説明

3次元光学効果を有する車両の信号伝達装置

【課題】簡単で安価に製造することができ、かつ法案の測光要件を満たす信号伝達装置を提供する。
【解決手段】主として特に自動車のための光信号伝達装置2であって、反射面を有する反射板10と、反射板に対向して配置され、半反射領域を有するスクリーン7とを備え、このスクリーンは、反射板から離間して反射板とで空洞5を形成し、光源の光線は前記空洞を通過し、これら光線の一部は、半反射領域を透過し、これらの光線の残りの部分は、半反射領域によって反射され、次いで、反復による奥行きの視覚効果を発生させるため、反射板により空洞に反射され、スクリーン(7)が、光線の他の部分が前記半反射領域に入射しない前記スクリーンの位置において空洞から出るように、光源の出力方向に関連して構成配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車のために設計された信号伝達装置に関する。本発明は、例えば、車両の前後に配置された信号灯、点滅灯、駐車灯、ブレーキ灯に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、主として、特殊な光学装置による3次元奥行き効果を生じさせる信号伝達装置に関する。このような装置は、特許文献1に開示されている。特許文献1は、反射板と、反射板から離間して配置されるスクリーンとにより形成される空洞を備える側灯を開示している。スクリーンは、半反射する特殊な特性、すなわち、入射した光線の一部を反射し、残りを透過させるという特性を有する。空洞は、空洞を構成する反射板およびスクリーンの表面が凸状であるという特殊な特性を有する。
【0003】
エレクトロルミネセントダイオード型の一連の光源は、反射板の周辺に配置され、光をほぼスクリーンの方向に出すように向けられている。半反射特性を有するため、光線の一部は直接透過し、一部は反射板の方向に反射する。次いで、反射板は、反射板の中央方向に向かって、ある間隙で、光線をスクリーンの方向に反射する。反射板によって反射された光線は、再びスクリーンに入射する。光源から直接出力された光線と同じく、光線の一部はスクリーンを透過し、一部は反射板の方向に反射される。以下、同様である。
これらの多重部分透過および部分反射により、3次元の奥行きのある光学効果が得られる。出力された光線の照明の強さは、空洞における反射により、徐々に減少する。この光学効果は、他のドライバの注意を引きつける側灯を、好みに合わせて変更できるので興味深い。また、この光学効果は、側灯を、バンパや自動車の泥よけのような車体要素の中に隠すことができる。また、奥行きの効果のため、全体の寸法が小さい小型の信号伝達装置を得ることができる。スクリーンの半反射特性は、実際には、車体要素の場合と同じく、金属の外観を付与することのできる金属被覆加工を施すことで得られる。しかしながら、特許文献1のものには、半反射とするスクリーンの処理に、1つの大きな欠点がある。
【0004】
スクリーン上に施された金属層は、光源から発生した光線の一部を、(スクリーンの材料に固有の損失を考慮することなく)透過させる。反射率および透過率は、変えることができ、適用される金属層に直接依存する。処理手順の観点から、反射率および透過率を、狭い許容範囲内で保証することは、非常に困難である。そのため、高価なスクリーンの処理手順を経なければ、基準出力の光源を備える側灯は、信号伝達機能についての法律によって規定される測光条件を満たさないおそれがある。また、車両の左右の駐車灯が異なって見えるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1916471号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡単で安価に製造することができ、かつ法律の測光要件を満たす信号伝達装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、光源の主軸空間を照明する、自動車のために設計された光信号伝達装置に関し、次の要素を備えている。
− 照明される前記空間に向けられた反射面を有する反射板と、
− 前記反射板と照明される前記空間との間で、前記反射板に対向して配置され、半反射領域を有するスクリーンを備え、前記スクリーンは、前記反射板から離間して、前記反射板とで空洞を形成し、スクリーンまたは前記反射板により形成される少なくとも1つの面は凸状であり、
− 前記光源の支持体は、光源の光線が、照明される空間の主方向における前記空洞を通過するように構成され、前記光線の一部は、前記半反射領域に入射し、この光線の一部は、前記半反射領域を透過し、残りの部分は、前記半反射領域によって反射され、次いで、反復による奥行きの視覚効果を発生させるため、前記反射板により空洞に反射され、
− これらの光線は、前記光源から出力される光線の第1部分であり、前記スクリーンは、前記光源から出力される光線の第2部分が、前記半反射領域に入射しない前記スクリーンの位置において空洞から出るように、前記光源の出力方向に構成されている。
【0008】
この構成により、信号伝達装置の測光機能を保証するのに適する、一部が反射し、一部が透過するスクリーンの部分(すなわち、半反射部分)に入射しない光線による光の像を生成することができる一方、主像と同じ繰り返しの像であって、徐々に小さくなる像を生成する、(損失のある)部分透過、および部分反射の間隙を通過する光線の他の部分(基本的には残りの部分)を許容する。このように、本発明によると、測光視点からの信号伝達の役目を果たす第1の光の像と、装置の好みに合わせた変更を保証する3次元効果を持つ対応する一連の像とを、極めて簡単に生成することができる。光源に要求される出力レベルは、妥当なものであり、半反射とするため、スクリーンの取り扱いに関連する許容範囲を広げることができる。
【0009】
ある実際形態では、半反射領域に到達する光線の20%〜60%が反射される。
【0010】
本発明の1つの有利な実施形態では、スクリーンは、前記光線の第2部分が通過する基本的に透過の領域を有している。
【0011】
本発明の他の有利な実施形態では、基本的な透過領域の透明度は、前記光線の少なくとも80%を透過させるようなものである。基本的な透過領域は、半反射領域よりも小さい範囲で光線を反射し、この領域に入射する光線の4%より少ない光線を反射するものであることが好ましい。
【0012】
本発明のさらに他の有利な実施形態では、スクリーンの基本的な透過領域は、前記空洞を通過する少なくとも一部の光線である。これは、アプリオリに、本発明の最も単純な構成である。
【0013】
本発明のさらに有利な他の実施形態では、前記スクリーンは、少なくとも1つの面が部分反射被膜を備え、前記スクリーンの基本的な透過領域は、前記被膜を有していないことである。この構成は、実際的な効果を得ることができ、かつ単純である。ある特別な実施形態は、金属被覆の前に、スクリーンの金属被覆されない部分をマスクすることである。金属被覆は、真空蒸着によって行うことが好ましい。
【0014】
他の有利な実施形態は、スクリーンに被膜を施し、次いで、好ましくはレーザ光線を照射することにより、被膜の一部を剥離して透明とすることである。
【0015】
本発明のさらに他の有利な実施形態では、スクリーンは、前記空洞を通過する光線の少なくとも一部の正面に広がらないように構成される。この場合、スクリーンの寸法は、より小さくなる。このような構成は、簡単でありかつ安価となる。
【0016】
本発明のさらに他の有利な実施形態では、前記空洞を通過する光線は、前記空洞において、スクリーンにより一部が反射され、また、スクリーンを一部が透過し、さらに、前記反射板によって反射される光線の一部分が、表面の中央方向に反射されて、表面の周りに広がる。
【0017】
本発明のさらに他の有利な実施形態では、前記空洞の少なくとも一部を介して、1つ以上の前記光源からの前記第2部分が透過するようになっており、半反射領域の外側の前記スクリーンの位置における前記空洞の外側を通過するように、少なくとも1つの光導波路を備えている。光導波路を使用することにより、装置の寸法に関する自由度および柔軟性が大となる。
【0018】
本発明のさらに他の有利な実施形態では、光導波路は、反射板の周りに配置される一般的な回路、好ましくは閉回路の一部を備えている。
【0019】
本発明のさらに他の有利な実施形態では、前記光源の支持体は、前記空洞から離間しており、前記信号伝達装置は、前記光源から出力される光線を前記空洞まで案内する手段を備えている。
【0020】
本発明のさらに有利な他の実施形態では、前記信号伝達装置は、車両の信号伝達装置であり、前記光線の第2部分が、自動車の信号伝達機能を達成するために要求される測光条件を満足させることができるように、スクリーンおよび光源が構成されている。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、以下の記載および図面から、一層良く理解することができると思う。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る信号伝達装置の概略断面図である。
【図2】図1のA−A軸における断面図である。
【図3】照明されたときの光学的効果を伴う図1の信号伝達装置の外観を、動作時において示す立面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る信号伝達装置の概略断面図である。
【図5】図4のB−B軸における断面図である。
【図6】照明されたときの光学的効果を発揮する図4の信号伝達装置の外観を、動作時において示す立面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る信号伝達装置の概略断面図である。
【図8】照明されたときの光学的効果を発揮する図7の信号伝達装置の外観を、動作時において示す立面図である。
【図9】照明されたときに光学的効果を発揮するこの信号伝達装置の第2の変形例の外観を示す図である。
【図10】照明されたときに光学的効果を発揮するこの信号伝達装置の第3の変形例の外観を示す図である。
【0023】
異なる実施形態が図に示されている。これらの図面は、概略図であり、本発明の説明を明確にするために、故意に単純化したものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態に係る信号伝達装置2を示す。信号伝達装置2は、装置の上部の空間の方向であるX方向に光ビームを出力することを目的とする。この「上部」の表現は、図における信号伝達装置の方向に関連し、動作時における信号伝達装置の方向である。実際、信号伝達装置は、通常、車両の前または後ろにおける信号伝達装置の組立体として、車両の前または後ろに向かう、ほぼ水平方向の光ビームを出力するように固定されている。しかし、信号伝達装置の信号伝達機能に応じて、他の方向も考えられる。この点は、図示する他の実施形態においても同じである。
【0025】
信号伝達装置2は、一連の局所光源14の支持体16を有する筐体4を備えている。局所光源14は、エレクトロルミネセンスダイオード型、または他の公知の光源の型とすることができる。局所光源14は、おおむね長方形を形成するように、支持体16上に並べられている。これらは、照明の主軸が、図1の矢印で示す方向、すなわち、照明のほぼ主方向に向かうように配置されている。
【0026】
信号伝達装置2は、支持体16の上部、または、信号伝達装置2が光ビームを出力する空間方向と支持体16との間に配置されている反射板10を備えている。反射板10は、照明の主軸に係る局所光源14の正面に配置された一連の孔12を備えている。反射板10は、照明する空間の方向を向く反射面を有する。
【0027】
また、信号伝達装置2は、反射板10から所定距離だけ離れ、反射板10の上部(図1の上部方向)、または、反射板10と照明される空間との間に配置されるスクリーン7を備えている。スクリーン7および反射板10は、基本的には、反射板10の反射面と、スクリーン7の内側面とによって区切られた空洞5を備えている。この内側面は、本実施形態では、おおむね、平面である。スクリーン7は、中央半反射部6と周囲透過部8とを備えている。
【0028】
局所光源14から出た光線の一部は、スクリーン7の周囲透過部8から、照明される空間の方向に照射し、残余の部分である他の部分は、スクリーン7の周囲透過部8に近接して配置されているスクリーン7の中央半反射部6によって反射される。次いで、反射された部分は、反射板10の反射面に入射し、殆ど全てが反射され、この反射光線の一部は透過し、他の部分は再びスクリーン7の中央半反射部6によって反射され、これらのことが繰り返される。この機構は、周囲透過部8を透過した光線が、殆ど損失を受けず、事実上損失のないことを意味する。一部が反射し、一部が透過する光線は、光学的な奥行きの効果を生じさせる。
【0029】
図1は、この光学機構を、光源が右側にあるものとして示している。局所光源14から直接出力された光線は、殆ど損失することなく、スクリーン7を通過する。光線は、符号18を付した点線で示してある。局所光源14から直接出力された光線のうち、一部はスクリーン7の中央半反射部6に入射する。スクリーン7は、中央半反射部6に入射する光線20の一部、好ましくは、表面に入射する光線の例えば4%を超える部分を、反射板10の方向に反射させる。次いで、反射板10は、この反射された部分の全て、または殆ど全てを、スクリーン7の方向に反射する。これらの光線の一部は、先行する光線として、スクリーン7の中央半反射部6を透過し、他の光線は、再び反射板10の方向に反射される。空洞5の中央に向かう反射の間隙および移動は、反射板10の凸状の特質によって保証される。反射板10の表面をおおむね平面とし、空洞5を区切るスクリーン7の内側面を凸状とする選択肢についても留意するべきである。また、スクリーン7および反射板10の位置において、凸面の組み合わせを考えることもできる。
【0030】
反射板10は、図1のA−A軸における断面図である図2に示されている。おおむね長方形の輪郭に従って配置されている一連の孔12が示されている。局所光源14は、このエレクトロルミネセントダイオードの例では、孔12の正面に配置されている。
【0031】
動作時における信号伝達装置2の立面図である図3は、信号伝達装置2から出力される光線の像を示している。スクリーン7の周囲透過部8から直接透過した光線は、外側の輪郭線(点線で示す)の外側に点24を構成する。これらの光線は、測光視点からの信号伝達装置2の信号伝達機能の役目を果たす。実際には、それらは、局所光源14から出力される光線の重要な部分、好ましくは、50%を超える部分から直接発生し、殆ど損失することなく透過する。中央半反射部6を透過した光線は、類似しているが幾何学的により小さい点を形成し、信号伝達装置2の中央に向かって繰り返される。これらの光線は、視覚上の外観と、信号伝達装置2の固有の特徴を示す特別な機能を発揮する。この部分によって保証される照明のレベルは、光源が通過するスクリーン7の半反射特性のため、かなり低い。
【0032】
信号伝達装置2の中央に近づくほど、光線は、スクリーン7を出る前に、スクリーン7と反射板10との間で、多重反射を繰り返す。それらの量は、同様にして少ない。そのため、スクリーン7の周囲輪郭によって生成された外観、ここでは、環状に配置された1組の点24は、中央に近づく間に、中央に向って、強度および寸法が小さくなりながら、複数回繰り返され、これにより、信号伝達装置2の奥行きの錯覚を生じさせる。光学機能を生成する領域の外観の像、この場合には、点24は、それぞれ繰り返し26がある。また、これにより、送信された信号を知覚する可能性を大とすることができる。従って、他のドライバは、送信された信号に、より早く反応することとなる。
【0033】
スクリーン7は、例えば、プラスチックまたはガラスのような、一般的に使用される透明な材料により形成することができる。外側または内側の表面の1つは、典型的な部分反射被覆を施した半反射体からなっている。この被覆は、通常、真空蒸着技術によるアルミニウムやステンレス金属の金属被覆である。専門家に知られている異なる被覆の形成方法を採用することができる。被覆による反射率は、例えば20%〜60%である。スクリーン7の周囲透過部8は、被覆されない。
【0034】
スクリーン7の周囲透過部8を形成するための1つの特別な実施形態は、スクリーン7上に予め形成された被覆の一部を、レーザ光線を照射することにより、除去することである。
【0035】
本発明の第2実施形態を、図4〜図6に示す。第1実施形態との基本的な相違は、第1実施形態の一連の局所光源14に代えて、光導波路115を使用していることである。光源114は、光線を光導波路115に導くように、光導波路115に接近して配置されている。簡単化のため、単一の光源114を示してある。信号伝達装置102の種々の寸法パラメータに対応して、複数の光源の使用が考えられることは明らかである。1つ以上の光源は、エレクトロルミネセントダイオード、従来からの白熱灯等、異なる型のものとすることができる。光導波路115は、反射板110に形成される開口リング112に対応して、対向配置されている拡散リングである。光導波路115は、光源114からの光線を、スクリーン107の方向の空洞105内に出力する。
【0036】
反射板110の位置に形成されたリング状の開口部は、図4のB−B軸による断面図である図5に、よく示されている。
【0037】
光学的現象は、生成される像は異なるが、第1実施形態におけるのと同様である。信号伝達装置102の照明の像は、動作時における図4に示す装置の立面図である図6に示されている。光導波路115から直接出力された光線が、信号伝達装置102の測光機能を保証するのに適した照明、または発光の出力レベルの連続する輪郭124を形成することを視認できる。この像124は、信号伝達装置102の中央に近づくにつれて徐々に小さくなる輪郭126として、複数回に渡って再生される。これらの像126は、信号伝達装置102の特徴および個別性の機能を保証する。
【0038】
第3実施形態が、図7および図8に示されている。第2実施形態との基本的な相違は、光導波路1015が、反射板1010を越え、傾斜した端面を有するように構成されることである。光源1014からの光は、下側から光導波路1015に入射する。光導波路1015の上側には、下に向う円錐状のくぼみがあるため、光線は、光導波路1015の厚さ方向の側方に反射され、内面反射により傾斜した端面まで伝達される。光線は、傾斜面で反射されることにより、空洞1005の方向に送られて光導波路1015から導出される。反射板1010には、いかなる孔や開口部もなく、単に光導波路1015上に配置されているだけである。反射板1010は、1つ以上の光源から発生する光が、空洞1005の方向に伝達されることを保証する。光源は、光導波路1015が空洞1005に向かう光線の伝達を確実に限りにおいて、空洞1005から離間して配置されている。
【0039】
光学的現象は、第2実施形態と同じである。照明の像は、第2実施形態におけるものと同様である。本発明に係る信号伝達装置によると、異なる形状の像を生成できることが分かると思う。
【0040】
また、本発明の原理によれば、図9および図10に示す像の形成が可能である。他の実施形態として、外側輪郭24における照明の出力レベルを、内側輪郭26における照明の出力レベルが大きくすることができる。このようにすることにより、中央の方向に繰り返される卵型の外観を生成(図9)するか、または、中央の方向に繰り返される三角形の外観を生成(図10)するように、光源および/または光導波路とスクリーンとを配置することができる。
【0041】
図示した異なる実施形態においては、信号24、124、1024の形状は、中央に向かって数回変化し、かつその強度および寸法は、中央に近づくにつれて複数回に亘って徐々に小さくなり、これにより、信号伝達装置の奥行きに錯覚が生じるようになっている。繰り返し26、126、1026は、信号24、124、1024の形状を生成する領域の外観の像において行われ、これにより、送信された信号を知覚する可能性を補強することができる。
【0042】
1つの変形例によれば、この信号伝達装置を、ブレーキ灯とすることができる。信号伝達装置は、光源の光の強さがブレーキの強さに比例するようにすることが好ましい。この場合、ブレーキの強さにより、多重反射量が増減する。ブレーキが強ければ、信号パターンは、中央に向ってより多く繰り返され、信号の繰り返しもより深くなる。従ってブレーキ情報は、他のドライバに対してよりよく伝達される。
【0043】
また、この装置を、駐車灯または点滅灯とすることができる。
【0044】
一般的に言って、損失を最小として伝達が確実に行われるようにするため、スクリーンの透過部分に物質がないものと、置き換えることができる。いずれにしても、本発明の原理により、空洞を貫通する光線の正面にあるスクリーンの物質を無くして、同様の機能を得ることができる。同様に、空洞を貫通する光線の正面に、スクリーンと異なる透明の物質を配置することも考えられる。
【0045】
一般的に言って、1つ以上の光源から、光線を空洞の方向に導くため、異なる型の光導波路を設けることができる。第2および第3の実施形態は、純粋に一例であり、多くの変形例が可能である。
【0046】
一般的に言って、空洞を通過する光線は、連続する輪郭を形成する必要はなく、従って閉塞される輪郭を形成する必要もない。実際、局在するビーム、または、輪郭の所定の点に集中するビームにより、本発明による効果の組み合わせを得ることができる。例として、輪郭を、U字形に開いたものとすることができる。また、照明の強さが弱い輪郭を繋げて、強い光度からなる点の連続体を構成することもできる。
【符号の説明】
【0047】
2、102、1002 信号伝達装置
4 筐体
5、105、1005 空洞
6 中央半反射部
7、107、1007 スクリーン
8、108、1008 周囲透過部
10、110、1010 反射板
12 孔
14 局所光源
16、116、1016 支持体
18、20 光線
24 点、輪郭、信号
26、126 繰り返し、輪郭、像
112 開口リング
114、1014 光源
115、1015 光導波路
124 輪郭、像、信号
1024 信号
1026 繰り返し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主照明軸を有する空間を照明するのに適する、主として自動車のための光信号伝達装置(2、102、1002)であって、
照明される空間に向けられた反射面を有するリフレクタ(10、110、1010)と、
前記リフレクタと照明される前記空間との間で、前記リフレクタに対向して配置され、半反射領域を有するスクリーン(7、107、1007)と、光源(14、114、1014)の支持体(16、116、1016)を備え、
前記スクリーンは、前記リフレクタから離間して前記リフレクタとで空洞(5、105、1005)を形成し、前記スクリーンまたは前記リフレクタにより形成される少なくとも1つの面が凸状であり、
前記光源(14、114、1014)の前記支持体(16、116、1016)は、前記光源の光線が、照明される前記空間の方向の主方向における前記空洞を通過するように構成され、前記光線の一部が、前記半反射領域に入射し、これらの光線の一部が前記半反射領域を透過し、残りの部分が前記半反射領域によって反射され、次いで、反復による奥行きの視覚効果を発生させるため、前記リフレクタにより前記空洞に反射される、
主照明軸を有する空間を照明するのに適する、主として自動車のための光信号伝達装置光信号伝達装置(2、102、1002)において、
これらの光線は、前記光源から出力される光線の第1部分であり、前記スクリーン(7、107、1007)は、前記光源から出力される光線の第2部分が、前記半反射領域に入射しない前記スクリーンの位置において空洞から出るように、前記光源の出力方向に関連して構成配置されることを特徴とする光信号伝達装置。
【請求項2】
前記スクリーンは、前記光線の前記第2部分が通過する透過領域を備えていることを特徴とする請求項1記載の信号伝達装置。
【請求項3】
前記透過領域の透過率は、この領域に入射する前記光線の4%より少ない光線が反射されることを特徴とする請求項2記載の信号伝達装置。
【請求項4】
前記スクリーン(7、107、1007)の前記透過領域は、前記空洞(5、105、1005)を通過する少なくとも一部の前記光線と直角であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号伝達装置。
【請求項5】
前記スクリーン(7、107、1007)は、少なくとも1つの面が部分反射被膜を備え、前記スクリーン(7、107、1007)の前記透過領域は、前記被膜を有しないことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の信号伝達装置。
【請求項6】
前記スクリーン(7、107、1007)は、前記空洞(5、105、1005)を通過する前記光線の少なくとも一部と直角に広がらないように構成されていることを特徴とする請求項1記載の信号伝達装置。
【請求項7】
前記空洞(5、105、1005)を通過する前記光線は、前記光線の一部が表面の中央方向に反射されるようにして、表面の周りに広がり、前記光線の一部は、前記スクリーン(7、107、1007)により部分的に反射および透過し、前記空洞において、前記リフレクタ(10、110、1010)によって反射された光線であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の信号伝達装置。
【請求項8】
前記信号伝達装置は、前記空洞の少なくとも一部を介して、1つ以上の前記光源からの光線の前記第2部分が透過するのに適しており、前記半反射領域の外側の前記スクリーン(7、107、1007)の位置を通過するように、少なくとも1つの光導波路(115、1015)を備えていることを特徴とする請求項7記載の信号伝達装置。
【請求項9】
前記光導波路(1015)は、前記リフレクタの周りに配置されている一般的な回路、好ましくは閉回路の形状の一部を備えることを特徴とする請求項8記載の信号伝達装置。
【請求項10】
前記光源の前記支持体(16、116、1016)は、前記空洞(5、105、1005)から離間しており、前記信号伝達装置が前記光源から出力される前記光線を、前記空洞まで案内する手段(115、1015)を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の信号伝達装置。
【請求項11】
前記信号伝達装置は、車両の信号伝達装置であり、前記光線の第2部分が、自動車の信号伝達機能を達成するために要求される測光条件を満足させることができるように、前記スクリーンおよび前記光源が構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の信号伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−146376(P2011−146376A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−282599(P2010−282599)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】