説明

(メタ)アクリル系共重合物およびそれを含む分散剤

【目的】
コーティング剤中の顔料とりわけカーボンブラック、金属微粉末、金属化合物微粉末、金属コロイドのような種々の微粒子を均一に分散するのに有効な成分である(メタ)アクリル系共重合物、その共重合物を含んだ分散剤およびコーティング剤を提供する。
【構成】
(メタ)アクリル系共重合物は、窒素非含有の中性(メタ)アクリレート系単量体(A)の10〜85重量部と、アミノ基、アンモニウム基、またはアミド基を有する窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)の10〜60重量部と、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)の10〜60重量部と、末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー(D)の5〜30重量部とが、共重合し、その平均分子量が2,000〜500,000である。分散剤は、前記の(メタ)アクリル系共重合物を含んでいる。コーティング剤は、分散剤が、含まれ、媒体中で微粒子を分散させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング剤に含有され微粒子を分散させるために用いられる(メタ)アクリル系共重合物、およびそれを含む分散剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建材や電化製品部材等の表面を塗装する塗料やインキ等のコーティング剤は、顔料や金属微粉末等の微粒子を含んでいる。色むらのない塗装を行うために、微粒子をコーティング剤中で均一に分散させておく必要がある。
【0003】
微粒子を均一に分散させる手段のひとつとして、コーティング剤に重合物を添加する方法が知られている。このような重合物として、例えば特許文献1にアミノ基を含むウレタン化合物が記載され、特許文献2にアクリル系重合物のイソシアネート変性物が記載され、特許文献3にリン酸エステル誘導体が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平1−139132号公報
【特許文献2】特開昭63−51487号公報
【特許文献3】特開昭63−51469号公報
【0005】
従来の重合物をコーティング剤に含有させたとき、凝集力が低い一部の顔料を短時間で効果的に均一に分散させることができるが、多数の汎用顔料、中でも凝集力が強いカーボンブラックを短時間で分散できず、長時間混練して均一に分散させなければならなかった。しかも、折角分散させたこの塗料を長期間貯蔵すると、再凝集してしまう。そのため、塗膜に色むらが生じたり、光沢が低下してしまったりするという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、コーティング剤中の顔料とりわけカーボンブラック、金属微粉末、金属化合物微粉末、金属コロイドのような種々の微粒子を均一に分散するのに有効な成分である(メタ)アクリル系共重合物、その共重合物を含んだ分散剤およびコーティング剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の(メタ)アクリル系共重合物は、窒素非含有の中性(メタ)アクリレート系単量体(A)の10〜85重量部と、アミノ基、アンモニウム基、またはアミド基を有する窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)の10〜60重量部と、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)の10〜60重量部と、末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー(D)の5〜30重量部とが、共重合し、その平均分子量が2,000〜500,000であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の(メタ)アクリル系共重合物は、前記中性(メタ)アクリレート系単量体(A)が、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレート類;炭素数2〜18のアルケニル基を含有するアルケニル(メタ)アクリレート類;炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を含有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;炭素数1〜18のアルキル基を含有した、アルキルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;炭素数2〜18のアルケニル基を含有した、アルケニルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルケニルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも一種であり、
【0009】
前記窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)が、(メタ)アクリルアミド類、下記化学式〔I〕
【0010】
【化1】

【0011】
(式〔I〕中、-Rは水素原子またはメチル基、-Rおよび-Rは、同一または異なる水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、mは2〜8の数)で表されるアミノアルキル(メタ)アクリレート類、その塩;下記化学式〔II〕
【0012】
【化2】

【0013】
(式〔II〕中、-Rは水素原子またはメチル基、-R、-Rおよび-Rは、同一または異なり、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、nは2〜8の数、Xは、ハロゲン化物イオン、無機酸の陰イオン、または有機酸の陰イオン)で表される4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも一種であり、
【0014】
前記カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)が、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリロイロキシ基含有コハク酸類、(メタ)アクリロイロキシ基含有フタル酸類、末端に(メタ)アクリロイロキシ基を含有する炭素数2〜20の脂肪酸類から選ばれる少なくとも一種であり、
【0015】
前記マクロモノマー(D)が、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリアルケニル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエステルマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の(メタ)アクリル系共重合物は、前記窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)が、環状アミド基を含有する前記(メタ)アクリルアミド類であることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の(メタ)アクリル系共重合物は、前記数平均分子量が4,000〜100,000であることを特徴とする。
【0018】
同じく請求項5に記載の本発明の分散剤は、前記の(メタ)アクリル系共重合物を含んでいることを特徴とする。
【0019】
同じく請求項6に記載の本発明のコーティング剤は、分散剤が、含まれ、媒体中で微粒子を分散させていることを特徴とする。
【0020】
同じく請求項7に記載のコーティング剤は、微粒子が、顔料、金属微粉末、金属化合物微粉末、および/または金属コロイドであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の(メタ)アクリル系共重合物は、顔料、金属微粉末、金属化合物微粉末、金属コロイドのような微粒子を、迅速に、しかも均一かつ長期間安定に分散させる分散剤の成分として有効な化合物である。この分散剤と、微粒子とを含むコーティング剤は、分散剤が微粒子を沈降させずまた凝集させないので、塗装の際に再分散のための煩雑な攪拌操作を必要とせず、塗装後に色むらや光沢の低下を引き起こさない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の(メタ)アクリル系共重合物、分散剤、およびコーティング剤の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
(メタ)アクリル系共重合物は、中性(メタ)アクリレート系単量体(A)の10〜85重量部、窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)の10〜60重量部、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)の5〜30重量部、およびマクロモノマー(D)の5〜30重量部を、重合開始剤や活性エネルギー線の存在下、共重合させて、合成される。分散剤は、この(メタ)アクリル系共重合物を、キシレン等の不活性溶剤に溶解させて、調製される。コーティング剤は、例えば(メタ)アクリル系共重合物1.05重量部を含むこの分散剤、コーティング剤用樹脂82重量部、微粒子の3.5重量部、コーティング剤用溶剤の14.5重量部を混合して、調製したものである。
【0024】
中性(メタ)アクリレート系単量体(A)が10重量部未満の場合には、コーティング剤中のコーティング用樹脂への溶解性が悪くなり、コーティング剤の用途が限定されてしまう。一方85重量部を超える場合には、顔料の分散速度および分散安定性が低下する。
【0025】
中性(メタ)アクリレート系単量体(A)は、置換基を有していてもよい窒素非含有(メタ)アクリレート系単量体が挙げられる。
【0026】
例えば、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレート類や炭素数2〜18のアルケニル基を含有するアルケニル(メタ)アクリレート類、より具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、それらの不飽和誘導体;
炭素数2〜4のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、より具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;
アルキルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルケニルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルケニルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、より具体的にはメトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリオキシエチレンノニルフェノール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0027】
窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)が10重量部未満の場合には、顔料との親和性が少なくなり、顔料を完全に分散させることができない。一方、60重量部を超える場合には、これを含むコーティング剤で塗装した塗膜の耐水性、耐食性が低下する。
【0028】
窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)は、(メタ)アクリルアミド類、より具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド;
【0029】
前記化学式〔I〕で表されるアミノアルキル(メタ)アクリレート類、より具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート;
【0030】
前記化学式〔II〕で表され、1分子中に4級アンモニウム基と(メタ)アクリロイル基とをひとつずつ有する4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート類、より具体的には2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエタノールアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルフェニルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。なお、化学式〔II〕の第4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレートとして、対イオンX-がCl-のものを挙げたが、対イオンがBr-、I-、F-、HSO4-、SO42-、NO3-、PO43-、HPO43-、H2PO4-、C65SO3-、OH-のような別なイオンであるものであってもよい。
【0031】
窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)は、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルピペリジン、(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリロイルεカプロラクタム、(メタ)アクリロイルN'−メチル−ピペラジン、(メタ)アクリロイルチオモルホリンのように環状アミド基を含有する(メタ)アクリルアミド類であると、顔料に対する吸着効果が高いであるため一層好ましい。
【0032】
カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)が10重量部未満の場合には、顔料との親和性が少なくなり、顔料を完全に分散させることができない。一方、60重量部を超える場合には、塗膜の耐水性、耐食性が低下する。
【0033】
カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)は、遊離のカルボキシル基または造塩したカルボキシル基を有するもので、より具体的には、アクリル酸やメタクリル酸である(メタ)アクリル酸類、アクリロイロキシエチルコハク酸、メタクリロイロキシエチルコハク酸のような(メタ)アクリロイロキシ基含有コハク酸類、アクリロイロキシエチルフタル酸、メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸のような(メタ)アクリロイロキシ基含有フタル酸類が挙げられる。
【0034】
マクロモノマー(D)が5重量部未満の場合には、顔料を完全に分散させることができない。一方、30重量部を超える場合には、顔料の分散速度がかえって低下する。
【0035】
マクロモノマー(D)の数平均分子量は2,000〜20,000であることが好ましい。2,000より低い場合には、顔料の分散安定性が悪くなる傾向がある。20,000より高い場合には、分散剤の粘度が高くなりすぎ、実用的でない。
【0036】
マクロモノマー(D)は、末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーであって、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリアルケニル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエステルマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、より具体的には、マクロモノマーAA−6(末端基:メタクリロイル基、セグメント:メチルメタクリレート、数平均分子量:6000;東亞合成化学工業(株)製の商品名)、マクロモノマーAW−6S(末端基:メタクリロイル基、セグメント:イソブチルメタクリレート、数平均分子量:6000;東亞合成化学工業(株)製の商品名)、マクロモノマーAB−6(末端基:メタクリロイル基、セグメント:ブチルアクリレート数、平均分子量:6000;東亞合成化学工業(株)製の商品名)、マクロモノマーAS−6(末端基:メタクリロイル基、セグメント:スチレン換算の数平均分子量:6000;東亞合成化学工業(株)製の商品名)が挙げられる。
【0037】
(メタ)アクリル系共重合物の数平均分子量は、4,000〜100,000が好ましい。分子量が4,000より低い場合には、塗膜の物性が低下するおそれがある。100,000より高い場合には、分散剤の粘度が高くなり過ぎて、取り扱い難くなることがある。(メタ)アクリル系共重合物の数平均分子量は、特に6,000〜50,000が好ましい。その分子量は、アルキルメルカプタン等の重合調整剤を添加して共重合させることにより、適切に調節できる。
【0038】
この(メタ)アクリル系共重合物は、溶液重合により製造されることが好ましい。具体的には、(メタ)アクリレート系単量体(A)と、窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)と、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)と、マクロモノマー(D)とを、重合開始剤の存在下、適当な不活性溶媒中で重合させ、(メタ)アクリル系共重合物を製造する。その反応温度は70〜150℃、好ましくは80〜130℃である。反応時間は1〜15時間、好ましくは4〜8時間である。
【0039】
この(メタ)アクリル系共重合物ラジカル重合開始剤存在下、溶媒中に滴下して加熱することでランダム重合させる。または、(メタ)アクリレート系単量体(A)と、窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)と、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)と、マクロモノマー(D)とを、ブロック共重合開始剤存在下、別々に溶媒中に滴下して加熱することでブロック共重合させて生成してもよい。
【0040】
前記ラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ化合物等一般にラジカル重合に用いられる開始剤を使用することができる。具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドであるパーブチルD(日本油脂(株)製の商品名)、パーブチルO(日本油脂(株)製の商品名)、パーテトラA(日本油脂(株)製の商品名)の有機過酸化物が挙げられる。
【0041】
前記ブロック共重合開始剤は、2段分解型2官能開始剤、例えば1,1−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサンが挙げられる。
【0042】
不活性溶剤は、得られる(メタ)アクリル系共重合物を溶解することができ、かつ塗料、インキ等のようなコーティング剤に混和できるものが好ましい。具体的にはキシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族溶剤、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のセロソルブアセテート系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤等である。また、水、水と混和性を有する溶剤、エタノール、イソプロパノール等のアルコール形容剤等である。これらの不活性溶剤は単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0043】
コーティング剤は、酸化チタン・酸化鉄・酸化亜鉛・酸化クロムのような金属酸化物系顔料、複合酸化物系顔料、黄鉛・モリブデートオレンジのようなクロム酸塩系顔料、リトポン・硫化亜鉛・カドミウムイエロー・カドミウムレッド・バーミリオンのような硫化物系顔料、群青・紺青のような金属錯塩系顔料、アルミニウム顔料・ブロンズ粉・亜鉛末・ステンレス粉・ニッケル粉のような金属分顔料、ITO・ATO・ZnOのような導電性顔料、示温顔料、畜光顔料、魚燐箔・塩基性炭酸鉛・酸塩化ビスマス・二酸化チタン被覆雲母・酸化鉄被覆雲母のような真珠顔料、染付けレーキ系顔料・アゾ系顔料・縮合多環系顔料のような有機顔料、金コロイド・銀コロイド・銅コロイド・白金コロイドのような金属コロイドで例示される微粒子;アクリルポリオール樹脂のようなコーティング剤用樹脂;シンナーのようなコーティング剤用溶剤;必要に応じて添加剤が混合されたもので、塗料やインキとして用いられる。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を適用する実施例について、詳細に説明する。
【0045】
(合成実施例1)
環流冷却器、温度計、撹拌機、および滴下槽を備えた容器に、キシレン50重量部を入れて、液温を100℃に保温した。窒素雰囲気下で、エチルアクリレート25重量部、マクロモノマーAA−6(メチルメタクリレートマクロモノマー、東亜合成化学工業(株)社製)5重量部、ライトエステルDQ−100(ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物 共栄社化学(株)社製)10重量部、メタクリル酸10重量部、ドデシルメルカプタン0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部の混合溶液を約3時間かけてキシレンに滴下した。滴下終了後、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を加え、100℃で2時間反応させ(メタ)アクリル系共重合物を合成し、分散剤としてこの(メタ)アクリル系共重合物含有溶液を得た。この共重合物の数平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィーで測定し、スチレンで換算したところ43,000であった。
【0046】
(調製実施例1a)
アクリディックA−801(アクリルポリオール樹脂、不揮発成分50%、溶剤:トルエンおよび酢酸ブチル、水酸基価:50、大日本インキ化学工業(株)社製)の34gと、カーボンブラックであるFW−200(デグサ(株)社製)の4.5gと、シンナー(キシレン/酢酸ブチル=70/30)19.5gと、前記合成実施例1で得た(メタ)アクリル系共重合物をキシレン非含有換算値で1.35gと、直径1.5〜2.0mmのガラスビーズ200gとを、225mlのガラス瓶に加え、ペイントシェイカー(レッドデビル(株)社製)により1時間撹拌した。1時間後、さらにアクリディックA−801の71.6gを加えて、レッドダウンしてガラスビーズを濾別し、カーボンブラックFW−200が分散したコーティング剤の主剤を調製した。
【0047】
(調製実施例1b)
また、FW−200に代えて同じくカーボンブラックであるBP−1300(キャボット(株)社製)を用いたこと以外は、同様にしてBP−1300が分散したコーティング剤の主剤を調製した。
【0048】
調製実施例1aおよび1bで得た2種類のコーティング剤の主剤について、その粘度、粒度分布、顔料の凝集、塗膜の光沢を測定し、物性評価を行なった。
【0049】
粘度評価は、以下に述べる測定方法によって行った。コーンプレート型粘度計E型(トキメック(株)社製)を用い、コーティング剤の主剤について1.92秒、19.2秒、192秒当たりのずり速度を測定し、粘度を評価した。
【0050】
粒度分布評価は、以下に述べる測定方法によって行った。動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所製)を用い、コーティング剤の主剤について10%、50%、90%通過の粒径をそれぞれ測定し、粒度分布を評価した。
【0051】
顔料凝集評価は、以下に述べる方法によって行った。コーティング剤の主剤の10gを50ml(直径35mm、高さ78mm)のスクリュー管に量りとり、その内壁を主剤で十分に濡らしてから24時間静置した後、内壁での凝集の有無を目視で観察した。
【0052】
塗膜光沢評価は、以下に述べる測定方法によって行った。コーティング剤の主剤100重量部と、硬化剤であるスミジュールN−75(住友バイエルウレタン(株)社製)17.6重量部とを、混合してからシンナーで希釈し、フォードカップ#4で12秒となるように調製し、コーティング剤である塗料を得た。この塗料をエアースプレーを用いて、ブリキ板にスプレー塗装した。24時間自然乾燥させた後、光沢計を用いて塗板の20°グロスを測定し、光沢感を評価した。
【0053】
調製実施例1aのコーティング剤の主剤の評価結果を表1に、調製実施例1bのコーティング剤の主剤の評価結果を表2に、夫々示す。
【0054】
(調製実施例1c)
キシレン70g、金属化合物微粉末である超微粒子ルチル型酸化チタン STR−60C(堺化学工業製)20g、前記合成実施例1で得た(メタ)アクリル系共重合物のキシレン溶液10g、および直径0.5〜1.0mmのガラスビーズ100gを225mlのガラス瓶に加え、ペイントシェイカー(レッドデビル(株)社製)により1時間撹拌した。ガラスビーズを濾別し、ルチル型酸化チタンが分散したコーティング剤の主剤を調製した。
【0055】
調製実施例1cで得たコーティング剤の主剤について、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所製)を用い、50%通過の粒径を測定し、粒度を評価した。その結果を表3に示す。
【0056】
(調製実施例1d)
1000mMの塩化金酸水溶液10mlをビーカーにとり、アセトン90mlで希釈した後、前記合成実施例1で得た(メタ)アクリル系共重合物のキシレン溶液1gを溶解させた。ジメチルアミノエタノールを5ml加えて、鮮やかで濃厚な赤色の金コロイド溶液を得た。得られた金コロイド溶液を減圧下に加熱し、アセトンを除去した。アセトン量の減少に伴い、前記(メタ)アクリル系共重合物で保護された金コロイドが、析出・沈殿した。上澄みの水層をデカンテーションで除去し、更にイオン交換水で沈殿物を洗浄した後、完全に乾燥させて、中間体として金の固体ゾルを得た。得られた固体ゾルは、金属光沢を示した。濃度は、高分子量顔料分散剤1kgあたり、10molであった。得られた金の固体ゾルをトルエン10mlに加えて攪拌し、固体ゾルを完全に分散させて、濃厚で鮮やかな赤色の金コロイドのトルエン液(オルガノゾル)を得た。この金コロイド液は、3カ月以上貯蔵しても、色の変化や沈殿の生成がなく、極めて安定であった。その結果を表4に示す。
【0057】
以下に、別な合成実施例および調製実施例を示す。
【0058】
(合成実施例2)
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、2−エチルヘキシルメタクリレート20重量部、メトキシジエチレングリコールメタクリレート5重量部、マクロモノマーAB−6(ブチルアクリレートマクロモノマー、東亜合成化学工業(株)社製)5重量部、ライトエステルDQ−100(ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物 共栄社化学(株)社製)10重量部、アクリル酸10重量部、ドデシルメルカプタン1重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は21,000であった。
【0059】
(調製実施例2a〜2d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、合成実施例2で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0060】
(合成実施例3)
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート15重量部、マクロモノマーAA−6の5重量部、ライトエステルDQ−100の10重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10重量部、アクリロイロキシエチルコハク酸10重量部、ドデシルメルカプタン2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は14,000であった。
【0061】
(調製実施例3a〜3d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、合成実施例3で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0062】
(合成実施例4)
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート15重量部、マクロモノマーAA−6の5重量部、アクリロイルモルホリンの10重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10重量部、アクリロイロキシエチルコハク酸10重量部、ドデシルメルカプタン2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は14,000であった。
【0063】
(調製実施例4a〜4d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、合成実施例4で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0064】
(比較合成例1)
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート25重量部、ライトエステルDQ−100の10重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート7.5重量部、メタクリル酸7.5重量部、ドデシルメルカプタン2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は18,000であった。
【0065】
(比較調製例1a〜1d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例1で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0066】
(比較合成例2)
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ラウリルメタクリレート46重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート2重量部、アクリル酸2重量部、ドデシルメルカプタン、0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。共重合物の数平均分子量は32,000であった。
【0067】
(比較調製例2a〜2d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例2で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0068】
(比較合成例3)
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート7.5重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート35重量部、メタクリル酸7.5重量部、ドデシルメルカプタン0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は24,000であった。
【0069】
(比較調製例3a〜3d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例3で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0070】
(比較合成例4)
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート7.5重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート7.5重量部、メタクリル酸35重量部、ドデシルメルカプタン0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。共重合物の数平均分子量は24000であった。
【0071】
(比較調製例4a〜4d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例4で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0072】
(比較合成例5)
合成実施例1での(メタ)アクリル系共重合物に代えて、Disperbyk 160(カチオン性ポリウレタン系重合物、ビックケミー(株)社製)を用いたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。
【0073】
(比較調製例5a〜5d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例5で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0074】
(比較合成例6)
合成実施例1での(メタ)アクリル系共重合物に代えて、Anti−tera U(長鎖ポリアミノアミドと高分子量酸エステルとの塩、ビックケミー(株)社製)を用いたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。
【0075】
(比較調製例6a〜6d)
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例6で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0076】
(ブランク調製)
なお、調製実施例1での(メタ)アクリル系共重合物を用いなかったこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、ブランク試料を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【0080】
【表4】

【0081】
表1〜2から明らかな通り、本発明を適用する合成実施例の(メタ)アクリル系共重合物を含む分散剤を用いて調製された調製実施例の顔料含有コーティング剤は、本発明を適用外の比較調製例やブランクのコーティング剤よりも、簡便かつ確実に調製でき、粘度が低く、粒度分布が小さい。しかも瓶の内壁に顔料の凝集がなく、塗膜の光沢が向上している。したがって、合成実施例で得られた本発明の(メタ)アクリル系共重合物は、顔料微粒子の分散剤として有効であることが確認された。
【0082】
表3から明らかな通り、合成実施例の(メタ)アクリル系共重合物を含む分散剤を用いて調製された調製実施例の金属化合物微粉末含有コーティング剤は、本発明を適用外の比較調製例やブランクのコーティング剤よりも、簡便かつ確実に調製でき、粒度が小さい。したがって、合成実施例で得られた本発明の(メタ)アクリル系共重合物は、金属化合物微粉末の分散剤として有効であることが確認された。
【0083】
また、表4から明らかな通り、また、合成実施例の(メタ)アクリル系共重合物を含む分散剤を用いて調製された調製実施例の金属コロイド含有コーティング剤は、本発明を適用外の比較調製例やブランクのコーティング剤よりも、簡便かつ確実に調製でき、色の変化や沈殿の生成がなく、極めて安定であった。したがって、合成実施例で得られた本発明の(メタ)アクリル系共重合物は、金属コロイドの分散剤として有効であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の(メタ)アクリル系共重合物は、顔料とりわけカーボンブラック、金属微粉末、金属化合物微粉末、金属コロイドのような種々の微粒子を均一に分散させる分散剤の成分として用いられる。この分散剤は、コーティング剤に添加される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素非含有の中性(メタ)アクリレート系単量体(A)の10〜85重量部と、アミノ基、アンモニウム基、またはアミド基を有する窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)の10〜60重量部と、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)の10〜60重量部と、末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー(D)の5〜30重量部とが、共重合し、その平均分子量が2,000〜500,000であることを特徴とする(メタ)アクリル系共重合物。
【請求項2】
前記中性(メタ)アクリレート系単量体(A)が、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレート類;炭素数2〜18のアルケニル基を含有するアルケニル(メタ)アクリレート類;炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を含有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;炭素数1〜18のアルキル基を含有した、アルキルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;炭素数2〜18のアルケニル基を含有した、アルケニルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルケニルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも一種であり、
前記窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)が、(メタ)アクリルアミド類、下記化学式〔I〕
【化1】

(式〔I〕中、-Rは水素原子またはメチル基、-Rおよび-Rは、同一または異なる水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、mは2〜8の数)で表されるアミノアルキル(メタ)アクリレート類、その塩;下記化学式〔II〕
【化2】

(式〔II〕中、-Rは水素原子またはメチル基、-R、-Rおよび-Rは、同一または異なり、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、nは2〜8の数、Xは、ハロゲン化物イオン、無機酸の陰イオン、または有機酸の陰イオン)で表される4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも一種であり、
前記カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)が、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリロイロキシ基含有コハク酸類、(メタ)アクリロイロキシ基含有フタル酸類、末端に(メタ)アクリロイロキシ基を含有する炭素数2〜20の脂肪酸類から選ばれる少なくとも一種であり、
前記マクロモノマー(D)が、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリアルケニル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエステルマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル系共重合物。
【請求項3】
前記窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)が、環状アミド基を含有する前記(メタ)アクリルアミド類であることを特徴とする請求項2に記載の(メタ)アクリル系共重合物。
【請求項4】
前記数平均分子量が4,000〜100,000であることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル系共重合物。
【請求項5】
請求項1に記載の(メタ)アクリル系共重合物を含んでいることを特徴とする分散剤。
【請求項6】
請求項5に記載の分散剤が、含まれ、媒体中で微粒子を分散させていることを特徴とするコーティング剤。
【請求項7】
微粒子が、顔料、金属微粉末、金属化合物微粉末、および/または金属コロイドであることを特徴とする請求項6に記載のコーティング剤。

【公開番号】特開2007−8973(P2007−8973A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187775(P2005−187775)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000162076)共栄社化学株式会社 (67)
【Fターム(参考)】