説明

高性能建築パネル

本発明は、前面、裏面、及び縁面を備えた発泡ポリスチレンで形成された第1のパネルと、前面、裏面、及び縁面を備えた発泡ポリスチレンで形成された第2のパネルとを含む建築物システムを開示し、第1のパネル及び第2のパネルは、建築物の一部分を形成するのに用いられる。一部の実施形態では、第1のパネルは舌部を有し、第2のパネルは溝を有し、舌部及び溝は、第1のパネルと第2のパネルを互いに連結するのに用いられる。一部の実施形態では、舌部及び溝は、第1のパネルの舌部に装着されたラッチと第2のパネルの溝に装着されたラッチ受けとで互いに連結される。第1のパネル及び第2のパネルは、発泡ポリスチレンを成形することによって形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、建築物構成要素に関し、より具体的には、建築物の壁、床、及び天井を作成するために用いられるパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造体は、典型的には、木材、煉瓦、スタッコ、及び鋼、並びに他の材料から現場で建設される。木材は、その入手の容易さ、その頑丈さ、及び容易にそれを形成及び接続して異なる形状の建築構造体を作ることができるために常に好まれている。木材は、家屋及び小さい産業用建築物のための建築物の壁及び建築物の屋根を作成するためのベースとして依然として用いられている最も一般的な要素である。煉瓦及びコンクリートブロックも、家屋及び商業建築物の壁に一般的に用いられている。鋼は、一部の家屋及び殆どの商業用建設において構造化要素として用いられている。近年、建設業界は、建築物建設技術と、建築物の建設中及びその使用中の両方において環境に優しい材料との開発に努力している。
【0003】
木材の使用は、それが樹木という天然資源を用い、木材が切断される時に多くの廃物が生じ、かつその一部が建築現場に廃棄されるために推奨できない可能性がある。煉瓦及び鋼の両方に関して、これらの基本的建築構造体を形成するためのエネルギ消費を低減し、かつモルタル構成要素及び鋼構成要素の製作にリサイクルした材料を用いようとする動きがある。製造するのに最小限の資源及びエネルギを用い、建築現場での材料浪費の量を低減し、かつ建築構造体に組み立てた状態でエネルギ効率の良い建築物構成要素に対する必要性が存在する。
【0004】
典型的な建築物建設技術は、木材、鋼、煉瓦、又はブロックの基本的要素をそれらが切断、形成、及び建築物に接続される建築現場へ送る段階が含まれる。これは、建築物を建設するために建築現場で高レベルの人的資源及びエネルギ消費を要求する可能性があり、かつ原材料の廃棄をもたらす可能性がある。製造中に大きさ及び形状を補正するように形成され、次に、現場で迅速かつ容易に接続して建築物を作成することができ、結果として建築現場での資源利用及び労力を最小にすることができる建築物構成要素に対する必要性が存在する。
【0005】
一時避難所の建設及び維持管理にもいくつかの問題がある。テントが用いられる場合、テントは、エネルギ効率が悪く、壁は頑丈ではない。木造構造体が一時避難所として用いられる場合、一時的な建築物は、最初の使用後に構造体が解体された状態で建築材料から分離することが困難である釘及び他の接続手段のために再使用することが困難である。建築材料の多くが廃棄され、構造体は、一度しか使用できないことが多い。迅速かつ容易に組み立てることができ、かつ何度も繰返して再使用することができる頑健でエネルギ効率の良い一時的構造体を作成するために用いることができる建築物構成要素に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、必要な大きさ及び形状に工場で製造され、建築物を作成して維持するのに必要なエネルギ資源を最小にし、一時避難所の場合に再使用することができ、かつ建築物に組み立てるのに必要な労力を最小にする建築物構成要素を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、建築物構成要素に関し、より具体的には、建築物の壁、床、及び屋根を形成するのに用いられるパネルに関する。これらのパネルから建設される建築物は、家屋、事務所、保管施設、又はあらゆる他の種類の建築構造体とすることができる。本発明は、前面、裏面、及び縁面を備えた発泡ポリスチレンで形成された第1のパネルと、前面、裏面、及び縁面を備えた発泡ポリスチレンで形成された第2のパネルとを含む建築物システムを開示し、第1のパネル及び第2のパネルは、建築物の一部分を形成するのに用いられる。一部の実施形態では、第1のパネルは、舌部を有し、第2のパネルは、溝を有し、舌部及び溝は、第1のパネルと第2のパネルを互いに連結するのに用いられる。一部の実施形態では、舌部及び溝は、第1のパネルの舌部に装着されたラッチ及び第2のパネルの溝に装着されたラッチ受けで互いに連結される。第1のパネル及び第2のパネルは、発泡ポリスチレンを成形することによって形成することができる。一部の実施形態では、第1及び第2のパネルは、他の成形可能な材料を成形することによって形成される。一部の実施形態では、構造化要素が、第1又は第2のパネル内に成形される。構造化要素は、軽量鋼で形成することができる。
【0008】
本発明は、前面、裏面、及び縁面を備えた第1のパネルを含む建築物システムを開示し、パネルは、面のうちの1つの面上に舌部を有する。また、前面、裏面、及び縁面を備えた第2のパネルを開示し、第2のパネルは、第1のパネルからの舌部を受けるためにその面のうちの1つに形成された溝を有する。舌部に位置付けられたロックが、溝に装着されたロック受けに連結し、第1のパネルを第2のパネルに連結する。第1又は第2のパネルは、成形可能な材料から成形することによって形成することができる。一部の実施形態では、第1又は第2のパネルは、発泡ポリスチレン材料で形成される。第1又は第2のパネルは、パネル内に成形された構造化要素を有することができる。この構造化要素は、軽量鋼で形成することができる。第1又は第2のパネルは、縁部を覆って配置された末端キャップを有することができる。末端キャップは、軽量鋼で形成することができる。一部の実施形態では、金網が、パネル内に成形される。一部の実施形態では、第1のパネルは、面上に2つの舌部を有し、第2のパネルは、面上に2つの溝を有し、2つの舌部は、2つの溝と嵌合して第1及び第2のパネルを互いに連結する。
【0009】
建築物のための床システムを建設する段階と、次に複数の発泡ポリスチレンパネルから壁システムを組み立てる段階とを含む建築物を建設する方法を開示し、第1のパネルが、その面のうちの1つの面上に舌部を有し、第2のパネルが、その面のうちの1つの面上に溝を有し、舌部が、溝と連結して2つのパネルを接合する。壁システムは、床システムに接続され、その後に、屋根システムを組み立てる段階及び屋根システムを壁システムに接続する段階が続く。扉が壁システムに取り付けられて建築物を形成する。本方法は、多くの他の段階を含むことができる。一部の実施形態では、窓が追加される。一部の実施形態では、付加的な扉が追加される。一部の実施形態では、壁システムを含む発泡ポリスチレンパネルは、成形によって形成される。一部の実施形態では、床システムは、発泡ポリスチレンパネルから構成される。一部の実施形態では、屋根システムは、発泡ポリスチレンパネルから構成される。一部の実施形態では、発泡ポリスチレンパネルは、舌部のラッチ及び溝のラッチ受けで互いに連結することができる。
【0010】
本発明の上記及び他の特徴、並びに利点は、添付の図面に示すような本発明の特定的な実施形態の以下のより詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による建築物システム102の構成要素の一実施形態であるパネル100の上面図、斜視図、及び側面図である。
【図2】本発明によるパネル100及び100aの斜視図である。
【図3】舌部112及び溝114を用いて接続された図2のパネル100及び100aの斜視図である。
【図4】末端キャップ120が追加された図1のパネル100の上面図、斜視図、及び側面図である。
【図5a】ロックアセンブリ129が追加された本発明によるパネル100の上面図である。
【図5b】ロックアセンブリ129が追加された本発明によるパネル100の側面図である。
【図5c】本発明によるパネル100に用いられるロックアセンブリ129の斜視図である。
【図5d】ロックアセンブリ129の回転ラッチ136及びラッチ受け138の端面図及び側面図である。
【図6a】本発明によるパネル100aの付加的な斜視図である。
【図6b】本発明によるパネル100の付加的な斜視図である。
【図7a】本発明によるパネル100bの斜視図である。
【図7b】本発明によるパネル100cの斜視図である。
【図8】本発明によるパネル100dの上面図、斜視図、及び側面図である。
【図9a】ヒンジ160で互いに接続されたパネル100dの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図9b】舌部112、溝114、及びロックアセンブリ129の回転ラッチ136及びラッチ受け138を示す建築物システム102のパネル100dの実施形態を示す図である。
【図9c】舌部112、溝114、及びロックアセンブリ129の回転ラッチ136及びラッチ受け138を示す建築物システム102のパネル100dの実施形態を示す図である。
【図9d】内側層154を備えたパネル100dの実施形態を示す図である。
【図10a】外部コーティング150を含むパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図10b】外部コーティング150を含むパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図11a】壁対屋根接続として接続されたパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図11b】壁対屋根接続として接続されたパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図11c】壁対屋根接続として接続されたパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図11d】壁対屋根接続として接続されたパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図11e】壁対屋根接続として接続されたパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図12a】床システム141を形成するために互いに接続されたパネル100の実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図12b】床システム141に接続された壁システム142を形成するために互いに接続されたパネル100の実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図12c】壁システム142に接続された屋根システム143を形成するために互いに接続されたパネル100の実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図12d】窓182及び扉183が取り付けられた建築物140を形成するために互いに接続されたパネル100の実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図13】壁対屋根接続として接続されたパネル100eの実施形態としての建築物システム102の構成要素を示す図である。
【図14】パネル100dの実施形態としての建築物システム102の構成要素と、パネル100dの様々な実施形態を壁対床接続、壁対壁接続、壁対屋根接続、及び他の実施形態で接続することができる方法とを示す図である。
【図15】本発明により建築物を建設する方法200を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述のように、本発明の実施形態は、建築物構成要素に関し、より具体的には、建築物の壁、床、及び屋根を形成するのに用いられるパネルに関する。
【0013】
従来の建築物の建設材料及び建設技術は、高レベルの廃棄物及びエネルギの効率の悪さをもたらす。構造体を構築するための木材の使用は、天然資源を低減し、かつ適合するように木片が切断される時に木材の多くが現場で浪費される。現場建設技術は、高い労働コストを必要とし、かつ建築物の寿命後の建築材料の再使用率は低い。建設業界には、建設材料及び構成要素の製造から建築物の建設にかけての建設チェーン全体にわたって、建築物の有用寿命にわたって、かつ建築物の寿命が終了した後の材料の効率的なリサイクル及び再使用により、資源をより効率的に使用する建築物構成要素に対する必要性が存在する。一時的な構造体及び避難所には、設定可能、迅速に配備可能、エネルギ効率が良くかつ何度も再使用可能な建築物構成要素も特に必要である。本発明は、これらの問題に対する解決法を提供し、エネルギを節約しかつリサイクルされる原料物質から製造される建築物を建設するのに用いられるパネルを開示する。本発明によるパネルは、モジュール式で拡張可能かつ特注可能な建設のために製造され、これらのパネルから構成された得られる構造体は、エネルギ効率が良く使用者に優しい長寿命の構造体を形成する。
【0014】
図1に、本発明による建築物システム102の構成要素であるパネル100としての本発明の実施形態を示している。図1aに、本発明によるパネル100の上面図を示している。図1bに、パネル100の斜視図を示し、図1cに、パネル100の側面図を示している。
【0015】
図1は、裏面122、前面124、及び4つの縁面125、126、127、並びに128を有するパネル100の実施形態を示している。パネル100は、縁部127上に舌部112、及び縁部128上に溝114を有する。パネル100は、4つの構造化要素116も含む。
【0016】
この実施形態では、パネル100は、発泡ポリスチレン(EPS)材料から構成される。発泡ポリスチレンを用いることにより、成形によってパネルを形成することが可能になる。これらのパネルは、湾曲構造体及び多層構造体を含むあらゆる大きさ及び形状の建築物を作成するためにあらゆる大きさ及び形状に形成することができる。発泡ポリスチレンを用いることにより、優れた断熱機能を備えたパネルが得られる。パネルは軽量であり、壁システム、床システム、又は屋根システムに用いることができる。EPSは、建築物の有用寿命が終わった後にリサイクルすることができる。パネル100が建築物に適切な重量、強度、及び熱特性を有するように、この実施形態では、パネル100は、EPS材料で製造される。実際に、パネル100は、建築物の壁に用いられるパネル100における少なくともR12の断熱及び建築物の床又は屋根に用いられるパネル100における少なくともR15の断熱を含む断熱特性を有する。この実施形態では、パネル100は、EPSから形成されるが、プラスチック、繊維、発泡体、又はあらゆる他の適切な材料を用いてパネル100を形成することができる。一部の実施形態では、パネル100は、発泡ポリスチレン以外の材料から形成される。一部の実施形態では、本発明によるパネル100は、Neopor(登録商標)材料から製造することができる。一部の実施形態では、パネル100は、対衝撃材料から製造することができる。
【0017】
パネル100は、パネル100によって形成される建築物に適切なあらゆる寸法に製造することができる。特定的な実施形態では、パネル100は、厚みが5.5インチ、幅が48インチ、高さ又は長さが96インチである。他の実施形態では、パネル100は、他の寸法を有する。パネル100の厚みは、形成される建築物の熱的要件及び機械的要件を提供するように選択される。例えば、一部の家屋では、パネル100は、高い断熱性、高い機械的強度、及び長い寿命を提供するのに十分な厚みを有することになる。パネル100が一時避難所又は一時的建築物に用いられる場合のような他の実施形態では、パネル100が軽量で、容易に運搬して組み立てることができるように、より薄いパネルが望ましい場合がある。
【0018】
この実施形態のパネル100は、製造しやすいようにEPSから成形されるが、他の実施形態では、パネル100は、他の手段を用いて正確な寸法に押し出し成形するか又は形成することができる。本発明の一部の実施形態では、パネル100は、パネル100内に空洞を有する。これは、軽量のパネル100をもたらすことになる。
【0019】
図1に示すようなパネル100は、縁部127上に舌部112、及び縁部128上に溝114を有する。パネル100の舌部112は、それが図2及び図3に示すように隣接するパネル100の溝114と連結することになるように形成される。この文書で用いる舌部は、嵌合構造体内の対応する溝に連結して2つの構造体を互いに連結する構造体からの突起部分であるとして定められる。また溝は、舌部のための対応する嵌合チャンネルであるとして定められる。これは、建築産業において用いられる舌部及び溝の共通の定義である。この実施形態では、舌部112及び溝114を矩形形状の構造体として示しているが、2つのパネルを反復可能又は非反復可能に互いに連結させることになるあらゆる形状を用いることができる。一部の実施形態では、舌部112は、円形形状又は長円形形状とすることができる。一部の実施形態では、舌部112は、隆起又は湾曲を備えた形状を有することができる。一部の実施形態では、舌部112は複数の突起部分を含むことができ、溝114は複数のチャンネルを有することができる。図1に示す実施形態では、舌部112は、単一の突起部分を有し、溝114は、単一のチャンネルを有する。
【0020】
パネル100は、パネル内に構造上の止め金具の機能を提供する構造化要素116を含む。この実施形態では、構造化要素116は、パネル100に構造支持体を追加し、かつパネル100の表及び裏に他の構造体を取り付けるか又は装着するための面を提供するために軽量鋼で製造される。構造化要素116は、木造フレーム建築構造体に用いられる時には、止め金具の代わりになる。パネル100は、図示のような4つの方形管状の構造化要素116を有し、2つは前面124に沿い、2つは裏面122に沿っている。構造化要素116は、成形中にパネル100に形成することができる。この実施形態では、構造化要素116は軽量鋼で形成されるが、一般的に、構造化要素116は、構造的一体性を追加して装着又は取り付けのための壁、天井、又は床のための止め金具として役立つ機能を提供することになる金属、プラスチック、木材、又はあらゆる他の材料のようなあらゆる適切な材料で形成することができる。構造化要素は、後に示す図面に見られるように、多くの異なる形態を取ることができ、パネル100の構造に対してあらゆる望ましい構成で配置することができる。成形法からパネル100を作成することにより、パネル100内の要素の形状及び配置をパネル100の製造中に柔軟かつ設定可能にすることが可能になる。
【0021】
パネル100は、必要に応じて、パネル100の構造体内に成形された他の品目を有することができる。チューブ又はチャンネルをパネル100内に成形し、ワイヤ又はパイプを通すことができる。金網をパネル100に埋め込み、パネル100を用いて組み立てられることになる建築物の必要に応じて、電磁妨害(EMI)遮蔽、無線周波数(RF)遮蔽、及び/又は赤外線(IR)遮蔽を提供することができる。パネル100は、設置又は通過させることになる窓、換気口、パイプ等のための開口部又は穴を備えて成形することができる。モールドは、あらゆる形状、大きさ、及び外形に製造することができるので、パネル100の形態は、木質又は煉瓦の建築材料の場合のように出発原料によって制限を受けることがない。
【0022】
パネル100は、1つの縁部上に舌部112を含み、別の縁部上に溝114を備えた平坦な方形のパネルとして図1に示している。しかし、本発明によるパネル100は、建築物において意図される用途に応じて多くの異なる形状とすることができる。一部の実施形態におけるパネル100は、方形、矩形、三角形、又は特定の構造体を建築するのに必要な何らかの他の形状である。パネル100は、縁部のうちのいずれか、前面124、又は裏面122を含む複数の面上に舌部112を有することができる。パネル100は、縁部のうちのいずれか、前面124、又は裏面122を含む複数の面上に溝114を有することができる。
【0023】
パネル100は、平坦である必要はない。図2及び図3に、パネル100とパネル100aとを互いに嵌合させてコーナ118を備えた建築物の壁の一部分を形成する方法を示している。パネル100aは、壁にコーナを形成することができるコーナ118を有する。コーナ188は、屋根、床、又はあらゆる他の建築物の面にもコーナを形成することができる。パネル100aは、コーナ118に強度及び構造的一体性を追加するために、コーナ118の内部の中に成形された構造化要素116a及びコーナ118の外部の中に成形された構造化要素116を有する。パネル100aは、90度のコーナ118を示しているが、一部の実施形態では、一般的に0度から180度の範囲に及ぶ異なる角度を有するコーナをパネル100内に成形することができる。組み立てられる建築物に必要などのような角度もパネル100内に成形することができる。パネル100は、必要に応じて、建築物のいずれかの部分を形成するのに必要な特定の大きさ及び形状に構成することができることを理解すべきである。
【0024】
図2及び図3に示すように、隣接するパネル100の舌部112は、パネル100の溝114内に装着される。一部の実施形態では、舌部112及び溝114は、この連結が元に戻すことのできない1回限りの連結になるように形成することができる。一部の実施形態では、舌部112及び溝114は、その連結が反復可能かつ可逆性になるように形成される。他の実施形態では、舌部112及び溝114は、取り付けは永続的ではないが元に戻すのは困難である場合があるように連結される。連結の永続性は、建築物及びその用途によって判断される。パネルの寿命期間中に何度も組み立てて及び解体することができる一時的構造体に関しては、可逆性の舌部112及び溝114に対する連結を用いることができる。永続的構造体に関しては、一部の実施形態では、舌部112及び溝114を永続的な方法で連結することが望ましい場合がある。建築物が長期にわたるものではあるが変更が望ましいこともある他の実施形態では、連結は、耐久性がありかつ可逆性ではあるが、必ずしも迅速に元に戻すことができるとは限らないものとすることができる。
【0025】
図4に、末端キャップ120を備えたパネル100を含む本発明による建築物システム102の構成要素を示している。図4aに、2つの末端キャップ120の断面を示している。この実施形態の末端キャップ120は、軽量鋼で形成され、パネル100の縁部127及び128を保護している。図4bに、それぞれの端部127及び128に装着された末端キャップ120を備えたパネル100の上縁図を示している。図4c及び図4dに、縁部127及び128に装着された末端キャップ120を備えたパネル100の斜視図及び側面図をそれぞれ示している。縁部127及び128の舌部112、並びに溝114は、小さい構造幅及びそれらが出荷中及び組み立て中に受ける応力により、パネル100の最も弱い要素とすることができる。末端キャップ120は、欠け、破損、曲げ、成形誤り等から舌部112及び溝114を保護し、組み立て後には構造強度を追加する。末端キャップ120は、製造中にパネル100内に形成することができ、パネル100を形成した後にパネル100に追加することもできる。末端キャップ120は、パネル100の輪郭に適合するのに必要なあらゆる形状とすることができる。この実施形態の末端キャップ120は、軽量鋼で製造されるが、末端キャップ120は、パネル100の縁部を保護することができるあらゆる材料で形成することができる。末端キャップ120は、プラスチック、金属、又は他の耐久性を有する材料で製造することができる。末端キャップ120は、縁部127及び128に沿ってパネル100の全長にわたることができ、代替的に、末端キャップ120は、縁部127及び128の一部のみを覆うことができる。末端キャップ120が縁部127及び128の長さにわたる場合、末端キャップ120は、以下でより詳細に説明するラッチ136及びラッチ受け138を収容するための開口部をそこに有することができる。
【0026】
図5に、ロックアセンブリ129を備えたパネル100を含む本発明による建築物システム102の構成要素を示している。この実施形態では、ロックアセンブリ129は、「Allegis Corporation」が提供しているR2−0267−02ロックである。他の実施形態では、異なるロックアセンブリ129が用いられる。図5aに、ロックアセンブリ129で連結された2つのパネル100の上面図を示している。図5bに、ロックアセンブリ129で連結された2つのパネル100の側面図を示している。図5cに、ロックアセンブリ129の斜視図を示し、図5dに、ロックアセンブリ129の垂直断面を示している。ロックアセンブリ129は、舌部112と溝114とを連結するのに用いられる。一部の実施形態では、ロックアセンブリ129は、舌部112と溝114とを反復可能に連結することができる。この実施形態では、ロックアセンブリ129は、回転タンブラー131とラッチアクチュエータ135とを含むラッチ136と、ラッチ受け138とを含む。パネル100は、ラッチ穴132と、ラッチ受け穴134と、ロック接近穴130とを含む(図10参照)。ラッチ136は、ラッチ穴132において溝114のすぐ隣にパネル100内に位置決めされる。ラッチ受け138は、パネル100内の舌部112のラッチ受け穴134内に位置決めされる(図10参照)。ラッチ136及びラッチ受け138は、舌部112と溝114とが組み立てのために嵌合される時に、ロック接近穴130を通じてラッチ136に接近してラッチ136を作動させることができ、それによってラッチ136がラッチ受け138に連結し、それによって舌部112を溝114に連結することになるようにパネル100内に位置決めされる。このようにして、ラッチ136は、隣接するパネル100のラッチ受け138に連結し、隣接するパネル100を互いに連結する。このようにして、舌部112が溝114に連結され、隣接するパネル100を互いに連結する。図5には、3つが2つの側部の各々にある6つのラッチ136及び6つのラッチ受け138を含むパネル100を示しているが、あらゆる適切な縁部に沿ってあらゆる数のラッチ136及びラッチ受け138を用いてパネル100を互いに連結することができる。図5には、両方とも平坦な2つのパネル100を互いに連結するのに用いられているラッチ136及びラッチ受け138を示しているが、ラッチ136及びラッチ受け138は、図2及び図3のコーナパネル100a又はあらゆる他の種類又は形状のパネル100のようなあらゆる種類又は形状のパネル100と共に用いることができる。
【0027】
図6a及び図6bに、EPSで形成されたパネル100及び100aと、パネル100及び100a内に成形された舌部112及び溝114と、パネル100及び100a内に成形された構造化要素116とを含む本発明によるパネル100及び100aとしての建築物システム102の構成要素の付加的な図を示している。
【0028】
図7a及び図7bに、コーナパネル100bとフラットパネル100cとを含む本発明によるパネル100の更に別の実施形態を示している。パネル100b及び100cは、縁部127及び128上に舌部112及び溝114を備えて成形したEPSで形成することができる。パネル100b及び100dは、方形管状構造化要素116、コーナ構造化要素116a、及びv字形構造化要素116bから構成された構造化要素116を有する。パネル100b及び100cは、パネル100及び100aよりも小さい厚みを有することができる。パネル100は、特定の建築物に必要な強度、重量、及び熱的かつ構造的特性に応じて、あらゆる適切な厚みに製造することができることを理解すべきである。パネル100b及び100cは、より軽くかつより薄いパネルが望ましい時に用いることができる。あらゆる種類の構造化要素116又はその配置を用いて、望ましい構造要件又は取り付け要件を提供することができる。
【0029】
図8に、縁部127上に2つの舌部112を有し、縁部128上に2つの溝114を有するパネル100dを含む本発明による建築物システム102の付加的な構成要素を示している。複数の舌部112及び溝114が、隣接するパネル100dの連結に強度と耐久性を追加する。図8aにパネル100dの上縁図、図8bにパネル100dの斜視図、及び図8cにパネル100dの側面図を示している。図示のようなパネル100dは、ロックアセンブリ129を含む。一部の実施形態では、パネル100dは、ロックアセンブリ129を含まない。図9aに、舌部112、溝114、及びロックアセンブリ129を用いて互いに連結された複数のパネル100dを示している。一部の実施形態では、パネル100dは、図9aに示すような末端キャップ120を含むことができる。パネル100dは、パネル100d内に成形された構造化要素116cを含む。構造化要素116cは、上述の構造化要素116、116a、及び116bとは異なる形状を有する。構造化要素116cは、図示のような翼形状を有する。一部の実施形態では、パネル100dは、他の図面に示す構造化要素116、116a、又は116bを含むことができ、異なる形状の構造化要素116を含むことができる。構造化要素116は、必要に応じて多くの異なる形状及び形態を取ることができることを理解すべきである。
【0030】
本発明によるパネル100は、あらゆる形状に形成して多くの方法で接続し、構造体を作成することができる。パネル100は、壁、建築物の床又は屋根、又はあらゆる他の構造体を形成するために用いることができる。パネル100は、形成される建築物の熱的必要性及び機械的必要性にかなう厚みを備えて形成することができる。パネル100は、必要な取付具、支持体、及び強度を提供するために多くの異なる数及び形状の構造化要素116を埋め込んで形成することができる。
【0031】
図9aには、パネル100dを含みかつヒンジ160で互いに連結された本発明による建築物システム102の構成要素の付加的な実施形態を示している。ヒンジ160は、パネル100dがコーナで互いに対して回転することを可能にしている。ヒンジ160は、2つのパネル100を連結して壁対壁コーナを形成するために用いることができる。ヒンジ160は、2つのパネル100を連結して壁対床コーナを形成するためにも用いることもできる。ヒンジ160は、2つのパネル100を互いに連結して扉対壁コーナを形成するためにも用いることができる。ヒンジ160は、2つのパネル100を互いに連結して壁対屋根コーナを形成するためにも用いることができる。ヒンジ160は、複数のパネル100を互いに連結することができる方法の一例に過ぎない。舌部112及び溝114を用いて複数のパネル100を互いに連結することができ、ヒンジ160を用いて複数のパネルを互いに連結することができる。一部の実施形態では、異なる連結手段を用いて、複数のパネルを互いに連結することができる。これらの連結手段には、ネジ、接着剤、ボルト、釘、ステープル、ロック、ヒンジなどを含めることができる。
【0032】
図9b及び図9cに、舌部112、溝114、及びラッチ136、並びにラッチ受け138を含むロックアセンブリ129で互いに連結されたパネル100dの更に別の実施形態を示している。
【0033】
図9dに示すように、本発明によるパネル100は、1つ又はそれよりも多くの内側層154を備えて製造することができる。図9dに、単一の内側層154を備えたパネル100dを示している。内側層154は、多くの異なる材料で製造することができる。一部の実施形態では、内側層154は、空気とすることができる。一部の実施形態では、内側層154は、DuPontによって製造されたKevlar(登録商標)とすることができる。一部の実施形態では、内側層154は、プラスチック、EPS、ゴム、又は他の材料とすることができる。一部の実施形態では、内側層154は、対衝撃材料とすることができる。図9dには、単一の内側層154を示しているが、一部の実施形態は、複数の内側層154を有する。
【0034】
図10に、外面に施された外部コーティング150を有するパネル100eとしての建築物システム102の構成要素の実施形態を示している。外部コーティング150は、パネル100の外側を保護し、パネル100の寿命期間中に欠け、摩耗、へこみ、劣化、及び人間、虫、並びに動物がもたらす損傷から表面を保護するために追加することができる。外部コーティング150は、パネル100eの防火機能を改善するために耐火コーティングとすることができ、又はそれを含むことができる。一部の実施形態では、外部コーティング150は、対衝撃材料とすることができる。図10に示すように、外部コーティングは、パネル100の最上部を覆って付加することができ、また一部の実施形態では、末端キャップ120の少なくとも一部を覆って付加することができる。外部コーティング150は、硬いコーティングであってもよく、柔軟なコーティングとすることもできる。外部コーティング150は、第1のパネル100上の外部コーティング150が第1のパネル100に接続された第2のパネル100上の外部コーティング150と接触することができるようにパネル100を覆って付加することができる。例えば、図10aに示すように、外部コーティング150は、溝114の上を除いて水平パネル100e上に形成することができる。外部コーティング150は、縁面及び舌部の上を除いて図10aに示す垂直パネル100e上に形成することができる。得られる建築物が外部コーティング150で完全に覆われるように、垂直パネル100eの舌部112が水平パネル100eの溝114内に配置されてロックアセンブリ129が作動している時には、垂直パネル100eの外部コーティング150が水平パネル100eの外部材料150と接触することができる。図10bに、ラッチ136と、ラッチ穴132と、ラッチ受け138と、ラッチ受け穴134と、ロック接近穴130とを含むロックアセンブリ129を示す拡大断面を示している。舌部112が溝114に挿入された状態で、ロックツールでロック接近穴130を用いてラッチ136を作動させ、ラッチ136をラッチ受け138に連結して2つのパネル100eの連結を維持することができる。図10に示す連結は、壁対壁連結、床対壁連結、壁対屋根連結、又は別の種類のパネル100間の連結とすることができる。図10には、溝114がパネル100の末端の縁面にある必要がなくなる方法も示している。図10では、溝114は面122上にあり、舌部112は縁部127上にある。舌部112及び溝114は、パネル100のいずれの面にも存在することができ、面のうちのいずれとの間でも連結を作り出すことができる。
【0035】
図11に、パネル100eを含む本発明による建築物システム102の付加的な構成要素と、屋根が傾斜している場合に2つのパネル100eを接続して壁対屋根接続を行うことができる方法とを示している。図11aには、舌部112、溝114、及びロックアセンブリ129を通じて接続された2つのパネル100eの断面を示している。1つのパネル100eが建築物の傾斜した屋根であることができるように、2つのパネル100eの縁部には角度が付いている。どのような形状及び大きさでも必要とされる建築構造体を形成するために、本発明によるパネル100はどのような形状、大きさ、又は角度でも有することができることは明らかである。図11bに、ロックアセンブリ129を備えたコーナ区画の拡大図を示している。図11cには、屋根の一部として用いられるパネル100eの内部上に用いられる「c」チャンネル171の拡大図を示している。「c」チャンネル171は調節可能であり、建築構造体の構造的一体性及び強度、特に屋根及び隣接壁の構造的一体性を追加することができる。「c」チャンネル171は、蝶ナット172とスロット173を含む。屋根の内部に沿って延びる「c」チャンネル171の長さは、蝶ナット172及びスロット173を用いて調節することができる。図11dに、パネル100e内に成形された支持体部分174の拡大図を示している。支持体部分174は、支持体部分174をパネル100eに連結する3つの止め金具175を有する。支持体部分174は、蝶ナット172及びスロット173によって「c」チャンネル171に接続される。壁パネル100eを屋根パネル100eに連結した後に、蝶ナット172を調節してスロット173内で締め付けて、壁パネル100eと屋根パネル100eの間に付加的な取り付け及び構造的一体性を付与することができる。例えば、支持体部分174から参照される「c」チャンネル171のピッチは、スロット173内の蝶ナット172を用いて調節することができる。
【0036】
図12に、建築物140を作成するために用いられる建築物システム102の構成要素を示している。図12aに、本発明によるパネル100を用いて床システム141を作成する方法を示している。図12bに、床システム141に接続された壁システム142を作成するために用いられる本発明によるパネル100を示している。図12cに、屋根システム143を作成するために用いられる本発明によるパネル100を示している。図12dには、扉183及び窓182が追加された後にパネル100から構築された建築物140を示している。
【0037】
図12aに示すような床システム141を作成するためには、用地が準備されて必要であれば整地され、次にパネル100が適切な大きさに配置される。用いる場合、各パネル100は、舌部112及び溝114、並びにロックアセンブリ129を用いて隣接するパネル100に接続される。図示のようなパネル100は、先に示して説明したようなパネル100a、100b、100c、100d、又は100eを含むパネル100のいずれかの実施形態とすることができることを理解すべきである。床141に用いられる一部のパネル100は、異なる実施形態とすることができる。パネル100のあらゆる組合せ及び数を用いて望ましい形状、厚み、及び大きさの床141を作成することができる。
【0038】
壁システム142は、図12bに示すような隣接するパネル100を連結することによって作られる。隣接するパネル100は、用いる場合、舌部112を溝114に接続してロックアセンブリ129を作動させることによって連結することができる。図12bの全てのパネルがラベル付きパネル100であるわけではないが、各パネルは、本発明によるパネル100とすることができることを理解すべきである。各パネルは、パネル100a、100b、100c、100d、100e、又はこれらのパネルのあらゆる組合せのような先に説明して示したパネル100の実施形態とすることができる。一部のパネルは、本発明によるパネル100の異なる実施形態とすることができる。壁システム142は、用地上に水平に置いた状態で組み立てて接続され、次に、垂直方向に起こして床システム141及び隣接する壁システム142に接続することができる。代替的に、壁システム142は、コーナ部分として用いられるパネル100で開始し、パネル100と床システム141との間で舌部112と溝114を接続し、引き続き各次に続くパネル100を取り付けて壁システム142を作成することによって所定の位置に組み立てることもできる。
【0039】
屋根システム143は、パネル100とは別に組み立てて、次に持ち上げて壁システム142に接続することができる。代替的に、屋根143は、壁システム142上で所定の位置に組み立てることもできる。図12cの全てのパネルがラベル付きパネル100であるわけではないが、各パネルは、本発明によるパネル100とすることができることを理解すべきである。各パネルは、パネル100a、100b、100c、100d、100e、又はこれらのパネルのあらゆる組合せのような先に説明して示したパネル100の実施形態とすることができる。各舌部112は、適切な溝114に連結され、用いる場合にロックシステム129が作動される。
【0040】
図12dに示すような本発明による完成した建築物140は、扉183及び窓182が追加された後の迅速に配備可能な建築物140の実施形態である。複数のパネル100から構成される建築物140のこの特定的な実施形態は、最小限の労働コストで迅速かつ効率的に建設することができる。パネル100は、工場で製造されて大きさ及び形状を補正され、直ちに設置することができる状態で受け取られる。更に、パネル100の各々は、床パネル、壁パネル、屋根パネル、扉パネル、窓パネル、又は建築物140内で他に適用可能なパネルとして識別することができる。また、使用者がパネルを建築物140に組み立てるのを助けるために、パネル100の各々には、建築物システム内にラベルを付けることができる。各パネル100は、建築物140内で設定された位置を有することができ、またこの位置は、例えば、カラーコード又は数値コードでパネル100上に表示されて組み立てを容易にすることができる。それによって現場での材料浪費が最小にされ、かつ建設が加速される。図12dには特定の大きさ及び形状の建築物140を示しているが、建築物140の大きさ及び形状は設定可能であることを理解すべきである。更に、パネル100を用いた内部壁システムを追加して、内部空間をあらゆる数の部屋及び構造体に分けることができる。統合電力システムを追加して、建築物140に電力を供給することができる。パネル100は、耐久性があり、価格が手ごろで、かつエネルギ効率の良いあらゆる占有面積の建築物を建設するために用いることができる。図12dに示すような建築物140の有用寿命が終了した時は、それを迅速かつ容易に解体して、パネル100を別の構造体に再度用いることができる。パネル100の有用寿命が終了した後に、パネル100は、リサイクルすることができる。再使用及びリサイクルの容易さは、パネル100のモジュール設計、長寿命材料、及び一体型連結構造によってパネル100内に設計される。
【0041】
パネル100は、家屋及び住宅、商業建築物、事務所、保管施設等として使用される構造体を建設するために用いることができる。パネル100から建設される構造体は、一時的な構造体又は長期にわたる構造体とすることができる。本明細書に提供する建築物システム102の構成要素、及び建築物システム102及びパネル100から形成される構造体の例は、可能性を網羅するものではない。多くの他の実施形態が可能である。例えば、壁又は他の建築構造体は、複数の層のパネル100で形成することができる。それは、作られている構造体に構造的一体性及び熱特性を追加することになる。一部の実施形態では、パネル100の層は、間に空隙を設けて互いに連結することができる。一部の実施形態では、この空隙は、発泡体又は付加的なEPSのような材料で更に充填することができる。
【0042】
図13には、パネル100から建設された建築物に付加的な構造体を装着する機能を含むためのパネル末端キャップ装着のためのアセンブリ165の使用を含む建築物システム102の構成要素の付加的な実施形態を示している。図13には、ロックアセンブリ129及び舌部112、並びに溝114を用いて壁対屋根建設に接続された2つのパネル100eの断面を示している。パネル縁部を覆う末端キャップ120を有することに加えて、パネル末端キャップ装着のためのアセンブリ165が、2つのパネル100eの連結された縁部間に挿入される。パネル末端キャップ装着のためのアセンブリ165は、多くの異なる構造体をパネル100eに装着するために用いることができる。この実施形態では、パネル末端キャップ装着のためのアセンブリ165は、構造体に対して内部のトラス166のためのマウントを提供し、かつ構造体の外側に装着される屋上構造体164のためのマウントを提供する。屋上構造体164は、屋上構造体装着のためのアーム163を用いてパネル末端キャップ装着のためのアセンブリ165に装着される。屋上構造体164は、以下に限定するものではないが、アンテナ、太陽電池パネル、日よけ構造体、取水装置などを含む多くの異なる品目とすることができる。パネル100は、パネル100から建設された建築物の運用、安全、及び快適性に必要な品目を接続及び装着するために異なる形態の装着構造体を含むように構成することができることを理解すべきである。
【0043】
図14には、末端キャップ120及びロックアセンブリ129を含むパネル100d及び付属品の複数の実施形態を示している。壁対壁接続、壁対床接続、壁対屋根接続、及びその他のために複数のパネル100d間で連結を行う方法を示す様々なパネル100dの実施形態が示されている。
【0044】
図15には、床システムを組み立てる段階201と、複数の発泡ポリスチレンパネルから壁システムを組み立てる段階202とを含み、第1のパネルが第1の面上に舌部を有し、第2のパネルが第2の面上に溝を有し、舌部及び溝が第1のパネルを第2のパネルに連結する本発明による建築物を建設する方法200を示している。方法200は、壁システムを床システムに接続する段階203、屋根システムを組み立てる段階204、屋根システムを壁システムに接続する段階205、及び扉を壁システムに取り付けて建築物を形成する段階206も含む。本発明による方法200は、多くの他の段階を含むことができる。段階201は、パネル100a、100b、100c、100d、100e、又は本発明によるパネル100の異なる実施形態を含む床システムの構成要素としてのパネル100のいずれかの実施形態を用いる段階を含むことができる。段階201は、一部の実施形態では、舌部112及び溝114、又はロックアセンブリ129を用いて複数のパネル100を接続する段階を含むことができる。段階201は、パネル100の複数の実施形態を用いて床システムを組み立てる段階を含むことができる。
【0045】
段階202は、パネル100a、100b、100c、100d、100e、又は本発明によるパネル100の異なる実施形態を含むパネル100のいずれかの実施形態を用いて壁システムを組み立てる段階を含むことができる。段階202は、一部の実施形態では、ロックアセンブリ129を用いて複数のパネル100を接続する段階を含むことができる。段階202は、壁システムの構成要素としてパネル100の複数の実施形態を用いる段階を含むことができる。段階202は、壁システムを通過するか又は壁システム内に存在する必要がある窓、パイプ、電子機器、又は他の品目のための開口部を有する本発明によるパネル100を用いる段階を含むことができる。
【0046】
段階203は、舌部112及び溝114を用いて壁システムを床システムに接続する段階を含むことができる。段階203は、一部の実施形態では、ロックアセンブリ129を用いて壁システムを床システムに接続する段階を含むことができる。一部の実施形態では、壁システムを床システムに接続する他の手段が用いられる。
【0047】
段階204は、本発明によるパネル100を用いて屋根システムを組み立てる段階を含むことができる。段階204は、パネル100a、100b、100c、100d、100e、又は本発明によるパネル100の異なる実施形態を含むパネル100のいずれかの実施形態を用いて屋根システムを組み立てる段階を含むことができる。段階204は、一部の実施形態では、舌部112及び溝114を用いて複数のパネル100を接続する段階を含むことができる。段階204は、一部の実施形態では、ロックアセンブリ129を用いて複数のパネル100を接続する段階を含むことができる。段階204は、パネル100の複数の実施形態を用いて屋根システムを組み立てる段階を含むことができる。段階204は、屋根システムを壁システムとは別に組み立てて、次に屋根システムを壁システムの上に持ち上げて、段階205と同様にそれらを互いに接続する段階を含むことができる。他の実施形態では、屋根システムを壁システムに接続する段階205は、段階204で屋根システムが組み立てられている時に達成することができる。この実施形態では、屋根システムは、壁システムの上に所定の位置に組み立てられる。
【0048】
段階205は、舌部112及び溝114を用いて屋根システムを壁システムに接続する段階を含むことができる。段階205は、ロックアセンブリ129を用いて屋根システムを壁システムに接続する段階を含むことができる。一部の実施形態では、本発明により、他の連結手段を用いて屋根システムが壁システムに接続される。
【0049】
本発明による方法200は、多くの他の段階を含むことができる。方法200は、建築物に窓を追加する段階を含むことができる。方法200は、パネル100の実施形態を用いて建築物内に壁を追加する段階を含むことができる。方法200は、統合電力システムを建築物に追加する段階を含むことができる。方法200は、建築物に配管システムを追加する段階を含むことができる。方法200は、建築物に空気処理システムを追加する段階を含むことができる。
【0050】
本明細書に説明した実施形態及び実施例は、本発明並びにその実際的な用途を最も良く説明するためにかつそれによって当業者が本発明を製造して使用することができるように呈示したものである。しかし、当業者は、以上の説明及び実施例が単に例証であり、かつ例示のために呈示したものであることを認識するであろう。列挙した説明は、網羅的であるように意図したものではなく、本発明を開示した通りの形態に制限するように意図したものでもない。以下の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく上述の教示を踏まえて多くの修正及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0051】
100 パネル
102 建築物システム
112 舌部
114 溝
116 構造化要素
【図1a】

【図1b】

【図1c】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物システムであって、
前面、裏面、及び縁面を有する第1のパネルと、
前記面のうちの1つの面上の舌部と、
前面、裏面、及び縁面を有する第2のパネルと、
前記第1のパネルの前記舌部を受けるための前記第2のパネル内の溝と、
前記舌部を前記溝に連結するロッキング機構と、
を含み、
前記第1及び第2のパネルは、建築物の一部分を形成するのに用いられる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記第1のパネルの前記舌部は、前記面の長さを延び、前記第2のパネルの前記溝の長さが、該舌部の該長さに対応することを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項3】
前記第1及び第2のパネルは、発泡ポリスチレンで形成されることを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項4】
前記第1及び第2のパネルは、成形されるか又は押し出されることを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項5】
前記第1及び第2のパネルの少なくとも一方が、該パネルと一体の構造化要素を含み、該構造化要素は、前記縁面と実質的に平行に延びることを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項6】
前記構造化要素は、軽量鋼で製造されることを特徴とする請求項5に記載の建築物システム。
【請求項7】
前記第1及び第2のパネルの少なくとも一方が、該パネル内に所定の間隔で設定された複数の構造化要素を含み、該複数の構造化要素は、前記縁面と実質的に平行に延びることを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項8】
末端キャップが、前記縁面を包み込むことを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項9】
前記末端キャップは、軽量鋼で形成されることを特徴とする請求項8に記載の建築物システム。
【請求項10】
前記第1及び第2のパネルの少なくとも一方の前記前面及び前記裏面は、それらの間に空洞を形成することを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項11】
材料が、前記前面と前記裏面の間の前記パネル内に成形されることを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項12】
前記第1のパネルは、その面のうちの1つの面上に2つの舌部を有し、前記第2のパネルは、その面のうちの1つの面上に2つの溝を有することを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項13】
前記2つの舌部は、互いと平行であり、かつ前記面の長さを延び、前記溝の長さが、該舌部の該長さに対応し、該溝は、前記第1のパネルが前記第2のパネルに連結された状態で該舌部を受けるように構造化されることを特徴とする請求項12に記載の建築物システム。
【請求項14】
前記面のうちの1つが、煉瓦、羽目板、木材、及びスタッコのうちの1つのように見えるように成形されることを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項15】
前記パネルは、前記前面及び裏面に開口部を形成することを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項16】
前記ロッキング機構は、
前記舌部と一体のラッチと、
前記溝と一体のラッチ受けと、
を更に含み、
前記ラッチ及び前記ラッチ受けは、前記舌部を前記溝に反復的かつ取外し可能に連結するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項17】
前記パネルの各々を覆う外部コーティング、
を更に含み、
前記パネルが互いに連結されて建築物を形成する状態の下で、それぞれの該パネルの前記外部コーティングは、互いに接触して該建築物の全外面を実質的に覆う、
ことを特徴とする請求項1に記載の建築物システム。
【請求項18】
互いに組み立てて建築物を建設するように構成された複数のパネル、
を含み、
前記複数のパネルの各々が、前面、裏面、及び2組の対向する縁面を有し、
前記複数のパネルの各々が、前記面のうちの1つの面上に舌部及び前記面のうちの別の面上に溝を有し、
前記複数のパネルの各々が、該パネルを少なくとも床パネル、壁パネル、又は屋根パネルとして識別するための識別特徴を有し、
前記識別されたパネルは、使用者が適切なパネルを互いに取外し可能に連結して前記建築物を形成するのを助けるためにシステム内でラベル付けさる、
ことを特徴とする建築物システム。
【請求項19】
前記複数のパネルの各々が、該パネルと一体であって該パネル内に所定の間隔で設定された複数の構造化要素を含み、該複数の構造化要素は、前記縁面のうちの1つと実質的に平行に延びることを特徴とする請求項18に記載の建築物システム。
【請求項20】
前記複数のパネルの各々が、発泡ポリスチレンで形成され、前記複数の構造化要素の各々が、軽量鋼で形成されることを特徴とする請求項18に記載の建築物システム。

【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10a−10b】
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【図11a−11e】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−503278(P2013−503278A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527073(P2012−527073)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/047182
【国際公開番号】WO2011/026046
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(512050966)サステイナブル ビルディング イノベーションズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】