説明

高速再ルーティング条件下のRSVP−TEグレースフルリスタート

1つの実施形態によれば、保護されるラベルスイッチパス(LSP)のリンク障害及びノード障害のうち少なくとも1つに応じて、高速リルーティング(FRR)方式に従ってネットワークトラフィックを保護経路上に切り替える。ネットワークエレメントに直接隣接しないリモートノードとのHELLOセッションが確立され、それは、IP転送が使用される場合、1よりも大きいTTL(time-to-live)値を各々有する1つ以上のHELLOメッセージをリモートノードと交換することを含む。HELLOメッセージがトンネルを介して送信される場合、上記HELLOメッセージのTTL値は、1に設定される。リスタートの要求に応じて、HELLOセッションの間にリモートノードと交換される1つ以上のHELLOメッセージから取得される情報を用いて、RSVP(resource reservation protocol) TE(traffic engineering)グレースフルリスタート(GR)手続が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に、ネットワーキングの分野に関し、より具体的には、ネットワークエレメントのRSVP−TEグレースフルリスタートに関する。
【背景技術】
【0002】
RSVP(resource reservation protocol)−TE(traffic engineering)のグレースフルリスタート(GR:graceful restart)方式は、ネットワークエレメント又はネットワークノードの制御プレーンの障害の間に、トラフィックが影響を受けないように、ラベルスイッチパス(LSP:label switched path)を維持する仕組みを提供する。RSVP−GRの仕様に関するさらに詳細な情報は、RFC−3473及びRFC−5063などの複数のRFC(request for comments)において見出すことができる。
【0003】
RSVP高速再ルーティング(FRR:fast reroute)方式は、RFC−4090において仕様化されており、リンク又はノードの障害が発生した際に、設備の保護のために予め確立される保護されるLSPからのバイパストンネルへ、ローカルリペアポイント(PLR)ノード上でトラフィックを切り替えることができるように、高速なローカルリペアの仕組みを提供する。マージポイント(MP)ノードは、保護されるLSPへトラフィックをマージバックする。バイパストンネルは、複数の保護されるLSPについてFRR保護を提供することができる(1:N保護)。FRRが有効である際に、トラフィックは、延長される期間までバイパス経路に留まることができる。この期間の間、PLRノード又はMPノードがリスタートすると、MPノードが直接PLRノードに接続されていなければ、PLRノードとMPノードとの間でHELLOメッセージが交換されないため、RSVP GR手続を適用することができない。RFC−3209において定義されているように、RSVP HELLOセッションは、直接隣接するノード間のみで稼働する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFC−3209によれば、RSVP HELLOメッセージが、直接接続される隣接するノードの間で交換されて、隣接するノードの制御プレーンの動作状態を検出する。RFC−3473は、RSVP HELLOの仕組みを拡張してRSVPグレースフルリスタートの機能をサポートする。HELLOメッセージを使用して、グレースフルリスタート機能オブジェクトと、LSPを維持し、ネットワークエレメントの制御プレーンの障害又はリスタートの後でLSP状態を回復するのに使用される情報とを伝達する。HELLOセッションが確立されない場合、グレースフルリスタートを実現することができない。RFC−4558は、ノードIDベースのHELLOメッセージを導入する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ネットワークエレメントのグレースフルリスタートを実行することを目的として、上記ネットワークエレメントに直接隣接しないリモートノードとのHELLOセッションを確立する方法が提供される。本発明の1つの観点によれば、上記ネットワークエレメントに直接隣接しない上記リモートノードとのHELLOセッションは、上記リモートノードとのHELLOメッセージの交換によって、確立される。IP転送を用いて上記HELLOメッセージを送信することができ、一方、上記HELLOメッセージのTTL(time-to-live)値は、1よりも大きく設定されるべきである。ターゲットとされる上記ネットワークエレメントのみが、上記HELLOメッセージを処理し、上記HELLOメッセージの送信者へACKINACKを伴う上記HELLOメッセージを応答する。ネットワーク内の他の全てのノードは、上記メッセージの上記TTL値がゼロより大きい場合は、上記HELLOメッセージの宛先へ向けて上記HELLOメッセージをただ転送する。HELLOメッセージの上記TTL値がゼロに達した場合、上記HELLOメッセージは、静かに廃棄されるであろう。非直接的に接続されるノード間にトンネルが存在する場合、上記トンネルを介して上記HELLOメッセージを送信することができ、一方、上記HELLOメッセージの上記TTL値は、1に設定されてもよい。
【0006】
本発明の別の観点によれば、保護されるLSPのリンク/ノード障害の前に、上記ネットワークエレメントに直接隣接しないリモートネットワークエレメントとのHELLOセッションを確立することができる。上記保護されるLSPの上記リンク/ノード障害に応じて、上記トラフィックは、高速リルーティング(FRR)方式に従って、上記バイパストンネル上へ切り替えられる。その後、制御プレーンの障害又はリスタートの要求に応じて、上記HELLOセッションの間に上記リモートノードと交換されるHELLOメッセージから取得される情報を用いて、RSVP(resource reservation protocol) TE(traffic engineering)グレースフルリスタート(GR)手続が実行される。上記HELLOメッセージから取得される情報は、保護されるLSPの状態を維持するのに役立つ。
【0007】
本発明の別の観点によれば、上記保護されるLSPのリンク/ノード障害によってトリガされる上記FRRに応じて、上記ネットワークエレメントに直接隣接しないネットワークエレメントとのHELLOセッションを確立することができ、バイパストンネルが確立されて、上記保護されるLSPの上記トラフィックを伝達する。上記非直接的に接続されるノードは、Restart_Capオブジェクトを含むHELLOメッセージを交換し、制御プレーンに障害が生じ、又はリスタートする際、グレースフルリスタートが行われる場合、Restart_Capオブジェクトを用いて、保護されるLSPの状態を維持し、回復することができる。上記非直接的に接続されるノード間で交換される上記HELLOメッセージは、上記HELLOメッセージの上記TTL値が1より大きく設定されている間、IP転送を用いて送信され得る。上記非直接的に接続されるノード間における上記トンネルを介して上記HELLOメッセージを送信することができる場合、上記HELLOメッセージの上記TTL値は、1に設定され得る。
【0008】
本発明の別の観点によれば、上記非直接的に接続されるネットワークエレメント間のHELLOセッションを、いずれの側においてもその論理的な隣接ノードとして上記リモートネットワークエレメントを構成することによって、開始することができる。上記リモートネットワークエレメントの構成されるアドレスは、上記リモートネットワークエレメントへ向けて送信される上記HELLOメッセージの宛先アドレスのフィールド上で使用される。上記リモートネットワークエレメントからの応答をもって、上記HELLOセッションの確立が完了する。
【0009】
本発明の別の観点によれば、IP転送、又はリンク/ノード障害が発生し、FRRがトリガされる前、若しくは後に、保護されるラベルスイッチパス(LSP)を保護するように構成されるバイパストンネル、を介して、上記ネットワークエレメントにおいて上記リモートネットワークエレメントから受信される経路メッセージによって、上記非直接的に接続されるネットワークエレメント間のHELLOセッションを開始することができる。上記経路メッセージに応じて、上記ネットワークエレメントに直接隣接しない上記リモートノードとHELLOセッションが交換され、それは、255のTTL(time-to-live)値を各々有するHELLOメッセージを上記リモートノードと交換することを含む。上記保護されるLSPのリンク障害、及び/又はノード障害に応じて、上記ネットワークトラフィックは、高速リルーティング(FRR)方式を用いて上記バイパストンネル上へ切り替えられている。その後、リスタートの要求に応じて、上記HELLOセッションの間に上記リモートノードと交換される1つ以上の上記HELLOメッセージから取得される情報を用いて、RSVP(resource reservation protocol) TE(traffic engineering)グレースフルリスタート(GR)手続が実行される。上記HELLOメッセージから取得される上記情報は、保護されるLSPの状態を維持するのに役立つ。
【0010】
本発明の他の特徴は、添付の図面及び次の詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施形態は、添付図面の図において限定ではなく例として説明され、同様の参照が同等のエレメントを意味する。
【0012】
【図1】本発明の一実施形態で使用され得るネットワーク構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の1つの実施形態に係るHELLOメッセージと共に使用され得るIPヘッダを説明するブロック図である。
【図3】本発明の1つの実施形態に係る、PLRノードによりHELLOセッションを開始するための方法を説明するフロー図である。
【図4】本発明の1つの実施形態に係る、MPノードによりHELLOセッションを開始するための方法を説明するフロー図である。
【図5】本発明の1つの実施形態に係るネットワークエレメントを説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次の説明において、多くの具体的な詳細が説明される。一方、本発明の実施形態がこれら具体的な詳細がなくても実施され得ることは、理解される。他の事例において、本説明の理解を曖昧にしないために、周知の回路、構造、及び技術は、詳細に示されていない。
【0014】
“one embodiment”、“an embodiment”、“an example embodiment”などへの本明細書における言及は、説明される実施形態が特定の特性、構造、又は特徴を含み得ることを意味するが、全ての実施形態は特定の特性、構造、又は特徴を必ずしも含まなくてもよい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特性、構造、又は特徴が、実施形態との関連において説明される場合、明確に説明されていようとなかろうと、そのような特性、構造、又は特徴が、他の実施形態との関連において作用することは、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0015】
次の説明及び特許請求の範囲において、“連結される(coupled)”及び“接続される(connected)”という用語が、その派生語と共に使用され得る。これらの用語がお互いに同義語として意図されていないことは、理解されるべきである。“連結される”は、お互いに直接に物理的に又は電気的に接触してもしなくてもよい2つ以上のエレメントが、お互いに協働し、又は相互作用することを意味するために使用される。“接続される”は、お互いに連結される2つ以上のエレメントの間における通信の確立を意味するために使用される。
【0016】
1つの実施形態によれば、RSVP HELLOの仕組みの拡張が提供されて、例えば、保護経路内で間に少なくとも1つの中間ノードが存在するPLRノード及びMPノードのような、非直接的に接続される隣接する(neighboring)ノードの間で、HELLOセッションが動作することを可能とする。結果として、FRRが有効である場合でも、PLRノード及びMPノードのRSVPグレースフルリスタートを実行することができる。
【0017】
上述されるように、一般的に、RSVP HELLOメッセージは、隣接するノードの制御プレーンの動作状態を検出するために、直接接続される隣接するノードの間で交換される。そのようなHELLOの仕組みは、RSVP GRの機能をサポートするために拡張された。HELLOメッセージは、グレースフルリスタート機能オブジェクトと、LSPを維持し、制御プレーンの障害又はリスタートの後でLSP状態を回復するのに使用される情報とを伝達するために使用される。HELLOセッションが確立されなければ、グレースフルリスタートを実現することができない。
【0018】
上述されるように、リンク/ノードに障害が生じると、FRRがトリガされ、PLRノードは、ネットワークトラフィックを設備の保護のためのバイパストンネルへ移動させる。トラフィックは、MPノードにおいてLSPへマージバックされる。トラフィックは、延長される期間までバイパストンネルを通って流れるが、この期間の間に制御プレーンがPLR又はMPノードにおいてリスタートすると、PLR及びMPノードと保護されるLSPとの間のバイパストンネルを通るトラフィックフローがグレースフルリスタート機能の欠如により維持されないため、保護されるLSP上のトラフィックは失われ得る。RFC−3209によれば、間に1つより多くのホップが存在する場合、PLRとMPノードとの間でHELLOセッションを確立することができない。この状況において、経路メッセージがバイパストンネルを介して送信されるため、これらは、保護されるLSPの観点から論理的に隣接ノード(neighbor)を形成していても、物理的には直接的な隣接ノードではない。
【0019】
図1において示されるように、例えば、保護されるLSPは、R1−R2−R3−R4−R5としてセットアップされる。ノードの保護のためのバイパストンネルは、R2−R6−R4として確立される。R2−R3の間のリンク、又はノードR3に障害が生じると、R2(例えば、PLRノード)は、FRR方式に基づいて、バイパスR2−R6−R4を通るようにトラフィックフローを切り替える。FRRが有効である間、R2又はR4がリスタートする場合、それらがお互いに直接隣接して(adjacent)いないため、R2とR4との間でHELLOセッションを確立することができないことから、R2及びR4のグレースフルリスタートは実行されず、LSPは維持されず、結果として、ネットワークトラフィックは影響を受ける。
【0020】
1つの実施形態によれば、直接隣接するノードではないノード間で、HELLOメッセージの交換を通じて、HELLOセッションを確立することができる。隣接ノードへ発信する全てのHELLOメッセージについてのIPヘッダのTTL(time-to-live)フィールドは、1より大きい値に設定される。好適な実施形態において、HelloメッセージがIP転送を介して送信される場合、255であるTTL値が使用される。リモートノードのノード識別子(ID)又はインタフェースアドレス(例えば、IPv4若しくはIPv6)は、HELLOパケットの宛先フィールドにおいて使用される。RFC−3209及びRFC−3473において説明されるような、対応するHELLOメッセージハンドリング手続が、適用される。これらの非直接的に接続されるノードの間で、一旦helloセッションが確立されると、RFC−3473及びRFC−5063において説明されるようなRSVPグレースフルリスタート手続を、これらノードに適用することができる。
【0021】
HELLOセッションが要求されると、非直接的に接続される隣接ノードを、ローカルノード上で動的に発見することができる。例えば、トンネルがセットアップされる際、入口(ingress)ノード及び出口(egress)ノードは、HELLOセッションについて隣接ノードを形成することができる。HELLOセッションが要求されているローカルノードにより、非直接的に接続されている隣接ノードが発見されると、HELLO要求オブジェクトを含むHELLOメッセージがリモートノードへ向けて送出され、その際、HELLOメッセージの宛先アドレスのフィールドはリモートノードのアドレスをもって特定される。
【0022】
RSVP FRRの設備の保護の場合、保護されるLSPについてPLRによりバイパストンネルが確立され又は選択されると、PLRは、Hello要求オブジェクトを含むHELLOメッセージをバイパスの出口ノードへ向けて送信することによって、HELLOセッションを開始し得る。HELLOメッセージは、IP転送を用いて又はバイパストンネルを介して送信され得る。バイパストンネルの出口ノードがHELLO要求メッセージを受信すると、それは、HELLO_ACKオブジェクトを伴うHELLOメッセージをバイパストンネルの入口ノードへ送信し返す。バイパストンネルの入口ノードがHELLO ACKメッセージを受信すると、バイパストンネルの入口ノードと出口ノードとの間でHELLOセッションが確立される。
【0023】
ローカルノードとリモートノードとの間にトンネル(例えば、LSPトンネル又はバイパストンネル)が存在する場合、HELLOメッセージは、トンネル上で送信され得る。バイパストンネルが静的に構成される場合、トンネル上でHELLOセッションを稼働させることは、データプレーンの生存(liveness)チェックとして動作し得る。そのようなトンネルが利用不可能である場合、HELLOメッセージは、それが宛先に達し、又はTTLが0に達するまで、IPルーティングにより転送される。HELLOメッセージの宛先アドレスのフィールド内で特定されるアドレスを伴うリモートノードのみが、HELLOメッセージを処理し、HELLO ACKオブジェクトを含むHELLOメッセージをもって、HELLO要求メッセージの送信者へ向けて応答するであろう。HELLO要求メッセージの送信者がHELLO_ACKを伴うHELLOメッセージを受信すると、HELLOセッションが確立される。
【0024】
リモートノードがトンネルの出口ノードであって、そのためFRRから見るとMPポイントとして動作する場合に、リモートノードを、RSVP経路メッセージを受信することによって発見することができる。リンク/ノードに障害が生じてFRRが行われる前に、又はその後に、リモートノードの発見を実行することができる。
【0025】
バイパストンネルが確立されようとしている際にバイパストンネルの出口ノードにおいてバイパストンネルの経路メッセージを受信することによって、リモートノードを、リンク/ノードに障害が生じる前に発見することができる。やはりMPノードである出口ノードは、バイパストンネルについての経路メッセージを受信し、HELLO要求オブジェクトを伴うHELLOメッセージをやはりPLRノードであるバイパスの入口ノードへ向けて送信することによって、HELLOセッションを開始することができる。HELLOメッセージは、1よりも大きい値に設定されるTTL値を伴って、IP転送を介して送信される。バイパストンネルの入口ノード上でHELLO要求オブジェクトを伴うHELLOメッセージが受信されると、バイパストンネルの入口ノードは、バイパストンネルの出口ノードへ向けてHELLO Ackオブジェクトを伴うHELLOメッセージを応答する。バイパストンネルの出口ノードがHELLO Ackオブジェクトを伴うHELLOメッセージを受信すると、バイパストンネルの入口ノード(保護されるLSPについてのPLRノード)と出口ノード(保護されるLSPについてのMPノード)との間でHELLOセッションが確立される。
【0026】
また、FRRが有効である際に、保護されるLSPの経路メッセージをバイパストンネル上で受信することによって、リモートノードを、リンク/ノードに障害が生じた後に発見することができる。MPノードは、経路メッセージを受信し、HELLO要求オブジェクトを伴うHELLOメッセージをバイパスの入口ノードへ向けて送信することによって、HELLOセッションを開始し得る。HELLOメッセージは、IF転送を介して送信される。バイパストンネルの入口ノード上でHELLO要求オブジェクトを伴うHELLOメッセージが受信されると、入口ノードは、バイパストンネルの出口ノードへ向けてHELLO Ackオブジェクトを伴うHELLOメッセージを送信する。バイパストンネルの出口ノードがHELLO Ackオブジェクトを伴うHELLOメッセージを受信すると、バイパストンネルの入口ノードと出口ノードとの間でHELLOセッションが確立される。
【0027】
非直接的に接続されるノードのいずれの側でも、HELLOセッションがそれらの間で必要とされた場合に、非直接的に接続される隣接ノードを構成することができる。当該構成がトリガとなって、HELLO要求オブジェクトを伴うHELLOメッセージがリモートノードへ向けて送信される。HELLO ACKオブジェクトを伴うHELLOメッセージがリモートノードから戻って受信されると、HELLOセッションが確立される。
【0028】
ローカルノードとリモートノードとのペアごとに1つのHELLOセッションが確立される。ノード間に複数のトンネルが存在する場合、1つのHELLOセッションしか確立されない。HELLOセッションについて複数のトンネルが存在する場合、HELLOメッセージを転送するためのトンネルの選択が、ローカルポリシーに基づいて実行される。
【0029】
直接接続されないローカルノードとリモートノードとの同じペアの間で、複数のHELLOセッションを、必要に応じて確立することができる。Helloセッションの識別子(32ビット)が、非直接的に接続されるノード間で交換されるHELLOメッセージに付加されて、HELLOメッセージの発信元及び宛先アドレスのフィールドと共に特定のHELLOセッションを一意に識別する。1つの実施形態によれば、非直接的に接続されるノード間のHELLOセッションのサポートは、構成を介して有効化され、又は無効化され得る。
【0030】
図1を参照すると、リンク、この例ではノードR2とR3との間のリンク、が停止している場合、保護されるLSP R2−R3−R4のネットワークトラフィックは、FRRの設備の保護のためのバイパストンネルである保護される経路R2−R6−R4へ切り替えられる。ネットワークトラフィックは、RFC−4090において説明されるFRR手続に従って、ローカルリペアポイント(PLR)ノード、この例では、R2、によってFRR方式を用いて、保護経路へ切り替えられ得る。FRRの仕様に係るさらに詳細な情報は、ここでの参照によって取り入れられ、RFC−4090において見出すことができる。
【0031】
加えて、FRRが有効である間、PLRノードとしてのR2は、HELLO要求オブジェクトを含むHELLOメッセージを定期的に生成し、MPノードとしてのR4へ保護経路R2−R6−R4を通じて送信する。HELLOメッセージにおいて、対応するIPヘッダのTTLフィールドは、1より大きい値に設定される。好適には、HELLOメッセージのTTLフィールドは、255の値に設定される。典型的に、TTLフィールドは、特定のIPパケットのデータグラムがインターネットシステム内に残存することを可能とする最大時間を意味する。TTLフィールドが値ゼロを含む場合、データグラムは、廃棄されなければならない。TTLフィールドは、インターネットのヘッダ処理において変更される。時間は、秒単位で測定されるが、データグラムを処理するすべてのモジュールは、それが秒未満でデータグラムを処理する場合にも、少なくとも1ずつTTLを減らさなければならないため、TTLは、データグラムが存在し得る時間上の単なる上限として考慮されなければならない。配達不能のデータグラムが廃棄されるようにし、データグラムの最大寿命を設ける(bind)ことが、意図される。RFC−3209において説明される従来のHELLOメッセージは、HELLOメッセージが2つの直接隣接し、又は直接接続されるノードの間で交換されるよう設計されるように、HELLOメッセージのTTLフィールドが1に設定されることを必要とする。
【0032】
図1において示される例において、PLRノードR2とMPノードR4との間に少なくとも1つのホップ(例えば、ノードR6)が存在するため、1のTTL値を伴う従来のHELLOメッセージは、R2からR4へ達することができない。即ち、HELLOメッセージのTTLフィールドを1の値に設定することによって、HELLOメッセージは、R6のような中間ノードによってドロップされ得る。HELLOメッセージのTTLフィールドを1より大きく、好適には255に、設定することによって、そのようなHELLOメッセージは、R2からR4へ達することができる。図2は、HELLOメッセージと共に使用され得るIPヘッダを説明するブロック図であり、ここでIPヘッダのTTLフィールドは、1より大きく、好適には255に、なるよう設定される。様々な動作構成におけるHELLOプロトコルに関するさらに詳細な情報は、ここでの参照により取り入れられるRFC−3209、RFC−3473、RFC−4558、及びRFC−5063において見出すことができる。本出願を通して説明される技術は、上述のRFCにおいて定義される構成に適用され得る。
【0033】
それに応じて、MPノードとしてのR4は、HELLO ACKオブジェクトを伴うHELLOメッセージを返信する。R2及びR4のうちいずれか1つがグレースフルリスタートを実行する際、R2及びR4はHELLOメッセージを交換し得るため、バイパストンネルを用いる保護されるLSPを迅速な回復のために維持することができる。
【0034】
図3は、保護されるLSPのリンク/ノード障害によってトリガされるFRRが行われた後にHELLOセッションが開始され確立される場合の、本発明の1つの実施形態に係るPLRノードによるHELLOセッションを開始するための方法を説明するフロー図である。なお、方法300は、ソフトウェア、ハードウェア、又は両者の組合せを含み得る処理ロジックによって実行されてよい。方法300は、例えば、図1のR2のようなPLRノードにより実行されてよい。図3を参照すると、ブロック301において、保護されるLSP(例えば、図1のR2−R3−R4)のノード/リンク障害に応じて、PLRノード(例えば、図1のR2)は、FRR方式に基づいてネットワークトラフィックを保護経路(例えば、図1のR2−R6−R4)上に切り替える。ブロック302において、PLRノードは、PLRノードに直接隣接しないMPノード(例えば、図1のR4)とのRSVP−TE GRのHELLOセッションを確立し、これは、1よりも大きいTTLを伴うHELLO要求メッセージを保護経路上でMPノードに送信することを含む。それに応じて、ブロック303において、MPノードは、HELLO確認応答メッセージをPLRノードに返送して、HELLOセッションの確立を完了する。なお、HELLOセッションは、トラフィックの保護経路上への切り替えに先立って確立されてもよい(ブロック302及び303)。
【0035】
ブロック304において、リスタートの要求に応じて、PLRノードは、HELLOセッションにおいて交換されるHELLOメッセージから取得される情報を用いて、FRRが有効である間に、グレースフルリスタート動作を実行する。
【0036】
図4は、保護されるLSPのリンク/ノード障害によりトリガされるFRRが行われた後にHELLOセッションが開始され確立される場合の、本発明の1つの実施形態に係るMPノードによるHELLOセッションを開始するための方法を説明するフロー図である。なお、方法400は、ソフトウェア、ハードウェア、又は両者の組合せを含み得る処理ロジックによって実行されてよい。方法400は、例えば、図1のR4のようなMPノードにより実行され得る。図4を参照すると、ブロック401において、保護されるLSP(例えば、図1のR2−R3−R4)のノード/リンク障害に応じて、PLRノード(例えば、図1のR2)は、FRR方式に基づいてネットワークトラフィックを保護経路(例えば、図1のR2−R6−R4)上に切り替える。ブロック402において、MPノード(例えば、図1のR4)は、PLRノードがMPノードに直接隣接しないことを示す経路メッセージをPLRノードから保護経路上で受信する。ブロック403において、MPノードは、MPノードに直接隣接しないPLRノードとのHELLOセッションを確立し、これは、1よりも大きい値、好適には255、を有するTTLフィールドを伴うHELLO要求メッセージをPLRノード(例えば、図1のR2)へ保護経路上で送信することを含む。ブロック404において、MPノードは、PLRノードから保護経路上でHELLO確認応答メッセージを受信して、HELLOセッションを完了する。なお、HELLOセッションは、トラフィックの保護経路上への切り替えに先立って確立されてもよい(ブロック402、403、及び404)。
【0037】
ブロック405において、リスタートの要求に応じて、MPノードは、HELLOセッションにおいて交換されるHELLOメッセージから取得される情報を用いて、FRRが有効である間に、グレースフルリスタート動作を実行する。
【0038】
図5は、本発明の1つの実施形態に係るネットワークエレメントを説明するブロック図である。ネットワークエレメント700は、図1に示されるネットワークノードのいずれとして実装されてもよい。ネットワークエレメント700は、例えば、上述されるPLRノード又はMPノードであってよい。図5を参照すると、ネットワークエレメント700は、限定ではないが、メッシュ705上の1つ以上のラインカード702−703(インタフェースカード又はユーザプレーンとも呼ばれる)に通信可能に連結される制御カード701(制御プレーンとも呼ばれる)を含み、メッシュ705は、メッシュネットワーク、相互接続、バス、又はそれらの組合せであってよい。ラインカードは、データプレーンとも呼ばれる(転送プレーン又はメディアプレーンと呼ばれることもある)。ラインカード702−703の各々は、それぞれインタフェース706−707のような1つ以上のインタフェース(ポートとも呼ばれる)と関連付けられる。各ラインカードは、ルーティング機能のブロック又はロジック(例えば、ブロック709−710)を含み、ルーティング機能のブロック又はロジックは、インタフェース711(例えば、コマンドラインインタフェース、即ちCLI)を介して管理者によって設定され得る制御カード701によって設定される構成(例えば、ルーティングテーブル)に従って、パケットをルーティングし、及び/又は対応するインタフェースを介してパケットを転送する。
【0039】
1つの実施形態によれば、制御カード701は、限定ではないが、障害検出ユニット730と、FRRユニット731と、HELLOユニット732と、データベース708とを含む。障害検出ユニット730は、特定のリンク又は特定のノードに障害が生じているか否かを、上述のRFCにおいて説明されるような様々な通信プロトコルを用いて検出するよう適応される。リンク又はノード障害に応じて、FRRユニットは、上述のRFCにおいて説明されるように、FRR方式に基づいて、ネットワークトラフィックを保護経路(例えば、バイパスLSPトンネル)上へ切り替えるよう適応される。HELLOユニット732は、ネットワークエレメント700に直接隣接しないリモートノード(例えば、MPノード又はPLRノード)とのHELLOセッションを、1よりも大きい、好適には255の、TTL値を有するHELLOメッセージをリモートノードと交換することによって確立するよう適応される。結果として、従来のHELLOセッションとは違って、保護されるLSPのある状態(例えば、接続状態)の情報を維持して、FRRが有効である間にノードがグレースフルリスタートすることを可能とするために、HELLOメッセージが非直接的に隣接するノードに達することを、本発明の実施形態は、可能とする。
【0040】
再び図5を参照すると、ネットワークエレメント700がルータである(又は、ルーティング機能を実装している)場合、制御プレーン701は、典型的には、いかにデータ(例えば、パケット)がルーティングされるべきか(例えば、当該データについての次のホップ及びそのデータについての発信ポート)を判定し、データプレーン(例えば、ラインカード702−703)は、そのデータの転送を担う。例えば、他のネットワークエレメントと通信して、ルートを交換し、1つ以上のルーティングメトリックに基づいてこれらルートを選択する、1つ以上のルーティングプロトコル(例えば、BGP(Border Gateway Protocol)、IGP(Interior Gateway Protocol)(例えば、OSPF(Open Shortest Path First)、RIP(Routing Information Protocol)、IS−IS(Intermediate System to Intermediate System)など)、LDP(Label Distribution Protocol)、RSVP(Resource Reservation Protocol)など)を、制御プレーン701は、典型的には含む。
【0041】
ルート及び近隣ノード(adjacencies)は、制御プレーン(例えば、データベース708)上の1つ以上のルーティング構造(例えば、RIB(Routing Information Base)、LIB(Label Information Base)、1つ以上の近隣ノード構造、など)において記憶される。制御プレーン701は、ルーティング構造に基づく情報(例えば、近隣ノード及びルート情報)をもってデータプレーン(例えば、ラインカード702−703)をプログラムする。例えば、制御プレーン701は、データプレーン上の1つ以上の転送構造(例えば、FIB(Forwarding Information Base)、LFIB(Label Forwarding Information Base)、及び1つ以上の近隣ノード構造)に、近隣ノード及びルート情報をプログラムする。データプレーンは、トラフィックを転送する際、これら転送構造及び近隣ノード構造を使用する。
【0042】
ルーティングプロトコルの各々は、あるルートメトリック(メトリックは、異なるルーティングプロトコルについて異なってよい)に基づいて、ルートエントリをメインRIB(routing information base)へダウンロードする。ルーティングプロトコルの各々は、ローカルRIB(例えば、OSPFのローカルRIB)において、メインRIBへダウンロードされないルートエントリを含むルートエントリを、記憶することができる。メインRIBを管理するRIBモジュールは、(メトリックのセットに基づいて)ルーティングプロトコルによって、ダウンロードされるルートからルートを選択し、選択されるこれらルート(アクティブルートエントリと呼ばれることもある)をデータプレーンへダウンロードする。RIBモジュールによって、ルートをルーティングプロトコル間に再分配することもできる。レイヤ2転送について、ネットワークエレメント700は、1つ以上のブリッジングテーブルを記憶することができ、これを使用して、データを、このデータ内のレイヤ2情報に基づいて転送する。
【0043】
図5において、説明のみを目的として、1つの制御カード及び2つのラインカードのみが示されている。典型的には、ネットワークエレメントは、1つ以上のラインカードのセットと、1つ以上の制御カードのセットと、オプションとして1つ以上のサービスカード(リソースカードと呼ばれることもある)のセットとを含む。これらカードは、1つ以上の仕組み(例えば、ラインカードを連結する第1のフルメッシュ及び全てのカードを連結する第2のフルメッシュ)を通じて共に連結される。ラインカードのセットは、データプレーンを構成し、一方制御カードのセットは、制御プレーンを提供して、ラインカードを通じて外部のネットワークエレメントとパケットを交換する。サービスカードのセットは、特化された処理(例えば、レイヤ4〜レイヤ7のサービス(例えば、ファイアウォール、IPsec、IDS、P2P)、VoIPセッションボーダコントローラ、モバイル無線ゲートウェイ(GGSN、EPS(Evolved Packet System)ゲートウェイ)など)を提供することができる。例として、サービスカードを使用して、IPsecのトンネルを終端し、受付認証(attendant authentication)を実行し、アルゴリズムを暗号化し得る。ここで使用されるように、ネットワークエレメント(例えば、ルータ、スイッチ、ブリッジ、など)は、ネットワーク上の他の機器(例えば、他のネットワークエレメント、終端局、など)と通信可能に相互接続する、ハードウェア及びソフトウェアを含むネットワーク機器の一部である。いくつかのネットワークエレメントは、複数のネットワーク機能(例えば、ルーティング、ブリッジング、スイッチング、レイヤ2集約、セッションボーダ制御、サービス品質、及び/又は加入者管理)についてのサポートを提供し、及び/又は複数のアプリケーションサービス(例えば、データ、音声、及びビデオ)についてのサポートを提供する、“複数サービスのネットワークエレメント”である。
【0044】
加入者終端局(例えば、サーバ、ワークステーション、ラップトップ、パームトップ、携帯電話、スマートフォン、マルチメディアフォン、VOIP(Voice Over Internet Protocol)フォン、携帯型メディアプレイヤー、GPS(global positioning system)ユニット、ゲームシステム、セットトップボックス、など)は、インターネット上で提供されるコンテンツ/サービス、及び/又はインターネット上に敷かれるVPN(virtual private networks)上で提供されるコンテンツ/サービスにアクセスする。コンテンツ、及び/又はサービスは、サービス又はコンテンツプロバイダに属する1つ以上の終端局(例えば、サーバ終端局)、若しくはピアツーピアサービスに参加している終端局によって典型的に提供され、パブリックウェブページ(フリーコンテンツ、ストアフロント、検索サービス、など)、プライベートウェブページ(例えば、Eメールサービスなどを提供するユーザネーム/パスワードによりアクセスされるウェブページ)、VPN上の企業ネットワーク、などを含み得る。典型的には、加入者終端局は、エッジネットワークエレメントに(例えば、アクセスネットワークに(有線又は無線で)連結されるCPE(customer premise equipment)を通じて)連結され、当該エッジネットワークエレメントは、他の終端局(例えば、サーバ終端局)に連結される他のエッジネットワークエレメントに(例えば、1つ以上のコアネットワークエレメントを通じて)連結される。
【0045】
先の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビット上の動作のアルゴリズム及びシンボル表現の観点で提示されている。これらアルゴリズム的な説明及び表現は、データプロセシングの分野における当業者によって、他の当業者へ最も効果的にその内容を伝達するために使用されるやり方である。アルゴリズムは、ここでは、そして一般的には、望ましい結果へ導く動作の首尾一貫したシーケンスであると考えられる。動作は、物理量の物理的操作を要求するものである。必ずしもというわけではないが、通常、これらの量は、記憶され、送信され、結合され、比較され、それ以外のやり方で操作されることが可能な、電気的又は磁気的信号の形態をとる。主に一般的な使用のために、これら信号をビット、値、エレメント、記号、文字、用語、数などと呼ぶことは、時として都合が良いことがわかっている。
【0046】
一方、全てのこれらの及び同様の用語は、適当な物理量と関連付けられるべきであり、これら量に適用される単なる便宜上のラベルであるということは、念頭に置かれるべきである。上の議論から明らかである以外に具体的に記述されなければ、本説明を通して、以下の特許請求の範囲において説明されるような用語を用いる議論は、コンピュータシステム、又はコンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電気)量として表されるデータを、操作し、コンピュータシステムのメモリ、若しくはレジスタ、若しくは他のそのような情報ストレージ、送信信号、若しくはディスプレイデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、同様の電気的な計算デバイスの、アクション及び処理についてものであると理解される。
【0047】
本発明の実施形態は、ここでの動作を実行するための装置にも関する。この装置は、要求される目的のために特別に構築されてもよく、又はコンピュータ内に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化され、若しくは再構成される汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な媒体内に記憶され得る。マシン読取可能な媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読取可能な形態で情報を記憶するための任意の仕組みを含む。例えば、マシン読取可能な(例えば、コンピュータ読取可能な)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)読取可能な記憶媒体(例えば、“ROM”(read only memory)、“RAM”(random access memory)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、など)などを含む。
【0048】
ここで提示されるアルゴリズム及び表示は、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置とも本質的に関係しない。様々な汎用システムがここでの技術に従ったプログラムと共に使用されてもよく、又は要求される方法の動作を実行するためにより特化された装置を構築することが、都合が良いとわかるかもしれない。様々なこれらシステムについて要求される構造は、上の説明から明らかであろう。加えて、本発明の実施形態は、いかなる特定のプログラミング言語をも参照して説明されない。様々なプログラミング言語を使用して、ここで説明される本発明の実施形態の技術を実装し得ることは、明らかであろう。
【0049】
ここまでの明細書において、本発明の実施形態は、それらの具体的な例となる実施形態を参照して説明されている。次の特許請求の範囲において説明される本発明のより広い思想及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が施され得ることは明白であろう。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく説明的な意味でとらえられるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートノードのリスタートを考慮してネットワークエレメント内でリスタート手続を実行することを目的として、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の1つ以上の保護されるラベルスイッチパス(LSP)の状態情報を維持し及び回復するために、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとのHELLOセッションを確立して、前記HELLOセッションの間に交換されるHELLOメッセージに基づいて前記リモートノードがリスタートするかを判定する、前記ネットワークエレメント内で実行されるマシン実装される方法であって、
前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードの構成及び自動発見のうち1つに応じて、前記保護されるLSPのリンク/ノード障害に先立って、前記リモートノードとのHELLOセッションを確立するステップと、当該ステップは、リモートノードとのHELLOメッセージの交換を含むことと、
各HELLOメッセージは、IP(Internet Protocol)転送プロトコルを用いてルーティングされる場合には、1よりも大きい値であるTTL(time-to-live)を含み、ローカルノードと前記リモートノードとの間で確立されるトンネルを介して転送される場合には、1であるTTL値を含むことと、
前記保護されるLSPのリンク障害及びノード障害のうち少なくとも1つに応じて、高速リルーティング(FRR)方式に従って前記保護経路上へネットワークトラフィックを切り替えるステップと、
前記保護されるLSPの前記リンク/ノード障害に先立って前記HELLOセッションが確立されていなければ、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとの前記HELLOセッションを確立するステップと、当該ステップは、リモートノードとのHELLOメッセージの交換を含むことと、
各HELLOメッセージは、IF転送プロトコルに基づいてルーティングされる場合には、1よりも大きい値であるTTLを含み、バイパストンネルを介して転送される場合には、1であるTTL値を含むことと、
前記HELLOセッションの間に交換される前記HELLOメッセージに基づいて、前記リモートノードのリスタートに応じて、前記保護されるLSPのLSP状態情報の維持及び回復のために、RSVP(resource reservation protocol) TE(traffic engineering)グレースフルリスタート(RSVP−TE GR)の仕組みに従ってリスタート手続を実行するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記HELLOメッセージが中間ノードのいずれによってもドロップされないように、前記HELLOメッセージの前記TTL値は、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の前記中間ノードの数に少なくとも等しく、又はより大きく設定される、請求項1の方法。
【請求項3】
前記ネットワークエレメントは、ローカルリペアポイント(PLR)ノードであり、前記リモートノードは、前記保護されるLSPのマージポイント(MP)ノードであり、前記PLRノードと前記MPノードとの間の前記保護経路には、少なくとも1つの中間ノードが存在する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記保護経路上で前記FRR方式が有効である間に、前記HELLOメッセージセッションが確立され、前記リスタート手続が実行される、請求項1の方法。
【請求項5】
前記HELLOセッションは、前記リモートノードを隣接するノードとして静的に設定する必要なく、前記ネットワークエレメントにより確立される、請求項1の方法。
【請求項6】
リモートノードのリスタートを考慮してネットワークエレメント内でリスタート手続を実行することを目的として、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の保護されるラベルスイッチパス(LSP)の状態情報を維持するために、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとのHELLOセッションを確立して、前記HELLOセッションの間に交換されるHELLOメッセージに基づいて前記リモートノードがリスタートするかを判定するためのネットワークエレメントであって、
前記保護されるLSPのリンク障害及びノード障害のうち少なくとも1つに応じて、保護経路を選択し、及び、高速リルーティング(FRR)方式に従って前記保護経路上へネットワークトラフィックを切り替える、高速リルーティング(FRR)ユニットと、
前記FRRユニットに連結され、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとのHELLOセッションを確立するHELLOハンドリングユニットと、当該確立することは、前記保護経路上における前記リモートノードとの1つ以上のHELLOメッセージの交換を含むことと、
各HELLOメッセージは、IP(Internet Protocol)転送プロトコルに基づいてルーティングされる場合には、1よりも大きいTTL(time-to-live)値を含み、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間のトンネルを介して送信される場合には、1であるTTL値を含むことと、
前記FRRユニットと前記HELLOハンドリングユニットとに連結され、前記HELLOセッションの前記1つ以上のHELLOメッセージに基づいて維持される前記保護されるLSPのLSP状態情報を用いて、前記HELLOセッションの間に交換される前記1つ以上のHELLOメッセージに基づいて、前記リモートノードのリスタートに応じて、RSVP(resource reservation protocol) TE(traffic engineering)グレースフルリスタート(RSVP−TE GR)のプロトコルに従ってリスタート手続を実行するリスタートユニットと、
を備える、ネットワークエレメント。
【請求項7】
前記HELLOメッセージが中間ノードのいずれによってもドロップされないように、前記HELLOメッセージの前記TTL値は、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の前記中間ノードの数に少なくとも等しく、又はより大きく設定される、請求項6のネットワークエレメント。
【請求項8】
前記ネットワークエレメントは、ローカルリペアポイント(PLR)ノードであり、前記リモートノードは、前記保護されるLSPのマージポイント(MP)ノードであり、前記PLRノードと前記MPノードとの間の前記保護経路には、少なくとも1つの中間ノードが存在する、請求項6のネットワークエレメント。
【請求項9】
前記保護経路上で前記FRR方式が有効である間に、前記HELLOメッセージセッションが確立され、前記リスタート手続が実行される、請求項6のネットワークエレメント。
【請求項10】
前記HELLOセッションは、前記リモートノードを隣接するノードとして静的に設定する必要なく、前記ネットワークエレメントにより確立される、請求項6のネットワークエレメント。
【請求項11】
リモートノードのリスタートを考慮してネットワークエレメント内でリスタート手続を実行することを目的として、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の保護されるラベルスイッチパス(LSP)の状態情報を維持するために、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとのHELLOセッションを確立して、前記HELLOセッションの間に交換されるHELLOメッセージに基づいて前記リモートノードがリスタートするかを判定する、前記ネットワークエレメント内で実行されるマシン実装される方法であって、
前記リモートノードから、IP転送、又は前記ネットワークエレメントとリモートノードとの間のバイパストンネルを介して、前記保護されるLSPを保護するように構成される経路メッセージを受信するステップと、
前記保護されるLSPのリンク障害/ノード障害に応じて、高速リルーティング(FRR)方式を用いて、前記保護経路上へネットワークトラフィックが切り替えられていることと、
前記経路メッセージに応じて、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとのHELLOセッションを確立するステップと、当該ステップは、前記保護経路上における前記リモートノードとのHELLOメッセージの交換を含むことと、
各HELLOメッセージは、IP転送を介してルーティングされる場合には、1よりも大きいTTL(time-to-live)値を含み、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間で確立されるトンネルを介して転送される場合には、1であるTTL値を含むことと、
前記HELLOセッションの間に交換される前記HELLOメッセージに基づいて、前記リモートノードのリスタートに応じて、前記HELLOセッションの1つ以上の前記HELLOメッセージに基づいて維持される前記保護されるLSPのLSP状態情報を用いて、RSVP(resource reservation protocol) TE(traffic engineering)グレースフルリスタート(RSVP−TE GR)プロトコルに従ってリスタート手続を実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記HELLOメッセージが中間ノードのいずれによってもドロップされないように、前記HELLOメッセージの前記TTL値は、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の前記中間ノードの数に少なくとも等しく、又はより大きく設定される、請求項11の方法。
【請求項13】
前記ネットワークエレメントは、マージポイント(MP)ノードであり、前記リモートノードは、前記保護されるLSPのローカルリペアポイント(PLR)ノードであり、前記PLRノードと前記MPノードとの間の前記保護経路には、少なくとも1つの中間ノードが存在する、請求項11の方法。
【請求項14】
前記保護経路上で前記FRR方式が有効である間に、前記HELLOメッセージセッションが確立され、前記リスタート手続が実行される、請求項11の方法。
【請求項15】
前記HELLOセッションは、前記リモートノードを隣接するノードとして静的に設定する必要なく、前記ネットワークエレメントにより確立される、請求項11の方法。
【請求項16】
リモートノードのリスタートを考慮してネットワークエレメント内でリスタート手続を実行することを目的として、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の保護されるラベルスイッチパス(LSP)の状態情報を維持するために、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとのHELLOセッションを確立して、前記HELLOセッションの間に交換されるHELLOメッセージに基づいて前記リモートノードがリスタートするかを判定するためのネットワークエレメントであって、
前記リモートノードから、IP転送、及びバイパストンネルのうち1つを介して、前記保護されるLSPを保護するように構成される経路メッセージを受信する受信機と、
前記保護されるLSPのリンク障害及びノード障害のうち少なくとも1つに応じて、高速リルーティング(FRR)方式を用いて、前記保護経路上へネットワークトラフィックが切り替えられていることと、
前記受信機に連結され、前記経路メッセージに応じて、前記ネットワークエレメントに直接隣接しない前記リモートノードとのHELLOセッションを確立するHELLOハンドリングユニットとし、当該確立することは、前記保護経路上における前記リモートノードとの1つ以上のHELLOメッセージの交換を含むことと、
各HELLOメッセージは、IP転送を介してルーティングされる場合には、1よりも大きいTTL(time-to-live)値を含み、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間で確立されるトンネルを介して転送される場合には、1であるTTL値を含むことと、
前記HELLOハンドリングユニットに連結され、前記HELLOセッションの前記1つ以上のHELLOメッセージに基づいて維持される前記保護されるLSPのLSP状態情報を用いて、前記HELLOセッションの間に交換される前記1つ以上のHELLOメッセージに基づいて、前記リモートノードのリスタートに応じて、RSVP(resource reservation protocol) TE(traffic engineering)グレースフルリスタート(RSVP−TE GR)プロトコルに従ってリスタート手続を実行するリスタートユニットと、
を備える、ネットワークエレメント。
【請求項17】
前記HELLOメッセージが中間ノードのいずれによってもドロップされないように、前記1つ以上のHELLOメッセージの前記TTL値は、前記ネットワークエレメントと前記リモートノードとの間の前記中間ノードの数に少なくとも等しく、又はより大きく設定される、請求項16のネットワークエレメント。
【請求項18】
前記ネットワークエレメントは、マージポイント(MP)ノードであり、前記リモートノードは、前記保護されるLSPのローカルリペアポイント(PLR)ノードであり、前記PLRノードと前記MPノードとの間の前記保護経路には、少なくとも1つの中間ノードが存在する、請求項16のネットワークエレメント。
【請求項19】
前記保護経路上で前記FRR方式が有効である間に、前記HELLOメッセージセッションが確立され、前記リスタート手続が実行される、請求項16のネットワークエレメント。
【請求項20】
前記HELLOセッションは、前記リモートノードを隣接するノードとして静的に設定する必要なく、前記ネットワークエレメントにより確立される、請求項16のネットワークエレメント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−509015(P2013−509015A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533725(P2012−533725)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054594
【国際公開番号】WO2011/045733
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】