説明

3次元グラフィックス描画装置、その方法及びプログラム

【課題】ジオメトリ処理等を行うための演算回路を備えた3次元グラフィックス描画装置において、実行可能な演算の種類の追加や変更を容易に行えるようにする。
【解決手段】描画命令・データ発生装置1が、演算種別情報が設定された命令フィールド及び演算対象データが設定された複数のデータフィールドからなる描画命令・データを出力し、接続構成切替パターン生成器2が、命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを接続構成切替器3に出力する。接続構成切替器3は、マトリクススイッチを有しており、接続構成切替パターン生成器2からの接続構成切替パターンに従って、マトリクススイッチの交点のオンオフ状態を制御し、レジスタ群4、演算器群5の接続構成を変更することにより、命令フィールドに設定されている演算種別情報に従った演算を行う。描画器6は、接続構成切替器3から出力される演算結果に従った描画処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジオメトリ処理などを行うための演算回路を備えた3次元グラフィックス描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元グラフィックス描画装置では、ジオメトリ処理などを行うために、積和演算などの各種の演算を行っている。従来の一般的な3次元グラフィックス描画装置では、CPUに演算プログラムを実行させることにより各種演算を行ったり、或いは、処理のフローに合わせて複数の演算器やレジスタ等を組み合わせた、接続構成が固定的な専用のハードウェアを用いて各種演算を行っていた。
【0003】
しかし、CPUを用いる従来の技術は、専用のハードウェアを用いる場合に比較して演算速度が遅く、高速な描画処理を行うことができないという問題がある。一方、専用のハードウェアを用いる従来の技術は、演算速度が速く、高速な描画処理を行うことができる。しかし、演算器とレジスタとの接続構成が固定されているため、部品点数が多くなり、コストがかかってしまうという問題がある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するため、複数の演算器と複数のレジスタとを有する演算回路において、演算器とレジスタとの間に制御回路によって制御されるセレクタを設けることにより、演算器とレジスタとの接続構成を動的に変更できるようにした演算回路が提案された(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−202964号公報
【特許文献2】特開2004−118713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1、2に記載されている従来の技術によれば、セレクタによって接続構成を変更することにより、同一の演算器およびレジスタを使用して異なる演算(例えば、内積演算と行列演算)を実行ができるため、部品数を削減し、コストを抑えることができる。しかし、この従来の技術は、セレクタを利用して演算器とレジスタとの接続構成を変更するようにしているため、実行可能な演算の種類を追加したり変更することが容易でないという問題がある。即ち、実行可能な演算の種類を追加する場合には、セレクタを追加することが必要になり、また、実行可能な演算の種類を変更する場合には、セレクタの配置位置を変更することが必要になるため、実行可能な演算の種類を追加、変更することが容易でないという問題がある。
【0007】
〔発明の目的〕
そこで、本発明の目的は、ジオメトリ処理などを行うための演算回路を備えた3次元グラフィックス描画装置において、実行可能な演算の種類の追加や変更を容易に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる第1の3次元グラフィックス描画装置は、
演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データを出力する描画命令・データ発生装置と、
複数の演算器と、
複数のレジスタと、
前記描画命令・データ発生装置から出力される各データフィールドが入力されると共に、前記複数の演算器および前記複数のレジスタが接続され、各交点のオンオフ状態を入力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチを有する接続構成切替器と、
前記描画命令・データ発生装置から出力される命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを生成し、前記接続構成切替器に対して出力する接続構成切替パターン生成器と、
前記接続構成切替器から出力される演算結果に従った描画処理を行う描画器とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる第2の3次元グラフィックス描画装置は、第1の3次元グラフィックス描画装置において、
前記接続構成切替パターン生成器が、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンが登録された接続構成切替パターン記憶部と、
該接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの中から、前記描画命令・データ発生装置が出力した命令フィールドに設定されている演算種別情報と対応する接続構成切替パターンを選択し、該選択した接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力する選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる第3の3次元グラフィックス描画装置は、第1の3次元グラフィックス描画装置において、
前記接続構成切替パターン生成器が、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する複数の接続構成切替パターンがカウント値に対応付けて登録された接続構成切替パターン記憶部と、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンのパターン数が登録されたパターン数テーブルと、
該パターン数テーブルに登録されているパターン数の内の、前記描画命令・データ発生装置から出力された命令フィールド中の演算種別情報に対応するパターン数に応じたカウント動作を行うカウンタと、
前記接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの内の、前記カウンタのカウント値と、前記描画命令・データ発生装置から出力される命令フィールド中の演算種別情報とによって特定される接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力する選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる第4の3次元グラフィックス描画装置は、
演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データが複数登録されたメモリと、
該メモリに格納されている各描画命令・データについて、その命令フィールドに設定されている演算種別情報に応じた複数の接続構成切替パターンを生成して前記メモリに登録する処理、前記メモリに登録した接続構成切替パターンを転送する処理、および前記転送した接続構成切替パターンと対応する描画命令・データの複数のデータフィールドをDMAコントローラによりDMA転送する処理を行うCPUと、
複数の演算器と、
複数のレジスタと、
前記DMA転送された複数のデータフィールドが入力されると共に、前記複数の演算器および前記複数のレジスタが接続され、各交点のオンオフ状態を入力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチを有する接続構成切替器と、
前記転送された複数の接続構成切替パターンを一時的に保持し、該保持した複数の接続構成切替パターンを、前記接続構成切替器に対して順次出力する接続構成切替パターン出力手段と、
前記接続構成切替器から出力される演算結果に従った描画処理を行う描画器とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる第1の3次元グラフィックス描画方法は、
描画命令・データ発生装置が、演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データを出力し、
接続構成切替パターン生成器が、前記描画命令・データ発生から出力される命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを生成し、
前記描画命令・データ発生装置から出力される各データフィールドが入力されると共に、複数の演算器および複数のレジスタが接続されるマトリクススイッチを有する接続構成切替器が、前記接続構成切替パターン生成器が生成した接続構成切替パターンに従って前記マトリクススイッチの各交点のオンオフ状態を制御し、
描画器が、前記接続構成切替器から出力される演算結果に従って描画処理を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる第2の3次元グラフィックス描画方法は、第1の3次元グラフィックス描画方法において、
前記接続構成切替パターン生成器が、演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンが登録された接続構成切替パターン記憶部を有し、前記描画命令・データ発生装置から描画命令・データが出力されたとき、前記接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの中から、前記描画命令・データ中の命令フィールドに設定されている演算種別情報に対応する接続構成切替パターンを選択し、該選択した接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力することを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる第3の3次元グラフィックス描画方法は、第1の3次元グラフィックス描画方法において、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する複数の接続構成切替パターンがカウント値に対応付けて登録された接続構成切替パターン記憶部と、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンのパターン数が登録されたパターン数テーブルとを有し、
前記接続構成切替パターン生成器が、
前記描画命令・データ発生装置から描画命令・データが出力されたとき、前記パターン数テーブルに登録されているパターン数の内の、前記描画命令・データのデータフィールドに設定されている演算種別情報に対応したパターン数に従ったカウント動作を行うと共に、前記接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの内の、前記カウント動作に伴うカウント値と前記演算種別情報とによって特定される接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力することを特徴とする。
【0015】
本発明にかかるプログラムは、
演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データが複数登録されたメモリと、
複数の演算器と、
複数のレジスタと、
DMA転送されてきた複数のデータフィールドが入力されると共に、前記複数の演算器および前記複数のレジスタが接続され、各交点のオンオフ状態を入力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチを有する接続構成切替器と、
転送されてきた複数の接続構成切替パターンを一時的に保持し、該保持した複数の接続構成切替パターンを、前記接続構成切替器に対して順次出力する接続構成切替パターン出力手段と、
前記接続構成切替器から出力される演算結果に従った描画処理を行う描画器とを備えたコンピュータに、
前記メモリに格納されている各描画命令・データについて、その命令フィールドに設定されている演算種別情報に応じた複数の接続構成切替パターンを生成して前記メモリに登録する処理、
前記メモリに登録した接続構成切替パターンを前記接続構成切替パターン出力手段へ転送する処理、
および前記転送した接続構成切替パターンに対応する描画命令・データの複数のデータフィールドをDMAコントローラによりDMA転送する処理を行わせる。
【0016】
〔作用〕
描画命令・データ発生装置が、演算種別情報が設定された命令フィールド及び演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データを出力すると、接続構成切替パターン生成器が、命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを生成し、生成した接続構成切替パターンを接続構成切替器に出力する。
【0017】
接続構成切替器は、マトリクススイッチを備えており、このマトリクススイッチには、描画命令・データ発生装置が出力したデータフィールドが入力されると共に、複数個のレジスタ及び複数個の演算器が接続されている。接続構成切替器は、接続構成切替パターン生成器から出力された接続構成切替パターンに従って、マトリクススイッチの交点のオンオフ状態を制御し、演算器とレジスタとの接続構成を変更することにより、演算器及びレジスタを使用して命令フィールドに設定されている演算種別情報に従った演算を行う。描画器は、接続構成切替器から出力される演算結果に従った描画処理を行う。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ジオメトリ処理などを行うための演算回路を備えた3次元グラフィックス描画装置において、実行可能な演算の種類の追加や変更を容易に行うことが可能になる。
【0019】
その理由は、描画命令・データ発生装置から出力されるデータフィールドが入力されると共に、複数の演算器および複数のレジスタが接続され、各交点のオンオフ状態を接続構成切替パターン生成器から出力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチを有する接続構成切替器と、描画命令・データ発生装置から出力される命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを生成し、接続構成切替器に対して出力する接続構成切替パターン生成器とを備えているからである。つまり、接続構成切替パターン生成器から出力する接続構成切替パターンの種類を追加、変更するだけで、実行可能な演算の種類を追加したり、変更することができ、従来の技術のように、セレクタの追加、セレクタの配置位置の変更といったハードウェアの変更を行う必要がないからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
〔第1の実施の形態の構成の説明〕
図1は、本発明にかかる3次元グラフィックス描画装置の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、本実施の形態は、描画命令・データ発生装置1と、接続構成切替パターン生成器2と、接続構成切替器3と、複数のレジスタからなるレジスタ群4と、複数の演算器からなる演算器群5と、描画器6と、LCD等の表示装置7とから構成されている。
【0022】
描画命令・データ発生装置1は、演算種別を示す演算種別情報が設定された命令フィールドと、それぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドとから構成される描画命令・データを出力する機能を有する。図2は、描画命令・データの一例を示すものであり、最上位ビット側から順に、命令フィールド、第1〜第4のデータフィールドが配置されている。なお、命令フィールドは、接続構成切替パターン生成器2に供給され、データフィールドは接続構成切替器3に供給される。また、各フィールドのサイズは任意のサイズで良いが、本実施の形態では、各フィールドのサイズは8ビットであるとする。
【0023】
接続構成切替パターン生成器2は、描画命令・データ発生装置1から出力される描画命令・データの命令フィールドを入力し、接続構成切替器3に対して接続構成切替パターンを出力する機能を有する。
【0024】
図3は、接続構成切替パターン生成器2の構成例を示すブロック図であり、命令フィールド検出器21と、セレクタ22と、Dフリップフロップ(DFF)23と、パターン数テーブル24と、カウンタ25と、選択手段26と、接続構成切替パターン記憶部27とを備えている。
【0025】
命令フィールド検出器21は、描画命令・データ発生装置1が出力する命令フィールドを検出し、描画命令・データ発生装置1が描画命令・データを出力している間、命令フィールド検出信号aを“1”とする機能を有する。
【0026】
セレクタ22は、命令フィールド検出信号aが“1”の場合は、描画命令・データ発生装置1が出力する命令フィールドに設定されている演算種別情報を選択し、“0”の場合はDフリップフロップ23から出力されている演算種別情報を選択する。
【0027】
Dフリップフロップ23は、セレクタ22から出力される演算種別情報を保持する機能を有する。Dフリップフロップ23から出力される演算種別情報は、セレクタ22、パターン数テーブル24及び選択手段26に供給されている。
【0028】
パターン数テーブル24は、例えば、書き換え可能な不揮発性メモリなどによって実現されるものであり、各演算種別情報“00000001”〜“11111111”に対応する接続構成切替パターンのパターン数が登録されている。また、パターン数テーブル24には、Dフリップフロップ23の出力(演算種別情報)がリードアドレスとして入力されている。また、パターン数テーブル24の内容は、図示を省略した書き換え手段によって変更可能なものである。つまり、実行可能な演算の種類を追加、変更する場合には、上記書き換え手段を用いてパターン数テーブル24の内容を変更すれば良い。
【0029】
図4は、パターン数テーブル24の一例を示した図であり、アドレス“00000001”〜“11111111”には、それぞれ演算種別情報“00000001”〜“11111111”の接続構成切替パターンのパターン数が登録されている。従って、Dフリップフロップ23から例えば演算種別情報“00000001”が出力されている場合には、アドレス“00000001”に格納されている、演算種別情報“00000001”に対応する接続構成切替パターンのパターン数「4」が出力され、また、例えばDフリップフロップ23から演算種別情報“11111111”が出力されている場合には、アドレス“11111111”に格納されている、演算種別情報“11111111”に対応する接続構成切替パターンのパターン数「5」が出力される。
【0030】
カウンタ25は、命令フィールド検出信号aが“1”のとき、システムクロックCKの立ち上がりでカウント値が「0」にリセットされ、カウント値がパターン数テーブル24から出力されるパターン数より「1」小さな値となるまで、システムクロックCKの立ち上がりでカウント値をインクリメントする。カウント値が(パターン数−1)になった後は、システムクロックCKが立ち上がっても現在のカウント値を保持する。カウンタ25のカウント値は、選択手段26に供給されている。なお、本実施の形態では、カウンタ25の出力は4ビットであるとする。
【0031】
選択手段26は、接続構成切替パターン記憶部27に登録されている接続構成切替パターンの内の、Dフリップフロップ23から供給されている演算種別情報とカウンタ25から供給されているカウント値とに対応する接続構成切替パターンを、接続構成切替器3に対して出力する機能を有する。具体的には、選択手段26は、Dフリップフロップ23から供給される8ビット構成の演算種別情報と、カウンタ25から供給される4ビット構成のカウント値とを合成した12ビット構成のリードアドレス(演算種別情報が最上位ビット側に配置されている。図5参照)を接続構成切替パターン記憶部27に供給することにより、該当する接続構成切替パターンを接続構成切替パターン記憶部27から読み出し、接続構成切替器3に供給する。
【0032】
接続構成切替パターン記憶部27は、例えば、書き換え可能な不揮発性メモリによって実現されるものであり、各演算種別情報に対応する複数の接続構成切替パターンが、カウント値に対応付けて登録されている。また、接続構成切替パターン記憶部27には、選択手段26の出力がリードアドレスとして供給されている。また、接続構成切替パターン記憶部27の内容は、図示を省略した書き換え手段によって書き換えることができる。従って、実行可能な演算の種類を追加、変更する場合には、上記書き換え手段を用いて接続構成切替パターン記憶部27の内容を書き換えれば良い。
【0033】
図6は、接続構成切替パターン記憶部27の一例を示す図であり、アドレス「000000010000」〜「000000011111」、「000000100000」〜「000000101111」、…、「111111110000」〜「111111111111」が、それぞれ演算種別情報「00000001」、「00000010」、…、「11111111」に対応する領域となっている。例えば、演算種別情報「00000001」に対応する領域においては、下位4ビットが「0000」〜「0011」の4個の領域(カウント値が「0」〜「3」に対応する領域)に接続構成切替パターンが登録され、下位4ビットが「0100」〜「1111」の12個の領域(カウント値が「4」〜「15」に対応する領域には、接続構成切替パターンは登録されていない。また、演算種別情報「00000001」に対応する4個の接続構成切替パターンの内の、最後の接続構成切替パターン(カウント値「3」に対応する接続構成切替パターン)は、接続構成切替器3に対して演算結果の出力を指示するものでなければ、任意のパターンで良く、その1つ前の接続構成切替パターンは、接続構成切替器3に対して演算結果の出力を指示するパターンでなければならない。なお、接続構成切替パターンについては、後で詳しく説明する。
【0034】
図7は、接続構成切替器3、レジスタ群4及び演算器群5の構成例を示すブロック図である。
【0035】
同図を参照すると、接続構成切替器3は11行×N列のマトリクススイッチ31と、ORゲート32とから構成され、レジスタ群4は、6個のレジスタ41〜46から構成され、演算器群5は2個の積和演算器51、52から構成されている。
【0036】
マトリクススイッチ31のA列〜D列には、それぞれ描画命令・データ発生装置1が出力する第1〜第4のデータフィールドが入力され、第0行、第3行、第4行、第6行、第8行、第9行にはそれぞれレジスタ41〜46の入力端子が接続され、第1行、第2行には積和演算器51の入力端子が接続され、第5行、第7行には積和演算器52の入力端子が接続されている。更に、E列〜J列には、各々レジスタ41〜46の出力端子が接続され、K列、J列には積和演算器51の出力端子が接続され、M列,N行には積和演算器52の出力端子が接続されている。
【0037】
また、マトリクススイッチ31の各交点のオンオフ状態は、接続構成切替パターン生成器2から出力される接続構成切替パターンによって制御される。本実施の形態では、接続構成切替パターンは、オン状態にする交点を示すものとする。例えば、図6のアドレス「000000010000」に格納されている接続構成切替パターン「A0,B3,C4,D6」は、A列と第0行の交点、B列と第3行の交点、C列と第4行との交点、及びD列と第6行との交点をオン状態にし、それ以外の交点をオフ状態にすることを指示するものである。
【0038】
また、ORゲート32は、第10行上の交点の内の少なくとも1個がオン状態になったとき、第10行から出力される演算結果cが有効なものであることを示す有効信号bを出力する(有効信号bを“1”にする)。なお、有効信号b及び演算結果cは、描画器6に入力される。
【0039】
描画器6は、接続構成切替器3から出力される有効信号bが“1”となったときの演算結果cに基づいて描画処理を行う機能を有する。より具体的には、描画器6は、接続構成切替器3からは、先ず、描画すべき点のX座標値が出力され、次にY座標値が出力され、その後、Z座標値が出力されると認識しており、認識したX,Y,Z座標値に基づいて描画処理を行う。
【0040】
〔第1の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0041】
今、例えば、描画命令・データ発生装置1が時刻t2(図8参照)において、命令フィールドに演算種別情報「00000001」を設定し、第1〜第4のデータフィールドにそれぞれ、U,V,X,Yを設定した描画命令・データを出力したとする。なお、演算種別情報「00000001」は、U×V+X×Yなる積和演算の実行を指示するものとする。また、描画命令・データ発生装置1は、1システムクロックCK間のみ、描画命令・データを出力するものとする。
【0042】
接続構成切替パターン生成器2内の命令フィールド検出器21は、時刻t2において、演算種別情報00000001」が設定された命令フィールドを検出すると、図8のタイムチャートに示すように、命令フィールド検出信号aを“1”とする。
【0043】
セレクタ22は、命令フィールド検出信号aが“1”となると、命令フィールドを選択し、そこに設定されている演算種別情報「00000001」をDフリップフロップ23にセットする。これにより、パターン数テーブル24のアドレス「00000001」から演算種別情報「00000001」に対応するパターン数が読み出され、カウンタ25に供給される。今、例えば、パターン数テーブル24の内容が図4に示すものであるとすると、パターン数「4」がパターン数テーブル24から読み出され、カウンタ25に供給される。
【0044】
一方、カウンタ25は、命令フィールド検出信号aが“1”となると、システムクロックCKの立ち上がり(時刻t3)においてリセットされ、そのカウント値を「0」にする。その後、カウンタ25は、システムクロックCKが立ち上がる毎に、そのカウント値を「1」、「2」、…とインクリメントしていく。但し、カウント値がパターン数テーブル24から出力されているパターン数よりも「1」だけ小さな値(この例の場合は、「3」)となった後は、システムクロックCKが立ち上がってもカウント値をインクリメントしない。
【0045】
選択手段26は、Dフリップフロップ23から出力される8ビット構成の演算種別情報「00000001」と、カウンタ25から出力される順次出力される4ビット構成のカウント値「0000」、「0001」、「0010」、「0011」とを合成し、合成結果をリードアドレスとして接続構成切替パターン記憶部27に供給する。即ち、時刻t3,t4,t5,t6において、接続構成切替パターン記憶部27には、リードアドレス「000000010000」,「000000010001」,「000000010010」,「000000010011」が供給される。この結果、接続構成切替パターン記憶部27からは、時刻t3,t4,t5,t6において、アドレス「000000010000」,「000000010001」,「000000010010」,「000000010011」に登録されている接続構成切替パターンが順次出力されることになる。
【0046】
今、例えば、接続構成切替パターン記憶部27の内容が図6に示すものであるとすると、時刻t3,t4,t5,t6において、接続構成切替パターン記憶部27から接続構成切替器3に対して、接続構成切替パターン「A0,B3,C4,D6」,「E0,E1,F2,F3,G4,G5,H6,H7,K8,M9」,「I5,I8,J7,J9,N10」,「任意の接続構成切替パターン(但し、オン状態にする交点として第10行上の交点は含まない)」が順次出力されることになる。
【0047】
接続構成切替器3は、時刻t3において接続構成切替パターン「A0,B3,C4,D6」が入力されると、図9に示すように、マトリクススイッチ31上のA列と第0行との交点、B列と第3行との交点、C列と第4行との交点、およびD列と第6行との交点をオン状態にする。これにより、第1,第2,第3,第4のデータフィールドに設定されているU,V,X,Yがそれぞれレジスタ41,42,43,44に格納される。
【0048】
その後、時刻t4において、接続構成切替パターン「E0,E1,F2,F3,G4,G5,H6,H7,K8,M9」が入力されると、接続構成切替器3は、図10に示すように、E列と第0行との交点、E列と第1行との交点、F列と第2行との交点、F列と第3行との交点、G列と第4行との交点、G列と第5行との交点、H列と第6行との交点、H列と第7行との交点、K列と第8行との交点、およびM列と第9行との交点をオン状態にする。これにより、積和演算器51において、レジスタ41,42に保持されているU,Vが乗算され、乗算結果「U×V」がレジスタ45にセットされる。また、これと同時に、積和演算器52において、レジスタ43,44に保持されているX,Yが乗算され、乗算結果「X×Y」がレジスタ46にセットされる。
【0049】
その後、時刻t5において、接続構成切替パターン「I5,I8,J7,J9,N10」が入力されると、接続構成切替器3は、図11に示すように、I列と第5行の交点、I列と第8行の交点、J列と第7行との交点、J列と第9行との交点、およびN列と第10行との交点をオン状態にする。これにより、積和演算器52において、レジスタ45に保持されている値「U×V」とレジスタ46に保持されている値「X×Y」とが加算され、加算結果「U×V+X×Y」が演算結果cとして、第10行から出力される。このとき、第10行上の交点がオン状態になるので、ORゲート32は、有効信号cを“1”とする。
【0050】
描画器6は、有効信号bが“1”になると、演算結果c(「U×V+X×Y」)を取り込み、所定の処理を行う。即ち、上記した演算結果cを描画すべき点のX或いはY座標値と認識している場合には、取り込んだ演算結果を描画すべき点のX或いはY座標値として内部に保持し、描画すべき点のZ座標値であると認識している場合には、内部に保持してあるX、Y座標値と、今回取り込んだZ座標値とに基づいて、表示装置7に対する描画処理を行う。
【0051】
描画命令・データ発生装置1は、上記した描画命令・データを出力後、次の描画命令・データの出力タイミングとなると、次の描画命令・データを出力する。
【0052】
〔第1の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、ジオメトリ処理などを行うための演算回路を備えた3次元グラフィックス描画装置において、実行可能な演算の種類の追加や変更を容易に行うことが可能になる。
【0053】
その理由は、描画命令・データ発生装置1から出力されるデータフィールドが入力されると共に、複数の積和演算器51、52および複数のレジスタ41〜46が接続され、各交点のオンオフ状態を接続構成切替パターン生成器2から出力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチ31を有する接続構成切替器3と、描画命令・データ発生装置1から出力される命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを生成し、接続構成切替器3に対して出力する接続構成切替パターン生成器2とを備えているからである。つまり、接続構成切替パターン生成器2から出力する接続構成切替パターンの種類を追加、変更するだけで、実行可能な演算の種類を追加したり、変更することができ、従来の技術のように、セレクタの追加、セレクタの配置位置の変更といったハードウェアの変更を行う必要がないからである。
【0054】
〔第2の実施の形態〕
次に本発明にかかる3次元グラフィックス描画装置の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、CPUを利用して接続構成切替パターンを生成することを特徴とする。
【0055】
〔第2の実施の形態の構成の説明〕
図12は、本発明にかかる3次元グラフィックス描画装置の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。本実施の形態と図1に示した第1の実施の形態との相違点は、描画命令・データ発生装置1の代わりにCPU120、メモリ130およびチップセット140を備えている点と、接続構成切替パターン生成器2の代わりに接続構成切替パターン出力手段150とを備えている点である。なお、他の図1と同一符号は、同一部分を表している。
【0056】
メモリ130には、描画命令・データが格納される描画命令・データ記憶部131と、接続構成切替パターンが格納される接続構成切替パターン記憶部132とが設けられている。
【0057】
CPU120上には、描画命令・データ生成手段121と、接続構成切替パターン生成手段122とが設けられている。
【0058】
描画命令・データ生成手段121は、描画命令・データを生成し、描画命令・データ記憶部131に格納する機能を有する。
【0059】
接続構成切替パターン生成手段122は、描画命令・データ記憶部131に格納されている描画命令・データの命令フィールドに設定されている演算種別情報に基づいて接続構成切替パターンを生成し、接続構成切替パターン記憶部132に格納する機能や、接続構成切替パターン記憶部132に格納した接続構成切替パターンを接続構成切替パターン出力手段150に転送する機能や、描画命令・データ記憶部131に格納されている描画命令・データのデータフィールドの内容を、チップセット140が有しているDMAコントローラ(図示せず)を利用して接続構成切替器3へDMA転送する機能などを有する。
【0060】
描画命令・データ生成手段121および接続構成切替パターン生成手段122は、プログラムによって実現されるものであり、CPU120は、メモリ130或いは図示を省略したディスク等の他の記録媒体に登録されている、描画命令・データ生成手段121および接続構成切替パターン生成手段122を実現するためのプログラムを読み込み、そのプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自CPU120上に描画命令・データ生成手段121および接続構成切替パターン生成手段122を実現する。
【0061】
接続構成切替パターン出力手段150は、接続構成切替器3に対して接続構成切替パターンを出力する機能を有する。図13は、接続構成切替パターン出力手段150の構成例を示すブロック図であり、接続構成切替パターン記憶部151と、読み出し手段152とを備えている。
【0062】
接続構成切替パターン記憶部151には、CPU120からチップセット140を介して送られてきた接続構成切替パターンが格納される。読み出し手段152は、接続構成切替パターン記憶部151に格納された接続構成切替パターンを順次読み出し、接続構成切替器3に供給する機能を有する。
【0063】
〔第2の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0064】
先ず、CPU120上の描画命令・データ生成手段121が、表示装置7上に所定の画像を表示するために必要となる一連の描画命令・データを生成し、メモリ130上の描画命令・データ記憶部131に格納しておく。
【0065】
その後、CPU120上の接続構成切替パターン生成手段122が図14のフローチャートに示す処理を実行する。図15は、接続構成切替パターン生成手段122が、図14のフローチャートに示す処理を行っているときの、データの流れを示す図である。
【0066】
接続構成切替パターン生成手段122は、先ず、描画命令・データ記憶部131に格納されている第1番目の描画命令・データを入力する(ステップS141)。次いで、接続構成切替パターン生成手段122は、上記描画命令・データの命令フィールドに設定されている演算種別情報を解析することにより、上記演算種別情報に対応する接続構成切替パターンを生成し、それを接続構成切替パターン記憶部132に登録する(ステップS143)。
【0067】
その後、接続構成切替パターン生成手段122は、接続構成切替パターン記憶部132に登録した接続構成切替パターンを、チップセット140を介して接続構成切替パターン出力手段150に転送し、更に、描画命令・データ記憶部131に格納されている第1番目の描画命令・データのデータフィールドを、チップセット140が有しているDMAコントローラを利用して接続構成切替器3へDMA転送する(ステップS144,S145)。
【0068】
接続構成切替パターン出力手段150は、転送されてきた接続構成切替パターンを接続構成切替パターン記憶部151に格納し、読み出し手段152は、接続構成切替パターン格納部151に格納された各接続構成切替パターンをシステムクロックCKに従って順次読み出し、接続構成切替器3に供給する。
【0069】
接続構成切替器3は、接続構成切替パターン出力手段150から供給される接続構成切替パターンに従ってマトリクススイッチ31の交点のオンオフ状態を制御することにより、DMA転送されてきたデータフィールド中のデータに対して、第1番目の描画命令・データの命令フィールドに設定されている演算種別情報に応じた演算を行い、演算結果を描画器6に対して出力する。描画器6は、第1の実施の形態で説明した処理と同様の処理を行う。
【0070】
接続構成切替パターン生成手段122は、接続構成切替パターン出力手段150および接続構成切替器3において上記した処理が行われている間、描画命令・データ記憶部131に格納されている次の描画命令・データ(第2番目の描画命令・データ)を入力し、そのデータフィールドに設定されている演算種別情報に対応する接続構成切替パターンを生成し、接続構成切替パターン記憶部132に格納する処理を行っている(ステップS141、S142がYES、S143)。
【0071】
そして、接続構成切替パターン出力手段150および接続構成切替器3における上記した処理が完了すると、接続構成切替パターン132に格納しておいた、第2番目の描画命令・データに対応する接続構成切替パターンを接続構成切替パターン出力手段150に転送し、更に、チップセット140が備えているDMAコントローラを利用して接続構成切替器3に対して、描画命令・データ記憶部131に格納されている第2番目の描画命令・データのデータフィールドの内容をDMA転送する(ステップS144,S145)。接続構成切替パターン生成手段122は、上記した処理を描画命令・データ記憶部131に格納されている各描画命令・データについて行い、描画命令・データ記憶部131に格納されている全ての描画命令・データについて上記した処理を行うと(ステップS142がNO)、その処理を終了する。
【0072】
〔第2の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、ジオメトリ処理などを行うための演算回路を備えた3次元グラフィックス描画装置において、実行可能な演算の種類の追加や変更を容易に行うことが可能になる。
【0073】
その理由は、メモリ130に登録されている各描画命令・データについて、その命令フィールドに設定されている演算種別情報に応じた複数の接続構成切替パターンを生成して上記メモリ130に登録する処理、上記メモリ130に登録した接続構成切替パターンを転送する処理、および上記転送した接続構成切替パターンと対応する描画命令・データの複数のデータフィールドをDMAコントローラによりDMA転送する処理を行うCPU120と、DMA転送されてきた複数のデータフィールドが入力されると共に、複数の積和演算器51、52および複数のレジスタ41〜46が接続され、各交点のオンオフ状態を入力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチ31を有する接続構成切替器3と、CPU120から転送されてきた複数の接続構成切替パターンを一時的に保持し、保持した複数の接続構成切替パターンを、接続構成切替器3に対して順次出力する接続構成切替パターン出力手段150とを備えているからである。つまり、CPU120が行う処理(命令フィールドに設定されている演算種別情報に応じた複数の接続構成切替パターンを生成する処理)を変更するだけで、実行可能な演算の種類を追加したり、変更することができ、従来の技術のように、セレクタの追加、セレクタの配置位置の変更といったハードウェアの変更を行う必要がないからである。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、ジオメトリ処理を行う3次元グラフィックス描画装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明にかかる3次元グラフィックス描画装置の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】描画命令・データの一例を示す図である。
【図3】接続構成切替パターン生成器2の構成例を示すブロック図である。
【図4】パターン数テーブル24の一例を示す図である。
【図5】接続構成切替パターン記憶部27に入力されるリードアドレスの一例を示す図である。
【図6】接続構成切替パターン記憶部27の構成例を示すブロック図である。
【図7】接続構成切替器3、レジスタ群4および演算器群5の構成例を示すブロック図である。
【図8】接続構成切替パターン生成器2の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】接続構成切替器3の動作を説明するための図である。
【図10】接続構成切替器3の動作を説明するための図である。
【図11】接続構成切替器3の動作を説明するための図である。
【図12】本発明にかかる3次元グラフィックス描画装置の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図13】接続構成切替パターン出力手段150の構成例を示すブロック図である。
【図14】接続構成切替パターン生成手段122の処理例を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0076】
1…描画命令・データ発生装置
2…接続構成切替パターン生成器
21…命令フィールド検出器
22…セレクタ
23…Dフリップフロップ
24…パターン数テーブル
25…カウンタ
26…選択手段
27…接続構成切替パターン記憶部
3…接続構成切替器
31…マトリクススイッチ
32…ORゲート
4…レジスタ群
41〜46…レジスタ
5…演算器群
51、52…積和演算器
6…描画器
7…表示装置
120…CPU
121…描画命令・データ生成手段
122…接続構成切替パターン生成手段
130…メモリ
131…描画命令・データ記憶部
132…接続構成切替パターン記憶部
140…チップセット
150…接続構成切替パターン出力手段
151…接続構成切替パターン記憶部
152…読み出し手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データを出力する描画命令・データ発生装置と、
複数の演算器と、
複数のレジスタと、
前記描画命令・データ発生装置から出力される各データフィールドが入力されると共に、前記複数の演算器および前記複数のレジスタが接続され、各交点のオンオフ状態を入力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチを有する接続構成切替器と、
前記描画命令・データ発生装置から出力される命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを生成し、前記接続構成切替器に対して出力する接続構成切替パターン生成器と、
前記接続構成切替器から出力される演算結果に従った描画処理を行う描画器とを備えたことを特徴とする3次元グラフィックス描画装置。
【請求項2】
請求項1記載の3次元グラフィックス描画装置において、
前記接続構成切替パターン生成器が、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンが登録された接続構成切替パターン記憶部と、
該接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの中から、前記描画命令・データ発生装置が出力した命令フィールドに設定されている演算種別情報と対応する接続構成切替パターンを選択し、該選択した接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力する選択手段とを備えたことを特徴とする3次元グラフィックス描画装置。
【請求項3】
請求項1記載の3次元グラフィックス描画装置において、
前記接続構成切替パターン生成器が、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する複数の接続構成切替パターンがカウント値に対応付けて登録された接続構成切替パターン記憶部と、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンのパターン数が登録されたパターン数テーブルと、
該パターン数テーブルに登録されているパターン数の内の、前記描画命令・データ発生装置から出力された命令フィールド中の演算種別情報に対応するパターン数に応じたカウント動作を行うカウンタと、
前記接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの内の、前記カウンタのカウント値と、前記描画命令・データ発生装置から出力される命令フィールド中の演算種別情報とによって特定される接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力する選択手段とを備えたことを特徴とする3次元グラフィックス描画装置。
【請求項4】
演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データが複数登録されたメモリと、
該メモリに格納されている各描画命令・データについて、その命令フィールドに設定されている演算種別情報に応じた複数の接続構成切替パターンを生成して前記メモリに登録する処理、前記メモリに登録した接続構成切替パターンを転送する処理、および前記転送した接続構成切替パターンと対応する描画命令・データの複数のデータフィールドをDMAコントローラによりDMA転送する処理を行うCPUと、
複数の演算器と、
複数のレジスタと、
前記DMA転送された複数のデータフィールドが入力されると共に、前記複数の演算器および前記複数のレジスタが接続され、各交点のオンオフ状態を入力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチを有する接続構成切替器と、
前記転送された複数の接続構成切替パターンを一時的に保持し、該保持した複数の接続構成切替パターンを、前記接続構成切替器に対して順次出力する接続構成切替パターン出力手段と、
前記接続構成切替器から出力される演算結果に従った描画処理を行う描画器とを備えたことを特徴とする3次元グラフィックス描画装置。
【請求項5】
描画命令・データ発生装置が、演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データを出力し、
接続構成切替パターン生成器が、前記描画命令・データ発生から出力される命令フィールドの内容に応じた接続構成切替パターンを生成し、
前記描画命令・データ発生装置から出力される各データフィールドが入力されると共に、複数の演算器および複数のレジスタが接続されるマトリクススイッチを有する接続構成切替器が、前記接続構成切替パターン生成器が生成した接続構成切替パターンに従って前記マトリクススイッチの各交点のオンオフ状態を制御し、
描画器が、前記接続構成切替器から出力される演算結果に従って描画処理を行うことを特徴とする3次元グラフィックス描画方法。
【請求項6】
請求項5記載の3次元グラフィックス描画方法において、
前記接続構成切替パターン生成器が、演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンが登録された接続構成切替パターン記憶部を有し、前記描画命令・データ発生装置から描画命令・データが出力されたとき、前記接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの中から、前記描画命令・データ中の命令フィールドに設定されている演算種別情報に対応する接続構成切替パターンを選択し、該選択した接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力することを特徴とする3次元グラフィックス描画方法。
【請求項7】
請求項5記載の3次元グラフィックス描画方法において、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する複数の接続構成切替パターンがカウント値に対応付けて登録された接続構成切替パターン記憶部と、
演算種別情報毎に、その演算種別情報に対応する接続構成切替パターンのパターン数が登録されたパターン数テーブルとを有し、
前記接続構成切替パターン生成器が、
前記描画命令・データ発生装置から描画命令・データが出力されたとき、前記パターン数テーブルに登録されているパターン数の内の、前記描画命令・データのデータフィールドに設定されている演算種別情報に対応したパターン数に従ったカウント動作を行うと共に、前記接続構成切替パターン記憶部に登録されている接続構成切替パターンの内の、前記カウント動作に伴うカウント値と前記演算種別情報とによって特定される接続構成切替パターンを前記接続構成切替器に対して出力することを特徴とする3次元グラフィックス描画方法。
【請求項8】
演算種別情報が設定された命令フィールド及びそれぞれに演算対象データが設定された複数のデータフィールドから構成される描画命令・データが複数登録されたメモリと、
複数の演算器と、
複数のレジスタと、
DMA転送されてきた複数のデータフィールドが入力されると共に、前記複数の演算器および前記複数のレジスタが接続され、各交点のオンオフ状態を入力される接続構成切替パターンに応じたものにするマトリクススイッチを有する接続構成切替器と、
転送されてきた複数の接続構成切替パターンを一時的に保持し、該保持した複数の接続構成切替パターンを、前記接続構成切替器に対して順次出力する接続構成切替パターン出力手段と、
前記接続構成切替器から出力される演算結果に従った描画処理を行う描画器とを備えたコンピュータに、
前記メモリに格納されている各描画命令・データについて、その命令フィールドに設定されている演算種別情報に応じた複数の接続構成切替パターンを生成して前記メモリに登録する処理、
前記メモリに登録した接続構成切替パターンを前記接続構成切替パターン出力手段へ転送する処理、
および前記転送した接続構成切替パターンと対応する描画命令・データの複数のデータフィールドをDMAコントローラによりDMA転送する処理を行わせるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−122209(P2007−122209A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310708(P2005−310708)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】