黒体発光を用いて構造的な欠陥及び特徴を検出するシステム
【課題】黒体発光を用いて、被覆された対象物の欠陥を検出する。
【解決手段】光学的検査システムと協働して被覆された対象物の略安定状態の温度を利用するシステムが開示され、一時的な加熱、即ち赤外線照射及び反射撮像の必要なくして、被覆の下の対象物の欠陥と特徴を選択的に見る。赤外線カメラのような光学的検査器が、被覆材が略透明となる波長に合わせられ、それによって、被覆の下の欠陥及び特徴を最大限に明瞭に見ることができ、被覆の表面上の擬似特徴と欠陥及び特徴を区別することができる。本発明のシステムは、複雑な画像獲得手段、格納手段及び画像処理装置及びソフトウエアの必要なくして、リアルタイムで小領域又は大領域を検査することができる。
【解決手段】光学的検査システムと協働して被覆された対象物の略安定状態の温度を利用するシステムが開示され、一時的な加熱、即ち赤外線照射及び反射撮像の必要なくして、被覆の下の対象物の欠陥と特徴を選択的に見る。赤外線カメラのような光学的検査器が、被覆材が略透明となる波長に合わせられ、それによって、被覆の下の欠陥及び特徴を最大限に明瞭に見ることができ、被覆の表面上の擬似特徴と欠陥及び特徴を区別することができる。本発明のシステムは、複雑な画像獲得手段、格納手段及び画像処理装置及びソフトウエアの必要なくして、リアルタイムで小領域又は大領域を検査することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国政府はSERDPによって授与されるNo.DACA72−99−C−011に従って、本発明に対する所定の権利を有する。
【0002】
本発明は、構造的な特徴を検出することに関し、特に黒体発光(blackbody self-illumination)を用いて、航空機の構成部品のような被覆された対象物の欠陥及びその他の構造的な特徴を発見するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
航空機の部品は、環境及び動作的な条件によって生じる腐食及びクラッキングのような劣化を常に受け易い。塗装のような被覆をすれば、腐食の問題を十分に少なくできるが、それらは完全には問題を除去し得ない。更に、飛行中に受ける応力は、応力欠陥及びクラッキングのような塗料で被覆しても緩和することができない損傷となる。航空機がいつでも飛行可能な状態にあることを確実にすべく、定期的な検査が必要である。
【0004】
航空機の部品の検査は、従来から目視検査である。航空機の部品を目視で検査するとき、部品を保護するのに用いられる被覆が邪魔になる、なぜなら被覆の下の構造的な欠陥又は特徴が隠れるからである。従って、適切な目視検査が実行され得る前に、部品アセンブリ、即ち航空機から当該塗装を剥ぐことが必要である。その後、新たに塗装にて被覆しなければならない。この工程により、労働及び材料の実質的な費用が上昇し、環境問題が生じ、長い時間を要する結果となる。
【0005】
非効率的であることは別として、目視検査方法の他の問題は、目視検査が常には効果的ではないことである。熟練した目では、大部分の目視できる欠陥を十分な程度に検出できるが、幾つかの欠陥は非常に小さく、又は部品の表面の下にある。多くの場合、これらの欠陥は、観察者の熟練と経験に関係なく、目視では気付かない。
【0006】
目視検査に加えて、種々の部品の検査用に、動的サーモグラフィ技術が提案されてきた。そのような技術の1つは、一時的に熱源を用いて、部品を加熱し、続いて部品の表面の過渡熱の痕跡を検知することにより、異常又は欠陥の存在を決定する。しかし、そのような装置は必要な一時的な熱を生成するのに特殊な装置及び制御機器を必要とし、且つ非効率的である、なぜなら一時的な熱の痕跡を検知するのは、かなりの長時間を必要とするからである。
【0007】
米国公開公報US2004/0026622号A1は、赤外線(IR)光源を用いた被覆基板用の画像化システムを開示している。赤外線光は対象物を照らし、焦点面アレイ上に反射される。幾つかの分野については、そのようなシステムは有用であるが、赤外線光源が必要であり、入射した赤外線光は被覆を通って、2手の通路を採る。更に、入射光の一部が被覆の表面で反射して、その下にある基板の画像を見えにくくする。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みて、開発されてきた。
【0009】
発明の要旨
本発明は、光学的検査システムと協働して、被覆された対象物の略安定状態の温度を利用して、一時的な加熱、即ち赤外線照射及び反射撮像する必要なく、被覆の下の対象物の欠陥と特徴を選択的に見る。赤外線カメラのような光学的検査器が、塗装材料が略透明となる波長に合わせて製られ、それによって、被覆の下の欠陥及び特徴を最大限に明瞭に見ることができ、該欠陥及び特徴を被覆の表面上の偽の特徴と区別することができる。本発明のシステムによって、複雑な画像獲得手段、格納手段及び画像処理装置及びソフトウエアの必要なくして、リアルタイムで小領域又は大領域を検査することができる。
【0010】
本発明の一態様は、被覆された対象物を検査する方法を提供することである。該方法は対象物からの黒体輻射を略安定状態に維持する工程と、黒体輻射に基づいて被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する工程を有する。
【0011】
本発明の他の一態様は、被覆された対象物を検査するシステムを提供することである。該システムは、対象物からの黒体輻射を略安定状態に維持する手段と、黒体輻射に基づいて被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する手段を具える。
【0012】
本発明の更なる他の一態様は、被覆された対象物を検査するシステムを提供し、該システムは対象物から生成される略安定状態の黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査するように構成され配置されたカメラを具える。
【0013】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の記載からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施例に従った検査システムの概略を示す。航空機の部品、複合パネル、塗装パネル、船体、地上の乗物、航空機アセンブリ、航空機着地ギア、金属基板、貼り合わされたハニカムアセンブリ等の被覆された対象物(10)は、少なくとも一部が塗装、複合マトリックス材料等のような被覆(14)で覆われた基板即ち対象物(12)を有する。特殊な被覆の一例は、以下の仕様に製造される被覆を含む:BMS10−72;BMS10−11;BMS10−79、BMS10−60;MiL−PRF−23377;MiL−PRF−85582;MiL−PRF−85285及びTT−P−2760。本発明に従って、対象物(12)は黒体輻射Bを赤外線(IR)カメラ、赤外線検知器等のような検知器(16)に発する。
【0015】
本発明に従って、対象物(12)からの黒体輻射Bの生成は、略安定状態である。ここで用いられる“略安定状態の黒体輻射”の語は、対象物から自然に生成されて、0K(ケルビン)以上の、一般には室温又は稍高い温度に維持されることにより検知される輻射を意味する。安定状態の黒体輻射は、対象物又はその一部を略均一の温度に維持することから生じ、即ち、対象物又はその一部中に著しい温度勾配が無い状態で検知される。
【0016】
対象物(12)が室温又は室温近傍であるから、該対象物は可成りの量の略安定状態の赤外線(IR)黒体温度輻射Bを放出する。その一方、被覆(14)はその下の対象物が黒体輻射Bを放出する地点にて、或る種の波長が略透過する。被覆(14)に用いられる多くの有機ポリマーは、或るスペクトル帯域に於いて略赤外線透過性である。対象物の黒体輻射Bは、対象物(12)を覆う有機物被覆(14)を透過し、被覆(14)の下側の対象物(12)の表面状態を明らかにする。被覆(14)を透過して伝わる黒体輻射Bはこのように用いられて、自己発光型の対象物(12)からの画像を提供し、該画像は被覆(14)の下の他の構造的な特徴と同様に、腐食、クラック及びピットのような欠陥を表す。探知されるべき対象物(12)は、自身の赤外線輻射Bによって見ることが可能となり、赤外線輻射Bは対象物(12)の温度の関数である。
【0017】
図1に示す如く、探知されるべき対象物(12)は、種々のタイプの構造的特徴を有する。構造的特徴は被覆(14)の下の対象物(12)の表面上に位置し、又は対象物(12)の表面の下側に位置する。例えば、表面の特徴(22)は被覆(14)の下の対象物(12)の表面上に設けられる。表面の特徴(22)の例として、英数字シンボル、マーク、コード、部品番号、バーコード等のような印がある。対象物(12)はまた、腐食(24)、ピット(26)、クラック(28)、引掻き傷及び他の構造的欠陥のような表面の欠陥を含む。図1に示すように、対象物(12)はまた、腐食(32)、クラック(34)、複合強化材(36)及びピット(26)のような対象物(12)の表面下の構造的特徴を有することがある。
【0018】
図2は、本発明に従った黒体輻射検知工程の概略を示す。図1に示す被覆された対象物(10)からの黒体輻射は、赤外線カメラのような検知器に送信される。検知後に、被覆(14)の下の対象物(10)の構造的特徴を含む被覆された対象物(12)の画像が表示され、及び/又は格納される。更に、画像は、インターネット、無線、有線、又は衛星のようなあらゆる適切な手段によって送信されて、あらゆる所望の箇所に表示され、及び/又は格納される。
【0019】
本発明の一実施例に従って、対象物からの安定状態の検知されるべき黒体輻射Bが、対象物を室温に保つことにより、生成される。対象物全体が、室温又は室温に近い温度にて、略均一な温度に維持される。ここで用いられているように、“室温”の語は、試験研究所、製造設備、倉庫、ハンガー、滑走路、航空機キャビンのような領域で見出される周囲温度、又は周囲の外部温度を意味する。
室温は一般には、60°F(15.5℃)から80°F(26.6℃)の範囲内である。しかし、そのような範囲を越え、又は未満の範囲もあり得る。例えば、寒冷領域にある火の気のないハンガー、又は倉庫のような冷気環境は、32°F(0℃)又はそれ以下である。砂漠又は熱帯領域内の、空調のないハンガー及び倉庫のような暖気環境にあっては、“室温”は、80°F(26.6℃)を上回って、例えば、100°F(37.7℃)又は110°F(43.3℃)に達し、又は更にそれ以上である。
【0020】
本発明の他の実施例に従って、探知されるべき対象物が高温、例えば室温以上に維持され、略安定状態の黒体輻射を維持する。そのような高温は、約120°F(48.8℃)に達し又はそれ以上であり、一般には80°F(26.6℃)から110°F(43.3℃)の範囲である。高温は、陽光への露出、熱線銃、加熱ランプ、保温毛布、ホットパック、人との接触及びその他のような、あらゆる適切な手段によって維持される。
【0021】
検知器(16)は、所定波長で選択的に輻射を検知する。この波長のときは、被覆(14)は殆ど透明である。このように、被覆(14)は対象物(12)からの画像を殆ど妨害しない。検知器(16)は、赤外線カメラ、赤外線検知器、赤外線焦点面等の、あらゆる適切な装置を含む。例えば、カメラはアナログ又はデジタルカメラであり、静止画又は動画を記録する。例えば、約3ミクロンから5ミクロンの間の波長を有する半赤外線輻射を検知する赤外線カメラが用いられ得る。そのような半赤外線波長は検知されて、種々のタイプの被覆からの干渉が最小となった比較的明瞭な画像を生成する。他の赤外線カメラは、約0.7ミクロンから約3ミクロンの波長を検知する近赤外線カメラ、及び約3ミクロンから約12ミクロンの波長を検知する遠赤外線カメラを含む。
【0022】
カメラ(16)に加え、対象物(12)と検知器(16)との間にて、標準的なフィルタ及び/又は偏光器(図示せず)が黒体輻射Bの光路に配置される。そのようなフィルタ及び/又は偏光器は、被覆(14)が非透明となる波長の黒体輻射Bの一部分を除去する。
【0023】
検知器(16)は、手で持てるカメラのような携帯式、即ち移動可能なカメラ、又は三脚上に取り付けられるカメラ、又は回し撮り構成及び/又は傾き構成によって動かされる同等物を含む。
【0024】
本発明の一実施例に従って、検知された構造的特徴を含む対象物(12)の検知された画像は、基準画像と比較される。例えば、基準画像は、被覆された対象物に近似していて欠陥が略無いことが判っている他の対象物から得られる。略欠陥がない参照対象物と、検知された被覆された対象物とを比較することにより、手動又は自動的に評価が実行される。標準として用いられる基準画像は、データベース上に予めプログラムされ、基準画像とテスト時に塗装から生成された画像とが比較される。許容し得る限度が同様に予めプログラムされ、受け入れ不可能な領域が赤色で強調され、受け入れ可能な領域が緑色で強調される。更に評価を求める領域について、他の色が同様に選択される。
【0025】
以下の例は、本発明の種々の実施例を示すことを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0026】
例1
図3に示すように、エポキシプライマーを有するエポキシグラファイトとウレタン表面被覆塗装を有する塗装されたグラファイトパネルが、3ミクロンから5ミクロンの波長にて、中赤外線カメラを用いて撮像された。撮像工程中に、パネルは89°F(31.6℃)に維持された。パネルは、室温校正が施され、画素輝度を調節して、焦点面は選択された室温(RT)校正の範囲では均一且つ線形とした。
【0027】
例2
図4に示すように、エポキシグラファイトと、エポキシプライマーと、ウレタン表面被覆塗装を具えた塗装されたグラファイトパネルが、パネルが温度90°F(32.2℃)に維持された状態で、3ミクロンから5ミクロンの波長にて中赤外線カメラを用いて撮像された。パネルは、温度84°F(28.8℃)にて熱校正を受けた。熱校正工程は、選択された84°F(28.8℃)校正内にて焦点面を均一且つ線形にすべく、画素濃度調整を含んでいた。
【0028】
例3
図5に示すように、エポキシグラファイトと、エポキシプライマーにて塗装された積層銅ファイバーと、ウレタン表面被覆塗装を具えた複合パネルが、パネルが温度90°F(32.2℃)に維持された状態で、3ミクロンから5ミクロンの波長にて中赤外線カメラを用いて撮像された。パネルは上記の如く、温度84°F(28.8℃)にて熱校正を受けた。
【0029】
例4
図6に示すように、例3のパネルと同様な塗装されたグラファイト及び銅ファイバーパネルが、温度74°F(23.3℃)にて撮像された。パネルは、温度84°F(28.8℃)にて熱校正を受けた。
【0030】
例5
図7に示すように、エポキシプライマーで塗装された積層銅織物を有するエポキシグラファイトと、ウレタン表面被覆塗装を具えたパネルが、温度91°F(32.8℃)にて撮像された。パネルは、室温校正を受けた。
【0031】
例6
図8に示すように、例5のパネルと同様な塗装されたグラファイト及び銅織物パネルが、室温校正の後に、温度87°F(30.5℃)にて撮像された。
【0032】
例7
図9に示すように、例5及び例6のパネルと同様な塗装されたグラファイト及び銅織物パネルが、室温校正の後に、温度82°F(27.8℃)にて撮像された。
【0033】
例8
図10に示すように、エポキシプライマーとウレタン表面被覆で塗装されたエポキシグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度90°F(32.2℃)にて撮像された。
【0034】
例9
図11に示すように、例8のパネルと同様な塗装されたグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度86°F(30.0℃)にて撮像された。
【0035】
例10
図12に示すように、例8のパネルと同様な塗装されたグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度82°F(27.8℃)にて撮像された。
【0036】
例11
図13に示すように、例8乃至例10のパネルと同様な塗装されたグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度78°F(25.6℃)にて撮像された。
【0037】
例12
図14に示すように、エポキシグラファイトを具えるパネルが、エポキシプライマーで充填され、パネルの右側がエポキシプライマーとウレタン表面被覆で塗装された。図14は、塗装され充填されたパネルの可視画像である。
【0038】
例13
図15に示すように、銅織物を有するグラファイトを具えたパネルが、右手下側にてエポキシプライマーで充填され、右手上側にてウレタン表面被覆で塗装された。図15に於いて、パネルの左側は、充填されず、塗装されていないが、右側は充填され塗装されている。図15は、パネルの可視画像である。
【0039】
例14
図16は、エポキシプライマー及びウレタン表面被覆で被覆された腐食アルミニウム基板を具えたアルミニウムパネルの可視画像である。
【0040】
例15
図17は、温度77°F(25.0℃)に於ける例14のパネルの赤外線反射画像である。赤外線反射画像は、アルミニウム基板からの赤外線輻射を反射し、赤外線カメラ又は検知器にて反射エネルギーを検知することにより、生成された。腐食部分は、暗領域で示される。
【0041】
例16
図18は、温度75°F(23.9℃)に於ける例14のパネルの赤外線反射画像である。腐食部分は、暗領域で示される。
【0042】
例17
図19は、例14の被覆されたアルミニウムパネルを本発明に従って作成された黒体輻射画像である。パネルは、室温校正されて、温度84°F(28.9℃)に維持された。腐食部分は、明領域で示される。
【0043】
例18
図20は、室温校正されて、温度78°F(25.6℃)に維持された例14の被覆されたアルミニウムパネルを本発明に従って作成された黒体輻射画像である。腐食部分は、明領域で示される。
【0044】
例19
図21は、室温校正されて、温度72°F(27.8℃)に維持された例14の被覆されたアルミニウムパネルを本発明に従って作成された黒体輻射画像である。腐食部分は、明領域で示される。
【0045】
例20
図22は、エポキシ低赤外線プライマー及びウレタン表面被覆で被覆された腐食したアルミニウムパネルの赤外線反射画像である。赤外線反射画像は、被覆されたアルミニウム基板からの赤外線輻射を反射し、赤外線カメラで反射エネルギーを検知することにより作成された。腐食部分は、暗領域で示される。
【0046】
例21
図23は、例20に記載されたのと同じである、充填され表面被覆されたアルミニウムパネルから、本発明に従って生成された黒体輻射画像である。黒体輻射手順は、温度78°F(25.6℃)にて熱校正された状態で温度96°F(35.6℃)にて実行された。腐食部分は、明領域で示される。
【0047】
例22
図24は、例20に記載されたのと同じである、充填され表面被覆されたアルミニウムパネルから、本発明に従って生成された黒体輻射画像である。黒体輻射手順は、温度78°F(25.6℃)にて熱校正された状態で温度86°F(30.0℃)にて実行された。腐食部分は、明領域で示される。
【0048】
例23
図25は、例20に記載されている、同じく充填され表面被覆されたアルミニウムパネルから、本発明に従って生成された黒体輻射画像である。黒体輻射手順は、温度78°F(25.6℃)にて熱校正された状態で温度79°F(26.1℃)にて実行された。腐食部分は、明領域で示される。
【0049】
例24
図26は、例20乃至例23の充填され表面被覆されたアルミニウムパネルの可視画像である。
【0050】
以上の例は、黒体タイプ赤外線輻射は被覆を通過して、画像を生成することができることを示している。外部照射は必要でない、即ち該部分は自己発光型である。
【0051】
例25
ボルト締めされたアルミニウム製航空機パネルは、図27aに示すように、エポキシプライマーMIL PRF 23377TY1及びウレタンMIL PRF 85285TY1塗装にて被覆された。それは、可視画像(図27b)、赤外線反射画像(図27c)、及び赤外線黒体画像(図27d)を用いて検査された。黒体自己発光画像は、3ミクロンから5ミクロンの波長にて中赤外線カメラを用いて撮像された。黒体画像工程中に、塗装されたアルミニウムパネルは、85°F(29.4℃)−95°F(35.0℃)に維持された。図27dに示すように、英数字のシンボルを含むボルト頭部の詳細が赤外線黒体輻射画像に見ることができ、それは図27bに示す可視画像からは発見することはできない。
【0052】
本発明の黒体自己発光システムの利点は、独立した赤外線照射源が不要なことである。ある場合に、室温に於ける対象物の赤外線輻射は、被覆を通過して対象物を撮影するのに十分である一方、他の場合は稍高めの温度に対象物を適度に加熱することが好ましい。そのような加熱は、例えば日光又は熱線銃、保温毛布、赤外線熱ランプ、又は対象物の略定常状態を生成する他の手段により、自然になされ得る。
【0053】
本発明の黒体自己発光システムの他の利点は、赤外線輻射が被覆を1回だけ通過すればよいことである。これは赤外線反射技術に比較して、より効率的であり、外部の発光体からの赤外線輻射は最初に被覆を透過し、基質即ち対象物に反射されて、被覆を再び通過する。本発明の黒体方法の更なる利点は、被覆の表面の反射が減る又は無いことである。赤外線反射方法では、赤外線エネルギーは、一部が被覆の表面に反射されて、基質の下の画像をあいまいにする。
【0054】
本発明の特定の実施例が、説明の目的から記載されてきたが、添付の請求の範囲から離れることなく、本発明の詳細の種々の変更がなされることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】対象物の黒体自己照射を用いて、被覆された対象物の構造的な特徴を検査するシステムの概略図である。
【図2】本発明の実施例に従って、検査されるべき対象物からの黒体照射を検査するフローの概略図である。
【図3】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図4】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図5】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図6】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図7】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図8】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図9】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図10】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図11】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図12】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図13】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図14】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図15】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図16】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図17】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図18】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図19】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図20】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図21】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図22】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図23】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図24】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図25】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図26】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図27】a−dは、リベットを具えた被覆された航空機パネルの可視、赤外線反射、赤外線黒体輻射画像であり、本発明の黒体自己発光に基づく被覆の下のリベットの特徴を示す。
【技術分野】
【0001】
米国政府はSERDPによって授与されるNo.DACA72−99−C−011に従って、本発明に対する所定の権利を有する。
【0002】
本発明は、構造的な特徴を検出することに関し、特に黒体発光(blackbody self-illumination)を用いて、航空機の構成部品のような被覆された対象物の欠陥及びその他の構造的な特徴を発見するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
航空機の部品は、環境及び動作的な条件によって生じる腐食及びクラッキングのような劣化を常に受け易い。塗装のような被覆をすれば、腐食の問題を十分に少なくできるが、それらは完全には問題を除去し得ない。更に、飛行中に受ける応力は、応力欠陥及びクラッキングのような塗料で被覆しても緩和することができない損傷となる。航空機がいつでも飛行可能な状態にあることを確実にすべく、定期的な検査が必要である。
【0004】
航空機の部品の検査は、従来から目視検査である。航空機の部品を目視で検査するとき、部品を保護するのに用いられる被覆が邪魔になる、なぜなら被覆の下の構造的な欠陥又は特徴が隠れるからである。従って、適切な目視検査が実行され得る前に、部品アセンブリ、即ち航空機から当該塗装を剥ぐことが必要である。その後、新たに塗装にて被覆しなければならない。この工程により、労働及び材料の実質的な費用が上昇し、環境問題が生じ、長い時間を要する結果となる。
【0005】
非効率的であることは別として、目視検査方法の他の問題は、目視検査が常には効果的ではないことである。熟練した目では、大部分の目視できる欠陥を十分な程度に検出できるが、幾つかの欠陥は非常に小さく、又は部品の表面の下にある。多くの場合、これらの欠陥は、観察者の熟練と経験に関係なく、目視では気付かない。
【0006】
目視検査に加えて、種々の部品の検査用に、動的サーモグラフィ技術が提案されてきた。そのような技術の1つは、一時的に熱源を用いて、部品を加熱し、続いて部品の表面の過渡熱の痕跡を検知することにより、異常又は欠陥の存在を決定する。しかし、そのような装置は必要な一時的な熱を生成するのに特殊な装置及び制御機器を必要とし、且つ非効率的である、なぜなら一時的な熱の痕跡を検知するのは、かなりの長時間を必要とするからである。
【0007】
米国公開公報US2004/0026622号A1は、赤外線(IR)光源を用いた被覆基板用の画像化システムを開示している。赤外線光は対象物を照らし、焦点面アレイ上に反射される。幾つかの分野については、そのようなシステムは有用であるが、赤外線光源が必要であり、入射した赤外線光は被覆を通って、2手の通路を採る。更に、入射光の一部が被覆の表面で反射して、その下にある基板の画像を見えにくくする。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みて、開発されてきた。
【0009】
発明の要旨
本発明は、光学的検査システムと協働して、被覆された対象物の略安定状態の温度を利用して、一時的な加熱、即ち赤外線照射及び反射撮像する必要なく、被覆の下の対象物の欠陥と特徴を選択的に見る。赤外線カメラのような光学的検査器が、塗装材料が略透明となる波長に合わせて製られ、それによって、被覆の下の欠陥及び特徴を最大限に明瞭に見ることができ、該欠陥及び特徴を被覆の表面上の偽の特徴と区別することができる。本発明のシステムによって、複雑な画像獲得手段、格納手段及び画像処理装置及びソフトウエアの必要なくして、リアルタイムで小領域又は大領域を検査することができる。
【0010】
本発明の一態様は、被覆された対象物を検査する方法を提供することである。該方法は対象物からの黒体輻射を略安定状態に維持する工程と、黒体輻射に基づいて被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する工程を有する。
【0011】
本発明の他の一態様は、被覆された対象物を検査するシステムを提供することである。該システムは、対象物からの黒体輻射を略安定状態に維持する手段と、黒体輻射に基づいて被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する手段を具える。
【0012】
本発明の更なる他の一態様は、被覆された対象物を検査するシステムを提供し、該システムは対象物から生成される略安定状態の黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査するように構成され配置されたカメラを具える。
【0013】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の記載からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施例に従った検査システムの概略を示す。航空機の部品、複合パネル、塗装パネル、船体、地上の乗物、航空機アセンブリ、航空機着地ギア、金属基板、貼り合わされたハニカムアセンブリ等の被覆された対象物(10)は、少なくとも一部が塗装、複合マトリックス材料等のような被覆(14)で覆われた基板即ち対象物(12)を有する。特殊な被覆の一例は、以下の仕様に製造される被覆を含む:BMS10−72;BMS10−11;BMS10−79、BMS10−60;MiL−PRF−23377;MiL−PRF−85582;MiL−PRF−85285及びTT−P−2760。本発明に従って、対象物(12)は黒体輻射Bを赤外線(IR)カメラ、赤外線検知器等のような検知器(16)に発する。
【0015】
本発明に従って、対象物(12)からの黒体輻射Bの生成は、略安定状態である。ここで用いられる“略安定状態の黒体輻射”の語は、対象物から自然に生成されて、0K(ケルビン)以上の、一般には室温又は稍高い温度に維持されることにより検知される輻射を意味する。安定状態の黒体輻射は、対象物又はその一部を略均一の温度に維持することから生じ、即ち、対象物又はその一部中に著しい温度勾配が無い状態で検知される。
【0016】
対象物(12)が室温又は室温近傍であるから、該対象物は可成りの量の略安定状態の赤外線(IR)黒体温度輻射Bを放出する。その一方、被覆(14)はその下の対象物が黒体輻射Bを放出する地点にて、或る種の波長が略透過する。被覆(14)に用いられる多くの有機ポリマーは、或るスペクトル帯域に於いて略赤外線透過性である。対象物の黒体輻射Bは、対象物(12)を覆う有機物被覆(14)を透過し、被覆(14)の下側の対象物(12)の表面状態を明らかにする。被覆(14)を透過して伝わる黒体輻射Bはこのように用いられて、自己発光型の対象物(12)からの画像を提供し、該画像は被覆(14)の下の他の構造的な特徴と同様に、腐食、クラック及びピットのような欠陥を表す。探知されるべき対象物(12)は、自身の赤外線輻射Bによって見ることが可能となり、赤外線輻射Bは対象物(12)の温度の関数である。
【0017】
図1に示す如く、探知されるべき対象物(12)は、種々のタイプの構造的特徴を有する。構造的特徴は被覆(14)の下の対象物(12)の表面上に位置し、又は対象物(12)の表面の下側に位置する。例えば、表面の特徴(22)は被覆(14)の下の対象物(12)の表面上に設けられる。表面の特徴(22)の例として、英数字シンボル、マーク、コード、部品番号、バーコード等のような印がある。対象物(12)はまた、腐食(24)、ピット(26)、クラック(28)、引掻き傷及び他の構造的欠陥のような表面の欠陥を含む。図1に示すように、対象物(12)はまた、腐食(32)、クラック(34)、複合強化材(36)及びピット(26)のような対象物(12)の表面下の構造的特徴を有することがある。
【0018】
図2は、本発明に従った黒体輻射検知工程の概略を示す。図1に示す被覆された対象物(10)からの黒体輻射は、赤外線カメラのような検知器に送信される。検知後に、被覆(14)の下の対象物(10)の構造的特徴を含む被覆された対象物(12)の画像が表示され、及び/又は格納される。更に、画像は、インターネット、無線、有線、又は衛星のようなあらゆる適切な手段によって送信されて、あらゆる所望の箇所に表示され、及び/又は格納される。
【0019】
本発明の一実施例に従って、対象物からの安定状態の検知されるべき黒体輻射Bが、対象物を室温に保つことにより、生成される。対象物全体が、室温又は室温に近い温度にて、略均一な温度に維持される。ここで用いられているように、“室温”の語は、試験研究所、製造設備、倉庫、ハンガー、滑走路、航空機キャビンのような領域で見出される周囲温度、又は周囲の外部温度を意味する。
室温は一般には、60°F(15.5℃)から80°F(26.6℃)の範囲内である。しかし、そのような範囲を越え、又は未満の範囲もあり得る。例えば、寒冷領域にある火の気のないハンガー、又は倉庫のような冷気環境は、32°F(0℃)又はそれ以下である。砂漠又は熱帯領域内の、空調のないハンガー及び倉庫のような暖気環境にあっては、“室温”は、80°F(26.6℃)を上回って、例えば、100°F(37.7℃)又は110°F(43.3℃)に達し、又は更にそれ以上である。
【0020】
本発明の他の実施例に従って、探知されるべき対象物が高温、例えば室温以上に維持され、略安定状態の黒体輻射を維持する。そのような高温は、約120°F(48.8℃)に達し又はそれ以上であり、一般には80°F(26.6℃)から110°F(43.3℃)の範囲である。高温は、陽光への露出、熱線銃、加熱ランプ、保温毛布、ホットパック、人との接触及びその他のような、あらゆる適切な手段によって維持される。
【0021】
検知器(16)は、所定波長で選択的に輻射を検知する。この波長のときは、被覆(14)は殆ど透明である。このように、被覆(14)は対象物(12)からの画像を殆ど妨害しない。検知器(16)は、赤外線カメラ、赤外線検知器、赤外線焦点面等の、あらゆる適切な装置を含む。例えば、カメラはアナログ又はデジタルカメラであり、静止画又は動画を記録する。例えば、約3ミクロンから5ミクロンの間の波長を有する半赤外線輻射を検知する赤外線カメラが用いられ得る。そのような半赤外線波長は検知されて、種々のタイプの被覆からの干渉が最小となった比較的明瞭な画像を生成する。他の赤外線カメラは、約0.7ミクロンから約3ミクロンの波長を検知する近赤外線カメラ、及び約3ミクロンから約12ミクロンの波長を検知する遠赤外線カメラを含む。
【0022】
カメラ(16)に加え、対象物(12)と検知器(16)との間にて、標準的なフィルタ及び/又は偏光器(図示せず)が黒体輻射Bの光路に配置される。そのようなフィルタ及び/又は偏光器は、被覆(14)が非透明となる波長の黒体輻射Bの一部分を除去する。
【0023】
検知器(16)は、手で持てるカメラのような携帯式、即ち移動可能なカメラ、又は三脚上に取り付けられるカメラ、又は回し撮り構成及び/又は傾き構成によって動かされる同等物を含む。
【0024】
本発明の一実施例に従って、検知された構造的特徴を含む対象物(12)の検知された画像は、基準画像と比較される。例えば、基準画像は、被覆された対象物に近似していて欠陥が略無いことが判っている他の対象物から得られる。略欠陥がない参照対象物と、検知された被覆された対象物とを比較することにより、手動又は自動的に評価が実行される。標準として用いられる基準画像は、データベース上に予めプログラムされ、基準画像とテスト時に塗装から生成された画像とが比較される。許容し得る限度が同様に予めプログラムされ、受け入れ不可能な領域が赤色で強調され、受け入れ可能な領域が緑色で強調される。更に評価を求める領域について、他の色が同様に選択される。
【0025】
以下の例は、本発明の種々の実施例を示すことを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0026】
例1
図3に示すように、エポキシプライマーを有するエポキシグラファイトとウレタン表面被覆塗装を有する塗装されたグラファイトパネルが、3ミクロンから5ミクロンの波長にて、中赤外線カメラを用いて撮像された。撮像工程中に、パネルは89°F(31.6℃)に維持された。パネルは、室温校正が施され、画素輝度を調節して、焦点面は選択された室温(RT)校正の範囲では均一且つ線形とした。
【0027】
例2
図4に示すように、エポキシグラファイトと、エポキシプライマーと、ウレタン表面被覆塗装を具えた塗装されたグラファイトパネルが、パネルが温度90°F(32.2℃)に維持された状態で、3ミクロンから5ミクロンの波長にて中赤外線カメラを用いて撮像された。パネルは、温度84°F(28.8℃)にて熱校正を受けた。熱校正工程は、選択された84°F(28.8℃)校正内にて焦点面を均一且つ線形にすべく、画素濃度調整を含んでいた。
【0028】
例3
図5に示すように、エポキシグラファイトと、エポキシプライマーにて塗装された積層銅ファイバーと、ウレタン表面被覆塗装を具えた複合パネルが、パネルが温度90°F(32.2℃)に維持された状態で、3ミクロンから5ミクロンの波長にて中赤外線カメラを用いて撮像された。パネルは上記の如く、温度84°F(28.8℃)にて熱校正を受けた。
【0029】
例4
図6に示すように、例3のパネルと同様な塗装されたグラファイト及び銅ファイバーパネルが、温度74°F(23.3℃)にて撮像された。パネルは、温度84°F(28.8℃)にて熱校正を受けた。
【0030】
例5
図7に示すように、エポキシプライマーで塗装された積層銅織物を有するエポキシグラファイトと、ウレタン表面被覆塗装を具えたパネルが、温度91°F(32.8℃)にて撮像された。パネルは、室温校正を受けた。
【0031】
例6
図8に示すように、例5のパネルと同様な塗装されたグラファイト及び銅織物パネルが、室温校正の後に、温度87°F(30.5℃)にて撮像された。
【0032】
例7
図9に示すように、例5及び例6のパネルと同様な塗装されたグラファイト及び銅織物パネルが、室温校正の後に、温度82°F(27.8℃)にて撮像された。
【0033】
例8
図10に示すように、エポキシプライマーとウレタン表面被覆で塗装されたエポキシグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度90°F(32.2℃)にて撮像された。
【0034】
例9
図11に示すように、例8のパネルと同様な塗装されたグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度86°F(30.0℃)にて撮像された。
【0035】
例10
図12に示すように、例8のパネルと同様な塗装されたグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度82°F(27.8℃)にて撮像された。
【0036】
例11
図13に示すように、例8乃至例10のパネルと同様な塗装されたグラファイトパネルが、室温校正の後に、温度78°F(25.6℃)にて撮像された。
【0037】
例12
図14に示すように、エポキシグラファイトを具えるパネルが、エポキシプライマーで充填され、パネルの右側がエポキシプライマーとウレタン表面被覆で塗装された。図14は、塗装され充填されたパネルの可視画像である。
【0038】
例13
図15に示すように、銅織物を有するグラファイトを具えたパネルが、右手下側にてエポキシプライマーで充填され、右手上側にてウレタン表面被覆で塗装された。図15に於いて、パネルの左側は、充填されず、塗装されていないが、右側は充填され塗装されている。図15は、パネルの可視画像である。
【0039】
例14
図16は、エポキシプライマー及びウレタン表面被覆で被覆された腐食アルミニウム基板を具えたアルミニウムパネルの可視画像である。
【0040】
例15
図17は、温度77°F(25.0℃)に於ける例14のパネルの赤外線反射画像である。赤外線反射画像は、アルミニウム基板からの赤外線輻射を反射し、赤外線カメラ又は検知器にて反射エネルギーを検知することにより、生成された。腐食部分は、暗領域で示される。
【0041】
例16
図18は、温度75°F(23.9℃)に於ける例14のパネルの赤外線反射画像である。腐食部分は、暗領域で示される。
【0042】
例17
図19は、例14の被覆されたアルミニウムパネルを本発明に従って作成された黒体輻射画像である。パネルは、室温校正されて、温度84°F(28.9℃)に維持された。腐食部分は、明領域で示される。
【0043】
例18
図20は、室温校正されて、温度78°F(25.6℃)に維持された例14の被覆されたアルミニウムパネルを本発明に従って作成された黒体輻射画像である。腐食部分は、明領域で示される。
【0044】
例19
図21は、室温校正されて、温度72°F(27.8℃)に維持された例14の被覆されたアルミニウムパネルを本発明に従って作成された黒体輻射画像である。腐食部分は、明領域で示される。
【0045】
例20
図22は、エポキシ低赤外線プライマー及びウレタン表面被覆で被覆された腐食したアルミニウムパネルの赤外線反射画像である。赤外線反射画像は、被覆されたアルミニウム基板からの赤外線輻射を反射し、赤外線カメラで反射エネルギーを検知することにより作成された。腐食部分は、暗領域で示される。
【0046】
例21
図23は、例20に記載されたのと同じである、充填され表面被覆されたアルミニウムパネルから、本発明に従って生成された黒体輻射画像である。黒体輻射手順は、温度78°F(25.6℃)にて熱校正された状態で温度96°F(35.6℃)にて実行された。腐食部分は、明領域で示される。
【0047】
例22
図24は、例20に記載されたのと同じである、充填され表面被覆されたアルミニウムパネルから、本発明に従って生成された黒体輻射画像である。黒体輻射手順は、温度78°F(25.6℃)にて熱校正された状態で温度86°F(30.0℃)にて実行された。腐食部分は、明領域で示される。
【0048】
例23
図25は、例20に記載されている、同じく充填され表面被覆されたアルミニウムパネルから、本発明に従って生成された黒体輻射画像である。黒体輻射手順は、温度78°F(25.6℃)にて熱校正された状態で温度79°F(26.1℃)にて実行された。腐食部分は、明領域で示される。
【0049】
例24
図26は、例20乃至例23の充填され表面被覆されたアルミニウムパネルの可視画像である。
【0050】
以上の例は、黒体タイプ赤外線輻射は被覆を通過して、画像を生成することができることを示している。外部照射は必要でない、即ち該部分は自己発光型である。
【0051】
例25
ボルト締めされたアルミニウム製航空機パネルは、図27aに示すように、エポキシプライマーMIL PRF 23377TY1及びウレタンMIL PRF 85285TY1塗装にて被覆された。それは、可視画像(図27b)、赤外線反射画像(図27c)、及び赤外線黒体画像(図27d)を用いて検査された。黒体自己発光画像は、3ミクロンから5ミクロンの波長にて中赤外線カメラを用いて撮像された。黒体画像工程中に、塗装されたアルミニウムパネルは、85°F(29.4℃)−95°F(35.0℃)に維持された。図27dに示すように、英数字のシンボルを含むボルト頭部の詳細が赤外線黒体輻射画像に見ることができ、それは図27bに示す可視画像からは発見することはできない。
【0052】
本発明の黒体自己発光システムの利点は、独立した赤外線照射源が不要なことである。ある場合に、室温に於ける対象物の赤外線輻射は、被覆を通過して対象物を撮影するのに十分である一方、他の場合は稍高めの温度に対象物を適度に加熱することが好ましい。そのような加熱は、例えば日光又は熱線銃、保温毛布、赤外線熱ランプ、又は対象物の略定常状態を生成する他の手段により、自然になされ得る。
【0053】
本発明の黒体自己発光システムの他の利点は、赤外線輻射が被覆を1回だけ通過すればよいことである。これは赤外線反射技術に比較して、より効率的であり、外部の発光体からの赤外線輻射は最初に被覆を透過し、基質即ち対象物に反射されて、被覆を再び通過する。本発明の黒体方法の更なる利点は、被覆の表面の反射が減る又は無いことである。赤外線反射方法では、赤外線エネルギーは、一部が被覆の表面に反射されて、基質の下の画像をあいまいにする。
【0054】
本発明の特定の実施例が、説明の目的から記載されてきたが、添付の請求の範囲から離れることなく、本発明の詳細の種々の変更がなされることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】対象物の黒体自己照射を用いて、被覆された対象物の構造的な特徴を検査するシステムの概略図である。
【図2】本発明の実施例に従って、検査されるべき対象物からの黒体照射を検査するフローの概略図である。
【図3】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図4】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図5】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図6】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図7】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図8】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図9】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図10】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図11】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図12】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図13】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図14】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図15】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図16】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図17】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図18】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図19】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図20】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図21】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図22】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図23】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図24】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図25】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図26】本発明の種々の実施例に基づいた、被覆されたグラファイトパネル及び被覆されたアルミニウムパネルの黒体赤外線輻射画像である。
【図27】a−dは、リベットを具えた被覆された航空機パネルの可視、赤外線反射、赤外線黒体輻射画像であり、本発明の黒体自己発光に基づく被覆の下のリベットの特徴を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆された対象物を検査する方法であって、
対象物から略定常状態の黒体輻射を維持する工程と、
黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する工程を含む方法。
【請求項2】
対象物は室温に維持されて、略定常状態の黒体輻射を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
室温は、約32°Fから約80°Fである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
対象物は、高められた温度に維持されて、略安定状態の黒体輻射を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
高められた温度は、約120°F未満である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
高められた温度は、約80°Fから110°Fである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
高められた温度は、対象物を日光に晒すことにより維持される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
高められた温度は、熱線銃、熱ランプ、及び/又は保温毛布を用いて対象物を加熱することにより維持される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
対象物の構造的特徴は、赤外線カメラを用いて検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
赤外線カメラは、約3ミクロンから約5ミクロンの波長を有する中赤外線輻射を検査する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
赤外線カメラは、約0.7ミクロンから約3ミクロンの波長を有する近赤外線輻射を検査する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
赤外線カメラは、約3ミクロンから約12ミクロンの波長を有する遠赤外線輻射を検査する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
対象物の構造的特徴は、被覆が略透明となる、少なくとも1つの波長を有する輻射を検査する撮像装置を用いて検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
対象物の構造的特徴は、移動可能なカメラを用いて検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
移動可能なカメラは、携帯式カメラである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
移動可能なカメラは、検査中は1箇所に取り付けられ、回し撮り構成、及び/又は傾き構成を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
対象物の構造的特徴は、カメラ及び対象物とカメラの間の光路に位置するフィルタによって検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
フィルタは、被覆が非透明となる波長を有する黒体輻射の一部を除去する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
対象物の構造的特徴は、カメラ及び対象物とカメラの間の光路に位置する偏光器によって検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
構造的特徴は、欠陥を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
欠陥は、被覆の下の対象物の表面にある、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
表面の欠陥は、腐食、クラック、孔及び/又は凹みである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
欠陥は、対象物の表面の下にある、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
欠陥は、腐食、クラック及び/又はくぼみである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
構造的特徴は、被覆の下の対象物の特徴である、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
表面の特徴は、印である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
印は英数字シンボル、マーク又はコードである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
構造的特徴は、対象物の表面の下の特徴である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
特徴は、合成補強材、及び/又は合成基質材である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
対象物は、航空機部品である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
被覆は、塗装、合成基質材、下塗材、上塗材及び/又は中間塗装である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を示す工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を格納する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を送信する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
画像はインターネットを介して送信される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を基準画像と比較する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
基準画像は、被覆された対象物に近似していて、欠陥が殆ど無い他の対象物から生成される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
被覆された対象物を検査するシステムであって、
対象物からの黒体輻射を略安定状態に維持する手段と、
黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する手段を具えたシステム。
【請求項39】
被覆された対象物を検査するシステムであって、
対象物から生成される略安定状態の黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査するように構成され配備されたカメラを具えたシステム。
【請求項1】
被覆された対象物を検査する方法であって、
対象物から略定常状態の黒体輻射を維持する工程と、
黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する工程を含む方法。
【請求項2】
対象物は室温に維持されて、略定常状態の黒体輻射を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
室温は、約32°Fから約80°Fである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
対象物は、高められた温度に維持されて、略安定状態の黒体輻射を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
高められた温度は、約120°F未満である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
高められた温度は、約80°Fから110°Fである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
高められた温度は、対象物を日光に晒すことにより維持される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
高められた温度は、熱線銃、熱ランプ、及び/又は保温毛布を用いて対象物を加熱することにより維持される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
対象物の構造的特徴は、赤外線カメラを用いて検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
赤外線カメラは、約3ミクロンから約5ミクロンの波長を有する中赤外線輻射を検査する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
赤外線カメラは、約0.7ミクロンから約3ミクロンの波長を有する近赤外線輻射を検査する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
赤外線カメラは、約3ミクロンから約12ミクロンの波長を有する遠赤外線輻射を検査する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
対象物の構造的特徴は、被覆が略透明となる、少なくとも1つの波長を有する輻射を検査する撮像装置を用いて検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
対象物の構造的特徴は、移動可能なカメラを用いて検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
移動可能なカメラは、携帯式カメラである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
移動可能なカメラは、検査中は1箇所に取り付けられ、回し撮り構成、及び/又は傾き構成を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
対象物の構造的特徴は、カメラ及び対象物とカメラの間の光路に位置するフィルタによって検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
フィルタは、被覆が非透明となる波長を有する黒体輻射の一部を除去する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
対象物の構造的特徴は、カメラ及び対象物とカメラの間の光路に位置する偏光器によって検査される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
構造的特徴は、欠陥を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
欠陥は、被覆の下の対象物の表面にある、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
表面の欠陥は、腐食、クラック、孔及び/又は凹みである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
欠陥は、対象物の表面の下にある、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
欠陥は、腐食、クラック及び/又はくぼみである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
構造的特徴は、被覆の下の対象物の特徴である、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
表面の特徴は、印である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
印は英数字シンボル、マーク又はコードである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
構造的特徴は、対象物の表面の下の特徴である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
特徴は、合成補強材、及び/又は合成基質材である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
対象物は、航空機部品である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
被覆は、塗装、合成基質材、下塗材、上塗材及び/又は中間塗装である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を示す工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を格納する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を送信する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
画像はインターネットを介して送信される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
更に、検査された構造的特徴を含む対象物の画像を基準画像と比較する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
基準画像は、被覆された対象物に近似していて、欠陥が殆ど無い他の対象物から生成される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
被覆された対象物を検査するシステムであって、
対象物からの黒体輻射を略安定状態に維持する手段と、
黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査する手段を具えたシステム。
【請求項39】
被覆された対象物を検査するシステムであって、
対象物から生成される略安定状態の黒体輻射に基づいて、被覆の下の対象物の構造的特徴を検査するように構成され配備されたカメラを具えたシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−119134(P2006−119134A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302515(P2005−302515)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(502270453)ノースロップ グラマン コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(502270453)ノースロップ グラマン コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】
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