説明

鳥害防止装置

【課題】カラスなどの鳥類による被害を防止するための鳥害防止装置であって、光を乱反射させながら不規則な金属音を発生させて鳥類を効果的に忌避させるとともに、長期間使用しても鳥類が慣れにくい構成にする。
【解決手段】光反射性を有し、可撓性を有した金属製薄板素材で形成されるシート体2を備え、該シート体は、シート本体3と羽根体6とで構成され、羽根体には、シート本体から面一状の主羽根部7と該主羽根部から左右方向に延出する第一、第二羽根部8、9が形成されるとともに、シート本体には、中心に挿通管4が挿通する貫通孔5が穿設され、該挿通管はワイヤ13が遊嵌状に貫通するように構成して、シート体が挿通管およびワイヤの軸回り方向の回転に加えて、傾斜移動と軸心方向の移動をするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラスなどの鳥類による被害を防止するための装置であって、風や光により反射光を発したり、回転、発音したりすることによって鳥類を退散させる鳥害防止装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラスなどの鳥類による被害を防止するための対策としては、被害を受けると想定される田畑やビニールハウスなどの対象物全体をテグス等で覆って保護したり、その対象物の周囲にCDやDVD等の光ディスクを吊り下げて光の不規則な反射を得ることによって鳥類を脅したりして近寄らせないようにしたりしている。
この種のものとしては、例えば風車の回転軸に円板を取付けて、風車とともに回転する円板が動く目玉のように見えるよう着色を施したものや(例えば、特許文献1参照。)、板材に嵌めこんだガラス玉によって太陽光を反射させるとともに、板材の両端部を弾力性のある部材で支持して板材そのものが風で揺動したり回転したりするよう構成したもの(例えば、特許文献2参照。)、或いは空中に張設されたワイヤに、遊動フックが遊動自在かつ回転自在に取付けられたアームを連結し、該遊動フックから懸吊される光ディスクの揺動によって太陽光を乱反射させるよう構成したもの(例えば、特許文献3参照。)等が提唱されている。
【0003】
また、被害対象地域において不規則な発砲音や威嚇音を発することによって、有害鳥類を畏怖させて近づけさせないようにする方法も採られている。
この種のものとしては、予め設定された時間に、砲身内に設けられた燃焼室で可燃物を爆発させ、肥料を成分とする弾材を砲身から空中に向けて放出させて、燃焼室における爆発音とそれに伴う弾材の放出とによって鳥を脅すように構成したものや(例えば、特許文献4参照。)、被害対象地域に赤外線センサーを設置して、該赤外線センサーが動物の到来を感知すると狼や犬の鳴き声等の音声をスピーカーから発するよう構成したもの(例えば、特許文献5参照。)等が提唱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−115433号公報
【特許文献2】実公平6−2554号公報
【特許文献3】特開2002−34427号公報
【特許文献4】実開平6−5481号公報
【特許文献5】特開平6−181674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記従来のものは、例えば特許文献1のものでは、長期間の使用によって色褪せしたり汚れが付着したりして効果が薄らいでしまうのみならず、回転以外の動きがないため、最初は警戒していた鳥類も徐々に慣れて警戒心を持たなくなってしまい効果が持続しないという問題がある。また、特許文献2のものでは、特許文献1と同様にガラス玉に汚れが付着すると反射光が得られないうえ、板材の揺動や回転という比較的単純な動きだけではやはり効果が持続しないという問題がある。さらに、特許文献3のものでは、反射面積が広い光ディスクを吊下げることによってより多くの光を反射させることはできるが、光ディスクは平面状でありしかも吊り下げられた状態で使用されるため、無風或いは微風下では限られた場所にしか光を反射させることができず、そのうえ動きが乏しいためすぐに鳥が警戒しなくなってしまって鳥害防止の効果は低いものである。
一方、特許文献4のものでは、鳥を威嚇する程の大きな爆発音は周辺住民にとっても不快なものであり、近隣騒音の問題を惹起こす惧れがあるため、居住地に近い場所では使用しにくいという問題があり、また、特許文献5のものでは、赤外線センサーを被害対象地域の周辺全てに設置しなければならないため対象地域が広範囲であった場合には費用が嵩み、また電源のないところでは使用できないという問題もあって、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、表裏面が光反射性を有し、弾性振動および/または弾性変形によって発音するべく可撓性を有した金属製薄板素材で形成されるシート体を備えた鳥害防止装置であって、前記シート体は、中心に貫通孔が穿設されたシート本体と、該シート本体の外端縁から外方向に向けて突出し、周回り方向等間隔に形成される複数の羽根体とから構成され、該羽根体は、シート本体から面一状に延出し、周回り方向左右端縁を有する主羽根部と、該主羽根部の左右一端縁から左右方向に延出してシート体表面側に折曲形成した第一羽根部と、前記主羽根部の左右他端縁から左右方向に延出してシート体裏面側方向に折曲形成した第二羽根部とから構成されると共に、前記シート本体は、貫通孔に挿通管が遊嵌状に貫通することで挿通管に対する傾斜移動と表裏方向の移動と軸回り方向の回転とが許容され、前記挿通管は、シート体の表裏方向の移動量を決定するための表裏一対の抜止め部を有し、前記挿通管は、支持部材が遊嵌状に貫通することで支持部材に対する傾斜移動と軸心方向の移動と軸回り方向の回転とが許容され、さらに支持部材は、挿通管の軸心方向の移動量を決定するための一対の止め部を有していることを特徴とする鳥害防止装置である。
請求項2の発明は、前記主羽根部は、貫通孔を通る直線に対して線対称の状態で左右端縁間が外側ほど幅狭となる三角形状をし、第一、第二羽根部は、主羽根部の左右端縁から外側ほど幅広となるよう三角形状に折曲形成された第一面部と、該第一面部の左右方向端縁から左右方向に延出し、外側ほど幅広となるよう三角形状になる状態で第一面部よりもさらに表裏面側に向けて折曲形成された第二面部とからなることを特徴とする請求項1記載の鳥害防止装置である。
請求項3の発明は、シート本体は円板状であって、該シート本体の中心からシート本体の外端縁までの距離は、シート本体の中心から羽根体の外端縁までの距離のおよそ半分であることを特徴とする請求項1または2記載の鳥害防止装置である。
請求項4の発明は、羽根体は3枚〜10枚までであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の鳥害防止装置である。
請求項5の発明は、支持部材は鳥害防止対象領域に張設された長尺状のワイヤであり、シート体は、該ワイヤに適宜間隔を存して複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の鳥害防止装置である。
請求項6の発明は、支持部材が有する止め部の間隔は、挿通管の長さよりも長くなるよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の鳥害防止装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明とすることにより、表裏光反射性を有するシート体は、シート本体から面一状に延出した主羽根部の左右端縁から表裏逆方向に折曲形成された第一、第二羽根部を有し、しかもシート本体中心部の貫通孔に対し、移動量が決められてはいるが表裏方向の移動がなされる状態で挿通管が遊嵌され、かつ該挿通管は、支持部材に対し、移動量は決められているが軸心方向の移動がなされる状態で遊嵌されている。この結果、シート体は、それぞれ二段階の傾斜移動と表裏方向の移動とが合体したことによる振れを含む不規則かつ複雑な回転を弱風下でも行うことになって、シート体から発せられる反射光がめまぐるしく変化する乱反射状態になることに加えて「ガシャガシャ」というような不規則な金属音もシート体から発せられて鳥類を威嚇することができ、このため鳥類に恐怖心を起こさせ得て鳥害防止対象領域に近づくことが有効に回避されることになる。
請求項2の発明とすることにより、羽根体がより一層風を孕み易いものとなって仮令微風であってもシート体を確実に回転させることができるとともに高速回転化が達成でき、それに伴って光がよりめまぐるしく乱反射して鳥類を威嚇することができ、このため鳥類をより効率良く忌避させることができる。
請求項3の発明とすることにより、シート体は、羽根体とシート本体とで風を受けることになって、回転移動と傾斜移動と表裏方向の移動とがバランスよく合体した複雑な動きをすることになり、より多くの不規則な金属音を発生させることができる。
請求項4の発明とすることにより、安定したシート体の回転を得ることができる。
請求項5の発明とすることにより、鳥害防止対象領域が広範囲であっても領域全体を網羅するようにしてシート体を配設することができて、対象領域全体でくまなく鳥を忌避させることができる。また、シート体はワイヤに対して適宜間隔を存して配設することができるため、使用場所の状況に応じたシート体の配設をすることができる。
請求項6の発明とすることにより、挿通管は支持部材に対して軸心方向に移動することができて、シート体は、挿通管に設けられた抜止め部のあいだの移動に加えて、挿通管の止め部のあいだの移動によっても移動可能となるため、シート体のより複雑な軸心方向の移動を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】シート体の正面図である。
【図2】シート体の平面図である。
【図3】シート体の底面図である。
【図4】シート体の左側面図である。
【図5】シート体のX−X拡大断面図である。
【図6】シート体の展開図である。
【図7】シート体の拡大斜視図である。
【図8】シート体の部分拡大展開図である。
【図9】(A)、(B)は、それぞれシート体が挿通管と抜止め部材とのあいだで移動する様子を示す部分断面図であって、(A)はシート体の傾斜移動、(B)はシート体の表裏方向の移動を示す。
【図10】(A)、(B)は、それぞれ挿通管にワイヤが貫通した状態で挿通管が移動する様子を示す部分断面図であって、(A)は挿通管の傾斜移動、(B)は挿通管の軸心方向の移動を示す。
【図11】鳥害防止装置が組み付けられた状態を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図面において、1はカラス、ヒヨドリ、スズメなどの鳥類による被害を防止するための鳥害防止装置としての防鳥器であって、該防鳥器1は、例えばステンレス等の光反射率が高くかつ錆び難い金属製素材を、可撓性を有するまで薄板状にした薄板素材を用いて形成されたシート体2を備えて構成される。
該シート体2は中心部が円板状のシート本体3となっており、該シート本体3の中心部3aには後述する挿通管4が遊嵌状に挿通するための貫通孔5が穿設されている。
また、シート本体3の外端縁3bからは、シート本体3の外方向に向けて複数枚の羽根体6が周回り方向等間隔にプロペラ状に突出形成されている。本実施の形態では羽根体6を3枚としたが、これに限定されないものであって、2枚以上であればよいが、回転効率や鳥害防止効果の観点から10枚程度までが好適である。
【0010】
羽根体6は、図8に示す展開状態(後述する折曲形成前の状態)で、貫通孔5の中心に頂角α(本発明の実施の形態では60度)を有し、シート本体3の半径r(本発明の実施の形態では約5.5cm)の倍の長さの二等辺β(本発明の実施の形態では11cm)を有する二等辺三角形γのシート本体3より外方に延出した部分δであって、さらに該二等辺三角形γの底角εに相当する部分がR状の曲線となって切り落とされたものとして形成されている。
【0011】
このようにして形成される羽根体6は、中央部がシート本体3から面一状であり、かつ、貫通孔5を通る直線Xに対して線対称の状態で左右端縁間が外側ほど幅狭な二等辺三角形状の主羽根部7となっており、該主羽根部7の左端縁7aからは、周回り方向左側に延出してシート体2の表面側に折曲された第一羽根部8が形成されるとともに、主羽根部7の右端縁7bからは、周回り方向右側に延出してシート体2の裏面側に折曲された第二羽根部9が形成されている。
【0012】
第一羽根部8および第二羽根部9は、主羽根部7の左右各端縁7a、7bから外側ほど幅広となるよう直角三角形状に折曲形成された第一面部10a、10bと、該第一面部10a、10bの左右端縁10c、10dからさらに左右方向に延出し、外側ほど幅広な直角三角形状となるよう第一面部10a、10bよりもさらに表裏面側に向けて折曲形成された第二面部11a、11bとで構成されている。
そして第二面部11a、11bの羽根体6の外端コーナー縁となる部分11c、11dは、前述したようにR状の曲線となっている。
【0013】
ここで、主羽根部7と第一面部10a、10bとあいだはそれぞれシート体2の表裏方向に向けて約30度、第一面部10a、10bと第二面部11a、11bとのあいだはそれぞれシート体2の表裏方向に向けて約20度づつ折曲されており、これによって、羽根体6は、左右両端縁がシート体2の表裏面側に向けて対称形となっており、シート体2が該シート体2の表裏何れの側から風を受けても同様に回転するようになっている。
【0014】
このように形成される羽根体6は、シート体2の中心から周回り方向に60度の間隔を存して配される二等辺三角形γと重なるようにして3枚形成されており、シート体2は各羽根体6が風を受けることで回転するようになっている。
【0015】
一方、前記シート本体3の中心に穿設された貫通孔5には円筒状の挿通管4が遊嵌状に貫通している。そして挿通管4の左右両端部からは、貫通孔5に貫通した状態で、シート本体3を表裏に挟むようにしてリング状の抜止め部材12a、12bが無理嵌め状に圧入されており、これによって挿通管4に対するシート体2の表裏方向の移動量が決定されている。そしてシート体2は、風を受けた場合に、挿通管4に対し、図9(A)に示すような傾斜移動と、図9(B)に示すような表裏方向の移動と、軸回り方向の回動とが協働する複雑な変姿をするようになっており、この複雑な変姿に合わせてシート体2の複雑な撓みが重なって「ガシャガシャ」というような不規則で複雑な金属音も発音すると共に、表裏に光が乱反射するようになっている。
【0016】
さらに前記挿通管4には、本発明の支持部材であるワイヤ13が遊嵌状に貫通しているが、このワイヤ13には、挿通管4の軸心方向の移動量を決定するための螺子止め式の止め具14a、14bが本発明の止め部の実施の形態として設けられており、これによって挿通管4は、図10(A)に示すようにワイヤ13に対する傾斜移動と、図10(B)に示すようにワイヤ13の軸心方向の移動と、ワイヤ13の軸回り方向の移動をするが、これらの移動はワイヤ13の撓みと協働する複雑な変姿をするようになっており、この結果、シート体2は、前述したシート体2の挿通管4に対する複雑な変姿と、ワイヤ13と挿通管4とのあいだの複雑な変姿とが機能する二段階の変姿が協働することになっている。
【0017】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、防鳥器1は、シート体2の貫通孔5に挿通管4を挿通した後に該挿通管4の左右両端部から抜止め部材12a、12bを圧入し、しかる後該挿通管4にワイヤ13を貫通させ、ワイヤ13の挿通管4から離間した位置に適宜止め具14a、14bを取付けていく。
このようにして所望の数のシート体2及び止め具14a、14bをワイヤ13に取付けた後は、図11に示すように、例えば田畑等の鳥被害対象領域の両端に立てられた支柱15等にワイヤ13が張設された状態になるように懸架していく。
尚、最初にシート体を必要枚数だけワイヤ13に貫通させた後にワイヤ13を支柱15に懸架し、しかる後にワイヤ13の適当な位置にシート体2を移動させ、止め具14a、14bを挿通管4から離間した位置に適宜取付けていっても良いことは勿論である。
【0018】
このようにして、騒音、糞、食い荒らし等の鳥被害が想定される場所の上部や側部にシート体2が回転自在に取付けられたワイヤ13を懸架することによって、光反射性を有する金属製薄板素材で形成されたシート体2が太陽光を反射しつつ回転して鳥類を威嚇することになるが、このとき該シート体2に形成された主羽根部7及び主羽根部7の左右端縁から表裏逆方向に折曲形成された第一、第二面部10a、10b、11a、11bを有する第1、第2羽根部8、9によってシート体2が風を良く孕み効率よく回転することができる。このためシート体の回転に伴って反射光がめまぐるしく変化し、効果的に鳥類を威嚇することができる。
【0019】
また、シート体2は、光反射性の高い素材を用いて形成されていることから、夜間であっても例えばスポットライトのような指向性の強い光をシート体2に向けて照射すれば昼間と同様に光を反射させることができて、このような使用によって夜行性の鳥類などに対しても威嚇効果を発揮することができる。
【0020】
しかもシート体2は、可撓性を有する金属製薄板素材で形成され、尚且つ、該シート体2の中心に形成された貫通孔5に対し、移動量が決められてはいるがシート体2の表裏方向に移動可能な状態で挿通管4が遊嵌され、かつ該挿通管4は、ワイヤ13に対して、移動量が決められてはいるが軸心方向に移動可能な状態で遊嵌されているため、シート体2は、それぞれ二段階の傾斜移動とシート体2の表裏方向の移動とが合体して、振れを含む不規則かつ複雑な回転を弱風下でも行うことになって、シート体2からの乱反射状態の反射光に加えてシート体2から発せられる「ガシャガシャ」というような不規則な金属音が発せられることになる。このため鳥類に恐怖心を起こさせ得て鳥類が被害対象領域に近づくことが有効に回避され、鳥害被害を効率よく防止することができる。
また、このような不規則な音は昼夜の別なく発生するため、鳥類のみならず夕暮れ時や深夜、或いは早朝に活発に餌探しをするような夜行性動物に対しても充分な威嚇効果が発揮できる。
【0021】
このように、本発明の防鳥器1によれば、シート体2の回転による太陽光の乱反射のみならず、風を受けることで発生するシート体2の不規則な傾斜移動やシート体表裏方向への移動による不規則な金属音の発生によっても鳥類を威嚇することができ、これら光と音との組み合わせによる相乗効果でもってより一層効果的に鳥類を忌避させることができる。
そして、このような乱反射と不規則に発せられる金属音とは、不規則であるが故に鳥類にとって動きが読めないものであって、何時まで経っても慣れることができず、従来の鳥害防止装置のように長期間の使用によって鳥類が慣れてしまい威嚇効果が薄れていくという問題を解消することができる。
【0022】
本発明の防鳥器1は、鳥類が寄り付く場所に設置することによって、鳥類が寄り付かなくなり長期間に亘って鳥類を忌避できるため、白菜やキャベツ等の畑や苺のビニールハウス等、鳥類によって被害を受けている場所での被害を長期間に亘って連続的に防止できる。
【0023】
尚、シート体2は、本発明の実施の形態では、例えばステンレス板を用いて形成したものとしたが、これに限定されるものではなく、光反射性を有し、振動によって発音する可撓性を有した金属素材であれば何で良いのであって、メッキや蒸着が施された金属板材を用いて形成しても良いことは勿論である。
また、止め具14は、本発明の実施の形態では、螺子止め式のものを用いているが、シート体2がワイヤ13上を移動しないよう規制できるものであれば何でも良いのであって、クリップ式、リング式の止め具等を用いても良く、またワイヤ自体を捻って形成しても良く、特に限定されるものではない。
また支持部材としてはワイヤに限定されるものではなく、硬い棒状のものや紐状のものであっても勿論良い。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、鳥害防止装置を取付ける場合に関連する産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 防鳥器
2 シート体
3 シート本体
4 挿通管
5 貫通孔
6 羽根体
7 主羽根部
8 第一羽根部
9 第二羽根部
12a、12b 抜止め部材
13 ワイヤ
14a、14b 止め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏面が光反射性を有し、弾性振動および/または弾性変形によって発音するべく可撓性を有した金属製薄板素材で形成されるシート体を備えた鳥害防止装置であって、
前記シート体は、中心に貫通孔が穿設されたシート本体と、該シート本体の外端縁から外方向に向けて突出し、周回り方向等間隔に形成される複数の羽根体とから構成され、
該羽根体は、シート本体から面一状に延出し、周回り方向左右端縁を有する主羽根部と、
該主羽根部の左右一端縁から左右方向に延出してシート体表面側に折曲形成した第一羽根部と、
前記主羽根部の左右他端縁から左右方向に延出してシート体裏面側方向に折曲形成した第二羽根部とから構成されると共に、
前記シート本体は、貫通孔に挿通管が遊嵌状に貫通することで挿通管に対する傾斜移動と表裏方向の移動と軸回り方向の回転とが許容され、
前記挿通管は、シート体の表裏方向の移動量を決定するための表裏一対の抜止め部を有し、
前記挿通管は、支持部材が遊嵌状に貫通することで支持部材に対する傾斜移動と軸心方向の移動と軸回り方向の回転とが許容され、
さらに支持部材は、挿通管の軸心方向の移動量を決定するための一対の止め部を有していることを特徴とする鳥害防止装置。
【請求項2】
前記主羽根部は、貫通孔を通る直線に対して線対称の状態で左右端縁間が外側ほど幅狭となる三角形状をし、
第一、第二羽根部は、主羽根部の左右端縁から外側ほど幅広となるよう三角形状に折曲形成された第一面部と、
該第一面部の左右方向端縁から左右方向に延出し、外側ほど幅広となるよう三角形状になる状態で第一面部よりもさらに表裏面側に向けて折曲形成された第二面部とからなることを特徴とする請求項1記載の鳥害防止装置。
【請求項3】
請求項3の発明は、シート本体は円板状であって、該シート本体の中心からシート本体の外端縁までの距離は、シート本体の中心から羽根体の外端縁までの距離のおよそ半分であることを特徴とする請求項1または2記載の鳥害防止装置。
【請求項4】
羽根体は3枚〜10枚までであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の鳥害防止装置。
【請求項5】
支持部材は鳥害防止対象領域に張設された長尺状のワイヤであり、シート体は、該ワイヤに適宜間隔を存して複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の鳥害防止装置。
【請求項6】
支持部材が有する止め部の間隔は、挿通管の長さよりも長くなるよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の鳥害防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−17396(P2013−17396A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150788(P2011−150788)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【特許番号】特許第4889134号(P4889134)
【特許公報発行日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(395010624)株式会社鎌田スプリング (3)
【Fターム(参考)】