説明

3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオールの新規製造方法

本発明は、関節リウマチの処置に有用なMAPキナーゼ阻害剤である6−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−[3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエチル)−プロピルアミノ]−8−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(1)の製造に有用な、鍵中間体、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の新規製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関節リウマチ(RA)は、主として女性に発生する、病因が不明の全身疾患である。RAに関連する進行性関節破壊は、マクロファージ、繊維芽細胞、滑膜細胞、及び血管からなるパンヌスと呼ばれる複合炎症組織により媒介される。サイトカインと呼ばれる分泌タンパク質が、パンヌスの形成と機能を制御する。RAの炎症を媒介する際に役割を果たすと信じられている特定のサイトカインには、TNFα、IL−1β、及びIL−6が含まれる。
【0002】
P38α MARKは、TNFα及びIL−1βの生成のための細胞内シグナル伝達経路にとって重要な酵素である。リポ多糖、浸透圧又は熱衝撃などのストレスシグナルを含む多様な細胞外刺激、及びTNFα、IL−1βなどの炎症促進性サイトカインが、P38経路を刺激する。P38α経路の活性化が、共に細胞型かつ特定の信号であるTNFα、IL−1βの遺伝子発現の転写及び翻訳調節を引き起こす。
【0003】
炎症促進性サイトカイン(TNFα及びインターロイキン[IL]−1Bなどの腫瘍壊死因子)を選択的に中和する生物学的作用物質が、関節膨張及び関節圧痛の数を減少させ、関節組織の破壊を遅延させることが示されてきた。ピリジニルイミダゾールクラスのP38阻害剤は、関節組織の破壊ならびに単球及び関節炎の動物モデルにおけるTNFαとIL−1βの生成を妨げる。現在、TNFα又はIL−1βを阻害するように主に作用する、経口で活性で、安全かつ効果的な作用物質は市販されていない。RAに対する現在の標準的な経口療法と比較して増加した安全性や効力を提供する潜在性を有し、IL−1β、TNFα、及び関連するサイトキン生成を抑制するであろう経口薬剤として、6−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−[3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエチル)−プロピルアミノ]−8−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(1)が開発されている。
【0004】
国際特許公報;WO 02/18379 (A2)、WO 01/29401 (A1)、及びWO 02/064594 (A2)及び米国特許出願公報2005/0107408 (A1)は、6−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−[3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエチル)−プロピルアミノ]−8−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(1)の製造方法及びP38介在性障害の処置のためのその使用を開示している。
【0005】
6−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−[3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエチル)−プロピルアミノ]−8−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(1)は、下記スキーム1で示すように、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)とスルホン中間体(3)をカップリングすることにより製造することができる。
【0006】
【化1】

【0007】
化合物(1)を製造するための主要な中間体の一つは、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)である。中間体(2)を製造するための幾つかの合成経路が、文献(Helvetica Chimica Acta, vol. 8, page 2145-2155 (1964)、及びPCT/EP2007/063835)に開示されている。これらの合成経路には、工業規模製造の高い製造コスト、環境影響、及び技術的困難さといった欠点がある。
【0008】
文献の方法(Helvetica Chimica Acta, vol. 8, page 2145-2155 (1964))では、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)(スキーム2で示す)を、保護されていない3−アミノ−グルタル酸ジエチルHCl塩(4)の水素化アルミニウムリチウム(LAH)還元により製造する。
【0009】
【化2】

【0010】
3−アミノ−グルタル酸ジエチルHCl塩(4)を、文献の手順(J. Amer. Chem. Soc. vol. 77, page 5427 (1955))に従って製造する。アルミニウム塩からの水溶性の3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の単離は非常に困難で、低収率に終わる。LAHを大規模に取り扱うことは危険である。
【0011】
3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の別の製造方法は、PCT/EP2007/063835に記載され、スキーム3で示す。
【0012】
【化3】

【0013】
脱ベンジル化した3−N−ベンジルアミノ−グルタル酸ジメチル(6)を還元し、続いて水性後処理すると、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)は低い回収率に終わる。3−N−ベンジルアミノ−ペンタン−1,5−ジオール(7)の非常に良好な回収率は、3−N−ベンジルアミノ−グルタル酸ジメチル(6)の還元の後に水溶液処理を行うことにより得られた。3−N−ベンジルアミノ−ペンタン−1,5−ジオール(7)は水溶性ではないので、アルミニウム塩からの抽出は非常に容易である。3−N−ベンジルアミノ−ペンタン−1,5−ジオール(7)を、結晶性トシラート塩を介して精製する。3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)を得るためのベンジル基の最終的な脱保護は、非水性条件下で可能であった。
【0014】
3−N−ベンジルアミノ−グルタル酸ジメチル(6)の3−N−ベンジルアミノ−ペンタン−1,5−ジオール(7)への還元は、2つの方法で達成することができる。1つの方法は、安価な水素化ホウ素ナトリウムを用いる。この方法は長い反応時間、例えば、72時間を要し、下流工程では除去することが困難な不純物をもたらす。代替的な方法は、容易に拡張可能な還元剤である、ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム水素化物(vitride)のトルエン溶液を用いる。vitrideでの還元後のアルミニウム塩からのベンジル保護した3−N−ベンジル−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(7)の回収は、複数回、例えば、5又は6回のジクロロメタン溶媒を用いた抽出を必要とする。アミノジオールの結晶性トシラート塩の形成が、蒸留の必要性を排除する。3−N−ベンジルアミノ−グルタル酸ジメチル(6)から出発するこの方法は、69%の総収率を有する。
【0015】
本発明は、関節リウマチの処置に使用するMAPキナーゼ阻害剤として調査されている6−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−[3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエチル)−プロピルアミノ]−8−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(1)の製造に有用な、鍵中間体、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の新規製造方法を提供する。
【0016】
3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)は、容易に入手可能で安価なジメチルアセトン−1,3−ジカルボキシラート(8)から出発する2つの単離工程(4つの化学反応)で合成する。鍵反応は、水素化ホウ素ナトリウムを使用する3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10)(tert−ブトキシカルボニル=Boc)の還元(Boc保護基はエステル還元の比率を顕著に促進する)及びBoc基の脱保護の組み合わせ及び酸性樹脂を使用する単一の化学操作を用いる3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の精製である。Amberlystポリマー系イオン交換樹脂は、異なる表面特性及び多孔性を有する官能基化スチレンジビニルベンゼンコポリマーの使用を主に伴う。官能基は一般に硫酸型である。これらの樹脂は、ゲル状又は大網状の球形ビーズとして供給される。市販の酸性樹脂の例には、Amberlite IR-120、Amberlyst 15、Amberlite FPC22H、及びAmberliteFPC23Hがある。
【0017】
酸性樹脂の使用により、最後の工程での水性後処理の必要性が排除され、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)が高収率及び良好な品質で得られる。ジメチルアセトン−1,3−ジカルボキシラート(8)から出発した総収率は89%であり、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の純度は99.5%である。
【0018】
本発明は、安価で容易に入手可能な出発物質である、ジメチルアセトン−1,3−ジカルボキシラート(8)からの、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオールの直線的な2工程の製造方法を提供する。本発明の方法は更に、水素化ホウ素ナトリウムなどの安全で安価な還元剤を用いる3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10)の容易な還元を提供する。本発明の方法を、スキーム4により示すことができる。
【0019】
【化4】

【0020】
中間体3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10)は、スキーム5に従い、安価なジメチルアセトン−1,3−ジカルボキシラート(8)から出発する2つの工程で製造することができる。最初に、ジメチルアセトン−1,3−ジカルボキシラート(8)を、MeOH又はMe−THF溶媒中の炭酸水素アンモニウムで処理することにより、中間体3−エナミノ−グルタル酸ジメチル(9)を得る(工程A)。2−メチルテトラヒドロフラン(Me−THF)は非プロトン性エーテル溶媒であり、THFのように強ルイス塩基であるが、水に対して部分的にしか混和性でない。Me−THFは、再生可能な資源から製造される市販溶媒である。Me−THFの特性は、溶媒極性及びルイス塩基強度において、テトラヒドロフランとジエチルエーテルの間に位置する(Organic Process Research & Development Vol. 11, page 156 (2007)。
【0021】
【化5】

【0022】
3−エナミノ−グルタル酸ジメチル(9)の1ポット還元、その後の遊離アミンの保護は、MeOH又はMe−THF溶媒中の二炭酸ジ−tert−ブチル及びラネー水素化を使用して達成することができる(工程B/C)。
【0023】
【化6】

【0024】
中間体3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10)は、水素化ホウ素ナトリウムで、3−アミノ−N−Boc−ペンタン−1,5−ジオール(11)に還元して、次にそれを水性後処理の後単離することができる(工程D)。
【0025】
【化7】

【0026】
最後に、3−アミノ−N−Boc−ペンタン−1,5−ジオール(11)を強酸性樹脂で還流することにより、N−tert−ブトキシカルボニル基の脱保護及び所望の3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の精製が可能となり、樹脂を7N水酸化アンモニウム水溶液で処理することにより、所望のアミノジオール(2)を樹脂から放出させる(工程E)。
【0027】
【化8】

【0028】
実施例
本発明に従って、以下の実施例が、6−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−[3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエチル)−プロピルアミノ]−8−メチル−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン(1)の製造に有用な、鍵中間体(2)の製造を説明するために示される。
【0029】
実施例1
ジメチルアセトン−1,3−ジカルボキシラート(8)の重炭酸アンモニウムとの反応(工程A)
【0030】
【化9】

【0031】
機械式攪拌機、熱電対及び窒素入口/バブラーを備えた2L4首丸底フラスコに、MeOH 180ml中のMe−THF 60ml、炭酸水素アンモニウム73.6g、及びジメチルアセトン−1,3−ジカルボキシラート(8)80.0gを入れた。反応物を20℃で18時間撹拌した。反応の進行を、ガスクロマトグラフィーにより観察した。反応の完了後(<1%出発物質)、固体を濾過し、MeOHを大気圧で蒸留し、Me−THF中の工程Aの生成物(9)(3−エナミノ−グルタル酸ジメチル)を、直接次の工程(B/C)に入れた。ガスクロマトグラフィーは、98%の(9)を示した。
【0032】
実施例2
エナミノ−ジエステル(9)のラネーNi還元とその後の二炭酸ジ−tert−ブチルでの保護(工程B/C)
【0033】
【化10】

【0034】
機械式攪拌機、熱電対、窒素、及び水素入口を備えた1Lオートクレーブに、3−エナミノ−グルタル酸ジメチル(9)80g、Me−THF 120.0mlに溶解した二炭酸ジ−tert−ブチル[BocO、1.1当量]96.0g、及びスポンジ状ラネーニッケル8.0gを含有するMe−THF溶液220mlを入れた。反応混合物を撹拌し、次に反応器を真空下に置き、5分間保持した。次に、反応器を20psi窒素で加圧し、5分間保持した。真空/窒素サイクルを更に3回繰り返した。反応物を真空下に放置した。反応物を20〜100psi水素で加圧し、5分間保持し、続いて10psi圧力で水素を放出させた。水素パージを更に3回繰り返した。次に、反応物を20〜100psi水素圧で放置し、反応物を加熱した。反応温度が85℃に達したら、H圧を30〜200psiに調整し、反応物を速度500rpmで撹拌した。反応を85℃/30〜200psiHで保持した。反応を30psiH圧で行っている場合、3時間後に反応物を水素で1回脱気することが必要となる。6時間後、バッチを40℃の温度に冷却し、H圧を開放した。反応生成物をサンプルとし、反応をガスクロマトグラフィーにより監視した(<1%出発物質)。反応物を20℃に冷却し、セライトを通して濾過し、有機濾液を回収した。所望の3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10)を含有する有機層を、直接次の工程に持ち込んだ。
【0035】
実施例3
3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10)の水素化ホウ素ナトリウム還元及び3−アミノ−N−Boc−ペンタン−1,5−ジオール(11)の形成
【0036】
【化11】

【0037】
機械式攪拌機、熱電対、添加漏斗及び窒素入口/バブラーを備えた2L4首丸底フラスコに、Me−THF溶液中の3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10)117.6g(Me−THF34重量%)及び水素化ホウ素ナトリウム16.5gを入れた。55℃に加熱した後、Me−THF 100mlで希釈した無水メタノール26.7mlをゆっくりと反応物に加えた。添加の間反応温度を55℃〜60℃に維持した。添加後、バッチを55℃の温度で保持した。反応の工程をNMRにより監視した。NMRに基づき、反応は3時間で完了した(<0.5%のSM)。過剰量のボランをアセトン20mlでクエンチした。バッチを60℃で逆クエンチし、水125mlを含有する容器に入れ、続いて3N HCl 30mlを1時間かけて加えた。添加の間、反応pHは14から11に降下した。所望の3−アミノ−N−Boc−ペンタン−1,5−ジオール(11)を含有する有機相を60℃で分離し、次の脱保護及び精製工程に直接入れた。
【0038】
実施例4
3−アミノ−N−Boc−ペンタン−1,5−ジオール(11)の脱保護及び精製ならびに3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)の形成
【0039】
【化12】

【0040】
機械式攪拌機、熱電対、添加漏斗及び窒素入口/バブラーを備えた1L4首丸底フラスコに、3−アミノ−N−Boc−ペンタン−1,5−ジオール(11)溶液150.0ml及びAmberlite FPC22Hイオン交換樹脂96.0gを入れた。反応物を75℃(バッチ温度)に加熱し、反応物を75℃で保持した。反応の進行を、ガスクロマトグラフィー(GC)により観察した。GCに基づき、脱保護は4時間で完了した(<1%SM)。バッチを20℃まで冷却し、濾過して、樹脂を回収した。樹脂をメタノール50mlですすいだ。樹脂を別の1L反応器に移し、それに、予め冷却した(4℃)7Nアンモニアメタノール溶液[アンモニアを0℃でメタノール中に泡立てて製造]150mlを入れた。添加は発熱性であったので、メタノール性アンモニアを非常にゆっくりと樹脂に加えた。反応物を室温(RT)に暖め、反応物を1時間20℃で保持した。バッチを濾過し、樹脂及び所望の化合物を含有するメタノール性アンモニア溶液を別々に回収した。7Nアンモニアメタノール溶液150mlを使用して、樹脂抽出工程を、メタノール性アンモニアを用いて2回繰り返した。明黄色を取り除くために、合わせたメタノール性溶液を、炭素/セライトのベッド(炭素30グラム:セライト上の1インチベッド)を通して濾過した。メタノールを大気圧で蒸留して、所望の3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)を総収率89%で得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−アミノ−N−Boc−グルタル酸ジメチル(10):
【化13】


を製造するワンポット方法であって、
a)式(9):
【化14】


で示される化合物を、MeOH又はMe−THF中で、ラネーニッケル還元して;そして、
b)アミン中間体を、MeOH又はMe−THF溶媒中、二炭酸ジ−tert−ブチルでそのまま保護して、式(10):
【化15】


で示される化合物を形成する工程を含む方法。
【請求項2】
式(9):
【化16】


で示される化合物を、式(8):
【化17】


で示される化合物を、MeOH又はMe−THF中、炭酸水素アンモニウムで処理することを含む方法により製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(11):
【化18】


で示される化合物を、THF又はMe−THF溶媒中での、式(10):
【化19】


で示される化合物の水素化ホウ素ナトリウム還元により製造する方法。
【請求項4】
式(10):
【化20】


で示される化合物を、MeOH又はMe−THF中で、式(9):
【化21】


で示される化合物を、ラネーニッケル還元して;そして、
b)アミン中間体を、MeOH又はMe−THF溶媒中、二炭酸ジ−tert−ブチルでそのまま保護して、式(10):
【化22】


で示される化合物を形成する工程を含む方法により製造する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
式(9):
【化23】


で示される化合物を、式(8):
【化24】


で示される化合物を、MeOH又はMe−THF中、炭酸水素アンモニウムで処理することを含む方法により製造する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
式(2):
【化25】


で示される化合物を製造する方法であって、
a)式(11):
【化26】


で示される化合物から、酸性樹脂での還流により、tert−ブトキシカルボニル基を脱保護して、3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール 式(2)[式中、アミノ−ジオールは樹脂に結合している]を得て;そして、
b)樹脂をMeOHで洗浄し、樹脂を、MeOH中7N水酸化アンモニア水溶液で処理して、樹脂に結合した3−アミノ−ペンタン−1,5−ジオール(2)を放出させることにより、式(2)の化合物をそのまま精製することを含む方法。
【請求項7】
酸性樹脂が、Amberlite IR-120、Amberlyst 15、Amberlite FPC22H、及びAmberlite FPC23Hからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(11):
【化27】


で示される化合物を、THF又はMe−THF溶媒中での、式(10):
【化28】


で示される化合物の水素化ホウ素ナトリウム還元により製造する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
式(10):
【化29】


で示される化合物を、
a)式(9):
【化30】


で示される化合物を、MeOH又はMe−THF中で、ラネーニッケル還元して;そして、
b)アミン中間体を、MeOH又はMe−THF溶媒中、二炭酸ジ−tert−ブチルでそのまま保護して、式(10):
【化31】


で示される化合物を形成する工程を含む方法で製造する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
式(9):
【化32】


で示される化合物を、式(8):
【化33】


で示される化合物を、MeOH又はMe−THF中、炭酸水素アンモニウムで処理することを含む方法により製造する、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2010−529973(P2010−529973A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511595(P2010−511595)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057072
【国際公開番号】WO2008/151992
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】