説明

(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは有効な鎮痛剤である

本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンならびに疼痛およびニコチン性アセチルコリン受容体に関わるその他の障害を治療するためのその使用を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンおよび疼痛、特に、神経障害性の疼痛を治療するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
医学界においては、強力でかつ有効な鎮痛剤のための研究が、顕著な研究成果を求めて続けられている。相当数の医学的障害および状態が、障害または状態の一部として疼痛を引き起す。この疼痛の除去は、全体の障害または状態を改善または治療することの重要な側面である。疼痛およびその可能な緩和は、また、個々の患者の精神状態および健康状態に原因がある。
【0003】
オピオイドおよび非オピオイド薬は、鎮痛剤の2つの大きな分類である(A.Dray ;および L.Urban、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.、36:253−280、(1996年))。モルヒネ等のオピオイドは、脳におけるオピオイド受容体において、脳および脊髄における疼痛のシグナルの伝達を阻止するために作用する。(N.I.Cherney、Drug、51:713−737、(1996年))。非ステロイド抗炎症剤(NSAID)等の非オピオイドは、一般的に、然し、排他的ではなしに、脳に対する疼痛のシグナルを促進する神経終末の感作を妨げるためにプロスタグランジンの産生を妨害する(Dray、et al.、Trends in Pharmacol.Sci.、15:190−197、(1994年):T.J.Carty ;および A.Marfat、「COX−2 Inhibitors.Potential for reducing NSAID side−effects in treating inflammatory diseases」、Emerging Drugs:Prospect for Improved Medicines.(W.C Bowman、J.D.Fitzgerald、;および J.B.Taylor、eds.)、Ashley Publications Ltd.、London、Chap.19.、pp.391−411)。
【0004】
鎮痛剤以外の主たる治療適応を持つある種の化合物は、幾つかのタイプの疼痛管理において有効であることが示されている。これらは、鎮痛補助剤として分類され、三環系抗鬱薬(TCA)およびガバペンチン等の幾つかの抗痙攣薬を含む(Williams et al.、J.Med.Chem.、42:1481−1500 (1999年))。それらは、疼痛、特に、損傷、放射線または病気による神経損傷が原因の疼痛の治療のためにますます使用されている。
【0005】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、疼痛およびニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関わる障害の治療において有効性を有する新規な化合物である。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、また、疼痛およびニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関わる障害を治療するために、モルヒネ等のオピオイド、アスピリン等の非ステロイド抗炎症剤、三環系抗鬱薬またはガバペンチンまたはプレガバリン等の抗痙攣薬と組み合わせて投与する時に有効性を有することができる。
【0006】
WO01−81347は、鎮痛剤であるジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンを開示している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグおよび疼痛、特に、神経障害性の疼痛を治療するためのその使用を開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
その主な実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグを開示する。
【0009】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を哺乳類に投与することを含む、神経障害性の疼痛を含むがこれに限定されない疼痛の治療方法に関する。
【0010】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を、モルヒネを含むがこれに限定されないオピオイドと組み合わせて哺乳類に投与することを含む、神経障害性の疼痛を含むがこれに限定されない疼痛の治療方法に関する。
【0011】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を、アスピリンを含むがこれに限定されない非ステロイド抗炎症剤と組み合わせて哺乳類に投与することを含む、神経障害性の疼痛を含むがこれに限定されない疼痛の治療方法に関する。
【0012】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を、ガバペンチンまたはプレガバリンを含むがこれに限定されない抗痙攣薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む、神経障害性の疼痛を含むがこれに限定されない疼痛の治療方法に関する。
【0013】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を、三環系抗鬱薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む、神経障害性の疼痛を含むがこれに限定されない疼痛の治療方法に関する。
【0014】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を哺乳類に投与することを含む、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶機能障害、トゥーレット症候群、睡眠障害、注意欠陥多動性障害、神経変性、炎症、神経保護、不安症、鬱病、躁病、統合失調症、拒食症およびその他の摂食障害、AIDS誘発痴呆、癲癇、尿失禁、薬物乱用、禁煙または炎症性腸症候群の治療方法に関する。
【0015】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩を、薬剤として許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0016】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの治療的に有効な量を非ステロイド抗炎症剤と組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物に関する。
【0017】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの治療的に有効な量をオピオイドと組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物に関する。
【0018】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの治療的に有効な量を三環系抗鬱薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物に関する。
【0019】
その他の実施形態においては、本発明は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの治療的に有効な量を抗痙攣薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物に関する。
【0020】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの調製
【0021】
(実施例1)
t−ブチル(1R,5S)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−カルボキシレート
【0022】
(実施例1A)
ベンジル2,2−ジメトキシエチルカルバメート
ベンジルクロロホルメート(231.3g、1.3モル)を、トルエン(750mL)中のアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(152.0g、1.3モル)および水性NaOH(72.8g、1.82モル;水375mL中)の混合物に、10〜20℃で徐々に添加した。添加が完了後、混合物を周囲温度で約4時間攪拌した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し(2×100mL)、濃縮して表題の化合物を得た。
【0023】
【化1】

【0024】
(実施例1B)
ベンジルアリル(2,2−ジメトキシエチル)カルバメート
乾燥トルエン(1.0L)中の実施例1Aの生成物(281.0g、1.18モル)を、粉末KOH(291.2g、5.20モル)およびトリエチルベンジルアンモニウムクロライド(4.4g、0.02モル)で処理した。次いで、トルエン(300mL)中のアリルブロマイド(188.7g、1.56モル)の溶液を、20〜30℃で、1時間かけて滴状添加した。混合物を一晩中室温で攪拌し、次いで、水(300mL)を、20〜30℃で20分間にわたって添加した。層を分離し、水性相をトルエンで抽出した(2×300mL)。有機相を一緒にし、ブラインで洗浄し(2×100mL)、乾燥し(KCO)、ろ過し、濾液を濃縮して表題の化合物を得た。
【0025】
【化2】

【0026】
(実施例1C)
ベンジルアリル(2−オキソエチル)カルバメート
実施例1Bの生成物(314.0g、1.125モル)を、室温で蟻酸(88%、350mL)で処理し、15時間攪拌した。40〜50℃で、減圧下での濃縮により殆どの蟻酸を除去した。残渣を酢酸エチルで抽出し(3×500mL)、抽出物を一緒にし、洗浄液がpH=6〜7になるまでブラインで洗浄した。有機相を濃縮して表題の化合物を得た。
【0027】
【化3】

【0028】
(実施例1D)
ベンジルアリル[2−(ヒドロキシイミノ)エチル]カルバメート
アセトニトリル(1.5L)中の実施例1Cの生成物(260g、1.115モル)を、蒸留水(750mL)中の酢酸ナトリウム三水和物(170.6g、4.41モル)およびNHOH塩酸塩(98.0g、4.41モル)でN下で処理した。混合物を、室温で約20時間攪拌した。減圧下で揮発分を除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した(2×750mL)。一緒にした有機相を、洗浄液がpH=7になるまでブラインで洗浄した。有機相を濃縮して表題の化合物を得た。
【0029】
【化4】

【0030】
(実施例1E)
ベンジル(シス)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジンカルボキシレート
キシレン(1.0L)中の実施例1Dの生成物(240g、0.97モル)の溶液を、約10時間、N下で還流で加熱した。得られた褐色溶液を10〜15℃まで冷却し、酢酸(1.0L)をN下で添加した。亜鉛粉末(100g、1.54モル)を徐々に添加し、灰色混合物を室温で3時間攪拌した。混合物をろ過し、水(1.0L)を濾液に添加した。濾液を10分間攪拌し、有機層を分離した。水性相をキシレンで充分に洗浄し(4×400mL)、次いで、減圧下で、凡そ200mlの容量まで濃縮した。この残渣を、飽和水性NaCOの添加によりpH9〜10に塩基性化した。沈殿した白色固体をろ過により除去し、濾液をCHClで抽出した(3×600mL)。一緒にした有機相を飽和NaCO溶液で洗浄し(2×50mL)、無水NaCO上で乾燥した。混合物を、珪藻土の短いカラムを通してろ過し、濾液を濃縮して表題の化合物を得た。
【0031】
【化5】

【0032】
(実施例1F)
ベンジル(4aS,7aS)−2,2−ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4−d][1,3]オキサジン−6(4H)−カルボキシレート(R)−マンデレート
乾燥アセトン(150mL)中の実施例1Eの生成物(140g、0.56モル)を、2−メトキシプロペン(55mL、0.57モル)で、室温で一晩中処理した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を乾燥アセトン(750mL)に溶解した。(R)−マンデル酸(85g、0.56モル)を添加し、溶液を、室温で48時間攪拌した。沈殿物をろ過により単離し、減圧下で乾燥して、固体の表題の化合物を得た。
【0033】
【化6】

【0034】
(実施例1G)
ベンジル(3S,4S)−3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジンカルボキシレート
エタノール(50mL)中の実施例1Fの生成物(56g、127ミリモル)を、5%水性HSO(100mL)で、室温で処理し、16時間攪拌した。混合物を、20%水性NaOH(50mL)でpH〜10まで塩基性化し、次いで、混合物を、エタノール(50mL)中のジ−t−ブチルジカーボネート(41.5g、190ミリモル)で、10〜20℃で処理した。室温で4時間攪拌後、エタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した(3×500mL)。一緒にした有機相をブラインで洗浄し(2×100mL)、濃縮して表題の化合物を得た。表題の化合物のエナンチオ純度は、HPLC(HPLC条件:キラセル(Chiracel)ADカラム;エタノール/ヘキサン=20/80、流速、10mL/分;uv220nm;保持時間、10.8分)により99%以上の鏡像異性体過剰であると決定された。
【0035】
【化7】

【0036】
(実施例1H)
ベンジル(3S,4S)−3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}−1−ピロリジンカルボキシレート
CHCl(600mL)中の実施例1Gの生成物(43.7g、125ミリモル)およびトリエチルアミン(25.2g、250ミリモル)を、メタンスルホニルクロライド(12.6mL、163ミリモル)で、−10℃で30分にわたり処理した。溶液を、1時間かけて室温まで温め、水(100mL)で急冷した。層を分離し、水性相をCHClで抽出した(2×400mL)。一緒にした有機相をブラインで洗浄し(2×100mL)、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濾液を濃縮して表題の化合物を得た。
【0037】
【化8】

【0038】
(実施例1I)
ベンジル(3S,4S)−3−アミノ−4−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}−1−ピロリジンカルボキシレートトリフルオロアセテート
CHCl(150mL)中の実施例1Hの生成物(43.7g、125ミリモル)を、トリフルオロ酢酸(50mL)で、室温で処理し、1時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮して表題の化合物を得た。
【0039】
【化9】

【0040】
(実施例1J)
ベンジル(1S,5S)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−3−カルボキシレート
実施例1Iの生成物をエタノール(250mL)に溶解し、25%水性NaOHでpH〜12まで塩基性化した。混合物を、1.5時間、60℃まで温めた。反応混合物を室温まで冷却し、更に精製することなく次工程において使用した。分析サンプルを除去し(〜1mL)、減圧下で濃縮した。残渣をCHClで抽出した(2×5mL)。抽出物を一緒にし、ブラインで洗浄し(3×2mL)、次いで、珪藻土の短いカラムに通した。濾液を濃縮し、表題の化合物の分析量を得た。
【0041】
【化10】

【0042】
(実施例1K)
3−ベンジル,6−t−ブチル−(1R,5S)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−3,6−ジカルボキシレート
実施例1Jの生成物を、エタノール(50mL)中のジ−t−ブチルジカーボネート(40.9g、188ミリモル)に、室温で30分かけてゆっくりと添加した。混合物を室温で更に0.5〜1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出した(3×500mL)。酢酸エチル抽出物を一緒にし、ブラインで洗浄し(3×50mL)、KHSO(5%、100mL)と一緒に10分間攪拌し相を分離した。有機層をブラインで洗浄し(3×50mL)、珪藻土の短いカラムに通した。濾液を濃縮し表題の化合物を得、これは更に精製することなく次工程において使用された。
【0043】
【化11】

【0044】
(実施例1L)
t−ブチル(1R,5S)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−カルボキシレート
実施例1Kの生成物(40.0g、0.120モル)をメタノール(400mL)に溶解し、H下で、室温で、10時間、Pd/C(10重量%、4.0g)で処理した。反応混合物を珪藻土の短いカラムに通してろ過し、濾液を濃縮し、表題の化合物を得た。
【0045】
【化12】

【0046】
(実施例2)
5−ブロモ−2,3−ジクロロピリジン
【0047】
(実施例2A)
3−クロロ−5−ニトロ−2−ピリジノール
機械的攪拌機、熱電対および添加漏斗を備えた5Lフラスコに、2−ヒドロキシ−5−ニトロピリジン(200g、1.43モル、アルドリッチ(Aldrich))および濃HCl(890mL)を充填した。混合物を50〜55℃に温め、水(850mL)中のKClO(61.3g、0.5モル)の溶液を、55〜59℃の反応温度に維持しながら75分間にわたり滴状添加した。添加の完了後、反応混合物を、<6℃の内部温度まで氷水浴において冷却し、次いでろ過した。フィルターケーキを冷水(700mL)で洗浄し、真空下50℃で12時間乾燥し、表題の化合物を得た。
【0048】
【化13】

【0049】
(実施例2B)
2,3−ジクロロ−5−ニトロピリジン
機械的攪拌機および熱電対を備えた2Lフラスコに、POCl(200g、1.30モル)を充填した。キノリン(84g、0.65モル)を添加しながら、フラスコを氷浴において0〜5℃の内部温度まで冷却した。実施例2Aの生成物(227g、1.30モル)を、反応温度を10℃よりも低く維持するために分けて添加した。冷水浴を除去し、混合物を90分間、120℃に温めた。温度を100℃まで下げ、100〜110℃に内部温度を維持しながら、水(500mL)を添加して反応混合物をクエンチした。添加が完了後、混合物を氷中で0〜5℃に1時間冷却し、ろ過した。フィルターケーキを冷水で洗浄し、真空下40℃で乾燥し、表題の化合物を得た。
【0050】
【化14】

【0051】
(実施例2C)
5−アミノ−2,3−ジクロロピリジン
無水SnCl(300g、1.58モル)および濃HCl(350mL)を、機械的攪拌機および熱電対を備えた5Lフラスコに充填した。フラスコを氷中で冷却し、実施例2Bの生成物(100g、0.518モル)を、65℃よりも低い温度に維持しながら分けて添加した。添加が完了後、冷水浴を除去し、混合物を周囲温度で2時間攪拌した。混合物をpH>10にするために、25%水性NaOH(1000mL)を添加しながら、混合物を氷中で冷却した。混合物をCHClで抽出し(1×600mL、2×400mL)、一緒にした抽出物をブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮した。固体残渣を、水(500mL)およびエタノール(100ml)の混合物から結晶化し、固体の表題の化合物を得た。
【0052】
【化15】

【0053】
(実施例2D)
5−ブロモ−2,3−ジクロロピリジン
機械的攪拌機、熱電対および添加漏斗を備えた5Lフラスコに、実施例2Cの生成物(70g、429ミリモル)および48%HBraq(240mL)を充填した。水(100mL)中のNaNO(32.0g、464ミリモル)の溶液を1時間にわたり滴状添加しながら懸濁液を0〜5℃に維持した。更に水(200mL)を添加し、混合物を10分間、0〜5℃で攪拌した。混合物を、20分にわたり分割してCuBr(32.6g、227ミリモル)で処理し、続いて、液体反応混合物を維持するために追加の水で処理した。混合物を室温まで温め、水で希釈した。混合物を周囲圧力で、留出物が透明になるまで蒸留した(1.5L収集された)。留出物をEtOAcで抽出し(3×500mL)、一緒にした抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、固体の5−ブロモ−2,3−ジクロロピリジンを得た。
【0054】
【化16】

【0055】
(実施例3)
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン(L)−タートレート
【0056】
(実施例3A)
t−ブチル(1R,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−カルボキシレート
機械的攪拌機付き1Lフラスコに、トルエン(400mL)中のt−ブチル(1R,5S)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−カルボキシレート(10.0g、50ミリモル、実施例1Lの生成物)および5−ブロモ−2,3−ジクロロピリジン(14.0g、実施例2Dの生成物)の溶液を充填した。フラスコを排気し、窒素で3回パージした。キサントホス(Xantphos)(1.74g、3ミリモル、ストレム化学社(Strem Chemicals))、Pd(dba)(916mg、1ミリモル、ストレム化学社)およびナトリウムt−ブトキシド(7.20g、75ミリモル)を、窒素ガスのパージに備えてフラスコに連続的に添加した。フラスコを再度排気し、窒素でパージし(3回)、混合物を、N下で85〜90℃に加熱した。2時間後、反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル(1000mL)および水(200mL)で希釈し、5分間攪拌した。有機相を分離し、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、セライト(Celite(登録商標))でろ過し、濾液を真空下で濃縮し表題の化合物を得、これは更なる精製なしで次工程において使用された。
【0057】
【化17】

【0058】
(実施例3B)
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンp−トルエンスルホネート
実施例3Aの生成物(23.2g)を酢酸エチル(250mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(11.4g、60ミリモル)を添加した。溶液を還流させるために温め、90分間攪拌し、室温まで冷却し、12時間静置して沈殿を完結させた。固体をろ過して単離し、乾燥して表題の化合物を得た。融点174〜178℃。
【0059】
【化18】

【0060】
(実施例3C)
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロピリジン−3−イル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン
実施例3Bの生成物(33g、79ミリモル)を、水中の5%NaOH330mLにおいて10分間攪拌し、CHCl:i−PrOH(10:1)で抽出した(4×500mL)。抽出物を一緒にし、ブラインで洗浄し(2×100mL)、濃縮して固体の表題の化合物を得た。
【0061】
【化19】

【0062】
(実施例3D)
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン(L)−タータレート
MeOH(400mL)中の実施例3Cの生成物(12.0g、50ミリモル)を65℃に加熱し、MeOH(60mL)中の(L)−酒石酸(9.0g、60ミリモル)で滴状処理した。添加完了後、混合物を還流で2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。室温で10時間攪拌後、混合物をろ過し、フィルターケーキを、冷却したメタノール(10mL)で洗浄した。真空下で固体を乾燥して表題の化合物を得た。融点210〜212℃(分解)。
【0063】
【化20】

【0064】
in vitroデータ
結合効力の決定
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンを、以下に記載するニコチン性アセチルコリン受容体を対象とするin vitro分析にかけた。
【0065】
神経ニコチン性アセチルコリン受容体への[H]−シチシン([H]−CYT)の結合は、ネズミの全脳からの粗シナプス膜調製を使用して達成された(Pabreza et al.、Molecular Pharmacol.、1990年、39:9)。洗浄された膜は、使用前に−80℃で貯蔵された。凍結アリコットをゆっくりと解凍し、20容量の緩衝液(120mMNaCl、5mMKCl、2mMMgCl、2mMCaClおよび50mMトリス−Clを含む、4℃でpH7.4)に再懸濁した。20,000×gで15分間遠心分離にかけた後、ペレットを30容量の緩衝液に再懸濁した。
【0066】
各テスト化合物を水に溶解して10mMの貯蔵溶液を作り、緩衝液(上述の)で希釈し(1:100)、更に、7回の連続ログ希釈により、10−5〜10−11Mのテスト溶液を生成した。
【0067】
ホモジェネート(125〜150μgのタンパク質を含む)は、500μLの最終容量において、上述のテスト化合物の濃度範囲および[H]−CYT(1.25nM)を含む三重管に添加された。サンプルを60分間、4℃で培養し、次いで、0.5%のポリエチレンイミンにおいて前以て浸漬されたワットマン(Whatman)GF/Bフィルターにより、3×4mLの氷冷緩衝液を使用して素早くろ過した。フィルターは4mLのエコルメ(Ecolume(登録商標))(ICN)においてカウントされた。非特異的結合は、10μM(−)ニコチンの存在下において決定され、値は、全結合の割合として表わされた。IC50値は、RS−1(BBN)非線形最小自乗曲線適合プロブラムで決定され、このIC50値は、チェンおよびプルソッフ補正(Cheng ;および Prusoff correction)(K=IC50/(1+[リガンド]/リガンドのKd)を使用してKに換算された。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンのK値は、0.10nMと決定された。
【0068】
in vivoデータ
鎮痛効果の決定
雄のスプレーグドーリーネズミ(Sprague Dawley)(80〜100g)をチャールスリバー(Charles River(Portage、MI)から購入した。外科手術前に、動物は集団で飼育され、温度調節した環境に維持された(午前7時〜午後8時の間点灯)。神経結紮外科手術の後、動物は集団飼育された。ネズミは自由に餌および水に近づいた。
【0069】
麻酔をかけられたネズミのL5およびL6脊髄神経は、S.H.Kim ;および J.M.Chung、PAIN 50:355(1992年)により以前に記載された方法で堅く結紮された。簡単に言えば、切開手術は腰の背側部分で行われ、筋肉は、脊髄突起を明らかにするために鈍鉤切開された。L6横断突起が除去され、残ったL5およびL6脊髄神経は、5.0の網組絹縫合糸で堅く結紮された。傷口は清浄にされ、膜は、4.0の可溶性ビクリル(Vicryl)縫合糸で縫い合わされ、皮膚は、創傷クリップで閉じられた。
【0070】
神経障害性の疼痛の評価のために、脊髄神経結紮を受けた動物の影響を受けた足における異痛が、フォンフレイフィラメント(von Frey filament)を使用して評価された。S.R.Chaplan、F.W.Bach、J.W.Pogrel、J.M.Chung ;および T.L.Yaksh、「Quantitative assessment of tactile allodynia in the rat paw」J.Neurosci.Meth.、53:55−63 (1994年)により以前に記載されたように、外科手術後2週間、ネズミは、後足のプランター表面に近づくことができるように、金網の床のプレキシガラスで作られたテスト用ボックスに順応させられた。ディクソン(Dixon)のアップ−ダウン法を使用して、異痛の基準線水準が、≦4gの圧力の使用中止閾値を持たせるために決定された。テスト前15分に腹腔内に投与された(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、15gの最大効果まで使用中止閾値における投与量依存性増加を引き起した。EC50は、1μmol/kgと決定された。
【0071】
副作用障害の決定
IMR−32ヒト神経芽細胞腫クローン株(ATCC、Rockville、MD)の細胞は、R.J.Lukas、「Expression of ganglia−type nicotinic acetylcholine receptors ;および nicotinic lig;および binding sites by cells of IMR−32 human neuroblastoma clonal line」J.Pharmacol.Exp.Ther.265:294−302(1993年)により確立された手順により成長のログ相において維持された。細胞は、黒色壁付の、透明な座部付の96ウエルプレート(Costar、Cambridge、MA)上でウエル当り1×10の細胞密度でプレートアウトされ、プレート後凡そ72時間に使用された。全てのプレートは、プレートへの細胞の付着を助けるためにポリエチレンイミンで被覆された。
【0072】
IMR−32細胞の細胞内Ca2+含有量における変化は、蛍光画像板リーダー(Fluorescent Imaging Plate Reader)(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)と連動させてカルシウムキレート染料フルオ(Fluo)−4(Molecular Probes、Eugene、OR)を使用して測定された。フルオ−3の細胞浸透アセトキシメチル(AM)エステル形態は、無水DMSOおよび10%プルロン酸において1mMの濃度に調製された。次いで、染料は、成長媒体において4mMの最終濃度まで希釈され、37℃で1時間、細胞上に置かれた。黒色壁付き96−ウエルプレートは、光散乱を減少するために利用された。導入されなかった染料は細胞から、分析緩衝液(HETES 緩衝液、20mMHepes、120mMNaCl、5mMKCl、1mMMgCl、5mMグルコース、500mMアトロピンおよび5mMCaCl)での過度洗浄により除去された。種々の濃度の(1S5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの添加後、Ca2+の動力学が、アルゴンレーザー(波長、480nm)、自動化された96チャンネルのピペットおよびCCDカメラを備えた蛍光画像板リーダー(FLIPR)装置において観察された。蛍光の強度は、最初の1分間は1秒毎にCCDカメラにより捕らえられ、作用薬添加後は、5分の全期間に対して5秒毎の更なる読みで捕えられた。これらの画像は、インタフェースPCにデジタルに転送され、蛍光強度における変化が各ウエルに対して処理された。カメラの露光設定は、2ミクロンのf−停止設定を伴い0.4秒であった。100μMニコチンにより誘発されたものに関わるパーセント最大強度が、(1S5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの濃度に対してプロットされ、5.5μMのEC50値が計算された。100μMニコチン(100%)および無負荷の細胞(0%)の単独測定は、20,000蛍光単位の平均範囲で、細胞の各プレートにおいて行われた。(1S5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、5.5μMのEC50を伴い、ニコチンのそれの最大効率73%で、IMR−32細胞中にカルシウム流出を誘発した。
【0073】
本明細書において記載されているIMR−32FLIPR分析は、神経節状ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)サブタイプを介して仲介されるカチオン流出を測定する。神経節nAChRサブタイプのカチオン流出を促進する薬は、心血管血圧増進作用等の副作用障害に関わっていた。例えば、心血管血圧増進作用を伴うことが知られているnAChRであるエピバチジンは、IMR−32FLIPR分析において、24nMのEC50および137%の最大効率(ニコチンと比較して)を有することが決定された。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンに対して測定された高い(影響が少ない)EC50および低い効率の両方は、エピバチジンと比較して、(1S5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンに対して低減された副作用障害を証明する。
【0074】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの鎮痛作用およびIMR−32活性は、表1において例示される類似体と比較された。
【0075】
【表1】


【0076】
表1のデータは、関連類似体と比較して、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、低減された副作用障害を持つ強力な鎮痛剤であることを証明する。IMR−32FLIPR分析におけるその有効性により証明された1R、5R鏡像異性体の可能性のある副作用は、それを鎮痛剤モデルにおけるテストから除外した。
【0077】
in vitro結合データ、in vivo鎮痛剤分析およびIMR−32FLIPR分析は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンが、ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、疼痛、特に、神経障害性の疼痛に有用であり、低減された副作用障害を有することを証明する。
【0078】
認知機能を改善するための化合物の能力は、モリス(Morris)の水中迷路の空間的識別版を使用して評価された(Decker et al.、Eur.J.Pharmacol.261:217−222(1994年))。このテストは、水中からの安全な逃避を用意するプラットホームの場所を覚えるために特別な迷路の視覚合図の脈絡を利用するための動物の能力を測定する。正常な動物は、5日間にわたる毎日のテストにおいてこの仕事において改善された行動を示す一方、スコポラミン誘発認識欠陥を持つ動物は、このテストにおいて改善された行動を必要とされる学習および記憶統合を示さない。
【0079】
チャールスリバー研究室から得た雄のロング−エバンス(Long−Evans)ネズミ(300〜400g)がこの研究に使用された。2日間毎日の馴化のセッションの間に、ネズミは、粉末ミルクで不透明にされた水で37cmの深さまで充たされたプール(直径180cmおよび高さ60cm)において目に見える逃避プラットホームを探すために訓練された。水温は26℃に維持された。馴化訓練の2日目に、動物が水泳速度の偏りなしでグループに割り当てられることを確実にするために逃避のための潜伏測定が行われた。空間的識別能訓練のために、アルミニウムフォイルで被覆された2つの目に見えるプラットホームが与えられた。プラットホームは、5日間の訓練を通して同じ位置(互いに対角線)に置かれた。プラットホームの1つだけが逃避を用意する。発泡ポリスチレンで作られた今1つは、動物の重量を支えない。ネズミは、試行毎にスタート位置を変えて1日6回の試行を受ける。正しくないプラットホームとの接触の数(エラー)は、従属変数として役に立つ。
【0080】
水中迷路テストにおけるエラーの増加数で測定される認知障害は、それぞれ毎日の認識能訓練セッション(合計5日間にわたる)の15分前に投薬されるムスカリン拮抗薬スコポラミン・HBr(0.3mg/kg)の膜腔内投与によって誘発される。テスト前30分(スコポラミンに対しては15分前)の、約0.001〜約5μmol/kgの範囲における投与量での(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの投与は、認知障害を逆転させ、水中迷路における動物の行動を正常化した。
【0081】
モリスの水中迷路は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンが、アルツハイマー病、記憶機能障害、パーキンソン病、老人性痴呆症、注意欠陥多動性障害、統合失調症およびその他の認知障害を含むがこれらに限定されない認知障害を含む疾病状態において有効性を有することを示す。
【0082】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、認知障害を含む疾病状態において有効性を有し、その他の薬剤として許容される認知増進活性化合物との組み合わせにおいて使用できることが理解されるべきである。
【0083】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、ニコチン性アセチルコリン受容体を介しておよび更に、M.Williams ;および S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);および、S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom ;および D.J.Kupfer (Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年)により記載されているように疼痛を治療することができる。
【0084】
更に、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、ニコチン性アセチルコリン受容体により影響を受けた障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶機能障害、トゥーレット症候群、睡眠障害、注意欠陥多動性障害、神経変性、炎症、神経保護、不安症、鬱病、躁病、統合失調症、拒食症およびその他の摂食障害、AIDS誘発痴呆、癲癇、尿失禁、薬物乱用、禁煙ならびに炎症性腸症候群を改善または予防するのに有用である。
【0085】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams ;および S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);および S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);S.P.Arneric、M.W.Holladay、J.P.Sullivan、「Cholinergic channel modulators as a novel therapeutic strategy for Alzheimer’s disease」Exp.Opin.Invest.Drugs.5(1):79−100(1996年);J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylcholine Receptors in Health and Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年);および G.K.Lloyd、et al.、「The potential of subtype selective neuronal nicotinic acetylcholine receptor agonists as therapeutic agents」Life Sciences 62(17/18):1601−1606(1998年)により記載されているようにアルツハイマー病を治療するために使用することができる。
【0086】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylcholine Receptors in Health and Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年);および G.K.Lloyd、et al.、「The potential of subtype selective neuronal nicotinic acetylcholine receptor agonists as therapeutic agents」Life Sciences 62(17/18):1601−1606(1998年)により記載されているようにパーキンソン病を治療するために使用することができる。
【0087】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylcholine Receptors in Health ;および Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年)により記載されているように記憶機能障害を治療するために使用することができる。
【0088】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylcholine Receptors in Health ;および Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年)により記載されているようにトゥーレット症候群を治療するために使用することができる。
【0089】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年)により記載されているように睡眠障害を治療するために使用することができる。
【0090】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);および S.P.Arneric、M.W.Holladay、J.P.Sullivan、「Cholinergic channel modulators as a novel therapeutic strategy for Alzheimer’s disease」Exp.Opin.Invest.Drugs.5(1):79−100(1996年)により記載されているように注意欠陥多動性障害を治療するために使用することができる。
【0091】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および S.P.Arneric、M.W.Holladay、J.P.Sullivan、「Cholinergic channel modulators as a novel therapeutic strategy for Alzheimer’s disease」Exp.Opin.Invest.Drugs.5(1):79−100(1996年)により記載されているように神経変性を治療し神経保護を与えるために使用することができる。
【0092】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および S.P.Arneric、M.W.Holladay、J.P.Sullivan、「Cholinergic channel modulators as a novel therapeutic strategy for Alzheimer’s disease」Exp.Opin.Invest.Drugs.5(1):79−100(1996年)により記載されているように炎症を治療するために使用することができる。
【0093】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および S.P.Arneric、M.W.Holladay、J.P.Sullivan、「Cholinergic channel modulators as a novel therapeutic strategy for Alzheimer’s disease」Exp.Opin.Invest.Drugs.5(1):79−100(1996年)により記載されているように筋萎縮性側索硬化症を治療するために使用することができる。
【0094】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および S.P.Arneric、M.W.Holladay、J.P.Sullivan、「Cholinergic channel modulators as a novel therapeutic strategy for Alzheimer’s disease」Exp.Opin.Invest.Drugs.5(1):79−100(1996年)により記載されているように不安症を治療するために使用することができる。
【0095】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年)により記載されているように鬱病を治療するために使用することができる。
【0096】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylchloline Receptors in Health and Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年)により証明できるように躁病および統合失調症を治療するために使用することができる。
【0097】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylchloline Receptors in Health and Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年)により記載されているように拒食症およびその他の摂食障害を治療するために使用することができる。
【0098】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylchloline Receptors in Health ;および Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年)により記載されているようにAIDS誘発痴呆を治療するために使用することができる。
【0099】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年);および J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylchloline Receptors in Health ;および Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年)により記載されているように癲癇を治療するために使用することができる。
【0100】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年)により記載されているように尿失禁を治療するために使用することができる。
【0101】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);および S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年)により記載されているように月経前症候群を治療するために使用することができる。
【0102】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);および S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年)により記載されているように薬物乱用を治療するために使用することができる。
【0103】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);および S.P.Arneric、J.P.Sullivan、M.Williams、「Neuronal nicotinic acetylcholine receptors.Novel targets for central nervous system theraputics」Psychopharmacology:The Fourth Generation of Progress.F.E.Bloom and D.J.Kupfer(Eds.)、Raven Press、New York 95−109(1995年)により記載されているように禁煙を治療するために使用することができる。
【0104】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する化合物は、M.Williams and S.P.Arneric、「Beyond the Tobacco Debate:dissecting out the therapeutic potential of nicotine」Exp.Opin.Invest.Drugs 5(8):1035−1045(1996年);および J.Lindstrom、「Nicotinic Acetylchloline Receptors in Health and Disease」Molecular Neurobiology 15:193−222(1997年)により記載されているように炎症性腸症候群を治療するために使用することができる。
【0105】
本発明は、また、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、1つまたは複数の無毒の薬剤として許容される担体と一緒に組成された(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンを含む。
【0106】
本発明の医薬組成物は、ヒトおよびその他の哺乳類に、経口的に、直腸的に、非経口で、くも膜下内に、膣内に、局所に(粉末、軟膏またはドロップとして)、口腔内にまたは経口もしくは鼻内噴霧のように投与することができる。本明細書において使用される「非経口で」と言う用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注射および注入を含む投与形式を意味する。
【0107】
本明細書において使用される「薬剤として許容される担体」と言う用語は、無毒の、不活性固体、半固体もしくは液体充填剤、希釈剤、カプセル化物質または任意のタイプの補助組成物を意味する。薬剤として許容される担体として役立てることのできる物質の幾つかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロース等であってこれらに限定されない糖類;トウモロコシ澱粉および片栗粉等であってこれらに限定されない澱粉;ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロース等であってこれらに限定されないセルロースおよびその誘導体;トラガカント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐薬ワックス等であってこれらに限定されない賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油等であってこれらに限定されない油;プロピレングリコール等のグリコール;エチルオレエートおよびエチルラウレート等であってこれらに限定されないエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等であってこれらに限定されない緩衝剤;アルギン酸;発熱物質のない水;等張生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコールおよびリン酸塩緩衝液であり、ならびに、ナトリウムラウリルスルフェートおよびステアリン酸マグネシウム等であってこれらに限定されないその他の非毒性で相容性の潤滑剤、ならびに着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、風味および芳香剤、防腐剤および耐酸化剤も、配合者の判断により組成物において存在させることができる。
【0108】
注射剤用の本発明の医薬組成物は、薬剤として許容される殺菌水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液またはエマルションおよび使用直前に殺菌注射溶液または分散液中に復元するための殺菌粉末を含む。適当な水性または非水性担体、希釈剤、溶剤またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等々)、植物油(例えば、オリーブ油等)、注射可能な有機エステル(例えば、エチルオレエート)およびそれらの適当な混合物が挙げられる。適当な流動性は、例えば、レシチン等の被覆剤の使用によって、分散液の場合において必要とされる粒径の管理によっておよび界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0109】
これらの組成物は、また、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤等の補助剤を含むこともできる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌および抗かび剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等の包含により高めることができる。糖類、塩化ナトリウム等の等張化剤を含めることも望ましいであろう。注射可能な薬理学的形態の長期にわたる吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の吸収遅延剤の包含により成し遂げることができる。
【0110】
幾つかの場合においては、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの効果を引き伸ばすために、皮下または筋肉内注射からの(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶または無定形物質の液体懸濁液の使用により達成することができる。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの吸収速度は、従って、その溶解速度に依存し、溶解速度は次に結晶サイズおよび結晶形態に依存することがある。あるいはまた、非経口で投与された(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの遅延吸収は、油性ビヒクルにおいて(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンを溶解または懸濁することによって達成される。
【0111】
注射可能な貯蔵形態は、ポリアクチド−ポリグリコリド等の生物分解性ポリマーにおける薬剤のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作られる。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン対ポリマー比および使用される特定のポリマーの性質によって、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの放出速度が調節できる。その他の生物分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルソエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。貯蔵注射可能な組成物は、体組織と相溶性であるリポソームまたはマイクロエマルションにおいて薬剤を取り込むことによっても調製される。
【0112】
注射可能な組成物は、例えば、バクテリア固定フィルターを通すろ過によりまたは使用直前に、滅菌水またはその他の滅菌注射可能媒体中に溶解または分散することのできる滅菌固体組成物の形態において殺菌剤を導入することによって殺菌することができる。
【0113】
経口投与のための固体剤形としては、カプセル、錠剤、ピル、粉末および顆粒が挙げられる。そのような固体剤形においては、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、少なくとも1つの不活性の薬剤として許容される担体または賦形剤、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二石灰および/またはa)澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸等の充填剤または増量剤、b)カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシア等のバインダー、c)グルセロール等の湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカ澱粉、アルギン酸、或種のシリケートおよび炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶液遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート等の湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土等の吸収剤およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ナトリウムラウリルスルフェート等の潤滑剤およびそれらの混合物と混合することができる。カプセル、錠剤およびピルの場合においては、剤形は、また、緩衝剤を含むこともできる。
【0114】
類似タイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコール等のような担体を使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用されてもよい。
【0115】
錠剤、糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒の固体剤形は、腸溶コーティング等の被膜および殻ならびに医薬組成物分野において良く知られているその他の被膜を伴って調製することができる。それらは、不透明化剤を場合により含んでもよく、また、それらが活性成分のみを、または優先的に腸管のある部分において、場合により遅延方法において放出するような組成物であってもよい。使用できる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0116】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、また、適切な場合、1つまたは複数の上述の担体を伴うマイクロカプセル化形態であることもできる。
【0117】
経口投与のための液体剤形としては、薬剤として許容されるエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンに加えて、液体剤形は、例えば、水またはその他の溶剤等の当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにそれらの混合物を含んでもよい。
【0118】
不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、また、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、風味剤および芳香剤等の補助剤を含んでもよい。
【0119】
懸濁液は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンに加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天、トラガカントおよびそれらの混合物のような懸濁剤を含んでもよい。
【0120】
直腸または膣投与のための組成物は、好ましくは、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンと、室温で固体で体温で液体、従って、直腸または膣において溶けて(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンを放出することのできる適当な非刺激性担体またはココアバター、ポリエチレングリコールあるいは座薬ワックス等の担体とを混合することにより調製することのできる坐薬である。
【0121】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、また、リポソームの形態において投与することができる。当該技術分野において知られているように、リポソームは、一般的に、リン脂質またはその他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体において分散される単一または複数層状水和液晶により形成される。リポソームを形成することのできる任意の無毒の生理的に受容可能かつ新陳代謝可能な脂質は使用することができる。リポソーム形態において存在する組成物は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンに加えて、安定剤、防腐剤、賦形剤等を含むことができる。好ましい脂質は、別々にまたは一緒に使用される、天然および合成リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。
【0122】
リポソームの形成方法は、当該技術分野においては知られている。例えば、Prescott、Ed.、Methods in Cell Biology、Volume XIV、Academic Press、New York、N.Y.(1976年)、33頁以下参照。
【0123】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの局所投与のための剤形としては、粉末、噴霧剤、軟膏および吸入が挙げられる。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、滅菌条件下で、薬剤として許容される担体および任意の必要とされる防腐剤、緩衝剤または必要であることがある推進薬と混合することができる。眼組成物、眼軟膏剤、粉末および溶液もまた、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0124】
本発明の医薬組成物における(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの実際の投与量水準は、特定の患者、組成物および投与形式に対する所望の治療応答を達成するのに有効な(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの量を得るために変動させることができる。選ばれる投与量水準は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの活性、投与経路、治療される状態の重篤度ならびに治療を受ける患者の状態および以前の病歴に依存する。
【0125】
上記またはその他の治療において使用される場合、治療的に有効な量の(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、純粋形態において使用することができ、または、その様な形態が薬剤として許容される塩、エステルまたはプロドラッグで存在する場合において使用することができる。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの「治療的に有効な量」と言う文言は、任意の治療方法に適用できる妥当な利益/リスク比において、障害を治療するための化合物の十分な量を意味する。然しながら、本発明の(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンおよび組成物の合計の毎日の用法は、正常な医学的判断の範囲内において主治医により決定されると言うことが理解される。特定の患者のための特別の治療的に有効な投与量水準は、治療される障害および障害の重篤度;(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、身体全体の健康、性別および食生活;投与時間;投与経路および(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの排泄速度;治療期間;(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンと組み合わせてまたは時を同じくして使用される薬剤を含む様々な要因および医学分野において良く知られている同様の要因に依存する。
【0126】
本明細書において使用される「薬剤として許容される塩」と言う用語は、無機または有機塩由来の塩を意味する。塩は、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの最終の単離および精製中のその場において、または、別途、(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの遊離塩基を無機または有機酸と反応させることによって調製することができる。代表的な酸付加塩としては、アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ブチレート、カンホレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート(イセチオネート)、ラクテート、マレエート、フマレート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、スルフェート、(L)タートレート、ビス(L)タートレート、(D)タートレート、ビス((D)タートレート)、(DL)タートレート、ビス((DL)タートレート)、チオシアネート、ホスフェート、グルタメート、ビカルボネート、p−トルエンスルホネートおよびウンデカノエートが挙げられるがこれらに限定されない。
【0127】
本明細書において使用される「薬剤として許容されるアミド」と言う用語は、正常な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応等を持たずにヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適する(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンのアミドを意味する。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンのアミドは、通常の方法により調製されてもよい。代表的な例としては、(1R,5S)−6−アセチル−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンおよび(1R,5S)−6−ベンゾイル−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0128】
本明細書において使用される「薬剤として許容されるプロドラッグ」と言う用語は、正常な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応等を持たずにヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適する(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンのプロドラッグを意味する。(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンのプロドラッグは、in vivoで、例えば、血液における加水分解により(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンに迅速に変換されてもよい。
【0129】
本発明は、in vivo生体内変換による合成手段または形成による(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの形成を考慮するものである。
【0130】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンは、半水和物等の水和物形態を含む非溶媒和および溶媒和形態において存在することができる。一般的に、例えば、水およびエタノール等の薬剤として許容される溶媒を伴う溶媒和形態は、本発明の目的に対しては非溶媒和形態と同等である。
【0131】
ヒトおよび下等動物に投与される(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの合計の毎日の投与量は、約0.001〜約1000mg/kg/日の範囲であってもよい。経口投与の目的に対しては、更に望ましい投与量は、約0.1〜約50mg/kg/日の範囲であることができる。所望ならば、有効な毎日の投与量は、投与の目的のために複数の投与量に分割することができ、従って、単独の投与量組成物は、毎日の投与量を作り上げるその様な量またはその約数を含んでもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項2】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンの治療的に有効な量を哺乳類に投与することを含む、哺乳類におけるアセチルコリンニコチン性受容体に関わる障害の治療方法。
【請求項3】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を哺乳類に投与することを含む、哺乳類における疼痛の治療方法。
【請求項4】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を哺乳類に投与することを含む、哺乳類における認知障害の治療方法。
【請求項5】
前記障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶機能障害、トゥーレット症候群、睡眠障害、注意欠陥多動性障害、神経変性、炎症、神経保護、不安症、鬱病、躁病、統合失調症、拒食症およびその他の摂食障害、AIDS誘発痴呆、癲癇、尿失禁、薬物乱用、禁煙または炎症性腸症候群である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶機能障害、注意欠陥多動性障害および統合失調症である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を薬剤として許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項8】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を非ステロイド抗炎症剤と組み合わせて哺乳類に投与することを含む、哺乳類における疼痛の治療方法。
【請求項9】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量をオピオイドと組み合わせて哺乳類に投与することを含む、哺乳類における疼痛の治療方法。
【請求項10】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を三環系抗鬱薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む、哺乳類における疼痛の治療方法。
【請求項11】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を抗痙攣薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む、哺乳類における疼痛の治療方法。
【請求項12】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を非ステロイド抗炎症剤と組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物。
【請求項13】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量をオピオイドと組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物。
【請求項14】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を三環系抗鬱薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物。
【請求項15】
(1S,5S)−3−(5,6−ジクロロ−3−ピリジニル)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタンまたはその薬剤として許容される塩またはプロドラッグの治療的に有効な量を抗痙攣薬と組み合わせて哺乳類に投与することを含む哺乳類における疼痛の治療のための医薬組成物。

【公表番号】特表2007−500220(P2007−500220A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533261(P2006−533261)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/015905
【国際公開番号】WO2004/106342
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】