説明

1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−AS−インダセン化合物

本発明は、式中、R、R、R、R及びXが種々の意味を有している式(I)の新規化合物を提供する。調製プロセス、医薬組成物が提供され、メラトニン受容体によって仲介される状態の治療又は予防におけるこの使用もまた提供される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラトニン受容体に対して高親和性を有する化合物を対象とし、具体的には、1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン化合物、より具体的には、2−(1,6−ジヒドロ−4−ハロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチルアミンのN−カルボニル化合物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
不眠症は、成人人口の20から40%を冒し、高齢者において発生率が増加している、非常によくある疾患である。不眠症は、多くの原因によって生じ得る。原因の1つは、睡眠−覚醒サイクルの正常な調節の障害である。この非同調性は、病的変化をもたらす可能性がある。この影響を緩和する可能性のある治療的処置は、メラトニン作動系を調節することによって、睡眠−覚醒サイクルを再同調することを基礎としている(Li−Qiang Sun、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、2005年、15、1345〜49頁)。
【0003】
メラトニンは、哺乳類の松果体により分泌されるホルモンであり、夜間に産生されて体の睡眠−覚醒サイクルの調節を助け、また、光周期情報及び網膜生理の調節も担っている。ヒトにおけるメラトニンの分泌は、夜間の睡眠と同時に起こり、メラトニンレベルの上昇は、日暮れにおける眠気の増大と関連している。体が産生するメラトニンの量は、年齢と共に減少し、このことにより、高齢者が一般集団よりも不眠症を患う頻度が高い理由を説明し得る。ヒトにおけるメラトニンの治療用途には、夜間労働者の治療を含む睡眠相遅延症候群及び時差ボケの治療、及びそれ自体を催眠薬とすることが含まれる。しかし、その短い半減期(数分間)は、その治療用途を制限してしまう。メラトニンの合成及びこの夜間分泌は、視交叉上核によって制御され、環境光により同調化される(Osamu Uchikawaら、J.Med.Chem.2002年、45、4222〜39頁;Pandi−Perumalら、Nature Clinical Practice、2007年、3(4)、221〜228頁)。
【0004】
メラトニン受容体は、薬理学的プロファイルに基づき、MT1、MT2及びMT3に分類されている。MT1受容体は、中枢神経系の視床下部に局在し、一方、MT2受容体は、中枢神経系及び網膜に分布している。MT1及びMT2受容体の存在は、末梢レベルでもまた明らかになっている。MT1及びMT2受容体は、うつ状態、ストレス、睡眠障害、不安、季節性情動障害、心血管症状、消化系の症状、時差ボケが原因の不眠症又は疲労、統合失調症、パニック発作、うつ病、食欲障害、肥満、不眠症、精神障害、てんかん、糖尿病、パーキンソン病、老年性認知症、健常加齢又は病的加齢に付随する疾患、片頭痛、記憶喪失、アルツハイマー病及び脳循環障害などの、多数の状態に関与している。MT3受容体は、キノン還元酵素−2(QR2)酵素のホモログとして特徴付けられている。MT1及びMT2受容体はGタンパク質共役受容体(GPCR)に共役し、作動薬によるこの刺激により、アデニル酸シクラーゼ活性の低下及び細胞内のcAMPの減少が続いて起こる。
【0005】
近年、合成のメラトニン受容体作動薬は、熱心な研究の対象になっている。不眠症に対する第1の用途に加え、数ある中でも、概日リズムの障害の同調、高齢者における睡眠障害、季節性うつ状態及び時差ボケに潜在用途がある。さらに、メラトニン受容体作動薬は、ヒトにおいてメラトニンによって引き起こされる体温降下、降圧又は徐脈作用のいずれも誘発しないことが分かった。
【0006】
ラメルテオン、N−[2−[(8S)−1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5−4−b]フラン−8−イル]エチル]プロピオンアミドは、米国食品医薬品局(FDA)によって承認された、時間の制限のない不眠症における治療用途の、最初のメラトニン受容体作動薬となった。その作用機序は、MT1及びMT2受容体における受容体活性化作用に基づいている。ラメルテオンは、MT1及びMT2受容体に対しては選択性はないが、他の中枢及び末梢受容体に対しては選択性を示す。Kは、MT1に対して0.014nMであり、MT2に対して0.045nMである。これは、良好な吸収を示すが、重要な代謝による初回通過を受け、4つの代謝産物に生体内変換される。
【0007】
特許文献、US4600723及びUS4665086は、労働スケジュールの変化、又は多様な時間帯を通りぬける短時間の移行によって誘発される概日リズムの変動(時差ボケ)を最小化するためのメラトニンの使用を開示している。メラトニン作動活性を有する化合物系のいくつかは、特許文献、EP848699B1、US5276051、US5308866、US5633276、US5708005、US6143789、US6310074、US6583319、US6737431、US6908931、US7235550、US7297711、WO8901472及びWO2005062992において開示されてきた。
【0008】
特許、US6034239は、式
【化1】


(式中、A、B、m、R、R、R、X及びYは、本明細書で示される意味を有している)の三環式のメラトニン作動化合物(melatonergic compound)を開示している。A=(CHであり、Bがさらなる置換基を有しておらず、R=エチル、R=R=H、m=2、X=CH、Y=CHであり、点で示す結合は飽和結合であり、Yが、(S)−構造(例19及び20)を示す場合、ラメルテオンは、この構造に属する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ラメルテオンの承認は、メラトニンを目標とする概念を証明するための、重要な画期的出来事であり、研究の新たな可能性を開いた。しかし、メラトニン受容体によって仲介される状態の、より有効な治療を提供するために、より高い効力及び増加した代謝耐性などの向上した特性を有する新規の化合物に対する必要が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、本発明は、ラメルテオン及びメラトニンと比較して、より優れたMT1受容体に対する受容体活性化作用を示す強力な活性化合物を提供する。例えば、例14及び18は、それぞれ(1nMにおいて)55.1及び59.8%の受容体活性化作用を有する。ラメルテオンもメラトニンも、これらのレベルの受容体活性化作用はない。ラメルテオン及びメラトニンでは、そのような濃度において、それぞれ47.4及び48.0%である。
【0011】
第1の態様において、本発明は、式I
【化2】


(式中、
は、水素、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、水素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン、フェニル、フェニル(1〜2C)アルキル、COOH及びCOORからなる群から選択され、
は、水素、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、CHFCH、CF、OH、OR、NH及びNHRからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル、フェニル、フェニル(1〜2C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
Xは、フッ素及び塩素からなる群から選択されるハロゲン原子である)
の遊離体又は薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態の化合物に言及する。
【0012】
第2の態様において、本発明は、式1の化合物を、遊離体又は薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態で調製する方法に言及し、この方法は、
i)a)式XII
【化3】


(式中、R、R、R及びXは、本明細書で規定される通りである)の化合物を、a)式R−COClの塩化アシル(この場合、Rは、直鎖若しくは分岐(1〜6C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、CHFCH又はCFを表す)、b)式R−COClのクロロホルメート(この場合、Rは、ORを表し、式中、Rは、本明細書で記載した通りである)、及びc)式R=COのイソシアネート(この場合、RはNRを表し、式中、Rは本明細書で記載した通りである)からなる群から選択されるカップリング剤と反応させること、及び
b)所望する場合、得られた式Iの化合物を、RがOR又はNHRの場合、それぞれOH又はNHに加水分解すること、並びに
ii)得られた式Iの化合物を、遊離体又は薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態で回収すること
を含む。
【0013】
第3の態様において、本発明は、本発明の第1の態様による式Iの化合物の治療有効量及び適切な担体を含む医薬組成物に言及する。
【0014】
第4の態様において、本発明は、医薬品として使用するための、本発明の第1の態様による式Iの化合物に言及する。
【0015】
第5の態様において、本発明は、メラトニンによって調節される系の機能障害に関連する状態の治療又は予防において使用するための、本発明の第1の態様による式Iの化合物に言及する。
【0016】
第6の態様において、本発明は、うつ状態、ストレス、睡眠障害、不安、季節性情動障害、心血管症状、消化系の症状、時差ボケが原因の不眠症若しくは疲労、統合失調症、パニック発作、うつ病、食欲障害、肥満、不眠症、精神障害、てんかん、糖尿病、パーキンソン病、老年性認知症、健常加齢若しくは病的加齢に付随する疾患、片頭痛、記憶喪失、アルツハイマー病又は脳循環障害の治療又は予防において使用するための、本発明の第1の態様による式Iの化合物に言及する。
【0017】
第7の態様において、本発明は、メラトニンによって調節される系の機能障害に関連する状態の治療又は予防のための医薬品の製造のための、本発明の第1の態様による式Iの化合物の使用に言及する。
【0018】
第8の態様において、本発明は、うつ状態、ストレス、睡眠障害、不安、季節性情動障害、心血管症状、消化系の症状、時差ボケが原因の不眠症若しくは疲労、統合失調症、パニック発作、うつ病、食欲障害、肥満、不眠症、精神障害、てんかん、糖尿病、パーキンソン病、老年性認知症、健常加齢若しくは病的加齢に付随する疾患、片頭痛、記憶喪失、アルツハイマー病又は脳循環障害の治療又は予防のための医薬品の製造のための、本発明の第1の態様による式Iの化合物の使用に言及する。
【0019】
本発明の目的は、メラトニンによって調節される系の機能障害に関連する状態を治療又は予防するための新規な方法を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、式Iの化合物又はこの薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態の薬学的有効量を投与することにより、ヒトを含む哺乳類における、うつ状態、ストレス、睡眠障害、不安、季節性情動障害、心血管症状、消化系の症状、時差ボケが原因の不眠症若しくは疲労、統合失調症、パニック発作、うつ病、食欲障害、肥満、不眠症、精神障害、てんかん、糖尿病、パーキンソン病、老年性認知症、健常加齢若しくは病的加齢に付随する疾患、片頭痛、記憶喪失、アルツハイマー病又は脳循環障害を治療又は予防するための、新規な方法を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される塩」は、臭化水素酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、1,5−ナフタレジスルホン酸、シュウ酸、ピバル酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸及び無機酸から形成される任意の塩、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩及びカリウム塩、アンモニウム塩、並びにメチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミンなどの低級アルキルアミン、エタノールアミン及びジエタノールアミンなどのヒドロキシ低級アルキルアミン、及びモルホリン及びピペラジンなどの複素環式アミンを含むアミン類の塩などの有機及び無機塩基から形成される任意の塩を包含する。
【0022】
特定の実施形態によると、Rは、水素又はメチルなどの直鎖若しくは分岐(1〜6C)アルキルである。
【0023】
さらなる特定の実施形態によると、Rは、水素である。
【0024】
さらなる特定の実施形態によると、Rは、水素又はメチルなどの直鎖若しくは分岐(1〜6C)アルキルである。
【0025】
さらなる特定の実施形態によると、Rは、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル、特にメチル、エチル、プロピル、i−プロピル若しくはブチルなどの(1〜4C)アルキル、又はc−プロピルなどの(3〜6C)シクロアルキル、CF又はCHFCHであり、メチル、エチル又はCFは、さらに特定の実施形態である。
【0026】
さらなる特定の実施形態によると、Rは、メチルなどの直鎖又は分岐(1〜6C)アルキルである。
【0027】
さらなる特定の実施形態によると、Rは、メチル若しくはエチルなどの直鎖又は分岐(1〜6C)アルキルである。
【0028】
さらなる特定の実施形態によると、Rは、メチル若しくはエチルなどの直鎖又は分岐(1〜6C)アルキルである。
【0029】
さらなる特定の実施形態によると、Xはフッ素である。
【0030】
好ましい実施形態において、本発明は、Rが水素及びメチルからなる群から選択され、Rが水素及びメチルからなる群から選択され、Rがメチルであり、Rがメチル及びエチルからなる群から選択され、Rがメチル及びエチルからなる群から選択され、Xがフッ素であり、R及びRが本明細書で規定される通りである、本発明の第1の態様による化合物に言及する。
【0031】
好ましい実施形態において、本発明は、Rが水素及びメチルからなる群から選択され、Rが水素であり、Rが水素及びメチルからなる群から選択され、Rがメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、c−プロピル、ブチル、CF及びCHFCHからなる群から選択され(メチル、エチル又はCFが特に好ましい)、Xがフッ素である、本発明の第1の態様による化合物に言及する。
【0032】
好ましくは、本発明の第1の態様による化合物は、
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−プロピオンアミド;
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−ブチルアミド;
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−イソブチルアミド;
シクロプロパンカルボン酸[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−プロピオンアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−プロピオンアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−ブチルアミド;
ペンタン酸[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アミド;
シクロプロパンカルボン酸[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
2−フルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−プロピオンアミド;
シクロプロパンカルボン酸[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−アミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−アセトアミド;及び
2−フルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−プロピオンアミド
からなる群から選択される。
【0033】
一般式Iの化合物は、
i)a)式XII
【化4】


(式中、R、R、R及びXは、本明細書で規定される通りである)の化合物を、a)式R−COClの塩化アシル(この場合、Rは、直鎖若しくは分岐(1〜6C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、CHFCH又はCFを表す)、b)式R−COClのクロロホルメート(この場合、Rは、ORを表し、式中、Rは、本明細書で記載した通りである)、及びc)式R=COのイソシアネート(この場合、RはNRを表し、式中、Rは本明細書で記載した通りである)からなる群から選択されるカップリング剤と反応させること、及び
b)所望する場合、得られた式Iの化合物を、RがOR又はNHRの場合、それぞれOH又はNHに加水分解すること、並びに
ii)得られた式Iの化合物を、遊離体又は薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態で回収すること
により調製され得る。
【0034】
=R=R=Hであり、X=Fである場合の本発明の化合物は、スキーム1に従って、2−フルオロ−4−ニトロ−フェノール、1から調製することができる。最終段階は、R、R、R及びXの全ての意味に関して、並びにa)直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、CHFCH及びCF、b)OR(式中、Rは、本明細書で規定される通りである)、及びc)NHR(式中、Rは、本明細書で規定される通りである)を含むRに対する選択項目の意味に関して一般化される。
【化5−1】


【化5−2】


ウイリアムソン反応により、2−フルオロ−4−ニトロ−フェノール1から提示し、臭化アリル及び塩基としてKCOを用いて化合物2が得られる。アリルエーテル2をジエチルアニリン中で205℃で加熱すると、対応するクライゼン転位による付加物3が得られる。3に存在する二重結合をOsOでジヒドロキシル化すると、グリコール4が得られる。ジヒドロキシ系4をNaIOで酸化すると化合物5が得られ、これをMsClでメシレート化すると6が得られる。これを、酢酸エチル中で直ちにトリエチルアミンと反応させて、閉環反応を行うと、ベンゾフラン7が得られる。7に存在するニトロ基をHCl/エタノール中で鉄を用いて還元すると、対応するアミン8が得られる。ジアゾニウム塩をNaNOで合成し、次にこれを3−エトキシカルボニル−2−ピペリドンと結合させると、系9が得られる。ギ酸中で還流させて9のフィッシャー転位(Fisher rearrangement)を行うと、インドール10が得られる。KOH中で還流させて10に存在するラクタムを開環させ、これにより得られたアミノ酸11をHCl中で脱炭酸させると、アミノインドールXII(R=R=R=H、X=F)が得られる。最後に、XIIを種々のカップリング剤と反応させると、一般構造Iの最終生成物が得られる。
【0035】
一般構造11の化合物は、これを、N、N−ジメチルホルムアミド中で対応するアルコール及びカルボニルジイミダゾール/4−ジメチルアミノピリジンなどの慣用のカップリング剤と反応させることにより、又はジクロロメタン中で対応するアルコール及びジシクロヘキシルカルボジイミド/4−ジメチルアミノピリジンなどの慣用のカップリング剤と反応させることにより、エステル化することができる。
【0036】
一般構造Iの化合物は、インドール環の位置2で、ハロゲン化することができる。最も広く使用される条件は、酢酸中でIを臭素と反応させてこの位置を臭素化させることを基礎とする。さらに、臭素化されたインドール化合物を、鈴木カップリング条件でボロン酸と反応させると、対応する鈴木付加物(Suzuki adduct)を得ることができる。
【0037】
適切なカップリング剤は、a)式R−COClの塩化アシル、b)式R−COClのクロロホルメート、及びc)式R−NOのイソシアネートを含み、したがって、それぞれ、式I(式中、Rは、a)直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、CHFCH及びCF;b)OR(式中、Rは本明細書で記載した通りである);並びにc)NR(式中、Rは本明細書で記載した通りである)を表す)の化合物を提供する。化合物Iを引き続いて加水分解させると、Rがb)OR又はc)NHRを表す場合、Rがb’)OH又はc’)NHをそれぞれ表す化合物Iを与える(スキーム1’)。
【化6】


段階(ii)で得られた化合物を回収するための有用なプロセスとしては、結晶化及びクロマトグラフプロセスなどの当業者に既知の従来の方法、キラル固定相を用いるクロマトグラフ分離によるラセミ体の分割が挙げられ、また分別結晶化を含むプロセスも挙げられる。これには、特に、個々の光学異性体、例えば、例として(+)酒石酸、(−)酒石酸又は(+)10−カンファースルホン酸のキラル酸で形成されるジアステレオマー塩の分離を含めることができる。
【0038】
本発明の化合物は、標準的な製薬の慣例(pharmaceutical practice)に従って、医薬組成物として通常に製剤化することができる。
【0039】
本発明の医薬組成物は、治療又は予防することが望まれる病状に対して、例えば、経口、非経口(すなわち皮下、筋内及び静脈内)、吸入又は直腸内投与により、標準様式で投与し得る。これらの目的のために、本発明の化合物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸薬、シロップ剤、水性若しくは油性の溶液又は懸濁液、乳液、分散性散剤、吸入液(inhalatory solution)、坐剤、ドロップ剤及び注射用の無菌の水性又は油性の溶液又は懸濁液などの形態で、当技術分野で既知の方法により製剤化し得る。医薬組成物は、香味剤又は甘味剤などを、適切な固体若しくは液体の担体又は希釈剤中に、又は適切な無菌媒体中に含有し、静脈内、皮下又は筋内注射に適切な懸濁液又は溶液を形成してもよい。本発明の化合物の好ましい投与経路は、最も有用で実用的な経路とし、最も好ましくは、経口投与による経路とする。そのような組成物は、活性化合物を、典型的には組成物の全重量に対して0.01からほぼ100重量%含有し、組成物の残りは、薬学的に適切な担体である。
【0040】
活性成分は、当業者に良く知られた製薬技術に従って、担体と混合することができる。広範な種類の担体を、投与に適した医薬品形態に応じて使用することができる。これにより、水、グリコール、油、アルコール、香料、保存剤、色素及びこれらの混合物などを、例えば、懸濁液、溶液、乳液、エアロゾル及びエリキシルなどの経口用液体組成物で使用することができる。経口用固体組成物の製造に有用な担体の非制限的な例としては、デンプン、糖(すなわち、ラクトース、サッカロース、ソルビトール)、セルロース(すなわち、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及び微結晶性セルロース)、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム塩、ゴム、コポビドン、界面活性剤(すなわち、ソルビタンモノオレエート及びポリエチレングリコール)、金属酸化物(すなわち、二酸化チタン及び酸化鉄)及び水などの他の担体、並びにこれらの混合物が挙げられる。本発明の化合物を含有する均一な前製剤(pre−formulation)は、こうして調製される。さらに、前記前製剤は、錠剤、丸薬、散剤及びカプセル剤などの単位剤形に分割することができる。
【0041】
投与がこれらは容易であるので、錠剤及びカプセル剤が最も好都合な単位剤形である。錠剤は、従来の水性手順又は非水性手順により被覆することができる。広範な種類の異なる原料を使用して、剤皮を調製することができる。このような原料としては、例えば、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースなどの他のいくつかの成分と共に、多種多様の高分子酸及びこの混合物が挙げられる。
【0042】
本発明の化合物を、経口又は注射による投与経路のために組み込むことができる非制限的な液体形態としては、水溶液、液体又はゲルで満たしたカプセル剤、香料を使用したシロップ剤、水性懸濁液、油性懸濁液、例えば、オリーブ油、綿実油、ゴマ油、ココナツオイル、ピーナッツ油などの食用油で風味付けした乳剤並びにエリキシル剤、及び類似の医薬担体、並びにこれらの混合物が挙げられる。懸濁液の調製のための適切な希釈剤としては、合成ゴム、例えばトラガカント、アカシア、キサンタン及びグアーなどの天然ゴム、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びゼラチン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
組成物の用量は、組成物が投与される対象、投与経路、状態などによって変動する。例えば、組成物を睡眠障害を罹患している成人患者に投与する場合、活性成分である化合物Iの量として、約0.0005から2mg/kg体重、好ましくは、約0.001から1mg/kg体重、より好ましくは、約0.001から0.5mg/kg体重の量で1日1回又は数回に分けて投与することが好ましい。
【0044】
本説明及び特許請求項の範囲を通して、用語「含む」及び「含んでいる」などのこの言葉の変形は、他の技術的特徴、付加的なもの、成分又は段階を除外することを意図するものではない。本発明のさらなる目的、利点及び特徴は、本説明を吟味する上で当業者に明らかになる、又は本発明の実施により学ばれ得る。以下の実施例は、例証として提供され、本発明を制限することを意図していない。
【実施例】
【0045】
(例1)1−アリルオキシ−2−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼン、2
【化7】


化合物1(20g、127.3mモル)、臭化アリル(16.19mL、190.96mモル)及び炭酸カリウム(44g、318.25mモル)のアセトン(300mL)中溶液を終夜還流させた。溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣を水に懸濁し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ液を濃縮すると、所望の化合物2が得られた(25g、収率99.6%)。
HPLC−MS:純度99.9%、M+1=198
【0046】
(例2)2−アリル−6−フルオロ−4−ニトロ−フェノール、3
【化8】


化合物2(25g、126.8mモル)をジエチルアニリン(150mL、937.7mモル)に溶解し、得られた溶液を48時間還流した。粗製物を減圧下で蒸発させ、残渣を、カラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチル/ヘキサン10%で溶出した。画分を集めると、所望の化合物3が得られた(15g、収率60%)。
HPLC−MS:純度99.9%、M+1=198
【0047】
(例3)3−(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニル)−プロパン−1,2−ジオール、4
【化9】


N−メチルモルホリンN−オキシド(2.7g、23mモル)を、化合物3(4.55g、23mモル)のアセトン/水(10:1)50mL中懸濁液に0℃で加えた。7分後、OsO(1.048mL、0.092mモル)をゆっくり加えた。溶液を室温で36時間撹拌し、次に、溶媒を減圧下で蒸発させた。これを希塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。ろ液を濃縮すると、対応する化合物4が得られた(5.1g、収率85.2%)。
HPLC−MS:純度97%、M+1=232
【0048】
(例4)2−フルオロ−6−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−ニトロ−フェノール、5
【化10】


化合物4(3.7g、16mモル)を水に懸濁し、数滴のアセトンを加えて溶解した。NaIO(3.42g、16mモル)を、0℃で少量ずつ添加した。7分後、NaBH(4.84g、128mモル)をゆっくり加えた。溶液を室温で1時間撹拌し、希塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。ろ液を濃縮すると、所望の化合物5が得られた(2.4g、収率75%)。
HPLC−MS:純度98%、M+1=202
【0049】
(例5)メタンスルホン酸2−(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニル)−エチルエステル、6
【化11】


塩化メタンスルホニル(1.39mL、18.0mモル)を、撹拌したアルコール5(3.62g、18.0mモル)のピリジン(14.6mL、180mモル)中溶液に、−10℃で滴下で添加した。25分間撹拌後、さらに塩化メタンスルホニルの追加量(0.697mL、9.0mモル)を加え、反応混合物を−10℃で30分間さらに撹拌した。酢酸エチルと飽和NaHCOの混合溶液(10mL)を上記の溶液に0℃でゆっくり加えた。これを室温で30分間撹拌し、水を加え、粗製物を希HClでわずかに酸性にし、次に酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮すると、粗製のメシレート化合物6が得られ(3.5g)、これを直ちに次のステップに使用した。
【0050】
(例6)7−フルオロ−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン、7
【化12】


6(3.5g、12.53mモル)の酢酸エチル(45mL)及びトリエチルアミン(4.37mL、31.33mモル)中懸濁液を、一晩還流した。水を加え、粗製物を酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチル/ヘキサン15%で溶出すると、所望の化合物7が得られた(1.4g、収率61%)。
HPLC−MS:純度99.9%、M+1=184
【0051】
(例7)7−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルアミン、8
【化13】


化合物7(1.4g、7.64mモル)をエタノール(51mL)に懸濁させた。鉄(2.57g、45.85mモル)及び濃HCl(4mL)を0℃で加えた。得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。反応物を、NaHCOを加えてクエンチした。粗製物を酢酸エチルで抽出した。これを、カラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチル/ヘキサン25%で溶出すると、所望の化合物8が得られた(1.09g、収率93.1%)。
HPLC−MS:純度99.9%、M+1=154
【0052】
(例8)3−[(7−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−ヒドラゾノ]−ピペリジン−2−オン、9
【化14】


フルオロ−ベンゾ−フラン−アミン8(1.0g、6.527mモル)を水(12.55mL)と共に懸濁させ、濃HCl(1.5mL)を加えた。混合物を氷浴中で冷却し、NaNO200mg水溶液(12.55mL)を滴下で添加し、混合物を30分間撹拌した。溶液(溶液A)のpHを、NaCOの10%溶液で4.5に調整した。エチル−2−オキソ−5−メチルピペリジン−3−カルボキシレート(1.19g、6.527mモル)を、水酸化カリウム(0.35g、6.25mモル)を含む水(12.55mL)に溶解した。溶液を室温で一晩撹拌した。次にこの溶液を氷浴中で冷却し、フルオロ−ベンゾ−フラン塩化ジアゾニウムの溶液(溶液A)で処理した。得られた溶液のpHを、酢酸を加えてpH5に調整した。撹拌を0℃で4時間継続し、凍結状態を一晩維持した。得られた固体をろ過すると、所望の化合物9が得られた(500mg、収率29%)。
HPLC−MS:純度98%、M+1=264
【0053】
(例9)4−フルオロ−1,2,6,8,9,10−ヘキサヒドロ−3−オキサ−6,8−ジアザ−シクロペンタ[c]フルオレン−7−オン、10
【化15】


ジアゾ化した化合物9(500mg、1.89mモル)を、ギ酸8.25mL(90%)に溶解し、溶液を1時間の還流において加熱した。反応物を冷却させ、水10mLを加えた。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮すると、所望の化合物10が得られた(270mg、収率57%)。
HPLC−MS:純度98%、M+1=247
【0054】
(例10)8−(2−アミノ−エチル)−4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−7−カルボン酸、11
【化16】


撹拌しているKOH(214mg、3.82mモル)のエタノール(50%)中溶液に、化合物10(108mg、0.438mモル)を加えた。これを6時間還流し、一晩室温で維持した。溶媒を除去し、こうして得られた残渣に水を加えた。これをろ過し、酢酸で酸性化した。得られた固体を水で洗浄した。ろ液を再び酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮すると、所望の化合物11が得られた(55mg、収率47.45%)。
HPLC−MS:純度99.9%、M+1=265
【0055】
(例11)2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチルアミン、XII(R=R=R=H、X=F)
【化17】


化合物11(55mg、0.208mモル)を、10%HClで2時間還流した。冷却後、得られた溶液を、30%NaOHでアルカリ性にした。これを酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮すると、所望の化合物、2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチルアミンが得られた(XII、R=R=R=H、X=F、23mg、収率50%)。
HPLC−MS:純度99.9%、M+1=221
【0056】
(例12)N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−カルボキサミド、(I、13〜43)
【化18】


0℃において、アミン誘導体XII(54mg、0.245mモル)の乾燥ジクロロメタン(5mL)中撹拌懸濁液に、トリエチルアミン(0.051mL、0.367mモル)及び対応する塩化カルボニル(0.245mモル)(RCOCl)を加えた。反応混合物を一晩室温で維持した。粗製物を水を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(フラッシュシリカゲル)で精製し、酢酸エチル/ヘキサン60〜70%の範囲で溶出すると、所望のカルボキサミド化合物(I、13〜43)が得られた(収率:80〜97%)。
【0057】
適切な塩化アシルからこのようにして得られた化合物13〜43を、表1に要約する。
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】

【0058】
(例13)インビトロMT1スクリーニング
MT1受容体について化合物のスクリーニングを進めるために、ヒト組換え型MT1受容体を安定過剰発現することを特徴とする細胞系を用いた。この系は、ミトコンドリアのアポイクオリン及びサブユニットGα16を共発現する。
【0059】
サブユニットGα16は、GPCRのスーパーファミリーに属し、ここで、細胞内情報伝達がホスホリパーゼ(PLC)を介して生じる。PLCの活性化により、イノシトール−三リン酸のレベル及び細胞内カルシウムのレベルの増加が起きる。このカルシウムレベルの増加は、したがって、独立しており、MT1受容体の情報伝達に完全に対応している。
【0060】
アポイクオリンは、イクオリンの不活性型であり、活性型になるためには、補欠分子の疎水基(prosthethic hydrophobic group)であるセレンテラジンが必要なリンタンパク質である。カルシウムに結合した後、イクオリンは、セレンテラジンのセレンテラミドへの酸化である発光反応を行う。
【0061】
作動薬スクリーニングのアッセイプロトコルは、AequoScreen(商標)system instrument、PerkinElmer、米国によって行った、細胞及びセレンテラジンの一晩のインキュベーションを基礎としている。その後、この混合物を、スクリーニングを行う化合物の溶液を含むプレート上に注入し、直ちに発光を読み取った。最初の注入から15〜30分後に拮抗作用をスクリーニングする場合だけ、参照作動薬を同じウェルに加え、次に、発光を測定した。
【0062】
作動薬活性は、EC100濃度における参照作動薬に対する活性のパーセンテージとして計算した。拮抗薬の活性は、このEC80濃度における参照作動薬の活性に対する阻害パーセンテージとして表した。表2に、化合物(I、13〜43)のMT1受容体の受容体活性化作用の%を要約する。
【表2−1】


【表2−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


(式中、
は、水素、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、水素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン、フェニル、フェニル(1〜2C)アルキル、COOH及びCOORからなる群から選択され、
は、水素、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキル、CHFCH、CF、OH、OR、NH及びNHRからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル、フェニル、フェニル(1〜2C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、直鎖又は分岐(1〜6C)アルキル及び(3〜6C)シクロアルキルからなる群から選択され、
Xは、フッ素及び塩素からなる群から選択されるハロゲン原子である)
の遊離体又は薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態の化合物。
【請求項2】
が水素及びメチルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が水素及びメチルからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、c−プロピル、CF及びCHFCHからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
がメチルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
がメチル及びエチルからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がメチル及びエチルからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Xがフッ素である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−プロピオンアミド;
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−ブチルアミド;
N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−イソブチルアミド;
シクロプロパンカルボン酸[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−[2−(4−フルオロ−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−プロピオンアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−プロピオンアミド;
N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−ブチルアミド;
ペンタン酸[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アミド;
シクロプロパンカルボン酸[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−アセトアミド;
2−フルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−エチル]−プロピオンアミド;
シクロプロパンカルボン酸[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−アミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−アセトアミド;及び
2−フルオロ−N−[2−(4−フルオロ−2−メチル−1,6−ジヒドロ−2H−3−オキサ−6−アザ−as−インダセン−8−イル)−プロピル]−プロピオンアミド
からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
i)a)式XII
【化2】


(式中、R、R、R及びXは、請求項1〜8のいずれか一項に記載される通りである)の化合物を、a)式R−COClの塩化アシル(この場合、Rは、直鎖若しくは分岐(1〜6C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、CHFCH又はCFを表す)、b)式R−COClのクロロホルメート(この場合、Rは、ORを表し、式中、Rは、請求項1〜8のいずれか一項に記載される通りである)、及びc)式R=COのイソシアネート(この場合、RはNRを表し、式中、Rは請求項1〜8のいずれか一項に記載される通りである)からなる群から選択されるカップリング剤と反応させること、及び
b)所望する場合、得られた式Iの化合物を、RがOR又はNHRの場合、それぞれOH又はNHに加水分解すること、並びに
ii)得られた式Iの化合物を、遊離体又は薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態で回収すること
を含む、
遊離体又は薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又は鏡像異性体の形態の請求項1〜10のいずれか一項に記載の式1の化合物を調製する方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の式Iの化合物の治療有効量及び適切な担体を含む医薬組成物。
【請求項13】
医薬品として使用するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
メラトニンによって調節される系の機能障害に関連する状態の治療又は予防に使用するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項15】
メラトニンによって調節される系の機能障害に関連する状態の治療又は予防のための医薬品の製造のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の式Iの化合物を、これを必要とする対象に投与することを含む、メラトニンによって調節される系の機能障害に関連する状態の治療又は予防のための方法。
【請求項17】
メラトニンによって調節される系の機能障害に関連する状態が、うつ状態、ストレス、睡眠障害、不安、季節性情動障害、心血管症状、消化系の症状、時差ボケが原因の不眠症若しくは疲労、統合失調症、パニック発作、うつ病、食欲障害、肥満、不眠症、精神障害、てんかん、糖尿病、パーキンソン病、老年性認知症、健常加齢若しくは病的加齢に付随する疾患、片頭痛、記憶喪失、アルツハイマー病又は脳循環障害からなる群から選択される、請求項14、15又は16に記載の化合物、使用又は方法。

【公表番号】特表2011−529477(P2011−529477A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520509(P2011−520509)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059829
【国際公開番号】WO2010/012789
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(501108452)フエルレル インターナショナル,ソシエダッド アノニマ (39)
【Fターム(参考)】