説明

鳥獣類追払装置

【課題】複雑な装置を必要とせず、簡単設置でき、安価に製作でき、鳥獣を追払う効果が高く、確実に鳥獣類から農作物を守ることができる鳥獣追払装置を実現する。
【解決手段】棒体の一端を支点として、該棒体の他端が弧を描くように上下動する駆動手段が設けられ、その棒体の動きにより鳥獣を追い払うことのできる鳥獣追払装置であり、該棒体は赤系の発色が施されており、また、同時に警告音あるいは警告光を発することを特徴とする鳥獣追払装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥獣類による被害を防止するために、近寄った鳥獣類を追い払いことのできる鳥獣類追払装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鳥獣類の被害に対して、鳥獣類の追払装置が各種開発されており、かかしなどに代表される、擬似人形の設置や、鈴や爆音、天敵の泣き声などの音による追払、あるいは、動きによる驚かしにより追払うものなどがある。
【0003】
例えば、特開2000−50784号などでは、対象となる畑などの周囲に支柱を立てて、滑車を固定し、鈴をつけた綱を外周に張設し、その綱の一端をクランクハンドルで引っ張ったり緩めたりすることで、鈴の音と綱の動きで威嚇して追払うようにしたものである。
【0004】
また、特開2005−204631号などでは、任意の間隔で水平に回転する棒体の両端に磁石を設け、その磁力と棒体の回転時に生じる音とで、追払うものである。
【特許文献1】特開2000−50784号公報
【特許文献2】特開2005−204631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、複雑な装置を必要とせず、簡単設置でき、安価に製作でき、鳥獣を追払う効果が高く、確実に鳥獣類から農作物を守ることができる鳥獣追払装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は、棒体の一端を支点として、該棒体の他端が弧を描くように上下動する駆動手段が設けられた鳥獣追払装置において、
該棒体は赤系の発色が施されていることを特徴とする鳥獣追払装置である。
【0007】
該駆動装置は、棒体の先端を上下動させることができるものであればいずれでもよく、モーターの回転運動を棒体の先端を上下動させるようなクランク機構やカム機構としても良い。
【0008】
該棒体は、上記の上下動に追従できる程度の剛性を有するものであればいずれでも良く、木製、竹製、樹脂製、金属製などでも良い。
【0009】
該棒体の発色は、赤系色に発色されているものであればいずれでも良く、塗料を塗布したり、発色された素材により棒体を形成したものでも良い。
【0010】
本発明の請求項2は、前記の棒体は、赤系色が目立つように、斑に発色されていることを特徴とする鳥獣追払装置である。
【0011】
該斑の発色は、一定間隔に塗料を塗布したり、間隔を置いて着色部材を貼り付けたものでも良く、発色されたものであれば、布製、樹脂製、プラスチック製、金属製などいずれの素材を取り付けても良い。
【0012】
本発明の請求項3は、前記の棒体の発色は、赤系色の塗料が塗布されていることを特徴とする鳥獣追払装置である。
該赤系色は、赤、オレンジ、ピンク、紫色、朱色、紅色など、赤色を含む色であればいずれでも良く、明るく、目立つ色が良い。
【0013】
本発明の請求項4は、前記の棒体の発色は、赤系色のシールが貼り付けられていることを特徴とする鳥獣追払装置である。
該シールは、紙、樹脂、金属、布製など、赤系に着色され、貼り付けることができるものであればいずれでも良い。
【0014】
本発明の請求項5は、前記の棒体の発色は、赤系色の着色部材が取り付けられていることを特徴とする鳥獣追払装置である。
【0015】
該着色部材は、赤系色に着色された部材であればいずれでも良く、樹脂、木、金属、紙、布などいずれの素材でもよく、接着剤やネジ止め、溶接など、棒体の表面に固定できるものであればいずれでも良い。
【0016】
本発明の請求項6は、前記の駆動手段は、駆動時に警告音を発する警告音発生手段が設けられていることを特徴とする鳥獣追払装置である。
【0017】
該警告音発生手段は、鳥獣を驚かせる音を発するものであればいずれでも良く、その警告音は、爆発音や打撃音やサイレンなどでも良い。
【0018】
本発明の請求項7は、前記の駆動手段は、駆動時に発光する発光手段が設けられていることを特徴とする鳥獣追払装置である。
【0019】
該発光手段は、光を発するものであればいずれでも良く、ランプなどでも良く、点滅して発光するものでも良い。また、ランプが回転して光の方向が変更するものでも良い。ネオンランプのように、光が移動するように発行するようにしても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明の鳥獣追払装置は、以下のような効果がある。
【0021】
1)鳥獣を確実に威嚇でき、農作物を鳥獣から守ることがきる。
【0022】
2)赤系色に発色された棒体を駆動させるので、鳥獣類に対する威嚇効果が高く、特にからすなどの威嚇に対して抵抗力の高い鳥にも十分な効果を発する。
【0023】
3)警告音を発するので、より威嚇効果を高くめることができる。
【0024】
4)発光させることにより、さらに威嚇効果を高めることができる。
【0025】
5)鳥獣類が忌避する色と音と光とを同時に発するのでより威嚇効果が高く、確実に追い払うことができる。
【0026】
6)赤系色は、特に鳥類においては、恐怖を感じる色であり、繰り返しの威嚇に対しても適応することができないので、威嚇動作に慣れてしまうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、本発明による鳥獣類追払装置の実施例を示す全体図であり、棒体2に橙色の発色部3を設け、威嚇効果を高めたものであり、図に示す矢印のように棒体2を上下動させるようにしたものである。
【0028】
発色部3は、棒体に橙色の塗料を一定間隔に塗布したものである。発色は、赤系色であればいずれでも良く、橙色の他に、赤色やピンク色、赤系の銀色などでも良い。また、棒体全体を発色させたものでも良い。
【0029】
上記の橙色に一定間隔で着色した棒体を用いて、実際に、ゴミ集積場にてカラスの追い払い試験を行った。
【0030】
カラスは、一般的、追い払うことが難しいとされており、見張りのカラスが数羽いて、周囲を監視しているおり、なかなか追い払うことができなかった。
【0031】
本発明による赤系色に着色した棒体を用いたところ、見張りのカラスの最後の1羽まで追い払うことができた。
【0032】
この試験では、赤、青、黒、白、黄など各色にその威嚇効果をテストし、その結果、赤系色が最も効果があることが始めてわかったものである。
【0033】
また、大きな音や光を同時を発するとさらに効果が高かった。
【0034】
また、図2に示すように、赤色のシール4を一定間隔で貼り付けたものでも良く、図3に示すように、赤色の短いパイプ5を一定間隔で取り付けたものでも良い。
【0035】
また、棒体の駆動と同時に警告音を発するようにしても良く、同時に警告光を発するようにしても良い。警告音は、連続音でも良く、一定間隔の断続音でも良い。
【0036】
また、警告光についても、連続光でも断続光でも良く、発光色は、赤系色が良い。
【0037】
また、棒体に、赤系色の旗や布体を取り付けても良い。尚、旗や布体の材質は、不織布、繊維、樹脂などでも良く、反射性素材を用いても良い。図4に示すように、棒体2の先端部に赤系色の旗6を取り付けたものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による鳥獣類追払装置の実施例を示す全体図である。
【図2】本発明による鳥獣類追払装置の棒体の実施例を示す図である。
【図3】本発明による鳥獣類追払装置の棒体の他の実施例を示す図である。
【図4】本発明による鳥獣類追払装置の棒体のさらに他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 駆動装置
2 棒体
3 発色部
4 赤系色シール
5 赤系色パイプ
6 赤系色の旗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒体の一端を支点として、該棒体の他端が弧を描くように上下動する駆動手段が設けられた鳥獣追払装置において、
該棒体は赤系の発色が施されていることを特徴とする鳥獣追払装置。
【請求項2】
前記の棒体は、赤系色が目立つように、斑に発色されていることを特徴とする請求項1に記載の鳥獣追払装置。
【請求項3】
前記の棒体の発色は、赤系色の塗料が塗布されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鳥獣追払装置。
【請求項4】
前記の棒体の発色は、赤系色のシールが貼り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの項に記載の鳥獣追払装置。
【請求項5】
前記の棒体の発色は、赤系色の着色部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項に記載の鳥獣追払装置。
【請求項6】
前記の駆動手段は、駆動時に警告音を発する警告音発生手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの項に記載の鳥獣追払装置。
【請求項7】
前記の駆動手段は、駆動時に発光する発光手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの項に記載の鳥獣追払装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−22262(P2009−22262A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214146(P2007−214146)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(593218451)
【Fターム(参考)】