説明

麻酔剤気化器と共に使用するアダプタ

麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタを提供する。アダプタは、麻酔剤容器の吐出口と協働するように気化器上に載置可能とするか、または、麻酔剤気化器の流体ポートと協働するように麻酔剤容器上に載置可能として、それらの間の封止および/または保持関係を提供することができる。一実施形態において、アダプタは、気化器に固定可能であり、流体ポートを囲むように構成された基部と、基部から上端部へ上方に延在する側壁と、側壁の上端部に位置し、アダプタが気化器と係合しているときに、流体ポートと略同軸となるように構成された封止リップであって、麻酔剤容器の少なくとも一部がアダプタに挿入されたときに、麻酔剤容器と封止係合するように適合された封止リップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体として、麻酔剤容器と麻酔剤気化器との間の選択的な流体連通を可能にするための装置に関する。より具体的には、本開示は、麻酔剤容器上に、または麻酔剤気化器上に載置可能でありそれらの間の流体移送を容易にするためのアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
外科的処置中には、しばしば患者に麻酔を施すことが必要である。1つの方法では、患者が吸入する麻酔剤を気体の形態で供給する。患者および医療関係者の安全性のために、麻酔剤は、一般的に液体の形態で好適な容器で移送される。公知の液体麻酔剤には、ハロタン、イソフルラン、セボフルラン、デスフルラン、エンフルラン、およびメトキシフルランが挙げられる。液体麻酔剤は、最終的に麻酔剤気化器に分配され、気化器は、液体麻酔剤と、患者が吸入可能な、酸素または亜酸化窒素のようなキャリアガスとを混合する。
【0003】
液体麻酔剤は、比較的不安定であり、室温で気化する可能性がある。使用できるようにする前に、麻酔剤は、第1の閉環境(例、容器または瓶)から、第2の閉環境(例、気化器)まで移送しなければならない。麻酔薬を移送するために、気化器の流体ポートに、選択的に閉口可能な弁システムを備えて、液体の麻酔剤を気化器の内部サンプに注入できるようにすることがよく知られている。このような弁システムは、特許文献1および特許文献2(Braatz他への米国特許)に記載されており、これらは参照することにより本願明細書に組み込まれる。Braatz他への特許に記載された弁システムは、例えば市販のデスフルラン気化器との使用に好適である。市販の気化器には、これに限定されないが、Datex−Ohmeda社のTec 6 PlusTM、およびDrager Medical AG&Co.KG.社のD−VaporTMまたはDevapor(登録商標)が挙げられる。
【0004】
上述の特許は、麻酔剤容器が、気化器弁システムと嵌合するように構成された弁システムを備えた、一体または別個のアダプタを備えており、その中に含まれる麻酔剤を選択的に分配できるようにする機構を説明したものである。麻酔剤を容器から気化器へ移送するには、アダプタを気化器の流体ポートに挿入する。アダプタのばね付勢部分と弁システムとの接触によって、容器と気化器との間の流体連通が開かれ、流体の交換を開始することができる。
【0005】
一部の市販の気化器は、アダプタが気化器と係合して両方の弁が開かれた後であっても流体移送を妨げるための、止め栓または類似した手段を含む。このような気化器では、Braatz他によって説明されているように、止め栓は、一般的に、係合したアダプタをダウン位置からアップ位置へ回転させることによって開かれる。アップ位置では、止め栓が開かれ、液体の麻酔剤は、容器から気化器へと流れることができる。その後、アダプタは、必要に応じて、ダウン位置へ回転させて気化器の流体ポートから取り外され、両方の弁は自動的に閉じる。
【0006】
Braatz他の充填システムは、麻酔剤容器と連結されたアダプタの流出口の自由端に対して提供された封止面を開示している。封止面は、アダプタが気化器によって係合されて、弁のうちの1つまたは両方が開いている間の漏出を防ぐために、気化器の入口との封止を形成する。Braatz他による代表的なアダプタは、吐出口の溝またはチャネル内に着座させたエラストマOリングによって囲まれた自由端を備えた管状の吐出口を有する。吐出口は、気化器の流体ポートへと挿入され、Oリングが変形して、吐出口の外表面と流体ポートの内表面との間の流体封止を形成する。
【0007】
Braatz他の充填システムの別の特徴は、係合されたアダプタが気化器から誤って外れないようにするための手段として、アダプタ上で略環状の突起を使用することである。気化器は、止め栓を開くために係合されたアダプタを回転させる必要があり、一般的に、ダウン位置でアダプタを受け取るために、鍵穴の開口部を備えた湾曲したスロットを含む。アダプタをスロットに沿ってアップ位置まで回転させることによって、スロットがこの突起を握持し、それによってアダプタの離脱を防ぐ。この突起−スロットの構成は、ダウン位置での鍵穴の開口を通じる以外のあらゆる位置でのアダプタの離脱を防ぐ。
【特許文献1】米国特許第5,381,836号明細書
【特許文献2】米国特許第5,617,906号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に詳述するように、本開示は、好都合な代替物を従来技術の機器の封止および/または保持システムに用いた、改善されたアダプタを説明する。
【0009】
概して、本開示は、麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタに関する。より具体的には、本開示は、麻酔剤気化器と、係合された麻酔剤容器との間の封止および/または保持関係を形成するためのアダプタを説明する。以下に詳述するように、封止および/または保持は、複数の異なる方法で達成することができる。したがって、例えば、上部開口部を画定する上部リップおよび上部リップの下方に離間した略環状の内側肩部を備え、上部開口部と略面する封止面を有する流体ポートを有する麻酔剤気化器と使用するための、アダプタが提供される。このアダプタは、基部と、基部から離れて延在する略管状の吐出口と、吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、封止部材とを含む。封止部材は、吐出口の少なくとも一部が流体ポートに挿入されたときに、流体ポートの肩部の封止面と封止係合するように適合される。
【0010】
別の実施例では、流体ポート、および雌ねじ付きの略管状の中央ピンを備えた気化器弁アセンブリを有する麻酔剤気化器と使用するための、アダプタが提供される。このアダプタは、基部と、基部から離れて延在する略管状の吐出口と、吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、吐出口内中央に位置決めされた雄ねじ付きの軸とを含む。ねじ付きの軸は、吐出口の少なくとも一部が流体ポートに挿入されて回転されたときに、中央ピン内のねじによって係止されるように適合される。
【0011】
別の実施例では、アダプタは、基部と、基部から離れて延在して先細部分を含む略管状の吐出口と、吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、吐出口の先細部分を囲む複数のフラップを含むコレットとを含む。このコレットは、先細部分に対して移動可能であり、フラップは、吐出口の少なくとも一部が流体ポートに挿入されたときに、流体ポートとの封止係合のために先細部分が接触すると、半径方向外向きに屈曲するように適合される。
【0012】
別の実施例では、吐出口と吐出口弁アセンブリとを有する容器、および流体ポートと気化器弁アセンブリとを有する気化器と使用するための容器保持システムが提供される。この容器保持システムは、吐出口の少なくとも一部を流体ポート内で受けたときに、容器の一部上に載置されるように適合された加重部材を含む。この加重部材は、容器と気化器との間の流体連通を可能にするために、吐出口弁アセンブリおよび気化器弁アセンブリを開位置に維持するのに十分な重さを有する。
【0013】
別の実施例によれば、麻酔剤容器と、気化器弁アセンブリを備えた流体ポートを有する麻酔剤気化器と使用するための、麻酔剤気化器充填システムが提供される。このシステムは、流体ポートおよび容器弁に係止可能なアダプタを含む。このアダプタは、基部と、基部から離れて延在する略管状の吐出口と、基部から近位に延在する容器弁アクチュエータとを有し、吐出口および容器弁アクチュエータは、アダプタを通る流体の流路を形成する。この吐出口は、アダプタが流体ポートに係止されたときに、流体ポートによって受け取られ、気化器弁アセンブリを開状態に維持するように適合される。この容器弁は、麻酔剤容器と連結可能であり、容器弁アクチュエータとの係合によって開かれるように適合される。
【0014】
上記に概説したアダプタおよびシステムは、麻酔剤気化器と麻酔剤容器との間の効果的な封止および/または保持機構を提供する。本願明細書に記載されたアダプタおよびシステムは、これに限定されないが、デスフルランのような揮発性の麻酔剤を含む、ある量の麻酔剤を収容する容器の、対応する気化器への接続に対して特に好適である。当然、本願明細書に記載されたアダプタおよびシステムは、特定の医療機器または麻酔剤に限定されるものではないと理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に概ね説明され、添付図面に示された実施形態の開示は、単に本発明を例示したものに過ぎず、種々の形態で組み込まれる場合があるものと理解されよう。したがって、本願明細書に開示された特定の詳細は、制限するものとして解釈されるものではなく、むしろ、代表的なものであり、当業者が理解するあらゆる適切な様態で本発明を様々に用いるための基準を提供するものである。
【0016】
本願明細書に記載されたアダプタ、および特にそれが従う図示された実施形態は、従来の麻酔剤気化器、麻酔剤容器、および弁システムと協働するように適合させることができる。
【0017】
図1および2は、本発明の一側面によるアダプタを示す図である。アダプタは、図1および2において概ね要素10として識別される。アダプタ10は、一般的に、基部12と、基部12から上端部16へ離れて、または上方へ延在する側壁14とを含む。上端部16は、封止リップ20によって略囲まれた開口部18を形成する。側壁14は、実質的にプラスチックまたはエラストマ材料で構成されることが好ましい。側壁14はまた、実質的にステンレス鋼のようなステンレス材料で構成される場合もある。封止リップ20は、実質的にエラストマ材料で構成されることが好ましい。
【0018】
一実施形態では、アダプタ10は、弁付き麻酔剤容器26の少なくとも一部を受け取るのに好適な弁付き流体ポート24を有する気化器22上に載置可能である。図1および2に示されるように、流体ポート24は、アダプタ10によって形成されたシュラウド内に実質的に含まれ、アダプタの開口部18を通じてのみアクセス可能である。アダプタ10は、ねじなどを使用して気化器22に機械的に固定され、開口部18が流体ポート24と略同軸になるように一致させることが好ましい。流体ポート24を気化器22に対して移動可能(例えば、Braatz他によって記載されたダウン位置とアップ位置との間を回転可能)なように構成した場合、アダプタ10は、流体ポート24とともに移動するように載置できることが好ましい。
【0019】
アダプタ10を気化器22上に載置した実施形態では、弁付き麻酔剤容器26を気化器22へ取り付けている間、容器26の吐出口28は、開口部18と一致して流体ポート24に挿入される。図2に示されるように、吐出口28または口金30のような容器26の一部分は、アダプタ10の封止リップ20と接触して、これとの流体封止を形成する。本願明細書において使用する場合、「流体封止」という用語は、全体として、実質的に流体の漏出を防ぐあらゆる封止を表す。したがって、液体封止および/または蒸気封止を組み込む場合がある。
【0020】
流体封止は、容器26と気化器22との間の流体連通が確立される前に形成されることが好ましい。したがって、アダプタ10は、公知の機器のOリングを用いずに流体封止を提供することが理解されよう。当然、アダプタ10は、容器と気化器との間に補助的な流体封止を形成するために、Oリングを有する容器とともに使用することもできる。
【0021】
図3および4は、本発明の別の側面を示す図であり、単独で、または本願明細書において後述するように、図1および2のアダプタ10と組み合わせて実行される場合がある。アダプタ110は、ある量の麻酔剤を含む麻酔剤容器114上に載置可能な基部112を含む。基部112は、ねじ蓋、または図3および4に示される口金116のような、あらゆる好適な手段によって容器114上に載置することができる。概して、管状の吐出口118は、基部112と一体的に形成され、基部から離れて延在することが好ましい。アダプタ弁アセンブリ120は、それを通る流体の流れを制御するための吐出口118と連結される。アダプタ弁アセンブリ120の厳密な構成は決定的なものではなく、容器114内の麻酔剤の種類、容器114が接続される気化器の弁システム、および他の因子によって変更される場合がある。例えば、デスフルランのような揮発性の麻酔剤を容器から気化器へ移送することを意図したアダプタ110の場合、アダプタ弁アセンブリ120は、既に参照することによって組み込まれた、Braatz他への米国特許第5,381,836号および第5,617,906号に記載の弁システムの形態を取り得ることが好ましい。
【0022】
図3および4に示される実施形態では、封止部材122は、あらゆる多数の公知の方法によって、吐出口118を囲んでこれに固定される。例えば、封止部材122は、吐出口118に接着接合または熱融着することができる。当然、好適な封止機構は、接着されるべき材料および他の因子に依存することになるが、このような選択は、十分に当業者の能力の範囲内である。吐出口118が、上述した従来技術の鍵穴保持システムとの使用に好適な環状突起または係止リング(図示せず)を備えている場合は、封止部材122を突起の上部表面に取り付けるのに好都合となり得る。
【0023】
封止部材122は、実質的に変形可能な、および/またはエラストマ材料で構成されることが好ましい。好適な材料の例には、これに限定されないが、シリコン、ネオプレン、およびゴム(合成および/または天然)が挙げられる。封止部材122は、軸方向に荷重をかけた状態で軸方向に縮小するように構成される場合がある。例えば、図4は、図示された起伏のある構成によって、吐出口118が気化器の流体ポート124内へさらに進んだときに、封止部材122を、軸方向に縮小または圧縮した状態122’に変形させることができることを示している。図4に示されるように、アダプタ吐出口118が気化器流体ポート124へ移動することによって、封止部材122が流体ポート124の上部リップ126と接触して流体封止を形成する。本願明細書において流体ポートを説明するために使用される場合、「上部リップ」という用語は、連結した気化器から離間した流体ポートの遠位または外側端部を指す。流体封止は、容器114と気化器との間の流体連通が確立される前に形成されることが好ましい。封止部材122が軸方向に圧縮可能な場合、この部材によって、吐出口118は、封止が形成された後に流体ポート124内へさらに挿入することができる。したがって、図4の封止部材122は、最初に上部リップ126と接触して流体封止を形成し、次いで吐出口118が流体ポート124内へさらに進んだときに、圧縮された状態122’まで変形され、最後にアダプタ弁アセンブリ120が気化器弁アセンブリ128と接触して流体連通を可能にする。
【0024】
アダプタ110の使用を、流体ポート124に関して説明および例示したが、アダプタ110は、図1および2のアダプタ10とともに使用することもでき、その場合、封止部材122は、アダプタ10の上端部16の代わりに、またはこれに加えて、封止リップ20と接触してこれとの流体封止を形成する。
【0025】
図5は、図3および4のアダプタの別の実施形態を示す図である。概して、アダプタ110aは、図3および4のアダプタ110の上述の説明に従って作動する。なお、図5に示されるように、封止部材122aは、吐出口118の代わりに、基部112に固定される。基部112を容器114に固定するために使用される同じ口金116によって、封止部材122aを基部112に固定することができるので、図5の実施形態が好ましい場合がある。図5の実施形態では、封止部材122aは、発泡体または他の何らかの変形可能な材料で構成されたディスクまたはリングとして示されているが、図3および4の起伏のある構成のような、流体ポート124の上部リップ126またはアダプタ10の封止リップ20との封止係合に好適な他の形態を取る場合もある。
【0026】
図3〜5の実施形態は、流体ポートの上部リップ126に対する封止として説明したが、特定の気化器は、封止部材122および122aに対する封止に不適当な上部リップを有する場合があるか、または上部リップに対する封止の形成に不適当な場合があるものと理解されよう。このような状況では、封止部材122および122aは、流体ポートの底部内側肩部に対して封止するように適合される場合がある。例えば、図28は、Drager Medical AG & Co. KG.社のD−VaporTMまたはDevapor(登録商標)のものと類似した気化器の流体ポート1200を示す。流体ポート1200は、上部開口部1204を形成する上部リップ1202と、上部リップ1202の下方に離間した円弧状リム1206と、円弧状リム1206の下方に離間した略環状の内側肩部1208とを有する。リム1206は、上部リム1202よりも大きく内方へ延在し、すなわち直径が小さいこと、および内側肩部1208は、上部リップ1202およびリム1206よりも大きく内方へ延在することが理解されよう。
【0027】
リム1206は、流体ポート1200の壁を貫通するラッチピン1212のラッチ1210を受け取るので、円弧状であるが完全なリング状ではない。ラッチピン1212は、符号の付されていない矢印の方へ押圧されて、ラッチ1210を同じ方向へ移動させ、これによって、容器の吐出口を流体ポート1200内へ挿入することができる。ラッチピン1212は、次いで元の位置に開放または戻され、それによって、ラッチ1210がもとの位置に移動して、図15A〜15Cの係止リング540のような、吐出口上のラッチ構成の後方で係合し、吐出口を流体ポート1200内に固定する。当然、図示の流体ポート1200は、本願明細書に記載されるものも含めて、ラッチ構成を欠いた吐出口と、または別のラッチ機構と組み合わせて使用することができる。
【0028】
図示の内側肩部1208は、上部リップ1202に平行な略水平部分1214と、水平部分1214から下方および内方へ傾斜する傾斜部分1216とを有する。当業者は、特定の気化器が、単に水平または傾斜部分だけを含む下部の内側肩部を有する場合があるので、本発明のこの側面は、図28に示される特定の内側肩部1208に限定されるものでないことを理解されよう。
【0029】
図3〜5の上述の説明によれば、封止部材122および122aは、図28の流体ポート1200の上部リップ1202に対して封止する場合もある。別様には、流体ポート1200に対する封止部材122および122aの配置、および/またはアダプタ110または110aのサイズに基づいて、封止部材122および122aが、吐出口118が流体ポート1200に挿入されたときに、内側肩部1208に対して接触および封止することができる。封止部材122および122aは、アダプタ110および110aが流体ポート1200に挿入されたときに、上部開口部1204から離れて面するので、水平部分1214および傾斜部分1216を含む、上部開口部1204に少なくとも部分的に面する内側肩部1208のいかなる部分も、封止部材122および122aとの流体封止を形成する封止面として機能することができる。流体封止は、容器114と気化器との間の流体連通が確立される前に形成されることが好ましい。
【0030】
図6〜7Bは、封止および/または保持機構のさらに別の実施例を示す図である。図6〜7Bでは、アダプタ210は、第1の端部214と第2の端部216との間に延在する略管状の吐出口212を含む場合がある。第1の端部214は、麻酔剤気化器の流体ポート220によって受け取られるように構成された、略環状の端部リップ218を有する。カラー222は、第1の端部214から離間され、該アクチュエータは、吐出口212に沿って軸方向に移動可能である。カラー222は、アクチュエータによって移動可能であり、吐出口212の第2の端部216と連結するノブ224として図6〜7Bに示されている。ノブ224は、カラー222と係合可能な偏心ディスクまたはカム226を含む。図7Aおよび7Bに示されるように、ノブ224が回転すると、カム226は、カラー222を端部リップ218の方へ移動させる。カラー222が端部リップ218の方へ移動することで、端部リップ218とカラー222との間に配置された半径方向に膨張可能な部材228を圧縮する。半径方向に膨張可能な部材228は、カラー222と端部リップ218との間で圧縮されたときに、吐出口212から離れて半径方向、すなわち外方へ膨張する。半径方向に膨張可能な部材228は、実質的に、上述の作用に好適な変形可能な材料および/またはエラストマ材料で構成されることが好ましい。図示の半径方向に膨張可能な部材228は、ひだのついたシート材料または蛇腹という形態を取る。
【0031】
カラー222を移動させることに加えて、ノブ224を回転させることによっても、アダプタ210内の連結された弁230が回転する。アダプタ210を通る流体の流れは、主に第1のノズル234および中央管236によって形成された、内腔232によって達成される。内腔232はまた、内腔232、第1のノズル234、および中央管236とは対照的に、吐出口212と非同軸である第2のノズル238と流体連通する。別様には、弁230は、第2のノズル238と連通する別個の内腔(図示せず)を含む場合がある。図6および7Aの配向では、弁230は、内腔232と一致しておらず、流れが妨げられている。図7Bの配向にノブ224を回転させることで、弁230が内腔232と一致するように回転し、それによって、アダプタ210を通して流体を流すことができる。したがって、半径方向に膨張可能な部材228を膨張させる同じ作用によっても、アダプタの内腔232を通って流体が流れ始めることが理解されよう。
【0032】
アダプタ210は、流体移送のために、麻酔剤容器(図示せず)を麻酔剤気化器の流体ポート220へ接続するのに使用される。容器は、管などによって第1のノズル234および第2のノズル238に接続される。別個のノズルによって、一方の流体(一般的には液体麻酔剤)を容器から気化器内へ、別の流体(一般的には加圧蒸気)を気化器から容器へ同時に流すことができる。容器とノズル234および238との間の流体連通は、好適な弁システムによって調節することができる。
【0033】
気化器(図示せず)は、アダプタ210の少なくとも一部を気化器の流体ポート220へ挿入することによって、アダプタ210に接続される。図7に示されるように、端部リップ218および半径方向に膨張可能な部材228の少なくとも一部が麻酔剤気化器の流体ポート220に挿入されたときに、アダプタ210の中央管230は、流体ポート220内の気化器アダプタ弁240と接触し、開位置へ移動させる。アダプタ210は、上述のように、止め栓を有する気化器とともに使用して、気化器の弁が開かれた後の流体の流れを調節することが好ましい。止め栓の有無に関係なく、図7Aの配向における容器と気化器との間の流体の流れは、弁230と内腔232とが一致しないことによって妨げられる。アダプタ210と流体ポート220との間は封止されていないので、図7Aに示される吐出口212を通って流体が流れないことが好ましい。
【0034】
容器と気化器との間で流体を流れさせたいときには、ノブ224を図7Bの位置まで回転させて、カラー222を吐出口の端部リップ218の方へ移動させるが、それによって、半径方向に膨張可能な部材228が膨張して流体ポート220を押圧し、それらとの封止機構が形成される。要望に応じて、半径方向に膨張可能な部材228は、上述した封止機構に加えて保持機構が確立される、流体ポート220との十分に堅固な嵌め合いを形成するように適合させることが可能である。ノブ224を回転させることで、内腔232と一致するように弁230も回転し、それによって流体が吐出口212を通って流れ始める。当然、気化器が止め栓を含む場合は、容器と気化器との間の流体移送を可能にするように止め栓が開かれる。したがって、アダプタは、従来技術の機器のOリングを用いずに麻酔剤容器と気化器との間の封止接続を可能にし得ることが理解されよう。
【0035】
図8は、図6〜7Bのアダプタ210の別の実施形態を示す図である。アダプタ210aは、ノズルが、第2の端部216と連結した基部242に置き換えられ、ある量の麻酔剤を収容する容器244上に直接載置されていることを除いて、図6〜7Bのアダプタ210と類似した構成要素を含む。基部242は、口金246またはねじ込み接続のような他の好適な手段によって、容器244に固定することができる。使用時には、吐出口212の少なくとも一部が気化器の流体ポートに挿入され、次いでアクチュエータノブ224が回転して、半径方向に膨張可能な部材228が膨張し、かつ弁230が内腔232と一致することで、流体ポートとの流体封止が形成され、アダプタ210aを通って流体が流れるようになる。図6〜7Bの実施形態と同様に、弁230は、弁230が適切に一致したときに、容器244と吐出口212との間の連通を可能にする、別個の内腔(図示せず)を備えることができる。一般的に、液体麻酔剤は気化器に流れ、一方で加圧蒸気は気化器から容器に流れるので、デスフルランのような麻酔剤を移送するときには、少なくとも2つの別個の流体の流路を備えることが好ましい場合がある。
【0036】
図9Aは、本発明の別の側面を組み込んだアダプタの別の実施例を示す図である。アダプタ310は、ある量の麻酔剤を収容する容器314上に載置可能な基部312を含む。基部は、図9Aに示される口金316のようなあらゆる好適な手段によって、容器314に載置することができる。略管状の吐出口318は、基部312から離れて延在し、略連続する外側半径を有する外表面320を備えた上端部319を有する。本発明のこの側面に関連して本願明細書において使用する場合、「上端部」という用語は、液体移送中に、気化器の流体ポート324に挿入される吐出口318の一部を指す。本願明細書において使用する場合、「略連続する外側半径」という用語は、略滑らかで不連続部分の無い外側表面を有する上端部を指す。不連続部分の2つの例には、上端部と連結したOリング、およびOリングを受け取るためのチャネルがある。一方では、図9Bに示される滑らかな先細の上端部は、略連続する外側半径を有し、状況によっては、図9Aの均一な半径より好ましい場合がある。吐出口は、突起が上端部319から離間されているので、上述の従来技術の鍵穴保持システムに基づいた突起を備える場合があると理解されよう。
【0037】
吐出口318を通る流体の流れは、公知の構造および動作に従って、アダプタ弁アセンブリ322によって制御される。吐出口318の上端部319は、麻酔剤気化器326の流体ポート324が受け取るように構成される。アダプタ弁アセンブリ322および気化器弁アセンブリ328が開いて流体移送できるようになるまで、吐出口318の上端部319が流体ポート324内に挿入される。当然、気化器が止め栓(図示せず)を含む場合、気化器326と容器314との間の流体移送が行えるように止め栓も開かなければならない。
【0038】
図9Aに示される実施形態では、流体は、吐出口318の上端部の外表面320と、流体ポート324の内表面330との間の接触封止が存在しない状態で、容器314から気化器326へ移送される。吐出口318の上端部319の外表面320、および流体ポート324の内表面330は、狭い間隙がその間に存在するように寸法設計される。この間隙は、気化器326へ移送されている流体の漏出がごくわずかであるか、または実質的に全く無いが、それでも容器の気化器からの取り外しが容易な、および/または実質的に制限されない十分な狭さである。このような間隙は、流体ポート324の内側半径rと、吐出口上端部319の外側半径rとの差によって定められる。一実施形態では、容器314から気化器326へ移送される流体はデスフルランであり、その場合、一般的に、液体麻酔剤の漏出を防ぐのに十分なサイズは0.01インチ以下である。間隙は、約0.001インチ〜約0.005インチであることがより好ましい。必要に応じて補助的な封止機構を形成するように、図1および2の「シュラウド」アダプタを、図9Aの略連続する外側半径アダプタと組み合わせて使用することが可能である。
【0039】
図9Aの実施形態を参照して上述したように、滑らかな先細の外側半径rを有する吐出口上端部319aを備える場合がある。このような吐出口上端部319aを、図9Bに示す。このような先細の吐出口上端部319aが形成された場合、外表面320と流体ポート324との間の間隙は最小間隙に形成することもでき、該最小間隙は、一般的に、流体ポート324の上部リップ332に隣接する。当業者は、流体封止の有効性が、吐出口上端部と流体ポートとの間の最小間隙に依存するので、より広い間隙が吐出口上端部319aのより狭い領域を囲むことが、本発明のこの側面によって考慮されることを理解されよう。
【0040】
当然、図9Aおよび9Bに示される吐出口上端部の関連する外側半径rは、間隙がなくプレス嵌めが画定され、それでも容器を気化器から容易に取り外すことができるように、流体ポート324の内側半径rと略同一となる場合がある。このような構成によって、上端部319の外側表面320の略全体と図9Aの略均一の外径に対する流体ポート324との間にプレス嵌めを生じさせることができることが理解されよう。同様に、図9Bに示される外側半径rが、流体ポートの内側半径rと略同一である場合、流体ポート324の上部リップ332に隣接する領域334において、吐出口上端部319aと流体ポート324との間にプレス嵌めを生じさせることもできる。この領域334は、本願明細書において流体ポート324の「上部分」と称し、上部リップ332から流体ポート324の底部を閉じる気化器弁座336までの、流体ポート324の最外側半分に略相当する。本願明細書では、流体ポート324の内側半分338を「下部分」と称する。当然、吐出口上端部は、一般的に、吐出口318の外側半径rが略均一であるときには、下部分338によるプレス嵌めを形成する。
【0041】
同じ機能は、吐出口上端部の外側半径rを、流体ポートの内側半径rよりもわずかに大きくすることによって達成することができる。当然、このような構成では、吐出口上端部および流体ポートのうちの1つが、十分に「撓む」か、または変形して吐出口上端部を流体ポートに挿入することができる材料で構成されることが好ましい。アダプタの吐出口および流体ポートの寸法および/材料は、アダプタの吐出口の挿入または取り外しを必要以上に難しくすることなく、好適な圧入を提供するように選択されることが好ましい。
【0042】
図10は、ある量の麻酔剤を収容する麻酔剤容器414上に載置可能な基部412を含む、アダプタ410を示す図である。略管状の吐出口416は、基部412から離れて延在し、吐出口416を通る流体の流れを制御する連結されたアダプタ弁アセンブリ418を有する。保持具420および422は、吐出口416内に位置し、それぞれ吐出口416およびアダプタ弁アセンブリ418と連結する。以下の説明から分かるように、保持具420および422は略同じ機能を果たすので、図10に示されるように、アダプタ410は、保持具420および422のうちのいずれか1つ、または両方を備えることができる。
【0043】
吐出口416と連結した保持具420には、内方へ突出した把持要素が示され、図10では成形歯424として示される、歯424は、図11Bに示されるように、気化器の流体ポート430において、気化器弁アセンブリ428の中央ピン426と係止係合するように適合される。アダプタ410の好適な実施形態では、アダプタ弁アセンブリ418は、中央ピン426と接触して、第1および第2の流体流路432および434を形成する。一般的に、加圧蒸気は、流体ポート430から第2の流体流路434を通って容器414へ流れるので、保持具420は、そのような流れを妨げずに、中央ピン426を係止係合しなければならない。したがって、保持具420は、流れを容易にするために、別個のいくつかの要素によって形成されるか、または少なくとも開口部分を含む場合がある。図11Aおよび11Bは、本願明細書で詳述するが、流れを妨げずに、中央ピン426と係止係合するのに好適な歯424を有する保持具アセンブリ420を示す図である。当然、第1の流体流路432内で流体移送が完全に達成される場合、保持具420は、アダプタ410の性能を低下させずに、中央ピン426との流体封止を形成することができる。
【0044】
アダプタ弁アセンブリ418と連結した保持具422はまた、離脱を防ぐために中央ピン426と係止係合するようにも適合される。上述のように、アダプタ弁アセンブリ418は、中央ピン426と接触して、第1および第2の流体流路432および434を形成する。流路432および434は、アダプタ弁アセンブリ418と中央ピン426との間の接触によって分離されるので、保持具422は、中央ピン426が係合されたときに、このピンとの封止を形成することが好ましい場合がある。このように、保持具422は、中央ピン426の外表面と係止係合および封止係合するように適合された、ガスケットまたはエラストマOリングの形態を取ることが好ましい。好適な一実施形態では、図12に示されるように、アダプタ弁アセンブリ418は、中央ピン426を保持具422へ導くために、保持具422に隣接した先細部分または傾斜部分436を含む。中央ピン426は、傾斜部分436および保持具422よりもわずかに大きいので、アダプタ弁アセンブリ418が中央ピン426に対して持続的に進むことで、中央ピン426が保持具422内へ効果的に嵌め込まれ、それによって、アセンブリとピンとの間の封止および保持関係が形成される。保持具422は、アダプタ410を流体ポート430から持続的に取り外すことによって、中央ピン426から分離される。
【0045】
使用時には、図11Bに示されるように、保持具420および/または422が中央ピン426の少なくとも一部を受け取るまで、吐出口416を流体ポート428に挿入する。保持具420および/または422が中央ピン426を受けたときに、保持具420および/または422は、中央ピン426との係止係合に移る。このような係止状態では、保持具420および/または422が中央ピン426から取り外されるまで、アダプタ410を流体ポート428から取り外すことができない。したがって、上述のタイプのアダプタは、従来技術の機器の突起−スロット保持機構に対して好都合な代替物として機能することが理解されよう。
【0046】
中央ピン426上への保持具420および/または422の係止は、その構造に基づいて、多数の方法のうちの1つによって達成することができる。上述のように、保持具422は、アダプタ410の軸方向の移動によって作動することができる。別の実施例にあるように、概略的に図13Aおよび13Bに示されるように、保持具422’は、非円形またはカム状とすることができ、それによって、中央ピン426は、概ねWで示される比較的広い領域を通って容易に移動し、概ねNで示されるより狭い領域によって係止および保持される。使用時には、アダプタ410を、図13Aに示されるように、保持具422’の比較的広い領域Wを通る中央ピン426を備えた流体ポート430内に挿入する。その後、アダプタ410は図13Bの配向に回転し、カム状の保持具422’を回転させて、より狭い領域Nを中央ピン426と接触させる。中央ピン426は、より狭い領域Nに嵌め込まれ、流体移送中の保持関係を形成する。アダプタ410を流体ポート430から取り外すには、中央ピン426が解放されて、カム状の保持具422’の比較的広い領域Wを再び通ることができるように、最初に、図13Aの配向に回転させなければならない。
【0047】
吐出口416と連結した保持具420の作動に関しては、保持具が図10の歯424のような成形要素である場合、係止機構は、保持具を中央ピン426と接触するように半径方向に移動させることによって機能させることができる。以下、図11Aおよび11Bを参照すると、2つの要素で構成された保持具アセンブリ420が示されている。第1の要素は回転可能なリング438であり、第2の要素は内側部分440である。内側部分440は吐出口416の上端部と連結することが好ましく、一方で、回転可能なリング438は内側部分440に対して回転可能である。回転可能なリング438は、リング438の回転が内側部分440に対して軸方向に進むように、嵌合ねじ442によって内側部分440と連結することが好ましい。アクメねじの関係によって、限られた回転で軸方向の移動を高められることがより好ましい。図11Bに最良に示されるように、内側部分440は、リム444と、内方に先細のスカート446とを含む。回転可能なリング438の歯424は、スカート446の内方に位置し、図11Bの配向に関して、歯424の下方への移動によってスカート446と接触し、内方へ移動させられるように配置される。
【0048】
使用時には、スカート446の少なくとも一部が中央ピン426を囲むまで、吐出口416を気化器の流体ポート430に挿入する。リング438は流体ポート430の外側に留まるので、歯424を軸方向に進めるように回転させることができる。歯424は、先細のスカート446と接触し、これらが係合して中央ピン426上に係止されるまで内方へ移動する。改善した係止関係を提供するために、歯424は、実質的にエラストマ材料で構成するか、または中央ピン426との接触のためのエラストマのコーティングを施される場合がある。また、ラッチ機構を備えて、歯424の軸方向の移動を防ぎ、また、歯424が中央ピン426から外れないようにする場合もある。流体移送後に、歯424は、リング438を反対方向に回転させて歯424を上昇させて分離することによって、中央ピン426から取り外すことができる。当然、ラッチ機構を備えている場合は、歯424を中央ピン426から取り外すことができるようになる前に、ラッチ機構を外さなければならない。
【0049】
中央ピンを係止係合する別の方法によれば、ピン1218は、雌ねじ1220付きの略管状である場合がある(図28)。図29では、アダプタ1222は、ある量の麻酔剤を収容する麻酔剤容器1226上に載置可能な基部1224と、基部1224から離れて延在する略管状の吐出口1228と、吐出口1228を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリとを含み、弁アセンブリは、公知のデザインに類似するか、または本願明細書に記載および図示のアダプタ弁アセンブリに類似する場合がある。吐出口1228は、アダプタ1222と流体ポート1200との間の流体封止を確立するOリング1230を含む場合があるが、本願明細書に記載されたものを含む、他の封止手段を用いる場合もある。吐出口1228またはアダプタ弁アセンブリは、吐出口1228の少なくとも一部が流体ポート1200に挿入されたときに、管状のピン1218を受け取るように適合された、中央に位置する雄ねじ付きの軸1232を含む。一般的に、吐出口1228の一部として形成された軸1232は、吐出口1228に対する静止部材となるが、一方で、アダプタ弁アセンブリ(吐出口1228に対して移動可能である)の一部として形成された軸1232は、吐出口1228に対して移動可能となる。
【0050】
使用時には、吐出口1228を流体ポート1200内へ移動させ、中央ピン1218とねじ付き軸1232を互いに一致させる。吐出口1228は、同時に、回転され中央ピン1218を軸1232内へ係止螺入しながら、吐出口1228が不用意に外れないようにし、さらに流体ポート1200内へ押圧される。アダプタ弁アセンブリおよび気化器弁アセンブリ(図示せず)は、気化器内に流体が流れる前に、軸1232を中央ピン1218内に係止しなければならないように構成されることが好ましい。
【0051】
当業者は、図11Aおよび11Bの保持具アセンブリ420は、中央ピン426の代わりに、またはこれに加えて、歯424が流体ポート430を係合して保持するように改良される場合もあると理解されよう。特に、スカート446は、図11Cに示されるように、流体ポート430に面する外側の先細部448を備える場合がある。歯424は、流体ポート430を分離および係合するように、スカート446の先細の外表面に沿って軸方向に移動可能である。歯424は、流体ポート430に対して保持機能と封止機能とを同時に提供することができるが、一方で、歯424が中央ピン426を係合する場合には、封止係合は、上述の理由から、一般的に避けられなければならないので、場合によっては、本実施形態の方が好ましい場合がある。
【0052】
図30および31は、図11Cのアダプタの一変形例を示す図である。図30および31のアダプタ1300は、ある量の麻酔剤を収容する麻酔剤容器1304上に載置可能な基部1302と、基部1302からはなれて延在する略管状の吐出口1306と、吐出口1306を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリとを含み、アダプタ弁アセンブリは、公知のデザインに類似するか、または本願明細書に記載および図示のアダプタ弁アセンブリに類似する場合がある。吐出口1306は、概ね図9Bの実施形態に従って先細であるか、または、少なくとも先細部分1308を有する。先細部分1308は、先細部分1308を緩く嵌まる下方へ延在したフラップ部材を有するコレット1310を受け取る。フラップ部材は、図30に示されるように複数の別個のフラップ1312で構成されるか、または連続する管状部材として構成される場合があるが、該連続する管状部材は、隣接するフラップ1312間に空隙またはウィンドウが存在しないことが、図30の実施形態とは異なる。図31の左半分に最良に示されるように、先細部分1308は、フラップ部材の内径よりも大きい最大直径を含む。コレット1310は、吐出口1306が内側で受け取る下方へ延在する内側スカート1314をさらに含む場合がある(図31)。Oリング1316または他の封止手段は、コレット1310またはアダプタ1300上に提供され、気化器の流体ポート1318との液体封止を形成することができる(図31)。
【0053】
アダプタ吐出口1306が気化器の流体ポート1318内への移動が、コレット1310が流体ポート1318の中央ピン1320と接触させ、コレット1310がそれ以上下方へ移動しないようにする。一実施形態では、内側スカート1314は雌ねじを含み、中央ピン1320が対応する外ねじを含む場合があり、吐出口1306が流体ポート1318内を回転したときに、コレット1310および中央ピン1320をねじによって連結する。図31の左半分に示されるように、フラップ部材のフラップ1312は、図示の位置において、流体ポート1318の壁から半径方向内方へ離間されている。
【0054】
コレット1310は、流体ポート1318内へ移動しないようにされるが、一方で、アダプタ1300の残部は、コレット1310に対して下方へ自由に移動することができる。吐出口1306の先細部分1308は、フラップ部材のフラップ1312を押圧し、このフラップを半径方向外方へ押し出し、図31の右半分に示されるような曲がった状態1312’にする。この曲げ作用を可能にするために、フラップ部材およびフラップ1312は、これに限定されないが、プラスチック材料、直鎖状低密度ポリエチレン材料、低密度ポリエチレン材料、ポリプロピレン材料、ナイロン材料、鉄系材料、および弾性ばね鋼材料のような、硬質だが可撓性の材料で構成される場合がある。本発明の範囲を逸脱しない範囲で、他の材料を使用する場合もある。フラップ部材が連続する管状部材として提供された場合、吐出口を流体ポートに完全に挿入したときに、可塑的ではなく、むしろ弾性的に変形するように適合された弾性プラスチック材料が形成すべきフラップ材料に対して好適となり得る。
【0055】
曲がった状態1312’では、フラップ1312は、吐出口の先細部分1308と流体ポート1318の壁との間に嵌め込まれ、アダプタ1300が流体ポート1318から不用意に外れないようにする。気化器が麻酔剤で十分に満たされたときに、容器1300は、容器1304を上方へ引っ張って、吐出口の先細部分1308を曲がった部分1312’から分離することによって、流体ポート1318から取り外される。容器1304は、次いで、流体ポート1318から完全に引っ張られて、アダプタ1300を流体ポート1318から取り外す。コレット1310は、吐出口1306上に緩く嵌められ、アダプタ1300が流体ポート1318から取り外されたときに、コレット1310が吐出口1306から完全に分離しないようにするために、コレット1310は、吐出口1306上にラッチするための留め金手段(図示せず)を備える場合がある。
【0056】
一方では、保持具が変形可能および/またはエラストマ材料である場合、保持具が中央ピン426または流体ポート430と接触するまで、保持具を半径方向に膨張させることによって、係止係合を行うことができる。このような変形を生じさせるための好適な手段には、回転、レバー作用、軸方向の移動などが挙げられる。本側面を含む複数の実施形態は、吐出口416と流体ポート430との間の保持機構は提供するが、封止機構は提供しないので、従来の封止手段か、本願明細書に記載された発明的な封止機構のうちのいずれかを、本発明のこの側面と組み合わせて使用する場合もあると理解されよう。
【0057】
図14Aおよび14Bは、ある量の麻酔剤を収容する麻酔剤容器514上に載置可能な基部512を含む、アダプタ510を示す図である。略管状の吐出口516は、基部512から離れて延在し、吐出口516を通る流体の流れを制御する連結されたアダプタ弁アセンブリ518を有する。吐出口516の外表面520は、不連続な封止部材522または複数の分離された部材を含む。不連続な封止部材522は、吐出口516を略囲むが、角度的に分離された別個の要素524によって画定される場合がある。別個の要素524は、実質的に変形可能および/またはエラストマ材料で構成されることが好ましい。
【0058】
吐出口516は、気化器の流体ポート526が受け取るように適合される。アダプタ510と流体ポート526との間の流体の流れは、上記の説明に従って達成される。吐出口516と流体ポート526との間の流体封止を提供するために、図14Bに示されるように、不連続な封止部材522は、半径方向に膨張するか、または半径方向に移動して流体ポート526と接触する。それぞれの別個の要素524は、好ましくは、それ自体と隣接する別個の要素524との間の間隙を閉じるか、またはなくすように、横方向に膨張する。別個の要素524同士の間の間隙のサイズが減少すると、より完全な封止が形成されるので、横方向の膨張特性を高めた材料を選択することによって、または別個の要素524をより近づけて配置することによって、封止を向上させることができる。
【0059】
図14Aおよび14Bは、不連続な封止部材522を半径方向に膨張させるための1つの構成を示す図である。図示の実施形態では、不連続な封止部材522は、吐出口516の遠位部分530および近位部分532によって画定されたチャネル528が受け取る。遠位部分530および近位部分532は、固定するか、または互いに対して軸方向に移動可能とすることができる。遠位部分530および近位部分532のうちの1つが、互いに対して軸方向に移動可能である場合、このような移動により不連続な封止部材522が軸方向に圧縮されて、図14Bに示されるように、半径方向に膨張する。遠位部分530および近位部分532の相対的な移動は、図6〜8の作動ノブ、および図10〜13Bの実施形態に関して上述した変形機構を含む、複数の可能な機構によって達成することができる。同じ機構を、図10〜13Bの保持具、および図14Aおよび14Bの封止部材の両方とともに使用することができるので、両方の特徴(同じ機構によって同時に作動する)を組み込んだアダプタが、一部の用途に対して好ましいことが考慮される。当然、変形して半径方向に膨張して流体封止を形成するのではなく、代わりに、不連続な封止部材522が半径方向外方へ移動することによって流体ポート526との流体封止を形成する場合もある。その場合、図10〜13Bを参照して上述した移動機構などを使用することができる。
【0060】
本側面の他の可能な実施形態を図15A〜17Bに示す。例えば、図15A〜15Cは、エラストマオーバーモールド534によって囲まれた吐出口516を有するアダプタ510aを示す図である。オーバーモールド534は、複数の別個の半径方向に延在する花弁536を含み、この花弁は、流体移送中に、麻酔剤気化器538の流体ポート526が受け取るように適合された吐出口516の一部において、リング状に配置される。図示の実施形態では、エラストマオーバーモールド534はまた、アダプタ510aの基部512に略隣接する係止リング540も含む。図15Bは、吐出口516が、オーバーモールド534を受けて、これが吐出口516に沿って軸方向に移動しないように適合された凹部542を含むことが好ましいことを示す図である。
【0061】
花弁536は、流体ポート526の壁544と接触し、図15Cに示されるように、吐出口516の方へ内方へ折り畳まれるように、気化器の流体ポート526よりも幅が広い。図15Cの位置において、花弁534は、吐出口516と、流体ポート526の壁544との間の間隙内へ延在してこの間隙を略塞ぐ。したがって、花弁536は、アダプタ510aと気化器538との間の流体移送中の流体封止を形成するものと理解されよう。図示の実施形態では、係止リング540は、流体ポート526の上部リップ546と接触して、補助的な流体封止を形成する。花弁436は、一般的に、満足な流体封止の形成に十分であるので、係止リング540は、本発明のこの実施形態のオプション的な側面であると理解されよう。係止リング546はまた、上述の封止機能の代わりに、またはこれに加えて、保持機能を提供する場合もある。特に、従来技術の機器に関して上述したように、係止リング546は、連結した麻酔剤気化器538の鍵穴によって保持される環状の突起として機能することができる。
【0062】
図16Aおよび16Bは、不連続な封止部材を有するアダプタ510bの別の実施形態を示す図である。図示のアダプタ510bは、吐出口516の外側端部に略隣接する、複数の不連続なリブ548を有する。図示の実施形態では、不連続なリブ548は、吐出口516と一体的に成形される。一実施形態では、個々のリブセグメント548は、千鳥状にするか、または互いにオフセットして、1つ以上の蛇行流路を形成する場合がある。当然、当業者は、リブ548を吐出口516と一体的に成形する必要はなく、代わりに、好適な手段によって吐出口516に固定されるエラストマ材料で実質的に構成される場合もあると理解されよう。
【0063】
使用時には、吐出口516を麻酔剤気化器の流体ポート526に挿入する。不連続なリブ548は、吐出口516と流体ポート526との間の間隙を略塞ぐために、流体ポート526の壁544と接触することが好ましい。リブ548のサイズおよび半径方向の拡張に基づいて、リブは、流体ポート526との摩擦型の保持関係を提供することができる。リブ548によって画定された蛇行流路は、流体の漏出を制限および/または実質的に妨げる。そうすることによって、リブ548は、麻酔剤容器514から気化器への麻酔剤の移送中に流体封止を形成する。
【0064】
図17Aおよび17Bは、不連続な封止部材を有するアダプタ510cのさらに別の実施形態を示す図である。特に、アダプタ510cは、エラストマ材料で形成されることが好ましい不連続なリング550を備える吐出口516を有する。図17Bに示されるように、吐出口516は、リング550を受けて、このリングが吐出口516に沿って軸方向に移動しないようにするための凹部552を含むことが好ましい。吐出口516はまた、図15A〜15Cの実施形態を参照して上述したように、係止リング540を含み、流体ポート526の上部リップ546との補助的な流体封止、およびまたは保持機能を提供する場合もある。
【0065】
図示のリング550は、第1のバンド556および第2のバンド558内に配置された、複数の半径方向に延在するラグ554を含む。図示した実施形態に対する可能な変形例は、単一のバンドまたは2つ以上のバンド、および吐出口516と連結した別個の構造体であるバンドの使用を含む。
【0066】
使用時には、吐出口516を麻酔剤気化器の流体ポート526に挿入する。隣接するバンドのラグ554は、流体の漏出を制限および/または実質的に排除する蛇行流路を画定するようにオフセットされるので、図16Aおよび16Bのリブ548と同じように、ラグ554は作用する。ラグ554が、流体ポート526の壁544に対して堅固な嵌めを提供するように、ラグ554の幅は、流体ポート526よりもわずかに広いことが好ましい。図17Bに示されるように、ラグ554は、吐出口516と流体ポート526との間の間隙を塞ぐので、流体の漏出を制限および/または実質的に妨げる蛇行流体流路によって、麻酔剤の気化器への移送中の効果的な流体封止をもたらす。吐出口516が係止リング540を備えている場合、係止リング540は、補助的な流体封止および/または保持機能を提供する。
【0067】
図示したものの他に、他の封止部材も可能であり、本発明の範囲内に含まれる。例えば、吐出口は、雄ねじ(好ましくは少なくとも1回、より好ましくは2回以上吐出口の周りを回転する)を備える場合があり、このねじは、流体ポート内で受け取る吐出口とともに、同じく流体の漏出を制限するための流体流路をもたらす。
【0068】
図18A〜18Cは、封止システムの別の実施形態を含むアダプタ610を示す図である。アダプタ610は、ある量の麻酔剤を収容する麻酔剤容器614上に載置可能な基部612を含む。略管状の吐出口616は、基部612から離れて延在し、吐出口616を通る流体の流れを制御する連結されたアダプタ弁アセンブリ618を有する。吐出口616は、吐出口616の内部と連通する変形可能なカラー620によって部分的に画定される。変形可能なカラー620は、エラストマOリングと同等の構造である。吐出口616は、麻酔剤気化器の流体ポート622が受け取るように適合され、図18Aに示されるように、カラー620の外表面も、流体ポート622が受け取るように構成される。カラー620の外表面は、図18Aの非膨張状態において、吐出口616の外表面と略面一になることが好ましい。
【0069】
アダプタ弁アセンブリ618は、本体部分626よりも幅の広い、拡大ヘッド部分624を含む。図18Aの非膨張状態において、拡大ヘッド部分624は、変形可能なカラー620と、吐出口616の開口端628との間に配置される。アダプタ弁アセンブリ618の最外端に示されているが、図18Aの非膨張状態において変形可能なカラー620の遠位に配置されている場合には、拡大ヘッド部分624は、アダプタ弁アセンブリ618に沿った中間位置にある場合もあると理解されよう。拡大ヘッド部分624は、吐出口616の内部に沿って軸方向に移動できるように、吐出口616よりも狭くなっているが、変形可能なカラー620の内表面よりも幅が広い。
【0070】
使用時には、アダプタ弁アセンブリ618の拡大ヘッド部分624が麻酔剤気化器の中央ピン630と接触するまで、吐出口616を流体ポート622に挿入する。中央ピン630との接触によって、アダプタ弁アセンブリ618は、従来のデザインに従って、アダプタ610内に引っ込み、吐出口616を通る流れを開始させる。なお、アダプタ弁アセンブリ618の引き込みは、拡大ヘッド部分624を変形可能なカラー620と係合させる。拡大ヘッド部分624は、変形可能なカラー620よりも硬いので、変形可能なカラー620が流体ポート622を封止係合するまで、変形可能なカラー620を半径方向外方へ移動させる。この膨張状態は、図18Bおよび18Cで確認することができる。好適な一実施形態では、変形可能なカラー620は、膨張し流体ポート622の上部分を封止係合するように構成される。本発明のこの側面を参照して使用する場合、「上部分」という用語は、図9Aおよび9Bの説明において上述した定義に合致する。
【0071】
図18Bの状態において、流体は、アダプタ弁アセンブリ618と中央ピン630との間を流れることができる。気化器内へ移動する液体麻酔剤および気化器から吐出された加圧蒸気に対して別個の流体流路を含むことが望ましい場合、拡大ヘッド部分624および/または変形可能なカラー620は、少なくとも1つのチャネル(図示せず)を備えて、吐出口616を通る第2の流体流路を形成することもできる。
【0072】
変形可能なカラー620を流体ポート622から分離するには、アダプタ610を流体ポート622から離れるように移動させる。流体ポート622からアダプタ610を引き込めるこの最初の移動によって、中央ピン630が、拡大ヘッド部分624から分離される。従来のデザインに従い、アダプタ弁アセンブリ618は、図18Aの状態にばね付勢されているので、アダプタ610を流体ポート622から離れるように移動させたときに元の状態に戻る。アダプタ弁アセンブリ618を図18Aの状態へ移動させることで、拡大ヘッド部分624が変形可能なカラー620から分離され、その後図18Aの非膨張状態に戻り、アダプタ610を流体ポート622から完全に取り外すことができるようになる。
【0073】
図19A〜19Dは、さらに別の封止システムを有するアダプタ710を示す図である。アダプタ710は、ある量の麻酔剤を収容する麻酔剤容器714上に載置可能な基部712を含む。略管状の吐出口716は、基部712に対して軸方向に移動するか、または回転できるように、基部712から離れて延在し、基部とは別個のものである。図示の吐出口716は、図19Bに示されるように、少なくとも1つの雄ねじ718によって基部712と連結し、図19Cに示される、基部712の嵌合い雌ねじ720内を移動する。この連結は、一般的なねじを参照して理解することができ、すなわち、吐出口716は、基部712に対して軸方向に移動するように、この基部に対して回転される。以下の説明から明らかとなるように、この特定の構成は、単なる例示に過ぎず、基部712に対して吐出口716を軸方向に移動させるための他の手段を、本発明の範囲を逸脱しない範囲で実行することができる。
【0074】
図示の吐出口716はまた、略同一の第1の半分724aと、第2の半分724bとで構成されるハンドル722も含む。第1の半分724aおよび第2の半分724bは、嵌合うペグ726とウィンドウ728、または他の好適な手段によって互いに接合可能である。ハンドル722のスロット730は、ハンドル722を吐出口716に沿って軸方向に移動させるが、吐出口716に対してハンドル722を回転させないようにする吐出口716のポスト732を受け取る。本システムによって、吐出口716は、ハンドル722によって回転させることができると理解されよう。
【0075】
ハンドル722のそれぞれの半分724aおよび724bはまた、基部712の上部リム736を受け取るチャネル734も含む。これによって、ハンドル722を、軸方向に移動させずに基部712の周囲を回転させることができる。したがって、上述の関係を要約すると、ハンドル722は、基部712の周囲を回転し、それが吐出口716を回転させて基部712に対して軸方向に移動させる。吐出口716の底端部738は、吐出口716の内側の中央管742と連通する開口部740を含む。吐出口716は、本願明細書において以下に詳述するように、これらの開口部740を開閉するために、基部712に対して軸方向に移動する。
【0076】
図示の吐出口716は、図6〜7Bの半径方向に膨張可能な部材228と同等の構造で、かつ同等に機能する半径方向に膨張可能な部材744を含む。しかし、カム状ノブを使用して半径方向に膨張可能な部材を作動させる代わりに、吐出口716をハンドル722に対して引っ込み、半径方向に膨張可能な部材744を圧縮して、これを外方へ変形させて、吐出口716を受け取る流体ポート746を封止係合する。
【0077】
使用時には、吐出口716を、開口部740が基部712によって覆われた状態で麻酔剤気化器の流体ポート746に挿入する。底端部738は、吐出口716を通る流体を漏出させないために、Oリング748を備えて、基部712との流体封止を形成することができる。流体ポート746が吐出口716を十分に受けたときであって、一般的には、中央管742が、気化器の中央ピン750と係合して開位置にそれを移動させたときに、ハンドル722が回転される。上述のように、ハンドル722の回転によって、吐出口716が基部712内に引き込まれ、それによって、半径方向に膨張可能な部材744が膨張して流体ポート746を封止係合し、開口部740を露出させて、吐出口716を通って流体が流れるようになる。この状態を図19Dに示す。ハンドル722を回転させる代替例として、麻酔剤容器714が基部712に堅固に固定されている場合、ハンドル722を静止させたままとし、一方で、吐出口716を引き込めるために容器714を回転させることもできる。
【0078】
図19Bに最良に示されるように、中央管742を通る流路、および中央管742と吐出口716との間の空間を通る流路を別個に形成するために、中央管742は、吐出口716の内壁から離間されていることが好ましい。この構成は、気化器から容器714への加圧蒸気の移送のための供給を行わなければならないので、デスフルランのような麻酔剤を気化器へ移送するのに好ましい場合がある。
【0079】
気化器が満たされたときには、ハンドル722または容器714を反対方向に回転させて、吐出口716を基部712から離れるように移動させ、これによって開口部740を閉じて、半径方向に膨張可能な部材744を流体ポート746から分離する。上述の説明から、当業者には、回転は、単純に、吐出口716に流体を流すことができる1つの方法であるので、吐出口716を引っ込める他の方法も、本発明の範囲内にあることが明らかとなろう。
【0080】
図20は、麻酔剤容器814を麻酔剤気化器へ固定するための旋回保持具812を有するアダプタ810を示す図であり、気化器の一部は概ね816で示される。図20に示されるアダプタ810は、図1および2の実施形態を参照することによってさらに理解することができる。アダプタ810は、麻酔剤気化器816上、流体ポートの周囲(図20では見えない)に載置可能な基部818を有する。流体ポートが気化器816に対して移動可能である場合、アダプタ810は、流体ポートとともに移動可能であるように適合されることが好ましい。側壁820は、基部818から離れて上端部822へ延在する。上端部822は、麻酔剤容器814の一部(一般的にはその吐出口)を受け取るための開口部(図20では見えない)を含む。
【0081】
旋回保持具812は、アダプタ810に旋回可能に接続され、そこから離れて延在する。旋回保持具812は、流体ポートに挿入される麻酔剤容器814と干渉しないように、アダプタの側壁820に接続されることが好ましい。図20において、旋回保持具812は、アダプタの側壁820の対向する横方向側部に接続された第1の脚部824と第2の脚部826とを備えた、略U字形の硬いブラケットまたはスターラップとして示される。第1の脚部824および第2の脚部826は、横方向の脚部828によって互いに接続される。硬い保持具を提供する場合、保持具は、曲げた金属ワイヤによって、または成形プラスチックピースとして画定されることもできる。保持具の脚部は、下述するように、完全に挿入された麻酔剤容器を収容するように成形されることが好ましい。
【0082】
気化器とともに種々のサイズの容器を使用し得るので、保持具812は、ユーザが1つの保持具を特定の容器に適している別の保持具と交換できるように、アダプタ810に着脱可能に接続されることが好ましい。別様には、容器814は、アダプタ810の側壁820が受け取ることができる第1の脚部824および第2の脚部826と同等の構造物を備えることができる。さらに別の実施形態によれば、旋回保持具812は、実質的に変形可能な、または弾性材料で構成される場合がある。この構成は、単一の保持具が多種多様の容器サイズを収容することができるので、硬質または金属ブラケットよりも好適である。
【0083】
最初に、旋回保持具812は、麻酔剤容器814を気化器の流体ポートに挿入するための明確な経路が存在するように、図20の配向において、略下向きまたは略上向きの状態に位置決めされる。容器の吐出口が少なくとも部分的にアダプタ810に挿入されたときに、旋回保持具812は、容器814の一部と係合するために、図20の位置へ旋回される。保持具812は、流体移送中にアダプタ810および吐出口が誤って外れないようにするために、容器814を係合すると理解されよう。旋回保持具812は、図20において、容器814の底端部830を係合して示されているが、他の構成も可能である。例えば、保持具は、吐出口が気化器816から誤って外れないようにするために、備えている場合は、口金または突起832などの、容器814の他の部分を係合する場合もある。
【0084】
麻酔剤容器と麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するための保持システムの別の実施例を、図21〜23に示す。より具体的には、図21は、麻酔剤容器912と連結可能であり、吐出口910から離れて半径方向に延在する複数の保持ポスト914および916を有する略管状の吐出口910を示す図であるが、以下の説明から、ポストは1つだけでもよい場合もあると理解されよう。吐出口910は、これに限定されないが、図1および2に示されるタイプのアダプタのような、麻酔剤気化器の流体ポートの周囲に載置可能なアダプタ918が受け取るように構成される。
【0085】
図22および23に示されるように、アダプタ918は、麻酔剤気化器922に固定可能であり、流体ポート924を囲む基部920を有することが好ましい。流体ポート924が気化器922に対して移動可能な場合、アダプタ918は、流体ポート924とともに移動可能なように適合されることが好ましい。側壁926は、基部920から離れて上端部928まで延在する。上端部928は、吐出口910を受け取るための開口部またはアパーチャ930を形成する。開口部930は、吐出口910がアダプタ918内に移動したときに、保持ポスト914および916をそれぞれ受け取るためのスロット932および934を含む。それぞれのスロットは、アダプタ918の上端部928から離間された、横方向のポケット936(図22では1つだけが見えている)を含む。
【0086】
使用時には、ポスト914および916を、それぞれスロット932および934と一致させ、吐出口910を、アダプタ918および連結した流体ポート924内へ進める。吐出口910は、アダプタ918内を十分に進んだときに回転して、第1のポスト914および第1のポケット936に対して図23に示された、横方向のポケット内にポストを移動させる。好ましくは、吐出口910が回転することで、第1の保持ポスト914が第1のポケット936内へ移動すると同時に、第2の保持ポスト916が第2のポケット(図示せず)内へ移動する。ポストがポケット内に移動すると、吐出口は、再びポストを元の位置へ回転させてスロットと一致させない限り、アダプタおよび流体ポートから取り外すことができない。したがって、ポスト、スロット、およびポケットは、バイオネット係止または保持のシステムを提供すると理解されよう。
【0087】
図23に概ね示される一実施形態によれば、ポケット936がポスト914を受けたときに、吐出口910の一部は、上端部928と接触して流体封止を形成することができる。別の実施形態では、ポストのポケットへの回転が吐出口をアダプタ内にさらに引っ張るように、下方へ螺旋を描くか、または傾斜したポケットを備えたアダプタを備えることによって、より密な封止を達成することができる。
【0088】
吐出口およびアダプタは、任意の数の嵌合うポストとスロットを備えることができ、異なる麻酔剤に対して異なる配向を提供することができる。特に、2つのスロット932および934を備えている場合、それらは、図22に示されるように、表示角αだけ分離させることもできる。表示角は、気化器に供給される麻酔剤に依存する。例えば、デスフルラン用のアダプタは、2つの正反対にあるスロットを備える場合があり、一方で、エンフルラン用のアダプタは、図22で示されるように、適切なポスト機構を有する吐出口だけをアダプタが受け取られるように、90°分離された2つのスロットを変わりに有する場合がある。これは保持機能を提供すると同時に、気化器による不適当な麻酔剤の使用を防ぐ。
【0089】
図24Aおよび24Bは、遮蔽部材またはスプラッシュガード1012を有するアダプタ1010を示す図である。本願明細書において後述するように、遮蔽部材1012は、アダプタの吐出口を流体ポートが受けたときに、麻酔剤の流体ポートからのバックスプレーを実質的に防ぐ。アダプタ1010は、遮蔽部材1012に加えて、麻酔剤容器1016と連結可能な基部1014と、基部1014から離れて延在する略管状の吐出口1018とをさらに含む。吐出口1018は、図24Bに示されるように、麻酔剤気化器の流体ポート1020が受け取るように構成される。
【0090】
遮蔽部材は、略環状構造とすることができ、アダプタの基部、吐出口、またはその両方と連結することができる。好適な一実施形態では、図24Bに最良に示されるように、遮蔽部材1012は、最小直径から最大直径dへ遠位に延在する円錐台形状を有する。図24Aに示されるように、アダプタ吐出口1018は、図15A〜15Cの実施形態の上述の説明に基づいて、係止リング1022を備える場合がある。アダプタの吐出口が鍵穴保持システムでの使用に好適な係止リングを含む場合、遮蔽部材は、流体移送中に、気化器の湾曲したスロットと干渉しないように適合されることが好ましい。
【0091】
使用時には、吐出口1018を麻酔剤気化器の流体ポート1020に挿入する。吐出口1018を流体ポート1020に完全に挿入された状態で、図24Bに示されるように、遮蔽部材1012は、流体移送中に流体ポート1020の外側に留まり、流体ポート1020の上部リップ1024から離間される。遮蔽部材1012の最大直径dは、流体移送中に流体ポート1020から漏出する液体または蒸気が、オペレータと接触し得る状態になる前に、遮蔽部材1012によって遮断および偏向されるように、流体ポートの上部リップ1024の内径dよりも大きいことが好ましい。当業者は、本発明のこの側面は、単独で、または本願明細書に記載された複数の他の実施形態と組み合わせて使用する場合もあると理解されよう。
【0092】
流体ポートからの吹き戻しまたはバックスプレーの量は、容器吐出口と流体ポートとの間の流体封止の完全性、移送される麻酔剤の種類、麻酔剤気化器の特性などのような、複数の因子に依存する。一般的なデスフルラン用容器の吐出口およびデスフルラン用気化器との使用に好適であると考えられる好適な一実施形態では、プラッシュガードの最大直径dは、流体ポートの上部リップの内径dよりも少なくとも約50%大きい。このようなスプラッシュガードは、流体ポートから吐出されたデスフルランがオペレータと接触しないようにする。同じ手順の場合、スプラッシュガードの最大直径dは、流体ポートの上部リップの内径dよりも約75%〜約125%大きいことがより好ましい。
【0093】
図25〜27Bは、麻酔剤容器1114上に載置可能である基部1112を備えたアダプタ1110を示す図である。アダプタ1110の略管状の吐出口1116は、基部1112から遠位端1118へ離れて延在するが、図26に分割隔壁として示されるように、封止膜1120が頂部にあることが好ましい。封止膜1120は、遠位端1118を貫通する少なくとも1つの貫通孔1122によって囲まれる。回転可能な弁ディスク1124が、吐出口1116の遠位端1118と連結し、この遠位端に対して回転するように載置される。回転可能な弁ディスク1124は、封止膜1120へのアクセスを可能にする中央開口部1126と、吐出口の遠位端1118の貫通孔1122に略対応する少なくとも1つの貫通孔1128とを含む。
【0094】
図27Aに示される閉位置では、アダプタ1110と連結した麻酔剤容器1114から流体が流出できないように、吐出口の貫通孔1122は、ディスクの貫通孔1128と一致していない。本願明細書において「一致しない」またはその変形の用語のうちのいずれかを、図25〜27Bの実施形態に関して使用する場合は、流体が吐出口の貫通孔1122を通って流れることができないように、吐出口の貫通孔1122が弁ディスク1124によって完全に覆われていることを意図している。しかし、ディスクの貫通孔1128が吐出口の貫通孔1122と少なくとも部分的に重なっている場合は、図27Bに示されるように、これらの孔は一致しており開位置にあり、流体がその孔を通って流れることができる。故に、本システムは、本願明細書において使用されているように、アダプタ弁アセンブリを提供すると理解されよう。したがって、本実施形態によるアダプタ弁アセンブリは、吐出口を通る流体の流れを調節するために、本発明の他の側面とともに使用する場合もある。
【0095】
使用時には、アダプタ吐出口1116を麻酔剤気化器(図示せず)の流体ポート1130に挿入する。流体ポート1130の中央ピン1132は、ディスク1124の中央開口部1126によって受け取られて、吐出口1116の封止膜1120を貫通する。ディスク1124は、次いで図27Bの位置へ回転して、ディスクの貫通孔1128を吐出口の貫通孔1122と一致させ、これによって、流体は、アダプタ1110と気化器との間を流れることができる。封止膜1120は、中央ピン1132を通る流れが、貫通孔1122および1128を通る流れと実質的に分離されるように、中央ピン1132を受けてこれとの流体封止を形成するように構成されることが好ましい。
【0096】
図27Bに示される一実施形態では、ディスク1124は、流体ポート1130との流体封止を形成するように十分な大きさとされる。これは、ユーザが容器1114を回転させて、連結した吐出口1116を回転させて開位置に導いている間、流体の漏出を防ぎ、また、流体ポート1130がディスク1124を把持するように適合されるので、好ましいものとなり得る。ディスクが、流体ポートとの流体封止の形成を意図したものである場合、ディスクは、Oリングまたは他のエラストマまたは変形可能な部材(図示せず)によって囲むか、またはそれ自体を実質的にエラストマまたは変形可能な材料で構成することもできる。
【0097】
別の実施形態では、弁ディスクは、取り扱い中の更なる漏出を防ぐために、閉位置に付勢されることができる。これは、ディスクの貫通孔と吐出口の貫通孔とを一致させるためには打ち勝たなければならないトーションばねのような、多数の手段のうちのいずれかによって達成することができる。
【0098】
吐出口およびディスクが開位置にあることを合図するように、触知、可視、または可聴インジケータを備えることができる。例えば、ディスクが閉位置と開位置との間を移動したときに「クリック」音を発生させることができる。これは1つの可能なインジケーション手段に過ぎず、当業者は、他の手段も利用可能であり、本発明のこの側面によって実行される場合があると理解されよう。
【0099】
図32は、容器保持システムの別の実施形態を示す図である。本システムは、ある量の麻酔剤を収容する麻酔剤容器または瓶1400と、容器1400の吐出口1404を受け取るように適合された気化器の流体ポート1402と、加重部材1406とを含む。容器1400、吐出口1404、および流体ポート1402は、公知のデザインおよび動作に従って提供される場合がある。
【0100】
流体ポート1402と連結した気化器弁アセンブリおよび吐出口1404と連結した吐出口弁アセンブリは、公知のデザインまたは本願明細書に記載されたデザインに基づいて提供することができ、また、一般的にばねによって閉位置に付勢されるので、流体移送のために、吐出口1404を、流体ポート1402内へ押圧して、気化器弁アセンブリおよび吐出口弁アセンブリを開状態に保持しなければならない。従来技術のシステムおよび本願明細書に記載された選択されたシステムでは、吐出口1404は、互いの一部上にラッチ係合する吐出口1404または流体ポート1402のうちの1つの一部分によって流体ポート1402内に保持される。これらのシステムは、容器1400の流体ポート1402への固定に効果的であるが、特定の保持機構に詳しくないユーザは、それをどのように作動させるのかを理解できず、代わりに、充填プロセスの間ずっと、容器1400を流体ポート1402内に手で保持する場合がある。これはユーザの少なくとも1つの手を塞ぐことになり、ユーザは、充填プロセス中に流体ポート1402から離れて、例えば、麻酔システムの他の側面に対応したり、監視したりすることができない。
【0101】
図32の容器保持システムは、加重部材1406によってこの問題に対処している。図示の加重部材1406は、略茶碗形であり、吐出口1404が流体ポート1402内に位置決めされたときに、容器1400の閉口端1408上に載置されるように適合される。図示の加重部材は、閉口端1408を係合するように適合されるが、異なった形状の加重部材が、容器1400の異なる部分を係合するように適合される場合がある。さらに、加重部材1406を、吐出口1404が流体ポート1402内へ挿入された後に容器1400上に配置するか、または、容器1400を、吐出口1404が流体ポート1402内に挿入される前に加重部材1406内に挿入する場合がある。
【0102】
加重部材1406は、容器の吐出口1404を流体ポート1402内に保持するのに十分重く、それによって、気化器弁アセンブリおよび吐出口弁アセンブリのばね(または他の付勢手段)に打ち勝って、それらを開状態に保持する。このような容器保持システムは、使用が簡単であり、ユーザまたはユーザを監督する者は、充填プロセス中に容器が固定されていることを容易に確認できることが理解されよう。
【0103】
気化器が十分に満たされたときに、加重部材1406および容器1400は、別々または一緒に取り外すことができる。加重部材1406は、容器1400と気化器との間の流体連通を一時的に閉じるように、充填プロセス中にいつでも取り外すことができる。
【0104】
加重部材は、容器の一体的な構成要素として提供される場合があるが、輸送中の重さを増加させるため好ましくない場合があることも考慮される。したがって、加重部材が容器と着脱可能に連結可能であることが好ましい。
【0105】
加重部材の構成は、気化器弁アセンブリおよび吐出口弁アセンブリの強度、およびそれらを開口状態に保持するのに必要な力に部分的に依存する。材料が重くなると加重部材はより小型で扱い易くなり、一方で、材料が軽くなれば加重部材はより大型で扱い難くなるため、加重部材のサイズは、もう一つの考慮すべきことである。一実施形態では、加重部材は、実質的に鉄系の金属材料のような金属材料で構成される場合がある。多くの市販の気化器の場合、少なくとも約10lbfの力があれば、容器と気化器との間の開流路を保持するのに十分であり、実質的に鉄系の金属材料で構成された加重部材でも、過度に大型化させずに十分な力を提供する。他の材料が、単独で、またはより軟質または軽量の、あるいは色分けされた材料によって少なくとも部分的に覆われた比較的重い材料で構成されたコアを有する複合加重部材(図示せず)のように、互いに組み合わせて使用されることができる。
【0106】
加重部材はまた、多数の形態のうちのいずれかを取ることができるが、図32の茶碗形の加重部材1406が好ましい場合がある。例えば、気化器を使用していないときには、加重部材1406は、気化器弁アセンブリが不用意に開かれないようにするために、プラグまたはカバーとして流体ポート1402上に着座させることができる。加重部材1406は、プレス嵌めおよび嵌合うねじを含む好適な手段によって、流体ポート1402に固定する場合もある。
【0107】
加重部材1406はまた、把持または取り扱いを向上させるための特徴も備える場合がある。例えば、図32の実施形態は、加重部材1406を容器1400へ取り付ける間、および容器から取り外す間の好都合な指の置き場を提供する、複数のウィンドウ1410を含む。
【0108】
図33は、充填および除去プロセスを簡素化および短縮した、システム1500の一実施形態を示す図である。充填システム1500は、基部1504を有するアダプタ1502と、基部1504から離れて延在する略管状の吐出口1506と、基部1504から近位に延在する容器弁アクチュエータ1508とを含む。種々の他の実施形態を参照して概ね説明および図示したように、吐出口1506と容器弁アクチュエータ1508とを組み合わせて、アダプタ1502を通る流体流路を形成する。吐出口1506は、気化器の流体ポート1512との流体経路を形成するための封止部材1510と、アダプタ1502を流体ポート1512へ係止するための係止部材1514とを含む場合がある。封止部材および係止部材は、麻酔剤容器に載置可能なアダプタに関して本願明細書に記載された封止部材および係止部材の形態を含む、実質的にいかなる形態も取ることができる。
【0109】
麻酔剤容器1516は、容器弁1518によって覆われた開口端を有し、アダプタ1502を係合するように適合され、一方で、アダプタ1502は、流体ポート1512へ係止される。アダプタ1502は、容器弁アクチュエータ1508と係合するように移動される容器弁1518のためのガイドとして、基部1504から近位に延在する略管状の側壁1520を含む場合がある。容器弁1518は、閉位置(麻酔剤が容器1516の外へ流れないようにする)と、開位置(アダプタ1502の容器弁アクチュエータ1508と係合することによって、容器1516から麻酔剤を流す)との間を移動可能である。容器弁1518および容器弁アクチュエータ1508は、多数の形態を取ることができる。例えば、図33の実施形態では、容器弁アクチュエータ1508は、分割隔壁(図示せず)のような再封止可能な膜を含む容器弁1518との使用に好適な硬質の管状部材である。別の実施形態では、再封止可能な容器弁としては好適ではない場合があるが、薄いシート状のホイルのような壊れ易い膜を含む容器弁1518を、図示の容器弁アクチュエータ1508とともに使用することができる。
【0110】
別の実施形態は、容器をアダプタ内に移動させたときに、同時または順に互いに開くばね付勢弁として提供された、容器弁および容器弁アクチュエータを含む。参照することによって既に本願明細書に組み込まれたBraatz他への米国特許第5,381,836号および第5,617,906号、および参照することにより本願明細書に組み込まれる、Videbrinkへの米国特許出願公開第2003/0075241号に記載された弁システムを含む、多数の公知のばね付勢弁のうちのいずれかを、本発明のこの側面に組み込むことができる。再封止可能な弁または膜を備えた容器弁アクチュエータは、本願明細書において後述するように、アダプタを通る流体の流れを妨げないようにするものより好適となり得る。
【0111】
アダプタ1502は、使用前に、気化器流体ポート1512に係止される。図示の実施形態では、ラッチピン1522は、流体ポート1512の壁を貫通する。ラッチピン1522の流体ポート1512内にある部分は、ラッチピン1522を押圧することによって横方向に移動可能であるラッチ1524を含む。アダプタ1502を取り付けるには、ラッチピン1522を押圧してラッチ1524を移動させて、次いでアダプタの吐出口1502を流体ポート1512内へ移動させる。ラッチピン1522は、次いで解放されるか、または最初の位置へ移動し、ラッチ1524を最初の位置へ戻し、それによって、係止部材1514を係合して、アダプタ1502を流体ポート1512内に固定する。この位置では、吐出口1506は、気化器アダプタアセンブリ(公知のデザインに類似するか、または本願明細書に記載されたデザインとなり得る)に対して保持され、それによって、気化器への流体流路を開く。したがって、気化器弁アセンブリが開かれた後に、気化器からの蒸気の漏出に前もって対処するように、アダプタ1502を、本願明細書に記載の止め栓を有する気化器とともに使用することが好適となり得る。別様には、アダプタ1502の容器弁アクチュエータ1508は、蒸気の漏出を防ぐために、ばね付勢弁または(図26の要素1120に類似した)分割隔壁のような、再封止可能な弁または膜を含む場合がある。このような再封止可能な弁または膜が提供される場合、アダプタ1502は、開位置にある止め栓とともに使用するか、または止め栓を欠いた気化器とともに使用することができる。
【0112】
本発明のこの側面によるアダプタ1502は、流体ポート1512に恒久的に固定することが可能であるが、気化器に第2の充填モードを効果的に提供する着脱可能な構成要素として提供することが好ましい場合もある。気化器がアダプタ1502を伴わずに提供されるときには、「標準充填」モードにあり、それによって、流体の流れは、(1)ラッチピン1522を押圧してラッチ1524を移動させ、(2)容器の吐出口を流体ポート1512内へ移動させ、(3)ラッチピン1522を解放し、容器の吐出口を流体ポート1512内に係止し、そして(4)止め栓を作動させる、ことによって確立される。これに対して、気化器がアダプタ1502とともに提供されるときには、「急速充填」モードにあり、流体の流れは、(1)容器弁アクチュエータ1508に対して容器弁1518を押圧し、そして(2)止め栓を作動させる、ことによって確立される。この「急速充填」モードは、容器弁アクチュエータ1508が上述の説明による再封止可能な弁または膜を含む場合は、容器弁アクチュエータ1508に対して容器弁1518を押圧する単一ステップにさらに簡素化される。取り外しプロセス(基本的に、充填プロセスのステップを逆に行う)も、同様に短縮される。したがって、本発明のこの側面によるアダプタは、充填および取り外しプロセスを短縮し、特に気化器を頻繁に使用する際に有用であることが理解されよう。このようなアダプタは、一般的な気化器の充填システムよりも内蔵された安全機構が少ないので、熟練したユーザまたは専門技術者による使用に好適となり得る。
【0113】
上述の実施形態は、本発明の原理の適用の一部を例示したものであると理解されよう。当業者は本発明の意図および範囲から離れず、本明細書において単独に開示されたまたは主張された特徴の組み合わせを含め多数の変更を実行しても良い。こうした理由から、本発明の範囲は、上述の説明に限定されるものではなく、以下の請求項に記載されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、麻酔剤気化器上に載置された封止アダプタの正面斜視図である。
【図2】図2は、図1の実施形態による、係合されたアダプタおよび気化器の断面図である。
【図3】図3は、麻酔剤容器上に載置された封止部材を備えたアダプタの正面斜視図である。
【図4】図4は、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図3の実施形態によるアダプタの分割した断面図である。
【図5】図5は、図3に示された封止部材の別の実施形態を有するアダプタの断面図である。
【図6】図6は、本発明の一側面による、半径方向に膨張可能な部材を備えたアダプタの断面図である。
【図7A】図7Aは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図6のアダプタの正面斜視図である。
【図7B】図7Bは、半径方向に膨張した状態の半径方向に膨張可能な部材を備えた、図7Aのアダプタの正面斜視図である。
【図8】図8は、麻酔剤容器上に載置された半径方向に膨張可能な部材を有するアダプタの別の実施形態の断面図である。
【図9A】図9Aは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けて、略連続する外側半径を有する吐出口上端部を備えたアダプタの断面図である。
【図9B】図9Bは、略連続する外側半径を有する先細の吐出口上端部を備えたアダプタの断面図である。
【図10】図10は、麻酔剤容器上に載置された保持具を備えたアダプタの断面図である。
【図11A】図11Aは、アダプタでの使用に好適な保持具アセンブリの正面斜視図である。
【図11B】図11Bは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図11Aの保持具アセンブリの断面図である。
【図11C】図11Cは、図11Aの保持具アセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図12】図12は、アダプタでの使用に好適なアダプタ弁アセンブリの正面斜視図である。
【図13A】図13Aは、アダプタでの使用に好適なカム状保持具の概略図である。
【図13B】図13Bは、異なる方向に回転させた、図13Aのカム状保持具の概略図である。
【図14A】図14Aは、麻酔剤容器上に載置された不連続な封止部材を備えたアダプタの正面斜視図である。
【図14B】図14Bは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けて、流体ポートと封止係合する不連続な封止部材を備えた、図14のアダプタの正面斜視図である。
【図15A】図15Aは、不連続な封止部材を備えたアダプタの別の実施形態の正面斜視図である。
【図15B】図15Bは、図15Aのアダプタの断面図である。
【図15C】図15Cは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図15Aのアダプタの断面図である。
【図16A】図16Aは、不連続な封止部材を備えたアダプタのさらに別の実施形態の正面斜視図である。
【図16B】図16Bは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図16Aのアダプタの断面図である。
【図17A】図17Aは、不連続な封止部材を備えたアダプタのさらに別の実施形態の正面斜視図である。
【図17B】図17Bは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図17Aのアダプタの断面図である。
【図18A】図18Aは、変形可能なカラー部分を有する吐出口を備えたアダプタの断面図である。
【図18B】図18Bは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けて、変形可能なカラー部分が膨張した状態にある、図18Aのアダプタの断面図である。
【図18C】図18Cは、変形可能なカラー部分が膨張した状態にある、図18Aのアダプタの正面斜視図である。
【図19A】図19Aは、流体が吐出口を通って流れるように、アダプタの基部に対して移動可能な吐出口を有するアダプタの正面斜視図である。
【図19B】図19Bは、説明の便宜上選択された構成要素を取り外すか、または分解した、図19Aのアダプタの正面斜視図である。
【図19C】図19Cは、図19Aのアダプタの基部およびハンドルを半分に切った詳細図である。
【図19D】図19Dは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図19Aのアダプタの正面斜視図である。
【図20】図20は、麻酔剤容器と係合した旋回保持具を有するアダプタの正面斜視図である。
【図21】図21は、保持ポストを有する容器の吐出口の正面斜視図である。
【図22】図22は、図21の容器の吐出口を受けて保持するのに好適なアダプタの正面斜視図である。
【図23】図23は、図22のアダプタと係合した図21の容器の吐出口の断面図である。
【図24A】図24Aは、スプラッシュガードを有するアダプタの正面斜視図である。
【図24B】図24Bは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けて、選択された構成要素を取り外した、図24Aのアダプタの側面図である。
【図25】図25は、回転可能な弁ディスクを有するアダプタの正面斜視図である。
【図26】図26は、回転可能な弁ディスクを取り外して示した、図25のアダプタの拡大正面斜視図である。
【図27A】図27Aは、回転可能な弁ディスクが開口位置にある、図25の線27A−27Aに沿って見た、図25のアダプタの断面図である。
【図27B】図27Bは、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図25のアダプタの断面図である。
【図28】図28は、気化器の流体ポートの正面斜視図である。
【図29】図29は、ねじ付き軸を有するアダプタの正面斜視図である。
【図30】図30は、コレットを有するアダプタの分解図である。
【図31】図31は、麻酔剤気化器の流体ポートが一部分を受けた、図30の実施形態によるアダプタの分割した断面図である。
【図32】図32は、容器保持システムの分解図である。
【図33】図33は、気化器充填システムの分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
該気化器に固定可能であり、該流体ポートを囲むように構成された基部と、
該基部から上端部へ上方に延在する側壁と、
該側壁の上端部に位置し、該アダプタが該気化器と係合しているときに、該流体ポートと略同軸となるように構成された封止リップであって、該麻酔剤容器の少なくとも一部が該アダプタに挿入されたときに、該麻酔剤容器と封止係合するように適合された封止リップと
を含む、アダプタ。
【請求項2】
前記封止リップは、前記麻酔剤容器と前記気化器との間の流体連通が確立される前に、該麻酔剤容器を係合するように適合される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記アダプタは、前記気化器に機械的に固定されるように適合される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記側壁は、実質的にプラスチック材料で構成される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記側壁は、実質的にエラストマ材料で構成される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記側壁は、実質的にステンレス材料で構成される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記封止リップは、前記麻酔剤容器の口金と封止係合するように適合される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記封止リップは、実質的にエラストマ材料で構成される、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項9】
麻酔剤容器と、略環状の上部リップを備えた流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、
該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入されたときに、該流体ポートの該上部リップを係合封止するように適合された封止部材と
を含む、アダプタ。
【請求項10】
前記封止部材は、前記容器と前記気化器との間の流体連通が確立される前に、前記流体ポートの前記上部リップを係合するように適合される、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記封止部材は、実質的に変形可能な材料で構成される、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項12】
前記封止部材は、実質的にエラストマ材料で構成される、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項13】
前記封止部材は、前記吐出口を略囲む、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記封止部材は、前記吐出口に固定される、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記封止部材は、前記基部に固定される、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記封止部材は、口金によって前記基部に固定される、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項17】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項18】
麻酔剤容器と、麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
第1の端部と第2の端部との間に延在する略管状の吐出口と、
該吐出口の該第1の端部における略環状の端部リップと、
該吐出口の該第1の端部から離間し、該吐出口に沿って移動可能なカラーと、
該端部リップと該カラーとの間に配置された半径方向に膨張可能な部材と、
該カラーを移動させるためのアクチュエータと
を含む、アダプタ。
【請求項19】
前記カラーは、前記半径方向に膨張可能な部材を軸方向に圧縮して半径方向に膨張させるように、前記端部リップの方へ移動可能である、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項20】
前記半径方向に膨張可能な部材の半径方向の膨張が、前記アダプタが前記気化器と連結したときに、該気化器との流体封止を形成する、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項21】
前記流体封止は、前記容器と前記気化器との間の流体連通が確立される前に形成される、請求項20に記載のアダプタ。
【請求項22】
前記アクチュエータは、前記カラーを移動させるように回転される作動ノブである、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項23】
前記作動ノブは、流体が前記吐出口を通って流れるように回転される、請求項22に記載のアダプタ。
【請求項24】
前記アダプタは、麻酔剤容器上に載置可能である、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項25】
前記吐出口の前記第2の端部と連結された複数のノズルをさらに備える、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項26】
前記ノズルのうちの少なくとも1つは、前記吐出口と非同軸である、請求項25に記載のアダプタ。
【請求項27】
前記半径方向に膨張可能な部材は、実質的に変形可能な材料で構成される、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項28】
前記半径方向に膨張可能な部材は、実質的にエラストマ材料で構成される、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項29】
前記第2の端部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項18に記載のアダプタ。
【請求項30】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口であって、該吐出口は、麻酔剤気化器の流体ポートによって受け取られるように適合された上端部を有し、該上端部が略連続的な外側半径を有する、吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと
を含む、アダプタ。
【請求項31】
前記上端部の外側半径は、前記吐出口の少なくとも前記上端部が前記流体ポートによって受け取られたときに、麻酔剤容器から気化器の流体ポートへの流体の移送を提供するように選択される、請求項30に記載のアダプタ。
【請求項32】
前記流体は、デスフルランである、請求項31に記載のアダプタ。
【請求項33】
流体移送は、前記上端部の外表面と、前記流体ポートの対応する内表面とが接触することなく提供される、請求項31に記載のアダプタ。
【請求項34】
前記上端部の外側半径は、前記流体ポートの内側半径より、約0.01インチよりも小さくない、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項35】
前記上端部の外側半径は、前記流体ポートの内側半径より、約0.001インチ〜約0.005インチ小さい、請求項33に記載のアダプタ。
【請求項36】
前記上端部の外側半径は、該上端部に沿って略均一である、請求項30に記載のアダプタ。
【請求項37】
前記吐出口の前記上端部は、先細である、請求項30に記載のアダプタ。
【請求項38】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項30に記載のアダプタ。
【請求項39】
麻酔剤容器と、流体ポートおよび中央ピンを備えた気化器弁アセンブリを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、
該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入されたときに、該アダプタ弁アセンブリおよび該吐出口の上端部のうちの1つと連結され、麻酔剤気化器の中央ピンおよび流体ポートのうちの少なくとも1つと係止係合するように適合された保持具と
を含む、アダプタ。
【請求項40】
前記保持具は、前記中央ピンまたは前記流体ポートを係合するように半径方向に膨張可能である、請求項39に記載のアダプタ。
【請求項41】
前記保持具は、前記中央ピンまたは前記流体ポートを係合するように半径方向に移動可能である、請求項39に記載のアダプタ。
【請求項42】
前記吐出口と連結された内側部分と回転可能なリングとをさらに含み、該内側部分は、先細のスカートを含み、該回転可能なリングは、前記気化器の前記中央ピンおよび前記流体ポートのうちの1つと係止係合するために、該先細のスカートに対して移動可能である、請求項39に記載のアダプタ。
【請求項43】
前記保持具は、非円形であり、該保持具の回転時に、前記中央ピンおよび前記流体ポートのうちの1つと係止係合するように適合される、請求項39に記載のアダプタ。
【請求項44】
前記保持具を、前記中央ピンまたは前記流体ポートと係合させるための手段をさらに含む、請求項39に記載のアダプタ。
【請求項45】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項39に記載のアダプタ。
【請求項46】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、
該吐出口の外表面上の不連続な封止部材であって、該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入されたときに、該流体ポートと封止係合するように適合された不連続な封止部材と
を含む、アダプタ。
【請求項47】
前記不連続な封止部材は、実質的に変形可能な材料で構成される、請求項46に記載のアダプタ。
【請求項48】
前記不連続な封止部材は、実質的にエラストマ材料で構成される、請求項46に記載のアダプタ。
【請求項49】
前記不連続な封止部材は、前記吐出口の少なくとも一部が前記流体ポートに挿入されたときに、該流体ポートと封止係合するように半径方向に膨張可能である、請求項46に記載のアダプタ。
【請求項50】
前記不連続な封止部材を半径方向に膨張させるための手段をさらに含む、請求項49に記載のアダプタ。
【請求項51】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項46に記載のアダプタ。
【請求項52】
前記不連続な封止部材は、前記流体ポートよりも幅が広く、該流体ポートとの接触時に、前記吐出口の方へ折り畳まれるように適合される、請求項46に記載のアダプタ。
【請求項53】
前記不連続な封止部材は、前記流体ポートと接触し、該流体ポートとともに蛇行経路を画定するように適合される、請求項46に記載のアダプタ。
【請求項54】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口であって、該吐出口は、麻酔剤気化器の流体ポートによって受け取られ、該流体ポートの少なくとも上部分を封止係合するように適合された上端部を有する、吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと
を含む、アダプタ。
【請求項55】
前記吐出口の前記上端部は、前記流体ポートの少なくとも前記上部分とのプレス嵌めを画定する、請求項54に記載のアダプタ。
【請求項56】
前記吐出口の前記上端部は、前記流体ポートの上部分および下部分を封止係合するように適合される、請求項54に記載のアダプタ。
【請求項57】
前記吐出口の前記上端部は、略均一の外側半径を有する、請求項54に記載のアダプタ。
【請求項58】
前記吐出口の前記上端部は、先細である、請求項54に記載のアダプタ。
【請求項59】
前記流体ポートは、デスフルラン気化器と連結される、請求項54に記載のアダプタ。
【請求項60】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項54に記載のアダプタ。
【請求項61】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリであって、該吐出口の少なくとも一部を半径方向に膨張させるように引き込み可能であるアダプタ弁アセンブリと
を含む、アダプタ。
【請求項62】
前記吐出口の一部は、該吐出口が流体ポートによって受け取られたときに、該流体ポートと封止係合するように半径方向に膨張可能である、請求項61に記載のアダプタ。
【請求項63】
前記吐出口と連結されたエラストマリングをさらに含む、請求項61に記載のアダプタ。
【請求項64】
前記エラストマリングは、前記吐出口の内部と連通する、請求項63に記載のアダプタ。
【請求項65】
前記アダプタ弁アセンブリは、拡大ヘッド部分を含む、請求項63に記載のアダプタ。
【請求項66】
前記エラストマリングは、前記拡大ヘッド部分との接触によって半径方向に膨張する、請求項65に記載のアダプタ。
【請求項67】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項61に記載のアダプタ。
【請求項68】
麻酔剤容器と、流体ポートおよび中央ピンを備えた気化器弁アセンブリを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリであって、該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入されたときに、該気化器弁アセンブリの該中央ピンと封止係合するように適合された封止部材を含むアダプタ弁アセンブリと
を含む、アダプタ。
【請求項69】
前記封止部材は、実質的にエラストマ材料で構成される、請求項68に記載のアダプタ。
【請求項70】
前記封止部材は、Oリングである、請求項69に記載のアダプタ。
【請求項71】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項68に記載のアダプタ。
【請求項72】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在し、気化器の流体ポートによって受け取られるように適合された略管状の吐出口であって、流体が該吐出口を通って流れるように、該基部に対して移動可能である吐出口と
を含む、アダプタ。
【請求項73】
前記吐出口と連結された半径方向に膨張可能な部材をさらに含む、請求項72に記載のアダプタ。
【請求項74】
前記基部に対する前記吐出口の移動は、前記半径方向に膨張可能な部材を半径方向に膨張させる、請求項73に記載のアダプタ。
【請求項75】
前記吐出口は、流体が該吐出口を通って流れるように、前記基部に対して引き込み可能である、請求項72に記載のアダプタ。
【請求項76】
前記吐出口は、流体が該吐出口を通って流れるように、前記基部に対して回転可能である、請求項72に記載のアダプタ。
【請求項77】
前記吐出口と連結され、該吐出口とともに回転可能なハンドルをさらに含む、請求項76に記載のアダプタ。
【請求項78】
前記ハンドルは、前記吐出口に沿って軸方向に移動可能である、請求項77に記載のアダプタ。
【請求項79】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項76に記載のアダプタ。
【請求項80】
前記容器は、流体が前記吐出口を通って流れるように、該基部に対して回転可能である、請求項79に記載のアダプタ。
【請求項81】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
該気化器に固定可能であり、該流体ポートを囲むように構成された基部と、
該基部から上端部へ上方に延在する側壁と、
該側壁と連結され、該側壁に対して旋回するように構成された旋回保持具であって、該麻酔剤容器が該流体ポートによって受け取られるときに、麻酔剤容器の一部を係合し固定するように移動可能である旋回保持具と
を含む、アダプタ。
【請求項82】
前記旋回保持具は、前記麻酔剤容器の底端部と係合可能である、請求項81に記載のアダプタ。
【請求項83】
前記旋回保持具は、前記麻酔剤容器の突起と係合可能である、請求項81に記載のアダプタ。
【請求項84】
前記旋回保持具は、略硬質のU字形ブラケットを含む、請求項81に記載のアダプタ。
【請求項85】
前記旋回保持具は、実質的に変形可能な材料で構成される、請求項81に記載のアダプタ。
【請求項86】
前記旋回保持具は、実質的に弾性材料で構成される、請求項81に記載のアダプタ。
【請求項87】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するための保持システムであって、
麻酔剤容器と連結可能であり、吐出口から半径方向に離れて延在する第1の保持ポストを含む略管状の吐出口と、
該吐出口の少なくとも一部を受け取るように適合されたアダプタであって、
該気化器に固定可能であり、該流体ポートを囲むように構成された基部と、
該基部から上端部へ上方に延在する側壁と、
該吐出口の少なくとも一部を受け取るために、該上端部によって画定された開口部と、
該吐出口が該アダプタに挿入されたときに、該第1の保持ポストを受け取るように、該開口部と連結された第1のスロットと、
該第1のスロットと連結され、該上端部の下方に離間された第1のポケットと
を含む、アダプタと
を含み、
該吐出口は、該第1の保持ポストが該第1のスロットによって受け取られるときに、該アダプタに対して回転可能であり、該吐出口の回転が、該第1の保持ポストを該第1のポケットに移動させる、保持システム。
【請求項88】
第2の保持ポストと、
前記吐出口が前記アダプタに挿入されたときに、該第2の保持ポストを受け取るために、前記開口部と連結された第2のスロットと、
該第2のスロットと連結され、前記上端部の下方に離間された第2のポケットと
をさらに含み、
該吐出口は、該第2の保持ポストが該第2のスロットによって受け取られたときに、該アダプタに対して回転可能であり、該吐出口の回転は、該第2の保持ポストを該第2のポケットに移動させる、請求項87に記載の保持システム。
【請求項89】
前記吐出口の回転は、前記第1の保持ポストを前記第1のポケットへ、かつ前記第2の保持ポストを前記第2のポケットへ実質的に同時に移動させる、請求項88に記載の保持システム。
【請求項90】
前記スロットは、前記麻酔剤気化器に供給される麻酔剤に基づいて、表示角度だけ離される、請求項88に記載の保持システム。
【請求項91】
前記吐出口の少なくとも一部は、前記第1の保持ポストが前記第1のポケットによって受け取られたときに、前記アダプタの前記上端部との流体封止を画定する、請求項87に記載の保持システム。
【請求項92】
前記吐出口と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項87に記載の保持システム。
【請求項93】
麻酔剤容器と、上部リップを備えた流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、
該吐出口および該基部のうちの少なくとも1つと連結される略環状の遮蔽部材であって、最大直径が流体ポートの上部リップの内径よりも大きく、該吐出口が該流体ポートに完全に挿入されたときに、該上部リップから離間されている遮蔽部材と
を含む、アダプタ。
【請求項94】
前記遮蔽部材は、実質的に円錐台形である、請求項93に記載のアダプタ。
【請求項95】
前記遮蔽部材の最大直径は、前記上部リップの内径よりも少なくとも約50%大きい、請求項93に記載のアダプタ。
【請求項96】
前記遮蔽部材の最大直径は、前記上部リップの内径よりも約75%〜約125%大きい範囲にある、請求項93に記載のアダプタ。
【請求項97】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項93に記載のアダプタ。
【請求項98】
麻酔剤容器と麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から遠位端へ離れて延在する略管状の吐出口と、
該遠位端と連結された封止膜と、
該遠位端によって画定された少なくとも1つの吐出口の貫通孔と、
該遠位端と連結され、該遠位端に対して回転可能な回転弁ディスクと、
該弁ディスクによって画定され、該封止膜と位置が一致する中央開口部と、
該弁ディスクによって画定された少なくとも1つのディスクの貫通孔と
を含み、
該弁ディスクは、該吐出口の貫通孔を、該ディスクの貫通孔と位置が一致するように回転可能である、アダプタ。
【請求項99】
前記封止膜は、分割隔壁含む、請求項98に記載のアダプタ。
【請求項100】
前記吐出口を通る流体の流れは、前記吐出口の貫通孔と、前記ディスクの貫通孔とが一致していないときには、実質的に妨げられる、請求項98に記載のアダプタ。
【請求項101】
前記封止膜は、前記吐出口の少なくとも一部が麻酔剤気化器の流体ポートに挿入されたときに、該麻酔剤気化器の中央ピンを受け取るように適合される、請求項98に記載のアダプタ。
【請求項102】
前記封止膜は、前記中央ピンとともに第1の流体流路の一部を画定し、前記吐出口の貫通孔と前記ディスクの貫通孔とは、該吐出口の貫通孔と該ディスクの貫通孔との位置が一致したときに、第2の流体流路の一部を画定する、請求項101に記載のアダプタ。
【請求項103】
前記吐出口の貫通孔が、前記ディスクの貫通孔と位置が一致しているかどうかを示すための手段をさらに含む、請求項98に記載のアダプタ。
【請求項104】
前記弁ディスクは、前記吐出口の少なくとも一部が前記流体ポートに挿入されたときに、麻酔剤気化器の流体ポートとの流体封止を形成するように適合される、請求項98に記載のアダプタ。
【請求項105】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項98に記載のアダプタ。
【請求項106】
前記容器は、前記吐出口の少なくとも一部が麻酔剤気化器の流体ポートによって受け取られたときに、前記吐出口の貫通孔と、前記弁貫通孔との位置を一致させるように回転可能である、請求項105に記載のアダプタ。
【請求項107】
麻酔剤容器と麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、該麻酔剤気化器は、上部開口部を画定する上部リップと実質的に環状の内側肩部とを備えた流体ポートを有し、該実質的に環状の内側肩部は、該上部リップの下方に離間され、該上部開口部に略面する封止面を有し、該アダプタは、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、
該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入されたときに、該流体ポートの該肩部の該封止面と封止係合するように適合された封止部材と
を含む、アダプタ。
【請求項108】
前記封止部材は、前記容器と前記気化器との間の流体連通が確立される前に、前記肩部の前記封止面を係合するように適合される、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項109】
前記封止部材は、実質的に変形可能な材料で構成される、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項110】
前記封止部材は、実質的にエラストマ材料で構成される、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項111】
前記封止部材は、前記吐出口を実質的に囲む、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項112】
前記封止部材は、前記吐出口に固定される、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項113】
前記封止部材は、前記基部に固定される、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項114】
前記封止部材は、口金によって前記基部に固定される、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項115】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項107に記載のアダプタ。
【請求項116】
麻酔剤容器と、流体ポートおよび雌ねじ付きの略管状の中央ピンを備えた気化器弁アセンブリを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在する略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、
該吐出口の中央に位置決めされ、該吐出口および該アダプタ弁アセンブリのうちの1つと連結された雄ねじ付きの軸であって、該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入され回転されたときに、該中央ピン内にねじによって係止されるように適合された雄ねじ付きの軸と
を含む、アダプタ。
【請求項117】
前記軸は、前記容器と前記気化器との間の流体連通が確立される前に、前記中央ピン内に係止されるように適合される、請求項116に記載のアダプタ。
【請求項118】
前記軸は、前記吐出口に対して静止している、請求項116に記載のアダプタ。
【請求項119】
前記軸は、吐出口に対して移動可能である、請求項116に記載のアダプタ。
【請求項120】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項116に記載のアダプタ。
【請求項121】
麻酔剤容器と、流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するためのアダプタであって、
基部と、
該基部から離れて延在し、先細部分を含む略管状の吐出口と、
該吐出口を通る流体の流れを制御するためのアダプタ弁アセンブリと、
該吐出口の先細部分を囲むフラップ部材を含むコレットであって、該コレットは、該先細部分に対して移動可能であり、該フラップ部材は、該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入されたときであって、該流体ポートとの封止係合のために該先細部分によって接触されたときに、半径方向外向きに曲がるように適合されている、コレットと
を含む、アダプタ。
【請求項122】
前記フラップ部材は、複数の別個のフラップを含む、請求項121に記載のアダプタ。
【請求項123】
前記フラップ部材は、連続した管状部材を含む、請求項121に記載のアダプタ。
【請求項124】
前記流体ポートは、中央ピンを含み、該中央ピンは、前記コレットが該流体ポート内へさらに移動しないように該コレットを係合するように適合され、前記吐出口の前記先細部分は、該中央ピンが該コレットを係合したときに、該流体ポート内へさらに移動可能なように適合されている、請求項121に記載のアダプタ。
【請求項125】
前記吐出口内に受け取られた前記コレットの雌ねじ付き内側スカートをさらに含み、前記流体ポートの前記中央ピンは、雄ねじ付きであり、該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートに挿入され回転されたときに、該内側スカート内にねじによって係止されるように適合される、請求項124に記載のアダプタ。
【請求項126】
前記基部と連結された麻酔剤容器と、該容器内に収容されたある量の麻酔剤とをさらに含む、請求項121に記載のアダプタ。
【請求項127】
麻酔剤容器と麻酔剤気化器との間の流体の流れを保持するための容器保持システムであって、
該容器は、吐出口および吐出口弁アセンブリを有し、該気化器は、流体ポートおよび気化器弁アセンブリを有し、該容器保持システムは、該吐出口の少なくとも一部が該流体ポートの内部に受け取られたときに、該容器の一部に着座するように適合された加重部材を含み、該加重部材は、該吐出口弁アセンブリおよび該気化器弁アセンブリを開位置に維持するのに十分な重さを有する、容器保持システム。
【請求項128】
前記加重部材は、実質的に金属材料で構成される、請求項127に記載の容器保持システム。
【請求項129】
前記加重部材は、実質的に鉄系の金属材料で構成される、請求項127に記載の容器保持システム。
【請求項130】
前記加重部材は、前記吐出口の少なくとも一部が前記流体ポートの内部が受け取られたときに、前記容器の閉口端上に着座するように適合される、請求項127に記載の容器保持システム。
【請求項131】
前記加重部材は、前記容器と着脱可能に連結可能である、請求項127に記載の容器保持システム。
【請求項132】
前記加重部材は、略茶碗形である、請求項127に記載の容器保持システム。
【請求項133】
麻酔剤容器と、気化器弁アセンブリを備えた流体ポートを有する麻酔剤気化器との間の流体連通を確立するための麻酔剤気化器充填システムであって、
流体ポートに係止可能なアダプタであって、
基部と、
該基部から遠位に延在する略管状の吐出口であって、該流体ポートによって受け取られ、該アダプタが該流体ポートに係止されたときに、該気化器弁アセンブリを開状態に維持するように適合された吐出口と、
該基部から近位に延在する容器弁アクチュエータであって、該吐出口と該容器弁アクチュエータとは、該アダプタを通る流体の流路を画定する、容器弁アクチュエータと
を含む、アダプタと、
麻酔剤容器と連結可能な容器弁であって、該容器弁アクチュエータとの係合によって開かれるように適合された容器弁と
の組み合わせを含む、麻酔剤気化器充填システム。
【請求項134】
前記容器弁は、再封止可能である、請求項133に記載の麻酔剤気化器充填システム。
【請求項135】
前記容器弁は、分割隔壁を含む、請求項134に記載の麻酔剤気化器充填システム。
【請求項136】
前記容器弁アクチュエータと連結される再封止可能な弁または膜をさらに含む、請求項133に記載の麻酔剤気化器充填システム。
【請求項137】
前記容器弁アクチュエータの前記再封止可能な弁または膜は、前記容器弁が該容器弁アクチュエータを係合したときに、該容器弁によって開かれる、請求項136に記載の麻酔剤気化器充填システム。
【請求項138】
前記容器弁アクチュエータおよび前記容器弁は、互いに係合し開くように適合されたばね付勢弁を含む、請求項137に記載の麻酔剤気化器充填システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2009−528902(P2009−528902A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558452(P2008−558452)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/062855
【国際公開番号】WO2007/103658
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(505309110)バクスター インターナショナル インコーポレイテッド (9)
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】