指令およびデータを受ける。コンピュータの基本的な要素は、指令を実行するためのプロセッサ、ならびに指令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス(たとえば、磁気、磁気光学ディスク、または光学ディスク)も含み、またはそこからデータを受け、またはそこにデータを転送する、あるいは両方を行うために、動作的に連結される。データ転送および指令は、通信ネットワークの間で行うこともできる。コンピュータプログラム指令およびデータを実施するのに適した情報担体は、例として、たとえばEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、たとえば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含む、全ての形の不揮発性メモリを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足し、または専用論理回路に組み込むことができる。
【0135】
[000169]使用者との対話をもたらすために、上記に説明した技術は、たとえば、使用者に情報を表示するためのCRT(陰極線管)、またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびに使用者が入力をコンピュータに提供する(たとえば、ユーザインターフェース要素によって対話する)ことができる、キーボード、およびたとえばマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータで実現することができる。他の種類のデバイスが、同様に使用者に対話をもたらすために使用することができ、たとえば、使用者に提供されるフィードバックは、たとえば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触覚的フィードバックなどの任意の形の感覚的なフィードバックであることができ、使用者からの入力は、音響、発話、または触覚の入力を含む任意の形で受け取ることができる。
【0136】
[000170]上記に説明した技術は、たとえばデータサーバなどのバックエンドコンポーネント、および/またはたとえばアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネント、および/またはたとえば使用者が例示的な実現と対話することができるグラフィカルユーザインターフェースおよび/またはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンピュータ、あるいはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドのコンポーネントの任意の組み合わせを含む、分散処理コンピュータシステムで実現することができる。システムの構成要素は、任意の形または媒体のデジタルデータ通信たとえば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、およびたとえばインターネットなどのワイドエリアネットワーク(「WAN」)を含み、有線および無線ネットワークの両方を含む。
【0137】
[000171]備える、含む、および/またはそれぞれの複数形は、無制限であり、列挙した要素を含み、かつ列挙されていない追加の要素を含むことができる。および/または、無制限であり、1つまたは複数の列挙した要素、および列挙した要素の組み合わせを含む。
【0138】
[000172] 本発明を特定の例示の実施形態を参照して具体的に示し、説明してきたが、形式および詳細における様々な変更が、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずになされることができることを理解すべきである。
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に、プラズマアーク切断トーチシステムに関する。より詳細には、本発明は、プラズマトーチチップ構成を使用して加工物における内側フィーチャ(feature)および輪郭を切断する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]プラズマ切断は、ガス流れをプラズマ状態に加熱するために絞られた電気アークを使用する。高温のプラズマ流れからのエネルギーが、加工物を局所的に溶融する。多くの切断プロセスに対して、補助的なガス流れ(シールドガス流れ、またはシールド流れとしても知られる)が使用されて、トーチを保護し、切断プロセスを補助する。高温のプラズマ流れおよびシールド流れの運動量は、溶融材料を除去するのを補助し、加工物内に切断カーフ(カーフ)として知られるチャネルを残す。
【0003】
[0003]プラズマトーチと加工物の間の相対運動により、プロセスが加工物を効果的に切断するのに使用できるようになる。シールドガスは、プラズマガスおよび加工物の表面と相互作用し、切断プロセスにおいて重要な役割を果たす。ノズルオリフィスの下流側では、プラズマおよびシールドガス流れが接触し、熱伝達および物質移動を可能にする。
【0004】
[0004]図1は、既知の自動化されたプラズマトーチシステムの図である。自動化されたトーチシステム10は、切断テーブル22およびトーチ24を含むことができる。自動化されたシステムで使用することができるトーチの1つの例として、ニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造されたHPR260オートガスシステムがある。トーチ高さ制御装置18は、ガントリ26に装着することができる。自動化されたシステム10は、駆動システム20も含むことができる。トーチは、電源14によって電力供給される。プラズマアークトーチシステムは、ガス組成(たとえばシールドガスおよびプラズマガスに関するガス種(gas type))、およびプラズマアークトーチに関するガス流量を調整/構成するために使用することができるガスコンソール16も含むことができる。自動化されたトーチシステム10は、ニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造されたたとえばHypertherm Automation Voyagerなどのコンピュータ数値制御装置12(CNC)も含むことができる。CNC12は、動作パラメータを決定するためにCNC12が使用する情報を入力または読み取るためにトーチのオペレータによって使用されるディスプレイスクリーン13を含むことができる。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、切断速度、トーチ高さ、ならびにプラズマガス組成およびシールドガス組成を含むことができる。ディスプレイスクリーン13は、動作パラメータを手動で入力するためにオペレータが使用することもできる。トーチ24は、トーチ本体(図示されない)およびトーチ本体の前端部に装着されたトーチ消耗部品(consumable)も含むことができる。CNC12の構成のさらなる議論は、Hypertherm社に譲渡された米国特許出願公開第2006/0108333号に見出すことができ、その開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
[0005]図2は、消耗部品およびガス流れを含む既知のプラズマアークトーチチップ構成の断面図である。電極27、ノズル28、およびシールド29は、プラズマガス30が電極の外側とノズルの内側表面との間を流れるように共に重ね合わされている。プラズマチャンバ32は、電極27とノズル28の間に画成される。プラズマアーク31は、プラズマチャンバ32内に形成される。プラズマアーク31は、加工物37を切断するためにノズルの前端部のプラズマノズルオリフィス33を通ってトーチチップを出る。シールドガス34は、ノズルの外側表面とシールドの内側表面との間を流れる。シールドガス34は、シールドの前端部のシールド出口オリフィス35を通ってトーチチップを出て行き、プラズマアークを囲むように構成することができる。いくつかの例では、シールドガスは、同様にシールド29内に配置されたブリード穴36を通ってトーチチップを出て行く。シールドガス流れの一部分は、プラズマガスと共にカットカーフに入ることができ、切断アークと加工物表面37の間に境界層を形成する。この境界層の組成は、アークから加工物表面への熱伝達、および加工物表面に生じる化学反応に影響する。プラズマトーチ消耗部品の1つの例として、80アンペアの電流で軟鋼を切断するためのHPR130システム用のニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造された消耗部品がある。ノズル28は、本出願の譲渡人によって所有され、その開示が、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる、Couchらに発行された「Nozzle And Method Of Operation For A Plasma Arc Torch」という名称の米国特許第5,317,126号に記載されるような換気されたノズル(たとえば内側ノズルおよび外側ノズル、ならびに内側ノズル片と外側ノズル片の間に形成され、バイパス流れを大気に送るバイパスチャネルを備える)であることができる。
【0006】
[0006]既知の方法を使用してプラズマアークトーチによって切断された内側フィーチャ(たとえば、穴フィーチャ、実質的に円形の穴、スロットなど)が、たとえば突起、ディボット(divot)(くぼみ)、「傾斜」または「テーパ」などの欠陥を生じる可能性がある。傾斜またはテーパは、加工物の底面でのフィーチャの大きさが、プレートの上面でのフィーチャの大きさより小さいことである。たとえば、加工物の上部にある内側フィーチャ(たとえば穴/穴フィーチャなど)の直径は、内側フィーチャを通過するボルトの大きさに適合するように切断する必要がある。穴フィーチャが、突起、ディボット、傾斜、またはテーパなどの欠陥を有する場合、穴フィーチャの欠陥により、穴フィーチャ直径が加工物の上部から加工物の底部にかけて変わるおそれがある。そのような欠陥は、ボルトが加工物の底部を通過するのを妨げる可能性がある。リーマ加工またはドリル加工などの補助的なプロセスが、加工物の底部でボルト穴フィーチャの直径を拡大するために求められる。穴切断の質を確実にするこの従来の方法は、時間を浪費する可能性があり、単一の加工物で穴および輪郭を切断するより効率的な方法が必要であることを示唆する。
【0007】
[0007]多くのガス混合物が、プラズマ切断プロセスでのプラズマガスおよびシールドガスの両方に使用することができる。たとえば、軟鋼を加工するために、プラズマガスとして酸素が使用され、シールドガスとして空気が用いられる。いくつかの低電流加工(たとえば65A未満)は、薄い材料(たとえば10ゲージ(2.5mm)未満の加工物など)を切断するために、酸素をプラズマガスとシールドガスの両方に使用する。酸素プラズマガス/空気シールドガスの組み合わせは、高切断速度で大きな部品を高品質かつスラグを最小限に抑えて生成することができるので、50アンペアを超えるアーク電流で軟鋼に用いるものとして一般に知られている。そのような切断プロセスは、いくつかの欠点を有する。たとえば、酸素プラズマガス/空気シールドガス構成は大きな断面を直線的な縁(たとえば輪郭など)によってきれいに切断できるが、そのようなガスの組み合わせは、高品質の穴フィーチャを切断することができない。その代わりに、酸素プラズマガスおよび空気シールドガスによる穴フィーチャ切断は、かなりの傾斜または「テーパ」を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008]従来から、たとえば切断部のリードイン(lead−in)(導入部)が切断部の周縁に移行する場所の「突起」(たとえば過剰な材料など)などの、穴フィーチャの欠陥を修正するため、不要な過剰な材料を切断することによってリードインの付近に残された欠陥を「除去する」ために、周縁を切断した後、アークは残されたままになる。このプロセスは、「オーバーバーン(over burn)」と呼ばれる。しかし、オーバーバーンは、過剰に材料を除去するおそれがあり、さらに大きな欠陥を残す(たとえば突起の代わりにディボットを残す)ことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]本発明は、大きなフィーチャまたは輪郭に関する生産性および切断の質を維持しながら、プラズマアークトーチを使用して加工物から切断された小さな内側部分のフィーチャ(たとえば穴フィーチャ)に関する切断の質を、大幅に改善する。既知の方法を使用してプラズマアークトーチを使用して切断された穴フィーチャ(たとえば穴)は、突起(たとえば切断された材料が十分でなく、過剰な材料が残された場所)、ディボット(たとえば過剰に材料が切断された場所)、たとえばボルトが加工物の底部を通過するのを妨げるおそれのある傾斜および/またはテーパなどの欠陥を生じる可能性がある。切断パラメータ(たとえばガス組成、切断速度、切断電流など)が、大きなフィーチャまたは輪郭に対する質を維持しながら、小さな内側部分のフィーチャの切断の質を改善するように操作することができる。シールドガス組成は、行われている穴切断の縁部のテーパ、または傾斜に影響を与える可能性がある。たとえば、単一のプラズマトーチの消耗部品構成を使用して、単一の加工物において、第1のシールドガス組成が、輪郭を切断する場合に使用でき、第2の異なるシールドガス組成が、1つまたは複数の穴または小さな内側フィーチャを切断する場合に使用できる。
【0010】
[0010]切断部の「リードイン」の切断速度は、穴フィーチャに関する切断の質に影響を与える可能性がある。切断部のリードインに関して切断部の残りの部分と同じ速度を使用すると、切断部のリードが周縁に移行する場所で、突起などの欠陥を生じる可能性がある。上記に留意したように、従来から、「オーバーバーン」プロセスは、過剰な材料を除去するために使用できるが、オーバーバーンプロセスは、過剰に材料を除去する可能性があり、その後でディボットなどの欠陥が残る。傾斜および/またはテーパを最小限に抑えるのを補助するために、低N2ガス組成(たとえばO2プラズマガスおよびO2シールドガスのガス組成など)の使用も、小さな内側フィーチャを切断するために使用することができる。たとえば空気を使用して加工物を切断することは、O2ガスを使用して切断するほど、欠陥を生じやすくはない。O2プラズマおよびO2シールドガスを使用することは、穴フィーチャでの突起および/またはディボットなどの欠陥をさらに大きくする可能性がある。単一の加工物において穴を切断する場合、および輪郭を切断する場合に、シールドガス組成を変えることによって、補助的なプロセスの必要をなくすことができる。レーザ切断システムは高品質の切断を生成することができるが、プラズマアークトーチシステムは、内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャなど)を切断することに対する低費用の代替となるものを提供する。
【0011】
[0011]1つの態様では、本発明は、プラズマアークトーチシステムを使用して複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法を特徴とし、自動化された方法は、コンピュータ数値制御装置で実現される。自動化された方法は、a)穴フィーチャの直径に基づいたリードインコマンド速度を使用して、穴フィーチャに関するリードインを切断するステップと、b)穴フィーチャに関する対応するリードインコマンド速度よりも速い周縁コマンド速度を使用して穴フィーチャに関する周縁を切断するステップとを含むことができる。自動化された方法は、同じ直径または異なる直径を有する追加の穴フィーチャごとに、ステップa)およびステップb)を繰り返すステップc)も含むことができる。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、自動化された方法は、複数の穴フィーチャを切断するために使用される補助的なガス組成よりも高い窒素含有量を有する補助的なガス組成を使用して輪郭を切断するステップを含むことができる。
【0013】
[0013]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断する自動化された方法を特徴とし、各穴フィーチャがリードイン部分、穴周縁部分、およびリードアウト部分を含む。方法は、第1の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、第1のコマンド速度を使用して第1のリードインを切断し、第1のリードインを切断した後に第1のコマンド速度から第2のコマンド速度にコマンド速度を増加させることによって、第1の直径を有する加工物において第1の穴フィーチャを切断することを含むことができる。方法は、第3のコマンド速度を使用して第2のリードインを切断することによって第1の直径よりも大きな第2の直径を有する加工物において、第2の穴フィーチャを切断するステップであって、第3のコマンド速度は第1のコマンド速度よりも速いステップと、第2の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために第2のリードインを切断した後に、コマンド速度を第3のコマンド速度から第4のコマンド速度に増加させるステップも含むことができる。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、第4のコマンド速度および第2のコマンド速度が実質的に同じである。自動化された方法は、第1の補助的なガス流れを使用して、加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップと、第2の補助的なガス流れを使用して、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップと、第1の補助的なガス流れまたは第2の補助的なガス流れよりも高い窒素含有量を有する第3の補助的なガス流れを使用して、加工物において輪郭を切断するステップとを含むこともできる。いくつかの実施形態では、第1の補助的なガス流れおよび第2の補助的なガス流れが、実質的に同じガス組成を有する。
【0015】
[0015]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法を特徴としている。自動化された方法は、第1のガス組成を有する補助的なガス流れを開始し、第1の組の切断パラメータによって第1の穴フィーチャを切断することによって、第1の自動化されたプロセスを使用して第1の直径を有する第1の穴フィーチャを切断するステップを含むことができる。自動化された方法は、第2のガス組成を有する補助的なガス流れを開始し、第2の組の切断パラメータによって第2の穴フィーチャを切断することによって、第2の自動化されたプロセスを使用する第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の穴フィーチャを切断するステップであって、第2の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータが第1の組の切断パラメータと異なるステップも含むことができる。自動化された方法は、第1および第2のガス組成よりも多い窒素含有量を有する第3のガス組成を有する補助的なガス流れを開始し、輪郭を第3の組の切断パラメータによって切断することによって、第3の自動化されたプロセスを使用して輪郭を切断するステップであって、第3の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータが第1または第2の組の切断パラメータと異なるステップも含むことができる。
【0016】
[0016]第1の組の切断パラメータは、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、および第1のガス組成を含むことができる。第2の組の切断パラメータは、第2のリードインコマンド速度、第2の周縁コマンド速度、および第2のガス組成を含むことができる。第3の組の切断パラメータは、輪郭コマンド速度および第3のガス組成を含むことができる。輪郭コマンド速度は、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、第2のリードインコマンド速度、および第2の周縁コマンド速度よりも速くなっていることができる。第1のガス組成および第2のガス組成は、実質的に同じ(たとえば同じ)であることができる。
【0017】
[0017]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチによって加工物において少なくとも第1の穴フィーチャおよび第2の穴フィーチャを切断する自動化された方法を特徴とし、第2の穴フィーチャは、第1の穴フィーチャよりも大きくなっている。方法は、プラズマアークトーチを第1の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度に増加させることにより、第1のリードインを切断し、第1の周縁を切断するために、第1のリードインの後に切断速度を増加させ、第1の周縁の内側カーフ縁が、第1のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または増加させることにより、加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップを含むことができ、切断電流は、第1のリードインの外側カーフ縁が第1の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所、またはその場所の付近で消滅する。方法は、プラズマアークトーチを第2の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度より速い第2のリードイン切断速度まで増加させることによって第2のリードインを切断し、第2の周縁を切断するために、第2のリードインの後に切断速度を増加させ、第2の周縁の内側カーフ縁が、第2のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または増加させることによって、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップも含むことができ、切断電流は、第2のリードインの外側カーフ縁が第2の周縁の外側カーフ縁に合流する場所、またはその場所の付近で消滅する。
【0018】
[0018]いくつかの実施形態では、電流の減少は、第1の穴フィーチャまたは第2の穴フィーチャの直径に基づいた点で、第1の穴フィーチャまたは第2の穴フィーチャを切断する間、開始することができる。
【0019】
[0019]別の態様では、本発明は、様々な厚さの複数の加工物において、様々な大きさの輪郭および複数の穴フィーチャを切断するように構成されたプラズマアークトーチシステムを特徴としている。システムは、対応する電流レベルおよびコンピュータ数値制御装置(CNC)のための電極およびノズルを有するプラズマアークトーチを含むことができる。CNCは、複数のガス組成から、穴フィーチャを切断するために使用される第1の補助的なガス組成、および輪郭を切断するために使用される第2の補助的なガス組成を選択するように構成することができる。CNCは、複数の周縁切断速度から、加工物の材料厚さに基づいた周縁切断速度を選択することもできる。CNCは、複数のリードイン速度から、切断される穴フィーチャの大きさ、および加工物の材料厚さに基づいたリードイン速度を選択することができ、各周縁切断速度は、各対応するリードイン速度よりも速くなっている。
【0020】
[0020]リードイン速度は、切断される穴フィーチャの大きさに比例したものであることができる。コンピュータ数値制御装置は、複数の負の時間オフセット値から、電流レベルに基づいた負の時間オフセット値を選択するように構成することができる。負の時間オフセットは、切断される穴フィーチャの大きさ、または電流レベルに基づいたものであることができる。
【0021】
[0021]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチシステムによって、加工物において複数の穴フィーチャを切断するために、情報担体で有形に実施され、コンピュータ数値制御装置で動作可能なコンピュータ読取可能製造物(コンピュータで読み取り可能な製造物:computer readable product)を特徴としている。コンピュータ読取可能製造物は、コンピュータ数値制御装置が、空気より低い窒素含有量を有するシールドガス組成を選択し、切断される穴フィーチャに対して、切断される穴フィーチャの直径の関数であるリードイン切断速度を確立し、切断される穴フィーチャに対して、対応するリードイン切断速度よりも速い周縁切断速度を確立し、プラズマアークトーチを減速させるための第2のコマンドとは独立になっているプラズマアークを消滅させるための第1のコマンドを提供するように、動作可能である指令を含むことができる。
【0022】
[0022]周縁切断速度は、加工物の厚さに基づいたものであることができる。
[0023]別の態様では、本発明は、加工物において穴フィーチャを切断する場合に、プラズマアークトーチを制御するための自動化された方法を特徴としている。方法は、切断部に沿った第1の位置でプラズマアークを消滅させるための第1のコマンドを確立するステップであって、プラズマアークトーチの動作を変えるために、第1のコマンドが第2のコマンドとは独立であるステップと、切断部に沿って第1の位置の前にある第2の位置での電流の減少の開始を決定する第1のコマンドと関係づけられた負の時間オフセットを確立するステップとを含むことができる。
【0023】
[0024]第1の位置は、穴フィーチャの周縁の外側カーフ縁と、穴フィーチャのリードインの外側カーフ縁との間の交差部に対応することができる。プラズマアークトーチの動作を変えるステップは、プラズマアークトーチを減速または加速するステップを含むことができる。負の時間オフセットは、第1のコマンドと電流の減少の開始との間の遅延、および電流の減少の開始とプラズマアークの消滅との間の時間の合計であることができる。いくつかの実施形態では、負の時間オフセットは、切断チャートから取り込まれる。負の時間オフセットは、穴フィーチャの直径または電流レベルの関数であることができる。
【0024】
[0025]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用する複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャを切断するための切断パラメータを確立するための自動化された方法を特徴としている。方法は、各穴フィーチャの周縁に沿った切断部の外側カーフ縁が、各穴フィーチャのリードインに沿った切断部の外側カーフ縁に実質的に合流する場所に対応する第1の位置を確立するステップを含むことができる。方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径、または切断電流レベルに基づいて、第1の位置の前にある第2の位置を確立するステップと、プラズマアークトーチが第1の位置に達するとき、プラズマアークが実質的に消滅するように第2の位置でプラズマアーク終止を開始するステップも含むことができる。
【0025】
[0026]いくつかの実施形態では、複数の穴フィーチャは、所与の厚さによって加工物において切断され、第2の位置と第1の位置の間のプラズマアークトーチが移動した距離は、複数の穴フィーチャに関して実質的に同様である。自動化された方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径に基づいた負の時間オフセットを決定するステップであて、負の時間オフセットは、第2の位置でプラズマアークの終止の開始を決定するステップも含むことができる。複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャは、プラズマアークトーチに関する1つの組の消耗部品を使用して切断することができる(たとえばプラズマトーチの消耗部品を変更することなく穴フィーチャを切断するための自動化されたプロセスなど)。いくつかの実施形態では、加工物は、各穴フィーチャを切断するのを開始するために穿孔することができる。
【0026】
[0027]1つの態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用して、加工物において、穴フィーチャなどの内側フィーチャを切断する方法を特徴としている。プラズマアークトーチは、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の一部分に沿って切断するために使用できる。方法は、第1の領域において、第1の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して切断するステップであって、第1の切断パラメータの組は、第1の切断電流および/または第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を含むステップも含むことができる。方法は、第2の領域において、第2の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して、切断するステップも含むことができる。第2の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組と異なる(たとえば組の中の少なくとも1つのパラメータが異なる)ことができ、第2の切断電流および/または第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を含むことができる。方法は、第3の領域において、第3の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して、切断するステップも含むことができる。第3の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組または第2の切断パラメータの組と異なることができ、第3のトーチ速度を確立する第3の切断電流および/または第3のコマンド速度を含むことができる。
【0027】
[0028]コマンド速度は、トーチ/切断速度に関する設定点であることができる。トーチ速度は、コマンド速度設定点に達するためのトーチの加速/減速、およびプラズマアークトーチシステムに固有の非効率/限界によってオフセットされたコマンド速度であることができる。
【0028】
[0029]いくつかの実施形態では、第1の領域は切断部のリードインに対応し、第2の領域は切断部の周縁に対応し、第3の領域は切断部のカーフブレークイン(break−in)領域に対応する。穴フィーチャは、少なくとも部分的には、第2の領域における切断部の外側カーフ縁、および第3の領域における切断部の外側カーフ縁の少なくとも一部分によって画成できる。第1の領域における切断は、加工物において半円を切断することを含むことができる。
【0029】
[0030]第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。いくつかの実施形態では、第3の切断電流が、第3の領域における少なくとも一部分の間の第2の切断電流よりも少なくなっている。
【0030】
[0031]1つの態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャなどの内側フィーチャを切断する方法を特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して第1の領域において切断するステップと、第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を使用して第2の領域において切断するステップを含むことができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。
【0031】
[0032]内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)は、実質的に円形の穴またはスロットであることができる。
[0033]経路は、第3の領域を含むことができる。第1の領域は切断部のリードインに対応することができ、第2の領域は切断部の周縁に対応することができ、第3の領域は切断部のカーフブレークイン領域に対応することができる。方法は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する第2の領域における始端に対応する位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の領域において切断電流を減少させるステップも含むことができる。切断電流は、少なくとも部分的には、第3の領域における始端と第2の領域における始端との間の長さに基づいた比率で減少させることができる。
【0032】
[0034]第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。トーチ速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に低下させることができる。第3のコマンド速度は、たとえば第3の領域における切断に使用することができる。第3のコマンド速度は、第3のトーチ速度を定めることができる。切断電流の減少は、第3のトーチ速度および減少時間(たとえば、電流が実質的に0アンペアに達するために必要な時間)によって決定された、第3の領域における位置で開始することができる。
【0033】
[0035]方法は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスを含むガス流れ組成を使用して、第1の領域または第2の領域において切断するステップを含むことができる。
[0036]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、内側フィーチャ(穴フィーチャなどの)を切断する方法を特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1の領域および第2の領域を切断するステップを含むことができる。第2の領域に関する切断のコマンド速度は、第1の領域における切断のコマンド速度と異なることができる。方法は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が第1の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交わる点で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように第3の領域における切断電流を低下させるステップも含むことができる。方法は、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップも含むことができる。
【0034】
[0037]いくつかの実施形態では、方法は、第1の領域における切断のコマンド速度よりも速いコマンド速度によって、第2の領域において切断するステップを含むことができる。
【0035】
[0038]第2の領域における穴フィーチャの中心から切断部の外側カーフ縁までの距離は、第1および第3の領域が交差する点で、第3の領域における穴フィーチャの中心から切断部の外側カーフ縁までの距離に実質的に同様になっていることができる。穴フィーチャは、実質的には、第2の領域における切断部の外側カーフ縁、および第3の領域における切断部の外側カーフ縁の少なくとも一部分によって画成できる。いくつかの実施形態では、第1の領域は切断部のリードインに対応し、第2の領域は切断部の周縁に対応し、第3の領域は切断部のカーフブレークイン領域に対応する。
【0036】
[0039]トーチ速度は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する点の後に減速させることができる。トーチ速度は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する点の後の所定の距離で0に達するように減速させることができる。
【0037】
[0040]いくつかの実施形態では、第3の領域における切断電流は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように減少させることができる。
【0038】
[0041]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、内側フィーチャ(穴フィーチャなどの)を切断する方法を特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、切断の第1の領域のコマンド速度と異なるコマンド速度によって、第2の領域において切断するステップを含むことができる。方法は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が、第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、漸減する材料を除去するために第3の領域において切断電流を減少させるステップも含むことができる。方法は、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップを含むことができる。
【0039】
[0042]いくつかの実施形態では、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が、第1の領域における切断部の外側カーフ縁と交差するところで、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、切断電流が第3の領域において減少させることができる。漸減する材料が、少なくとも部分的には、第1の領域における切断部の外側カーフ縁、および第3の領域の切断部の外側カーフ縁によって画成できる。いくつかの実施形態では、第3の領域は、切断部の第2の領域におけるコマンド速度よりも速いコマンド速度によって切断することができる。
【0040】
[0043]別の態様では、本発明は、穴フィーチャの欠陥を緩和するプラズマ切断システムを使用して加工物において内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)を切断する方法を含むことを特徴としている。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に移動するステップと、切断のはじめに加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャを切断するための)ステップとを含むことができる。方法は、加工物に対して切断アークおよび切断速度を確立するステップと、穴切断経路における第1の点の後に切断速度を第2の切断速度に増加させるステップとを含むことができる。方法は、切断速度を減少させることなく、穴切断経路における第2の点の後に、切断電流を低下させるステップも含むことができる。第2の切断速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達するまで、維持することができる。第2の切断速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達する前に第3の切断速度に増加させることもできる。
【0041】
[0044]第1の領域は、切断部のリードインを画成することができ、第2の領域は、穴フィーチャの周縁の少なくとも一部分を画成することができる。
[0045]いくつかの実施形態では、切断速度を増加させるステップは、穴切断経路の第1の領域において第1のコマンド速度によって切断するステップと、穴切断経路の第2の領域において第1のコマンド速度より速い第2のコマンド速度を使用して切断するステップ含むことができる。第1のコマンド速度は、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。
【0042】
[0046]切断電流は、穴切断経路の第2の点の後に低下させることができ(すなわち開始された切断電流の減少)、切断アークは、穴切断経路の実質的に第1の点の付近で消滅させることができる。いくつかの実施形態では、トーチは、加工物において穴フィーチャを形成するために、穴切断経路における第2の点から切断し、穴切断経路における第1の点に戻ることができる。切断電流は、穴切断経路における第2の点から切断して、穴切断経路の第1における点に戻る間、減少させることができる。
【0043】
[0047]別の態様では、本発明は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、内側フィーチャ(穴フィーチャなどの)を切断するためのプラズマアークトーチシステムを特徴としている。プラズマアークトーチシステムは、電極およびノズルを含むプラズマトーチ、プラズマアークトーチに切断電流を供給するリード、プラズマトーチを動かすプラズマトーチに取り付けられたガントリ、および第1の領域、第2の領域、および第3の領域においてプラズマアークトーチの切断パラメータを制御するコンピュータ数値制御装置を含むことができる。コンピュータ数値制御装置は、第1の領域に関する第1のコマンド速度、および第2の領域に関する第2のコマンド速度を確立することができる。第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。コンピュータ数値制御装置は、第3の領域に関する第3の切断電流も確立することができる。第3の切断電流は、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する位置で、第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように減少することができる。
【0044】
[0048]コンピュータ数値制御装置は、プラズマアークトーチの切断パラメータを認識するために、参照表を含むことができる。
[0049]第3の切断電流は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が第2の領域の切断部の外側カーフ縁と実質的に位置が合うように、漸減する材料(たとえば穴フィーチャの切断を仕上げるのに加工物に残留する材料)を除去するために、減少することができる。
【0045】
[0050]別の態様では、本発明は、情報担体で有形に実施され、プラズマアークトーチシステム用のコンピュータ数値制御装置で動作可能なコンピュータ読取可能製造物を特徴としている。コンピュータ読取可能製造物は、コンピュータ数値制御装置が、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を備える経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、(たとえば穴フィーチャなどの)内側のフィーチャを切断するための切断パラメータを選択するように動作可能である指令を含むことができる。切断パラメータは、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいた、第1の領域に関する第1のコマンド速度、および切断の第2の領域に関する第2のコマンド速度を含むことができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。切断パラメータは、第3の領域に関する第3の切断電流も含むことができ、第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する場所で、第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の切断電流が減少する。
【0046】
[0051] 第3の切断電流は、第3の領域における切断部の外側カーフ縁が第2の領域の切断部の外側カーフ縁と実質的に位置が合うように、漸減する材料(たとえば穴フィーチャの切断を仕上げるのに加工物に残留する材料)を除去するために、減少することができる。
【0047】
[0052]別の態様では、本発明は、穴フィーチャの欠陥を緩和するプラズマアークトーチを使用して、加工物において、内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)を切断する方法を特徴としている。プラズマアークトーチは、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断できる。方法は、第3の領域を切断するための複数の切断電流減少動作のうちの1つを選択するステップを含むことができ、複数の切断電流減少動作のそれぞれが、穴フィーチャの直径の関数である。方法は、トーチヘッドが、第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する場所で第3の領域から第2の領域へ通過するときに、プラズマ切断電流を消滅させるステップも含むことができる。方法は、トーチヘッドが第3の領域から第2の領域へ通過するまで、第3の領域内のトーチ速度を実質的に維持または増加させるステップも含むことができる。
【0048】
[0053]別の態様では、本発明は、穴フィーチャの欠陥を緩和するプラズマアークトーチを使用して、加工物において、内側フィーチャ(たとえば穴フィーチャ)を切断する方法を特徴としている。プラズマアークトーチは、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断できる。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に伝達するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、経路の第1の領域および第2の領域を切断するステップを含むことができる。切断電流の減少は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する第2の点で切断電流が消滅するように、第3の領域の第1の点で開始することができる。第3の領域の第1の点は、切断電流の減少時間に基づいて決定することができる。方法は、トーチ速度が、第2の点の後の所定の距離で実質的に0に達するように、プラズマアークトーチを減速するステップも含むことができる。
【0049】
[0054]いくつかの実施形態では、所定の距離が約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約6.35ミリメートル(約1/4インチ)であり、穴切断速度の上限が約55ipm、およびテーブル加速に関する下限が約5mGである。
【0050】
[0055]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法を特徴としている。経路は、第1の領域および第2の領域を含むことができる。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に伝達するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1のコマンド速度(たとえば第1のトーチ速度を確立する)を使用して第1の領域において切断するステップを含むことができ、第1のコマンド速度は、加速度曲線(たとえばプラズマアークトーチシステムに関してプログラムされた)の一部分である。方法は、第2のコマンド速度(たとえば第2のトーチ速度を確立する)を使用して、第2の領域において切断するステップ含むことができ、第2のコマンド速度は、加速度曲線の一部分であり、同時に第1のコマンド速度より速くなっている。
【0051】
[0056]別の態様では、本発明は、プラズマ切断システムを使用して、経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法を特徴としている。経路は、第1の領域および第2の領域を含むことができる。方法は、プラズマガス流れを開始するステップと、パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、アークを加工物に伝達するステップと、加工物を穿孔する(たとえば加工物における内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始するための)ステップとを含むことができる。方法は、第1のトーチ速度で、第1の領域および第2の領域が実質的に交差する場所(たとえば切断部のリードインが切断部の周縁に移行する場所)で切断するステップ含むことができる。方法は、第2のトーチ速度で第2の領域の少なくとも一部分を切断するステップも含むことができ、第2のトーチ速度が第1のトーチ速度よりも速くなっている。
【0052】
[0057]1つの態様では、本発明は、プラズマトーチによって加工物において、穴および輪郭を切断するための方法を特徴とする。1つの実施形態では、方法は、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極を含むプラズマトーチを含み、プラズマアークが、プラズマチャンバ内で生成される。1つの実施形態では、プラズマトーチは、プラズマアークトーチへのシールドガス流れを供給するためのシールドガス供給ライン、および切断速度およびシールドガス組成を含む切断パラメータを制御するための制御ユニットも含む。1つの実施形態では、方法は、輪郭が切断される場合に、シールドガスが第1のシールドガス組成を含み、穴が切断される場合に、シールドガスが第2のシールドガス組成を含むように切断パラメータを制御するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1のシールドガス組成は、第2のシールドガス組成と異なる。
【0053】
[0058]別の態様では、本発明は、プラズマトーチ切断動作において小さな内側フィーチャの切断特性を改善する方法を特徴としている。1つの実施形態では、方法は、第2のシールドガス組成を使用する小さな内側フィーチャを切断するステップであって、小さな内側フィーチャは加工物の予期した輪郭切断部の中に配置されるステップと、第1のシールドガス組成を使用して予期した輪郭切断部に対応する輪郭を切断するステップを含む。
【0054】
[0059]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用して、加工物において穴および輪郭を切断するための方法を特徴とする。プラズマアークトーチは、プラズマチャンバ内で生成されたプラズマアークが加工物を切断するために使用されるように、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極、ならびにシールドガス流れをプラズマトーチに送るシールドガス供給ラインを含むことができる。1つの実施形態では、方法は、加工物において穴を切断するステップを含み、シールドガス流れは、穴の縁の傾斜が実質的になくなるように選択される第2のシールドガス組成を含む。1つの実施形態では、方法は、輪郭を切断するステップであって、シールドガス流れが第1のシールドガス組成を含むステップと、穴を切断する間、第2のシールドガス組成が第1のシールドガス組成よりも少ない窒素を含むように第1のシールドガス組成および第2のシールドガス組成を制御するステップとを含むこともできる。
【0055】
[0060]別の態様では、本発明は、プラズマアークトーチを使用して、加工物において穴を切断するための別の方法を特徴とする。方法は、高電流消耗部品を含むプラズマアークトーチを含むことができ、高電流消耗部品は、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極を含む。1つの実施形態では、方法は、50アンペアを超えるアーク電流を使用して、プラズマチャンバ内でプラズマアークを生成するステップと、穴が切断されているとき、シールドガス組成が、穴の側壁にいかなる傾斜の可能性も実質的になくなるような窒素の量を含むようにシールドガス流れのシールドガス組成を制御するステップとを含むこともできる。
【0056】
[0061]本発明は、1つの態様では、加工物において、穴および輪郭を切断するためのプラズマトーチシステムを特徴とする。1つの実施形態では、プラズマトーチシステムは、プラズマチャンバを画成するノズルおよび電極を含むプラズマトーチチップ構成を含み、プラズマアークが、プラズマチャンバ内で生成される。1つの実施形態では、プラズマトーチシステムは、プラズマトーチチップへのシールドガス流れを供給するためのシールドガス供給ライン、およびシールドガス流れの組成を制御するための制御ユニットも含む。1つの実施形態では、制御ユニットは、輪郭を切断している間、シールドガス流れが第1のシールドガス組成を含み、穴を切断している間、シールドガス流れが第2のシールドガス組成を含むように、シールドガス流れの組成を制御する。1つの実施形態では、この改善は、制御ユニットで動作可能な、情報担体において有形に実施されたコンピュータ読取可能製造物を備え、コンピュータ読取可能製造物は、輪郭を切断しているときは、第1のシールドガス組成を選択し、穴を切断しているときは、第2のシールドガス組成を選択する指令を含むプラズマアークトーチシステムに関する切断情報を含む。
【0057】
[0062]別の態様では、本発明は、情報担体において有形に実施され、プラズマトーチシステムにおいて使用するためのCNCで動作可能なコンピュータ読取可能製造物を含む構成要素を特徴としている。1つの実施形態では、コンピュータ読取可能製造物は、穴を切断している間は、シールドガス流れが第2のシールドガス組成を含み、輪郭が切断されているときは、シールドガス流れが第1のシールドガス組成を含むような指令を含む、プラズマアークトーチを使用して加工物から穴および輪郭を切断するための切断情報を含む。
【0058】
[0063]別の態様では、本発明は、シールドガス流れの組成を含むプラズマトーチの切断パラメータを制御するためのコンピュータ数値制御装置を特徴としている。1つの実施形態では、制御装置は、プロセッサ、電子記憶デバイス、プラズマアークトーチに制御指令を与えるインターフェース、およびプラズマトーチ用のシールドガス流れの組成を選択するための参照表を含む。1つの実施形態では、制御装置は、プラズマトーチが、加工物において穴または輪郭を切断するかどうかに従ってシールドガス流れの組成を制御する。
【0059】
[0064]任意の上記の態様は、1つまたは複数の以下の特徴を含むことができる。第2のシールドガス組成は、穴の縁の傾斜が実質的になくなるように、第1のシールドガス組成よりも少ない窒素を含むことができる。いくつかの実施形態では、加工物は軟鋼であり、いくつかの実施形態では、第1のシールドガス組成は空気であり、いくつかの実施形態では、第2のシールドガス組成は酸素である。第2のシールドガス組成は、穴切断中に基本的に酸素からなることもできる。1つの実施形態では、シールドガス流れの流量は、穴切断の間に低下させることができる。トーチの切断速度は、穴切断の間に低下させることができる。1つの実施形態では、切断パラメータを制御するステップは、加工物の厚さに対する穴の直径の比率に従って第2のシールドガス組成を制御するステップをさらに含むことができる。比率は、2.5以下であることができる。いくつかの実施形態では、比率は1以下である。いくつかの実施形態では、比率は、0.7以下であり、および/または穿孔の貫通の大きさによって制限されている。
【0060】
[0065]任意の上記の態様は、1つまたは複数の以下の特徴も含むことができる。1つの実施形態では、切断パラメータを制御するステップは、アーク終止に対する電流増加シーケンスを含むことができ、増加は輪郭切断および穴切断の両方に関して一定である。切断パラメータを制御するステップは、第2のシールドガス組成が、第1のシールドガス組成よりも総体積の割合として少ない窒素を含み、それによって穴の縁の傾斜が実質的に低下するように、シールドガス流れの窒素の量を制御するステップをさらに含むこともできる。
【0061】
[0066]任意の上記の態様は、1つまたは複数の以下の特徴も含むことができる。1つの実施形態では、方法は、プラズマトーチシステムに使用するCNCで動作可能な、情報担体において有形に実施される、コンピュータ読取可能製造物を提供するステップ含むことができ、コンピュータ読取可能製造物は、輪郭を切断しているとき、第1のシールドガス組成を選択し、穴を切断するとき、第2のシールドガス組成を選択する指令を含むプラズマアークトーチに関する切断情報を含む。いくつかの実施形態では、第2のシールドガス組成は、加工物の厚さに対する穴の直径の比率に従って選択することができる。また、いくつかの実施形態では、切断情報は、穴が切断されるとき、制御ユニットが加工物の厚さに対する穴の直径の比率に従って第2のシールドガス組成を制御するような指令を含む。
【0062】
[0067]1つの利点は、一般に輪郭切断部で達成される生産性およびスラグのレベルを維持しながら、高品質のプラズマ切断の穴を生産する能力である。別の利点は、より高価なシールドガス混合物を短い間の穴切断への使用に限定することによって、全体の部品コストへの影響を最小限に抑えることである。さらなる利点は、オペレータが、単一の加工物において穴および輪郭を切断する場合に、単一の構成のトーチ消耗部品を使用できるようにすることで、時間効率がより優れたものになり、同時に穴切断および輪郭切断の両方に関して、従来の単一のシールドガスの切断技術を使用する場合に見られる質の劣化を防止することである。
【0063】
[0068]本発明のその他の態様および利点は、以下の図面および説明から明らかにすることが可能であり、それらの全ては、例として本発明の原理を例示するに過ぎない。
[0069]上記に説明した本発明の利点は、さらなる利点と共に、以下の説明を添付の図面と共に参照することによって、よりよく理解することができる。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、本発明の原理を示す際に、全体的に強調がなされている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】既知の機械化されたプラズマアークトーチシステムの図である。
【図2】既知のプラズマアークトーチチップの断面図である。
【図3】例示の実施形態による、予期した穴および輪郭の切断部アウトラインを示すサンプルの加工物である。
【図4】穴の円筒度を決定するために使用される許容誤差の測定を示す。
【図5】例示の実施形態による、提唱されたガスシステムを有するプラズマアークトーチシステムのブロック図である。
【図6A】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する経路の第1の領域を示す概略図である。
【図6B】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する経路の第2の領域を示す概略図である。
【図6C】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する経路の第3の領域を示す概略図である。
【図6D】本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドが追従する第4の領域を示す概略図である。
【図6E】本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。
【図6F】本発明の別の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。
【図7】図7Aは本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャを切断するための直線的なリードイン形状を示す。図7Bは本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャを切断するための四分円のリードイン形状を示す。図7Cは本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャを切断するための半円のリードイン形状を示す。
【図8】図8Aは本発明の例示の実施形態による、加工物を切断するための経路の第1の領域が直線である、穴フィーチャの上面図を示す。図8Bは本発明の例示の実施形態による、図8Aからの穴フィーチャの底面図を示す。図8Cは本発明の例示の実施形態による、加工物を切断するための経路の第1の領域が半円形状である、穴フィーチャの上面図を示す。図8Dは本発明の例示の実施形態による、図8Cからの穴フィーチャの底面図を示す。
【図9】本発明の例示の実施形態による、異なるリードインコマンド速度に関して測定されたずれを示すグラフである。
【図10】本発明の例示の実施形態による、リードインコマンド速度に関する例示の参照チャートである。
【図11】本発明の例示の実施形態による、穴切断経路の一部分の概略図である。
【図12】本発明の例示の実施形態による、時間の関数としての切断電流およびコマンド速度を示すグラフである。
【図13】本発明の例示の実施形態による、切断パラメータに関する例示の参照チャートである。
【図14】本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャに関して測定されたずれを示すグラフである。
【図15】本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断するプラズマアークトーチを操作する方法を示す。
【図16】異なるプロセスから切断された穴に関する穴の質の結果を示すグラフである。
【図17】本発明の例示の実施形態による、ガス流れがどのように操作されるかを示す流れ図である。
【図18】本発明の例示の実施形態による、軟鋼を切断するための異なるガスの組み合わせを示す表である。
【図19】図19Aは従来技術の切断プロセスによって切断された穴の断面である。図19Bは本発明の例示の実施形態に従って切断された穴の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
[000100]「穴フィーチャ」(たとえば穴)は、直径(または寸法)が、加工物(プレート)の厚さに対して約2.5以下の比率を有する形状として定義することができる。たとえば、図3は、15.24×15.24センチメートル(6×6インチ)平方の片で1.27センチメートル(0.5インチ)厚のプレート鋼100が示され、そのプレート鋼100は、1つの実施形態では、より大きな加工物(図示されない)から切断することができる。鋼100の1.27センチメートル(0.5インチ)厚のプレートにおいて、1インチ直径の穴フィーチャ105は、2の比率を有する。本明細書では、穴/穴フィーチャは、必ずしも円形でない小さな内側部分のフィーチャとして分類することができるが、フィーチャの大部分は、材料の厚さよりも約2.5倍以下の寸法(たとえば、1.27センチメートル(1/2インチ)のプレート鋼100において2.54センチメートル(1インチ)平方110)を有する。「輪郭」などのフィーチャは、直線切断部115または湾曲切断部120の両方を含むことができる。
【0066】
[000101]上記に留意したように、従来技術の方法を使用して切断された穴フィーチャは、ディボット(たとえば過剰に材料がとられる)、突起(たとえばとられる材料が不十分である)、「傾斜」または「テーパ」などの欠陥を生じる可能性がある。傾斜は、完成した穴切断の円筒度によって測定することができる。円筒度は、2つの同軸の円柱によって確立された公差領域として定義され、図4に示されるように、それらの円柱の間に、円筒の穴の表面が配置されなければならない。図4では、公差領域は、2つの矢印81の間の空間として定義することができる。公差領域が小さいほど、表面は、より「完全な」円筒を示す。一方で、穴フィーチャにおける大きなテーパまたは傾斜は、大きな公差領域を生じる。穴フィーチャの円筒度は、座標測定器(「CMM」)を使用して測定することもできる。たとえば、穴フィーチャの穴フィーチャ表面(たとえば取り囲むテーパ、突起、またはディボット)は、穴フィーチャの縁74の上部71、中間部72、および底部73の付近で測定することができる。この測定データは、穴フィーチャの円筒度を定める同軸円筒を形成するために使用される。同軸円筒の間の径方向の差は、矢印81の間の空間によって示される。
【0067】
[000102]フィーチャ(たとえば、穴フィーチャ、輪郭など)を切断するために使用できる例示のトーチシステム構成が、図5に示される。図5は、本発明の実施形態による自動ガス制御システムを含む、例示のプラズマアークトーチシステムのブロック図である。プラズマトーチシステムは、図1に関連して上記に説明された要素の全て含むことができる。さらに、トーチシステムは、プラズマガスおよびシールドガス(たとえば補助的なガス)をプラズマアークトーチ41に供給するガスコンソール40を含むことができる。プラズマガスおよびシールドガスは、ガスコンソール40からガス供給ライン42を通り、いくつかの実施形態では、ガス選択コンソール45へと流れ、ガス計量コンソール44は、ガス混合がプラズマトーチ41へと続く前に、異なるタイプのガスの混合を可能にする。ガス選択コンソール45は、複数のガスのうちの1つの選択および混合を可能にし、次いで選択されたガスは、ガス計量コンソール44によって計量することができる。ガスコンソールは、たとえば酸素、窒素、F5、H35、H5、および空気などを含むガス入力を受けることができる。次いで、ガス計量コンソール44は、プラズマガスおよびシールドガスを測定することができる。この制御構成は、プラズマシステムが、穴穿孔、穴切断、または輪郭切断のために、必要なシールドガスまたはガス混合物を素早く変更することができるようにする。たとえば、穴フィーチャを切断するとき、ガスコンソール40は、穿孔プロセスの間、シールドガスとして空気を供給することができ、金属プレートの穿孔が完了したとき、ガスコンソール40は穴切断のためにシールドガスからO2に自動的に切り替えることができる。プラズマシステムが、輪郭を切断に移行する場合、ガスコンソール40は、穿孔プロセスおよび切断プロセスの両方のためのシールドガスとして、シールドガスを切り替えて、空気に戻すことができる。そのような素早い切り替えは、CNC12におけるコードまたはプログラミングによって指示できる。1つの実施形態では、穴を切断するためのシールドガス組成はO2である。いくつかの実施形態では、穴フィーチャを切断する場合に選択されるシールドガス組成は、輪郭を切断するときに使用されるシールドガス組成よりも、含まれる窒素が少ない。いくつかの実施形態では、穴フィーチャを切断する場合に使用されるシールドガス組成は、He、N2、O2、またはその組み合わせを含むことができる。
【0068】
[000103]シールドガス流れを運搬するように構成されたガス供給ライン42は、いくつかの実施形態では、シールドガス供給ライン42Aと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、プラズマガス流れを運搬するガス供給ラインは、プラズマガス供給ライン42Bと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、プラズマガス流れの組成は、バルブ47を使用して制御される。いくつかの実施形態では、バルブ47は、オン−オフソレノイドバルブであり、いくつかの実施形態では、バルブは可変ソレノイドバルブである。いくつかの実施形態では、プラズマガスおよびシールドガス(たとえば補助的なガス)は、O2、空気、He、N2またはその組み合わせであることができる。ガス計量コンソール44は、オン/オフバルブ、またはソレノイドバルブでもあることができる、通気弁48も備えることができる。いくつかの実施形態では、通気弁48は、プラズマガスおよびシールドガスの素早い切り替えを可能にするために使用される。
【0069】
[000104]CNC12は、プラズマトーチシステムを制御する任意のコンピュータであることができる。CNC12は、プロセッサ、電子記憶デバイス、およびプラズマアークトーチに制御指令を与えるためのインターフェースを有することができる。記憶デバイスは、内蔵型または外付けのものであることができ、加工物において切断する部分に関するデータを含むことができる。他の実施形態では、CNC12は、手動でプログラムすることができ、いくつかの実施形態では、CNC12は、プラズマトーチシステムの動作パラメータを選択または構成することができるコンピュータ読取可能指令を含むコンピュータ読取可能製造物を含むことができる。
【0070】
[000105]下記に再現したのは、CNC12に関する例示のコンピュータ読取可能指令である。下記の例示の指令は、全て、ニューハンプシャー州HanoverのHypertherm社によって製造された、HPR260 Autogas Consoleを有するHypertherm Automation Voyager CNC制御装置を使用して正方形の輪郭切断部に切断される円形の穴フィーチャに対応する。Hypertherm Automation CNC制御装置によって使用される、下記の例示のコードは、穴(G59 V503 F1.01からG59 V507 F31)、および輪郭(G59 V503 F1からG59 V507 F31)に関する2つの別々の切断チャートを提供する。他の形のコードまたはコンピュータ読取可能指令は、同様の、またはさらには同一の最終的な出力を提供するために、1つまたは複数の切断チャートと共に使用することができる。特に、下記の例示のコードの左の列は、参照されるコードラインを含み、右の列は全体的に、各コードラインに含まれる一般的な指令の説明を提供する。
【0071】
G20 英国単位を設定する
G91 インクリメンタルプログラムモード
G59 V503 F1.01 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V504 F130 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V505 F3 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V509 F31 穴用のカスタム切断チャートをロードする
G00X1.7500Y−1.7500 穴の中心に移動する
M07 プラズマ開始
G03X−0.0970I−0.0485 穴モーション
G03X0.0015Y0.0168I0.0970 穴モーション
G03X0.0212Y−0.0792I0.0955J−0.0168 穴モーション
M08 プラズマ停止
G59 V503 Fl 輪郭切断用の切断チャートをロードする
G59 V504 F130 輪郭切断用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V505 F2 輪郭切断用のカスタム切断チャートをロードする
G59 V507 F31 輪郭切断用のカスタム切断チャートをロードする
G00X−1.6757Y1.5624 輪郭開始位置に移動する
M07 プラズマ開始
G01X0.2500 輪郭モーション
G01X3.0000 輪郭モーション
G01Y3.0000 輪郭モーション
G01X−3.0000 輪郭モーション
G01Y3.0000 輪郭モーション
G01Y0.2500 輪郭モーション
M08 プラズマ停止
M02 プログラム終了
[000106]いくつかの実施形態では、コンピュータ読取可能製造物は、切断チャートと呼ばれている。いくつかの実施形態では、コンピュータ読取可能製造物(図示されない)、または切断チャートは、トーチ41が加工物において輪郭を切断しているときは、第1のシールドガスを選択し、同じ加工物においてトーチが穴フィーチャを切断しているときは、第2のシールドガス組成を選択するための指令を含む切断情報を含む。いくつかの実施形態では、切断チャートは、切断のタイプに基づいたシールドガス組成を選択する情報を含む(たとえば輪郭切断部または穴フィーチャ切断部)。いくつかの実施形態では、CNCは、切断チャートに含まれる指令に応じて、1つのシールドガスから別のシールドガスに素早く切り替えることができる。いくつかの実施形態では、トーチのオペレータは、シールドガス組成を選択し、CNC12は、たとえばトーチのオペレータからの情報の入力に基づいたプラズマガス供給ラインバルブ44を制御するための信号のみを提供する。
【0072】
[000107]いくつかの実施形態では、トーチのオペレータは、穴フィーチャおよび輪郭切断指令の両方を含む切断プログラムを選択する。オペレータは、連続して実行するように設計された穴切断チャートおよび輪郭切断チャートを選択することができる。いくつかの実施形態では、穴フィーチャ切断部は、加工物にCNC12によって予期した輪郭切断部の中に配置される。切断プログラムが、穴フィーチャ切断および輪郭切断の両方のための指令を含む場合、第2のシールドガス組成を使用して穴フィーチャが最初に切断され、次いで、第1のシールドガス組成を使用して輪郭切断部が切断されるように、切断チャートがさらなる指令を含む。予期した輪郭切断部の形状内で穴フィーチャを最初に切断することは、穴フィーチャが切断されている間の加工物の移動を防止し、したがって部品の輪郭切断部が最初に切断され、穴フィーチャが次に切断される場合に起こるずれをなくす。
【0073】
[000108]他の実施形態では、コンピュータ読取可能製造物は、ニューヨーク州LockportのMTC社によって作成されたネスティング・ソフトウェアなどのネスティング・ソフトウェアである。ネスティング・ソフトウェアは、第1のシールドガスおよび第2のシールドガスが、切断される部分のCAD図面に基づいて使用される場合に指示するコードを提供することができる。ネスティング・ソフトウェアは、穴フィーチャ直径の加工物の厚さに対する比率に基づいて、穴フィーチャまたは小さな内側フィーチャを識別するために、CAD図面を使用することができる。次いで、ネスティング・ソフトウェアは、輪郭を切断するときには、第1のシールドガスが使用され、穴フィーチャを切断するときには、第2のシールドガスが使用されるように、CNC12に指令を与えることができる。あるいは、CNCは、ネスティング・ソフトウェアから指令を与えられずに、穴フィーチャ切断および輪郭切断のための適切なシールドガスを選択するソフトウェア含むことができる。
【0074】
[000109]図6A〜6Cは、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャ(たとえば実質的に円形の穴または円形のスロット)を切断するための経路100を示す。経路は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域の少なくとも3つの領域を含むことができる。本明細書で使用される用語「(1つまたは複数の)領域」は、切断部のセグメントもしくは部分、または加工物の上のトーチヘッドの移動経路を含むように定義することができる。いくつかの実施形態では、経路は第4の領域を含む。経路は、切断電流が流れているか消滅したかに関わらず(すなわち、プラズマアークトーチが加工物を切断しているかどうかに関わらず)プラズマアークトーチ(たとえば図1に示されるトーチ)の動作を定めることができる。明瞭にするために、図では個々の領域が画定されているが、領域の間の移行部(たとえば第1の領域から第2の領域への移行部、第2の領域から第3の領域への移行部など)は、明確な位置ではなく、緩衝型の領域であることができる。
【0075】
[000110]図6Aは、切断の「リードイン」を画定することができる、経路の第1の領域110を示す。プラズマアークトーチは、第1の領域の始端120から第1の領域の終端130に第1の領域110に沿って切断することができる。経路110の第1の領域に沿った切断部は、対応する外側カーフ縁140および対応する内側カーフ縁150を含むことができる。この実施形態では、第1の領域110は、「半円」形状のリードイン切断部を画定する。第1の領域110の形状(たとえば、リードインの形状)、およびコマンド速度は、加工物からの穴フィーチャ切断の質に影響を与える可能性のあるパラメータである。コマンド速度は、トーチ/切断速度に関する設定点であることができる。トーチ速度は、コマンド速度設定点に達するためのトーチの加速または減速、およびプラズマアークトーチシステムに固有の非効率または限界によってオフセットされたコマンド速度として定めることができる。
【0076】
[000111]図6Bは、切断部の周縁(たとえば穴周縁および/または穴フィーチャの周縁)を画定することができる、経路の第2の領域160を示す。プラズマアークトーチは、第2の領域160の始端170から第2の領域160の終端180まで第2の領域160に沿って切断することができる。図示されるように、トーチヘッドは、第1の領域110の終端130から第2の領域160の始端170内に移動することができる。第2の領域160における切断部は、対応する外側カーフ縁190および対応する内側カーフ縁200を含むことができる。
【0077】
[000112]図6Cは、経路の第3の領域210を示し、その経路は、切断部のカーフブレークイン領域(たとえば「リードアウト」)を定めることができる。プラズマアークトーチは、第3の領域210の始端220から第3の領域210の終端230への第3の領域210においての経路に(たとえば第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する)沿って切断することができる。図示されるように、トーチヘッドは、第3の領域210の端部230からたとえば第2の領域160の始端170に戻って対応する位置240内に移動することができる。第3の領域210における切断部は、対応する外側カーフ縁250を含むことができる。
【0078】
[000113]経路の第3の領域210は、第1の領域110(たとえばリードイン)の外側カーフ縁140が、第2の領域160の内側カーフ縁200と実質的に交差する、点260または点260の付近で始まることができる。図に示されるような点260は、カーフの先縁261(たとえば第2の領域160における切断部の先縁)が、内側カーフ縁200の前に第1の領域110の外側カーフ縁140に割り込むとき、近似される。したがって、カーフブレークイン領域は、カーフの先縁261(たとえば第2の領域160における切断部の先縁)が、第1の領域110の外側カーフ縁140に割り込むところで実際に生じる。しかし、明瞭にするために、経路の第3の領域210は、点260、または点260の付近で始まるように画定することができる。この実施形態では、経路の第3の領域210は、第1の領域110(たとえばリードイン)の外側カーフ縁140が、第3の領域210の外側カーフ縁250および/または第2の領域160の始端170の外側カーフ縁190と実質的に交差する位置に対応する「0度点」270、または実質的に「0度点」270の付近で終端する。第3の領域210における電流の減少、および/または第1の領域110、第2の領域160、または第3の領域210におけるトーチのコマンド速度の変更は、加工物からの穴フィーチャ切断の質に影響する可能性のあるパラメータである。
【0079】
[000114]いくつかの実施形態では、穴フィーチャは、欠陥を最小限に抑えた円形の穴フィーチャであり、第2の領域160における穴フィーチャの中心280から切断部の外側カーフ縁190までの距離は、第1の領域110および第3の領域210が交差する点で、第3の領域210における穴フィーチャの中心から切断部の外側カーフ縁250までの距離に実質的に等しくなっていることができる。
【0080】
[000115]加工物から穴フィーチャを切断するために、プラズマアークトーチが、第1の領域110から第2の領域160に移動し、次いで第3の領域210に移動し、さらに第4の領域に移動することができる。トーチヘッドの移動は、第1の領域110の始端120から始まり、第1の領域110の終端130に達する経路を追従することができる。第1の領域110の終端130から、トーチは、第2の領域の終端180に続く第2の領域の始端170に移動することができる。第2の領域160の終端180から、トーチは、第3の領域210の終端230に続く第3の領域210の始端220に移動することができる。第3の領域210の端部230において、トーチは、第2の領域160の始端170と重なり、または加工物の別の位置に達する経路240を続けることができる。穴フィーチャは、少なくとも部分的には、第2の領域160における切断の外側カーフ縁190、および第3の領域210の切断部の外側カーフ縁250の少なくとも一部分によって画成できる。
【0081】
[000116]加工物において穴フィーチャを切断するために、プラズマガス流れを開始することができ、パイロットアークを点火するために、電流流れを開始することができる。アークは、加工物に伝達することができる。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチは、第1の位置(たとえば第1の領域110の始端120または点280)で加工物を穿孔することによって加工物において穴フィーチャを切断を開始し、経路の第1の領域110に沿って、加工物において半円(たとえば半円経路)を切断する。プラズマアークトーチは、第1の領域110に沿って切断し、経路の第2の領域160に「リードイン」し、穴フィーチャの周縁の切断を開始することができる。プラズマアークトーチは、経路の第2の領域160に沿って、経路の第3の領域210内へ切断することができる。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチは、O2プラズマガスおよびO2シールドガスを使用して経路の第2の領域160に沿って切断する。プラズマアークトーチは、実質的にトーチのコマンド速度を維持し、またはトーチのコマンド速度を増加させて、加工物を第3の領域210において切断することができる。プラズマアークトーチは、「0度点」270(たとえば第1の領域110(たとえばリードイン)の外側カーフ縁140が、第3の領域210の外側カーフ縁250、および/または第2の領域160の始端170の外側カーフ縁190と実質的に交差する)、または実質的に「0度点」270の付近に達するまで、経路の第3の領域210において加工物を切断し続けることができる。切断電流は、プラズマアークトーチがこの「0度点」270(たとえばアーク切断点)、または「0度点」270の付近に達するとき、切断電流が消滅し、かつ/またはアークが「切断する」(たとえばプラズマアークトーチが加工物を切断するのを停止する)ように、第3の領域210において減少させることができる。トーチヘッドは、トーチがもはや加工物を切断していないにもかかわらず「0度点」270を越えて移動し続けることができる。トーチヘッドが「0度点」270に達し、かつアークが消滅した後、トーチヘッドは、経路240に沿って減速することができる。トーチヘッドは、第2の領域160と重なる経路240を移動しながら減速することができる。図6Cに示されるように、トーチが穴フィーチャの円形の経路に追従する経路240に沿って減速された場合、「リードアウト」モーション角(“lead−out”motion angle)(たとえば、その後トーチが減速して停止する「0度点」270の後にトーチヘッドが移動する角度)、および最小「リードアウト」モーション長(“lead−out”motion length)(たとえば、その後トーチが減速して停止する「0度点」270の後にトーチヘッドが移動する距離)を計算するために、以下の式を使用することができる。
【0082】
L=V2/(2・a) 式(1)
Φ=360・L/(Π・D) 式(2)
ここで、「L」は最小リードアウトモーション長、「V」はトーチヘッドの速度、「a」はテーブル減速、「D」は穴フィーチャのモーション径である。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、電流が消滅した後でのみ減速を開始する。最小リードアウトモーション長「L」は、「0度点」270の前にトーチが減速を開始しないのを確実にするために、「0度点」270と、トーチが減速して停止する点との間に必要な最小限の距離として定めることができる。トーチヘッドは、「0度点」270の後の所定の距離で、減速して点290で停止するように命令を受けることができる。いくつかの実施形態では、最小リードアウトモーション長は、約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である。
【0083】
[000117]図6Dは、本発明の例示の実施形態による、プラズマアークトーチヘッドに関する経路(たとえば「減速領域」)の第4の領域240または240’を示す。上記に留意したように、プラズマアークトーチは、プラズマアークトーチが、「0度点」270(たとえば第1の領域110の外側カーフ縁140が、第3の領域210の外側カーフ縁250、および/または第2の領域160の始端170の外側カーフ縁190と実質的に交差する)、または実質的に「0度点」270の付近に達したとき、切断を停止すること(たとえば切断電流の消滅)ができる。プラズマアークトーチヘッドは、経路の第4の領域240または240’に入り、第4の領域において減速することができる。
【0084】
[000118]いくつかの実施形態では、第4の領域240は、実質的に第2の領域160の始端170と空間において重なる。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、経路が加工物の別の位置に延出する第4の領域240’において移動することができる。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、アークが実質的に消滅するまでトーチが減速を開始しないように、「0度点」270の後に、減速して所定の距離(たとえば約6.35ミリメートル(1/4インチ))に配置された点290または301で停止することができる。
【0085】
[000119]加工物から穴フィーチャを切断するための方法は、第1の切断パラメータの組から少なくとも1つの切断パラメータを使用して、第1の領域110において切断するステップと、第2の切断パラメータの組から少なくとも1つの切断パラメータを使用して、第2の領域160において切断するステップと、第3の切断パラメータの組から少なくとも1つの切断パラメータを使用して、第3の領域210において切断するステップを含むことができる。第1の切断パラメータの組は、第1の切断電流、または第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を含むことができる。コマンド速度は、使用者、CNC、またはコンピュータプログラムなどによる速度設定のための設定点であることができる。トーチ/切断速度は、コマンド速度設定点に達するためのトーチの加速または減速、およびプラズマアークトーチシステムに固有の任意の非効率または限界によってオフセットされたコマンド速度として定めることができる。第2の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組と異なる(たとえば少なくとも1つのパラメータが異なる)ことができ、第2の切断電流または第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度(たとえば第1のコマンド速度よりも速い)を含むことができる。第3の切断パラメータの組は、第1の切断パラメータの組または第2の切断パラメータの組と異なる(たとえば少なくとも1つのパラメータが異なる)ことができ、第3の切断電流(たとえば第2の切断電流よりも小さい)または第3のトーチ速度を確立する第3のコマンド速度を含むことができる。第1、第2、および第3のパラメータの組は、互いに独立になっていることができる(たとえばパラメータは、互いに独立に選択される)。
【0086】
[000120]いくつかの実施形態では、2つの同一であるパラメータの組は全くない。たとえば、プラズマアークトーチシステムは、第1の領域から第2の領域に移行する場合にコマンド速度を変更することができる(たとえば第2の領域におけるコマンド速度がより高いようにコマンド速度を増加させる)。より高いコマンド速度(たとえばより高いトーチ速度を生じる)は、向心加速度における変化を最小限に抑え、アークによる動的応答を最小限に抑えるように、第1の領域(たとえばリードイン)でなく第2の領域(たとえば周縁)を切断するために使用することができる。コマンド速度が第1の領域と第2の領域の間で実質的に維持される場合、第1の領域における向心加速度は、第2の領域よりも大きくなり、切断アークによる動的応答および望ましくない欠陥を生じる可能性がある。プラズマアークトーチシステムは、第2の領域から第3の領域に移行しているときに、切断電流を変更する(たとえば第3の領域において切断電流を減少させる)こともできる。プラズマアークトーチシステムは、第3の領域から第4の領域に移行するときに、トーチ速度も変更することもできる(たとえば切断電流が消滅した後に、トーチの減速を開始する)。
【0087】
[000121]図6Eは、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。方法は、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して第1の領域110において切断するステップ310を含むことができる。方法は、第1の領域から第2の領域に移動するときにトーチ速度が増加するように、第2のトーチ速度を確立する第2の異なるコマンド速度を使用して、第2の領域160において切断するステップ320も含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のコマンド速度および第2のコマンド速度は、加速度曲線の一部分である(たとえば第2のコマンド速度が第1のコマンド速度よりも速い場合に)。いくつかの実施形態では、加工物は、第1のトーチ速度(たとえばコマンド速度によって確立された)で切断され、その場合に第1の領域および第2の領域は実質的に交差し、第2のより速いトーチ速度が第2の領域の少なくとも一部分(たとえば第2の領域の大部分)を切断するために使用される。上記に留意したように、トーチ速度は、望ましくない欠陥を生じる可能性がある切断アークによって向心加速度および動的応答における変化を最小限に抑えるように、第1の領域から第2の領域に移動しているときに増加させることができる。方法は、切断電流が、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する(たとえば図6Cおよび6Dに示されるように「0度点」270、または実質的に「0度点」270の付近で)第2の領域210の始端170に対応する位置/点で実質的に0アンペアに達する(ステップ350)ように、第3の領域210において切断電流を減少させる(たとえば切断電流を低下させる)ステップ330も含むことができる。方法は、電流の減少中に第3の領域においてコマンド速度を実質的に維持、またはさらに増加させるステップ(ステップ340)を含むことができる。方法は、切断電流が実質的に0に達した後に、プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップを含むことができる(ステップ360)。
【0088】
[000122]第2の領域160に関する切断部のコマンド速度は、第1の領域110における切断部のコマンド速度と異なる(たとえばより速い)ことができる。第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。第3の領域210は、切断部の第2の領域160におけるコマンド速度よりも速いコマンド速度(たとえば第3のコマンド速度)によって切断することができる。トーチ速度は、第1の領域110の切断部の外側カーフ縁140が、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250と実質的に交差する点(たとえば図6Cおよび6Dに示されるような「0度点」270)の後に減速させることができる。トーチ速度(たとえばトーチヘッドの実際の速度)は、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140が、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250と実質的に交差する点の後の所定の距離で0に達するように減速させることができる。
【0089】
[000123]第3の領域210におけるプラズマ切断電流(たとえば第3の切断電流)は、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する場所で、トーチヘッドが第3の領域210から第2の領域160に通過するとき、消滅することができる。切断電流は、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250が、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140と実質的に交わる点/位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の領域210で低下させる(たとえば減少させる)ことができる。第3の領域210における切断電流に関する減少は、少なくとも部分的には、第3の領域210の始端220と、第2の領域160の始端170との間の長さに基づいた比率で減少させることができる。あるいは、切断電流が減少される比率は、加工物から切断される穴フィーチャの直径の関数であることができる。切断電流の減少は、第3のトーチ速度および減少時間(たとえば、電流が実質的に0アンペアに達するために必要な時間)によって決定された、第3の領域210における位置で開始することができる。
【0090】
[000124]プラズマアークトーチは、穴フィーチャの傾斜および/またはテーパなどの欠陥を減少させるために、O2プラズマガスおよびO2シールドガスのガス流れ組成(たとえば、または低N2ガス組成)を使用して、第1の領域110、第2の領域160、および/または第3の領域210において切断することができる。
【0091】
[000125]プラズマアークトーチシステム(たとえば、図1に示されるような)は、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断するために使用することができる。プラズマアークトーチシステムは、電極27およびノズル28を含むプラズマトーチ24、プラズマアークトーチ24に切断電流を供給するリード、プラズマトーチを動かすガントリ26、および第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210においてプラズマアークトーチの切断パラメータを制御するCNC12を含むことができる。CNC12は、加工物において穴フィーチャを切断するための、切断パラメータを選択することができる。情報担体で有形に実施され、CNC12で動作可能なコンピュータ読取可能製造物は、CNC12が切断パラメータを選択するように動作可能な指令を含むことができる。CNC12は、第1の領域110に関する第1のコマンド速度、および第2の領域160に関する第2のコマンド速度を確立することができる。第1のコマンド速度は、少なくとも部分的には、穴フィーチャの直径に基づいたものであることができる。第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度よりも速くなっていることができる。CNC12は、第3の領域210に関する第3の切断電流も確立することができ、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140が、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250と実質的に交差する場所で、第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、第3の切断電流が減少する。CNC12は、プラズマアークトーチの切断パラメータを認識するために、参照表を含むことができる。
【0092】
[000126]図6Fは、本発明の別の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する方法を示す。図6Fは、穴切断の間にプラズマアークトーチが追従する例示の移動経路を示し、その移動経路は、加工物の上部に沿って完全にトレースされる。最初に、プラズマガスおよびシールドガス流れは、アーク電流と共に開始することができる。ガス流れおよび電流アークの開始は、オペレータによって使用される消耗部品およびトーチ構成に基づいて、変わることができる。全てがHypertherm(登録商標)社に譲渡され、全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,070,227号、米国特許第5,166,494号、および米国特許第5,170,033号は、プラズマアークの開始、動作、および停止、ならびに切断プロセスの間に使用できる、様々なガス流れおよび電流設定を記載する。プラズマアークは、開始した後に、加工物に伝達される。アークが加工物に伝達された後に、いくつかの実施形態では、トーチ高さはトーチ高さ制御装置を使用して下げられる。穴切断は、プラズマアークを使用して、最初に加工物を穿孔する(たとえば点370で)ステップによって加工物において始まる。プラズマアークによって加工物が貫通して穿孔された後に、シールドガスが穴切断に最適化されたシールドガス組成に切り替えることができる。いくつかの実施形態では、トーチは、穴切断パターンに沿って加工物内に穴を切断するために加工物全体を横断して移動し始め、その穴切断パターンは、いくつかの実施形態では、プラズマおよびシールドを引き寄せる部分によって決定することができる。
【0093】
[000127]加工物から穴フィーチャを切断するために、加工物を穿孔して(たとえば穿孔位置370で)、加工物において内側フィーチャ/穴フィーチャの切断を開始することができる。切断アークおよび切断速度は、加工物に対して確立することができる(たとえば、点370で加工物を穿孔し、切断速度を定めるコマンド速度を設定する)。切断速度は、穴切断経路において、第1の点380の後に第2の切断速度に増加させることができる(たとえば、図6Aで上記に説明したような第1の領域の端部の後で)。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチは、トーチが第3の領域に沿って切断するとき、移動した直線距離当たりの電流量が低下するように、第3の領域において加工物を切断することができる。切断電流は、穴切断経路における第2の点390の後に、切断速度を実質的に維持しながら、または切断速度を増加させながら、(たとえば、図6B〜6Cで上記に説明したように、第2の領域の終端の後に、および第3の領域の始端で、または始端の後で)減少させることができる。プラズマアークトーチは、第3の領域において切断する間、切断電流を実質的に維持し、なおかつコマンド速度を増加させる(たとえば、それによってトーチ速度を増加させる)こともできる。トーチは、加工物において穴フィーチャを形成するために、穴切断経路における第2の点390から切断し、穴切断経路における第1の点380に戻ることができる。切断電流は、穴切断経路における第2の点390から切断して、穴切断経路における第1の点380に戻る間、減少させることができる。切断アークは、穴切断経路における実質的に第1の点380の付近で(たとえば図6C〜6Dに示される「0度点」270付近で)消滅させることができる。第2の切断速度は、切断電流が実質的に0アンペアに達するまで維持することができ、または切断電流が(たとえば第1の点380、または第1の点380の付近で)実質的に0アンペアに達する前に、第2の切断速度は、第3の切断速度に増加させることができる。
【0094】
[000128]本明細書に説明された任意の技術は、自動化された方法/プロセスを使用して、加工物において2つ以上のフィーチャ(たとえば図3に示されるような、穴フィーチャ105および/または輪郭115または120)を切断するために使用することができる。自動化された方法は、プラズマアークトーチを使用して、複数の穴フィーチャまたは他のフィーチャ(たとえば輪郭)を切断するために使用することができる。本明細書で用いられる「自動化された方法」は、そのプロセスが、1組の消耗部品(たとえばオペレータが切断中に消耗部品を変更する必要がない)を使用するプラズマアークトーチシステムによって(たとえばオペレータによる指令が最小限または全くなく)自動的に行われることを意味する。
【0095】
[000129]たとえば、自動化されたプロセスは、a)穴フィーチャの直径に基づいたリードインコマンド速度を使用して(たとえば図6Aに示されるような)穴フィーチャのためのリードインを切断するステップ、およびb)穴フィーチャのための対応するリードインコマンド速度より速い周縁コマンド速度を使用して(たとえば、図6Bに示されるような)穴フィーチャの周縁を切断するステップを含むことができる。ステップa)およびb)は、同じ直径または異なる直径を有する追加の穴フィーチャごとに自動的に繰り返すことができる。自動化されたプロセスは、穴フィーチャに加えて1つまたは複数の輪郭を切断するステップを含むこともできる。輪郭(たとえば図3に示されるフィーチャ115または120)は、複数の穴フィーチャを切断するために使用される補助的なガス組成よりも高い窒素含有量を有する補助的なガス組成を使用して(たとえば図5のガス制御システムを介して)切断することができる。
【0096】
[000130]別の実施形態では、第1の直径を有する第1の穴フィーチャ、および第1の直径よりも大きな第2の直径を有する第2の穴フィーチャが、自動化されたプロセスを使用して切断することができる(たとえば消耗部品を変えずに1組の消耗部品を使用してプラズマアークトーチによって自動的に切断される)。各穴フィーチャは、リードイン部分(たとえば図6Aの第1の領域)、穴周縁部分(たとえば図6Bの第2の領域)、およびリードアウト部分(たとえば図6Cの第3の領域)を含むことができる。たとえば、第1の穴フィーチャは、第1の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、第1のコマンド速度を使用し、第1のリードインを切断した後に、コマンド速度を第1のコマンド速度から第2のコマンド速度に増加させて切断することができる。自動化された方法は、第1のコマンド速度よりも速い第3のコマンド速度を使用して第2のリードインを切断することによって、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップも含むことができる。コマンド速度は、第2の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、第2のリードインを切断した後に、第3のコマンド速度から第4のコマンド速度に増加させることができる。いくつかの実施形態では、第4のコマンド速度および第2のコマンド速度が実質的に同じである。自動化された方法は、第1の補助的なガス流れを使用して加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップと、第2の補助的なガス流れを使用して加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップと、第1の補助的なガス流れまたは第2の補助的なガス流れよりも高い窒素含有量を有する第3の補助的なガス流れを使用して加工物において輪郭(たとえば図3のフィーチャ115または120)を切断するステップも含むことができる。第1の補助的なガス流れおよび第2の補助的なガス流れは、実質的に同じガス組成を有することができる。
【0097】
[000131]別の例示の自動化されたプロセスは、加工物において、複数(たとえば2つ以上)の穴フィーチャ(たとえば図3に示されるようなフィーチャ105)を切断するために使用することができる。自動化された方法は、たとえば、第1の直径を有する第1の穴フィーチャ、第1の直径よりも大きな第2の直径を有する第2の穴フィーチャ、および輪郭を切断するために使用される1つまたは複数の自動化されたプロセスを含むことができる。たとえば、第1の穴フィーチャは、第1のガス組成および第1の組の切断パラメータを有する補助的なガス流れ(たとえば図5に示されるシステムを使用して)を開始することによって、第1の自動化されたプロセスを使用して切断することができる。第2の穴フィーチャは、補助的なガス組成を有し、第2の組の切断パラメータを使用する補助的なガス流れを開始することによって、第2の自動化されたプロセスを使用して切断することができる。第2の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータは、第1の組の切断パラメータ(たとえば異なるリードインコマンド速度および/または切断速度)と異なることができる。輪郭フィーチャ(たとえば図3でのフィーチャ115または120)は、穴フィーチャを切断する際に使用されるより多い窒素含有量によるガス組成を使用して切断することができる。たとえば、自動化された方法は、第1および第2のガス組成よりも多い窒素含有量を有する第3のガス組成を有し、第3の組の切断パラメータを使用する、補助的なガス流れを開始することによって第3の自動化されたプロセスを使用して輪郭を切断するステップを含むことができる。第3の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータ(たとえば補助的なガスのガス組成)は、第1および第2の組の切断パラメータと異なることができる。第1の組の切断パラメータは、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、および第1のガス組成を含むことができる。第2の組の切断パラメータは、第2のリードインコマンド速度、第2の周縁コマンド速度、および第2のガス組成を含むことができる。第3の組の切断パラメータは、輪郭コマンド速度および第3のガス組成を含むことができる。輪郭を切断するために使用されるコマンド速度は、穴フィーチャを切断する間に使用されるコマンド速度(たとえば第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、第2のリードインコマンド速度、および第2の周縁コマンド速度)よりも速くなっていることができる。いくつかの実施形態では、第1のガス組成および第2のガス組成は、同じまたは実質的に同じであることができる。
【0098】
[000132]いくつかの実施形態では、自動化された方法は、第1の穴フィーチャ、および第1の穴フィーチャよりも大きくなっている第2の穴フィーチャを切断するために使用される。自動化された方法は、プラズマアークトーチを第1の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度に増加させることにより第1のリードイン(たとえば図6Aに示されるような第1の領域)を切断し、第1の周縁(たとえば図6Bに示されるような第2の領域)を切断するために、第1のリードインの後に切断速度を増加させ、第1の周縁(たとえば図6Bに示される第2の領域160の内側カーフ縁200)の内側カーフ縁が、第1のリードインの外側カーフ縁(たとえば図6Aに示されるような第1の領域110の外側カーフ縁140)と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または増加させることによって、加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップを含むことができ、切断電流は、第1のリードインの外側カーフ縁が第1の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所(たとえば、図6Cに描かれるような「0度点」)、またはその場所の付近で消滅する。電流の減少は、切断部(たとえば図6Cおよび11に示されるような第3の領域210)のリードアウトの間に開始することができる。方法は、プラズマアークトーチを第2の位置に移動し、切断速度を第1のリードイン切断速度より速い第2のリードイン切断速度まで増加させることによって第2のリードインを切断し、第2の周縁を切断するために、第2のリードインの後に切断速度を増加させ、第2の周縁の内側カーフ縁が、第2のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始し、切断電流が消滅するまで切断速度を維持または上昇させることによって、加工物において第2の穴フィーチャを切断するステップも含むことができ、切断電流は、第2のリードインの外側カーフ縁が第2の周縁の外側カーフ縁に合流する場所、またはその付近で消滅する。いくつかの実施形態では、電流の減少は、少なくとも部分的には、切断されている穴の直径(たとえば第1の穴フィーチャまたは第2の穴フィーチャの穴の直径)に基づいたリードアウトに沿った点で開始される。いくつかの実施形態では、加工物は、各穴フィーチャを切断するのを開始するために穿孔される。
【0099】
[000133]プラズマアークトーチシステム(たとえば図1のシステム)は、様々な厚さの加工物において、様々な大きさおよび寸法の複数の穴フィーチャおよび輪郭を切断するように構成することができる。システム(たとえば、図1に示されるような)は、対応する電流レベルおよびコンピュータ数値制御装置(たとえば図1のCNC12)のための電極(たとえば、図2の電極27)およびノズル(たとえば、図2のノズル28)を有するプラズマアークトーチを含むことができる。CNCは、プラズマアークトーチに関する切断パラメータを制御するように構成することができる。たとえば、CNCは、穴フィーチャを切断するために用いられる第1の補助的なガス組成、および輪郭を切断するために使用される第2の補助的なガス組成の複数のガス組成(たとえば、図5に示すような自動ガス制御システムからの補助的なガス流れ組成)を選択することができる。CNCは、複数の周縁切断速度から、加工物の材料厚さに基づいた周縁切断速度(たとえば図6Bに示されるような第2の領域を切断するために使用される切断速度および/または対応するコマンド速度)を選択することもできる。CNCは、複数のリードイン速度から、切断される穴フィーチャの大きさ、および加工物の材料厚さに基づいたリードイン速度(たとえば、図6Aに示されるような第1の領域を切断するために使用される切断速度および/または対応するコマンド速度)を選択することができ、各周縁切断速度は、対応するそれぞれのリードイン速度よりも速くなっている。リードイン速度は、切断される穴フィーチャの大きさに比例したものであることができる。CNCは、複数の負の時間オフセット値から、電流レベル(たとえば切断電流レベル)に基づいた負の時間オフセット値を選択するように構成することができる。負の時間オフセット値は、非同期停止コマンドと関連付けることができる。下記に論じるように、非同期停止コマンドは、プラズマアークトーチにプラズマアークを消滅させ、なおかつトーチヘッドを移動させ続けるように命じるコマンドである。負の時間オフセットは、プラズマアークトーチがトーチヘッドを移動させながら、電流の減少(たとえば電流の停止)の開始を始める時を制御し/決定する値を有する変数として定めることができる。負の時間オフセットに関する値は、図6Cに示されるようにトーチヘッドが「0度点」に達したときまでに電流が消滅するような点で、電流の減少が始まるように選択することができる。トーチヘッドは、電流が消滅するまで移動し続けることができる。負の時間オフセットは、切断される穴フィーチャの大きさ、または電流レベルに基づいたものであることができる。
【0100】
[000134]CNCは、コンピュータ読取可能製造物から指令を取り込み/読み取り/取得するように構成することができる。プラズマアークトーチシステムによって、加工物において複数の穴フィーチャおよび/または輪郭フィーチャを切断するために、情報担体で有形に実施され、CNCで動作可能なコンピュータ読取可能製造物。コンピュータ読取可能製造物は、CNCにロードすることができ、穴を切断するとき空気より低い窒素含有量を有するシールドガス組成をCNCが選択するように動作可能な指令を含むことができる。製造物は、CNCに、切断される穴フィーチャに関するリードイン切断速度(たとえば、図6Aに示すような第1の領域を切断するための切断速度および/または対応する切断速度)であって、切断される穴フィーチャの直径の関数であるリードイン切断速度を確立させ、切断される穴フィーチャ用の周縁切断速度(たとえば、図6Bに示されるような第2の領域を切断するための切断速度および/または対応する切断速度)であって、対応するリードイン切断速度よりも速くなっている周縁切断速度を確立させることもできる。製造物は、プラズマアークを消滅させるために、第1のコマンド(たとえば非同期停止コマンド)を提供することもでき、第1のコマンドは、プラズマアークトーチを減速させるための第2のコマンドとは独立になっている。周縁切断速度は、加工物の厚さに基づいたものであることができる。
【0101】
[000135]図7A〜7Cは、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する際に使用することができる経路(たとえばリードイン形状)の第1の領域に関する異なる形状を示す。異なるリードイン形状が、加工物から穴フィーチャを切断するために使用できる。図7Aは、穴フィーチャを切断するための、例示の直線リードイン形状110Aを示す。図7Bは、穴フィーチャを切断するための、例示の四分円110Bのリードイン形状を示す。図7Cは、穴フィーチャを切断するための、例示の半円のリードイン形状110Cを示す。
【0102】
[000136]図8A〜8Dは、第1の領域における半円形状の経路(たとえば半円のリードイン)を使用して加工物から切断された穴フィーチャ、および第1の領域における直線経路(たとえば、直線リードイン)から切断された穴フィーチャの結果を示す。図8A〜8Dは、「移行」点400A〜Dを示し、そこで第3の領域210の端部230が、第2の領域160の始端170と実質的に交差する(たとえば切断部のリードインが切断部の周縁および切断部のカーフブレークイン領域(たとえば「リードアウト」)と交わる)。図8Aは、経路の第1の領域に関する直線形状(たとえば図7Aの110A)を使用して、加工物からの穴フィーチャ切断部の上面図を示す。図8Bは、図8Aの穴フィーチャの底面図を示す。図8Cは、半円リードイン形状(たとえば、図7Cの110C)を使用した穴フィーチャの上面図を示す。図8Dは、図8Cの加工物からの穴フィーチャ切断部の底面図を示す。図8A〜8Bに示されるように、直線形状の第1の領域を使用した穴フィーチャ切断部(たとえば、図8Aの直線リードインまたは110A)が突起などの望ましくない欠陥を生じた。図8C〜8Dに示されるように、半円110C様の形状にされた第1の領域(たとえば、半円リードイン)を使用した穴フィーチャ切断部は、直線リードインを使用した穴フィーチャ切断部よりも欠陥が少ない穴フィーチャを生成した。
【0103】
[000137]図9は、本発明の例示の実施形態による、異なるリードインコマンド速度に関して測定されたずれを示すグラフである。グラフは、図6A〜6Cに示されるような第1の領域、第2の領域、および第3の領域が合流する移行領域における穴フィーチャでのずれの測定値を示す。グラフは、異なる「リードイン速度」(たとえば、図6Aに示されるような第1の領域に沿った切断に関して設定されたコマンド速度)に関するずれ(「Dレベルのずれ」)を示す。特に、グラフは、「Dレベルのずれ」を示し、それは、図6C〜6Dに示されるような「0度点」270から反時計回りに+90度、および「0度点」270から時計回りに−90度で穴フィーチャにおいて測定されたずれである。「0.000」ラインは、穴が、欠陥/ずれがない「完全な」穴である場合に穴があるべき場所である。「0.000ライン」の上および下の点は、それぞれ突起およびディボットなどのずれ/欠陥を示す。−90度の点および+90度の点で、より小さなずれ/欠陥があり、「0度点」(たとえば、図6C〜6Dでの点270)の付近でより大きなずれ/欠陥がある。穴フィーチャの厚さおよび周縁を包含する円筒度と比較して、(図4に対して上記に説明したように)、図9でのずれは、所与の深さでの穴フィーチャのセグメント/部分を反映する。リードイン速度(たとえば経路の第1の領域に関するコマンド速度)が、穴の周縁を切断するための速度(たとえば経路の第2の領域に関するコマンド速度)より低いことが望ましいが、穴フィーチャに関する最適な速度が存在している。リードイン速度を最適化することは、正の角度でのずれ(たとえば、ディボットまたは突起)をさらに減少させることができる(たとえば、第1の領域が第2の領域の始端に移行するところの第2の領域において)。
【0104】
[000138]穴フィーチャにおけるずれを測定するための方法は、穴の直径および中央の位置を決定するために、穴の底部付近の深さで、リードインおよびアーク停止領域から離れて穴フィーチャの半円を走査する(たとえば、図6A〜6Dに示されるように、たとえば−90度の点から+90度の点に時計回りに、または+90度の点から−90度の点に反時計回りに、穴の第2の領域/周縁の部分を走査する)ステップを含むことができる。方法は、ほぼ同じ深さで、穴のリードインおよびアーク停止領域を走査し(たとえば、図6A〜6Dに示されるように、たとえば+90度の点から−90度の点に時計回りに、または−90度の点から+90度の点に反時計回りに第3の領域および第2の領域の始端を走査し)、(たとえば、リードインおよびアーク停止領域から離れて走査することによって得られた測定値をリードインおよびアーク停止領域を走査することによって得られた測定値と比較することによって)測定された穴の直径および位置からずれを計算する第2のステップを含むことができる。上記に留意したように、電流は「0度点」270(たとえば、図6C〜6Dに示されるように、第1の領域の外側カーフ縁が、第3の領域の外側カーフ縁と交差する場所)で、または実質的に「0度点」270の付近で消滅することができ、このようにして「アーク停止領域」を定める。ずれのデータは、各角度点にプロットすることができる。穴フィーチャを切断するための最適なプロセスを決定するために、領域において最小の欠陥(たとえば0に最も近いずれの値)を有するリードイン速度を穴の大きさごとに選択することができる。
【0105】
[000139]図9は、様々なリードイン速度(たとえば、図6Aに示されるような経路の第1の領域に関する様々な速度)に関するずれのプロットである。穴は、130アンペアの切断電流およびO2/O2(プラズマガス/シールドガス)のガス組成を使用して、3/8インチ(9.525ミリメートル)軟鋼から切断された10.01ミリメートル(0.394インチ)直径の穴であった。穴フィーチャの周縁(たとえば、図6Bでの第2の領域)に関する切断速度は、約45ipmに設定された。このプロセス、材料、および穴のサイズに関する最適なリードイン速度は、約25〜27ipm(プロット440および450)で設定された速度であった。たとえば、約40ipm(プロット480)で設定されたリードイン速度から切断された穴フィーチャは、約25〜27ipmで設定された切断のリードイン速度から切断された穴より大きな欠陥(すなわち、約0.584ミリメートル(約0.023インチ)で測定された突起)を生成した。約20ipm(プロット410)で設定されたリードイン速度から切断された穴フィーチャは、約25〜27ipmで設定された切断のリードイン速度から切断された穴より大きな欠陥(すなわち、約−0.33ミリメートル(約−0.013インチ)で測定されたディボット)を生成した。対照的に、約25〜27ipmのリードイン速度で切断された穴フィーチャは、約0ミリメートル(約0インチ)から約0.05ミリメートル(約0.002インチ)で測定された突起(たとえば、+90度から0度の点で時計回りに定められた第2の領域の部分における)を生成した。
【0106】
[000140]一般に、最適なリードイン速度は、穴の直径がより小さくなるとき低下する。穴の直径の関数としての最適なリードイン速度のプロットが、図9に示されるプロットと同様に試験され、展開され、式に曲線適合される。式に関する係数が、穴切断チャートに現われる可能性があり、それがCNCによって行われる計算において読み取られ、使用される。図10は、本発明の例示の実施形態による、リードインコマンド速度に関する例示の参照チャート570である。図10に示されるように、最適なリードイン速度は、穴の直径の関数であることができ、加工物の切断電流レベルおよび厚さに基づいて変わることができる。穴フィーチャの大きさは、リードイン速度の大きさと直接的に関係づけることができる。たとえば、より小さな穴フィーチャは、より遅いリードイン速度を使用して切断することができ、より大きな穴フィーチャは、より速いリードイン速度を使用して切断することができる。たとえば、130アンペアで9.525ミリメートル(0.375インチ)の軟鋼加工物から7.01ミリメートル(0.276インチ)直径の穴フィーチャを切断するためのプロセスは、穴フィーチャにおける欠陥を最小限に抑えるために、約12ipmに設定された最適のリードイン速度を有することができる。対照的に、130アンペアで9.525ミリメートル(0.375インチ)の軟鋼加工物から8.001ミリメートル(0.315インチ)直径の穴フィーチャを切断するためのプロセスは、穴フィーチャにおける欠陥を最小限に抑えるために、約19ipmに設定された最適のリードイン速度を有することができる。
【0107】
[000141]図11は、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断する際に使用される経路に関する第3の領域を示す。トーチヘッドの動作は、経路210を追従することができる。第3の領域は、第1の領域110の外側カーフ縁140(たとえば、切断部のリードイン)が「0度点」270(たとえば、第1の領域110の外側カーフ縁140が第3の領域210の外側カーフ縁250と合流する場所)に対して第2の領域160の内側カーフ縁200と交差する点から延出することができる。上記に留意したように、第2の領域160の内側カーフ縁200が交差する前に、切断部の先縁261が第1の領域の外側カーフ縁と交差するときの近似である。穴を切断する間にトーチ角度位置(Φ)580がΦrefに達するとき、ほぼ第3の領域210が始まる場所で、カーフ先縁がリードイン(たとえば第1の領域)外側カーフ縁140に割り込む。Φ580が低下すると、残りの材料の量が低下し、Φ=0(「0度点」)で0に達する。残りの材料(たとえば、「漸減材料」590)は、Φの関数として計算することができる。
【0108】
[000142]漸減する材料590は、トーチヘッドが第3の領域210の始端220に達した後に、切断される加工物から残った材料であることができる。減少する材料590が、少なくとも部分的には、第1の領域110における切断部の外側カーフ縁140、および第3の領域210の切断部の外側カーフ縁250によって画成できる。過剰に材料を除去することで穴フィーチャにディボットが生じる可能性があり、十分に材料を除去しないことで穴フィーチャに突起が生じる可能性がある。したがって、第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250が、第2の領域160における切断部の外側カーフ縁180と実質的に整列するように、第3の領域210において除去される材料を最適化することが望ましい。穴フィーチャを切断するための、残りの除去される材料(たとえば、漸減する材料590)の量は、第3の領域210に沿って(たとえば、第1の領域110、第2の領域160、および第3の領域210が実質的に交差する、第3の領域210の始端220から第3の領域210の端部230に)変わるので、トーチが第3の領域210に沿って移動するときに加工物を切断するために使用される電流密度は、正確な量の材料が加工物から除去されるように最適化することができる。切断電流の減少(たとえば、第3の切断電流)および/またはトーチ速度(たとえば切断速度)の変更は、第3の領域210においてトーチが移動する直線距離当たりの所望の電流密度の量を提供するように最適化することができる。第3の領域210における切断部の外側カーフ縁250が、第2の領域160における切断部の外側カーフ縁180と実質的に整列するように、減少する材料590を除去するために、第3の領域210において切断電流を減少させることができる。方法は、トーチヘッドが第3の領域210から第2の領域(たとえば、図6Cに示される領域240)に対応する位置へ通過するまで、第3の領域210におけるトーチ速度を実質的に維持または増加させるステップも含むこともできる。
【0109】
[000143]図12は、本発明の例示の実施形態による、時間の関数としての切断電流およびコマンド速度を示すグラフ600である。プロセス電流610は、「0度点」270’(たとえば、図6Cおよび図11に示されるように、第1の領域110の外側カーフ縁140が第3の領域210の外側カーフ縁250と合流する場所)、または実質的に「0度点」270の付近で減少および消滅するような信号を受ける(たとえばCNCによって)こと620ができる。電流を減少させる信号620が送られる時と、電流レベルが実際に減少し始める時との間に伝播遅延630がある可能性がある。トーチ速度640(たとえばトーチ速度)は、トーチヘッドが「0度点」270’を通過した後、および電流が消滅した後(たとえば、切断電流が実質的に0アンペアに達した後に)に減速させることができる。
【0110】
[000144]第3の領域において切断するための複数の切断電流減少動作のうちの少なくとも1つが選択され、複数の切断電流減少動作のそれぞれは、穴フィーチャの直径の関数であることができる。切断電流は、切断電流610が、第1の領域、第2の領域、および第3の領域210’が(たとえば、第3の領域210’の端部230’付近で)実質的に交差する第3の領域210における第2の点270’(たとえば、図6C〜6Dに示されるような点270に対応する)、または実質的に第2の点270’付近で消滅するように、第3の領域210’における第1の点(たとえば、第3の領域の始端、または第3の領域の始端の付近で)で減少させることができる。第3の領域の第1の点は、切断電流の減少時間を使用して決定/計算することができる。トーチ速度が、第2の点270’の後の所定の距離650(たとえば、6.35ミリメートル(1/4インチ))で実質的に0に達するように、プラズマアークトーチを減速させることができる。
【0111】
[000145]プロセス電流610の減少、および第3の領域210’における停止は、最大プロセス切断速度で(たとえば、実質的にコマンド速度を維持することによって)、または第2の領域よりも高いトーチ速度で(たとえば、コマンド速度を増加させることによって)行うことができる。電流停止610は、0度マーク270(たとえば、リードイン/穴移行位置、または第1の領域が第2の領域に移行する場所)と実質的に同時であることができる。いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、減速されて640、(上記に説明したような)最小「リードアウト」モーション長に等しい、またはそれより長い、「0度マーク」270’の後の所定の距離650(たとえば、6.35ミリメートル(1/4インチ))で停止することができる。プラズマは、トーチが「0度点」270、または「0度点」270の付近に達する場合に電流が消滅するように、電流の減少時間および伝播遅延に対応する時に減少するように信号を受けること620ができる。したがって、プラズマ電流が減少するように信号を受ける点620と電流が消滅する点270との間の時間間隔は、減少時間に対応することができる。
【0112】
[000146]いくつかの実施形態では、第1のコマンド(たとえば、非同期停止コマンド)が切断部に沿った第1の位置(たとえば、図6Cの「0度点」270および図12の270’)でプラズマアークを消滅させるように確立され、第1のコマンドはプラズマアークトーチの動作を変えるための第2のコマンドとは独立である。自動化されたプロセスは、切断部に沿って第1の位置(たとえば0度点270’)の前にある第2の位置651で電流の減少の開始を決定する第1のコマンドと関係づけられた負の時間オフセットを確立するステップも含むことができる。負の時間オフセットは、プラズマアークトーチシステムが電流の減少を開始する時を決定する変数であることができる。負の時間オフセットの値は、トーチが第2の位置に達した時点で電流の減少の開始が始まり、トーチが第1の位置に達する時に電流が消滅するように選択することができる。いくつかの実施形態では、第1の位置651は、切断されている穴フィーチャの周縁の外側カーフ縁(たとえば、図11の縁190)と、切断されている穴フィーチャのリードインの外側カーフ縁(たとえば、図11の縁140)との間の交差に対応する。プラズマアークトーチの動作を変えるステップは、プラズマアークトーチを減速または加速するステップを含むことができる。負の時間オフセットは、第1のコマンドと電流の減少の開始との間の遅延630、および電流の減少の開始とプラズマアーク610の消滅との間の時間の合計であることができる。いくつかの実施形態では、負の時間オフセットは、切断チャート(たとえば、下記に示すような図13のチャート660)から取り込むことができる。負の時間オフセットは、切断されている穴フィーチャの直径または電流レベルの関数であることができる。複数の穴フィーチャが切断される場合、本明細書に説明される技術が、切断されている穴フィーチャごとに行うことができる。
【0113】
[000147]図13は、本発明の例示の実施形態による、切断パラメータに関する例示の参照チャート660である。電流の減少時間は、切断チャート660に含むことができる。電流の減少時間は、プロセスの電流レベルに応じて変わることができる。例として、400Aの電流レベルによって動作するプロセスが、減少させるために(たとえば、電流を消滅させるために)約250msかかる可能性がある。約50アンペアの電流レベルによって動作するプロセスは、減少させるために約50msかかる可能性がある。したがって、「0度点」(たとえば、図6Cおよび図11に示すように、第1の領域の外側カーフ縁が第3の領域の外側カーフ縁と合流する)で電流を消滅させるために、CNCは、少なくともコマンド速度および減少時間(たとえば、電流を消滅させるためにかかる時間)に基づいた点で電流を消滅させるために、プラズマアークトーチシステムに信号を送り、電流を減少させることができる。
【0114】
[000148]図6C〜6Dで上記に説明したように、アークが消滅し、トーチが「0度点」に達するまで、プラズマアークトーチが減速し始めないように、最小の減速時間は、プラズマアークトーチが減速して停止するために設定することができる最小の時間として定めることができる。最小の減速時間は、トーチヘッド速度に関する上限(たとえば、1/4インチ(6.35ミリメートル)軟鋼加工物に関する80アンペアプロセスが、約55ipmの切断速度を使用することができる)、およびテーブル減速に関する下限(たとえば、「スローテーブル」が約5mGのテーブル減速を有することができる)を使用することにより計算することができる。EQN1の上が、最小リードアウトモーション長「L」(たとえば電流が消滅した後、および/またはトーチヘッドが実質的に「0度点」に達した後までテーブルが減速し始めないように、設定できる最小距離であり、その最小距離は速いトーチ速度および遅いテーブルに関して計算される)を計算するために使用することができ、それは約55ipmのトーチ速度、および約5mGのテーブル減速が与えられた場合に約6.35ミリメートル(約0.25インチ)であることができる。したがって、ほとんどのプロセスに関して、電流が消滅するまで、プラズマアークトーチがトーチヘッド速度を維持するように、プラズマアークトーチは「0度点」の後の6.35ミリメートル(0.25インチ)で停止するために減速するように命令を受けることができる。より低い速度(たとえば、より遅いトーチ速度)および/またはより速いテーブル(たとえば、より大きなテーブル減速)を伴うプロセスは、「0度点」の後の6.35ミリメートル(0.25インチ)に達する前に停止するが、テーブルは電流が消滅した後にさらに減速する。別の実施形態では、トーチヘッドを減速させる(たとえば停止する)ためのCNCの負のカットオフ時間は、伝播遅延630、プロセス減少610(たとえば、電流を減少させるためにかかる時間)、任意の追加のリードアウトおよびモーション減速時間650の合計に設定することができる。
【0115】
[000149]図9で上記に説明したように、図14は、図6A〜6Cで示した第1の領域、第2の領域、および第3の領域が合流する移行領域における穴フィーチャでのずれの測定値を示す。特に、グラフは、図6A〜6Dに示されるような「0度点」から反時計回りに+90度、および「0度点」から時計回りに−90度での穴フィーチャにおけるずれを示す。グラフ670は、本発明の例示の実施形態による、穴フィーチャに関して測定されたずれを示す。プロット661は、図6Aに示されるような、第1の領域の外側カーフ縁を示す。リードイン/リードアウトフォームエラー「ディング」および/または「ディボット」の深さを最小限に抑えるため、プロセス減少(たとえば、図6Cおよび12に示されるように第3の領域における電流に関して減少させること)は、最大プロセス切断速度を実質的に維持または増加させる(たとえば、より高いコマンド速度を設定することによって切断速度を増加させる)ことによって行うことができる。穴に関する第3の領域(たとえば、図6Cに示されるように−90度と0度の間)において生成された平均のずれ(たとえば、ディボット)は、約−0.508ミリメートル(約−0.020インチ)であった。
【0116】
[000150]図15は、本発明の例示の実施形態による、加工物から穴フィーチャを切断するプラズマアークトーチを操作する自動化された方法を示す。ソフトウェアは、CNCが実行するためのコードを生成し、プラズマシステムにトーチの動作中にいくつかのステップを行うように指令することができる。1つのステップは、プラズマアークトーチに関するロックアウト高さ制御(locking out height control)(ステップ800)を含むことができる。ガス組成(たとえば、プラズマ/シールドガスに関するO2/O2)は、参照チャートから設定することができる(ステップ810)。カーフ値(たとえば、参照チャートからの)は、切断される穴フィーチャ直径からのモーション径を計算する(ステップ820)ために使用することができる。1つのステップは、穴切断チャートにおける値からコマンド速度を読み取り/設定するステップ(ステップ830)を含むことができる。穴フィーチャを切断するために使用される経路は、360度アーク、非同期停止コマンド、およびリードアウトアーク長(たとえば、図6Dに示されるような第4の領域におけるアーク)を含むようにプログラムする(ステップ850)ことができる。非同期停止コマンドは、プラズマアークトーチにプラズマアークを消滅させ、なおかつトーチヘッドを移動させ続けるように命じるコマンドであることができる。次いで、トーチ停止コマンド(たとえば、トーチを減速させて停止させるコマンド)は、後で与えられる。非同期停止コマンドは、「0度点」(たとえば、図6C〜6Dに示されるような点270)で挿入することができ、電流が「0度点」で実質的に0に消滅するように、減少時間に対応する時間間隔によるオフセット(たとえば、負の時間オフセット)を含むことができる(ステップ840)。リードアウトアーク長は、「0度点」の後までトーチが減速し始めないように(たとえば、電流が消滅するまでトーチ速度が低下しないように)、最小リードアウトモーション長に対応するようにプログラムすることができる(たとえば、EQN.1で上記に説明したように)。穴の中心からモーション径のリードイン形状(たとえば半円)(ステップ860)をプログラムすることができる。リードイン速度は、穴切断チャートにおける値(たとえば、上記に説明したような第1の領域に関するコマンド速度)から読み取り/設定する(ステップ870)ことができる。電流の減少時間は、任意の数の穴の大きさに関して参照表から読み取ることができ、上記に説明したように、任意の重要な伝播遅延が、非同期停止コマンドをオフセットする時間間隔に加わる可能性がある。したがって、適切な電流の減少時間は、任意の数の穴の大きさに関して計算することができる。
【0117】
[000151]いくつかの実施形態では、自動化された方法は、加工物において複数の穴フィーチャを切断するステップを含む。上記に説明した方法は、各穴フィーチャを切断するために使用することができる。上記に説明したステップ840は、各穴フィーチャの周縁に沿った切断部の外側カーフ縁が、各穴フィーチャのリードインに沿った切断部の外側カーフ縁に実質的に合流する場所(たとえば、図6Cの「0度点」270および図12の270’)に対応する第1の位置を確立するステップを含むことができる。方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径、または切断電流レベルに基づいて、第1の位置の前にある第2の位置(たとえば、図12の位置651)を確立するステップと、プラズマアークトーチが第1の位置に達するとき、プラズマアークが実質的に消滅するように第2の位置でプラズマアーク終止を開始するステップも含むことができる。電流の減少の開始に対応する第2の位置は、切断のリードアウト(たとえば、図6Cおよび図11に示されるような第3の領域210)に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、異なる穴の直径を有する複数の穴フィーチャが、所与の厚さを伴って加工物において切断され、第2の位置から第1の位置にプラズマアークトーチが移動した距離が、複数の穴フィーチャに関して実質的に同じ(たとえば同じ)である。自動化された方法は、切断されている穴フィーチャの穴の直径に基づいた負の時間オフセットを決定するステップであって、負の時間オフセットは、第2の位置でプラズマアークの終止の開始を決定するステップも含むことができる。複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャは、プラズマアークトーチに関する1つの組の消耗部品を使用して切断することができる(たとえばプラズマトーチの消耗部品を変更することなく穴フィーチャを切断するための自動化されたプロセスなど)。いくつかの実施形態では、加工物は、各穴フィーチャを切断するのを開始するために穿孔することができる。
【0118】
[000152]図16は、異なるプロセスから切断された穴に関する穴の質の結果を比較するグラフである。グラフは、異なる切断プロセス880〜920を使用して切断された穴フィーチャに関する円筒度を示す。円筒度は、穴の大きさ(たとえば穴の直径)の関数であることができる。図16でプロセス880〜920を使用して切断された穴フィーチャは、直径がそれぞれ10.01ミリメートル(0.394インチ)であり、9.525ミリメートル(3/8インチ)厚の軟鋼加工物において切断された。プロセス900〜910は、本明細書に説明された本発明の実施形態の例示の特徴を組み込むプロセスから切断される穴フィーチャである。プロセス920は、レーザ切断システムを使用した穴フィーチャ切断であった。レーザ切断システムは、以前により高品質の(たとえば、プロセス920をたとえばプロセス880と比較して)穴を生み出したが、プラズマアークトーチシステムは費用がより低かった。したがって、プラズマアークトーチシステムから切断された高品質の穴が求められる。
【0119】
[000153]プロセス880に関するプロット(「ベンチマークプラズマ」)は、既存の方法からの穴フィーチャ切断に関する円筒度を示す。プロセス880に関するガス組成は、シールドガスにO2プラズマガスおよび空気を使用した。直線リードイン(たとえば、第1の領域に関する直線切断)が使用され、トーチが「0度点」の前に(たとえば、電流を消滅させる前に)減速された。プロセス880からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約1.499ミリメートル(約0.059インチ)であった。
【0120】
[000154]プロセス890に関するプロット(「部分A」)は、プロセス880からの唯一の変更がガス組成であった場合の穴フィーチャ切断に関する円筒度を示す。プロセス890に関するガス組成は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスであった。プロセス890からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約2.54ミリメートル(約0.100インチ)であった。したがって、プロセス880からシールドガス組成および流量を単に変更することは、穴フィーチャにおける欠陥を拡大させた。
【0121】
[000155]プロセス900に関するプロット(「部分B」)は、穴フィーチャに関する円筒度を示し、その場合に、半円形状を使用して、第1の領域を切断し(たとえば、半円リードイン)、第2の領域に関するコマンド速度が、第1の領域に関するコマンド速度よりも速くなっている。しかし、トーチは、電流が消滅する前に(たとえば、図6C〜6Dに示されるように「0度点」の前に)減速された。プロセス900に関するガス組成は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスであった。プロセス900からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約0.9906ミリメートル(約0.039インチ)であった。したがって、このデータは、切断部に沿ってコマンド速度を変更し、半円リードインを選択したことが穴の質を向上させたことを示す。このプロセスによって切断された穴切断フィーチャは、直線のリードインを有し、第1の領域と第2の領域の間のトーチ速度の変更が全くないプロセスを使用することによって切断される穴よりも低い円筒度を有する。
【0122】
[000156]プロセス910に関するプロット(「完全なソリューション」)は、穴フィーチャに関する円筒度を示し、その場合に半円形状を使用して第1の領域が切断され、第2の領域に関するコマンド速度が、第1の領域に関するコマンド速度よりも速く、電流が消滅した後に(たとえば、上記に説明した「0度点」の後に)トーチが減速された。プロセス910に関するガス組成は、O2プラズマガスおよびO2シールドガスであった。プロセス910からの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約0.508ミリメートル(約0.020インチ)であり、それによって、その他のプラズマアークトーチプロセスと比べて切断の質の改善を示す。このプロセスによる穴フィーチャ切断部は、電流が消滅する前に減速されたトーチによって穴フィーチャ切断部よりも低い円筒度を有する。
【0123】
[000157]プロセス920に関するプロット(「レーザ」)は、レーザ切断システムを使用する穴フィーチャ切断についての円筒度を示す。レーザシステムからの穴フィーチャ切断に関する円筒度は、約0.381ミリメートル(約0.015インチ)であった。本明細書に説明された実施形態の態様/フィーチャを組み込む穴フィーチャを切断することは、プロセス900〜910に関するプロットに示されるように、プラズマアークトーチシステムを使用して切断される穴の質を改善した。
【0124】
[000158]図17は、本発明の原理を実現するために、コンピュータ数値制御装置(たとえば、図5のCNC12)などのプロセッサをどのように使用して、ガス流れを操作することができるかを示す流れ図である。図17は、本発明の例示の実施形態による、情報担体において実施されるコンピュータ読取可能製造物内に含むことができる流れ動作を示す。その他の実施形態も、本発明の範囲内にある。図17に示されるように、切断される部分を含むCADファイルがCNC1510またはネスティング・ソフトウェアに提供され、切断チャートに含まれる指令に基づいて、CNCがシールドガス組成を選択する。別の実施形態では、ネスティング・ソフトウェアに含まれる指令は、シールドガス組成を決定する。いくつかの実施形態では、CNCは、穴フィーチャまたは輪郭が切断されているかどうか決定するためにコンピュータ読取可能指令を使用したのち、トーチに電源が入り1520、アークが加工物に伝達される1530。アークが開始されたとき、開始のシールドガスおよびプラズマガスが使用され、たとえばその組み合わせが下記の図18に示される。アークが加工物に伝達された後に、トーチが加工物に下げられ、アークが加工物を穿孔する1540。1つの実施形態では、アークは、空気を穿孔シールドガスとして使用し、加工物を穿孔する。穿孔ステップが完了した後、CNCは、コンピュータ読取可能指令を使用して、穴フィーチャが切断されるか、輪郭が切断されるかに応じて、適切なシールドガスを選択する。いくつかの実施形態では、穴フィーチャが切断されるか、輪郭が切断されるかについての決定(および適切なシールドガス組成の選択)は、加工物の厚さに関連した穴の寸法の調査に基づいている。1つの実施形態では、フィーチャの直径が加工物の厚さの約2.5倍以下である場合、小さな内側フィーチャ(たとえば、穴フィーチャ)が切断され、CNCは第2のシールドガスを選択する1550。いくつかの実施形態では、穴フィーチャ切断のために選択されたシールドガス組成はO2であり、いくつかの実施形態では、シールドガス組成は、O2、He、N2、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態では、シールドガス組成に関する指令は、切断チャートの指令に含まれている。第2のシールドガスが選択された後に、CNCは、第2のシールドガス組成がシールドガス供給ラインを通って流れるようにシールドガス流れを制御する。次いで、穴フィーチャは、切断チャートに含まれる指令によって決定され、またはネスティング・ソフトウェアによって指定された第2のシールドガス組成を使用して、加工物において切断される1560。1つまたは複数の穴フィーチャが加工物において切断された後に、CNCが輪郭切断動作を開始する1570。
【0125】
[000159]CNCが輪郭切断動作を開始するとき、輪郭切断に関して開始のシールドガスおよびプラズマガスを使用して、アークが再び開始される1530。次いで、アークが加工物を穿孔し1540、輪郭切断が開始すると、CNCが輪郭切断動作に関して第1のシールドガスを選択する1580。輪郭が切断されることが決定されると、CNCが輪郭切断に関して第1のシールドガス組成を選択する1580。輪郭の認識は、切断部の形状に基づいて選択することができ、または内側フィーチャの場合には、切断される開口の直径と加工物の厚さとの比率に基づいたものであることができる。いくつかの実施形態では、輪郭を切断するとき、アークの開始、加工物の穿孔、および輪郭切断の全てが、単一のシールドガス組成、すなわち第1のシールドガス組成を使用して行われる。いくつかの実施形態では、アークの開始および加工物の穿孔の間のシールドガスは、加工物において輪郭形状を切断するときに使用されるシールドガスと異なる。加工物において穴フィーチャまたは輪郭を切断するとき、同じ作業ステップに従うことができるが、各ステップに関して異なるシールドガス組成を選択することができる。
【0126】
[000160]図18は、本発明の実施形態に使用できるガスの組み合わせの例を示す表である。1つの実施形態では、ガスは、穴フィーチャ切断または輪郭切断などの、行われるプラズマトーチ動作に基づいた、最適のガス切断特性を提供するように選択される。図18に示される例示のガス組成は、軟鋼切断用途に関するものであるが、他の材料の加工物が、そのような材料により適した異なるシールドガス組成を使用して切断することができる。いくつかの実施形態では、HeおよびN2の混合物が、ステンレス鋼またはアルミニウムを切断する穴フィーチャシールドガスに関して、酸素の代わりに使用することができる。
【0127】
[000161]図18に実証された実施形態では、輪郭または穴フィーチャを切断している間、システムは、プラズマアーク開始の間にプラズマガスおよびシールドガスとして空気を提供する。空気は、アークの開始の間にO2と比べてより優れた消耗部品の寿命をもたらす傾向にあるので、プラズマガスとして使用される。アークが開始し、加工物に伝達された後に、プラズマガスがO2に変更され、シールドガスが穿孔プロセスに関する空気としてそのまま残る。この場合に、電流が切断電流に上昇されたとき、ノズルへの損傷を防止するために、プラズマガスが、ノズル設計に適切なガス、この実施形態ではO2に切り替えられる。ほとんどの場合に、最大切断電流に達した時に切断ガスが存在することが望ましい。一方で、穿孔プロセスに関するシールドガスは空気としてそのまま残る。穿孔動作に関する空気シールドガスは、より小さな穿孔貫通を残すことが示され、それは加工物において廃物を抑える。加工物が穿孔された後に、プラズマトーチが、トーチの動作によって貫通の縁に沿って切断を開始する。穿孔において、トーチは一般に静止し、目的は、加工物を完全に貫通することである。切断は、一方で、所望の形状を形成するために、露出した縁を切断することによって、トーチを移動することを伴う。
【0128】
[000162]図18の表を再び参照すると、穿孔ステップの後に、シールドガスは、輪郭切断か穴フィーチャ切断かのタイプに基づいて選択することができる。輪郭を切断する際には、シールドおよびプラズマガスが、変更されないまま残る。O2のプラズマガスと空気のシールドガスの組み合わせを使用して輪郭を切断する場合に、O2のプラズマガスと空気のシールドガスの組み合わせは、直線的なスラグのない縁および速い切断速度を可能にする(たとえば、切断速度またはコマンド速度)が、大きな角度のテーパまたは傾斜を有する穴フィーチャを形成する傾向になり、質の低い穴フィーチャを形成する。穴フィーチャまたは小さな内側フィーチャを切断する場合に、O2をプラズマガスとして保ち、シールドガスもO2に切り替えることによって、穴フィーチャのテーパは、なくならないとしても低減させることができる。軟鋼を切断する場合にO2シールドガスを使用することによって、シールドガス内の窒素の量が低下されるので、テーパは空気と比べて低減される。したがって、低い窒素含有量を有するその他のガスまたはガス組成を、図18の実施形態に使用することができた。他の実施形態では、異なる組成の組み合わせを有するシールドガスが、穴フィーチャを切断するときに使用することができる。
【0129】
[000163]図19Aは、従来技術の切断プロセスを使用した(たとえば、同じ加工物において輪郭切断および穴フィーチャ切断の両方に関して同じシールドガス組成を使用した)穴切断の断面の1つの例である。図19Aでは、穴の円筒度(「テーパ」または「傾斜」)は、穴の縁74の上部71、中間部72、および底部73での直径の測定値に等しい直径を有する、同軸の円柱を形成することによって測定することができる。直径の間の最も大きな差が、矢印81の間の空間によって示される。図19Aにおける2つの基準の円筒の半径の間の大きな差が、低い質の穴を示している。そのような穴は、かなりのポスト切断処理を必要とする可能性がある。
【0130】
[000164]図19Bは、上記に説明した例示の技術を組み込む、本発明の実施形態による穴フィーチャ切断の断面である。穴の円筒度(「テーパ」または「傾斜」)は、穴の縁74の上部71、中間部72、および底部73での直径の測定値に等しい直径を有する、同軸の円柱を形成することによっても測定することができる。図19Bでは、穴切断の縁の傾斜またはテーパが図19Aの穴の縁の傾斜と比較して大幅に低減される(図3も参照されたい)ことが理解できる。さらに、低減された円筒度は、図19Aと比べて矢印81の間の低下した距離によって理解することもできる。穴の縁の傾斜またはテーパの低下によって、2つの同軸の円筒の間の円筒度公差領域が最小になり、ポスト切断処理を全く必要としない、はるかに高い質の穴を生じる。
【0131】
[000165]上記に説明した技術は、デジタル電子回路、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせで実現することができる。実現は、コンピュータプログラム製造物、すなわち情報担体(たとえばCPS)において有形に実施されたコンピュータプログラムとしてのものであることができる。情報担体は、(たとえばプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータなどの)データ処理装置により実行するための、またはデータ処理装置の動作を制御するための、機械読取可能な記憶デバイスであり、または伝播された信号内にあることができる。
【0132】
[000166]コンピュータプログラム(たとえば、コンピュータプログラムシステム)は、編集された、または解釈された言語を含む、任意の形のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピュータ環境において使用するのに適した他のユニットとしてのものを含む、任意の形で装備することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、または1つの場所にあり、もしくは複数の場所に渡って分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータで実行されるように装備することができる。
【0133】
[000167]方法のステップは、入力データに基づいて作動し、出力を生成することによって、本発明の機能を行うためのコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって行うことができる。方法のステップは、たとえばFPGA(フィールドプログラマブル論理アレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって行うこともでき、装置は専用論理回路として実装することができる。モジュールは、その機能を実現するコンピュータプログラムおよび/またはプロセッサ/専用回路の一部分を指すことができる。
【0134】
[000168]コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、一般および専用のマイクロプロセッサの両方であり、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般にプロセッサは、読み出し専用メモリ、またはランダムアクセスメモリ、あるいは両方から指令およびデータを受ける。コンピュータの基本的な要素は、指令を実行するためのプロセッサ、ならびに指令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス(たとえば、磁気、磁気光学ディスク、または光学ディスク)も含み、またはそこからデータを受け、またはそこにデータを転送する、あるいは両方を行うために、動作的に連結される。データ転送および指令は、通信ネットワークの間で行うこともできる。コンピュータプログラム指令およびデータを実施するのに適した情報担体は、例として、たとえばEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、たとえば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含む、全ての形の不揮発性メモリを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足し、または専用論理回路に組み込むことができる。
【0135】
[000169]使用者との対話をもたらすために、上記に説明した技術は、たとえば、使用者に情報を表示するためのCRT(陰極線管)、またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびに使用者が入力をコンピュータに提供する(たとえば、ユーザインターフェース要素によって対話する)ことができる、キーボード、およびたとえばマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータで実現することができる。他の種類のデバイスが、同様に使用者に対話をもたらすために使用することができ、たとえば、使用者に提供されるフィードバックは、たとえば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触覚的フィードバックなどの任意の形の感覚的なフィードバックであることができ、使用者からの入力は、音響、発話、または触覚の入力を含む任意の形で受け取ることができる。
【0136】
[000170]上記に説明した技術は、たとえばデータサーバなどのバックエンドコンポーネント、および/またはたとえばアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネント、および/またはたとえば使用者が例示的な実現と対話することができるグラフィカルユーザインターフェースおよび/またはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンピュータ、あるいはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドのコンポーネントの任意の組み合わせを含む、分散処理コンピュータシステムで実現することができる。システムの構成要素は、任意の形または媒体のデジタルデータ通信たとえば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、およびたとえばインターネットなどのワイドエリアネットワーク(「WAN」)を含み、有線および無線ネットワークの両方を含む。
【0137】
[000171]備える、含む、および/またはそれぞれの複数形は、無制限であり、列挙した要素を含み、かつ列挙されていない追加の要素を含むことができる。および/または、無制限であり、1つまたは複数の列挙した要素、および列挙した要素の組み合わせを含む。
【0138】
[000172] 本発明を特定の例示の実施形態を参照して具体的に示し、説明してきたが、形式および詳細における様々な変更が、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずになされることができることを理解すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマアークトーチシステムを使用して複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法であって、コンピュータ数値制御装置で実現され、
a)穴フィーチャの直径に基づいたリードインコマンド速度を使用して、前記穴フィーチャに関するリードインを切断するステップと、
b)前記穴フィーチャに関する対応する前記リードインコマンド速度よりも速い周縁コマンド速度を使用して前記穴フィーチャに関する周縁を切断するステップと、
c)同じ直径または異なる直径を有する追加の穴フィーチャごとにステップa)およびb)を繰り返すステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の自動化された方法において、前記複数の穴フィーチャを切断するために使用される補助的なガス組成よりも高い窒素容量を有する補助的なガス組成を使用して輪郭を切断するステップをさらに含む方法。
【請求項3】
プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断する自動化された方法であって、各穴フィーチャが、リードイン部分、穴周縁部分、およびリードアウト部分を含み、
第1のコマンド速度を使用して第1のリードインを切断するステップ、および
第1の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、前記第1のリードインを切断した後に、コマンド速度を前記第1のコマンド速度から第2のコマンド速度に増加させるステップ、
によって、第1の直径を有する加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップと、
前記第1のコマンド速度よりも速い第3のコマンド速度を使用して第2のリードインを切断するステップ、および
前記第2の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、前記第2のリードインを切断した後に、前記コマンド速度を前記第3のコマンド速度から第4のコマンド速度に増加させるステップ、
によって、前記第1の直径よりも大きな第2の直径を有する加工物において、第2の穴フィーチャを切断するステップとを含む方法。
【請求項4】
請求項3に記載の自動化された方法において、前記第4のコマンド速度および前記第2のコマンド速度が実質的に同じである方法。
【請求項5】
請求項3に記載の自動化された方法において、
第1の補助的なガス流れを使用して前記加工物において前記第1の穴フィーチャを切断するステップ、
第2の補助的なガス流れを使用して前記加工物において前記第2の穴フィーチャを切断するステップ、および
前記第1の補助的なガス流れまたは前記第2の補助的なガス流れよりも高い窒素含有量を有する第3の補助的なガス流れを使用して前記加工物において輪郭を切断するステップとを含む。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記第1の補助的なガス流れおよび前記第2の補助的なガス流れが、実質的に同じガス組成を有する。
【請求項7】
プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法において、
第1のガス組成を有する補助的なガス流れを開始するステップ、および
第1の組の切断パラメータによって第1の穴フィーチャを切断するステップ、
によって、第1の自動化されたプロセスを使用して第1の直径を有する前記第1の穴フィーチャを切断するステップと、
第2のガス組成を有する前記補助的なガス流れを開始するステップ、および
第2の組の切断パラメータによって第2の穴フィーチャを切断するステップであって、前記第2の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータが前記第1の組の切断パラメータと異なるステップ、
によって、第2の自動化されたプロセスを使用して、前記第1の直径よりも大きな第2の直径を有する前記第2の穴フィーチャを切断するステップと、
第3のガス組成を有する前記補助的なガス流れを開始するステップであって、前記第3のガス組成が、前記第1および第2のガス組成より高い窒素含有量を有するステップ、および
第3の組の切断パラメータによって輪郭を切断するステップであって、前記第3の組の切断パラメータの少なくとも1つのパラメータが、前記第1または第2の組の切断パラメータと異なるステップ、
によって、第3の自動化されたプロセスを使用して前記輪郭を切断するステップとを含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の自動化された方法において、
前記第1の組の切断パラメータが、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、および前記第1のガス組成を含み、
前記第2の組の切断パラメータが、第2のリードインコマンド速度、第2の周縁コマンド速度、および前記第2のガス組成を含み、
前記第3の組の切断パラメータが、輪郭コマンド速度および前記第3のガス組成を含む方法。
【請求項9】
請求項8に記載の自動化された方法において、前記輪郭コマンド速度は、前記第1のリードインコマンド速度、前記第1の周縁コマンド速度、前記第2のリードインコマンド速度、および前記第2の周縁コマンド速度よりも速くなっている方法。
【請求項10】
請求項7に記載の自動化された方法において、前記第1のガス組成および前記第2のガス組成が実質的に同じである方法。
【請求項11】
プラズマアークトーチによって加工物において少なくとも第1の穴フィーチャおよび第2の穴フィーチャを切断する自動化された方法であって、前記第2の穴フィーチャが、前記第1の穴フィーチャよりも大きく、
切断速度を第1のリードイン切断速度まで増加させることによって第1のリードインを切断するステップ、
第1の周縁を切断するために、前記第1のリードインの後に前記切断速度を増加させるステップ、
前記第1の周縁の内側カーフ縁が、前記第1のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始するステップ、および
切断電流が消滅するまで前記切断速度を維持または増加させるステップであって、前記切断電流が、前記第1のリードインの外側カーフ縁が前記第1の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所、またはその場所の付近で消滅するステップとによって、
前記プラズマアークトーチを第1の位置に移動し、加工物において前記第1の穴フィーチャを切断するステップと、
前記切断速度を前記第1のリードイン切断速度よりも速い前記第2のリードイン速度まで増加させることによって、第2のリードインを切断するステップ、
第2の周縁を切断するために、前記第2のリードインの後に前記切断速度を増加させるステップ、
前記第2の周縁の内側カーフ縁が、前記第2のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始するステップ、および
前記切断電流が消滅するまで前記切断速度を維持または増加させるステップであって、前記切断電流が、前記第2のリードインの外側カーフ縁が前記第2の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所、またはその場所の付近で消滅するステップによって、
前記プラズマアークトーチを第2の位置に移動し、前記加工物において前記第2の穴フィーチャを切断するステップとを含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の自動化された方法において、前記第1の穴フィーチャまたは前記第2の穴フィーチャの直径に基づいた点において電流の減少を開始することによって、前記第1の穴フィーチャまたは前記第2の穴フィーチャを切断するステップをさらに含む方法。
【請求項13】
様々な厚さの複数の加工物において、様々な大きさの輪郭および複数の穴フィーチャを切断するように構成されたプラズマアークトーチシステムであって、
対応する電流レベルのための電極およびノズルを有するプラズマアークトーチと、
複数のガス組成から、穴フィーチャを切断するために使用される第1の補助的なガス組成、および輪郭を切断するために使用される第2の補助的なガス組成を選択し、
複数の周縁切断速度から、加工物の材料厚さに基づいた周縁切断速度を選択し、
複数のリードイン速度から、切断される穴フィーチャの大きさ、および加工物の材料厚さに基づいたリードイン速度を選択するように構成され、各周縁切断速度が、各対応するリードイン速度よりも速くなっているコンピュータ数値制御装置とを備えるプラズマアークトーチシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、前記リードイン速度が、前記切断される穴フィーチャの大きさに比例したものであるシステム。
【請求項15】
請求項13に記載に記載のシステムにおいて、前記コンピュータ数値制御装置が、複数の負の時間オフセット値から、前記電流レベルに基づいた負の時間オフセット値を選択するように構成されるシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記負の時間オフセットが、前記切断される穴フィーチャの大きさまたは前記電流レベルに基づいているシステム。
【請求項17】
情報担体で有形に実施され、プラズマアークトーチシステムによって加工物において複数の穴フィーチャを切断するためにコンピュータ数値制御装置で動作可能であるコンピュータ読取可能製造物であって、前記コンピュータ読取可能製造物は、前記コンピュータ数値制御装置が、
空気より低い窒素含有量を有するシールドガス組成を選択し、
切断される穴フィーチャに関するリードイン切断速度を確立し、前記リードイン切断速度が前記切断される穴フィーチャの直径の関数であり、
前記切断される穴フィーチャに関する周縁切断速度を確立し、前記周縁切断速度が、対応するリードイン切断速度よりも速く、
プラズマアークを消滅させるために第1のコマンドを提供し、前記第1のコマンドが、プラズマアークトーチを減速させるための第2のコマンドとは独立になるように動作可能である指令を含む、
コンピュータ読取可能製造物。
【請求項18】
請求項17に記載の製造物において、前記周縁切断速度が、前記加工物の厚さに基づいている製造物。
【請求項19】
加工物において穴フィーチャを切断するとき、プラズマアークトーチを制御する自動化された方法であって、
切断部に沿った第1の位置でプラズマアークを消滅させるための第1のコマンドを確立するステップであって、前記プラズマアークトーチの動作を変えるために、前記第1のコマンドが第2のコマンドとは独立であるステップと、
前記切断部に沿って前記第1の位置の前にある第2の位置で電流の減少の開始を決定する前記第1のコマンドと関係づけられた負の時間オフセットを確立するステップとを含む方法。
【請求項20】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記第1の位置が、前記穴フィーチャの周縁の外側カーフ縁と、前記穴フィーチャのリードインの外側カーフ縁との間の交差部に対応する方法。
【請求項21】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記プラズマアークトーチの前記動作を変えるステップが、前記プラズマアークトーチを減速または加速させるステップを含む方法。
【請求項22】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記負の時間オフセットが、
前記第1のコマンドと前記電流の減少の開始との間の遅延と、
前記電流の減少の開始と前記プラズマアークの消滅との間の時間との合計である方法。
【請求項23】
請求項19に記載の自動化された方法において、切断チャートから負の時間オフセットを取り込むステップをさらに含む方法。
【請求項24】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記負の時間オフセットが前記穴フィーチャの直径または電流レベルの関数である方法。
【請求項25】
プラズマアークトーチを使用する複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャを切断するための切断パラメータを確立するための自動化された方法であって、
各穴フィーチャの周縁に沿った切断部の外側カーフ縁が、各穴フィーチャのリードインに沿った前記切断部の前記外側カーフ縁に実質的に合流する場所に対応する第1の位置を確立するステップと、
切断されている前記穴フィーチャの穴の直径、または切断電流レベルに基づいた前記第1の位置の前にある第2の位置を確立するステップと、
前記プラズマアークトーチが前記第1の位置に達したとき、前記プラズマアークが、実質的に消滅するように前記第2の位置においてプラズマアーク終止を開始するステップとを含む方法。
【請求項26】
請求項25に記載の自動化された方法において、前記複数の穴フィーチャが、所与の厚さによって加工物において切断され、前記第2の位置と前記第1の位置の間の前記プラズマアークトーチが移動した距離が、前記複数の穴フィーチャに関して実質的に同様である方法。
【請求項27】
請求項25に記載の自動化された方法において、切断されている前記穴フィーチャの前記穴の直径に基づいた負の時間オフセットを決定するステップであて、前記負の時間オフセットが、前記第2の位置でプラズマアークの終止の開始を決定するステップをさらに含む方法。
【請求項28】
請求項25に記載の自動化された方法において、前記プラズマアークトーチに関する1組の消耗部品を使用して、前記複数の穴の直径を有する前記複数の穴フィーチャを切断するステップをさらに含む方法。
【請求項29】
請求項25に記載の自動化された方法において、各穴フィーチャを切断し始めるために加工物を穿孔するステップをさらに含む方法。
【請求項30】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
前記第1の領域において、第1の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して切断するステップであって、前記第1の切断パラメータの組が、第1の切断電流および第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を含むステップと、
前記第2の領域において、少なくとも1つの切断パラメータを使用して、前記第1の切断パラメータの組と異なる第2の切断パラメータの組から切断するステップであって、前記第2の切断パラメータの組が、第2の切断電流、および第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を含むステップと、
前記第3の領域において、少なくとも1つの切断パラメータを使用して、前記第1の切断パラメータの組または前記第2の切断パラメータの組と異なる第3の切断パラメータの組から切断するステップであって、前記第3の切断パラメータの組が、第3の切断電流、および第3のトーチ速度を確立する第3のコマンド速度を含むステップとを含む方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記第1の領域が、切断部のリードインに対応し、前記第2の領域が前記切断部の周縁に対応し、前記第3の領域が前記切断部のカーフブレークイン領域に対応する方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、前記穴フィーチャが、少なくとも部分的には、前記第2の領域における前記切断部の外側カーフ縁、および前記第3の領域の前記切断部の外側カーフ縁の少なくとも一部分によって画成される方法。
【請求項33】
請求項30に記載の方法において、前記第1の領域において切断するステップが、前記加工物において少なくとも半円を切断するステップを含む方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法において、前記第2のコマンド速度が、前記第1のコマンド速度よりも速くなっている方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法において、前記第3の切断電流が、前記第3の領域の少なくとも一部分の間の前記第2の切断電流よりも少なくなっている方法。
【請求項36】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記第1の領域において、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して切断するステップと、
第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を使用して、前記第2の領域において切断するステップ含み、前記第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度より速くなっているステップとを含む方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、前記経路が第3の領域を含み、前記第1の領域が切断部のリードインに対応し、前記第2の領域が前記切断部の周縁に対応し、前記第3の領域が前記切断部のカーフブレークイン領域に対応する方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法において、前記第1のコマンド速度が、少なくとも部分的には、前記穴フィーチャの直径に基づいたものである方法。
【請求項39】
請求項36に記載の方法において、前記穴フィーチャが、実質的に円形の穴またはスロットである方法。
【請求項40】
請求項36に記載の方法において、前記経路が第3の領域を含み、前記方法が、前記第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する前記第2の領域の始端に対応する位置で、前記切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の領域において切断電流を減少させるステップをさらに含む方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法において、前記切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、前記トーチ速度を低下させるステップをさらに含む方法。
【請求項42】
請求項40に記載の方法において、少なくとも部分的には、前記第3の領域の始端と、前記第2の領域の前記始端との間の長さに基づいた比率で前記切断電流を減少させるステップをさらに含む方法。
【請求項43】
請求項40に記載の方法において、
前記第3の領域において、第3のトーチ速度を確立する第3のコマンド速度を使用して切断するステップと、
前記第3のトーチ速度、および前記電流が実質的に0アンペアに達するために必要な時間によって決定された、前記第3の領域における位置で前記切断電流の減少を開始するステップとを含む方法。
【請求項44】
請求項36に記載の方法において、O2プラズマガスおよびO2シールドガスを含むガス流れ組成を使用して、前記第1の領域または前記第2の領域において切断するステップをさらに含む方法。
【請求項45】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
第1の領域および第2の領域において切断するステップであって、前記第2の領域に関する切断部のコマンド速度が、前記第1の領域における切断部のコマンド速度と異なっているステップと、
前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁が前記第1の領域における前記切断部の外側カーフ縁と実質的に交わる点で、前記切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の領域における切断電流を低下させるステップと、
前記切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、前記プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップとを含む方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法において、前記第2の領域における前記穴フィーチャの中心から前記切断部の外側カーフ縁までの距離は、前記第1および第3の領域が交差する点で、前記第3の領域における前記穴フィーチャの中心から前記切断部の外側カーフ縁までの距離に実質的に同様になっている方法。
【請求項47】
請求項45に記載の方法において、前記トーチ速度を、前記第1の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁が、前記第3の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁と実質的に交差する点の後に減速させるステップをさらに含む方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法において、前記第1の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁が、前記第3の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁と実質的に交差する点の後の所定の距離で0に達する方法。
【請求項49】
請求項45記載の方法において、前記第1の領域が、前記切断部のリードインに対応し、前記第2の領域が前記切断部の周縁に対応し、前記第3の領域が前記切断部のカーフブレークイン領域に対応する方法。
【請求項50】
請求項45に記載の方法において、前記穴フィーチャが、前記第2の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁、および前記第3の領域の前記切断部の前記外側カーフ縁の少なくとも一部分によって実質的に画成される方法。
【請求項51】
請求項45に記載の方法において、第1の領域における前記切断部の前記コマンド速度よりも速いコマンド速度によって、前記第2の領域において切断するステップをさらに含む方法。
【請求項52】
請求項45に記載の方法において、低下させるステップが、前記第1の領域における前記切断部の外側カーフ縁が、前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、切断電流を前記第3の領域で減少させることを含む方法。
【請求項53】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記切断部の前記第1の領域のコマンド速度と異なるコマンド速度によって、前記第2の領域において切断するステップと、
前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁が、前記第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、減少する材料を除去するように前記第3の領域において切断電流を減少させるステップと、
前記切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、前記プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップを含む方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法において、前記第3の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁が、前記第1の領域における切断部の前記外側カーフ縁と交差するところで、前記切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記切断電流を前記第3の領域において減少させるステップをさらに含む方法。
【請求項55】
請求項53に記載の方法において、前記減少する材料が、少なくとも部分的には、前記第1の領域における切断部の外側カーフ縁、および前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁によって画成される方法。
【請求項56】
請求項53に記載の方法において、前記切断部の前記第2の領域の前記コマンド速度よりも速いコマンド速度によって、前記第3の領域において切断するステップをさらに含む方法。
【請求項57】
前記穴フィーチャにおける欠陥を低減させるプラズマ切断システムを使用して、加工物において穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記加工物に対して切断アークおよび切断速度を確立するステップと、
穴切断経路における第1の点の後に、前記切断速度を第2の切断速度に増加させるステップと、
切断速度を低下させることなく、前記穴切断経路における第2の点の後に、切断電流を低下させるステップと、
前記切断電流が実質的に0アンペアに達するまで前記第2の切断速度を実質的に維持し、または前記切断電流が実質的に0アンペアに達する前に、前記第2の切断速度を第3の切断速度に増加させるステップとを含む。
【請求項58】
請求項57に記載の方法において、上昇させるステップが、前記穴切断経路の第1の領域において第1のコマンド速度によって切断するステップと、前記穴切断経路の第2の領域において前記第1のコマンド速度より速い第2のコマンド速度を使用して切断するステップ含む方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法において、前記第1の領域が、切断部のリードインを画成し前記第2の領域が、前記穴フィーチャの周縁の少なくとも一部分を画成する。
【請求項60】
請求項58に記載の方法において、前記第1のコマンド速度が、前記穴フィーチャの直径に基づいたものである方法。
【請求項61】
請求項57に記載の方法において、前記穴切断経路における前記第2の点の後に前記切断電流を低下させるステップ、および前記穴切断経路における実質的に前記第1の点の付近で前記切断アークを消滅させるステップをさらに含む方法。
【請求項62】
請求項57に記載の方法において、
前記加工物において前記穴フィーチャを形成するために、前記穴切断経路における前記第2の点から切断し、前記穴切断経路における前記第1の点に戻るステップと、
前記穴切断経路における前記第2の点から切断して、前記穴切断経路の前記第1の点に戻る間、前記切断電流を減少させるステップとをさらに含む方法。
【請求項63】
第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断するためのプラズマアークトーチシステムであって、
電極およびノズルを含むプラズマトーチと、
切断電流を前記プラズマアークトーチに提供するリードと、
前記プラズマトーチに取り付けられたガントリと、
前記第1の領域、前記第2の領域、および前記第3の領域における前記プラズマアークトーチの切断パラメータを制御するコンピュータ数値制御装置であって、前記コンピュータ数値制御装置が、
少なくとも部分的には、前記穴フィーチャの直径に基づいた前記第1の領域に関する第1のコマンド速度、および前記第2の領域に関する第2のコマンド速度を提供する第1の手段であって、前記第2のコマンド速度が、前記第1のコマンド速度よりも速い第1の手段と、
前記第3の領域に関する第3の切断電流を提供する第2の手段であって、前記第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する場所で、前記第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の切断電流が減少する第2の手段とを確立するプラズマアークトーチシステム。
【請求項64】
請求項63に記載のシステムにおいて、前記コンピュータ数値制御装置が、前記プラズマアークトーチの前記切断パラメータを認識するための参照表を備えるシステム。
【請求項65】
請求項63に記載のシステムにおいて、前記切断電流は、前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁が、前記第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、減少する材料を除去するために減少させることができるシステム。
【請求項66】
情報担体で有形に実施され、プラズマアークトーチ切断システムのためのコンピュータ数値制御装置で動作可能であるコンピュータ読取可能製造物であって、前記コンピュータ読取可能製造物が、前記コンピュータ数値制御装置に、
第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断するための切断パラメータを選択させるように動作可能である指令を含み、前記切断パラメータが、
少なくとも部分的に、前記穴フィーチャの直径に基づいた前記第1の領域に関する第1のコマンド速度、および前記切断部の前記第2の領域に関する第2のコマンド速度において、前記第2のコマンド速度が、前記第1のコマンド速度よりも速い、または、
前記第3の領域に関する第3の切断電流であって、前記第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する場所で、前記第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の切断電流が減少する第3の切断電流を含む、コンピュータ読取可能製造物。
【請求項67】
請求項66に記載の製造物において、前記第3の切断電流が、前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁が、前記第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、減少する材料を除去するために減少する製造物。
【請求項68】
プラズマアークトーチを使用して穴フィーチャにおける欠陥を低下させ、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断する、加工物において、前記穴フィーチャを切断する方法であって、
前記第3の領域において切断するための複数の切断電流減少動作のうちの1つを選択するステップであって、前記複数の切断電流減少動作のそれぞれが、前記穴フィーチャの直径の関数であるステップと、
トーチヘッドが、前記第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する場所で、前記第3の領域から前記第2の領域へ通過する場合にプラズマ切断電流を消滅させるステップと、
前記トーチヘッドが前記第3の領域から前記第2の領域へ通過するまで、前記第3の領域においてトーチ速度を実質的に維持または増加させるステップとを含む方法。
【請求項69】
プラズマアークトーチを使用して穴フィーチャにおける欠陥を低下させ、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断する、加工物において、前記穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記穴フィーチャを切断し始めるために、前記加工物を穿孔するステップと、
前記経路の前記第1の領域および前記第2の領域に沿って切断するステップと、
前記第1の領域、前記第2の領域、および前記第3の領域が実質的に交差する第2の点で切断電流が消滅するように、前記第3の領域における第1の点で切断電流の減少を開始するステップであって、前記第3の領域における前記第1の点が前記切断電流の減少時間に基づいて決定されるステップと、
トーチ速度が、前記第2の点の後の所定の距離で実質的に0に達するように、前記プラズマアークトーチを減速するステップとを含む方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法において、前記所定の距離が約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である方法。
【請求項71】
請求項69に記載の方法において、約55ipmの穴切断速度および約5mGのテーブル加速に関する前記所定の距離が、約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である方法。
【請求項72】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流を開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記第1の領域において、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して切断するステップであって、前記第1のコマンド速度が加速度曲線の一部分であるステップと、
第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を使用して、前記第2の領域において切断するステップであって、前記第2のコマンド速度は、前記加速度曲線の一部分であり、前記第1のコマンド速度より速くなっているステップとを含む方法。
【請求項73】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
第1のトーチ速度で前記第1の領域および前記第2の領域が実質的に交差する場所で切断するステップと、
第2のトーチ速度で前記第2の領域の少なくとも一部分を切断するステップであって、前記第2のトーチ速度が前記第1のトーチ速度よりも速くなっているステップとを含む方法。
【請求項1】
プラズマアークトーチシステムを使用して複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法であって、コンピュータ数値制御装置で実現され、
a)穴フィーチャの直径に基づいたリードインコマンド速度を使用して、前記穴フィーチャに関するリードインを切断するステップと、
b)前記穴フィーチャに関する対応する前記リードインコマンド速度よりも速い周縁コマンド速度を使用して前記穴フィーチャに関する周縁を切断するステップと、
c)同じ直径または異なる直径を有する追加の穴フィーチャごとにステップa)およびb)を繰り返すステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の自動化された方法において、前記複数の穴フィーチャを切断するために使用される補助的なガス組成よりも高い窒素容量を有する補助的なガス組成を使用して輪郭を切断するステップをさらに含む方法。
【請求項3】
プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断する自動化された方法であって、各穴フィーチャが、リードイン部分、穴周縁部分、およびリードアウト部分を含み、
第1のコマンド速度を使用して第1のリードインを切断するステップ、および
第1の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、前記第1のリードインを切断した後に、コマンド速度を前記第1のコマンド速度から第2のコマンド速度に増加させるステップ、
によって、第1の直径を有する加工物において第1の穴フィーチャを切断するステップと、
前記第1のコマンド速度よりも速い第3のコマンド速度を使用して第2のリードインを切断するステップ、および
前記第2の穴周縁の少なくとも一部分を切断するために、前記第2のリードインを切断した後に、前記コマンド速度を前記第3のコマンド速度から第4のコマンド速度に増加させるステップ、
によって、前記第1の直径よりも大きな第2の直径を有する加工物において、第2の穴フィーチャを切断するステップとを含む方法。
【請求項4】
請求項3に記載の自動化された方法において、前記第4のコマンド速度および前記第2のコマンド速度が実質的に同じである方法。
【請求項5】
請求項3に記載の自動化された方法において、
第1の補助的なガス流れを使用して前記加工物において前記第1の穴フィーチャを切断するステップ、
第2の補助的なガス流れを使用して前記加工物において前記第2の穴フィーチャを切断するステップ、および
前記第1の補助的なガス流れまたは前記第2の補助的なガス流れよりも高い窒素含有量を有する第3の補助的なガス流れを使用して前記加工物において輪郭を切断するステップとを含む。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記第1の補助的なガス流れおよび前記第2の補助的なガス流れが、実質的に同じガス組成を有する。
【請求項7】
プラズマアークトーチによって加工物において複数の穴フィーチャを切断するための自動化された方法において、
第1のガス組成を有する補助的なガス流れを開始するステップ、および
第1の組の切断パラメータによって第1の穴フィーチャを切断するステップ、
によって、第1の自動化されたプロセスを使用して第1の直径を有する前記第1の穴フィーチャを切断するステップと、
第2のガス組成を有する前記補助的なガス流れを開始するステップ、および
第2の組の切断パラメータによって第2の穴フィーチャを切断するステップであって、前記第2の組の切断パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータが前記第1の組の切断パラメータと異なるステップ、
によって、第2の自動化されたプロセスを使用して、前記第1の直径よりも大きな第2の直径を有する前記第2の穴フィーチャを切断するステップと、
第3のガス組成を有する前記補助的なガス流れを開始するステップであって、前記第3のガス組成が、前記第1および第2のガス組成より高い窒素含有量を有するステップ、および
第3の組の切断パラメータによって輪郭を切断するステップであって、前記第3の組の切断パラメータの少なくとも1つのパラメータが、前記第1または第2の組の切断パラメータと異なるステップ、
によって、第3の自動化されたプロセスを使用して前記輪郭を切断するステップとを含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の自動化された方法において、
前記第1の組の切断パラメータが、第1のリードインコマンド速度、第1の周縁コマンド速度、および前記第1のガス組成を含み、
前記第2の組の切断パラメータが、第2のリードインコマンド速度、第2の周縁コマンド速度、および前記第2のガス組成を含み、
前記第3の組の切断パラメータが、輪郭コマンド速度および前記第3のガス組成を含む方法。
【請求項9】
請求項8に記載の自動化された方法において、前記輪郭コマンド速度は、前記第1のリードインコマンド速度、前記第1の周縁コマンド速度、前記第2のリードインコマンド速度、および前記第2の周縁コマンド速度よりも速くなっている方法。
【請求項10】
請求項7に記載の自動化された方法において、前記第1のガス組成および前記第2のガス組成が実質的に同じである方法。
【請求項11】
プラズマアークトーチによって加工物において少なくとも第1の穴フィーチャおよび第2の穴フィーチャを切断する自動化された方法であって、前記第2の穴フィーチャが、前記第1の穴フィーチャよりも大きく、
切断速度を第1のリードイン切断速度まで増加させることによって第1のリードインを切断するステップ、
第1の周縁を切断するために、前記第1のリードインの後に前記切断速度を増加させるステップ、
前記第1の周縁の内側カーフ縁が、前記第1のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始するステップ、および
切断電流が消滅するまで前記切断速度を維持または増加させるステップであって、前記切断電流が、前記第1のリードインの外側カーフ縁が前記第1の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所、またはその場所の付近で消滅するステップとによって、
前記プラズマアークトーチを第1の位置に移動し、加工物において前記第1の穴フィーチャを切断するステップと、
前記切断速度を前記第1のリードイン切断速度よりも速い前記第2のリードイン速度まで増加させることによって、第2のリードインを切断するステップ、
第2の周縁を切断するために、前記第2のリードインの後に前記切断速度を増加させるステップ、
前記第2の周縁の内側カーフ縁が、前記第2のリードインの外側カーフ縁と実質的に交差した後に、電流の減少を開始するステップ、および
前記切断電流が消滅するまで前記切断速度を維持または増加させるステップであって、前記切断電流が、前記第2のリードインの外側カーフ縁が前記第2の周縁の外側カーフ縁に実質的に合流する場所、またはその場所の付近で消滅するステップによって、
前記プラズマアークトーチを第2の位置に移動し、前記加工物において前記第2の穴フィーチャを切断するステップとを含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の自動化された方法において、前記第1の穴フィーチャまたは前記第2の穴フィーチャの直径に基づいた点において電流の減少を開始することによって、前記第1の穴フィーチャまたは前記第2の穴フィーチャを切断するステップをさらに含む方法。
【請求項13】
様々な厚さの複数の加工物において、様々な大きさの輪郭および複数の穴フィーチャを切断するように構成されたプラズマアークトーチシステムであって、
対応する電流レベルのための電極およびノズルを有するプラズマアークトーチと、
複数のガス組成から、穴フィーチャを切断するために使用される第1の補助的なガス組成、および輪郭を切断するために使用される第2の補助的なガス組成を選択し、
複数の周縁切断速度から、加工物の材料厚さに基づいた周縁切断速度を選択し、
複数のリードイン速度から、切断される穴フィーチャの大きさ、および加工物の材料厚さに基づいたリードイン速度を選択するように構成され、各周縁切断速度が、各対応するリードイン速度よりも速くなっているコンピュータ数値制御装置とを備えるプラズマアークトーチシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、前記リードイン速度が、前記切断される穴フィーチャの大きさに比例したものであるシステム。
【請求項15】
請求項13に記載に記載のシステムにおいて、前記コンピュータ数値制御装置が、複数の負の時間オフセット値から、前記電流レベルに基づいた負の時間オフセット値を選択するように構成されるシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記負の時間オフセットが、前記切断される穴フィーチャの大きさまたは前記電流レベルに基づいているシステム。
【請求項17】
情報担体で有形に実施され、プラズマアークトーチシステムによって加工物において複数の穴フィーチャを切断するためにコンピュータ数値制御装置で動作可能であるコンピュータ読取可能製造物であって、前記コンピュータ読取可能製造物は、前記コンピュータ数値制御装置が、
空気より低い窒素含有量を有するシールドガス組成を選択し、
切断される穴フィーチャに関するリードイン切断速度を確立し、前記リードイン切断速度が前記切断される穴フィーチャの直径の関数であり、
前記切断される穴フィーチャに関する周縁切断速度を確立し、前記周縁切断速度が、対応するリードイン切断速度よりも速く、
プラズマアークを消滅させるために第1のコマンドを提供し、前記第1のコマンドが、プラズマアークトーチを減速させるための第2のコマンドとは独立になるように動作可能である指令を含む、
コンピュータ読取可能製造物。
【請求項18】
請求項17に記載の製造物において、前記周縁切断速度が、前記加工物の厚さに基づいている製造物。
【請求項19】
加工物において穴フィーチャを切断するとき、プラズマアークトーチを制御する自動化された方法であって、
切断部に沿った第1の位置でプラズマアークを消滅させるための第1のコマンドを確立するステップであって、前記プラズマアークトーチの動作を変えるために、前記第1のコマンドが第2のコマンドとは独立であるステップと、
前記切断部に沿って前記第1の位置の前にある第2の位置で電流の減少の開始を決定する前記第1のコマンドと関係づけられた負の時間オフセットを確立するステップとを含む方法。
【請求項20】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記第1の位置が、前記穴フィーチャの周縁の外側カーフ縁と、前記穴フィーチャのリードインの外側カーフ縁との間の交差部に対応する方法。
【請求項21】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記プラズマアークトーチの前記動作を変えるステップが、前記プラズマアークトーチを減速または加速させるステップを含む方法。
【請求項22】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記負の時間オフセットが、
前記第1のコマンドと前記電流の減少の開始との間の遅延と、
前記電流の減少の開始と前記プラズマアークの消滅との間の時間との合計である方法。
【請求項23】
請求項19に記載の自動化された方法において、切断チャートから負の時間オフセットを取り込むステップをさらに含む方法。
【請求項24】
請求項19に記載の自動化された方法において、前記負の時間オフセットが前記穴フィーチャの直径または電流レベルの関数である方法。
【請求項25】
プラズマアークトーチを使用する複数の穴の直径を有する複数の穴フィーチャを切断するための切断パラメータを確立するための自動化された方法であって、
各穴フィーチャの周縁に沿った切断部の外側カーフ縁が、各穴フィーチャのリードインに沿った前記切断部の前記外側カーフ縁に実質的に合流する場所に対応する第1の位置を確立するステップと、
切断されている前記穴フィーチャの穴の直径、または切断電流レベルに基づいた前記第1の位置の前にある第2の位置を確立するステップと、
前記プラズマアークトーチが前記第1の位置に達したとき、前記プラズマアークが、実質的に消滅するように前記第2の位置においてプラズマアーク終止を開始するステップとを含む方法。
【請求項26】
請求項25に記載の自動化された方法において、前記複数の穴フィーチャが、所与の厚さによって加工物において切断され、前記第2の位置と前記第1の位置の間の前記プラズマアークトーチが移動した距離が、前記複数の穴フィーチャに関して実質的に同様である方法。
【請求項27】
請求項25に記載の自動化された方法において、切断されている前記穴フィーチャの前記穴の直径に基づいた負の時間オフセットを決定するステップであて、前記負の時間オフセットが、前記第2の位置でプラズマアークの終止の開始を決定するステップをさらに含む方法。
【請求項28】
請求項25に記載の自動化された方法において、前記プラズマアークトーチに関する1組の消耗部品を使用して、前記複数の穴の直径を有する前記複数の穴フィーチャを切断するステップをさらに含む方法。
【請求項29】
請求項25に記載の自動化された方法において、各穴フィーチャを切断し始めるために加工物を穿孔するステップをさらに含む方法。
【請求項30】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
前記第1の領域において、第1の切断パラメータの組からの少なくとも1つの切断パラメータを使用して切断するステップであって、前記第1の切断パラメータの組が、第1の切断電流および第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を含むステップと、
前記第2の領域において、少なくとも1つの切断パラメータを使用して、前記第1の切断パラメータの組と異なる第2の切断パラメータの組から切断するステップであって、前記第2の切断パラメータの組が、第2の切断電流、および第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を含むステップと、
前記第3の領域において、少なくとも1つの切断パラメータを使用して、前記第1の切断パラメータの組または前記第2の切断パラメータの組と異なる第3の切断パラメータの組から切断するステップであって、前記第3の切断パラメータの組が、第3の切断電流、および第3のトーチ速度を確立する第3のコマンド速度を含むステップとを含む方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記第1の領域が、切断部のリードインに対応し、前記第2の領域が前記切断部の周縁に対応し、前記第3の領域が前記切断部のカーフブレークイン領域に対応する方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、前記穴フィーチャが、少なくとも部分的には、前記第2の領域における前記切断部の外側カーフ縁、および前記第3の領域の前記切断部の外側カーフ縁の少なくとも一部分によって画成される方法。
【請求項33】
請求項30に記載の方法において、前記第1の領域において切断するステップが、前記加工物において少なくとも半円を切断するステップを含む方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法において、前記第2のコマンド速度が、前記第1のコマンド速度よりも速くなっている方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法において、前記第3の切断電流が、前記第3の領域の少なくとも一部分の間の前記第2の切断電流よりも少なくなっている方法。
【請求項36】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記第1の領域において、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して切断するステップと、
第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を使用して、前記第2の領域において切断するステップ含み、前記第2のコマンド速度は、第1のコマンド速度より速くなっているステップとを含む方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、前記経路が第3の領域を含み、前記第1の領域が切断部のリードインに対応し、前記第2の領域が前記切断部の周縁に対応し、前記第3の領域が前記切断部のカーフブレークイン領域に対応する方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法において、前記第1のコマンド速度が、少なくとも部分的には、前記穴フィーチャの直径に基づいたものである方法。
【請求項39】
請求項36に記載の方法において、前記穴フィーチャが、実質的に円形の穴またはスロットである方法。
【請求項40】
請求項36に記載の方法において、前記経路が第3の領域を含み、前記方法が、前記第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する前記第2の領域の始端に対応する位置で、前記切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の領域において切断電流を減少させるステップをさらに含む方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法において、前記切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、前記トーチ速度を低下させるステップをさらに含む方法。
【請求項42】
請求項40に記載の方法において、少なくとも部分的には、前記第3の領域の始端と、前記第2の領域の前記始端との間の長さに基づいた比率で前記切断電流を減少させるステップをさらに含む方法。
【請求項43】
請求項40に記載の方法において、
前記第3の領域において、第3のトーチ速度を確立する第3のコマンド速度を使用して切断するステップと、
前記第3のトーチ速度、および前記電流が実質的に0アンペアに達するために必要な時間によって決定された、前記第3の領域における位置で前記切断電流の減少を開始するステップとを含む方法。
【請求項44】
請求項36に記載の方法において、O2プラズマガスおよびO2シールドガスを含むガス流れ組成を使用して、前記第1の領域または前記第2の領域において切断するステップをさらに含む方法。
【請求項45】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
第1の領域および第2の領域において切断するステップであって、前記第2の領域に関する切断部のコマンド速度が、前記第1の領域における切断部のコマンド速度と異なっているステップと、
前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁が前記第1の領域における前記切断部の外側カーフ縁と実質的に交わる点で、前記切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の領域における切断電流を低下させるステップと、
前記切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、前記プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップとを含む方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法において、前記第2の領域における前記穴フィーチャの中心から前記切断部の外側カーフ縁までの距離は、前記第1および第3の領域が交差する点で、前記第3の領域における前記穴フィーチャの中心から前記切断部の外側カーフ縁までの距離に実質的に同様になっている方法。
【請求項47】
請求項45に記載の方法において、前記トーチ速度を、前記第1の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁が、前記第3の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁と実質的に交差する点の後に減速させるステップをさらに含む方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法において、前記第1の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁が、前記第3の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁と実質的に交差する点の後の所定の距離で0に達する方法。
【請求項49】
請求項45記載の方法において、前記第1の領域が、前記切断部のリードインに対応し、前記第2の領域が前記切断部の周縁に対応し、前記第3の領域が前記切断部のカーフブレークイン領域に対応する方法。
【請求項50】
請求項45に記載の方法において、前記穴フィーチャが、前記第2の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁、および前記第3の領域の前記切断部の前記外側カーフ縁の少なくとも一部分によって実質的に画成される方法。
【請求項51】
請求項45に記載の方法において、第1の領域における前記切断部の前記コマンド速度よりも速いコマンド速度によって、前記第2の領域において切断するステップをさらに含む方法。
【請求項52】
請求項45に記載の方法において、低下させるステップが、前記第1の領域における前記切断部の外側カーフ縁が、前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する位置で、切断電流が実質的に0アンペアに達するように、切断電流を前記第3の領域で減少させることを含む方法。
【請求項53】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記切断部の前記第1の領域のコマンド速度と異なるコマンド速度によって、前記第2の領域において切断するステップと、
前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁が、前記第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、減少する材料を除去するように前記第3の領域において切断電流を減少させるステップと、
前記切断電流が実質的に0アンペアに達した後に、前記プラズマ切断システムのトーチ速度を減速するステップを含む方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法において、前記第3の領域における前記切断部の前記外側カーフ縁が、前記第1の領域における切断部の前記外側カーフ縁と交差するところで、前記切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記切断電流を前記第3の領域において減少させるステップをさらに含む方法。
【請求項55】
請求項53に記載の方法において、前記減少する材料が、少なくとも部分的には、前記第1の領域における切断部の外側カーフ縁、および前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁によって画成される方法。
【請求項56】
請求項53に記載の方法において、前記切断部の前記第2の領域の前記コマンド速度よりも速いコマンド速度によって、前記第3の領域において切断するステップをさらに含む方法。
【請求項57】
前記穴フィーチャにおける欠陥を低減させるプラズマ切断システムを使用して、加工物において穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記加工物に対して切断アークおよび切断速度を確立するステップと、
穴切断経路における第1の点の後に、前記切断速度を第2の切断速度に増加させるステップと、
切断速度を低下させることなく、前記穴切断経路における第2の点の後に、切断電流を低下させるステップと、
前記切断電流が実質的に0アンペアに達するまで前記第2の切断速度を実質的に維持し、または前記切断電流が実質的に0アンペアに達する前に、前記第2の切断速度を第3の切断速度に増加させるステップとを含む。
【請求項58】
請求項57に記載の方法において、上昇させるステップが、前記穴切断経路の第1の領域において第1のコマンド速度によって切断するステップと、前記穴切断経路の第2の領域において前記第1のコマンド速度より速い第2のコマンド速度を使用して切断するステップ含む方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法において、前記第1の領域が、切断部のリードインを画成し前記第2の領域が、前記穴フィーチャの周縁の少なくとも一部分を画成する。
【請求項60】
請求項58に記載の方法において、前記第1のコマンド速度が、前記穴フィーチャの直径に基づいたものである方法。
【請求項61】
請求項57に記載の方法において、前記穴切断経路における前記第2の点の後に前記切断電流を低下させるステップ、および前記穴切断経路における実質的に前記第1の点の付近で前記切断アークを消滅させるステップをさらに含む方法。
【請求項62】
請求項57に記載の方法において、
前記加工物において前記穴フィーチャを形成するために、前記穴切断経路における前記第2の点から切断し、前記穴切断経路における前記第1の点に戻るステップと、
前記穴切断経路における前記第2の点から切断して、前記穴切断経路の前記第1の点に戻る間、前記切断電流を減少させるステップとをさらに含む方法。
【請求項63】
第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断するためのプラズマアークトーチシステムであって、
電極およびノズルを含むプラズマトーチと、
切断電流を前記プラズマアークトーチに提供するリードと、
前記プラズマトーチに取り付けられたガントリと、
前記第1の領域、前記第2の領域、および前記第3の領域における前記プラズマアークトーチの切断パラメータを制御するコンピュータ数値制御装置であって、前記コンピュータ数値制御装置が、
少なくとも部分的には、前記穴フィーチャの直径に基づいた前記第1の領域に関する第1のコマンド速度、および前記第2の領域に関する第2のコマンド速度を提供する第1の手段であって、前記第2のコマンド速度が、前記第1のコマンド速度よりも速い第1の手段と、
前記第3の領域に関する第3の切断電流を提供する第2の手段であって、前記第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する場所で、前記第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の切断電流が減少する第2の手段とを確立するプラズマアークトーチシステム。
【請求項64】
請求項63に記載のシステムにおいて、前記コンピュータ数値制御装置が、前記プラズマアークトーチの前記切断パラメータを認識するための参照表を備えるシステム。
【請求項65】
請求項63に記載のシステムにおいて、前記切断電流は、前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁が、前記第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、減少する材料を除去するために減少させることができるシステム。
【請求項66】
情報担体で有形に実施され、プラズマアークトーチ切断システムのためのコンピュータ数値制御装置で動作可能であるコンピュータ読取可能製造物であって、前記コンピュータ読取可能製造物が、前記コンピュータ数値制御装置に、
第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断するための切断パラメータを選択させるように動作可能である指令を含み、前記切断パラメータが、
少なくとも部分的に、前記穴フィーチャの直径に基づいた前記第1の領域に関する第1のコマンド速度、および前記切断部の前記第2の領域に関する第2のコマンド速度において、前記第2のコマンド速度が、前記第1のコマンド速度よりも速い、または、
前記第3の領域に関する第3の切断電流であって、前記第1の領域における切断部の外側カーフ縁が、前記第3の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に交差する場所で、前記第3の切断電流が実質的に0アンペアに達するように、前記第3の切断電流が減少する第3の切断電流を含む、コンピュータ読取可能製造物。
【請求項67】
請求項66に記載の製造物において、前記第3の切断電流が、前記第3の領域における前記切断部の外側カーフ縁が、前記第2の領域における切断部の外側カーフ縁と実質的に整列するように、減少する材料を除去するために減少する製造物。
【請求項68】
プラズマアークトーチを使用して穴フィーチャにおける欠陥を低下させ、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断する、加工物において、前記穴フィーチャを切断する方法であって、
前記第3の領域において切断するための複数の切断電流減少動作のうちの1つを選択するステップであって、前記複数の切断電流減少動作のそれぞれが、前記穴フィーチャの直径の関数であるステップと、
トーチヘッドが、前記第1の領域、第2の領域、および第3の領域が実質的に交差する場所で、前記第3の領域から前記第2の領域へ通過する場合にプラズマ切断電流を消滅させるステップと、
前記トーチヘッドが前記第3の領域から前記第2の領域へ通過するまで、前記第3の領域においてトーチ速度を実質的に維持または増加させるステップとを含む方法。
【請求項69】
プラズマアークトーチを使用して穴フィーチャにおける欠陥を低下させ、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って切断する、加工物において、前記穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記穴フィーチャを切断し始めるために、前記加工物を穿孔するステップと、
前記経路の前記第1の領域および前記第2の領域に沿って切断するステップと、
前記第1の領域、前記第2の領域、および前記第3の領域が実質的に交差する第2の点で切断電流が消滅するように、前記第3の領域における第1の点で切断電流の減少を開始するステップであって、前記第3の領域における前記第1の点が前記切断電流の減少時間に基づいて決定されるステップと、
トーチ速度が、前記第2の点の後の所定の距離で実質的に0に達するように、前記プラズマアークトーチを減速するステップとを含む方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法において、前記所定の距離が約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である方法。
【請求項71】
請求項69に記載の方法において、約55ipmの穴切断速度および約5mGのテーブル加速に関する前記所定の距離が、約6.35ミリメートル(約1/4インチ)である方法。
【請求項72】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流を開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
前記第1の領域において、第1のトーチ速度を確立する第1のコマンド速度を使用して切断するステップであって、前記第1のコマンド速度が加速度曲線の一部分であるステップと、
第2のトーチ速度を確立する第2のコマンド速度を使用して、前記第2の領域において切断するステップであって、前記第2のコマンド速度は、前記加速度曲線の一部分であり、前記第1のコマンド速度より速くなっているステップとを含む方法。
【請求項73】
プラズマ切断システムを使用して、第1の領域、および第2の領域を含む経路の少なくとも一部分に沿って、加工物において、穴フィーチャを切断する方法であって、
プラズマガス流れを開始するステップと、
パイロットアークを点火するために電流流れを開始するステップと、
前記アークを前記加工物に伝達するステップと、
前記加工物を穿孔するステップと、
第1のトーチ速度で前記第1の領域および前記第2の領域が実質的に交差する場所で切断するステップと、
第2のトーチ速度で前記第2の領域の少なくとも一部分を切断するステップであって、前記第2のトーチ速度が前記第1のトーチ速度よりも速くなっているステップとを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図11】
【図12】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図11】
【図12】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【図16】
【公表番号】特表2012−501251(P2012−501251A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525306(P2011−525306)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/063346
【国際公開番号】WO2010/074820
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(500036037)ハイパーサーム インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/063346
【国際公開番号】WO2010/074820
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(500036037)ハイパーサーム インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】
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