説明

(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法

一般式(I)、(SiO4/2k(R1SiO3/2m(R12SiO2/2p(R13SiO1/2q[O1/2−(SiR22−X−Y−)aSiR22−CH2−OH]s[O1/2H]tの(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法であって、その際、一般式II、(SiO4/2k(R1SiO3/2m(R12SiO2/2p(R13SiO1/2q[O1/2H]rのシラノール含有のオルガノシロキサンを、一般式III、Z−[O−CH2−SiR22n−Yの少なくとも1個の単位を有する環式化合物又は非環式化合物と反応させ、その際、R1は、水素原子又は、場合によりQ1で置換された、場合により1個以上のヘテロ原子含有の基Q2によって中断された、環式又は非環式の、線状又は分枝鎖状の、芳香族又は脂肪族又はオレフィン性の、飽和又は不飽和のC1〜C20−炭化水素基又はC1〜C20−炭化水素オキシ基又はC4〜C40ポリエーテル基を意味し、R2は、場合によりQ1で置換された、場合により1個以上のヘテロ原子含有の基Q2によって中断された又は1個以上のヘテロ原子含有の基Q2を含有する、環式又は非環式の、線状又は分枝鎖状の、芳香族又は脂肪族又はオレフィン性の、飽和又は不飽和のC1〜C20炭化水素基又はC1〜C20炭化水素オキシ基又はC4〜C40ポリエーテル基又はSi1〜Si20シロキサニル基を意味し、Q1は、ヘテロ原子含有の一価の基を意味し、Q2は、ヘテロ原子含有の二価の基又はヘテロ原子含有の三価の基を意味し、Zは、水素、基X−SiR22−を表すか、又はYと一緒になって結合電子対を表し、Xは、基R2、シロキサン基又はYに対する結合電子対を表すか、又はYと結合していてよいか、又はYと一緒になって酸素原子を意味するか、又はYに結合した酸素原子を意味し、Yは、R2又はQ1又はQ2の意味から選択された意味を取ってよいか、又はシロキサン基を表すか、又はヒドロキシ基を包含する加水分解可能な基を表すか、又はZと一緒になって結合電子対を表し、且つXを介してZと結合していてよく、且つ場合により置換された1個以上のシロキサン基によって中断されていてよいか、又はXと一緒になって酸素原子を意味し、ただし、Yは、n=1の時、加水分解可能な基、又は少なくとも1個の加水分解可能な基を含むシロキサン基を意味するか、又はXと一緒になって酸素原子を意味するか、又はXと結合しているか、又はZと一緒になって結合を表し、sは、少なくとも1の値をとり、rは、少なくとも1の値をとり、tは、少なくとも0の値をとり、nは、少なくとも1の値をとり、s+nの合計は、rの値をとり、k、m、p、qは、ゼロより大きいか又はゼロに等しい値を意味し、ただし、k+m+p+qの合計は、少なくとも2の合計を意味し、aは、0又は1の値をとる、前記一般式Iの(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン及び(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造法に関する。(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン及び(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン樹脂は、構造要素として、式
シロキサン−(SiRi2)−Rii−OH、
[式中、Riは、アルキル基又はアリール基であり、一般にメチル基であり、且つRiiは、ヘテロ原子を含有するか、又はヘテロ原子で置換されていてよく、且つ炭素原子を介して基(SiRi2)中のケイ素原子に結合されている炭化水素基である]の単位を持つ。ケイ素原子と、表示されるOH基との間にRiiが存在することにより、OH基はシロキサン骨格に結合されており加水分解安定性である。OH基が他の化合物と反応する場合、結果生じる生成物も同様にシロキサン骨格に結合されており加水分解安定性である。
【0002】
この場合、基Riiは、(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン樹脂の特性のみならず、(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン樹脂を使用して製造可能である一連の生成物の特性の決定に関わる構造付与因子である。とりわけ、Riiの易動度のみならず、Riiの有機的な性質も、これらの特性に影響を及ぼす。例として、Riiの易動性及び/又はヒドロキシアルキル(ポリシロキサン)若しくは(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン樹脂又はそれらの一連の生成物の有機的な性質が僅かなものとして保たれるべき場合、可能な限り小さい基iiが理想的であり、殊に、RiiをCH2として選択することが好ましい。Riiのこの選択の更なる利点は、小さい構造単位が、Riiに結合した同じ物質量のOH基の場合でも、よりわずかな反応体積、ひいては(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン樹脂の製造に際してのみならず、それらの一連の生成物の製造に際しても、高められた空時収量を必然的に伴うことである。
【0003】
iiがCH2である(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン樹脂は、以下で(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂と呼ぶ。
【0004】
(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシアルキル)ポリシロキサン樹脂の製造法は文献に記載されている。
【0005】
例えば、文献EP629648、EP768347、DE10109842、DE102004029259及びDE102005045334は、Si−OH基を持つポリシロキサン若しくはポリシロキサン樹脂又は充填剤を、構造*[SiRi2−Rii−O−]φ*(*=末端基又は閉環;φ≧1)の環式又は線状の化合物と反応させる方法を記載する。これらの文献のいずれにも、RiiがCH2である方法は記載されていない。
【0006】
(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂(Rii=CH2)の製造法も同様に文献に記載されている。
【0007】
例えば、文献DE1213406、DE1236505、DE1251320、DE879839及びDE1233395は、(ハロメチル)ポリシロキサン若しくは(ハロメチル)ポリシロキサン樹脂と金属水酸化物(DE1213406)又は(i)金属カルボキシレートとの反応及び(ii)そのようにして得られた(アシルオキシメチル)ポリシロキサン若しくは(アシルオキシメチル)ポリシロキサン樹脂とアルコールとのエステル交換反応による(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造を記載する(DE879839;(ハロメチル)ポリシロキサン若しくは(ハロメチル)ポリシロキサン樹脂とアンモニウムカルボキシレートとの反応による(アシルオキシメチル)ポリシロキサン若しくは(アシルオキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造を参照されたい;DE1199772、US2833802)。しかしながら、記載された条件下では、一般にシロキサン骨格の骨格転位が起こる。
【0008】
DE1236505及びDE1251320は、(アシルオキシメチル)ポリシロキサン若しくは(アシルオキシメチル)ポリシロキサン樹脂とアルコールとの、アリールスルホン酸による触媒作用下でのエステル交換反応による(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造を記載する。その際、とりわけDE1236505は、線状ポリ(ジメチルシロキサン)(α,ω−OH末端)を(アシルオキシメチル)ジメチルエトキシシランと反応させ、且つSi−(アシルオキシメチル)基をメタノールとエステル交換反応させてSi−(ヒドロキシメチル)基(Si−CH2−OH)を形成させる方法(DE1236505における反応"f)")を記載する。しかしながら、Si−(アシルオキシメチル)基をエステル交換反応させるために、激しい条件(トルエンスルホン酸及び加熱)が適用されなければならない。しかしながら、係る条件下では、一般にシロキサン骨格の骨格転位が起こる。
【0009】
DE1233395は、(アシルオキシメチル)ポリシロキサン若しくは(アシルオキシメチル)ポリシロキサン樹脂とアルカリ金属ホウ酸塩との反応及びそのようにして得られた一次生成物の加水分解による(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造を記載する。しかしながら、アルカリ金属ホウ酸塩は、高価な試薬であり、それにシロキサン骨格を弱らせ且つ変化させる可能性がある。
【0010】
DE1227456、DE879839及びSU1512982は、例として1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンと環式又は非環式のオルガノポリシロキサンとの平衡化による(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造を記載する。しかしながら、係る平衡反応には、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンのシロキサン結合の開裂が必要である。しかしながら、このシロキサン結合が開裂する条件は、反応させられるべきオルガノポリシロキサン中のシロキサン結合の転位若しくは開裂も引き起こす。
【0011】
(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の記載された製造法に共通していることは、反応条件下でシロキサン骨格の骨格転位が生じやすく、そのため該方法により、定義された生成物がもたらされないことである。そのうえ、相応する前駆体化合物(例えば≡SiCH2OH−OAcyl又は≡SiCH2−ハロゲン)からの≡SiCH2OH基の放出が頻繁に定量的には行われず及び/又は生じた≡SiCH2OH基が反応条件下でさらに(例えばHClと反応して≡SiCH2Cl基を形成、硫酸と反応して≡SiCH2OCH2Si≡を形成又は水酸化物と反応してSiCH2OHのSi−C結合の開裂下でSi−OH基を形成)反応するため、生成物は理論的に予期し得ない数若しくは濃度の≡SiCH2OH基を有することになる。そのうえ、生成物中の試薬残分及び/又は触媒残分は頻繁にシロキサン骨格の転位、開裂、縮合又は平衡化をもたらすため、文献公知の方法に従って製造された(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の生成物特性は頻繁に貯蔵中に変化する。これら全ての発明は、従来の先行技術に従って製造された(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂が、定義された一連の生成物へとさらに変えられることを阻害又は防止し、これは、なかでもSiCH2OH基の一連の反応に当てはめられる。
【0012】
それゆえ本発明は、先行技術を改善すること、定義された生成物を、有利には高い純度で且つ有利には高い生成物安定性をともなって生み出す(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造法を提供することである。
【0013】
本発明の対象は、一般式I
【化1】

の(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造法であって、その際、一般式II
【化2】

のシラノール含有のオルガノシロキサン若しくはオルガノシロキサン樹脂を、一般式III
【化3】

の少なくとも1個の単位を有する環式化合物又は非環式化合物と反応させ、その際、
1は、水素原子又は、場合によりQ1で置換された、場合により1個以上のヘテロ原子含有の基Q2によって中断された、環式又は非環式の、線状又は分枝鎖状の、芳香族又は脂肪族又はオレフィン性の、飽和又は不飽和のC1〜C20−炭化水素基又はC1〜C20−炭化水素オキシ基又はC4〜C40ポリエーテル基を意味し、
2は、場合によりQ1で置換された、場合により1個以上のヘテロ原子含有の基Q2によって中断された又は1個以上のヘテロ原子含有の基Q2を含有する、環式又は非環式の、線状又は分枝鎖状の、芳香族又は脂肪族又はオレフィン性の、飽和又は不飽和のC1〜C20炭化水素基又はC1〜C20炭化水素オキシ基又はC4〜C40ポリエーテル基又はSi1〜Si20シロキサニル基を意味し、
1は、ヘテロ原子含有の一価の基を意味し、
2は、ヘテロ原子含有の二価の基又はヘテロ原子含有の三価の基を意味し、
Zは、水素、基X−SiR22−を表すか、又はYと一緒になって結合電子対を表し、
Xは、基R2、シロキサン基又はYに対する結合電子対を表すか、又はYと結合していてよいか、又は、Xは、Yと一緒になって酸素原子を意味するか、又はYに結合した酸素原子を意味し、
Yは、R2又はQ1又はQ2の意味から選択された意味をとってよいか、又はシロキサン基を表すか、又はヒドロキシ基を包含する加水分解可能な基を表すか、又はZと一緒になって結合電子対を表し、且つXを介してZと結合していてよく、且つ場合により置換された1個以上のシロキサン基によって中断されていてよいか、又はXと一緒になって酸素原子を意味し、
ただし、Yは、n=1の時、加水分解可能な基、又は少なくとも1個の加水分解可能な基を含むシロキサン基を意味するか、又はXと一緒になって酸素原子を意味するか、又はXと結合しているか、又はZと一緒になって結合を表し、
sは、少なくとも1の値をとり、
rは、少なくとも1の値をとり、
nは、少なくとも1の値をとり、
tは、少なくとも0の値をとり、
nは、少なくとも1の値をとり、
s+nの合計は、rの値をとり、
k、m、p、qは、0以上の値を意味し、ただし、k+m+p+qの合計は、少なくとも2の合計を意味し、
aは、0又は1の値をとる、該一般式Iの(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の製造方法である。
【0014】
2個の基、例としてX、Y若しくはZが、上述の可能な組合せにおいて、一緒になって結合を意味するか又は一緒になって酸素原子を意味するという定義は、化合物1及び2に基づいて説明することができる:
【化4】

【0015】
化合物1において、全ての基R2はメチルであり、nは2であり、且つYはZと一緒になって結合電子対を表す。化合物2において、R2はメチルであり、nは1であり、Zは基X−SiR22を表し(再びR2はメチル)、且つXはYと一緒になって酸素原子を意味する。
【0016】
一般式IIIの少なくとも1個の単位を有する化合物は、以下では簡略化して"式IIIの化合物"と呼ぶ。
【0017】
式IIの化合物及び式IIIの化合物又はこれらの化合物を含有する混合物は、本発明による方法の場合、任意の順番で調製し、混合し、互いに計量供給してよく、場合により何度も繰り返して、場合により交互に行ってもよい。本発明による方法の場合、少なくとも1種の式IIの化合物及び少なくとも1種の式IIIの化合物が使用されるが;2種、3種、4種、5種、6種以上の式II又は式IIIの化合物も使用することができ、同時に又は連続して、場合により何度も繰り返して、場合により交互に行ってもよい。本発明による方法では、少なくとも1種の式Iの(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂が製造されるが;2種、3種、4種、5種、6種以上の式Iの化合物も連続して製造することができる。使用される式IIIの化合物は、加溶媒分解物を含んでいなくてよく、又は例として、例えばアルコール、水又はシラノールによるそれらの加溶媒分解物を有していてよい。
【0018】
一般式IIIの単位を含有する化合物が、一般式IIのオルガノシロキサン若しくはオルガノシロキサン樹脂中のSi−OH基を官能化するために使用される場合、これらは意想外にも容易に且つ効率的に良好な収率でシラノール基と反応してカルビノールを形成する。
【0019】
一般式IIIの単位を含有する化合物が、一般式IIのオルガノシロキサン若しくはオルガノシロキサン樹脂中のSi−OH基を官能化するために使用される場合、本発明による方法に従って作製される(ヒドロキシメチル)シロキサン単位中のCH2OH基は、Si−Oの結合開裂及び構造Si(R22)CH2O−Siの基のO−プロトン化によって作り出されるか、又はCH2OH基は、式III中のZが水素として選択される場合、すでにそれ自体存在する。
【0020】
それにともなって、本発明による方法は、(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン及び(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂のこれまで公知の製造法とは異なる。(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン又は(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂のこれまで公知の製造法の場合、前駆体として構造シロキサン−CH2−Aの基を持つシロキサンが使用されるか又は作製される。その際、基Aは、アシルオキシ基又はハロゲン原子であり、且つ厳しい条件下で、例としてアルカリ金属水酸化物を用いて(A=ハロゲン)、又はアルコールを用いて酸触媒作用下で、又は水素化ホウ素を用いて(A=アシルオキシ)OH基に変えられる。この厳しい反応条件は、頻繁にシロキサン骨格の転位又は作製された(ヒドロキシルメチル)基での望ましくない一連の反応、例としてSi−C結合の開裂につながる。そのうえ、シロキサン−CH2−A基(A=ハロゲン又はアシルオキシ)を有するシロキサンは標準生成物ではなく、前駆体として適切に作製されなければならない。それとは異なり、本発明による方法に従って、意想外にも容易にSiOH基を(ヒドロキシメチル)シロキサン単位に変えることに成功し、そのため例えば、(ヒドロキシメチル)シロキサン単位に変えられるべき官能化されるSiOH基は、記載した通りのCH2OH基の生成を引き起こすのに十分な反応性をそれ自体有しており、その際、任意に助触媒又は触媒を使用してもよい。そのうえ、本発明による方法において使用される式IIオルガノポリシロキサン又はオルガノポリシロキサン樹脂はシリコーン工業の標準品であり、したがって、それらは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン又は(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の合成用前駆体として個別に製造される必要がない。
【0021】
1及びR2は、好ましくは1〜12個の炭素原子、殊に1〜6個の炭素原子を有し、好ましくは炭素原子と水素原子のみを有するか、又はアルコキシ酸素原子とそれ以外に炭素原子と水素原子のみを有する。
【0022】
好ましくは、R1及びR2は、直鎖状又は分枝鎖状又は環式のC1〜C6炭化水素基である。R1に関して有利なのはメチル基、エチル基、フェニル基、アリル基及びビニル基であり、特に有利なのはメチル基である。R2に関して有利なのはメチル基、エチル基、フェニル基、アリル基、ビニル基、メトキシ基、エトキシ基であり、特に有利なのはメチル基、エチル基、フェニル基、アリル基及びビニル基であり、殊にメチル基である。
【0023】
有利には、R1及びR2がメチル基を意味する一般式Iの化合物が製造される。
【0024】
1は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアナト、イソシアナト、シアノ、ニトロ、ニトラト、ニトリト、シリル、シリルアルキル、シリルアリール、シロキシ、シロキサンオキシ、シロキシアルキル、シロキサンオキシアルキル、シロキシアリール、シロキサンオキシアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、S−スルホナト、O−スルホナト、スルファト、S−スルファト、O−スルフィナト、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アシルアミノ、イミド、スルホンアミド、イミノ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオ置換基、O−アルキル−N−カルバマト、O−アリール−N−カルバマト、N−アルキル−O−カルバマト、N−アリール−O−カルバマト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたP−ホスホナト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたO−ホスホナト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたP−ホスフィナト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたO−ホスフィナト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたホスフィノ、ヒドロキシカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、環式又は非環式のカーボネート、アルキルカルボナト又はアルキルカルボナト置換基であり、特に有利には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアナト、イソシアナト、シアノ、シリル、シリルアルキル、シリルアリール、シロキシ、シロキサンオキシ、シロキシアルキル、シロキサンオキシアルキル、シロキシアリール、シロキサンオキシアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、S−スルホナト、スルファト、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アシルアミノ、イミド、スルホンアミド、イミノ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオ置換基、O−アルキル−N−カルバマト、O−アリール−N−カルバマト、N−アルキル−O−カルバマト、N−アリール−O−カルバマト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたP−ホスホナト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたO−ホスホナト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたP−ホスフィナト、場合によりアルキル又はアリールで置換されたホスフィノ、ヒドロキシカルボニル、アルコキシカルボニル、又はアリールオキシカルボニル置換基を表す。
【0025】
2は、ヘテロ原子を含有する二価の基、例として−O−、−S−、−N(R4)−、−C(O)−、エポキシ、−C(O)−O−、−O−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R4)−、−N(R4)−C(O)−O−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)−O−、−S(O)2−O−、−O−S(O)2−O−、−C(O)−N(R4)−、−S(O)2−N(R4)−、−S(O)2−N[C(O)R6]−、−O−S(O)2−N(R4)−、−N(R4)−S(O)2−O−、−P(O)(OR5)−O−、−O−P(O)(OR5)−、−O−P(O)(OR5)−O−、−P(O)(OR5)−N(R4)−、−N(R4)−P(O)(OR5)−、−O−P(O)(OR5)−N(R4)−、−N(R4)−P(O)(OR5)−O−、−N[C(O)R6]−、−N=C(R6)−O−、−C(R6)=N−O−、−C(O)−N[C(O)R6]−、−N[S(O)27]−、−C(O)−N[S(O)27]−、−N[P(O)R82]−、−Si(R22)−、−[Si(R22)O]o−、−[OSi(R22)]o−、−[OSi(R22)]oO−を表し、特に有利には、−O−、−S−、−N(R4)−、−C(O)−、エポキシ、−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R4)−、−N(R4)−C(O)−O−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2−O−、−OS(O)2−O−、−C(O)−N(R4)−、−S(O)2−N(R4)−、−S(O)2−N[C(O)R6]−、−O−S(O)2−N(R4)−、−N(R4)−S(O)2−O−、−P(O)(OR5)−O−、−O−P(O)(OR5)−、−O−P(O)(OR5)−O−、−N[C(O)R6]−、−N=C(R6)−O−、−C(R6)=N−O−、−C(O)−N[C(O)R6]−、−N[S(O)27]−、−C(O)−N[S(O)27]−、−N[P(O)R82]−、−Si(R22)−、−[Si(R22)O]o−、−[OSi(R22)]o−、−[OSi(R22)]oO−を表し、その際、R4、R5及びR6は、水素又は場合により置換されたC120−アルキル基又はC620−アリール基を表し、R7は、場合により置換されたC120−アルキル基又はC620−アリール基であり、R8は、場合により置換されたC120−アルキル基、C620−アリール基、C120−アルコキシ基、C620−アリールオキシ基表し、且つoは、1〜100の数、有利には1〜10を表すか、又はヘテロ原子を含有する三価の基、例えば−N≡又は−P=を表す。
【0026】
一般式IIのヒドロキシ官能性オルガノシロキサンは、例として線状、環状又は分枝鎖状であってよい。k、m、p、q、s及びtの合計は、好ましくは3〜10000、有利には4〜1000、特に有利には5〜200の数である。k、m、p、q及びrの合計は、好ましくは3〜10000、有利には4〜1000、特に有利には5〜200の数である。k、m、p及びqの合計は、好ましくは2〜10000、有利には3〜1000、特に有利には4〜200の数である。上で挙げた合計は、そのつどのシロキサンの平均鎖長(数平均)に関する。好ましくは、基[O1/2H]若しくは基[O1/2−(SiR22−X−Y−)aSiR22−CH2−OH]は、基(R12SiO2/2)に結合されている。
【0027】
kは、好ましくは、0〜50の数、有利には0〜5の数、特に有利には0〜1の数、殊に0の数である。
【0028】
mは、好ましくは、0〜100の数、有利には0〜10の数、特に有利には0〜1の数、殊に0の数である。
【0029】
pは、好ましくは、0〜10000の数、有利には1〜1000の数、特に有利には2〜200の数である。
【0030】
qは、好ましくは、0〜100の数、有利には0〜10の数、特に有利には0〜1の数、殊に0の数である。
【0031】
sは、好ましくは、1〜100の数、有利には1〜10の数、特に有利には1〜2の数、殊に2の数である。
【0032】
rは、好ましくは、1〜100の数、有利には1〜10の数、特に有利には1〜2の数、殊に2の数である。
【0033】
tは、好ましくは、0〜99の数、有利には0〜9の数、特に有利には0〜1の数、殊に0の数である。
【0034】
式I中の変項aは、好ましくは0の値をとる。好ましくは、基[O1/2H]は、基(R12SiO2/2)に結合されている。好ましくは、基[O1/2−(SiR22−X−Y)aSiR22−CH2−OH]は基(R12SiO2/2)に結合されている。
【0035】
式III中の変項nは、好ましくは2以上の値をとり、有利には2〜100の値、特に有利には2〜20の値をとる。変項nは、例として1、2、3、4、5の値又は6〜20の値又はそれより大きい値をとってよい。
【0036】
式III中のYは、Zと一緒になって結合を意味するか、又はZは、X−SiR22基を意味し、その際、Xは、酸素原子又は、Zと結合しているシロキサン基を意味し;特に有利にはYは、Zと一緒になって結合を意味する。後者の特に有利なケースにおいては、もっぱら単位[O−CH2−SiR22nから成る式IIIの環式化合物が生じる。
【0037】
一般式IIのオルガノシロキサンの有利な変形例は、k及びmが0であり、pが1以上であり、qが0又は1であり、且つrが1又は2であり、その際、r+qが2であるとの条件が適用され、特に有利には、qが0であり、pが2以上であり、且つrが2である線状シリコーンポリマーである。
【0038】
その際、好ましくは、pは3〜10000であり、有利には4〜1000であり、特に有利には5〜200である。上で挙げたpの値は、シロキサンの平均鎖長(数平均)に関する。好ましくは、rはsである。その際、一般式IIの有利なオルガノシロキサンは、モノモーダル又はバイモーダル又はマルチモーダルのいずれかで分布していてよく、同時に、それは狭いモル質量分布又は非常に広いモル質量分布で存在していてもよい。
【0039】
一般式IIの使用される分枝鎖状オルガノシロキサンの更なる有利な変形例は、オルガノシリコーン樹脂である。これは一般式IIが示すように複数の単位から成っていてよく、その際、含まれた単位のモル百分率は、添え字k、m、p、q、r、s及びtによって示される。有利なのは、k、m、p、q及びrの合計を基準とした、単位rの0.1〜20モル%の値である。同時にしかし、k+m>0でなければならない。一般式Iのオルガノシロキサン樹脂の製造に際して、s>0且つs+t=rでなければならない。
【0040】
この場合、有利には、k、m、p、q、s及びtの合計を基準として、5モル%<k+m<90モル%であり、且つ好ましくはt=0である樹脂が製造される。特に有利なケースにおいては、基R1及びR2はメチル基である。
【0041】
式I中の単位(SiO4/2)、(R1SiO3/2)、(R12SiO2/2)及び式II中の単位(SiO4/2)、(R1SiO3/2)、(R12SiO2/2)のそれぞれは、例えば何度も繰り返されてよく、例えばブロックとして又は単独の単位として又は交互する単位として生じてもよい。
【0042】
式I中の単位(R13SiO1/2)、[O1/2−(SiR22−X−Y−)aSiR22−CH2−OH]、[O1/2H]及び式II中の単位(R13SiO1/2)、[O1/2H]のそれぞれは、例えばポリマー主鎖の複数の箇所で、例えば秩序分布又はランダム分布して生じてもよい。
【0043】
(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の有利な製造法は、式IIのシラノール含有オルガノシロキサン若しくはオルガノシロキサン樹脂として、次の式IIa
【化5】

[式中、αは、2〜20000の整数値であり、
11は、メチル、エチル、ビニル、アリル又はフェニルを意味する]に従った化合物が使用されることを特徴とする。
【0044】
その際、αは、好ましくは、3〜10000の値、有利には4〜1000の値、特に有利には5〜200の値をとる。上で挙げたαの値は、シロキサンの平均鎖長(数平均)に関する。
【0045】
11は、好ましくはメチル、エチル、ビニル又はフェニル、有利にはメチル又はビニル、特に有利にはメチルを意味する。
【0046】
式IIaが式IIから生じるのは、式II中で基R1が基R11の意味をとり、且つk、m及びq全てが0の値をとり、且つrが2の値をとり、且つpがαの値をとる場合であり、その際、αは、上で定義したような値をとってよい。
【0047】
(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の有利な製造法は、式IIIの化合物として、次の式IIIa
【化6】

[式中、R12は、メチル、エチル、ビニル、アリル、フェニル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、tert−ペントキシ又はn−ヘキソキシの意味をとってよく、
且つn、Y及びZは、上で定義したのと同じ意味をとってよい]に従った化合物が使用されることを特徴とする。
【0048】
12は、好ましくはメチル、エチル、ビニル、アリル、フェニル、メトキシ又はエトキシを意味し、有利にはメチル、エチル、ビニル、アリル又はフェニルを意味し、有利にはメチルを意味する。
【0049】
n、Y及びZは、式IIIa中で、好ましくは、有利には及び特に有利には、上で式IIIについて有利なものとして及び特に有利なものとしてそれぞれ定義した意味をとる。
【0050】
式IIIaが式IIIから生じるのは、式III中で基R2が基R12の意味をとる場合であって、その際、n、Y及びZは、上で式IIIについて定義したのと同じ値をとってよい
(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン若しくは(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂の有利な製造法は、式Iの生成物として、次の式Ia:
【化7】

[式中、αは、2〜20000の整数値を意味し、且つ
11及びR12は、上で定義した意味を有する]に従った化合物Iaが製造されることを特徴とし、その際、式IIaの化合物が、式IIIaの化合物と反応させられる。
【0051】
その際、αは、好ましくは、3〜10000の値、有利には4〜1000の値、特に有利には5〜200の値をとる。
【0052】
上で挙げたαの値は、シロキサンの平均鎖長(数平均)に関する。
【0053】
その際、式IIIaに関して定義された可能性から選択された式IIIの化合物に対する式IIaに関して定義された可能性から選択された式IIの化合物の物質量比は、式IIIa中の単位[OCH2SiR122]の物質量比(式IIIa中でのその出現数nを基準とする)に対する式IIa中のシラノール基の物質量比が、好ましくは0.8〜1.2、有利には0.9〜1.1、特に有利には1.0となるように選択される。その際、"式IIIa中でのその出現数nを基準とする"とは、例としてn=2においては、単位[OCH2SiR122nが2個の単位[OCH2SiR122]として数えられ、例としてn=3においては、3個の単位[OCH2SiR122]などと数えられることを意味する。
【0054】
好ましくは、一般式IIIの単位を有する化合物として、次の一般式IV〜VIII
【化8】

式VIII中のR1は、上で定義したのと同じ意味をとってよく、且つ式VIII中で、好ましくは、有利には及び特に有利には、R1について好ましいものとして、有利なものとして及び特に有利なものとしてそれぞれ上で定義したような意味をとり、
式IV〜VIII中のR2は、上で定義したのと同じ意味をとってよく、且つ式IV〜VIII中で、好ましくは、有利には及び特に有利には、R2について好ましいものとして、有利なものとして及び特に有利なものとしてそれぞれ上で定義したような意味をとるか、又はR2は、有利な実施形態において、R12の意味を、R12について上で定義した意味で、好ましくは、有利な意味で及び特に有利な意味でとり、
β、γ、δ、εは、上で定義したようなnと同じ意味をとってよく、且つ好ましくは1〜100の意味、有利には1〜30の意味及び特に有利には1〜10の意味をとり、
iは、2以上の整数値をとってよく、且つ好ましくは2〜100の意味、有利には2〜30の意味及び特に有利には2〜10の意味をとり、
式V中のjは、0以上の整数値を意味し、且つ好ましくは1以上の値をとり、有利には1〜20の値をとり、且つ特に有利には1〜10の値をとり、
式VIII中のk、m、p及びq及びそれらの上で定義した合計は、上で定義したのと同じ値をとってよく、且つ好ましくは、有利には及び特に有利には、k、m、p若しくはq及びそれらの合計について好ましいものとして、有利なものとして及び特に有利なものとしてそれぞれ上で定義したのと同じ値をとり、
式VIII中のuは、1以上の値をとってよく、且つ好ましくは1〜20の意味、有利には1〜10の意味をとり、及び特に有利には1又は2の値をとり、
式VIII中のvは、0以上の値をとってよく、且つ好ましくは0〜20の意味、有利には0〜10の意味をとり、及び特に有利には0、1又は2の値をとり、
式VIII中のwは、0以上の値をとってよく、且つ好ましくは0〜20の意味、有利には0〜10の意味、及び特に有利には0の意味をとり、
式VI中のY1は、基R2、基−O−(SiR22−CH2−O)b1、水素原子又は加水分解可能な基、有利にはヒドロキシル基、C1〜C20−アルコキシ基、C6〜C20−アリールオキシ基又はC1〜C40−ポリエーテル基、殊にヒドロキシ基、メトキシ基又はエトキシ基を表し、ただし、Y1は、δが式VI中で1の意味をとる場合、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基を包含する加水分解可能な基又は水素原子、又は基−O−(SiR22−CH2−O)bH、ここで、bは、2以上である、を表し、
bは、1以上の数を表し、且つ好ましくは2以上の値、有利には2〜30の値、特に有利には2〜10の値を表し、
式VII中のY2は、基R2、基−O−(SiR22−CH2−O)c2、水素原子又はヒドロキシル、ヒドロキシ基、C1〜C20−アルコキシ基、C6〜C20−アリールオキシ基又はC1〜C40−ポリエーテル基、殊にヒドロキシ基、メトキシ基又はエトキシ基を包含する加水分解可能な基を表し、
cは、1以上の値を表し、且つ好ましくは2以上の値を表し、有利には2〜30の値、特に有利には2〜10の値を表し、
1は、水素原子、ケイ素原子を介して結合されたシリル基又はケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基、有利には水素原子を表し、
2は、水素原子、ケイ素原子を介して結合されたシリル基、ケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基を表すか、又は−式VII中のεが2以上の値をとるか若しくはY2が加水分解可能な基である場合−場合によりQ1で置換されたか若しくは1個以上の基Q2によって中断されたアルキル基、アリール基又はアシル基を表し、有利には水素原子を表し、
3は、水素原子、ケイ素原子を介して結合されたシリル基、ケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基を表すか、又は−式VIII中のiが3以上の値をとる場合−場合によりQ1で置換されたか若しくは1個以上の基Q2によって中断されたアルキル基、アリール基又はアシル基を表し、有利には水素原子を表し、
4は、Z1と同じ意味をとってよく、
aは、上で定義したのと同じ意味をとってよく、且つ有利には0の値をとる]の化合物が使用される。
【0055】
iは、例として、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれを上回る値をとってよい。
【0056】
j、v、wは、例として、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれを上回る値をとってよい。
【0057】
β、γ、δ、ε、μは、例として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれを上回る値をとってよい。
【0058】
4が、R13Siによって示されることが可能な基から選択された意味をとる場合、[O1/24]は、(R13SiO1/2)によって示されることも可能であり、その際、qは1増大し、且つwは1低下する。
【0059】
式V中の単位[SiR2−CH2−O−]γ及び[SiR2−O]jは、例えば何度も繰り返して、例えばブロックとして又は単独の単位として又は交互する単位として生じてもよい。
【0060】
式VIII中の単位(SiR4/2)、(R1SiO3/2)、(R12SiO2/2)、(SiR22−X−Y)、(SiR22−CH2−O)は、例えば何度も繰り返して、例えばブロックとして又は単独の単位として又は交互する単位として生じてもよい。式VIII中の単位(R13SiO1/2)、[O1/2−(SiR22−X−Y−)a(SiR22−CH2−O)i3]、[O1/2−(SiR22−X−Y−)aSiR22−CH2−OZ3]、[O1/24]は、例えばポリマー主鎖の複数の箇所で、例えば秩序分布又はランダム分布して生じてもよい。
【0061】
有利な方法は、式IIIの使用される化合物の少なくとも1種が、次の式IIIb
【化9】

[式中、R12は、上で定義したのと同じ意味をとってよく、且つ式IIIb中のR12は、好ましくは、有利には及び特に有利には、上でR12について好ましいものとして、有利なものとして及び特に有利なものとしてそれぞれ定義したような意味をとり、且つ、その際にφは、1以上の整数値をとってよく、且つ好ましくは1〜10の値、有利には1又は2の値、特に有利には1の値をとる]に従った化合物から選択される。
【0062】
殊に有利には、一般式IIIの少なくとも1個の単位を有する化合物として、次に示される化合物(番号1〜4)
【化10】

[式中、dは、1以上の整数値、eは、0以上の整数値、e'は、0以上の整数値を、且つfは、0又は2以上の整数値をとってよく、且つ、その際にRは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル(1−メチルブチル又は1−エチルプロピル)、イソペンチル(2−メチルブチル又は3−メチルブチル)、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、ベンジル、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、シクロペンチル又はシクロへキシルの意味をとってよく、且つ、その際にRは、fが0ではない場合に水素を意味し、且つ、その際にdは、eが0であり、且つe'が0であり、且つfが0である場合に2以上の整数値をとってよい]、
【化11】

[式中、gは、1以上の整数値を、且つhは、0以上の整数値を、且つg+hからの合計は3以上の整数値をとってよい]が使用され、
その際、化合物4a〜4u
【化12】

【0063】
【化13】

は、構造4の代表例を表す。
【0064】
さらにまた、本発明の対象は、構造3及び4を有する式IIIの化合物である。
【0065】
構造3における繰り返し単位[−O−CH2−SiMe2d及び[−O−SiMe2e若しくは[SiMe2−O−]e'及び[SiMe2−CH2−O−]fは、それぞれ何度も繰り返して、例えばブロックとして又は単独の単位として又は交互する単位として生じてもよい。
【0066】
構造4における繰り返し単位[SiMe2−CH2−O−]g及び[SiMe2−O−]hは、それぞれ何度も繰り返して、例としてブロックとして又は単独の単位として又は交互する単位として生じてもよい。
【0067】
構造1、2又は4の化合物を水又はアルコールと反応させることを特徴とする、構造3の化合物の製造法も同様に本発明の対象である。構造3の化合物は、構造1、2又は4の化合物から、場合により少なくとも1種の触媒の存在下で、水又はアルコール又はアルコールによる加溶媒分解によって製造可能である。その際、選択された加溶媒分解試薬ROH中の基Rの選択により、構造3の生成物中での基Rの同一性が決定される。
【0068】
化合物1の貯蔵又は加熱を、製造されるべき化合物4中の[SiMe2−O−]基の物質量の少なくとも合計に相当する[Me2SiO]等価体の物質量の存在下で行うことを特徴とする、構造4の化合物の製造法。構造4の化合物は、化合物1から加熱又は十分に長い貯蔵によって、場合により少なくとも1種の触媒の存在下で製造可能であり、その際、そのようにして得られる構造4の生成物中でのgに対するhの値の比は、例として、環状ジメチルシロキサン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン又はデカメチルシクロペンタシロキサンの形態における[Me2SiO]等価体の添加によって制御可能である。添加される[Me2SiO]等価体の量が多くなれば多くなるほど、それだけ一層h:gの比は高まる。最小値はh:g=0の比であり、すなわち、この場合、製造されるべき構造4の化合物中の[SiMe2−O−]基の物質量の合計は0に等しく、且つ、それに応じて、方法においてこの場合、少なくとも0の[Me2SiO]等価体が添加されなければならない。純粋な化合物1(>98%、GC)は、室温にて触媒を添加せずに6ヶ月を超えても目立った変化がなく貯蔵可能である。
【0069】
dは、好ましくは、2〜100の値、有利には2〜30の値、殊に2〜10の値をとる。
【0070】
eは、好ましくは、0〜200の値、有利には0〜10の値、特に有利には0の値をとる。
【0071】
e'は、好ましくは、0〜200の値、有利には0〜10の値、特に有利には0の値をとる。
【0072】
fは、好ましくは、0又は2〜100の値、有利には0又は2〜30の値、特に有利には0の値をとる。
【0073】
Rは、好ましくは水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、ベンジル、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、シクロペンチル又はシクロヘキシル、有利には水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル又はn−オクチル、特に有利には水素、メチル又はエチルである。
【0074】
gは、好ましくは、1〜10の値、有利には1〜5の値、特に有利には1、2又はである。
【0075】
hは、好ましくは、0〜10の値、有利には0〜5の値、特に有利には0の値をとる。
【0076】
g+hの合計は、好ましくは、3〜20の値、有利には3〜10の値、特に有利には3〜5の値をとる。
【0077】
そのうえまた本発明の対象は、一般式VIIIの化合物の製造法である。式VIIIの化合物は、一般式II及び/又は一般式Iの化合物を含有する混合物を、有利には過剰量の式IV、V、VI、VIIの化合物又は式IIIの第2の化合物と反応させ、且つ、その他のプロセスパラメーターを式Iの化合物の製造法で記載したように選択することによって得られる。過剰量とは、式IV、V、VI、VIIの使用される化合物中に又は式VIIIの第2の化合物中に存在する全構造単位[OCH2SiR22]の物質量が、式I及び式IIの使用される化合物中に存在する全構造単位[O1/2H]の物質量より高い値をとることを意味する。一般に、このように選択された物質量比の場合、式I若しくは式II中に存在する構造単位[O1/2H]が反応して式[O1/2−SiR22−X−Y−)a(SiR22−CH2−O)i3]又は式[O1/2−(SiR22−X−Y−)a(SiR22−CH2−OZ3]の構造単位を形成し、そうしてwは、結果生じる式VIIIの生成物中で一般に0の値をとる;しかしながら、例として、温和な条件下で、例えば触媒を添加せずに又は、例として反応性の少ない触媒を用いるか若しくは温和な温度で、例えば120℃を下回る温度で、式VIIIの化合物の製造を、結果生じる式VIIIの生成物中でwが1以上の値をとるように行ってもよい。
【0078】
化学量論量の式IIIの化合物が選択される場合、式I若しくは式II中に存在する構造単位[O1/2H]は反応してまず式[O1/2(SiR22−X−Y−)a(SiR22−CH2−O)i3]となり、そうしてまず式VIIIの化合物が形成され、その際、wはまず0より大きい値をとる。化学量論量とは、式IV、V、VI、VIIの使用される化合物中に又は式VIIIの第2の化合物中に存在する全構造単位[OCH2SiR22]の物質量が、式I及び式IIの使用される化合物中に存在する全構造単位[O1/2H]の物質量と同じ値をとることを意味する。式[O1/2(SiR22−CH2−O)i3]の構造単位は、適した条件下で、なお反応混合物中に存在する構造単体[O1/2H]と反応し;この反応が完全に進行すると、使用される式IIIの化合物が式VI(Z1は水素である)の化合物から又は式VII(Z2は水素である)の化合物から選択された場合に、又は使用される式IIIの化合物が式IV又はVの化合物から選択された場合に、一般式Iの生成物が得られ、且つwはこの場合に0の値をとり、uは0の値を及びvはsの値をとる。換言すると、式VIIIの化合物は、式IIの化合物から式Iの化合物を製造するための本発明による方法を用いた場合に中間生成物として生じることができる。
【0079】
式VIIIの化合物が式IIの化合物から製造された場合、式VIIIの製造された化合物中でのu+v+wの合計は、式IIの使用される化合物中でのrの値をとる。
【0080】
式VIIIの化合物は、式VIIIの他の化合物に変えられることができる。そのため、例えば、式VIIIの種々の化合物は、相互に基SIR22−CH2−Oの交換下で相互に平衡化されてよいか、又は式VIII中のi又はvは、式IV、V、VI又はVIIの化合物との更なる反応によって増大されるか若しくは式I又は式IIの化合物との反応によって低下される。式VIIIの化合物と式I又はIIの化合物との反応に際して過剰量の式VIIIの化合物が使用される場合、最初に使用される式VIIIの化合物中でのi又はvは下げられることができ、他方で、式I又はIIの使用される化合物自体は式VIIIの新しい化合物に変えられることができる。
【0081】
式Iのシリル化された化合物及び一般式Iの化合物のシリル化された誘導体は、
式II及び式IIIの化合物が互いに反応させられている反応混合物を、
又は式II又はIIIの化合物を、
式IIとIIIの化合物を互いに反応させる前、反応させてる間に又は反応させた後に、
又は式Iの少なくとも1種の化合物を、
シリル化試薬、例えばクロロシラン、アミノシラン、アルコキシシラン、ヒドロキシシラン、クロロトリアルキルシラン、アミノトリアルキルシラン、アルコキシトリアルキルシラン、ヒドロキシトリアルキルシラン、クロロトリアリールシラン、アミノトリアリールシラン、アルコキシトリアリールシラン、ヒドロキシトリアリールシラン又はクロロトリアリールアルキルシラン、アミノトリアリールアルキルシラン、アルコキシトリアリールアルキルシラン、ヒドロキシトリアリールアルキルシランと接触させることによるか、
又は式III中のZ−の選択を、式IIIの化合物がシリル化試薬をその構造中に持つように行うことにより、例として式III中の基Z−の選択を、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基から又はトリアリールアルキルシリル基の中から行うことによるか、
又はこの可能性の組合せを選択することにより製造され、その際、一般式IX
【化14】

[式中、
1及びR2は、上で定義したのと同じ意味をとってよく、
a、k、m、p及びqは、上で定義したのと同じ値をとってよく、
lは、2以上の整数値をとってよく、且つ好ましくは、2〜100の意味、有利には2〜30の意味、特に有利には2〜10の意味をとり、
xは、0以上の値をとってよく、且つ好ましくは、0〜20の意味、有利には0〜10の意味、特に有利には0、1又は2の意味をとり、
yは、0以上の値をとってよく、且つ好ましくは、0〜20の意味、有利には0〜10の意味、特に有利には0、1又は2の意味をとり、
zは、0以上の値をとってよく、且つ好ましくは、0〜10の意味、有利には0、1又は2の意味、特に有利には0の意味をとり、
x+y+zは、rの値をとり、
5は、ケイ素原子を介して結合されたシリル基、ケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基又は水素原子を表し、且つ
6は、Z5と同じ意味をとってよく、
ただし、基Z5又はZ6は、少なくとも部分的にシリル基から選択されていなければならない]の化合物が得られる。Z5は、有利には、ケイ素原子を介して結合されたシリル基又は水素、特に有利には水素を表す。Z6は、好ましくは、ケイ素原子を介して結合されたシリル基又はケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基、有利には、ケイ素原子を介して結合されたシリル基、特に有利には、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル又はメチルジフェニルシリルを表す。
【0082】
lは、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11〜30の意味をとってよい。
【0083】
x、y及びzは、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11〜20の意味をとってよい。
【0084】
好ましくは、この方法の場合、式IIの化合物として式IIaの化合物が使用され、且つ式IIIの化合物として式IIIa、IIIb、IV、V、VI、VII又はVIIIの化合物、有利には式IIIbの化合物、特に有利には構造1の化合物が使用される。
【0085】
6が、R13Siによって示されることが可能な基から選択された意味をとる場合、[O1/26]は(R13SiO1/2)によって示されることも可能であり、その際、qは1増大し、且つzは1低下する。xが0として、且つZ5が水素として選択される場合、式IXの化合物は式Iの化合物に相当する。例えばこれは、シリル化剤が構造R13Si−AGを有することによって達成されることができ、その際、基AGは、加水分解可能な脱離基を表す。好ましくは、式IIの化合物は、式IIIの化合物との反応前にシリル化剤と反応させられる。好ましくは、シリル化剤の物質量に、式IIIの使用される化合物中での基[OCH2SiR22]の物質量を加えた合計は、式IIの使用される化合物中でのSiOH基の物質量を基準として、化学量論的に又は準化学量論的に選択される。好ましくは、AGは、C6〜C20アルコキシ基、C6〜C20アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、窒素を介して結合された基、水素原子又は基OSiR13を表し、有利には、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、水素原子、基N(H)SiR13、基N(アルキル)SiR13、アミノ基、アルキルアミノ基、又はジアルキルアミノ基、イミダゾール基又は基OSiR13を表す。
【0086】
xが0より大きい式IXの化合物は、例えば、式IIIの化合物における構造要素[OCH2Si]対式IIの化合物におけるシラノール基の物質量比を基準として、過剰量の式IIIの化合物を使用することによって得られることができる。
【0087】
xが0より大きい式IXの化合物は、製造法の反応の過程で、式IIIの化合物における構造要素[OCH2Si]対式IIの化合物におけるシラノール基の物質量比を基準として、過剰量の式IIIの化合物が使用されない場合も中間体として生じることができる。
【0088】
式Iの化合物を、構造R13Si−AGを有するシリル化試薬と反応させた場合、同様に式Iに相当する生成物を得られることができ、その際、tは、シリル化された等価体に相当するOH基の数だけ低下し、且つqは、シリル化された等価体に相当するOH基の数だけ増大した。
【0089】
例えば、定義された含有量のヒドロキシル基(カルビノール基s+シラノール基tの合計)のみを有する樹脂を製造しようとする場合、所望のカルビノール含有量が得られるように、樹脂と一般式IIIの単位を有する化合物との比率が選択される。反応しなかった残りのSi−OH基は、一般式Iの有機官能性シロキサン中に残留してよく、又は、シラノール基、したがってヒドロキシル基の減少した含有量が所望されている場合には、一般式IIIの単位を有する少なくとも1種の化合物との反応前、反応中又は反応後に、例えば次の一般式X
【化15】

[式中
9は、水素、又は場合により−CN若しくはハロゲンで置換されたC1〜C10−炭化水素基を意味し、且つ
10は、水素、又は場合により−CN若しくはハロゲンで置換されたC1〜C10−炭素水素基を意味する]のシラザンと反応させられる。
【0090】
好ましくは、炭化水素基R9及びR10は、1〜5個の炭素原子を有する。殊に有利なのは、メチル基、エチル基及びビニル基である。R10として有利なのは水素である。
【0091】
式IIIの化合物として、一般式VI、VII又はVIIIの化合物(その際、式VI中のZ1、式VII中のZ2及び式VIII中のZ3のそれぞれは水素とは異なる)が式IIの化合物と反応させられる場合、Z3又はZ4が少なくとも部分的に水素とは異なる式VIIIの化合物が得られることができる。そのためZ3は、例えば、シリル基、シロキサニル基を表すか又は、場合により置換されたアルキル基、アリール基又はアシル基を表し、且つZ4は、シリル基又はシロキサニル基を表す。プロトン性化合物による加溶媒分解によって脱離可能である基Z3は、式VIIIの化合物の加溶媒分解によって部分的に又は完全に水素に変えられることができ、且つiは1にまで減少させられることができる。基Z3が完全に加溶媒分解され、且つiが1に減少させられる時、Z4が水素であるか又はwが0であるように選択した場合に式Iの化合物が得られる。同様に式IXの化合物中の基Z5は加溶媒分解によって部分的に又は完全に水素に変えられることができ、且つhは1にまで減少させられることができる。基Z5が完全に加溶媒分解され、且つiが1に減少させられる時、Z6を水素として又はzを0として選択した場合に式Iの化合物が得られる。
【0092】
本発明の対象はまた、シリル化剤の添加に際して得られることができる化合物又は中間体の加溶媒分解法、例えば一般式VIII又は式IXの化合物の加溶媒分解である。この方法は、シリル化された中間体若しくは化合物、例えば一般式VIII又はIXの化合物が、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール又はブタノール、その際、アルコールのn−、sec−、iso−又はtert−異性体が使用されることができる、シラノール、例えばトリエチルシラノール、OH官能性シロキサン(その際、OH官能性シロキサンとして、例えば式IIの化合物を使用してもよい)と、又は、式VIII中のZ3がアシル基を表す場合、第一級アミン又は第二級アミン、例えばアンモニア、ブチルアミン又はジエチルアミンとも、又はこれらの加溶媒分解試薬の1種以上を含有する混合物とも反応させられることを特徴としている。
【0093】
有利には、式VIII又はIXの化合物における加溶媒分解法の場合使用される。有利には、式VIIIの化合物における加溶媒分解法の場合、Z4が水素であるか又はwが0であるパラメーターが選択され、且つ基Z4の加溶媒分解が完全に実施され、且つiが加溶媒分解によって1に減少されることで、一般式Iの化合物が得られる。
【0094】
有利には、式IXの化合物における加溶媒分解法の場合、Z6が水素であるか又はzが0であるパラメーターが選択され、且つ基Z4の加溶媒分解が完全に実施され、且つiが加溶媒分解によって1に減少されることで、一般式Iの化合物が得られる。
【0095】
前述の方法は、好ましくは0℃〜250℃の温度で実施されることができる。しかしながら、有利には少なくとも10℃〜150℃の反応温度が使用され、殊に15℃〜120℃の温度が使用される。方法は、触媒作用なしで行われることができる。方法は、触媒を加えることで改善されることができる。これらの触媒は、酸性又は塩基性の化合物又は金属化合物であり、且つ反応時間のみならず反応温度も抑えることができることにつながる。その際、使用される触媒は、好ましくは無機若しくは有機のルイス酸若しくはルイス塩基、又は無機若しくは有機のブレンステッド酸若しくはブレンステッド塩基、有機金属化合物若しくはハロゲン化物塩である。有利な酸として、カルボン酸、部分エステル化されたカルボン酸、殊にモノカルボン酸、好ましくはギ酸若しくは酢酸、非エステル化の若しくは部分エステル化されたモノリン酸、オリゴリン酸若しくはポリリン酸、非加水分解若しくは部分加水分解された窒化塩化リン、スルホン酸、硫酸水素アルキル又は酸性イオン交換体が使用される。有利な塩基として、アルキルアンモニウムヒドロキシド、アンモニウムアルコキシド、アルキルアンモニウムフルオリド又はアミン塩基、グアニジン塩基又はアミジン塩基が用いられる。有利な金属化合物は、錫化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、ビスマス化合物又はチタン化合物である。有利な有機金属化合物は、有機錫化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物、有機ビスマス化合物又は有機チタン化合物である。有利な塩はテトラアルキルアンモニウムフルオリドである。
【0096】
使用される触媒は、シラノール基の官能化反応後、該触媒がSi−O−Si基の開裂をもたらし得る前に、好ましくは、いわゆる抗触媒又は触媒毒の添加によって不活性化され、蒸留、傾瀉、遠心分離又は濾過によって除去され、担体材料に吸着され、沈殿、錯化又は抽出される。この副反応は使用される触媒に依存し、且つ必ずしも起こる訳ではないので、場合によって触媒の不活性化又は除去は省いてもよい。触媒毒の例は、塩基が使用される場合、例えば酸であり、且つ酸が使用される場合、例えば塩基であり、これにより最終効果として単純な中和反応が生じることになる。触媒と触媒毒との間で生ずる相応する反応生成物は、生成物の使用に応じて、生成物から除去されるか又は生成物中に留まるかのいずれかであってよい。蒸留によって除去されることができる触媒の例は、カルボン酸、例えばギ酸又は酢酸、又はアミン塩基、アミジン塩基又はグアニジン塩基、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン又は1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである。蒸留、濾過によってか若しくは遠心分離によって除去されることができる触媒の例は、不均一触媒、例としてポリマーに担持された酸若しくは塩基、酸性若しくは塩基性のイオン交換体、又は酸性若しくは塩基性のアルミナである。吸着、錯化又は沈殿されることができる触媒の例は、錫化合物、亜鉛化合物又はチタン化合物である。有利には、蒸留によって生成物から除去されることができる触媒、特に有利には蒸留により除去可能な窒素塩基が使用される。蒸留により除去可能な触媒は、該触媒が、純粋物質としての触媒を尺度に測定して、300℃までの温度で、好ましくはせいぜい250℃で、有利にはせいぜい210℃で、特に有利にはせいぜい180℃で、少なくとも1hPa、好ましくは少なくとも10hPa、有利には少なくとも100hPa、特に有利には少なくとも1000hPaの蒸気圧を有することを特徴とする。
【0097】
一般式Iのヒドロキシアルキルポリシロキサンの製造法において、一般式IIIの単位を有するものとして使用される化合物の量は、一般式IIのオルガノシロキサン中の官能化されるべきシラノール基の量rに依存する。しかしながら、OH基の完全な官能化を達成しようとするならば、一般式IIIの単位を有する化合物が、nを基準として少なくとも等モルの量で加えられなければならない。一般式IIIの単位を有する化合物が過剰量で使用される場合、完全に反応した化合物は引き続き、場合により熱分解脱離後に、留去又は加溶媒分解され、有利には加水分解され、次いで場合により同様に留去されることができ、又は完全には反応しなかった過剰量の一般式IIIの化合物は、例えば公知の方法により除去されることができる。中間体として、例えば式VIIIの化合物が生じてもよく、それについて式IIIの化合物の完全に反応した過剰の等価体が熱分解又は加溶媒分解によって脱離され得ることで、式Iの化合物が得られることができる。
【0098】
そのうえ、本発明による方法において使用される式IIのオルガノポリシロキサンは、式IIIの化合物と又は方法の実施中に場合により中間体として生じる式VIIIの化合物と加水分解反応において反応し得る水を含有してよい。結果、式IIIの化合物が相応して過剰消費される。これは、相応して比較的多くの一般式IIIの化合物を使用することによって考慮され得、その際、有利には、水1モル当たりにつき、nを基準として、式IIIの単位2モルが付加的に添加される。例としてカールフィッシャー滴定法又はHeadspace−GC法のような水分測定方法が一般的に公知である。加水分解生成物として、例えば構造3の化合物又は1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン又は(ヒドロキシメチル)ジメチルシラノールが生じ得る。構造3の化合物は式IIIの化合物に分類され、それにより−記載した水に起因する過剰消費の問題を解決して−本発明による方法においてさらに反応することができる。1,3−ビス−(ヒドロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンは、式IIIの化合物には相当せず、それというのも、nがシロキサンの酸素原子の両側で1であり、且つ2個のケイ素原子のいずれも加水分解可能な基を持たないからである。加水分解生成物、例えば1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンは、本発明による方法の実施後に選択的に生成物中に残留してよいか又は、例として蒸留法若しくは真空を適用することによって、好ましくは加熱下で除去されることができる。代替的に、水は本発明による方法の実施前に、使用される式IIのオルガノポリシロキサンから適切な方法によって、例として蒸留、真空の適用、加熱、捕水剤、吸水剤による吸着、例えば分子篩若しくはアルミナ、塩、例えば硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム若しくは炭酸カリウムによる乾燥、又は乾燥法の組合せによって、例えば適した方法の組合せによって、例えば加熱と真空の適用との組合せによって(例えば薄膜蒸発器若しくは短路蒸発器を用いて可能であるように)除去されることができる。本発明による方法の実施前に水を除去することが有利である。その際、乾燥は、好ましくは、10000ppm未満の残留含水率に達するまで、有利には1000ppm未満の残留含水率に達するまで、特に有利には200ppm未満の残留含水率に達するまで実施される。
【0099】
その際、方法は、溶剤を含めて実施可能なだけでなく、或いはまた溶剤を用いずに適した反応器中で実施することも可能である。その際、場合により減圧下又は過圧下又は常圧(0.1MPa 絶対)下で作業される。方法は、連続的に又は不連続的に行われることができる。
【0100】
溶剤として、環式若しくは非環式の炭化水素、エーテル、エステル、アルコール、アミド、尿素誘導体又はハロゲン化有機化合物又は溶剤混合物が使用されることができる。溶剤が使用される場合、不活性、殊に非プロトン性の溶剤、例えば脂肪族炭化水素、例としてヘプタン又はデカン及び芳香族炭化水素、例としてトルエン又はキシレンが有利である。同様に、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はメチル−t−ブチルエーテルが使用されることができる。溶剤の量は、反応混合物の十分な均質化を保証するのに足りる量であるべきである。0.1MPaにて120℃までの沸点若しくは沸点範囲を有する溶剤又は溶剤混合物が有利である。
【0101】
アルコールが溶剤として使用される場合、これらは式IIIの種々の化合物を互いに変えることができる。
【0102】
そのため、例えばメタノール又はエタノールは、例えば構造1、2又は4の化合物と反応して式3の化合物を形成することができる。同様に、アルコール性溶剤は、式IIIの化合物における基ZをSi−OCH2結合位で、Zが式XR22Siの基から選択されていた場合、開裂することができ、それによってZは水素に変えられ、且つ場合によりnは減少し、場合によりn=1にまで下がる。アルコールの作用によって得られた式IIIの化合物も、本発明による方法において同様に使用されることができる。
【0103】
前述の方法の1つに従って製造された(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン又は(ヒドロキシメチル)ポリシロキサン樹脂は、イソシアネートとの反応のために、ウレタン、ポリウレタン又はポリウレタンコポリマーの製造のために、カルボン酸との若しくはカルボン酸誘導体との反応のために、又はエステル、ポリエステル又はポリエステルコポリマーの製造のために使用されることができる。
【0104】
前出の式の全ての前出の記号は、他に明示していない限りにおいて、それぞれ互いに無関係にそのものの意味を示す。
【0105】
次の実施例では、そのつど別記していない場合には、全ての量値及びパーセント値は質量を基準としており、全ての圧力は0.10MPa(絶対)であり、且つ全ての温度は20℃である。全ての粘度は25℃にて測定した。
【実施例】
【0106】
実施例1 一般式Iの化合物の製造
Me−シロキサン1000g(1H NMR分光法によって測定して2930g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基682.6ミリモルを有するポリジメチルシロキサン341.3ミリモルに相当)を、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)60.2g(341.3ミリモル)及びテトラメチルグアニジン(触媒)0.5g(Me−シロキサンを基準として500ppm)と20℃で反応させた。1H NMR及び29Si NMRは、2時間後に全てのSiOH基がSi−O−SiMe2−CH2OH単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。触媒を除去するために、粗生成物を薄膜蒸留によって(130℃、10mbar、400g/h)精製した。触媒は留出物となり、純粋なα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンが残った。
【0107】
実施例2 一般式Iの化合物の製造
テトラメチルグアニジン(触媒)0.36g(Me−シロキサンを基準として360ppm)を加えるという以外は、実施例1と同じように反応を行う。反応はそれに応じて、より緩慢に進行し、且つ6時間後に初めてSiOH基の完全な変換に達する。精製は実施例1と同じように行う。
【0108】
実施例3 一般式Iの化合物の製造
テトラメチルグアニジン(触媒)0.25g(Me−シロキサンを基準として250ppm)を加えるという以外は、実施例1と同じように反応を行う。反応はそれに応じて、より緩慢に進行し、且つ12時間後に初めてSiOH基の完全な変換に達する。精製は実施例1と同じように行う。
【0109】
実施例4 一般式Iの化合物の製造
シロキサン1000g(1H NMR分光法によって測定して900g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基2.222モルを有するシロキサン1.111モルに相当)を、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)196g(1.111モル)及びテトラメチルグアニジン(触媒)0.5g(シロキサンを基準として500ppm)と20℃で反応させた。1H NMR及び29Si NMRは、2時間後に全てのSiOH基がSi−O−SiMe2−CH2OH単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。触媒を除去するために、粗生成物を薄膜蒸留によって(130℃、10mbar、400g/h)精製した。触媒は留出物となり、純粋なα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンが残った。
【0110】
実施例5 一般式Iの化合物の製造
Me−シロキサン1000g(1H NMR分光法によって測定して2930g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基682.6ミリモルを有するポリジメチルシロキサン341.3ミリモルに相当)を、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)95%と2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサンのオリゴマー5%とから成る(全体で[OCH2(SiMe2)]単位683ミリモルに相当)混合物60.2g及びテトラメチルグアニジン(触媒)0.5g(Me−シロキサンを基準として500ppm)と20℃で反応させた。2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサンのオリゴマーは、主としてH−[O−CH2−SiMe2n−OH(n≧1;主としてn>>1;n>1における構造3の化合物に相当)及びH−[O−CH2−SiMe2n−O−[SiMe2−CH2−O]b−H(n=d、b=f、e=0;n≧1、b≧2、主としてn>>1及びb>>2の構造3の化合物に相当)とから成っていた。構造3の化合物は、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサンに湿分作用を与えることによって発生した。1H NMR及び29Si NMRは、8時間後に全てのSiOH基がSi−O−SiMe2−CH2OH単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。触媒を除去するために、粗生成物を薄膜蒸留によって(130℃、10mbar、400g/h)精製した。純粋なα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンが残った。この実施例は、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサンのみならず、そのオリゴマーもSiOH基の誘導体化に適していることを示す。
【0111】
実施例6 一般式Iの化合物の製造
ナトリウムメトキシド(触媒)0.1g(100ppm)をテトラメチルグアニジンの代わりに用いた以外は、実施例1と同じように反応を行う。反応混合物を20〜30℃で90分攪拌し、次いで触媒を化学量論量の酢酸の添加によって中和した(酢酸ナトリウムの形成)。該混合物を20〜30℃でさらに60分攪拌し、中和生成物のメタノールを減圧下で除去し、且つ沈殿した酢酸ナトリウムを濾過分離した。純粋なα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンが得られた。
【0112】
実施例7 一般式Iの化合物の製造
シリコーン油1000g(1:4のビニル:メチル比及び1H NMR分光法によって測定して2800g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基714.3ミリモルを有するポリジメチルシロキサン357.1ミリモルに相当)を、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)63.0g(357.2ミリモル)及びギ酸(触媒)100mgと70〜100℃で反応させた。1H NMR及び29Si NMRは、3時間後に全てのSiOH基がSi−O−SiMe2−CH2OH単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。引き続き、触媒の不活性化のために、トリエチルアミン500mgを反応溶液に加え、且つ80℃にて減圧下(5mbar)で短時間蒸留した。純粋なα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンが残った。
【0113】
実施例8 一般式VIIIの化合物の製造
シロキサン3.40g(1H NMR分光法によって測定して1336g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基5.09ミリモルを有するシロキサン2.545ミリモルに相当)を、2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)1.00g(5.67ミリモル)及び塩基性アルミナ(Brockmann Activity 1)(触媒)170mgと20℃で反応させた。混合物を120℃で2時間攪拌した。1H NMRは、2時間後に全てのSiOH基がSi−O−[(SiMe2−CH2−O)i−H]単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。
【0114】
実施例9 一般式Iの化合物の製造
実施例8に従って製造された生成物に、シロキサン4.17g(1H NMR分光法によって測定して1336g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基6.24ミリモルを有するシロキサン3.12ミリモルに相当)を混ぜた。混合物を120℃で2時間攪拌した。1H NMRは、2時間後に全てのSiOH基がSi−O−[(SiMe2−CH2−O)i−H]単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。アルミナを20℃に冷却した後に遠心分離除去し、純粋なα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンが上澄み中に残った。
【0115】
実施例10 一般式Iの化合物の製造
実施例8に従って製造された生成物に、水(加溶媒分解試薬、加水分解)1.00g及び1,4−ジオキサン2mLを混ぜた。混合物を還流のために2時間加熱した。1H NMRは、2時間後に全てのSiOH基がSi−O−[(SiMe2−CH2−O)i−H]単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた(本発明による)。加水分解の副生成物は1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(本発明によらない)であった。アルミナを20℃に冷却した後に遠心分離除去した。上澄みから1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを球管型蒸発器(130℃、0.1mbar)中で取り除いた。純粋なα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンが得られた。
【0116】
実施例11 構造3の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)11gに、数滴のメタノールを混ぜ、そして室温で24時間密封して保管した。NMR分析により、約30%が変化せずに存在し、残分(約70%)は構造HO−[O−CH2−SiR22n−OMeの化合物に変換されていることが示され、これは、Z=H、Y=OCH3、R2=Me及びn(平均値)=50の式IIIの構造若しくはd(平均値)=50、e=0、f=0及びR=Meの構造3に相当する。
【0117】
実施例12 一般式Iの化合物の製造
Me−シロキサン201.2g(1H NMR分光法によって測定して3557g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基113ミリモルを有するポリジメチルシロキサン56.6ミリモルに相当)を、化合物の2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1、約30%の割合)と、Z=H、Y=OCH3、R2=Me及びn(平均値)=50の式IIIのZ−[O−CH2−SiR22n−Yのオリゴマー(約70%の割合、構造3の化合物に相当)(実施例11からの生成物)との混合物と室温でテトラメチルグアニジン(触媒)0.39g(3.39ミリモル、約1800ppmに相当)の存在下で反応させた。1H NMR及び29Si NMRは、24時間後に全てのSiOH基がSi−O−SiMe2−CH2OH単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。触媒を除去するために、粗生成物を2時間のあいだ0.03トルで100℃に加熱した。残留物はα,ω−ビス(ヒドロキシメチル)ポリジメチルシロキサンから成っていた。
【0118】
実施例13 一般式Iの化合物の製造
Me−シロキサン201.2g(1H NMR分光法によって測定して3557g/モルのMnを有するα,ω−ビスヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサン;SiOH基113ミリモルを有するポリジメチルシロキサン56.6ミリモルに相当)を、化合物の2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1、約30%の割合)と、Z=H、Y=OCH3、R2=Me及びn(平均値)=50の式IIIのZ−[O−CH2−SiR22n−Yのオリゴマー(約70%の割合、構造3の化合物に相当)との混合物と50℃でテトラメチルグアニジン(触媒)0.106g(0.92ミリモル、約500ppmに相当)の存在下で反応させた。1H NMR及び29Si NMRは、60時間後に全てのSiOH基の94%がSi−O−SiMe2−CH2OH単位(ヒドロキシメチル単位)に変換されていたことを示していた。
【0119】
実施例14 構造4の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)1.41g(8.0ミリモル)及び窒化塩化リン(触媒)50mgを、20℃で18時間攪拌した。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1(混合物中での割合:90%、GC)に加えて、構造4p、4q、4r及び4sの化合物が検出可能であった(MS[m/z]:4p、264;4q、352;4r、440;4s、528;それぞれ[M+])。
【0120】
実施例15 構造4の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)1.76g(10.0ミリモル)及び窒化塩化リン(触媒)60mgを、100℃で7時間攪拌した。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1(混合物中での割合:71%、GC)に加えて、構造4p及び4qの化合物が検出可能であった(MS[m/z]:4p、264;4q、352;それぞれ[M+])。
【0121】
実施例16 構造4の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)3.50g(20.0ミリモル)及びTonsil(R)(触媒)180mgを、100℃で4時間攪拌した。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1(混合物中での割合:63%、GC)に加えて、構造4p、4q、4r及び4sの化合物が検出可能であった(MS[m/z]:4p、264;4q、352;4r、440;4s、528;それぞれ[M+])。
【0122】
実施例17 構造4の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)3.50g(19.8ミリモル)、オクタメチルシクロテトラシロキサン3.00g(10.1ミリモル)及び窒化塩化リン(触媒)60mgを、20℃で2時間攪拌した。溶液は粘性となった。混合物を、妨げずに20℃でさらに18時間放置した。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1(混合物中での割合:11%、GC)に加えて、構造4a〜4uの化合物、主に化合物4a〜eが検出可能であった。
【0123】
実施例18 構造4の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)3.50g(19.8ミリモル)、デカメチルシクロペンタシロキサン7.40g(20.0ミリモル)及び窒化塩化リン(触媒)0.12gを、20℃で25時間攪拌した。溶液は粘性となった。混合物を、妨げずに20℃でさらに18時間放置した。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1(混合物中での割合:24%、GC)に加えて、構造4a〜4uの化合物、主に化合物4a〜eが検出可能であった。
【0124】
実施例19 構造3の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)7.06g(40.0ミリモル)及び水(加溶媒分解試薬としてのR=HのROHに相当)36.0mg(2.00ミリモル)を、テトラヒドロフラン(THF)5mL中に溶解し、且つ20℃で2日間攪拌した。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1に加えて、化合物HOCH2SiMe2OH、HOCH2SiMe2OSiMe2CH2OH及びR=H、e=0、d≧1及びf≧2の構造3の化合物が検出可能であった。トリブチルアミン(触媒)0.07gの添加を伴う同様の実施も、同じ結果につながった。
【0125】
実施例20 構造3の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)0.948g(5.38ミリモル)をメタノール0.172g(5.38ミリモル)と混ぜ、そして室温で7日間密閉して保管した。化合物HOCH2Si(OMe)Me2の化合物並びに構造3の化合物(=オリゴマー、R=Me、e=0、f=0、d=≧2、特にd=2〜10)への変換が行われた;NMR分光法により測定したそれらの割合は全体で約89%であった;それ以外に、反応しなかった2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)11%を検出した。
【0126】
実施例21 構造3の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)0.948g(5.38ミリモル)をメタノール0.344g(10.6ミリモル)と混ぜ、そして室温で24時間密閉して保管した。化合物HOCH2Si(OMe)Me2の化合物並びに構造3の化合物(=オリゴマー、R=Me、e=0、f=0、d=≧2、特にd=2〜10)への変換が行われた;NMR分光法により測定したそれらの割合は全体で約91%であった;それ以外に、反応しなかった2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)9%を検出した。
【0127】
実施例22 構造3の化合物の製造
実施例18からの生成物混合物11.02gを、メタノール(加溶媒分解試薬としてのR=MeのROHに相当)0.64gと一緒に20℃で7日間攪拌した。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1(18%、GC)に加えて、構造4の化合物(45%、GC)及びR=Me、e≧0、d≧1及びf=0の構造3のHOCH2Si(OMe)Me2の化合物、主にe=1又は2且つd=1又は2の代表物質が検出可能であった。
【0128】
実施例23 構造4の化合物の製造
2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1,4−ジオキサシクロヘキサン(化合物1)3.50g(19.8ミリモル)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン4.45g(20.0ミリモル)及び窒化塩化リン0.12gを、20℃で1時間攪拌した。溶液は粘性となった。これに基づいて、GC及びGC/MCにより、化合物1(混合物中での割合:7%、GC)に加えて、構造4a〜4sの化合物が検出可能であった(GC:4a 38%、4b 11%、4c 1%、4d 2.5%、4e 14%、4k 1%、4u 4%;残分は、構造4の他の化合物から成っていた)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

の(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法であって、その際、一般式II
【化2】

のシラノール含有のオルガノシロキサンを、一般式III
【化3】

の少なくとも1個の単位を有する環式化合物又は非環式化合物と反応させ、その際、
1は、水素原子又は、場合によりQ1で置換された、場合により1個以上のヘテロ原子含有の基Q2によって中断された、環式又は非環式の、線状又は分枝鎖状の、芳香族又は脂肪族又はオレフィン性の、飽和又は不飽和のC1〜C20−炭化水素基又はC1〜C20−炭化水素オキシ基又はC4〜C40ポリエーテル基を意味し、
2は、場合によりQ1で置換された、場合により1個以上のヘテロ原子含有の基Q2によって中断された又は1個以上のヘテロ原子含有の基Q2を含有する、環式又は非環式の、線状又は分枝鎖状の、芳香族又は脂肪族又はオレフィン性の、飽和又は不飽和のC1〜C20炭化水素基又はC1〜C20炭化水素オキシ基又はC4〜C40ポリエーテル基又はSi1〜Si20シロキサニル基を意味し、
1は、ヘテロ原子含有の一価の基を意味し、
2は、ヘテロ原子含有の二価の基又はヘテロ原子含有の三価の基を意味し、
Zは、水素、基X−SiR22−を表すか、又はYと一緒になって結合電子対を表し、
Xは、基R2、シロキサン基又はYに対する結合電子対を表すか、又はYと結合していてよいか、又は、Xは、Yと一緒になって酸素原子を意味するか、又はYに結合した酸素原子を意味し、
Yは、R2又はQ1又はQ2の意味から選択された意味を取ってよいか、又はシロキサン基を表すか、又はヒドロキシ基を包含する加水分解可能な基を表すか、又はZと一緒になって結合電子対を表し、且つXを介してZと結合していてよく、且つ場合により置換された1個以上のシロキサン基によって中断されていてよいか、又はXと一緒になって酸素原子を意味し、
ただし、Yは、n=1の時、加水分解可能な基、又は少なくとも1個の加水分解可能な基を含むシロキサン基を意味するか、又はXと一緒になって酸素原子を意味するか、又はXと結合しているか、又はZと一緒になって結合を表し、
sは、少なくとも1の値をとり、
rは、少なくとも1の値をとり、
tは、少なくとも0の値をとり、
nは、少なくとも1の値をとり、
s+tの合計は、rの値をとり、
k、m、p、qは、0以上の値を意味し、ただし、k+m+p+qの合計は、少なくとも2の合計を意味し、
aは、0又は1の値をとる、前記一般式Iの(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法。
【請求項2】
前記式IIのシラノール含有オルガノシロキサン若しくはオルガノシロキサン樹脂として、次の式IIa:
【化4】

[式中、αは、2〜20000の整数値であり、
11は、メチル、エチル、ビニル、アリル又はフェニルを意味する]に従った化合物を使用することを特徴とする、請求項1記載の(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法。
【請求項3】
前記式IIIの化合物として、次の式IIIa
【化5】

[式中、R12は、メチル、エチル、ビニル、アリル、フェニル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、t−ペントキシ又はn−ヘキソキシの意味をとってよく、
且つn、Y及びZは、上で定義したのと同じ意味をとってよい]に従った化合物を使用することを特徴とする、請求項1又は2記載の(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法。
【請求項4】
前記式Iの生成物として、次の式Ia:
【化6】

[式中、αは、2〜20000の整数値を意味し、且つ
11及びR12は、上で定義した意味を有する]の化合物を製造し、その際、前記式IIaの化合物を、前記式IIIaの化合物と反応させることを特徴とする、請求項1記載の(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法。
【請求項5】
前記式IIIの使用される化合物の少なくとも1種を、次の一般式IV、V、VI、VII又はVIII
【化7】

[式中、
式VIII中のR1は、上で定義したのと同じ意味をとってよく、
式IV〜VIII中のR2は、上で定義したのと同じ意味をとってよく、
β、γ、δ、εは、上で定義したようなnと同じ意味をとってよく、
iは、2以上の整数値をとってよく、
式V中のjは、0以上の整数値を意味し、
式VIII中のk、m、p及びq及びそれらの上で定義した合計は、上で定義したのと同じ値をとってよく、
式VIII中のuは、1以上の値をとってよく、
式VIII中のvは、0以上の値をとってよく、
式VIII中のwは、0以上の値をとってよく、
式VI中のY1は、基R2、基−O−(SiR22−CH2−O)b1、水素原子又は加水分解可能な基、ただし、Y1は、式VI中のδが1の意味をとる場合、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基を包含する加水分解可能な基又は水素原子、又は基−O−(SiR22−CH2−O)bH、ここで、bは2以上である、を表し、
bは、1以上の値を表し、
式VII中のY2は、基R2、基−O−(SiR22−CH2−O)c2、水素原子又はヒドロキシ基を包含する加水分解可能な基を表し、
cは、1以上の値を表し、
1は、水素原子、ケイ素原子を介して結合されたシリル基又はケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基を表し、
2は、水素原子、ケイ素原子を介して結合されたシリル基、ケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基を表すか、又は−式VII中のεが2以上の値をとるか若しくはY2が加水分解可能な基である場合−場合によりQ1で置換されたか若しくは1個以上の基Q2によって中断されたアルキル基、アリール基又はアシル基を表し、
3は、水素原子、ケイ素原子を介して結合されたシリル基、ケイ素原子を介して結合されたシロキサニル基を表すか、又は−式VIII中のiが3以上の値をとる場合−場合によりQ1で置換されたか若しくは1個以上の基Q2によって中断されたアルキル基、アリール基又はアシル基を表し、
4は、Z1と同じ意味をとってよく、
aは、上で定義したのと同じ意味をとってよい]の化合物から選択することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の(ヒドロキシメチル)ポリシロキサンの製造法。
【請求項6】
前記式IIIの使用される化合物の少なくとも1種を、次の式IIIb
【化8】

[式中、R12は、上で定義したのと同じ意味をとってよく、且つ、その際にφは、1以上の整数値をとってよい]に従った化合物から選択することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
少なくともシリル化剤を添加し、且つ生じるシリル化された中間生成物を、プロトン性化合物による加溶媒分解によって前記式Iの化合物に変える、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記の関与した化合物の少なくとも1種を、構造R13Si−AGを有するシリル化剤と反応させ、その際、前記基AGが加水分解可能な脱離基を表す、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
過剰量の前記式IIIの化合物を使用し、且つ、その際に中間生成物として生じる前記式VIIIの化合物を、プロトン性化合物による加溶媒分解によって又は熱分解によって部分的に又は完全に前記式Iの化合物に変え、ここで、過剰量の意味とは、前記式IIIの使用される化合物中に存在する全構造単位[OCH2SiR22]の物質量が、前記式Iの使用される化合物中に存在する全構造単位[O1/2H]の物質量より高い値をとることである、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記一般式II又は前記一般式Iの少なくとも1種の化合物を含有する混合物を、過剰量の前記式IV、V、VI、VIIの化合物又は前記VIIIの第2の化合物と反応させ、ここで、過剰量の意味とは、前記式IV、V、VI、VIIの使用される化合物中又は前記式VIIIの第2の化合物中に存在する全構造単位[OCH2SiR22]の物質量が、前記式I及びIIの使用される化合物中に存在する全構造単位[O1/2H]の物質量より高い値をとることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法において使用可能な前記一般式VIIIの化合物の製造法。
【請求項11】
構造3
【化9】

[式中、dは、1以上の整数値、eは、0以上の整数値、e'は、0以上の整数値をとってよく、且つfは、0又は2以上の整数値をとってよく、且つ、その際にRは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル(1−メチルブチル又は1−エチルプロピル)、イソペンチル(2−メチルブチル又は3−メチルブチル)、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、ベンジル、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、シクロペンチル又はシクロへキシルの意味をとってよく、且つ、その際にRは、fが0ではない場合に水素を意味し、且つ、その際にdは、eが0であり、且つe'が0であり、且つfが0である場合に2以上の整数値をとってよい]を有する式IIIの化合物。
【請求項12】
構造4
【化10】

[式中、gは、1以上の整数値をとり、且つhは、0以上の整数値をとり、且つg+hの合計は、3以上の整数値をとってよい]を有する式IIIの化合物。
【請求項13】
構造1、2
【化11】

の化合物又は請求項12に記載の構造4を、水又はアルコールと反応させることを特徴とする、請求項11記載の前記構造3の化合物の製造法。
【請求項14】
請求項13記載の化合物1の貯蔵又は加熱を、製造される前記構造4の化合物における[SiMe2−O−]基の物質量の少なくとも合計に相当する[Me2SiO]等価体の物質量の存在下で行うことを特徴とする、請求項12記載の前記構造4の化合物の製造法。

【公表番号】特表2013−509465(P2013−509465A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535729(P2012−535729)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065451
【国際公開番号】WO2011/051108
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】