説明

高密度LED配列

【課題】 発熱に対する問題を起こさずに、高密度のLEDの配列を提供する。
【解決手段】 単位面積当たりX個のLEDの密度を呈することが可能な本発明の高密度LED配列(10)は単位面積当たりX/2個のLED(18)及び、前記LEDと共に配列された単位面積当たりX/2個の開口(20)を備える第1プリント回路基板(12)を備える。第2プリント回路基板(22)は第1プリント回路基板(12)から間隔を開けて配置され、単位面積当たりX/2個のLED(28)を備える。第2プリント回路基板上のLED(28)は第1プリント回路基板の開口(20)と整列させられる。第2プリント回路基板(22)上のLED(28)の各々は関連する光ファイバー(30)を備えてもよく、光ガイド(30)の各々は第1プリント回路基板の開口(20)を通って拡張する。第1プリント回路基板上に取付けられたLEDの各々は関連する光ファイバーを備えてもよく、光ガイドは光を遠隔の場所に向けるために束ねられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願人は2004年6月17日に出願された米国特許出願No.60/580526「Light Emitting Diode Lamp with Clustered Light-Pipes」の優先権を主張する。
【0002】
本発明は光源に関し、特に、発光ダイオード(LED)を利用する光源に関する。さらに詳細に述べると、本発明は高密度のLED配列を有するランプに関する。
【背景技術】
【0003】
LEDランプはそれの長寿命及び低消費電力要求により、一般的な白熱タイプのランプの代用品として認められつつある。これらLEDの使用は特に、LEDをハイマウント式の停止灯(CHMSL)等の、テールランプやストップランプ等として利用している自動車産業において顕著である。しかしながら、LEDはソリッドステート(または、半導体素子)であり、それの光の出力は長年の研究開発によって増大してきているにもかかわらず、前述のような自動車等の特定の用途で必要な高出力の要求の下で駆動された場合に、ランプによって発生する熱量が専用の熱シールドや熱消散用の付属物を必要とするといった問題を引き起こしており、ランプのコストを増大させている。例えば、LEDをヘッドライト等の用途で使用する場合、LED光源の密度はランプの光の出力の関数として増大するので、発生する熱は重大な問題を呈する。また、多数のLEDを高密度に配置することは、それ自体が物理的または空間的な問題を呈する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−50811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は上述の従来技術の欠点を排除することである。本発明のもう1つの目的はLEDの密度を増大させることである。本発明のもう1つの目的は、発熱に関する問題を生ぜずに、または悪化させずに、高い密度で配置されたLEDの配列を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的は、本発明の1つの側面において、単位面積当たりX/2個のLED、及び前記LEDと共に配列された単位面積当たりX/2個の開口を備える第1のプリント回路板;及び、前記第1のプリント回路板から間隔を開けて配置され、単位面積当たりX/2個のLEDを備える第2のプリント回路板を備え、前記第2のプリント回路板上の前記LEDが前記第1のプリント回路板上の前記開口と整列する(または、位置が合う)ように配置されている、単位面積当たりX個のLEDを配置することが可能な高密度LED配列を提供することによって達成される。
【0007】
各々がLEDの全数の一部のみを備えた複数の基板を重ねることにより、単一の基板の使用によって達成可能な光源の密度よりはるかに大きい密度を有するLEDの配列が可能となる。
【0008】
本発明のもう1つの実施例において、両方のLEDの組は特殊な効果を与えるために方向付けることが可能な光ガイド(または、光導波路)と組み合わせて使用されてもよい。光ガイドはプラスチック製またはガラス製であってもよいし、あるいは光ファイバーを備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成に従うと、多数のLEDを複数のプリント回路板上に分割して配置することができるので、LEDによって発生する熱を複数の基板に分配することができ、発熱に対する耐性を向上させることができる。また、光ガイド(または、光ファイバー)等を使用して本発明を実施した場合、比較的少ない回数の折り曲げ、または小さい角度の湾曲で密集した光ガイドの束を構成することが可能になり、結果的に優れた光学的な効率を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の他の目的、長所及び能力とともに本発明をより詳細に説明するために、以下に、付随する図面とともに本発明を説明する。
【0011】
図面を参照すると、図1aには単位面積当たりX/2個のLED(18)を有する第1面14及び単位面積当たりX/2個の開口20を有する第1面を備えた第1のプリント回路基板12を備える、単位面積当たりX個の密度を呈することが可能な高密度LED配列10が示されている。
【0012】
プリント回路基板12はヒートシンク(または、放熱板)として機能する金属プレート12cに接合された、表面上に伝導性のトレース(または、パターン)12bを備える熱伝導性で、電気絶縁性の材料から構成される第1層12aを含む、2層で形成されてもよい(図2参照)。金属プレート12cは動作中のLEDからの熱の発散をさらに高めるための付随的な脚部12dを備えてもよい。
【0013】
第2のプリント回路基板22は面23を有し、ヒートシンクとして機能する金属プレート22cに接合された、表面上に伝導性のトレース(または、パターン)22bを備える熱伝導性で、電気絶縁性の材料から構成される第1層22aを含む、2層で形成されてもよい。また、第2プリント回路基板22も付随的な脚部22dを備えてもよい。第2プリント回路基板22は第1プリント回路基板12から間隔を開けて配置され、単位面積当たりX/2個のLED(28)を備える。第2プリント回路基板上のLED(28)は第1プリント回路基板12の開口20に整列させられる(または、開口20と位置が合うように配置される)。
【0014】
プリント回路基板12及び22はLEDと開口のパターンが備えられるか(プリント回路基板12)、またはLEDだけのパターンが備えられる(プリント回路基板22)。図示されているように、パターンはチェッカー盤に類似のグリッド状のパターンであってもよく、プリント回路基板12は交互に配置されたLEDと開口を備え、プリント回路基板22はLEDだけを備える。もちろん、LED配列が使用されるだろうランプの用途に応じて他の可能なパターンが実施されてもよい。
【0015】
第2プリント回路基板22上のLED28の各々は関連する(または、接続する)光ガイド(または、光ファイバー)30を備えてもよい。各光ガイド30は開口20の1つを介して拡張する。したがって、LED(18)及びLED(28)からの照明は同一平面状から照射されたように見えるだろう。
【0016】
本発明の代替的な実施例において、LED(18)は関連する(または、接続する)光ガイド(または、光ファイバー)32を備えてもよく、図3に概略的に示されているように、光ガイド30及び32の全てが束にされ、1つのグループとして遠隔の場所に向けられてもよいし、または他の適当な配置及び構成が実施されてもよい。
【0017】
図面に図示された配列は2枚のプリント回路基板から構成されているが、例えば、異なった色を発光するLEDを使用するために、同様な様式で3枚以上のプリント回路基板が重ねられてもよい。
【0018】
LEDを複数の回路板上に分割することによって熱を分離(または、分配)することができ、さらに、少ない回数の折り曲げ、または小さい角度の湾曲で密集した光ガイドの束を構成することが可能になり、結果的に優れた光学的な効率を得ることができる。
【0019】
ここまで、本発明の現在最も好まれる実施例が説明されてきたが、付随する請求の範囲によって規定される本発明の範囲から外れることなく、本発明の実施例に多様な変更及び改良を加えることができることは当業者にとって明白であるだろう。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は比較的小さいランプ組立品において、大きな光の出力が要求される自動車等のランプに対して特に有効であるが、本発明が自動車以外の他のランプに対しても利用可能であることは当業者にとって明白であるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1a】本発明で使用される第1プリント回路板の概略的な平面図である。
【図1b】本発明で使用される第2プリント回路板の概略的な平面図である。
【図2】本発明の1つの側面に従ったLEDランプの概略的な縦方向の断面図である。
【図3】光ファイバーの束の1つの実施例の斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
10 高密度LED配列
12 第1プリント回路基板
12a 第1層
12c 金属プレート
12d 脚部
14 第1面
18 LED
20 開口
22 第2プリント回路基板
22a 第1層
22c 金属プレート
22d 脚部
23 第1面
28 LED
30,32 光ガイド(光ファイバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プリント回路基板;
第1プリント回路基板の面上のグリット状のパターンであって、前記プリント回路基板の全体にわたって交互に配置されたLEDと開口の列から成るパターン;
第1プリント回路基板から間隔を開けて配置された第2プリント回路基板;
第2プリント回路基板の面上のグリット状のパターンであって、第1プリント回路基板の前記開口と整列したLEDの列から成るパターン;及び、
第2プリント回路基板のLEDの各々に関連した光ファイバーであって、各々が第1プリント回路基板の前記開口の1つから突出している光ガイドを備える高密度LED配列。
【請求項2】
単位面積当たりX個のLEDの密度を呈することが可能な高密度LED配列であって:
単位面積当たりX/2個のLED及び前記LEDと共に配列された単位面積当たりX/2個の開口を備える第1プリント回路基板;及び、
第1プリント回路基板から間隔を開けて配置され、単位面積当たりX/2個のLEDを備えた第2プリント回路基板であって、前記LEDが第1プリント回路基板の前記開口と整列するように配置されている第2プリント回路基板を備える高密度LED配列。
【請求項3】
第2プリント回路基板の前記LEDの各々が関連する光ファイバーを備え、前記光ファイバーの各々が前記開口の1つを介して拡張する、請求項2に記載の高密度LED配列。
【請求項4】
第1プリント回路基板の前記LEDの各々が関連する光ファイバーを備える、請求項1に記載の高密度LED配列。
【請求項5】
第1プリント回路基板及び第2プリント回路基板からの前記光ガイドが前記LEDからの光の放射のための単一の平面を形成するために一緒に束ねられている、請求項4に記載の高密度LED配列。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−4936(P2006−4936A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175091(P2005−175091)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】