説明

2次元コード表示プログラム、デジタル放送受信機及びプログラム送信装置

【課題】デジタル放送受信機において、セル数の多い2次元コードを画面上に表示する2次元コード表示プログラムを提供する。
【解決手段】2次元コード表示プログラムを実行することにより、デジタル放送受信機1を、2次元コード符号列を入力する2次元コード符号列入力手段163と、2次元コード符号列を白セル表現用の文字と黒セル表現用の文字からなる文字列に変換する文字列変換手段164と、当該文字列における2次元コード上の行末に改行コードを挿入する改行コード挿入手段165と、改行コードを挿入した文字列を表示手段14に表示する表示制御手段162として機能させて、2次元コードをデジタル放送受信機1の表示手段14に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信機において、2次元コードを生成して表示する2次元コード表示プログラム及びデジタル放送受信機並びに2次元表示プログラムをデジタル放送によって送信するプログラム送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、2次元コードは、株式会社デンソーウェーブによって開発されJIS規格X0510として制定されているQRコード(登録商標)をはじめ広く普及・活用されているとともに、2次元コードの読取装置もカメラ付き携帯電話機などが広く普及している。例えば、特許文献1においては、テレビ画面上に表示されたURL(Unified Resouce Locator)を含むQRコードを、カメラ付き携帯電話機で撮影し、撮影したQRコードをデコードして携帯電話機の画面上にURLを文字情報として表示する技術が記載されている。
【0003】
デジタル放送受信機やパソコンなどの画面上に2次元コードを生成・描画して表示する方法は、表示するブラウザが対応しているスクリプト言語やネットワーク環境によって異なるが、例えばネットワークを介さずに2次元コードを生成・描画する方法として、HTML(Hyper Text Markup Language)上でtableタグを用いて枠線幅が0の表を作成し、内部に正方形の白セルと黒セルを配置することで実現する方法(これを方法Aとする)がある。また、ネットワークを介した別の方法として、2次元コード生成サーバ側でまず白い画像ファイルを作成し、この画像ファイルの中に一定サイズの黒の正方形を多数描画して2次元コードを描画した画像ファイル生成し、この画像ファイルをデジタル放送受信機がネットワークを介して取得して表示することで実現する方法(これを方法Bとする)がある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−176287号公報(段落0032、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、デジタル放送ではB−CAS(登録商標)カードを用いたアクセス制御を行っている。B−CASカードは、デジタル放送受信機を購入時に添付される形で配布されるが、B−CASカードを入手する度に放送事業者に対しB−CAS番号登録(ユーザ登録)が必要となる。放送事業者は、ハガキの郵送、電話、インターネットでの登録を受け付けているが、B−CAS番号はほとんど連続性のない20桁の数字の羅列であるため、何れの方法でも容易な手続きとはいえないのが実情である。
【0006】
手続きを容易にするため、例えば、放送事業者のサーバURLの一部(引数)として、B−CAS番号などの受信機や視聴者固有の情報を含めて、QRコードなどの2次元コードに変換し、インターネットを介して放送事業者に伝える方法が考えられる。この2次元コード(シンボル)は、B−CASカードの台紙に配布時に予め印刷しておく方法のほか、BML(Broadcast Markup Language)及びJavaScript(登録商標)の標準規格であるECMAScriptで2次元コードを生成し、BMLブラウザによってデジタル放送受信機の画面上に表示する方法がある。後者は、B−CAS番号以外にも郵便番号といったNVRAM(不揮発性メモリ)に先に登録された情報をBMLのAPI(Application Program Interface)を介して取得できるため、視聴者は再入力する必要がなくなるため、視聴者にとって利便性が高い。
【0007】
BML及びECMAScriptによって2次元コードを生成し、生成した2次元コードをBML上で表示するために、前記した方法Aや方法Bについて考えてみる。BML上で方法Aを実現しようとすると、ARIB STD−B24(第二編 付属2 基本サービス実施のための運用ガイドライン)の制限から、表示画面1ページに対応するBML文書中の要素数の上限が問題となる。ここで、BMLの要素とは、タグで区切られた文書の区切りのことである。BMLの仕様上、最大要素数は512と決められているため、方法Aでは2次元コードを形成するセル数の最大値は、2次元コードが正方形とすると22×22以下に制限される。この制限下では2次元コードとしてQRコードを用いる場合には、QRコードの最小バージョンであるバージョン1(セル数は21×21)しか表示することができない。実際上は、BML文書には他にも多数の要素を記述する必要があるため、方法Aは現実的ではない。
【0008】
方法Bは、デジタル放送受信機をネットワークに接続すれば可能だが、視聴者側でネットワークの利用環境を整える必要があるため、コストパフォーマンスの観点から、デジタル放送受信機のネットワーク接続が今後進むかどうかは未知数である。従って、デジタル放送受信機がネットワーク接続されていない環境でも2次元コードを表示できることが望ましい。
【0009】
そこで本発明では、このような問題点に鑑みて、ネットワーク接続されてないARIB規格に準拠したデジタル放送受信機において、セル数の多い2次元コードを生成し、生成した2次元コードをBMLブラウザで画面上に表示する2次元コード表示プログラム及びデジタル放送受信機を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記した2次元コード表示プログラムをデータ放送によって送信するプログラム送信装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した目的を達成するために、請求項1に記載の2次元コード表示プログラムは、白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、前記黒セル又は白セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するために、コンピュータを、2次元コード符号列入力手段、文字列変換手段、改行コード挿入手段、表示制御手段、として機能させることとした。
【0011】
かかる構成によれば、2次元コード表示プログラムは、2次元コード符号列入力手段によって、2次元コード(シンボル)に変換する2次元コード符号列を入力し、文字列変換手段によって、2次元コード符号列入力手段で入力した2次元コード符号列を白セル又は黒セルに対応づけた文字によって構成される文字列に変換する。続いて、改行コード挿入手段によって、文字列変換手段で変換された文字列に、行末ごとに改行コードを挿入した文字列を生成する。そして、表示制御手段によって、改行コード挿入手段で改行コードを挿入された文字列を2次元コードとして表示手段に表示する。
これによって、2次元表示プログラムは、2次元コードを文字列によって表示手段に表示する。
【0012】
請求項2に記載の2次元コード表示プログラムは、請求項1に記載の2次元コード表示プログラムにおいて、黒セルに対応づけた文字のフォントは、黒画素で構成された矩形の黒部と、当該黒部の周囲に白画素で構成された空白領域とを有するフォントであって、コンピュータを、更に、文字列複製手段、表示位置情報付加手段として機能させることとした。
【0013】
かかる構成によれば、2次元コード表示プログラムは、文字列複製手段によって、改行コード挿入手段で改行コードが挿入された原文字列を複製して複製文字列を生成し、表示位置付情報加手段によって、原文字列及び文字列複製手段で生成した複製文字列ごとに、複製文字列の表示位置が原文字列の表示位置に対して相対的に黒セルに対応づけた文字のフォント中の空白領域長分をシフトする位置情報を付加する。そして、表示制御手段によって、表示位置情報付加手段で表示位置情報が付加された文字列を2次元コードとして、文字列ごとに付加された位置情報で指定された表示手段上の表示位置に表示する。
これによって、2次元表示プログラムは、黒セル表現用の文字として、空白領域を有する文字フォントを用いた場合に、複製した文字列を重ね合わせて文字フォント中の空白領域を埋め、隣接する黒セル間にスペースを生じることなく2次元コードを表示する。
【0014】
請求項3に記載の2次元コード表示プログラムは、請求項1に記載の2次元コード表示プログラムにおいて、コンピュータを、更に、外字フォント入力手段として機能させることとした。
【0015】
かかる構成によれば、2次元コード表示プログラムは、外字フォント入力手段によって、1文字の全領域が黒画素で構成された外字フォントを入力し、文字列変換手段によって2次元コード符号列を文字列に変換する際に、黒セルに対応づけた文字のフォントとして当該外字フォント用い、2次元コードを表現する文字列を生成する。
これによって、2次元コード表示プログラムは、隣接する黒セル間にスペースを生じることなく2次元コードを表示する。
【0016】
請求項4に記載の2次元コード表示プログラムは、白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、白セル又は黒セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するために、コンピュータを、2次元コード符号列入力手段、外字フォント入力手段、グループ化文字列変換手段、改行コード挿入手段、表示位置情報付加手段、表示制御手段、として機能させることとした。
【0017】
かかる構成によれば、2次元コード表示プログラムは、2次元コード符号列入力手段によって、2次元コードに変換する2次元コード符号列を入力するとともに、外字フォント入力手段によって、1文字の全領域に対して、縦方向及び横方向ともにN分の1(Nは文字フォントサイズの約数)の矩形領域が黒画素で構成された黒部を有する外字フォントを、黒セルに対応づけた文字のフォントとして入力する。そして、グループ化文字列変換手段によって、2次元コード符号列入力手段で入力した2次元コード符号列を、グループ化文字列変換手段によって、2次元コードにおける横方向及び縦方向にN個ごとにサンプリングしてグループ化し、白セル又は黒セルに対応づけた文字によって構成されるNの二乗個の文字列に変換する。次に、改行コード挿入手段によって、グループ化文字列変換手段で変換された各文字列に、それぞれ行末ごとに改行コードを挿入した文字列を生成する。
続いて、表示位置情報付加手段によって、改行コード挿入手段で改行コードが挿入された各文字列ごとに、Nの二乗個のグループの中の任意の一の文字列の表示位置に対して、他のグループの文字列の表示位置が、文字のフォントサイズのN分の1の、それぞれグループ化の際にサンプリングしたセル位置の横方向及び縦方向の相対セル数倍した長さシフトする位置情報を付加する。そして、表示制御手段によって、表示位置情報付加手段で位置情報が付加された文字列を、文字列ごとに付加された位置情報で指定された前記表示手段上の表示位置に表示する。
これによって、2次元表示プログラムは、フォントサイズのN分の1のサイズのセルで構成された2次元コードを表示手段に表示する。
【0018】
請求項5に記載のデジタル放送受信機は、白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、白セル又は黒セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するデジタル放送受信機であって、2次元コード符号列入力手段と、文字列変換手段と、改行コード挿入手段と、表示制御手段と、を備える構成とした。
【0019】
かかる構成によれば、デジタル放送受信機は、2次元コード符号列入力手段によって、2次元コード(シンボル)に変換する2次元コード符号列を入力し、文字列変換手段によって、2次元コード符号列入力手段で入力した2次元コード符号列を白セル又は黒セルに対応づけた文字によって構成される文字列に変換する。続いて、改行コード挿入手段によって、文字列変換手段で変換された文字列に、行末ごとに改行コードを挿入した文字列を生成する。そして、表示制御手段によって、改行コード挿入手段で改行コードを挿入された文字列を表示手段に表示する。
これによって、デジタル放送受信機は、2次元コードを文字列によって表示手段に表示する。
【0020】
請求項6に記載のデジタル放送受信機は、白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、白セル又は黒セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するデジタル放送受信機であって、2次元コード符号列入力手段と、外字フォント入力手段と、グループ化文字列変換手段と、改行コード挿入手段と、表示位置情報付加手段と、表示制御手段と、を備えて構成した。
【0021】
かかる構成によれば、デジタル放送受信機は、2次元コード符号列入力手段によって、2次元コードに変換する2次元コード符号列を入力するとともに、外字フォント入力手段によって、1文字の全領域に対して、縦方向及び横方向ともにN分の1(Nは文字フォントサイズの約数)の矩形領域が黒画素で構成された黒部を有する外字フォントを、黒セルに対応づけた文字のフォントとして入力する。そして、グループ化文字列変換手段によって、2次元コード符号列入力手段で入力した2次元コード符号列を、グループ化文字列変換手段によって、2次元コードにおける横方向及び縦方向にN個ごとにサンプリングしてグループ化し、白セル又は黒セルに対応づけた文字によって構成されるNの二乗個の文字列に変換する。次に、改行コード挿入手段によって、グループ化文字列変換手段で変換された各文字列に、それぞれ行末ごとに改行コードを挿入した文字列を生成する。
続いて、表示位置情報付加手段によって、改行コード挿入手段で改行コードが挿入された各文字列ごとに、Nの二乗個のグループの中の任意の一の文字列の表示位置に対して、他のグループの文字列の表示位置が、文字のフォントサイズのN分の1の、それぞれグループ化の際にサンプリングしたセル位置の横方向及び縦方向の相対セル数倍した長さシフトする位置情報を付加する。そして、表示制御手段によって、表示位置情報付加手段で位置情報が付加された文字列を、文字列ごとに付加された位置情報で指定された前記表示手段上の表示位置に表示する。
これによって、デジタル放送受信機は、フォントサイズのN分の1のサイズのセルで構成された2次元コードを表示手段に表示する。
【0022】
請求項7に記載のプログラム送信装置は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の2次元コード表示プログラムを、デジタル放送のデータ放送により、デジタル放送受信機に送信することとした。
【0023】
かかる構成によれば、プログラム送信装置は、デジタル放送のデータ放送により、2次元コード表示プログラムをデジタル放送受信機に送信する。一般に、デジタル放送受信機は、デジタル放送で送られてくるデータをダウンロードして自動的に受信機のソフトウェアプログラムを更新する機能があるので、2次元コード表示プログラムを取り込んだ場合、2次元コード表示装置として機能する。そして、2次元コード表示プログラムの表示制御手段は、生成した2次元コードを表現する文字列をデジタル放送受信機の表示手段の画面に表示する。
これによって、プログラム送信装置は、デジタル放送受信機に、特定の情報、例えば、デジタル放送受信機に挿入されているB−CASカードの番号を、2次元コードとして表示手段の画面に表示させる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1又は請求項5に記載の発明によれば、デジタル放送受信機にセル数の多い2次元コードを表示することができる。このため、多くの情報を2次元コードとしてデジタル放送受信機の画面に表示できるため、例えば、B−CASカードの登録作業において、B−CAS番号や既にデジタル放送受信機内に登録してある郵便番号などをまとめて2次元コードとして表示することができる。そして、視聴者は、カメラ付き携帯電話機などの広く普及している2次元コード読取装置を利用してデジタル放送受信機の画面に表示された情報を簡単な操作でデジタルデータとして取得することができるため、登録作業を容易に行うことができ、視聴者の利便性を向上することができる。
また、このように多くの情報を簡単にデジタルデータとして取得するできるため、デジタル放送のクイズ番組やアンケートなどに利用して、視聴者による回答のための操作を容易にすることもできる。
【0025】
請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、隣接する黒セル間に隙間なく2次元コードを表示することができるため、画面に表示された2次元コードの読み取りにおいて、読み取り不良による誤認識を低減することができる。
【0026】
請求項4又は請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明よりも、同じセル数の2次元コードを小さく表示することができるため、例えば、カメラ付き携帯電話機のような2次元コード読取装置を利用してデジタル放送受信機の画面に表示された2次元コードを読み取る場合に、表示された2次元コードが大きすぎるために画面から離れて撮像したり、カメラの接写モードを解除して撮像したりする必要がないため、視聴者の利便性をより向上することができる。
また、デジタル放送受信機の表示画面の画素数が同じ場合には、請求項1に記載の発明よりも、よりセル数の多い2次元コードを表示することができるため、多くの情報を一度に2次元コードとして画面に表示することができる。その結果、視聴者はカメラ付き携帯電話機などの2次元コード読取装置を利用して、簡単な操作で多くの情報をデジタルデータとして取得できるようになる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、デジタル放送受信機は、データ放送から2次元コード表示プログラムをダウンロードして自動的にデジタル放送受信機を2次元コード表示装置として機能させることができるため、視聴者は煩雑な操作を要することなく、カメラ付き携帯電話機などの2次元コード読取装置を利用して、デジタル放送受信機から2次元コードで表示された情報を、デジタルデータとして取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、2次元コードとしてQRコードを例にして、本発明を適用した場合について説明する。
【0029】
<第1実施形態>
[デジタル放送受信機の構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態におけるデジタル放送受信機の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示したデジタル放送システム100は、デジタル放送によって番組コンテンツやデータ放送コンテンツなどの放送コンテンツを送信するコンテンツ送信装置(プログラム送信装置)2と、コンテンツ送信装置2から送信される放送コンテンツを受信するデジタル放送受信機1とを含んで構成されている。
【0031】
デジタル放送受信機1は、放送受信手段11と、B−CASカード12と、ユーザ操作手段13と、表示手段14と、記憶手段15と、処理手段16とを含んで構成されている。
【0032】
放送受信手段11は、コンテンツ送信装置2から放送波として送出されるデジタル放送を受信するチューナ等から構成され、受信したデジタル信号を処理手段16のコンテンツ再生制御手段161に出力する。
【0033】
B−CASカード12は、デジタル放送の番組の著作権保護や有料放送の視聴などに利用されるICカードであって、デジタル放送受信機1の販売時に添付される形で配布されるセキュリティモジュールである。B−CASカード12には、カードを識別するための固有のB−CAS番号が格納されており、当該B−CAS番号は、処理手段16によって読み出され、放送コンテンツの視聴やB−CASカードの登録手続きのためなどに利用される。
【0034】
ユーザ操作手段13は、ユーザの操作により指定されるコマンドを処理手段16に出力するものであり、例えばリモコンから構成される。
【0035】
表示手段14は、処理手段16の表示制御手段162による処理結果としてのデジタル放送番組やデータ放送、あるいは、B−CAS番号をコード化した2次元コード等を表示するものであり、例えばLCD(液晶ディスプレイ)から構成される。
【0036】
記憶手段15は、処理手段16等の動作プログラムやその処理結果、あるいは放送受信手段11によって受信した番組コンテンツやデータ放送コンテンツ等を記憶するものであり、メモリやハードディスクから構成される。
【0037】
処理手段16は、例えば、CPU(中央演算装置)等から構成され、コンテンツ再生制御手段161と、表示制御手段162と、2次元コード符号列入力手段163と、文字列変換手段164と、改行コード挿入手段165とを備えており、放送受信手段11によって受信したデジタル放送の番組コンテンツやデータ放送コンテンツを視聴可能に再生するとともに、2次元コード表示プログラムを実行してB−CAS番号などのテキスト情報を2次元コードとして表示手段14に表示させるものである。
【0038】
コンテンツ再生制御手段161は、放送受信手段11によって受信した多重化されたデジタル信号から、暗号化鍵情報やコンテンツ等を分離し、鍵情報を復号して、コンテンツをデスクランブルすることでコンテンツを再生する制御を行うものである。再生したコンテンツは表示制御手段162に出力される。
また、コンテンツ再生制御手段161は、データ放送からダウンロードして取得した2次元コード表示プログラムをメモリに展開して実行するものである。また、ダウンロードしたプログラムは、記憶手段15に記憶して保存する。
【0039】
表示制御手段162は、コンテンツ再生制御手段によって再生されたコンテンツを表示手段14に表示させるものである。また、表示制御手段162は、改行コード挿入手段165によって生成された2次元コードを形成する文字列を表示手段14に表示させる。
【0040】
ここで、図2を参照して、本発明による2次元コード表示プログラムによる2次元コード符号列を2次元コードとして表示手段14に表示する手法について説明する。図2は、本発明による2次元コード表示プログラムによって2次元コード符号列を2次元コードとして表示する手法を説明するための説明図であり、(1)は2次元コード符号列、(2)は2次元コード符号列を文字に変換して生成した文字列、(3)は改行コードを挿入した文字列、(4)は2次元コードを表示手段に表示した様子を示す図である。
【0041】
図2の(1)に示したように、2次元コード符号列D1は、図2の(4)に示した2次元コード(シンボル)Qを構成する明と暗のモジュール、すなわちシンボルを構成する単位セルを0と1で表したものである。2次元コード符号列D1の形態は、文字“0”と文字“1”とからなる文字列(テキスト)であってもよいし、数値データであってもよく、また、1符号を1ビットに対応させたバイナリーデータであってもよい。
2次元コードQに対し、符号の並べ方(走査方法)は任意であるが、ここでは第1行の左端から始め、同一行を右に走査し、その行が終わったら次はすぐ下の行で同様に走査するプログレッシブ走査をしたものとする。続いて、入力された符号列を、各符号ごとに明モジュール(白セル)を示す0ならば“ ”(全角スペース文字、例えばShift JIS:0x8140)、暗モジュール(黒セル)を示す1ならば“■”(例えばShift JIS:0x81A1)というように、黒セル及び白セル表現用として、それぞれに予め対応づけた文字で置換する。このようにして2次元コード符号列D1は、図2の(2)に示したように、文字列D2に変換される。
【0042】
次に、得られた文字列に対し、2次元コードQの行末に相当する部分、すなわち2次元コードQの各行を構成するセル数ごとに、改行コード(例えば“\r\n”)を挿入することで、図2の(3)に示したように文字列D3が得られる。
なお、第1実施形態では、改行コードとして、特殊文字“\r”及び特殊文字“\n”からなる2バイトの改行コードを挿入するようにしたが、適用するシステムに対応して、“\r”又は“\n”、あるいは“\n\r”などを改行コードとして挿入するようにしてもよい
【0043】
最後に、図2の(4)に示したように改行コードを含んだ文字列を表示手段14に表示する。なお、文字列D3に、更に、文字列の表示位置を示す位置情報を付加することで、位置情報で指定した表示手段14の画面上の位置に2次元コードを表示するようにしてもよい。
【0044】
このプログラムは、デジタル放送受信機1(図1参照)に搭載されたBMLブラウザで実行可能なように、BML文書中にECMAScriptによって記述されたスクリプトとして埋め込まれるが、汎用的なwebブラウザに対応するようにHTML文書中にJavaScriptによってスクリプトを記述してもよい。この場合は、webブラウザを搭載したパソコンなどで本プログラムを実行することができる。
【0045】
図1に戻って、デジタル放送受信機1の処理手段16の構成について説明を続ける。
2次元コード符号列入力手段163は、2次元コードを構成する各セルが白セルか黒セルかを示す2次元コード符号列を取得して、取得した2次元コード符号列を文字列変換手段164に出力する。また、例えば、B−CASカード12に格納されているB−CAS番号を2次元コードとして表示する場合には、2次元コード符号列入力手段163は、B−CASカード12から読み取ったB−CAS番号を2次元コード規格に従って符号化し、2次元コード符号列を生成する機能を備える。2次元コード符号列入力手段163は、データ放送からのダウンロードなどで既に符号化された2次元コード符号列を取得できる場合には、当該符号化処理を行わずに、取得した2次元コード符号列をそのまま文字列変換手段164に出力する。
【0046】
文字列変換手段164は、2次元コード符号列入力手段163から入力した2次元コード符号列の各符号に応じて、黒セル表現用の文字又は白セル表現用の文字に置換することで、2次元コード符号列に対応した文字列に変換する。文字列変換手段164は、変換した文字列を改行コード挿入手段165に出力する。
【0047】
改行コード挿入手段165は、文字列変換手段164から入力した文字列に、2次元コードの行末に相当する文字の後ろに改行コードを挿入した文字列を生成し、生成した改行コードを挿入した文字列を表示制御手段162に出力する。
【0048】
[コンテンツ送信装置の構成]
次に、コンテンツ送信装置2の構成について説明する。
コンテンツ送信装置(プログラム送信装置)2は、デジタル放送番組をデジタル放送受信機1に送信するものであり、また、データ放送により2次元コード表示プログラムなどのプログラムをBML文書に埋め込んで送信する。コンテンツ送信装置2は、主としてコンテンツ記憶手段21と、放送制御手段22と、放送送出手段23と、を備えている。
【0049】
コンテンツ記憶手段21は、記憶装置(記憶手段)であって、例えば、デジタル放送番組等の番組コンテンツやデータ放送コンテンツ、2次元コード表示プログラム等の各種プログラム等を記憶するものである。
【0050】
放送制御手段22は、コンテンツ記憶手段21から、デジタル放送番組等の番組コンテンツや2次元コード表示プログラムを含むデータ放送コンテンツ等を読み出して放送送出手段23に出力する。なお、詳細は省略するが、放送制御手段22は、BSデジタル放送等の限定受信システムに対応してコンテンツのスクランブル、鍵情報の暗号化等の各種の制御を行う。
【0051】
放送送出手段23は、放送波により、放送制御手段22から取得した番組コンテンツやデータ放送コンテンツなどの各種情報を多重化して伝送する。また、データ放送の符号化方式を示すBML文書(データ放送用文書データ)をデータカルーセル伝送方式で送信する。
【0052】
BMLは、JavaScriptの標準規格であるECMAScriptに対応しており、BML文書中にECMAScriptで記述されたスクリプト(プログラムのコード)を埋め込むことができる。BML文書を受信したデジタル放送受信機1は、デジタル放送受信機1に搭載されたBMLブラウザによってBML文書中のスクリプトを解釈し、プログラムを実行することができるようになっている。第1実施形態では、放送事業者において、ECMAScriptで記述された2次元表示プログラムをBML文書に埋め込んでデータ放送を行うこととした。これによって、デジタル放送受信機1は、データ放送を受信することによって2次元コード表示プログラムを取得することができる。
【0053】
[デジタル放送受信機の動作]
次に、図3を参照(適宜図1及び図2を参照)して、第1実施形態におけるデジタル放送受信機1の動作について説明する。ここで、図3は、第1実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【0054】
図3に示したように、デジタル放送受信機1は、2次元コード符号列入力手段163によって、B−CASカード12から読み取ったB−CAS番号を2次元コードとして表現するための2次元コード符号列D1を入力し、入力した2次元コード符号列D1を文字列変換手段164に出力する(ステップS11)。
【0055】
デジタル放送受信機1は、文字列変換手段164によって、2次元コード符号列入力手段163から入力した2次元コード符号列D1を、各符号に対応して白セル表現用の文字又は黒セル表現用の文字に置換して文字列D2に変換し、変換した文字列D2を改行コード挿入手段165に出力する(ステップS12)。
【0056】
なお、行末への改行コードの挿入は、文字列変換手段164によって、すべての2次元コード符号列D1を文字列D2に変換してから行ってもよいし、1行分の2次元コード符号列D1を文字列D2に変換するごとに改行コードを付加し、次の行の2次元コード符号列D1に対応する文字列D2を連結することで各行末に改行コードが挿入された文字列D3を生成するようにしてもよい。
【0057】
デジタル放送受信機1は、改行コード挿入手段165によって、文字列変換手段164から入力した文字列D2に対して、2次元コードQにおける各行末に相当する箇所に、すなわち1行当たりのセル数ごとに、改行コード(\r\n)を挿入した文字列D3を生成し、改行コードを挿入した文字列D3を、表示制御手段162に出力する(ステップS13)。
【0058】
デジタル放送受信機1は、表示制御手段162によって、改行コード挿入手段165から入力した文字列D3を表示手段14に出力して表示させる。これによって、文字列D3によって表現された2次元コードQが表示されることになる(ステップS14)。
【0059】
このように、2次元コード符号列D1を、各行末に改行コードが挿入された文字列D3に変換することで、BMLの仕様上は、段落を示すpタグによって、例えば、
「<script><![CDATA[
document.getElementById(“p0”).firstChild.data=
“■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■\r\n■ ■ ■■ ■■ ■ ■ ■\r\n■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■■ ■\r\n■ ■■■ ■ ■■■ ■ ■■■ ■\r\n■ ■■■ ■ ■ ■■ ■■ ■ ■■■ ■\r\n■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■\r\n■■■■■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■■■■■■\r\n ■ ■■ ■■ ■ \r\n■■ ■ ■■ ■■■■ ■■■ ■■ \r\n■ ■ ■■■ ■ ■ ■ ■■\r\n・・・\r\n”;
(中略)
]]></script>
(中略)
<p id=”p0”><![CDATA[ ]]></p>」
として、当該文字列D3を1つのBML要素として取り扱うことができるようになる。
これによって、2次元コード符号列D1の符号数、すなわち2次元コードQのセル数に拘わりなく、デジタル放送受信機1の表示手段14にBMLページとして大きなサイズの2次元コードを表示することができるようになる。そのため、デジタル放送受信機1においても多くの情報を1画面に2次元コードとして表示することができる。
【0060】
[コンテンツ送信装置を含むデジタル放送システムの動作]
次に、図4を参照(適宜図1参照)して、第1実施形態のデジタル放送システム100において、2次元コード表示プログラムをデータ放送によって送受信する動作について説明する。ここで、図4は、第1実施形態のデジタル放送システムにおける2次元コード表示プログラムの送受信処理の動作を示すフロー図である。
【0061】
図4に示したように、まずコンテンツ送信装置2は、放送制御手段22によって、コンテンツ記憶手段21に記憶されている2次元コード表示プログラムが埋め込まれたBML文書をデータ放送コンテンツに組み入れる(ステップS101)。そして、コンテンツ送信装置2は、放送送出手段23によって、データ放送コンテンツに組み入れられたBML文書をデータ放送によりデータカルーセル伝送方式で送出する(ステップS102)。
【0062】
コンテンツ送信装置2によって、データ放送により送出された2次元コード表示プログラムが埋め込まれたBML文書は、デジタル放送受信機1の放送受信手段11によってデータ放送コンテンツとして受信されると(ステップS103)、デジタル放送受信機1は、処理手段16のコンテンツ再生制御手段161によって当該BML文書を抽出するとともに(ステップS104)、BML文書中に埋め込まれた2次元コード表示プログラムをメモリに展開して実行する(ステップS105)。
【0063】
このようにして、第1実施形態のデジタル放送システム100において、放送事業者から2次元コード表示プログラムをデータ放送により、コンテンツ送信装置2からデジタル放送受信機1に配布することができる。また、配布した2次元コード表示プログラムをデジタル放送受信機1に自動的に実行させることもできる。
【0064】
これによって、ネットワーク接続がされていないデジタル放送受信機1の視聴者であっても、2次元コード表示プログラムを実行して大容量の情報も2次元コードとしてデジタル放送受信機1の表示手段14に表示することができ、例えば、カメラ付き携帯電話機のような2次元コード読取装置を用いることで、当該2次元コードとして表示された情報を容易にデジタルデータとして取得することができる。
【0065】
その結果、例えば、前記したB−CASカード12の登録手続きにおいて、デジタル放送受信機1の視聴者は、B−CAS番号を手作業で直接入力するなどの面倒な作業を行う必要がなくなり、視聴者の利便性を向上することができる。
【0066】
<第2実施形態>
次に、図5を参照して本発明の第2実施形態におけるデジタル放送受信機1Aについて説明する。ここで、図5は、本発明の第2実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0067】
図5に示したデジタル放送システム100Aは、デジタル放送受信機1Aと、コンテンツ送信装置2とを含んで構成されている。なお、図1に示した第1実施形態のデジタル放送システム100と同じ構成については、同じ符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0068】
ここで、第2実施形態における2次元コード表示の手法について説明する。
前記した第1実施形態のように、黒セル表現用の文字として“■”(文字コードShift JIS:0x81A1)を用いて、2次元コード符号列を文字列に変換してBMLページ上で表示する場合、新たな不具合が発生することがある。この不具合について、図6を参照して説明する。ここで、図6は既存の文字フォントを用いた場合の不具合を説明するための説明図であり、(1)は隣接する文字フォント間のスペースを示す図、(2)は既存の文字フォントを用いて表示した2次元コードの例を示す図である。
【0069】
既存の文字フォントの多くは、文字列として表示したときに、各文字の判読性を良好に保つために、1文字の領域中の外周に空白領域(スペース)が設けられており、上下左右に隣接した文字が接近しすぎないように工夫されている。図6の(1)に示したように、既存の“■”文字フォントF1も点線で示した文字C1の全領域が黒画素で構成されず、黒画素で構成される矩形の黒部K1の上下左右にそれぞれSY1、SY2、SX1、SX2だけ空白領域が設けられている。このため、隣接する黒セルとして“■”文字C1〜C4が表示された場合には、隣接する黒セルを表現する黒部K1間の縦方向(上下方向)及び横方向(左右方向)にそれぞれSY1+SY2、SX1+SX2のスペース生じてしまう。
【0070】
図6の(2)に示したように、黒セル表現用の文字として既存の“■”文字を用いて2次元コードQを描画した場合に、隣接する黒セル間にスペースが生じてしまうため、2次元コードの読み取りを正しく行うための障害となる。
【0071】
そこで、第2実施形態におけるデジタル放送受信機1Aでは、黒部K1の周囲に空白領域SY1、SY2、SX1、SX2を有する既存の文字フォントF1を黒セル表現用の文字フォントとして使用しながら、隣接する黒セルの間にスペースが生じない2次元コードQの表示をおこなうものである。
【0072】
なお、BMLページではなく、webブラウザによって、HTMLページに2次元コードを表示する場合には、スタイルシートのプロパティの設定機能を利用して文字間隔及び行間隔を設定することができる。例えば、文字フォントF1中の縦方向の空白領域長が文字サイズに対して50%であり、横方向の空白領域長が20%である場合には、スタイルシートのプロパティを「line-height:50%;letter-spacing: -0.2em;」と指定することによって、隣接する文字の領域が縦方向及び横方向にそれぞれ50%及び20%重なるように表示される。このため、隣接する黒セル表現用の文字フォントF1の黒部K1が互いに接するように表示されるため、隣接する黒セル間にスペースを生じることなく2次元コードQを表示することができる。
【0073】
次に、図7を参照(適宜図6を参照)して、文字間隔や行間隔の調節が任意にはできない場合において、隣接する黒セル間にスペースを生じない2次元コードの表示の手法について説明する。ここで、図7は、第2実施形態における2次元コード表示の手法を説明するための説明図である。
【0074】
図7に示したように、黒セル表現用の“■”文字フォントF1を用いた文字C1に対して、同一の文字フォントF1を用いた3つの文字C1a、C1b、C1cを重ね合わせて表示されている。なお、図7において、重ね合わせて表示されている4つの“■”文字フォントF1の黒部K1、K1a、K1b、K1cは、それぞれ異なる角度のハッチングを施して示している。
文字C1に対して、文字フォントF1の横方向の空白領域長PX1(=SX1+SX2)だけ横方向にシフトした位置に文字C1aを、文字フォントF1の縦方向の空白領域長PY1(=SY1+SY2)だけ縦方向にシフトした位置に文字C1bを、そして横方向にPX1及び縦方向にPY1だけシフトした位置に文字C1cを重ね合わせている。これによって、文字C1の黒部K1は、文字C1a、C1b、C1cの黒部K1a、K1b、K1cによって文字フォントF1の空白領域に相当する分だけ拡張され、これら4文字C1、C1a、C1b、C1cによって、1文字の領域全体と同じ形状の黒部を形成することができる。
【0075】
なお、前記した文字C1a、C1b、C1cの表示位置の文字C1に対するシフト量は、空白領域長よりも大きくしても隣接する黒セル間のスペースをなくすことができるが、この場合は、黒セルに隣接する白セルの面積が減少する。従って、シフト量は空白領域長に一致するようにすることが好ましい。
【0076】
そこで、第2実施形態では、黒セル表現用の文字フォントとして、空白領域を有する“■”文字フォントを用い、白セル表現用の文字フォントとして全角スペース文字フォントを用いて2次元コード符号列を文字列に変換し、複数の同一の文字列を互いに位置をシフトして重ね合わせ表示することで、隣接する黒セル間にスペースを生じない2次元コードを表示することとした。
【0077】
ここで、図8を参照(適宜図7を参照)して、第2実施形態において2次元コードを表示する様子について説明する。図8は、第2実施形態における2次元コード表示の様子を説明するための説明図であり、(1)は重ね合わせなしの場合、(2)は横方向にシフトした同一文字列を重ね合わせた場合、(3)は更に縦方向にシフトした同一文字列を重ね合わせた場合、(4)は更に斜め方向にシフトした同一文字列を重ね合わせた場合、において表示された2次元コードの例である。
【0078】
図8の(1)に示したように、単一の文字列のみを表示した2次元コードQ1は、横方向及び縦方向に隣接する黒セル間にスペースが生じてしまう。次に、図8の(2)に示したように、横方向(右方向)に空白領域長PX1だけ表示位置をシフトして同一の文字列を重ね合わせ表示した2次元コードQ2は、横方向に隣接する黒セル間のスペースがなくなっていることがわかる。続いて、図8の(3)に示したように、縦方向(下方向)にも空白領域長PY1だけ表示位置をシフトして同一の文字列を重ね合わせ表示した2次元コードQ3は、縦方向に隣接する黒セル間のスペースがなくなっているのがわかる。そして、図8の(4)に示したように、更に、斜め方向(右斜め下方向)、すなわち横方向に空白領域長SX1かつ縦方向に空白領域長SY1だけ表示位置をシフトして同一の文字列を重ね合わせ表示した2次元コードQには、隣接する黒セル間のスペースが完全になくなっているのがわかる。
【0079】
なお、図8に示した文字列の重ね合わせの例では、基準となる文字列に対して、横方向として右方向、縦方向として下方向に同一の文字列の表示位置をシフトして重ね合わせるようにしたが、それぞれ、左方向、上方向に表示位置をシフトするようにしてもよい。
【0080】
また、図8に示した例では、黒セル表現用に用いた文字フォントF1に、横方向及び縦方向ともに空白領域を有するため、少なくとも縦方向、横方向及び斜め方向の3方向に空白領域長だけシフトした同一の文字列を重ね合わせる必要があるが、例えば、縦方向にのみ空白領域を有する文字フォントを利用できる場合には、縦方向にのみ同一の文字列を重ね合わせることで隣接する黒セル間のスペースをなくすことができる。
【0081】
[デジタル放送受信機の構成]
図5に戻って、第2実施形態におけるデジタル放送受信機1Aの構成について説明をする。
第2実施形態のデジタル放送受信機1Aは、放送受信手段11と、B−CASカード12と、ユーザ操作手段13と、表示手段14と、記憶手段15と、処理手段16Aとを含んで構成されている。放送受信手段11と、B−CASカード12と、ユーザ操作手段13と、表示手段14と、記憶手段15とは、図1に示した第1実施形態におけるデジタル放送受信機1と同様であるので、説明は省略する。
【0082】
処理手段16Aは、コンテンツ再生制御手段161と、表示制御手段162と、2次元コード符号列入力手段163と、文字列変換手段164と、改行コード挿入手段165と、文字列複製手段166と、表示位置情報付加手段167と、を含んで構成されている。
図1に示した第1実施形態におけるデジタル放送受信機1との相違は、処理手段16Aにおいて、文字列複製手段166と、表示位置情報付加手段167とが付加されたことである。
【0083】
改行コード挿入手段165は、第1実施形態における改行コード挿入手段165と同様であるが、改行コードを挿入した文字列D3(図2参照)を文字列複製手段166に出力する。
【0084】
文字列複製手段166は、改行コード挿入手段165から入力した文字列(原文字列)D3(図2参照)を複製し、3つの複製文字列を生成する。この3つの複製文字列は、前記したように、原文字列に対して表示位置をシフトして重ね合わせ表示するための文字列である。
文字列複製手段166は、原文字列D3及び3つの複製文字列からなる文字列群を表示位置情報付加手段167に出力する。
【0085】
表示位置情報付加手段167は、文字列複製手段166から文字列群を入力し、入力した文字列群に含まれる各文字列に、それぞれ前記したように、重ね合わせたときに黒セル表現用の文字フォントF1(図7参照)の縦方向及び横方向の空白領域分だけ黒部K1が拡張されるように表示位置情報を付加する。
この位置情報の付加は、BMLにおいては、例えば、pタグを用いて次のように記述することができる。
【0086】
「<p style=”left:0px;top:0px;background-color-index:8”>■■■ ■……■ ■…</p>」
ここで、「left:0px;top:0px;」が付加された表示位置情報であり、pタグで挟まれた文字列「■■■ ■……■ ■…」が、表示画面の左端から0画素、上端から0画素の位置を基準位置(表示位置)として表示される。
同様に、他の複製された文字列に対して、それぞれ、
「<p style=”left:4px;top:0px;background-color-index:8”>■■■ ■……■ ■…</p>」…(左側に4画素シフトした位置が表示位置となる)
「<p style=”left:0px;top:6px;background-color-index:8”>■■■ ■……■ ■…</p>」…(下側に6画素シフトした位置が表示位置となる)
「<p style=”left:4px;top:6px;background-color-index:8”>■■■ ■……■ ■…</p>」…(左側に4画素かつ下側に6画素シフトした位置が表示位置となる)
のように記述することで、表示位置情報を付加することができる。これは、黒セル表現用の文字フォントF1(図7参照)の横方向の空白領域長を4画素、縦方向の空白領域長を6画素として表示位置情報を付加した場合の例である。
【0087】
この例では、表示位置情報が付加された、原文字列及び3つの複製文字列を、それぞれpタグで区切られた1つのBML要素として取り扱うため、合計で4つのBML要素によって2次元コードを表現することになる。
【0088】
表示制御手段162は、コンテンツ再生制御手段161によって再生されたコンテンツを表示手段14に表示させるとともに、表示位置情報付加手段167によって表示位置情報が付加された複数の文字列を、表示手段14の、それぞれの文字列に付加された表示位置情報で指定された位置に表示させる。
【0089】
[コンテンツ送信装置の構成]
第2実施形態におけるコンテンツ送信装置2は、図1に示した第1実施形態におけるコンテンツ送信装置と同様であるので詳細な説明は省略する。
なお、第2実施形態におけるコンテンツ送信装置2のコンテンツ記憶手段21には、第2実施形態における前記した2次元コード表示手法を実現するための2次元コード表示プログラムが記憶されている。そして、コンテンツ送信装置2は、当該2次元コード表示プログラムを、第1実施形態におけるコンテンツ送信装置2と同様に、データ放送によって、デジタル放送受信機1Aに配布する。
【0090】
[デジタル放送受信機の動作]
次に、図9を参照(適宜図5及び図2を参照)して、第2実施形態におけるデジタル放送受信機1Aの動作について説明する。ここで、図9は、第2実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【0091】
図9に示したように、デジタル放送受信機1Aは、2次元コード符号列入力手段163によって、2次元コード符号列D1を入力し、入力した2次元コード符号列D1を文字列変換手段164に出力する(ステップS21)。
【0092】
デジタル放送受信機1Aは、文字列変換手段164によって、2次元コード符号列入力手段163から入力した2次元コード符号列D1を、各符号に対応して白セル表現用の文字又は黒セル表現用の文字に置換することによって文字列D2に変換し、変換した文字列D2を改行コード挿入手段165に出力する(ステップS22)。
【0093】
デジタル放送受信機1Aは、改行コード挿入手段165によって、文字列変換手段164から入力した文字列D2に対して、2次元コードQにおける各行末に相当する箇所に、改行コードを挿入した文字列D3を生成し、改行コードを挿入した文字列D3を、文字列複製手段166に出力する(ステップS23)。
なお、ステップS21からステップS23における文字列への改行コード挿入までの処理は、図3に示した第1実施形態におけるデジタル放送受信機1(図1参照)の処理ステップS11からステップS13までの処理と同様である。
【0094】
次に、デジタル放送受信機1Aは、文字列複製手段166によって、改行コード挿入手段165から入力した文字列D3(原文字列)を複製して3つの文字列(複製文字列)を生成し、原文字列D3及び3つの複製文字列の、併せて4つの文字列を表示位置情報付加手段167に出力する(ステップS24)。
【0095】
デジタル放送受信機1Aは、表示位置情報付加手段167によって、文字列複製手段166から入力した4つの文字列に対して、重ね合わせて表示したときに、隣接する黒セル間にスペースが生じないように、それぞれ表示位置をシフトした位置情報を付加し、表示制御手段162に出力する(ステップS25)。
【0096】
そして、デジタル放送受信機1Aは、表示制御手段162によって、表示位置情報付加手段167から入力した4つの文字列を、表示手段14に出力し、それぞれの文字列に付加された表示位置情報で指定された表示位置に表示させる(ステップS26)。
これによって、デジタル放送受信機1Aは、隣接する黒セル間にスペースを生じることなく文字列で表現された2次元コードQを表示手段14の画面に表示することができる。
【0097】
[コンテンツ送信装置を含むデジタル放送システムの動作]
第2実施形態のデジタル放送システム100Aにおいて、2次元コード表示プログラムをデータ放送によって送受信する動作は、図4に示した第1実施形態のデジタル放送システム100における2次元コード表示プログラムのデータ放送による送受信動作と同様であるので、説明は省略する。
【0098】
<第3実施形態>
次に、図10を参照して本発明の第3実施形態におけるデジタル放送受信機1Bについて説明する。ここで、図10は、本発明の第3実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0099】
図10に示したデジタル放送システム100Bは、デジタル放送受信機1Bと、コンテンツ送信装置2とを含んで構成されている。なお、図1に示した第1実施形態のデジタル放送システム100と同じ構成については、同じ符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0100】
ここで、第3実施形態における2次元コード表示の手法について図11を参照して説明する。図11は、既存の文字フォントと外字フォントの構成を説明するための説明図であり、(1)は既存の文字フォント、(2)は外字フォントである。
【0101】
図11の(1)に示したように、例えば、“■”文字(文字コードShift JIS:0x81A1)の既存の文字フォントF1は、点線で示した1文字の領域において、黒部K1の周囲に空白領域を有するため、当該文字フォントF1を黒セル表現用の文字として使用した場合は、隣接する黒セル間にスペースが生じることになる。
【0102】
そこで、第3実施形態における2次元コード表示の手法においては、黒セル表現用の文字として、図11の(2)に示したように、文字フォント領域の全体が黒画素からなる黒部K2を有する外字フォントF2を定義して、黒セル表現用の文字として用いることとした。
これによって、白セル表現用の文字として全角スペース文字、すなわち文字フォント領域の全体が白画素からなる文字と組み合わせて用いることにより、2次元コードを文字列によって表現することが可能となる。
【0103】
[デジタル放送受信機の構成]
図10に戻って(適宜図11を参照)、第3実施形態のデジタル放送受信機1Bの構成について説明する。
デジタル放送受信機1Bは、放送受信手段11と、B−CASカード12と、ユーザ操作手段13と、表示手段14と、記憶手段15と、処理手段16Bとを含んで構成されている。放送受信手段11と、B−CASカード12と、ユーザ操作手段13と、表示手段14と、記憶手段15とは、図1に示した第1実施形態におけるデジタル放送受信機1と同様であるので、説明は省略する。
【0104】
処理手段16Bは、コンテンツ再生制御手段161と、表示制御手段162と、2次元コード符号列入力手段163と、文字列変換手段164と、改行コード挿入手段165と、外字フォント入力手段168と、を含んで構成されている。
図1に示した第1実施形態におけるデジタル放送受信機1との相違は、処理手段16Bにおいて、外字フォント入力手段168が付加されたことである。
【0105】
コンテンツ再生制御手段161は、放送受信手段11によって受信した多重化されたデジタル信号から、暗号化鍵情報やコンテンツ等を分離し、鍵情報を復号して、コンテンツをデスクランブルすることでコンテンツを再生する制御を行うものである。再生したコンテンツは表示制御手段162に出力される。
【0106】
また、コンテンツ再生制御手段161は、データ放送からダウンロードして取得した2次元コード表示プログラムをメモリに展開して実行するとともに、データ放送のDRCS(Dynamically Redefinable Character Set)機能を利用してダウンロードした2次元コード表示に用いる黒セル表現用の外字フォントF2のデータを、外字フォント入力手段168に出力する。また、ダウンロードしたプログラム及び外字フォントF2のデータは、記憶手段15に記憶して保存される。なお、外字フォントF2のデータには、当該外字の文字コードと、BMLで使用するフォントの種類・サイズと、フォント形状(4階調の非圧縮ビットマップパターン)と、に関するデータが含まれる。
【0107】
外字フォント入力手段168は、コンテンツ再生制御手段161から入力した外字フォントF2のデータをデジタル放送受信機1Bの内部で使用できるように登録し、外字フォントF2の文字コードを文字列変換手段164に出力する。
【0108】
2次元コード符号列入力手段163は、図1に示した第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0109】
文字列変換手段164は、2次元コード符号列入力手段163から入力した2次元コード符号列を、各符号に応じて黒セル表現用の文字又は白セル表現用文字に置換することによって、2次元コード符号列に対応した文字列に変換する。ここで、文字列変換手段164は、白セル表現用の文字として全角スペース文字の文字コードを、黒セル表現用の文字として外字フォント入力手段168から入力した外字フォントF2の文字コードを用いて、2次元コード符号列を文字列に変換する。
文字列変換手段164は、変換した文字列を改行コード挿入手段165に出力する。
【0110】
改行コード挿入手段165は、文字列変換手段164から入力した文字列に、2次元コードにおける行末に相当する文字の後ろに改行コードを挿入した文字列を生成し、生成した改行コードを挿入した文字列を表示制御手段162に出力する。
改行コード挿入手段165は、改行コードを挿入した文字列を表示制御手段162に出力する。
【0111】
表示制御手段162は、コンテンツ再生制御手段161から入力した番組コンテンツや改行コード挿入手段165から入力した2次元コードを表現する文字列を、表示手段14に出力して表示させる。
【0112】
[コンテンツ送信装置の構成]
第3実施形態におけるコンテンツ送信装置2は、図1に示した第1実施形態におけるコンテンツ送信装置2と同様であるので詳細な説明は省略する。
なお、第3実施形態におけるコンテンツ送信装置2のコンテンツ記憶手段21には、第3実施形態における前記した2次元コード表示手法を実現するための2次元コード表示プログラムとともに、黒セル表現用の外字フォントF2のデータが記憶されている。そして、コンテンツ送信装置2は、当該2次元コード表示プログラム及び外字フォントF2のデータを、第1実施形態におけるコンテンツ送信装置2と同様に、データ放送によって、データカルーセル伝送方式で送出し、デジタル放送受信機1Bに配布する。
【0113】
[デジタル放送受信機の動作]
次に、図12を参照(適宜図10、図11及び図2を参照)して、第3実施形態におけるデジタル放送受信機1Bの動作について説明する。ここで、図12は、第3実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【0114】
図12に示したように、デジタル放送受信機1Bは、2次元コード符号列入力手段163によって、2次元コード符号列D1を入力し、入力した2次元コード符号列D1を文字列変換手段164に出力する(ステップS31)。
【0115】
デジタル放送受信機1Bは、放送受信手段11によって受信した多重化されたコンテンツから外字フォントF2のデータを分離抽出して外字フォント入力手段168に出力し、外字フォント入力手段168によって、当該外字をデジタル放送受信機1Bの内部で使用できるように登録するとともに、当該外字に割り当てられた文字コードを文字列変換手段164に出力する(ステップS32)。
なお、外字フォントF2のデータを既にデータ放送からダウンロードして記憶手段15に保存されている場合には、デジタル放送受信機1Bは、外字フォント入力手段168によって、記憶手段15から外字フォントF2のデータを読み出して取得するようにしてもよい。
【0116】
デジタル放送受信機1Bは、文字列変換手段164によって、2次元コード符号列入力手段163から入力した2次元コード符号列D1を、各符号に対応して白セル表現用の文字(全角スペース文字)又は黒セル表現用の文字(外字フォントF2)に置換して符号列を文字列に変換し、変換した文字列を改行コード挿入手段165に出力する(ステップS33)。なお、第3実施形態の文字列変換手段164によって変換された文字列は、図2に示した文字列D2において、“■”文字(文字コード Shift JIS:0x81A1)を外字フォントF2(の文字コード)に置き換えた文字列である。
【0117】
デジタル放送受信機1Bは、改行コード挿入手段165によって、文字列変換手段164から入力した文字列に対して、2次元コードQにおける各行末に相当する箇所に改行コードを挿入した文字列を生成し、改行コードを挿入した文字列を、表示制御手段162に出力する(ステップS34)。
【0118】
そして、デジタル放送受信機1Bは、表示制御手段162によって、改行コード挿入手段165から入力した文字列を表示手段14に出力する(ステップS35)。
これによって、デジタル放送受信機1Bは、隣接する黒セル間にスペースを生じることなく2次元コードを表示手段14の画面に表示することができる。
【0119】
[コンテンツ送信装置を含むデジタル放送システムの動作]
第3実施形態のデジタル放送システム100Bにおいて、2次元コード表示プログラム及び外字フォントF2のデータをデータ放送によって送受信する動作は、図4に示した第1実施形態のデジタル放送システム100において、2次元コード表示プログラムに併せて、又は分離して外字フォントF2のデータをデータ放送によってデータカルーセル伝送方式で送信することができる。他の送受信動作は第2実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0120】
<第4実施形態>
次に、図13を参照して本発明の第4実施形態におけるデジタル放送受信機1Cについて説明する。ここで、図13は、本発明の第4実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0121】
図13に示したデジタル放送システム100Cは、デジタル放送受信機1Cと、コンテンツ送信装置2とを含んで構成されている。なお、図1に示した第1実施形態のデジタル放送システム100と同じ構成については、同じ符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0122】
ここで、第4実施形態における2次元コード表示の手法について説明する。
前記した第1実施形態乃至第3実施形態においては、2次元コードを文字列で表現するにあたり、2次元コードを構成する単位セルを1つの文字で表現することで2次元コードを表示するものである。この場合、表示される2次元コードのシンボルの大きさは、使用できる文字フォントのサイズに依存することになる。ARIB STD−B24(第二編 付属2 基本サービス実施のための運用ガイドライン)において、BMLにおいて使用する文字フォントサイズの最小値は、16px(16画素×16画素)と定められている。例えばBMLページ上でバージョン4のQRコードを最も小さく表示しようとしても、一辺が33セル×16画素/セル=528画素という比較的大きなシンボルになってしまう。この大きさはフルハイビジョン画面の高さの約半分に相当する。
【0123】
一般に市販されているテレビのサイズを考えると、カメラ付き携帯電話機でQRコード読み取りを行うには、カメラのフォーカスをオートか接写以外に設定しなければならない。また、カメラ付き携帯電話機の機種によってはQRコード読み取りの場合には、デフォルトで接写に設定されているため、慣れていないユーザは設定を変えることができず、読み取ることができない場合も予想される。
また、表示画面の画素数の制約から、フルハイビジョンの表示画面を備えたデジタル放送受信機であっても、表示できる2次元コードのサイズ(セル数)が制限されることになる。
【0124】
そこで、第4実施形態においては、使用可能な文字フォントサイズの制約がある中で、2次元コードをコンパクトに表示し、又はよりセル数の多い2次元コードを表示するために、文字フォント領域中に小さな矩形の黒部を有する外字フォントを黒セル表現用の文字フォントとして用いることとした。
【0125】
続いて、第4実施形態における2次元コード表示の手法について図14及び図15を参照して詳細に説明する。ここで、図14は、第4実施形態で用いる外字フォントの例を示す図である。また、図15は、第4実施形態における2次元コード表示の手法を説明するための説明図であり、(1)はセルをグループ化する様子を説明する図、(2)はグループ化したセルを文字列に変換した様子を説明する図、(3)はグループ化した文字列を重ね合わせる様子を説明する図、(4)はグループ化した文字列を重ね合わせて2次元コードを表示した図である。
【0126】
図14に示したように、第4実施形態では点線で示した文字フォント領域の一部に黒画素で構成された矩形の黒部K3を有する外字フォントF3を用いる。この黒部K3の横方向のサイズK3x及び縦方向のサイズK3yは、それぞれ外字フォントF3の横方向のフォントサイズF3x及び縦方向のフォントサイズF3yのN分の1(Nは自然数)とする。横方向と縦方向とで、異なるN分の1のサイズとしてもよい。
なお、図14に示した外字フォントF3の黒部K3のサイズK3x及びK3yは、ともにフォントサイズF3x及びF3yの2分の1とした場合の例である。
【0127】
簡単のために、横方向についてのみ着目して説明すると、一般的に、横方向にフォントサイズのN分の1のサイズの黒部K3を有する外字フォントF3を黒セル表現用に用いる場合には、2次元コードを構成する配列されたセルを、横方向にN個ごとにサンプリングして得られる間引かれたセルにグループ化する。そしてグループごとに当該外字フォントF3を用いた文字列に変換する。例えばN=4の場合には、1列目・5列目・9列目…のセルから構成される第1グループと、2列目・6列目・10列目…のセルから構成される第2グループと、3列目・7列目・11列目…のセルから構成される第3グループと、4列目・8列目・12列目…のセルから構成される第4グループとにグループ化する。
【0128】
そして、それぞれのグループを、横方向にフォントサイズの4分の1のサイズの黒部K3を有する外字フォントF3を用いた文字列に変換する。そして、例えば、第1グループを基準の文字列として、任意の位置に表示したときに、第2グループの文字列を、黒部のサイズK3xだけ右方向にシフトした位置に表示する。これによって、第1グループと第2グループとの黒セルが隣接した場合に、両グループの黒セルを表現する外字フォントF3の黒部K3の間にスペースなく表示することができる。
【0129】
同様に、第3グループの文字列は第1グループに対して、黒部K3のサイズK3xの2倍だけ右方向にシフトした位置に表示する。これによって、第2グループの文字列に対して、第3グループの文字列は、黒部K3のサイズK3xだけシフトした位置に表示されることになる。従って、第2グループと第3グループとの黒セルが隣接した場合に、両グループの黒セルを表現する外字フォントF3の黒部K3の間にスペースなく表示することができる。
【0130】
更に、同様に、第4グループの文字列は第1グループに対して、黒部K3のサイズK3xの3倍だけ右方向にシフトした位置に表示する。これによって、第3グループの文字列に対して、第4グループの文字列は、黒部K3のサイズK3xだけシフトした位置に表示されることになる。従って、第3グループと第4グループとの黒セルが隣接した場合に、両グループの黒セルを表現する外字フォントF3の黒部K3の間にスペースなく表示することができる。
また、第4グループの黒セルと一周期遅れでサンプリングされた第1グループの黒セルとが隣接する場合には、相対的に黒セルのサイズK3xだけ表示位置がずれているために、両グループの黒セルを表現する外字フォントF3の黒部K3の間にスペースなく表示することができる。
【0131】
このとき、黒部K3のサイズK3xが、厳密にフォントサイズF3xの4分の1でない場合には、第1グループと第4グループとの黒セルを表現するための黒部K3の間にスペースが生じるか、重なりが生じることになる。このため、黒部K3のサイズK3xは、厳密にフォントサイズF3xの4分の1とする必要がある。
以上は、横方向について説明したが、縦方向についても同様である。
【0132】
また、前記したように、BMLの仕様上、使用できる文字フォントのサイズが画素単位で決められている。そのため、外字フォントF3のサイズを画素数単位とした場合には、黒部K3のサイズK3x及びK3yは、それぞれ外字フォントF3のサイズF3x及びF3yの約数分の1とする必要がある。例えば、外字フォントF3のサイズが16画素の場合には、黒部K3のサイズは、文字フォントサイズの2分の1、4分の1、8分の1又は16分の1、すなわち、8画素、4画素、2画素又は1画素の何れかとする。
【0133】
次に、図15を参照(適宜図14を参照)して、横方向及び縦方向ともにフォントサイズの2分の1のサイズの黒部K3を有する外字フォントを用いた場合について、第4実施形態における2次元コード表示の手法を説明する。
【0134】
図15の(1)に示したように、2次元コードQを構成する各セルを1〜4の数字で示したグループ1からグループ4までの4つのグループにグループ化する。
なお、図15に示した2次元コードQは、QRコードのバージョン2である25セル×25セルによって構成されている。図15では、便宜上、縦方向は10セルのみ記載している。
【0135】
ここで、グループ1は、2個ごとに、すなわち奇数列(横方向のセル番号)かつ奇数行(縦方向のセル番号)のセルをサンプリングしてグループ化したものである。また、グループ2は、偶数列かつ奇数行のセルをサンプリングしてグループ化したものである。同様に、グループ3は奇数列かつ偶数行のセルを、グループ4は偶数列かつ偶数行のセルを、それぞれサンプリングしてグループ化したものである。
【0136】
次に、図15の(2)に示したように、各グループごとに、セルが黒セルか白セルかに応じて、それぞれ外字フォントF3又は全角スペース文字に変換し、行末に相当する箇所に改行コード(\r\n)を挿入した文字列D41〜D44を生成する。
なお、この例における2次元コードのセル数は1行当たり25個であるから、奇数列をグループ化したグループ1の文字列D41及びグループ3の文字列D43は、1行当たり13個の文字から構成されている。また、偶数列をグループ化したグループ2の文字列D42及びグループ4の文字列D44は、1行当たり12個の文字から構成されている。
【0137】
続いて、各グループの文字列D41〜D44に対して、異なるグループに属する黒セルが隣接したときに、黒セルを表現する外字フォントF3の黒部K3が互いにスペースなく、かつ重なりなく接するように、表示位置を設定する。
【0138】
図15の(3)に示したように、各文字列の左上隅を表示の基準点として、グループ1〜4の文字列の表示位置(基準点)を、それぞれP1〜P4とすると、P2は、P1に対して、横方向(右方向)にフォントサイズの2分1だけシフトした位置を表示位置とする。P3は、P1に対して、縦方向(下方向)にフォントサイズの2分の1だけシフトした位置を表示位置とする。そして、P4は、P1に対して、横方向(右方向)にフォントサイズの2分の1かつ縦方向(下方向)にフォントサイズの2分の1だけシフトした位置を表示位置とする。
【0139】
そして、各文字列D41〜D44を、それぞれ前記した表示位置P1〜P4に表示して重ね合わせることによって、図15の(4)に示したように、2次元コードQを表示することができる。
これによって、第1実施形態乃至第3実施形態のように、1セルを1文字で表現した場合に対して、線比で2分の1、面積比で4分の1のコンパクトな2次元コードQを表示することができる。
【0140】
同様にして、黒部K3が、線比でフォントサイズの4分の1、8分の1、16分の1の外字フォントF3を用いることで、面積比にして、それぞれ16分の1、64分の1、256分の1の大きさで、同じ情報量の2次元コードを表示することができる。
【0141】
[デジタル放送受信機の構成]
図13に戻って(適宜図14及び図15参照)、第4実施形態におけるデジタル放送受信機1Cの構成について説明をする。
デジタル放送受信機1Cは、放送受信手段11と、B−CASカード12と、ユーザ操作手段13と、表示手段14と、記憶手段15と、処理手段16Bとを含んで構成されている。放送受信手段11と、B−CASカード12と、ユーザ操作手段13と、表示手段14と、記憶手段15とは、図1に示した第1実施形態におけるデジタル放送受信機1と同様であるので、説明は省略する。
【0142】
処理手段16Cは、コンテンツ再生制御手段161と、表示制御手段162と、2次元コード符号列入力手段163と、グループ化文字列変換手段169と、改行コード挿入手段165と、外字フォント入力手段168と、表示位置情報付加手段167と、を含んで構成されている。
図1に示した第1実施形態におけるデジタル放送受信機1との相違は、処理手段16Cにおいて、外字フォント入力手段168と、表示位置情報付加手段167が付加され、文字列変換手段164に替えてグループ化文字列変換手段169を備えたことである。
【0143】
コンテンツ再生制御手段161と、表示制御手段162と、2次元コード符号列入力手段163と、改行コード挿入手段165と、外字フォント入力手段168とは、図10に示した第3実施形態と同様であるから詳細な説明は省略する。また、表示位置情報付加手段167は、図5に示した第2実施形態と同様であるから詳細な説明は省略する。
【0144】
外字フォント入力手段168は、コンテンツ再生制御手段161から入力した外字フォントF3のデータをデジタル放送受信機1Cの内部で使用できるように登録するとともに、当該外字フォントF3の文字コードをグループ化文字列変換手段169に出力する。
【0145】
グループ化文字列変換手段169は、2次元コード符号列入力手段163から入力した2次元コード符号列の各符号を、黒セル表現用の外字フォントF3の黒部K3のフォントサイズに対する比をNとすると、横方向及び縦方向にそれぞれN個ごとにサンプリングしてNの二乗個のグループにグループ化し、各グループごとに符号列を、各符号が白セルか黒セルかに応じて白セル表現用の文字(文字コード)か黒セル表現用の外字(文字コード)に置換して文字列に変換する。
グループ化文字列変換手段169は、変換した文字列を改行コード挿入手段165に出力する。
【0146】
改行コード挿入手段165は、グループ化文字列変換手段169から入力した各グループの文字列ごとに、2次元コードにおける行末に相当する文字の後ろに改行コードを挿入した文字列D41〜D44を生成し、生成した改行コードを挿入した文字列D41〜D44を表示位置情報付加手段167に出力する。
【0147】
表示位置情報付加手段167は、改行コード挿入手段165から文字列D41〜D44を入力し、入力した各文字列D41〜D44ごとに、重ね合わせたときに異なるグループに属する黒セル表現用の文字フォントF3の黒部K3が互いに接するように縦方向及び横方向の表示位置P1〜P4を設定し、表示位置情報として文字列D41〜D44に付加して、表示位置情報を付加した文字列を表示制御手段162に出力する。
【0148】
ここで、位置情報の付加は、BMLにおいては、第2実施形態と同様に、pタグを用いて次のように記述することができる。なお、この例では、フォントサイズは16pxでフォントサイズの2分の1の黒部K3を有する外字フォントF3を用いるものとする。また、pタグ中のid “p0”〜”p3”が、それぞれグループ1〜4に対応するものとする。
【0149】
「<script><![CDATA[
document.getElementById(“p0”).firstChild.data=” …(文字列D41)…”;
(中略)
]]></script>
(中略)
<p id=”p0” class=”cpx” style=”left:0px;top:0px;background-color-index:8”><![CDATA[ ]]></p>」
ここで、「left:0px;top:0px;」が、「id=”p0”」によって指定されたグループ1の文字列D41に付加された表示位置情報であり、pタグの記述によって、文字列D41が、表示画面の左端から0画素、上端から0画素の位置を基準位置として表示される。
同様に、他のグループの文字列D42〜D44に対して、それぞれ、
「<script><![CDATA[
document.getElementById(“p1”).firstChild.data=” …(文字列D42)…”;
(中略)
]]></script>
(中略)
<p id=”p1” class=”cpx” style=”left:8px;top:0px;background-color-index:8”><![CDATA[ ]]></p>」…(左側に8画素シフトした位置が表示位置となる)
「<script><![CDATA[
document.getElementById(“p2”).firstChild.data=” …(文字列D43)…”;
(中略)
]]></script>
(中略)
<p id=”p2” class=”cpx” style=”left:0px;top:8px;background-color-index:8”><![CDATA[ ]]></p>」…(下側に8画素シフトした位置が表示位置となる)
「<script><![CDATA[
document.getElementById(“p3”).firstChild.data=” …(文字列D44)…”;
(中略)
]]></script>
(中略)
<p id=”p3” class=”cpx” style=”left:8px;top:8px;background-color-index:8”><![CDATA[ ]]></p>」…(左側に8画素かつ下側に8画素シフトした位置が表示位置となる)
このように記述することで、表示位置情報を付加することができる。
【0150】
この例では、表示位置情報が付加された各グループの文字列は、それぞれpタグで区切られた1つのBML要素として取り扱うため、合計で4つのBML要素によって2次元コードを表現することができる。
【0151】
表示制御手段162は、コンテンツ再生制御手段161によって再生されたコンテンツを表示手段14に表示させるとともに、表示位置情報付加手段167によって表示位置情報が付加された複数のグループの文字列を、表示手段14の、それぞれの文字列に付加された表示位置情報で指定された位置に表示させる。
なお、第4実施形態における表示制御手段162は、表示位置情報付加手段167から入力した文字列中の黒セル表現用の外字に対しては、外字フォントF3のデータに従って当該外字フォントF3を表示手段14に表示するように制御する。
【0152】
[コンテンツ送信装置の構成]
第4実施形態におけるコンテンツ送信装置2は、図10に示した第3実施形態におけるコンテンツ送信装置2と同様であるので詳細な説明は省略する。
なお、第4実施形態におけるコンテンツ送信装置2のコンテンツ記憶手段21には、第4実施形態における前記した2次元コード表示手法を実現するための2次元コード表示プログラムとともに、黒セル表現用の外字フォントF3のデータが記憶されている。そして、コンテンツ送信装置2は、当該2次元コード表示プログラム及び外字フォントF3のデータを、第3実施形態におけるコンテンツ送信装置2と同様に、データ放送によってデジタル放送受信機1Cに配布する。
【0153】
[デジタル放送受信機の動作]
次に、図16を参照(適宜図13乃至図15、図2を参照)して、第4実施形態におけるデジタル放送受信機1Cの動作について説明する。ここで、図16は、第4実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【0154】
図16に示したように、デジタル放送受信機1Cは、2次元コード符号列入力手段163によって、2次元コード符号列D1を入力し、入力した2次元コード符号列D1をグループ化文字列変換手段169に出力する(ステップS41)。
【0155】
デジタル放送受信機1Cは、放送受信手段11によって受信した多重化されたコンテンツから外字フォントF3のデータを分離抽出して外字フォント入力手段168に出力し、外字フォント入力手段168によって、当該外字をデジタル放送受信機1Cの内部で使用できるように登録するとともに、当該外字に割り当てられた文字コードをグループ化文字列変換手段169に出力する(ステップS42)。
【0156】
デジタル放送受信機1Cは、グループ化文字列変換手段169によって、2次元コード符号列入力手段163から入力した2次元コード符号列D1を、4つのグループ1〜4にグループ化し、各グループごとに、各符号に対応して白セル表現用の文字(全角スペース文字の文字コード)又は黒セル表現用の文字(外字フォントF3の文字コード)に置換して符号列を文字列に変換し、変換した各グループの文字列を改行コード挿入手段165に出力する(ステップS43)。
【0157】
デジタル放送受信機1Cは、改行コード挿入手段165によって、グループ化文字列変換手段169から入力した各グループの文字列に対して、2次元コードQにおける各行末に相当する箇所に改行コードを挿入した文字列D41〜D44を生成し、改行コードを挿入した文字列D41〜D44を、表示位置情報付加手段167に出力する(ステップS44)。
【0158】
デジタル放送受信機1Cは、表示位置情報付加手段167によって、改行コード挿入手段165から入力された4つの文字列D41〜D44に対して、重ね合わせて表示したときに、異なるグループに属する黒セルが隣接したときに、黒セル表現用の外字フォントF3の黒部K3が、互いに接するように表示位置P1〜P4を設定し、それぞれ文字列D41〜D44に付加して、表示制御手段162に出力する(ステップS45)。
【0159】
そして、デジタル放送受信機1Cは、表示制御手段162によって、表示位置情報付加手段167から入力した4つの文字列を、表示手段14に出力し、それぞれの文字列に付加された表示位置情報で指定された表示位置に表示させる(ステップS46)。
これによって、デジタル放送受信機1Cは、1文字のフォント全体を1セルに対応させた場合に比べて、線比で2分の1、面積比で4分の1の大きさの2次元コードQを表示手段14の画面に表示することができる。
【0160】
[コンテンツ送信装置を含むデジタル放送システムの動作]
第4実施形態のデジタル放送システム100Cにおいて、2次元コード表示プログラム及び外字フォントF3のデータをデータ放送によって送受信する動作は、第3実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0161】
なお、第1実施形態乃至第4実施形態においては、2次元コードとしてQRコードを例に説明したが、本発明の2次元コード表示プログラムは、QRコードに限定されるものではなく、他の2次元コードにおいても適用できる。
また、本発明の2次元コード表示プログラムは、要素数が制限されるBMLブラウザ上で実行する際に特に有用であるが、BMLブラウザに限定されず、一般的なwebブラウザであるHTMLブラウザ上などで実行することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による2次元コード表示プログラムによって2次元コード符号列を2次元コードとして表示する手法を説明するための説明図であり、(1)は2次元コード符号列、(2)は2次元コード符号列を文字に変換して生成した文字列、(3)は改行コードを挿入した文字列、(4)は2次元コードを表示手段に表示した様子を示す図である。
【図3】第1実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【図4】第1実施形態のデジタル放送システムにおける2次元コード表示プログラムの送受信処理の動作を示すフロー図である。
【図5】本発明の第2実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【図6】既存の文字フォントを用いた場合の不具合を説明するための説明図であり、(1)は隣接する文字フォント間のスペースを示す図、(2)は既存の文字フォントを用いて表示した2次元コードの例を示す図である。
【図7】第2実施形態における2次元コード表示の手法を説明するための説明図である。
【図8】第2実施形態における2次元コード表示の様子を説明するための説明図であり、(1)は重ね合わせなしの場合、(2)は横方向にシフトした同一文字列を重ね合わせた場合、(3)は更に縦方向にシフトした同一文字列を重ね合わせた場合、(4)は更に斜め方向にシフトした同一文字列を重ね合わせた場合、において表示された2次元コードの例である。
【図9】第2実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【図10】本発明の第3実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【図11】既存の文字フォントと外字フォントの構成を説明するための説明図であり、(1)は既存の文字フォント、(2)は外字フォントである。
【図12】第3実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【図13】本発明の第4実施形態におけるデジタル放送受信機を含むデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【図14】第4実施形態で用いる外字フォントの例を示す図である。
【図15】第4実施形態における2次元コード表示の手法を説明するための説明図であり、(1)はセルをグループ化する様子を説明する図、(2)はグループ化したセルを文字列に変換した様子を説明する図、(3)はグループ化した文字列を重ね合わせる様子を説明する図、(4)はグループ化した文字列を重ね合わせて2次元コードを表示した図である。
【図16】第4実施形態におけるデジタル放送受信機による2次元コード表示処理の流れを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0163】
1,1A,1B,1C デジタル放送受信機
2 コンテンツ送信装置(プログラム送信装置)
11 放送受信手段
12 B−CASカード
13 ユーザ操作手段
14 表示手段
15 記憶手段
16,16A,16B,16C 処理手段
21 コンテンツ記憶手段
22 放送制御手段
23 放送送出手段
100,100A,100B,100C デジタル放送システム
161 コンテンツ再生制御手段
162 表示制御手段
163 2次元コード符号列入力手段
164 文字列変換手段
165 改行コード挿入手段
166 文字列複製手段
167 表示位置情報付加手段
168 外字フォント入力手段
169 グループ化文字列変換手段
C1,C1a,C1b,C1c,C2,C3,C4 文字
D1 2次元コード符号列
D2,D3,D4,D41,D42,D43,D44 文字列
F1 文字フォント
F2,F3 外字フォント
K1,K1a,K1b,K1c,K2,K3 黒部
P1,P2,P3,P4 表示位置
SX1,SX2,SY1,SY2 空白領域
Q,Q1,Q2,Q3 2次元コード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、前記黒セル又は前記白セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するために、コンピュータを、
前記2次元コードに変換する2次元コード符号列を入力する2次元コード符号列入力手段、
前記2次元コード符号列入力手段によって入力した2次元コード符号列を前記白セル又は前記黒セルに対応づけた文字によって構成される文字列に変換する文字列変換手段、
前記文字列変換手段によって変換された文字列に、行末ごとに改行コードを挿入する改行コード挿入手段、
前記改行コード挿入手段によって改行コードを挿入された文字列を2次元コードとして前記表示手段に表示する表示制御手段、
として機能させることを特徴とする2次元コード表示プログラム。
【請求項2】
前記黒セルに対応づけた文字のフォントは、黒画素で構成される矩形の黒部と、当該黒部の周囲に白画素で構成される空白領域とを有するフォントであって、
更に、前記改行コード挿入手段によって改行コードが挿入された原文字列を複製して複製文字列を生成する文字列複製手段、
前記原文字列及び前記複製文字列ごとに、前記複製文字列の表示位置が前記原文字列の表示位置に対して相対的に前記黒セルに対応づけた文字のフォント中の空白領域長分をシフトする位置情報を付加する表示位置情報付加手段、
として機能させるとともに、
前記表示制御手段は、前記表示位置情報付加手段によって位置情報が付加された文字列を、文字列ごとに付加された位置情報で指定された前記表示手段上の表示位置に表示することを特徴とする請求項1に記載の2次元コード表示プログラム。
【請求項3】
更に、1文字の全領域が黒画素で構成された外字フォントを入力する外字フォント入力手段として機能させるとともに、
前記黒セルに対応づけた文字のフォントとして、前記外字フォント入力手段によって入力した外字フォントを用いることを特徴とする請求項1に記載の2次元コード表示プログラム。
【請求項4】
白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、前記黒セル又は前記白セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するために、コンピュータを、
前記2次元コードに変換する2次元コード符号列を入力する2次元コード符号列入力手段、
1文字の全領域に対して、縦方向及び横方向ともにN分の1(Nは文字フォントサイズの約数)の矩形領域が黒画素で構成された黒部を有する外字フォントを、前記黒セルに対応づけた文字のフォントとして入力する外字フォント入力手段、
前記2次元コード符号列入力手段によって入力した2次元コード符号列を、前記2次元コードにおける横方向及び縦方向にN個ごとにサンプリングしてグループ化し、前記白セル又は前記黒セルに対応づけた文字によって構成されるNの二乗個の文字列に変換するグループ化文字列変換手段、
前記グループ化文字列変換手段によって変換された各文字列に、それぞれ行末ごとに改行コードを挿入する改行コード挿入手段、
前記改行コード挿入手段によって改行コードが挿入された各文字列ごとに、前記Nの二乗個のグループの中の一の文字列の表示位置に対して、他のグループの文字列の表示位置が、前記文字のフォントサイズのN分の1の、それぞれ前記サンプリングしたセル位置の横方向及び縦方向の相対セル数倍した長さシフトする位置情報を付加する表示位置情報付加手段、
前記表示位置情報付加手段によって位置情報が付加された文字列を2次元コードとして、文字列ごとに付加された位置情報で指定された前記表示手段上の表示位置に表示する表示制御手段、
として機能させることを特徴とする2次元コード表示プログラム。
【請求項5】
白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、前記黒セル又は前記白セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するデジタル放送受信機であって、
前記2次元コードに変換する2次元コード符号列を入力する2次元コード符号列入力手段と、
前記2次元コード符号列入力手段によって入力した2次元コード符号列を前記白セル又は前記黒セルに対応づけた文字によって構成される文字列に変換する文字列変換手段と、
前記文字列変換手段によって変換された文字列に、行末ごとに改行コードを挿入する改行コード挿入手段と、
前記改行コード挿入手段によって改行コードを挿入された文字列を2次元コードとして前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項6】
白セル及び黒セルからなる2次元配列によって構成される2次元コードを示す2次元コード符号列を、前記黒セル又は前記白セルに予め対応づけた文字によって構成される文字列に変換して表示手段に表示するデジタル放送受信機であって、
前記2次元コードに変換する2次元コード符号列を入力する2次元コード符号列入力手段と、
1文字の全領域に対して、縦方向及び横方向ともにN分の1(Nは文字フォントサイズの約数)の矩形領域が黒画素で構成された黒部を有する外字フォントを、前記黒セルに対応づけた文字のフォントとして入力する外字フォント入力手段と、
前記2次元コード符号列入力手段によって入力された2次元コード符号列を、前記2次元コードにおける横方向及び縦方向にN個ごとにサンプリングしてグループ化し、前記白セル又は前記黒セルに対応づけた文字によって構成されるNの二乗個の文字列に変換するグループ化文字列変換手段と、
前記グループ化文字列変換手段によって変換された各文字列に、それぞれ行末ごとに改行コードを挿入する改行コード挿入手段と、
前記改行コード挿入手段によって改行コードが挿入された各文字列ごとに、前記Nの二乗個のグループの中の一の文字列の表示位置に対して、他のグループの文字列の表示位置が、前記文字のフォントサイズのN分の1の、それぞれ前記サンプリングしたセル位置の横方向及び縦方向の相対セル数倍した長さシフトする位置情報を付加する表示位置情報付加手段と、
前記表示位置情報付加手段によって位置情報が付加された文字列を2次元コードとして、文字列ごとに付加された位置情報で指定された前記表示手段上の表示位置に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の2次元コード表示プログラムを、デジタル放送のデータ放送により、デジタル放送受信機に送信することを特徴とするプログラム送信装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−140152(P2010−140152A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314308(P2008−314308)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】