説明

2,4,6−オクタトリエン−1−酸及び2,4,6−オクタトリエン−1−オールの調製方法

本発明は、2,4,6−オクタトリエン−1−酸及び2,4,6−オクタトリエン−1−オールを合成するための方法に関するものであり、該方法は、a)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルを与えるための、2,4−trans−ヘキサジエナールとホスホノ酢酸トリエチル間での反応;b)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルのアルカリ加水分解であって、対応するアルカリ塩を与えるためのもの;c)2,4,6−trans−オクタトリエン酸を与えるための、前記塩の酸性化(ここで、2,4,6−trans−オクタトリエン酸は、単離されてもよいし、以下に示す更なる段階を受けてもよい);d)2,4,6−trans−オクタトリエン酸及びエチル炭酸によって形成される混合酸無水物を与えるための、2,4,6−trans−オクタトリエン酸のクロロギ酸エチルとの反応;e)2,4,6−trans−オクタトリエノールを与えるための、水素化ホウ素ナトリウムを用いた前記混合酸無水物の還元の段階を含み、任意には最終生成物の精製段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2,4,6−オクタトリエン−1−酸及び2,4,6−オクタトリエン−1−オールを合成するための新規な方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2,4,6−オクタトリエン−1−酸及び2,4,6−オクタトリエン−1−オールは、遊離ラジアルに対する抗酸化特性、例えば同一出願人が保有するEP1501774に記載されるような、抗炎症活性及び多数の機能性領域中におけるテストステロンの活性化に関与する酵素5−アルファ−レダクターゼの阻害、を持った薬学的興味のある化合物である。
【0003】
前述の化合物を得るための既知の合成は、対応するアルデヒドの2,4,6−オクタトリエン−1−アールを用いて行われる。これは、触媒としての酢酸ピリジニウムの存在下におけるクロトンアルデヒドの自己縮合によって得られる(Kuhn,R.,and Grundmann,Chem.Ber.,70,1318(1937))。しかしながら、前述の合成は、1種の単一化合物が優勢に得られず、クロトンアルデヒドの異なるユニットの縮合に由来する様々な付加物に相当する混合物をもたらす。それ故、例えば、2,4,6−オクタトリエナールを得るためには、多数の他の反応副生成物に加えて、8個の炭素原子(2,4,6−オクタトリエン−1−アール)、12個の炭素原子(2,4,6,8,10−ドデカペンタエン−1−アール)及び16個の炭素原子(2,4,6,8,10,12,14−ヘキサデカヘプタエン−1−アール)[それぞれがクロトンアルデヒドの2つ、3つ又は4つのユニットの縮合に由来する]を含んだアルデヒドの混合物が生成される。これら化合物は分離が困難であり、それ故に、所要の化合物の単離及び完全な精製後の、最終収率は、極端に低く、ほぼ2〜3%程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP1501774
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Kuhn,R.,andGrundmann,Chem.Ber.,70,1318(1937)
【発明の概要】
【0006】
本発明は、説明した化合物を調製するための新規な合成方法を提案するものであり、産業規模での製造を実質的に容易にし、最終生成物の高い収率及び純度を伴う。
【0007】
前述の目的のため、本発明は、2,4,6−オクタトリエン−1−酸及び2,4,6−オクタトリエン−1−オールから選択される少なくとも1種の化合物の調製方法を提案するものであり、該方法は、以下に示す段階:
a)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルを与えるための、2,4−trans−ヘキサジエナールとホスホノ酢酸トリエチル間での反応;
b)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルのアルカリ加水分解であって、対応する塩を与えるためのもの;
c)2,4,6−trans−オクタトリエン−1−酸を与えるための、前記塩の酸性化(ここで、2,4,6−trans−オクタトリエン−1−酸は、単離されてもよいし、以下に示す更なる段階を受けてもよい);
d)2,4,6−trans−オクタトリエン酸及びエチル炭酸によって形成される混合酸無水物を与えるための、2,4,6−trans−オクタトリエン酸のクロロギ酸エチルとの反応;及び
e)2,4,6−trans−オクタトリエノールを与えるための、水素化ホウ素ナトリウムを用いた前記混合酸無水物の還元
を含み、最終精製段階が任意に行われる。
【0008】
本発明に従う方法は、以下に示す合成スキームによって要約される。ここで、各化合物は、式及び分子量によって識別される:
【0009】
【化1】

【0010】
本発明の好適な実施態様において、第一の段階a)では、Witting−Hornerスキームに従って、トルエン中、ナトリウムメトキシドの存在下、出発化合物2,4−trans−ヘキサジエナール(ソルビックアルデヒド又はソルブアルデヒドとしても知られる)をホスホノ酢酸トリエチルと縮合させる。失活、抽出、洗浄及び濃縮の標準的な手順の後、2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルが得られる。なお、それをそのまま使用してもよいし、結晶化又は真空中での蒸留によって精製してもよい。通常、このようにして得られた2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルは、直接使用されるのに十分純粋である。
【0011】
第二の段階b)では、アルカリ性環境下、アルコール溶液又はヒドロアルコール溶液中における水酸化ナトリウム又はカリウムを用いて、2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルを加水分解する。通常、アルカリ性水酸化物は、測定して過剰に、周囲温度にて使用される。
【0012】
このようにして得られた2,4,6−trans−オクタトリエン酸アルカリ塩は、ろ過により単離されてもよいし、次の酸への変換のための水溶液に直接提供されてもよい。
【0013】
第三の段階c)では、水溶液中の2,4,6−trans−オクタトリエン酸塩を、希釈した鉱酸、例えば塩酸によって、酸性のpH、好ましくは約2が得られるまで、処理する。2,4,6−trans−オクタトリエン酸が沈殿し、母液からのろ過又は酢酸エチル若しくはジクロロメタン等の水と混ざらない溶媒による抽出によって分離できる。これに続いて、固体であれば真空下及び周囲温度にて又は溶液中であれば乾燥剤上にて完全な乾燥を行う。
【0014】
このようにして得られた2,4,6−trans−オクタトリエン−1−酸は、単離され、医薬分野における活性成分としてそのまま使用でき、或いは、それは、2,4,6−trans−オクタトリエン−1−オールを得るために、以下に示す更なる段階を受けることができる。
【0015】
後者の場合において、第四の段階d)では、2,4,6−trans−オクタトリエン酸をテトラヒドロフラン(THF)の溶液中に置き、低温にて、好ましくは約0℃にて、トリエチルアミン及びクロロギ酸エチルを用いて処理する。その反応が完了したら、トリエチルアンモニウム塩酸塩をろ過により除去し、2,4,6−trans−オクタトリエン酸及びエチル炭酸によって形成される混合酸無水物のTHF中での溶液を得、ここで、該溶液は、0℃以下の温度にて保たれ、1時間以内に使用される。
【0016】
第五の段階e)では、温度を+5℃以下に維持しつつ、前記混合酸無水物の溶液を、濃縮され且つソーダによって安定化させた水素化ホウ素ナトリウムの水溶液によって処理する。その反応が完了したら、濃縮及び水による希釈を受けて、未処理の2,4,6−trans−オクタトリエノールが沈殿し、ろ過又は溶媒による抽出によって分離できる。
【0017】
未処理の2,4,6−trans−オクタトリエノールの任意の最終的な精製は、飽和炭化水素又はヒドロアルコール混合物を用いた結晶化によって、好ましくは40℃以下の温度にて、行われる。純2,4,6−trans−オクタトリエノールが95%より高い収率で得られる。
【0018】
本発明の特徴及び利点をより一層理解するため、実際の実施態様の非制限的な例を以下に記載する。
【実施例】
【0019】
例1
第一段階a):2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルの調製.
厳しく制御された窒素雰囲気下にある、攪拌機、温度計、還流機、滴下装置、冷却槽を備えた2000mlフラスコ中に、以下のものを充填する:
トルエン(d0.865)250ml=216.5g、及びメタノール中における25%ナトリウムメトキシド溶液(M.W.54.02d0.945)108.04g=114.33ml=0.5モル。
【0020】
温度を20℃〜25℃に維持しつつ(わずかな発熱)、以下のものを滴下して加える:
ホスホノ酢酸トリエチル(M.W.224.19d1.13)112.09g=99.2ml=0.5モル。
【0021】
次いで、20℃〜25℃にて1時間攪拌を行う。
【0022】
温度を20℃〜30℃に維持しつつ、以下のものを滴下して加える:
ソルブアルデヒド>95%(M.W.96.13d0.87)48.06g=55.24ml=0.5モル。
【0023】
かなりの発熱があり、温度を20℃〜25℃に制御する。
【0024】
周囲温度にて、一晩(12時間)攪拌を行う。
【0025】
定性TLC分析コントロールを行う。定性TLCコントロールは、7/3の割合のヘキサン/アセトンを溶離液として使用する。
【0026】
20℃を超えないように冷却しつつ、水1000mlとトルエン200ml=173gとを用いてそれを希釈する。
【0027】
それを十分に攪拌し、相を分離し、水相を除去する。
【0028】
真空下、最大温度=40℃にて、それを残留物にする。
【0029】
2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチル(M.W.166.22)が、未処理の状態で(依然として溶媒を含有して)、104.3g得られる(理論量83.11g);定量的収率=0.5モル=理論量の100%。
【0030】
第二段階b)及び第三段階c):2,4,6−trans−オクタトリエン酸の調製.
同一のフラスコ中において、トルエンで湿っている2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチル(M.W.166.22)の残留物(83.11g=0.5モルに相当する)をエタノール95°(d0.79)300ml=237gによって回収する。
【0031】
その混合物を約30℃にて溶解し、次いで、冷却して温度を20〜25℃に維持し、それに、30%水酸化ナトリウム水溶液を注ぐ(M.W.40.0d1.31)166.7g=127ml=1.25モル=2.5モル/モル。それを周囲温度にて一晩(12時間)攪拌する。
【0032】
加水分解終了の定性TLC分析コントロールを行う。
【0033】
真空下、40℃にて濃縮を行う。脱イオン水1000mlを加え、その混合物を40℃にて溶解し、次いで、脱色炭10.0gを加える。
【0034】
それを40℃にて1時間攪拌し、少量の水で洗浄しながらろ過する。
【0035】
それをきれいな同一のフラスコ中に再充填し、0℃〜10℃に冷却する。
【0036】
20℃を超えずに、そこに37%塩酸を注ぐ(M.W.36.46d1.185)123.18g=103.9ml=1.25モル。
【0037】
pHを0〜2.0の間に調整し、約20℃にて10分間攪拌を行う。
【0038】
約1000mlの脱イオン水によって徹底的に洗浄しながら、それをBuchnerフィルター中に集める。
【0039】
それを、真空下、最大温度=40℃にて、CaCl上で、0.5%以下の残留湿度(Karl−Fischer法によって決定される)まで乾燥させる(およそ一晩)。
【0040】
2,4,6−trans−オクタトリエン酸(M.W.138.16)53.5g=0.387モル=理論量の77.4%を得る。
【0041】
TLCコントロールを行う。
【0042】
例2
第四段階d)及び第五段階e):2,4,6−trans−オクタトリエノールの調製
厳しく制御された窒素雰囲気の、攪拌機、温度計、還流機、滴下装置、冷却槽を備えた3000mlフラスコに、無水環境において、無水テトラヒドロフラン(d0.89)800ml=712g中における2,4,6−trans−オクタトリエン酸(M.W.138.16)53.5g=0.387モルを充填する。
【0043】
それを、周囲温度にて、完全に溶解するまで攪拌し、トリエチルアミンを滴下して加える(M.W.101.19d0.73)39.15g=53.6ml=0.387モル。
【0044】
それを0℃に冷却し、次いで、15℃を超えることなく、そこにクロロギ酸エチルを注ぐ(M.W.108.52d1.139)41.99g=36.86ml=0.387モル(かなりの発熱がある)。
【0045】
それを0℃にて1時間攪拌し、トリエチルアミン塩酸塩(TEA−HCl)の豊富な沈殿物の形成を得る。
【0046】
よく制御された無水環境を維持しつつ、TEA−HCl沈殿物をろ過し、それを十分にプレスし、無水テトラヒドロフラン200ml=178gを用いて徹底的に洗浄する。
【0047】
ろ液及び洗浄物質をきれいで乾燥した同一のフラスコ中に再充填し、全てのものを−15℃〜−10℃に冷却する。0℃の最大温度を超えないようにするため、発熱と発泡に注意しながら、激しい発熱を制御しつつ、約0℃に冷却した水素化ホウ素ナトリウム(M.W.37.8)21.9g=0.58モル=1.5モル/モルの溶液を、1時間/2時間で、水酸化ナトリウム0.2gを含有する脱イオン水50mlにゆっくりと滴下しながら加える。
【0048】
注入が完了したら、それを一晩攪拌する。ここで、温度は、そのままにしておき、自然発生的に20℃〜25℃まで上昇する。
【0049】
反応終了のTLCコントロールを行う。それを、真空下、最大温度30℃にて、THFが除去されるまで濃縮する。
【0050】
残留物を、よく攪拌しながら、脱イオン水1000mlによって回収する。
【0051】
それを0℃に冷却し、再び約1時間攪拌する。
【0052】
脱イオン水によって徹底的に洗浄し、よくプレスしながら、それをBuchnerフィルター中に集める。
【0053】
十分な量の湿った2,4,6−trans−オクタトリエノール45.5gを得る。
【0054】
例3
例1に記載されるようにして得た、水で湿っている2,4,6−trans−オクタトリエノールを、石油エーテルbp60°/80°(d0.68)200ml=136g中、周囲温度にて、1時間、パルプに希釈する。
【0055】
石油エーテル50ml=34gによって洗浄しながら、それをBuchnerフィルター中に集める。
【0056】
それを、真空下、周囲温度(25℃)にて乾燥させ、2,4,6−trans−オクタトリノールを得る(M.W.124.18)32.0g=0.258モル=オクタトリエン酸に対する理論量の66.8%及びソルブアルデヒドに対する理論量の51.6%。
【0057】
上述のように精製した最終生成物は、NMR及びHPLC分析を受け、純度が>95%であると決定される。
【0058】
上記記載の全体及び先に与えられた例から分かるように、本発明の方法は、製造を実質的に容易にし且つ産業規模で適用でき、最終生成物の高収率及び純度を伴う合成方法に従って、2,4,6−trans−オクタトリエン酸及び2,4,6−オクタトリエノールの両方の調製を可能にする。
【0059】
先行技術とは違って、本発明の方法は、最終生成物に関し、大量のクロトンアルデヒド、強烈な毒性の原料の使用を回避する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,4,6−オクタトリエン−1−酸及び2,4,6−オクタトリエン−1−オールから選択される少なくとも1種の化合物の調製方法であって、
段階a)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルを与えるための、2,4−trans−ヘキサジエナールとホスホノ酢酸トリエチル間での反応;
段階b)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルのアルカリ加水分解であって、対応するアルカリ塩を与えるためのもの;
段階c)2,4,6−trans−オクタトリエン−1−酸を与えるための、前記塩の酸性化(ここで、2,4,6−trans−オクタトリエン−1−酸は、単離されてもよいし、以下に示す更なる段階を受けてもよい);
段階d)2,4,6−trans−オクタトリエン酸及びエチル炭酸によって形成される混合酸無水物を与えるための、2,4,6−trans−オクタトリエン酸のクロロギ酸エチルとの反応;及び
段階e)2,4,6−trans−オクタトリエノールを与えるための、水素化ホウ素ナトリウムを用いた前記混合酸無水物の還元
を備え、最終生成物の精製段階が任意に行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の2,4,6−trans−オクタトリエン酸の調製方法であって、
段階a)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルを与えるための、2,4−trans−ヘキサジエナールとホスホノ酢酸トリエチル間での反応;
段階b)2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルのアルカリ加水分解であって、対応するアルカリ塩を与えるためのもの;及び
段階c)2,4,6−trans−オクタトリエン酸を与えるための、前記塩の酸性化
を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法によって得られた2,4,6−trans−オクタトリエン酸から出発する2,4,6−trans−オクタトリエノールの調製方法であって、
段階d)2,4,6−trans−オクタトリエン酸及びエチル炭酸によって形成される混合酸無水物を与えるための、2,4,6−trans−オクタトリエン酸のクロロギ酸エチルとの反応;及び
段階e)2,4,6−trans−オクタトリエノールを与えるための、水素化ホウ素ナトリウムを用いた前記混合酸無水物の還元
を備え、2,4,6−trans−オクタトリエノールの最終精製段階を任意に備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
前記段階a)では、トルエン中、ナトリウムメトキシドの存在下において、2,4−trans−ヘキサジエナールをホスホノ酢酸トリエチルと縮合させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記段階b)では、2,4,6−trans−オクタトリエン酸ナトリウムを与えるため、アルカリ性環境下、アルコール溶液又はヒドロアルコール溶液中における水酸化ナトリウムを用いて、2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルを加水分解することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記段階c)では、酸性のpHが得られ、2,4,6−trans−オクタトリエン酸が沈殿するまで、水溶液中に希釈された鉱酸を用いて2,4,6−trans−オクタトリエン酸ナトリウムを処理することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記段階d)では、2,4,6−trans−オクタトリエン酸をテトラヒドロフラン溶液中に置き、低温にてトリエチルアミン及びクロロギ酸エチルを用いて処理しており;該反応が完了したら、トリエチルアンモニウム塩酸塩をろ過により除去し、2,4,6−trans−オクタトリエン酸及びエチル炭酸によって形成される酸無水物の溶液を得、約0℃の最大温度にて保つことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記段階e)では、濃縮及び水による希釈を受けて未処理の2,4,6−trans−オクタトリエノールが沈殿し、ろ過又は溶媒による抽出によって分離されるまで、温度を5℃以下に維持しつつ、ソーダによって安定化させた濃縮水素化ホウ素ナトリウムの水溶液によって前記混合酸無水物を処理することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
未処理の2,4,6−trans−オクタトリエノールの前記精製が、飽和炭化水素又はヒドロアルコール混合物を用いた結晶化によって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記段階a)では、2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチルをそのまま次の段階に送るか又は結晶化若しくは真空下での蒸留によって精製すること特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記段階b)では、このようにして得た2,4,6−trans−オクタトリエン酸ナトリウムを、ろ過によって単離するか又は次の遊離酸への転化のための水溶液に直接提供することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
中間体である2,4,6−trans−オクタトリエン酸エチル、対応するナトリウム塩、並びに2,4,6−trans−オクタトリエン酸及びエチル炭酸によって形成される混合酸無水物。

【公表番号】特表2012−524044(P2012−524044A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505176(P2012−505176)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055019
【国際公開番号】WO2010/119117
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(504244025)ギウリアニ ソシエタ ペル アチオニ (7)
【Fターム(参考)】