説明

高温耐性弾性複合材のアプリケーション用のシリコン樹脂複合材およびその製造方法

本発明は、高温弾性の複合材のアプリケーションに用いる複合材に関する。特に、本発明は、それらの基質として窒化ホウ素、シリカ、および酸化ホウ素の添加剤によって熱的に安定化された、シルセスキオキサンシリコン樹脂のシラノール−シラノール縮合反応の混合物で形成された弾性複合材に関する。重合体基質の複合材は、窒化ホウ素およびシリカ添加剤を含む、硬化した高、中、および選択的に低分子量のシリコン樹脂と強化剤材料とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年6月19日に出願された、同一出願人の同時係属中の米国仮出願第60/936,472号の利益を主張する。本出願は、これと同日に出願された、同一出願人の同時係属中の出願、“Red Heat Exhaust System Silicone Composite O−Ring Gaskets and Method for Fabricating Same”および“Internal Combustion(IC)Engine Head Assembly Combustion Chamber Multiple Spark Ignition(MSI)Fuel Savings Device and Methods of Fabrication Thereof”に関連する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、高温弾性複合材のアプリケーションで用いられる複合材に関する。特に、それらの基質として窒化ホウ素、シリカ、および酸化ホウ素の添加剤によって熱的に安定化された、シルセスキオキサンシリコン樹脂のシラノール−シラノール縮合反応の混合物で形成された弾性複合材に関する。複合材が200乃至1000℃で熱硬化する場合、10,000,000サイクルでの15%圧縮疲労サイクル試験からの回復率は、図1に示すように硬化温度が増加と供に低下する。さらに、これらと同一の多孔質複合材に樹脂ブレンドを真空含浸させる場合、それらは、図1に更に示すように、95%以上の回復を伴い、10,000,000の同一の疲労サイクルに耐える。複合材は、1000℃に達する、持続性およびスパイク性の排気ガスによる密閉漏れや溶け落ちもなく、4年以上内燃(IC)機関で加圧された排気マニホルドの厳しい温度に耐えた。複合材は、FAAの火炎浸透、溶け落ち、熱放出(<10kW/m)、煙密度、およびBSS7239によるボーイングの毒性試験を通過した。
【0003】
Beckleyの米国特許第5,552,466号は、赤熱領域で高密度のシリカセラミックスを作り出す、処理可能な樹脂ブレンドの製造方法を教示している。好適な触媒であるヘキサン酸亜鉛は、窒化ホウ素、シリカ、および好ましくは酸化ホウ素の触媒を用いるClarkeの方法によって生成された高温弾性シリコン重合体と比べ、高収量のセラミック複合材の構成を支持する、Beckleyの方法によって高い架橋結合密度の重合体を生成する。Clarkeに関連した複合材に共通の圧縮回復特性についての言及はなされていない。
【0004】
Boisvert等の米国特許第5,972,512号は特に、有機積層材よりも優れた性能を有する非燃性複合材の製造を可能にする、シラノール−シラノール縮合硬化型のメチルシルセスキオキサン樹脂を教示している。2000゜Fで15分後に、柔軟性セラミック、ひいては溶け落ちのないセラミックに徐々に変形する耐火性弾性シリコン積層材を製造するために、窒化ホウ素とシリカを含んだ耐熱性弾性シリコンを製造することについての言及がなされていない。また、耐火性は、メチル樹脂に固有のものであり、わずかに用いた場合でさえも、フェニル樹脂の高温の利点を看過する。また、弾性複合材で、異なる材料を加える利点がBoisvertの特許では言及されていない。
【0005】
Clarkeの米国特許第6,093,763号は特に、フィラーとしての窒化ホウ素と共に、2つの特定のシリコン樹脂に対し、2:1の特有の比率でヘキサン酸亜鉛の触媒を用いることを教示している。ヘキサン酸亜鉛の触媒は、窒化ホウ素、シリカ、酸化ホウ素の反応混合物および制御された反応方法によって生成される、好ましい弾性複合材と異なる高い架橋結合密度の重合体を生成する。また、密閉剤が機能するのを可能にするために要求される亜鉛触媒の量は、弾性複合材を生成するために、緩やかな反応を支持するように僅かに用いられる酸化ホウ素の触媒と比較して、過剰である。
【0006】
Clarkeの米国特許第6,161,520号は、特にClarkeの同時係属中である米国特許出願第08/962,782号、08/962,783号、および08/185,282号から得られるガスケット材は全て、ガスケットを製造するのに必要な樹脂ブレンドの縮合重合のための、触媒として要求される窒化ホウ素の使用を教示している。間違って主張されているが、Clarkeは窒化ホウ素が触媒でないことを立証した。好適なCERAC社品番B−1084である99.5%の純窒化ホウ素を用いて、米国特許第6,183,873B1号の図1に示す、「ゲル」曲線を177℃で反復するのを試みることにより、Clarkeは窒化ホウ素が触媒でないという確信を立証した。また、他の研究員も、窒化ホウ素がシリコン縮合触媒でないという確信を立証した。湿度のポテンシャルを含む、実際の触媒や触媒の組み合わせを見つけるために、多数の可能な混入物を調査する必要があるだろう。高温弾性複合材の製造を支持するように、外界温度で回転シリンダ内で処理される反応混合物として、窒化ホウ素、シリカ、および酸化ホウ素を用いることについての言及はなされていない。何れも触媒として言及された酸化ホウ素ではなく、酸化ホウ素が窒化ホウ素の化学処理(非特許文献1)の残留物として用いられた場合の、酸化ホウ素のコスト上の利点が取り扱われている。
【0007】
Clarkeの米国特許第6,183,873号B1は、セラミック強化剤のホットメルトまたは湿式含浸のためのポリシロキサン樹脂構造を生成する際に、触媒として窒化ホウ素を用いることを教示している。上述で、間違って主張されているように、窒化ホウ素は触媒ではない。高価で毒性のホットメルトと上述の‘873特許の湿式処理の方法が除外され、優れた外界温度の方法が発明者によって取り扱われている。触媒として酸化ホウ素を用いた樹脂構造(表6)が言及されていない。さらに、「柔軟性セラミック」である高温弾性積層材の製造方法が取り扱われていない。また、引張り強度を25%まで増加させ、セラミックで密閉した縁部を形成するための、レーザ処理(最大16,500℃)の使用が取り扱われていない。触媒添加用の原料として窒化ホウ素に含まれる残留酸化ホウ素を用いる経済的な利点が、言及されていない。
【0008】
ClarkeのSAE2002−01−0332論文(非特許文献2)は、ルイス酸の触媒としての高純度の酸化ホウ素について言及し、シリカがこれらのシリコン縮合重合の触媒用の自明でない抑制剤として言及されている。高コストの窒化ホウ素と酸化ホウ素は、別々に添加される。酸化ホウ素の触媒の原料として残留酸化ホウ素を含む窒化ホウ素を用いて樹脂構造を生成することや、コスト削減の利点についての言及がなされていない。さらに、高温弾性の回復(図1)を可能にする「柔軟性セラミック」の積層材の生成方法が取り扱われていない。また、引張り強度を25%まで増加させ、セラミックで密閉される縁部を形成するための、レーザ処理(最大16,500℃)の使用が取り扱われていない。また、熱が除去されたときの弾性複合材の「自己消火性」の特性が言及されていない。これは、優れた燃料を節約する柔軟性セラミック複合材の点火装置において、点火前燃焼を防ぐための必須条件である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,552,466号
【特許文献2】米国特許第5,972,512号
【特許文献3】米国特許第6,093,763号
【特許文献4】米国特許第6,161,520号
【特許文献5】米国特許第6,183,873号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Lenonis,D.A.;Tereshko,J.and CM.Andersen,Boron Nitride Powder−A High−Performance Alternative for Solid Lubrication,Advanced Ceramics Corporation,A Sterling Publication(1994)
【非特許文献2】Clarke,W.A.;Azzazy,M and West,R.,Reinventing the Internal Combustion Engine Head and Exhaust Gaskets,Clarke & Associates,SAE PAPER.2002−01−0332.(March 4,2002)pp.2−3
【非特許文献3】Thompson,Raymond,The Chemistry of Metal Borides and Related Compounds,reprinted from PROGRESS IN BORON CHEMISTRY,Vol.2,Pergamon Press,(1969)p.200
【非特許文献4】Thompson,ibid,pp212−213
【非特許文献5】Sorenson W.R.and W.T.Campbell,Preparative Methods of Polymer Chemistry,John Wiley & Sons,(1968)p.387
【非特許文献6】Rochow,E.G.,Chemistry of the Silicones,Second Edition,Wiley,(1951)
【非特許文献7】Thompson,ibid,p.217
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明者は、セラミック酸化物の触媒(表1参照)を評価し(非特許文献2)、外界温度で、ルイス酸触媒とすべき酸化ホウ素と酸化アルミニウムがサブミクロンのシリカの予期しない抑制能力を伴って、シリコン反応を活性化することを発見した。また、酸化ホウ素は、それを取り除くために高価な濾過段階を必要とする、一般的な窒化ホウ素の製品の混入物である。この多大なコスト削減の利点のため、樹脂の反応混合物を触媒するための残留酸化ホウ素を含有する低コストの窒化ホウ素の使用を開発することが、本発明の目的である。
【0012】

【0013】
さらに本発明の目的は、初期の縮合重合から硬化、熱分解、およびセラミック化した複合材製品への、全ての樹脂ブレンドの相転移に渡る酸化ホウ素の多目的の利点を開発することである。初めに酸化ホウ素は、シラノール−シラノール縮合反応を脱水させるために用いられる。また、酸化ホウ素の蒸気圧が1200℃超で測定可能となるまで(非特許文献4)、赤熱(600乃至1000℃)で安定する、安定した酸化保護である酸化ホウ素皮膜を約500±50℃で形成するとき、窒化ホウ素は、酸化ホウ素の原料(非特許文献3)としても機能する。速度制御ステップは、大抵の温度で、酸化ホウ素の界面フィルム(非特許文献4)を通した酸素の拡散である。熱が除去されるとき、高温の表面は「自己消火性」となり、燃焼機関室の過早点火を防止する際の重要な利点となる。また、酸化ホウ素は、重量ベースでより効果的な触媒であるアルミナと、両触媒がそれ以外の可能なものより大量に用いられ得る双方の触媒を抑制するシリカと、を組み合わせて用いられる。
【0014】
さらに本発明の目的は、柔軟で弾力性のある複合材の材料を設計および調製することであり、これは500℃、すなわち、過去に生じたもの(非特許文献5)より200℃高い温度で機能する一方、低温弾性密閉効果をさらに保有するだろう。同時に、これらの材料は、1000℃に熱分解されるとき、高収量セラミックを生成可能な「プレセラミック」である。
【0015】
さらに本発明の目的は、上記弾性複合材の構造から「柔軟性セラミック」の複合材の積層材を設計および調製することであり、「柔軟性セラミック」は、部分的にセラミックで、部分的に柔軟で弾性の「ハイブリッド」の複合材の構造を作成するために、構造の局所領域で熱処理された柔軟性弾性複合材の構造である。
【0016】
また逆に、これと同一のアプローチは、僅かに弾性の高温多孔質の弾性複合材(図1参照)を弾性樹脂ブレンドと共に真空充填され、150℃に樹脂を熱硬化することによって達成され、より高い熱で硬化した多孔質複合材の高耐性な回復率を有する弾性複合材を生成することが可能な(図1で明らかなように)、1セットのハイブリッドの弾性基質の複合材を生成し、僅かに弾性の基質中に高弾性樹脂の形成を保証する。
【0017】
さらに本発明の目的は、(薄片樹脂を溶かすのに十分な)過剰なアセトン中で重合が開始するのを可能にするように設計された設備において、外界温度で行われた、シリコン縮合重合から本質的に無毒の非溶媒樹脂ブレンドを生成する一方で、重合する樹脂の反応量の中に固体添加剤(窒化ホウ素、シリカ、および酸化ホウ素)を連続して一緒に混合し、これによって、高温で硬化した弾性複合材を製造するための熱的に安定した弾性樹脂ブレンドを生成することである。
【0018】
さらに本発明の目的は、複合材のシリコン重合体の材料が密閉面で必要に応じて密閉剤を放出しながら、その厚さの15%まで圧縮される、二次的な密閉剤のアプリケーションを提供するために、硬化した重合体の多孔質(図3参照)を利用する実用的な方法を提供することである。1つの操作で多孔質を充填するために発明された方法は、1つの操作で多孔質を最大12%乃至1%未満に減少させる、熱冷却である。
【0019】
さらに本発明の目的は、有機材料であるポリシロキサン樹脂が300℃以上の温度で熱分解されるときに生成される、多孔質を充填するための基質樹脂の高密度化方法(図4参照)を提供することである。高温で硬化した複合材は、300乃至1000℃で熱分解されるとき、10乃至20%の多孔質を一般的に有し、これが、図1に示すような、所望の最終的な複合材で要求される実行温度に応じた高弾性特性を有する、弾性複合材を生成する機会を提供する。
【0020】
さらに本発明の目的は、好適なセラミックの縁部をレーザ切断して製造するために、異なる複合材の強化剤を選択することによって、異なるセラミックで密閉された縁部を有する弾性複合材を提供することである。
【0021】
さらに本発明の目的は、複合材のポリシロキサンの柔軟性セラミックガスケットの製造を可能にすることであり、それはタクシー全車両(cab fleets)で最大325,000マイル(150,000マイル要件)の耐久試験を完遂できる(全試験は、機密保持契約下で行われた)。
【0022】
本発明の目的は、不連続に切断された繊維で充填した、高温(最大500℃)の「液状」ガスケットの製造を可能にすることであり、それは460V8のトラックエンジンの動力計試験を6,640時間まで行うことができる(機密保持契約下で行われた試験)。同様に、図5に示されているような、螺旋状に重なるOリングを作ることができる。
【0023】
さらに本発明の目的は、電気回路が埋め込まれた柔軟性セラミック構造として、ICエンジン点火装置が作られるのを可能にすることであり、それは最大33%の燃料節約を伴い(機密保持契約下で行われた試験)、多数の火花点火燃焼をチャンバごとに可能にする。
【0024】
本発明は、シリコン複合材の材料の弾性域を、通常の−40乃至300℃から「赤熱」の範囲内の温度にまで、すなわち600乃至1000℃の範囲のアプリケーションまで拡張する。重合体基質の複合材は、窒化ホウ素およびシリカ添加剤を含む、高、中、および任意の低分子量のシリコン樹脂と強化剤材料とを含む。樹脂ブレンドが、複合材を作るために強化剤と組み合わされ、200乃至1000℃で熱硬化される場合、10,000,000サイクルの15%圧縮疲労サイクル試験(ASTM−F−36 Rev.95)からの回復率は、500℃超の硬化温度の増加と共に低下する。逆に、これらの同一の多孔質複合材(750℃まで熱硬化された)は、予想に反して樹脂ブレンドと共に「高密度化」処理される場合、95%より大きい回復率で同じ10,000,000の疲労サイクルに予期せず耐える(図1参照)。複合材は、1000℃に達する持続性およびスパイク性の温度で排気ガスの密閉漏れや溶け落ちもなく、4年以上内燃(IC)機関で加圧された排気マニホルドの厳しい温度に耐えた。複合材は、FAAの火炎浸透、溶け落ち、熱放出(<10kW/m)、煙密度、およびBSS7239によるボーイング毒性試験を通過した。
【0025】
酸化ホウ素は、多目的の添加剤である。酸化ホウ素は、高熱特性を有する弾性重合体を生成するために、シラノール−シラノール縮合反応を脱水するが一方、同時に、シリカと組み合わせた添加剤の反応混合物の窒化ホウ素の部分が、強化されたポリシロキサン複合材内に優れた柔軟性弾性基質の形成を可能にし、これは1000℃までシリカ単独または窒化ホウ素単独では不可能である(図2参照)。前駆体のシリコン樹脂の有機物質を300乃至1000℃で焼去することが、ハイブリッドの弾性基質を有する新しい弾性複合材を作成する機会を提供する、これは、図4に示すように、樹脂ブレンドと共に高温硬化した複合材の10乃至20%の多孔質を高密度化処理することによって作られる。
【0026】
複合材が、それらの構造の局所領域で熱処理されるとき、加熱領域が高収量(>90%)のセラミックになる一方、非加熱領域は柔軟に維持される。熱分解したプレセラミックおよびセラミック領域の多孔質は、急速熱冷却において高温弾性基質の含浸剤で充填され、所望の弾性性能の温度にまで硬化された。一方、レーザ切断されたセラミックまたは耐火性繊維で強化された弾性積層材は、Flexible Ceramics(商標)と呼ばれる、セラミックで密閉された縁部を有する柔軟性複合材を生成する。セラミック繊維の変更が、異なったセラミックで密閉された縁部を生成する。
【0027】
全体を通して使用された多機能触媒は、酸化ホウ素であり、これは商業的に反応生成された窒化ホウ素の残留成分として供給され得る。このアプローチは、酸化ホウ素の除去に必要とされる高価な抽出操作を除去する際に、多大なコスト削減を提供する。
【0028】
樹脂ブレンドの処理能力は、外界温度の非溶媒プリプレグ処理と、多段プレス式の「ブックスタック(book stack)」の積層された部分を、ある多段部分のコスト上利点のある操作で、多数のスタックにレーザ切断するのを可能にする熱障壁材と、熱冷却で含浸され、セラミックで密閉された積層材縁部のレーザ切断による形成と、隆起したコーティングおよび識別マークを有する大きな構造で、シルクスクリーンした複数部分の樹脂注入による成形処理を含む。
【0029】
さらに、樹脂ブレンドの生成物は、Oリングと、高温粘弾性の工学ガスケットに「熱形成(pyroformed)」させることができる密閉剤で充填したマイクロロッドと、接着剤と、表面および表面の摩耗の保護コーティングと、酸化保護コーティングと、多孔質を保存した低公害コーティングと、圧力作動型の締結ねじの高温接着剤と、ガラス接着剤のPyrex(商標)と、高温のコンピュータ基板および締結具と、絶縁材および断熱材と、最大33%の手頃な燃料節約装置とを含む。
【0030】
多くのプロトタイプ部品が生成され、これらは、ディーゼル、内燃(IC)、および1000℃まで動作するタービンエンジンのほとんどのエンジン部品が、樹脂ブレンドで生成された繊維強化の優れた高温弾性複合材で生成され得ることを実証した(機密保持契約試験の下)。実施例は、エンジンブロック、シリンダヘッド、エンジンガスケット、プッシュロッド、バルブ、ピストン、ブレーキ、多数の点火燃料節約装置、タービンエンジン燃焼ライナ、圧縮ブレード、ディーゼルエンジンヘッドと排気ガスケットとロケットモータ、防火壁、および高温粘弾性の排気マニホルド、パイプ、触媒コンバーターガスケットおよび密閉剤を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、硬化温度の関数としての積層材の厚さの回復率のグラフである。
【図2】図2は、ガラス繊維で充填されたポリシロキサン積層材の熱重量分析走査である。
【図3】図3は、事後硬化温度の関数としての多孔質百分率のグラフである。
【図4】図4は、シリコン樹脂高密度化サイクルのための処理である。
【図5】図5は、柔軟性セラミックおよび多層スチールガスケットの圧力減衰曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
「柔軟性セラミック」による内燃機関排気マニホルドのガスケットの耐久性試験(機密保持契約下)は、最大500℃(932゜F)の「スパイク性」温度で、最大350,000マイルおよびそれを超えるタクシー全車両の耐久性試験(通常自動車の要求は150,000マイルである)を遂行できることを明らかにした。図1は、圧縮回復率が、排気ガスケットのクランプ表面の実行温度が200℃で約87%であり、400℃で63%であることを示している。
【0033】
上記の製品性能を達成するために、樹脂ブレンドの添加剤の材料は、高柔軟性かつ耐熱性の特性を有するものが選択される。固有の樹脂ブレンドは、通常、3つのシリコン樹脂と2以上のセラミックの添加剤から混合される。樹脂ブレンドの「プリプレグ材」から生成された複合材の弾性圧縮の回復性能(図1参照)を達成するために、いくつかの異なった複合材要素が利用され、最も重要なことは、樹脂ブレンドの組成と処理方法である。樹脂ブレンドは、高分子量の「薄片樹脂」と、中程度の分子量の液状シリコン樹脂の前駆体と、選択的に低分子量のシリコン樹脂から形成される。これらの樹脂は、表2(非特許文献6)に列挙されるように、異なる機能を持つように選択される。
【0034】

【0035】
同様の機能を示す、様々なポリシロキサン低重合体が当該技術分野で既知である。しかしながら、それらの高い熱安定性のため、本発明の最も好適な有機基は、メチル基またはフェニル基である。
【0036】
典型的な樹脂ブレンドが、好適な添加剤系と共に表3で与えられる。
【0037】

【0038】
表4では、好適な商業上利用可能な樹脂を用いる構造が説明される。
【0039】

【0040】
添加剤
好適な樹脂ブレンドの添加剤は、シリカおよび2±1.0重量%の残留酸化ホウ素を保有する窒化ホウ素である。これらの添加剤は高い熱特性を提供する。
【0041】
シリカ/窒化ホウ素
シリカが、酸化ホウ素によって触媒されたシリコン樹脂の反応塊が177℃で「ゲル」に到達(表1)するのに掛かる時間を低速することがClarke(非特許文献2)によって発見された。この性能を用いるとき、シリコンの反応塊は、高弾性の直鎖(Si−O−Si)の成長の増加と共に、高分子量のシリコン重合体の構造を好む過剰なアセトン内で、外界温度で緩やかに重合する。さらに、シリコン樹脂の反応塊に添加されたシリカと窒化ホウ素の混合物は、シリカまたは窒化ホウ素のみを用いて生産できない、高温弾性特性を有する超柔軟な弾性重合体を生成する。
【0042】
シリカのみでは、300℃超で非弾性になるように、重合体率を増加するであろう。提案された16重量%で窒化ホウ素のみでは、過度に可塑化した軟質で低率の弱い重合体を生成し、ガスケットとして負荷する層間せん断に合格しないであろう。しかし、窒化ホウ素およびシリカが100部の重量比で10/6または20/6部の樹脂ブレンドである場合(表5)、シリカが850℃まで潤滑剤として熱的に安定する、窒化ホウ素の可塑化効果を補うためにその率を増加させているため、酸化ホウ素の処理によって生成された弾性重合体が、500℃まで熱的に安定した高温柔軟性弾性重合体になるであろう(非特許文献4)。
【0043】
窒化ホウ素および残留酸化ホウ素
2.0±1.0重量%の酸化ホウ素を保有する窒化ホウ素は、この好適な残留酸化ホウ素を選択的に提供できるMomentive Performance Materials社(等級SAM−140)およびZYP Coating社(等級ZPG−18および19)から、ならびに商業上の合成および浸出生成操作による窒化ホウ素の内部から酸化ホウ素を入手可能である。2%の残留酸化ホウ素を保有する窒化ホウ素の凝集塊は、処理効率およびコスト上の利点において、高純度の窒化ホウ素(別個の触媒の添加を必要とする)より優れている。
【0044】
残留酸化ホウ素を含有する残留窒化ホウ素は、表3に示すように、通常、全100部の重量につき20部まで添加される。そして、残留酸化ホウ素を含有するサブミクロンの窒化ホウ素が約16重量%の樹脂ブレンドとなり、シリカが4.8重量%で添加される。
【0045】
窒化ホウ素は、100℃未満の外界からごく僅かな加水分解を受けやすいが(非特許文献7)、その温度が100℃を超える場合;特にオートクレーブ処理において、窒化ホウ素の加水分解が、有毒なアンモニアを容易に生成する、これは発明者によって観察された。
【0046】
窒化ホウ素の加水分解は、以下の処理手順によって制御される。
(1)水分またはアンモニアのない残留酸化ホウ素を含有する窒化ホウ素が購入され、適切な乾燥剤、通常はCaClと共に容器に密閉される。
(2)重合体の反応は、真空含浸下で実施されるため、加圧熱は、水の発生がごく僅かになるまで水の沸点未満に制限され、その後、150℃まで上昇を許され、ここで全圧が印加される。
【0047】
さらに、シリカおよび窒化ホウ素は、表5に示すような構造で用いられる場合、樹脂ブレンドの弾性状態を熱的に安定化することが予期せず観察された。
【0048】

【0049】
固有のブレンド方法、アセトン混合そしてアセトン除去
樹脂構造を混合する固有の方法が発見された。その方法は、通常25部の薄片樹脂を溶解するのに必要な最小量の無水アセトンが表4に示す好適な構造に添加されるのを取り込む。その方法は、添加剤を混同し、アセトンを除去する設備(アセトンを回収できる)を用い、それらは、樹脂の前駆体の初期重合化を保証するように互いに結合され、樹脂ブレンドが外界温度で緩やかに生成されるように、全体に一様にサブミクロンの固体添加剤を取り込む。
【0050】
この特異な設備は、窒化ホウ素の微粒子に含まれる酸化ホウ素の触媒が、アセトンが取り除かれる際に、長鎖シロキサン結合Si−O−Siを形成するように、Si−OH基の脱水を一様に活性化することができることを保証する。この処理では、シラノールで終端されたポリシロキサン上のSi−OH基と、シルセスキオキサン重合体上の残留するSi−OH基との間で、おそらく脱水が起こり、重縮合および浸透する網状組織の形成を導く。混合が約1%に至るまでの間、16%の混合物でアセトンが取り除かれる。
【0051】
樹脂ブレンドの混合およびアセトンの除去の間、一般に177℃で2乃至10分の範囲の「ゲル」の反応時間にチェックされる。必要に応じて酸化ホウ素またはシリカを加えることによって調整を行うことができるが、一般にこれは不要である。
【0052】
プリプレグ材
生成されるプリプレグ材が、最終部品を所望に成形された最終積層厚さへと正確に成形するために要求される必要な組成を有するのを保証するべく、含浸生成物を調製する前に、表7aおよび7bに与えられた値を計算することは当該技術分野の一般的な慣習である。エクセルのスプレッドシートは、積層材の特性範囲を示す表8の計算式を生成するために一般に用いられる。表7aおよび7bは、自動車産業および航空宇宙産業で一般的な2つの異なる繊維であるガラスおよびセラミック生地について計算されたプリプレグ材および成形された積層材の特性の例を提供する。
【0053】
表7aおよび7bは、繊維で強化されたポリシロキサン複合材の硬化層の厚さtを正確に予測し、樹脂ブレンドのポリシロキサンで硬化された積層材のSガラス6781およびEガラス1583の強化剤について計算された。また、これらの表は、異なるレベルの強化剤の組成ならびに要求されるプリプレグ材の組成での硬化した積層材の硬化層の厚さtと、各々の厚さの積層材を生成するのに必要な重量Wとを予測する。
【0054】
溶媒または熱を要求せず、外界温度で、コスト上効果的に、完全な含浸が行われる。標準的な測定ブレードである、「オーバロール」または高速の「リバースロール」含浸設備が生地を含浸するために用いられる。生地は、ガラス(Eガラス、Sガラス、石英、または化学変化したこれらの変形物)、Nextel(登録商標)、または耐火性(例えば、ジルコニア)の高温繊維、あるいは高度な複合材である繊維産業によって提供される模様または形式の黒鉛またはピッチの繊維の何れでも良い。黒鉛またはピッチの生地を用いる場合には、無電解の金属(ニッケルまたはアルミニウムのような)でコーティングした繊維が、これらの高度な複合材である、高性能の機械的特性を有するポリシロキサン基質の複合材を生成するのに好適である。酸化ニッケルは、ちょうど酸化アルミニウムが接着強度の増加を保証するように、シリコン樹脂ブレンドを活性化する。
【0055】

【0056】

【0057】

【0058】
多数のスタックをレーザ切断するためのナイロン生地の熱蒸発の熱障壁
プリプレグ材は、ナイロン生地の目に見えない層(例えば、Cramer Fabrics社製の形式P2220)によって分離された、積層材のスタック(「ブックス(books)」と呼ばれる)で処理され、発明者が広範囲のレーザ試験を通して発見した剥離層は、多数のスタックをレーザ切断するための熱障壁を提供する。これは、スタックされた各積層材の可燃性の上部および縁部を熱蒸発せずに、1つのレーザ切断の操作で、複数の部分を切断するのを可能にする。
【0059】
スタックされた繊維で強化されたポリシロキサンプリプレグ材の積層処理
各プリプレグ層の各層は、通常均衡のとれた構造に成形され、例えば、1mmの厚さのガスケット用の4層の積層材は、(0度、+60度、−60度、90度)の均衡のとれた構造で成形され(非特許文献2)、ここでは縦糸が0度の初期基準として任意に選択される。
【0060】
典型的な多重にメッキされ、スタックされた積層材のプレス成形サイクルは、外界で適用された前処理、次いで10分間の真空浸漬、次いで95℃までの30分間の加熱サイクルから成り、これは縮合反応による水損失がごく僅かになるまで維持され、次いでその加熱サイクルは150℃で維持され、ここでは200psiの全圧力が印加され、次いで190℃で2時間の硬化が続く。
【0061】
自動車産業または航空宇宙産業のガスケットなどの生成物を作る場合、複合材の積層材の厚さが主要なコストおよび性能の要因であることが、発明者によって観察された。積層材の一様な厚さは、927℃の「スパイク性」の排気ガス温度で動作する排気マニホルドのガスケットの高耐久性の密閉を保証するための最も重要な品質制御能力要件である。積層材のガスケットの圧力減衰試験(表9)は、耐久性が拡張されるのを保証するために、厚さの最大値の標準偏差が±0.45×10−3インチより大きくすべきでないことを示している。表7aの組成要件で作られ、上記厚さの標準偏差の制限で成形された積層材は、(機密保持契約下の)タクシー全車両試験で(150,000マイルを超える試験要件)325,000マイルまで4年以上良好に機能した。
【0062】

【0063】
硬化した積層材のブックスタックのレーザ切断
レーザ切断の手順は、セラミック繊維が積層材の強化剤に用いられることによって、セラミックで密閉した切断縁部を生成する、窒素パージを有する二酸化炭素レーザを用い、レーザ切断部分は機械的にせん断された部分と比べ、最大25%の高い引っ張り強度を有する。以下の好適な二酸化炭素粉末の設定は、多数のスタックの積層材を最大16,500℃の焦点で積層材の切断縁部を蒸発すべく、切断するために用いられる。多数の積層材のブックスタックをレーザ切断するための典型的な粉末設定は、以下の通りである。
二酸化炭素生成レーザ切断の設定:
焦点距離 7インチ(17.78cm)
ビーム直径 0.6インチ(1.52cm)
レーザ波長 10.6micron
焦点直径 0.124inches(0.0315cm)
レーザ出力 3500watt
レーザ出力/面積 4.5×10 watt/m
焦点温度 16,785K(16,510℃)
【0064】
多数のスタックの積層材のレーザ切断は、次の自明でない材料および処理を用いることによって、重要なコスト上の利点を達成する:
(1)熱障壁であるナイロン生地は最初に、多数の積層材が界面の熱蒸発から保護されるのを可能とする「ブックスタック」に一体成形された積層材の間に配置される。
(2)窒素パージは、1.5mmのノズル間隙で、切断する焦点を覆うように適用され、2mmのノズル開口部から142psiで窒素ガスを放出する、そして
(3)好適な二酸化炭素粉末の設定(上に示す)は、積層材のスタックが切断されるようにそれを蒸発する最大16,500℃の焦点を用いて、多数のスタックの積層材を切断するために用いられるが、熱保護されたナイロン生地のセパレータの剥離層によって保護される積層材の界面は切断されない。出力設定は、10乃至20の積層材のブックスタックが必要に応じてより高い切断能力を有する時にレーザ切断されるのを可能にする。
【0065】
圧縮−回復疲労試験
樹脂ブレンドで生成された積層材が標準的なガスケットボルトのトルク条件下で圧縮される場合、それらは通常、それらの初期の厚さを10%圧縮しうる。表面コーティング剤が添加される場合、圧縮された厚さは、表面コーティング剤の型に応じて12乃至15%へ増加しうる。表7aは、0.267mmの非圧縮の硬化層の厚さtについて、0.241mmというtに対する10%の圧縮が、硬化した積層材の強化剤の体積Vを52%乃至56%へ変化させ、それは、機械的に補助された弾性回復率に対する複合材繊維の限界特性をより高度に実現することを示している。体積の変化は初めに、基質の厚さの変化を引き起こす、印加されたボルトのトルク圧縮による、基質および表面コーティングする多孔質の崩壊によるものである。この圧縮された強化剤は、印加された負荷が解放されるまで、圧縮負荷を抑制するように応答する。
【0066】
次の機械的特性は、315℃で硬化された表7aの積層材で見つけられる:

【0067】
図1は、15%圧縮および異なる温度での10,000,000の圧縮回復サイクル後の積層材の厚さの回復率、例えば、200℃で87%の回復率があり、400℃で約63%の回復率があることを示している。また、スチールのボルトで締められ、アルミニウムで固定された複合材の接点が熱ければ熱いほど、閉じ込められたポリシロキサン基質によって及ぼされた圧力を密閉する異方性の熱膨張がより大きくなる。対照的に、−40℃の温度で作動する最小の自動車エンジンの設計において、その基質の弾性回復率が、コールドスタートによる破裂を防ぐ。排気マニホルドの圧力より高い圧力下での大幅な熱衝撃試験は、熱の循環能力を検証するために利用される。
【0068】
多孔質の利点
図3および表7によって示された重要な考慮事項は、多孔質が柔軟性積層材の性能において果たす重要な役割である。初めにガスケットが成形されるとき、1%の多孔質の許容量は、0.0095インチの硬化層の厚さtに対して、50.2%の繊維体積率V%を提供する。1mmまたは0.039インチの厚さである、標準的なガスケットに4層あるため、圧縮されるのに所望な厚さは、0.039/4=0.010インチである。10%の圧縮を許容する際、成形された厚さとしての初期値は、t=0.043/4=0.011インチで、0.039/0.90=0.043である必要がある。
【0069】
図3は、ガスケットが異なる温度で硬化される場合に生成される多孔質を示している。初めに成形されたとき、硬化温度は約1%の多孔質を伴う177℃であり、400℃で事後硬化したとき、多孔質は約11%である。10%の圧縮は基質の外側の置換を最小化する11%の多孔質によって吸収されるため、繊維+フィラーの体積は、ほぼ一定である。また、多孔質は、硬化した重合体の基質および表面コーティング中に生成される。表7は、tが0.011インチで、繊維+フィラーの体積率V%が54.9%であることを示している。表10は、多孔質を11%から1%まで減少して、積層材が10%圧縮されるまで、表面密閉剤を密閉して蓄えるために多孔質を用いるという、自明でない発見を示している。また、多孔質が自由に圧縮を吸収できない場合、基質中に生じる、外側の置換の程度を多孔質が低減させる(表10参照)。
【0070】
100部の樹脂を構成するために、65重量部のDow Corning 233の薄片樹脂を35部のDow Corning 3037の中分子量の液状樹脂に加え、これに20部の窒化ホウ素と6部のシリカが加えられ、25部のアセトンと共に混合することで作られた、高密度化樹脂ブレンドで、多孔質が充填される。図4は、この深く浸透する樹脂ブレンドが高密度化のためにどのように用いられるかを示している。
【0071】

【0072】
熱冷却処理
さらに、急速熱冷却の熱処理の過程は、熱分解された多孔質重合体またはセラミック生成物を含浸させるために用いられ、例えば、12%の多孔質が1つの操作で1%未満にもたらされる。これと同一の熱冷却処理は、高温液体充填剤またはOリングシールのためのロッドの強化剤を生成するために、1つの操作で組みひもおよび撚糸の巻物を急速に含浸するために用いられる。本質的に表6の全ての樹脂構造は、最終的な積層材の硬化温度から熱冷却することができる。例外は、「熱形成」された粘弾性ガスケット型の生成物を作るために、樹脂を充填したロッドを用いるときである。
【0073】
プロトタイプ部品
多くのプロトタイプ部品が(機密保持契約下で)作られ、これらは、500乃至1000℃で作動するディーゼル、内燃(IC)およびタービンエンジンの大抵のエンジン部品が、樹脂ブレンドで生成された繊維強化の複合材で生成され得ることを実証した。サンプルは、エンジンのガスケット、プッシュロッド、バルブ、ピストン、ブレーキ、多数点火燃料節約装置、タービンエンジンの燃焼ライナ、圧縮ブレード、ディーゼルエンジンヘッドと排気ガスケットとロケットモータ、防火壁、および液体排気ガスケット、および高温充填剤を含む。
【0074】
試験
(機密保持契約下の)試験は、ICエンジン動力計上で広範囲であり、これはタクシー全車両試験および深い熱衝撃、ヘッドガスケットおよび多数火花点火のプロトタイプの蒸気試験を含んでいた。自動車の冷却剤、オイル、および燃焼ガスの密閉剤は、(機密保持契約下の)主要な自動車会社で試験および見直され、これは全車両試験を含んでいた。液状排気ガスケットおよび多数点火の複合材装置は、最近の開発であり、これが現在の高くつく汚染、および自動車のICエンジンのCAFEによる標準性能要件を満たす燃料の燃焼効率を解決した。
【0075】
FAAの標準的な試験下における発明品の火炎保護試験は、航空機内部、貨物専用コンテナ、防火用毛布、および防火壁の要件である、FAAの主要な試験要件を通過する、優れた性能の発見を立証した。複合材は、FAAの火炎浸透、溶け落ち、熱放出(<10kW/m)、煙密度、およびBSS7239によるボーイングの毒性試験を通過した。
【0076】
Ford Crown Victoria社の4.6リットルのV8エンジンFCおよびMLSの排気マニホルドのガスケットは、圧縮減衰を用いて比較して(機密保持契約下で)テストされ、標準的な埋め込みボルトと止めナットを用いてアルミニウムと鉄で密閉する表面の間にボルトで固定され、350℃でオーブン内に置かれたガスケットを用いて初期の圧力30psiが適用されることにより測定された。図5に示す圧縮減衰曲線は、激しく漏れたMLSガスケットと比べて、FCガスケットが本質的に漏れがなかったことを示している。また、FC排気ガスケットの基質材料が排気マニホルドの充填材として用いられた場合も、Ford 460のV8トラックエンジンの権利を有するJasper Engine Company Generators社において(機密保持契約下で)1年間評価された。全エンジンは、トラックエンジンの耐久度である400,000マイルに等しい6640時間の間、問題なく機能した。タクシー全車両試験は、Crown Victoria社の4.6リットルのV8エンジンの排気マニホルドの複合材ガスケット試験において、350,000マイルを超えて機能する際の耐久度を確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン樹脂ブレンドであって、
高い分子量(MW)の「薄片シリコン樹脂(flake silicon resin)」と、
中MWの液状前駆体と、
選択的に低MWの液状樹脂、例えば5000MW、と、
20/1乃至2.5/1の重量比で凝集する樹脂中の、触媒としてのサブミクロンの酸化ホウ素/窒化ホウ素の凝集塊であって、前記樹脂は樹脂の何れかまたは組み合わせにでき、前記酸化ホウ素/窒化ホウ素の凝集塊の酸化ホウ素の成分は、前記酸化ホウ素/窒化ホウ素の凝集塊の成分の0.5乃至5重量%である凝集塊と、
例えば、サブミクロンのシリカまたは微細に分離したシリカゲルなどのサブミクロンの耐火性フィラーと
を含むことを特徴とするシリコン樹脂ブレンド。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂ブレンドにおいて、
前記薄片樹脂は、フェニルシルセスキオキサンのユニットを含むジメチルシロキサン重合体であることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項3】
請求項1に記載の樹脂ブレンドにおいて、
前記液状の中MWのシリコン樹脂は、メトキシ基で終端されたメチルシルセスキオキサンを有するジメチルシロキサン重合体から成る群から選択され、前記液状の低MWのシリコン樹脂は、シラノールで終端された、ポリジメチルシロキサンとそれらの混合物から選択されることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項4】
請求項1に記載の樹脂ブレンドにおいて、
前記薄片ならびに中MWのシルセスキオキサンおよびポリジオルガノシロキサンは、籠状分子構造を含む前駆体から選択されることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項5】
請求項1に記載の樹脂ブレンドにおいて、
前記耐火性フィラーは、サブミクロンの酸化ホウ素/窒化ホウ素の凝集塊、酸化ホウ素(またはそれらの酸)、窒化ホウ素、シリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲル、珪藻土、シリコン炭化物、アルミナ、ジルコニア、およびそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項6】
請求項1に記載の樹脂ブレンドにおいて、
前記耐火性フィラーは、図1に示すような弾性回復率を保有するポリシロキサン複合材のマイクロロッドを強化した、部分的に硬化した1Dおよび2Dの耐火性およびセラミック繊維(例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、SまたはEガラス、Nextel(登録商標)繊維)の形態で提供されることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項7】
請求項1に記載の樹脂ブレンドにおいて、
請求項2、3、4、5および6に記載の前記特徴が組み込まれたことを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項8】
請求項2および3に記載の樹脂ブレンドにおいて、概算重量部中に、
(1)フェニルシルセスキオキサンを含有するジメチルシロキサン重合体40乃至70部と、
(2)メトキシ基で終端されたメチルシルセスキオキサンを含有するジメチルシロキサン重合体5乃至25部と、
(3)シラノールで終端された、ポリジメチルシロキサン5乃至25部と、
(4)サブミクロンの凝集塊である酸化ホウ素/窒化ホウ素の触媒5乃至40部と、
(5)2±1.0重量%での(4)の酸化ホウ素の触媒成分0.08乃至1.0部と、
(6)(サブミクロンの)シリカおよび請求項5に記載の他のフィラー3乃至15部と、
を含むことを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項9】
請求項2および3に記載の樹脂ブレンドにおいて、概算重量部中に、
(1)フェニルシルセスキオキサンを含有するジメチルシロキサン重合体65部と、
(2)メトキシ基で終端されたメチルシルセスキオキサンを含有するジメチルシロキサン重合体10部と、
(3)シラノールで終端されたポリジメチルシロキサン25部と、
(4)サブミクロンの凝集塊である酸化ホウ素/窒化ホウ素の触媒20部と、
(5)2±1.0重量%での(4)の酸化ホウ素の触媒成分0.3乃至0.5部と、
(6)(サブミクロンの)シリカおよび請求項5および6に記載のフィラー6乃至20部と、
を含むことを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の樹脂ブレンドにおいて、
プリプレグ材が30乃至80重量%の強化剤(表7aおよび7b参照)および20乃至50重量%のフィラーを加えた樹脂成分を有し、前記プリプレグ材の樹脂ブレンドの構造は、1.27±0.25gm/ccの特有の重量を有していることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項11】
請求項10に記載のプリプレグ材において、
熱および圧力(100乃至300psi)で硬化された場合に、前記強化剤の容量%が30乃至70%であり、フィラー添加剤を加えた前記樹脂の容量%が35乃至75%である、複合材の性質に変換され、フィラー添加剤を加えた前記硬化樹脂の重合体の基質は、1.33±0.25gm/ccの特有の重量を有していることを特徴とするプリプレグ材。
【請求項12】
請求項10に記載のプリプレグ材において、
前記溶媒が重量で3%未満であり、外界温度で厚い(0.015乃至0.020インチの)強化剤(例えば、Eガラス1583および3783で織られた生地)を含浸させ、本質的に外界温度で無臭および無毒であることを特徴とするプリプレグ材。
【請求項13】
請求項10に記載のプリプレグ材において、
前記樹脂ブレンドは、a)150℃でエラストマーフィルム(これは100乃至400フィート/分の高速の「リバースロール」フィルムの含浸設備において、外界温度で強化剤をフィルムに含浸するのに同様に用いることができる)を形成することを特徴とするプリプレグ材。
【請求項14】
複合材において、
(a)30乃至70容量%の請求項11に記載の強化剤材料と、
(b)35乃至75容量%のフィラー添加剤を加えた前記樹脂と、
を含むことを特徴とする複合材。
【請求項15】
請求項11に記載の複合材において、
1.33±0.25gm/ccの特有の重量で、熱硬化樹脂およびフィラー添加剤の基質を有することを特徴とする複合材。
【請求項16】
請求項11に記載の多孔質複合材において、
異なる温度で硬化した表7aの複合材に対して、ASTM−F−36 Rev.95の手順Aによる10,000,000の圧縮サイクルで15%圧縮後の、前記複合材の積層の厚さの回復率は、一般的な200℃で87%の回復率、および400℃で63%の回復率を示す(図1の多孔質硬化複合材を参照)を示すことを特徴とする多孔質複合材。
【請求項17】
請求項11に記載の弾性非多孔質複合材において、
17±2%圧縮後の前記複合材の積層材の厚さの回復率は、200乃至750℃で熱硬化した表7bの複合材の試験片に対して、10,000,000の圧縮回復疲労サイクル(ASTM−F−36 Rev.95の手順A)を完了した後、95±2%であり(図1の弾性非多孔質複合材を参照)、熱硬化した後のこれらの試験片は、65部のDow Corning 233および35部のDow Corning 3037の前記樹脂ブレンド、20部の窒化ホウ素(BN)および6部のシリカで真空含浸され(図4参照)、150℃で30分間事後硬化されたことを特徴とする弾性非多孔質複合材。
【請求項18】
請求項17に記載の複合材において、
前記試験片は、疲労試験されていないが、850および950℃で熱硬化および真空含浸後、17±2%の圧縮から96±2%の回復率を有することを特徴とする複合材。
【請求項19】
請求項16に記載の複合材において、
表7bの複合材の材料から製造された前記複合材の積層材は、Ford社4.6リットルのV8 Crown Victoriaエンジンを有するDesert Cab Company社のタクシーに構築された、排気マニホルドの弾性圧縮回復ガスケットとして、成功裏に350,000マイル(試験要件150,000マイル)のタクシー全車両の耐久試験を(機密保持契約下で)完了し、前記試験は、本質的に持続する871℃および982℃のスパイク性の温度で、燃焼する排気ガスの4年間の密封であることを特徴とする複合材。
【請求項20】
請求項11に記載の複合材において、
不連続のEガラス繊維で充填された「液状の排気マニホルドガスケット(liquid exhaust manifold gasket)」として構成され、通常の燃料より高温で燃焼する(請求項19に記載の温度参照)メタンガスを用いて燃料供給された、Ford 460トラックのV8コジェネレーターエンジン上で、6000時間(400,000マイルと等価)の動力計試験(機密保持契約下)を超える、Jasper Engine Rebuilders社での9ヶ月の試験を成功裏に完了させたことを特徴とする複合材。
【請求項21】
請求項19に記載の複合材において、
前記複合材は、16500℃でレーザ切断される場合、弾性複合材の周囲に保護的なセラミックで密閉された縁部を形成し、Sガラスの生地で強化した複合材の密閉する縁部はアルミナである、すなわち、強化剤の型が前記セラミックで密閉した縁部の材料を決定することを特徴とする複合材。
【請求項22】
請求項17に記載の複合材において、
多孔質複合材に硬化された場合、前記複合材は1000℃で90%より大きいセラミックの収量を有し、真空含浸された場合、前記複合材は「柔軟性セラミック」を形成することを特徴とする複合材。
【請求項23】
複合材の製造方法において、
1)反応塊が外界温度で進行する際に、溶媒が抽出される回転容器内で前記樹脂ブレンドおよび添加剤を混合するステップと、
2)前記溶媒のない樹脂を外界温度で強化剤に含浸させるステップと、
3)予成形を100℃で行い、次いで熱/圧力硬化によってプリプレグ材を硬化するステップと、
4)弾性非多孔質複合材を提供するために、請求項17による真空含浸物を選択的に添加するステップと、
5)セラミックで密閉された縁部を有する、最終的な複合材の部品を提供するため、16500℃でレーザ切断するステップと
を含むことを特徴とする複合材の製造方法。
【請求項24】
請求項1に記載の樹脂ブレンドにおいて、
前記触媒が、ヘキサン酸亜鉛のような従来の有機金属、またはアルミナのような酸化金属、あるいは好ましくは酸化ホウ素の過剰酸化物のない窒化ホウ素と共に別個に加えられたホウ素酸化物であることを特徴とするシリコン樹脂ブレンド。
【請求項25】
請求項11に記載の樹脂ブレンドにおいて、
前記添加剤は、液体、固体潤滑剤、小球体、テフロン(登録商標)、硫化モリブデン、または窒化ホウ素用に好ましいそれらの混合物から成る群から選択された潤滑性材料であることを特徴とするシリコン樹脂ブレンド。
【請求項26】
請求項11に記載のシリコン樹脂ブレンドにおいて、
前記複合材は、火炎浸透、溶け落ち、熱放出、煙のためのFAA試験およびボーイングの毒性試験を通過したことを特徴とするシリコン樹脂ブレンド。
【請求項27】
前記強化剤材料は、フィラー、複合材、不連続繊維、連続繊維、部分的に硬化し、細断された、組みひもで強化された複合材のロッド、撚糸およびそれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項10に記載のプリプレグ材。
【請求項28】
請求項10に記載のプリプレグ材において、
前記強化剤材料は、ガラス、カーボン、ピッチ、カーボン繊維のひげ結晶を蒸散成長させたプレセラミック(炭化ケイ素、窒化ケイ素など)から成る連続繊維の群から選択されることを特徴とするプリプレグ材。
【請求項29】
請求項23に記載の複合材の製造方法において、
前記樹脂ブレンドは、前記強化剤の中に含浸させた溶媒を介して湿式含浸される、または前記樹脂ブレンドは、前記強化剤の中に前記樹脂をホットメルトさせるために加熱されることを特徴とする複合材の製造方法。
【請求項30】
請求項1に記載のシリコン樹脂ブレンドにおいて、
前記耐火性の添加剤は、ケイ酸塩、シリカ、ホウ化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ヒュームドシリカ、炭化ホウ素のような反応器で生成されるセラミック微粒子から成る群から選択されることを特徴とするシリコン樹脂ブレンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−506618(P2011−506618A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513247(P2010−513247)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/007667
【国際公開番号】WO2008/156821
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(509347620)フレキシブル セラミックス,インク.ア カリフォルニア コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】