説明

2連式吐出容器

【課題】ポンプ付き容器が並設された2連式吐出容器において、各ポンプ付き容器に収容された剤を製品設計通りのタイミングで吐出できる2連式吐出容器を提供する。
【解決手段】容器本体11とその口部11bに装着されたポンプ装置13とを備えた第1,第2のポンプ付き容器10P,10Qを並設した2連式吐出容器1であって、第1,第2の容器10P,10Qのノズル部14は、吐出口14bを隣接させており、第1,第2の容器10P,10Qのポンピング動作を一つの操作で行うポンピング手段6を備え、第1,第2の容器10P,10Qの容器本体11に内容物を収容し、ポンピング手段6により並設された第1,第2の容器10P,10Qの各ポンプ装置13のポンピング動作を行ったときに、第1の容器10Pの内容物が、第2の容器10Qの内容物よりもノズル部14から先に吐出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ本体及びノズル部を有するポンプ装置を備えたポンプ付き容器が2個並設された2連式吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
2剤式染毛剤等のような、2種類の剤(第1剤、第2剤)を使用直前に混合させてから使用する商品は、第1剤及び第2剤がそれぞれ個別の容器に充填されている。このような商品の容器として、並設された2個の容器それぞれから第1剤及び第2剤を一つの操作で吐出できるようにした2連式吐出容器が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−119328号公報
【特許文献2】特開2006−306478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような、並設された2個のエアゾール容器からなる2連式吐出容器は、エアゾール容器の内容物が高粘度であると、その吐出に問題が起き易く、扱いにくいことから、低粘度の内容物用の吐出容器として主に用いられていた。
【0005】
一方、高粘度の内容物を収容する吐出容器としては、ポンプ付き容器が広く用いられている。特許文献2に記載されているような、並設された2個のポンプ付き容器からなる2連式吐出容器においても、ポンプ付き容器が高粘度の内容物の吐出容器として向いていることもあり、高粘度の内容物が想定される場合が多い。
【0006】
ところで、2連式吐出容器において、例えば、第1剤が染毛成分で、第2剤が酸化剤である2剤式の染毛剤を収容した場合、第1剤と第2剤が適切なタイミングで吐出されないことがある。
すなわち、従来の染毛剤は、2つの剤を同時に吐出することを前提とした設計となっていたが、一般に第2剤の方が第1剤よりも粘度が低いことから、従来の2連式吐出容器をそのまま用いると第2剤が先に吐出されてしまう。しかしながら、製品の設計によっては、第1剤が髪に染みこんでから反応するように、第1剤が先に吐出される方が好ましい。
【0007】
従って、本発明の目的は、ポンプ本体及びノズル部を有するポンプ装置を備えたポンプ付き容器が2個並設された2連式吐出容器において、2個のポンプ付き容器にそれぞれ収容された2つの剤を、製品設計通りのタイミングで吐出させることができる2連式吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、可撓性を有するシート材料からなる容器本体と該容器本体の口部に装着され且つポンプ本体及びノズル部を有するポンプ装置とを備えた第1及び第2のポンプ付き容器が並設された2連式吐出容器であって、並設された前記第1及び第2のポンプ付き容器におけるノズル部は、その吐出口を相互に隣接させており、並設された前記第1及び第2のポンプ付き容器における両方の前記ポンプ装置のポンピング動作を一つの操作で行うためのポンピング手段を備え、第1及び第2のポンプ付き容器における前記容器本体に内容物を収容し、前記ポンピング手段を用いてポンピング動作を行ったときに、第1のポンプ付き容器の内容物が、第2のポンプ付き容器の内容物よりも前記ノズル部から先に吐出されるように構成されている2連式吐出容器を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の2連式吐出容器によれば、ポンプ本体及びノズル部を有するポンプ装置を備えたポンプ付き容器が2個並設された2連式吐出容器において、一方のポンプ付き容器の内容物を、他方のポンプ付き容器の内容物に対して適切なタイミングで吐出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の2連式吐出容器について、その好ましい一実施形態である第1実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
第1実施形態の2連式吐出容器1は、図1〜図3に示すように、容器本体11とポンプ装置13とを備えた第1及び第2のポンプ付き容器10,10が2個並設された2連式吐出容器である。容器本体11は、可撓性を有するシート材料からなり、その一端部11aが閉塞された筒状体である。ポンプ装置13は、容器本体11の口部11bに装着されており、ポンプ本体15及びノズル部14を有している。
また、第1実施形態の2連式吐出容器1は、2個のポンプ付き容器10,10を並設した状態で保持するホルダ5と、ポンプ装置13のポンピング動作を行うポンピング手段6とを備えている。
【0011】
まず、ポンプ付き容器10について説明する。上述のように、容器本体11は、可撓性を有するシート材料からなり、口部11bとは反対側の一端部(「下端部」ともいう)11aが閉塞された筒状体である。容器本体11は、例えば内径が10〜50mm程度、高さ(長さ)が70〜200mm程度の円筒状に形成される。
【0012】
容器本体11には、例えば、染毛剤、接着剤、練り歯磨等の2剤式の内容物(図示せず)が収容されている。第1のポンプ付き容器10(10P)の内容物は、第2のポンプ付き容器10(10Q)の内容物よりも先にノズル部14から吐出される必要がある物性を有している。本実施形態においては、第1のポンプ付き容器10Pの内容物及び第2のポンプ付き容器10Qの内容物は、それぞれ2剤式の染毛剤の第1剤及び第2剤であり、第1剤は、前述した理由により、第2剤よりも先にノズル部14から吐出される必要がある。容器本体11に収容されている内容物は、ポンプ装置13のポンプ作用によって吸引され、ノズル部14から吐出される。なお、本第1実施形態では、容器本体11にそれぞれ異なった種類の内容物が収容されれているが、使用状態によっては、同一の種類の内容物を収容しても良い。
【0013】
内容物が酸素により劣化するもの(例えば染毛剤)である場合には、該内容物の劣化を防止するために、容器本体11は、酸素バリア性を有するシート材料からなることが好ましい。そのようなシート材料としては、例えばアルミラミネート樹脂が挙げられる。
容器本体11の下端部11aは、例えば、次のように閉塞される。まず、口部11bにポンプ装置13を固定する。ポンプ付チューブ容器を形成する際における常法に従って、下端部11aから容器本体11に内容物を充填収容する。その後、下端部11aを平坦状に押し潰しつつ、公知のヒートシール手段を用いて、アルミラミネート樹脂シートにおける最内層のシーラント層同士をヒートシールする。
【0014】
容器本体11の口部11bに固定されるポンプ装置13は、一般にポリオレフィン樹脂等の合成樹脂からなり、ポンプ本体15及びノズル部14から構成される。
ポンプ本体15は、その内部に、計量室19を含む公知のポンプ機構を備える。また、ポンプ本体15は、容器本体11の口部11bの内周面11cと密着する外周面部分16を有しており、外周面部分16が内周面11cに密着されて容器本体11で覆われた状態で、口部11bに固定されるようになっている。
【0015】
ポンプ本体15は、円筒スリーブ形状の外周面部分16によって、その外殻部が構成されている。外周面部分16は、容器本体11の内径と同じか、僅かに大きい外径を有しており、そのため、外周面部分16の外周面は、ポンプ本体15が容器本体11の口部11bに挿入装着された際に、口部11bの内周面11cと強固に密着する。
【0016】
ポンプ本体15の外周面部分16の外周面は、ヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂等からなる。そして、容器本体11の口部11bにポンプ本体15を装着した後に、公知のヒートシール手段を用いて容器本体11の外側からヒートシールを施すことにより、ポンプ本体15の外周面部分16の外周面と容器本体11の口部11bの内周面11cとを、気密な状態で強固に密着接合することが可能になる。
【0017】
ポンプ本体15は、図3に示すように、シリンダー20、ピストン21、吸入弁22、吐出弁23、ステム26、ステム押さえ27、スプリング28、スプリング押さえ29等を備えている。シリンダー20は、円筒状で、その下端部に吸入弁22が設けられている。ピストン21は、シリンダー20の内面を密着摺動するもので、その下端部に吐出弁23が設けられている。シリンダー20の内面及び吸入弁22並びにピストン21の吐出弁23によって閉鎖される空間から、計量室19が形成される。
【0018】
ステム26は、ピストン21の上部に連結された筒状の部材である。ステム押さえ27は、ステム26のつば部を上方から押さえ付け、ステム26の上方への移動を阻害している。スプリング押さえ29は、ステム26の上部に連結された筒状の部材である。
【0019】
ステム押さえ27とスプリング押さえ29との間には、スプリング28が介在している。従って、スプリング押さえ29には、スプリング28の弾性力によって、ステム押さえ27から離間する方向に常時、付勢されている。
【0020】
ノズル部14は、図1及び図2に示すように、ポンプ本体15から上方に突出して設けられており、その下部に連結されたスプリング押さえ29及びステム26を介してピストン21に連結されている(図3参照)。第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bは直線状であり、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bはクランク状である。
【0021】
このように構成されたポンプ装置13によれば、ノズル部14の押圧操作を繰り返すことにより(本実施形態は、後述するように、ポンピング手段6であるレバーの操作により、ノズル部14の押圧操作が行われる)、ピストン21をシリンダー20に対して密着摺動させ、そのポンプ作用によって、容器本体11から吸入弁22を介して内容物を計量室19に吸引することができる。そして、計量室19に吸引された内容物を、吐出弁23、ステム26、スプリング押さえ29等を介して、ノズル部14の吐出口14aから必要量吐出することができる。
【0022】
本実施形態の2連式吐出容器1においては、前述した構成を有するポンプ装置13が、並設された2個のポンプ付き容器10,10にそれぞれ設けられている。そして、並設された2個のポンプ付き容器10,10における各ノズル部14,14は、その吐出口14a,14a近傍において一体化しており、吐出口14a,14aを隣接させている。そのため、並設された2個のポンプ付き容器10,10それぞれに充填されている第1剤及び第2剤は、隣接する吐出口14a,14aから吐出されることになるため、第1剤及び第2剤は、実質的に同じ位置に吐出されることになる。2個のノズル部14,14の流路14b,14bは、その断面積が実質的に同じになっている。
【0023】
次にホルダ5について説明する。ホルダ5は、2個のポンプ付き容器10,10を並設した状態で保持する部材である。ホルダ5は、ポンプ付き容器10を保持可能な保持部51,51を2個並設しており、本実施形態における保持部51は、容器本体11の口部11bを、直接的に又は他の部材を介して間接的に保持可能になっている。
【0024】
ホルダ5は、保持部51に、ポンプ付き容器10を着脱自在に構成されている。ポンプ付き容器10が着脱自在な構成については特に制限はなく、例えば、凸部を凹部に嵌め込むことによる嵌着、雄ネジと雌ネジとをネジ込むことによる螺着が挙げられる。本実施形態においては、嵌着が用いられている。
【0025】
ホルダ5の外面は、保持部51に保持されたポンプ付き容器10における容器本体11の口部11bを被覆する被覆部52を形成している。被覆部52は、その内側にポンプ本体15が位置するように構成されていることが好ましい。本実施形態においては、第2のポンプ付き容器10Qは、そのポンプ本体15が被覆部52の内側に位置しているが、第1のポンプ付き容器10Pは、そのポンプ本体15が被覆部52の内側だけでなく、外側にも位置している。
【0026】
次にポンピング手段6について説明する。ポンピング手段6は、ポンプ装置13のポンピング動作を行うもので、第1実施形態においては、並設された2個のポンプ付き容器10,10における各ポンプ装置13,13のポンピング動作を一つの操作で行うことができるように構成されている。また、ポンピング手段6は、ホルダ5に可動自在に取り付けられている。
【0027】
第1実施形態においては、ポンピング手段6は、図2に示すように、略直角に屈曲したレバー形状を有しており、その基端部6Aが回動軸61を回動支点として、ホルダ5の上部の端部に軸支されている。ポンピング手段6の基端部6Aから横方向に延びる中間部分6Bの上部には、貫通孔62が設けられている。中間部分6Bに貫通孔62が設けられていることにより、2個のノズル部14が一体化した吐出口14a近傍の部分は、ポンピング手段6の中間部分6Bを貫通して、該中間部分6Bの上部から突出する。
【0028】
ポンピング手段6の中間部分6Bには、ノズル部14に向けて突出する押圧部64が設けられている。押圧部64は、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14における横方向に延びる中間部分14cに当接している。押圧部64によって、スプリング28の弾性力によりポンピング手段6に向けて付勢されているノズル部14は、上方への移動を阻害され、それ以上上方に移動しないようになっている。
【0029】
ポンピング手段6の把持部6Cは、把持しやすい形状を有しており、中間部分6Bから略直角下方に屈曲している。従って、ポンピング手段6の把持部6Cを把持して、回動軸61を回動支点としてポンピング手段6を操作すれば、押圧部64により、並列された2個のポンプ付き容器10,10における各ノズル部14,14の両方が、下方に向けて(つまり計量室19に向けて)押圧されるようになっている。
【0030】
本実施形態においては、ポンピング手段6を用いて、並設された第1のポンプ付き容器10P及び第2のポンプ付き容器10Qにおける各ポンプ装置13,13のポンピング動作を行ったときに、第1のポンプ付き容器10Pの内容物が、第2のポンプ付き容器10Qの内容物よりもノズル部14から先に吐出されるように、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bと、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bとが非対称に構成されている。
【0031】
具体的には、第1実施形態においては、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの長さL1は、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの長さL2よりも短くなっている。長さL1と長さL2との差や比等については、第1剤及び第2剤の粘度、内容物とノズル部14の流路14bとの粘性摩擦、ノズル部14の流路14bの断面積及び屈曲形状等によって適宜設定される。例えば、長さL1と長さL2との差は2〜10cmである。長さL1と長さL2との比(L1/L2)は0.3〜0.6である。
【0032】
また、並設された2個のポンプ付き容器10P,10Qにおいて、2個のノズル部14,14の流路14b,14bの断面積が実質的に同じになっているため、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの容積V1は、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの容積V2よりも小さくなっている。
容積V1と容積V2との差や比等については、第1剤及び第2剤の粘度、内容物とノズル部14の流路14bとの粘性摩擦、ノズル部14の流路14bの長さ、断面積及び屈曲形状等によって適宜設定される。例えば、容積V1と容積V2との差は2〜10cm3である。容積V1と容積V2との比(V1/V2)は0.3〜0.6である。
【0033】
第1実施形態の2連式吐出容器1は、前述した構成を有しているため、ポンピング手段6を操作することにより、ノズル部14等を介して、ピストン21がシリンダー20の内部を上下動し、ポンプ装置13のポンピング動作が行われる。
【0034】
以上の構成を有する第1実施形態の2連式吐出容器1によれば、以下の効果が奏される。
第1実施形態の2連式吐出容器1においては、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの長さL1が、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの長さL2よりも短くなっている。また、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの容積V1が、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの容積V2よりも小さくなっている。
従って、第1実施形態の2連式吐出容器1によれば、ポンピング手段6を用いて、並設された第1のポンプ付き容器10P及び第2のポンプ付き容器10Qにおける各ポンプ装置13,13のポンピング動作を行ったときに、第1のポンプ付き容器10Pの内容物を、第2のポンプ付き容器10Qの内容物よりもノズル部14から先に吐出させることができる。
【0035】
ポンプ本体15は、容器本体11の口部11bの内周面11cと密着する外周面部分16を有しており、この外周面部分16が容器本体11の口部11bの内周面11cに密着されて容器本体11で覆われた状態で、容器本体11の口部11bに固定されているので、容器本体11の口部11bから突出する部分を実質的にポンプ装置13のノズル部14のみとすることができる。そのため、2連式吐出容器1全体のコンパクト化を実現することができる。
【0036】
次に、本発明の2連式吐出容器の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、上述した第1実施形態と異なる点を主として説明し、同様の点は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。他の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0037】
第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの容積V1が、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの容積V2よりも小さくなっているが、その実現手段が異なる。
【0038】
具体的には、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14b及び第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bは、何れもクランク状を有し、その長さが実質的に同じである。一方、図4に示すように、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの断面積が一定であるのに対し、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の吐出口14a近傍の部分の断面積が、それ以外の部分の断面積(この断面積は第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの断面積と同じである)よりも大きくなっている。そのため、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの容積V1が、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの容積V2よりも小さくなっている。
【0039】
第2実施形態においては、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの長さL1と、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの長さL2とは実質的に同じになっている。
尚、ノズル部14の流路14bの断面積を異ならせる構成についての制限はなく、例えば、第1のポンプ付き容器10Pにおけるノズル部14の流路14bの断面積を、流路14bの全域に亘って、第2のポンプ付き容器10Qにおけるノズル部14の流路14bの断面積よりも小さくしてもよい。
ノズル部14の流路14bの断面積を異ならせると共に、流路14bの長さを異ならせることにより、流路14bの容積を異ならせることができる。
【0040】
第2実施形態の2連式吐出容器1によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される他、ノズル部14の流路14bの断面積を大きくすることで、粘性の高い内容物であっても軽い押圧で吐出が可能となる。
【0041】
本発明は、前述した実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、前述した各実施形態における各構成を適宜組み合わせることができる。
容器本体11は、前記実施形態においては、可撓性を有するシート材料からなる筒状体(つまりチューブ)であるが、本発明においては、チューブ以外の構成、例えば、袋状容器でもよい。
【0042】
ノズル部14の流路14bの屈曲形状は、上述した実施形態におけるノズル部14の流路14bの屈曲形状に制限されない。
ポンピング手段6の構成は、上述した実施形態のようにレバーから構成されたものに制限されず、ノズル部14と一体化されたものや、押しボタン構造を有するものでもよい。
ポンプ本体15の外周面部分16と容器本体11の口部11bの内周面11cとを密着接合させる手段は、ヒートシールの他、ホットメルト系接着剤でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の2連式吐出容器を示す正面図である。
【図2】図2は、第1実施形態の2連式吐出容器の上部の部分拡大断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態の2連式吐出容器のポンプ本体等の部分拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態の2連式吐出容器の上部の部分拡大断面図(図2対応図)である。
【符号の説明】
【0044】
1 2連式吐出容器
10、10P、10Q ポンプ付容器
11 容器本体
11a 下端部(一端部)
11b 口部
11c 内周面
13 ポンプ装置
14、14P、14Q ノズル部
14a 吐出口
14b 流路
15 ポンプ本体
16 外周面部分
19 計量室
5 ホルダ
6 ポンピング手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するシート材料からなる容器本体と該容器本体の口部に装着され且つポンプ本体及びノズル部を有するポンプ装置とを備えた第1及び第2のポンプ付き容器が並設された2連式吐出容器であって、
並設された前記第1及び第2のポンプ付き容器におけるノズル部は、その吐出口を相互に隣接させており、
並設された前記第1及び第2のポンプ付き容器における両方の前記ポンプ装置のポンピング動作を一つの操作で行うためのポンピング手段を備え、
第1及び第2のポンプ付き容器における前記容器本体に内容物を収容し、前記ポンピング手段を用いてポンピング動作を行ったときに、第1のポンプ付き容器の内容物が、第2のポンプ付き容器の内容物よりも前記ノズル部から先に吐出されるように構成されている2連式吐出容器。
【請求項2】
前記第1のポンプ付き容器における前記ノズル部の流路の長さが、前記第2のポンプ付き容器における前記ノズル部の流路の長さよりも短くなっている請求項1記載の2連式吐出容器。
【請求項3】
前記第1のポンプ付き容器における前記ノズル部の流路の容積が、前記第2のポンプ付き容器における前記ノズル部の流路の容積よりも小さくなっている請求項1又は2に記載の2連式吐出容器。
【請求項4】
前記第1のポンプ付き容器における前記ノズル部の流路は直線状であり、前記第2のポンプ付き容器における前記ノズル部の流路はクランク状である請求項1〜3の何れかに記載の2連式吐出容器。
【請求項5】
前記容器本体は、その一端部が閉塞された筒状体である請求項1〜4の何れかに記載の2連式吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−29515(P2009−29515A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165482(P2008−165482)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】