説明

1種以上のステビア(STEVIA)成分およびベリーの供給源による天然甘味料を有する飲料

ステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料組成物が提供される。ステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料濃縮物組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料および他の飲料製品、例えば飲料濃縮物などに関する。特に、本発明は、飲料中に代替的な栄養学的特性または風味特性に対する市場の需要を満たすのに適する配合物を有する飲料と他の飲料製品とに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な配合物の飲料の製造については長い間知られている。改善された新しい配合物は、変化する市場の需要を満たすのに望ましい。特に、例えば代替的なカロリー量を含む、代替的な栄養学的特性を有する飲料に対する(現実の、市場のたくさんの製品として)市場の需要が認識されている。また、おいしい味、口当たりなどを含む代替的な風味特性を有する飲料に対する市場の需要が認識されている。さらに、天然原料、すなわち収穫された植物および他の天然供給源から蒸留、抽出、濃縮された、あるいは同様にして得られた原料を、限定的な加工を用いて、または一切加工せずに、その配合物においてこれまで以上に使用する飲料および他の飲料製品、例えば飲料濃縮物に対して消費者の関心がある。
【0003】
新しい飲料配合物、例えば代替的な甘味料、フラボラント(flavoant)、風味強化剤(enhancing agent)などを用いた新しい飲料配合物の開発には、付随する苦味および/または他の異味に対処する上での課題が存在する。さらに、かかる課題は、代替的な栄養学的特性および/または風味特性について開発される新しい飲料配合物中に典型的に存在する。さらに、栄養学的特性、風味、貯蔵寿命、および他の目的を含む組み合わされた目的を十分に満たしうる新しい飲料配合物に対する需要が存在する。
【0004】
新しい飲料配合物の開発は数々の障害に直面している。例えば、特許文献1は、サッカリンまたはステビア抽出物とアスパルテームとの混合物を含有する炭酸飲料は、砂糖を含有するものよりも官能的に心地よさが劣る傾向があることを示唆している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,956,191号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、飲料および飲料濃縮物などの他の飲料製品を提供することが本発明の目的である。望ましい呈味特性を有する飲料および他の飲料製品を提供することが、本発明の少なくとも特定の実施形態(すなわち必ずしも本発明のすべての実施形態ではない)の目的である。改善された配合物を有する飲料および他の飲料製品を提供することが、本発明の少なくとも特定の(必ずしもすべてではない)実施形態の目的である。非栄養性甘味料を含有する配合物を有しかつ飲料中の代替的な栄養学的特性または風味特性に対する市場の需要を満たすのに適する飲料および他の飲料製品を提供することが、本発明の少なくとも特定の(必ずしもすべてではない)実施形態の目的である。本発明または本発明の特定の実施形態のこれらおよび他の目的、特徴および利点は、例示的な実施形態についての以下の開示および説明から当業者には明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によると、飲料製品は、少なくとも1種のステビオール配糖体、例えばレバウディオサイドA、ステビオサイドなどのレバウディオサイドと、ベリー成分とを含有する。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、ホールベリー、ホールベリーの一部(例えば、ジュース、パルプ、スキン、髄、種子および茎の1つ以上)およびベリーの誘導体(例えば抽出物または画分)である。ベリー成分は、例えば、ベリージュース、ベリージュース濃縮物、ベリージュース抽出物、ベリージュース粉末、凍結乾燥ベリージュース、ベリー果実粉末、凍結乾燥ベリー粉末および/またはベリー種油、ならびにこれらのいずれかの混合物でありうる。特定の例示的な実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビオサイド、ステビオールビオシド、デュルコシドAおよびレバウディオサイド(例えば、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、およびレバウディオサイドEの1種以上)からなる群から選択される。特定の例示的な実施形態では、飲料製品は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ドリンクサーバー向け飲料(fountain beverage)、冷凍即席飲料、コーヒー飲料、茶飲料、乳飲料、フレーバーウォーター、機能性強化水、果実ジュース、果実ジュース風味飲料、スポーツ飲料、またはアルコール飲料である。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、ベアベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、チェリー、チョークチェリー、クラウドベリー、クランベリー、カラント、ナツメヤシの実、デューベリー、エルダーベリー、ブドウ、グーズベリー、ハックルベリー、ローガンベリー、オラリーベリー、マルベリー、レーズン、プレインズベリー(plains berry)、プレイリーベリー(prairie berry)、ラズベリー、サスカトゥーンベリー、サーモンベリー、シーバックソーンベリー、スローベリー、ストロベリー、シンブルベリー、ソーンベリー、ワインベリー、およびハイデルベリーの1種以上である。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、クランベリー、ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、カラント、ブドウ、グーズベリー、デューベリー、ボイゼンベリー、オラリーベリー、ローガンベリー、クラウドベリー、ワインベリー、サーモンベリー、シンブルベリー、ベアベリー、ハイデルベリー、ハックルベリーおよびエルダーベリーの1種以上からなる群から選択されるベリーに由来する。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、1種以上の抗酸化剤、1種以上の保存料、1種以上の安定化剤、1種以上の味を隠す化合物またはこれらの組合せを提供する。これらや他の任意の代替原料については下記にさらに開示される。
【0008】
第1の態様によると、飲料製品は、少なくとも1種のステビオール配糖体、例えばレバウディオサイドA、ステビオサイドなどのレバウディオサイドと、ベリー成分とを含有する。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、ホールベリー、ホールベリーの一部(例えば、ジュース、パルプ、スキン、髄、種子および茎の1つ以上)およびベリーの誘導体(例えば抽出物または画分)である。ベリー成分は、例えば、ベリージュース、ベリージュース濃縮物、ベリージュース抽出物、ベリージュース粉末、凍結乾燥ベリージュース、ベリー果実粉末、凍結乾燥ベリー粉末および/またはベリー種油、ならびにこれらのいずれかの混合物でありうる。特定の例示的な実施形態では、ステビオール配糖体はレバウディオサイドAである。特定の例示的な実施形態では、飲料製品は、ステビオサイド、ステビオールビオシド、デュルコシドAおよびレバウディオサイド(例えば、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、およびレバウディオサイドEの1種以上)からなる群から選択される少なくとも1種のステビオール配糖体をさらに含有する。特定の例示的な実施形態では、飲料製品は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍即席飲料、コーヒー飲料、茶飲料、乳飲料、フレーバーウォーター、機能性強化水、果実ジュース、果実ジュース風味飲料、スポーツ飲料、またはアルコール飲料である。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、ベアベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、チェリー、チョークチェリー、クラウドベリー、クランベリー、カラント、ナツメヤシの実、デューベリー、エルダーベリー、ブドウ、グーズベリー、ハックルベリー、ローガンベリー、オラリーベリー、マルベリー、レーズン、プレインズベリー、プレイリーベリー、ラズベリー、サスカトゥーンベリー、サーモンベリー、シーバックソーンベリー、スローベリー、ストロベリー、シンブルベリー、ソーンベリー、ワインベリー、およびハイデルベリーの中の1種以上である。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、クランベリー、ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、カラント、ブドウ、グーズベリー、デューベリー、ボイゼンベリー、オラリーベリー、ローガンベリー、クラウドベリー、ワインベリー、サーモンベリー、シンブルベリー、ベアベリー、ハイデルベリー、ハックルベリーおよびエルダーベリーの1種以上からなる群から選択されるベリーに由来する。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、1種以上の抗酸化剤、1種以上の保存料、1種以上の安定化剤、1種以上の味を隠す化合物またはこれらの組合せを提供する。これらや他の任意の代替原料は下記にさらに開示される。
【0009】
別の態様によると、少なくともステビオール配糖体、人工甘味料およびベリー成分を含有する飲料製品が提供され、ここでベリー成分は前段落中に開示されるものから選択される。特定の例示的な実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビオサイド、ステビオールビオシド、デュルコシドAおよびレバウディオサイド(例えば、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、およびレバウディオサイドEの1種以上)からなる群から選択される。特定の例示的な実施形態では、人工甘味料は、アスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、ナトリウムサッカリン、カルシウムサッカリン、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、およびスクラロースである。特定の例示的な実施形態では、飲料製品は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍即席飲料、コーヒー飲料、茶飲料、乳飲料、フレーバーウォーター、機能性強化水、果実ジュース、果実ジュース風味飲料、スポーツ飲料、またはアルコール飲料である。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は前段落中に開示されるもののいずれかである。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、1種以上の抗酸化剤、1種以上の保存料、1種以上の安定化剤、1種以上の味を隠す化合物またはこれらの組合せを含有する。これらや他の任意の代替原料は下記にさらに開示される。
【0010】
別の態様によると、少なくともステビオール配糖体(例えばレバウディオサイドA)、人工甘味料およびベリー成分を含有する飲料製品が提供され、ここでベリー成分は前段落中に開示されるものから選択される。特定の例示的な実施形態では、飲料製品は、ステビオサイド、ステビオールビオシド、デュルコシドAおよびレバウディオサイド(例えば、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、およびレバウディオサイドEの1種以上)からなる群から選択される少なくとも1種のステビオール配糖体をさらに含有する。特定の例示的な実施形態では、人工甘味料は、アスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、ナトリウムサッカリン、カルシウムサッカリン、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、およびスクラロースである。特定の例示的な実施形態では、飲料製品は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍即席飲料、コーヒー飲料、茶飲料、乳飲料、フレーバーウォーター、機能性強化水、果実ジュース、果実ジュース風味飲料、スポーツ飲料、またはアルコール飲料である。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は前段落中に開示されるもののいずれかである。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、1種以上の抗酸化剤、1種以上の保存料、1種以上の安定化剤、1種以上の味を隠す化合物またはこれらの組合せを含有する。これらや他の任意の代替原料は下記にさらに開示される。
【0011】
別の態様によると、少なくともステビオール配糖体およびベリー成分を含有する、飲料濃縮物の形態の飲料製品が提供される。特定の例示的な実施形態では、これらの原料は上で開示される様々な代替物から選択される。
【0012】
別の態様によると、少なくともステビオール配糖体(例えばレバウディオサイドA)およびベリー成分を含有する、飲料濃縮物の形態の飲料製品が提供される。特定の例示的な実施形態では、これらの原料は上で開示される様々な代替物から選択される。
【0013】
別の態様によると、ステビオール配糖体およびベリー成分を含有する透明飲料が提供される。本明細書で用いられる際、実質的に透明とは、飲料が実質的に全く混濁性を有さず、実質的に無色であることを意味する。
【0014】
別の態様によると、ステビオール配糖体(例えばレバウディオサイドA)およびベリー成分を含有する透明飲料が提供される。本明細書で用いられる際、実質的に透明とは、飲料が実質的に全く混濁性を有さず、実質的に無色であることを意味する。
【0015】
本明細書で開示される飲料および他の飲料製品の特定の例示的な実施形態についての以下の説明の利点を所与として、本発明の少なくとも特定の実施形態が、望ましい呈味特性、栄養学的特性などの提供に適する改善されたまたは代替的な配合物を有することは当業者により理解されるであろう。本発明または本発明の特定の実施形態のこれらおよび他の態様、特徴および利点は、例示的な実施形態の以下の説明から当業者によりさらに理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示に従う飲料および他の飲料製品が極めて多数の異なる特定の配合物または構成物のいずれかを有しうることは理解されるべきである。本開示に従う飲料製品の配合は、製品の意図された市場区分、その望ましい栄養学的特性、風味特性などの要素に応じてある程度変化しうる。例えば、さらなる原料を、下記の飲料配合物のいずれかを含む、特定の飲料の実施形態の配合物に添加することは一般に任意選択である。
【0017】
追加的(すなわち、より多量でかつ/またはその他の)甘味料を添加してもよく、香味料、電解質、ビタミン、果実ジュースまたは他の果実製品、味物質、マスキング剤など、風味強化剤、および/または炭酸化剤を典型的には本開示に従う任意の飲料配合物に添加することで、味、口当たり、栄養学的特性などが変化しうる。一般に、本開示に基づく飲料は、典型的には少なくとも水、甘味料、ベリー成分、および場合により酸味料および香味料を含有する。本開示に基づく少なくとも特定の配合物にとって適切でありうる例示的な香味料は、コーラ香味料、柑橘類の香味料、スパイス香味料およびその他を含む。二酸化炭素の形態の炭酸化剤は、気泡性のために添加されうる。保存料は、他の原料、生産技術、所望の貯蔵寿命などに依存し、必要があれば添加されうる。場合により、カフェインが添加されうる。少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料の特定の例示的な実施形態は、炭酸水、甘味料、コーラナッツ抽出物および/または他のコーラ風味、カラメル色素、リン酸、および場合により他の原料を特徴的に含有するコーラ風味の炭酸飲料である。本開示の利点を所与として、追加的で代替的な適切な原料は当業者により理解されるであろう。
【0018】
本明細書で開示される飲料製品は、飲料、すなわち液体即席配合物、飲料濃縮物などを含む。飲料として、例えば、炭酸および非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍即席飲料、コーヒー飲料、茶飲料、乳飲料、粉末清涼飲料、ならびに液体濃縮物、フレーバーウォーター、機能性強化水、果実ジュースおよび果実ジュース風味飲料、スポーツ飲料、およびアルコール飲料が挙げられる。「飲料濃縮物」および「シロップ」という用語は、本開示全体で同義的に用いられる。考えられる飲料濃縮物の少なくとも特定の例示的な実施形態は、初期容量の水で調製され、それに対して追加的原料が添加される。濃縮還元飲料は、飲料濃縮物から、さらなる容量の水を濃縮物が濃縮還元飲料にまで希釈される程度に濃縮物に添加することによって形成されうる。典型的には、例えば濃縮還元飲料は、濃縮物から、約1部の濃縮物と約3〜約7部の水とを組み合わせることにより調製されうる。特定の例示的な実施形態では、濃縮還元飲料は、1部の濃縮物と5部の水とを組み合わせることにより調製される。特定の例示的な実施形態では、濃縮還元飲料の形成に用いられる追加的な水は炭酸水である。特定の他の実施形態では、濃縮還元飲料は、濃縮物の形成とそれに続く希釈を伴わずに直接調製される。
【0019】
当業者は、便宜上、一部の原料が、特定の場合、飲料製品の調合または製造に用いられる原料の元の形態を参照することにより本明細書中に記載されることを理解するであろう。原料のかかる元の形態は、原料が最終飲料製品中で見出される形態と異なりうる。したがって、例えば本開示に基づく飲料製品の特定の例示的な実施形態では、ステビオール配糖体およびベリー成分であれば、典型的には飲料中に実質的に均一に溶解され、分散されることになる。同様に、固体、濃縮物(例えばジュース濃縮物)などとして同定された他の原料であれば、典型的には、その元の形態のままであるよりは飲料全体または飲料濃縮物全体に均一に分散されることになる。したがって、飲料配合物の原料の形態の参照は、飲料製品中の原料の形態に対する限定ではなく、むしろ配合物の単離成分としての原料を記述する便利な手段として考えられるべきである。
【0020】
水は、典型的には残留原料が溶解、乳化、懸濁または分散される媒体または一次液体部分である、本明細書で開示される飲料中のベース原料である。精製水は本明細書で開示される飲料の特定の実施形態の製造において使用可能であり、かつ飲料の味、香り、または外観に悪影響を与えないように標準的な飲料品質の水が用いられうる。水は、典型的には、透明で、無色で、好ましくないミネラル、味、臭味が存在せず、有機物質が存在せず、アルカリ度が低く、かつ飲料の製造時に適用可能な産業および政府の基準に基づく場合に許容できる微生物学的品質を有することになる。特定の例示的な実施形態では、水は飲料の約80質量%〜約99.9質量%のレベルで存在する。少なくとも特定の例示的な実施形態では、本明細書で開示される飲料および濃縮物中で用いられる水は、米国特許第7,052,725号明細書に開示のように、例えばカルシウムによる任意の補給に先立ち、水の全溶解固体を低下させるように処理されている水を示す「処理水」である。処理水を生成する方法は当業者に既知であり、特に脱イオン化、蒸留、濾過および逆浸透(「r−o」)を含む。「処理水」、「精製水」、「脱ミネラル化水」、「蒸留水」および「r−o水」という用語は、典型的には約500ppm以下の全溶解固体、例えば250ppmの全溶解固体を含有する、実質的にすべてのミネラル含量が除去されている水については本考察では一般に同義であると理解されている。
【0021】
ステビオール配糖体に加え、本明細書で開示される飲料製品の様々な例示的な実施形態での使用に適する甘味料は、天然および人工または合成甘味料を含む(これらのいずれかの組合せを含む)。適切な甘味料および甘味料の組合せは、所望の栄養学的特性、飲料としての呈味特性、口当たりおよび他の感覚受容の要素について選択される。本明細書で用いられる際、「味」は、甘味知覚、甘味知覚の一時的効果、すなわち開始および持続時間、異味、例えば苦味および金属味、残留知覚(後味)および触覚認識、例えばボディおよび濃さの組合せを示す。本明細書で用いられる際、「フルカロリー」飲料配合物は、栄養性甘味料で十分に甘味付けされたものである。「栄養性甘味料」という用語は、一般に、典型的な使用量中での有意なカロリー含量、例えば飲料の1人前8オンス(約240cc)当たり約5カロリー超を提供する甘味料を示す。本明細書で用いられる際、「強力甘味料」は、砂糖の少なくとも2倍甘い甘味料、すなわち等しい甘味を得るのに質量を基準として砂糖の半分以下の質量を必要とする甘味料を意味する。例えば、強力甘味料では、ブリックス10度のレベルまで砂糖で甘味付けされた飲料中と等しい甘味を得るのに必要な砂糖の質量は半分未満でありうる。強力甘味料は、栄養性甘味料(例えば羅漢果(Lo Han Guo)ジュース濃縮物)および非栄養性甘味料(例えば典型的には羅漢果粉末)の双方、レバウディオサイドAなどを含む。羅漢果は、天然栄養性または天然非栄養性甘味料として提供されうる強力甘味料である。例えば、羅漢果ジュース濃縮物は栄養性甘味料であり、かつ羅漢果粉末は非栄養性甘味料でありうる。
【0022】
さらに、強力甘味料は、強力な天然甘味料(例えばステビオール配糖体、羅漢果など)および強力な人工甘味料(例えばネオテームなど)の双方を含む。しかし、本明細書で開示される天然飲料製品としては、強力な天然甘味料のみが用いられる。特定の強力甘味料における一般に認められた効力の数字として、例えば、
シクラミン酸塩 砂糖の30倍の甘さ
ステビオサイド 砂糖の100〜250倍の甘さ
モグロサイドV 砂糖の100〜300倍の甘さ
レバウディオサイドA 砂糖の150〜300倍の甘さ
アセスルファム−K 砂糖の200倍の甘さ
アスパルテーム 砂糖の200倍の甘さ
サッカリン 砂糖の300倍の甘さ
ネオヘスペリジンジヒドロカルコン 砂糖の300倍の甘さ
スクラロース 砂糖の600倍の甘さ
ネオテーム 砂糖の8,000倍の甘さ
が挙げられる。
【0023】
ステビオール配糖体に加え、本明細書で開示される飲料製品の少なくとも特定の例示的な実施形態に適する任意の追加的甘味料として、例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、グリシルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、D−タガトース、エリトリトール、(メソ−エリトリトールはエリトリトール)、マリトール(malitol)、麦芽糖、乳糖、フラクトオリゴ糖、羅漢果、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、キシロース、アラビノース、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、およびリボース、ならびにソーマチン、モナチン、モネリン、ブラゼイン、L−アラニンおよびグリシンなどのタンパク質甘味料が挙げられる。
【0024】
下記にさらに考察されるように、本明細書で開示される飲料製品の一部または全部の実施形態に適する例示的な天然栄養性甘味料は、羅漢果ジュース濃縮物、ショ糖、果糖、ブドウ糖、リンゴ、チコリー、はちみつなどの天然供給源由来のブドウ糖フルクトースシロップ、例えば高果糖コーンシロップ、転化糖、メープルシロップ、カエデ糖、はちみつ、黒糖蜜、例えば、サトウキビ糖蜜、例えば第1糖蜜、第2糖蜜、ブラックストラップ糖蜜、および甜菜糖蜜、モロコシシロップ、および/またはその他、ならびにこれらのいずれかの混合物などの栄養性の、天然結晶または液体天然甘味料を含む。下記にさらに考察されるように、本明細書で開示される飲料製品の一部または全部の実施形態に適する例示的な人工甘味料は、サッカリン、シクラミン酸塩、アスパルテーム、他のジペプチド、アセスルファムカリウム、および他のかかる強力な人工甘味料、ならびにこれらのいずれかの混合物を含む。下記にさらに考察されるように、本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する、本明細書で開示される飲料の一部または全部の実施形態における任意の追加的甘味料としての使用に適する例示的な強力な天然非栄養性甘味料は、羅漢果粉末および関連化合物、ならびにこれらのいずれかの混合物を含む。さらに、本明細書で開示される飲料製品の少なくとも特定の例示的な実施形態では、1種以上の天然栄養性甘味料および/または1種以上の人工甘味料と1種以上のステビオール配糖体との組合せを用い、甘味および所望の呈味特性および栄養学的特性の他の態様がもたらされる。特定のかかる甘味料が、例えば問題の飲料中でのその(またはそれらの)甘味知覚の閾値を下回る量で用いられる場合、さらにまたは代わりに、本明細書で開示される飲料製品の様々な実施形態における味物質、マスキング剤またはそれらに類するものとして作用することも理解されるべきである。
【0025】
本明細書で開示される飲料製品中で用いられる甘味料は、飲料中での消費に適する食用消耗品である。「食用消耗品」は、ヒトまたは動物消費用の食料または飲料あるいは食料または飲料の原料を意味する。甘味料または甘味剤は味覚により甘いものと知覚される。香味剤および甘味剤の知覚は、ある程度、諸因子の相互関係に依存しうる。風味および甘味はまた別々に知覚される、すなわち風味および甘味の知覚は互いに依存するとともに互いから独立している場合がある。例えば、大量の香味剤が用いられる場合、少量の甘味剤は容易に知覚可能であり、その逆もいえる。したがって、香味剤と甘味剤の間での口と嗅覚の相互作用は諸因子の相互関係を含みうる。
【0026】
ステビオール配糖体は、少なくとも特定の例示的な実施形態では、飲料にとっての所望レベルの甘みに応じて、飲料の約0.1質量%〜約20質量%、典型的には約6質量%〜約16質量%の量で存在する。所望の飲料の均一性、テクスチャおよび味を得るため、飲料中に一般に用いられる標準化された液糖はステビオール配糖体と併用されうる。典型的にはかかる標準化された甘味料には、飲料の風味、色または稠度に悪影響を与えうると思われる非糖質性固体の痕跡がない。
【0027】
本明細書で用いられる際、「味」は、甘味知覚、甘味知覚の一時的効果、すなわち開始および持続時間、異味、例えば苦味および金属味、残留知覚(後味)および触覚認識、例えばボディおよび濃さの組合せを示す。本明細書で用いられる際、「フルカロリー」飲料配合物は、栄養性甘味料で十分に甘味付けされたものである。「栄養性甘味料」という用語は、一般に、典型的な使用量中での有意なカロリー含量、例えば飲料の1人前8オンス(約240cc)当たり約5カロリー超を提供する甘味料を示す。本明細書で用いられる際、「強力甘味料」は、砂糖の少なくとも2倍甘い甘味料、すなわち等しい甘味を得るのに質量を基準として砂糖の半分以下の質量を必要とする甘味料を意味する。例えば、強力甘味料では、ブリックス10度のレベルまで砂糖で甘味付けされた飲料中と等しい甘味を得るのに必要な砂糖の質量は半分未満でありうる。強力甘味料は、栄養性甘味料(例えば羅漢果ジュース濃縮物)および非栄養性甘味料(例えば典型的には羅漢果粉末)の双方を含む。さらに、強力甘味料は、強力な天然甘味料(例えばステビオール配糖体、羅漢果など)および強力な人工甘味料(例えばネオテームなど)の双方を含む。しかし、本明細書で開示される天然飲料製品においては、強力な天然甘味料のみが用いられる。特定の強力甘味料において一般に認められた効力の数字として、例えば、
シクラミン酸塩 砂糖の30倍の甘さ
ステビオサイド 砂糖の100〜250倍の甘さ
モグロサイドV 砂糖の100〜300倍の甘さ
レバウディオサイドA 砂糖の150〜300倍の甘さ
アセスルファム−K 砂糖の200倍の甘さ
アスパルテーム 砂糖の200倍の甘さ
サッカリン 砂糖の300倍の甘さ
ネオヘスペリジンジヒドロカルコン 砂糖の300倍の甘さ
スクラロース 砂糖の600倍の甘さ
ネオテーム 砂糖の8,000倍の甘さ
が挙げられる。
【0028】
本明細書で用いられる際、「非栄養性甘味料」は、典型的な使用量で有意なカロリー含量を提供しないもの、すなわち砂糖のブリックス度10に相当する甘味を得るのに飲料の1人前8オンス(約240cc)当たり5カロリー未満を与えるものである。本明細書で用いられる際、「低カロリー飲料」は、フルカロリーバージョン、典型的には過去に市販されたフルカロリーバージョンに対し、飲料の1人前8オンス(約240cc)当たりで少なくとも25%のカロリーの低下を有する飲料を意味する。本明細書で用いられる際、「低カロリー飲料」は、飲料の1人前8オンス(約240cc)当たり40カロリー未満を有する。本明細書で用いられる際、「ゼロカロリー」または「ダイエット」は、飲料における1人前当たり、例えば8オンス(約240cc)当たり5カロリー未満を有することを意味する。
【0029】
人工および追加的な強力な天然非栄養性甘味料は、少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する本明細書で開示される飲料の少なくとも特定の例示的な実施形態での使用に適する。かかる強力な人工甘味料は、ペプチドに基づく甘味料、例えば、アスパルテーム、ネオテーム、およびアリテーム、ならびに非ペプチドに基づく甘味料、例えば、ナトリウムサッカリン、カルシウムサッカリン、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、およびスクラロースを含む。アリテームは、カラメルを含有する飲料として、沈殿物を形成することが知られている場合にあまり望ましくない可能性がある。適切な追加的な強力な天然非栄養性甘味料として、例えば羅漢果および関連化合物が挙げられる。効力の高い非栄養性甘味料は、典型的には、その甘味力、飲料が市販されるべき国の任意の適用可能な規定条件、飲料の所望レベルの甘味などに従い、飲料の流体1オンス(約30cc)当たり数ミリグラムのレベルで用いられる。本開示の利点を所与として、少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する本明細書で開示される飲料製品の様々な実施形態での使用に適する追加的甘味料を(もし存在すれば)選択することは当業者の能力の範囲内となる。
【0030】
本明細書で開示される飲料製品の少なくとも1種のステビオール配糖体は、例えば、甘味に適するステビオサイド、レバウディオサイドおよび関連化合物の任意の1種以上でありうる。これらの化合物は、抽出またはそれに類するものにより、ステビア(Stevia)植物から得られうる。ステビア(Stevia)(例えばステビア(Stevia rebaudiana Bertoni))は甘味植物であり、その葉は天然の甘いジテルペン配糖体の複雑な混合物を含有する。ステビオール配糖体およびレバウディオサイドは、甘味に寄与するステビア(Stevia)の成分である。典型的には、これらの化合物は、ステビオサイド(4〜13%の乾燥質量)、ステビオールビオシド(微量)、レバウディオサイドA(2〜4%)、レバウディオサイドB(微量)、レバウディオサイドC(1〜2%)、レバウディオサイドD(微量)、およびレバウディオサイドE(微量)を含むレバウディオサイド、ならびにデュルコシドA(0.4〜0.7%)を含むことが見出されている。かかる化合物は、本明細書中でステビオール配糖体と称される。以下の成分、すなわちラブダン、ジテルペン、トリテルペン、ステロール、フラボノイド、揮発性油成分、色素、ガムおよび無機物質はまた、ステビア(Stevia)植物の葉において同定されている。
【0031】
任意の追加的な強力な非栄養性甘味料羅漢果は、様々な異なる綴りおよび発音を有するものであり、植物のウリ(Cucurbitaceae)科、ジョリフィア(Jollifieae)連、トラジアンチナ(Thladianthinae)亜連、シライチア(Siraitia)属の果実から得られうる。羅漢果は、シライチア・グロスベノリイ(S.grosvenorii)、シライチア・シアメンシス(S.siamensis)、シライチア・シロマラジア(S.silomaradjae)、シライチア・シッキメンシス(S.sikkimensis)、シライチア・アフリカナ(S.africana)、シライチア・ボーニーンシス(S.borneensis)、およびシライチア・タイワニアナ(S.taiwaniana)属/種から得られることが多い。適切な果実は、シライチア・グロスベノリイ(S.grosvenorii)属/種の果実(羅漢果果実と称されることが多い)を含む。羅漢果は、トリテルペン配糖体またはモグロサイドを含有し、それら成分は羅漢果甘味料として用いられうる。羅漢果はジュースまたはジュース濃縮物、粉末などとして用いられうる。特定の例示的な実施形態では、羅漢果ジュースは、少なくとも約0.1%、例えば0.1%〜約15%のモグロサイド、例えばモグロサイドV、モグロサイドIV、(11−オキソ−モグロサイドV)、シアメノシドおよびこれらの混合物を含有する。LHGは、例えば米国特許第5,411,755号明細書中で考察のように生成されうる。少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する本明細書で開示される飲料製品の少なくとも特定の例示的な実施形態では、他の果実、野菜または植物由来の甘味料はまた、天然または加工甘味料または甘味強化剤(sweetness enhancer)として用いられうる。
【0032】
少なくとも特定の例示的な実施形態では、本明細書で開示される飲料製品のベリー成分は、任意の1種以上のベリー、それらの一部(例えば、ジュース、パルプ、スキン、髄、種子、茎など(それらの任意の組合せを含む))および/またはそれらの誘導体(例えば、抽出物、画分など(それらの組合せを含む))でありうる。本明細書で用いられる際、「ベリー」という用語は、限定はされないが、特にそれが食用である場合、典型的には、ベリーと総称される任意の小さい肉果を含む種子を有する肉果(例えば、バナナ、トマト、クランベリーなど)を示すように意図されている。ベリーという用語はまた、集合果(すなわち「真の」ベリーでないがそのようなものとして一般に認められている果実)を示す。典型的な適切なベリーとして、ラズベリー、ブラックベリー、ストロベリーなどが挙げられる。特定の例示的な実施形態では、ベリー成分は、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、ベアベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、チェリー、チョークチェリー、クラウドベリー、クランベリー、カラント、ナツメヤシの実、デューベリー、エルダーベリー、ブドウ、グーズベリー、ハックルベリー、ローガンベリー、オラリーベリー、マルベリー、レーズン、プレインズベリー、プレイリーベリー、ラズベリー、サスカトゥーンベリー、サーモンベリー、シーバックソーンベリー、スローベリー、ストロベリー、シンブルベリー、ソーンベリー、ワインベリー、ウォートルベリーなどのベリー、またはこれらの任意の組合せである(あるいはそれらから抽出されるかまたはそれ以外では誘導される)。
【0033】
特定の実施形態では、本明細書で開示される飲料製品中の1種以上のベリー、それらの一部またはそれらの誘導体は、限定はされないが、抗酸化特性の提供、飲料の保存の補助、飲料の安定性の増大、飲料の呈味特性の改善、またはそれらに類するものを含む機能的利点を提供する。
【0034】
ブルーベリー、ストロベリー、クランベリー、ラズベリー、ブラックカラントおよび本明細書中に記載されかつ当該技術分野で既知のその他のベリーを含む多種のベリーは、抗酸化活性とともに天然化学成分を含有することから、「抗酸化物質に富んだベリー」と称されうる。抗酸化剤は、酸化反応を阻害しうる化学物質である。特定の抗酸化物質に富んだベリーでは、抗酸化活性に対する主要な寄与因子として、アスコルビン酸(ビタミンCとしても知られる)およびフェノール化合物の複合基が挙げられる。フェノール系の抗酸化活性の大部分は、アントシアニンとして知られる亜群に起因する。アントシアニンはベリーの主要な色素であり、ベリーの色に関与する。実際、様々なアントシアニンは、果実および花の赤色、紫色および青色のほぼすべてに関与している。それらは強力な抗酸化活性を有することが知られている(Wangら(1996年) J.Agric.Food Chem.44:701頁)。最高のアントシアニン濃度を有するものがブルーベリーであり、それにクランベリーおよびストロベリーが続く。ラズベリーはポリフェノールのエラグ酸(C14)を含有する。この酸は、加水分解性タンニンの形態で存在する非フラボノイドポリフェノールであり、放射線誘発性の脂質過酸化から染色体を保護することが見出されている。
【0035】
抗酸化剤は、様々な方法により測定されうる。既知の抗酸化化合物は標準の分析法により定量されうる。例えば、全フェノール系は、基準として没食子酸を用いるFolin−Ciolacalteu法により測定されうる(Veliogluら(1998年) J.Agric.Food Chem.(46):4113頁)。アントシアニンは分光学的方法により測定されうる(FulekiおよびFrancis(1968年) J.Food Science(33):73−83頁)。抗酸化活性はまた、インビトロでの標準的な酸化反応、例えばチオバルビツール酸反応アッセイ(TBAR)(BuergeおよびAust(1978年) Meth.Enzymol.52:302頁)により測定される反応を開始し、次いで試験試料により与えられる酸化の阻害を測定することによって直接測定されうる。異なる系内での抗酸化活性はDPPH遊離基の除去方法により測定されうる(HuおよびKitts(2000年) J. of Agricultural and Food Chemistry 48:1466−1472頁)。DPPHは、抗酸化剤基質により直接除去される安定な遊離基(2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル)である。したがって、この方法では、酸化反応の開始および伝播段階の双方で阻害特性が測定される。
【0036】
特定の例示的な実施形態では、本明細書で開示される飲料製品の1種以上のベリー、それらの一部またはそれらの誘導体は飲料製品の保存を補助し、すなわち自己保存料として作用する。特定の例示的な実施形態では、ベリー保存料を含有する1種以上のベリーは、本明細書中に記載の1種以上の非ベリー保存料に加えて少なくとも1種のステビオール配糖体を含有する飲料に添加される。
【0037】
本明細書で開示される飲料製品の特定の例示的な実施形態では、抗酸化、抗菌、抗炎症、抗アレルギーおよび/または鎮痛活性を有する1種以上のベリー成分が(単独でまたは1種以上の他のベリー成分とともに)含有される。ベリー中に存在する特定の化合物は抗菌特性を有する。例えば、シーバックソーンベリーは、抗菌、抗酸化、抗炎症、抗アレルギーおよび鎮痛活性を有することが報告されている(Benavente−Garciaら(1997年) J.Agricult.Food Chem.45:4505頁)。シーバックソーンベリーの抗菌および抗酸化画分を調製するための方法は、Chauhanら、米国特許第6,946,154号明細書中に記載されている。冷却圧搾されたラズベリー種油は、抗酸化剤および抗菌化合物を含有することが見出されている。ジメチルアミノプロピルアミンと冷却圧搾されたラズベリー種油の反応により得られるラズベリー種油誘導体を調製するための方法は、O’Lenick,Jrの米国特許第7,078,545号明細書中に記載されている。冷却圧搾されたクランベリー種油は、抗酸化剤、抗菌化合物を含有する。冷却圧搾されたクランベリー種油およびジメチコンコポリオールと冷却圧搾されたクランベリー種油の反応により誘導されるクランベリー種油誘導体を調製する方法は、Kleinら、米国特許第6,646,144号明細書中に記載されている。
【0038】
特定の例示的な実施形態では、ベリー、その一部、その誘導体、および/または他のベリー成分は、安定化剤として作用する1種以上の成分を含有することから、少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する本明細書で開示される飲料製品に単独または他の安定化剤とともに添加することで、飲料の安定性および/または稠度が維持されうる。例えば、ペクチンは一般に用いられるベリー由来の安定化剤である。他の適切な安定化剤は本明細書中でさらに説明される。
【0039】
特定の例示的な実施形態では、ベリー、その一部、またはその誘導体および/または他のベリー成分は、ステビア(Stevia)甘味料、例えばステビオサイドまたはレバウディオサイドの苦味または後味または不快な味気ない味(off−note)を隠す、無効化する、希釈するまたは低減するのに十分な量で、単独で用いられうるかまたは他の味を隠す成分と併用されうる。
【0040】
ベリー、その一部、その誘導体および/または他のベリー成分は、限定はされないが、ベリージュース、ベリージュース濃縮物、ベリージュース抽出物、ベリージュース粉末、凍結乾燥ベリージュース、ベリー果実粉末、凍結乾燥ベリー果実粉末、ベリー種油などを含む種々の形態で提供されうる。これらの形態の製造方法は当該技術分野で周知である。
【0041】
ベリージュースは当該技術分野で周知の種々の方法により製造されうる。一般に、ベリージュースを製造する任意の方法(圧搾、例えば冷却圧搾および/または加熱圧搾など)が用いられうる。ジュースは、その天然濃縮物から濃縮または希釈されうる。1種以上のベリーの構成要素、すなわち種子、パルプ、スキン、髄、茎などからの抽出物は、当該技術分野で周知の方法(圧搾など)により製造されうる。例えば、ベリーの種子、パルプ、スキン、髄または茎は水で希釈され、抽出物は破砕、圧搾、またはボルテックスにより製造されうる。抽出物の不溶性原料は抽出物の可溶性上清から分離されうる。抽出物の上清は用いられ、かつ/または抽出物の任意の油性脂質画分もまた用いられうる。
【0042】
本明細書で開示される飲料製品の特定の例示的な実施形態では、脱水ベリー成分が原料として用いられる。果実の工業用脱水は、加熱乾燥空気が果実の土台またはその上部を通過する熱風駆動の対流乾燥により行われうる。果実は凍結乾燥可能であり、そのプロセスでは水が極めて低い絶対圧力の条件下での凍結状態から直接昇華される。果実の乾燥については特許文献中に記載され、果実片を糖類およびガムでコートし、次いで華氏220度(約104℃)超の空気中で急速に乾燥させ、果実片を膨張させ、乾燥する方法を教示したKraigら、米国特許第4,515,822号明細書は注目される。Koshidaら、米国特許第4,341,803号明細書は、凍結乾燥、マイクロ波乾燥および真空乾燥の連続的な組合せによりパリパリした(crisp)ドライフルーツスナックを製造する方法を教示する。Nafisi−Movaghar、米国特許第5,000,972号明細書は、果実をスルファイト剤なしに(without sulfiting)乾燥する方法を教示する。Mazinら、米国特許第5,188,861号明細書は、乾燥果実片由来の天然風味を除去し、かつ新しい実質的に異なる風味を導入する方法を教示する。Duranceら、米国特許第5,962,057号明細書は、新鮮な風味およびサクサクした(crunchy)食感を有するマンゴおよびパイナップルを乾燥する方法を教示する。Duranceら、米国特許第6,312,745号明細書は、抗酸化物質に富んだベリーを真空マイクロ波乾燥により乾燥し、その抗酸化活性およびその抗酸化化合物を保存するための方法を教示する。ベリー種油を冷却圧搾する方法は当該技術分野で既知である(例えば、米国特許第6,391,345号明細書および米国特許第7,078,545号明細書を参照)。
【0043】
少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する、本明細書で開示される飲料製品の特定の実施形態は1種以上の酸を含有する。かかる酸味料は、例えば、飲料の味への酸味の添加、おいしさの増大、渇きを静める効果の増大、甘味の改良および軽度の保存料としての作用を含む1つ以上の機能のいずれかの役目を果たしうる。適切な酸は既知であり、本開示の利点を所与として当業者には明らかであろう。本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料の一部または全部の実施形態での使用に適する例示的な酸は、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ギ酸、アスコルビン酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン酸およびアジピン酸、ならびにこれらのいずれかの混合物を含む。
【0044】
典型的には、例えば酸味料の1種以上の酸は、用いられる酸味料、所望のpH、用いられる他の原料などに応じて、合計で飲料の約0.01質量%〜約1.0質量%、例えば飲料の約0.05質量%〜約0.5質量%、例えば飲料の0.1質量%〜0.25質量%の量で用いられる。本明細書で開示される飲料の少なくとも特定の例示的な実施形態のpHは、約2.0〜約5.0の範囲内の値でありうる。特定の例示的な実施形態における酸は飲料風味を高める。酸が多すぎると飲料風味、ひいては酸味または他の異味が損なわれうる一方、酸が少なすぎると飲料の味が平凡なものになりうる。
【0045】
選択される特定の1種以上の酸および使用量は、他の原料、飲料製品の所望の貯蔵寿命、ならびに飲料のpHに対する効果、適定酸度、および味に部分的に依存することになる。本開示の利点を所与として、当業者は、アスパルテームなどのペプチドに基づく人工甘味料を含有する飲料製品を調製する場合、得られる飲料組成物は、人工甘味料の甘味効果を保持するためには特定のpH未満で維持されるのが最良であることを理解するであろう。カルシウムが補給された飲料の形成においては、カルシウム塩の存在がpHを増加させ、そこでは塩の溶解を促進するとともに人工甘味料の安定性にとって望ましいpHを維持するための追加的酸が必要とされる。組成物の適定酸度を増大させる、飲料組成物中の追加的酸の存在は、得られる飲料により酸っぱい(tart or sour)味をもたらすことになる。本開示の利点を所与として、本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料のいずれかの特定の実施形態の酸味料成分における適切な酸または酸の組合せおよびかかる酸の量を選択することは当業者の能力の範囲内となる。
【0046】
少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する、本明細書で開示される飲料製品の特定の例示的な実施形態はまた、pHを調整するための少量のアルカリ化剤を含有しうる。かかるアルカリ化剤として、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。例えば、アルカリ化剤の水酸化カリウムは約0.02〜約0.04質量%の量で使用可能であり、ここでは約0.03%の量が特定の飲料において典型的である。量は、アルカリ化剤のタイプおよび調整されるべきpH度に依存することになる。
【0047】
少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する本明細書で開示される飲料製品は、場合により、追加的な風味組成物、例えば、天然および合成の果実風味、植物風味、他の風味、およびこれらの混合物を含有する。本明細書で用いられる際、「果実風味」という用語は、一般に種子植物の食用の生殖部分に由来する風味を示す。甘いパルプが種子、例えば、バナナ、トマト、クランベリーなどに付随するものと、小さい果肉のベリーを有するものの双方が含まれる。また、「果実風味」という用語の範囲内に、天然供給源由来の果実風味の再現のために製造される合成的に調製された風味が含まれる。適切な果実またはベリー供給源の例として、ホールベリーまたはその一部、ベリージュース、ベリージュース濃縮物、ベリーピューレおよびこれらの混合物、乾燥ベリー粉末、乾燥ベリージュース粉末、凍結乾燥ベリージュース、粉末およびピューレなどが挙げられる。
【0048】
典型的な果実風味は、例えば、オレンジ、マンダリンオレンジ、タンジェリン、タンジェロ、ポメロ、レモン、ライム、およびグレープフルーツなどの柑橘類の風味、ならびにリンゴ、ブドウ、チェリー、およびパイナップル風味などの風味、ならびにこれらの混合物を含む。特定の例示的な実施形態では、飲料濃縮物および飲料は、果実風味成分、例えばジュース濃縮物またはジュースを含有する。本明細書で用いられる際、「植物風味」という用語は、果実以外の植物の一部に由来する風味を示す。そのようなものとして、植物風味は、ナッツ、樹皮、根および葉の精油および抽出物に由来する風味を含みうる。また、天然供給源に由来する植物風味の再現のために製造される合成的に調製された風味は「植物風味」という用語の範囲内に含まれる。かかる風味の例として、コーラ風味、茶風味などや、これらの混合物が挙げられる。風味成分は、様々な上記の風味の混合物をさらに含有しうる。飲料濃縮物および飲料の特定の例示的な実施形態では、コーラ風味成分または茶風味成分が用いられる。風味特性を本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料に与えるのに有用な特定量の風味成分は、選択される風味、望ましい風味の影響、および風味成分の形態に依存することになる。本開示の利点を所与として、当業者は、所望の風味の影響を得るために用いられるいずれかの特定の風味成分の量を容易に決定できるであろう。
【0049】
本明細書で開示される飲料製品のベリー成分は、ベリージュースの形態で提供されうる。追加的ジュース、例えば果実および/または野菜ジュースもまた含まれうる。ジュースは、濃縮物、ピューレ、濃度100%の(single strength)ジュース、または他の適切な形態といった形態で用いられうる。本明細書で用いられる際、「ジュース」という用語は、濃度100%の果実、ベリー、または野菜ジュース、ならびに抽出物、濃縮物、ピューレ、ミルク、および他の形態を含む。複数の異なる果実、野菜および/またはベリージュースは、場合により他の香味料と組み合わせることで所望の風味を有する飲料が生成されうる。適切なジュース供給源の例として、限定はされないが、プラム、プルーン、イチジク、パイナップル、モモ、バナナ、リンゴ、西洋ナシ、グアバ、アプリコット、ココナツ、オリーブ、キーウィ、マルメロ、クロウメモドキ、パッションフルーツ、ナナカマド、ザクロ、柿、マンゴ、ルバーブ、パパイヤ、レイチ、レモン、オレンジ、ライム、タンジェリン、マンダリンオレンジ、タンジェロ、ポメロ、グレープフルーツ、バルバドスチェリー(アセロラチェリー)、ベアベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、チェリー、チョークチェリー、クラウドベリー、クランベリー、カラント、ナツメヤシの実、デューベリー、エルダーベリー、ブドウ、グーズベリー、ハックルベリー、ローガンベリー、オラリーベリー、マルベリー、レーズン、プレインズベリー、プレイリーベリー、ラズベリー、サスカトゥーンベリー、サーモンベリー、シーバックソーンベリー、スローベリー、ストロベリー、シンブルベリー、ソーンベリー、ワインベリー、ウォートルベリーなどが挙げられる。本開示の利点を所与として、少なくとも特定の例示的な実施形態での使用に適する極めて多数の追加的で代替的なジュースは当業者には明らかであろう。ジュースを含有する本明細書で開示される飲料製品中で、ジュースは、例えば飲料の少なくとも約0.2質量%のレベルで用いられうる。特定の例示的な実施形態では、ジュースは飲料の約0.2質量%〜約40質量%のレベルで用いられる。典型的には、ジュースは(もし存在しても)約1質量%〜約20質量%の量で用いられうる。
【0050】
飲料の色の暗色化を伴わない風味の調節および/または飲料のジュース含量の増加のため、色が薄めの特定のかかるジュースは特定の例示的な実施形態の配合物中に含有されうる。かかるジュースの例として、リンゴ、西洋ナシ、パイナップル、モモ、レモン、ライム、オレンジ、マンダリンオレンジ、タンジェロ、ポメロ、アプリコット、グレープフルーツ、タンジェリン、ルバーブ、カシス、マルメロ、パッションフルーツ、パパイヤ、マンゴ、グアバ、レイチ、キーウィ、マンダリン、ココナツ、およびバナナが挙げられる。脱風味化および脱色がなされたジュースは、必要に応じて用いられうる。
【0051】
本明細書で開示される飲料製品の少なくとも特定の例示的な実施形態での使用に適する他の香味料として、例えば、スパイス香味料、例えばカッシア、丁子、シナモン、コショウ、ジンジャー、バニラスパイス香味料、カルダモン、コリアンダー、ルートビア、ササフラス、朝鮮人参、およびその他が挙げられる。本開示の利点を所与として、少なくとも特定の例示的な実施形態での使用に適する極めて多数の追加的で代替的な香味料は当業者には明らかであろう。香味料は、抽出物、含油樹脂、ジュース濃縮物、ボトラーズ・ベース(bottler’s base)、または当該技術分野で既知の他の形態といった形態でありうる。少なくとも特定の例示的な実施形態では、かかるスパイスまたは他の風味は、ジュースまたはジュースの組合せのそれを補完する。
【0052】
1種以上の香味料はエマルジョンの形態で用いられうる。香味料のエマルジョンは、香味料の一部または全部を、場合により飲料の他の原料および乳化剤と混合することにより調製されうる。乳化剤は、共に混合される香味料と同時にかまたはその後に添加されうる。特定の例示的な実施形態では、乳化剤は水溶性である。典型的な適切な乳化剤は、アラビアガム、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース、トラガカント、ガティガムおよび他の適切なガムを含む。本開示の利点を所与として、追加的な適切な乳化剤は飲料配合物の当業者には明らかであろう。例示的な実施形態における乳化剤は、約3%超の香味料および乳化剤の混合物を含有する。特定の例示的な実施形態では、乳化剤は混合物の約5%〜約30%である。
【0053】
混濁剤としても作用しうる増量剤は、典型的にはエマルジョン液滴の飲料中での分散状態を保持するために用いられうる。かかる増量剤の例として、臭素化植物油、ロジンエステルや、特にエステルガムが挙げられる。市販されている任意の増量剤は、本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料中で用いられうる。増量剤に加え、乳化剤およびエマルジョン安定化剤を用い、風味エマルジョン液滴が安定化されうる。かかる乳化剤およびエマルジョン安定化剤の例として、ガム、ペクチン、セルロース、ポリソルベート、ソルビタンエステルおよびアルギン酸プロピレングリコールが挙げられる。
【0054】
本明細書で用いられる際、「味」という用語は、飲料の風味を示し、甘味、酸味、苦味、塩味および旨味(例えば風味または肉味)を含む。特定の例示的な実施形態では、味は飲料の甘味を示す。本明細書で用いられる際、「口当たり」という用語は、飲料が口に与える触感(すなわち口内での物理的および化学的相互作用によるもの)を示すように意図されている。それは口蓋での初期の知覚から嚥下に至るまで評価される。口当たりの改良剤(modifiers)としては、クリーム、濃さ、泡の特性などの質を含む。
【0055】
二酸化炭素を用いると、本明細書で開示される飲料製品の特定の例示的な実施形態に対して発泡がもたらされる。飲料を炭酸化するための当該技術分野で既知の技術のいずれかおよび炭酸化装置が用いられうる。二酸化炭素は飲料の味および外観を向上させ、好ましくない細菌の阻害および破壊により飲料の純度の保護に役立ちうる。特定の実施形態では、飲料は、例えば最大で約7.0容量の二酸化炭素のCOレベルを有する。例示的な実施形態は、例えば約0.5〜5.0容量の二酸化炭素を有しうる。本明細書および独立請求項で用いられる際、1容量の二酸化炭素は、華氏60度(16℃)の温度および大気圧での任意の所与の量の水により吸収される二酸化炭素の量として定義される。1容量の気体は、それが吸収される水が占める空間と同じ空間を示す。二酸化炭素含量は、発泡の所望レベルおよび飲料の味または口当たりに対する二酸化炭素の影響に基づいて当業者により選択されうる。炭酸化剤は天然または合成でありうる。
【0056】
場合により、カフェインは、本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料の様々な実施形態に添加されうる。添加されるカフェインの量は、所望の飲料特性、飲料が市場化されるべき国の任意の適用可能な規制条件などにより決定される。カフェインは、食料および飲料での使用にとって許容可能な純度である必要がある。カフェインは、元来、天然(例えば、コーラ、ココアナッツ、コーヒーおよび/または茶に由来)または合成でありうる。カフェインが追加的なカフェインの添加に先立ち配合物中(例えばコーヒーまたは茶飲料中)に存在する場合、それらの中に存在するカフェインは飲料中のカフェインの百分率の中に含まれるべきである。カフェインの量は、濃度100%の飲料の約0.002質量%〜約0.05質量%(チェック%)でありうる。特定の実施形態では、カフェインの量は約0.005%〜約0.02%である。特定の例示的な実施形態では、カフェインは、飲料の質量を基準として0.02パーセント以下のレベルで含まれる。濃縮物またはシロップにおいては、カフェインレベルは約0.006%〜約0.15%でありうる。例えば脱カフェイン化されていないフレーバーコーヒーが用いられる場合、これらの原料が天然にカフェインを含有することから、カフェインレベルはより高い可能性がある。
【0057】
本明細書で開示される飲料製品は、一般に典型的には飲料配合物中に見出される原料のいずれかを含む追加的原料を含有しうる。例えば、これらの追加的原料は、典型的には安定化された飲料濃縮物に添加されうる。かかる追加的原料の例として、限定はされないが、カフェイン、カラメルおよび他の着色料または色素、消泡剤、ガム、乳化剤、茶固体、混濁成分、および栄養補給剤が挙げられる。
【0058】
栄養補給剤の原料の例は当業者に既知であり、限定はされないが、ビタミン、ミネラル、ハーブまたは植物、アミノ酸、または必須脂肪酸または酵素、プロテアーゼ、組織、器官、腺またはその一部が挙げられる。ビタミンは、限定はされないが、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB(チアミン)、ビタミンB(リボフラビン)、ビタミンB(ナイアシン)、ビタミンB(パントテン酸)、ビタミンB(ピリドキシン)、ビタミンB(ビオチン)、ビタミンB(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンK(ナフトキノン)、ビタミンD(D(エルゴカルシフェロールとルミステロールの分子化合物、1:1);D(エルゴカルシフェロールまたはカルシフェロール);D(コレカルシフェロール);D(ジヒドロタキステロール);D(サイトカルシフェロール(sitocalciferol)))、およびこれらの組合せを含む。栄養補給剤は、典型的には適正製造基準(good manufacturing practices)の下で一般に認められた量で存在し、典型的には約1%〜約100% RDV(かかるRDVは確立されている)の量で存在する。特定の実施形態では、栄養補給剤の原料は、約5%〜約20% RDV(確立されている)の量で存在しうる。
【0059】
本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料は、場合により1種以上の着色料をさらに含有しうる。本明細書で用いられる際、「着色料」は、色を与える任意の化合物を意味するように意図され、限定はされないが、天然色素、合成色素、着色添加剤およびこれらの混合物を含む。天然色および人工色が用いられうる。1種以上のFD&C色素(例えば、黄色5号、青色2号、赤色40号)および/またはFD&Cレーキを用い、本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料が着色されうる。本明細書で開示される少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する飲料中に使用可能な典型的なレーキ色素は、FDA認可のレーキ、例えばレーキの赤色40号、黄色6号、青色1号などである。さらに、FD&C色素またはFD&Cレーキ色素と他の従来の食品および食品着色料との混合物が用いられうる。他の着色料、例えば天然剤が用いられうる。かかる他の着色料の非限定例として、果実および野菜ジュースおよび/または粉末、リボフラビン、カロチノイド(例えば、βカロチン)、ターメリック、およびリコピンが挙げられる。用いられる着色料の正確な量は、用いられる作用物質および最終製品における所望の強度に応じて変化することになる。一般に、着色料は、用いられる場合、組成物の質量または容量を基準として約0.0001%〜約0.5%、約0.001%〜約0.1%、または約0.004%〜約0.1%のレベルで存在する必要がある。
【0060】
本明細書で開示される飲料の特定の例示的な実施形態は天然飲料である、すなわちそれらには天然原料のみが用いられる。したがって、本明細書で開示される飲料製品の天然の実施形態は、通常であれば食品中に含まれることが想定されない(供給源に無関係の任意の着色添加剤を含む)何らかの人工物または合成物を含有しないという意味で天然である。したがって、本明細書で用いられる際、「天然」飲料組成物は以下の指針に従って定義される。すなわち、天然原料における原材料は自然に存在するかまたは自然に由来する。発酵および酵素を含む生合成は用いられうるが、化学試薬を用いた合成は用いられない。人工着色料、保存料、および風味は天然原料と考えられない。原料は、少なくとも、物理的プロセス、発酵、および酵素分解を含む特定の専門的技術を通じて加工または精製されうる。適切なプロセスおよび精製技術は、少なくとも、吸収、吸着、凝集、遠心分離、チョッピング、調理(ベーキング、フライ、煮沸、焙焼)、冷却、切削、クロマトグラフィー、コーティング、結晶化、消化、乾燥(スプレー、凍結乾燥、真空)、蒸発、蒸留、電気泳動、乳化、カプセル化、抽出、押し出し、濾過、発酵、粉砕、注入、マセレーション、微生物学的(レンネット、酵素)、混合、皮むき、浸出、冷凍/凍結、圧搾、浸漬、洗浄、加熱、混合、イオン交換、凍結乾燥、浸透、沈殿、塩析、昇華、超音波処理、濃縮、凝結、均質化、再構成、(自然に見出される酵素を用いる)酵素分解を含む。加工助剤(ここでは清澄剤、触媒、凝集剤、濾過助剤、および結晶化阻害剤などを含む、食品成分の魅力および有用性を高めるための製造助剤として用いられる物質として定義される;21 CFR §170.3(o)(24)を参照)は、付随的な添加剤と考えられ、適切に除去される場合に用いられうる。
【0061】
保存料は、少なくとも1種のステビオール配糖体およびベリー成分を含有する本明細書で開示される飲料製品の少なくとも特定の実施形態で用いられうる。すなわち、少なくとも特定の例示的な実施形態は、任意の溶解性の保存料系を含有する。4未満のpHおよび特に3未満のpHを有する溶液は、典型的には「微生物安定性(microstable)」があり、すなわちそれは微生物の成長に抵抗性を示すことから、さらなる保存料を必要としない消費以前のより長期間の保存に適する。しかし、追加的な保存料系が必要に応じて用いられうる。保存料系が用いられる場合、製造中の任意の適切な時に、例えば甘味料の添加以前のある場合に、飲料製品に添加されうる。本明細書で用いられる「保存系」または「保存料」という用語は、限定はされないが、安息香酸塩、例えば、(安息香酸ナトリウムを排除する。それは不安定であり、誰も使用しない)、安息香酸カルシウム、および安息香酸カリウム、ソルビン酸塩、例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、およびソルビン酸カリウム、クエン酸塩、例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸カリウム、ポリリン酸塩、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ならびにこれらの混合物などの既知の化学保存料、ならびにアスコルビン酸、EDTA、BHA、BHT、TBHQ、デヒドロ酢酸、二炭酸ジメチル、エトキシキン、ヘプチルパラベン、およびこれらの組合せなどの抗酸化剤を含む、食料および飲料組成物での使用が認可されたすべての適切な保存料を含む。
【0062】
保存料は、適用される法令および規定の下で義務付けられた最大レベルを超えない量で用いられうる。用いられる保存料のレベルは、典型的には計画された最終製品のpHおよび特定の飲料配合物の微生物学的腐敗の可能性の評価に従って調節される。用いられる最大レベルは、典型的には飲料の約0.05質量%である。本開示の利点を所与として、本開示に記載の飲料に適する保存料または保存料の組合せを選択することは当業者の能力の範囲内となる。
【0063】
本明細書で開示される飲料製品の少なくとも特定の例示的な実施形態に適する飲料を保護する他の方法として、例えば、無菌パッケージングおよび/または熱処理または熱加工ステップ、例えば高温充填およびトンネル低温殺菌が挙げられる。かかるステップを用い、飲料製品中での酵母、かびおよび微生物の成長が低減されうる。例えば、Braunらに交付された米国特許第4,830,862号明細書は、果実ジュース飲料の製造における低温殺菌の利用ならびに炭酸飲料の好適な保存の利用について開示している。Kastinに交付された米国特許第4,925,686号明細書は、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムを含有する熱低温殺菌された凍結可能な果実ジュース組成物について開示している。一般に、熱処理は、典型的には短時間での高温、例えば10秒間華氏約190度(約88℃)を用いる高温充填方法、典型的にはより長時間でのより低温、例えば10〜15分間華氏約160度(約70℃)を用いるトンネル低温殺菌方法、および典型的には例えば高圧すなわち1大気圧超で、3〜5分間華氏約250度(約120℃)を用いるレトルト法を含む。
【0064】
本願全体に引用されるすべての参考文献、特許および公開された特許出願の内容は、あらゆる目的でそれら全体が参照により本明細書中に援用される。例示的な実施形態の上記の開示および説明の利点を所与として、本明細書で開示される本発明の一般原則に合致する極めて多数の他の異なる実施形態が考えられることは当業者には明らかであろう。すべてのかかる様々な改良および他の実施形態が本発明の真の範囲および精神の範囲内に含まれることを当業者は理解するであろう。添付の特許請求の範囲は、すべてのかかる改良および他の実施形態を網羅するように意図されている。ある具体例において、用語がその具体例で詳細には唯一を意味するように意図されることが文脈から明らかでない限り、本開示および以下の特許請求の範囲での単数の不定冠詞または定冠詞(例えば「a」、「an」、「the」など)の使用が「少なくとも1つ」を意味する特許における従来のアプローチに従うことは理解されるべきである。同様に、「含む(comprising)」という用語は非限定的なものであり、追加的な項目、特徴、成分などは除外されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバウディオサイドA、および
ベリージュース、ベリージュース濃縮物、ベリージュース抽出物、ベリージュース粉末、凍結乾燥ベリージュース、ベリー果実粉末、凍結乾燥ベリー粉末、ベリー種油およびこれらの組合せからなる群から選択されるベリー成分
を含有することを特徴とする飲料製品。
【請求項2】
ステビオサイド、ステビオールビオシド、デュルコシドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、およびこれらのいずれかの混合物からなる群から選択されるステビオール配糖体をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項3】
前記ベリー成分が、ホールベリー、ホールベリーの一部およびベリーの誘導体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項4】
ホールベリーの前記一部が、ジュース、パルプ、スキン、髄、種子、茎、およびこれらのいずれかの組合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の飲料製品。
【請求項5】
ベリーの前記誘導体が、抽出物、画分またはこれらの組合せであることを特徴とする、請求項3に記載の飲料製品。
【請求項6】
前記飲料が、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍即席飲料、コーヒー飲料、茶飲料、乳飲料、フレーバーウォーター、機能性強化水、果実ジュース、果実ジュース風味飲料、スポーツ飲料、およびアルコール飲料からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項7】
炭酸水をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項8】
前記ベリー成分が、バルバドスチェリー、ベアベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、チェリー、チョークチェリー、クラウドベリー、クランベリー、カラント、ナツメヤシの実、デューベリー、エルダーベリー、ブドウ、グーズベリー、ハックルベリー、ローガンベリー、オラリーベリー、マルベリー、レーズン、プレインズベリー、プレイリーベリー、ラズベリー、サスカトゥーンベリー、サーモンベリー、シーバックソーンベリー、スローベリー、ストロベリー、シンブルベリー、ソーンベリー、ワインベリーおよびハイデルベリーのうちの1種以上からなる群から選択されるベリーに由来することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項9】
前記ベリー成分が、クランベリー、ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、カラント、ブドウ、グーズベリー、デューベリー、ボイゼンベリー、オラリーベリー、ローガンベリー、クラウドベリー、ワインベリー、サーモンベリー、シンブルベリー、ベアベリー、ハイデルベリー、ハックルベリーおよびエルダーベリーのうちの1種以上からなる群から選択されるベリーに由来することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項10】
前記ベリー成分が1種以上の抗酸化剤を提供することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項11】
前記ベリー成分が1種以上の保存料を提供することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項12】
前記ベリー成分が1種以上の安定化剤を提供することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項13】
前記ベリー成分が、1種以上の味を隠す化合物を提供することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項14】
アスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、ナトリウムサッカリン、カルシウムサッカリン、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、シクラミン酸カルシウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、およびこれらのいずれかの混合物からなる群から選択される人工甘味料をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項15】
ステビオサイド、ステビオールビオシド、デュルコシドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、およびレバウディオサイドEからなる群から選択されるステビオール配糖体をさらに含有することを特徴とする、請求項14に記載の飲料製品。
【請求項16】
前記飲料が透明であることを特徴とする、請求項1に記載の飲料製品。
【請求項17】
レバウディオサイドA、および
ベリージュース、ベリージュース濃縮物、ベリージュース抽出物、ベリージュース粉末、凍結乾燥ベリージュース、ベリー果実粉末、凍結乾燥ベリー粉末、ベリー種油およびこれらの組合せからなる群から選択されるベリー成分
を含有することを特徴とする飲料濃縮物。

【公表番号】特表2010−521168(P2010−521168A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553773(P2009−553773)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/056819
【国際公開番号】WO2008/112872
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(509257411)ザ コンセントレイト マニュファクチャリング カンパニー オブ アイルランド (31)
【氏名又は名称原語表記】THE CONCENTRATE MANUFACTURING COMPANY OF IRELAND
【Fターム(参考)】