説明

2’−ターミネーターヌクレオチド関連方法及びシステム

本発明は、プライマー核酸を延長し、そして標的核酸を配列決定するための方法を提供する。前記方法は、鎖終結をもたらすためへの2’−ターミネーターヌクレオチドの使用を包含する。関連する反応混合物及びキットの他に、本発明はまた、コンピューター読み取り媒体も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、核酸化学及び分子生物学に関する。より特定には、本発明は、2’−ターミネーターヌクレオチドを包含する他の関連する観点の他に、核酸配列決定及びラベリング方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
核酸配列決定は、特定の核酸分子のヌクレオチドの配列の決定を包含する。核酸分子の配列の知識は典型的には、分子の機能を解明し、そして分子の操作を促進する基礎である。さらに、個々のゲノムの変動はしばしば、疾病に対する敏感性及び処理に対する薬理学的応答の差異の原因である。単一ヌクレオチド多型現象(SNP)として通常、言及される、核酸分子の単一の塩基の変更が、所定の疾病に対する個々の危険性に影響を及ぼすことができる。例えば、それらの変動性を比較することにより、研究者は、SNPの医学的利用能の理解を得、それにより疾病を効果的に診断し、予知し、そして処理する能力を増強する。
【0003】
核酸配列決定技法は、RNAを配列決定するための努力を伴って、1960年代、後期に始まった。特に、E. コリからのSS−リボソームRNA(Brownlee など. (1967) "Nucleotide sequenceof 5S-ribosomal RNA from Escherichia coli,"Nature 215 (102): 735)及びコートタンパク質をコードするR17バクテリオファージRNA(Adams など. (1969) "Nucleotide sequence from the coat protein cistron of R17 bacteriophage RNA, "Nature 223 (210): 1009)の配列は、DNA配列決定のいくつかの初期例である。その後、Sangerは、DNAポリメラーゼによっての、プライムされた合成によるバクテリオファージf1 DNAの配列決定を記載し(Sanger など. (1973)"Use of DNA polymerase I primed by a synthetic oligonucleotide to determine a nucleotide sequence in phagefl DNA, "Proc. Natl. Acad. Sci. USA 70 (4): 1209)、そしてGilbert及びMaxamは、lacオペレーターのDNAヌクレオチド配列を報告している(Gilbert and Maxam (1973) "The nucleotide sequence of the lac operator, "Proc. Natl. Acad. Sci. USA 70 (12): 3581)。
【0004】
1977年、Sangerは、鎖延長を終結するためへの修飾されたヌクレオシド三リン酸(ジデオキシリボースを包含する)及びデオキシリボヌクレオチドの使用を記載している(Sanger など. (1977) "DNA sequencing with chain- terminating inhibitors,"Biotechnology 24: 104)。同じ年、Maxam及びGilbertは、グアニン、アデニン、シトシン及びチミンで同等に、及びシトシンで単独に、DNAの化学的分解を選択的に利用するDNAの配列決定方法を報告している(Maxam and Gilbert (1977) "A new method for sequencing DNA," Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 560)。それらの2種の方法は、放射性マーカーによりラベルされたDNAフラグメントの電気泳動分離、及びオートラジオグラフィーによる続く検出に基づいて、手動的配列決定を促進した。
【0005】
DNAを配列決定するためのSangerのジデオキシ方法は、Maxam-Gilbertの化学的分解方法よりもかなり広く使用されるようになって来た。Sangerの方法は、特定のプライミング部位から出発し、そして鎖終結又はターミネーターヌクレオチドの組込みにより終結する、DNAの新鎖の合成を包含する。特に、DNAポリメラーゼは、DNA鋳型に対して相補的なデオキシヌクレオチド(dNTP)を組込むことにより、そのDNA鋳型上での特定の位置にアニリーリングされるプライマー核酸を延長する。新しいDNA鎖の合成は、反応がデオキシヌクレオチド(ddNTP)の包含によりランダムに終結されるまで、続く。それらのヌクレオチド類似体は、ddNTPのリボース成分が次の入って来るdNTPとホスホジエステル結合を形成するために必要な3’−ヒドロキシルを欠いているので、さらなる鎖の延長を支持することはできない。これは、限定された又は固定された5’−末端及び種々の3’−末端を、それぞれ有する、切断された配列決定フラグメントの集団を生成する。中でも、デオキシ方法の欠点は、ddNTPの製造に関する。
【0006】
2種の時折使用される自動化された配列決定方法は、色素−プライマー核酸及び色素−ターミネーター配列決定である。それらの方法は、蛍光ラベル成分との使用のために適切である。配列決定はまた、放射性ラベル成分を用いて行われ得るが、蛍光に基づいての配列決定が非常に好ましい。手短には、色素−プライマー配列決定においては、蛍光ラベルされたプライマーが、ラベルされていないddNTPと組合して使用される。2の方法は典型的には、種々の合成反応、及び配列決定される個々の鋳型についてゲル上で4種までのライン(1つは、塩基特異的終結生成物の個々に対応する)を使用する。プライマー核酸延長に続いて、ジデオキシヌクレオチドを組込まれた終結生成物を含む配列決定反応混合物は、DNA配列決定ゲル上で通常、電気泳動される。
【0007】
電気泳動による分離に続いて、蛍光ラベルされた生成物は、レーザーによりゲルにおいて励起され、そして蛍光が適切な検出器により検出される。自動化されたシステムにおいては、検出器は、反応がゲルマトリックスを通過するにつれて、どんなラベル成分が使用されたかを検出するために、電気泳動の間、ゲルの底部を走査する(Smithなど.(1986)"Fluorescence detection in automated DNA sequence analysis, "Nature 321: 674)。4種の別々の配列決定反応が使用された後、混合物が組合され、そして反応が単一ラインのゲル分析にゆだねられ、そして異なった蛍光標識(1つは、4種の異なった塩基−特異的終結生成物の個々に反応する)が個々に検出される。
【0008】
他方では、色素−ターミネーター配列決定方法が使用される。この方法においては、DNAポリメラーゼが、DNAプライマーの成長する末端上にdNTP及び蛍光ラベルされたddNTPを組込むために使用される(Lee など. (1992)"DNA sequencing with dye-labeledterminators and T7 DNA polymerase: effect of dyes and dNTPs on incorporation ofdye-terminators and probability analysis of terminationfragments,"Nucleic Acid Res. 20: 2471)。この方法は、色素−ラベルされたプライマーを合成しない利点を提供する。さらに、色素−ターミネーター反応は、4種のすべての反応が同じ管において行われ得ることにおいて、より便利である。
【0009】
配列決定反応混合物を単純化する他の方法は、気相イオン分光測定の使用を包含する。例えば、マトリックス助力されたレーザー吸着/イオン化タイム−オブ−フライト(Time-of-flight)質量分光測定(MALDI−TOF−MS)は、高い処理量の配列決定及びSNP遺伝子型分析に都合良く使用されて来た1つのアプローチである(例えば、Sauer など. (2002) "Facile method for automated genotyping of single nucleotide polymorphisms by mass spectrometry, "Nucleic Acids Res. 30 (5): e22を参照のこと)。
【0010】
前述から、核酸を配列決定し、そして遺伝子型分類の追加の方法が所望されることは明らかである。本発明は、2’−ターミネーターヌクレオチド、及び次の開示の完全な再考に基づいて明らかに成るであろう核酸ラベリングへのアプローチを包含する種々の追加の特徴を使用する新規核酸配列決定を提供する。
【発明の開示】
【0011】
本発明の要約:
本発明は、例えばddNTP、アシクロヌクレオチド三リン酸又は他のタイプの核酸延長ターミネーターの代わりに、2’−ターミネーター核酸を使用する、核酸の配列決定及びラベリング方法を提供する。損なわれていない糖環(例えば、ペントース糖環)又は糖類似体環(例えば、炭素環式環、等)を有する、本発明の2’−ターミネーターヌクレオチドは、それらの糖成分の2’−位置でブロッキング基、大きなブロッキング基及び/又は同様のものを包含する。さらに、ヌクレオチド組込み生触媒は、鋳型指図された態様で、プライマー核酸の3’−末端でそれらの2’−ターミネーターヌクレオチド(例えば、2’−リン酸−3’−ヒドロキシルNTP又はNDP、等)によりプライマー又は他の核酸を延長する(すなわち、プライマー核酸中に2’−ターミネーターヌクレオチドを組込む)能力を包含する。
【0012】
本明細書において言及される生触媒、例えば末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT; EC 2.7.7.31)、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase; EC 2.7.7.8)を組込む一定のヌクレオチドは一般的に、鋳型非依存性態様で核酸を延長することができる。プライマー核酸の3’−末端での2’−ターミネーターヌクレオチドの組込みに基づいて、核酸は典型的には、本発明のヌクレオチド組込み生触媒により延長できなくされる。さらに、2’−ターミネーターヌクレオチドを含んで成る延長されたプライマー核酸はまた、一般的に、プルーフリーディングの酵素活性(例えば、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性、等)に対して耐性である。
【0013】
従って、本発明の方法に利用されるヌクレオチド組み込み生触媒は任意には、低められたプルーフリーディング活性を欠いているか又は有する触媒を利用するアプローチに関して配列適合性を改良するために、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を包含する。方法の他に、本発明はまた、本明細書に記載される2’−ヌクレオチドに関する、反応混合物、キット、システム、コンピューター、及びコンピューター読取媒体も提供する。本発明は、存在するターミネーター方法に変わる経済的な手段を提供する。本発明の2’−ターミネーターヌクレオチドは、容易な使用を犠牲にしないで、種々の配列決定、末端ラベリング、又は他のプロトコールにおいて容易に置換される。
【0014】
より詳しくは、本発明の1つの観点は、プライマー核酸を延長する方法にも関する。前記方法は、鋳型核酸(例えば、DNA、RNA、等)を、少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒、少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオチド(例えば、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシド、等)、及び前記鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的である少なくとも1つのプライマー核酸と共にインキュベートすることを包含する。ヌクレオチド組込み生触媒は、延長されるプライマー核酸の末端で2’−ターミネーターヌクレオチドを組込む、少なくとも1つの延長されたプライマー核酸を生成するためにプライマー核酸を延長する。いくつかの態様においては、鋳型核酸は、ヌクレオチド組み込み生触媒を含む、2’−ターミネーターヌクレオチド及びプライマー核酸と共に溶液に置いてインキュベートされ、ところが、他においては、プライマー核酸又は鋳型核酸のいずれが、固体支持体に共有又は非共有結合される。
【0015】
本発明の確かな態様においては、本発明はさらに、延長されたプライマー核酸又はそのフラグメントの分子量を検出することを包含する。それらの態様においては、鋳型核酸の遺伝子は、延長されたプライマー核酸又はそのフラグメントの検出された分子質量から決定できる。分子質量は典型的には、気相イオン分光測定(例えば、MALDI−TOF−質量分光測定、又はもう1つのバージョンの気相イオン分光測定)を用いて検出される。
【0016】
2’−ターミネーターヌクレオチド、延長されたプライマー核酸、及び/又はプライマー核酸は、少なくとも1つのラベル(例えば、蛍光色素、放射性同位体、質量−修飾基、等)を含んで成る。それらの態様においては、前記方法は一般的にさらに、ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することを包含し(例えば、分光光学的に、等)、その結果、鋳型核酸の遺伝子型がその検出されたシグナルから決定できる。例えば、ラベルは任意には、2’−ターミネーターヌクレオチドの複素環式塩基、2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分、及び/又は2’−ターミネーターヌクレオチドのリン酸基に結合される。任意には、リンカーがラベルを2’−ターミネーターヌクレオチドに結合する。
【0017】
プライマー核酸を延長する方法は任意にはまた、鋳型核酸を、少なくとも1つの延長できるヌクレオチド(例えば、リポヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド及び/又は同様のもの)と共にインキュベートすることを包含する。それらの態様においては、ヌクレオチド組込み生触媒は典型的には、複数の異なった延長されたプライマー核酸を生成し、そして前記方法が複数の異なった延長されたプライマー核酸を解明することを含んで成り、その結果前記鋳型核酸の塩基配列の少なくとも一部が前記解明された、延長されたプライマー核酸から決定できる。例えば、前記延長されたプライマー核酸は任意には、その延長されたプライマー核酸の分子質量、大きさ及び電荷性質の少なくとも1つを決定することにより解明される。
【0018】
確かな態様においては、前記延長されたプライマー核酸はさらにラベルを含んで成り、そして前記延長されたプライマー核酸が、前記ラベルされた、延長されたプライマー核酸をお互いから分離し、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することにより解明される。前記ラベルされた、延長されたプライマー核酸は、少なくとも1つの分離技法、例えば電気泳動、クロマトグラフィー及び気相イオン分光測定(例えば、MALDI−TOF質量分光測定、又はもう1つのバージョンの気相イオン分光測定)により分離される。
【0019】
他の観点においては、本発明は、核酸の末端でラベルするために、及び/又は他の用途のために、核酸を延長する方法を提供する。この発明は、少なくとも1つの核酸を、少なくとも1つのヌクレオチド組み込み生触媒(例えば、末端トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ、等)、及び少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドと共にインキュベートすることを包含する。前記ヌクレオチド組込み生触媒は、前記核酸をその核酸の末端(例えば、3’末端)で前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを組込むことにより、少なくとも1つの延長された核酸を生成する。確かな態様においては、前記方法はさらに、延長された核酸を、もう1つの核酸によりハイブリダイズし、そしてラベルにより生成される検出できるようシグナルを検出することを包含する。
【0020】
いくつかの態様においては、前記核酸は、前記鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的であるプライマー核酸を含んで成り、そして前記方法は、前記鋳型核酸と、前記ヌクレオチド組込み生触媒、前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド及び前記プライマー核酸と共にインキュベートすることを含んで成る。それらの態様においては、前記ヌクレオチド組込み生触媒は典型的には、ポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転写酵素、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ、テロメラーゼ及び同様のものから選択された酵素を含んで成る。実例で説明すると、ヌクレオチド組込み生触媒は任意には、修飾された酵素(例えば、G46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA ポリメラーゼ、 E615G Taq DNA ポリメラーゼ、ΔZ05R ポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、等)を含んで成る。
【0021】
典型的には、前記方法はさらに、鋳型核酸を、少なくとも1つの延長できるヌクレオチドと共にインキュベートすることを包含する。それらの態様においては、前記ヌクレオチド組込み生触媒は一般的に、複数の異なった延長されたプライマー核酸を生成し、そして前記方法は複数の異なった延長されたプライマー核酸を解明することを含んで成る。前記鋳型核酸の塩基配列の少なくとも一部は典型的には、前記解明された、延長されたプライマー核酸から決定できる。典型的には、前記延長されたプライマー核酸は、その延長されたプライマー核酸の分子質量、大きさ及び電荷性質を決定することにより解明される。例えば、前記延長されたプライマー核酸は任意には、前記延長されたプライマー核酸をお互いから分離し、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することにより解明される。
【0022】
もう1つの観点においては、本発明は、例えば病原性剤又は同様のものにより感染された宿主を処理するために、延長された核酸のさらなる延長を阻害する方法に関する。前記方法は、少なくとも1つの核酸(微生物DNA、ウィルスRNA、等)と、少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒及び少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオシド又はヌクレオチド、又は医薬的に許容できるその塩とを接触させることを包含する。前記核酸は一般的に、DNA又はRNAを含んで成る。さらに、前記2’−ターミネーターヌクレオシド又はヌクレオチド、又は医薬的に許容できるその塩は、クレオチド組込み生触媒により延長できない。
【0023】
前記ヌクレオチド組込み生触媒は、前記核酸を、その核酸の末端で、前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオシド又はヌクレオチド、又は医薬的に許容できるその塩を組込むことにより少なくとも1つの延長された核酸を生成するよう延長せしめ、それにより、前記延長された核酸のさらなる延長を阻害する。実例で説明すると、核酸が微生物DNAを含んで成る場合、前記ヌクレオチド組込み生触媒、及び前記2’−ターミネーターヌクレオシド又はヌクレオチド、又は医薬的に許容できるその塩は一般的に、前記微生物DNAを含んで成る微生物により感染された宿主において接触せしめられる。
【0024】
もう1つの観点においては、本発明は、標的核酸を配列決定する方法を提供する。前記方法は、(a)標的核酸を、1又は複数のポリメラーゼ、1又は複数の2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシド(例えば、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシド、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−二リン酸ヌクレオシド、等)、1又は複数の延長できるヌクレオチド、及び前記標的核酸の少なくとも副配列に対して相補的である1又は複数のプライマー核酸と共にインキュベートすることを包含する。前記ポリメラーゼは、前記プライマーを、プライマー延長生成物の3’末端で前記2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを組込むプライマー延長生成物を生成するよう延長せしめる。
【0025】
いくつかの態様においては、(a)前記標的核酸、前記ポリメラーゼ、前記延長できるヌクレオチド及び前記プライマー核酸を、少なくとも2種の異なった2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドと共にインキュベートすることを含んで成る。他の態様においては、(a)複数の別々の反応を包含し、それらの反応の少なくとも2つの反応は、異なった2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを包含する。それらの態様においては、前記異なった2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドは任意には、異なったラベルを含んで成る。前記方法はまた、(b)前記プライマー延長生成物における前記2’− 一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを同定し、その結果、前記標的核酸の塩基配列の少なくとも一部が前記同定された2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドから決定できる。
【0026】
例えば、(b)任意には、前記プライマー延長生成物又はその3’−末端フラグメントの分子質量、及び前記分子質量からの標的核酸の配列を決定することを含んで成る。分子質量は一般的に、気相イオン分光測定を用いて決定される。いくつかの態様においては、前記プライマー延長生成物はラベルを含んで成り、そして(b)前記プライマー延長生成物をお互いから分離し、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することを含んで成る。前記プライマー延長生成物は典型的には、電気泳動、クロマトグラフィー、気相イオン分光測定、等を包含する1又は複数の分離技法により分離される。
【0027】
さらに他の観点においては、本発明は、本明細書に記載されるような、少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド(例えば、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシド、例えば2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシド、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−二リン酸ヌクレオシド、等)、及び本明細書に記載されるような、少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒を含んで成る反応混合物を提供する。いくつかの態様においては、反応混合物はまた、少なくとも1つのピロホスファターゼ(例えば、熱安定性ピロホスファターゼ、等)を包含する。反応混合物は任意には、さらに1又は複数の延長できるヌクレオチド(例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド及び/又は同様のもの)を包含する。任意には、少なくとも1つの延長できるヌクレオチドは、ラベルされる。
【0028】
ある態様においては、反応混合物はまた、鋳型核酸、及びその鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的であるプライマー核酸を包含する。任意には、前記鋳型核酸又はプライマー核酸は、固体支持体に結合される(例えば、共有又は非共有)。例えば、本明細書に記載されるような利用されるラベルは任意には、蛍光色素(例えば、フルオレセイン−ファミリー色素、ポリハロフルオレセイン−ファミリー色素、ヘキサクロロフルオレセイン−ファミリー色素、クマリン−ファミリー色素、ローダミン−ファミリー色素、シアニン−ファミリー色素、オキサジン−ファミリー色素、チアジン−ファミリー色素、スルアライン−ファミリー色素、オレート化されたランタニド−ファミリー色素、及びBODIPY(商標)−ファミリー色素から選択される)を含んで成る。
【0029】
もう1つの観点においては、本発明は、核酸を延長するためのキット(例えば、核酸をラベルし、標的核酸を配列決定し、等のための)を提供する。前記キットは、(a)本明細書に記載されるような少なくとも1つのヌクレオチド組み込み生触媒;及び(b)本明細書に記載されるような少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを包含する。例えば、少なくとも1つのラベル(例えば、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ及びホースラディシュペルオキシダーゼ)、及び酵素基質、放射性成分、蛍光成分、発色団、化学ルミネセンスラベル、電子化学ルミネセンスラベル、例えばOriginTM(Igen)、質量−修飾基、特異的結合パートナーを有するリガンド、等)を含んで成る。いくつかの態様においては、前記キットはさらに、1又は複数の延長できるヌクレオチドを包含し、そして任意には、少なくとも1つの延長できるヌクレオチドは、ラベルを含んで成る。
【0030】
任意には、キットはさらに、少なくとも1つのピロホスファターゼ、例えば熱安定性ピロホスファターゼを包含する。典型的には、キットはまた、(c)前記ヌクレオチド組込み生触媒及び前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドにより前記核酸を延長するための1組の説明書を包含する。さらに、キットは任意にはまた、(d)前記ヌクレオチド組込み生触媒、前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド、及び前記1組の説明書をパッキングするための少なくとも1つの容器を包含する。確かな態様においては、キットはさらに、鋳型核酸、及びその鋳型核酸の少なくとも副配列に対して相補的であるプライマー核酸を包含する。任意には、前記鋳型核酸又はプライマー核酸は、固体支持体に結合される。それらの態様のいくつかにおいては、プライマーは、ラベル、例えば放射性同位体、蛍光色素、質量−修飾基、又は同様のものを含んで成る。
【0031】
他の観点においては、プライマー核酸を延長するためのシステムに関する。前記システムは、(a)ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを含んで成る少なくとも1つの容器を包含する。典型的には、システムは多くの容器を含んで成る。システムはまた、(b)前記容器における温度を調節するために前記容器に操作可能的に連結される少なくとも1つの熱モジュレーター;及び/又は(c)流体を前記容器に移行し、そして/又はその容器から流体を移行する少なくとも1つの流体移行成分を包含する。システムは任意にはさらに、前記容器において生成される検出できるシグナルを検出するために前記容器に操作可能的に連結される少なくとも1つの検出器を包含する。システムは典型的にはさらに、前記容器における温度の調節をもたらすために前記熱モジュレーターに、及び/又は前記容器への及び/又は前記容器からの流体の移行をもたらすために前記流体移行成分に操作可能的に連結される少なくとも1つのコントローラーを包含する。
【0032】
他の観点においては、本発明は、本明細書に記載されるように、少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドに対応する少なくとも1つの特徴を含んで成るデータ組を含んで成るコンピューター又はコンピューター読取媒体を提供する。典型的には、データーは、多くの核酸配列に対応する多くの特徴ストリングを含んで成る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の特定の記載:
I.定義:
本発明を詳細に記載する前、本発明が、もちろん変化することができる、特定の方法、反応混合物、システム、コンピューター、又はコンピューター読取媒体に制限されないことは、理解されるべきである。本明細書に使用される用語は、特定の態様のみの記載のためであり、そして制限を意図するものではないことがまた、理解されるべきである。さらに、特にことわらない限り、本明細書に使用されるすべての技法及び科学用語は、当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。本発明の記載においては、次の用語法及びその分法的変形が、下記に示される定義に従って使用されるであろう。
【0034】
用語“核酸”とは、ヌクレオチド(例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、2’−ターミネーターヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、等)、及び線状又は枝分かれされた態様で、一緒に共有結合されるそのようなヌクレオチドを含んで成るポリマー(例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、DNA−RNAハイブリッド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、遺伝子、cDNA、アプタマー、アンチセンス核酸(PNA)、PNA−DNA接合体、PNA−RNA接合体、等)を意味する。
【0035】
核酸は典型的には、一本鎖又は二本鎖であり、そして一般的にホスホジエステル結合を含むが、但し本明細書に概略されるように、いくつかの場合、他の主鎖、例えば次のものを包含する(但し、それらだけには限定されない)核酸類似体も包含される:ホスホラミド(Beaucage など. (1993) Tetrahedron 49 (10): 1925) 及びそこにおける引例; Letsinger (1970) J. Org. Chem. 35: 3800; Sprinzl など. (1977) Eur. J. Biochem. 81: 579; Letsinger など. (1986)Nucl. Acids Res. 14: 3487; Sawai など. (1984) Chem. Lett. 805; Letsinger など. (1988) J. Am. Chem. Soc. 110: 4470; 及び Pauwels など. (1986) ChemicaScripta 26: 1419)、ホスホロチオエート(Mag など. (1991) Nucleic Acids Res. 19: 1437; 及びアメリカ特許第5,644, 048号)、ホスホロジチオエート(Briu など. (1989) J. Am. Chem. Soc. 111: 2321)、O−メチルホスホロアミジット連鎖(Eckstein,Oligonucleotides and Analogues : A Practical Approach, Oxford University Press (1992)を参照のこと)、及びペプチド核酸主鎖及び連鎖(Egholm (1992) J. Am. Chem. Soc. 114: 1895; Meier など. (1992) Chem. Int. Ed.Engl. 31: 1008 ; Nielsen (1993) Nature 365: 566; Carlsson など. (1996) Nature 380: 207を参照のこと)(それらの文献は、引用により本明細書に組み込まれる)。
【0036】
他の核酸類似体は、正に荷電された主鎖(Denpcy など. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 6097);非イオン性主鎖(アメリカ特許第5,386, 023号, 第5,637,684号, 第5,602, 240号,第5, 216,141号 及び第4,469, 863号; Angew (1991) Chem. Intl. Ed. English 30: 423; Letsinger など. (1988) J. Am. Chem. Soc. 110: 4470; Letsinger など. (1994) Nucleoside & Nucleotide 13: 1597; Chapters 2 and 3, ASC Symposium Series 580, "Carbohydrate Modifications in Antisense Research", Ed. Y. S. Sanghvi and P. Dan Cook; Mesmaeker など. (1994)Bioorganic & Medicinal Chem. Lett. 4: 395; Jeffsなど. (1994) J.Biomolecular NMR 34: 17; Tetrahedron Lett. 37: 743 (1996))、及び非−リボース主鎖を有するそれら、例えば引用により本明細書に組込まれる、アメリカ特許第5,235, 033号 及び第 5,034, 506号,及び Chapters 6 and 7, ASC Symposium Series580, Carbohydrate Modifications in Antisense Research, Ed. Y. S. Sanghvi and P. Dan Cookに記載されるそれらを包含する。
【0037】
1又は複数の炭素環式糖を含む核酸はまた、核酸の定義内に包含される(Jenkins など. (1995) Chem. Soc. Rev.ppl69-176を参照のこと)。いくつかの核酸類似体はまた、引用におより本明細書に組み込まれる、Rawls, C&E News Jun.2, 1997, page35に記載される。リボース−リン酸主鎖のそれらの修飾は、追加の成分、例えばラベルの付加を促進するために、又は生理学的環境におけるそのような分子の安定性及び半減期を変更するために行われ得る。
【0038】
核酸に典型的に見出されるそれらの天然に存在する複素環式塩基(例えば、アデニン、グアニン、チミン、シトシン及びウラシル)の他に、核酸類似体はまた、天然に存在しない複素環式塩基を有するそれらも包含し、それらの多くは、本明細書に記載されているか、又は他方では、言及されている。特に、多くの天然に存在しない塩基はさらに、例えばSeela など. (1991) Helv. Chim. Acta 74: 1790, Grein など. (1994)Bioorg. Med. Chem. Lett. 4: 971- 976, 及び Seela など. (1999) Helv. Chim. Acta 82: 1640(引用により本明細書に組込まれる)に記載されている。さらに例示するために、溶融温度(Tm)調節体として作用するヌクレオチドに使用される一定の塩基が任意には包含される。例えば、それらのいくつかは、7−デアザプリン(例えば、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、等)、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、プロピニル−dN(例えば、プロピニル−dU、プロピニル−dC, 等)、及び同様のものを包含する。
【0039】
例えば、引用により本明細書に組み込まれる、1999年11月23日に発行された、”SYNTHESIS OF 7-DEAZA-2'- DEOXYGUANOSINENUCLEOTIDES,”の表題のアメリカ特許第5,990,303号を参照のこと。他の代表的な複素環式塩基は、ヒポキサンチン、イノシン、キサンチン;2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン及びキサンチンの8−アザ誘導体;アデニン、グアニン、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン及びキサンチンの7−デアザ−8−アザ誘導体;6−アザシトシン;5−フルオロシトシン;5−クロロシトシン;5−ヨードシトシン;5−ブロモシトシン;5−メチルシトシン;5−プロピニルシトシン;5−ブロモビニルウラシル;5−フルオロウラシル;5−クロロウラシル;5−ヨードウラシル;5−ブロモウラシル;5−トリフルオロメチルウラシル;5−メトキシメチルウラシル;5−エチニルウラシル;5−プロピニルウラシル及び同様のものを包含する。
【0040】
“ヌクレオシド”とは、糖成分(例えば、リボース糖、等)、糖成分の誘導体、又は糖成分の機能的同等物(例えば、類似体、例えば炭素環式環)に共有結合される塩基又は塩基性基(例えば、少なくとも1つの単素環式環、少なくとも1つの複素環式環、少なくとも1つのアリール基、及び/又は同様のものを含んで成る)を含んで成る核酸成分を意味する。例えば、ヌクレオシドが糖成分を含む場合、塩基は典型的には、その糖成分の1’−位置に結合される。上記に記載されるように、塩基は、天然に存在するか(例えば、プリン塩基、例えばアデニン(A)又はグアニン(G)、ピリミジン塩基、例えばチミン(T)、シトシン(C)又はウラシル(U))、又は天然に存在しない(例えば、7−デアザプリン塩基、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン塩基、プロピニル−dN塩基、等)。典型的なヌクレオシドは、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、ジデオキシリボヌクレオシド、炭素環式ヌクレオシド、等を包含する。
【0041】
“ヌクレオチド”とは、ヌクレオシドのエステル、例えばヌクレオシドのリン酸エステルを意味する。例えば、ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖成分の5’位置に共有結合される、1,2,3又はそれ以上のリン酸基を含むことができる。
【0042】
“オリゴヌクレオチド”は、少なくとも2個のヌクレオチド、典型的には3個よりも多くのヌクレオチド及びより典型的には10個よりも多くのヌクレオチドを含む核酸を意味する。オリゴヌクレオチドの正確なサイズは一般的に、種々の要因、例えばオリゴヌクレオチドの究極的機能又は使用に依存する。オリゴヌクレオチドは任意には、いずれかの適切な方法、例えば適切な配列のクローニング及び制限消化、又は1つの方法、例えば当業界において知られている他の方法の中で、Narang など. (1979) Meth.Enzvmol. 68 : 90-99のホスホトリエステル方法;Brown など. (1979) Meth.Enzymol. 68:109-151のホスホジエステル方法;Beaucage など. (1981) Tetrahedron Lett. 22: 1859- 1862のジエチルホスホラミジット方法;Matteucci など. (1981) J. Am. Chem. Soc. 103: 3185-3191のトリエステル方法;自動化された合成方法;又はアメリカ特許第4,458,066号の固体支持方法による直接的な化学合成により調製される(前記文献は、引用により本明細書に組込まれる。
【0043】
“プライマー核酸”とは典型的には、鋳型にハイブリダイズし、そして適切な反応条件下で、例えばヌクレオチド組込み生触媒、例えば熱安定性ポリメラーゼを用いて、鎖延長又は拡張を可能にする核酸である。プライマー核酸は典型的には、天然又は合成オリゴヌクレオチド(例えば、一本鎖オリゴデオキシリポヌクレオチド、等)である、他のプライマー核酸の長さが任意には使用されるが、それらは典型的には、15〜35個のヌクレオチドの範囲である。短いプライマー核酸は一般的に鋳型核酸と十分に安定したハイブリッド複合体を形成するためには、より低い温度を使用する。鋳型核酸の副配列に対して少なくとも部分的に相補的であるプライマー核酸は、典型的には、存在する延長のための鋳型核酸とハイブリダイズするのに十分である。
【0044】
プライマー核酸は所望により、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的又は化学的技法により検出されるラベルを組込むことによりラベルされ得る。例示によれば、有用なラベルは、放射性同位体、蛍光色素、電子濃試薬、酵素(ELISAにおいて通常使用されるような)、ビオチン又はハプテン、及び抗血清又はモノクローナル抗体が利用できるタンパク質を包含する。それらの及び他のラベルの多くは、さらに本明細書に記載されており、そして/又は他方では、当業界において知られている。さらに、プライマー核酸は、単に、鋳型依存性態様でヌクレオチド組込み生触媒のための基質を提供することができる。
【0045】
“延長されたプライマー核酸”とは、1又は複数の追加のヌクレオチドが付加されているか、又は他方では、組込まれている(例えば、共有結合された)プライマー核酸を意味する。
【0046】
“鋳型核酸”とは、プライマー核酸がハイブリダイズされ、そして延長され得る核酸を意味する。従って、鋳型核酸は、プライマー核酸に対して少なくとも部分的に相補的である副配列を包含する。鋳型核酸は、実質的にいずれかの源に由来することができる。例示すると、鋳型核酸は任意には、例えば培養された微生物、培養されていない微生物、複雑な生物学的混合物、組織、血清、プールされた血清又は組織、多くの種の集合体、古代の、化石化された又は他の非生存性生物学的残骸、環境単離物、土壌、地下水、廃棄施設、深海環境物、又は同様のものから誘導されるか、又は単離される。
【0047】
さらに、鋳型核酸は任意には、例えば個々のcDNA分子、クローン化されたcDNA組、cDNAライブラリー、抽出されたRNA、天然のRNA、インビトロ転写されたRNA、特徴づけられているか又は特徴づけられていないゲノムDNA、クローン化されたゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、酵素的にフラグメント化されたDNA又はRNA、化学的にフラグメント化されたDNA又はRNA、物理的にフラグメント化されたDNA又はRNA、又は同様のものを包含するか、又はそれらから誘導される。鋳型核酸はまた、当業界において知られている技法を用いて、化学的に合成され得る。
【0048】
さらに、鋳型核酸は任意には、遺伝子の少なくとも一部に対応するか、又はそれらに対して相補的である。本明細書において使用される場合、“遺伝子”とは、生物学的機能に関連するDNAのいずれかのセグメントを言及する。従って、遺伝子は、コード配列、及び任意には、それらの発現のために必要とされる調節配列を包含する。遺伝子はまた、任意には、例えば他のタンパク質のための認識配列を形成する非発現DNAセグメントを包含する。
【0049】
核酸は、追加のヌクレオチド(又は他の類似分子)が核酸中に組込まれる場合、“延長されるか”又は“拡張される”。例えば、核酸は任意には、ヌクレオチド組込み生触媒、例えば典型的には、核酸の3’末端でヌクレオチドを付加するポリメラーゼにより延長される。
【0050】
“延長できるヌクレオチド”とは、少なくとも1つの他のヌクレオチドが、例えばその延長できるヌクレオチドがヌクレオチドポリマー中に組込まれると、ヌクレオチド組込み生触媒により触媒される反応において、付加されるか又は共有結合され得るヌクレオチドを意味する。延長できるヌクレオチドの例は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドを包含する。延長できるヌクレオチドは典型的には、その延長できるヌクレオチドの糖成分の3’−位置でもう1つのヌクレオチドを付加することにより延長される。
【0051】
“延長できない”ヌクレオチドとは、核酸中への組込みに基づいて、例えば少なくとも1つのヌクレオチド組込みを生触媒により、核酸のさらなる延長を妨げるヌクレオチドを意味する。
【0052】
“2’−ターミネーターヌクレオチド”とは、ヌクレオチドの糖成分の2’−位置でブロッキング基(BG)を含んで成るヌクレオチド類似体を意味する。“ブロッキング基”とは、典型的には、核酸の延長を妨げる化学基又は成分を意味する(すなわち、2’−ターミネーターヌクレオチドは典型的には、1又は複数のヌクレオチド組込み生触媒により延長できない)。すなわち、2’−ターミネーターヌクレオチドが核酸中に組込まれると(例えば、核酸の3’−末端で)、ブロッキング基は、例えばG46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA pポリメラーゼ、ΔZ05R DNA ポリメラーゼ、 Z05 ポリメラーゼ、E615G Taq DNA ポリメラーゼ、サーマス・フラバス(Tfl)ポリメラーゼ(例えば、本明細書に記載される2’−ターミネーターヌクレオチドを組込む、修飾されたTflポリメラーゼ)、サーマトガ・マリチメ−又はTm−25ポリメラーゼ、Tma−30ポリメラーゼ、サーマス・サーモフィラス(Tth)DNAポリメラーゼ、サーマス種SPS−17ポリメラーゼ、E615G Taqポリメラーゼ、サーマスZO5Rポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、Kornberg DNAポリメラーゼI又はE.コリDNAポリメラーゼI、クレノウDNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ミクロコーカルDNAポリメラーゼ、αDNAポリメラーゼ、逆転写酵素、DNA逆転写酵素、M−MuLV逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、E. コリRNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼII、末端トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNP)、リボヌクレオチド組込みDNAポリメラーゼ、及び/又は同様のものから選択された、少なくとも1つのヌクレオチド組込みを生触媒により核酸のさらなる延長を妨げる。
【0053】
典型的なブロッキング基は、リン酸基である。他の代表的なブロッキング基はまた、本明細書に記載される。典型的な2’−ターミネーターヌクレオチドは、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシド及び2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−二リン酸ヌクレオシドを包含する。他の2’−ターミネーターヌクレオチドはまた、本明細書に、及びたとえば引用により本明細書に組み込まれる、Gelfandなどにより2003年11月12日に出願された、"SYNTHESIS AND COMPOSITIONS OF 2'-TERMINATORNUCLEOTIDES"の標題のアメリカ仮出願番号60/519,661号に記載されている。
【0054】
“四リン酸ヌクレオチド”とは、4個のリン酸基を含むヌクレオチドを意味する。典型的な四リン酸ヌクレオチドは、2’−一リン酸−5’−三リン酸ヌクレオシド及び3’−一リン酸−5’−三リン酸ヌクレオシドを包含する。
【0055】
“負に荷電されたブロッキング基”とは、少なくとも1つの負の電荷を含んで成るブロッキング基を意味し、この負の電荷は、入って来るヌクレオチドの静電反発により、それが結合されるヌクレオチドの延長できない性質に少なくとも寄与する。例示すると、本発明のヌクレオチドの2’−位置での負に荷電されたブロッキング基は任意には、典型的には、イオン化に基づいて少なくとも1つの負の電荷を含んで成る、本明細書に言及されるリン酸、カルボキシ又は他の基を包含する。確かな態様においては、複数の要因が、例えばブロッキング基の電荷及びサイズを包含する、本発明のヌクレオチドの延長できない性質に寄与することができる。
【0056】
“大きなブロッキング基”とは、入って来るヌクレオチドの組込みを立体的に阻止するのに十分なサイズを有するブロッキング基を意味し、それによれば、ブロッキング基が結合されるヌクレオチドの延長できない性質に少なくとも寄与する。上記に示されるように、本発明のいくつかの態様においては、複数の要因が、例えばブロッキング基の電荷及びサイズを包含する、2’−ターミネーターヌクレオチドの延長できない性質に寄与することができる。
【0057】
“成分”又は“基”とは、何か、例えば分子が分割される部分の1つ(例えば、官能基、置換基又は同様のもの)を意味する。例えば、ヌクレオチドは典型的には、塩基性基(例えば、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシル、又は類似する塩基性基)、糖成分(例えば、糖環又はその類似体を含んで成る成分)、及び1又は複数のリン酸基を含んで成る。
【0058】
“質量修飾”基は、前記基を含んで成る分子の、典型的にはドルトンとしての分子量に関して測定される質量を修飾する。例えば、サイズ又は配列における単一の塩基差異により少なくとも2個の核酸間の識別を高める質量修飾基は、例えば分子量決定を用いて配列決定を促進するために使用され得る。
【0059】
“複素環式環”とは、飽和、不飽和又は芳香族のいずれかであり、そして窒素、酸素及び硫黄から独立して選択された1又は複数のヘテロ原子を含んで成る、単環式又は二環式環を意味する。複素環式環は、ヘテロ原子又は炭素原子を通して本発明のヌクレオチドの糖成分又はその類似体に結合され得る。典型的な複素環式環は、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロイミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル及び同様のものを包含する。
【0060】
“単素環式環”(homocyclic ring)とは、飽和又は不飽和(しかし、芳香族ではない)炭素環式環、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘキセン及び同様のものを意味する。
【0061】
“アルキル基”とは、線状、枝分かれ鎖又は環状飽和炭化水素成分を意味し、そしてすべての位置異性体、例えば次のものを包含する:メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル及び1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル及び同様のもの。アルキル基は典型的には、約1〜20個の炭素原子を含んで成り、そしてより典型的には、約2〜15個の炭素原子を含んで成る。アルキル基は、置換され得るか、又は非置換性であり得る。
【0062】
“アルケニル基”とは、1又は複数の炭素−炭素二重結合を有する、線状、枝分れ鎖又は環状不飽和炭化水素成分を意味する。典型的なアルケニル基は次のものを包含する:エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル及び同様のもの。アルケニル基は典型的には、約1〜20個の炭素原子及びより典型的には約2〜15個の炭素原子を含んで成る。アルケニル基は、置換されるか、又は非置換性であり得る。
【0063】
“アルキニル基”とは、1又は複数の炭素−炭素三重結合を有する、線状、枝分れ鎖又は環状の不飽和炭化水素成分を意味する。代表的なアルキニル基は次のものを包含する:2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル、1−エチル−1−メチル−2−プロピニル及び同様のもの。アルキニル基は典型的には、約1〜20個の炭素原子及び典型的には約2〜15個の炭素原子を含んで成る。アルキニル基は、置換され得るか、又は非置換性であり得る。
【0064】
“アルコキシ基”とは、酸素原子を含んで成るアルキニル基を意味し、そして例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ及び同様のものを包含する。
“ハロ基”とは、ハロゲン原子、例えばF, Cl, Br又はIを含んで成る基を意味する。
【0065】
“アリール基”とは、芳香族化合物に由来する原子又は成分の置換基を意味する。典型的なアリール基は、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基又は同様のものを包含する。アリール基は任意には、複数の芳香族環(例えば、ジフェニル基、等)を包含する。さらに、アリール基は、置換され得るか、又は非置換性であり得る。
“アリールオキシ基”とは、酵素原子を含んで成るアリール基を意味し、そしてフェノキシ、クロロフェノキシ、メチルフェノキシ、メトキシフェノキシ、ブチルフェノキシ、ペンチルフェノキシ、ベンジルオキシ及び同様のものを包含する。
【0066】
“アルキル−アリール基”とは、アルキル及びアリール成分を含んで成る基を意味する。
“エーテル基”とは、単一の酸素原子に結合される2個の炭素原子を含んで成る、線状、枝分れ鎖又は環状成分を意味する。典型的にはエーテル基は、例えばメトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシエチル及び同様のものを包含する。
“チオエーテル基”とは、単一の硫黄原子に結合される2個の炭素原子を含んで成る、線状、枝分れ鎖又は環状成分を意味し、そして例えばメチルチオメチル、メチルチオエチル、メチルチオプロピル、及び同様のものを包含する。
【0067】
“アルキルアミン基”とは、少なくとも1つのアルキル基を含んで成るアミノ基を意味する。
“アルケニルアミン基”とは、少なくとも1つのアルケニル基を含んで成るアミノ基を意味する。
“アルキニルアミン基”とは、少なくとも1つのアルキニル基を含んで成るアミノ基を意味する。
“エステル基”とは、一般式RCOOR’(式中、R及びR’は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はそれらの組合せから独立して選択される)を包含する種類の有機化合物を意味する。
【0068】
“ポリアミノ酸”とは、複数のアミノ残基を含んで成る化合物又は基を意味する。典型的なポリアミノ酸は、ヘプチド、ポリペプチド、タンパク質及び同様のものを包含する。
“ヘテロオリゴ”とは、複数の異なったヌクレオチド残基を含んで成るオリゴヌクレオチドを意味する。
“ヘテロオリゴ/ポリアミノ酸基”とは、少なくとも1つのヘテロオリゴ成分及び少なくともポリアミノ酸成分の両者を含んで成るハイブリッド基を意味する。
“アルデヒド基”とは、式CHOを包含する有機基を意味する。
“アルコール基”とは、少なくとも1つのヒドロキシ基を包含する有機基を意味する。
【0069】
“シリル基”とは、一般式SiRR’R’’(式中、R, R’及びR’’は独立して、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はそのような基の組合せである)を包含する種類の化合物を意味する。
核酸の“配列”とは、核酸におけるヌクレオチドの順序及び識別を意味する。配列は、典型的には、5’→3’方向で読み取られる。
“十分な長さの配列”とは、参照配列、又はその参照配列に対して少なくとも部分的に相補的である核酸配列と、少なくとも実質的に同じ数のヌクレオチドを含んで成る核酸配列を意味する。本発明の確かな態様においては、延長されたプライマー核酸は、鋳型核酸の十分な長さの配列、又は他の参照配列に対して相補的である。
【0070】
“副配列”又は“フラグメント”とは、完全な核酸配列のいずれかの部分を意味する。
“遺伝子型”とは、細胞又は対象、又は細胞又は対象グループの遺伝子構成のすべて又は一部を意味する。例えば、遺伝子型は、所定の遺伝子座で存在するか又はゲノムに分布される、特定の突然変異及び/又は対立遺伝子(例えば、多形現象(SNP)又は同様のもの)を包含する。
用途“結合された”とは、相互作用、例えば共有結合、イオン結合、化学吸収、物理吸収、及びそれらの組合せを意味するが、但しそれらだけには限定されない。
【0071】
“リンカー”又はスペーサー“とは、固体支持体、もう1つの化合物又は基、又は同様のものに化合物又は置換基を共有又は非共有(例えば、イオン、等)結合する化学成分を意味する。例えば、リンカーは任意には、ラベル(例えば、蛍光色素、放射性同位体、等)を、2’−ターミネーターヌクレオチド又は同様のものに結合せしめる。リンカーは典型的には、二官能価の化学成分であり、そして確かな態様においては、それらは、例えば固体支持体、もう1つの化合物、等から材料又は化合物を放すために、例えば熱、酵素、化学剤、電磁線、等により分離され得る分解性結合対を含んで成る。リンカーの注意した選択は、化合物及びアッセイ方法の安定性と適合できる適切な条件下での分解の実施を可能にする。
【0072】
一般的に、リンカーは、化学的種を一緒に連結するために、又はそのような種間の最小距離又は他の空間的関係を保存するために以外、特異的な生物学的活性を有さない。しかしながら、リンカーの構成成分は、結合される化学的種のいくつかの性質、例えば三次元コンホメーション、実効電荷、疎水性、等に影響を及ぼすよう選択され得る。リンカー分子のさらなる記載は、例えばLyttle など. (1996) Nucleic Acids Res. 24 (14): 2793, Shchepino など.(2001) Nucleosides, Nucleotides, & Nucleic Acids 20: 369, Doronina など (2001) Nucleosides, Nucleotides, & Nucleic Acids 20: 1007, Trawick など. (2001)Bioconjugate Chem. 12: 900, Olejnik などl. (1998) Methods inEnzvmolosv 291: 135,Pljevaljcic など. (2003) J. Am. Chem. Soc. 125 (12): 3486, Ward, など. , アメリカ特許第4,711, 955号, Stavrianopoulos, アメリカ特許第4,707, 352号、及び Stavrianopoulos, アメリカ特許第4,707, 440号(引用により本明細書に組み込まれる)に提供される。
【0073】
“ヌクレオチド組込み生触媒”とは、核酸中へのヌクレオチドの組込みを触媒する触媒を意味する。ヌクレオチド組込み生触媒は典型的には酵素である。“酵素”は、他の化合物又は“基質”を包含する、化学反応の活性化エネルギーを低めるよう作用する、タンパク質に基づく触媒である。“ヌクレオチド組込み酵素”とは、核酸中へのヌクレオチドの組込みを触媒する酵素である。典型的なヌクレオチド組込み酵素は、例えばDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転写酵素、テロメラーゼ、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ及び同様のものを包含する。他の生触媒は、DNAに基づくか(“DNAzymes”)又はRNAに基づく(“リボザイム”)。
【0074】
“熱安定性酵素”とは、選択された時間、高温にゆだねられる場合、熱に対して安定性であり(すなわち、分解又は変性に対して耐性である)、そして十分な触媒活性を保存する酵素を意味する。例えば、熱安定性ポリメラーゼは、二本鎖核酸の変性をもたらすのに必要な時間、高温にゆだねられる場合、続くプライマー延長反応をもたらすために十分な活性を保持する。核酸変性のために必要な加熱条件は、当業界において良く知られており、そして引用により本明細書に組込まれる、アメリカ特許第4,683,202号及び第4,683,195号に例示される。
【0075】
本明細書において使用される場合、熱安定性ポリメラーゼは典型的には、温度循環反応、例えばポリメラーゼ鎖反応(“PCR”)への使用のために適切である。熱安定性ヌクレオチド組込み酵素に関しては、酵素活性は、鋳型核酸に対して相補的であるプライマー延長生成物を形成するために適切な態様でのヌクレオチドの組合せの触媒作用を意味する。本明細書において言及される他の熱安定性酵素は、高温にゆだねられる場合、例えば加ピロリン酸分解を最少にするのに十分な活性を同様に保持する熱安定性ピロホスファターゼを包含する。酵素に類似して、DNAzymes及びリボザイムもまた、熱安定性である。
【0076】
“修飾された”酵素は、モノマー配列の少なくとも1つのモノマーが、2種の配列が最大の識別のために一列整列される場合、参照におけるモノマーとは異なる、モノマー配列を含んで成る酵素、例えば生来の又は野生型の酵素又はもう1つの修飾された形の酵素を意味する。典型的な修飾は、モノマー挿入、欠失及び置換を包含する。本発明の修飾された酵素(すなわち、タンパク質又は核酸に基づく触媒)は、種々の多様性生成方法により創造されており、又は任意には創造される。実質的にいずれかの方法が修飾された酵素を生成するために使用され得るが、確かな典型的な技法は、1又は複数の親酵素をコードする複数の核酸を組換えすること(例えば、反復性組換え、合成組換え又は同様のものを通して)、又は反復性全体的突然変異誘発、カセット突然変異誘発、ランダム突然変異誘発、インビボ突然変異誘発、特定部位の突然変異誘発又は同様のものを用いて、酵素をコードする1又は複数の核酸を突然変異誘発することを包含する。
【0077】
親酵素をコードする核酸は典型的には、転写及び翻訳の機構を通して、親酵素、例えば生来形の酵素に対応するアミノ酸配列を生成する遺伝子を包含する。修飾された酵素はまた、複数の親に由来する識別できる成分配列(例えば、構造的及び/又は機能的ドメイン、等)を有するキメラを包含する。参照配列に対して化学的修飾(例えば、結合された置換基、変更された置換基、等)を含んで成るそれら酵素もまた、修飾された酵素の定義内に包含される。酵素に類似して、DNAzymes及びリボザイムもまた、類似する修飾を含んで成ることができる。
【0078】
“ラベル”とは、分子に結合されるか(共有又は非共有)、又は結合され得る成分を意味し、この成分は、分子についての情報(例えば、説明、識別、等)を提供するか、又は提供することができる。典型的なラベルは、蛍光ラベル、弱い蛍光ラベル、非蛍光ラベル、比色ラベル、化学ルミネセンスラベル、生物ルミネセンスラベル、放射性ラベル、質量修飾基、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン又は酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ、等)を包含する。
【0079】
“固体支持体”とは、化学成分、例えばプライマー核酸、鋳型核酸、又は同様のものにより誘導体化され得るか、又は他方では、それに結合され得る固体材料を意味する。典型的な固体支持体は、プレート、ビーズ、微小球、線維、ホイスカー、コーム、ハイブリダイゼーションチップ、膜、単一結晶、セラミック層、自己集成単層、及び同様のものを包含する。
【0080】
“溶液における”とは、少なくとも反応体が固体支持体に結合されない反応条件を意味する。例えば、本発明の確かな延長反応は、鋳型核酸、プライマー核酸、2’−ターミネーターヌクレオチド、延長できるヌクレオチド、及びヌクレオチド組込み生触媒を一緒に溶液においてインキュベートすることを包含する。
【0081】
用語“分解”とは、液相方法により化合物の分析を可能にするために、1つの材料を又は化合物を、もう1つの化合物又は材料から又は固体支持体から放す方法を意味する。例えば、Wells など. (1998) "Cleavage and Analysis of Material from Single Resin Beads,"J.Org. Chem. 63: 6430- 6431を参照のこと。
【0082】
“特徴”とは、特徴ストリング中の1つの特徴に関して使用される場合、その特徴ストリング中のサブユニットを意味する。好ましい態様においては、特徴ストリング中の特徴は、コードされる生物学的分子の1つのサブユニットをコードする。従って、例えば、コードされる生物学的分子がポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドである場合、その特徴ストリング中の特徴は、単一ヌクレオチドをコードする。
【0083】
“特徴ストリング”とは、配列情報(例えば、生物学的分子のサブユニット構造、例えば核酸のヌクレオチド配列、等)を貯蔵することができるいずれかの存在物を表わす。1つの態様においては、特徴ストリングは、特徴(文字、数、又は他の記号)の単純な配列であり、又はそれは、具体的な又は無形の(例えば、電子、磁気、等)形でのそのような情報の数的な表示であり得る。特徴ストリングは、“線状”である必要はないが、しかしまた、多くの他の形、例えば連結された列挙又は他の線状アレイ(例えば、特徴の線状アレイを生成するためのコードとして使用される)、又は同様のものの形で存在することができる。特徴群は好ましくは、いずれかのコードされた群、又はポリヌクレオチドにおけるモノマー又はマルチマー、又は同様のもの(天然の又は人工的モノマーから製造されても)を表わす特徴群に明確に転換され得る物体の像又は配置を包含する、ポリヌクレオチド群を直接的に又は間接的にコードするそれらである。
【0084】
用語“解明する”とは、所定の集団の少なくとも確かなメンバーの1又は複数の性質の同定を意味する。本発明のいくつかの態様においては、ヌクレオチド組み込み生触媒は、鋳型核酸の塩基配列の少なくとも一部が解明された、延長されたプライマー核酸から決定できるよう解明される複数の異なった延長されたプライマー核酸を生成する。さらなる例示によれば、延長されたプライマー核酸の集団が任意には、その集団における個々の延長されたプライマー核酸の分子質量、サイズ及び/又は電荷性質を決定することにより解明される。いくつかの態様においては、ラベルされた、延長されたプライマー核酸が、集団における延長されたプライマー核酸を分離し、そしてラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することにより解明される。
【0085】
“気相イオン分光測定”とは、気相イオンを検出するための気相イオン分光計の使用を意味する。気相イオン分光計は典型的には、気相イオンを供給するイオン源を包含する。気相イオン分光計は、質量分光計、合計のイオン流測定装置、イオン移動度分光計、及び同様のものを包含する。
【0086】
“質量分光計”は、種々の物質、例えば酵素触媒された反応の生成物の分子量を決定するために使用され得る分析測定器である。典型的には、質量分光計は次の4種のパーツを含んで成る:サンプル入口、イオン化源、質量分析器及び検出器。サンプルは任意には、種々のタイプの入口、例えば固体プローブ、ガスクロマトグラフィー(GC)、又は液体クロマトグラフィー(LC)を通して、気相、液相又は固相で導入される。次に、サンプルは典型的には、1又は複数のイオンを形成するために、イオン化源においてイオン化される。得られるイオンは、質量分析器(例えば、飛行の時間(TOF)質量分析器、等)中に導入され、そしてそれにより操作される。生存するイオンが、質量:電荷の比に基づいて検出される。
【0087】
1つの態様においては、質量分光計は、レーザー電子ビームにより調査下で物質に衝撃を与え、そして正及び負のイオンフラグメントのスペクトルとして結果を記録する。イオンフラグメントの分離は、イオンの質量:電荷比に基づかれる。すべてのイオンが一価に荷電される場合、この分離は、実質的に質量に基づかれる。四極子分光計は、質量分析器のための4個の電子極を用いる。それらの技法はさらに、多くのテキスト、例えばDawson, Quadruple MassSpectrometry and its Applications, Springer Verlag, (1995)に記載されている。電子スプレー質量分光計システムにおいては、イオン化は、イオン蒸発により、荷電された液滴及び続く分析イオンを生成するために使用される電場により生成される。Cole"Electrospray Ionization Mass Spectrometry"John Wiley and Sons, Inc. (1997)を参照のこと。
【0088】
“混合物”とは、複数の異なった成分の組合せを意味する。“反応混合物”とは、所定の反応に関与し、そして/又は促進することができる分子を含んで成る混合物を言及する。例えば、“DNA配列決定反応混合物”とは、DNA配列決定反応のために必要な成分を含んで成る反応混合物を意味する。従って、DNA配列決定反応混合物は、その反応混合物は初期においては不完全であるが、鋳型又は標的核酸の核酸配列を決定するためのDNA配列決定方法への使用のためには適切であり、その結果、配列決定反応の開始は使用者により調節される。この態様においては、反応は、完全なDNA配列決定反応混合物を提供するために、最終成分、例えば酵素が添加されるとすぐに開始され得る。典型的には、DNA配列決定反応は、重合活性のために適切な緩衝液、延長できるヌクレオチド、及び少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオチドを含むであろう。
【0089】
反応混合物はまた、ポリメラーゼ酵素による鋳型核酸上での延長のために適切なプライマー核酸を含むことができる。プライマー核酸又は1つのヌクレオチドのいずれかは一般的に、検出できる成分、例えば蛍光ラベルによりラベルされる。一般的に、反応は、4個の延長できるヌクレオチド及び少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオチドを含んで成る混合物である。典型的には、ポリメラーゼは、熱安定性DNAポリメラーゼ(例えば、G46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA ポリメラーゼ、 E615G Taq DNA ポリメラーゼ、ΔZ05R ポリメラーゼ、 G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、等)であり、そして2’−ターミネーターヌクレオチドは、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシドである。
【0090】
II. 2’−ターミネーターヌクレオチド:
本発明は一般的に、損なわれていない糖環(例えば、ペントース糖環)又は糖類似体環(例えば、炭素環式、等)の3’−位置でのヒドロキシル基、及び糖成分の2’−位置でのブロッキング基(例えば、負に荷電されたブロッキング基、大きなブロッキング基、及び/又は同様のもの)を典型的には包含する、2’−ターミネーターヌクレオチドを用いての核酸の鋳型−依存性延長を末端ラベリングし、そして/又はブロッキングするための方法に関する。本発明のヌクレオチド組み込み生触媒は、例えば鋳型方向づけされた態様で、2’−ターミネーターヌクレオチドによりプライマー核酸を延長する能力を含んで成る。
【0091】
確かな態様においては、ヌクレオチド組込み生触媒は、例えば核酸が本明細書に記載される2’−ターミネーターヌクレオチドを用いて末端ラベルされる場合、鋳型核酸に無関係に核酸を延長する。例えば、延長されたプライマー核酸の末端での2’−ターミネーターヌクレオチドの組込みに基づいて、核酸は本発明のヌクレオチド組み込みを生触媒により延長できなくされる。さらに、驚くべきことには、2’−ターミネーターヌクレオチドを含んで成る、延長されたプライマー核酸は一般的に、プルーフリーディング酵素活性(例えば、プルーフリーディングDNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレオチド活性、等)に対して耐性である。
【0092】
結果として、本発明の方法に使用されるヌクレオチド組み込み生触媒は任意には、例えば、低められたプルーフリーディング活性を欠いているか又は有する触媒を用いるアプローチに関して配列適合性を改良するために、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を包含する。本発明の確かな態様においては、配列決定方法は、酵素のヘリックスOにおけるF→Y突然変異を欠いているか、又は他方では、酵素による3’−デオキシヌクレオチドの組込みを増強する突然変異を欠いているポリメラーゼを用いる。
【0093】
例示によれば、図1A−Dは、本発明の確かな態様に従っての2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。特に、図1Aは、アデノシン四リン酸ターミネーターヌクレオシドを図示し、図1Bは、グアノシン四リン酸ターミネーターヌクレオシドを図示し、図1Cは、ウリジン四リン酸ターミネーターヌクレオシドを図示し、そして図1Dは、シチジン四リン酸ターミネーターヌクレオシドを図示する。
【0094】
本発明の2’−ターミネーターヌクレオチドは一般的に、下記式:
【化1】

【0095】
[式中、R1は、H, OH, 親水性基、又は疎水性基であり;Bは、少なくとも1つの単素環式環、少なくとも1つの複素環式環(環外へテロ原子を有するか、又は有さない)、少なくとも1つのアリール基、又はそれらの組合せであり;BGは、ブロッキング基であり;ZはO又はCH2であり;そして---- は、単又は二重結合を表わす]を包含する。確かな態様においては、本発明のヌクレオチドは、ラベルされる。さらに、2’−ターミネーターヌクレオチドは一般的に、5’−位置で結合される、1,2,3又はそれ以上のリン酸基を含んで成る。本発明の1つの態様においては、ヌクレオチドは、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシドを含んで成る。
【0096】
本発明の2’−ターミネーターヌクレオチドは任意には、実質的にいずれかの複素環式環又はアリール基(すなわち、塩基又はB基として)を包含する。従って、使用され得るすべての可能性ある基を記載する試みは行われていない。しかしながら、例示によれば、例えば水素結合又は塩基スタッキング機構を通して、もう1つの核酸と塩基対合される。さらなる例示によれば、確かな代表的B基は下記に提供される。いくつかの態様においては、例えばBは、下記式:
【0097】
【化2】

【0098】
[式中、X1及びX2は、CH及びNから独立して選択され;R2は、H, OH又はNR4R5であり;R3は、H, OH又はNR6R7であり;R4及びR5は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択され;そしてR6及びR7は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択される]を含んで成る。他の態様においては、Bは、下記式:
【0099】
【化3】

【0100】
[式中、X1及びX2は、CH及びNから独立して選択され;R2は、O又はSであり;R3は、H, OH又はNR4R5であり;そしてR4及びR5は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択される]を含んで成る。いくつかの態様においては、Bは、下記式:
【0101】
【化4】

【0102】
[式中、R2は、H, OH又はNR4R5であり;R3は、H, OH又はNR6R7であり;R4及びR5は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択され;そしてR6及びR7は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択される]を含んで成る。いくつかの態様においては、Bは、下記式:
【0103】
【化5】

【0104】
[式中、XはCH又はNであり;R2及びR3は、H, OH及びNHR4から独立して選択され;R4は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せであり;そしてR5は、OH, NH2, SH, ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はそれらの組合せである]を含んで成る。他の態様においては、Bは、下記式:
【0105】
【化6】

【0106】
[式中、Xは、CH又はNであり;R2は、O又はSであり;R3は、H, OH又はNHR4であり;R4は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せであり;そしてR5は、OH, NH2, SH, ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はそれらの組合せである]を含んで成る。確かな態様においては、Bは、下記式:
【0107】
【化7】

【0108】
[式中、X1及びX2は、CH及びNから独立して選択され;R2は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択され;そしてR3は、O又はSである] を含んで成る。他の態様においては、Bは、下記式:
【0109】
【化8】

【0110】
[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択され;そしてR4及びR5は、H, NH2, SH, OH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基及びそれらの組合せから独立して選択される] を含んで成る。いくつかの態様においては、Bは、下記式:
【0111】
【化9】

【0112】
[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択され;そしてR4は、H, NH2, SH, OH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基及びそれらの組合せから独立して選択される] を含んで成る。他の態様においては、Bは、下記式:
【0113】
【化10】

【0114】
[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択される] を含んで成る。いくつかの態様においては、Bは、下記式:
【0115】
【化11】

【0116】
[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択される] を含んで成る。他の態様においては、Bは、下記式:
【0117】
【化12】

【0118】
[式中、R2は、O又はSであり;R3及びR4は、H,NH2、SH、OH、COOH、COOCH3、COOCH2CH3、CHO、NO2、CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基及びそれらの組合せから独立して選択される;そしてR5は、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケノキシ基、アルキニル基、アルキノキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、又はそれらの組合せである] を含んで成る。
【0119】
糖成分の2’位置で使用されるブロッキング基(BC)はまた、種々の態様を包含する。いくつかの態様においては、例えばBCは、負に荷電された基及び/又は大きな基である。更なる例示によれば、BGは任意には、例えばCN, NO2, N3, シリル基、ハロ基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、酸性基、エステル基、アミノ基及びそれらの組合せから選択される。より特定には、BGは任意には、下記式:
【0120】
【化13】

【0121】
[式中、Xは、O、S、NR3、CR3R4、又はSiR3R4であり;Yは、CR5R6R7、SiR5R6R7、OR5、SR5、又はNHR5であり;R2は、H、OH、NHR8、SR8、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、又はそれらの組合せであり;そしてR3, R4, R5, R6, R7及びR8は、H、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基又はそれらの組合せから独立して選択される]を含んで成る。図2Aは、この式を有するブロッキング基を含んで成る1つのヌクレオチドを図示する。さらなる例示によれば、BGは任意には、下記式:
【0122】
【化14】

【0123】
[式中、Xは、CR3R4R5、SiR3R4R5、OR3、SR3、又はNHR3であり;R2は、H, OH, NHR6, SR6, アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基又はそれらの組合せであり;そしてR3, R4, R5及びR6は、H、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基又はそれらの組合せから独立して選択される]を含んで成る。図2Bは、この式を有するブロッキング基を含んで成る1つの2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【0124】
2’−ターミネーターヌクレオチド、延長できるヌクレオチド、プライマー核酸(例えば、延長されたプライマー核酸)、及び/又は本発明の方法に従って使用される他の核酸は任意には、少なくとも1つのラベルを含んで成る。例えば、ラベルは、例えばアミド、エステル、チオエステル、エーテル、チオエーテル、炭素−炭素、又は他のタイプの共有結合を通して、例えば単素環式環、複素環式環、又は2’−ターミネーターヌクレオチドのアリール基に(ピリミジンのC5、シチジンのN4、プリンのN7、アデノシンのN6、プリンのC8、又は当業界において知られているもう1つの結合部位を通して)、結合される。さらに、又は他方では、ラベルは、2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分(例えば、リボース糖、等)、又はその類似体(例えば、炭素環式環、等)、及び/又は2’−ターミネーターヌクレオチドのリン酸基に、例えばアミド、エステル、チオエステル、エーテル、チオエーテル、炭素−炭素、又は他の結合である共有結合により結合される。
【0125】
共有結合は典型的には、ラベルの求電子基及び求核基と本発明のヌクレオチドとの間での反応において形成される。確かな態様においては、ラベル及びヌクレオチドは、お互い直接的に結合される(例えば、単、二重、三重又は芳香族炭素−炭素結合、又は炭素−窒素結合、窒素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、リン−酸素結合、リン−窒素結合、等を通して)。任意には、リンカーはラベルを2’−ターミネーターヌクレオチドに結合せしめる。広範囲の種類のリンカーが、ラベル及びヌクレオチドの結合への使用のために使用されるか、又は適合され得る。本明細書に言及されるようなリンカーは、非制限的な例示である。
【0126】
さらなる例示によれば、図3A−Cは、本発明の確かな態様に従っての色素ラベルされた四リン酸を図示する。特に、図3Aは、2’−ターミネーターヌクレオチドの塩基に結合されるレポーター色素を図示し、図3Bは、2’−ターミネーターヌクレオチドのブロッキング基に結合されるレポーター色素を図示し、そして図3Cは、2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分に結合されるレポーター色素を図示する。図4A及びBはまた、本発明のいくつかの態様に従ってのラベルされたヌクレオシド四リン酸を図示する。より特定には、図4A及びBは、ヌクレオシド四リン酸の塩基にリンカーを通して結合されるラベルを図示し、ここでRは、H, OH、アルキル基、アリール基、枝分れアルキル基、枝分れアルキル−アリール基、アルケニル基、及びアルキニル基から成る群から選択される。
【0127】
さらに、図5は、本発明の1つの態様に従ってリンカーを通してヌクレオシド四リン酸に結合されるラベルを図示する。図6A−Dはまた、本発明の確かな態様に従って結合された蛍光色素を有する種々の2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。特に、図6Aは、R6G−ラベルされたアテノシン四リン酸を図示し、図6Bは、R110−ラベルされたグアノシン四リン酸を図示し、図6Cは、TAMRA−ラベルされたウリジン四リン酸を図示し、そして図6Aは、ROX−ラベルされたシチジン四リン酸を図示する。
【0128】
実質的にいずれかのラベルが任意には、本発明のヌクレオチド及びヌクレオシドをラベルするために使用される。いくつかの態様においては、例えばラベルは、蛍光色素、例えば、ローダミン色素(例えば、R6G、R110、TAMRA、ROX、等)、フルオレセイン色素(例えば、JOE、VIC、TET、HEX、FAM、等)、ハロフルオレセイン色素、シアニン色素(例えば、CY3、CY3.5、CY5、CY5.5、等)、BODIPY(商標)色素(例えば、FL, 530/550, TR, TMR, 等)、ALEXAFLUO(商標)色素 (例えば488、532、546、568、594、555、653、647、660、680、等)、ジクロロローダミン色素、エネルギー移行色素(例えば、BIGDYETM v 1 色素、BIGDYETM v 2 色素、BIGDYETM v 3 色素、等)、Lucifer色素(例えば、Luciferイエロー、等)、CASCADE BLUE(商標)、Oregon Green, 及び同様のものを含んで成る。
【0129】
蛍光色素に関する追加の詳細は、例えばHaugland Moleculer Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Products, Ninth Ed. (2003)及びそこにおける最初データ(それらは引用により本明細書に組込まれる)に提供される。蛍光色素は一般的に、種々の商業的供給者、例えばMolecular Probes, Inc. (Eugene, OR), Amersham Biosciences Corp. (Piscataway, NJ), Applied Biosystems (Foster City, CA), 等 から容易に入手できる。
【0130】
他のラベルは、例えばビオチン、弱い蛍光ラベル(Yinなど. (2003) Appl Environ Microbiol. 69(7): 3938, Bavendure など. (2003) Anal. Biochem. 317(1) 及びJankowiakなど. (2003) Chem Res Toxicol. 16(3): 304)、非蛍光ラベル、非色ラベル、化学ルミネセントラベル(Wilson など. (2003) Analyst. 128(5): 480 及びRoda など. (2003) Luminescence 18(2): 72)、Ramanラベル、電子化学ラベル、生物ルミネセントラベル(Kitayama など. (2003) Photochem Photobiol. 77(3): 333, Arakawa など. (2003) Anal. Biochem. 314(2): 206, 及びMaeda (2003) J. Pharm. Biomed. Anal. 30(6): 1725)、及び例えば、2002年11月22日に出願されたアメリカ仮特許出願第60/428,484号に記載されるようなα−メチル−PEGラベリング試薬を包含する(前記引例は、本明細書に組み込まれる)。
【0131】
確かな態様においては、ラベルは、放射性同位体、例えば3H、 14C、 22Na、 32P、 33P、 35S、 42K、45Ca、 59Fe、 125I 、203Hg、又は同様のものを含んで成る。さらなる例示によれば、ラベルはまた任意には、少なくとも1つの質量修飾基を包含する。例えば、質量修飾基は任意には例えば重水素、F、Cl、Br、I、S、N3、XY、CH3、SPO4、BH3、SiY3、Si(CH3)3、Si(CH3)2(C2H5)、Si(CH3)(C2H5)2、Si(C2H5)3、(CH2)nCH3、(CH2)nNY2、CH2CONY2、(CH2)nOH、CH2F、CHF2、CF3及びホスホロチオエート基から選択され、ここでXは、O, NH, NY, S, NHC(S), OCO(CH)nCOO, NHCO(CH2 )nCOO, OSO2O, OCO(CH2)n, NHC(S)NH, OCO(CH2)nS, OCO(CH2)S, NC4O2H2S, OPO(O-アルキル), 又は OP(O-アルキル)であり;nは1〜20の整数であり;そしてYは、H、重水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ポリオキシメチレン基、モノアルキル化されたポリオキシメチレン基、ポリエチレンイミン基、ポリアミド基、ポリエステル基、アルキル化されたシリル基、ヘテロオリゴ、ポリアミノ酸、ヘテロオリゴ/ポリアミノ酸基、又はポリエチレングリコール基である。
【0132】
核酸ラベリング及び配列分析に関する追加の詳細は、例えばSterky など. (2000) "Sequence analysis of genes and genomes, "J. Biotech. 76 (2000):1, Sensen (Ed.) Biotechnology, Volume5B, Genomics and Bioinformatics, John Wiley & Sons, Inc. (2001), 及び Sensen (Ed. ) Essentials of Genomics and Bioinfonnatics John Wiley & Sons, Inc. (2002)(引用により本明細書に組み込まれる)に提供される。
【0133】
多くの種類のリンカーが、核酸にラベルを結合するために入手でき、そして当業者に明らかであろう。リンカーは一般的に、核酸中への組込みのために立体的及び電子的に適切である構造のものである。リンカーは任意には、例えばエーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、ウレア、ウレタン、ヒドラジン又は他の成分を包含する。さらなる例示によれば、リンカーは一般的に、C, N, O, P, Si, S、等から選択された、約1〜約25個の非水素原子を包含し、そして例えばエーテル、チオエーテル、アミン、エステル、カルボキサミド、スルホンアミド、ヒドラジド結合、及び芳香族又は複素芳香族結合のいずれかの組合せを実質的に含んで成る。いくつかの態様においては、例えばリンカーは、単一の炭素−炭素結合、及びカルボキサミド又はチオエーテル結合の組合せを含んで成る。リンカーのより長い線状セグメントが任意には使用されるが、最長の線状セグメントは典型的には、1又は複数のヘテロ原子を包含する、約3〜約15個の非水素原子を含む。
【0134】
リンカー成分の非制限的例は、置換された(例えば、官能化された)又は置換されていない基、例えばイミダゾール/ビオチンリンカー、ポリメチレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基、アリーレンアルキル基、アリールチオ基、アミドアルキル基、アルキニルアルキル基、アルケニルアルキル基、アルキル基、アルコキシル基、チオ基、アミノアルキル基、モルホリン誘導されたホスフェート、ペプチド核酸(例えば、N−(2−アミノエチル)グリシン、等)、及び同様のものを包含する。それらの及び他のリンカーは、例えばアメリカ特許第6,339, 392号(Haugland など.) , アメリカ特許第5,047, 519 号(Hobbs, Jr. など. ), アメリカ特許第4,711, 958号 (Iizuka など.) , アメリカ特許第5,175, 269号(Stavrianopoulos), アメリカ特許第4,711, 955号 (Ward など.) , アメリカ特許第5,241, 060号 (Engelhardt など.) , アメリカ特許第5,328, 824 号( Ward など.) , 及び アメリカ特許出願番号2002/0151711号( Khan など.による)(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0135】
核酸ラベリング及びリンカーに関する追加の詳細は、例えば引用により本明細書に組み込まれるHermanson,Bioconjugate Techniques, Elsevier Science (1996)に提供される。確かな態様においては、適切なリンカーは、光分解性成分、例えば2−ニトロベンジル成分、α−置換された2−ニトロベンジル成分(たとえば、1−(2−ニトロフェニル)エチル成分)、3,5−ジメトキシベンジル成分、チオヒドロキサム酸、7−ニトロインドリン成分、9−フェニルキサンチル成分、ベンゾイン成分、ヒドロキシフェナシル成分、NHS−ASA成分及び同様のものを含んで成る。光分解性リンカーは、例えばOlejnikなどによるアメリカ特許公開番号2003/0099972号(引用により本明細書に組み込まれる)にさらに記載される。
【0136】
いくつかの態様においては、リンカーは金属、例えば白金原子を包含する。それらはさらに、例えばHouthoffなどによるアメリカ特許第5,714,327号(引用により本明細書に組込まれる)に記載される。種々の長さの多くのリンカーは、種々の供給者、例えばQiagen-Operon Technologies, Inc. (Alameda, CA), BD Biosciences Clontech (Palo Alto, CA), 及び Molecular BioSciences (Boulder, CO)から市販されている。2’−ターミネーターヌクレオチドはまた、例えばGelfandなどにより2003年11月12日に出願された、"SYNTHESIS AND COMPOSITIONS OF 2'-TERMINATORNUCLEOTIDES,"の表題のアメリカ仮出願番号60/519,661号にも記載される。
【0137】
III . ラベリング及び配列決定方法:
確かな観点においては、本発明は、他の用途の中で、プローブとしての使用のために核酸を末端ラベルするために核酸(例えば、オリゴヌクレオチド又は同様のもの)を延長する方法を提供する。それらの方法は典型的には、延長されるべき核酸を、ヌクレオチド組込み生触媒(例えば、末端トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ、等)及びラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドと共にインキュベートすることを包含する。
【0138】
いくつかの態様においては、ヌクレオチド組込み生触媒は、鋳型無関係態様で、核酸の3’末端でラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを組込むことにより、延長された末端を生成するよう核酸を延長する。延長された核酸がプローブとして使用される場合、前記方法は典型的には、さらに標的核酸と延長された核酸をとハイブリダイズし、そしてラベルにより生成される検出できるシグナルを検出し、それにより標的核酸を検出することを包含する。
【0139】
いくつかの態様においては、本発明の方法は、鋳型核酸を、少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒、少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオチド、及び鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的である少なくとも1つのプライマー核酸と共にインキュベートすることを包含する。ヌクレオチド組込み生触媒は、延長されたプライマー核酸の末端で2’−ターミネーターヌクレオチドを組込む、少なくとも1つの延長されたプライマー核酸を生成するようプライマー核酸を延長する。
【0140】
本発明の配列決定方法は典型的には、また鋳型核酸を、任意にラベルされる少なくとも1つの延長できるヌクレオチド(例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、及び/又は同様のもの)と共にインキュベートすることを包含する。他のモル比が任意に使用されるが、2’−ターミネーターヌクレオチド及び延長できるヌクレオチドは典型的には、1:1又はそれ以下のモル比で存在する。本発明の方法により生成される、延長されたプライマー核酸は典型的には、鋳型核酸の副配列に対して相補的であるか、又は鋳型核酸の十分な長さの配列に対して相補的であるかいずれかである。
【0141】
本発明の方法はまた、一般的に、例えば鋳型核酸を、少なくとも1つのピロホスファターゼ(例えば、熱安定性ピロホスファターゼ)と共にインキュベートすることにより、中温性ポリメラーゼ及び熱安定性DNAポリメラーゼの両者を用いて配列決定結果を増強することが示されている。いくつかの態様においては、ピロホスファターゼは、DNA配列決定又は他の反応混合物には包含されない。より特定には、本明細書に記載されるか又は言及される一定の酵素の使用は、配列決定反応混合物中に第2の酵素を添加する追加の費用のための必要性を排除する。
【0142】
本発明の実施においては、分子生物学及び組換えDNAにおける多くの従来の技法が任意には、使用される。それらの技法は良く知られており、そして例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, VolumesI, II, and III, 1997 (F. M. Ausubeled.) ; Sambrook など., 2001, Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y.; Berger and Kimmel, Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology volume 152 Academic Press, Inc. , San Diego, CA (Berger), DNA Cloning : A Practical Approach, Volumes I andII, 1985 (D. N. Glover ed. ) ; Oligonucleotide Synthesis, 1984 (M. L. Gait ed. ) ; Nucleic Acid Hybridization, 1985, (Hames and Higgins) ; Transcription and Translation, 1984 (Hames and Higgins eds. ) ; Animal Cell Culture, 1986 (R. I. Freshney ed. ) ; Immobilized Cells and Enzymes, 1986(1RL Press); Perbal, 1984, A Practical Guide to Molecular Cloning ; the series, Methods in Enzymology (Academic Press, Inc. ) ; Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells, 1987 (J. H. Miller and M. P. Calos eds. , Cold Spring Harbor Laboratory); Methods in Enzymology Vol. 154 and Vol. 155 (Wu and Grossman, and Wu, eds. , それぞれ)に説明されている。
【0143】
本明細書に記載される方法に従って配列決定され得る鋳型核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)の配列を包含する。それらの配列は、生物学的、組換え又は他の人工源から得られるか、又は天然源、例えば細胞、組織から精製されるか、又は環境源から得られる。配列決定され得る他のタイプの分子は、ポリアミド核酸(PNA)(Nielsen など.(1991) Science 254: 1497)、又は塩基対を形成するか、又は相補的化学構造体とハイブリダイズすることができる化学的主鎖により連結される塩基のいずれかの配列を包含する。
【0144】
DNA, RNA及びPNAの塩基は、プリン、ピリミジン、及び化学的主鎖に線状的に連結される、ピリミジン誘導体及び修飾体を包含する。通常の化学的主鎖構造体は、デオキシリボースリン酸、リボースリン酸及びポリアミドである。DNA及びRNAの両者のプリンは、アデニン(A)及びグアニン(G)である。存在することが知られている他のものは、キサンチン、ヒポキサンチン、2−及び1−ジアミノプリン及び他のより修飾された塩基を包含する。ピリミジンは、DNA及びRNAの両者に共通するシトシン(C)、RNAに優先的に見出されるウラシル(U)、及びDNAにおいて最も独占的に発生するチミジン(T)である。
【0145】
いくつかのより非典型的なピリミジンは、メチルシトシン、ヒドロキシメチル−シトシン、メチルウラシル、ヒドロキシメチルウラシル、ジヒドロキシペンチルウラシル及び他の塩基修飾体を包含する。それらの塩基は、例えばグアニンとシトシン及びアデニンとチミジンとを包含する塩基対を形成するために、相補的態様で相互作用する。本発明はまた、非従来の塩基対合、例えば一定のtRNA分子において同定され、そして三本鎖へリックスに存在することが推定されるHoogsteen塩基対合にも関する。核酸は、上記定義セクションにさらに記載されている。
【0146】
鋳型核酸は任意には、有害であり(例えば毒素)、危険であるか(例えば、感染性)、又はハイブリダイゼーション反応、又はその反応の感受性(例えば、金属、塩、タンパク質、脂質)と干渉する物質を除去するために、精製される。精製は、技法、例えば塩、クロロホルム又はフェノールによる化学的抽出、沈殿法、遠心分離、クロマトグラフィー又は当業者に知られている他の技法を包含することができる。
【0147】
十分な量の鋳型核酸が利用でき、そしてその核酸が十分に純粋であるか、又はハイブリダイゼーションと干渉するいずれかの物質を除去するために精製され得る場合、鋳型核酸は、直接的に配列決定される。すなわち、配列情報が、標的配列の相補的又は相同コピーを創造しないで得られる。しかしながら、鋳型核酸はまた、例えばポリメラーゼ鎖反応(PCR)又は他の増幅技法を用いて、鋳型のコピー数を高めるために増幅され得る。核酸増幅プロトコールはまた、任意には、本発明の方法に使用されるプライマー核酸のコピー数を高めるために使用される。
【0148】
核酸増幅は一般的に、高いモル過剰の複数のオリゴヌクレオチドプライマー及び4種のdNTP(dGTP, dCTP, dATP, dTTP)の個々の存在下で加熱することによる鋳型DNAの変性を包含する。反応混合物は、オリゴヌクレオチドプライマーの標的配列へのアニーリングを可能にする温度に冷却され、この後、アニーリングされたプライマーがDNAポリメラーゼにより延長される。変性、アニーリング及びDNA合成のサイクル、すなわちPCR増幅の原理が、容易に同定され得る多量の生成物を生成するために多くの回数、反応される。
【0149】
PCRは鋳型配列の増幅のための信頼できる方法であるが、多くの他の方法、例えばリガーゼ鎖反応、自己維持された配列複製、Qβ複製増幅、ポリメラーゼ鎖反応連結されたリガーゼ鎖反応、ギャップドリガーゼ鎖反応、リガーゼ鎖検出、ローリング循環増幅、及び鎖置換増幅がまた使用され得る。リガーゼ鎖反応の原理は、標的DNA又はRNAの1つの鎖に独特にハイブリダイズする2種の隣接する合成オリゴヌクレオチドプライマーの連結に一部、基づかれる。標的物が存在する場合、2種のオリゴヌクレオチドが、リガーゼにより共有結合され得る。第1対のプライマーに対して、ほとんど完全に相補的な第2対のプライマーがまた提供される。温度が高められ、そして低められるにつれて、オリゴヌクレオチドは鋳型上でお互い隣接して再生され、そして連結される。1つの反応の連結された生成物は、続く回の連結のための鋳型として作用する。標的物の存在は、2つの隣接するオリゴヌクレオチドの合計に等しい長さを有するDNAフラグメントとして明白である。
【0150】
サンプル又はプライマー核酸における鋳型核酸の増幅、プライマー核酸企画、等のために、インビトロ増幅方法、例えばポリメラーゼ鎖反応(PCR)を通して当業者を指図するのに十分な技法の例は、Berger, Sambrook, and Ausubel, as well as Mullis など., (1987) アメリカ特許第4,683, 202号; PCR ProtocolsA Guide to Methodsand Applications (Innis など. eds) Academic Press Inc. San Diego, CA (1990)(Innis) ; Arnheim & Levinson (October 1,1990) C & EN 36-47; The Journal Of NIH Research (1991) 3,81-94 ;(Kwoh など. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86,1173 ; Guatelli etal. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87,1874 ; Lomell など. (1989) J. Clin. Chem35, 1826; Landegren など., (1988) Science 241,1077-1080 ; Van Brunt (1990) Biotechnology 8, 291-294; Wu and Wallace, (1989) Gene 4: 560; Barringer など. (1990) Gene 89,117, 及び Sooknanan and Malek (1995) Biotechnology 13: 563に見出される。
【0151】
鋳型核酸は任意には、均等な又は比較的均等な長さの1組のフラグメントを創造するために、物理的、化学的又は酵素的アプローチを用いて多くのフラグメントにフラグメント化される。例えば、配列は、例えばヌクレアーゼ、例えばDNアーゼ又はRNアーゼ(ヤエナリヌクレアーゼ、微生物ヌクレアーゼ、DNアーゼI、RNアーゼA、RNアーゼT1)、タイプI又はII制限エンドヌクレアーゼ、又は他の特定部位又は非特異的エンドヌクレアーゼを用いて、酵素的に分解される。
【0152】
核酸フラグメントのサイズは典型的には、約5〜約1,000個の長さのヌクレオチド、より典型的には、約10〜約200個の長さのヌクレオチド、及びさらにより典型的には、約12〜約100個の長さのヌクレオチドである。約5, 10, 12, 15, 18, 20, 24, 26, 30及び35個の範囲のサイズが、核酸鋳型の短い領域の小規模分析を行うために有用であり、そして25, 50, 75, 125, 150, 175, 200及び250及びそれ以上の範囲のヌクレオチドのフラグメントサイズが典型的には、より大きな標的配列を急速に分析するために有用である。
【0153】
プライマー核酸、鋳型核酸、及び/又は他の核酸は、Beaucage and Caruthers (1981) Tetrahedron Letts. , 22 (20):1859-1862により記載される固相ホスホラミジットトリエステル方法、又はNeedham-VanDevanter など. (1984) Nucleic Acids Res. 12: 6159-6168に記載されるように、自動合成機を用いての当業界において知られているもう1つの合成技法に従って、化学的に合成される。広範囲の種類の装置が、自動化されたオリゴヌクレオチド合成のために市販されている。多−ヌクレオチド合成アプローチ(例えば、3−ヌクレオチド合成)がまた、任意には使用される。
【0154】
さらに、実質的にいずれかの核酸(及び実質的にいずれかのラベルされた核酸、標準であろうと又は非標準であろうと)は、種々の市販源、例えばMidland Certified Reagent Company (Midland, TX), the Great American Gene Company (Ramona, CA), ExpressGen Inc. (Chicago, IL), Operon Technologies Inc. (Alameda, CA), 及び多くの他のものいずれかから注文又は標準注文され得る。
【0155】
DNA, RNA, PNA、又はそれらの組合わせの相補的塩基間のハイブリダイゼーションは、温度、塩濃度、静電強度、緩衝液組成及び同様のものにより変化する広範囲の種類の条件下で発生する。それらの条件及びそれらを適用するための方法の例は、例えばHomes and Higgins、前記に記載されている。ハイブリダイゼーションは一般的に、ハイブリダイズされる配列の性質及びその強度に依存して、約1分〜約1時間、約0℃〜約70℃で起こる。しかしながら、ハイブリダイゼーションは、反応の条件に依存して、数秒又は数時間、生じることが理解される。例示によれば、2つの20−マーの混合物についての典型的なハイブリダイゼーション条件は、混合物を68℃にし、続いて室温(22℃)に5分間、冷却するか、又は2μlの混合物においては非常に低い温度、例えば2℃で冷却することである。
【0156】
核酸間のハイブリダイゼーションは、緩衝液、例えばトリス−EDTA(TE)トリス−HCl及びHEPES、塩溶液(例えば、NaCl, KCl, CaCl2)、又は他の水溶液、試薬及び化学物質を用いて促進され得る。それらの試薬の例は、単鎖結合タンパク質、例えばRec Aタンパク質、T4遺伝子32タンパク質、E. コリ単鎖結合タンパク質及び主要又はマイナーな核酸グルーブ結合タンパク質を包含する。そのような試薬及び化学物質の他の例は、二価イオン、多価イオン及び挿入物質、例えば臭化エチジウム、アクチノマイシンD、プソラレン及びアンゲリシンを包含する。
【0157】
本発明のいくつかの態様においては、鋳型核酸が、ヌクレオチド組込み生触媒、2’−ターミネーターヌクレオチド、及びプライマー核酸と共に溶液においてインキュベートされる。他の態様においては、鋳型核酸又はプライマー核酸が固体支持体に結合される(例えば、共有又は非共有)。使用され得る固体支持体の例は、プラスチック、セラミック、金属、樹脂、ゲル及び膜を包含する。有用なタイプの固体支持体は、プレート、ビーズ、微小球、ホイスカー、繊維、コーム、ハイブリダイゼーションチップ、膜、単一結晶、セラミック及び自己−集成単層を包含する。
【0158】
核酸は、共有結合、例えばカップリング剤による結合により、又は非共有結合、例えば静電相互作用、水素結合又は抗体−抗原カップリングにより、又はそれらの組合せにより、固体支持体に結合され得る。典型的なカップリング剤は、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプタビジン、スタフィロコーカス・アウレウスプロテインA/IgG抗体Fcフラグメント、及びストレプタビジン/プロテインAキメラ(Sano など. (1991) Bio/Technology 9:1378)、又はそれらの剤の誘導体又は組合せを包含する。核酸は、光分解結合、静電結合、ジスルフィド結合、ペプチド結合、ジエステル結合、又はそれらの結合の組合せにより、固体支持体に結合され得る。
【0159】
核酸はまた、任意には、選択的開放性結合、例えば4,4’−ジメトキシトリチル又はその誘導体により固体支持体に結合される。有用であることが見出されている誘導体は、3又は4[ビス−(4−メトキシフェニル)]−メチル−安息香酸、N−スクシンイミジル−3又は4[ビス−(4−メトキシフェニル)]−ヒドロキシメチル−安息香酸、N−スクシンイミジル−3又は4[ビス−(4−メトキシフェニル)]−クロロメチル−安息香酸、及びそれらの酸の塩を包含する。
【0160】
さらに、核酸は任意には、核酸と固体支持体との間のスペーサー成分を通して固体支持体に結合される。有用なスペーサーは、他の又は追加のカップリングパートナーへの結合のために、又は固体支持体への結合を切断可能にするために上記にように、カップリン剤を包含する。
【0161】
切断できる結合は、核酸と固体支持体との間に切断できる化学成分、例えばオリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴポリアミド、オリゴアクリルアミド、オリゴエチレングリセロール、約6〜20個の炭素原子のアルキル鎖、及びそれらの組合せを結合することにより創造され得る。それらの成分は、例えば添加される化学剤、電磁線又は酵素により切断され得る。酵素により切断できる典型的な結合は、プロテアーゼにより切断され得るペプチド結合、及びヌクレアーゼにより切断され得るホスホジエステルを包含する。
【0162】
化学剤、例えばβ−メルカプトエタノール、ジチオトレイトール(DTT)及び他の還元剤が、ジスルフィド結合を切断する。有用である他の剤は、酸化剤、水和化剤及び他の選択的活性化合物を包含する。電磁線、例えば紫外線、赤外線及び可視光線が光分解性結合を切断する。結合はまた、熱又は酵素処理、又は可逆性化学又は磁気結合を用いて、可逆性にされ得る。開放及び再結合は、例えば磁場又は電場を用いて行われ得る。
【0163】
本明細書に記載される方法に使用されるヌクレオチド生触媒は典型的には、酵素、例えばポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転者酵素、テロメラーゼ、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ及び同様のものを含んで成る。例えば、ポリメラーゼは任意には、酵素のヘリックスOにおけるF→Yの突然変異を欠いているか、又は他方では、酵素による3’−デオキシヌクレオチドの組込みを増強する突然変異を欠いている。任意には、酵素は、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を含んで成り、そして/又は熱安定性酵素である。
【0164】
酵素は典型的には、次の生物から誘導される:サーマス・アントラニキアニ(Therrnus antranikianii)、サーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)、サーマス・カルドフィラス(Thermos caldophilus)、サーマス・クリアロフィラス(Thermus chliarophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、サーマス・フラバス(Thermus flavus)、サーマス・イグニテラエ(Thermus igniterrae)、サーマス・ラクテウス(Thermus lacteus)、サーマス・オシマイ(Thermus oshimai)、サーマス・ルベル(Thermus ruber)、サーマス・ルベンス(Thermus rubens)、サーマス・スコトダクタス(Thermus scotoductus)、サーマス・シルバヌス(Thermus silvanus)、サーマス種Z05(Thermus species Z05)、サーマス種sps17(Thermus species sps 17), サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)、サーモトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)、サーモシホ・アフリカナス(Thermosipho africanus)、アナエロセラム・サーモフィラム(Anaerocellum thermophilum)、バチルス・カルドテナクス(Bacillus caldotetzax)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、又は同様のもの。
【0165】
いくつかの態様においては、酵素は修飾される。典型的な修飾された酵素は、例えばG46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA ポリメラーゼ、 E615G Taq DNA ポリメラーゼ、ΔZ05R ポリメラーゼ、又は G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、及び同様のものを包含する。本発明の修飾された酵素は一般的に、修飾されていない酵素に関して、2’−ターミネーターヌクレオチドを組込む高められた能力を含んで成る。さらなる例示によれば、本発明の修飾された酵素は典型的には、リボヌクレオチドの組込みを増強する突然変異、リボヌクレオチドの2’−修飾された類似体の組込みを強調する突然変異、及び/又はそれらの1又は複数の突然変異を欠いている酵素に関して、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を低めるか、又は排除する突然変異を含んで成る。
【0166】
本発明の方法の実施において有用なヌクレオチド組込みを生触媒に関する追加の詳細は、例えば次の文献に提供される:Gelfandなどに1999年8月17日に発行された、"THERMOSTABLE DNA POLYMERASES HAVING REDUCED DISCRIMINATION AGAINSTRIBO-NTPS,"と称するアメリカ特許第5,939,292号;Gelfandなどに1989年12月26日に発行された、"PURIFIED THERMOSTABLE ENZYME, "と称するアメリカ特許第4,889, 818号; Gelfandなどに1994年12月20日に発行された"DNA ENCODING A THERMOSTABLE NUCLEIC ACID POLYMERASE ENZYME FROM THERMOTOGAMARITIMA,"と称するアメリカ特許第5,374, 553号; Gelfand などに1995年5月30日に発行された "MUTATED THERMOSTABLE NUCLEIC ACID POLYMERASE ENZYME FROM THERMOTOGA MARITIMA, "と称するアメリカ特許第5,420, 029号;
【0167】
Abramson などに1995年10月3日に発行された "MUTATED THERMOSTABLE NUCLEIC ACID POLYMERASE ENZYME FROMTHERMUS SPECIESZ05," と称するアメリカ特許第5,455, 170号; Abramsonなどに1995年11月14日に発行された "5'TO 3' EXONUCLEASE MUTATIONS OF THERMOSTABLE DNA POLYMERASES,"と称するアメリカ特許第5,466, 591号; Gelfandなどに1997年4月8日に発行された "RECOMBINANT EXPRESSION VECTORS AND PURIFICATION METHODS FORTHERMUS THERMOPHILUS DNA POLYMERASE, "と称するアメリカ特許第5,618, 711号; Gelfandなどに1997年4月29日に発行された "PURIFIED THERMOSTABLE NUCLEIC ACID POLYMERASE ENZYME FROM THERMOTOGAMARITIMA,"と称するアメリカ特許第5,624,833号;
【0168】
Abramson などに 1997年10月7日に発行された"DNA ENCODING THERMOSTABLE NUCLEIC ACID POLYMERASE ENZYME FROMTHERMUS SPECIESZ05,"と称するアメリカ特許第5,674, 738号; Gelfandなどに1998年8月4日に発行された "RECOMBINANT EXPRESSION VECTORS AND PURIFICATION METHODS FOR THERMUS THERMOPHILUS DNA POLYMERASE, "と称するアメリカ特許第5,789,224号; Abramson などに1998年8月18日に発行された "5'TO3'EXONUCLEASE MUTATIONS OF THERMOSTABLE DNA POLYMERASES, "と称するアメリカ特許第5,795, 762号; Smith などにより2002年1月31日に公開された"HIGH TEMPERATURE REVERSE TRANSCRIPTION USING MUTANT DNA POLYMERASES, "と称するアメリカ特許第出願公開番号2002/0012970号及び 2003年3月26日に出願されたアメリカ特許第出願公開番号10/401, 403号(それらは、引用により本明細書に組み込まれる)。
【0169】
2’−ターミネーターヌクレオチドを組込むための増強された効率を有する修飾された酵素の生成は、種々の方法、例えば特定部位の突然変異誘発により達成され得る。例えば、Sambrookなど., 前記を参照のこと。より特定には、特定部位の突然変異誘発は一般的に、部位−特異的プライマー指図された突然変異誘発により達成される。この技法は典型的には、所望する突然変異誘発を表わす制限されたミスマッチを除く、突然変異誘発されるべき一本鎖ファージDNAに対して相補的な合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いて行われ得る。
【0170】
手短に言及すれば、合成オリゴヌクレオチドは、プラスミド又はファージに対して相補的な鎖の合成を指図するためのアプライマーとして使用され、そしてその得られる二本鎖DNAは、ファージ支持の宿主細胞中に形質転換される。得たれる細菌は、所望する突然変異誘発された遺伝子配列を担持するそれらのプラークを同定するために、例えばDNA配列分析又はプローブハイブリダイゼーションによりアッセイされ得る。さらなる例示によれば、核酸を修飾するための多くの他のアプローチ、例えば“組換えPCR”方法がまた利用され得る(例えば、Innisなど., 前記を参照のこと)。
【0171】
ヌクレオチド組込み生触媒は典型的には、複数の異なった延長されたプライマー核酸を生成し、そして前記方法はまた、一般的に、複数の異なった延長されたプライマー核酸を解明することを含んで成り、その結果前記鋳型核酸の塩基配列の少なくとも一部が前記解明された、延長されたプライマー核酸から決定される。例えば、前記延長されたプライマー核酸は任意には、その延長されたプライマー核酸の分子質量、大きさ及び電荷性質の少なくとも1つを決定することにより解明される。
【0172】
ある態様においては、前記延長されたプライマー核酸はさらにラベルを含んで成り、そして前記延長されたプライマー核酸は、前記ラベルされた、延長されたプライマー核酸をお互いから分離し、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出する(例えば、分光的に、等)ことにより解明される。例示によれば、前記ラベルされた、延長されたプライマー核酸は、少なくとも1つの分離技法、例えば電気泳動、クロマトグラフィー及び気相イオン分光測定、及び/又は同様のことにより分離される。
【0173】
IV. 反応混合物:
本発明はまた、本明細書に記載されるような少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド(例えば、ラベルされた2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシド、等)、及び本明細書に記載されるような少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒を含んで成る反応混合物を提供する。いくつかの態様においては、反応混合物はまた、少なくとも1つのピロホスファターゼ(例えば、熱安定性ピロホスファターゼ)を含む。
【0174】
反応混合物は任意には、さらに1又は複数の延長できるヌクレオチド(例えば、ポリヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、及び/又は同様のもの)を包含する。ラベリングはさらに上記に記載される。典型的には、2’−ターミネーターヌクレオチド及び延長できるヌクレオチドは、1:1又はそれ以下のモルで存在する。確かな態様においては、反応混合物はまた、鋳型核酸、及びその鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的であるプライマー核酸を含む。任意には、鋳型核酸又はプライマー核酸は、固体支持体に結合される(例えば、共有又は非共有)。それらの態様のいくつかにおいては、プライマーは、ラベル(例えば、蛍光色素、放射性同位低、質量修飾基、等)を含んで成る。固体支持体及びラベルは、上記により詳細に記載される。
【0175】
さらなる例示によれば、本明細書に記載される2’−ターミネーターヌクレオチド−関連方法に使用される、鋳型DNAを配列決定するための1組の代表的反応条件が提供される。特に、この典型的な組の条件に言及される2’−ターミネーターヌクレオチドは、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシド(N−テトラ−PO4として略語化される)である。
【0176】
プライマー核酸延長は任意には、4種の別々の反応において行われる。個々の反応に共有する成分は、次のものを包含する:
pH8.5での50mMのトリシン、
40mMのKOAc、
4mMのMg(OAc)2
それぞれ100μMのdATP, dCTP及びdTTP、
150μMのc7dGTP,
20ng/μlのM13mp18 DNA鋳型、
0.5U/μlのG46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、及び
1.0U/μlのrTth熱安定性ピロホスファターゼ。
個々の反応はさらに、次のものを包含する:
【0177】
A反応
10μlの反応体積、
0.1μMのFR686N−HEXプライマー核酸、及び
3.5μMのA−テトラ−PO4
【0178】
C反応
10μlの反応体積、
0.1μMのFR686N−FAMプライマー核酸、及び
7.5μMのC−テトラ−PO4
【0179】
G反応
20μlの反応体積、
0.1μMのFR686N−TAMRAプライマー核酸、及び
5μMのG−テトラ−PO4
【0180】
U反応
20μlの反応体積、
0.1μMのFR686N−ROXプライマー核酸、及び
10μMのU−テトラ−PO4
【0181】
熱サイクリングに続いて、反応混合物は任意には、組合され、エタノール沈殿され、そしてホルムアミドに再懸濁される。その再懸濁されたサンプルは、例えば電気泳動により分解され、そしてDNA配列決定機(例えば、ABI 377 DNA 配列決定機 (Applied Biosystems, Foster City, CA)又は同様のもの)上で分析される。
【0182】
V. 検出できるシグナル検出:
本発明の延長された核酸は、実質的にいずれかの検出方法を用いて検出され得る。例えば、蛍光は任意には、検出器又はセンサー、例えば光電子増倍管(PMT)、電荷−カップリングされた装置(CCD)、強化されたCCD、光ダイオード、アバランチ光ダイオード、光センサー、走査検出器、又は同様のものにより検出される。それらの検出器は、種々の市販源、例えばApplied Biosysteme(Faster City, CA)から容易に入手できる。本発明の方法の実施に使用するための検出システムは、さらにSkoog など., Principles of Instrumental Analysis, 5th Ed. , Harcourt Brace College Publishers (1998) and Currell, Analytical Instrumentation : Performance Characteristics and Quality, John Wiley & Sons, Inc. (2000)(引用により本明細書に組み込まれるに記載される。
【0183】
本発明のいくつかの態様においては、前記方法はさらに、延長されたプライマー核酸又はそのフラグメントの分子質量又は分子量を検出することを包含する。鋳型核酸の遺伝子型は典型的には、延長されたプライマー核酸又はそのフラグメントの検出された分子量から決定できる。例えば、特異的核酸配列は典型的には、そのサイズ及び組成に依存して、ユニークな又は比較的ユニークな分子量を有するであろう。分子量は例えば、クロマトグラフィー(例えば、HPLC)、核磁気共鳴(NMR)、高−解像度ゲル電気泳動、細管電気泳動(例えば、HPCE)、分光測定法、又は気相イオン分光学(例えば、質量分光学、等)により検出され得る。典型的には、分子量は、質量分光計により質量/電荷比を測定することにより決定される。
【0184】
生ポリマー、例えば核酸の質量分光測定は、種々の技法を用いて行われ得る(例えば、アメリカ特許4,442, 354号; アメリカ特許4,931,639号; アメリカ特許5,002,868号; アメリカ特許5,130,538号; アメリカ特許5,135,870号; アメリカ特許5,174,962号)。高分子量分子、例えばDNA及びDNA及びRNAの揮発に関連する困難性は、技術、方法及び電子企画の進歩により、少なくとも部分的に克服されて来た。さらに、わずか少量のサンプルが分析のために必要とされ、典型的なサンプルは、10又はそのフラグメントの混合物である。約0.1fモル〜約1.0nモル、好ましくは約1.0fモル〜約1000fモル及びより好ましくは約10fモル〜約100fモルの範囲の量が典型的には、分析のために十分である。それらの量は、適切な表面の個々の位置に容易に配置され、又は支持体に結合され得る。
【0185】
核酸を揮発するために使用され得る典型的な技法は、早い原子衝撃(fast atom bombardment)、血漿脱離、マトリックス助力のレーザー脱離/イオン化、電気噴霧、光化学放出、電気放出、液滴放出、共鳴イオン化及びそれらの技法の組合せを包含する。
【0186】
電気流体力学的イオン化、熱噴霧、エーロ噴霧及び電気噴霧においては、核酸が溶媒に溶解され、そして熱、空気又は電気の助けにより、イオン化チャンバー中に直接的に注入される。イオン化の方法が光線、粒子線又は電気放電を包含する場合、サンプルは表面に結合され、そしてイオン化チャンバー中に導入される。そのような情況においては、多くのサンプルが単一の表面又は複数の表面に結合され、そしてイオン化チャンバー中に同時に導入され、そして個々に分析される。所望する核酸を含む表面の適切なセクターが、イオン化線の経路の最も近くに移動され得る。
【0187】
前記線がパルスされ、そして表面結合分子がイオン化された後、表面の異なったセクターが線の経路中に移動され、そして同じか又は異なった分子を有する第2サンプルが、機械を再負荷しないで分析される。複数のサンプルがまた、表面の電気的に単離された領域で導入される。固体支持体、例えばチップの異なったセクターが典型的には、電気源に連結され、そして個々にイオン化される。サンプルが結合される表面は、使用されるイオン化方法の最大の効率のために形状化され得る。場イオン化及び場脱離のために、ピン又は鋭いエッジが、効果的な固体支持体であり、そして粒子衝撃及びレーザーイオン化のためには、それは平らな表面である。
【0188】
質量分光測定のためのイオン化の目的は、電荷を有する完全な分子を生成することである。任意には、マトリックス助力のレーザー脱離/イオン化(MALDI)(例えば、Sauerなど.(2002)"Facile method for automated genotyping of single nucleotide polymorphisms by mass spectrometry, "Nucleic Acids Res. 30 (5): e22を参照のこと;引用により本明細書に組込まれる)、又は電気噴霧(ES)質量分光測定は、分子量及び従って、鋳型核酸についての配列情報を決定するために使用される。
【0189】
大きな分子、例えば核酸のために適切である種々の方法が使用され得ることは、当業界により認識されるであろう。典型的には、核酸が溶媒に溶解され、そして電気流体力学的イオン化、熱噴霧、エーロ噴霧又は電気噴霧を用いて、イオン化チャンバー中に注入される。核酸はまた、表面に結合され、そして粒子又は光線によりイオン化される。都合良く使用されて来た粒子は、血漿(血漿脱離)、イオン(早いイオン衝撃)又は原子(早いイオン衝撃)を包含する。イオンはまた、レーザーエネルギー(レーザー脱離)及び電気エネルギー(場脱離)の急速な適用により生成されて来た。
【0190】
質量分光計分析においては、サンプルが、レーザー線のパルスにより、又は電場誘発された噴霧によりイオン化される。このイオンは、電場において促進され、そして早い速度で分光計の分析器部分中に送られる。促進されたイオンの速度は、電荷(z)に直接的に比例し、そしてイオンの質量(m)に反比例する。分子の質量は、そのイオンの飛行特徴から推定され得る。小さなイオンに関しては、典型的な検出器は、イオン流を循環路中に制限するよう機能する磁場を有する。均等な磁場における平等に荷電された粒子の経路の半径は、質量に直接的に比例する。
【0191】
すなわち、軽い粒子と同じ電荷を有する重い粒子は、磁場において大きな飛行半径を有するであろう。比較的高い質量:電荷(m/z)比は異常サイズ又は強度の磁石を必要とするので、磁場における大きなイオン、例えば核酸の飛行特徴を測定することは、一般的に実際的でないと思われる。この制限を克服するために、電気噴霧方法は、分子上に複数のイオンを一定して配置することができる。核酸上での複数の電荷は、質量:電荷比を低め、従来の四極分析器による100,000ドルトンまでの種の検出を可能にする。
【0192】
マトリックス助力のレーザー脱離/イオン化により生成される核酸イオンは、単位電荷を有し、そしてそれらの大きな質量のために、一般的に、飛行の時間(TOF)質量分析器による分析を用いる。飛行の時間分析器は典型的には、一端で検出器を有する長い管である。TOFの操作においては、サンプルは短期間、イオン化され、そして管の下流で促進される。検出の後、検出器管を下流に移動するのに必要とされる時間が計算される。イオンの質量は、飛行の時間から計算され得る。TOF質量分析器は典型的には、磁場を使用し、そして100,000ドルトンまでの質量を有する、単位荷電されたイオンを検出することができる。
【0193】
改良された分解能のためには、飛行質量分光計の時間は、レフレクトロン(reflectron)、すなわちイオンを負に促進する、飛行管の端での領域を包含する。促進する場に対して反対の極性の場を含むレフレクトロン領域に入る移動粒子が、ゼロの速度に遅くされ、そして次に、同じ速度であるが、しかし反対の方向に促進される。レフレクトロンを有する質量分析器の使用においては、検出器が、戻されたイオン及び飛行の効果的な長さを検出するために、イオン源と同じ飛行管の側に配置され、そして分解力が効果的に倍増される。飛行データの時間からの質量:電荷比の計算が、レフレクトロンにおいて消費された時間を考慮に入れる。
【0194】
同じ電荷:質量比を有するイオンは典型的には、質量分光計のイオン化領域は点源ではないので、広範囲のエネルギーを有するイオン促進体を放す。飛行管からさらに放されるイオンは、促進体場において長い時間を費やし、そして高速度で飛行管に入る。従って、単一種の分子のイオンは、異なった時間で検出器に到達するであろう。飛行質量分析の時間においては、理論的に飛行管における長い時間がより感受性を提供するが、しかしイオンの異なった速度のために、ノイズ(バックグラウンド)がまた、高められるであろう。飛行管の効果的長さを効果的に2倍にする他に、レフレクトロンは、誤差を低め、そして単一種のイオンの検出器衝突時管の広がりを低めることにより、感受性を高める。
【0195】
高速度のイオンは、高速度でレフレクトロンに入り、そして低速度イオンよりも長くレフレクトロン領域に留まる。レフレクトロン電極電圧が適切に整えられる場合、初期速度分布からのピーク幅の寄与は、検出器の面で十分に補正され得る。レフレクトロンにより提供される補正は、スペクトルにおけるすべての安定したイオン(すなわち、飛行において解離しないそれらのイオン)の高められた質量解明を導く。
【0196】
線状場レフレクトロンは、ノイズを低め、そして感受性を増強するより適切に機能するが、より複雑な場強度を有するレフレクトロンは卓越した補正能力を提供し、そして多くの複雑なレフレクトロンが使用され得る。二重段階レフレクトロンは、弱い電場を有する第1領域及び強い電場を有する第2領域を有する。二次及び曲線場レフレクトロンは、距離の関数として上昇する電場を有する。それらの名称が包含するようなそれらの関数は、二次又は複雑な指数関数である。二重段階、二次及び曲線場レフレクトロンはまた、より精巧であるが、線状レフレクトロンよりも、より精確である。
【0197】
質量分光計におけるイオンの検出は典型的には、電子検出器を用いて行われる。検出されるためには、質量分光計により生成される高い質量イオンが転換電極で電子又は低い質量イオンのいずれかに転換される。次に、それらの電子又は低い質量イオンが、電子倍増菅における電子倍増カスケードを開始するために使用され、そしてさらに、早い線状増幅器により増幅される。単一サンプルの複数の分析からのシグナルは、質量決定の精度を高めるために、シグナル:ノイズ比及びピーク形状を改良するために組み合わされる。
【0198】
複数の主要イオンが、イオンサイクロトロン共鳴及びFourier分析の使用を通して直接的に検出され得る。これは、表面上に固定された完全な配列決定ラダーの分析のために有用である。この方法においては、多くのサンプルが一度にイオン化され、そしてイオンが高い磁場を有する細胞において捕獲される。RF場は、イオン集団をサイクロトロン軌道中に励起する。軌道の周波数は質量の関数であるので、イオン質量のスペクトルを表わす出力シグナルが得られる。この出力は、組合されたシグナルをその成分周波数に低め、そして従ってイオンサンプルに存在するイオン質量の測定を提供する、Fourier分析を用いてコンピューターにより分析される。イオンサイクロトロン共鳴及びFourier分析は、サンプルにおけるすべての核酸の質量を決定することができる。この方法の適用は特に、配列決定ラダー上で有用である。
【0199】
単独で又は同時に(多重化された)行われる質量分光計からのデータが、核酸サンプルの分子質量を決定することができる。サンプルの既知配列を組み合わされる分子質量は、配列の長さを決定するために分析され得る。異なった塩基が異なった分子量を有するので、サンプルの既知配列及び反応経過と組み合わされる、高解像度質量分光計の出力は、分析される核酸の配列及び長さを決定するであろう。配列決定ラダーの質量分光計においては、一般的に、プライマーの塩基配列は知られている。一定の長さの既知配列から、配列の付加される塩基は、2種の分子の質量の比較により推定され得る。この工程は、配列決定ラダーの完全な配列が決定されるまで、続けられる。
【0200】
VI. システム:
もう1つの観点においては、本発明は、(a)ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを含んでなる少なくとも1つの容器を包含する。典型的には、システムは、例えば複数の延長反応を同時に行うために多くの容器を含んで成る。システムはまた、(b)前記容器における温度を調節するために前記容器に操作可能的に連結される少なくとも1つの熱モジュレーター(例えば、熱循環装置、等);及び(c)流体を前記容器に移行し、そして/又はその容器から流体を移行する少なくとも1つの流体移行成分(例えば、自動化されたピペッター、等)を包含する。熱循環装置(それらのいくつかは、微小流体装置において具体化されている)、及び本発明のシステムへの使用のために適切な、又は適合できる種々の流体移行装置は一般的に当業界において知られている。
【0201】
システムは任意には、さらに容器において生成される検出できるシグナルを検出するために容器に操作可能的に連結される少なくとも1つの検出器を包含する。システムは典型的にはさらに、前記容器における温度の調節をもたらすために前記熱モジュレーターに、及び/又は前記容器への及び/又は前記容器からの流体の移行をもたらすために前記流体移行成分に操作可能的に連結される少なくとも1つのコントローラーを包含する。
【0202】
本発明のシステムは、種々の態様を包含する。例えば、検出できるシグナルを検出するために構成される検出成分は、例えばシステム(例えば、反応容器、等における)のもう1つの成分に隣接して生成した。それらのシステムにおいて、任意に使用されるか、又は使用のために適合される適切なシグナル検出器は、例えば蛍光、リン酸、放射能、質量、濃度、pH、電荷、吸光度、屈折率、発光、温度、磁気又は同様のものを検出する。検出器は任意には、例えば所定のアッセイ段階の実施の上流及び/又は下流からの1つの又は多数のシグナルをモニターする。
【0203】
例えば、検出器は任意には、“即時”結果に位置的に対応する多くの光シグナルをモニターする。検出器又はセンサーは、光倍増管、CCDアレイ、光センサー、温度センサー、圧力センサー、pHセンサー、導電率センサー、走査検出器又は同様のものを包含する。それらの及び他のタイプのセンサーの個々は任意には、本明細書に記載されるシステム中に容易に組込まれる。任意には、本発明のシステムは、複数の検出器を包含する。
【0204】
実質的にいずれかの分析成分が、本発明のシステムへの使用のために利用されるか又は適合され得る。それらのシステムに任意には使用される一定の典型的な分析成分は、例えば溶液クロマトグラフィーカラム、ゲル電気泳動カラム、電気クロマトグラフィーカラム、共鳴光散乱検出器、放射分光器、蛍光分光器、リン光発光器、発光分光器、分光測定器、光度計、質量分光計、核磁気共鳴分光計、電子常磁性共鳴分光計、電子回転共鳴分光器、濁り測定器、Raman分光器、屈折計、干渉計、X−線回析分析器、電子回折分析器、施光計、光回転分散分析器、円二色分光計、電位差計、クロノ電位差計、クーロメーター、電流滴定計、電導度測定器、比重計、熱比重計、滴定計、示差走査比色計、放射性活性化分析器、放射性同定体希釈分析器又は同様のものを包含する。
【0205】
種々の合成成分はまた、自動化された核酸合成機を包含する本発明のシステムへの使用のためにも利用されるか、又は適合される。任意には、本発明のシステムに含まれる分析及び合成成分は、例えばSkoog など., Principles of Instrumental Analysis, 5th Ed. , Harcourt Brace College Publishers (1998) and Currell, Analytical Instrumentation : Performance Characteristics and Quality, John Wiley & Sons, Inc. (2000)(引用により本明細書に組みこまれる)に記載される。
【0206】
本発明のシステムはまた、典型的には、成分の操作を調節するために、システムの1又は複数の成分(例えば、分析成分、合成成分、熱モジュレーター、液体移行成分、検出器、等)に操作可能的に連結されるコントローラーを包含する。より特定には、コントローラーは一般的に、検出器からのデータを受けるために、容器における温度の調節をもたらし、そして/又はそれを調節するために、選択された容器への又は容器からの流体の流れをもたらし、そして/又はそれを調節するために、又は同様のために使用される別々の又は統合のシステム成分として包含される。
【0207】
コントローラー及び/又は他のシステム成分は任意には、前もってプログラムされた又は使用者入力の命令に従って、それらの計器の操作を説明し、それらの計器からのデータ及び情報を受け、そして解釈し、操作し、そしてこの情報を使用者に報告するよう機能する、適切にプログラムされたプロセッサー、コンピューター、デジタル装置又は他の情報アプリアンス(例えば、必要な場合、アナログからデジタルへ、又はデジタルからアナログへのコンバーターを包含する)に連結される。適切なコントローラーは一般的に、当業界に知られており、そして種々の市販源から入手できる。
【0208】
いずれかのコントローラー又はコンピューターは任意には、しばしばカソード線管(“CRT”)ディスプレー、フラットパネルディスプレー(例えば、活性マトリックス液晶ディスプレー、液晶ディスプレー、等)、又は他のものであるモニターを包含する。コンピューター回路はしばしば、多くの統合された回路チップ、例えばマイクロプロセッサー、メモリー、インターフェイス回路及び他のものを包含するボックスに配置される。このボックスはまた、任意には、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、高能力の取りはずし可能なドライブ、例えば書き込みできるCD−ROM及び他の通常の端末要素を包含する。入力装置、例えばキーボード又はマウスは任意には、使用者からの入力を提供する。それらの成分は下記にさらに例示される。
【0209】
コンピューターは典型的には、例えばGUIにおける1組のパラメーターフィールド中への使用者の入力形で、又は例えば種々の異なった特定の操作のために予備プログラムされた命令の形で、使用者の命令を受けるための適切なソフトウェアを包含する。次に、ソフトウェアは、所望する操作を行うために1又は複数のコントローラーの操作を命令するための適切な言語にそれらの命令を転換する。次に、コンピューターは、例えばシステム内に包含されるセンサー/検出器からのデーターを受け、そしてそのデータを解析し、それを使用者の理解されるフォーマットで提供するか、又はプログラミング、例えば重量計量計又は同様のものから受ける流体データに応答して流体の流れ調節器の調節に従って、さらなるコントローラー命令を開始するためにそのデーターを使用する。
【0210】
例示によれば、本発明のいくつかの態様は、コンピューター、及び/又は本明細書に記載のような少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオチドに対応する少なくとも1つの特徴を含んで成るデータ組を含んで成るコンピューター読み取り可能媒体を提供する。典型的には、データ組は、多くの核酸配列に対応する多くの特徴ストリングを含んで成る。
【0211】
コンピューターは、例えばPC (Intel x86 又は Pentium チップ- 適合性 DOSTM,OS2TM, WINDOWSTM, WINDOWS NTTM, WINDOWS95TM, WINDOWS98TM,WINDOWS2000TM, WINDOWSXPTM, LINUX-に基づく機械, MACINTOSHTM, Power PC, 又は UNIX-に基づく (例えばSUN 作業ステーショオン) 機械)、又は当業者に知られているほかの直常の市販のコンピューターである。標準のデスクトップアプリケーション、例えばワード処理ソフトウェア(例えば、Microsoft WordTM又は Corel WordPerfectTM)、及びデータベースソフトフェア(例えば、スプレッドシードソフトウェア、例えばMicrosoft ExcelTM, Corel Quattro ProTM、又はデータベースプログラム、例えばMicrosoft AccessTM 又は ParadoxTM)は、本発明に適合され得る。温度調節器及び流体の流れ調節器の調節を行うためのソフトウェアは任意には、標準のプログラミング言語、例えばVismalベーシック、Fortran, Basic, Java又は同様のものを用いて、当業者により構成される。
【0212】
VII . キット:
本発明はまた、核酸を延長するためのキットを提供する。キットは、(a)本明細書に記載されるような生触媒を組み込む少なくとも1つのヌクレオチド;及び(b)本明細書に記載されるような少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを包含する。例えば、2’−ターミネーターヌクレオチドは任意には、少なくとも1つのラベル(例えば、放射性同位体、蛍光色素、質量修飾基、又は同様のもの)を包含する。いくつかの態様においては、キットはさらに、1又は複数の延長できるヌクレオチドを包含し、そして任意には、延長できるヌクレオチドの少なくとも1つはラベル(例えば、放射性同位体、蛍光色素、質量修飾基、又は同様のもの)を含んで成る。
【0213】
任意には、キットはさらに、少なくとも1つのプロホスファターゼ(例えば、熱安定性ピロホスファターゼ、等)を包含する。典型的には、キットはまた、(c)前記ヌクレオチド組込み生触媒及び前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドにより前記核酸を延長するための1組の説明書を包含する。さらに、キットは任意にはまた、(d)前記ヌクレオチド組込み生触媒、前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド、及び前記1組の説明書をパッキングするための少なくとも1つの容器を包含する。
【0214】
ある態様においては、キットはさらに、鋳型核酸、及びその鋳型核酸の少なくとも副配列に対して相補的であるプライマー核酸を包含する。任意には、鋳型核酸又はプライマー核酸は、例えば本明細書に記載されるように、固体支持体に結合される。それらの態様のいくつかにおいては、プライマーは、ラベル、例えば放射性同位体、蛍光色素、質量修飾基、又は同様のものを含んで成る。
【実施例】
【0215】
VIII.
例1修飾された熱安定性DNAポリメラーゼ及び蛍光プライマーを用いての自動化された循環DNA配列決定
この例は、自動化された色素プライマー循環DNA配列決定に、本発明の2’−ターミネーターヌクレオチドの適用を例示する。特に、M13mp18 DNA鋳型を、リボヌクレオシド2’−一リン酸5’−三リン酸を用いて配列決定した。
【0216】
循環配列決定反応を、リボヌクレオチド類似体、色素プライマー、及びリボヌクレオシド2’− 一リン酸5’−三リン酸類似体の組込みのために修飾されたG46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ(上記に言及される)により行った。反応は、50 mM のトリシン pH 8.5 ; 40 mMの KOAc ; 4 mM のMg(OAc)2;100μM の個々のdATP,dCTP,dTTP ;150 μMの c7dGTP; 0.5単位/μlの G46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ; 1.0単位/μl のrTth 熱安定性ピロホスファターゼ; 及び 20ng/μlの M13mpl8 鋳型から成った。4種の個々の反応(1つは個々の塩基のためである)を行った。個々の塩基のための反応は、上記のもの及び次の試薬を含んだ:
【0217】
アデノシン反応(10μl)
3.5μMのアデノシン2’−一リン酸5’−三リン酸
0.1μMのFR686NHEXプライマー
シチジン反応(10μl)
7.5μMのシチジン2’−一リン酸5’−三リン酸
0.1μMのFR686NFAMプライマー
グアノシン反応(20μl)
5μMのグアノシン2’−一リン酸5’−三リン酸
0.1μMのFR686NTAMRAプライマー
ウリジン反応(20μl)
10μMのウリジン2’−一リン酸5’−三リン酸
0.1μMのFR686NROXプライマー
【0218】
アデノシン反応においては、アデノシン2’−一リン酸5’−三リン酸は約95%の純度であった(すなわち、約5%は、アデノシン3’−一リン酸5’−三リン酸であった)。シチジン反応においては、シチジン2’−一リン酸5’−三リン酸及びシチジン3’−一リン酸5’−三リン酸は、50/50混合物として存在した。グアノシン反応においては、グアノシン2’−一リン酸5’−三リン酸は、約94%の純度であった(すなわち、約6%はグアノシン3’−一リン酸5’−三リン酸であった)。ウリジン反応においては、ウリジン2’−一リン酸5’−三リン酸は、100%の純度であった。
【0219】
オリゴヌクレオチドプライマー配列は、次の通りであった:
FR686NFAM: FCGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E = 2'-アミノ(ribo)C F = 5'FAM ABD
FR686NHEX: ICGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E = 2'-アミノ(ribo)C I = 5'HEX ABD
FR686NROX: JCGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E = 2'-アミノ(ribo)C J = 6-ROX
FR686NTAMRA: LCGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E = 2'-アミノ(ribo)C L = C6-アミノ TAMRA
【0220】
4種の反応の個々を、Perkin-ElmerGeneAmpO PCRシステム 9600熱サイクラーに配置し、そして95℃で45秒、及び次に95℃で15秒、55℃で15秒、70℃で90秒(20サイクル)、続いて95℃で15秒、70℃で90秒(20サイクル)にゆだねた。4種の反応をプールし、そして4℃で15分間、144μlの100%エタノール及び6μlの3MのNaOAc(pH5.2)の添加により沈殿せしめた。プールされた反応を、4℃で15分間、微小遠心分離し、DNAを沈殿し、そして上清液を除いた。ペレットを、350μlの冷70%エタノールにより洗浄し、4℃で5分間、微小遠心分離し、上清液を除き、そしてDNAペレットを乾燥した。沈殿されたDNAを、10μlのHi−Diホルムアミド(Applied Biosystems, Foster City, CA, パート #;4311320)に再懸濁し、90℃で3分間、加熱し、そして氷上に配置した。2μlの個々のサンプルを、予備電気泳動された48cmの4.25%アクリルアミド:ビス(29:1)、6Mのウレアゲル上に負荷し、そしてABIPRISMTM 377 DNA Sequencer (Applied Biosystems, Foster City, CA)上で7時間、電気泳動した。
【0221】
データを、プライマーファイルDP4%Ac{KS}、半適応性ベースカラーバージョン3.3.1b2、及びApplied Biosystemsマニュアル(パート#903436)における方法に従って生成される、上記で使用される色素プライマーに対して特異的なマトリックスファイルを用いて、Sequencing Analysis Software 3.4. 1 (Applied Biosystems, Foster City, CA)により分析した。分析ソフトウェアによる自動化されたベースコーリングは、M13mp18参照配列に比較する場合、配列決定プライマーからの塩基+18〜+739について100%正確であった。図7は、この配列分析からのデータのスペクトルプロフィールを提供する。
【0222】
IX.
例2修飾された熱安定性DNAポリメラーゼ及び色素−ラベルされたリボヌクレオシド2’−一リン酸5’−三リン酸を用いての循環されたDNAプライマー延長
熱循環されたプライマー延長反応を、リボヌクレオチド類似体、ラベルされていないプライマー及びTAMRA色素−ラベルされたウリジン2’−一リン酸5’−三リン酸の組込みのために修飾されたG46E E678G CSS DNAポリメラーゼにより行った。20μlの反応は、50 mM のトリシン pH 7.5 ; 25 mMのKOAc ; 2.5 mMの Mg(OAc)2;100μM の個々のdATP,dCTP, 及びdTTP ; 150μMの dITP ; 0.5単位/μl のG46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ ; 1.0単位/μlの rTth 熱安定性無機ピロホスファターゼ; 5 ng/μlのM13mpl8 鋳型; 0.15 μM のプライマー;及び0. 25 μM のTAMRA- ウリジン 2'-リン酸5'-三リン酸から成った。
【0223】
対照反応を、AmpliTaq DNAポリメラーゼ、FS, ラベルされていないプライマー及びTAMRA色素−ラベルされたddTTPにより行った。20μlの反応は、50 mMのトリス pH 9; 2 mMの MgCl2 ; 100μM の個々のdATP,dCTP, 及びdTTP ; 150 μM のdITP ; 0.5単位/μl のAmpliTaq DNAポリメラーゼ, FS; 1.0単位/μlの rTth熱安定性無機ピロホスファターゼ; 5ng/μlの M13mpl8 鋳型; 0.15μM のFR686N プライマー;及び 0.2 μMの TAMRA-ddTTPから成った。
FR686N: CGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E = 2'-アミノ(ribo) C
【0224】
反応を、Perkin-ElmerGeneAmpO PCR システム 9600熱サイクラーに配置し、そして96℃で20秒、及び次に96℃で10秒、50℃で5秒、60℃で4分(25サイクル)にゆだねた。循環の後、組込まれなかった色素−ラベルされたターミネーターを、Sephadex-G50 カラム (Sigma, Part No G-50-80)を通しての700×gで2分間の遠心分離により、反応から除去した。サンプルを、95℃で3分間、加熱し、そして氷上に配置した。サンプルを、50cmの細管アレイ及びPOP6ポリマーを用いてStdSeq50_POP6DefaultModuleパラメーターに従ってGeneScanアプリケーションを用いてのApplied Biosystems3100 Genetic Analyzer上で電気泳動した。
【0225】
データを、Applied Biosystems GeneScan 3.7フラグメント分析ソフトウェアにより分析した。図8は、プライマーFR686NからのTピーク77〜273個の塩基についてのフラグメントパターンを示す。より特定には、対照AmpliTaq DNAポリメラーゼ、FS及びTAMRA−ddTTPにより生成されたフラグメントパターン(パネルA)に対する、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ及びTAMRA−ウリジン2’−一リン酸5’−三リン酸により生成されたフラグメントパターン(パネルB)の比較は、ピークの類似するパターンを示した。
【0226】
前述の発明は、明確性及び理解のために、いくらか詳細に記載されて来たが、種々の変更が本発明の範囲内で行われ得ることは、この開示の解釈から当業者に明らかであろう。例えば、上記に記載されるすべての技法及び装置は種々の組合せで使用され得る。本出願に引用されるすべての出版物、特許、特許出願又は他の書類は、あたかも個々の出版物、特許、特許出願又は他の書類が特異的に及び個別にその全体が参考として組込まれるのと同じレベルで、その全体が参照として本明細書に組み込まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1A】図1Aは、本発明の一定の態様に従っての2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図1B】図1Bは、本発明の一定の態様に従っての2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図1C】図1Cは、本発明の一定の態様に従っての2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図1D】図1Dは、本発明の一定の態様に従っての2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図2A】図2Aは、本発明の一定の態様に従っての2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図2B】図2Bは、本発明の一定の態様に従っての2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図3A】図3Aは、本発明の種々の態様に従っての色素ラベルされた四リン酸を図示する。
【図3B】図3Bは、本発明の種々の態様に従っての色素ラベルされた四リン酸を図示する。
【図3C】図3Cは、本発明の種々の態様に従っての色素ラベルされた四リン酸を図示する。
【図4A】図4Aは、本発明の一定の態様に従ってのラベルされたヌクレオチド四リン酸を図示する。
【図4B】図4Bは、本発明の一定の態様に従ってのラベルされたヌクレオチド四リン酸を図示する。
【図5】図5は、本発明の1つの態様に従ってリンカーを通してヌクレオチド四リン酸に結合されるラベルを図示する。
【図6A】図6Aは、本発明に一定の態様に従って、結合された蛍光色素を有する種々の2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図6B】図6Bは、本発明に一定の態様に従って、結合された蛍光色素を有する種々の2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図6C】図6Cは、本発明に一定の態様に従って、結合された蛍光色素を有する種々の2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図6D】図6Dは、本発明に一定の態様に従って、結合された蛍光色素を有する種々の2’−ターミネーターヌクレオチドを図示する。
【図7】図7は、ラベルされていない2’−ターミネーターヌクレオチド及び蛍光色素−ラベルされたヌクレオチドを用いてM13mp18 DNA鋳型の配列分析からのデータを示すスペクトルプロフィールである。
【図8A】図8Aは、ラベルされていないプライマー及び蛍光色素−ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを用いてM13mp18 DNA鋳型の配列分析からのデータを示すスペクトルプロフィールである。
【図8B】図8Bは、ラベルされていないプライマー及び蛍光色素−ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを用いてM13mp18 DNA鋳型の配列分析からのデータを示すスペクトルプロフィールである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマー核酸の延長方法であって、鋳型核酸を、少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒、少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオチド、及び前記鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的である、DNAを含んで成る少なくとも1つのプライマー核酸と共に、前記ヌクレオチド組込み生触媒が、延長されたプライマー核酸の末端で前記2’−ターミネーターヌクレオチドを組込むことにより、少なくとも1つの延長されたプライマー核酸を生成するようプライマー核酸を延長する条件下で、インキュベートすることを含んで成る方法。
【請求項2】
前記鋳型核酸がDNAを含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記鋳型核酸がRNAを含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記2’−ターミネーターヌクレオチドが、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシド又は負に荷電されたブロッキング基を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分の2’位置が、大きなブロッキング基を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記延長されたプライマー核酸の末端が、3’末端である請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が、ポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転写酵素、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ及びテロメラーゼから成る群から選択された酵素を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記酵素が、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記酵素が、リボヌクレオチドの組込みを増強する突然変異を含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記酵素が、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を低めるか又は排除する突然変異を含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記酵素が、リボヌクレオチドの2’−修飾された類似体の組込みを増強する突然変異を含んで成る請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記酵素が、熱安定性酵素である請求項7記載の方法。
【請求項13】
前記酵素が、サーマス・アントラニキアニ(Thermus antranikianii)、サーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)、サーマス・カルドフィラス(Thermus caldophilus)、サーマス・クリアロフィラス(Thermus chliarophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、サーマス・フラバス(Thermus flavus)、サーマス・イグニテラエ(Thermus igniterrae)、サーマス・ラクテウス(Thermus lacteus)、サーマス・オシマイ(Thermus oshimai)、サーマス・ルベル(Thermus ruber)、サーマス・ルベンス(Thermus rubens)、サーマス・スコトダクタス(Thermus scotoductus)、サーマス・シルバヌス(Thermus silvanus)、サーマス種Z05(Thermus species Z05)、サーマス種sps17(Thermus species sps 17), サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)、サーモトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)、サーモシホ・アフリカナス(Thermosipho africanus)、アナエロセラム・サーモフィラム(Anaerocellum thermophilum)、バチルス・カルドテナクス(Bacillus caldotenax)、及びバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)から成る群から選択される生物に由来する請求項7記載の方法。
【請求項14】
前記酵素が修飾される請求項7記載の方法。
【請求項15】
前記修飾された酵素が、1又は複数の次の酵素:G46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA ポリメラーゼ、 E615G Taq DNA ポリメラーゼ、ΔZ05R ポリメラーゼ、又は G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼを含んで成る請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記延長されたプライマー核酸又はそのフラグメントのすべて又は一部を検出することをさらに含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記延長されたプライマー核酸又はそのフラグメントが、気相イオン分光測定を用いて検出される請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記気相イオン分光測定が、MALDI−TOF質量分光測定を含んで成る請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記2’−ターミネーターヌクレオチド、前記延長されたプライマー核酸及び前記プライマー核酸の少なくとも1つが、少なくとも1つのラベルを含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項20】
ラベルが、前記2’−ターミネーターヌクレオチドの複素環式塩基、前記2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分、及び前記2’−ターミネーターヌクレオチドのリン酸基の1つに結合される請求項19記載の方法。
【請求項21】
リンカーが、ラベルを前記2’−ターミネーターヌクレオチドに結合する請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することをさらに含んで成る請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記ラベルが、蛍光色素、弱い蛍光ラベル、非蛍光ラベル、比色ラベル、化学ルミネセンスラベル、生物ルミネセンスラベル、放射性同位体、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン又は酵素を含んで成る請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記ラベルが、ローダミン色素、フルオレセイン色素、ハロフルオレセイン色素、ジクロロローダミン色素、エネルギー移行色素、Lucifer色素、Oregon Green及びシアニン色素から成る群から選択された蛍光色素である請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記ラベルが、JOE、 VIC、 TET、HEX、 FAM、 R6G、R110、 TAMRA 及び ROXから成る群から選択された蛍光色素である請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記ラベルが、3H、 14C、 22Na、 32P、 33P、 35S、 42K、45Ca、 59Fe、 125I 及び203Hgから成る群から選択された放射性同位体である請求項23記載の方法。
【請求項27】
前記鋳型核酸又はプライマー核酸が、固体支持体に結合される請求項1記載の方法。
【請求項28】
前記鋳型核酸を、少なくとも1つの延長できるヌクレオチドと共にインキュベートすることをさらに含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記延長できるヌクレオチドが、リボヌクレオチド及び/又はデオキシリボヌクレオチドを含んで成る請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記延長できるヌクレオチドがラベルされる請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記鋳型核酸を、加ピロリン酸分解を最小にする少なくとも1つのピロホスフェターゼと共にインキュベートすることを含んで成る請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記2’−ターミネーターヌクレオチド及び延長できるヌクレオチドが、1:1又はそれ以下のモル比で存在する請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記延長されたプライマー核酸が、前記鋳型核酸の副配列に対して相補的である請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記延長されたプライマー核酸が、前記鋳型核酸の十分な長さの配列に対して相補的である請求項28記載の方法。
【請求項35】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が複数の異なった延長されたプライマー核酸を生成し、そして前記方法が複数の異なった延長されたプライマー核酸を解明することを含んで成り、ここで前記鋳型核酸の塩基配列の少なくとも一部が前記解明された、延長されたプライマー核酸から決定できる請求項28記載の方法。
【請求項36】
前記延長されたプライマー核酸が、その延長されたプライマー核酸の分子質量、大きさ及び電荷性質の少なくとも1つを決定することにより解明される請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記延長されたプライマー核酸がさらにラベルを含んで成り、そして前記延長されたプライマー核酸が、前記ラベルされた、延長されたプライマー核酸をお互いから分離し、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することにより解明される請求項35記載の方法。
【請求項38】
前記ラベルされた、延長されたプライマー核酸が、電気泳動、クロマトグラフィー及び気相イオン分光測定から成る群から選択された少なくとも1つの分離技法により分離される請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記気相イオン分光測定が、MALDI−TOF質量分光測定を含んで成る請求項38記載の方法。
【請求項40】
プライマー核酸の延長方法であって、少なくとも1つの核酸を、少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒、及び少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドと共にインキュベートし、ここで前記ヌクレオチド組込み生触媒が、前記核酸をその核酸の末端で前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを組込むことにより、少なくとも1つの延長された核酸を生成するよう延長する方法。
【請求項41】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が、末端トランスフェラーゼ、及びポリヌクレオチドホスホリラーゼから成る群から選択された酵素を含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドが、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシル−5’−三リン酸ヌクレオシドを含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が、前記核酸の3’末端で前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを組込む請求項40記載の方法。
【請求項44】
前記延長された核酸ともう1つの核酸とをハイブリダイズし、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することをさらに含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項45】
前記ラベルが、蛍光色素を含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項46】
前記ラベルが、放射性同位体を含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項47】
前記ラベルが、少なくとも1つの質量−修飾基を含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項48】
前記核酸が、前記鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的であるプライマー核酸を含んで成り、そして前記方法が、前記鋳型核酸と、前記ヌクレオチド組込み生触媒、前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド及び前記プライマー核酸と共にインキュベートすることを含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項49】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が、ポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転写酵素、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ及びテロメラーゼから成る群から選択された酵素を含んで成る請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が、修飾された酵素を含んで成る請求項48記載の方法。
【請求項51】
前記修飾された酵素が、1又は複数の次の酵素:G46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA ポリメラーゼ、 E615G Taq DNA ポリメラーゼ、ΔZ05R ポリメラーゼ、又は G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼを含んで成る請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記鋳型核酸を、少なくとも1つの延長できるヌクレオチドと共にインキュベートすることをさらに含んで成る請求項48記載の方法。
【請求項53】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が複数の異なった延長されたプライマー核酸を生成し、そして前記方法が複数の異なった延長されたプライマー核酸を解明することを含んで成り、ここで前記鋳型核酸の塩基配列の少なくとも一部が前記解明された、延長されたプライマー核酸から決定できる請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記延長されたプライマー核酸が、その延長されたプライマー核酸の分子質量、大きさ及び電荷性質の少なくとも1つを決定することにより解明される請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記延長されたプライマー核酸が、前記延長されたプライマー核酸をお互いから分離し、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することにより解明される請求項53記載の方法。
【請求項56】
延長された核酸のさらなる延長を阻害するための方法であって、DNAを包含する、少なくとも1つの核酸と、少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒及び前記ヌクレオチド組込み生触媒により延長できない、少なくとも1つの2’−ターミネーターヌクレオシ
ド又はヌクレオチド、又は医薬的に許容できるその塩とを接触させ、ここで前記ヌクレオチド組込み生触媒が、前記核酸を、その核酸の末端で、前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオシド又はヌクレオチド、又は医薬的に許容できるその塩を組込むことにより少なくとも1つの延長された核酸を生成するよう延長せしめ、それにより、前記延長された核酸のさらなる延長を阻害することを含んで成る方法。
【請求項57】
前記核酸が、微生物DNAを含んで成る請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記微生物DNA、前記ヌクレオチド組込み生触媒、及び前記2’−ターミネーターヌクレオシド又はヌクレオチド、又は医薬的に許容できるその塩が、前記微生物DNAを含んで成る微生物により感染された宿主において接触せしめられる請求項57記載の方法。
【請求項59】
標的核酸の配列決定方法であって、
(a)少なくとも1つの標的核酸を、1又は複数のポリメラーゼ、1又は複数の2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシド、1又は複数の延長できるヌクレオチド、及び前記標的核酸の少なくとも副配列に対して相補的である1又は複数のプライマー核酸と共にインキュベートし、ここで前記ポリメラーゼが、前記プライマー核酸を、プライマー延長生成物の3’末端で前記2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを組込むプライマー延長生成物を生成するよう延長せしめ:そして
(b)前記プライマー延長生成物における前記2’− 一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを同定し、ここで前記標的核酸の塩基配列の少なくとも一部が前記同定された2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドから決定できる方法。
【請求項60】
(a)前記標的核酸、前記ポリメラーゼ、前記延長できるヌクレオチド及び前記プライマー核酸を、少なくとも2種の異なった2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドと共にインキュベートすることを含んで成る請求項59記載の方法。
【請求項61】
(a)複数の別々の反応を包含し、それらの反応の少なくとも2つの反応は、異なった2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを包含する請求項59記載の方法。
【請求項62】
前記異なった2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドが、異なったラベルを含んで成る請求項61記載の方法。
【請求項63】
(b)前記プライマー延長生成物又はその3’−末端フラグメントの分子質量、及び前記分子質量からの標的核酸の配列を決定することを含んで成る請求項59記載の方法。
【請求項64】
前記分子質量が気相イオン分光測定を用いて決定される請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記気相イオン分光測定が、MALDI−TOF質量分光測定を含んで成る請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記プライマー延長生成物がラベルを含んで成り、そして(b)前記プライマー延長生成物をお互いから分離し、そして前記ラベルにより生成される検出できるシグナルを検出することを含んで成る請求項59記載の方法。
【請求項67】
前記プライマー延長生成物が、電気泳動、クロマトグラフィー及び気相イオン分光測定から成る群から選択された1又は複数の分離技法により分離される請求項66記載の方法。
【請求項68】
少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド及び少なくとも1つのヌクレオチド組込み生触媒を含んで成る反応混合物。
【請求項69】
前記2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分の2’位置が、負に荷電されたブロッキング基又は大きなブロッキング基を含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項70】
前記2’−ターミネーターヌクレオチドが、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項71】
少なくとも1つのピロホスファターゼをさらに含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項72】
前記2’−ターミネーターヌクレオチドが、下記式:
【化1】

[式中、R1は、H, OH, 親水性基、又は疎水性基であり;
Bは、少なくとも1つの単素環式環、少なくとも1つの複素環式環、少なくとも1つのアリール基、又はそれらの組合せであり;
BGは、ブロッキング基であり;
ZはO又はCH2であり;そして
---- は、単又は二重結合を表わす]
を含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項73】
前記Bが、
a)下記式:
【化2】

[式中、X1及びX2は、CH及びNから独立して選択され;
R2は、H, OH又はNR4R5であり;
R3は、H, OH又はNR6R7であり;
R4及びR5は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択され;そして
R6及びR7は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択される]で表わされる式;
b)下記式:
【化3】

[式中、X1及びX2は、CH及びNから独立して選択され;
R2は、O又はSであり;
R3は、H, OH又はNR4R5であり;そして
R4及びR5は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択される]で表わされる式;
c)下記式:
【化4】

[式中、R2は、H, OH又はNR4R5であり;
R3は、H, OH又はNR6R7であり;
R4及びR5は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択され;そして
R6及びR7は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択される]で表わされる式;
d)下記式;
【化5】

[式中、X1及びX2は、CH及びNから独立して選択され;
R2は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せから独立して選択され;そして
R3は、O又はSである]で表される式;
e)下記式:
【化6】

[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択され;そして
R4及びR5は、H, NH2, SH, OH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基及びそれらの組合せから独立して選択される]で表わされる式;
f)下記式:
【化7】

[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択され;そして
R4は、H, NH2, SH, OH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基及びそれらの組合せから独立して選択される]で表わされる式;
g)下記式:
【化8】

[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択される]で表わされる式:
h)下記式:
【化9】

[式中、R2及びR3は、O及びSから独立して選択される]で表わされる式;
i)下記式:
【化10】

[式中、R2は、O又はSであり;
R3及びR4は、H,NH2、SH、OH、COOH、COOCH3、COOCH2CH3、CHO、NO2、CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基及びそれらの組合せから独立して選択される;そして
R5は、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケノキシ基、アルキニル基、アルキノキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、又はそれらの組合せである]で表される基;
j)下記式;
【化11】

[式中、XはCH又はNであり;
R2及びR3は、H, OH及びNHR4から独立して選択され;
R4は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せであり;そして
R5は、OH, NH2, SH, ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はそれらの組合せである]で表される基;及び
k)下記式:
【化12】

[式中、Xは、CH又はNであり;
R2は、O又はSであり;
R3は、H, OH又はNHR4であり;
R4は、H, アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基及びそれらの組合せであり;そして
R5は、OH, NH2, SH, ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はそれらの組合せである]で表わされる基;
から成る群から選択された式を含んで成る請求項72記載の反応混合物。
【請求項74】
BGが、CN, NO2, N3、シリル基、ハロ基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、酸基、エステル基、アミノ基及びそれらの組合せから成る群から選択される請求項72記載の反応混合物。
【請求項75】
BGが、下記式:
【化13】

[式中、Xは、O、S、NR3、CR3R4、又はSiR3R4であり;
Yは、CR5R6R7、SiR5R6R7、OR5、SR5、又はNHR5であり;
R2は、H、OH、NHR8、SR8、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、又はそれらの組合せであり;そして
R3, R4, R5, R6, R7及びR8は、H、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基又はそれらの組合せから独立して選択される];又は下記式:
【化14】

[式中、Xは、CR3R4R5、SiR3R4R5、OR3、SR3、又はNHR3であり;
R2は、H, OH, NHR6, SR6, アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基又はそれらの組合せであり;そして
R3, R4, R5及びR6は、H、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基又はそれらの組合せから独立して選択される]
を含んで成る請求項72記載の反応混合物。
【請求項76】
前記ラベルが、前記2’−ターミネーターヌクレオチドの複素環式塩基、前記2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分、及び前記2’−ターミネーターヌクレオチドのリン酸基の1つに結合される請求項68記載の反応混合物。
【請求項77】
リンカーが、ラベルを前記2’−ターミネーターヌクレオチドに結合する請求項68記載の反応混合物。
【請求項78】
前記ラベルが、蛍光色素、弱い蛍光ラベル、非蛍光ラベル、比色ラベル、化学ルミネセンスラベル、生物ルミネセンスラベル、放射性同位体、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン又は酵素を含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項79】
前記ラベルが、ローダミン色素、フルオレセイン色素、ハロフルオレセイン色素、ジクロロローダミン色素、エネルギー移行色素、Lucifer色素、Oregon Green及びシアニン色素から成る群から選択された蛍光色素である請求項78記載の反応混合物。
【請求項80】
前記蛍光色素が、JOE、 VIC、 TET、HEX、 FAM、 R6G、R110、 TAMRA 及び ROXから成る群から選択される請求項79記載の反応混合物。
【請求項81】
前記ラベルが、3H、 14C、 22Na、 32P、 33P、 35S、 42K、45Ca、 59Fe、 125I 及び203Hgから成る群から選択された放射性同位体である請求項78記載の反応混合物。
【請求項82】
1又は複数の延長できるヌクレオチドをさらに含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項83】
前記延長できるヌクレオチドが、リボヌクレオチド及び/又はデオキシリボヌクレオチドを含んで成る請求項82記載の反応混合物。
【請求項84】
前記延長できるヌクレオチドの少なくとも1つがラベルされる請求項82記載の反応混合物。
【請求項85】
前記2’−ターミネーターヌクレオチド及び延長できるヌクレオチドが、1:1又はそれ以下のモル比で存在する請求項82記載の反応混合物。
【請求項86】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が、ポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転写酵素、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ及びテロメラーゼから成る群から選択された酵素を含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項87】
前記酵素が、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を含んで成る請求項86記載の反応混合物。
【請求項88】
前記酵素が、リボヌクレオチドの組込みを増強する突然変異を含んで成る請求項86記載の反応混合物。
【請求項89】
前記酵素が、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を低めるか又は排除する突然変異を含んで成る請求項86記載の反応混合物。
【請求項90】
前記酵素が、リボヌクレオチドの2’−修飾された類似体の組込みを増強する突然変異を含んで成る請求項86記載の反応混合物。
【請求項91】
前記酵素が、熱安定性酵素である請求項86記載の反応混合物。
【請求項92】
前記酵素が、サーマス・アントラニキアニ(Thermus antranikianii)、サーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)、サーマス・カルドフィラス(Thermus caldophilus)、サーマス・クリアロフィラス(Thermus chliarophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、サーマス・フラバス(Thermus flavus)、サーマス・イグニテラエ(Thermus igniterrae)、サーマス・ラクテウス(Thermus lacteus)、サーマス・オシマイ(Thermus oshimai)、サーマス・ルベル(Thermus ruber)、サーマス・ルベンス(Thermus rubens)、サーマス・スコトダクタス(Thermus scotoductus)、サーマス・シルバヌス(Thermus silvanus)、サーマス種Z05(Thermus species Z05)、サーマス種sps17(Thermus species sps 17), サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)、サーモトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)、サーモシホ・アフリカナス(Thermosipho africanus)、アナエロセラム・サーモフィラム(Anaerocellum thermophilum)、バチルス・カルドテナクス(Bacillus caldotenax)、及びバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)から成る群から選択される生物に由来する請求項86記載の反応混合物。
【請求項93】
前記酵素が修飾される請求項86記載の反応混合物。
【請求項94】
前記修飾された酵素が、1又は複数の次の酵素:G46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA ポリメラーゼ、 E615G Taq DNA ポリメラーゼ、ΔZ05R ポリメラーゼ、又は G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼを含んで成る請求項93記載の反応混合物。
【請求項95】
鋳型核酸、及びその鋳型核酸の少なくとも副配列に対して少なくとも部分的に相補的であるプライマー核酸をさらに含んで成る請求項68記載の反応混合物。
【請求項96】
前記鋳型核酸又はプライマー核酸が、固体支持体に結合される請求項95記載の反応混合物。
【請求項97】
前記プライマーが、ラベルを含んで成る請求項95記載の反応混合物。
【請求項98】
前記ラベルが、蛍光色素、弱い蛍光ラベル、非蛍光ラベル、比色ラベル、化学ルミネセンスラベル、生物ルミネセンスラベル、放射性同位体、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン又は酵素を含んで成る請求項97記載の反応混合物。
【請求項99】
前記ラベルが、ローダミン色素、フルオレセイン色素、ハロフルオレセイン色素、ジクロロローダミン色素、エネルギー移行色素、Lucifer色素、Oregon Green及びシアニン色素から成る群から選択された蛍光色素である請求項98記載の反応混合物。
【請求項100】
前記蛍光色素が、JOE、 VIC、 TET、HEX、 FAM、 R6G、R110、 TAMRA 及び ROXから成る群から選択される請求項99記載の反応混合物。
【請求項101】
前記ラベルが、3H、 14C、 22Na、 32P、 33P、 35S、 42K、45Ca、 59Fe、 125I 及び203Hgから成る群から選択された放射性同位体である請求項97記載の反応混合物。
【請求項102】
(a)少なくとも1つのヌクレオチド組み込み生触媒;及び
(b)少なくとも1つのラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド、を含んで成る核酸の延長のためのキット。
【請求項103】
前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドの糖成分の2’位置が、負に荷電されたブロッキング基又は大きなブロッキング基を含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項104】
前記2’−ターミネーターヌクレオチドが、2’−一リン酸−3’−ヒドロキシルヌクレオシドを含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項105】
1又は複数の延長できるヌクレオチドをさらに含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項106】
前記延長できるヌクレオチドの少なくとも1つが、ラベルを含んで成る請求項105記載のキット。
【請求項107】
前記ラベルが、放射性同位体、蛍光色素、又は質量−修飾基を含んで成る請求項106記載のキット。
【請求項108】
少なくとも1つのピロホスファターゼをさらに含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項109】
(c)前記ヌクレオチド組込み生触媒及び前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドにより前記核酸を延長するための1組の説明書をさらに含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項110】
(d)前記ヌクレオチド組込み生触媒、前記ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチド、及び前記1組の説明書をパッキングするための少なくとも1つの容器をさらに含んで成る請求項109記載のキット。
【請求項111】
前記ヌクレオチド組込み生触媒が、ポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転写酵素、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ及びテロメラーゼから成る群から選択された酵素を含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項112】
前記酵素が、リボヌクレオチドの組込みを増強する突然変異を含んで成る請求項111記載のキット。
【請求項113】
前記酵素が、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を低めるか又は排除する突然変異を含んで成る請求項111記載のキット。
【請求項114】
前記酵素が、リボヌクレオチドの2’−修飾された類似体の組込みを増強する突然変異を含んで成る請求項111記載のキット。
【請求項115】
前記酵素が、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を含んで成る請求項111記載のキット。
【請求項116】
前記酵素が、熱安定性酵素である請求項111記載のキット。
【請求項117】
前記酵素が、サーマス・アントラニキアニ(Thermus antranikianii)、サーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)、サーマス・カルドフィラス(Thermus caldophilus)、サーマス・クリアロフィラス(Thermus chliarophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、サーマス・フラバス(Thermus flavus)、サーマス・イグニテラエ(Thermus igniterrae)、サーマス・ラクテウス(Thermus lacteus)、サーマス・オシマイ(Thermus oshimai)、サーマス・ルベル(Thermus ruber)、サーマス・ルベンス(Thermus rubens)、サーマス・スコトダクタス(Thermus scotoductus)、サーマス・シルバヌス(Thermus silvanus)、サーマス種Z05(Thermus species Z05)、サーマス種sps17(Thermus species sps 17), サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)、サーモトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)、サーモシホ・アフリカナス(Thermosipho africanus)、アナエロセラム・サーモフィラム(Anaerocellum thermophilum)、バチルス・カルドテナクス(Bacillus caldotenax)、及びバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)から成る群から選択される生物に由来する請求項111記載のキット。
【請求項118】
前記酵素が修飾される請求項111記載のキット。
【請求項119】
前記修飾された酵素が、1又は複数の次の酵素:G46E E678G CS5 DNA ポリメラーゼ、 G46E E678G CS6 DNA ポリメラーゼ、 E615G Taq DNA ポリメラーゼ、ΔZ05R ポリメラーゼ、又は G46E L329A E678G CS5 DNA ポリメラーゼを含んで成る請求項118記載のキット。
【請求項120】
前記ラベルが、放射性同位体、蛍光色素、又は質量−修飾基を含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項121】
前記核酸が、プライマー核酸を含んで成り、そして前記キットが鋳型核酸、及びその鋳型核酸の少なくとも副配列に対して相補的であるプライマー核酸をさらに含んで成る請求項102記載のキット。
【請求項122】
前記鋳型核酸又はプライマー核酸が、固体支持体に結合される請求項121記載のキット。
【請求項123】
前記プライマー核酸が、ラベルを含んで成る請求項121記載のキット。
【請求項124】
前記ラベルが、放射性同位体、蛍光色素、又は質量−修飾基を含んで成る請求項123記載のキット。
【請求項125】
(a)ラベルされた2’−ターミネーターヌクレオチドを含んで成る少なくとも1つの容器;
(b)前記容器における温度を調節するために前記容器に操作可能的に連結される少なくとも1つの熱モジュレーター;及び
(c)流体を前記容器に移行し、そして/又はその容器から流体を移行する少なくとも1つの流体移行成分、を含んで成る核酸の延長のためのシステム。
【請求項126】
多くの容器を含んで成る請求項125記載のシステム。
【請求項127】
前記容器において生成される検出できるシグナルを検出するために前記容器に操作可能的に連結される少なくとも1つの検出器をさらに含んで成る請求項125記載のシステム。
【請求項128】
前記容器における温度の調節をもたらすために前記熱モジュレーターに、及び/又は前記容器への及び/又は前記容器からの流体の移行をもたらすために前記流体移行成分に操作可能的に連結される少なくとも1つのコントローラーをさらに含んで成る請求項125記載のシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2007−527217(P2007−527217A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518742(P2006−518742)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/021075
【国際公開番号】WO2005/005667
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.PENTIUM
3.フロッピー
4.JAVA
5.UNIX
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】