説明

高温型燃料電池積層体用の密封機構

この発明は、金属部品用の電気絶縁作用を示す密封機構であって、この密封機構は、セラミック層と、その上に配置された、ゲルマニウムが添加されているろう材基材材料とを有する。このゲルマニウムの有利な添加量は、0.1〜5.0モル%、好ましくは0.5〜2.5モル%の範囲である。発明の特定の形態では、追加的にケイ素を0モル%より大きく2.5モル以下、好ましくは0.1〜0.9モル%の範囲含むろう材の使用を意図している。さらに、10〜40体積%のAlTiO、好ましくは20〜30体積%のAlTiOをさらに追加したろう材が、密封機構にとりわけ適していることが判明した。特定のろう材組成物を密封機構内に使用することで、常に以下の特性を有する、再現性があり気密性かつ絶縁性の接合となる:a)ろう材のはみ出しが防止され、ろう材の流れが減少し、b)ろう材中の多孔度(主体が独立孔あるいは細い細孔列)が明白に減少する、c)ろう付接合部が十分な電気抵抗を示す、そして、d)ろう付接合部が常に十分に気密である(He漏洩試験における漏洩率が<10−3mbar・l・s−1である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温型燃料電池システム、とりわけ酸化物セラミック電解質を用いた燃料電池積層体(スタック)(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell=固体酸化物型燃料電池)用の密封機構、ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電流源であって、容易に酸化する物質、多くは水素を電気化学的に、酸素により酸化することで化学的エネルギーを電気エネルギーに変換する。単一の燃料電池により発生する電圧は小さいので、通常は多数の燃料電池が、いわゆるインターコネクタを介して、電力を増大させるために直列に接続され、このときろうガラスを用いて電気的に絶縁するように結合されまた密封される。これらは、燃料電池積層体、あるいはスタックとも呼ばれる。単一のセル平面、すなわち金属インターコネクタを備えるセラミック・セルは、カセットとも呼ばれる。積層体構造において、個々のカセットは積み重ね方向に、電気的に絶縁されるだけでなく、気密も保つよう、相互に接合されることが必要である。燃料電池積層体の燃料ガス流路を燃料電池ユニットの酸化材室から、また燃料電池積層体の酸化材流路を燃料電池ユニットから気密に分離することが不可欠である。カセット内の複数のガス供給口は、取り付けられた密封材によって同時に相互に結合される。
【0003】
高温型燃料電池積層体(SOFCスタック)の稼動温度は、700〜900℃の範囲にある。平面状燃料電池を備えるSOFCスタックは、通常セラミック・セルおよび金属インターコネクタからなる。このときセラミック・セルは、金属フレーム中に組み込まれ、この金属フレームはさらにインターコネクタと結合される。既知の燃料電池積層体においては、ろうガラス製の密封素子および絶縁素子、あるいはセラミック製の密封材が使用され、必要な電気絶縁作用および必要な気密性を達成する。
【0004】
通常は、密封と電気絶縁を別々に分けて行うのが得策である。この場合、電気絶縁は、例えば金属板部分にろう付で結合されるセラミック素子により行うことができる。このとき気密のろう付により、ガス供給口の密封も同時に実現される。このとき、真空中で活性ろう材を用いることで、セラミックと鋼製部材を直接ろう付することが可能である。
【0005】
積層平面あるいはカセットを相互に接合するときに、セラミック・セルは、常に対応の接合相手と既に一体化されているので、ろう付時に、真空中での熱化学的過程(還元)により、セルの非可逆的損傷が生じ得る。このため、セルが存在するときは、常に酸化性雰囲気中、例えば空気中で接合するのがよい。
【0006】
従来技術によれば、この空気中での接合にも、銀ベースのろう材が使用できる。このろう材は、これが濡れを促進する、例えば酸化銅といった添加物が含有していれば、空気中でのろう付が可能となる。このろう材は、RAB(Reactive Air Brazing:反応性大気中ろう付)ろう材と呼ばれる。
【0007】
絶縁セラミックは製造次第で、細孔あるいは隙間を有する場合がある。これは例えば、絶縁するべき金属部品上にセラミック層を熱溶射工程で塗工するときに生じる。使用されるろう材の毛管作用に応じて、ろう材は存在する隙間中に浸入して短絡(ショート)を起こし得る。特にこれは銀ろう材のときに当てはまる。
【0008】
本来の絶縁層の上に障壁層を設けることで、ろう材の浸入を確実に食い止めることができる。しかし、この場合の塗工方法は、一層だけのセラミック絶縁層を使用する場合に比べ、複雑になってしまう。米国特許出願第2007/0003811号(A1)(特許文献1)および米国特許出願第2007/0065707号(A1)(特許文献2)により、障壁層としてセラミックと金属の混合物を使用して、同様に熱溶射法で塗工することが開示されている。
【0009】
同様に、ろう付工程中の接合継目からのろう材のはみ出しが、短絡を起こすことがあり得る。
【0010】
セラミック・セルは通常ニッケル・サーメット(主成分酸化ジルコニウム、副成分酸化ニッケルあるいはニッケル)製であり、RT(室温)〜1000℃の温度範囲で比較的均一な相対熱膨張を示す。すなわち温度に依存しない熱膨張係数α=12x10−6−1を持つ。金属板フレームは、もっぱらフェライト系クロム鋼(Fe、22%Crおよび微量の他成分)製であり、相対熱膨張が温度と共に増加する。熱膨張係数は低温でのα=11x10−6−1が、1000℃ではα=14x10−6−1に上昇する。
【0011】
ろうガラスの熱膨張係数は、通常正確に鋼の熱膨張係数と一致させることはできない。しかし、国際公開第2006/086037号(特許文献3)により、とりわけチタン酸アルミニウムの添加により、RABろう材の熱膨張係数を低減し、使用される鋼により良く適合することが、開示されている。
【0012】
既知の従来技術の問題点は、次のように要約される。
・ 使用されるろう材(RAB)が、制御できないろう材のはみ出しと流れを引き起こし、これにより、例えば金属部品間にブリッジを作り、短絡を起こしてしまう、
・ 既存のろう付(RAB)において、比較的大容積の細孔あるいは細孔の集積を生じ、これが亀裂開始点となり結合部の機械的負荷能力を低下させ、(特に連続細孔において)漏洩を生じてしまう、
・ ろう材の毛管現象あるいは反応性のため、ろう材が特にセラミックの細孔中や粒界へ浸透することが生じてしまう、
・ ろう材の収縮(凝集)や濡れの問題から、ろう材の流れ中に欠陥とこれによる漏洩が生じてしまう。
【0013】
このため、これまで再現性があり、密封性で絶縁性の結合が得られないことがしばしば生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許公開第2007/0003811号(A1)
【特許文献2】米国特許公開第2007/0065707号(A1)
【特許文献3】国際公開第2006/086037号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、400℃を超える温度、特に700℃を超える温度で、十分な電気絶縁作用、十分な機械的強度、ならびに気密な密封を可能にする密封機構を生み出すことにある。
【0016】
加えて、本発明の課題は、特に高温型燃料電池積層体用の密封機構であって、そうした燃料電池の通常の稼動温度においても、前記の特性が示される密封機構を生み出すことにある。
【0017】
さらなる本発明の課題は、前記の密封機構を製造する、簡単かつ安価な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の本発明の課題は、請求項1による密封機構、ならびに他の独立請求項によるそうした密封機構の製造方法により解決される。前記方法ならびに密封機構の有利な形態は、従属請求項に示される。
【0019】
本発明の範囲において、熱溶射層での、従来技術で知られたろう材の浸入によるセラミック絶縁層への浸透が、ゲルマニウム、または特に有利にはゲルマニウムとケイ素を同時に、適当量でろう材に添加すれば、驚くべきことに著しく減少できることが発見された。
【0020】
したがって、本発明による密封機構は、セラミック層ならびにその上に配置されるろう材ベースの材料を含み、これにゲルマニウムが添加されている。この密封機構には、電気絶縁作用がある。このために必要なゲルマニウムの量は、当業者により少数の実験で確定することが可能であり、基材ろう材および使用されるセラミックに応じて好ましいGe範囲は、0.5〜2.5モル%である。この添加されたゲルマニウムは、同時にろう材中の細孔の生成を抑制するという利点を有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の有利な形態において、基材ろう材にGeおよびケイ素が添加されており、出発ろう材中のケイ素含量は2.5モル%以下、好ましくは0.1〜0.9モル%の範囲である。組成がAg・2CuO・1.5Ge・0.75SiまたはAg・4CuO・1.5Ge・0.75Siのろう材によって、特に良好なろう付接合が得られる。
【0022】
チタン酸アルミニウムの添加は、特に良好に延展性を抑制する。チタン酸アルミニウムのろう材に対する添加量は、ここでは原則、体積%で表わされるが、これは容易に重量%またはモル%にも変換できる。有利な添加量は、10〜40体積%AlTiOで、好ましくは20〜30体積%の範囲である。
【0023】
このチタン酸アルミニウムは、塗工し、ろう付するとき、それ自身は溶融しないので、ろう材混合体の内部で確実に均一に分散されるように、通常ろう材中に非常に細かい粉末状で混合される。
【0024】
本発明は、電気的に絶縁するにも関わらず気密にする必要がある2つの金属部品間の全ての接合に対して適しているが、とりわけ、酸化物セラミック電解質を用いた高温型燃料電池積層体(SOFC:固体酸化物型燃料電池)への使用に有利である。
【0025】
本発明の特別な形態においては、密封機構は、反応性大気中ろう付(RAB)ろう材をろう材ベースの材料として用いる。本発明の範囲においては、これはAgベースののろう材であり、RAB法(すなわち大気中でのろう付)の採用と、濡れ活性化添加物の合金化で、RABろう材とする。
【0026】
有利には、セラミック絶縁層は、好ましくは熱溶射法で塗工した層である。これは例えば大気圧でのプラズマ溶射層、真空溶射層、またはフレーム溶射層でよい。セラミック層に適した別の塗工法としては、ゾル・ゲル法またはPVD法とその後の焼結もあり得よう。
【0027】
有利には、セラミック絶縁層自身もできるだけ気密であるように、多孔度は可能な限り低いのがよい。すなわち、サブストレート(金属部品)まで達する連続孔が存在せず、セラミック層の漏洩率が、He漏洩試験において、全体で10−3mbar・l・s−1未満である。
【0028】
適切なセラミック層の別の形態としては、両面がろう付されたフィルムが挙げられる。
【0029】
前記セラミック層は、とりわけ酸化ニッケル、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または酸化ケイ素、あるいは前記の酸化物の混合物を含む。特別な形態において、セラミック層は、アルミニウム・マグネシウム・スピネルを含み、これには、選択的に、さらに、アルミニウム・マグネシウム・スピネルとチタンの混合物からなる、あるいはチタン化合物からなる被覆層を設けてもよい。
【0030】
ケイ素およびゲルマニウムのろう材への添加は、対応の金属粉末をろう材ベースのの原料粉末中に単に直接混合することで行うのが特に有利である。必要であるなら、そうして混合されたろう材粉末をバインダに懸濁しペーストとし、例えばスクリーン印刷や、ディスペンサにより塗工してもよい。
【0031】
出発ろう材料としては、酸化銅を加えた銀ベースのろう材、あるいは加えてない銀ベースのろう材があり、接触角を小さくして、これにより濡れ性を改善する。こうした銀ベースのろう材の例には、Ag・4CuOまたはAg・8CuO(モル%)がある。
【0032】
さらに、Vの形での、また例えばTiHの形でのTiの添加が、セラミックの濡れのために有利であることが判明している。これらの化合物には主として濡れを良くする作用がある。本発明によるろう材を製造するのには、粉末状の対応の成分の完全な混合物が使用される。この混合物から使用中(in situ)にろう材合金が生成される。水素化チタンを添加した場合、これは400℃程度の温度で金属チタンに、あるいは空気中の場合には酸化チタンに変化する。
【0033】
元素として銅を含まず、代わりにCuOとチタンを含むろう材合金の基材として、特に次の組成物、Ag・4CuO・0.5TiHまたはAg・8CuO・0.5TiH(モル%)が適当である。
【0034】
液状のろう材の流動性(延展性)の低下により、ろう付工程の改善が、有利に達成できる。これは、適当なセラミック粉末、例えばチタン酸アルミニウムの添加により達成できる。この手段により、ろう材の流出による短絡を十分に防止することができる。
【0035】
多様なろう材添加物の作用を以下にまとめるが、本発明によるろう材の形態のためにはゲルマニウムの添加が必須である。
・ 浸透(濡れ作用)を制限する成分、例えばSi
・ 細孔の形成を抑制する成分、例えばGe
・ 濡れに対して特定の方法で作用する(濡れ増進)成分、例えばCuO、V、Ti(例えばTiHとして添加)
・ 液体ろう材の延展(拡がり)を抑止する充填材、例えばAlTiO
【0036】
本発明の密封機構を形成するための、ろう材材料の絶縁性セラミック層への塗工は、多様な方法で行える。
【0037】
ろう材材料は、例えばペーストとしてディスペンサにより絶縁性セラミック層の上面に塗工することができる。その代わりに、パターン印刷法、例えばスクリーン印刷法、により、ろう材材料を絶縁性セラミック層に塗工することができる。さらに、ろう材材料をろう材フィルムとして絶縁性セラミック層の表面に配置することも可能である。さらに、金属製の接合相手に塗工することも可能である。
【0038】
特定のろう材組成物を前記密封機構内に使用することで、常に以下の特性を有する、再現性があり気密性かつ絶縁性の接合となる。
・ ろう材のはみ出しが防止され、ろう材の流れが減少し、ろう材中の多孔度(もっぱら個別の孔あるいは細い細孔列)が明白に減少する、
・ ろう付接合部が十分な電気抵抗を示す、
・ ろう付接合部が常に十分に気密である、すなわち漏洩率(He漏洩試験)が10−3mbar・l・s−1未満である。
【0039】
特別な記述部
本発明の特定の形態についての以下の記述において、高温型燃料電池積層体用の密封機構の絶縁層は、例えば熱溶射されたセラミック、例えばアルミニウム・マグネシウム・スピネルの複数の薄層でなり、全体の層厚は、20μm〜150μm、好ましくは、30μm〜70μmである。
【0040】
密封機構用の本発明によるろう材は、対応の原料粉末を注意深くかつ完全混和して製造した。必要な場合には、ろう材粉末をバインダ中に懸濁してペーストとして、例えばスクリーン印刷で、またはディスペンサを用いて塗工できる。出発ろう材としては、銀ベースのろう材を使用した。
【0041】
使用された原料粉末の粒径は、
Ag 0.7〜1.3μm
CuO 30〜50nm
Ge <140μm(追加的に乳鉢中で磨砕)
Si 0.07〜0.10μm
AlTiO 約10μm(追加的に乳鉢中で磨砕)
【0042】
物質含量は、モル%で表わされ、銀ベースのろう材に対して:
Ag・2CuO、Ag・4CuO
【0043】
試験した低浸透性のろう材の例:
Ag・2CuO・1.5Ge・0.75Si、Ag・4CuO・1.5Ge・0.75Si、Ag・2CuO・1.5Ge・0.5Si、Ag・1CuO・2Ge、Ag・1.5Ge
【0044】
試験した低浸透性かつ低延展傾向のろう材の例:
Ag・2CuO・1.5Ge・0.75Si+20体積%AlTiO
Ag・2CuO・1.5Ge・0.75Si+30体積%AlTiO
Ag・4CuO・1.5Ge・0.75Si+20体積%AlTiO
Ag・4CuO・1.5Ge・0.75Si+30体積%AlTiO
Ag・2CuO・1.5Ge・0.5Si+20体積%AlTiO
Ag・2CuO・1.5Ge・0.5Si+30体積%AlTiO
Ag・1CuO・2Ge+20体積%AlTiO
Ag・1CuO・2Ge+30体積%AlTiO
Ag・1.5Ge+20体積%AlTiO
Ag・1.5Ge+30体積%AlTiO
【0045】
次に、本発明の利点を明白に示す2つの前記の試験の結果を、対比的に例示する。ここに、2つの金属・セラミック・ろう付接合体を、小試料の反転X線写真を用いて比較した。
【0046】
試料番号V105:「標準」(図1)
金属成分:Crofer22APU、厚さ0.5mm
セラミック成分:基材Crofer22APU、0.5mmと、VPS塗工したAl・Mg・スピネル、およびAl・Mg・スピネルと水素化チタンとの混合物による被覆層でなる。
ろう材:Ag 4 CuO(ペースト)
ろう付結果:気密かつ絶縁性だが、ろう材の顕著な流出と、若干の多孔度といった不利な点を示す。
【0047】
試料番号V135:「本発明による」(図2)
金属成分:Crofer22APU、厚さ0.5mm
セラミック成分:基材Crofer22APU、0.5mmと、VPS塗工したAl・Mg・スピネルでなる。
ろう材:Ag・4CuO・1.5Ge・0.75Si+20体積%AlTiO(ペースト)
ろう付結果:気密かつ絶縁性で、さらにろう材の流出がほとんど無く、多孔度もごくわずかである。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部品用の電気絶縁作用を示す密閉機構において、
セラミック層と、その上に配置された、ゲルマニウムが添加されているろう材ベースの材料とを有することを特徴とする、密封機構。
【請求項2】
ゲルマニウムの添加量が0.1〜5.0モル%、好ましくは0.5〜2.5モル%の範囲である、請求項1に記載の密封機構。
【請求項3】
さらにケイ素が添加されている、請求項1または2に記載の密封機構。
【請求項4】
ケイ素の添加量が、0モル%より大きく2.5モル以下であり、好ましくは0.1〜0.9モル%の範囲である、請求項3に記載の密封機構。
【請求項5】
組成が、Ag・2CuO・1.5Ge・0.75SiまたはAg・4CuO・1.5Ge・0.75Siのろう材を有する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の密封機構。
【請求項6】
さらにチタン酸アルミニウムが添加されている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の密封機構。
【請求項7】
チタン酸アルミニウムの添加量が、10〜40体積%、好ましくは20〜30体積%の範囲である、請求項6に記載の密封機構。
【請求項8】
反応性大気中ろう付(RAB:Reactive Air Brazing)用ろう材を有する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の密封機構。
【請求項9】
熱溶射法、ゾル・ゲル法、またはPVD法と、これに続く焼結により塗工したセラミック層を有する、請求項1〜8のいずれか一つに記載の密封機構。
【請求項10】
両面にろう付したフィルムをセラミック層として有する、請求項1〜8のいずれか一つに記載の密封機構。
【請求項11】
酸化ニッケル、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または酸化ケイ素、あるいは前記の酸化物の混合物を含むセラミック層を有する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の密封機構。
【請求項12】
アルミニウム・マグネシウム・スピネルからなるセラミック層を有する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の密封機構。
【請求項13】
アルミニウム・マグネシウム・スピネルと、チタンとの混合物、あるいはチタン化合物からなる、セラミック層の上に設けられた被覆層を有する、請求項12に記載の密封機構。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の密封機構の、燃料電池積層体、とりわけ高温型燃料電池積層体での使用。
【請求項15】
セラミック層ならびにろう材を有し、電気絶縁作用を示す、燃料電池積層体用の密封機構の製造方法であって、
ろう材が前記セラミック層上に配置され、前記ろう材には、ろう材ベースの材料の他にゲルマニウムが添加されていることを特徴とする、密封機構の製造方法。
【請求項16】
ゲルマニウムが0.1〜5.0モル%、好ましくは0.5〜2.5モル%の範囲で添加されているろう材を使用する、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
さらにケイ素を添加したろう材を使用する、請求項15〜16のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項18】
ケイ素が、0モル%より大きく2.5モル以下であり、好ましくは0.1〜0.9モル%の範囲で添加されているろう材を使用する、請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
反応性大気中ろう付(RAB)用ろう材を使用する、請求項15〜18のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項20】
組成が、Ag・2CuO・1.5Ge・0.75SiまたはAg・4CuO・1.5Ge・0.75Siのろう材を使用する、請求項15〜19のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項21】
さらに、10〜40体積%のAlTiO、好ましくは20〜30体積%のAlTiOを含むろう材を使用する、請求項15〜19のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項22】
セラミック層が、熱溶射法により、ゾル・ゲル法により、PVD法により、および/または焼結により製造される、請求項15〜21のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項23】
両面にろう付したセラミックフィルムをセラミック層として使用する、請求項15〜21のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項24】
酸化ニッケル、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または酸化ケイ素、あるいは前記の酸化物の混合物からなるセラミック層を使用する、請求項16〜23のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項25】
アルミニウム・マグネシウム・スピネルからなるセラミック層を使用する、請求項16〜23のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項26】
前記セラミック層の上に、まず、アルミニウム・マグネシウム・スピネルとチタンとの混合物からなる、あるいはチタン化合物からなる、被覆層をさらに塗工する、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記ろう材を、ろう材粉末をバインダ中に懸濁してペーストとして前記セラミック層に塗工する、請求項16〜26のいずれか一つに記載の製造方法。

【公表番号】特表2011−522353(P2011−522353A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549009(P2010−549009)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000221
【国際公開番号】WO2009/112005
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(390035448)フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (100)
【Fターム(参考)】