説明

11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)の阻害剤としてのアルキルピリダジン誘導体

式(I)で示される化合物ならびに薬学的に許容されうるその塩及びエステル(式中、R〜Rは、請求項1に示された意義を有する)を、医薬組成物の形態で用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、11β−HSD1阻害剤(T2D)として、有用な新規なピリダジン誘導体に関する。
【0002】
本発明は、特に、式(I):
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、
は、シクロアルキル、アリールアルキルもしくはアリールオキシアルキルであり;
は、シクロアルキル、アリールアルキルもしくはアリールオキシアルキルであるか;又は
とRは、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0005】
【化2】

【0006】
を形成し、
は、水素、アルキル、シクロアルキルもしくはトリフルオロメチルであり;
は、2,2−ジメチル-プロピル、3−メチル-ブチル、イソ-プロピル、tert−ブチル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、3,3−ジメチル-ブチルもしくは1−シクロプロピル−1−メチル-エチルであり;
は、水素、アルキル、シクロアルキルもしくはアルコキシであり;
は、水素、アルキル、シクロアルキルもしくはアルコキシであり;
は、水素、アルキル、シクロアルキルもしくはアルコキシである)
で示される化合物、ならびに薬学的に許容されうるその塩及びエステルに関する。
【0007】
グルココルチコイド(ヒトではコルチゾール、マウス及びラットではコルチコステロン)は、多くの代謝及び恒常性過程を調節し、ストレス応答の基本的成分を形成するアドレノコルチコステロイドの重要な分類である。グルココルチコイドは、細胞内グルココルチコイド受容体、そして一部の組織では、ミネラロコルチコイド受容体を介して作用し、両者は核転写因子である。標的組織での、グルココルチコイドの作用は、循環するステロイド濃度及び受容体の細胞内発現に依存するだけでなく、グルココルチコイドが活性形態の受容体に接近する度合いを精密に決定する細胞内酵素にも依存する。11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β−HSD)は、主要な活性型11−ヒドロキシグルココルチコイド(ヒト(men)ではコルチゾール)とそれらの不活性型11−ケト代謝産物(ヒトではコルチゾン)との相互変換を触媒する。
【0008】
酵素:11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)は、不活性型グルココルチコイドを活性型グルココルチコイドに相互変換し、それにより、細胞内アゴニスト濃度の局所的調整と、これによる、標的組織のコルチコステロイド受容体の活性化において、重要な役割を演じる。F. Hoffmann−La Rocheによって行われた近年の研究において、インスリン抵抗性又は代謝の変化に関連し得る遺伝子発現の特異的変化を同定するために、痩身男性と肥満男性の間の遺伝子発現の差異を、遺伝子アレイ技術を利用して分析した。この研究は、11β−HSD1のmRNAが肥満対象の脂肪組織において、約2倍量アップレギュレートされることを明らかにした。その上、マウスの脂肪細胞における11β−HSD1の過剰発現が、内臓肥満及びX症候群様表現型をもたらした(Masuzaki H.et al., Science. 2001 Dec 7;294(5549);p2166-70)。まとめると、これらのデータは、肥満の誘導ならびにグルコース恒常性及び脂質パラメータの損傷における11β−HSD1の重要な役割が非常に強く裏づける。こうして、この酵素の選択的阻害は、II型糖尿病患者の血中グルコースレベルを低下し、高値の脂質パラメータを正常化し、そして/又は肥満対象の体重を低下するであろう。
【0009】
ヒトにおける11β−HSD1阻害が、有益な効果を有し得るという最初の薬理学的指摘は、カルベノキソロン(11β−HSD1及び関連の酵素:11β−HSD2の両方を阻害する抗潰瘍剤)を用いることにより得られた。カルベノキソロンでの処置は、インスリン感受性の上昇をもたらし、11β−HSD1の阻害が、細胞内コルチゾールレベルを低下させ、それによりその有害作用の一部を最小限に抑えうることを示した(Walker et al., 1995, J. Clin. Endocrinol. Metab. 80, p31155-3159)。
【0010】
11β−HSD1は、肝臓、脂肪組織、血管平滑筋、膵臓及び脳を含む多くの組織で発現されている。その活性は、NADP(H)に依存し、それは、基質への親和力が比較的低い(11β−HSD2に比較して)。組織ホモジネート中の11β−HSD1は、精製されると双方向性となり、デヒドロゲナーゼ活性のより多くの安定性を伴う、11β−デヒドロゲナーゼ反応と11β−リダクターゼ反応の両方を示す(P.M.Stewart and Z. S. Krozowski, Vitam. Horm. 57(1999)、p249-324)。しかし酵素活性を非処理細胞でテストすると、11β−リダクターゼ活性が主に存在し、不活性11−ケト型から活性型グルココルチコイドを再生させる。そのようなグルココルチコイド再生は、効果的な細胞内グルココルチコイドレベルを増加させ、それによりグルココルチコイド活性を増幅させる。それがこの細胞内の上昇コルチゾール濃度であり、増加する肝臓グルコース産生、脂肪細胞の分化及びインスリン抵抗性をもたらしうる。
【0011】
11β−HSD1の阻害は、典型的なX症候群/糖尿病関連症候群を低下させるだけでなく、安全でなければならず、重大な副作用を伴なってはならない。非特異的阻害剤カルベノキソロンを用いた研究は、特異的11β−HSD1阻害剤の開発の重要性を強調する。11β−HSD2酵素の阻害は、劣悪な耐性で、血圧の上昇になる。これに対して、11β−HSD1の阻害は、11β−HSD1ノックアウトマウスが健常で、肥満又はストレスにより誘発された高血糖に抵抗性があることが見出されたことから、良好な耐性であるはずである(Kotelevtsev Y. et al., Proc Natl Acad Sci USA、1997 Dec 23;94(26):14924-9)。同様に、これらのマウスは、飢餓状態では、糖新生に関与する重要な肝臓酵素の活性を減弱した。加えて、これらのマウスは、脂質及びリポ蛋白質プロファイルを改善し、HSD1の阻害が、非常に有効かつ安全でありうることを示唆した。近年の報告は、11β−HSD1阻害剤が、高血圧の低下(Masuzaki H. et al.,J Clin Invest. 2003 July;112(1):83-90; Rauz S.et al., QJM.2003 July;96(7):481-90)、認知の改善(Sandeep TC et al., Proc Natl Acad Sci USA、2004 Apr. 27;101(17):p6734-9)、又はアルツハイマー関連の欠損症の改善に有益でありうる。まとめると、11β−HSD1阻害は、糖尿病、肥満及び他の疾患の症状を処置するのに安全かつ有効なアプローチでありうる。
【0012】
式(I)で示される化合物ならびに薬学的に許容されうる塩及びエステルは、新規であり、価値ある薬理学的性質を有する。特に、それらは、11β−HSD1阻害剤(T2D)であり、それらは、関連の11β−HSD2酵素に対する選択性を示す。それゆえ、特異的な11β−HSD1阻害剤(T2D)である該化合物は、例えば、標的組織(肝臓、脂肪組織)中の活性型グルココルチコイドコルチゾールの局所濃度を調整することにより、2型糖尿病患者の血糖値を低下させ、脂質パラメータを正常化させるアプローチを提示する。
【0013】
本発明の化合物は、代謝障害、肥満、異常脂肪血症(dyslipidemiae)、高血圧及び/又は糖尿病(特にII型糖尿病)の予防及び/又は治療に用いることができる。
【0014】
本発明の化合物は、更に、高眼圧、認知、アルツハイマー病及び/又は神経変性の予防及び/又は治療に用いることができる。
【0015】
更に、本発明の化合物は、特に局所適用により、外傷の治癒を促すのに用いることができる。その上、本発明の化合物は、認知損傷の改善、特に年齢に伴って生じた損傷の改善、及び記憶の改善に用いることができる。
【0016】
本発明の目的は、式(I)で示される化合物、その前述の塩及びエステルそのもの、治療活性物質としてのその使用、前記化合物、中間体、及び医薬組成物の製造方法、前記化合物、その薬学的に許容されうる塩及びエステルを含む医薬、疾病の予防及び/又は治療(特に、摂食障害、肥満、異常脂肪血症、高血圧及び/又は糖尿病、特に、II型糖尿病の治療又は予防における)のための前記化合物、そのエステル及び塩の使用、ならびに代謝障害、肥満、異常脂肪血症、高血圧及び/又は糖尿病(特にII型糖尿病)の治療又は予防用の医薬を製造するための前記化合物、その塩及びエステルの使用である。
【0017】
本発明の化合物は、更に、PPAR(α、γ、δ)アゴニスト、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、DPPIV阻害剤、インスリン、及び/又はリパーゼ阻害剤、特にオーリスタットと併用することができる。
【0018】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独又は組み合わされて、炭素原子を1〜8個含む直鎖又は分枝鎖アルキル基、好ましくは、炭素原子を1〜6個含む直鎖又は分枝鎖アルキル基、特に好ましくは、炭素原子を1〜4個含む直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す。直鎖及び分枝鎖C1〜C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルの異性体、ヘキシルの異性体、ヘプチルの異性体、及びオクチルの異性体であり、好ましくは、メチル及びエチルであり、最も好ましくはメチルである。
【0019】
用語「シクロアルキル」は、単独又は組み合わされて、炭素原子を3〜8個含むシクロアルキル環、好ましくは、炭素原子を3〜6個含むシクロアルキル環を表す。C3〜C8シクロアルキルの例は、シクロプロピル、メチルシクロプロピル、ジメチルシクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルである。好ましいシクロアルキルは、メチルシクロプロピル、特に、1−メチルシクロプロピルである。特に好ましいのは、シクロプロピルである。
【0020】
用語「アルコキシ」は、単独又は組み合わされて、式:アルキル−O−(ここで、用語「アルキル」は、先に示された意義を有する)で示される基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、及びtert−ブトキシを表し、好ましくは、メトキシ及びエトキシ、最も好ましくは、メトキシを表す。
【0021】
用語「ヒドロキシアルキル」は、単独又は組み合わされて、水素原子1個以上、好ましくは、水素原子1個が、ヒドロキシ基により置換されている、先に定義されたアルキル基を表す。ヒドロキシアルキルの例は、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルである。
【0022】
用語「アリール」は、単独又は組み合わされて、場合により、それぞれが、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、シアノ、カルバモイル、アルコキシカルバモイル、メチレンジオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル−SO2−、アミノ−SO2−、シクロアルキルなどから独立して選択される置換基を1個以上、好ましくは、1〜3個含む、フェニル又はナフチル基、好ましくは、フェニル基を表す。例は、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ニトロ及びトリフルオロメチルから独立して選択される置換基1〜3個、好ましくは1又は2個で場合により置換された、フェニル又はナフチル、特にフェニルである。
【0023】
用語「アリールオキシ」は、単独又は組み合わされて、アリール−O−基(ここで、用語「アリール」は、先に示された意義を有する)を表す。
【0024】
用語「アミノ」は、単独又は組み合わされて、窒素原子を介して結合した、第一級、第二級又は第三級アミノ基(第二級アミノ基はアルキル又はシクロアルキル置換基を含み、第三級アミノ基は同一もしくは異なるアルキルもしくシクロアルキル置換基を2個含むか、又は窒素置換基2個は一緒になって環を形成する)を表し、例えば、−NH2、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、ピロリジン−1−イル、又はピペリジノなど、好ましくは、第一級アミノ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ、特にジメチルアミノを表す。
【0025】
用語「ハロゲン」は、単独又は組み合わされて、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を表し、好ましくは、フッ素、塩素又は臭素を表す。
【0026】
用語「カルボニル」は、単独又は組み合わされて、−C(O)−基を表す。
【0027】
用語「オキシ」は、単独又は組み合わされて、−O−基を表す。
【0028】
用語「ニトロ」は、単独又は組み合わされて、−NO2基を表す。
【0029】
用語「シアノ」は、単独又は組み合わされて、基:−CNを表す。
【0030】
用語「薬学的に許容されうる塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び性質を保有し、生物学的又は他に関しても不適切でないその塩を指す。その塩は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、好ましくは、塩酸)及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインなど)とで形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に添加することにより製造してもよい。無機塩基から誘導される塩は、非限定的に、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などを含む。有機塩基から誘導される塩は、非限定的に、第一級、第二級及び第三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環式アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂などを含む。式(I)で示される化合物は、両性イオンの形態で存在することもできる。式(I)で示される化合物の特に好ましい薬学的に許容されうる塩は、塩酸塩である。
【0031】
式(I)で示される化合物は、溶媒和、例えば水和させることもできる。溶媒和は、製造工程の過程で実行されえ、又は、例えば、当初無水の式(I)で示される化合物の吸湿性の結果として起こってもよい(水和)。用語「薬学的に許容されうる塩」は、生理学的に許容されうる溶媒和物も包含する。
【0032】
「薬学的に許容されうるエステル」は、一般式(I)で示される化合物が、官能基で誘導体化されて、誘導体を提供し、それがインビボで親化合物に戻り得ることを意味する。そのような化合物の例は、生理学的に許容され得、代謝により変化し易いエステル誘導体、例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルを含む。加えて、インビボで、一般式(I)で示される親化合物を生成し得る一般式(I)で示される化合物の、生理学的に許容されうる均等物は、代謝により変化し易いエステルと同様に、本発明の範囲に含まれる。
【0033】
式(I)で示される化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋な鏡像異性体、鏡像異性体混合物、例えば、ラセミ体、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体、又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0034】
用語「不斉炭素原子」(C)は、4個の異なる置換基を伴う炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」又は「S」配置をとることができる。
【0035】
好ましいのは、式(I)で示される化合物、及び薬学的に許容されうるその塩であり、特に、式(I)で示される化合物である。
【0036】
好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0037】
【化3】

【0038】
を形成する、式(I)で示される化合物である。
【0039】
更に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0040】
【化4】

【0041】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Ia):
【0042】
【化5】

【0043】
を有する。
【0044】
また、好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0045】
【化6】

【0046】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Ib):
【0047】
【化7】

【0048】
を有する。
【0049】
好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0050】
【化8】

【0051】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Ic):
【0052】
【化9】

【0053】
を有する。
【0054】
更に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0055】
【化10】

【0056】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Id):
【0057】
【化11】

【0058】
を有する。
【0059】
更に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0060】
【化12】

【0061】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Ie):
【0062】
【化13】

【0063】
を有する。
【0064】
更に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0065】
【化14】

【0066】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(If):
【0067】
【化15】

【0068】
を有する。
【0069】
更に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0070】
【化16】

【0071】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Ig):
【0072】
【化17】

【0073】
を有する。
【0074】
また、好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0075】
【化18】

【0076】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Ih):
【0077】
【化19】

【0078】
を有する。
【0079】
好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0080】
【化20】

【0081】
を形成する、式(I)で示される化合物であり、下記の式(Ii):
【0082】
【化21】

【0083】
を有する。
【0084】
更に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0085】
【化22】

【0086】
を形成する、式(I)で示される化合物である。
【0087】
特に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0088】
【化23】

【0089】
を形成する、式(I)で示されるそれらの化合物である。
【0090】
更に特に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0091】
【化24】

【0092】
を形成する、式(I)で示されるそれらの化合物である。
【0093】
また、特に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0094】
【化25】

【0095】
を形成する、式(I)で示されるそれらの化合物である。
【0096】
また、特に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0097】
【化26】

【0098】
を形成する、式(I)で示されるそれらの化合物である。
【0099】
更に好ましいのは、Rが、水素である、式(I)で示される化合物である。また、好ましいのは、Rが、メチルである、式(I)で示される化合物である。
【0100】
好ましいのは、Rが、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロプロピルメチル又はシクロペンチルメチルである、式(I)で示される化合物である。
【0101】
好ましいのは、Rが、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、イソプロピル又はtert−ブチルである、式(I)で示されるそれらの化合物である。特に好ましいのは、Rが、2,2−ジメチルプロピル又はtert−ブチルである、式(I)で示される化合物である。更に特に好ましいのは、Rが、3−メチルブチルである、式(I)で示されるそれらの化合物である。
【0102】
本発明の更に好ましい態様は、R、R及びRが、独立して、水素及びメチルから選択される、式(I)で示される化合物である。特に好ましいのは、R、R及びRが、水素である、式(I)で示されるそれらの化合物である。
【0103】
好ましいのは、式(I)で示されるキラル化合物である。
【0104】
好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0105】
【化27】

【0106】
(式中、1位の炭素原子は、R配置であり、8位の炭素原子は、S配置である)を形成する、式(I)で示されるそれらの化合物である。
【0107】
特に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0108】
【化28】

【0109】
(式中、1位の炭素原子は、S配置であり、8位の炭素原子は、R配置である)を形成する、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0110】
更に特に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0111】
【化29】

【0112】
(式中、1位の炭素原子は、R配置であり、8位の炭素原子は、S配置である)を形成する、式Iで示されるそれらの化合物である。
【0113】
更に特に好ましいのは、R及びRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【0114】
【化30】

【0115】
を形成する、式Iで示される化合物である。
【0116】
先の式によれば、1位の炭素原子は、S配置であり、8位の炭素原子は、R配置である。
【0117】
好ましい式(I)で示される化合物の例は、
1. 3−(2,2−ジメチル−プロピル)−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロオクタ[c]ピリダジン;
2. (1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
3. (1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
4. (1S,8R)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
5. 3−(2,2−ジメチル−プロピル)−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;
6. (1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
7. 3−tert−ブチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;
8. (1SR,8RS)−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
9. (1SR,8RS)−5−tert−ブチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
10. (1S,8R)−1,11,11−トリメチル−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
11. (1S,8R)−5−イソプロピル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
12. (1SR,8RS)−5−シクロプロピルメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
13. (1S,8R)−5−シクロプロピルメチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
14. 3−シクロプロピルメチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;及び
15. (1S,8R)−5−シクロペンチルメチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
である。
【0118】
特に好ましい式(I)で示される化合物の例は、
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
3−tert−ブチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;及び
(1S,8R)−1,11,11−トリメチル−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
である。
【0119】
本発明の更に好ましい例は、
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(3,3−ジメチル−ブチル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1R,8S)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(1−シクロプロピル−1−メチル−エチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−シクロペンチルメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1R,8S)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
(1R,8S)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;及び
(1S,8R)−5−tert−ブチル−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
である。
【0120】
特に好ましい式(I)で示される化合物の更なる例は、
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1R,8S)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;及び
(1S,8R)−5−tert−ブチル−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
である。
【0121】
式Iで示される化合物の製造方法は、本発明の目的である。
【0122】
本発明の式(I)で示される化合物の製造は、連続的又は集中的な合成経路で実施してもよい。本発明の合成を、下記のスキームに示す。得られる生成物の反応及び精製を実施するのに必要な技能は、当業者に公知である。下記の方法の説明で用いられる置換基及び指数は、相反するものが示されない限りは、先に示された意義を有する。
【0123】
一般に、I型の化合物は、式(II)で示される化合物をヒドラジンで処理することにより、容易に入手でき、異なる反応条件(例えば、トルエン中、p−トルエンスルホン酸などの酸の存在下でIIをヒドラジン一水和物と共に加熱すること、(ii)水/酢酸混合物中、II及びヒドラジン一水和物を還流温度で加熱すること、(iii)水/酢酸混合物中、II及びヒドラジン一水和物を還流温度で加熱し、その後、仕上げをした後に、n−ブタノール中、還流温度でNaOMeで塩基処理して、閉環反応を完了させて、ピリダジンとすること)が濃縮反応を実施するために使用されうる。
【0124】
異なる条件の適用が、用いられた各出発物質に依存し、それは実験の部分に概説されている。II型の化合物の二重結合の幾何学的配置は、EもしくはZ、又はEとZとの混合でありうる。二重結合の幾何学的配置と独立に、先に概説された最も適切な反応条件を選択することにより、実験の部分に例示されたとおり、それらをIに変換することができる。
【0125】
及びRが、5〜8員環を形成する場合、Horner-Wittig反応(下記の章)を介した、これらの式(II)類似体の合成が、7員環系に関して、式(IIa)に例示されたとおり、二重結合が環系に移動した異性体化合物を生成させうる。また、これらの異性体は、先に概説された反応条件を用いることにより、(II)に直接変換されうる。
【0126】
【化31】

【0127】
スキーム1で出発物質として用いられたII型の化合物は、スキーム2に概説されたとおり製造することができる。
【0128】
つまり、Horner-Emmons(又はWittig-Horner)反応において、式(III)で示される1,2−ジケトンを式(IV)で示されるホスホナートと反応させる際に、これが式(II)で示される化合物を生成する。用いられ得る条件は、例えば、還流条件下、溶媒として、tert−ブタノール中、塩基としてのカリウムtert−ブトキシドである。R、Rが、7員環を形成する化合物に関して、式(IIa)に示されたとおり、そして実験の部分に例示されるとおり、出発物質に応じて、二重結合の移動が起こる可能性がある。
【0129】
式(II)の化合物の二重結合の幾何学的配置は、R、R;R、R基に応じて、EもしくはZ、又はEとZとの混合でありうる。多くの場合、1種の異性体のみ(熱力学的により安定したE異性体)が、主に形成される。混合物が得られる場合、これらをクロマトグラフィーにより分離することができ、又は環形成反応において、混合物として用いることができる。二重結合の立体化学は、式(II)で示される化合物のNMRにより割り当てることができる(実験の部分)。IV型のホスホナートの代わりに、対応するα−ハロケトン類似体を用いて、Reformatsky反応を実施した後、脱水を行うことも可能である(この型の反応の例について:Huang, J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1989, 2397)。
【0130】
対称でない、式(III)で示される化合物について、Cbカルボニル基がCaカルボニル基よりも反応性がある場合、式(II)で示される化合物が直接得られる。2つのカルボニル基が反応し得る場合、混合物が得られえ、それをクロマトグラフィーで分離して、更にしかるべく処理することができる。
【0131】
Caカルボニル基が、Horner-Emmons(Wittig-Horner)反応に関して、より反応性がある場合、数個の経路(例えば、(i)Caカルボニル基を、例えばエタン−1,2−ジオールと反応させて、環状ケタール基に変換し(類似法では:Boeckman, J. Am. Chem. Soc., 1986,5549)、Cbの位置でWittig-Horner反応を実施した後、Caケタールを開裂するか、又は(ii)Caカルボニル基をヒドロキシに還元し、例えばt−ブチルジメチルシリルエーテルとして保護し(例として:Boeckman, J. Am. Chem. Soc., 1986,5549)、その後、Cbの位置でHorner-Wittig反応を実施し、脱保護して、例えば、Swern酸化条件(反応の例:Albright, J. Org. Chem., 1965 30,1107)を利用して、ヒドロキシを最終的に酸化してカルボニルに戻すこと)により得ることができる。
【0132】
【化32】

【0133】
スキームIIで用いられた1,2−ジケトン(III)は、市販されるか、文献で公知であるか、又は当該技術分野で公知の方法を組合わせて製造することができる。
【0134】
式(IV)で示されるホスホナートは、文献で公知であるか、又は標準的手順により製造することができる。化合物(IV)を製造する例は、溶媒としてのTHF中で、アルキルホスホン酸ジメチルエステルを−78℃で、N−ブチルリチウムなどの塩基で処理し、次にアルキルカルボキシラートと反応させて、(IV)を得ることからなる。又は、メチルホスホン酸ジメチルエステル(R=H)をその反応で用い、次にアルキル化ステップに供して、Rを導入し、カリウムt−ブトキシド又はN−ブチルリチウム又は炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、IV(R=H)をアルキル化試薬(R−ハロ)と反応させることができる(類似の反応について:B. Kirschberger, Synthesis, 1986, 11, 926)。
【0135】
式(II)で示される化合物を製造する別の方法は、スキーム3により式(V)で示されるケトンを、式(VI)で示される化合物と反応させることからなる。その反応は、Mukaiyama(J. Am. Chem. Soc., 1974, 96, 7503)により記載された方法と類似させて、交差アルドール反応を介して、四塩化チタンの存在下で、(V)をあらかじめ形成されたシリルエノールエーテルを介して、式(IV)で示されるホルミルカルボニルと反応させて、主なカップリング生成物の脱水の後に、(II)を得ることにより実現することができる。化合物(VI)は、市販されるか、又は文献に記載された方法と同様に、例えば、対応するメチルケトン及びSeOの酸化により、製造されるか(文献の例として:K. C. Joshi、Heterocycles, 1981, 16, 1545)、又はα−ハロケトン及びSwern酸化(例として:D. Swern, Synthesis, 1981, 165)から製造される。
【0136】
【化33】

【0137】
式(V)で示される化合物は市販されるか、文献に記載されるか、又は公知の手順を利用して製造することができる。
【0138】
式(I)で示される化合物を製造する更に別の方法は、スキーム4に概説されており、それは、式(VII)で示される1,4−ジケトンを先に議論された条件下でヒドラジンと反応させて、式(VIII)で示されるジヒドロピリダジンを得ることからなる(複数の可能な異性体のうちの1種を記載)。その後、例えば、Pd担持炭又は別の酸化試薬(例えばBr)を用い、これらを芳香族化して(類似の手順として:Baumgarten, J. Am. Chem. Soc. 1958, 80, 6609)、式(I)で示される化合物を得ることができる。式(VII)で示される1,4−ジケトンは、合成ビルディングブロックとして広く使用されており、それらを製造するための数多くの方法が、文献で公知である(例として:Corey, J. Am. CHem. Soc. 1969, 91, 4926; Katritzky, J. Org. Chem. 1991, 56, 6917)。これらの化合物を製造するためのより近年の例は、A. Babaにより発表された手順(J. Org. Chem, 1997, 62, 8282)を用いることであり:それは、ケトン(V)を対応するスズエノラートに予め変換し、触媒量のZnClの存在下で、α−ハロケトン(IX)と反応させることからなる(スキーム4)。
【0139】
【化34】

【0140】
式(I):
【0141】
【化35】

【0142】
で示される化合物の好ましい製造方法は、式(I)(式中、R〜Rは、先に定義されたとおりである)で示される化合物を得るために、式(II):
【0143】
【化36】

【0144】
で示される化合物をヒドラジンと反応させることを含む。
【0145】
治療活性物質として用いられる上記の式(I)で示される化合物は、本発明の更なる目的である。
【0146】
また、本発明の目的は、酵素:11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)に関連する障害により誘発される疾病の予防及び治療用の医薬を製造するための上記化合物である。
【0147】
同様に本発明の目的は、上記の式(I)で示される化合物、及び薬学的に不活性の担体を含む医薬組成物である。
【0148】
本発明の更に好ましい実施態様は、糖尿病、肥満、摂食障害、異常脂肪血症及び高血圧の治療及び予防用の医薬を製造するための、上記の式(I)で示される化合物の使用である。
【0149】
特に好ましいのは、II型糖尿病の治療及び予防用の医薬を製造するための、上記の式(I)で示される化合物の使用である。
【0150】
本発明の更なる目的は、上記方法のいずれか一つにより製造される、上記の式(I)で示される化合物を含む。
【0151】
また、本発明の目的は、上記の式(I)で示される化合物の効果的量を投与することを含む、糖尿病、肥満、摂食障害、異常脂肪血症及び高血圧の治療及び予防のための方法である。
【0152】
特に好ましいのは、上記の式(I)で示される化合物の効果的量を投与することを含む、II型糖尿病の治療及び予防の方法である。
【0153】
アッセイ手順
一過性発現及び部分精製:
ヒト11β−HSD1蛋白質をコード化するcDNAを、発現ベクター:pcDNA3(Stratagene)にクローニングした。このコンストラクト(詳細については、Alex Odermatt et al.: J. Biol. Chem., 1999, Vol. 274, Issue 40, 28762-28770参照)を用い、リポフェクタミンを使用して、蛋白質をHEK293細胞(ATCC番号:CRL-1573、Graham, F. L., Smiley, J., Russell, W. C., Nairn, R.(1977)による記載)に一過性に発現させた。トランスフェクションの48時間後に、細胞を氷冷PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で2回洗浄した。PBS中の細胞懸濁液1容量に、氷冷した溶解緩衝液(50mM Tris、pH7.5;1mM EDTA;100mM NaCl)2容量を添加した。細胞をPotterホモジナイズ(20回)により溶解した。得られたホモジネートをチップ式超音波装置により超音波処理して(10%出力;30秒を2回)、低速遠心(9000gで10分間、4℃)により透明化させた。ミクロソーム画分を高速遠心(110’000gで60分間)により集めた。得られたペレットを貯蔵緩衝液(20mM Tris pH7.5;1mM EDTA;10%グリセロール)に再懸濁させて、遠心を繰り返し行った。得られた、ミクロソーム画分を含むペレットを、貯蔵緩衝液に再度取り出して、アリコットを使用するまで液体窒素で凍結貯蔵した。
【0154】
11β−HSD1を発現する安定した細胞系の生成:
ヒト11β−HSD1の一過性発現に用いたものと同様のコンストラクトを用いて、その蛋白質を安定的に発現する細胞系を確立した。簡潔に説明すると、リポフェクタミン試薬(Gibco BRL)を用いて、製造業者の使用説明書に従い、(HEK293)細胞を11β−HSD1コンストラクトでトランスフェクトした。トランスフェクトの2日後に、ジェネティシン選択(0.8mg/ml)を開始し、数個の安定したクローンを単離した。1種のクローンを、更に薬理学的特徴づけに利用した。
【0155】
ミクロソームアッセイ
ヒト11β−HSD1を一過性に発現するHEK293細胞から単離した(詳細は先を参照)ミクロソームを、異なる濃度の被験物質と共に、アッセイ緩衝液(100mM NaCl;1mM EDTA;1mM EGTA;1mM MgCl;250mM ショ糖;20mM Tris pH7.4;コルチゾン50〜200nM、及びNADPH 1mM)中でインキュベートした。37℃で60分間インキュベートした後、80℃に加熱(5分間)して、阻害剤:カルベノキソロン(1μM)を添加することにより、アッセイを停止させた。このアッセイで生成されたコルチゾールの量を、市販のELISAに基づくコルチゾール検出キット(Assay Design, Inc.から販売)を用いて測定した。そのIC50値(例えば、コルチゾールの生成を50%減少させる濃度)により、阻害剤を特徴づけた。
【0156】
このテストにおいて、上記の好ましい化合物は、1000nM未満のIC50値を有し、より好ましい化合物は、100nM未満のIC50値を有する。最も好ましい化合物は、10nM未満のIC50を有する。
【0157】
細胞アッセイ
インタクト細胞における阻害剤の効果を測定するために、ヒト11β−HSD1(先を参照)を安定的に発現するHEK293細胞を96穴プレート中、DMEMで培養した。最初に、阻害剤を、そして60分後に、コルチゾンを細胞に添加した。5%CO2雰囲気下、37℃で60分間インキュベートした後、培地の一部を取り出して、コルチゾンからコルチゾールへの変換を、市販のELISAキット(Assay Design, Inc.から販売)を用いて測定した。
【0158】
本発明の代表的な化合物を被験化合物として用いて、ミクロソームアッセイで得られた結果を、下記の表に示す。
【0159】
【表1】

【0160】
上記の化合物は、1000nM未満のIC50値を有し、好ましい化合物は、100nM未満のIC50値を有する。より好ましい化合物は、10nM未満のIC50を有する。これらの結果は、上述のテストを用いて得られた。
【0161】
式(I)で示される化合物、ならびにその薬学的に許容されうる塩及びエステルは、医薬として(例えば、医薬製剤の形態で)、用いることができる。医薬製剤は、体内に、例えば、経口的に(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ハード及びソフトゼラチンカプセル、溶液、乳濁剤又は懸濁剤の形態で)、経鼻的に(例えば、鼻孔スプレーの形態で)、又は経直腸的に(例えば、坐剤の形態で)投与することができる。しかし、投与は、非経口、例えば、筋肉内又は静脈内に(例えば、注射溶液の形態で)、実施することもできる。
【0162】
式(I)で示される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容されうる塩及びエステルは、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、及びハードゼラチンカプセルの製造用の薬学的に不活性の無機又は有機佐剤と共に加工されうる。例えば、錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のそのような佐剤として、ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを用いることができる。
【0163】
軟ゼラチンカプセル剤の適切な佐剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固形物質、及び液体ポリオールなどである。
【0164】
溶液及びシロップの製造用の適切な佐剤は、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコースなどである。
【0165】
注射溶液用の適切な佐剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などである。
【0166】
坐剤用の適切な佐剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半固形ポリオール、又は液体ポリオールなどである。
【0167】
その上、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、粘度上昇物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香料、浸透圧を変動させる塩、緩衝剤、マスキング剤、又は抗酸化剤を含んでいてもよい。それらは、更に別の薬学的に価値ある物質を含んでいてもよい。
【0168】
本発明によれば、式(I)で示される化合物、及びそれらの薬学的に許容されうる塩を、関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に、摂食障害及び肥満の予防及び治療に用いることができる。投与量は、広い限界内で変動してもよく、もちろん、各特別な例で、個々の要件に適合させる。一般に、経口投与の場合、日用量約0.1mg〜20mg/体重、好ましくは、約0.5mg〜4mg/体重(例えば、約300mg/人)が、好ましくは、1〜3種の単位用量に分割して(例えば同量で構成されてもよい)、適切となるべきである。しかし、適切であることが示されていれば、上記の上限を超えうることが明白であろう。
【0169】
本発明を、以後、非限定的性質を有する実施例により例示する。
【実施例】
【0170】
実施例1: 3−(2,2−ジメチル−プロピル)−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロオクタ[c]ピリダジン
工程A]: (4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル
THF(50ml)中のメチル−ホスホン酸 ジメチルエステル(9.53g)の溶液を、アルゴン雰囲気下、−65℃に冷却し、反応混合物の温度を−65℃未満に保ちながら、ヘキサン中のN−ブチルリチウムの1.6M溶液48mlを滴下して処理した。15分間撹拌した後、3,3−ジメチル−酪酸 メチルエステル(THF 5ml中5g)をゆっくりと加え、混合物を30分間撹拌した(温度は−65℃未満)。反応混合物を0℃に温めるにまかせ、1N水性HClでクエンチし、次に、ACOEtと水に分配した。層を分離し、有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル(9.21g)を淡黄色の液体として得て、それを更に精製しないで次の反応に使用した。MS(ESI):223.2(MH)。
【0171】
工程B]: (Z)−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−シクロオクタ−2−エノン
tert−ブタノール(10ml)中のtert−ブトキシドカリウム(0.192g)の溶液を、(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル(0.38g)及びシクロオクタン−1,2−ジオン(0,2g)で、アルゴン雰囲気下、50℃で処理し、次に、混合物をアルゴン雰囲気下、12時間加熱還流した。反応混合物を水とAcOEtに分配し、層を分離し、水層をAcOEtで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt 100%〜95%)により精製して、(Z)−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−シクロオクタ−2−エノン(0.076g)を淡黄色の油状物として得た。MS(ESI):237.0(MH)。
【0172】
工程C]: 3−(2,2−ジメチル−プロピル)−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロオクタ[c]ピリダジン
(i) エタノール(6ml)中の(Z)−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−シクロオクタ−2−エノン(0.07g)の溶液を、水(1.5ml)、ヒドラジン一水和物(0.07ml)及び酢酸(1.5ml)で、室温にて処理し、次に、混合物を12時間加熱還流(油浴温度:105℃)した。反応混合物を水とAcOEtに分配した。合わせた有機層を2MKHCO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt 100%〜85%)で精製して、3−(2,2−ジメチル−プロピル)−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロオクタ[c]ピリダジン(0.018g)を無定形の白色固体として得た。MS(ESI):233.2(MH)。
【0173】
実施例1の工程A]〜C]に従って調製した更なる化合物:
【0174】
実施例2: (1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
淡黄色の固体。MS(ESI):217.2(MH)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0175】
実施例3: (1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
淡黄色の固体。MS(ESI):258.9(MH)。(1S,4R)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0176】
実施例4: (1S,8R)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
MS(EI):244.3(M)、淡黄色の結晶質固体。(1S,4R)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0177】
実施例5: 3−(2,2−ジメチル−プロピル)−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン
オフホワイトの固体。MS(ESI):219.3(MH)。4,4−ジメチル−シクロペンタン−1,2−ジオン、(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0178】
実施例6: (1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
淡黄色の油状物。MS(ESI):297.1(MH)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(1,4,4−トリメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジエチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0179】
実施例6a、b:
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン及び(1R,8S)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
実施例6の化合物を、溶離剤として、5%イソプロパノール/ヘプタンを用いるキラルカラム Chiralpak ADを使用し、分取HPLCに付して、光学的に純粋な形態の2個の鏡像異性体を得た。オフホワイトの固体。
【0180】
実施例7: 3−tert−ブチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン
白色の結晶質固体。MS(ESI):205.0(MH)。4,4−ジメチル−シクロペンタン−1,2−ジオン、(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0181】
実施例8: (1SR,8RS)−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
黄色の固体。MS(ESI):217.4(MH)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(5−メチル−2−オキソ−ヘキシル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0182】
実施例9: (1SR,8RS)−5−tert−ブチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
オフホワイトの結晶質固体。MS(EI):245.2(M)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0183】
実施例10: (1S,8R)−1,11,11−トリメチル−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
黄色の固体。MS(ESI):259.0(MH)。(1S,4R)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(5−メチル−2−オキソ−ヘキシル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0184】
実施例11: (1S,8R)−5−イソプロピル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
オフホワイトの結晶質固体。MS(ESI):231.0(MH)。(1S,4R)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(3−メチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0185】
実施例12: (1SR,8RS)−5−シクロプロピルメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
淡褐色の油状物。MS(ESI):201.1(MH)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(3−シクロプロピル−2−オキソ−プロピル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0186】
実施例13: (1S,8R)−5−シクロプロピルメチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
黄色の固体。MS(ESI):243.2(MH)。(1S,4R)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、[(3−シクロプロピル−2−オキソ−プロピル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0187】
実施例14: 3−シクロプロピルメチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン
4,4−ジメチル−シクロペンタン−1,2−ジオン、(3−シクロプロピル−2−オキソ−プロピル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0188】
実施例15: (1S,8R)−5−シクロペンチルメチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
オフホワイトの結晶質固体。MS(ESI):271.4(MH)。(1S,4R)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、[(3−シクロペンチル−2−オキソ−プロピル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0189】
実施例16: (1S,8R)−5−(3,3−ジメチル−ブチル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
淡黄色の粘性油状物。MS(ESI):273.2(MH)。(1S,4R)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(5,5−ジメチル−2−オキソ−ヘキシル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0190】
実施例17: (1SR,8RS)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
白色の固体。MS(ESI):231(MH)。7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン(Childs, Ronald F.; Rogerson, Carol V.; J. Am. Chem. Soc.; EN; 102; 12; 1980; 4159)、3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0191】
実施例17a、b: (1S,8R)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン及び(1R,8S)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
実施例17の化合物を、溶離剤として、2%イソプロパノール/ヘプタンを用いるキラルカラム Chiralpak ADを使用し、分取HPLCに付して、光学的に純粋な形態の2個の鏡像異性体を得た。白色の固体。
【0192】
実施例18: (1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
淡黄色の固体。MS(ESI):245.2(MH)。7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0193】
実施例19: (1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
黄色の固体。MS(ESI):259.3(MH)。7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(1,4,4−トリメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジエチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0194】
実施例20: (1SR,8RS)−5−(1−シクロプロピル−1−メチル−エチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
白色の固体。MS(ESI):229.2(MH)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(3−シクロプロピル−3−メチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
ラセミ化合物を、溶離剤として、5%イソプロパノール/ヘプタンを用いるキラルカラム Chiralpak ADを使用し、分取HPLCに付して、光学的に純粋な形態の2個の鏡像異性体を得た。
【0195】
実施例21: (1SR,8RS)−5−シクロペンチルメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
淡黄色のガム状物。MS(ESI):229.2(MH)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、[(3−シクロペンチル−2−オキソ−プロピル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。
【0196】
実施例22: (1R,8S)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
オフホワイトの固体。MS(ESI):259.1(MH)。(1R,4S)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。主要生成物を単離し、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。
【0197】
実施例23: (1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
白色の固体。MS(ESI):259.1(MH)。(1R,4S)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(4,4−ジメチル−2−オキソ−ペンチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。少ない生成物、実施例22の化合物の位置異性体を単離し、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。
【0198】
実施例24: (1R,8S)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
淡黄色の油状物。MS(ESI):245.2(MH)。(1R,4S)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。主要生成物を単離し、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。
【0199】
実施例25: (1S,8R)−5−tert−ブチル−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
淡黄色の油状物。MS(ESI):245.2(MH)。(1R,4S)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン、(3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチル)−ホスホン酸 ジメチルエステル、ヒドラジン一水和物から調製した。少ない生成物、実施例24の化合物の位置異性体を単離し、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。
【0200】
実施例A
式(I)の化合物は、それ自体既知の方法により、下記の組成物の錠剤を製造する活性成分として、使用されうる:
1錠あたり
活性成分 200mg
微晶質セルロース 155mg
トウモロコシデンプン 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0201】
実施例B
式(I)の化合物は、それ自体既知の方法により、下記の組成物のカプセル剤を製造する活性成分として、使用されうる:
1カプセルあたり
活性成分 100.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
乳糖 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化37】


(式中、
は、シクロアルキル、アリールアルキルもしくはアリールオキシアルキルであり;
は、シクロアルキル(cyclalkyl)、アリールアルキルもしくはアリールオキシアルキルであるか;又は、
とRは、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【化38】


を形成し、
は、水素、アルキル、シクロアルキルもしくはトリフルオロメチルであり;
は、2,2−ジメチル−プロピル、3−メチル−ブチル、イソ−プロピル、tert−ブチル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、3,3−ジメチル−ブチルもしくは1−シクロプロピル−1−メチル−エチルであり;
は、水素、アルキル、シクロアルキルもしくはアルコキシであり;
は水素、アルキル、シクロアルキルもしくはアルコキシであり;
は水素、アルキル、シクロアルキルもしくはアルコキシである)
で示される化合物ならびに薬学的に許容されうるその塩及びエステル。
【請求項2】
が、2,2−ジメチル−プロピル、3−メチル−ブチル、イソ−プロピル、tert−ブチル、シクロプロピルメチル又はシクロペンチルメチルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
とRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【化39】


を形成する、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項4】
とRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【化40】


を形成する、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
とRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【化41】


を形成する、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
とRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【化42】


を形成する、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
とRが、それらが結合している炭素原子C及びCと一緒になって、
【化43】


を形成する、請求項1〜3に記載の化合物。
【請求項8】
が水素である、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
がメチルである、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
が、2,2−ジメチル−プロピル又はtert−ブチルである、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
が3−メチル−ブチルである、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
、R及びRが、水素及びメチルから独立して選択される、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
、R及びRが水素である、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
下記:
3−(2,2−ジメチル−プロピル)−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロオクタ[c]ピリダジン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
3−(2,2−ジメチル−プロピル)−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
3−tert−ブチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;
(1SR,8RS)−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
(1SR,8RS)−5−tert−ブチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−1,11,11−トリメチル−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−イソプロピル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−シクロプロピルメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
(1S,8R)−5−シクロプロピルメチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
3−シクロプロピルメチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;及び
(1S,8R)−5−シクロペンチルメチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
から選択される、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
下記:
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
3−tert−ブチル−6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリダジン;及び
(1S,8R)−1,11,11−トリメチル−5−(3−メチル−ブチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン
から選択される、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
下記:
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(3,3−ジメチル−ブチル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1R,8S)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(1−シクロプロピル−1−メチル−エチル)−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−シクロペンチルメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1R,8S)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;
(1R,8S)−5−tert−ブチル−1,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;及び
(1S,8R)−5−tert−ブチル−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
から選択される、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
下記:
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−メチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1R,8S)−5−tert−ブチル−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1SR,8RS)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−11,11−ジメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2,4,6−トリエン;
(1S,8R)−5−(2,2−ジメチル−プロピル)−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン;及び
(1S,8R)−5−tert−ブチル−8,11,11−トリメチル−3,4−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン
から選択される、請求項1〜13及び16のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
式(II):
【化44】


(式中、R〜Rは、請求項1と同義である)
で示される化合物をヒドラジンと反応させること含む、請求項1〜17いずれか一項記載の化合物の製造方法。
【請求項19】
治療上活性な物質として使用される、請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物。
【請求項20】
酵素:11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型に関連する障害により引き起こされる疾病の予防及び治療のための医薬の製造のための、請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物。
【請求項22】
糖尿病、肥満、摂食障害、異常脂肪血症及び高血圧症の治療及び予防のための医薬の製造のための、請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項23】
II型糖尿病の治療及び予防のための医薬の製造のための、請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項24】
請求項18記載の方法により製造される、請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物。
【請求項25】
糖尿病、肥満、摂食障害、異常脂肪血症及び高血圧症の治療及び予防のための方法であって、請求項1〜17のいずれか一項で定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項26】
II型糖尿病の治療及び予防のための方法であって、請求項1〜17のいずれか一項で定義された化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項27】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2009−541434(P2009−541434A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517163(P2009−517163)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056347
【国際公開番号】WO2008/003611
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】