説明

2−ピリジニルエチルベンズアミド誘導体

一般式(I)の化合物。該化合物を調製する方法。一般式(I)の化合物を含む殺真菌組成物。一般式(I)の化合物又は該化合物を含む組成物を適用することによって、植物を処理する方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規N−[2−(2−ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体、それらの調製方法、殺真菌剤、特に殺真菌組成物の形態の殺真菌剤としてのそれらの使用、及びこれらの化合物又はそれらの組成物を使用して植物の植物病原性真菌を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO 01/11965は、幅広い殺真菌化合物のファミリーを開示している。N−[2−(2−ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体の具体的な開示は存在しない。
【0003】
農薬の分野では、当業者によって既に公知の化合物よりも活性が高く、等しい有効性を保持しながらより少ない量の化合物を使用できる殺虫化合物を使用することに常に強い関心が寄せられている。
【0004】
本発明者らは、このような化合物の一般的な公知のファミリーに比べて、増強された殺真菌活性を示す化合物の新規ファミリーを見出した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、一般式(I)のN−[2−(2−ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体、並びにその塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体および光学活性異性体に関する。
【0006】
【化6】

(式中、
−nは、1、2、又は3であり;
−pは、1、2、3又は4であり;
−Rは、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり;
−各置換基Xは、他と独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル又はC−Cハロゲノアルキルとして選択され;
−R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,6ジクロロフェニル−カルボニルアミノ基若しくはフェニル基として選択され、;又はRとRは、両者で、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを形成することができ;
−R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,6ジクロロフェニル−カルボニルアミノ基又はフェニル基として選択され;
(但し、4つの置換基R、R、R及びRのうち3つが水素原子である場合には、4つ目の置換基は水素原子ではない。)
−Rは、水素原子、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シアノアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲンアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ベンジルオキシカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホニル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニルとして選択され;
Yは、同一又は異別であり、及び水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基,アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル又はC−C−アルキルスルホンアミドであり;及び
−Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基,アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル又はC−C−アルキルスルホンアミドである。)。
本発明において、
−ハロゲンは、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素を意味し;
−複素原子は、N、O又はSを意味し;
−カルボキシは、−C(=O)OHを意味し;
−カルボニルは、−C(=O)−を意味し;
−カルバモイルは、−C(=O)NHを意味し;
−N−ヒドロキシカルバモイルは、−C(=O)NHOHを意味し;
−アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基並びにこれらの用語を含有する部分は、直鎖又は分枝鎖とすることができる。
【0007】
本発明において、二置換されたアミノ及び二置換されたカルバモイル基の場合には、2個の置換基は、それらを有する窒素原子とともに、3から7個の原子を含有する飽和複素環を形成し得ることも理解しなければならない。
【0008】
本発明において、2−ピリジルは、あらゆる位置において、(X)及びR(X、R及びnは上記定義のとおりである。)によって置換され得る。好ましくは、本発明は、以下のように、異なる特徴を単独で又は組み合わせて選択することができる一般式(I)のN−[2−2−(ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体に関する。
【0009】
−nに関しては、nは、1又は2である。より好ましくは、nは1である。
【0010】
−Xに関しては、Xは、好ましくは、ハロゲン原子として選択される。より好ましくは、Xは塩素である;
に関しては、Rは、好ましくは、−CFとして選択される;
−2−ピリジルが置換される位置に関しては、2−ピリジルは、3位及び/又は5位で置換される。より好ましくは、2−ピリジルは、3位がXによって置換されており、5位がRによって置換されている。
【0011】
より好ましくは、2−ピリジルは、3位が−Clによって置換されており、5位が−CFによって置換されている。
【0012】
本発明において、フェニルは、オルトの位置においてRによって置換されており、他の任意の位置において(Y)(Y及びpは、上記定義のとおりである。)によって置換されることができる。好ましくは、本発明は、以下のように、異なる特徴を単独で又は組み合わせて選択することができる一般式(I)のN−[2−2−(ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体に関する。
【0013】
−Rに関しては、Rは、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり;
−pに関しては、pは1であり;
−Yに関しては、Yは、水素原子、ハロゲン原子又はC−C−アルキルである。より好ましくは、Yは水素である。
【0014】
本発明において、式(I)の化合物の「エチルアミド部分」の2個の炭素原子及び窒素原子は、それぞれ、R及びR、R及びR、並びにRによって置換されており、少なくとも一つの置換基R、R、R及びRは、水素とは異なる。好ましくは、本発明は、以下のように、異なる特徴を単独で又は組み合わせて選択することができる一般式(I)のN−[2−2−(ピリジニル)エチル]ベンズアミド誘導体にも関する。
【0015】
−R及びRに関しては、R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−Cアルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−アルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルオキシ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ又はフェニル基として選択され得る。より好ましくは、R及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はC−C−アルキルカルボニルアミノとして選択され得る。
【0016】
−R及びRに関しては、R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルカルボニルアミノ又はフェニル基として選択され得る。より好ましくは、R及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はフェニル基として選択され得る。
【0017】
−Rに関しては、Rは、水素原子又はC−C−シクロアルキルとして選択され得る。
【0018】
本発明は、一般式(I)の化合物を調製するための方法にも関する。このため、本発明のさらなる側面によれば、
一般式(II)の2−ピリジン誘導体:
【0019】
【化7】

(X、n、R、R、R、R、R及びRは、上記定義のとおりである。)
又はその塩の一つを、一般式(III)
【0020】
【化8】

(Y、p及びRは、上記定義のとおりであり;並びに
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OR、−OCR(Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル、ペンタフルオロフェニル又は式
【0021】
【化9】

の基である。)として選択される脱離基である。)
のカルボン酸誘導体と、触媒の存在下で、及びLがヒドロキシル基であれば縮合剤の存在下で反応させることを含む、上記一般式(I)の化合物を調製する方法が提供される。
【0022】
本発明の方法は、触媒の存在下で実施される。適切な触媒は、4−ジメチル−アミノピリジン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はジメチルホルムアミドとして選択され得る。
【0023】
がヒドロキシ基である場合には、本発明の方法は、縮合剤の存在下で実施される。適切な縮合剤は、ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、酸化三塩化リン又は塩化チオニル;クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル又は塩化メタンスルホニルなどの無水物形成物質などの酸ハロゲン化物形成物質;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカルボジイミド又は五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/テトラクロロメタン、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物又はブロモ−トリピロリジノ−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェートなどの他の慣用の縮合剤として選択され得る。
【0024】
が水素原子である場合には、一般式(I)の化合物を調製するための上記方法は、一般式(Id)の化合物を一般式(XXII)の化合物と反応させて、一般式(I)の化合物を得ることを含む、以下の反応スキーム:
【0025】
【化10】

(R、R、R、R、R、R、R、X、Y、n及びpは、上記定義のとおりであり、
は、ハロゲン原子、4−メチルフェニルスルホニルオキシ又はメチルスルホニルオキシとして選択される脱離基である。)に従うさらなる工程によって、必要に応じて完結させることができる。
【0026】
、R、R、R又はRの定義に応じて、一般式(II)のアミン誘導体は、異なるプロセスによって調製され得る。このようなプロセスの一例(A)は、
−R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、水素原子又はC−Cアルキルであり;及び
−R、R、Rが、水素原子であり;次いで、
−一般式(VI)の2−(ピリジル)シアノアセテート誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(V)のシアノアセテート誘導体をアシル化することを含む反応スキームA−1:
【0027】
【化11】

(式中:−R、R、X及びnは、上記定義のとおりである。
【0028】
−Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
−Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)に係る第一の工程と;
−40℃から還流温度に加熱した際に、一般式(VIIa)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を与えるために、同一又は異別のポット内で、一般式(VI)の化合物を塩基性加水分解、酸性加水分解、又はハロゲン化物によって置換することを含む、反応スキームA−2:
【0029】
【化12】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0030】
−Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)に係る第二の工程と;
一般式(VIIb)の化合物を与えるために、一般式(XVII)の試薬により、一般式(VIIa)の化合物をアルキル化することを含む、反応スキームA−3:
【0031】
【化13】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0032】
−Rは、C−Cアルキルであり;
−Wは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート、C−Cハロアルキルスルホナート又は4−メチル−フェニルスrホナートである。)に係る第三の工程と;
0℃から150℃の温度で、及び1バールから100バールの圧力下で、一般式(IX)の化合物を生成するために、触媒の存在下及び一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIa)又は(VIIb)の化合物を還元することを含む、反応スキームA−4:
【0033】
【化14】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0034】
−Rは、水素原子又はC−Cアルキルであり;
−Lは、−OR基又は−OCOR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)として選択される脱離基であり;PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第四の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(IX)の化合物の、酸性又は塩基性溶媒中での脱保護反応を行うことを含む、反応スキームA−5:
【0035】
【化15】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0036】
−Rは、水素原子又はC−Cアルキルであり;
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第五の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0037】
第一の工程(工程A−1)は、塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記塩基は、無機又は有機塩基であるとして選択され得る。このような塩基の適切な例は、例えば、アルカリ土類金属又はアルカリ金属水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、カルボネート又は炭酸水素塩、酢酸塩又は三級アミンであり得る。
【0038】
本発明の第一の工程(工程A−1)は、0℃から200℃の温度で実施される。好ましくは、第一の工程(工程A−1)は、0から120℃の温度で実施され、より好ましくは0℃から80℃の温度で実施される。
【0039】
本発明の第一の工程(工程A−1)は、溶媒の存在下で実施され得る。好ましくは、前記溶媒は、水、有機溶媒又は両方の混合物として選択される。適切な有機溶媒は、例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族溶媒であり得る。
【0040】
本発明の第一の工程(工程A−1)は、触媒の存在下でも実施され得る。好ましくは、前記触媒は、パラジウム塩又は錯体として選択される。より好ましくは、前記触媒は、パラジウム錯体として選択される。適切なパラジウム錯体触媒は、例えば、反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンドを別々に添加することによって、反応混合物中に直接生成され得る。適切なリガンドは、例えば、(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;又は(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物など、巨大なホスフィン又はアルシンリガンドであり得る。
【0041】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、水素化物供与体の存在下で実施される。好ましくは、水素化物供与体は、LiAlH、NaBH、KBH、Bなどの金属又は半金属水素化物であるとして選択される。
【0042】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、触媒の存在下で実施される。好ましくは、触媒は、塩化Co(II)、塩化Ni(II)、アンモニア若しくはその塩の一つ、活性炭上のパラジウム、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はプラチナとして選択される。
【0043】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、0℃から150℃の温度で実施される。好ましくは、前記温度は、10℃から120℃の温度である。より好ましくは、前記温度は10℃から80℃の温度である。
【0044】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、1バールから100バールの圧力で実施される。好ましくは、圧力は、1バールから50バールまでの圧力である。
【0045】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、有機溶媒、水又はその混合物の存在下で実施され得る。好ましくは、前記溶媒は、エーテル、アルコール、カルボン酸、又は水若しくは純水とのそれらの混合物として選択される。
【0046】
このようなプロセスの第二の例(B)は、
−R、R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;及び
−R、R、Rが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(VIIb)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を与えるために、塩基の存在下、及び−100℃から200℃の温度で、一般式(Vb)の化合物を、一般式(IV)のピリジン誘導体によってアリール化することを含む反応スキームB−1:
【0047】
【化16】

(式中:−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
Uは、ハロゲン原子、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)に係る第一の工程と;
−一般式(IX)の化合物を生成するために、一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIa)又は(VIIb)の化合物を還元することを含む、反応スキームB−2:
【0048】
【化17】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Lは、−OR基又は−OCOR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)として選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第二の工程と;
−一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(IX)の化合物の、酸性又は塩基性溶媒中での脱保護反応を含む、反応スキームB−3:
【0049】
【化18】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりである。
【0050】
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第三の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0051】
第一の工程(工程B−1)は、−100℃から200℃の温度で実施される。好ましくは、第一の工程(工程A−1)は、−80℃から120℃の温度で実施され、より好ましくは−80℃から80℃の温度で実施される。
【0052】
本発明の第一の工程(工程B−1)は、塩基の存在下で実施される。好ましくは、前記塩基は、無機又は有機塩基であるとして選択され得る。このような塩基の適切な例は、例えば、アルカリ土類金属又はアルカリ金属水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、カルボネート又は炭酸水素塩、酢酸塩又は三級アミンであり得る。
【0053】
本発明の第一の工程(工程B−1)は、溶媒の存在下で実施され得る。好ましくは、前記溶媒は、水、有機溶媒又は両方の混合物として選択される。適切な有機溶媒は、例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族溶媒であり得る。
【0054】
本発明の第一の工程(工程B−1)は、触媒の存在下でも実施され得る。好ましくは、前記触媒は、パラジウム塩又は錯体として選択される。より好ましくは、前記触媒は、パラジウム錯体として選択される。適切なパラジウム錯体触媒は、例えば、反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンドを別々に添加することによって、反応混合物中に直接生成され得る。適切なリガンドは、例えば、(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;又は(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物など、巨大なホスフィン又はアルシンリガンドであり得る。
【0055】
工程B−2が実施される好ましい条件は、上記プロセスAの工程A−4が実施される好ましい条件と同一である。
【0056】
工程B−3が実施される好ましい条件は、上記プロセスAの工程A−5が実施される好ましい条件と同一である。
【0057】
このようなプロセスの第三の例(C)は、
−R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、ホルミルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ又は2,6−ジクロロフェニルカルボニルアミノであり;及び
−R、R、Rが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(VIIc)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を与えるために、塩基の存在下、及び−100℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(Vc)の化合物をアリール化することを含む、反応スキームC−1:
【0058】
【化19】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
Uは、ハロゲン原子、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)に係る第一の工程と;
−一般式(VIId)の化合物又はその塩の一つを生成するために、酸性加水分解によって、一般式(VIIc)の化合物を脱保護することを含む、反応スキームC−2:
【0059】
【化20】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。)
に係る第二の工程と;
一般式(VIIe)の化合物を生成するために、一般式(VIId)の化合物と一般式(X)の塩化アシルの間でカップリングすることを含む、反応スキームC−3:
【0060】
【化21】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子、C−Cアルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有するC−Cハロゲノアルキル、フェニル又は2,6−ジクロロフェニルである。)
に係る第三の工程と;
−一般式(IXb)の化合物を生成するために、一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIe)の化合物を還元することを含む、反応スキームC−4:
【0061】
【化22】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子、C−Cアルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有するC−Cハロゲノアルキル、フェニル又は2,6−ジクロロフェニルであり;
−Lは、−OR基又は−OCOR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)として選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)
に係る第四の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを提供するために、一般式(IXb)の化合物の、酸性又は塩基性溶媒中での脱保護反応を含む、スキームC−5:
【0062】
【化23】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子、C−Cアルキル基であり、1個から5個のハロゲン原子を有するC−Cハロゲノアルキル、フェニル又は2,6−ジクロロフェニルであり;
−Lは、−OR基又は−OCOR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)として選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)
に係る第五の工程と;を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0063】
このようなプロセスの第四の例(D)は、
−R、R、R、X、Y、n及びpが、上記定義のとおりであり;
−Rが、水素原子であり;
−Rが、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;及び
−Rが、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキルであり;
次いで、
−一般式(XII)の2−(ピリジル)ケトアセテート誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(XI)のケト酢酸塩誘導体をアリール化することを含む、反応スキームD−1:
【0064】
【化24】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)
に係る第一の工程と;
−一般式(XIII)の2−ピリジルケトン誘導体を、40℃から還流温度で加熱した際に与えるために、同一又は異別のポット内で、一般式(XII)の化合物を塩基性加水分解、酸性加水分解、又はハロゲン化物によって置換することを含む、反応スキームD−2:
【0065】
【化25】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)
に係る第二の工程と;
一般式(XIV)のイミン誘導体を提供するために、一般式(XIII)の化合物を式R−NHのアミンと反応させることを含む、反応スキームD−3:
【0066】
【化26】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、水素原子、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cシクロアルキルである。)
に係る第三の工程と;
−一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、同一又は異別のポット内で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(XIV)のイミン誘導体を還元することを含む、スキームD−4:
【0067】
【化27】

(−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、フェニルであり;
−Rは、水素原子、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cシクロアルキルである。)
に係る第四の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0068】
このようなプロセスの第五の例(E)は、
−R、R、R、R、X、Y、n及びpが、上記定義のとおりであり;
−Rが、水素原子であり;
−Rが、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;及び
−Rが、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキルであり;
次いで、
−一般式(XIIIb)の2−(ピリジル)ケトン誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(XIV)のケトン誘導体をアリール化することを含む反応スキームE−1:
【0069】
【化28】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
−Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)
に係る第一の工程と;
一般式(XIVb)のイミン誘導体を与えるために、一般式(XIIIb)の化合物を式R−NHのアミンと反応させることを含む、反応スキームE−2:
【0070】
【化29】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキルである。)
に係る第二の工程と;
一般式(II)の化合物のアミン誘導体またはその塩の一つを提供するために、同一又は異別のポット内で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(XIVb)のイミン誘導体を還元することを含む、スキームE−3:
【0071】
【化30】

(式中:−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−Cシクロアルキルである。)
に係る第三の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0072】
このようなプロセスの第六の例(F)は、
−R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシであり;及び
−R及びRが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(VI)の2−(ピリジル)シアノアセテート誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(V)のシアノアセテート誘導体をアリール化することを含む、反応スキームF−1:
【0073】
【化31】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)
に係る第一の工程と;
−一般式(VIIa)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を、40℃から還流温度で加熱した際に与えるために、同一又は異別のポット内で、一般式(VI)の化合物を塩基性加水分解、酸性加水分解、又はハロゲン化物によって置換することを含む、反応スキームF−2:
【0074】
【化32】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)
に係る第二の工程と;
一般式(VIIf)の化合物を与えるために、一般式(VIIa)の化合物をハロゲン化することを含む、反応スキームF−3:
【0075】
【化33】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Wは、ハロゲン原子である。)
に係る第三の工程と;
−78℃から150℃の温度で、一般式(VIIb)の化合物を生成するために、塩基の存在下において、一般式(XV)の化合物の存在下で一般式(VIIf)に記載の化合物を求核置換することを含む、反応スキームF−4:
【0076】
【化34】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Wは、ハロゲン原子であり;
−Rは、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシである。)
に係る第四の工程と;
0℃から150℃の温度で、及び1バールから100バールの圧力下で、一般式(IX)の化合物を生成するために、触媒の存在下及び一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIb)の化合物を還元することを含む反応スキームF−5:
【0077】
【化35】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシであり;
−Lは、−OR基又は−OCOR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)として選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)
に係る第五の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(IX)の化合物を、酸性又は塩基性溶媒中で脱保護反応することを含む、反応スキームF−6:
【0078】
【化36】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0079】
−Rは、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシであり;
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第六の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0080】
このようなプロセスの第七の例(G)は、
−R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、ヒドロキシ基であり;及び
−R、R及びRが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(XVIII)の化合物を与えるために、一般式(XVI)のピリジン誘導体に対して、一般式(XVII)のメチルマグネシウムハロゲン化物を添加することを含む、反応スキームG−1:
【0081】
【化37】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Zは、ハロゲン原子である。)
に係る第一の工程と;
−塩素、臭素、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、三塩化イオン、三臭化イオン、N−クロロイミド、N−クロロアミド、N−クロロアミン、N−ブロモイミド、N−ブロモアミド又はN−ブロモアミンなどのハロゲン化剤を使用することによって、一般式(XVIII)の化合物を一般式(XIX)の化合物にハロゲン化することを含む、反応スキームG−2:
【0082】
【化38】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Zは、ハロゲン原子である。)
に係る第二の工程と;
一般式(XX)の化合物を生成するために、フタルイミド塩による一般式(XIX)の化合物を求核置換することを含む、反応スキームG−3:
【0083】
【化39】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Zは、ハロゲン原子である。)
に係る第三の工程と;
一般式(XXI)の化合物を生成するために、水素化物供与体によって、一般式(XX)の化合物を還元することを含む、反応スキームG−4:
【0084】
【化40】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりである。)
に係る第四の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(XXI)の化合物を、ヒドラジン水和物又はヒドラジン塩と反応させることによって脱保護することを含む、反応スキームG−5:
【0085】
【化41】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりである。)
に係る第五の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0086】
本発明の化合物は、上記プロセスに従って調製することができる。しかしながら、当業者であれば、この一般的な知識及び入手可能な文献に基づいて、合成することが望まれる化合物の各々の詳細に従ってこれらのプロセスを改変できることが理解されるであろう。
【0087】
本発明は、一般式(I)の活性物質の有効量を含む殺真菌組成物にも関する。このため、本発明によれば、活性成分としての上記一般式(I)の化合物の有効量と、農業的に許容される支持体、担体又は充填剤とを含む殺真菌組成物が提供される。
本明細書において、「支持体」という用語は、特に植物の部分により容易に適用できるようにするために前記活性物質が組み合わされる、天然又は合成の有機又は無機物質を表す。このため、この支持体は、一般には不活性であり、農業的に許容可能であるべきである。支持体は、固体又は液体であり得る。適切な支持体の例には、粘土、天然又は合成ケイ酸塩、シリカ、樹脂、蝋、固体肥料、水、アルコール、特にブタノール、有機溶媒、鉱物油及び植物油並びにそれらの誘導体が含まれる。このような支持体の混合物も使用され得る。
【0088】
前記組成物は、さらなる成分も含み得る。特に、前記組成物は、さらに、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、乳化剤、分散剤、又はイオン性若しくは非イオンタイプの湿潤剤又はこのような界面活性剤の混合物であり得る。例えば、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキサイドと脂肪アルコール若しくは脂肪酸若しくは脂肪アミンとのポリ凝集物、置換されたフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウリン塩(alkyl taurate))、ポリオキシエチル化されたアルコール又はフェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、及び硫酸塩、スルホン酸塩及びリン酸塩官能基を含有する上記化合物の誘導体を挙げることができる。活性物質及び/又は不活性な支持体が水に不溶性である場合、及び適用のためのベクター剤が水である場合には、少なくとも一つの界面活性剤の存在が一般的に不可欠である。好ましくは、界面活性剤の含量は、前記組成物の5重量%ないし40重量%を占めることができる。
【0089】
必要に応じて、追加成分、例えば、保護コロイド、接着剤、濃縮剤、チキソトロピック剤、貫通剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤を含むこともできる。より一般的には、前記活性物質は、通常の製剤技術に準拠する、任意の固体又は液体添加剤と組み合わせることが可能である。
【0090】
一般に、本発明の組成物は、0.05から99%(重量)まで、好ましくは10から70重量%までの活性物質を含有することもできる。
【0091】
本発明に係る組成物は、エアロゾル分配器、カプセル懸濁液、冷たい噴霧濃縮物、粉塵化可能な粉末(dustable powder)、乳化可能な濃縮物、水中油エマルジョン、油中水エマルジョン、カプセル封入された顆粒、微細な顆粒、種子処理のための流動可能な濃縮物、(圧力下にある)気体、気体生成製品、顆粒、熱い噴霧濃縮物、巨大顆粒、微細顆粒、油分散性粉末、油混和性の流動可能な濃縮物、油混和性液体、ペースト、植物桿(plant rodlet)、乾燥した種子処理のための粉末、農薬で被覆された種子、可溶性濃縮物、可溶性粉末、種子処理のための溶液、懸濁液濃縮物(流動可能な濃縮物)、超低容量(ulv)液体、超低容量(ulv)懸濁液、水分散性顆粒又は錠剤、スラリー処理のための水分散性粉末、水溶性顆粒又は錠剤、種子処理のための水溶性粉末及び湿潤可能な粉末などの様々な形態で使用することができる。
【0092】
これらの組成物には、噴霧又は粉塵化装置などの適切な装置を用いて、処理されるべき植物又は種子に直ちに適用される組成物のみならず、穀物への適用前に希釈しなければならない濃縮された商業用組成物も含まれる。
【0093】
本発明の化合物は、一以上の殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤、誘因性ダニ駆除剤又はフェロモン又は生物活性を有する他の化合物と混合することも可能である。このようにして得られた混合物は、広い活性スペクトルを有する。他の殺真菌剤との混合物は、特に有利である。
【0094】
本発明の殺真菌組成物は、穀物の植物病原性真菌を治癒的又は予防的に抑制するために使用することが可能である。このように、本発明のさらなる側面によれば、前記殺真菌組成物が、種子、植物及び/又は植物の果実又は植物がその中で増殖しており、又はその中で植物を増殖させることが望まれる土壌に適用されることを特徴とする、穀物の植物毒性真菌を治癒的に又は予防的に抑制する方法が提供される。
【0095】
穀物の植物病原性真菌に対して使用される組成物は、一般式(I)の活性物質の有効量及び非植物毒性量を含む。
【0096】
「有効量及び非植物毒性量」という表現は、穀物上に存在する真菌又は穀物上に出現しやすい真菌を抑制又は破壊するのに十分であり、及び前記穀物に対して植物毒性の明らかな症候を一切伴わない、本発明の組成物の量を意味する。このような量は、抑制されるべき真菌、穀物の種類、天候条件及び本発明の殺真菌組成物中に含まれる化合物に応じて、極めて広い範囲内を変動し得る。
【0097】
この量は、体系的な実施試験によって決定することが可能であり、これは、当業者の能力の範囲に属する。
【0098】
本発明の治療方法は、塊茎又は地下茎の他、種子、苗木又は種苗の仮植(seedlings pricking out)及び植物又は植物の仮植など増殖物質を治療するために有用である。この治療方法は、根を治療するためにも有用であり得る。本発明の治療方法は、幹、茎又は柄、葉、花及び当該植物の果実など、植物の地上部分を治療するためにも有用であり得る。
【0099】
本発明の方法によって保護できる植物として、綿;亜麻;つる植物;バラ種(Rosaceaesp.)(例えば、リンゴ及びナシなどの小さな種の果実の他、アンズ、アーモンド及びモモなどの核果)、リベシオイダエ種(Ribesioidae sp.)、クルミ種(Juglandaceae sp.)、カバノキ種(Betulaceae sp.)、ウルシ種(Anacardiaceae sp.)、ブナ種(Fagaceae sp.)、クワ種(Moraceae sp.)、モクセイ種(Oleaceae sp.)、マタタビ種(Actinidaceae sp.)、クスノキ種(Lauraceae sp.)、バショウ種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテン(plantin))、アカネ種(Rubiaceae sp.)、ツバキ種(Theaceae sp.)、アオギリ種(Sterculiceae sp.)、ミカン種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ)などの果物穀物;ナス種(Solanaceae sp.)(例えばトマト)、ユリ種(Liliaceae sp.)、キク種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ種(Umbelliferaesp.)アブラナ種(Cruciferae sp.)、アカザ種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ種(Cucurbitaceae sp.)、パピリオナ種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ豆)、バラ種(Rosaceae sp.)(例えば、イチゴ)などの豆科の穀物;イネ種(Graminae sp.)(例えば、トウモロコシ、小麦、イネ、大麦及びライ小麦などの穀物)、キク種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ種(Cruciferae)(例えば、西洋アブラナ)、パピリオナ種(Papilionaceae sp.)(例えば、大豆)、ナス種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、アオゲイトウ)などの大きな穀物;園芸及び森林穀物;並びに遺伝子組み換えが行われたこれらの穀物の相同体を挙げることができる。
【0100】
本発明の方法によって保護される植物及びこれらの植物に発症し得る疾病として、
−小麦、以下の種子の病気の抑制に関して:フザリウム病(ミクロドキウム・ニバレ(Microdochiumnivale)及びフザリウム・ロゼウム(Fusariumroseum)、黒穂病(Tilletiacaries(チレチア・カリーズ(Tilletia caries)、チレチア・コントロバーサ(Tilletiacontroversa)又はチレチア・インディカ(Tilletiaindica))、セプトリア病(septoria disease)(セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum))及び裸黒穂病
−小麦、以下の植物の地上部の病気の抑制に関して:穀物の眼紋(タペシア・ヤルンダエ(Tapesiayallundae)、タペシア・アキュイフォルミス(Tapesiaacuiformis))、立ち枯れ病(ゲウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomycesgraminis))、胴枯れ病(foot blight)(F.キュルモラム(F.culmorum)、F.グラミネアラム(F.graminearum))、黒斑点(black speck)(リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis))、うどん粉病(エリシフェ・グラミニス・フォルマ・スペシエ・トリティシ(Erysiphe graminis forma specie tritici)、さび病(プッシニア・ストリフォルミス(Pucciniastriiformis)及びプッシニア・レコンディータ(Pucciniarecondita))及びセプトリア病(septoria diseases)(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)及びセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum));
−小麦及び大麦、細菌及びウイルス性疾患の抑制に関して、例えば、大麦縞萎縮;
−大麦、以下の種子の病気の抑制に関して:網斑病(ピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)及びコクリオボラス・サチブス(Cochliobolus sativus)、裸黒穂病(ウスティラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda))及びフザリウム病(fusaria)(ミクロドチウム・ニバレ(Microdochium nivale)及びフザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum);
−大麦、植物の地上部分の以下の病気の抑制に関して:穀物眼紋病(タペシア・ヤルンダエ(Tapesiayallundae))、網斑病(ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)及びコクリオボラス・サチブス(Cochliobolus sativus))、うどん粉病(エリシフェ・グラミニス・フォルマ・スペシエ・ホルデイ(Erysiphe graminis forma specie hordei)、矮小葉のさび病(dwarf leaf rust)(プッシニア・ホルデイ(Puccinia hordei)及び葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis));
芋、塊茎の病気の抑制に関して(特に、ヘルミントスポリウム・サラニ(Helminthosporium salani)、フォーマ・チュベロサ(Phoma tuberosa)、リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani)、フザリウム・サラニ(Fusarium salani))、うどん粉病(フィトプソラ・インフェスタンス(Phytopthora infestans)及びある種のウイルス(ウイルスY);
−芋、以下の茎葉病(foliage diseases)の抑制に関して:胴枯れ病(アルテルナリア・サラニ(Alternaria salani)、うどん粉病(フィトプソラ・インフェスタンス(Phytopthora infestans);
−綿、種子から育った幼若植物の以下の病気の抑制に関して:立ち枯れ病及び頭領の腐敗(collar rot)(リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum))及び黒根病(チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola));
−タンパク質産生穀物、例えば、豆、以下の種子の病気の抑制に関して:炭疽病(アスコチタ・ピシ(Ascochytapisi)、ミコスファエレラ・ピノデス(Mycosphaerellapinodes))、フザリウム病(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum))、灰色かび病(ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))及びうどん粉病(ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi));
−含油穀物、例えば、菜種、以下の種子の病気の抑制に関して:フォーマ・リンガム(Phoma lingam)、アルテルナリア・ブラッシカエ(Alternaria brassicae)及びスクレロティニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum);
−トウモロコシ、種子病の抑制に関して:(リゾパス種(Rhizopus sp.)、ペニシリウム種(Penicillium sp.)、トリコデルマ種(Trichoderma sp.)、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)及びギッベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi));
−亜麻、種子の病気の抑制に関して:アルテルナリア・リニコラ(Alternaria linicola);
−森林樹、立ち枯れ病の抑制に関して(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani));
−米、地上部部分の以下の病気の抑制に関して、胴枯れ病(マグナポルセ・グリージ(Magnaporthe grisea)、縁取られた鞘の斑点(bordered sheath spot)(リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani));
−マメ科穀物、種子又は種子から成長した幼若植物の以下の病気の抑制に関して:立ち枯れ病及び頭領の腐敗(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani)、ピチウム種(Pythium sp.));
−マメ科穀物、地上部分の以下の病気の抑制に関して、灰色かび病(ボトリティス種(Botrytis sp.))、うどん粉病(特に、エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum)、スファエロセカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)及びレヴェイルラ・タウリカ(Leveillula taurica))、フザリウム病(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum))、斑点病(クラドスポリウム種(Cladosporium sp.))、アルテルナリア斑点病(アルテルナリア病(Alternaria sp.))、炭疽病(コレトトリカム種(Colletotrichum sp.))、セプトリア斑点病(セプトリア種(Septoria sp.))、黒斑点(リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani))、うどん粉病(例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)、ペロノスポラ種(Peronospora sp.)、シュードペロノスポラ種(Pseudoperonospora sp.)、フィトフソラ種(Phytophthora sp.));
−果実樹、地上部分の病気に関して、モニリア病(モニリア・フルクチゲナエ(Monilia fructigenae)、M.ラクサ(M. laxa))、黒星病(scab)(ベンチュリア・イナクアリス(Venturia inaequalis)、うどん粉病(ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha));
−つる植物、茎葉の病気に関して:特に、灰色かび病(ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))、うどん粉病(ウンシヌラ・ネカトール(Uncinula necator))、黒菌病(グイニャルディア・ビウェリ(Guignardia biwelli))及びうどん粉病(プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola));
−ビートの根、地所部分の以下の病気に関して:セルコスポラ胴枯れ病(セルコスポラ・ビチコラ(Cercospora beticola))、うどん粉病(エリシフェ・ベチコラ(erysiphe beticola))、斑点病(ラムラリア・ベチコラ(Ramularia beticola))。
【0101】
本発明の殺真菌組成物は、樹木の上または内部で増殖し易い真菌性の病気に対しても使用され得る。「樹木」という用語は、あらゆるタイプの樹木の種、及び建築向けの、この樹木のあらゆるタイプの製品、例えば、固い木、高密度の木、合板及びベニヤ板を意味する。本発明の樹木を処理する方法は、主として、本発明の一以上の化合物又は本発明の組成物に接触させることに存する。これには、例えば、直接適用、噴霧、浸漬、注入又は他の任意の適切な手段が含まれる。
【0102】
本発明による処理において通常適用される活性物質の用量は、一般に及び有利に、葉の処理における適用の場合には、10ないし800g/ha、好ましくは50ないし300g/haである。適用される活性物質の用量は、一般に及び有利に、種子の処理の場合には、100kgの種子当り2ないし200g、好ましくは100kgの種子当り3ないし150gである。上記用量は、本発明の例示として記載されていることが自明である。当業者であれば、処理されるべき穀物の性質に従って、適用用量を適合させる方法を知っているであろう。
【0103】
本発明の殺真菌組成物は、本発明の化合物又は本発明の農薬組成物による、遺伝的に修飾された生物の処理において使用することもできる。遺伝的に修飾された植物とは、そのゲノム中に、目的のタンパク質をコードする異種遺伝子が安定に組み込まれた植物である。基本的には、「目的のタンパク質をコードする異種遺伝子」という表現は、形質転換された植物に、新しい農業的特性を付与する遺伝子、又は形質転換された植物の農業的品質を改善するための遺伝子を意味する。
【0104】
本発明の組成物は、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌病及びカンジダ症又はアスペルギルス種、例えば、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)によって引き起こされる疾病などのヒト及び動物の真菌病を治癒的又は予防的に処置するのに有用な組成物の調製のためにも使用され得る。
【0105】
ここで、以下の化合物の表及び実施例を参照しながら、本発明の側面を説明する。以下の表AからVは、本発明の殺真菌化合物の例を非限定的に例示する。以下の実施例において、M+1(又はM−1)は、それぞれ、質量分析計に観察された、分子イオンピークプラス又はマイナス1a.m.u(原子質量単位)を意味する。
【0106】
【表1】







【0107】
一般式(1)の化合物の調製法の例
【0108】
(実施例1)
N‐{2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]ブチル}‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物39)の調製。
【0109】
100gの2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐ブタンアミン(0.0004mol)、58uLの2‐(トリフルオロメチル)安息香酸(0.0004mol)、及び0.109gの4‐(4,6‐ジメトキシ[1.3.5]トリアジン‐2‐イル)‐4‐塩化メチルモルホリニウム水和物(0.0004mol)を2mLのエタノール中で室温にて一晩撹拌する。
【0110】
64mgのN‐(1‐{[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]メチル}プロピル)‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(57%)を生成するため、前記反応混合物を乾燥するまで濃縮してシリカ上で精製する。
【0111】
マススペクトル:[M+1]=425
【0112】
(実施例2)
N‐{2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ヒドロキシエチル}‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物45)の調製。
【0113】
0.044ml(0.21mmol)の2‐トリフロオロメチルベンゾイル塩化物及び37mg(0.21mmol)の炭酸カリウムを3mlのアセトニトルの溶液中の50mg(0.21mmol)の2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノールヘ順調に加えた。前記反応化合物を室温で18時間撹拌し、水溶性の炭酸カリウムに注いで、水相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。
【0114】
有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。43mg(43%)の純粋なN‐{2‐[3‐クロロ‐5(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ヒドロキシエチル}‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミドを生成するため、前記溶媒を減圧下で蒸発させた。
【0115】
マススペクトル:[M+1]=413
【0116】
(実施例3)
N‐{2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐メチルプロピル}‐2‐(ジフルオロメチル)ベンズアミド(化合物46)の調製。
【0117】
104mgのアンモニウム(0.00036mol)、40uLのトリエチルアミン、62mgの2‐ジフルオロメチル安息香酸、及び0.13gの4‐(4,6‐ジメトキシ[1.3.5]トリアジン‐2‐イル)‐4‐塩化メチルモルホリニウム水和物(0.00054mol)を2mLのメタノール中で室温にて一晩撹拌する。
【0118】
74mgのN‐{2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐メチルプロピル}‐2‐(ジフルオロメチル)ベンズアミド(52%)を生成するため、前記反応混合物を乾燥するまで濃縮してシリカ上で精製する。
【0119】
マススペクトル:[M+1]=407
【0120】
(実施例4)
N‐(1‐{[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]メチル}プロピル)‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物47)の調製。
【0121】
100mgの1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ブタンアミン(0.0004mol)、58uLの2‐(トリフルオロメチル)塩化ベンゾイル(0.0004mol)、及び55uLのトリエチルアミン(0.0004mol)を2mLのジクロロメタン中で室温にて一晩撹拌する。
【0122】
96mgのN‐{1‐{[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]メチル}プロピル)‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(78%)を生成するため、前記反応混合物を乾燥するまで濃縮してシリカ上で精製する。
【0123】
マススペクトル:[M+1]=425
【0124】
(実施例5)
N‐{2‐(アセチルアミノ)‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物48)の調製。
【0125】
108mgのN‐{2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}アセトアミドトリフルオロ酢酸塩(0.0003mol)、76mgの2‐(トリフルオロメチル)安息香酸(0.0003mol)、83mgの4‐(4,6‐ジメトキシ[1.3.5]トリアジン‐2‐イル)‐4‐塩化メチルモルホリニウム水和物(0.0003mol)、及び41uLのトリエチルアミン(0.0003mol)を3mLのエタノール中で室温にて一晩撹拌する。
【0126】
23.5mgのN‐(1‐{[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]メチル}プロピル)‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミドを生成するため、前記反応混合物を乾燥するまで濃縮してシリカ上で精製する。
【0127】
マススペクトル:[M+1]=473
【0128】
(実施例6)
N‐{2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエチル}‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物49)の調製。
【0129】
79mgの2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエタンアミン(0.0003mol)、57mgの2‐(トリフルオロメチル)安息香酸(0.0003mol)、及び83mgの4‐(4,6‐ジメトキシ[1.3.5]トリアジン‐2‐イル]‐4‐塩化メチルモルホリニウム水和物(0.0003mol)を3mLのエタノール中で室温にて一晩撹拌する。
【0130】
45mgのN‐{2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエチル}‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミドを生成するため、前記反応混合物を乾燥するまで濃縮してシリカ上で精製する。
【0131】
マススペクトル:[M+1]=454
原料物質の調製方法の例(一般式IIの中間体):
【0132】
(実施例7)
2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエタンアミンの調製。
2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエタノンの調製。
【0133】
3.4mL(0.029mol)のアセトフェノンを室温でジメトキシエタン中の2.6mg(0.065mol)の水素化ナトリウム60%の懸濁液ヘ加える。45分後、5.55mL(0.038mol)の2,3‐ジクロロ‐5‐(トリフルオロメチル)ピリジンを加え、25分後、反応化合物を100mLの塩酸1Nに注ぎ、100mLの酢酸エチルで2度抽出する。
【0134】
溶出液としてヘプタン及び酢酸エチルの混合物を使用し、シリカのカラム上で精製する15gの粗生成物を生成して、5.74gの目的生成物2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエタノン(74%)を作り出すため、有機相を100mLの水で2度洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過して濃縮する。
【0135】
H NMRδ(ppm)8,73;(1H,s);7,95(1H,s);7,45(2H,m);7,42(2H,m);4,75(2H,s)。
【0136】
2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエタンアミンの調製。
【0137】
5.6g(0.0187mol)の2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエタノンを50mLのメタノール中で希釈する。50gのモレキュラーシーブ3Å、14.4g(0.187mol)の酢酸アンモニウム、及び2.45g(0.037mol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを続いて加える。pHを酢酸(1mL)で5‐6に調節する。室温で4日間にわたる反応後、前記媒体をろ過し、pH=12.150mLの酢酸エチルが添加されるまで1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、分離後、水相を150mLの酢酸エチルで2度にわたり抽出する。
【0138】
1.3gの目的生成物2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐フェニルエタンアミン(23%)を生成するため、有機相を100mLのブライン及び100mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過して濃縮する。
【0139】
マススペクトル:[M+1]=301
【0140】
(実施例8)
2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐ブタンアミン塩酸塩の調製。
【0141】
メチル[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル](シアノ)アセテートの調製。
【0142】
アルゴン下において、油(2.91mol、1.8eq)で分散する116gの水素化ナトリウム60%を3LのDMFで懸濁する。前記の懸濁液を氷水の溶液で冷やし、200mLのDMF中の溶液の160g(1.616mol、1.0eq)のシアノ酢酸メチルを撹拌しながら滴下した。温度が50度まで上がると水素を放出し、一旦泡立ちが無くなると、350g(1.616mol、1.0eq)の2,3‐ジクロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐ピリジンを撹拌しながら添加した。前記混合物を室温で一晩撹拌し、50mLのエタノールを滴下して反応物をクエンチした。前記反応混合物を5Lの水へ注ぎ、濃塩酸で、pHを3‐4に調節した。
【0143】
形成された黄色の沈殿物をろ過して水及びペンタンで十分洗浄すると414gのメチル[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル](シアノ)アセテート(92%)が回収された。
【0144】
マススペクトル:[M+1]=279
[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]アセトニトリルの調製。
【0145】
314g(1.13mol、1eq)のメチル[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル](シアノ)アセテート及び22g(0.38mol、0.33eq)の塩化ナトリウムを44mLの水及び1.1LのDMSOの混合物中に溶解した。前記の反応混合物を撹拌して160度に過熱した。ガスが放出し、一旦泡立ちが無くなると、反応物は撹拌しながら室温に戻ることができた。1Lの水及び0.5Lのジクロロメタンを加え、分離後、水相を0.5LのDCMで2度抽出した。
【0146】
有機相を0.5Lの水で2度抽出し、硫酸マグネシウムを乾燥させ、濃縮後、粗生成物を100mLのDCMで希釈し、EtOAc/ヘプタン(20/80)でシリカ層上で溶出した。227gの[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]アセトニトリル(91%)を生成するため、ろ過した溶液を濃縮した。
【0147】
マススペクトル:[M+1]=223
2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐ブタンニトリルの調製。
【0148】
199g(0.9mol)の3の[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]アセトニトリルを−5℃で3LのTHF中で溶解する。0.6LのTHF中の106g(0.945mol)のterブタノアートカリウムの溶液をゆっくりと反応媒体へ加える。2時間後、147g(0.945mol)のヨウ化エチルを室温で一晩撹拌する反応混合物へ滴下する。3Lの水及び2Lの酢酸エチルを前記の反応混合物に加え、分離後、水相を2度500mLの酢酸エチルで抽出する。
【0149】
223gの目的生成物2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]ブタンニトリル(100%)を生成するため、有機相を4Lのブライン及び1Lの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮する。
【0150】
H NMRδ(ppm)8,7(1H,d,J=1,5Hz);7,91(1H,d,J=1,5Hz);4,37(1H,dd,J=6,57Hz‐7,83Hz);2,00(2H,m);1,06(3H,t,J=7,33Hz)
tert−ブチル2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]ブチルカルバメートの調製。
【0151】
189gの2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]ブタンニトリル(0.758mol)、331g(1.51mol)のジterブチル炭酸塩、及び198g(0.834mol)の塩化ニッケル(II)‐6水和物を室温で2Lのメタノール中で撹拌する。200.6g(5.31mol)の水素化ホウ素ナトリウムを少量ずつ加え、3時間撹拌した後で、前記の反応混合物をスーパーセルでろ過して2Lの酢酸エチルを加え、続いて1.5Lの重炭酸ナトリウムの水溶液を加える。
【0152】
分離後、有機相を147gの目的生成物であるtert−ブチル2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]ブチルカルバメート(50.5%)を作り出すのにシリカ上で精製する375gの粗生成物を生成するため、有機相を1Lの重炭酸ナトリウムの水溶液で3度洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮する。
【0153】
H NMRδ(ppm)8,88(1H,d,J=1,5Hz);8,04(1H,d,J=1,5Hz);5,04(1H,b);3,78(1H,m);3,67(2H,m);1,88(2H,m);1,34(9H,s);1,01(3H,t,J=7.33Hz)。
【0154】
2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐ブタンアミン塩酸塩の調製。
【0155】
146gのtert−ブチル2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]ブチルカルバメート(0.414mol)を2Lのジクロロメタン中で溶解する。190mLのトリフルオロ酢酸を滴下し、前記の反応化合物を室温で12時間撹拌して乾燥するまで濃縮し、300mLの塩化水素酸2M中で希釈する。
2時間後、104gの目的生成物2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐1‐ブタンアミン塩酸塩(87%)を生成するため、前記の反応混合物を乾燥するまで濃縮する。
【0156】
m.p.=139‐142℃
【0157】
(実施例9)
1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ブタンアミンの調製。
【0158】
メチル2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐3‐オキソペンタノエートの調製。
【0159】
4.45gの水酸化カリウム85%を40mLのDMF中で懸濁し、4.37gのメチル3‐オキソペンタノエート(0.036mol)を続けて加える。前記の反応混合物を50℃まで温め、6mLの2,3‐ジクロロ‐5‐(トリフルオロメチル)ピリジンを導入する。前記の反応混合物を50℃で4時間撹拌し、150mLのNaHPO(1M)の水溶液でクエンチして、150mLの酢酸エチルで3度抽出する。
【0160】
2.09gの目的生成物メチル2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐3‐オキソペンタノエート(24%)を作り出すのにシリカ上で精製する8.8gの粗生成物を生成するため、有機相を150mLのブライン及び150mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮する。
【0161】
マススペクトル:[M+1]=310
1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ブタノンの調製。
【0162】
2.08gのメチル2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐3‐オキソペンタノエート(0.00677mol)及び0.12gの塩化ナトリウムを水(0.25mL)及びジメチルスルホキシド(20mL)の混合物中で溶解する。前記の反応媒体を130℃で8時間撹拌し、冷却後、100mLの水を反応混合物に加え、150mLの酢酸エチルで2度抽出する。
【0163】
有機相を100mLの水で2度洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮する。シリカ上での精製後、0.67gの目的生成物1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ブタノン(39%)を生成する。
【0164】
マススペクトル:[M+1]=253
1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ブタンアミンの調製。
【0165】
0.64gのf1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ブタノン(0.0025mol)を5mLのエタノール中で希釈する。7.0gのモレキュラーシーブ3Å、1.90g(0.025mol)の酢酸アンモニウム、及び0.39g(0.0052mol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを続いて加える。前記の反応媒体を室温で一晩撹拌し、ろ過後、pHを水酸化ナトリウムの水溶液で9に調節する。前記の反応混合物を乾燥するまで濃縮し、30mLの酢酸エチルを加える。有機相を水酸化ナトリウム1Mの水溶液、ブライン、及び水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過して乾燥するまで濃縮する。粗生成物を15mLの塩化水素酸1M中で溶解し、15mLの酢酸エチルで抽出する。
【0166】
0.21gの目的生成物1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ブタンアミン(32%)を生成するため、水相を水酸化ナトリウム1Mの水溶液で塩基性化し、15mLの酢酸エチルで3度抽出して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過して乾燥するまで濃縮する。
【0167】
マススペクトル:[M+1]=253
【0168】
(実施例10)
N‐{2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}アセトアミドトリフルオロアセテートの調製。
【0169】
[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル][(ジフェニルメチレン)アミノ]アセトニトリルの調製。
【0170】
N‐(ジフェニルメチレン)アミノアセトニトリル(11.1g、0.05mol)の溶液及び60mLのジメチルホルムアミドを−10℃のジメチルホルムアミド(50mL)中の水素化ナトリウム60%(4.0g、0.1mol)の懸濁液へ滴下する。1時間撹拌した物を反応混合物へと加え、7mLの2,3‐ジクロロ‐5‐(トリフルオロメチル)ピリジン(0.052mol)を前記の反応混合物へと加える。反応媒体を室温で3時間撹拌し、ジエチルエーテル(500mL)及び塩化アンモニウム10%(500mL)の水溶液でクエンチする。分離後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過して濃縮する。
【0171】
17.8gの[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル][(ジフェニルメチレン)アミノ]アセトニトリル(90%)を生成するため、粗生成物をシリカ上で精製する。
【0172】
m.p.=105‐108℃
アミノ[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]アセトニトリル塩酸塩の調製。
【0173】
15.0gの[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル][(ジフェニルメチレン)アミノ]アセトニトリル(0.037mol)をジクロロメタン(15mL)及び塩酸10%(15mL)の混合物中で室温にて3時間撹拌する。相を分離し、有機相を15mLの塩酸10%で洗浄する。
【0174】
ジエチルエーテルで洗浄するピンクの固形物を作り出すため、水相を乾燥するまで濃縮し、8.10gの目的生成物アミノ[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]アセトニトリル塩酸塩(79%)を生成するため、ろ過して乾燥させる。
【0175】
m.p.=258‐260℃
N‐[[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル](シアノ)メチル]アセトアミドの調製。
【0176】
0.67gのアミノ[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]アセトニトリル塩酸塩(0.00245mol)を15mLのジクロロメタン中で溶解し、0.68mLの塩化アセチルを加える。10分後、室温にて0.18mLの塩化アセチル(0.00245mol)を加え、前記の反応混合物を一晩撹拌する。前記反応物を20mLの水でクエンチする。
【0177】
分離後、0.54gの目的生成物N‐[[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル](シアノ)メチル]アセトアミド(80%)を作り出すのにシリカで精製する0.75gの粗生成物を生成するため、有機相を20mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過して乾燥するまで濃縮する。
【0178】
マススペクトル:[M+1]=278
tert−ブチル2‐(アセチルアミノ)‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチルカルバメートの調製。
【0179】
5.00gのN‐[[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル](シアノ)メチル]アセトアミド(0.018mol)、7.86g(0.036mol)のジterブチル炭酸塩、及び4.28g(0.018mol)の塩化ニッケル(II)‐6水和物を室温で25mLのメタノール中で撹拌する。3.40g(0.09mol)の水素化ホウ素ナトリウムを少量ずつ加える。前記の反応混合物を一晩撹拌し、200mLの酢酸エチルを加え、続いて50mLの水を加える。分離後、水相を50mLの酢酸エチルで2度抽出する。
【0180】
1.35gの目的生成物tert−ブチル2‐(アセチルアミノ)‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチルカルバメート(19%)を作り出すのにシリカ上で精製する4.01gの粗生成物を生成するため、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮する。
【0181】
マススペクトル:[M+1]=382
N‐{2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル]アセトアミドトリフルオロアセテートの調製。
【0182】
1.30gのtert−ブチル2‐(アセチルアミノ)‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチルカルバメート(0.034mol)をジクロロメタン(2.5mL)及びトリフルオロ酢酸(2.5mL)の混合物中で希釈する。室温で一晩撹拌した後、1.34gの目的生成物N‐{2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル]アセトアミドトリフルオロアセテート(99%)を生成するため、前記の反応化合物を乾燥するまで濃縮する。
【0183】
マススペクトル:[M+1‐HC1]=282
【0184】
(実施例11)
2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノールの調製。
【0185】
1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノンの調製。
【0186】
75:25の割合のトルエン/テトラヒドロフラン中の210ml(0.29mol)のメチルマグネシウム臭化物1.4M溶液を225mlの乾燥トルエンへ加える。前記の溶液を−5℃に冷却し、30g(0.145mol)の3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジンカルボニトリルを2時間で0℃でゆっくりと加える。添加後、濃い色をした溶液を室温で5時間撹拌した。前記の反応混合物を350mlの1N塩化水素酸で中和し、室温で3時間撹拌した。水相を酢酸エチル(3×200ml)で再度抽出し、水(300ml)で洗浄してからマグネシウム上で乾燥させた。33.2gの茶色の油状物の粗生成物を生成するため、前記溶媒を減圧で蒸発させた。
【0187】
黄色の油状物として13.1g(40%)の1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノンを生成するため、前記の粗生成物をシリカゲル(溶出液:9:1の割合のヘプタン/酢酸エチル)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0188】
マススペクトル:[M+1]=224
2‐ブロモ‐1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノン調製。
【0189】
27.8g(0.074mol)のフェニルトリメチルアンモニウム三臭化物を室温で少量ずつ150mlの乾燥テトラヒドロフラン中の16.6g(0.074mol)の1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノン溶液へ加えた。前記の溶液を室温で3時間撹拌し、形成された固形物をろ過して取り除き、母液を真空下で濃縮した。10.4g(46%)の黄色の油状物として2‐ブロモ‐1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノンを生成するため、得られたオレンジ色の油状物(32.7g)をシリカゲル(溶出液:3:1の割合のヘプタン/ジクロロメタン)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0190】
マススペクトル:[M−1]=302
2‐{2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐オキソエチル}‐1H‐イソインドール‐1,3(2H)‐ジオンの調製。
【0191】
50mg(0.33mmol)のヨウ化カリウム及び1.23g(6.6mmol)のフタルイミドカリウムを10mlの2‐ブタノン中の1g(3.3mmol)の2‐ブロモ‐1‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノンの溶液へ連続的に加えた。反応混合物を86℃で2時間攪拌した。前記の反応混合物を100mlの水の中へ注ぎ、水相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、有機相を水で洗浄してから硫酸マグネシウムで乾燥させた。
前記の溶媒を減圧下で蒸発させ、0.35g(29%)のベージュ色の固形物としてmp=162℃の2‐{2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐オキソエチル}‐1H‐イソインドール‐1,3(2H)‐ジオンを精製するため、得られた固形物をジクロロメタン中で粉砕した。
【0192】
マススペクトル:[M+1]=369
2‐{2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ヒドロキシエチル}‐1H‐イソインドール‐1,3(2H)‐ジオンの調製。
0℃で700mgの2‐{2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐オキソエチル}‐1H‐イソインドール‐1,3(2H)‐ジオンを5mlのメタノール中の36mg(0.95mmol)の水素化ホウ素ナトリウムの懸濁液へ加えた。前記の反応混合物を室温で1時間撹拌し、pHは1N塩酸を加えることにより7にし、メタノールを減圧下で取り除いた。残留物をジクロロメタン(2×50ml)で再度抽出し、有機相をブラインで洗浄してから硫酸マグネシウム上で乾燥させた。0.55gの黄色の油状物として粗生成物を生成するため、前記溶媒を蒸発させた。
【0193】
0.3g(42%)のクリーム色の固形物2‐{2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐ヒドロキシエチル}‐1H‐イソインドール‐1,3(2H)‐ジオンを生成するため、前記の粗生成物をシリカゲル(溶出液:8:2の割合のヘプタン/酢酸エチル)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
マススペクトル:[M+1]=371
【0194】
2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノールの調製。
【0195】
0.02ml(0.4mmol)のヒドラジン1水和物を3mlのエタノール中の150mg(0.4mmol)の2‐{2‐[3‐クロロ‐5−(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]‐2‐オキソエチル}‐1H‐イソインドール‐1,3(2H)‐ジオンの懸濁液へ加えた。
【0196】
前記の反応混合物を還流下で4時間過熱し、冷却後、白い固形物がろ過後残り、50mg(52%)の黄色の固形物2‐アミノ‐1‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エタノールを生成するため、母液を真空下で濃縮した。
【0197】
マススペクトル:[M+1]=241
一般式(1)の化合物の生物学的活性の実施例
【0198】
(実施例A)
アルタナリアブラシカエ(アブラナ科植物の斑点病)に対するインビボ試験
試験する活性成分を100g/lの濃縮した懸濁型製剤でポッターホモジナイゼーションにより調製する。目的の活性剤の濃縮物を取り出すため、前記の懸濁液を水で希釈する。
【0199】
50/50のポゾランの泥炭土上に種をまき18〜20℃で栽培するポット育苗箱に入れた二十日大根(パーノット種)を、上記の水性懸濁液を吹き掛けて子葉段階で取り扱う。
【0200】
対照の植物を活性剤を含まない水溶液を使用して処理する。
【0201】
24時間後、前記の植物は、アルタナリアブラシカエの胞子(40,000胞子/cm)の水溶液を吹き付けることにより感染させる。前記の胞子を12〜13日経った培養物から収集する。
【0202】
感染した二十日大根を18度の湿った空気で6〜7日間培養する。
【0203】
感染から6〜7日後、対照植物と比較してグレード付けを実行する。
【0204】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)から完全保護までを1回分330ppmの次の化合物:3、4、7、8、9、10、11、12、13、15、19、21、23、25、32、33、35、36、37、38、42、43、47、57、58、59、62、63、64、66、及び67を使用して観察する。
【0205】
(実施例B)
エリシフェグラミニス(小麦の粉末状のうどんこ菌)に対するインビボ試験
試験する活性成分を100g/lの濃縮した懸濁型製剤でポッターホモジナイゼーションにより調製する。目的の活性剤の濃縮物を取り出すため、前記の懸濁液を水で希釈する。
50/50のポゾランの泥炭土上に種をまき12℃で栽培するポット育苗箱に入れた小麦(オーダス種)に上記の水性懸濁液を吹き掛けて1葉段階(背丈10cm)で処理する。
【0206】
対照の植物を活性剤を含まない水溶液を使用して処理する。
【0207】
24時間後、前記の植物は、エリシフェグラミニスの胞子を吹きつけて感染させ、胞子を吹きつけるのは病気にかかった植物を使用して実施する。
【0208】
感染から7〜14日後、対照植物と比較してグレード付けを行う。
【0209】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)又は完全な保護を、330ppmの用量で次の化合物:32,33,38,40、及び43を使用して観察する。
【0210】
(実施例C)
ピレノホラテレス(大麦網斑病)に対するインビボ試験
試験する活性成分を100g/lの濃縮した懸濁型製剤でポッターホモジナイゼーションにより調製する。目的の活性剤の濃縮物を得るため、前記の懸濁液を水で希釈する。
【0211】
50/50のポゾランの泥炭土上に種をまき12度で栽培するポット育苗箱に入れた大麦(エキスプレス種)を上記の水性懸濁液を吹き掛けて1葉段階(背丈10cm)で処理する。対照の植物を活性剤を含まない水溶液を使用して処理する。
【0212】
24時間後、前記の植物は、ピレノホラテレスの胞子(12,000胞子/ml)の水溶液を吹き付けることにより感染させる。前記の胞子を12日経った培養物から回収する。
【0213】
感染させた大麦を24時間約20℃及び100%の相対湿度で培養し、その後12日間80%の相対湿度で培養する。
【0214】
感染から12日後、対照植物と比較してグレード付けを行なう。
【0215】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)から完全な保護までを、330ppm用量の次の化合物:7、8、9、10、13、30、32、33、37、38、39、40、41、43、44、47、57、58、59、61、62、63、64、65、66、及び67を使用して観察する。
【0216】
(実施例D)
ボトリチスシネレア(ガーキンの灰色菌)に対するインビボ試験
試験する活性成分を100g/lの濃縮した懸濁型製剤でポッターホモジナイゼーションにより調製する。目的の活性剤の濃縮物を得るため、前記の懸濁液を水で希釈する。
【0217】
50/50のポゾランの泥炭土上に種をまき18〜20℃で栽培するポット育苗箱に入れたガーキン植物(ペティトバートデパリス種)を上記の水性懸濁液を吹き掛けて子葉N11段階で処理する。対照の植物を活性剤を含まない水溶液を使用して処理する。
【0218】
24時間後、前記の植物は、葉の上面にある灰色かび病の胞子(150,000胞子/ml)の水溶液の液滴を付着させることにより感染させる。前記の胞子を15日経った培養物から回収し、次の栄養溶液化合物で懸濁する:
‐20g/Lのゼラチン
‐50g/Lの甘蔗糖
‐2g/LのNHNO
‐1g/LのKHPO
感染したガーキン植物を5/7日間15〜11℃(日夜)の80%の相対湿度の気候室に置く。感染から5/7日後、対照植物と比較してグレード付けを実行する。前記の条件で、良い(少なくとも50%)又は完全な保護を、330ppm用量の次の化合物:38及び57を使用して観察する。
【0219】
(実施例E)
ペロノスポラブラシカエ(キャベツのべと病)に対するインビボ試験
試験する活性成分を100g/lの濃縮した懸濁型製剤でポッターホモジナイゼーションにより調製する。目的の活性剤の濃縮物を得るため、前記の懸濁液を水で希釈する。
【0220】
50/50のポゾランの泥炭土上に種をまき18〜20℃で栽培するポット育苗箱に入れたキャベツ植物(エミネンス種)に上記の水性懸濁液を吹き掛けて子葉段階で取り扱う。
【0221】
対照の植物を活性剤を含まない水溶液を使用して処理する。
【0222】
24時間後、前記の植物は、ペロノスポラブラシカエの胞子(50,000胞子/ml)の水溶液を吹き付けることにより感染させる。前記の胞子を感染植物から回収する。
【0223】
感染させたキャベツは、5日間約20℃で湿った空気中で培養する。
【0224】
感染から5日後、対照植物と比較してグレード付けを行なう。
【0225】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)から完全な保護までを、330ppm用量の次の化合物:31、41、52、及び53を使用して観察する。
【0226】
特許出願WO01/11965(表Dの化合物316を参照)に開示されるN‐{1‐メチルカルバモイル‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐4‐フェニルベンズアミドは、330ppmでアルタナリアブラシカエに対する効果は弱く、ボトリチスシネレアに対しては効果がなかった。同じく特許出願WO01/11965(表Dの化合物307を参照)に開示されるN‐{1‐エチルカルバモイル‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐3‐ニトロベンズアミドは、330ppmでアルタナリアブラシカエに対する効果は弱く、ボトリチスシネレアに対してはは効果がなかった。特許出願WO01/11965(表Dの化合物304及び314)に開示されるN‐{1‐エチルカルバモイル‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐ベンズアミド及びN‐{1‐メチルカルバモイル‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐ベンズアミドは、330ppmでボトリチスシネレアに対しては効果がなかった。特許出願WO01/11965(表Dの化合物306、310、及び315)に開示されるN‐{1‐エチルカルバモイル‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐4‐クロロベンズアミド、N‐{1‐エチルカルバモイル‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐2‐ブロモベンズアミド、及びN‐{1‐メチルカルバモイル‐2‐[3‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]エチル}‐4‐メトキシベンズアミドは、330ppmでボトリチスシネレアに対しては効果がなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物並びにその塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体。
【化1】

(式中、
−nは、1、2、又は3であり;
−pは、1、2、3又は4であり;
−Rは、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり;
−各置換基Xは、他と独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル又はC−Cハロゲノアルキルとして選択され;
−R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,6ジクロロフェニル−カルボニルアミノ基若しくはフェニル基として選択され、;又はRとRは、両者で、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを形成することができ;
−R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,6ジクロロフェニル−カルボニルアミノ基又はフェニル基として選択され;
(但し、4つの置換基R、R、R及びRのうち3つが水素原子である場合には、4つ目の置換基は水素原子ではない。)
−Rは、水素原子、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シアノアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲンアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ベンジルオキシカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホニル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニルとして選択され;
Yは、同一又は異別であり、及び水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基,アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル又はC−C−アルキルスルホンアミドであり;及び
−Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基,アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル又はC−C−アルキルスルホンアミドである。)。
【請求項2】
nが1又は2であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xがハロゲン原子であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Xが塩素であることを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が−CFであることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の化合物。
【請求項6】
前記2−ピリジルが、3及び/又は5位において置換されていることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の化合物。
【請求項7】
前記2−ピリジルが、3位においてXによって、及び5位においてRによって置換されていることを特徴とする、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記2−ピリジルが、3位において−Clによって、及び5位において−CFによって置換されていることを特徴とする、請求項1から7の何れかに記載の化合物。
【請求項9】
が、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又は1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載の化合物。
【請求項10】
pが1であることを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載の化合物。
【請求項11】
Yが、水素原子、ハロゲン原子又はC−C−アルキルであることを特徴とする、請求項1から10の何れかに記載の化合物。
【請求項12】
及びRが、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−Cアルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−アルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルオキシ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ又はフェニル基として選択されることを特徴とする、請求項1から11の何れかに記載の化合物。
【請求項13】
及びRが、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルカルボニルアミノとして選択されることを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
及びRが、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルカルボニルアミノ又はフェニル基として選択されることを特徴とする、請求項1から13の何れかに記載の化合物。
【請求項15】
及びRが、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はフェニル基として選択されることを特徴とする、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が、水素原子又はC−C−シクロアルキルであることを特徴とする、請求項1から13の何れかに記載の化合物。
【請求項17】
一般式(II)の2−ピリジン誘導体:
【化2】

(X、n、R、R、R、R、R及びRは、先行する請求項の何れかに記載のとおりである。)又はその塩の一つを、一般式(III)
【化3】

(Y、p及びRは、先行する請求項の何れかに定義されているとおりであり;並びに
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OR、−OCOR(Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル、ペンタフルオロフェニル又は式
【化4】

の基である。)として選択される脱離基である。)
のカルボン酸誘導体と、触媒の存在下で、及びLがヒドロキシル基であれば縮合剤の存在下で反応させることを含む、請求項1から16の何れかに記載の一般式(I)に記載の化合物の調製方法。
【請求項18】
が水素原子であること、及び前記方法が、一般式(I)の化合物を提供するために、一般式(Id)の化合物を一般式(XXII)の化合物と反応させることを含む、以下の反応スキーム:
【化5】

(R、R、R、R、R、R、R、X、Y、n及びpは、請求項1から15の何れかに定義されているとおりであり、
は、ハロゲン原子、4−メチルフェニルスルホニルオキシ又はメチルスルホニルオキシとして選択される脱離基である。)に従ってさらなる工程によって完結されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1ないし16の何れかに記載の化合物の有効量と農業的に許容される支持体とを含む、殺真菌組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の組成物の有効量及び非植物病原性量が、植物の種子若しくは植物の葉及び/又は植物の果物又は植物がその中で増殖しており、又はその中で植物を増殖させることが望まれる土壌に適用されることを特徴とする、穀物の植物病原性真菌を予防的に又は治癒的に撲滅する方法。

【公表番号】特表2007−516975(P2007−516975A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544397(P2006−544397)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014899
【国際公開番号】WO2005/058828
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(503325538)バイエル・クロツプサイエンス・エス・アー (73)
【Fターム(参考)】