説明

1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン誘導体、これらの調製およびこれらの治療上の使用

本発明は式(I)の化合物に関し、式中、Rは、1個以上のハロゲン原子によって置換されていてもよいフェニル基であり;Rは:水素原子もしくはハロゲン原子またはシアノ基;Yが水素原子である−C(=O)Y基または−NHもしくは−OR基;−C(=S)NH基;−C(=NH)NH−OH基;−CHOHまたは−CHF基;−CH=N−OH基;−CH=CHまたは−C≡C−R基;HまたはHであり、R基は水素または(C−C)アルキル基であり;Rは水素原子または(C−C)アルキル基であり;並びにRは−NH、(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキルまたは(C−C)シクロアルキル基である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン誘導体および、特に抗癌剤としての、治療におけるこれらの適用に関する。本発明は、本発明のこれらの化合物を調製するための方法および前記方法の反応中間体の幾つかにも関する。
【発明を実施するための形態】
【0002】
用いられる定義
本発明の脈絡において、特定の用語の意味は以下の通りである:
●ハロゲン原子(Hal):フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子;
●アルキル基:直鎖または分岐鎖であり、アルカンから水素原子を除去することによって得られる、1から6個の炭素原子(有利には1から4個の炭素原子)を含む飽和脂肪族炭化水素基。例には基メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルが含まれる;
●アルコキシ基:アルキル基が上で定義される通りである、−O−アルキル基;
●フルオロアルキル基:1個以上の水素原子の代わりに1個以上のフッ素原子を含むアルキル基;
●シクロアルキル基:このすべてが環状構造の一部を形成する、3から7個の炭素原子を含む環状アルキル基。例には基シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが含まれる;
●保護基:保護工程において導入され、次の工程において放出される、化学官能基を望ましくない化学反応から保護することを目的とする基。保護基の例はT.W.Greene et al.「Protective Groups in Organic Synthesis」,3rd edition,1999,Wiley−InterscienceまたはJ.F.W.McOmie「Protective Groups in Organic Chemistry」,Plenum Press,1973に見出される。保護基の例にはtert−ブチルカルバメート(BOC)または[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)基が含まれる。
【0003】
第1態様において、本発明は式(I)の化合物を提供する:
【0004】
【化1】

は、1個以上のハロゲン原子によって置換されていてもよいフェニル基を表す。これは、より明確には、2,6−ジフルオロフェニル基である。
【0005】
は以下を表す:
−水素もしくはハロゲン原子またはシアノ基;
−Yが水素原子を表す基−C(=O)Yまたは基−NHもしくは−OR
−基−C(=S)NH
−基−C(=NH)NH−OH;
−基−CHOHまたは−CHF;
−基−CH=N−OH;
−基−CH=CHまたは−C≡C−R
−基
【0006】
【化2】

(4−ピラゾリル)または
【0007】
【化3】

(3−トリアゾリル);
ここで、Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表す。より明確には、Rは水素原子を表す。Rは、より明確には、表Iに例示される基Rから選択することができる。
【0008】
は水素原子または(C−C)アルキル基を表す。より明確には、Rは水素原子を表す。
【0009】
は−NH、(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキルまたは(C−C)シクロアルキル基を表す。Rは、より明確には、表Iに例示される基Rから選択することができる。
【0010】
式(I)の化合物のうち、式(II)の化合物の下位群が区別され:
【0011】
【化4】

式中、RおよびRは上で定義される通りである。
【0012】
本発明の化合物には、より明確には、表Iの化合物が含まれる。
【0013】
本発明の化合物は塩基または酸付加塩の形態で存在し得る。これらの塩は、例えばこれらの化合物の精製または単離に使用可能である他の酸の塩も本発明の一部を形成するものの、医薬的に許容される酸で有利に調製される。これらの化合物は、適切であるならば、1個以上の非対称炭素原子を含むことができる。その場合、これらは鏡像異性体またはジアステレオ異性体の形態で存在し得る。これらの鏡像異性体およびジアステレオ異性体並びにこれらの混合物は本発明の一部を形成する。
【0014】
第2態様において、本発明は本発明の化合物の調製方法および、その上、前記方法に含まれる反応中間体の幾つかを提供する。
【0015】
式(I)の化合物の調製
式(I)の化合物は、スキーム1に従い、PおよびPから出発する幾つかの工程で調製される:
【0016】
【化5】

工程(i)は、Pを導く、PおよびPのブッフバルト・ハートウィッグカップリングを含む。
【0017】
PGはピラゾール環のNH官能基の保護基を示し、Xは以下の基のうちの1つを表す:−CN、−CHO、−CH=CH、−H、−F、−C≡C−SiMe、−COORまたは
【0018】
【化6】


【0019】
このタイプのカップリングは(必要に応じてその場で調製される、(0)または(II)酸化状態にある)パラジウム錯体の存在下で行う。例えば、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)もしくはPdCl(dppf)、Pd(dba)またはPd(OAc)および9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンの混合物を用いることができる。最も頻繁に用いられる錯体はパラジウム(0)錯体である。このカップリングは塩基の存在下において有利であり、この塩基は、例えば、KCO、NaHCO、EtN、KPO、Ba(OH)、NaOH、KF、CsF、CsCO等であり得る。カップリングは極性溶媒、例えば、1,4−ジオキサン中で行うことができる。パラジウム系触媒システムの例は以下に見出される:Guram,A.;Rennels,R.;Buchwald,S.ACIEE 1995,34,1348;Louie,J.;Hartwig,J.Tet.Lett.1995,3609;Wolfe,J.;Wagaw,S.;Buchwald,S.J.Am.Chem.Soc.1996,118,7215;Driver,M.;Hartwig,J.J.Am.Chem.Soc.1996,118,7217;Hamann,B.;Hartwig,J.J.Am.Chem.Soc.1998,120,7369;Kawatsura,M.;Hartwig,J.J.Am.Chem.Soc.1999,121,1473.
置換基Xが上で定義される置換基Rのうちの1つを表す場合、経路1の工程(ii)における保護基PGの脱保護の後に式(I)の化合物が得られる。脱保護条件はPGの性質に依存し、当業者に公知である(例えば、T.W.Greene et al.「Protective Groups in Organic Synthesis」,3rd edition,1999を参照)。例えば、SEM([β−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル)の場合、酸、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)または塩酸の存在下で脱保護を行う。
【0020】
置換基Xが置換基Rのうちの1つを表さない場合、当業者に公知の1以上の化学反応を用いて置換基Xを置換基Rに変換する。経路2によると、工程(ii’)においてPをPに変換した後、工程(iii’)におけるPGの脱保護の後に式(I)の化合物を得る。代替経路3によると、変換は式(I)の化合物に対して直接行う。
【0021】
変換X→Rの例は以下に見出される:
X=−CN→R=−C(=O)NH(工程2−実施例4および実施例14)または−C(=O)OH:例えば水酸化ナトリウムによる、ニトリル官能基の加水分解;
X=−CN→R=−C(=S)NH(実施例9):この反応は硫化アンモニウムによりメタノール中でマイクロ波を用いて行うことができる(Synlett 2004,14,2615−2617を参照);
X=−CN→R=−C(=O)H:この反応は水素化ジイソブチルアルミニウムの存在下で行うことができる(工程1−実施例23);
X=−C(=O)H→R=−CH=N−OH:NHOHの存在下におけるアルデヒド官能基のオキシム官能基への変換(実施例20);
X=−C(=O)H→R=−CHOH(実施例3):アルデヒド官能基を還元する試薬による、例えば、NaBHによるアルデヒド官能基の還元;
X=−C≡C−SiMe→R=−C≡CH(工程4−実施例7):フッ化テトラブチルアンモニウムの存在下で行うことができる反応;
X=−C(=O)H→−CHOH→R=−CHF(工程1−実施例17):三フッ化ジエチルアミノイオウによってフッ素化を行う(DAST)(A.H.Fauq,「N,N−Diethylaminosulfur Trifluoride」 in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,Ed:L.Paquette 2004,J.Wiley & Sons,New Yorkを参照);
X=−C≡C−SiMe→−C≡CH→R
【0022】
【化7】

:1,2,3−トリアゾール環の調製を可能にする、アルキン官能基とトリメチルシリルアジドNSiMeとのヒュスゲン環化付加反応。
【0023】
化合物Pの調製
Xが−H、−Hal、−COOHまたは−CNを表す化合物Pは、スキーム2に従い、塩基性媒体中でPを臭素化した後、保護基PGで保護することによって得られる。この臭素化は、例えば、KOHの存在下、極性溶媒、例えば、DMF中で臭素によって行う。塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下でSEM−Clによって導入されるSEM基、またはCl−SONMeによって導入されるSONMe基(実施例1を参照)が用いることができる保護基の例である。
【0024】
【化8】

【0025】
Xが−CHO、−CH=CH、−C≡C−SiMeまたは
【0026】
【化9】

を表す化合物Pは、Xが−Iを表し、およびAが水素原子(P)またはPG(P)を表す上記化合物PまたはPから出発する1以上の工程で得られる(スキーム3):
【0027】
【化10】

スキーム3に詳述される反応は以下の通りである:
●X=−CH=CHについて:−CH=CH−SnBuおよびパラジウム(0)錯体を用いるスティル反応;
●X=−CHOについて:例えば四酸化オスミウムを用いる、酸化反応;
●X=−C≡C−SiMeについて:HC≡C−SiMeおよびパラジウム(0)または(II)錯体および銅塩の存在下におけるソノガシラ反応(この反応のさらなる詳細については、Chem.Rev.2007,107(3),874−922を参照;工程2−実施例7も参照);
●X=
【0028】
【化11】

について:パラジウム(0)または(II)錯体および塩基の存在下における4−ピラゾールボロン酸とのスズキカップリング(対応ピナコールエステルを用いることができる。)。
【0029】
Xが−COO(C−C)アルキルを表す化合物Pは、X=−COOHである対応化合物Pのエステル化によってこれら自体が得られる。
【0030】
化合物Pの調製
Xが−Hまたは−Halを表す化合物Pは、市販製品(例えば、X=I、CAS No.31827−94−8)であるか、または酸性媒体中での対応アセトフェノンの臭素化によって調製される(工程1−実施例1を参照)、Pから出発して得られる(スキーム4):
【0031】
【化12】

工程(i):Pを導く、Pとカリウムフタルイミドとの反応。この反応は極性溶媒、例えば、DMF中で行うことができる(工程2−実施例1または工程1−実施例6を参照);
工程(ii):Pを導く、PとN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタールとの反応。この反応はN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール中、還流温度で直接行うことができる(工程1−実施例3を参照);
工程(iii):Pを導く、Pとヒドラジン水和物との反応。この反応は極性溶媒、例えば、エタノール中で行うことができる(工程4−実施例1または工程3−実施例6を参照);
工程(iv):P10を導く、酸塩化物RCOClでのPのアシル化反応。この反応は塩素化溶媒、例えば、DCM中、求核性触媒、例えば、ピリジンの存在下で行うことができる;
工程(v):Pを導く、P10のビシュラー・ナピエラルスキー環化反応。この反応はPおよび二塩化フェニルホスフィン酸の存在下、>100℃の温度で行うことができる(工程6−実施例1または工程5−実施例6を参照)。POClを用いることもできる。
【0032】
Xが−CNを表す化合物PはXが−Iを表す対応保護化合物Pのシアノ化によって得られる。例えば、Zn(CN)およびパラジウム(0)錯体が用いられる(ローゼンムント・ブラウン反応:Chem.Rev.1951,49,392)。
【0033】
の調製
は、アミン官能基が保護されているアミノピペリジンから出発して、スキーム5に従って調製することができる(WO 2003082871 工程1−4−実施例4、34−36頁も参照):
【0034】
【化13】

PG’はアミン官能基の保護基を表す。これは、有利には、BOC(tert−ブトキシカルボニル)である。
【0035】
従って、本発明は式:
【0036】
【化14】

(式中、R、RおよびRは上で定義される通りであり、並びにXは水素もしくはフッ素原子、基シアノ、−C(=O)H、−CH=CH、−C≡C−SiMe、−COORを表し、ここでRは水素原子または(C−C)アルキル基もしくは基
【0037】
【化15】

を表す。)
の化合物の調製方法であって:
(i)パラジウム錯体および、必要に応じて塩基の存在下で、スキーム1において定義される化合物PおよびPをカップリングさせ、
(ii)前工程(i)において得られる生成物を脱保護する、
ことを含む方法を提供する。
【0038】
本発明は、さらに、式の化合物:
【0039】
【化16】

(式中、R、RおよびRは上で定義される通りであり、並びにRは以下の基のうちの1つを表す:C(=O)NH、−C(=S)NH、−C(=O)H、−CH=N−OH、−CHOH、−CHF、−C≡CHまたは
【0040】
【化17】


を式:
【0041】
【化18】

(式中、Xは−CN、CHO、−CHOH、−C≡CHまたは−C≡C−SiMe基を表し、およびAは水素原子または保護基PGを表す。)
の化合物から出発して調製するための方法であって:
(i)
●基X=−CNを基R=−C(=O)NHまたは−C(=O)OHに加水分解し;
●硫化アンモニウムの存在下、マイクロ波を用いて、基X=−CNを基R=−C(=S)NHに変換し;
●基X=−CNを基R=−C(=O)Hに還元し;
●NHOHの存在下で基X=−C(=O)Hを基R=−CH=N−OHに変換し;
●基X=−C(=O)Hを基R=−CHOHに還元し;
●基X=−C≡C−SiMeを基R=−C≡CHに変換し;
●基X=−CHOHを基R=−CHFにフッ素化し;
●トリメチルシリルアジドNSiMeの存在下での付加環化によって基X=−C≡CHを基R
【0042】
【化19】

に変換し;
(ii)適切であるならば、前工程(i)において得られる生成物を脱保護する、
ことを含む方法を提供する。
【0043】
式(I)の化合物はPおよびP’から出発してスキーム6に従って調製することもできる:
【0044】
【化20】

工程(i)は、P’を導く、PとP’とのブッフバルト・ハートウィッグカップリングを含む。PGはピラゾール環のNH官能基の保護基を示し、PG’はアミン官能基の保護基を表し、およびXは以下の基のうちの1つを表す:−CN、−CHO、−CH=CH、−H、−F、−C≡C−SiMe、−COORまたは
【0045】
【化21】


【0046】
工程(ii)において、アミン官能基を脱保護してP’を得、次にこれを、工程(iii)において、RSOClと反応させてP’を得る。次いで、ピラゾール環のNH官能基を脱保護して式(I)の化合物を得る。
【0047】
従って、本発明は、式:
【0048】
【化22】

(式中、R、RおよびRは上で定義される通りであり、並びにXは水素もしくはフッ素原子、基シアノ、−C(=O)H、−CH=CH、−C≡C−SiMe、−COORを表し、ここでRは水素原子または(C−C)アルキル基、もしくは基
【0049】
【化23】

を表す。)
の化合物の調製方法であって:
(i’)式:
【0050】
【化24】

の化合物P’をRSOClと反応させ、
(ii’)前工程(i)において得られる生成物を脱保護する
ことを含む方法を提供する。
【0051】
本発明は、式:
【0052】
【化25】

(スキーム1)または式:
【0053】
【化26】

(スキーム6)の化合物であって、式中:
■R、R、RおよびRが上で定義される通りであり;
■Xが水素もしくはフッ素原子、基シアノ、−C(=O)H、−CH=CH、−C≡C−SiMe、C≡CH、−COORを表し、ここでRは水素原子または(C−C)アルキル基、もしくは基
【0054】
【化27】

を表し;
■PGがピラゾール環のNH官能基の保護基を表し;
■Bが水素原子またはアミン官能基の保護基PG’を表す、
化合物も提供する。
【0055】
PGは、より明確には、SEMまたはSONMeを表し;PG’はBOCを表す。
【0056】
第3態様において、本発明は上で定義される化合物を医薬的に許容される賦形剤との組み合わせで含む医薬組成物を提供する。賦形剤は、医薬形態および望ましい投与様式に従い、当業者に公知である慣例的な賦形剤から選択される。
【0057】
第4態様において、本発明は、上で定義される化合物を含む医薬および、その上、医薬の調製への上で定義される化合物の使用を提供する。化合物は1以上の他の抗癌剤と組み合わせて投与することができる。この処置は同時に、別々に、さもなければ連続的に投与することができる。この処置は、施術者により、治療しようとする疾患および腫瘍に従って適用される。
【0058】
第5態様において、本発明は、上に示される病理の治療方法であって、本発明による化合物またはこの医薬的に許容される塩もしくは水和物もしくは溶媒和物のうちの1つの有効用量を患者に投与することを含む方法も提供する。
【実施例】
【0059】
以下の実施例は本発明による幾つかの化合物の調製を示す。
【0060】
LC−MS−DAD−ELSD分析
カラム:Atlantis T3;3.0×50mm;粒径3μm;Waters 186003721
溶離液流束=0.8ml/分;炉温:LC=35℃;DAD波長200−400nm 混合液A(水/ギ酸 0.1%)およびアセトニトリルBを用いる7分での勾配:0分(95% A;5% B);5分(5% A;95% B);5.5分(5% A;95% B);6.5分(95% A;5% B);7分(95% A;5% B)。
【0061】
H NMR分析
H NMRスペクトルは、DMSO−d6中、Bruker 400MHz機器で得た。化学シフトはppmで示す。
【0062】
表Iの化合物の調製
【0063】
実施例1 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド
工程1:1l三首フラスコに氷酢酸500ml中の50gの4−ヨードアセトフェノンを投入する。次いで10.4mlの臭素を滴下により、室温(RT)で添加する。この反応混合物をRTで2時間撹拌した後、減圧(RP)下で蒸発させる。酢酸および臭素のすべての痕跡を除去するため、この粗製生成物を約200mlのトルエンに3回、次いで200mlの塩化メチレン(DCM)に1回溶解し、毎回減圧(RP)下で濃縮する。得られたオレンジの固体を真空下、乾燥器内、RTで乾燥させる。これで66gの2−ブロモ−1−(4−ヨードフェニル)エタノンがオレンジの固体の形態で得られ、これを次の工程においてそのまま用いる。質量スペクトル(MS)(E/I):m/z=404(M+);H NMR:4.90(s,2H);7.74(d,J=8.5Hz,2H);7.96(d,J=8.5Hz,2H)。
【0064】
工程2:500ml丸底フラスコに、DMN140ml中の66gの2−ブロモ−1−(4−ヨードフェニル)エタノンおよび38gのカリウムフタルイミドを投入する。この混合物をRTで4時間撹拌し、形成された沈殿をガラスフリットで濾別し、50mlのイソプロピルエーテルで3回洗浄する。RP下で乾燥させることで80gの2−[2−(4−ヨードフェニル)−2−オキソエチル]イソインドール−1,3−ジオンが白色固体の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いる。MS(E/I):m/z=391(M+);1H NMR:5.21(s,2H);7.84(d,J=8.5Hz,2H);7.88から7.98(m,4H);8.00(d,J=8.5Hz,2H)。融点(Kofler):230℃。
【0065】
工程3:500ml丸底フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール134ml中の81.6gの2−[2−(4−ヨードフェニル)−2−オキソエチル]イソインドール−1,3−ジオンを投入する。この反応混合物を還流温度で5時間加熱した後、氷浴で0℃に冷却する。形成した沈殿を吸引しながらガラスフリットで濾別した後、50mlのイソプロピルエーテルで2回洗浄し、次いで50mlのイソプロピルエーテルで2回清澄洗浄(clarifying wash)(撹拌なしのケークの洗浄)する。RP下での乾燥で2−[2−ジメチルアミノ−1−(4−ヨードベンゾイル)−ビニル]イソインドール−1,3−ジオンのEおよびZ異性体の混合物79gがオレンジ−黄色固体の形態で得られる。MS(E/I):m/z=446(M+);H NMR:2.92(broad m,6H);7.22(d,J=8.5Hz,2H);7.49(broad s,1H);7.80(d,J=8.5Hz,2H);7.92(m,4H);融点(Kofler):226℃。
【0066】
工程4:1l丸底フラスコに、RTで、エタノール535ml中の2−[2−ジメチルアミノ−1−(4−ヨードベンゾイル)ビニル]イソインドール−1,3−ジオンのEおよびZ異性体の混合物78.3gを投入する。褐色懸濁液が得られ、これを21mlのヒドラジン水和物と混合する。この懸濁液を還流温度で加熱する。加熱の30分後、混合物は濃厚になったものと観察され、レモンイエローを呈する。この懸濁液を還流温度で4時間30分間撹拌した後、この混合物をRTにする。懸濁液を吸引しながらフリットで濾過し、沈殿を100mlのエタノールで2回洗浄する。これで、元の沈殿2を残して濾液が得られ、蒸発の後、46gの黄色固体1が得られ、元の沈殿2を40℃、RP下で乾燥させることで39gのクリーム色の粉末が得られる。1を300mlのAcOEt中で15分間撹拌する。混合物を濾過し、毎回150mlのAcOEtを用いてこの操作を13回反復する。様々なフィルターを組み合わせ、RP下で濃縮する。これで24.3gの明黄色固体が得られる。2を300mlのAcOEtに溶解する。この混合物を濾過し、毎回150mlのAcOEtを用いてこの操作を7回反復する。様々なフィルターを組み合わせ、RP下で濃縮する。これで7.3gのレモンイエローの固体が得られる。これら2つのバッチを合わせ、31.6gの3−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(オレンジの固体)を得る。MS(E/I):m/z=285(M+);H NMR:4.04(broad s,2H);7.15(s,1H);7.57(broad d,J=8.5Hz,2H);7.72(d,J=8.5Hz,2H);12.35(broad m,1H)。
【0067】
工程5:2l丸底フラスコに、DCM425mlおよびピリジン278ml中の31.5gの3−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミンを投入する。この混合物を氷浴で0℃に冷却し、13.9mlの2,6−ジフルオロ安息香酸の塩化物を添加する。温度を3時間にわたってRTまで徐々に戻す。RP下での溶媒の蒸発の後、この粗製反応生成物に水を添加し、次いで水相をAcOEtで抽出する。有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させる。次に、真空下でAcOEtを蒸発させて2,6−ジフルオロ−N−[5−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミドおよびN−[1−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−5−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,6−ジフルオロベンズアミドの混合物49.2gをオレンジフォームの形態で得、これをそのまま用いる。この粗製反応生成物を処理して期待される生成物だけを得る:3l丸底フラスコ内で、2,6−ジフルオロ−N−[5−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミドおよびN−[1−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−5−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,6−ジフルオロベンズアミドの混合物49.2gを、RTおよびアルゴン下で、950mlのエタノールおよび470mlのTHFに溶解した後、385mlの5N水酸化ナトリウム水溶液を添加する。RTで1時間の撹拌の後、混合物を1025mlの2N塩酸に注ぎ入れる。これをAcOEtで抽出して有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させた後、RP下で濃縮する。これで粗製生成物が得られ、これを570mlのDCMに懸濁させ、DCMの還流温度で15分間撹拌する。氷浴で冷却した後、沈殿を吸引しながら濾別し、30mlの氷冷DCMで2回洗浄する。これで25.8gの2,6−ジフルオロ−N−[5−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミド(クリーム色の固体)が得られる。MS(E/I):m/z=425(M+);H NMR:7.15から7.25(m,2H);7.51(d,J=8.5Hz,2H);7.57(m,1H);7.79(d,J=8.5Hz,2H);7.93(broad m,1H);10.2(s,1H);13.3(broad m,1H);融点(Koflerベンチ):204℃。
【0068】
工程6:磁気撹拌機および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える500ml丸底フラスコに9.2gの2,6−ジフルオロ−N−[5−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミド、168mlの二塩化フェニルホスフィン酸および46.3gの五酸化リンを投入する。165℃で23時間後、この混合物をRTに冷却し、次いで水260mlおよび氷400gの混合物に注ぎ入れる。温度を40℃まで上昇させる。930mlの3M炭酸ナトリウム溶液、次いで110mlの28%アンモニア水を徐々に添加することによって中和を行う。抽出を1150mlのAcOEtで1回、550mlのAcOEtで2回行う。有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させた後、RP下で濃縮する。得られる固体を220mlのDCM中、還流温度で15分間撹拌し、氷浴を用いて冷却した後、濾過し、28mlの氷冷DCMで2回洗浄する。真空下、40℃で乾燥させることで、7.4gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(クリーム色の固体)が得られる。MS(E/I):m/z=407(M+);1H NMR:7.39(t,J=8.0H,2H);7.71(m,1H);7.99(broad s,1H);8.33(m,2H);8.45(broad s,1H);14.35(broad s,1H);融点(Koflerベンチ)=260℃。
【0069】
工程7:1000ml丸底フラスコに、アルゴンの下、テトラヒドロフラン190mlおよびジメチルホルムアミド(DMF)20ml中の7.4gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する;氷浴を用いて0℃に冷却した後、1gのNaH(液体石油中の懸濁液中に50%)を添加し、この混合物を0℃で30分間撹拌した後、同じ温度で2.7mlの塩化ジメチルスルファモイルと混合する。RTで1時間後、この粗製生成物を飽和NHCl溶液に注ぎ入れる。水相を300mlのAcOEtで3回抽出する。有機抽出物を合わせ、MgSOで脱水させた後、RP下で濃縮する。DCM/メタノール混合液(体積基準で98/02)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、位置異性体5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨードピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホン酸ジメチルアミドおよび5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨードピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−2−スルホン酸ジメチルアミドの混合物9gが固体の形態で得られる。MS(E/I):m/z=514(M+);H NMR:3.02(s,6H);7.40(t,J=8.0Hz,2H);7.74(m,1H);7.92(broad s,1H);8.32(dd,J=1.5 and 8.5Hz,1H);8.39(d,J=8.5Hz,1H);9.31(s,1H);融点=224℃。
【0070】
工程8:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する濃縮器を備える500ml丸底フラスコに、DMF100ml中の5.4gの工程7において得られた固体を投入する。反応混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、1.6gのシアン化亜鉛および0.28gのPd(PPhを添加し、この混合物を撹拌しながら130℃で1時間30分加熱する。この粗製反応生成物を100体積の水に注ぎ入れ、水相を400mlのAcOEtで3回抽出した後、有機抽出物を合わせてMgSOで脱水させ、RP下で濃縮する。得られた残渣を酸化ジイソプロピルでペースト化して濾過し、乾燥器内、35℃で乾燥させる。これで7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホン酸ジメチルアミドの位置異性体の混合物(クリーム色の固体)3.3gが得られる。MS(E/I):m/z=413(M+);H NMR:3.03(s,6H);7.39(t,J=8.0Hz,2H);7.75(m,1H);8.24(broad s,1H);8,38(dd,J=1.5 and 8.5Hz,1H);8.76(d,J=8.5Hz,1H);9.41(s,1H);融点:231℃(Koflerベンチ)。
【0071】
工程9:250ml丸底フラスコに、DCM160ml中の4gの7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホン酸ジメチルアミドの位置異性体の混合物を投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、108mlのTFAを添加し、この混合物をRTで6時間撹拌する。混合物をRP下で濃縮し、得られる固体を600mlの水に溶解して50mlの0.75Mアンモニア溶液を添加する。水相を150mlのAcOEtで3回抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄した後、MgSOで脱水させる。RP下でのAcOEtの濃縮で、2.6gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルが得られる(ベージュの固体)。MS(E/I):m/z=306(M+);1H NMR:7.38(t,J=8.0Hz,2H);7.72(m,1H);8.24(broad s,1H);8.34(dd,J=1.5 and 8.5Hz,1H);8.59(s,1H);8.70(d,J=8.5Hz,1H);14.5(very broad m,1H)。
【0072】
工程10:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DMF85ml中の2.6gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル、0.87mlの臭素および1.5gのKOHを投入する。RTで1時間の撹拌の後、混合物を氷水に注ぎ入れる。水相を150mlのAcOEtで3回抽出する。有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させてRP下で蒸発させる。これで3.3gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルが得られ、これをそのまま次の工程に用いる(明黄色固体)。MS(E/I):m/z=385(M+);H NMR:7.39(t,J=8.0Hz,2H);7.75(m,1H);8.34(broad s,1H);8.41(dd,J=1.5 and 8.5Hz,1H);8.68(d,J=8.5Hz,1H);14.85(broad m,1H)。
【0073】
工程11:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DMF85ml中の3.3gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル、10.6mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび3.2mlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを投入する。RTで5時間後、この混合物を8体積の氷水に注ぎ入れる。水相を200mlのAcOEtで3回抽出し、有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させてRP下で濃縮する。DCMおよびメタノールの混合液(体積基準で99.5/0.5)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を行い、一方で2.1gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを白色固体の形態で得る。MS(E/I):m/z=515(M+);H NMR:−0.12(s,9H);0.87(t,J=8.0Hz,2H);3.65(t,J=8.0Hz,2H);6.17(s,2H);7.40(t,J=8.0Hz,2H);7.77(m,1H);8.41(broad s,1H);8.47(dd,J=1.5 and 8.5Hz,1H);8.77(d,J=8.5Hz,1H)。および、他方で、1.2gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(白色固体)を得る。MS(E/I):m/z=515(M+);H NMR:−0.05(s,9H);0.90(t,J=8.0Hz,2H);3.73(t,J=8.0Hz,2H);5.92(s,2H);7.38(t,J=8.0Hz,2H);7.76(m,1H);8.24(broad s,1H);8.34(dd,J=1.5 and 8.5Hz,1H);8.69(d,J=8.5Hz,1H)。
【0074】
工程12:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える150ml丸底フラスコに、1−4−ジオキサン27ml中の1gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。反応混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、692mgの1−メタンスルホニルl−ピペリジン−4−イルアミン、4gの炭酸セシウム、135mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび43mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。冷却後、この混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。DCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で85/15)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を行い、1gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=596(M+);H NMR:−0.05(s,9H);0.89(t,J=8.0Hz,2H);1.61(m,2H);2.11(m,2H);2.74(m,2H);2.85(s,3H);3.59(m,2H);3.68(t,J=8.0Hz,2H);4.46(m,1H);5.69(s,2H);6.70(d,J=8.0Hz,1H);7.34(t,J=8.0Hz,2H);7.68(m,1H);7.97(broad s,1H);8.14(dd,J=1.5 and 8.5Hz,1H);8.48(d,J=8.5Hz,1H)。
【0075】
工程13:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DCM96ml中の1gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、10.7mlのTFAを添加し、この混合物をRTで20時間撹拌する。この反応混合物をRP下で濃縮し、得られる固体を100mlの水に溶解して100mlのAcOEtで3回抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RP下で濃縮する。これで992mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルトリフルオロアセテートが得られ、これをそのまま次の工程において用いる。MS(E/I):m/z=482(M+)。
【0076】
工程14:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、992mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルトリフルオロアセテート、63mlのエタノール、30mlのTHFおよび10mlの9.3N水酸化ナトリウムを投入する。還流温度で3時間後、混合物を冷却し、リン酸二水素カリウムの1M水溶液250mlに注ぎ入れる。この混合物をAcOEtで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRP下で濃縮乾固する。この粗製固体を20mlのDMFに溶解した後、1gの六フッ化ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)、323mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、170mgの塩化アンモニウムおよび1mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加する。RTで2時間の撹拌の後、反応混合物を水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、リン酸二水素カリウム1M水溶液、次いで飽和NaCl水溶液で洗浄する。MgSOで脱水させて濾過し、RP下で濃縮した後、DCM、メタノールおよび4Nメタノール性アンモニア(体積基準で90/10/1)の混合液で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、321mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド(レモンイエローの固体)を得る。MS(E/I):m/z=500(M+);H NMR:1.68(m,2H);2.11(m,2H);2.88(s,3H);2.90(m,2H);3.56(m,2H);3.80(m,1H);6.09(d,J=8.0Hz,1H);7.33(t,J=8.0Hz,2H);7.57(broad s,1H);7.69(m,1H);8.17(broad s,1H);8.23(broad s,1H);8.36(broad d,J=8.5Hz,1H);8.45(d,J=8.5Hz,1H);12.85(s,1H)。
【0077】
実施例2 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシム
工程1:頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DMF80ml中の2.4gの、実施例1の工程6において調製した5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン、0.80mlの臭素および1.4gのKOHを投入する。RTで1時間後、この混合物を氷冷水に注ぎ入れる。有機相を150mlのAcOEtで3回抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、RP下で蒸発させる。これで2.23gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(クリーム色の固体)が得られ、これをそのまま次の工程に用いる。MS(E/I):m/z=486(M+)。
【0078】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DMF11ml中の2.22gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、1.47mlのトリブチルビニルスタンナンおよび481mgの二塩化ビス(トリフェニルホスフィン(triphenylphosphene))パラジウム(II)を添加する。この混合物を100℃で1時間加熱し、冷却後、真空下で蒸発乾固する。これで油が得られ、これを350mlのAcOEtおよび300mlの20% KF水溶液に溶解する。混合物をRTで30分間撹拌した後、この懸濁液をClarcel Floの床を坦持するガラスフリットで濾過する。有機相をAcOEtで抽出した後、飽和NaCl水溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、RP下で蒸発乾固する。これで3.1gの粗製生成物が得られ、これをDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーによって精製し、1.44gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ビニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(明黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=386(M+);H NMR:5.43(d,J=11.2Hz,1H);6.00(d,J=17.6Hz,1H);6.92(dd,J=17.6,11.2Hz,1H);7.37(t,J=7.9Hz,2H);7.65(broad s,1H);7.73(m,1H);8.33(dd,J=8.8,1.5Hz,1H);8.51(d,J=8.8Hz,1H);14.59(broad m,1H)。
【0079】
工程3:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える150ml丸底フラスコに、THF13ml中の1gの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ビニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入した後、7mlの水、13mlのtert−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール中に2.5%の四酸化オスミウムの溶液0.79mlおよび1.7gの過ヨウ素酸ナトリウムを添加する。この混合物をRTで3時間撹拌した後、水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRP下で濃縮する。これで1.047gの粗製生成物が得られ、これをDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーによって精製し、686mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド(クリーム色の固体)を得る。MS(E/I):m/z=388(M+);H NMR:7.41(d,J=7.9Hz,2H);7.77(m,1H);8.34(broad s,1H);8.47(dd,J=8.5,1.2Hz,1H);8.69(d,J=8.5Hz,1H);10.15(s,1H);14.89(broad m,1H)。
【0080】
工程4:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える150ml丸底フラスコに、DMF20ml中の780mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド、2.5mlのジイソプロピルエチルアミンおよび0.75mlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを投入する。この混合物をRTで24時間撹拌した後、水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRP下で濃縮する。これで1.18gの粗製生成物が得られ、これをDCMおよびメタノール(体積基準で99.5/0.5)の混合液で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーによって精製し、一方で、545mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドをクリーム色の固体の形態で:MS(E/I):m/z=388(M+);H NMR:−0.13(s,9H);0.86(t,J=7.8Hz,2H);3.66(t,J=7.8Hz,2H);6.18(s,2H);7.43(t,J=7.9Hz,2H);7.79(m,1H);8.39(broad s,1H)8.48(dd,J=8.3,1.5Hz,1H)8.80(d,J=8.3Hz,1H)10.17(s,1H)、他方で、354mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド(クリーム色の固体)を得る。MS(E/I):m/z=388(M+);H NMR:−0.08(s,9H);0.90(t,J=8.0Hz,2H);3.73(t,J=8.0Hz,2H);5.91(s,2H);7.41(t,J=7.8Hz,2H);7.77(m,1H);8.22(broad s,1H)8.42(dd,J=8.3,1.5Hz,1H)8.72(d,J=8.3Hz,1H)10.13(s,1H)。
【0081】
工程5:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、1,4−ジオキサン12.5ml中の348.4mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドを投入する。アルゴンを10分間泡立てた後、初期投入物を320mgの1−メタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、1.1gの炭酸セシウム、62mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび20mgの酢酸パラジウム(II)と混合する。この混合物を還流温度で4時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをDCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で85/15)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、217mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=615(M+);H NMR:0.05(s,9H);0.89(t,J=8.1Hz,2H);1.62(m,2H);2.12(m,2H);2.75(m,2H);2.85(s,3H);3.59(m,2H);3.67(t,J=8.1Hz,2H);4.46(m,1H);5.68(s,2H);6.63(d,J=8.3Hz,1H);7.37(broad t,J=7.8Hz,2H);7.68(m,1H);8.06(broad s,1H);8.25(dd,J=8.4,1.7Hz,1H);8.52(d,J=8.4Hz,1H);10.08(s,1H)。
【0082】
工程6:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える100ml丸底フラスコに、ピリジン8.5ml中の211mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドを投入して36mgの塩酸ヒドロキシルアミンを添加し、この混合物をRTで64時間撹拌する。これをRP下で濃縮し、得られる固体をAcOEtに溶解してリン酸カリウムの1M水溶液、次いで飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで脱水させ、濾過してRP下で濃縮する。DCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で75/25)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を行い、184mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシム(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=630(M+);H NMR:0.04(s,9H);0.89(m,2H);1.61(m,2H);2.11(m,2H);2.74(m,2H);2.85(s,3H);3.58(m,2H);3.67(m,2H);4.46(m,1H);5.65(s,2H);6.50(d,J=8.3Hz,1H);7.33(broad t,J=8.1Hz,2H);7.65(m,1H);7.72(broad s,1H);8.01(dd,J=8.4,1.7Hz,1H);8.27(s,1H);8.35(d,J=8.4Hz,1H);11.39(s,1H)。
【0083】
工程7:頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、DCM15ml中の180mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシムを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、1.8mlのTFAを添加し、この混合物をRTで6時間撹拌する。混合物をRPの下で濃縮し、得られる固体を50mlの水および2mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。これをAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。DCMおよびメタノールの混合液(体積基準で92.5/7.5)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーで、63mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシム(レモンイエローの固体)が得られる。MS(E/I):m/z=500(M+);H NMR:1.67(m,2H);2.11(m,2H);2.87(s,3H);2.89(m,2H);3.56(m,2H);3.79(m,1H);6.06(d,J=7.8Hz,1H);7.32(broad t,J=7.6Hz,2H);7.67(m,1H);7.84(broad s,1H);8.14(broad d,J=8.5Hz,1H);8.30(s,1H);8.41(d,J=8.5Hz,1H);11.43(s,1H);12.81(s,1H)。
【0084】
実施例3 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノール
工程1:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、THF1.5mlおよびメタノール1.5ml中の45mgの、実施例2の工程5において調製した5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、5.5mgのNaBHを添加し、この混合物を30分間撹拌する。次に、1.5mlのアセトンを添加し、この混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れる。これをAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。これで46mgの[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノールが得られ、これをそのまま次の工程に用いる。MS(E/I):m/z=617(M+)。
【0085】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、DCM4ml中の46mgの[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノールを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.45mlのTFAを添加し、この混合物をRTで2時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を25mlの水および0.75mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。これをAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。DCMおよびメタノールの混合液(体積基準で92.5/7.5)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーで、13mgの[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノール(黄色固体)が得られる。MS(E/I):m/z=487(M+);H NMR:1.67(m,2H);2.11(m,2H);2.87(s,3H);2.90(m,2H);3.56(m,2H);3.79(m,1H);4.63(d,J=5.7Hz,2H);5.34(t,J=5.7Hz,1H);5.98(d,J=7.8Hz,1H);7.31(m,2H);7.59(broad s,1H);7.66(m,1H);7.83(broad d,J=8.3Hz,1H);8.35(d,J=8.3,1H);12.68(s,1H)。
【0086】
実施例4 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(トリフルオロメタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド
工程1:手順は実施例1、工程12における通りである。磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、1,4−ジオキサン4ml中の200mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。アルゴンを10分間泡立てた後、269mgの1−トリフルオロメタンスルホニルピペリジン−4−イルアミントリフルオロアセテート、543mgの炭酸セシウム、22mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび8.7mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で2時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをAcOEtおよびヘプタンの混合液(体積基準で40/60)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、272mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(トリフルオロメタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(淡黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=666(M+)。
【0087】
1,1−ジメチルエチル(1−トリフルオロメタンスルホニルピペリジン−4−イル)カルバメートの合成
磁気撹拌器を備える150ml丸底フラスコに、アルゴンの下で、DCM35ml中の2gの4−N−boc−アミノピペリジン、82mgの4−ジメチルアミノピリン(DMAP)および1.86mlのトリエチルアミンを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、1.6mlの塩化トリフルオロメタンスルホニルを滴下により添加する。この混合物を0℃で30分間、次いでRTで1時間撹拌する。これを100mlの飽和重炭酸水溶液に注ぎ入れる。これをAcOEtで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮乾固する。DCMおよびメタノールの混合液(体積基準で98/02)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのクロマトグラフィーで、1.5gの1,1−ジメチルエチル(1−トリフルオロメタンスルホニルピペリジン−4−イル)カルバメート(クリーム色の固体)が得られる。MS(E/I):m/z=232(M+)。
【0088】
150ml丸底フラスコに、DCM30ml中の1.37gの1,1−ジメチルエチル(1−トリフルオロメタンスルホニルピペリジン−4−イル)カルバメートを投入する。3mlのTFAを添加し、この混合物をRTで1時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を30mlの水および2mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。生成物をAcOEtで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これで1.2gの1−トリフルオロメタンスルホニルピペリジン−4−イルアミントリフルオロアセテート(オフホワイトの固体)が得られる。MS(E/I):m/z=346(M+)。
【0089】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、272mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(トリフルオロメタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル、10mlのエタノール、5mlのTHFおよび0.611mlの9.3N NaOHを投入する。2時間の還流の後、混合物を冷却し、リン酸二水素カリウムの1M水溶液50mlを注ぎ入れる。生成物をAcOEtで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮乾固する。得られる粗製固体を4mlのDMFに溶解した後、275mgの六フッ化ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)、84mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、44mgの塩化アンモニウムおよび2mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加する。RTで3時間後、混合物を水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄する。MgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮することで、300mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(トリフルオロメタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミドが得られる。MS(E/I):m/z=684(M+)。
【0090】
工程3:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、DCM8ml中の300mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(トリフルオロメタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミドを投入する。3mlのTFAを添加し、この混合物をRTで2時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を30mlの水および2mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。生成物をAcOEtで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。AcOEtで溶出するシリカゲル(15−40μm)でのクロマトグラフィーで、30mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(トリフルオロメタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド(淡黄色固体)が得られる。MS(E/I):m/z=554(M+);H NMR:1.69(m,2H);2.17(m,2H);3.38(m,2H);3.83(m,2H);3.93(m,1H);6.24(m,1H);7.33(t,J=8.0Hz,2H);7.58(broad s,1H);7.69(m,1H);8.17(broad s,1H);8.23(broad s,1H);8.36(broad d,J=8.5Hz,1H);8.44(d,J=8.5Hz,1H);12.9(broad s,1H)。
【0091】
実施例5 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−7−ビニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン
工程1:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DMF10ml中の380mgの、実施例2の工程2において調製される3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ビニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン、1.2mlのジイソプロピルエチルアミンおよび0.37mlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを投入する。この混合物をRTで24時間撹拌した後、水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。これで548mgの粗製生成物が得られ、これをDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で99.5/0.5)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーによって精製し、一方で、198mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7−ビニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンをクリーム色の固体の形態で、および、他方で、194mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7−ビニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(クリーム色の固体)を得る。MS(E/I):m/z=516(M+);H NMR:0.05(s,9H);0.92(t,J=7.8Hz,2H);3.73(t,J=7.8Hz,2H);5.39(d,J=11.1Hz,1H);5.87(s,2H);5.94(d,J=17.7Hz,1H)6.90(dd,J=17.7,11.1Hz,1H)7.39(t,J=7.8Hz,2H)7.57(broad s,1H)7.73(m,1H)8.21(dd,J=8.5,1.5Hz,1H)8.51(d,J=8.5Hz,1H)。
【0092】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、1,4−ジオキサン5ml中の189mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7−ビニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。アルゴンを10分間泡立てた後、130mgの1−メタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、453mgの炭酸セシウム、25mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび8mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で4時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをDCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で85/15)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、96mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−ビニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=613(M+);H NMR:0.04(s,9H)0.89(t,J=8.3Hz,2H)1.60(m,2H)2.10(m,2H)2.74(m,2H)2.84(s,3H)3.58(m,2H)3.66(t,J=8.3Hz,2H)4.44(m,1H)5.33(d,J=11.0Hz,1H)5.64(s,2H)5.87(d,J=17.7Hz,1H)6.47(d,J=7.8Hz,1H)6.83(dd,J=17.7,11.0Hz,1H)7.33(t,J=7.8Hz,2H)7.42(broad s,1H)7.64(m,1H)8.02(dd,J=8.3,1.5Hz,1H)8.31(d,J=8.3Hz,1H)。
【0093】
工程3:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、DCM8ml中の92mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−ビニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.9mlのTFAを添加し、この混合物をRTで2時間撹拌する。混合物をRPの下で濃縮し、得られる固体を30mlの水および1.5mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。生成物をAcOEtで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをDCM/メタノール混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで14mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−7−ビニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色固体)が得られる。MS(E/I):m/z=483(M+);H NMR:1.67(m,2H)2.11(m,2H)2.87(s,3H)2.90(m,2H)3.56(m,2H)3.79(m,1H)5.37(d,J=11.2Hz,1H)5.94(d,J=17.6Hz,1H)6.01(broad d,J=8.3Hz,1H)6.87(dd,J=17.6,11.2Hz,1H)7.32(t,J=7.8Hz,2H)7.53(broad s,1H)7.67(m,1H)8.17(broad d,J=8.8Hz,1H)8.39(d,J=8.8Hz,1H)12.73(s,1H)。
【0094】
実施例6 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン
工程1:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、DMF10ml中の4.2gの2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノンおよび3.6gのカリウムフタルイミドを投入する。この混合物をRTで4時間撹拌し、形成された沈殿をガラスフリットで濾別し、50mlのイソプロピルエーテルで3回洗浄する。これで、RPの下での乾燥の後、5gの2−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]イソインドール−1,3−ジオン(白色固体)が得られ、これをそのまま次の工程において用いる。融点(Kofler):140℃;MS(E/I):m/z=283(M+);H NMR:5.25(s,2H)7.44(t,J=9.0Hz,2H)7.85−8.00(m,4H)8.19(dd,J=9.8,5.4Hz,2H)。
【0095】
工程2:頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁および磁気撹拌器を備える100ml丸底フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール25ml中の5gの2−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]イソインドール−1,3−ジオンを投入する。この混合物を還流温度で15時間加熱した後、氷浴を用いて0℃に冷却する。形成された沈殿を吸引しながらガラスフリットで濾別し、50mlのイソプロピルエーテルで2回洗浄した後、50mlのイソプロピルエーテルで2回清澄洗浄(撹拌なしのケークの洗浄)する。RPの下で乾燥させることで、2−[2−ジメチルアミノ−1−(4−フルオロベンゾイル)−ビニル]イソインドール−1,3−ジオンのEおよびZ異性体の混合物(オレンジ・イエローの固体)4.5gが得られる。融点(Kofler):228℃;MS(E/I):m/z=338(M+);H NMR:2.94(broad m,6H)7.25(t,J=9.0Hz,2H)7.46−7.57(m,3H)7.86−8.00(m,4H)。
【0096】
工程3:実効磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する濃縮器を備える1l丸底フラスコに、RTで、エタノール30ml中の4.5gの2−[2−ジメチルアミノ−1−(4−フルオロベンゾイル)ビニル]インドール−1,3−ジオンを投入するこれで褐色懸濁液が得られ、これをエタノール20ml中の1.62mlのヒドラジン水和物と混合する。この懸濁液を還流温度まで加熱する。30分の加熱の後、混合物は濃厚であるように観察することができ、レモンイエロー色を呈する。懸濁液を還流温度で3時間撹拌した後、この混合物をRTにする。不溶物をフリットで濾別し、2×20mlのイソプロピルエーテルで洗浄する。濾液を濃縮乾固し、6gのベージュの固体を得る。この粗製混合物を50mlの水および20mlの2M塩酸と混合する。50mlのAcOEtを添加し、不溶物を濾別する。水相を分離し、3×15mlのAcOEtに溶解する。2M水酸化ナトリウムを添加することによって水相を11のpHまで塩基性化した後、3×20mlの酢酸エチルで抽出する。中性pHが得られるまで有機相を水で洗浄する。これをAcOEtで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、濃縮乾固する。これで1.93gの3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(モーブ色の油)が得られる。MS(E/I):m/z=177(M+);H NMR:このバッチでは互変異性体の混合物が観察され、すべての吸収がブロードである:3.69−4.15(m,2H)7.09−7.34(m,3H)7.51−8.08(m,2H)12.10−12.50(m,1H)。
【0097】
工程4:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える丸底フラスコに、DCM20mlおよびピリジン15ml中の1.93gの3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミンを投入する。この混合物を氷浴を用いて0℃に冷却し、1.7mlの塩化2,6−ジフルオロ安息香酸を添加する。3時間にわたって温度を室温まで徐々に上昇させる。RPの下で溶媒を蒸発させた後、この粗製反応混合物に水を添加し、次いで水相をAcOEtで抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させる。次にAcOEtを真空下で蒸発させて2,6−ジフルオロ−N−[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミドおよびN−[1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,6−ジフルオロベンズアミドの混合物3gをベージュの固体の形態で得、これをそのまま用いる。この粗製反応生成物を処理して期待される生成物だけを得る:丸底フラスコ内で、6−ジフルオロ−N−[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミドおよびN−[1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,6−ジフルオロベンズアミドの混合物3gを、RTおよびアルゴンの下で、20mlのメタノールおよび12mlのテトラヒドロフランに溶解した後、6mlの5N水酸化ナトリウム水溶液を添加する。RTで1時間後、この混合物を6mlの5N塩酸に注ぎ入れる。これをAcOEtで抽出して有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させた後、RPの下で濃縮する。これで2.6gの2,6−ジフルオロ−N−[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミド(クリーム色の固体)が得られる。MS(E/I):m/z=317(M+);H NMR:7.21(t,J=7.8Hz,2H)7.26(broad m,2H)7.56(m,1H)7.73(broad m,2H)8.02(broad m,1H)10.21(s,1H)12.95−13.29(broad m,1H);融点=112℃。
【0098】
工程5:磁気撹拌機および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、2.6gの2,6−ジフルオロ−N−[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミド、60mlの二塩化フェニルホスフィンおよび17.5gの五酸化リンを投入する。165℃で23時間の加熱の後、この混合物をRTに冷却し、次いで260mlの水および400gの氷の混合物に注ぎ入れる。温度を40℃まで上昇させる。120mlの28%アンモニア水を徐々に添加することによって混合物を中和する。これをAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させた後、RPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で99/1)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、680mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(クリーム色の固体)を得る。MS(E/I):m/z=299(M+);H NMR:7.34(t,J=7.8Hz,2H)7.38(broad m,1H)7.70(m,1H)7.96(broad t,J=9.1Hz,1H)8.48(broad s,1H)8.63(dd,J=9.1,5.6Hz,1H)14.29(broad s,1H)。
【0099】
工程6:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DMF10ml中の680mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン、0.21mlの臭素および344mgのKOHを投入する。RTで5時間後、この混合物を氷水に注ぎ入れる。水相を3×150mlのAcOEtで抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、RPの下で蒸発させる。これで770mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色固体)が得られ、これをそのまま次の工程に用いる。MS(E/I):m/z=378(M+);H NMR:7.38(t,J=8.1Hz,2H)7.45(broad d,J=9.2Hz,1H)7.74(m,1H)8.03(broad td,J=9.2,2.9Hz,1H)8.63(dd,J=9.2,5.4Hz,1H)14.69(broad m,1H)。
【0100】
工程7:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、DMF15ml中の770mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン、2.5mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.76mlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを投入する。RTで5時間後、この混合物を8体積の氷水に注ぎ入れる。水相を200mlのAcOEtで3回抽出し、有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させてRPの下で濃縮する。これで520mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(オレンジ色の固体)が得られる。MS(E/I):m/z=508(M+);H NMR:0.12(s,9H)0.85(t,J=7.9Hz,2H)3.64(t,J=7.9Hz,2H)6.13(s,2H)7.39(t,J=7.8Hz,2H)7.51(dd,J=9.2,2.7Hz,1H)7.75(m,1H)8.06(td,J=9.2;2.7Hz,1H)8.71(dd,J=9.2.5.4Hz,1H)。
【0101】
工程8:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、1,4−ジオキサン14ml中の520mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。アルゴンを10分間泡立てた後、225mgの1−メタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、780mgの炭酸セシウム、92mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび40mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で5時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをDCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、94mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=605(M+);H NMR:−0.13(s,9H)0.84(m,2H)1.69(m,2H)2.10(m,2H)2.88(s,3H)2.90(partially masked m,2H)3.57(m,2H)3.62(m,2H)3.77(m,1H)5.89(s,2H)6.28(d,J=8.3Hz,1H)7.28−7.40(m,3H)7.69(m,1H)7.91(td,J=9.0,2.9Hz,1H)8.60(dd,J=9.0,5.4Hz,1H)。
【0102】
工程9:頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える丸底フラスコに、DCM10ml中の95mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.173mlのTFAを添加し、この混合物をRTで20時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を30mlの水および2mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。生成物をAcOEtで抽出し、MgSO4で脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、6mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=475(M+);H NMR:1.67(m,2H)2.10(m,2H)2.87(s,3H)2.90(m,2H)3.56(m,2H)3.79(m,1H)6.08(d,J=8.3Hz,1H)7.29(m,1H)7.33(t,J=7.8Hz,2H)7.68(m,1H)7.88(broad t,J=9.3Hz,1H)8.50(dd,J=9.3,5.4Hz,1H)12.80(s,1H)
【0103】
実施例7 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−7−エチニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン
工程1:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える150ml丸底フラスコに、DMF24ml中の1.2gの、実施例6の工程1において調製される3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン、3mlのジイソプロピルエチルアミンおよび0.92mlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを投入する。この混合物をRTで24時間撹拌した後、水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。これで1.52g粗製生成物が得られ、これをDCM/メタノール混合液(体積基準で99.5/0.5)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーによって精製し、一方で、832mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを白色固体の形態、MS(E/I):m/z=616(M+)で得、他方で、526mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−7−ヨード−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄土色の油)を得、これをそのまま次の工程において用いる。MS(E/I):m/z=616(M+)。
【0104】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える10ml丸底フラスコに、DMF1.5ml中の263mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7−ヨード−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン、次いで1.5mlのトリエチルアミンを投入する。混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、30mgの二塩化ビス(トリフェニルホスフィン(triphenylphosphene))パラジウム(II)、8.7mgのヨウ化銅(I)および118μlのエチニルトリメチルシランを添加する。この混合物をRTで2時間撹拌した後、水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で99.5/0.5)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、140mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7−トリメチルシラニルエチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(クリーム色の固体)を得る。MS(E/I):m/z=586(M+)1H NMR:−0.05(s,9H)0.23(s,9H)0.89(m,2H)3.72(m,2H)5.88(s,2H)7.4(t,J=8.1Hz,2H)7.6(broad s,1H)7.75(m,1H)8.01(dd,J=8.3,1.5Hz,1H)8.52(d,J=8.3Hz,1H)。
【0105】
工程3:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、1,4−ジオキサン5ml中の79mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7−トリメチルシラニルエチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。反応混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、81mgの1−メタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、282gの炭酸セシウム、16mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび5mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で5時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、54mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−トリメチルシラニルエチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを黄色固体として得る。MS(E/I):m/z=683(M+)。
【0106】
工程4:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、THF5ml中の74mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−トリメチルシラニルエチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入して0.22cmのフッ化テトラブチルアンモニウムを添加し、この混合物をRTで30分間撹拌する。これを水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で85/15)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、47mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−エチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(レモンイエローの固体)を得る。MS(E/I):m/z=611(M+)。
【0107】
工程5:頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、DCM4ml中の47mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−エチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.47mlのTFAを添加し、この混合物をRTで3時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を25mlの水および0.75mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。これをAcOEtで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で92.5/7.5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで6mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−7−エチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色固体)が得られる。MS(E/I):m/z=481(M+);H NMR:1.66(m,2H)2.11(m,2H)2.87(s,3H)2.91(m,2H)3.56(m,2H)3.79(m,1H)4.37(s,1H)6.10(d,J=8.3Hz,1H)7.34(t,J=7.9Hz,2H)7.65(broad s,1H)7.69(m,1H)7.97(broad d,J=8.3Hz,1H)8.42(d,J=8.3Hz,1H)12.88(broad s,1H)。
【0108】
実施例8 メチル 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレート
工程1:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える250ml三首フラスコに、THF120mlおよびDMF3ml中の4gの、実施例1の工程6において調製される5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。この混合物を氷浴を用いて0℃に冷却した後、952mgの水素化ナトリウム(60%)を添加する。0℃で15分後、1.3mlの塩化ジメチルスルファモイルを添加する。RTで16時間後、混合物を300mlの水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出する。有機相をMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。得られる固体をジイソプロピルエーテル中で摩砕する。不溶性物質をRPの下で濾別して真空下で乾燥させ、2.94gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−N,N−ジメチル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホンアミド(ベージュ色の固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:515(+)=(M+H)(+)。
【0109】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、DMF90ml中の2.94gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ヨード−N,N−ジメチル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホンアミドを投入する。アルゴンを10分間泡立てた後、1.81gのトリブチルビニルスタンナンおよび331mgのトリフェニルホスフィンパラジウム(0)を添加する。混合物を還流温度で3時間加熱し、冷却後、この混合物を水に注ぎ入れて酢酸エチルで抽出する。有機相をMgSOで脱水させ、RPの下で蒸発乾固させる。これで2.36gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−エテニル−N,N−ジメチル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホンアミド(褐色固体)が得られる。この生成物をそのまま用いる。LC−MS−DAD−ELSD:415(+)=(M+H)(+)。
【0110】
工程3:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える250ml丸底フラスコに、THF30ml中の2.36gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−エテニル−N,N−ジメチル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホンアミドを投入した後、23mlの水、30mlのtert−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール中に2.5%の四酸化オスミウムの溶液2.14mlおよび5.04gの過ヨウ素酸ナトリウムを添加する。この混合物をRTで4時間撹拌した後、100mlの水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RP下で濃縮する。この粗製生成物をDCMで溶出するシリカゲル(15−40μm)でのクロマトグラフィーによって精製し、1.92gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ホルミル−N,N−ジメチル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホンアミド(ベージュの固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:417(+)=(M+H)(+)。
【0111】
工程4:250ml丸底フラスコにアセトン124ml中の1.41gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ホルミル−N,N−ジメチル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−1−スルホンアミドを投入する。水62ml中の1.07gの過マンガン酸カリウムを添加する。RTで1時間後、アセトンを蒸発させ、次いで5N塩酸を添加することによってこの混合物を1のpHまで酸性化する。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮し、1.46gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(ジメチルスルファモイル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸(黄色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:433(+)=(M+H)(+)。
【0112】
工程5:250ml丸底フラスコにDCM100ml中の1.46gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(ジメチルスルファモイル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸を投入した後、20mlのTFAを添加する。この混合物をRTで16時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を30mlの飽和NaHCO水溶液に溶解して30mlのAcOEtで3回抽出する。37%HClを添加することによって水相を1のpHまで酸性化し、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮し、927mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸(ベージュの固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:326(+)=(M+H)(+)。
【0113】
工程6:100ml丸底フラスコに、DMF20ml中の605mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸を投入する。334mgの水酸化カリウム、次いで595mgの臭素を添加し、この混合物をRTで1時間撹拌する。これを100mlの水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮して1.2gのオレンジ色の油を得、これをDCM/メタノールの混合液(体積基準で80/20)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、562mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸(白色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:406(+)=(M+H)(+)。
【0114】
工程7:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える25ml三首フラスコに、DMF11ml中の562mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸、1.38mlのジイソプロピルエチルアミンおよび740μlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを投入する。RTで2時間後、反応混合物を100mlの水に注ぎ入れる。水相を100mlのAcOEtで3回抽出し、有機相を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させてRPの下で濃縮する。この粗製生成物をシクロヘキサン/DCM混合液(体積基準で50/50)、次いでDCMで溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸および3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸の混合物(淡黄色油)502mgを得る。LC−MS−DAD−ELSD:665(+)=(M+H)(+)。
【0115】
工程8:磁気撹拌器を備える25ml丸底フラスコに、メタノール10mlおよび2N水酸化ナトリウム溶液1ml中の500mgの、工程7において得られる3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸および3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボン酸の混合物を投入する。RTで5分後、この混合物を10mlのAcOEtおよび5mlの水に注ぎ入れる。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで脱水させてRPの下で濃縮し、メチル3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートおよびメチル3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートの混合物(ベージュの固体)336mgを得る。LC−MS−DAD−ELSD:549(+)=(M+H)(+)。
【0116】
工程9:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える25ml三首フラスコに、1,4−ジオキサン3ml中の113mgの、工程8において得られるメチル3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートおよびメチル3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートの混合物を投入する。混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、37mgの1−メタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、255mgの炭酸セシウム、18mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび5mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を110℃で4時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM、次いでDCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で80/20)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、メチル 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートおよびメチル 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートの混合物(黄色固体)46mgを得る。LC−MS−DAD−ELSD:646(+)=(M+H)(+)。
【0117】
工程10:磁気撹拌器を備える25ml丸底フラスコに、DCM5ml中の46mgの、工程9において得られるメチル 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートおよびメチル 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレートの混合物を投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.5mlのTFAを添加し、この混合物をRTで18時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を20mlの水に溶解して20mlのAcOEtで3回抽出する。有機相をMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。この生成物をDCM、次いでDCM/AcOEtの混合液(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、12mgのメチル 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレート(黄色固体)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.67(m,2H)2.11(m,2H)2.88(s,3H)2.92(m,2H)3.56(m,2H)3.80(m,1H)3.87(s,3H)6.16(d,J=7.7Hz,1H)7.37(m,2H)7.71(m,1H)8.23(broad s,1H)8.42(broad d,J=8.5Hz,1H)8.54(d,J=8.5Hz,1H)13.01(s,1H)。LC−MS−DAD−ELSD:516(+)=(M+H)(+)。
【0118】
実施例9 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボチオアミド
5mlの容量を有するマイクロ波管にメタノール2ml中の、実施例12において調製される、45mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルおよび硫化アンモニウムの20%水溶液0.2mlを投入する。この混合物を100℃で20分間マイクロ波加熱(出力は100ワットに設定)した後、50mlの水に注ぎ入れてAcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。得られる固体をジイソプロピルエーテル中で摩砕する。不溶物をRPの下で濾別して真空下で乾燥させ、36mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボチオアミド(黄色固体)を得る。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.66(m,2H)2.11(m,2H)2.88(s,3H)2.90(m,2H)3.56(m,2H)3.79(m,1H)6.10(d,J=8.3Hz,1H)7.33(t,J=7.8Hz,2H)7.68(m,1H)8.18(broad s,1H)8.34(dd,J=8.3,1.5Hz,1H)8.40(d,J=8.3Hz,1H)9.74(broad s,1H)10.01(broad s,1H)12.87(broad m,1H)LC−MS−DAD−ELSD:517(+)=(M+H)(+)。
【0119】
実施例10 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン
工程1:磁気撹拌器を備える250ml丸底フラスコに、DMF120ml中の30gの2−クロロアセトフェノンおよび36.3gのカリウムフタルイミドを投入する。RTで4時間後、この混合物を真空下で濃縮する。得られる固体を120mlのDCMおよび1水酸化ナトリウム溶液100mlに溶解する。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、真空下で濃縮する。得られる固体をジイソプロピルエーテル中で摩砕する。不溶物を濾過して真空下で乾燥させ、42.6gの2−(2−オキソ−2−フェニルエチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンをベージュの固体の形態で得、これをそのまま次の工程において用いる。
【0120】
工程2:磁気撹拌器を備える100ml丸底フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール105ml中の42.4gの2−(2−オキソ−2−フェニルエチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)ジオンを投入する。この混合物を還流温度で3時間加熱した後、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM、次いでDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で90/10)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、2−[1−(ジメチルアミノ)−3−オキソ−3−フェニルプロプ−1−エン−2−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)ジオンのEおよびZ異性体の混合物40.69gをクリーム色の固体の形態で得る。LC−MS−DAD−ELSD:321(+)=(M+H)(+)。
【0121】
工程3:250ml丸底フラスコに、RTで、エタノール75ml中の20.5gの2−[1−(ジメチルアミノ)−3−オキソ−3−フェニルプロプ−1−エン−2−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)ジオンのEおよびZ異性体の混合物を投入する。7.8mlのヒドラジン水和物を添加する。この懸濁液をRTで1時間30分撹拌した後、還流温度まで加熱する。1時間30分の加熱の後、混合物の濃厚化を観察することができ、これは黄色を呈する。懸濁液を吸引しながらフリットで熱いまま濾別し、沈殿をエタノールで洗浄する。濾液をRPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびDCM/メタノール混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、9.45gの5−フェニル−1H−ピラゾール−4−アミン(褐色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:163(+)=(M+H)(+)。
【0122】
工程4:磁気撹拌器を備える250ml丸底フラスコに、DCM45mlおよびピリジン45ml中の10gの5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イルアミンを投入する。この反応混合物を氷浴を用いて0℃に冷却し、17.4mlの塩化2,6−ジフルオロ安息香酸を添加する。混合物をRTで3時間撹拌する。RPの下で溶媒を蒸発させた後、50mlの水を粗製反応生成物に添加し、次いで水相を50mlのAcOEtで2回抽出する。有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させる。次に、AcOEtを真空下で蒸発させ、2,6−ジフルオロ−N−[5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミドおよびN−[1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−2,6−ジフルオロベンズアミドの混合物を褐色油の形態で得る。この粗製反応生成物を処理して期待される生成物だけを得る:250ml丸底フラスコ内で、2,6−ジフルオロ−N−[5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミドおよびN−[1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−2,6−ジフルオロベンズアミドの混合物を、RTおよびアルゴンの下で、20mlのメタノールおよび20mlの5N水酸化ナトリウム水溶液に溶解する。RTで30分後、混合物を50mlの水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させた後、RPの下で濃縮する。これで粗製生成物が得られ、これをDCMに懸濁させてDCMの還流温度で15分間撹拌する。氷浴を用いて冷却した後、沈殿を吸引しながらフリットで濾別し、氷冷DCMで2回洗浄する。これで7.7gの2,6−ジフルオロ−N−(5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンズアミド(黄土色固体)が得られる。LC−MS−DAD−ELSD:300(+)=(M+H)(+)。
【0123】
工程5:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える500ml三首フラスコに、12.5gの2,6−ジフルオロ−N−(5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンズアミド、218mlのオキシ塩化リンおよび68.2gのPを投入する。還流温度で30分後、混合物が固化する。20mlのオキシ塩化リンを添加する。5時間の還流の後、反応混合物をRTに冷却し、次いで、温度を40℃未満に維持しながら、2lの氷水に徐々に注ぎ入れる。炭酸カリウムを徐々に添加することによって中和を行い、500mlのAcOEtで抽出を3回行う。有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させた後、RPの下で濃縮する。得られる固体を、DCM、次いでDCM/AcOEt混合液(体積基準で80/20)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで6.4gの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色フォーム)が得られる。LC−MS−DAD−ELSD:282(+)=(M+H)(+)。
【0124】
工程6:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、DMF25ml中の700mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。447mgのKOH、次いで0.26mlの臭素、447mgのKOHを添加する。RTで1時間後、この混合物を100mlの氷水に注ぎ入れる。水相を100mlのAcOEtで3回抽出する。有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させてRPの下で蒸発させる。これで950mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(オレンジ色の固体)が得られる。この生成物をそのまま次の工程において用いる。LC−MS−DAD−ELSD:362(+)=(M+H)(+)。
【0125】
工程7:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える50ml丸底フラスコに、DMF20ml中の890mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノロン、2.46mlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび658μlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを投入する。RTで16時間後、この混合物を50mlの氷水に注ぎ入れる。水相を50mlのAcOEtで3回抽出し、有機抽出物を合わせて飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させてRPの下で濃縮する。この生成物をシクロヘキサンおよびDCMの混合液(体積基準で80/20)、次いで(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、一方で、498mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを白色ゴムの形態、LC−MS−DAD−ELSD:492(+)=(M+H)(+)で、および、他方で、200mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(白色ゴム)、LC−MS−DAD−ELSD:492(+)=(M+H)(+)を得る。
【0126】
工程8:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える25ml三首フラスコに、1,4−ジオキサン6ml中の200mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。反応混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、73mgの1−メタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、505mgの炭酸セシウム、36mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび10mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を120℃で2時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をシクロヘキサンおよびAcOEtの混合液(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、71mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色ゴム)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:588(+)=(M+H)(+)。
【0127】
工程9:10ml丸底フラスコに、DCM3ml中の71mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.3mlのTFAを添加し、この反応混合物をRTで16時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を20mlの水に溶解して20mlのAcOEtで3回抽出する。有機相をMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。この生成物をDCM並びにDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、9mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(ベージュの固体)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.67(m,2H)2.11(m,2H)2,88(s,3H)2.90(m,2H)3.56(m,2H)3.79(broad s,1H)6.04(broad m,1H)7.32(m,2H)7.52−7.74(m,3H)7.92(m,1H)8.40(d,1H)12.76(broad s,1H);LC−MS−DAD−ELSD:458(+)=(M+H)(+)。
【0128】
実施例11 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル
工程1:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える25ml三首フラスコに、1,4−ジオキサン4ml中の150mgの、実施例1の工程11において調製される3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、60mgの1−シクロプロピルスルホニルピペリジン−4−イルアミン、361mgの炭酸セシウム、25mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび7mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を120℃で2時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RP下で濃縮する。この生成物をシクロヘキサンおよびAcOEtの混合液(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、57mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)。LC−MS−DAD−ELSD:639(+)=(M+H)(+)。
【0129】
工程2:磁気撹拌器を備える10ml丸底フラスコに、DCM5ml中の57mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.3mlのTFAを添加し、この混合物をRTで3時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を20mlの水に溶解して20mlのAcOEtで3回抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をシクロヘキサンおよびAcOEtの混合液(体積基準で80/20)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、16mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 0.89−1.04(m,4H)1.67(m,2H)2.10(m,2H)2.58(m,1H)3.00(m,2H)3.62(m,2H)3.82(m,1H)6.21(d,J=7.8Hz,1H)7.34(t,J=7.8Hz,2H)7.70(m,1H),8.19(broad s,1H)8.27(dd,J=8.5,1.5Hz,1H)8.56(d,J=8.5Hz,1H)13.07(s,1H)LC−MS−DAD−ELSD:509(+)=(M+H)(+)。
【0130】
実施例12 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル
工程1:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える25ml三首フラスコに、1,4−ジオキサン12ml中の525mgの、実施例1の工程11において調製される3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。反応混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、294mgの1−メチルスルホニルピペリジン−4−イルアミン、1.26gの炭酸セシウム、89mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび23mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この反応混合物を120℃で2時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をシクロヘキサン/AcOEt混合液(体積基準で80/20)、次いで(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、470mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:613(+)=(M+H)(+)。
【0131】
工程2:磁気撹拌器を備える最大容量20mlのマイクロ波管に、5N塩酸12ml中の300mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。この反応混合物を100℃で5分間マイクロ波加熱した後、20mlの水に注ぎ入れ、9.3N水酸化ナトリウム溶液を添加することによって7のpHとし、20mlのAcOEtで3回抽出する。合わせた有機相をMgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、180mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)1.67(m,2H)2.11(m,2H)2.87(s,3H)2.90(m,2H)3.56(m,2H)3.80(m,1H)6.20(broad d,J=7.7Hz,1H)7.34(m,2H)7.70(m,1H)8.18(broad s,1H)8.28(broad d,J=8.6Hz,1H)8.56(d,J=8.6Hz,1H)13.07(s,1H)LC−MS−DAD−ELSD:483(+)=(M+H)(+)。
【0132】
実施例13 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル
工程1:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える25ml三首フラスコに、1,4−ジオキサン4ml中の150mgの、実施例1の工程11において調製される3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。反応混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、56mgの1−エチルスルホニルピペリジン−4−イルアミン、361mgの炭酸セシウム、25mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび7mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を120℃で2時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をシクロヘキサン/AcOEt混合液(体積基準で80/20)、次いで(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、60mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:627(+)=(M+H)(+)。
【0133】
工程2:磁気撹拌器を備える10ml丸底フラスコに、DCM5ml中の50mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.1mlのTFAを添加し、この混合物をRTで3時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を20mlの水に溶解して20mlのAcOEtで3回抽出する。合わせた有機相をMgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM並びにDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で90/10)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、27mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)1.23(t,J=7.3Hz,3H)1.63(m,2H)2.09(m,2H)2.97(m,2H)3.05(q,J=7.3Hz,2H)3.61(m,2H)3.81(m,1H)6.23(broad m,1H)7.34(t,J=7.8Hz,2H)7.70(m,1H)8.18(broad s,1H)8.27(broad d,J=8.5Hz,1H)8.56(d,J=8.5Hz,1H)13.07(broad s,1H)LC−MS−DAD−ELSD:497(+)=(M+H)(+)。
【0134】
実施例14 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド
10ml丸底フラスコに、29.7mgの、実施例11において調製される、5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル、1.3mlのエタノールおよび125μLの9.3N水酸化ナトリウムを投入する。還流温度で30分後、この混合物をRPの下で濃縮し、得られる固体を10mlの水に溶解して10mlのAcOEtで3回抽出する。合わせた有機相をMgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮して17mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド(黄色固体)を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 0.89−1.02(m,4H)1.67(m,2H)2.11(m,2H)2.58(m,1H)3.00(m,2H)3.63(m,2H)3.80(m,1H)6.09(d,J=7.3Hz,1H)7.35(d,J=7.8Hz,2H)7.56(broad s,1H)7.68(m,1H)8.17(broad s,1H)8.23(broad s,1H)8.35(broad d,J=8.5Hz,1H)8.45(d,J=8.5Hz,1H)12.87(s,1H)LC−MS−DAD−ELSD:527(+)=(M+H)(+)。
【0135】
実施例15 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド
10ml丸底フラスコに、DCM5ml中の54mgの、実施例2の工程5において調製される、5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.3mlのTFAを添加し、この混合物をRTで16時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を5mlの飽和NaHCO水溶液に溶解する。これをAcOEtで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/AcOEtの混合液(体積基準で50/50)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで9mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド(黄色固体)が得られる。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.68(m,2H)2.11(m,2H)2.88(s,3H)2.90(m,2H)3.57(m,2H)3.81(m,1H)6.16(broad m,1H)7.36(t,J=7.8Hz,2H)7.71(m,1H)8.23(broad s,1H)8.34(broad d,J=8.5Hz,1H)8.57(d,J=8.2Hz,1H)10.10(s,1H)13.02(broad s,1H)。LC−MS−DAD−ELSD:486(+)=(M+H)(+)。
【0136】
実施例16 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−ヒドロキシ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボイミドアミド
10ml丸底フラスコに、30mgの、実施例12において調製される、5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル、1.3mlのメタノール、0.8mlのTHFおよび62mgのトリエチルアミンを投入する。塩酸塩としてのヒドロキシルアミン44mgを添加する。この混合物を65℃で3時間加熱した後、RPの下で蒸発させる。得られる固体を10mlの水に溶解し、AcOEtで抽出する。有機相をMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。これをDCM、次いでDCM/メタノール混合液(体積基準で80/20)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、9.7mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−ヒドロキシ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボイミドアミドを黄色固体の形態で得る。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δppm 1.67(m,2H)2.11(m,2H)2.91(m,2H)2.87(s,3H)3.56(m,2H)3.79(m,1H)5.95(broad s,2H)6.03(d,J=7.9Hz,1H)7.31(m,2H)7.66(m,1H)7.95(broad s,1H)8.18(dd,J=8.5,1,6Hz,1H)8.39(d,J=8.5Hz,1H)9.82(s,1H)12.76(s,1H)。LC−MS−DAD−ELSD:516(+)=(M+H)(+)。
【0137】
実施例17 [5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(フルオロメチル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン
工程1:377mgの、実施例3の工程1において調製される[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノールおよび7mlのDCMから出発。この混合物をドライアイス浴を用いて−70℃に冷却し、88μLの三フッ化ジエチルアミノイオウ(DAST)と混合する。30分後、混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/AcOEt混合液(体積基準で85/15)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、90mgの[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(フルオロメチル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=619(M+);H NMR:−0.05(s,9H)0.88(m,2H)1.60(m,2H)2.10(m,2H)2.74(m,2H)2.84(s,3H)3.58(m,2H)3.66(m,2H)4.44(broad m,1H)5.58(d,J=47.4Hz,2H)5.65(s,2H)6.48(d,J=7.6 Hz,1H)7.33(t,J=7.5Hz,2H)7.52(broad s,1H)7.64(m,1H)7.82(broad d,J=8.1Hz,1H)8.38(d,J=8.1Hz,1H)。
【0138】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える30ml丸底フラスコに、DCM7ml中の87mgの[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(フルオロメチル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミンを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.85mlのTFAを添加し、この混合物をRTで3時間撹拌する。混合物をRPの下で濃縮し、得られる固体を24mlの水および1.1mlの0.75Mアンモニア水溶液に溶解する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/MeOH混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで27mgの[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(フルオロメチル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン(黄色固体)が得られる。H NMR:1.67(m,2H)2.11(m,2H)2.87(s,3H)2.90(m,2H)3.56(m,2H)3.80(broad m,1H)5.58(d,J=47.2Hz,2H)6.05(broad d,J=8.0Hz,1H)7.33(t,J=7.7Hz,2H)7.57−7.73(m,2H)7.95(broad d,J=8.3Hz,1H)8.45(d,J=8.3Hz,1H)12.81(s,1H)。
【0139】
実施例18 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド
工程1:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える100ml丸底フラスコに、1,4−ジオキサン15ml中の600mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。反応混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、448mgの1−エタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、1.4gの炭酸セシウム、80mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび26mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で4時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびAcOEtの混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、436mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。MS(E/I):m/z=626(M+);H NMR:−0.06(s,9H);0.88(m,2H);1.18(t,J=7.3Hz,3H);1.58(m,2H);2.07(m,2H);2.82(m,2H);3.03(q,J=7.3Hz,2H);3.56−3.70(m,4H);4.47(m,1H);5.67(s,2H);6.69(d,J=8.1Hz,1H);7.33(t,J=7.8Hz,2H);7.66(m,1H);7.96(d,J=1.7Hz,1H);8.13(dd,J=8.3 and 1.7Hz,1H);8.47(d,J=8.3Hz,1H)。
【0140】
工程2:磁気撹拌器および頂部積載アルゴン取り込み口を有する隔壁を備える100ml丸底フラスコに、トルエン4ml中の396mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを投入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.64mlの95%硫酸を添加し、この混合物をRTで15時間撹拌する。これを0℃に冷却し、9mlの7.5M NH水溶液で中和する。生成物をAcOEtで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをDCMおよびMeOHの混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで174mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド(黄色固体)が得られる。MS(E/I):m/z=514(M+);H NMR:1.23(t,J=7.4Hz,3H);1.65(m,2H);2.09(m,2H);2.98(m,2H);3.05(q,J=7.4Hz,2H);3.62(m,2H);3.81(m,1H);6.09(d,J=8.3Hz,1H);7.33(m,2H);7.55(broad s,1H);7.68(m,1H);8.17(broad s,1H);8.23(broad s,1H);8.35(broad d,J=8.8Hz,1H);8.45(d,J=8.8Hz,1H);12.85(s,1H)。
【0141】
実施例19 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド
工程1:磁気撹拌器およびアルゴン取り込み口を備える50ml三首フラスコに、1,4−ジオキサン7.8ml中の350mgの、実施例2の工程5において調製される3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドを投入する。195mgの1−エタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、880mgの炭酸セシウム、59mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび15mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で2時間撹拌する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。これをシクロヘキサンおよびAcOEtの混合液(体積基準で75/25)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、195mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド(黄色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD 628=(M−H)(+)。
【0142】
工程2:20mlの最大容量を有するマイクロ波管に195mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドおよび10mlの5N HCl水溶液を投入する。この反応混合物を100℃で20分間マイクロ波加熱した後、水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出する。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびMeOHの混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで90mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドが黄色フォームの形態で得られる。H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 1.23(t,J=7.4Hz,3H)1.64(m,2H)2.10(m,2H)2.98(m,2H)3.05(q,J=7.4Hz,2H)3.62(m,2H)3.83(m,1H)6.18(d,J=7.7Hz,1H)7.36(t,J=7.8Hz,2H)7.71(m,1H)8.24(broad s,1H)8.34(broad d,J=8.4Hz,1H)8.57(d,J=8.4Hz,1H)10.11(s,1H)13.02(s,1H)。[M+H]+m/z=500。
【0143】
実施例20 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシム
25ml丸底フラスコに、ピリジン2ml中の30mgの、実施例19において調製される5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドを投入する。7mgの、塩酸塩としてのヒドロキシルアミンを添加する。RTで1時間後、この混合物をRPの下で蒸発させる。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、22mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシム(黄色固体)を得る。H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm EまたはZ異性を伴う:1.23(t,J=7.4Hz,3H)1.63(m,2H)2.09(m,2H)2.97(m,2H)3.05(q,J=7.4Hz,2H)3.61(m,2H)3.80(m,1H)6.08(broad m,1H)7.33(m,2H)7.66(m,1H)7.86(broad s,1H)8.14(broad d,J=8.3Hz,1H)8.30(s,1H)8.41(d,J=8.3Hz,1H)11.45(broad m,1H)12.82(broad m,1H)。[M+H]+m/z=515。
【0144】
実施例21 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノール
25ml丸底フラスコに、メタノール2ml中の30mgの、実施例19において調製される5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドを投入する。この混合物を5℃に冷却し、12mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加する。5℃で30分後、混合物をRPの下で蒸発させる。得られる固体を10mlの0.5M HCl水溶液に溶解する。これをAcOEtで抽出し、有機相をMgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で95/5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、12mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノール(黄色固体)を得る。H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 1.23(t,J=7.3Hz,3H)1.62(m,2H)2.09(m,2H)2.97(m,2H)3.05(q,J=7.3Hz,2H)3.61(m,2H)3.79(m,1H)4.63(d,J=5.5Hz,2H)5.36(t,J=5.5Hz,1H)6.01(d,J=7.8Hz,1H)7.32(m,2H)7.59(broad s,1H)7.66(m,1H)7.83(broad d,J=8.3Hz,1H)8.35(d,J=8.3Hz,1H)12.68(s,1H)。[M+H]+m/z=502。
【0145】
実施例22 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−[(1−スルファモイルピペリジン−4−イル)アミノ]−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド
工程1:707mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリルを17mlの1,4−ジオキサン中に導入する。混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、846mgの4−アミノピペリジン−1−スルホンアミド、2.15gの炭酸セシウム、95mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび30mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で20時間加熱する。冷却後、この混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/EtOH/NH3(MeOH中の7N溶液)混合液(体積基準で90/10/1)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、407mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−(ピペリジン−4−イルアミノ)−2−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル(黄色固体)を得る。H NMR:−0.05(broad s,9H)0.88(t,J=7.9Hz,2H)1.39(m,2H)1.93(m,2H)2.08(broad m,1H)2.39(m,2H)2.93(m,2H)3.71(t,J=7.9Hz,2H)4.42(m,1H)5.66(s,2H)6.58(d,J=8.1Hz,1H)7.33(t,J=7.9Hz,2H)7.66(m,1H)7.95(broad s,1H)8.12(broad d,J=8.3Hz,1H)8.46(d,J=8.3Hz,1H)。
【0146】
工程2:375mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−(ピペリジン−4−イルアミノ)−2−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル、2mlのDMEおよび84mgのスルファミドを混合し、150℃で1時間マイクロ波加熱する。溶媒を蒸発させた後、エチルエーテルを添加することによって過剰のスルファミドを沈殿させ、次に吸引しながらフリットで濾過し、濾液をRPの下で濃縮する。これで439mgの4−{[7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド(黄色固体)が得られる。H NMR:−0.05(m,9H)0.88(t,J=7.9Hz,2H)1.61(m,2H)2.09(m,2H)2.53(partially masked m,2H)3.49(m,2H)3.67(t,J=7.9Hz,2H)4.40(m,1H)5.67(s,2H)6.67(d,J=8.1Hz,1H)6.73(s,2H)7.34(t,J=7.9Hz,2H)7.68(m,1H)7.95(d,J=1.5Hz,1H)8.13(dd,J=8.3,1.5Hz,1H)8.47(d,J=8.3Hz,1H)。
【0147】
工程3:54mgの4−{[7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドを0.5mlのトルエン中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、90μlの95%硫酸を添加し、この混合物をRTで24時間撹拌する。これを0℃に冷却し、9mlの7.5Mアンモニア水溶液で中和する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで7mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−[(1−スルファモイルピペリジン−4−イル)アミノ]−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド(黄色固体)が得られる。H NMR:1.67(m,2H)2.11(m,2H)2.67(m,2H)3.47(m,2H)3.71(m,1H)6.01(d,J=8.2Hz,1H)6.70(broad s,2H)7.33(t,J=7.7Hz,2H)7.55(broad s,1H)7.68(m,1H)8.17(broad s,1H)8.22(broad s,1H)8.35(broad d,J=8.5Hz,1H)8.45(d,J=8.5Hz,1H)12.84(s,1H)。
【0148】
実施例23 4−({5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−[(E/Z)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル}アミノ)ピペリジン−1−スルホンアミド
工程1:406mgの、実施例22の工程2において調製される4−{[7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドおよび4mlのトルエンから出発して、3mlのDCMを添加し、この混合物を氷浴を用いて0℃に冷却する。970μlの水素化ジイソブチルアルミニウムを滴下により添加し、この混合物を0℃で2時間撹拌する。これを0.1M水酸化ナトリウムに注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で90/10)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで251mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ホルミル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド(黄色油)が得られ、これをそのまま次の工程において用いる。
【0149】
工程2:250mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ホルミル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドを5mlのトルエン中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、206μlの95%硫酸を添加し、0℃で1時間撹拌を継続する。この混合物を10mlの7.5Mアンモニア水溶液で中和する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/エタノール混合液(体積基準で90/10)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで38mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ホルミル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド(黄色固体)が得られる。H NMR:1.62−1.72(m,2H)2.11(m,2H)2.62−2.71(m,2H)3.47(m,2H)3.67−3.76(m,1H)6.14(broad m,1H)6.73(s,2H)7.36(t,J=7.8Hz,2H)7.67−7.75(m,1H)8.23(broad s,1H)8.34(broad d,J=8.3Hz,1H)8.57(d,J=8.3Hz,1H)10.09(s,1H)13.04(broad s,1H)。
【0150】
工程3:38mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ホルミル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドを2mlのピリジン中に導入した後、9mgの塩酸ヒドロキシルアミンを添加し、この混合物をRTで48時間撹拌する。これをRP下で濃縮し、得られる固体をAcOEtに溶解してリン酸カリウムの1M水溶液、次いで飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/EtOH混合液(体積基準で80/20)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、19mgの4−({5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−[(E/Z)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル}アミノ)ピペリジン−1−スルホンアミド(黄色固体)を得る。H NMR:1.60−1.73(m,2H)2.10(m,2H)2.68(m,2H)3.44−3.53(m,2H)3.70(m,1H)5.97(broad d,J=6.4Hz,1H)6.70(s,2H)7.32(t,J=7.9Hz,2H)7.68(m,1H)7.84(broad s,1H)8.14(broad d,J=8.7Hz,1H)8.29(s,1H)8.41(d,J=8.7Hz,1H)11.42(broad s,1H)12.79(broad s,1H)
【0151】
実施例24 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン
工程1:342mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−7−ヨード−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを13mlの1,4−ジオキサン中に導入する。74mgの4−ピラゾールボロン酸、77mgのPd(PPhおよび165mgの炭酸ナトリウムを添加する。この混合物を還流温度で4時間30分加熱する。冷却後、この混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、136mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(1H−ピラゾール−4−イル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(白色フォーム)を得、これをそのまま次の工程において用いる。
【0152】
工程2:115mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(1H−ピラゾール−4−イル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを2mlのDMF、0.26mlのジイソプロピルエチルアミンおよび77μlの塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチル中に導入する。この反応混合物をRTで18時間撹拌した後、水に注ぎ入れてAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。この生成物をDCMおよびメタノールの混合液(体積基準で98/02)で溶出するシリカゲル(20−45μm)でのクロマトグラフィーによって精製し、116mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−4−イル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン(黄色粉末)を得る。H NMR:−0.01(d,J=5.9Hz,4H)0.82−1.00(m,1H)3.60(t,J=7.8Hz,1H)3.77(t,1H)5.46(s,1H)5.92(s,1H)7.42(t,1H)7.71−7.83(m,1H)8.03(s,1H)8.28(dd,1H)8.43(s,1H)8.58(d,J=8.3Hz,1H)。
【0153】
工程3:110mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−4−イル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを5mlの1,4−ジオキサン中に導入する。混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、57mgの1−メタンスルホニルピペリジン−4−イルアミン、199mgの炭酸セシウム、16mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび5mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で2時間加熱する。冷却後、この混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で97.5/2.5)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、77mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−4−イル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン(黄色フォーム)を得る。H NMR:−0.07(s,9H)−0.02(s,9H)0.84(t,J=8.3Hz,2H)0.90(t,J=8.3Hz,2H)1.56−1.68(m,2H)2.11(m,2H)2.76(m,2H)2.86(s,3H)3.56(t,J=8.3Hz,2H)3.61(m,2H)3.68(t,J=8.3Hz,2H)4.47−4.57(m,1H)5.42(s,2H)5.65(s,2H)6.46(d,J=8.0Hz,1H)7.34(t,J=7.9Hz,2H)7.59(broad s,1H)7.66(m,1H)7.92(s,1H)8.05(dd,J=8.3,1.7Hz,1H)8.31(s,1H)8.34(d,J=8.3Hz,1H)。
【0154】
工程4:73mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾール−4−イル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミンを5mlのDCM中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、0.58mlのTFAを添加し、この混合物をRTで5時間撹拌する。反応混合物をRPの下で濃縮し、得られる固体を23mlの水に溶解して7.5Mアンモニア水溶液で中和する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM、次いでDCM/メタノール混合液(体積基準で90/10)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、5mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン(黄色固体)を得る。H NMR:1.61−1.74(m,2H)2.06−2.16(m,2H)2.87(s,3H)2.89−2.95(m,2H)3.52−3.60(m,2H)3.75−3.84(m,1H)5.98(d,J=8.2Hz,1H)7.31(t,J=8.0Hz,2H)7.65−7.71(m,2H)7.82−7.88(broad m,1H)8.15−8.24(broad m,1H)8.18(broad d,J=8.3Hz,1H)8.40(d,J=8.3Hz,1H)12.66(s,1H)13.05(broad s,1H)。
【0155】
実施例25 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン
工程1:239mgの、実施例7の工程4において調製される、5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7−エチニル−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを4mlのメタノールおよび4mlのDMF中に導入し、208μLのトリメチルシリルアジドおよび15mgのヨウ化銅(I)を添加する。100℃で2時間加熱した後、104μlのトリメチルシリルアジドおよび7mgのヨウ化銅(I)を添加し、100℃での加熱を2時間継続する。冷却後、この混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で95/05)で溶出するシリカゲル(40−63μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、121mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン(黄色フォーム)を得る。H NMR:−0.04(s,9H)0.90(m,2H)1.61(m,2H)2.12(m,2H)2.75(m,2H)2.85(s,3H)3.57(m,2H)3.68(m,2H)4.47(m,1H)5.66(s,2H)6.49(d,J=8.4Hz,1H)7.36(t,J=8.0Hz,2H)7.67(m,1H)8.01(broad s,1H)8.25(broad d,J=8.5Hz,1H)8.41(d,J=8.5Hz,1H)8.43(partially masked broad m,1H)15.28(broad m,1H)。
【0156】
工程2:116mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミンを10mlのDCM中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、1.1mlのTFAを添加し、この混合物をRTで5時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を60mlの水に溶解して7.5Mアンモニア水溶液で中和する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で92.5/7.5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、10mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン(黄色固体)を得る。H NMR:1.62−1.75(m,2H)2.10(m,2H)2.82−2.97(m,5H)3.57(m,2H)3.74−3.86(m,1H)6.04(d,J=8.0Hz,1H)7.35(t,J=8.0Hz,2H)7.63−7.75(m,1H)8.13(broad s,1H)8.39(broad d,J=8.6Hz,1H)8.45(broad m,1H)8.49(d,J=8.6Hz,1H)12.77(s,1H)15.23(broad m,1H)。
【0157】
実施例26 4−{[7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド
306mgの4−{[7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドを20mlのDCM中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、1.5mlのTFAを添加し、この混合物をRTで16時間撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を30mlの水に溶解して2mlの7.5Mアンモニア水溶液で中和する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール/NHOH混合液(体積基準で92.5/7.5/0.75)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで8mgの4−{[7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドが得られる。H NMR:1.61−1.73(m,2H)2.09(m,2H)2.63−2.72(m,2H)3.47(m,2H)3.67−3.76(m,1H)6.13(d,J=7.0Hz,1H)6.70(s,2H)7.34(t,J=7.8Hz,2H)7.65−7.74(m,1H)8.18(broad s,1H)8.28(broad d,J=8.6Hz,1H)8.56(d,J=8.6Hz,1H)13.05(s,1H)。
【0158】
実施例27 4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド
工程1:449mgの、実施例23の工程1において調製される、4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−ホルミル−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドを20mlのメタノール中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、34mgのNaBHを添加し、この混合物を1時間撹拌する。3mlのアセトンを添加した後、混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れる。これをAcOEtで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール/NHOH混合液(体積基準で95/5/0.5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで197mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド(黄色フォーム)が得られる。H NMR:−0.05(s,9H)0.88(t,J=8.3,2H)1.58(m,2H)2.09(m,2H)2.52(partially masked m,2H)3.48(m,2H)3.66(t,J=8.3Hz,2H)4.34−4.43(m,1H)4.58(d,J=5.7Hz,2H)5.38(t,J=5.7Hz,1H)5.62(s,2H)6.39(d,J=8.3Hz,1H)6.70(s,2H)7.30(t,J=7.8Hz,2H)7.43(broad s,1H)7.58−7.67(m,1H)7.70(dd,J=8.3,1.5Hz,1H)8.33(d,J=8.3Hz,1H)。
【0159】
工程2:194mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドを25mlのDCM中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、1.9mlのTFAを添加し、この混合物をRTで2時間30分撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を50mlの水に溶解して2.5mlの7.5Mアンモニア水溶液で中和する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール/NHOH混合液(体積基準で90/10/1)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで28mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドが得られる。H NMR:1.60−1.73(m,2H)2.05−2.16(m,2H)2.62−2.73(m,2H)3.46(d,J=11.2Hz,2H)3.64−3.76(m,1H)4.63(d,J=5.4Hz,2H)5.34(t,J=5.9Hz,1H)5.75(s,1H)5.91(d,1H)6.70(s,2H)7.32(t,2H)7.59(s,1H)7.61−7.71(m,1H)7.84(dd,1H)8.35(d,J=8.3Hz,1H)12.66(s,1H)。
【0160】
実施例28 4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド
工程1
実施例24の工程3の手順を用いて、310mgの3−ブロモ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリンを8mlの1,4−ジオキサン中に導入する。混合物を通してアルゴンを10分間泡立てた後、244mgの2−メチルプロパン−2−イル4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート、755mgの炭酸セシウム、63mgの9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンおよび20mgの酢酸パラジウム(II)を添加する。この混合物を還流温度で3時間加熱する。冷却後、混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール混合液(体積基準で90/10)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、340mgの2−メチルプロパン−2−イル4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート(黄色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:628=(M+H)。
【0161】
工程2:340mgの2−メチルプロパン−2−イル4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレートを16mlのメタノールおよび1.5mlのTHF中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、ジオキサン中の塩酸の4N溶液2.7mlを添加し、この混合物をRTで5時間撹拌する。これを200mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ入れた後、酢酸エチルで抽出してMgSOで脱水させ、濾過してRPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール/アンモニア水混合液(体積基準で90/10/1)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、180mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−N−(ピペリジン−4−イル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン(黄色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:528=(M+H)。
【0162】
工程3:180mgの5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−N−(ピペリジン−4−イル)−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン、2mlのDMEおよび41mgのスルファミドを混合し、150℃で1時間マイクロ波加熱する。この混合物を水に注ぎ入れ、AcOEtで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール/アンモニア水混合液(体積基準で95/05/0.5)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、183mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド(黄色固体)を得る。LC−MS−DAD−ELSD:607=(M+H)。
【0163】
工程4
183mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミドを24mlのDCM中に導入する。氷浴を用いて0℃に冷却した後、1.9mlのTFAを添加し、この混合物をRTで2時間30分撹拌する。これをRPの下で濃縮し、得られる固体を50mlの水に溶解して2.5mlの7.5Mアンモニア水溶液で中和する。これを酢酸エチルで抽出し、MgSOで脱水させて濾過し、RPの下で濃縮する。この生成物をDCM/メタノール/アンモニア水混合液(体積基準で90/10/1)で溶出するシリカゲル(15−40μm)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。これで28mgの4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド(淡黄色固体)が得られる。LC−MS−DAD−ELSD:477=(M+H)H NMR:1.66(m,2H)2.11(m,2H)2.67(m,2H)3.46(m,2H)3.70(m,1H)6.03(d,J=7.7Hz,1H)6.72(s,2H)7.26−7.40(m,3H)7.68(m,1H)7.88(td J=9.0,2.5Hz,1H)8.50(dd,J=9.0,5.5Hz,1H)12.79(s,1H)。
【0164】
HeLa細胞(ATCC CCL−2)に対するIC50の決定
この試験は接着性腫瘍細胞株を用いて行う。これらの増殖を細胞内に取り込まれる14C−チミジンの量によって測定する。これらの細胞を培養培地を収容する96−ウェルCytostarプレートに入れ、37℃−5% COで4時間インキュベートする。次に、試験中の生成物を添加し、プレートをインキュベーター内に戻す。処理の72時間後に14C−チミジンを培地に添加し、細胞を24時間インキュベートする。これら24時間の「パルス」の後、MicroBetaリーダー(Perkin Elmer)を用いて14C−チミジンの取り込みを測定する。試験中の生成物での細胞の処理の合計時間は96時間である。
【0165】
各々のアッセイで、用いられる細胞濃度でプレートを準備する。生成物は10の濃度で2回ずつ試験する。第1濃度は通常10μMであるが、希釈の程度であり得るように、生成物の活性レベルに依存して変化し得る。純粋DMSOで連続希釈を行った後、各々の濃度を培養培地で希釈する。すべての生成物を2つの独立したアッセイで試験する。
【0166】
用いた材料
ダルベッコ(Gibco 11960−044)
不活性化仔ウシ血清(FCS)(Gibco 10500−056)
ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(PSG)(Gibco 10378−016)
96−ウェルCytostarプレート(Amersham RPNQ0162)
DMSO(Sigma D2650)
14C−チミジン(NEN NEC−568)
【0167】
【化28】

【0168】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中:
●Rは、1個以上のハロゲン原子によって置換されていてもよいフェニル基を表し;
●Rは:
−水素もしくはハロゲン原子またはシアノ基;
−Yが水素原子を表す基−C(=O)Yまたは基−NHもしくは−OR
−基−C(=S)NH
−基−C(=NH)NH−OH;
−基−CHOHまたは−CHF;
−基−CH=N−OH;
−基−CH=CHまたは−C≡C−R
−基
【化2】

または
【化3】


を表し
は水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
●Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
●Rは−NH、(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキルまたは(C−C)シクロアルキル基を表す。)。
【請求項2】
が2,6−ジフルオロ−フェニル基を表し、およびRが水素原子を表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がH、C(=O)H、−C(=O)NH、−CH=N−OH、−CHOH、−CH=CH、−F、−C≡CH、−C(=O)OCH、−C(=S)NH、−CN、−C(=O)H、
【化4】

から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がCH、−CHCH、−CFまたはシクロプロピル基から選択されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
以下のリストから選択される化合物:
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシム;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノール;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(トリフルオロメタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−7−ビニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−7−エチニル−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン;
■メチル 5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキシレート;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボチオアミド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボニトリル;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(シクロプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−ヒドロキシ−3−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボイミドアミド;
■[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(フルオロメチル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボアルデヒドオキシム;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−{[1−(エチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−イル]メタノール;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−[(1−スルファモイルピペリジン−4−イル)アミノ]−2H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−7−カルボキサミド;
■4−({5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−[(E/Z)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル}アミノ)ピペリジン−1−スルホンアミド;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン;
■5−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−7−(2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−アミン;
■4−{[7−シアノ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド;
■4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド;
■4−{[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−フルオロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]イソキノリン−3−イル]アミノ}ピペリジン−1−スルホンアミド。
【請求項6】
塩基または酸付加塩の形態にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
式(I):
【化5】

(式中、R、RおよびRは請求項1から6のいずれかにおいて定義される通りであり、並びにXは水素もしくはフッ素原子または基シアノ、−C(=O)H、−CH=CH、−C≡C−SiMe、−COORを表し、Rは水素原子または(C−C)アルキル基もしくは基
【化6】

を表す。)
の化合物の調製方法であって、
(i)パラジウム錯体および、必要に応じて塩基の存在下で化合物PおよびPをカップリングさせ、
【化7】


(ii)前工程(i)において得られる生成物を脱保護する、
ことを含み、
さもなければ
(i’)式:
【化8】

の化合物P’をRSOClと反応させ、
(ii’)前工程(i)において得られる生成物を脱保護する
ことを含み、PGはピラゾール環のNH官能基の保護基を表す方法。
【請求項8】
式(I):
【化9】

(式中、R、RおよびRは請求項1から6のいずれかにおいて定義される通りであり、並びにRは以下の基:−C(=O)NH、−C(=S)NH、−C(=O)H、−CH=N−OH、−CHOH、−CHF、C≡CH、
【化10】

のうちの1つを表す。)
の化合物を式:
【化11】

(式中、Xは基CN、−CHO、−CHOH、−C≡CHまたは−C≡C−SiMeを表し、およびAは水素原子またはピラゾール環のNH官能基を保護する保護基PGを表す。)
の化合物から調製するための方法であって:
(i)
●基X=−CNを基R=−C(=O)NHまたは−C(=O)OHに加水分解し;
●硫化アンモニウムの存在下、マイクロ波を用いて、基X=−CNを基R=−C(=S)NHに変換し;
●基X=−CNを基R=−C(=O)Hに還元し;
●NHOHの存在下で基X=−C(=O)Hを基R=−CH=N−OHに変換し;
●基X=−C(=O)Hを基R=−CHOHに還元し;
●基X=−C≡C−SiMeを基R=−C≡CHに変換し;
●基X=−CHOHを基R=−CHFにフッ素化し;
●トリメチルシリルアジドNSiMeの存在下での付加環化によって基X=−C≡CHを基R
【化12】

に変換し;
(ii)適切であるならば、前工程(i)において得られる生成物を脱保護する、
ことを含む方法。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とする医薬。
【請求項10】
請求項1から6のいずれかに記載の化合物および少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項11】
抗癌剤としての請求項1から6に記載の化合物。
【請求項12】
抗癌剤を調製するための、請求項1から6のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項13】
式:
【化13】

または式
【化14】

の化合物であって、式中:
■R、R、RおよびRは請求項1から5のいずれかにおいて定義される通りであり;
■Xは水素もしくはフッ素原子、基シアノ、−C(=O)H、−CH=CH、C≡C−SiMe、−C≡CH、−COORを表し、Rは水素原子または(C−C)アルキル基、もしくは基
【化15】

を表し;
■PGはピラゾール環のNH官能基の保護基を表し;
■Bは水素原子またはアミン官能基の保護基PG’を表す、
化合物。
【請求項14】
PGがSEMもしくはSONMeを表し、および/またはPG’がBOCを表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1から6に記載の化合物を調製するための反応中間体としての、請求項13または14に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−524766(P2012−524766A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506551(P2012−506551)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050773
【国際公開番号】WO2010/122272
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】