説明

高粘性洗剤エマルジョン

連続的水相、15〜50wt%を含む効果的な汚れ除去量のアルカリ源および2〜30wt%の非イオン性界面活性剤、0.1〜10wt%を含む効果的な水調整量または金属イオン封鎖量の水調整剤または金属イオン封鎖剤、0〜10wt%を含む効果的な汚れ除去量およびエマルジョン安定化量のアルキルポリグルコシド界面活性剤、1〜25wt%を含む効果的な増粘化量のポリカルボン酸、0.25〜5wt%を含む効果的な増粘化量の脂肪酸を含む相安定性の増粘化されたエマルジョンを含む液体クリーナー濃縮組成物であって、分散相が、非イオン性界面活性剤の一部分を含み、そして該増粘されたエマルジョン濃縮物が製造および使用の間に吐出を可能にするずり減粘を示し、そして粘度が20℃においてBohlin CVOレオメーターを使用して、0.2/秒のずり速度の回転せん断モードで測定して、100、000cP超を含む、組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減少した水濃度(アルカリ度等の高濃度の活性材料および界面活性剤)によって特徴付けられる高粘度、相安定性アルカリ性クリーニング濃縮物または組成物、ならびにそれらの使用およびそれらの調製の方法に関する。工業用途または企業用途において、この材料は相安定であり、非常な高粘度を有するが、しかし、(使用場所において水と容易に混合され、水性クリーナーを生成させる)使用場所へ自動またはブログラム可能なディスペンサーから吐出可能なままである。この増粘されたエマルジョンは容易に作られ、そして洗濯、食器洗浄(ware washing)、定置洗浄および乳製品用途における汚れ除去において効果的である。この組成物は、高いアルカリ性および界面活性剤接触により、改善されたまたは高められた汚れ除去特性を提供する。
【背景技術】
【0002】
クリーニング組成物は、固体ブロック、粒子状および液体形態に調合されてきた。固体形態は、高濃度の活性剤(actives)を提供するが、クリーニング液体を生成させるために水中に溶解される必要がある。近年の実質的な試行は、液体洗剤濃縮物および特に、エマルジョン形態の液体洗剤に向けられてきた。そうした洗剤濃縮物は、典型的には固体ほど高活性ではなく、そして多くの場合50%超が水である。洗剤エマルジョン濃縮物は、多目的クリーナー、食器洗浄洗剤として用いられ、そして濃縮物を水で希釈することによって、硬表面をクリーニングするための調合物中で用いられてきた。
【0003】
典型的なエマルジョン液体は、60%未満の活性剤、10%未満の界面活性剤、30〜40%未満のアルカリ度剤である。従来技術のエマルジョンの多くは、充分に相安定ではなく、これは従来技術のエマルジョンの多くが種々の用途における貯蔵および使用のためには全体的に均質なままでないことを意味し、減少した活性剤濃度を有する(50%超の水を含む)か、または他の有用な形態の洗剤に比較して低下した特性を示すか、または製造、吐出または貯蔵が困難である。多くの従来技術のエマルジョンは、比較的低い苛性含有量および比較的低い金属イオン封鎖剤および界面活性剤含有量を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実質的な注意が、安定な液体として製造できる実質的に増加した活性剤含有量を有する濃縮物材料に向けられてきた。固体の有効性および性能を提供するために、エマルジョン中の洗剤成分の活性濃縮物を60〜65%に押し上げる必要があった。これらの液体は、液体が材料の供給元から洗濯機等の使用場所へ確実に吐出されることができるように、安定した粘度および取り扱うことのできる粘度を有することが好ましい。従来技術の材料は新技術の導入なしで単に濃度が増加すると、生じた材料は、単純な溶液を生成せず、相安定性エマルジョンを生成しないことを我々は見いだした。従来技術は、種々の形態で使用できる種々の液体エマルジョン洗剤組成物を開示するが、高アルカリ性、高粘性、安定な組成物に、製造が容易であり、洗濯、食器洗浄および他の使用おいて受け入れられるクリーニング特性を有し、そして専用洗剤ディスペンサー中で特徴的なそのずり減粘により吐出可能であり、そして典型的な工業用または企業用クリーニング装置と適合する、高活性クリーニング組成物を従来技術は提供しない。我々は、調合物および製造方法を改善することによって、望ましいクリーニング特性を有する組成物の安定性を改善することにおいて実質的なニーズを満たした。実質的に改善された増粘されたエマルジョン洗剤組成物、その使用方法および調整方法が見いだされ、そして下記に開示される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
我々は、高活性剤含有量を有する改善された高粘性、高アルカリ性洗剤組成物を見いだした。この組成物は、ずり減粘を示す高粘度組成物となる高アルカリ性調合と適合する増粘化系を含む。本発明の組成物は、そのレオロジーが独自である点で特に新規である。この組成物は、なんらせん断が適用されない場合には固体として規定できるが、いったんせん断が適用されると、この組成物は流れ始める。この組成物は、アルカリ源、非イオン性界面活性剤、水調整剤または金属イオン封鎖剤、任意選択的アルキルポリグルコシド界面活性剤、および脂肪酸およびポリカルボン酸を含む増粘化系を含む。生じる安定な組成物は、低含水量、高活性剤濃度(濃縮組成物に基づいて60wt%超)、高アルカリ度、および20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、約250、000センチポイズ超の粘度によって特徴付けられる。この改善された洗剤は、種々の用途のために使用できるが、好ましくは洗濯用途で使用される。我々は、30wt%超の、混合されたアルカリ源および界面活性剤配合を含むクリーナー調合物を達成した。
【0006】
洗濯用途において、汚れた物品は、主要比の水および約0.5〜3.0ppmのエマルジョン洗剤を含む水性液体クリーニング溶液(liquor)と接触される。衣類は、約25℃〜約80℃の高温において、汚れを除去する時間の期間、洗浄溶液と接触される。汚れおよび使用された溶液は、次にすすぎサイクルにおいて衣類からすすがれる。本発明の改善された洗剤は、非イオン性界面活性剤または界面活性剤混合物と、アニオン性界面活性剤、キレート成分、および種々の他の繊維製品洗剤成分とを混合させるステップを含む工程によってなされる。この混合物に、アルカリ源、続いてポリアクリル酸が加えられる。標準の混合タンクを使用して、その時点において充填され、上記のようなその最終粘度を達成できる、製品が均質になるまで、すべての成分は手短に混合される。洗濯以外の用途においては、食器洗浄、または硬表面クリーニングに好適にするために、好適な界面活性剤系を選択する等のわずかな調整が調合物になされることができる。
【0007】
この特許出願の目的のために、用語「増粘されたエマルジョン」は、このエマルジョンが流体のように流れる程充分に大きい荷重または応力が適用されるまで固体として挙動する物質を意味する。レオロジー的には、増粘されたエマルジョンは、低応力では剛体として挙動するが、高応力では粘性のある流体として流動する粘塑性材料である。本発明の増粘されたエマルジョンは、2種の不混和性液体を含む。本発明の目的のために、連続相は、苛性塩および他の水媒体中に溶解された成分から実質的になる。しかし、追加の水は、本発明の組成物になんら加えられないので、本発明の増粘されたエマルジョンは、実質的に低水相または低含水量を有する組成物となる。本発明の目的のために、「エマルジョン」および「増粘されたエマルジョン」は、交互に使用される。しかし、一般に技術的に使用される場合、用語「エマルジョン」は、本発明のものより低い粘度を実質的に有する組成物をいうことに留意する。
【0008】
理論によって拘束されないが、先に述べたように、本発明の増粘されたエマルジョンは、2種の限定的に混和性の液相からなると考えられる。本発明の増粘されたエマルジョンを調合するために、いずれかが使用される場合、本発明の組成物は、カルボキシメチルセルロースまたは光学的光沢剤から実質的になる第3の固体粒子を含むことができる。第3相が存在する場合、この離散した相は、約1マイクロメートル〜約100μmまでの範囲の粒子を含むと考えられるが、しかし、本発明の組成物は、約100μm超を含む実質的により大きい粒子を含むことができる。
【0009】
不溶性のまたは非水溶性の部分、典型的には液体の非イオン性界面活性剤は、約10μm未満、約5μm未満、好ましくは約0.5〜8μmの粒径を有する分散した液滴を形成する。相安定性は、典型的な製造、貯蔵および使用条件下で、分散相が、洗濯または他のクリーニング目的において有用でなくなる程度まで、その微細に分割され、そして水相から分離した形態を実質的に失わないことを意味する。増粘されたエマルジョンが、98%超の小さくエマルジョン化された形態の不連続相(主に有機材料)を保ち、そしてクリーニング活性を提供する限り、いくらかの少量の分離は許容される。
【0010】
本発明の水性材料は、典型的には、比較的不溶性の相、典型的には有機相および水相の乳化を含む。有機相は、界面活性剤、水調整剤、漂白剤等の1種または2種以上の成分を含むことができ、一方、水相は、水媒体中に、水酸化ナトリウム、水調整剤、漂白剤、染料および他の成分等の水溶液成分を含むことができる。材料は、エマルジョン安定剤組成物によって安定化させた水相中に、せん断の適用を用いて、比較的「油性」の有機不溶性相を分散させることによって、典型的には製造される。本発明において、エマルジョン安定剤は、典型的には、安定な増粘されたエマルジョンを促進できる量で脂肪酸と組み合わせたポリカルボン酸を含む。エマルジョンの安定化を高めるために、アルキルポリグルコシド(APG)界面活性剤を、加えることができることを我々は見いだした。別の態様では、エマルジョン安定剤は、水酸化ナトリウムに充分に可溶性であり、そして本発明の増粘したエマルジョン中において使用される典型的な有機相において小さな粒径の形成を促進する、アニオン性界面活性剤と組み合わせられたポリアクリル酸であることを我々は見いだした。エマルジョン安定剤のないアルキルエトキシレート等の水性水酸化ナトリウムと非イオン性界面活性剤との単純な混合物が、2つの別個の相に急速に分離するであろうことを我々は見いだした。そうした界面活性剤は、水酸化ナトリウム中で低溶解度を有し、一方、水酸化ナトリウムは、この有機化合物中で不溶性である。本発明の分散体を生成するための有用な手順は、脂肪アルコールエトキシレートと、アルキルポリグルコシド、カルボキシメチルセルロースおよびトール油(tall oil)とを組み合わせることである。APGは、このときに加えられることができ、そして容器の内容物は、強くかき混ぜられることができる。任意の光学的光沢剤が、記載された組み合わせに加えられ、続いて水性苛性物、典型的には50wt%の水性苛性物が攪拌装置を含む大きい金属容器に加えられる。モノエタノールアミンが、この組み合わせに加えられ、続いて最終成分としてのポリカルボン酸が加えられる。
【0011】
主要なものは洗濯洗剤であるが、このエマルジョンの概念は、同様に至る所に適用できる。これは、食器洗浄、定置洗浄クリーナーおよび殺菌剤、食品および乳製品調合物を含むであろう。通常、このエマルジョンの概念は、比較的不溶性の非イオン性界面活性剤が苛性溶液と混合されて、選択された最終用途のためにバランスを取られた特性を有する増粘されたエマルジョンを生成する任意の調合物において使用できるであろう。低発泡性界面活性剤は、直鎖アルコールエトキシレート(Ludwigshafen、Germanyに位置するBASFから入手可能であるLutensol(商標))、特に2〜10のポリエチレンオキサイド基を有する脂肪アルコールC13〜C15エトキシレート等の非イオン性物を含むことができる。本発明において有用な増粘剤は、Acusol(商標)(Rohm & Haas)等の直鎖ポリカルボン酸とトール油等の脂肪酸との組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1〜2は、それぞれ、x軸およびy軸を有する。図1中のx軸はずり速度であり、図2中では、標準混合物からの濃度の偏差である。y軸は、いずれの場合でも粘度である。
【図1】図1は、本発明の組成物の、ずり速度を増加させるとともに低下する粘度を具体的に記載するプロットである。
【図2】図2は、粘度への、成分のいくらかの濃度変化の影響を具体的に記載するプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
用語「界面活性剤」または「表面活性剤」は、液体に加えられた場合に、表面においてその液体の特性を変化させる有機化学物質をいう。
【0014】
用語EO、PO、またはEO/POは、本明細書中で使用される場合、それぞれ、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドをいう。EO/POは、エチレンオキサイド基およびプロピレンオキサイド基をいう。
【0015】
用語「実質的にない」は、本発明の組成物にないか、またはほとんどない任意の成分をいう。「実質的にない」を参照する場合、本発明の組成物に意図的に加えられない成分を意図する。成分についての用語「実質的にない」の使用は、それらが別の成分中に存在するので、本発明の組成物に含まれる微量のその成分を許容する。しかし、その組成物にその成分が「実質的にない」といわれる場合、痕跡量または微量(de minimus)のみの成分が許容されるであろうと認識される。
【0016】
本明細書中において、明確に示されているか否かによらず、全ての数値は、用語「約」によって修飾されていることを前提とする。用語「約」は、通常、当業者が記載された値と均等であると考えるであろう(すなわち、同じ機能または結果を有する)数の範囲をいう。多くの例において、用語「約」は、最も近い有効数字に四捨五入される数を含むことができる。
【0017】
重量%、質量%、wt%、およびその同類のものは、その物質の重量をその組成物の重量で割り、そして100を掛けた、物質の濃度をいうものと同義語である。
【0018】
特に明記しない限り、本明細書中において、すべての重量パーセンテージは、メーカーから提供された原料の重量パーセンテージを反映する。それぞれの成分の活性重量%は、メーカーから提供された製品データシートの使用により、提供された情報から容易に決定される。
【0019】
伝統的に、エマルジョンは、2種の等方性の、実質的にニュートン液体の関与した系であって、1種が小さい液滴の形態で他方の種の中に分散している系を有する。この系は、界面の特性を改質する吸収された両親媒質によって安定化される。しかし、多数のエマルジョンが、2超の相において役割を果たすことを我々は見いだした。エマルジョンおよびエマルジョン安定性の記載を、従来の2相系から始める。2種の不混和性液体、通常水および油が、例えば、かき混ぜられた場合に、1種の液体が他の液体内に分散した液滴を形成するように、エマルジョンは形成される。エマルジョンは、界面における化合物の吸着によって安定化される。この化合物は、「乳化剤」と呼ばれる。これらは、極性および非極性領域の両方を有し、そして2種の不混和性液体の間のギャップを橋掛けするように働く分子である。例えば、油エマルジョンおよび水エマルジョンにおいて、乳化剤の極性部分は、水相中で可溶性であり、一方、非極性領域は、油相中で可溶性である。通常、エマルジョンまたは乳化の形成は、せん断力により、大きい液滴をより小さい液滴に破壊することを含む。
【0020】
エマルジョンの安定性について記載するために、どのようにエマルジョンがだめになるか最初に記載することが必要である。エマルジョンがだめになる初期ステップは、凝集として知られており、個々の液滴が相互に付着するが、しかし連続相の薄膜によって依然分離されている。次のステップは、合一(coalescence)であり、個々の液滴との間の薄い液体膜が不安定化し、大きい液滴が形成されることを可能にする。合一が続くにつれて、エマルジョンは、油層および水性層に分離する。通常、エマルジョンは、不安定化工程または凝集工程を遅くすることによって、安定化される。これは、液滴の移動性を低下させることによって、粘度を増加させることによって、または液滴間にエネルギー障壁を挿入することによってのいずれかでなされることができる。本発明において、分散相の液滴または粒子のサイズは、直径で10μm未満、好ましくは5μm未満である。
【0021】
レオロジー的特徴
本発明の組成物は、それらが示すレオロジー的な特徴において特に独自である。本発明の組成物が任意の現在公知のエマルジョンと異なった挙動をするという事実にも関わらず、発明者らは、「増粘されたエマルジョン」としてそれらの発明を特徴付けた。組成物は、エマルジョンの分野において一般的に知られているような少なくとも2種の不混和性相からなるので、エマルジョンとして特徴付けられる。しかし、本発明の増粘されたエマルジョンは、それらがせん断下にない場合には、固体の特徴を示す。本発明の増粘されたエマルジョンは、ゼロのせん断において、1、000、000センチポイズ超の粘度を示す。せん断が増加するにつれて、本発明の組成物が高せん断にある時で、これらが液体の特性を示すまで、本発明の組成物のレオロジーは実質的に変化する。
【0022】
本発明の組成物は、著しい高粘度を示す。ある態様では、本発明の増粘されたエマルジョンは、Bohlin CVOレオメーターを使用して、0.2/秒のずり速度の回転せん断モードで測定した場合、20℃で100、000センチポイズ超の粘度を示す。他の態様において、本発明の増粘されたエマルジョンは、Bohlin CVOレオメーターを使用して、0.2/秒のずり速度の回転せん断モードで測定した場合、20℃において300、000超、500、000超、700、000超、900、000超、1、100、000超、1、300、000超、1.5百万センチポイズ超までの粘度を示す。本発明の組成物の粘度は、具体的な使用または吐出システムに合うように設計できる。通常、脂肪酸およびポリカルボン酸等の増粘剤の量が増加するにつれて、組成物の粘度は、増加する。
【0023】
脂肪酸、ポリアクリレートが、本発明の粘度に積極的に影響することが見いだされた。脂肪酸がないことを除き本発明により違ったように調製された組成物は、0.2/秒で測定した場合に、約10Pa・sの粘度を有する粘性のある流体である。脂肪酸の含有量を0%から1%に増加させると、数100Pa・sまでのせん断粘度の連続的な増加となり、それとともに流動液体から固体ゲルまたはペーストに外観が変化する。ポリカルボン酸の濃度を変更した場合に、類似の観察がなされる。先に述べたように、ポリカルボン酸なしでは、組成物は、10Pa・s(0.2/秒)未満のせん断粘度を有する粘性のある液体のようにみえる。5〜8重量%のポリカルボン酸の濃度では、組成物はペーストに変わり、100〜1000Pa・s(0.2/秒)の範囲にある粘度を生じる。
【0024】
アルカリ源
アルカリ源は、使用洗剤溶液のpHを制御するのに必要である。アルカリ源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはそれらの混合物等のアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメタケイ酸塩等のアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択され、そして炭酸塩をまた使用できる。最も費用効率が高い好ましい供給元は、約50wt%の濃度の水溶液および異なる粒径の種々の固体形態で得られることのできる、市販されている水酸化ナトリウムである。水酸化ナトリウムは、液体もしくは固体形態または両者の混合物のいずれかで本発明において用いることができる。ほかのアルカリ度の供給元は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属セスキ炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、およびアルカリ金属ケイ酸塩が有用であるが、これらに限られない。ある態様では、約40〜約80重量%、約45〜約75重量%、および約50〜約70重量%の水酸化ナトリウム(50%活性剤)が、本発明の組成物中に含まれる。
【0025】
非イオン性界面活性剤
本発明と伴に使用できる従来の、非イオン性洗剤界面活性剤は、アルコールエトキシレートを含む。非イオン性界面活性剤の組み合わせは、好ましい。これらは、直鎖および分枝鎖のアルコールエトキシレートを含む。好適なアルコールエトキシレートは、約5〜約10のEO、約6〜約8のEOを有するもの、および約1〜6EO、約2〜5EOを有する直鎖アルコールエトキシレートを含む。これらの例は、いずれもBASFから入手可能であるLutensol(商標) AO7として市販されている脂肪アルコールC13〜C15エトキシレート(7EO)およびLutensol(商標) AO3として市販されている脂肪アルコールC13〜C15エトキシレート(3EO)を含む。Cognisから入手可能であるDehydol(商標)界面活性剤およびSasolから入手可能であるMalipal(商標)界面活性剤はまた、本発明において有用である。Lutensol(商標)界面活性剤は、合成アルコールであるオキソアルコールのエトキシレートである。本発明での使用に好適な非イオン性界面活性剤のまた他の例は、(BASFからPluronics markおよびPluronics Rの下で入手可能なもの、BASFからPlurafacs markの下で販売されている界面活性剤およびBASFからまたPolytergents markの下で販売されているもの等の)エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドコポリマー、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドコポリマー、プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドコポリマーを含むがこれらに限られない。
【0026】
ある態様では本発明の組成物は、約5〜約35重量%、約10〜約30重量%、および約15〜約25重量%の非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤混合物を含む。別の態様では、組成物は、約2〜約25重量%、約5〜約20重量%、および約8〜約17重量%の第1の非イオン性界面活性剤;および約0.5〜約15重量%、約2〜約13重量%、および約5〜約10重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む。
【0027】
安定剤
アルキルポリグルコシド界面活性剤
本発明の増粘されたエマルジョンが、石鹸およびポリカルボン酸およびアルキルポリグルコシドを使用すると安定化され、任意選択的に本発明の増粘されたエマルジョンの一貫性、安定性、および均質性を改善することを我々は見いだした。そうした界面活性剤は、エチレンオキサイド基の存在によって改質された親水性を有することができる、強い親水性グリコシド基を有する強い疎水性アルキル基を有する。材料が水相中で可溶性であり、そして小さい粒径エマルジョンを促進できる場合、これらの材料は、効果的なエマルジョン安定剤であることを我々は見いだした。アルキルポリグルコシド、Glucopon(商標)215は、C8〜C10のアルキル直鎖を有する疎水性基を含む。この材料は、水酸化ナトリウム溶液中で良好な溶解度を有する。異なるアルキル基およびDPを有する他の市販されているアルキルポリグルコシドがある。一般的なクラスのアルキルポリグルコシドは、鉱物性油と水との間の低界面張力を生成する。低界面張力は、おそらく、増粘されたエマルジョンの安定化における、これらの界面活性剤の成功に関与する。使用される系は、典型的なエマルジョンと異なる。油相は、界面活性剤(脂肪アルコールエトキシレート)であり、一方、水相は、他の材料を伴った水酸化ナトリウム溶液である。理論によって拘束されないが、界面活性剤の液滴は、界面における界面活性剤の存在および系の著しい高粘度によって安定化されていると考えられる。界面活性剤(脂肪アルコールエトキシレート)は、水酸化ナトリウム溶液において本質的に溶解度を有さず、そして水酸化ナトリウムは、界面活性剤相において本質的に溶解度を有さない。
【0028】
アルキルポリグルコシドは、乳化剤として有用な界面活性剤であり、そしてそれが水酸化ナトリウム溶液相と界面活性剤相との間の界面張力を低下させることが文献から知られている。この一般的な概念により、他の界面活性剤を使用でき、そしてそれらが界面活性剤を用いて水酸化ナトリウム溶液の界面張力を低下させる場合、これらの系において、増粘されたエマルジョンを安定化させるであろうことが想定できる。ある態様では、本発明の組成物は、任意選択的に約0.01〜約10重量%、約0.5〜約8重量%、および約1〜約5重量%(50%活性)のアルキルポリグルコシドを含む。
【0029】
アルキルポリグルコシド(「APG」)は、ある他の増粘剤と組み合わせて使用した場合に、相乗作用の増粘化、安定化、および均質化効果を有することを我々は見いだした。一態様ではAPGは、脂肪酸および/またはポリカルボン酸と組み合わせて使用される。別の態様ではAPGは、ポリアクリレートコポリマーと組み合わせて使用される。また別の態様ではAPGは、アルコールエトキシレートおよび/またはアクリル酸ポリマーおよび/またはポリカルボン酸と組み合わせて使用される。これらの増粘剤のそれぞれは、下記でさらに詳細に記載される。
【0030】
増粘剤
脂肪酸
本調合物中において、脂肪酸と、ポリカルボン酸と、任意選択的にアルキルポリグルコシドとの組み合わせが、必要な高アルカリ度においてさえ、充分な高粘度、改善された均質性および安定性を有する組成物を提供することが、驚いたことに見いだされた。本発明の調合物中に提供された高いpHおよび高い苛性含有量において、CMC、グアーガム、キサンタンガム、ポリエチレングリコール等の業界において広く知られた他の増粘剤は分解し(to name a few break down)、したがって高粘度調合物を作るのに有効でないことが見いだされた。そうした高い苛性含有量およびアルカリ度を有する組成物が、本発明の組成物が示す高粘度を達成することは、並外れている。
【0031】
本発明の組成物中で選択される脂肪酸は、トール油を含む。トール油は、液体樹脂とも呼ばれ、そして松やに、脂肪酸、ステロール、高分子アルコール、および他のアルキル鎖材料の混合物からなる樹脂状の黄色〜黒色油性液体である。粗トール油は、(10〜35%の松やに含有量を有する)トール油松やにに蒸留され、さらに油脂精製プラントが、トール油脂肪酸(1〜10%の松やに含有量)にする。トール油脂肪酸は、その低コストおよび流動性により本発明の組成物中において特に好ましい。多くの他の脂肪酸と異なり、トール油は、周囲温度において液体のままであり、他の脂肪酸より取り扱いを容易にする。トール油は、主としてオレイン酸およびリノール酸ならびに、とりわけ、より少量のパルミチン酸およびステアリン酸の組み合わせを含む不飽和脂肪酸である。本発明の態様において、トール油脂肪酸は、約0.01〜約5重量%、約0.1〜約4重量%、および約0.2〜約3重量%を構成する。
【0032】
ポリカルボン酸
ポリカルボン酸はまた、本発明の組成物中において増粘剤として有用である。ACUSOL(商標)445は、部分的に中和された、液体洗剤ポリマーである。本発明の現在最も好ましい態様において、ポリアクリレートは、Rohm and Haas、Philadelphia、Pennsylvaniaによって製造された、4500の分子量を有するポリアクリル酸、ACUSOL(商標)445を含む。分子量4500(CRITERION(商標)2005)および8000(CRITERION(商標)2108)の他のポリアクリル酸は、Kemira Chemicals、Kennesaw、Georgiaから購入できる。他の好適な例は、BASFから入手可能であるSoakalan (商標)CP5、Coatex (商標)DE185、またはIsol Dispersant (商標)HN44を含むと考えられる。
【0033】
本発明の態様において、ポリカルボン酸は、約1〜約30重量%、約5〜約20重量%、および約10〜約15重量%を構成する。
【0034】
アルコールエトキシレートおよびアクリル酸ポリマー
アルコールエトキシレートはまた、本発明の組成物において有用な増粘剤である。イソトリデカノールエトキシレートは、本発明の組成物中において、増粘化、安定化、および均質性を提供するのに効果的であることが見いだされた、BASFからLutensol(商標)TO 8として入手可能である非イオン性界面活性剤である。イソトリデカノールエトキシレート等のアルコールエトキシレートは、上記に記載したAccusol(商標)445等のポリカルボン酸、および/またはLubrizol Corporationから入手可能であるCarbopol(商標)ETD2691等のアクリル酸ポリマーのいずれかと組み合わせた場合に、増粘剤として改善された性能を有する。Carbopol(商標)は、軽めに架橋したポリアクリル酸ポリマーである。
【0035】
本発明のある態様では、アルコールエトキシレートは、約0.5〜約10重量%、約0.75〜約9.5重量%、および約0.9〜約9.0重量%の量で存在する。
【0036】
ポリアクリレートコポリマー
本発明の組成物中へ取り込まれた場合、ポリアクリレートコポリマーはまた、有用な増粘化、安定化、および均質化剤である。そうしたコポリマーの例は、Cognisから入手可能であるCosmedia(商標)である。Cosmedia(商標)は、メタクリル酸およびアクリル酸エチルおよびブチルエステルからなる乳化コポリマーである。
【0037】
本発明のある態様では、ポリアクリレートコポリマーは、約0.5〜約10重量%、約0.75〜約9.5重量%、および約0.9〜約9.0重量%の量で存在する。
【0038】
水調整剤
本発明の組成物は、好ましくは水調整剤を含む。本発明の増粘されたエマルジョン組成物は、金属化合物中において汚れ除去および上水中の硬度成分の有害な効果を低減させることを助ける多価の金属錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤を含むことができる。典型的には、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、モリブデンの、カチオンまたは化合物、またはそれらの混合物等の多価の金属カチオンまたは化合物は、上水中および錯体汚れ中に存在する場合がある。そうした化合物またはカチオンは、頑固な汚れを含む場合があり、またはクリーニングレジメンの間に洗浄組成物またはすすぎ組成物のいずれかの作用を妨害する場合がある。キレート剤は、汚れた表面からのそうした化合物またはカチオンと効果的に、錯化し、そして除去することができ、そして本発明の非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤を含む活性成分との不適当な相互作用を低下または除去できる。有機および無機キレート剤の両者は、共通であり、そして使用できる。無機キレート剤は、ナトリウムトリポリホスフェートおよび他の高次の直鎖および環状ポリホスフェート種等の化合物を含むことができる。有機キレート剤は、ポリマーのキレート剤および小さい分子のキレート剤の両方を含む。有機小分子キレート剤は、典型的には有機カルボキシレート化合物または有機ホスフェートキレート剤である。ポリマーのキレート剤は、通常、ポリアクリル酸化合物等のポリアニオン性組成物を含む。小さい分子の有機キレート剤は、ナトリウムグルコネート、ナトリウムグルコヘプトネート、N−ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ニトリロ3酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラアミン6酢酸(TTHA)、およびそれぞれのアルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウムそれらの塩、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩(EDTA)、ニトリロ3酢酸3ナトリウム塩(NTA)、エタノールジグリシン2ナトリウム塩(EDG)、ジエタノールグリシンナトリウム塩(DEG)、および1、3−プロピレンジアミンテトラ酢酸(PDTA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸4ナトリウム塩(GLDA)、メチルグリシン−N−N−2酢酸3ナトリウム塩(MGDA)、およびイミノジスクシネートナトリウム塩(IDS)を含む。全てこれらは公知であり、そして市販されている。小さい分子の有機キレート剤はまた、EDG、MGDAおよびGLDA−タイプ分子からのキレート機能性とヒドロトロープ機能性の組み合わせを有する生分解性金属イオン封鎖剤を含む。好ましい金属イオン封鎖剤は、それらの生分解性およびヒドロトロープと容易に結合して超コンパクトな濃縮物を生成するそれらの能力の理由から、エタノールジグリシン2ナトリウム塩(EDG)、ジカルボキシメチルグルタミン酸4ナトリウム塩(GLDA)、およびメチルグリシン−N−N−2酢酸3ナトリウム塩(MGDA)を含む。本発明の組成物に含まれるのに好適であるまた他の金属イオン封鎖剤は、ポリアクリレート等のアニオン性高分子電解質およびアクリル酸コポリマー、アクリル/イタコン酸コポリマー等のイタコン酸コポリマー、マレエート、スルホネートおよびそれらのコポリマー、アルカリ金属グルコネートを含む。また好適なキレート剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、および2−ホスホノブタン−1、2、4−トリカルボン酸等の有機ホスホネートおよび他の市販されている有機ホスホネート水調整剤である。大部分の従来の試薬は、連続相または液滴相のいずれかにおいて相溶性であるので、機能するようである。
【0039】
ある態様では、キレート剤は、組成濃縮物中に、約0.05〜約15重量%、さらに好ましくは、約1〜約10wt%、最も好ましくは、3〜約8wt%の量で存在する。
【0040】
Dequest(商標)2010は、金属イオン封鎖剤またはキレート剤として本発明の組成物中に含まれることができる。Dequest(商標)2010は、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸であり、本発明中で金属イオン封鎖剤として機能し、そしてSaskatoon、Saskatchewan、CanadaにあるClearTech Industries、Incから販売されている。ある態様では本発明の組成物は、約0.01〜約10重量%、約0.5〜約8重量%、および〜約1および約5重量%(60%活性)の金属イオン封鎖剤を含む。
【0041】
Baypure(商標)CX100は、キレート剤として本発明の組成物中に含まれることができる。Baypure(商標)CX100は、重金属の低い再移動を有する中強度の錯化剤である。錯化鉄、銅およびカルシウムイオンにおいて効果的であり、そして生分解性である。Baypure(商標)CX100が本発明の組成物中に含まれる場合、Baypure(商標)の34%活性剤溶液で、約1〜約30重量%まで、約2〜約20重量%まで、および約3〜約10重量%までの量含まれる。
【0042】
当業者が認識するであろうように、金属イオン封鎖剤の1種または組み合わせのいずれかが、本発明中に含まれることができる。
【0043】

本発明の組成物は、追加の水を通常含まない。ある成分は、水中の溶液として提供されるので、いくらかの量の水を含むと認識されるが、追加の水は、通常、本発明の組成物に加えられない。これは、本発明の組成物の必要な高粘度を保つために特に重要である。本発明の組成物は、この組成物の輸送費用を低下させるために、なんら追加の水なしで調合でき、または比較的少量の水と伴に提供されることができる。
【0044】
使用組成物を生成するために、組成物を希釈するのに使用できる希釈水は、好ましくは軟水である。すなわち、希釈水には、実質的に硬度がないことが好ましい。水は、少なくとも1グレイン硬度(grain hardness)を含む場合、硬水として特徴付けられる。
【0045】
微量成分
洗剤は、典型的には、多くの従来の、重要であるが微量な成分を含む。これらは、これらの調合物中で使用される、光学的光沢剤、汚れ再付着防止剤、泡消し剤、低発泡性界面活性剤、消泡界面活性剤、顔料および染料を含む。組成物は、現在の所これらの調合物中で使用されない塩素および酸素漂白剤をまた含むことができる。そうした材料は、他の成分とともに調合されることができ、またはクリーニング作業の間に加えられることができる。
【0046】
色安定剤
本発明の組成物は、任意選択的に、あるいは色安定剤と呼ばれる、調合物の変色または褐色化を防ぐための成分を含む。そうした色安定剤は、任意選択的である。しかし、変色した洗濯洗剤の不快な性質により、これらを含むことが望ましい選択肢である。本発明の組成物において、この色安定剤は、モノエタノールアミンである。本発明のある態様では、色安定剤は、約0.01〜約5重量%、約0.05〜約3重量%、および約0.10〜約2重量%を構成する。
【0047】
光学的光沢剤
光学的光沢剤はまた、任意選択的に本発明の組成物に加えられることができる。漂白剤は、通常、洗濯洗剤に加えられて、洗浄の間に除去された増白剤に置き換わり、そして衣類をよりきれいに見せる。光学的光沢剤は、電磁気スペクトルの紫外および紫色領域(通常340〜370nm)中の光を吸収し、そして青色領域(典型的には420〜470nm)の光を発する染料である。これらの添加物は、多くの場合、認識できる「増白する」効果を生じ、反射される青色光の全体的な量を増加させることによって、材料がより黄色く見えないようにする、織物の色の外観を高めるためにしばしば使用される。
【0048】
光学的光沢剤は、本発明の組成物への望ましい添加物である場合があり、また望ましい添加物でない場合がある。光学的光沢剤を含むことが望ましいかどうかは、使用者による。例えば、光学光沢の副作用は、処理されていない織物より処理された織物を暗視機器でより見えるようにすることである。軍事または他の用途では、そうした効果は、望ましくないであろう。
【0049】
光学的光沢剤タイプのクラスの例は、幾つかを挙げると、(ジ、テトラまたはヘキサスルホン化)トリアジンスチルベン、クマリン、イミダゾリン、ジアゾ−ル、トリアゾール、ベンズオキサゾリンおよびビフェニルスチルベンを含む。単一の光学的光沢剤、または光学的光沢剤の組み合わせは、本発明の組成物中で有用であることができる。本発明の組成物のある態様では、光学的光沢剤は、約0.1〜約5重量%、約0.15〜約3重量%、および約0.2〜約2重量%を構成する。本発明の組成物での使用に好適な市販されている光学的光沢剤の例は、いずれもVesta−Intracon BVから入手可能であるDMS−X(商標)およびCBS−X(商標)、ジスチリルビフェニル誘導体を含むがこれらに限られない。
【0050】
汚れ再付着防止剤
本発明の組成物は、再付着防止剤をさらに含むことができる。再付着防止剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の錯体セルロースの材料、またはポリエチレングリコールおよびポリアクリレート等の合成材料から製造できる。これらは、ゆるんだ汚れがクリーニングした織物の上への付着を防止することを助ける。ポリホスフェートビルダーはまた、再付着を減らすことを助ける。
【0051】
着色剤
着色剤は、任意選択的に本発明の組成物に加えられる。着色剤は、顔料または染料の形態であることができ、そしてある色を組成物に提供するために加えられることができる。さらに、青色着色剤は、望ましい青色/白色を、白色織物に与える青を提供するために加えられることができる。
【0052】
香料
香料は、任意選択的に本発明の組成物に加えられる。香料は、通常、使用される香りに関わらず3つの機能を提供する。これらは、洗浄溶液中で洗剤の化学的な臭いおよび汚れの臭いを覆い、そしてこれらは、織物に快適な香りを与え、従って、クリーニング性能を補強する。さらに、香料は、製品の特徴に寄与できる。他の態様では、本発明の組成物では、香りのしないバージョンを提供し、それよって洗濯時に少ない香りまたは香りなしを好む消費者、または香料成分に敏感な皮膚の人に訴求するために、香料を抜かすことができる。
【0053】
以下の表は、本発明の組成物を用意するための、例示的な成分および量を含む。
【0054】
【表1】

【0055】
本発明の組成物の調製
本発明の組成物を、非イオン性界面活性剤、アルキルポリグルコシド組成物、CMCおよびトール油を組み合わせることによって調製する。強く攪拌しながらAPGをこのときに加えることができる。任意の光学的光沢剤を、この組み合わせに加え、続いて50wt%の活性水性水酸化ナトリウムを含む水性塩基を加え、アルカリ性界面活性剤ブレンドを生成する。モノエタノールアミンをこの組み合わせ加え、続いて最終の成分としてのポリカルボン酸を加える。この最終混合物を高せん断に曝して、空気ベアリングおよびサーモスタットを有するBohlin CVO(商標)レオメーターを使用して、20℃で約250、000センチポイズ超の粘度を有することを特徴とする安定な増粘されたエマルジョンを生成させる。20mm直径を有し、それぞれがプレート間に2mmの距離を有する2枚の平行なプレートを使用して測定を行った。20℃の一定温度下で、このサンプルを2枚のプレートの間のギャップ中に閉じ込める。上部プレートがある速度(ずり速度)で回転し、そして下部プレートが固定され、それによってプレート間のサンプルをせん断する様式で測定を行う。あるずり速度を維持するのに必要なトルクを測定する。サンプル上のせん断応力をトルクから計算し、そしてせん断応力とずり速度との比としての粘度となる。
【0056】
本発明の組成物の使用方法
本発明はまた、使用の方法を含む。そうした方法は、汚れた洗濯品目と、主要比の水および約0.5〜3.0ppmの連続相および分散相を有する水性エマルジョンの形態の液体クリーナー濃縮組成物を含む洗浄溶液とを接触させることを含み、この増粘されたエマルジョンは、安定な粘度および分散相の粒径を有し、この組成物は、連続相;約15〜約50wt%を含む効果的な汚れ除去量のアルカリ源;約10〜約30wt%を含む効果的な汚れ除去量の非イオン性界面活性剤;効果的な水調整量または金属イオン封鎖量で、約0.1〜約20wt%の水調整剤または金属イオン封鎖剤;約5wt%までを含む、効果的な汚れ除去およびエマルジョン安定化量のアルキルポリグルコシド界面活性剤;約1〜20wt%を含む効果的な増粘化量のポリカルボン酸;および約0.1〜5wt%を含む効果的な増粘化量の脂肪酸を含む相安定性の増粘されたエマルジョンを含み;ここで、この分散相は、非イオン性界面活性剤の少なくとも一部分を含み、そして増粘されたエマルジョン濃縮物は、20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、250、000cps超の粘度を有し、そしてずり減粘を示し、それによって製造および使用の間に吐出を可能にし、洗浄された洗濯物を生成し;そして水性すすぎで洗浄された洗濯物をすすぐ。
【実施例】
【0057】
例I
脂肪酸がない点を除き、組成物を本発明により調製した。これらの比較組成物は、0.2/秒で測定した場合、約10Pa.sの粘度を有する粘性のある流体であった。0%から1%に脂肪酸の含有量を高めると、流動液体から固体ゲルまたはペーストに外観を変更しながら、せん断粘度が連続的に増加した。
【0058】
ポリカルボン酸がない点を除き、組成物を本発明により調製した。ポリカルボン酸がないと、組成物は、10Pa・s(0.2/秒)未満のせん断粘度を有する粘性のある液体のように見える。ポリカルボン酸の濃度が5〜8重量%だと、この組成物は、ペーストになり、100〜1000Pa・s(0.2/秒)の範囲の粘度となる。
【0059】
以下の表によって組成物を調製した。
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
それぞれのプレートが20mmの直径とプレート間の2mmのギャップ距離を有する平行プレートシステムを使用して、粘度を測定した。測定を20℃で行った。それぞれのサンプルを2枚のプレートの間のギャップ中に閉じ込め、そして上部プレートがある速度(ずり速度)で回転し、そして下部プレートが固定され、それによってプレート間のサンプルをせん断する様式で測定を行った。あるずり速度を維持するのに必要なトルクを測定した。サンプル上のせん断応力をトルクから計算し、そしてせん断応力とずり速度との比としての粘度となる。
結果を次の表中に示す。
【0062】
【表4】

【0063】
【表5】

【0064】
結果は、トール油濃度の増加およびポリカルボン酸濃度の増加とともに、粘度が増加することを示す。
【0065】
例II
この比較例は、必ずしもすべての増粘化ポリマーが本発明において有用でないことを示す。BASFからのSokalan AT(商標)10、NoveonからのCarbopol(商標)EZ3 およびEZ 4およびRohm & HaasからのAcusol(商標)805Sを使用して組成物を調製したが、得られた混合物は、安定ではなく、そして2つの粘性のある液相に分離した。組成物を以下の表に従って調製した。
【0066】
【表6】

【0067】
それぞれの比較組成物の粘度を、比較例Iに記載したように測定した。結果を下記の表に示す。
【0068】
【表7】

【0069】
0.1/秒のずり速度で粘度を測定した。全てのこれらの系は素早く分離したので、与えられた値は近似でしかない。
【0070】
例III
サンプル6Aの調合物による調製されたサンプルに高められたせん断を掛けた。図1は、本発明のサンプル6Aのずり減粘を示す。せん断が増加するにつれて、粘度は約5桁低下した。図1のグラフに具体的に示すように、0.01〜500/秒の間の範囲でずり速度において、粘度は5桁以上変化した。
【0071】
例IV
この例は、トール油およびポリカルボン酸の両者が、本発明の組成物の粘度に正の影響を有することを示す。組成物を以下の表により調製した。
【0072】
【表8】

【0073】
DOE(Design of Experiment)−Mixture Designと呼ばれる統計的方法に基づいて実験を行った。いくらかの成分を一定濃度に保ち、一方、他の含有量を上記表に与えられる制限内で変化させた。統計的方法を用いて測定された粘度の評価を、図2中に示されたグラフに示し、これは、それらの濃度が増加した場合の、様々な成分A〜Fの粘度への効果を示す。
【0074】
上記の表からのそれぞれの組成物の粘度は、例Iに提供した手順に従って測定した。図2のグラフは、結果を具体的に示す。図に示すように、トール油およびポリカルボン酸(RheosolveまたはAcusol)の両者は、粘度への強い正の影響を有し、NaOH およびLutensol(商標) AO3(脂肪アルコールエトキシレート)は、負の影響を有し、そしてLutensol(商標)AO7(脂肪アルコールエトキシレート)およびCMCは、概して粘度に影響しない。
【0075】
例V
この例は、本発明の増粘されたエマルジョンが、種々のしみのクリーニングを良好に行ったことを示す。本発明の組成物を、以下の表に従って調製した。
【0076】
【表9】

【0077】
上記で特定した調合物の1%溶液のpHは、12.2〜12.9の範囲であった。
【0078】
WFK(Krefeld/Germany)から市販されている標準試験しみを、この例のために使用した。試験しみを、標準化された様式で生成させ、そして試験ストリップの上に置いた。6.5kgのポリエステル繊維製品とともに洗浄機中にこれらを入れた。それぞれの手順を、4つの異なる洗浄機中で4回繰り返し、下記の表の値は、それぞれの手順の4つの結果の平均である。上記の調製された組成物を1.5g/lの投薬量に含め、同時に1ml/lの漂白剤(Ecolab、 Inc.から入手可能であるOzonit super(商標))をそれぞれの試験で加えた。洗浄時間は、10分であり、温度70℃、バス比で1:5;軟水を使用した。洗浄試験を終了した後で、試験ストリップからのしみ除去を、光学的方法を用いて測定し、固定波長における光透過を洗浄前後のしみで測定した。この結果は、表に示したように緩和した値である。
【0079】
市販されている洗剤と本発明の増粘されたエマルジョンとのラボ洗浄結果を下記の表で比較する。上の2つの表は、脂肪/顔料しみを用いた洗浄性能の結果を示し、下の表は、酵素しみを用いた洗浄性能の結果を示す。この結果は、本発明の増粘されたエマルジョンが、ほとんどの場合において、良好に、または市販されている洗剤よりよく働いたことを示す。
【0080】
【表10】

【表11】

【表12】

【0081】
種々の具体的および好ましい態様および技術を参照して、本発明は記載された。しかし、当然のことながら、多くの変化および系辺が、本発明の精神および範囲内に留まりながらで行うことができる。具体的環境および操作上の要求に特に適合される、本発明またはその他の実施で使用した比、要素、材料、および成分の改変はこれらの原理から離れることなくこの用途によって想定される。付属する請求項は、任意のおよびすべてのそうした改変を範囲内とし、そして包括することを目的とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水相および分散相を有する水性の増粘されたエマルジョンの形態の、液体クリーナー濃縮組成物であって、該組成物が、
(a)連続的な水相と、
(b)約15〜約50wt%を含む効果的な汚れ除去量のアルカリ源と、
(c)約2〜約30wt%を含む効果的な汚れ除去量の非イオン性界面活性剤と、
(d)約0.1〜約10wt%を含む効果的な水調整量または金属イオン封鎖量の水調整剤または金属イオン封鎖剤と、
約1〜25wt%を含む効果的な増粘化量のポリカルボン酸と、
(e)約0.25〜約5wt%を含む効果的な安定化量および増粘化量の脂肪酸と、
を含む相安定性の増粘されたエマルジョンを含み、
該分散相が該非イオン性界面活性剤少なくとも一部分を含み、そして該エマルジョン濃縮物が製造および使用の間に吐出を可能にするずり減粘を示し、そして粘度が20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、約100、000センチポイズ超を含む、組成物。
【請求項2】
該粘度が、20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、約300、000粘度センチポイズ超を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該粘度が、20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、約500、000粘度センチポイズ超を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
該粘度が、20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、約700、000粘度センチポイズ超を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
該粘度が、20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、約900、000粘度センチポイズ超を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
該非イオン性界面活性剤は、約4〜約10モルのエチレンオキサイドを有する脂肪アルコールC13〜15エトキシレートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
該非イオン性界面活性剤が、1〜5モルのエチレンオキサイドを有する脂肪アルコールC13〜15エトキシレートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
該水調整剤が、ホスホン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
該水調整剤が、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
該ポリカルボン酸が、直鎖のポリアクリル鎖からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
該脂肪酸が、トール油からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
光学的光沢剤、着色剤、香料、泡消し剤、消泡剤、漂白剤、再付着防止剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
約0.01wt%〜5wt%を含む色安定化量のモノエタノールアミンをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
該組成物が、さらにせん断0において、1、000、000センチポイズ超の粘度を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
約0.1〜約10wt%を含む効果的な汚れ除去量およびエマルジョン安定化量のアルキルポリグルコシド界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
水相および分散相を有する水性の増粘されたエマルジョンの形態の、液体クリーナー濃縮組成物であって、該組成物が、
(a)連続的な水相と、
(b)約15〜約50wt%を含む効果的な汚れ除去量のアルカリ源と、
(c)約2〜約30wt%を含む効果的な汚れ除去量の非イオン性界面活性剤と、
(d)約0.1〜約15wt%を含む効果的な水調整量または金属イオン封鎖量の水調整剤または金属イオン封鎖剤と、
(e)ポリカルボン酸、脂肪酸、ポリアクリレートコポリマー、アクリル酸ポリマー、アルコールエトキシレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される約1〜約25wt%を含む効果的な量の増粘剤と、
を含む相安定性の増粘されたエマルジョンを含み、
該分散相が、該非イオン性界面活性剤の少なくとも一部分を含み、そして該エマルジョン濃縮物が製造および使用の間に吐出を可能にするずり減粘を示し、そして該粘度が、20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、約100、000センチポイズ超を含む、組成物。
【請求項17】
少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
約0.5〜約5wt%の該水調整組成物を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
約0.1〜約10wt%を含む効果的な汚れ除去量およびエマルジョン安定化量のアルキルポリグルコシド界面活性剤をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
該第1の非イオン性界面活性剤が、脂肪アルコールC13〜C15エトキシレートを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
第2の非イオン性界面活性剤が、脂肪アルコールC13〜C15エトキシレートを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
該ポリカルボン酸が、直鎖ポリアクリル鎖からなる、請求項16に記載の組成物。
【請求項23】
該脂肪酸が、トール油からなる、請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
該組成物が、さらにせん断0において、1、000、000センチポイズ超の粘度を示す、請求項16に記載の組成物。
【請求項25】
(i)汚れた洗濯品目と、連続相および分散相を有する水性の増粘されたエマルジョンの形態で、主要比の水および約0.5〜約3.0ppmの液体クリーナー濃縮組成物を含む洗浄溶液とを接触させる工程であって、該増粘されたエマルジョンが安定な粘度および分散相粒径を有し、該組成物が、
(a)連続相と、
(b)約15〜約50wt%を含む効果的な汚れ除去量のアルカリ源と、
(c)約10〜約30wt%を含む効果的な汚れ除去量の非イオン性界面活性剤と、
(d)効果的な水調整量または金属イオン封鎖量の約0.1〜約20wt%の水調整剤または金属イオン封鎖剤と、
(e)約1〜20wt%を含む効果的な増粘化量のポリカルボン酸と、
(f)約0.1〜約5wt%を含む効果的な増粘化量の脂肪酸と、
を含む相安定性の増粘されたエマルジョンを含み、
該分散相が、少なくとも該非イオン性界面活性剤の一部分を含み、そして該増粘されたエマルジョン濃縮物が、20℃においてBohlin CVO レオメーターを使用して、0.2/秒のせん断速度の回転せん断モードで測定して、250、000センチポイズ超の粘度を有し、そしてずり減粘を示し、それによって製造および使用の間に吐出を可能にし、洗浄された洗濯物を生成する工程と、
(ii)該洗浄された洗濯物を水性のすすぎを用いてすすぐ工程と、
を含んでなる、汚れた洗濯品目のクリーニング方法。
【請求項26】
該洗浄溶液の温度が、約25〜約80℃である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
該洗浄溶液が、約1.0〜約2.5ppmの該液体クリーナーを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
該組成物が、さらにせん断0において、1、000、000センチポイズ超の粘度を示す、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
約0.1〜約5wt%を含む効果的な汚れ除去量およびエマルジョン安定化量のアルキルポリグルコシド界面活性剤をさらに含む、請求項25に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−514061(P2012−514061A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542903(P2011−542903)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055571
【国際公開番号】WO2010/076595
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】