説明

鳥類退治装置

【課題】本発明の課題は、果樹及び農作物に被害を与える鳥類の接近を感知すれば鳥類の天敵音を発生させて猛禽類模型部材を作動させ、鳥類を退治する鳥類退治装置を提供することにある。
【解決手段】天敵音発生器を備える猛禽類模型部材と、一定高さの構造物部材に設置され、記猛禽類模型部材を作動させることができるようにする駆動装置と、前記駆動装置の作動を制御する制御部に電源を供給する電源供給部材とを含む鳥類退治装置において、前記猛禽類模型部材には、鳥類の接近を感知するモーションセンサーがさらに設置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥類退治装置に関し、さらに詳細には、果樹及び農作物に被害を与える鳥類の接近を感知すれば、鳥類の天敵音を発生させて猛禽類模型部材を作動させ鳥類を退治するようにする鳥類退治装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に果樹園及び田畑農作物の収穫期には、鵲(カササギ)及び雀を含む鳥類が農作物を啄ばむことで、農作物を減少させたり果物などに傷をつけて商品性を低下させるなどの被害を与えている。
【0003】
また、倉庫、家などを含む建物の屋根隙間や橋脚の間に群れをなして暮す鳩は、食性が良く、排泄物をたくさん排出して、建物外壁や橋脚の鉄材構造物が鳩の排泄物によって腐食される被害が頻繁に発生している。
【0004】
このような鳥類による農作物被害及び倉庫外壁が腐食される被害を防止するために、多様な種類の鳥類退治装置が使われている。現在使われている鳥類退治装置は、鳥類の聴覚、視覚、嗅覚及び触覚を刺激して鳥類の接近を防止している。
【0005】
鳥類の聴覚を刺激する従来の鳥類退治装置は、鳥類の接近を感知する機能を備えており、鳥類の接近を感知すれば鳥類が嫌やがる音である鳥類退治音を発生させて、鳥類退治装置が設置された地域に鳥類が接近することを防止する。
【0006】
このような鳥類退治装置の一例が図1および図2に示されている。図1および図2に示された従来の鳥類退治装置1は、一定高さの構造物部材2に設置されて、スピーカーSと発生器Aで構成された音声発生器4を備えた猛禽類模型部材6を備える。
【0007】
前記猛禽類模型部材6は、充電用バッテリーBの電源を取り締まる制御部であるタイマーTの信号で、モーターMがプロペラPを周期的に回転させるようになった駆動装置8によって飛行するようになる。
【0008】
また、猛禽類模型部材6は、駆動装置8の作動で飛行するようになって、同時に発生器Aに接続されたスピーカーSを通じて鷹の鳴き声を発生させることで、鳥類が農作物に近付くことができないようにする。
【0009】
そして猛禽類模型部材6は、構造物部材2に電線Lでぶら下げられて飛行する時、香発散器Fを通じて鳥類が、嫌やがる香りを発散する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、このような鳥類退治装置1は、外部電源Eを利用してバッテリーを充電させなければならないから、長い距離にわたって電気を引き入れる施設を設置しなければならない問題点がある。
【0011】
また、鳥類の接近と無関係に周期的に猛禽類模型部材6を飛行させるから、電力が無駄使いされる問題点がある。
【0012】
そして、猛禽類模型部材6が構造物部材2に電線Lでぶら下げられるから、雨風によって、周囲の構造物とぶつかって破損されることがある問題点がある。
【0013】
また、タイマーによって周期的に鷹の鳴き声音を発生しながら猛禽類模型部材6が作動するから、鳥類に退治音及び猛禽類模型部材6の飛行に対する耐性ができて退治効果が落ちる問題点がある。
【0014】
そこで、本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、猛禽類模型部材にモーションセンサーを設置して鳥類の接近を感知する場合にだけ、鳥類退治装置が作動するようにすることにある。
【0015】
本発明の他の目的は、天敵音発生器を通じて鳥類の忌避音を発生させ鳥類の聴覚を刺激することで、鳥類の接近を防止することにある。
【0016】
本発明のまた他の目的は、太陽光発電モジュールを使って猛禽類模型部材を回転させることで、別途の電源供給が必要ないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本発明に係る鳥類退治装置は、天敵音発生器を備える猛禽類模型部材と、一定高さの構造物部材に設置され、前記猛禽類模型部材を作動させることができるようにする駆動装置と、前記駆動装置の作動を制御する制御部に電源を供給する電源供給部材とを含む鳥類退治装置において、前記猛禽類模型部材には、鳥類の接近を感知するモーションセンサーがさらに設置されることを特徴とする。
【0018】
前記電源供給部材は、モーター及び天敵音発生器に電源を供給するように電気的に連結設置される太陽光発電モジュールを含むことを特徴とする。
【0019】
前記構造物部材は、ベースフレームと、該ベースフレームに一定の長さで垂直に形成されるガイド管とを有し、前記駆動装置は、前記ベースフレーム内に設置され、電気信号で駆動するモーターと、前記モーターに接続され、前記ガイド管よりさらに長く形成されて設置される回転軸と、前記回転軸の上方に上向きに傾いて設置される回転支持台とを含むことを特徴とする。
【0020】
前記構造物部材は、地上に設置されるベースフレームと、地上に接続されるワイヤによって前記ベースフレーム上に堅く設置されるガイド管とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、猛禽類模型部材にモーションセンサーを設置して、鳥類の接近の時にだけ猛禽類模型部材が作動するようにする効果がある。
【0022】
また、猛禽類模型部材に天敵音発生器を設置して、近付く鳥類を容易に退治するようにする効果がある。
【0023】
また、猛禽類模型部材を構造物部材の最上方に設置することで、広範囲な地域にわたって容易に鳥類の接近の防止と退治ができる効果がある。
【0024】
また、鳥類の接近をモーションセンサーを利用して感知することで、鳥類退治装置の作動が正確に成る効果がある。
【0025】
また、太陽光発電モジュールによる電気を使うことで、施設費を節減して最小費用で電源を供給することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術に係る鳥類退治装置の構成を概略的に示す図。
【図2】図1に示す猛禽類模型部材の構成を概略的に示す図。
【図3】本発明の1実施形態に係る鳥類退治装置を示す斜視図。
【図4】図3に示す鳥類退治装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図5】図3に示す鳥類退治装置を示す部分側断面図。
【図6】図3に示す鳥類退治装置の作動状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態についてさらに詳細に説明する。(従来技術と同一な構成要素に対しては同一の符号を付与して説明する。)
【0028】
本発明に係る鳥類退治装置の特徴部を説明する前に鳥類退治装置の一般的な構造に対して注意深く見る。
【0029】
一般的な鳥類退治装置1は、図1および図2に示すように、一定高さの構造物部材2に設置され、天敵音発生器4を備えた猛禽類模型部材6と、前記猛禽類模型部材6を移動させることができるようにする駆動装置8と、前記駆動装置8の作動を制御する制御部に電源を供給する外部電源Eを含む。
【0030】
前記した鳥類退治装置1は、タイマーTの周期的な電気信号で作動する駆動装置8によって猛禽類模型部材6が飛行して、飛行中、鳥類の天敵音及び香りを発生させ鳥類を退治するようになる。
【0031】
次に本発明に係る鳥類退治装置1の特徴部を図3〜図5を参照して詳細に説明する。
【0032】
本発明に係る鳥類退治装置1は、図3〜図5に示すように、猛禽類模型部材6を備える。前記猛禽類模型部材6には、鳥類の接近を感知するモーションセンサー12が設置されている。
【0033】
前記したモーションセンサー12は、鳥類が果樹園や農作物近くに近付くことを一定範囲内で感知することができるセンサーである。
【0034】
また、猛禽類模型部材6には、鳥類が忌避する天敵の音を発生させることができる天敵音発生器4が設置される。前記した天敵音発生器4は、音の伝達が容易にするように音の大きさを適当に調整することができる。
【0035】
前記鳥類退治装置1には、電気を外部から引き入れなくても自主的に発電して使うことができるようにする電源供給部材10が設置される。
【0036】
前記した電源供給部材10では、太陽光発電モジュール18が使われる。前記した太陽光発電モジュール18によって発電した電気は、制御部16によって天敵音発生器4及び後述されるモーター14に供給される。
【0037】
そして、太陽光発電モジュール18は、発電容量に合わせて天敵音発生器4及びモーター14用でそれぞれ区分して設置することもできる。
【0038】
また、前記鳥類退治装置1には、猛禽類模型部材6を回転移動させるための駆動装置8が設置される。
【0039】
前記駆動装置8は、図5に示すように、電気信号に駆動するモーター14を備える。そして、前記モーター14に連結設置される回転軸24は、後述される構造物部材2のガイド管22よりさらに長く設置される。
【0040】
前記した回転軸24の上方には、上向きに傾いた回転支持台26が設置される。前記回転支持台26には、猛禽類模型部材6が設置される。前記した猛禽類模型部材6は、鳥類の雄雌一対を成して行動する特性を反映して、雌雄の2匹を設置するのが望ましい。
【0041】
このような、駆動装置8は、図5に示すように、猛禽類模型部材6の回転が容易に成るように構造物部材2に設置される。
【0042】
前記した構造物部材2は、図3及び図5に示すように、内部に空間が形成されたベースフレーム20を備える。前記したベースフレーム20は、設置場所に施工された基礎上に固定設置される。このようなベースフレーム20の内部には、制御部16の電気信号で作動するモーター14が設置される。
【0043】
そして、前記ベースフレーム20には、一定長さに形成されるガイド管22が垂直で設置される。前記したガイド管22は、回転軸24が組み立てられることができるように一定直径に形成される。
【0044】
また、前記ガイド管22は、設置が堅固になるように、ワイヤ30で地上に連結設置される。
【0045】
以下、前記したように成る本発明の作用を図6を用いて説明する。
【0046】
果樹及び農作物に被害を与える鳥類が近付けば、回転支持台26の猛禽類模型部材6に設置されたモーションセンサー12がこれを感知する。
【0047】
前記したモーションセンサー12を通じて鳥類の接近を感知した制御部16は、太陽光発電モジュール18によって発電した電源でモーター14を駆動させる。
【0048】
前記したモーター14の作動でベースフレーム20のガイド管22内に設置された回転軸24は一定回転数で回転するようになる。
【0049】
前記した回転軸24の回転は、回転軸24の上方に連結設置された回転支持台26を1方向に回転させる。前記した回転支持台26の回転で猛禽類模型部材6は、空を旋回するようになる。すなわち、猛禽類模型部材6は、鷲がえさを探して空を飛ぶように、近付く鳥類には映る。
【0050】
この時、制御部16は、モーター14を駆動させることと同時に、猛禽類模型部材6とともに回転支持台26に設置された天敵音発生器4を作動させる。
【0051】
これによって、前記天敵音発生器4は、猛禽類模型部材6の旋回の時、鳥類の忌避音を繰り返し的に発生するようになる。
【0052】
前記した天敵音発生器4で発生される鳥類の忌避音は、猛禽類模型部材6が空を旋回する時に発生するから、鳥類を効果的に追い出すことができる。
【0053】
このような鳥類退治装置1は、モーションセンサー12の感知範囲内で鳥類の接近を感知した後、天敵音を発生させて退治することで、果樹及び農作物を効率的に保護することができるようになる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は果樹及び農作物に被害を与える鳥類の接近を感知した後、鳥類の天敵音を発生させて猛禽類模型部材を作動させ鳥類を退治するようにしたこととして、鳥類退治装置産業分野に広く利用されることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 鳥類退治装置
2 構造物部材
4 天敵音発生器
6 猛禽類模型部材
8 駆動装置
10 電源供給部材
12 モーションセンサー(Motion Sensor)
14 モーター(Motor)
16 制御部
18 太陽光発電モジュール
20 ベースフレーム(Base Frame)
22 ガイド管(Guide Pipe)
24 回転軸
26 回転支持台
30 ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天敵音発生器を備える猛禽類模型部材と、
一定高さの構造物部材に設置され、前記猛禽類模型部材を作動させることができるようにする駆動装置と、
前記駆動装置の作動を制御する制御部に電源を供給する電源供給部材とを含む鳥類退治装置において、
前記猛禽類模型部材には、鳥類の接近を感知するモーションセンサーがさらに設置されることを特徴とする鳥類退治装置。
【請求項2】
前記電源供給部材は、モーター及び天敵音発生器に電源を供給するように電気的に連結設置される太陽光発電モジュールを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鳥類退治装置。
【請求項3】
前記構造物部材は、ベースフレームと、該ベースフレームに一定の長さで垂直に形成されるガイド管とを有し、
前記駆動装置は、前記ベースフレーム内に設置され、電気信号で駆動するモーターと、
前記モーターに接続され前記ガイド管よりさらに長く形成され設置される回転軸と、
前記回転軸の上方に上向きに傾いて設置される回転支持台とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鳥類退治装置。
【請求項4】
前記構造物部材は、地上に設置されるベースフレームと、地上に接続されるワイヤによって前記ベースフレーム上に堅く設置されるガイド管とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の鳥類退治装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−139688(P2011−139688A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3241(P2010−3241)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(510009773)アンドン シティ アグリカルチュラル テクノロジー アンド エクステンション センター (1)
【Fターム(参考)】