説明

1,3,5−トリアジン誘導体、その製造方法、およびこれを構成成分とする有機電界発光素子

【課題】熱的安定性が高く、輝度及び発光効率と寿命の両立した有機電界発光素子の提供。
【解決手段】一般式(1)の1,3,5−トリアジン誘導体を、特定の化合物との、金属触媒を用いたカップリング反応により得、これを有機電界発光素子の構成成分として用いる。


[Ar及びArはフェニル基等を、R及びRは水素原子等を、Rはメチル基等を、mは0〜2の整数を、Xは2,4−ピリジレン基等を、pは1又は2を、a及びbは1又は2を示し、a+bは3である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,3,5−トリアジン誘導体、その製造方法、およびこれを構成成分とする有機電界発光素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機電界発素子は、発光する化合物を含有する発光層を、正孔輸送層と電子輸送層で挟んだ構造を有する。さらにその外側に陽極と陰極を取付け、発光層に正孔および電子を注入して再結合するときに生成する励起子が失活する際の光の放出(蛍光またはりん光)を利用する素子である。
【0003】
当該素子用の正孔輸送材の研究は進んでいるものの、電子輸送材の研究例は少なく、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(Alq)が最も汎用的に用いられているが、安定性の問題が指摘されている。一方、1,3,5−トリアジン類縁体も最低被占分子軌道のエネルギー準位が低く、長寿命の電子輸送材として期待される化合物の一つである。例えば、1,3,5−トリアジン環の2,4および6位に芳香族化合物が連結した基が置換した化合物を電子輸送材とする有機電界発光素子が、特許文献1から4に開示されている。しかしながら、ピリジル基またはピリジレン基を含む1,3,5−トリアジン誘導体に関しては実施例が明記されていない。また、これらの特許文献には、素子寿命の指標となるガラス転移温度、駆動電圧、寿命に関する明確な記述がない。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6225467号明細書
【特許文献2】特開2003−045662号公報
【特許文献3】特開2003−282270号公報
【特許文献4】特開2004−022334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来の電子輸送材は、熱的安定性が低いことが問題となったり、またこれを用いた有機電界発光素子の輝度および発光効率と素子寿命の両立については充分ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、素子の安定性に関する問題を解決するため、ピリジル基の効果に着目して鋭意検討を重ねた結果、種々合成したピリジル基またはピリジレン基を含む1,3,5−トリアジン誘導体のガラス転移温度および融点が、いずれも100℃以上と熱的に安定であることを見出した。また、これらの1,3,5−トリアジン誘導体は真空蒸着およびスピンコートのいずれの方法でも薄膜形成が可能であった。さらに、これらを電子輸送材として用いることにより、汎用電子輸送材であるAlqを用いた有機電界発光素子に比べて、輝度、発光効率、素子寿命および駆動電圧の点で優れた素子が作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0008】
【化1】

[式中、Arは、炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良い、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示す。RおよびRは水素原子またはメチル基を示す。Rは、炭素数1から4のアルキル基を示し、mは0から2の整数を示す。mが2の時、Rは同一または相異なっていても良い。Xは、炭素数1から4のアルキル基で置換されていても良い、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基を示し、pは1または2を示す。pが2の時、Xは同一または相異なっていても良い。Arは、炭素数1から6のアルキル基で1つ以上置換されていても良い、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基を示す。但し、置換基である−(X)−Arの中に少なくとも一つのピリジン環を含む。aおよびbは1または2を示し、a+bは3である。aが2のとき、Arは同一または相異なっていても良い。bが2のとき、R、R、R、m、X、pおよびArは同一または相異なっていても良い。]で表されることを特徴とする1,3,5−トリアジン誘導体である。
【0009】
また本発明は、前記一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を、一般式(2)
【0010】
【化2】

[式中、XおよびArは前記と同じ内容を示す。qは0またはp以下の整数を示す。Mは−ZnR基、−MgR基、−SnR基、−B(OH)基、−B=R基、−BF(Z基、または−SiR1011基を示す。Rは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示し、R、RおよびRは炭素数1から4のアルキル基を示し、Rは2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ基、エチレンジオキシ基または1,3−プロパンジオキシ基を示し、(Zはアルカリ金属イオンまたは四級アンモニウムイオンを示し、R、R10およびR11はメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基または塩素原子を示す。]で表される置換芳香族化合物と、一般式(3)
【0011】
【化3】

[式中、Ar、a、R、R、R、m、Xおよびbは、前記と同じ内容を示し、rはp−qを示し、Yは脱離基を示す。]で表される1,3,5−トリアジン化合物との、金属触媒の存在下でのカップリング反応により得ることを特徴とする製造方法である。
【0012】
さらに本発明は、前記一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を、一般式(4)
【0013】
【化4】

[式中、Ar、a、R、R、R、m、X、b、Mおよびrは、前記と同じ内容を示す。]で表される置換1,3,5−トリアジン化合物と、一般式(5)
【0014】
【化5】

[式中、X、Y、qおよびArは前記と同じ内容を示す。]で表される芳香族化合物との、金属触媒の存在下でのカップリング反応により得ることを特徴とする製造方法である。
【0015】
また本発明は、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を構成成分とする有機電界発光素子である。以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
Arで表される炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良いフェニル基としては、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2,4−ジプロピルフェニル基、3,5−ジプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基等があげられる。
【0017】
また2,4−ジブチルフェニル基、3,5−ジブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、2−ペンチルフェニル基、3−ペンチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、2,4−ジペンチルフェニル基、3,5−ジペンチルフェニル基、2−ネオペンチルフェニル基、3−ネオペンチルフェニル基、4−ネオペンチルフェニル基、2,4−ジネオペンチルフェニル基、3,5−ジネオペンチルフェニル基、2−ヘキシルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、2,4−ジヘキシルフェニル基、3,5−ジヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジシクロヘキシルフェニル基または3,5−ジシクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
【0018】
有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基または4−シクロヘキシルフェニル基が望ましく、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−ブチルフェニル基または4−tert−ブチルフェニル基がさらに望ましい。
【0019】
Arで表される炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良いナフチルフェニル基としては、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基、3−(2−ナフチル)フェニル基、4−(4−メチルナフタレン−1−イル)フェニル基、3−(4−メチルナフタレン−1−イル)フェニル基、2−メチル−4−(1−ナフチル)フェニル基、2−メチル−4−(2−ナフチル)フェニル基、5−メチル−3−(1−ナフチル)フェニル基または5−メチル−3−(2−ナフチル)フェニル基等が挙げられる。有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基または3−(2−ナフチル)フェニル基が望ましい。
【0020】
Arで表される炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良いビフェニリル基としては、4−ビフェニリル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−エチルビフェニル−4−イル基、4’−プロピルビフェニル−4−イル基、4’−ブチルビフェニル−4−イル基、4’−tert−ブチルビフェニル−4−イル基、4’−ヘキシルビフェニル−4−イル基、3−ビフェニリル基、3’−メチルビフェニル−3−イル基、3’−エチルビフェニル−3−イル基、3’−プロピルビフェニル−3−イル基、3’−ブチルビフェニル−3−イル基、3’−tert−ブチルビフェニル−3−イル基または3’−ヘキシルビフェニル−3−イル基等が挙げられる。有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で、4−ビフェニリル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−tert−ブチルビフェニル−4−イル基、3−ビフェニリル基、3’−メチルビフェニル−3−イル基または3’−tert−ブチルビフェニル−3−イル基が望ましく、4−ビフェニリル基または3−ビフェニリル基がさらに望ましい。
【0021】
Arで表される炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良いナフチル基としては、1−ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−エチルナフタレン−1−イル基、4−プロピルナフタレン−1−イル基、4−ブチルナフタレン−1−イル基、4−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、4−ヘキシルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、5−エチルナフタレン−1−イル基、5−プロピルナフタレン−1−イル基、5−ブチルナフタレン−1−イル基、5−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、5−ヘキシルナフタレン−1−イル基、2−ナフチル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、6−エチルナフタレン−2−イル基、6−プロピルナフタレン−2−イル基、6−ブチルナフタレン−2−イル基、6−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、6−ヘキシルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基、7−エチルナフタレン−2−イル基、7−プロピルナフタレン−2−イル基、7−ブチルナフタレン−2−イル基、7−tert−ブチルナフタレン−2−イル基または7−ヘキシルナフタレン−2−イル基等が挙げられる。
【0022】
有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で、1−ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、5−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、2−ナフチル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、6−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基または7−tert−ブチルナフタレン−2−イル基が望ましく、1−ナフチル基または2−ナフチル基がさらに望ましい。
【0023】
およびRは有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で水素原子が望ましい。
【0024】
で示される炭素数1から4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基またはシクロプロピルメチル基等が挙げられる。
【0025】
mは有機電界発光素子用材料としての性能の点で0または1が望ましく、0がさらに望ましい。
【0026】
Xは、1,3−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、2−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、4−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、5−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2−tert−ブチル−1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、2−メチル−1,4−ナフチレン基、5−メチル−1,4−ナフチレン基、6−メチル−1,4−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、2−tert−ブチル−1,4−ナフチレン基、5−tert−ブチル−1,4−ナフチレン基、6−tert−ブチル−1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2−メチル−1,5−ナフチレン基、3−メチル−1,5−ナフチレン基、4−メチル−1,5−ナフチレン基、2−tert−ブチル−1,5−ナフチレン基、3−tert−ブチル−1,5−ナフチレン基、4−tert−ブチル−1,5−ナフチレン基等があげられる。
【0027】
また2,6−ナフチレン基、1−メチル−2,6−ナフチレン基、3−メチル−2,6−ナフチレン基、4−メチル−2,6−ナフチレン基、1−tert−ブチル−2,6−ナフチレン基、3−tert−ブチル−2,6−ナフチレン基、4−tert−ブチル−2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、3−メチル−2,4−ピリジレン基、5−メチル−2,4−ピリジレン基、6−メチル−2,4−ピリジレン基、3−tert−ブチル−2,4−ピリジレン基、5−tert−ブチル−2,4−ピリジレン基、6−tert−ブチル−2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基、3−メチル−2,5−ピリジレン基、4−メチル−2,5−ピリジレン基、6−メチル−2,5−ピリジレン基、3−tert−ブチル−2,5−ピリジレン基、4−tert−ブチル−2,5−ピリジレン基、6−tert−ブチル−2,5−ピリジレン基、2,6−ピリジレン基、3−メチル−2,6−ピリジレン基、4−メチル−2,6−ピリジレン基、3−tert−ブチル−2,6−ピリジレン基または4−tert−ブチル−2,6−ピリジレン基等を例示することができる。
【0028】
有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で、1,4−フェニレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基が望ましい。
【0029】
Arは、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2,4−ジプロピルフェニル基、3,5−ジプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、2,4−ジブチルフェニル基、3,5−ジブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基等があげられる。
【0030】
また2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、2−ペンチルフェニル基、3−ペンチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、2,4−ジペンチルフェニル基、3,5−ジペンチルフェニル基、2−ネオペンチルフェニル基、3−ネオペンチルフェニル基、4−ネオペンチルフェニル基、2,4−ジネオペンチルフェニル基、3,5−ジネオペンチルフェニル基、2−ヘキシルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、2,4−ジヘキシルフェニル基、3,5−ジヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジシクロヘキシルフェニル基、3,5−ジシクロヘキシルフェニル基、1−ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−エチルナフタレン−1−イル基、4−プロピルナフタレン−1−イル基、4−ブチルナフタレン−1−イル基等があげられる。
【0031】
また4−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、4−ヘキシルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、5−エチルナフタレン−1−イル基、5−プロピルナフタレン−1−イル基、5−ブチルナフタレン−1−イル基、5−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、5−ヘキシルナフタレン−1−イル基、2−ナフチル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、6−エチルナフタレン−2−イル基、6−プロピルナフタレン−2−イル基、6−ブチルナフタレン−2−イル基、6−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、6−ヘキシルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基、7−エチルナフタレン−2−イル基、7−プロピルナフタレン−2−イル基、7−ブチルナフタレン−2−イル基、7−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、7−ヘキシルナフタレン−2−イル基等があげられる。
【0032】
また2−ピリジル基、3−メチルピリジン−2−イル基、4−メチルピリジン−2−イル基、5−メチルピリジン−2−イル基、6−メチルピリジン−2−イル基、3−エチルピリジン−2−イル基、4−エチルピリジン−2−イル基、5−エチルピリジン−2−イル基、6−エチルピリジン−2−イル基、3−プロピルピリジン−2−イル基、4−プロピルピリジン−2−イル基、5−プロピルピリジン−2−イル基、6−プロピルピリジン−2−イル基、3−ブチルピリジン−2−イル基、4−ブチルピリジン−2−イル基、5−ブチルピリジン−2−イル基、6−ブチルピリジン−2−イル基、3−tert−ブチルピリジン−2−イル基、4−tert−ブチルピリジン−2−イル基、5−tert−ブチルピリジン−2−イル基、6−tert−ブチルピリジン−2−イル基、3−ピリジル基、2−メチルピリジン−3−イル基、4−メチルピリジン−3−イル基、5−メチルピリジン−3−イル基、6−メチルピリジン−3−イル基、2−エチルピリジン−3−イル基等があげられる。
【0033】
また4−エチルピリジン−3−イル基、5−エチルピリジン−3−イル基、6−エチルピリジン−3−イル基、2−プロピルピリジン−3−イル基、4−プロピルピリジン−3−イル基、5−プロピルピリジン−3−イル基、6−プロピルピリジン−3−イル基、2−ブチルピリジン−3−イル基、4−ブチルピリジン−3−イル基、5−ブチルピリジン−3−イル基、6−ブチルピリジン−3−イル基、2−tert−ブチルピリジン−3−イル基、4−tert−ブチルピリジン−3−イル基、5−tert−ブチルピリジン−3−イル基、6−tert−ブチルピリジン−3−イル基、4−ピリジル基、2−メチルピリジン−4−イル基、3−メチルピリジン−4−イル基、2−エチルピリジン−4−イル基、3−エチルピリジン−4−イル基、2−プロピルピリジン−4−イル基、3−プロピルピリジン−4−イル基、2−ブチルピリジン−4−イル基、3−ブチルピリジン−4−イル基、2−tert−ブチルピリジン−4−イル基または3−tert−ブチルピリジン−4−イル基等を例示することができる。
【0034】
有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、2−ピリジル基、3−tert−ブチルピリジン−2−イル基、4−tert−ブチルピリジン−2−イル基、5−tert−ブチルピリジン−2−イル基、6−tert−ブチルピリジン−2−イル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基が望ましく、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基がさらに望ましい。
【0035】
上記のXおよびArから成る置換基−(X)−Arには、少なくとも一つのピリジン環が存在することが必須である。置換基−(X)−Arとしては、表1,2,3に記載のA−IからA−XXXVIIIの基本骨格で示される基が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体として、以上の、Ar、a、R、R、R、m、X、p、Arおよびbのいずれの組合せからなる化合物でも良いが、有機電界発光素子用材料としての性能が良い点で、2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、2−[4−(6−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン、2−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−{4−[5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン−2−イル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン等が好ましい。
【0039】
また、6−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジル、5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジル、2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(5−フェニルピリジン−2−イル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’’−(2−ピリジル)−1,1’:4’,1’’−テルフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、6−[4−(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル]−2,2’−ビピリジル、6−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジル等が好ましい。
【0040】
また2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[3’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、4−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジル、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン、5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,4’−ビピリジル、5−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,4’−ビピリジル、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンまたは2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(4−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジン等が望ましい。
【0041】
次に本発明の製造方法について説明する。本発明の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、下記[製造方法−A]または[製造方法−B]の方法によって製造することができる。
【0042】
[製造方法−A]は「工程A−1」と「工程A−2」から成る。
[製造方法−A]
「工程A−1」
【0043】
【化6】

[式中、Y、X、q、ArおよびMは前記と同じ内容を表す。]
「工程A−2」
【0044】
【化7】

[式中、M、X、q、Ar、Ar、a、R、R、R、m、r、Y、bおよびpは前記と同じ内容を示す。]
まず、「工程A−1」では、一般式(5)で表される芳香族化合物をブチルリチウムまたはtert−ブチルリチウム等でリチオ化後、カップリング用試薬を反応させることにより、カップリング反応に通常用いられる反応種である一般式(2)で表される置換芳香族化合物が得られる。
【0045】
カップリング用試薬としては、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化トリメチルスズ、塩化トリブチルスズ、水素化トリブチルスズ、ヘキサメチルジスタナン、ヘキサブチルジスタナン、ホウ酸、(2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ)ボラン、エチレンジオキシボラン、1,3−プロパンジオキシボラン、ビス(2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ)ジボラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランまたは二塩化ジエチルシラン等が例示でき、これらとの反応によりMが−ZnCl種、−ZnBr種、−ZnI種、−SnMe種、−SnBu種、−B(OH)種、−B(2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ)種、−B(エチレンジオキシ)種、−B(1,3−プロパンジオキシ)種、−Si(OMe)種、−Si(OEt)種または−SiEtCl種である一般式(2)で表される化合物を得ることができる。
【0046】
ホウ酸と反応させた場合は、反応後にフッ化水素水と反応させ、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはフッ化テトラブチルアンモニウム等で処理することによって、Mを−BF種、−BFCs種または−BFNBu種等のような塩としても良い。また、芳香族化合物(5)をリチオ化せずに、直接臭化マグネシウムまたは臭化イソプロピルマグネシウム等と反応させてMが−MgBr種等である置換芳香族化合物(2)を得ることもできる。Mにホウ素を含む置換芳香族化合物(2)は、市販品をそのまま用いることもできる。また、Journal of Organic Chemistry,60巻,7508−7510,1995年に記載の、リチオ化をしない方法で製造することもできる。
【0047】
得られたこれらの置換芳香族化合物(2)は、反応後単離しても良いが、単離せずに次の「工程A−2」に供しても良い。収率が良い点で、リチオ化後にジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化トリメチルスズまたは塩化トリブチルスズと反応させて、Mが−ZnCl種、−ZnBr種、−ZnI種、−SnMe種または−SnBu種である置換芳香族化合物(2)を得、単離せずに「工程A−2」に供するか、または市販の−B(OH)種の化合物を用いることが望ましい。リチオ化後にジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)または塩化トリメチルスズと反応させて、Mが−ZnCl種または−SnMe種である置換芳香族化合物(2)を得、単離せずに「工程A−2」に供するか、または市販の−B(OH)種の化合物を用いることがさらに望ましい。
【0048】
Yで表される脱離基は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基等を例示することができるが、収率が良い点で臭素原子またはヨウ素原子が望ましい。
【0049】
「工程A−2」では、「工程A−1」で得られた一般式(2)で表される置換芳香族化合物を、金属触媒の存在下に一般式(3)で表される1,3,5−トリアジン化合物と反応させることにより、本発明の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を得ることができる。
【0050】
「工程A−2」で用いることのできる金属触媒は例えば、パラジウム触媒、ニッケル触媒、鉄触媒、ルテニウム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、イリジウム触媒、オスミウム触媒およびコバルト触媒等を列挙することができる。これらの金属触媒は、金属、担持金属や金属の塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩または酸化物等の金属塩やオレフィン錯体、ホスフィン錯体、アミン錯体、アンミン錯体またはアセチルアセトナト錯体等の錯化合物を用いることができる。さらにこれらの金属、金属塩および錯化合物と三級ホスフィン配位子を組合わせて用いることもできる。収率が良い点でパラジウム触媒、鉄触媒またはニッケル触媒が望ましく、パラジウム触媒がさらに望ましい。
【0051】
パラジウム触媒としては、さらに具体的には、パラジウム黒、パラジウムスポンジ等のパラジウム金属が例示でき、また、パラジウム/アルミナ、パラジウム/炭素、パラジウム/シリカ、パラジウム/Y型ゼオライト、パラジウム/A型ゼオライト、パラジウム/X型ゼオライト、パラジウム/モルデナイト、パラジウム/ZSM−5等の担持パラジウム金属も例示できる。また、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム、シアン化パラジウム、ナトリウムヘキサクロロパラデート、カリウムヘキサクロロパラデート、ジナトリウムテトラクロロパラデート、ジカリウムテトラクロロパラデート、ジカリウムテトラブロモパラデート、ジアンモニウムテトラクロロパラデート、テトラアンモニウムヘキサクロロパラデート等の金属塩を例示できる。
【0052】
さらに、π―アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナト、ホウフッ化テトラ(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、硝酸テトラアンミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラデート、ジクロロジピリジンパラジウム、ジクロロ(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ジクロロ(フェナントロリン)パラジウム、硝酸(テトラメチルフェナントロリン)パラジウム、硝酸ジフェナントロリンパラジウム、硝酸ビス(テトラメチルフェナントロリン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウムおよびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等の錯化合物を例示できる。
【0053】
「工程A−2」で用いられるパラジウム触媒は、上記の金属、担持金属、金属塩および錯化合物のいずれでも良いが、収率が良い点で、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、パラジウム/アルミナおよびパラジウム/炭素が望ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムがさらに望ましい。
【0054】
これらのパラジウム触媒は単独で用いても良いが、さらに三級ホスフィンと組合わせて用いても良い。用いることのできる三級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリス(2−ヒドロキシエチル)ホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(2−シアノエチル)ホスフィン、(+)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジエチルホスホラノ]エタン、トリアリルホスフィン、トリアミルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等があげられる。
【0055】
またエチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、イソブチルジフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(R)−(+)−2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル、(−)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(+)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(−)−1,2−ビス((2R,5R)−2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン、(+)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ]ベンゼン等があげられる。
【0056】
また1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、(−)−1,1’−ビス[(2S,4S)−2,4−ジエチルホスホラノ]フェロセン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(+)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジ−イソプロピルホスホラノ]ベンゼン、(−)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジ−イソプロピルホスホラノ]ベンゼン、(±)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等があげられる。
【0057】
また、1,2−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(2R,3R)−(−)−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、(2S,3S)−(+)−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、(2S,3S)−(−)−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、cis−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、(2S,4S)−(−)−2,4−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、(2R,4R)−(−)−2,4−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等があげられる。
【0058】
また、R−(+)−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、(2S,3S)−(+)−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ブタンジオール、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン等があげられる。
【0059】
また、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス[4−(ペルフルオロへキシル)フェニル]ホスフィン、トリス(2−チエニル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,5−キシリル)ホスフィン、トリ(3,5−キシリル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、(S)−(+)−4,12−ビス(ジフェニルホスフィノ)−[2.2]−パラシクロファン等があげられる。
【0060】
また、(R)−(−)−4,12−ビス(ジフェニルホスフィノ)−[2.2]−パラシクロファン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(1R,2R)−(+)−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(1S,2S)−(+)−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(±)−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(1S,2S)−(−)−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン等があげられる。
【0061】
また、(1R,2R)−(+)−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(±)−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)ジアミノシクロヘキサン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、ビス(p−スルホナトフェニル)フェニルホスフィン二カリウム塩、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(S)−(−)−1−(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフチル)イソキノリンおよびトリス(トリメチルシリル)ホスフィン等が例示できる。
【0062】
用いられる三級ホスフィンは、上記の三級ホスフィンのいずれでも良いが、収率が良い点で、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルおよび(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルが望ましい。
【0063】
特にトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルおよび(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルがさらに望ましい。
【0064】
また、「工程A−2」では、収率向上のため塩基を添加しても良い。添加する塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三カリウム、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジイソプロピルアミンまたはエチルジイソプロピルアミン等の無機塩基または有機塩基が例示できる。塩基の添加なしでも反応は十分に進行する。
【0065】
「工程A−1」でリチオ化に用いるブチルリチウムまたはtert−ブチルリチウムと芳香族化合物(5)とのモル比は、1:1から5:1が望ましく、収率が良い点で1:1から3:1がさらに望ましい。
【0066】
「工程A−1」でリチオ化およびカップリング用試薬との反応の際に用いる溶媒として、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、キシレン、クロロホルムまたはジクロロメタン等が例示でき、これらを適宜組合わせて用いても良い。収率が良い点でテトラヒドロフランを単独で用いることが望ましい。
【0067】
「工程A−1」での芳香族化合物(5)の濃度は、10mmol/Lから1000mmol/Lが望ましく、収率が良い点で50mmol/Lから200mmol/Lがさらに望ましい。
【0068】
「工程A−1」でのリチオ化の際の反応温度は、−150℃から−20℃が望ましく、収率が良い点で−100℃から−60℃から適宜選ばれた温度がさらに望ましい。
【0069】
「工程A−1」でのリチオ化の際の反応時間は、1分から3時間が望ましく、収率が良い点で15分から1時間がさらに望ましい。
【0070】
「工程A−1」でカップリング用試薬と芳香族化合物(5)とのモル比は、1:1から1:10が望ましく、収率が良い点で1:1.5から1:3がさらに望ましい。
【0071】
「工程A−1」でのカップリング用試薬を加えた後の反応温度は、−150℃から−20℃の低温領域から−20℃から50℃の高温領域に昇温することが望ましく、収率が良い点で−100℃から−60℃の低温領域から0℃から30℃の高温領域に昇温することがさらに望ましい。
【0072】
「工程A−1」でのカップリング用試薬との反応時間は、基質や反応スケール等によって異なり、特に制限はないが、低温領域での反応は1分から1時間が望ましく、収率が良い点で5分から30分がさらに望ましい。高温領域での反応は、10分から10時間が望ましく、収率が良い点で30分から5時間がさらに望ましい。
【0073】
「工程A−2」で、1,3,5−トリアジン化合物(3)のa=2(b=1)のとき、置換芳香族化合物(2)を1,3,5−トリアジン化合物(3)に対して、1当量以上反応させると、一般式(1)のa=2(b=1)の1,3,5−トリアジン誘導体を収率良く得ることができる。また、1,3,5−トリアジン化合物(3)のa=1(b=2)のとき、置換芳香族化合物(2)を1,3,5−トリアジン化合物(3)に対して、2等量以上反応させると、一般式(1)のa=1(b=2)の1,3,5−トリアジン誘導体を収率良く得ることができる。
【0074】
「工程A−2」での金属触媒と1,3,5−トリアジン化合物(3)とのモル比は、0.001:1から0.5:1が望ましく、収率が良い点で0.01:1から0.1:1がさらに望ましい。
【0075】
「工程A−2」で用いることのできる溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジエチルエーテル、キシレン、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミド等が例示でき、これらを適宜組合わせて用いても良い。収率が良い点でジオキサン、ジエチルエーテル、トルエンまたはテトラヒドロフランが望ましい。「工程A−1」で生成した置換芳香族化合物(2)を単離せずに「工程A−2」に供する場合は、「工程A−1」で用いる溶媒をそのまま用いることもできる。
【0076】
「工程A−2」での1,3,5−トリアジン化合物(3)の濃度は、5mmol/Lから1000mmol/Lが望ましく、収率が良い点で10mmol/Lから200mmol/Lがさらに望ましい。
【0077】
「工程A−2」での反応温度は、0℃から用いる溶媒の還流温度から適宜選ばれた温度望ましく、収率が良い点で溶媒の還流温度がさらに望ましい。
【0078】
「工程A−2」での反応時間は、10分から48時間が望ましく、収率が良い点で30分から24時間がさらに望ましい。
【0079】
次に、[製造方法−B]について説明する。[製造方法−B]は「工程B−1」と「工程B−2」から成る。
[製造方法−B]
「工程B−1」
【0080】
【化8】

[式中、Ar、a、R、R、R、m、X、r、Y、bおよびMは前記と同じ内容を示す。]
「工程B−2」
【0081】
【化9】

[式中、Ar、a、R、R、R、m、M、b、Y、X、p、qおよびArは前記と同じ内容を示す。]
まず、「工程B−1」では、1,3,5−トリアジン化合物(3)をブチルリチウムまたはtert−ブチルリチウム等でリチオ化後、カップリング用試薬を反応させることにより、カップリング反応に通常用いられる反応種である置換1,3,5−トリアジン化合物(4)が得られる。カップリング用試薬としては、「工程A−1」で例示した、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化トリメチルスズ、塩化トリブチルスズ、水素化トリブチルスズ、ヘキサメチルジスタナン、ヘキサブチルジスタナン、ホウ酸、(2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ)ボラン、エチレンジオキシボラン、1,3−プロパンジオキシボラン、ビス(2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ)ジボラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランまたは二塩化ジエチルシラン等が例示でき、これらとの反応によりMが−ZnCl種、−ZnBr種、−ZnI種、−SnMe種、−SnBu種、−B(OH)種、−B(2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ)種、−B(エチレンジオキシ)種、−B(1,3−プロパンジオキシ)種、−Si(OMe)種、−Si(OEt)種または−SiEtCl種である置換1,3,5−トリアジン化合物(4)を得ることができる。
【0082】
ホウ酸と反応させた場合は、反応後にフッ化水素水と反応させ、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはフッ化テトラブチルアンモニウム等で処理することによって、Mを−BF種、−BFCs種または−BFNBu種等のような塩としても良い。また、1,3,5−トリアジン化合物(3)をリチオ化せずに、直接臭化マグネシウムまたは臭化イソプロピルマグネシウム等と反応させてMが−MgBr種等である化合物(4)を得ることもできる。Mにホウ素を含む置換1,3,5−トリアジン化合物(4)は、Journal of Organic Chemistry,60巻,7508−7510,1995年に記載の、リチオ化をしない方法で製造することもできる。市販品をそのまま用いることもできる。
【0083】
得られたこれらの置換1,3,5−トリアジン化合物(4)は、反応後単離しても良いが、単離せずに「工程B−2」に供しても良い。収率が良い点で、リチオ化後にジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化トリメチルスズまたは塩化トリブチルスズと反応させて、Mが−ZnCl種、−ZnBr種、−ZnI種、−SnMe種または−SnBu種である置換1,3,5−トリアジン化合物(4)を得、単離せずに「工程B−2」に供することが望ましい。リチオ化後にジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)または塩化トリメチルスズと反応させて、Mが−ZnCl種または−SnMe種である置換1,3,5−トリアジン化合物(4)を得、単離せずに「工程B−2」に供することがさらに望ましい。
【0084】
「工程B−2」では、「工程B−1」で得られた置換1,3,5−トリアジン化合物(4)を、金属触媒の存在下に芳香族化合物(5)と反応させることにより、本発明の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体が得られる。
【0085】
「工程B−2」で用いることのできる金属触媒は「工程A−2」で例示した、パラジウム触媒、ニッケル触媒、鉄触媒、ルテニウム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、イリジウム触媒、オスミウム触媒およびコバルト触媒等を列挙することができる。これらの金属触媒は、金属や金属の塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩または酸化物塩等の金属塩やオレフィン錯体、ホスフィン錯体、アミン錯体、アンミン錯体またはアセチルアセトナト錯体等の錯化合物を用いることができる。さらにこれらの金属、金属塩および錯化合物と三級ホスフィン配位子を組合わせて用いることもできる。収率が良い点でパラジウム触媒、鉄触媒またはニッケル触媒が望ましく、パラジウム触媒がさらに望ましい。
【0086】
パラジウム触媒としては、さらに具体的には、「工程A−2」で例示した、パラジウム黒等の金属、パラジウム/アルミナ、パラジウム/炭素等の担持金属、塩化パラジウム、酢酸パラジウム等の金属塩、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等の錯化合物が例示できる。収率が良い点で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが望ましい。
【0087】
これらの金属、担持金属、金属塩および錯化合物は単独で用いても良いが、さらに三級ホスフィンと組合わせて用いても良い。用いることのできる三級ホスフィンとしては、「工程A−2」で例示した、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルおよび(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル等が例示できる。
【0088】
「工程B−1」でリチオ化に用いるブチルリチウムまたはtert−ブチルリチウムと1,3,5−トリアジン化合物(3)とのモル比は、2:1から5:1が望ましく、収率が良い点で2:1から3:1がさらに望ましい。
「工程B−1」でリチオ化およびカップリング用試薬との反応の際に用いる溶媒として、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、キシレン、クロロホルムまたはジクロロメタン等が例示でき、これらを適宜組合わせて用いても良い。収率が良い点でテトラヒドロフランを単独で用いることが望ましい。
【0089】
「工程B−1」での1,3,5−トリアジン化合物(3)の濃度は、5mmol/Lから1000mmol/Lが望ましく、収率が良い点で10mmol/Lから200mmol/Lがさらに望ましい。
【0090】
「工程B−1」でのリチオ化の際の反応温度は、−150℃から−20℃が望ましく、収率が良い点で−100℃から−60℃から適宜選ばれた温度がさらに望ましい。
【0091】
「工程B−1」でのリチオ化の際の反応時間は、1分から3時間が望ましく、収率が良い点で5分から1時間がさらに望ましい。
【0092】
「工程B−1」でカップリング用試薬と1,3,5−トリアジン化合物(3)とのモル比は、2:1から10:1が望ましく、収率が良い点で2:1から3:1がさらに望ましい。
【0093】
「工程B−1」でのカップリング用試薬を加えた後の反応温度は、−150℃から−20℃の低温領域から−20℃から50℃の高温領域に昇温することが望ましく、収率が良い点で−100℃から−60℃の低温領域から0℃から30℃の高温領域に昇温することがさらに望ましい。
【0094】
「工程B−1」でのカップリング用試薬との反応時間は、基質や反応スケール等によって異なり、特に制限はないが、低温領域での反応は1分から3時間が望ましく、収率が良い点で5分から1時間がさらに望ましい。高温領域での反応は、10分から10時間が望ましく、収率が良い点で30分から5時間がさらに望ましい。
【0095】
「工程B−2」で、芳香族化合物(5)を置換1,3,5−トリアジン化合物(4)に対して、2当量以上反応させると、一般式(1)の1,3,5−トリアジン誘導体を収率良く得ることができる。
【0096】
「工程B−2」での金属触媒と芳香族化合物(5)とのモル比は、0.001:1から0.5:1が望ましく、収率が良い点で0.01:1から0.1:1がさらに望ましい。
【0097】
「工程B−2」で用いることのできる溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジエチルエーテル、キシレン、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミド等が例示でき、これらを適宜組合わせて用いても良い。収率が良い点でジオキサン、ジエチルエーテル、トルエンまたはテトラヒドロフランが望ましい。「工程B−1」で生成した置換1,3,5−トリアジン化合物(4)を単離せずに「工程B−2」に供することが収率が良い点でさらに望ましく、その際は「工程B−1」で用いるテトラヒドロフランをそのまま用いることもできる。
【0098】
「工程B−2」での芳香族化合物(5)の濃度は、5mmol/Lから1000mmol/Lが望ましく、収率が良い点で10mmol/Lから200mmol/Lがさらに望ましい。
【0099】
「工程B−2」での反応温度は、0℃から用いる溶媒の還流温度から適宜選ばれた温度が望ましく、収率が良い点で溶媒の還流温度がさらに望ましい。
【0100】
「工程B−2」での反応時間は、1時間から120時間が望ましく、収率が良い点で6時間から72時間がさらに望ましい。
【0101】
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体の粗成生物は、「工程A−2」または「工程B−2」の終了後に溶媒を留去することにより得られる。粗生成物の精製方法としては、再結晶、カラム精製または昇華等が例示できる。例えば、再結晶では、良溶媒または良溶媒と貧溶媒の組合せに溶解し冷却する方法、また良溶媒に溶解し貧溶媒を加える方法、のいずれでも容易に精製することができる。粗生成物の溶解度にもよるが、ジクロロメタンに溶解後メタノールを加える方法が望ましい。カラム精製を行う場合は、シリカゲルを用いることが望ましい。溶離液はヘキサン−ジクロロメタンまたはヘキサン−クロロホルムの組合せが、収率が良い点で望ましい。ヘキサンとジクロロメタンまたはヘキサンとクロロホルムの容積比1:0から0:1の範囲から、分離・溶出の度合いに応じて適宜選ぶことができる。また、これらの比は精製中に適宜変化させても良い。
【0102】
一般式(5)で表される芳香族化合物は、Y−X−Y、Y−(X)−Y、Y−ArまたはY−X−Ar等を用いて、例えばJ.Tsuji著、「Palladium Reagents and Catalysts」、John Wiley & Sons,Ltd、West Sussex、2004年.に記載の汎用的な金属触媒を用いるカップリング反応により容易に得ることができる。その際、「工程A−2」または「工程B−2」で例示した触媒、溶媒、反応条件が適用できる。またYが臭素原子の芳香族化合物(5)は、Journal of Organic Chemistry,68巻,2028−2029,2003年.に記載の方法でも容易に得ることもできる。すなわち、一般式(6)
【0103】
【化10】

[式中、X、qおよびArは前記と同じ内容を示す。]で表される芳香族化合物を2−ジメチルアミノエトキシエタノール存在下でブチルリチウムでリチオ化後、四臭化炭素と反応させることにより得ることもできる。
【0104】
一般式(3)で表される1,3,5−トリアジン化合物の合成法は、例えば特開2006−62962号公報に記載の方法を用いることができる。
【0105】
すなわち、一般式(7)
【0106】
【化11】

[式中、R、R、R、m、X、rおよびYは前記と同じ内容を示す。]で表される置換ベンゾイルクロリド誘導体と一般式(8)
【0107】
【化12】

[式中、Arは前記と同じ内容を示す。]で表される置換ベンゾニトリル誘導体とを、ルイス酸の存在下で反応させて一般式(9)
【0108】
【化13】

[式中、Ar、Ar、R、R、R、m、X、rおよびYは前記と同じ内容を示し、Zは陰イオンを示す。]で表されるで1,3,5−オキサジアニル−1−イウム塩誘導体を得、これをアンモニア水で処理することにより、a=2(b=1)の一般式(3)の1,3,5−トリアジン化合物を得ることができる。
【0109】
また、一般式(10)
【0110】
【化14】

[式中、Arは前記と同じ内容を示す。]で表される置換ベンゾイルクロリド誘導体と一般式(11)
【0111】
【化15】

[式中、R、R、R、m、Y、Xおよびrは前記と同じ内容を示す。]で表される置換ベンゾニトリル誘導体とを、ルイス酸の存在下で反応させて一般式(12)
【0112】
【化16】

で表される1,3,5−オキサジアニル−1−イウム塩誘導体を得、これをアンモニア水で処理することにより、a=1(b=2)の一般式(3)の1,3,5−トリアジン化合物を得ることができる。
【0113】
一般式(7)および(10)で表されるベンゾイルクロリド誘導体と一般式(8)および(11)で表されるベンゾニトリル誘導体のモル比は、いずれかが過剰であっても良いが、量論量でも充分に反応は進行する。
【0114】
反応に用いる溶媒は、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンまたは1,2−ジクロロベンゼン等が例示できる。収率が良い点で、ジクロロメタンまたはクロロホルムが望ましい。
【0115】
ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三塩化鉄、四塩化スズおよび五塩化アンチモン等が例示できる。収率が良い点で五塩化アンチモンが望ましい。
【0116】
一般式(9)または(12)の塩は単離することもできるが、溶液のまま次の反応操作に供してもよい。塩として単離する場合、一般式(9)または(12)のZは、陰イオンであれば特に限定はないが、上に挙げたルイス酸にフッ化物イオンまたは塩化物イオンが結合したテトラフルオロホウ酸イオン、クロロトリフルオロホウ酸イオン、テトラクロロアルミニウム酸イオン、テトラクロロ鉄(III)酸イオン、ペンタクロロスズ(IV)酸イオンまたはヘキサクロロアンチモン(V)酸イオンを対陰イオンとして得ると収率が良い。
【0117】
用いるアンモニア水の濃度に特に制限はないが、5〜50%が好ましく、市販の28%でも反応は充分に進行する。
【0118】
反応温度には特に制限はないが、−50℃〜溶媒還流温度から適宜選ばれた温度で反応を行うことが好ましい。また反応時間は、反応温度との兼合いによるが、30分〜24時間である。
【0119】
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成る有機電界発光素子用薄膜の製造方法に特に限定はないが、真空蒸着法による成膜が可能である。真空蒸着法による成膜は、汎用の真空蒸着装置を用いることにより行うことができる。真空蒸着法で膜を形成する際の真空槽の真空度は、有機電界発光素子作製の製造タクトタイムや製造コストを考慮すると、一般的に用いられる拡散ポンプ、タ−ボ分子ポンプ、クライオポンプ等により到達し得る1×10−2〜1×10−5Pa程度が望ましい。蒸着速度は、形成する膜の厚さによるが0.005〜1.0nm/秒が望ましい。また、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、酢酸エチルまたはテトラヒドロフラン等に対する溶解度が高いため、汎用の装置を用いたスピンコ−ト法、インクジェット法、キャスト法またはディップ法等による成膜も可能である。
【0120】
本発明の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成る薄膜は、高い表面平滑性、アモルファス性、耐熱性、電子輸送能、正孔ブロック能、酸化還元耐性、耐水性、耐酸素性、蛍光発光等をもつため、有機電界発光素子の材料として用いることが可能で、とりわけ電子輸送材、正孔ブロック材、発光材、発光ホスト材などとして用いることができる。従って、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成る薄膜は、有機電界発光素子の構成成分として利用することができる。
【発明の効果】
【0121】
本発明の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、有機電界発光素子の構成成分として用いた時に、電子注入効率の向上ひいては駆動電圧の低下をもたらすものである。さらに、駆動電圧の低下は電子寿命の向上をもたらすものである。これは、置換基として有するピリジル基の窒素原子がその非共有電子対を介して種々の電極と相互作用することができるため(Langmuir,19巻,132頁,2003年)と考えられる。以上、本発明の化合物を用いれば、発光特性、耐久性に優れた有機電界発光素子を作製することができる。
【実施例】
【0122】
以下、本発明の参考例、実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0123】
(参考例1) 2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド6.58gと4−tert−ブチルベンゾニトリル9.55gを200mLのクロロホルムに溶解し、5塩化アンチモン8.97gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、クロロホルムを減圧下留去した。得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを28%アンモニア水溶液300mLに0℃で徐々に加えると白色沈殿が生成した。これを室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色沈殿を乾燥後、153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を153℃に加熱したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過する操作を3回行った。全てのろ液を集めて冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過・乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量10.41g、収率69%)を得た。
【0124】
H−NMR(CDCl):δ1.44(s,18H),7.63(d,J=8.6Hz,4H),7.73(d,J=8.6Hz,2H),8.67(d,J=8.6Hz,2H),8.69(d,J=8.6Hz,4H).
13C−NMR(CDCl):δ31.2,35.1,125.6,127.2,128.8,130.4,131.8,133.4,135.4,156.2,170.6,171.6。
【0125】
(参考例2)2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド8.78gと3−メチルベンゾニトリル9.37gを120mLのクロロホルムに溶解し、5塩化アンチモン11.96gを0℃で滴下した。混合物を室温で30分間攪拌後、16時間還流した。室温まで冷却後、アルゴン下でろ過した。得られたオキサジアニウムの6塩化アンチモン塩をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥した。28%アンモニア水溶液400mLにオキサジアニウム塩を0℃で徐々に加えると白色沈殿が生成した。これを室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色沈殿を乾燥後、沸騰したジメチルホルムアミドに加えて溶解し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分を沸騰したジメチルホルムアミドに加え、その後ろ過する操作を3回行った。全てのろ液を集めて冷却し、再び生成した白色沈殿をろ過・乾燥した。H,13C−NMRより、得られた白色沈殿は2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンであることを確認した(収量12.58g、収率76%)。
【0126】
H−NMR(CDCl):δ2.56(s,6H),7.42−7.55(m,4H),7.74(d,J=8.6Hz,4H),8.54−8.62(m,4H),8.68(d,J=8.6Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ21.5,126.2,127.3,128.5,129.4,130.4,131.8,133.4,135.2,136.0,138.3,170.6,171.7。
【0127】
(参考例3) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド4.39gと4−ビフェニルカルボニトリル7.17gを40mLのクロロホルムに溶解し、5塩化アンチモン5.98gを0℃で滴下した。混合物を室温で10分間攪拌後、13時間還流した。室温まで冷却後、クロロホルムを減圧下留去した。得られた2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを28%アンモニア水溶液300mLに0℃で徐々に加えると白色沈殿が生成した。これを室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色沈殿を乾燥後、これにクロロホルム150mlを加え、この懸濁液を加熱還流下で攪拌し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分にクロロホルム50mlを加え、これを加熱還流下で攪拌し、その後ろ過する操作を2回行った。全てのろ液を集め、クロロホルムを減圧下留去し、得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶し、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量9.48g、収率88%)を得た。
【0128】
H−NMR(CDCl):δ7.30−7.39(m,2H),7.39−7.49(m,4H),7.59−7.68(m,4H),7.65(d,J=8.6Hz,2H),7.74(d,J=8.5Hz,4H),8.59(d,J=8.6Hz,2H),8.76(d,J=8.5Hz,4H).
13C−NMR(CDCl):δ127.2,127.3,127.4,128.0,128.9,129.4,130.4,131.8,134.9,135.2,140.3,145.2,170.7,171.4。
【0129】
(参考例4) 2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(1−ナフチル)−1,3,5−トリアジンの合成
4−ブロモベンゾイルクロリド1.10gとナフタレン−1−カルボニトリル1.53gを100mLのクロロホルムに溶解し、5塩化アンチモン1.50gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、8時間還流した。室温まで冷却後、クロロホルムを減圧下留去した。得られた2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(1−ナフチル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを28%アンモニア水溶液100mLに0℃で徐々に加えると白色沈殿が生成した。これを室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色沈殿を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:クロロホルム=1:1)で精製し、更にジクロロメタン−メタノールで再結晶し、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(1−ナフチル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量0.91g、収率37%)を得た。
【0130】
H−NMR(CDCl):δ7.59(ddd,J=8.0,6.8,1.2Hz,2H),7.64(ddd,J=8.5,6.8,1.5Hz,2H),7.68(dd,J=8.0,7.4Hz,2H),7,73(d,J=8.6Hz,2H),7.98(brd,J=8.0Hz,2H),8.10(brd,J=8.0Hz,2H),8.56(dd,J=7.4,1.2Hz,2H),8.66(d,J=8.6Hz,2H),9.17(brd,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ125.2,126.0,126.2,127.4,127.8,128.8,130.6,130.9,131.3,132.1,132.5,133.6,134.2,135.1,170.4,174.4。
【0131】
(参考例5) 2−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
4’−ブロモビフェニル−4−カルボニルクロリド2.96gと4−tert−ブチルベンゾニトリル3.18gを30mLのクロロホルムに溶解し、5塩化アンチモン2.99gを0℃で滴下した。混合物を室温で10分間攪拌後、13時間還流した。室温まで冷却後、クロロホルムを減圧下留去した。得られた2−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを28%アンモニア水溶液150mLに0℃で徐々に加えると白色沈殿が生成した。これを室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色沈殿を乾燥後、これにクロロホルム150mlを加え、この懸濁液を加熱還流下で攪拌し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分にクロロホルム50mlを加え、これを加熱還流下で攪拌し、その後ろ過する操作を2回行った。全てのろ液を集め、クロロホルムを減圧下留去し、得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=9:1〜4:1)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、2−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量3.81g、収率66%)を得た。
【0132】
H−NMR(CDCl):δ1.42(s,18H),7.57(d,J=8.5Hz,2H),7.61(d,J=8.5Hz,4H),7.62(d,J=8.5Hz,2H),7.75(d,J=8.4Hz,2H),8.70(d,J=8.5Hz,4H),8.82(d,J=8.4Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ31.2,35.1,122.3,125.6,127.0,128.8,128.8,129.5,132.0,133.6,135.8,139.4,143.6,156.1,171.0,171.5。
【0133】
(参考例6) 2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
4−ビフェニルカルボニルクロリド2.17gと4−ブロモベンゾニトリル3.64gを60mLのクロロホルムに溶解し、5塩化アンチモン2.99gを0℃で滴下した。混合物を室温で10分間攪拌後、15時間還流した。室温まで冷却後、クロロホルムを減圧下留去した。得られた2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを28%アンモニア水溶液150mLに0℃で徐々に加えると白色沈殿が生成した。これを室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色沈殿を乾燥後、これにクロロホルム150mlを加え、この懸濁液を加熱還流下で攪拌し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分にクロロホルム50mlを加え、これを加熱還流下で攪拌し、その後ろ過する操作を2回行った。全てのろ液を集め、クロロホルムを減圧下留去し、得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶し、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量3.23g、収率59%)を得た。
【0134】
H−NMR(CDCl):δ7.40−7.45(m,1H),7.48−7.53(m,2H),7.69−7.75(m,2H),7.72(d,J=8.5Hz,4H),7.81(d,J=8.3Hz,2H),8.64(d,J=8.5Hz,4H),8.80(d,J=8.3Hz,2H)。
【0135】
(参考例7) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−1,3,5−トリアジンの合成
4’−ブロモビフェニル−4−カルボニルクロリド11.82gと4−ビフェニルカルボニトリル14.34gを200mLのクロロホルムに溶解し、5塩化アンチモン11.96gを0℃で滴下した。混合物を室温で10分間攪拌後、12時間還流した。室温まで冷却後、クロロホルムを減圧下留去した。得られた2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−1,3,5−オキサジアジニル−1−イウム ヘキサクロロアンチモナトを28%アンモニア水溶液600mLに0℃で徐々に加えると白色沈殿が生成した。これを室温で1時間攪拌し、ろ過後、得られた白色沈殿を水、メタノールで洗浄した。白色沈殿を乾燥後、これにクロロホルム300mlを加え、この懸濁液を加熱還流下で攪拌し、ろ過した。さらにろ別した不溶成分にクロロホルム100mlを加え、これを加熱還流下で攪拌し、その後ろ過する操作を2回行った。全てのろ液を集め、クロロホルムを減圧下留去し、得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶し、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量19.88g、収率81%)を得た。
【0136】
H−NMR(CDCl):δ7.40−7.45(m,2H),7.48−7.53(m,4H),7.54(d,J=8.5Hz,2H),7.61(d、J=8.5Hz,2H),7.68−7.72(m,4H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.79(d,J=8.4Hz,4H),8.81(d,J=8.4Hz,2H),8.82(d,J=8.4Hz,4H).
13C−NMR(CDCl):δ122.3,127.0,127.3,128.0,128.8,128.9,129.4,129.5,132.0,135.1,135.6,139.3,140.4,143.7,145.1,171.1,171.3。
【0137】
(参考例8) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを3.3mmol含むヘキサン溶液2.1mLを、4−ブロモビフェニル0.69gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン30mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.91gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2.5時間攪拌した。この溶液に参考例3で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン1.35gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12gを溶解したテトラヒドロフラン60mLを加え、2時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.09g、収率71%)を得た。
【0138】
H−NMR(CDCl):δ7.37−7.45(m,3H),7.46−7.54(m,6H),7.68(brd,J=8.4Hz,2H),7.73(brd,J=8.3Hz,4H),7.74(d,J=8.4Hz,2H),7.81(d,J=8.4Hz,2H),7.83(d,J=8.4Hz,4H),7.87(d,J=8.4Hz,2H),8.88(d,J=8.4Hz,4H),8.89(d,J=8.4Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ127.1,127.2,127.3,127.4,127.5,127.6,127.7,128.0,128.9,128.9,129.5,129.6,135.2,135.3,139.3,140.4,140.6,140.9,144.6,145.2,171.4,171.4。
【0139】
(参考例9) 2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを4.3mmol含むヘキサン溶液2.8mLを、4−ブロモビフェニル0.91gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン15mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)1.19gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に参考例4で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(1−ナフチル)−1,3,5−トリアジン1.47gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.14gを溶解したテトラヒドロフラン80mLを加え、13時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をクロロホルムで洗浄し、目的の2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.19g、収率71%)を得た。
【0140】
H−NMR(CDCl):δ7.36−7.41(m,1H),7.46−7.52(m,2H),7.57−7.62(m,2H),7.63−7.72(m,4H),7.68(dd,J=8.0,7.3Hz,2H),7.75(d,J=8.4Hz,2H),7.81(d,J=8.4Hz,2H),7.88(d,J=8.5Hz,2H),7.99(brd,J=8.0Hz,2H),8.10(brd,J=8.0Hz,2H),8.60(dd,J=7.3Hz,1.2Hz,2H),8.88(d,J=8.5Hz,2H),9.23(brd,J=8.6Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ125.2,126.1,127.1,127.3,127.4,127.5,127.6,127.7,128.7,128.9,129.7,130.8,131.4,132.4,133.9,134.3,135.1,139.1,140.1,141.0,144.9,170.9,174.3。
【0141】
(実施例1) 2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを5.2mmol含むペンタン溶液3.5mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン15mLにゆっくり加え、この溶液にさらに2−(4−ブロモフェニル)ピリジン0.61gを溶解したテトラヒドロフラン10mLを滴加した。−78℃で30分間攪拌した後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)1.64gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に参考例1で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン1.00gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12gを溶解したテトラヒドロフラン35mLを加え、13時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=3:2〜4:3)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.00g、収率87%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0142】
H−NMR(CDCl):δ1.47(s,18H),7.32(ddd,J=6.8Hz,4.9Hz,1.8Hz,1H),7.69(d,J=8.7Hz,4H),
7.81−7.94(m,2H),7.92(d,J=8.6Hz,2H),7.96(d,J=8.6Hz,2H),8.23(d,J=8.6Hz,2H),8.71−8.80(m,1H),8.77(d,J=8.6Hz,4H),8.93(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ31.4,35.4,120.6,122.6,126.0,127.5,127.6,127.8,129.1,129.8,134.0,136.0,137.1,139.3,141.0,144.6,150.1,156.6,156.8,171.5,171.8。
【0143】
(実施例2) 2−[4−(6−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを5.5mmol含むヘキサン溶液3.9mLを、参考例2の方法により合成した2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン2.08gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン100mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌した後塩化トリメチルスズ1.16gを加え、−78℃で30分間次いで室温で30分間攪拌した。減圧下でテトラヒドロフランを留去・乾燥後、得られた固体に2−ブロモ−6−フェニルピリジン1.36gを溶解したトルエン150mLとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.58gを加え、17時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:ジクロロメタン=3:1〜3:2)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2−[4−(6−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.09g、収率44%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0144】
H−NMR(CDCl):δ2.58(s,6H),7.43−7.61(m,7H),7.77−7.96(m,3H),8.19−8.27(m,2H),8.42(d,J=8.7Hz,2H),8.59−8.67(m,4H),8.95(d,J=8.6Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ21.6,119.1,119.3,126.2,127.1,127.2,128.6,128.7,129.2,129.3,129.5,133.3,136.3,136.8,137.7,138.3,139.2,142.9,155.9,157.0,171.3,171.8。
【0145】
(実施例3) 2−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを4.2mmol含むヘキサン溶液3.0mLを、参考例2で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン1.58gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン80mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌した後塩化トリメチルスズ0.87gを加え、−78℃で45分間次いで室温で30分間攪拌した。減圧下でテトラヒドロフランを留去・乾燥後、得られた固体に2−ブロモ−5−フェニルピリジン1.07gを溶解したトルエン120mLとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.44gを加え、3日間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=3:2〜1:1)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量0.14g、収率8%)を得た。融点を表4に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0146】
H−NMR(CDCl):δ2.48(s,6H),7.33−7.51(m,7H),7.56−7.64(m,2H),7.84−7.99(m,2H),8.21(d,J=8.5Hz,2H),8.49−8.58(m,4H),8.84(d,J=8.6Hz,2H),8.95(d,J=1.7Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ21.6,120.9,126.3,127.0,127.1,128.3,128.6,129.2,129.5,133.3,135.3,135.6,136.2,136.9,137.4,138.3,142.4,148.2,155.2,171.2,171.8。
【0147】
(実施例4) 2−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを4.6mmol含むヘキサン溶液3.3mLを、参考例2で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン1.75gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン100mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌した後塩化トリメチルスズ0.96gを加え、−78℃で1時間次いで室温で30分間攪拌した。減圧下でテトラヒドロフランを留去・乾燥後、得られた固体に2−(4−ブロモフェニル)ピリジン1.17gを溶解したトルエン150mLとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.49gを加え、24時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=3:2〜0:1)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量0.43g、収率21%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0148】
H−NMR(CDCl):δ2.59(s,6H),7.32(ddd,J=6.7Hz,4.9Hz,1.8Hz,1H),7.47−7.60(m,4H),7.79−7.94(m,4H),7.91(d,J=8.6Hz,2H),7.96(d,J=8.6Hz,2H),8.23(d,J=8.5Hz,2H),8.60−8.71(m,4H),8.72−8.79(m,1H),8.93(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ21.7,120.7,122.7,126.5,127.6,127.7,127.8,128.9,129.7,129.8,133.7,135.9,136.6,137.1,139.0,139.4,141.0,144.8,150.1,156.9,171.6,172.1。
【0149】
(実施例5) 2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを5.2mmol含むペンタン溶液3.5mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン15mLにゆっくり加え、この溶液に2−ブロモ−5−フェニルピリジン0.61gを溶解したテトラヒドロフラン10mLを滴加した。−78℃で30分間攪拌した後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジ)亜鉛(II)1.64gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に、参考例1の方法により合成した2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン1.00gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12gを溶解したテトラヒドロフラン35mLを加え、10時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=3:2〜4:3)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.05g、収率91%)を得た。融点を表4に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0150】
H−NMR(CDCl):δ1.45(s,18H),7.44−7.60(m,3H),7.65(d,J=8.6Hz,4H),7.88(d,J=8.5Hz,2H),7.88−7.94(m,1H),8.07−8.15(m,3H),8.74(d,J=8.6Hz,4H),8.93(d,J=8.5Hz,2H),9.09(d,J=1.7Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ31.2,35.1,120.3,125.6,126.9,127.0,128.8,129.1,129.6,133.6,134.1,135.1,136.2,138.8,141.2,148.1,156.1,156.6,170.9,171.5。
【0151】
(実施例6) 2−{4−[5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン−2−イル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを7.8mmol含むペンタン溶液5.3mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン25mLにゆっくり加え、この溶液に2−ブロモ−5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン1.13gを溶解したテトラヒドロフラン15mLを滴加した。−78℃で30分間攪拌した後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジ)亜鉛(II)2.47gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に、参考例2の方法により合成した2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン1.25gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.17gを溶解したテトラヒドロフラン50mLを加え、3時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=3:2〜4:3)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2−{4−[5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン−2−イル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.55g、収率94%)を得た。融点を表4に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0152】
H−NMR(CDCl):δ1.32(s,18H),2.48(s,6H),7.32−7.43(m,4H),7.47(d,J=8.7Hz,2H),7.74−7.83(m,1H),7.79(d,J=8.6Hz,2H),7.95(d,J=8.6Hz,2H),7.99(dd,J=8.3Hz,2.4Hz,1H),8.48−8.57(m,4H),8.83(d,J=8.6Hz,2H),8.98(d,J=1.7Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ21.6,31.3,34.7,120.1,125.8,126.2,126.6,126.9,128.5,129.4,129.7,133.3,133.7,135.0,135.9,136.0,136.2,138.3,141.4,148.0,152.4,156.7,171.0,171.7。
【0153】
(実施例7) 6−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを2.2mmol含むヘキサン溶液1.4mLを、参考例1で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン1.00gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン40mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.61gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に6−ブロモ−2,2’−ビピリジル0.56gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12gを溶解したテトラヒドロフラン20mLを加え、20時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:クロロホルム=1:1〜0:1)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の6−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの白色固体(収量0.82g、収率71%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0154】
H−NMR(CDCl):δ1.45(s,18H),7.39(ddd,J=7.5Hz,4.7Hz,1.2Hz,1H),7.65(d,J=8.6Hz,4H),7.88−8.03(m,3H),8.40(d,J=8.6Hz,2H),8.48(dd,J=7.2Hz,1.6Hz,1H),8.69−8.78(m,2H),8.75(d,J=8.6Hz,4H),8.94(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ31.2,35.1,119.9,120.7,121.4,123.8,125.6,127.0,128.8,129.3,133.7,136.9,136.9,137.8,142.8,149.0,155.6,155.8,156.0,156.2,171.0,171.5。
【0155】
(実施例8) 5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを0.55mmol含むヘキサン溶液0.35mLを、参考例1により得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン0.25gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン15mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.15gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に5−ブロモ−2,2’−ビピリジル0.14gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.03gを溶解したテトラヒドロフラン5mLを加え、15時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=1:1〜0:1)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの白色固体(収量0.16g、収率56%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0156】
H−NMR(CDCl):δ1.45(s,18H),7.38(ddd,J=7.5Hz,4.8Hz,1.1Hz,1H),7.65(d,J=8.6Hz,4H),7.84−7.95(m,1H),7.90(d,J=8.5Hz,2H),8.14(dd,J=8.3Hz,2.4Hz,1H),8.52(d,J=8.0Hz,1H),8.58(d,J=8.2Hz,1H),8.69−8.79(m,1H),8.74(d,J=8.6Hz,4H),8.93(d,J=8.5Hz,2H),9.08(d,J=1.8Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ31.2,35.1,121.1,121.2,123.8,125.6,127.1,128.8,129.6,133.6,135.3,135.7,136.3,137.0,141.2,147.7,149.3,155.4,155.7,156.1,170.9,171.6。
【0157】
(実施例9) 2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(5−フェニルピリジン−2−イル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを0.55mmol含むヘキサン溶液0.35mLを、参考例1により得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン0.25gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン15mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.15gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に2−(4−ブロモフェニル)−5−フェニルピリジン0.19gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.03gを溶解したテトラヒドロフラン5mLを加え、14時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=1:1〜4:5)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(5−フェニルピリジン−2−イル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量0.14g、収率43%)を得た。融点を表4に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0158】
H−NMR(CDCl):δ1.45(s,18H),7.43−7.59(m,3H),7.65(d,J=8.6Hz,4H),7.78−7.85(m,2H),7.85−7.94(m,5H),8.03−8.14(m,3H),8.74(d,J=8.6Hz,4H),8.91(d,J=8.5Hz,2H),9.06(d,J=1.7Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ31.2,35.1,120.4,125.6,126.9,127.2,127.5,128.0,128.8,129.1,129.5,133.7,134.3,135.0,135.7,137.2,138.9,140.1,144.1,148.0,156.1,156.3,171.1,171.6。
【0159】
(実施例10) 2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’’−(2−ピリジル)−1,1’:4’,1’’−テルフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを1.3mmol含むペンタン溶液0.88mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン3mLにゆっくり加え、この溶液に4−ブロモ−4’−(2−ピリジル)−1,1’−ビフェニル0.20gを溶解したテトラヒドロフラン7mLを滴加した。−78℃で30分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.41gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に参考例1により得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン0.25gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.03gを溶解したテトラヒドロフラン10mLを加え、2時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=1:1〜0:1)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’’−(2−ピリジル)−1,1’:4’,1’’−テルフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量0.20g、収率61%)を得た。融点を表4に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0160】
H−NMR(CDCl):δ1.34(s,18H),7.18(ddd,J=6.7Hz,4.9Hz,1.8Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,4H),7.67−7.79(m,8H),7.83(d,J=8.6Hz,2H),8.08(d,J=8.5Hz,2H),8.59−8.64(m,1H),8.64(d,J=8.6Hz,4H),8.80(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ31.3,35.4,120.6,122.6,126.1,127.5,127.6,127.8,128.0,129.1,129.8,134.0,135.9,137.1,138.9,139.7,140.4,141.2,144.7,150.1,156.6,157.0,171.5,171.9。
【0161】
(実施例11) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを6.0mmol含むペンタン溶液4.1mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン15mLにゆっくり加え、この溶液にさらに2−(4−ブロモフェニル)ピリジン0.70g(3.0mmol)を溶解したテトラヒドロフラン10mLを滴下した。−78℃で30分間攪拌した後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)1.89g(7.5mmol)を加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に参考例3で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン1.35g(2.5mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12g(0.10mmol)を溶解したテトラヒドロフラン60mLを加え、13時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=2:1〜2:3)およびアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=2:1〜1:2)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.19g、収率77%)を得た。
【0162】
H−NMR(CDCl):δ7.28(ddd,J=7.3,4.8,1.2Hz,1H),7.40−7.46(m,2H),7.48−7.54(m,4H),7.72−7.77(m,4H),7.80(ddd,J=7.6,7.3,1.8Hz,1H),7.82−7.88(m,1H),7.85(d,J=8.4Hz,4H),7.86(d,J=8.4Hz,2H),7.91(d,J=8.4Hz,2H),8.18(d,J=8.4Hz,2H),8.72(brd,J=4.8Hz,1H),8.88(d,J=8.4Hz,4H),8.89(d,J=8.4Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ120.7,122.7,127.6,127.6,127.7,127.8,127.8,128.4,129.3,129.8,129.9,135.6,135.8,137.1,139.4,140.6,141.0,144.8,145.5,150.1,156.9,171.7,171.7。
【0163】
(実施例12) 2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを6.0mmol含むペンタン溶液4.1mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン15mLにゆっくり加え、この溶液にさらに2−(4−ブロモフェニル)ピリジン0.70gを溶解したテトラヒドロフラン10mLを滴加した。−78℃で30分間攪拌した後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)1.89gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に参考例4で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(1−ナフチル)−1,3,5−トリアジン1.22gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12gを溶解したテトラヒドロフラン65mLを加え、16時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=2:1〜クロロホルム)およびアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:ジクロロメタン=2:1〜クロロホルム)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.23g、収率87%)を得た。
【0164】
H−NMR(CDCl):δ7.29−7.38(m,1H),7.62(ddd,J=8.0,6.8,1.3Hz,2H),7.67(ddd,J=8.6,6.8,1.5Hz,2H),7.72(dd,J=8.1,7.3Hz,2H),7.84−7.92(m,2H),7.89(d,J=8.3Hz,2H),7.94(d,J=8.5Hz,2H),8.02(brd,J=8.0Hz,2H),8.14(brd,J=8.1Hz,2H),8.21(d,J=8.3Hz,2H),8.58(dd,J=7.3,1.2Hz,2H),8.71−8.76(m,1H),8.89(d,J=8.5Hz,2H),9.21(brd,J=8.6Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ120.5,122.3,125.2,126.1,127.3,127.5,127.6,128.7,129.7,130.8,131.4,132.4,133.9,134.3,135.2,136.8,139.0,140.7,144.8,149.8,156.8,170.9,174.3。
【0165】
(実施例13) 6−[4−(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル]−2,2’−ビピリジルの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを3.3mmol含むヘキサン溶液2.1mLを、参考例2で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン1.25gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン60mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.91gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に6−ブロモ−2,2’−ビピリジル0.85gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.14gを溶解したテトラヒドロフラン20mLを加え、14時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:クロロホルム=1:1〜1:2)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の6−[4−(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル]−2,2’−ビピリジルの白色固体(収量0.89g、収率61%)を得た。融点を表4に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0166】
H−NMR(CDCl):δ2.54(s,6H),7.36(ddd,J=7.4,4.8,1.1Hz,1H),7.41−7.45(m,2H),7.48(brdd,J=7.5,7.5Hz,2H),7.86−7.92(m,2H),7.94(dd,J=7.8,6.7Hz,1H),8.36(d,J=8.5Hz,2H),8.46(brd,J=7.6Hz,1H),8.57−8.62(m,4H),8.69(brd,J=7.8Hz,1H),8.73(brd,J=4.8Hz,1H),8.90(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ21.7,120.1,120.9,121.6,124.0,126.3,127.1,128.6,129.4,129.5,133.4,136.3,136.9,137.4,137.9,138.4,142.9,148.8,155.5,155.7,156.0,171.2,171.8。
【0167】
(実施例14) 6−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを3.3mmol含むヘキサン溶液2.1mLを、参考例3で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン1.62gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン70mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.91gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に6−ブロモ−2,2’−ビピリジル0.85gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.14gを溶解したテトラヒドロフラン20mLを加え、4時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をクロロホルムで洗浄し、目的の6−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの白色固体(収量1.24g、収率67%)を得た。
【0168】
H−NMR(CDCl):δ7.36(ddd,J=7.4,4.8,1.2Hz,1H),7.41−7.45(m,2H),7.50−7.54(m,4H),7.72−7.76(m,4H),7.84(d,J=8.5Hz,4H),7.90(ddd,J=7.7,7.4,1.9Hz,1H),7.93(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),7.97(dd,J=7.8,7.7Hz,1H),8.40(d,J=8.6Hz,2H),8.46(brdd,J=7.7,1.2Hz,1H),8.69−8.72(m,1H),8.73(ddd,J=4.8,1.9,0.9Hz,1H),8.90(d,J=8.5Hz,4H),8.96(d,J=8.6Hz,2H)。
【0169】
(実施例15) 2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを2.2mmol含むヘキサン溶液1.4mLを、参考例5で得た2−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン1.15gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン50mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.61gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に3−ブロモピリジン0.38gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.09gを溶解したテトラヒドロフラン10mLを加え、4時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)およびアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜3:2)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量0.71g、収率62%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0170】
H−NMR(CDCl):δ1.42(s,18H),7.43(brdd,J=7.8,4.8Hz,1H),7.61(d,J=8.5Hz,4H),7.72(d,J=8.3Hz,2H),7.83(d,J=8.3Hz,2H),7.84(d,J=8.4Hz,2H),7.95−8.00(m,1H),8.64(brdd,J=4.8,1.5Hz,1H),8.71(d,J=8.5Hz,4H),8.86(d,J=8.4Hz,2H),8.94(brd,J=1.9Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ31.2,35.1,123.8,125.6,127.2,127.6,128.0,128.8,129.5,133.6,134.7,135.8,136.3,137.0,140.3,144.0,147.7,148.1,156.0,171.0,171.5。
【0171】
(実施例16) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[3’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを6.0mmol含むペンタン溶液4.1mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン20mLにゆっくり加え、この溶液にさらに2−(3−ブロモフェニル)ピリジン0.70gを溶解したテトラヒドロフラン10mLを滴加した。−78℃で30分間攪拌した後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)1.89gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に参考例3で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン1.35gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12gを溶解したテトラヒドロフラン50mLを加え、15時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)およびアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)で精製後、ジクロロメタン−メタノールおよびトルエンで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[3’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.29g、収率84%)を得た。
【0172】
H−NMR(CDCl):δ7.32(ddd,J=7.2,4.8,1.2Hz,1H),7.41−7.45(m,2H),7.50−7.55(m,4H),7.63(brdd,J=7.7,7.7Hz,1H),7.74−7.78(m,4H),7.80−7.90(m,3H),7.87(d,J=8.5Hz,4H),7.96(d,J=8.5Hz,2H),8.07(ddd,J=7.7,1.3,1.2Hz,1H),8.42−8.44(m,1H),8.74(ddd,J=4.8,1.7,1.0Hz,1H),8.90(d,J=8.5Hz,4H),8.92(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ120.8,122.4,126.0,126.6,127.4,127.4,127.6,127.9,128.1,129.0,129.4,129.6,135.3,135.4,136.9,140.2,140.5,141.1,145.1,145.3,149.9,157.3,171.5。
【0173】
(実施例17) 4−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの合成
アルゴン気流下、参考例3で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン0.54gおよび4−トリブチルスタニル−2,2’−ビピリジル0.63g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.12gを溶解したトルエン溶液20mlを15時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=1:1〜クロロホルム)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の4−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルの白色固体(収量0.48g、収率78%)を得た。
【0174】
H−NMR(CDCl):δ7.39−7.45(m,3H),7.48−7.53(m,4H),7.68(dd,J=5.1,1.7Hz,1H),7.69−7.73(m,4H),7.81(d,J=8.5Hz,4H),7.93(ddd,J=7.8,7.7,1.5Hz,1H),7.99(d,J=8.4Hz,2H),8.59(brd,J=7.8Hz,1H),8.78(brd,J=4.8Hz,1H),8.80(brd,J=5.1Hz,1H),8.84(d,J=8.5Hz,4H),8.87(brs,1H),8.90(d,J=8.4Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ119.3,121.6,121.8,124.1,127.3,127.4,127.5,128.1,129.0,129.6,129.7,135.1,137.1,137.3,140.4,142.1,145.3,148.9,149.2,149.7,155.8,156.6,171.1,171.5。
【0175】
(実施例18) 2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、tert−ブチルリチウムを8.8mmol含むペンタン溶液6.0mLを−78℃に冷却したテトラヒドロフラン20mLにゆっくり加え、この溶液にさらに2−(4−ブロモフェニル)ピリジン1.03gを溶解したテトラヒドロフラン10mLを滴加した。−78℃で30分間攪拌した後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)2.78gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に参考例6で得た2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン1.09gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.23gを溶解したテトラヒドロフラン60mLを加え、16時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)およびアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量1.06g、収率77%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0176】
H−NMR(CDCl):δ7.33−7.40(m,2H),7.41−7.46(m,1H),7.50−7.55(m,2H),7.74−7.79(m,2H),7.88(d,J=8.4Hz,2H),7.88−7.93(m,8H),7.95(d,J=8.4Hz,4H),8.23(d,J=8.3Hz,4H),8.75(brd,J=4.7Hz,2H),8.91(d,J=8.4Hz,2H),8.93(d,J=8.4Hz,4H).
13C−NMR(CDCl):δ120.6,122.3,127.4,127.4,127.5,127.7,128.1,129.0,129.6,129.6,129.6,135.3,135.5,136.9,139.0,140.5,140.9,144.6,145.3,149.9,156.9,171.4,171.5。
【0177】
(実施例19) 5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,4’−ビピリジルの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを3.2mmol含むヘキサン溶液2.1mLを、参考例1で得た2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン1.50gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン50mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.83gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に5−ブロモ−2,4’−ビピリジル0.74gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.14gを溶解したテトラヒドロフラン30mLを加え、13時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)およびアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=1:1)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,4’−ビピリジルの白色固体(収量0.97g、収率56%)を得た。融点を表4に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0178】
H−NMR(CDCl):δ1.42(s,18H),7.61(d,J=8.5Hz,4H),7.83(d,J=8.4Hz,2H),7.92(brd,J=8.2Hz,1H),8.00(d,J=6.1Hz,2H),8.10(dd,J=8.2,2.4Hz,1H),8.70(d,J=8.5Hz,4H),8.76(d,J=6.1Hz,2H),8.88(d,J=8.4Hz,2H),9.08(brd,J=2.4Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ31.3,35.2,120.9,121.2,125.7,127.3,128.9,129.8,133.6,135.5,136.2,136.7,140.7,146.5,148.7,149.9,153.5,156.3,170.8,171.7。
【0179】
(実施例20) 5−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,4’−ビピリジルの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウムを3.3mmol含むヘキサン溶液2.2mLを、参考例3で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン1.62gを溶解し−78℃に冷却したテトラヒドロフラン60mLにゆっくり加えた。−78℃で15分間攪拌後ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II)0.91gを加え、−78℃で10分間次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に5−ブロモ−2,4’−ビピリジル0.71gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.14gを溶解したテトラヒドロフラン30mLを加え、14時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)およびアルミナゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=1:1)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の5−{4−[4,6−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,4’−ビピリジルの白色固体(収量1.00g、収率54%)を得た。
【0180】
H−NMR(CDCl):δ7.40−7.45(m,2H),7.48−7.54(m,4H),7.69−7.75(m,4H),7.82(d,J=8.4Hz,4H),7.86(d,J=8.4Hz,2H),7.93(brd,J=8.2Hz,1H),7.98(d,J=6.1Hz,2H),8.12(dd,J=8.2,2.4Hz,1H),8.77(d,J=6.1Hz,2H),8.86(d,J=8.4Hz,4H),8.92(d,J=8.4Hz,2H),9.10(brd,J=2.4Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ120.9,121.1,127.3,127.3,127.4,128.1,129.0,129.6,129.9,135.1,135.5,136.0,136.5,140.4,140.9,145.4,146.1,148.7,150.4,153.8,171.1,171.5。
【0181】
(実施例21) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、参考例7で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−1,3,5−トリアジン2.47gおよび3−ピリジンボロン酸0.54g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.04g、トリシクロヘキシルホスフィン0.03gを溶解した1,4−ジオキサン溶液70mlにリン酸三カリウム1.44gを溶解した水溶液5.7mlを加え、13時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をクロロホルムに溶解し、有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、クロロホルムを減圧留去し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜1:2)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量2.24g、収率91%)を得た。。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0182】
H−NMR(CDCl):δ7.38−7.45(m,3H),7.48−7.54(m,4H),7.69−7.75(m,6H),7.79−7.85(m,2H),7.81(d,J=8.3Hz,4H),7.85(d,J=8.4Hz,2H),7.92−7.96(m,1H),8.64(brdd,J=4.8,1.5Hz,1H),8.86(d,J=8.3Hz,4H),8.87(d,J=8.4Hz,2H),8.94(brd,J=2.0Hz,1H).
13C−NMR(CDCl):δ123.7,127.3,127.3,127.4,127.7,128.0,128.1,129.0,129.6,129.6,134.3,135.2,135.6,136.1,137.5,140.2,140.5,144.3,145.2,148.3,148.8,171.3,171.4。
【0183】
(実施例22) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(4−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの合成
アルゴン気流下、参考例7で得た2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−1,3,5−トリアジン2.47gおよび4−ピリジンボロン酸0.54g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.04g、トリシクロヘキシルホスフィン0.03gを溶解した1,4−ジオキサン溶液70mlに燐酸三カリウム1.44gを溶解した水溶液5.7mlを加え、14時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた固体をクロロホルムに溶解し、有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、クロロホルムを減圧留去し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=2:1〜クロロホルム)で精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(4−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンの白色固体(収量2.35g、収率96%)を得た。融点およびガラス転移温度を表4に示した。
【0184】
H−NMR(CDCl):δ7.41−7.45(m,2H),7.48−7.54(m,4H),7.68(d,J=6.2Hz,2H),7.70−7.74(m,4H),7.78−7.87(m,6H),7.82(d,J=8.4Hz,4H),8.72(d,J=6.2Hz,2H),8.86(d,J=8.4Hz,4H),8.88(d,J=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl):δ122.0,127.3,127.4,127.7,128.1,128.2,129.0,129.6,129.7,135.2,135.9,136.8,140.4,141.8,143.9,145.3,148.5,149.6,171.2,171.5。
【0185】
(実施例23) 2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
基板には2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。洗浄後の基板に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、断面図を図1に示すような発光面積4mm有機電界発光素子を作製した。
【0186】
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し1.0×10−4Paまで減圧した。その後、図1の1で示す前記ガラス基板上に有機化合物層として、正孔注入層2、正孔輸送層3、発光層4および電子輸送層5を順次成膜し、その後陰極層6を成膜した。
【0187】
正孔注入層2としては、昇華精製したフタロシアニン銅(II)を25nmの膜厚で真空蒸着した。正孔輸送層3としては、N,N’−ジ(ナフチレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)を45nmの膜厚で真空蒸着した。発光層4としては、Alqを40nmの膜厚で真空蒸着した。電子輸送層5としては、実施例1で得られた2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを20nmの膜厚で真空蒸着した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜し、加熱した化合物を0.3〜0.5nm/秒の成膜速度で真空蒸着した。最後に、ITOストライプと直行するようにメタルマスクを配し、陰極層6を成膜した。陰極層6は、フッ化リチウムとアルミニウムをそれぞれ0.5nmと100nmの膜厚で真空蒸着し、2層構造とした。それぞれの膜厚は触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した。さらにこの素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと前記成膜基板エポキシ型紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いた。
【0188】
作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、TOPCON社製のLUMINANCE METER(BM−9)の輝度計を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電圧6.0Vでの輝度(cd/m)、発光効率(cd/m)、発光波長(nm)を測定した。また素子寿命は、1mAの電流を流した値を初期輝度として、定電流駆動により初期輝度の輝度半減時間(h)とした。結果を表5に示す。さらに、電圧1mAの電流を通電したときの駆動電圧(V)、輝度(cd/m)、電力効率(lm/W)、発光波長(nm)を測定した。結果を表6に示す。
【0189】
(実施例24) 2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例5で得られた2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4−(5−フェニルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0190】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0191】
(実施例25) 2−{4−[5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン−2−イル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例6で得られた2−{4−[5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン−2−イル]フェニル}−4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0192】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0193】
(比較例1)
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて汎用電子輸送材料であるAlqを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0194】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5に示す。
【0195】
(実施例26) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例11で得られた2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0196】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0197】
(実施例27)2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例12で得られた2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0198】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0199】
(実施例28) 5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例8で得られた5−{4−[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]フェニル}−2,2’−ビピリジルを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0200】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0201】
(実施例29) 6−[4−(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル]−2,2’−ビピリジルを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例13で得られた6−[4−(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル]−2,2’−ビピリジルを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0202】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0203】
(実施例30) 2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例18で得られた2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0204】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0205】
(実施例31) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例21で得られた2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(3−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0206】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0207】
(実施例32) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(4−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて実施例22で得られた2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[4’−(4−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0208】
作製した有機電界発光素子の評価も実施例23と同様に行った。結果を表5および表6に示す。
【0209】
(比較例2)
比較例1と同じ素子を用い、実施例23と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
【0210】
(比較例3) 2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて参考例8で得られた2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0211】
作製した有機電界発光素子の評価は実施例23と同様に行った。結果を表6に示す。
【0212】
(比較例4) 2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンを構成成分とする有機電界発光素子の作製と性能評価
実施例23の2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[4’−(2−ピリジル)ビフェニル−4−イル]−1,3,5−トリアジンに替えて参考例9で得られた2,4−ビス(1−ナフチル)−6−[1,1’:4’,1’’]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジンを電子輸送層5として20nmの膜厚で真空蒸着した有機電界発光素子を、実施例23と同様に作製した。
【0213】
作製した有機電界発光素子の評価は実施例23と同様に行った。結果を表6に示す。
【0214】
【表4】

【0215】
【表5】

【0216】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】実施例23で作製した有機電界発光素子の断面図である。
【符号の説明】
【0218】
1.ITO透明電極付きガラス基板
2.正孔注入層
3.正孔輸送層
4.発光層
5.電子輸送層
6.陰極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Arは、炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良い、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示す。RおよびRは水素原子またはメチル基を示す。Rは、炭素数1から4のアルキル基を示し、mは0から2の整数を示す。mが2の時、Rは同一または相異なっていても良い。Xは、炭素数1から4のアルキル基で置換されていても良い、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基を示し、pは1または2を示す。pが2の時、Xは同一または相異なっていても良い。Arは、炭素数1から6のアルキル基で1つ以上置換されていても良い、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基を示す。但し、置換基である−(X)−Arの中に少なくとも一つのピリジン環を含む。aおよびbは1または2を示し、a+bは3である。aが2のとき、Arは同一または相異なっていても良い。bが2のとき、R、R、R、m、X、pおよびArは同一または相異なっていても良い。]で表されることを特徴とする1,3,5−トリアジン誘導体。
【請求項2】
Xが1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基である請求項1に記載の1,3,5−トリアジン誘導体。
【請求項3】
およびRが水素原子である請求項1または請求項2のいずれかに記載の1,3,5−トリアジン誘導体。
【請求項4】
mが0である請求項1から請求項3のいずれかに記載の1,3,5−トリアジン誘導体。
【請求項5】
Arが、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基、3−(2−ナフチル)フェニル基、4−ビフェニリル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−tert−ブチルビフェニル−4−イル基、3−ビフェニリル基、3’−メチルビフェニル−3−イル基、3’−tert−ブチルビフェニル−3−イル基、1−ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、5−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、2−ナフチル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、6−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基または7−tert−ブチルナフタレン−2−イル基である請求項1から請求項4のいずれかに記載の1,3,5−トリアジン誘導体。
【請求項6】
Arがフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基である請求項1から請求項5のいずれかに記載の1,3,5−トリアジン誘導体。
【請求項7】
一般式(1)
【化2】

[式中、Arは、炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良い、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示す。RおよびRは水素原子またはメチル基を示す。Rは、炭素数1から4のアルキル基を示し、mは0から2の整数を示す。mが2の時、Rは同一または相異なっていても良い。Xは、炭素数1から4のアルキル基で置換されていても良い、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基を示し、pは1または2を示す。pが2の時、Xは同一または相異なっていても良い。Arは、炭素数1から6のアルキル基で1つ以上置換されていても良い、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基を示す。但し、置換基である−(X)−Arの中に少なくとも一つのピリジン環を含む。aおよびbは1または2を示し、a+bは3である。aが2のとき、Arは同一または相異なっていても良い。bが2のとき、R、R、R、m、X、pおよびArは同一または相異なっていても良い。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体を、一般式(2)
【化3】

[式中、XおよびArは前記と同じ内容を示す。qは0またはp以下の整数を示す。Mは−ZnR基、−MgR基、−SnR基、−B(OH)基、−B=R基、−BF(Z基、または−SiR1011基を示す。Rは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示し、R、RおよびRは炭素数1から4のアルキル基を示し、Rは2,3−ジメチルブタン−2,3−ジオキシ基、エチレンジオキシ基または1,3−プロパンジオキシ基を示し、(Zはアルカリ金属イオンまたは四級アンモニウムイオンを示し、R、R10およびR11はメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基または塩素原子を示す。]で表される置換芳香族化合物と、一般式(3)
【化4】

[式中、Ar、a、R、R、R、m、Xおよびbは、前記と同じ内容を示し、rはp−qを示し、Yは脱離基を示す。]で表される1,3,5−トリアジン化合物との、金属触媒の存在下でのカップリング反応により得ることを特徴とする製造方法。
【請求項8】
Xが1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基である請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
およびRが水素原子である請求項7または請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
mが0である請求項7から請求項9のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
Arが、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基、3−(2−ナフチル)フェニル基、4−ビフェニリル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−tert−ブチルビフェニル−4−イル基、3−ビフェニリル基、3’−メチルビフェニル−3−イル基、3’−tert−ブチルビフェニル−3−イル基、1−ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、5−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、2−ナフチル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、6−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基または7−tert−ブチルナフタレン−2−イル基である請求項7から請求項10のいずれかに記載の製造方法。
【請求項12】
Arがフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基である請求項7から請求項11のいずれかに記載の製造方法。
【請求項13】
一般式(1)
【化5】

[式中、Arは、炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良い、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示す。RおよびRは水素原子またはメチル基を示す。Rは、炭素数1から4のアルキル基を示し、mは0から2の整数を示す。mが2の時、Rは同一または相異なっていても良い。Xは、炭素数1から4のアルキル基で置換されていても良い、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基を示し、pは1または2を示す。pが2の時、Xは同一または相異なっていても良い。Arは、炭素数1から6のアルキル基で1つ以上置換されていても良い、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基を示す。但し、置換基である−(X)−Arの中に少なくとも一つのピリジン環を含む。aおよびbは1または2を示し、a+bは3である。aが2のとき、Arは同一または相異なっていても良い。bが2のとき、R、R、R、m、X、pおよびArは同一または相異なっていても良い。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体を、一般式(4)
【化6】

[式中、Ar、a、R、R、R、m、X、およびbは、前記と同じ内容を示す。rはp−qを示し、Mは−ZnR基、−MgR基、−SnR基、−B(OH)基、−B=R基、−BF(Z基、または−SiR1011基を示す。]で表される置換1,3,5−トリアジン化合物と、一般式(5)
【化7】

[式中、X、およびArは前記と同じ内容を示す。Yは脱離基を示し、qは0またはp以下の整数を示す。]で表される芳香族化合物との、金属触媒の存在下でのカップリング反応により得ることを特徴とする製造方法。
【請求項14】
Xが1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基である請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
およびRが水素原子である請求項13または請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
mが0である請求項13から請求項15のいずれかに記載の製造方法。
【請求項17】
Arが、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基、3−(2−ナフチル)フェニル基、4−ビフェニリル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−tert−ブチルビフェニル−4−イル基、3−ビフェニリル基、3’−メチルビフェニル−3−イル基、3’−tert−ブチルビフェニル−3−イル基、1−ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、5−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、2−ナフチル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、6−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基または7−tert−ブチルナフタレン−2−イル基である請求項13から請求項16のいずれかに記載の製造方法。
【請求項18】
Arがフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基である請求項13から請求項17のいずれかに記載の製造方法。
【請求項19】
金属触媒がパラジウム触媒、ニッケル触媒または鉄触媒である請求項7から請求項18のいずれかに記載の製造方法。
【請求項20】
一般式(1)
【化8】

[式中、Arは、炭素数1から6のアルキル基で置換されていても良い、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示す。RおよびRは水素原子またはメチル基を示す。Rは、炭素数1から4のアルキル基を示し、mは0から2の整数を示す。mが2の時、Rは同一または相異なっていても良い。Xは、炭素数1から4のアルキル基で置換されていても良い、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基を示し、pは1または2を示す。pが2の時、Xは同一または相異なっていても良い。Arは、炭素数1から6のアルキル基で1つ以上置換されていても良い、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基を示す。但し、置換基である−(X)−Arの中に少なくとも一つのピリジン環を含む。aおよびbは1または2を示し、a+bは3である。aが2のとき、Arは同一または相異なっていても良い。bが2のとき、R、R、R、m、X、pおよびArは同一または相異なっていても良い。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体を構成成分とする有機電界発光素子。
【請求項21】
Xが1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基または2,6−ピリジレン基である請求項20に記載の1,3,5−トリアジン誘導体を構成成分とする有機電界発光素子。
【請求項22】
およびRが水素原子である請求項20または請求項21に記載の1,3,5−トリアジン誘導体を構成成分とする有機電界発光素子。
【請求項23】
mが0である請求項20から請求項22のいずれかに記載の1,3,5−トリアジン誘導体を構成成分とする有機電界発光素子。
【請求項24】
Arが、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基、3−(2−ナフチル)フェニル基、4−ビフェニリル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−tert−ブチルビフェニル−4−イル基、3−ビフェニリル基、3’−メチルビフェニル−3−イル基、3’−tert−ブチルビフェニル−3−イル基、1−ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、5−tert−ブチルナフタレン−1−イル基、2−ナフチル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、6−tert−ブチルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基または7−tert−ブチルナフタレン−2−イル基である請求項20から請求項23のいずれかに記載の1,3,5−トリアジン誘導体を構成成分とする有機電界発光素子。
【請求項25】
Arがフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基である請求項20から請求項24のいずれかに記載の1,3,5−トリアジン誘導体を構成成分とする有機電界発光素子。

【図1】
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【公開番号】特開2007−314503(P2007−314503A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210262(P2006−210262)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】