3次元画像データ用画像ファイルの画像ファイル生成装置及び画像再生装置
【課題】3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合でも、画像ファイル管理を容易にすることができる電子機器を提供する。
【解決手段】立体視可能な画像データを生成する際に必要な少なくとも2つの画像ファイル(例えば、画像ファイルF11、F12)を、ファイル名の拡張子以外が一致し、拡張子が異なるファイルとして記録する。これによって、画像ファイルのヘッダの解析や管理ファイルが不要で、ファイル名の検索のみによって、3D画像ファイルと2D画像ファイルを区別できる。3D再生装置では、2つの画像を用いて立体視が可能な表示を行い、2D再生装置では、一方の画像ファイルのみを用いて2D表示を行う。
【解決手段】立体視可能な画像データを生成する際に必要な少なくとも2つの画像ファイル(例えば、画像ファイルF11、F12)を、ファイル名の拡張子以外が一致し、拡張子が異なるファイルとして記録する。これによって、画像ファイルのヘッダの解析や管理ファイルが不要で、ファイル名の検索のみによって、3D画像ファイルと2D画像ファイルを区別できる。3D再生装置では、2つの画像を用いて立体視が可能な表示を行い、2D再生装置では、一方の画像ファイルのみを用いて2D表示を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視用の画像ファイルを生成するデジタルカメラ等の画像ファイル生成装置、および立体視用の画像ファイルを再生する表示ディスプレイやプリンタ等の画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体視用の画像ファイルを生成する画像処理装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の従来技術は、立体視画像を構成する複数の画像について同時に同じ処理をする際に生じるユーザーの煩雑さを解消することを目的とするものである。
【0003】
その目的を達成するために、立体視画像を構成する複数の画像データをそれぞれ別の画像ファイルに格納するとともに、相互に関連する画像ファイルの属性情報をそれぞれの画像ファイルのヘッダ部に格納する構成とされている。
【0004】
図11を用いて、より詳細に説明する。図11は、従来技術における画像ファイルのファイル構造である。画像ファイル「P1000101.JPG」、「P1000102.JPG」のデータ部にはそれぞれ左画像データDL、右画像データDRが格納されている。左画像データDL、右画像データDRはペアであり、1つの立体視画像を構成するものである。また、ヘッダ部Hには、相互の画像ファイル名が格納されている。具体的には、画像ファイル「P1000101.JPG」のヘッダ部Hには画像ファイル名「P1000102.JPG」が格納されており、画像ファイル「P1000102.JPG」のヘッダ部Hには画像ファイル名「P1000101.JPG」が格納されている。
【0005】
画像ファイルのファイル構造を以上のようにすることにより、関連する一方の画像ファイルに消去等の処理を施した際に、他方の画像ファイルについても同様の処理をすることができ、ファイルごとの個別処理を自動化することができる。
【特許文献1】特開2000−99758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来の構成では、3D画像ファイルを読み出す場合には、画像ファイルのヘッダ部Hを読み出さなければ、ペアになる画像ファイルを特定することができなかった。そのため、3D画像の再生処理に時間を要していた。また、ヘッダ部を読み出さなければ、その画像ファイルが3D画像ファイルか、2D画像ファイルかを把握することができないため、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合には、ユーザーにとってそれらの画像ファイルの管理が煩雑であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題を解決するもので、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合でも、画像ファイル管理を容易にすることができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明は、立体視に必要な第1および第2の画像ファイルに対してファイル名の拡張子以外の部分(ファイル識別名)は同じとし、2つのファイルに対してそれぞれ拡張子のみが異なるファイル名を付与する。
【発明の効果】
【0009】
これによって、各ファイルのヘッダ部を読み出さなくても、ペアになる画像ファイルを特定でき、3D画像の再生処理に要する時間を短縮できる。また、ヘッダ部を読み出さなくても、拡張子のみが異なるファイル名が存在するかどうかに応じて、その画像ファイルが3D画像ファイルか、2D画像ファイルかを把握することができ、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合でも、画像ファイルの管理が容易になる。関連する一方の画像ファイルを消去する場合に同時に消去する他方の画像ファイルを、ヘッダ部を読み出さずにファイル名のみで検索可能で、立体視に必要な2つの画像ファイルの同時操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
(1−1)本実施の形態1の概要
本発明の実施の形態1のデジタルカメラ100は、立体視可能な画像データを生成する際に2つの必要な画像ファイルを、ファイル名の拡張子以外(ファイル識別名)が同一で、ファイル名の拡張子のみが異なる2つのファイル名を付与して生成する。
【0011】
図1は、本実施例によって記録されるファイル構造を示す。左画像ファイルF11のファイル名「P1000001.JPG」と右画像ファイルF12のファイル名「P1000001.J3D」は、拡張子のみが異なるため、これら2つのファイルは、組み合わせた状態で管理される。画像ファイルF11及び12は、ヘッダ部Hとデータ部Dとを備える。画像ファイルF11のデータ部Dには、左画像データDL1が格納されている。画像ファイルF12のデータ部Dには、右画像データDR1が格納されている。これらの左右の画像データDL1、DR1は、1つの立体視可能な(ステレオ視)画像データを生成する際に必要な画像データである。すなわち、これらの左右の画像データDL1、DR1は、左右に平行に配置した2視点からの画像をそれぞれ示すものであり、これらの画像には視差が生じている。この視差を利用して、ユーザーは、立体視をすることにより立体画像を見ることができる。
【0012】
左画像ファイルF11のヘッダ部Hには、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、ファイル作成日時D5等が格納される。ペアファイル名D1は、立体視に必要なもう一方のファイル名を示す。3D識別子D2は画像ファイルが立体視用の画像ファイルであることを示す識別子である。さらに、3D識別子D2が、「3D_L」となっている場合はその画像ファイルが左画像データを格納する左画像ファイルであることを示し、3D識別子D2が、「3D_R」となっている場合はその画像ファイルが右画像データを格納する右画像ファイルであることを示す。縮小画像D3は、サムネイル画像とも呼ばれ、左画像データDLを基に作成されたサイズの小さい画像データである。ユーザーは縮小画像D3を利用して画像検索等を行うことができる。3D情報は、3D画像を再生する際に利用する測距データや視差量等を示す。
【0013】
右画像ファイルF12のヘッダ部Hは、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、ファイル作成日時D5等を格納する。3D識別子D2として、「3D_R」を格納することにより、画像ファイルF12が右画像ファイルであることを示す。
【0014】
なお、右画像ファイルF12のヘッダ部Hには、3D識別子D2、3D情報D4を格納しないように構成しても良い。3D識別子D2を格納しなくても、ファイル名の拡張子「J3D」から画像ファイルF12が右画像ファイルであることは分かるからである。また、3D情報D4を格納しなくても、左画像ファイルF11に格納した3D情報D4を利用すればよいからである。
【0015】
また、右画像ファイルF12のヘッダ部Hに、3D識別子D2、3D情報D4を格納し、左画像ファイルF11のヘッダ部Hには、3D識別子D2、3D情報D4を格納しないように構成しても良い。これらの情報は、左右の画像ファイルで1つ存在すればよいので、上記の構成とすることにより、不必要な情報を重複して作成し、記憶することがなくなる。
【0016】
また、ペアファイル名D1については、拡張子のみ異なるファイル名を持つファイルを検索することで自明なので、左画像ファイルF11および右画像ファイルF12のいずれにも格納されなくても良い。これら格納情報の省略によって、情報を作成する処理時間を短縮でき、管理を容易にできる。
【0017】
(1−2)デジタルカメラ100の構成
図2は、デジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、右光学系101と左光学系102の2つの撮像系を有する。右光学系101を介した光学信号も左光学系102を介した光学信号もともにCCD103に結像される。CCD103は、右光学系101と左光学系102から取得した光学信号を光電変換して電気的信号を生成する。画像処理手段104は、CCD103で生成された電気的信号を処理して、右画像データDRおよび左画像データDLを生成する。ここで、右画像データDRは、右光学系101を介して入力された光学信号に基づいて生成された画像データであり、左画像データDLは、左光学系102を介して入力された光学信号に基づいて生成された画像データである。
【0018】
コントローラ105は、デジタルカメラ100の制御を行う。また、コントローラ105は、画像処理手段104で生成された右画像データDR、左画像データDLを受けて、それぞれの画像データごとに画像ファイルを作成する。左画像データDLに基づいて左画像ファイルを作成する場合には、データ部Dにヘッダ部Hを付加し、データ部Dに、左画像データDLを格納し、ヘッダ部Hに、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、ファイル作成日時D5等の必要な情報を格納する。一方、右画像データDRに基づいて右画像ファイルを作成する場合には、データ部Dにヘッダ部Hを付加し、データ部Dに、右画像データDRを格納し、ヘッダ部Hに、ファイル作成日時D5等の必要な情報を格納する。
【0019】
測距手段106は、被写体とデジタルカメラ100との距離を測定するためのセンサーである。測距手段106による測定結果は、コントローラ105に出力され、コントローラ105において、3D情報D4の一部として、左画像ファイルのヘッダ部Hに格納される。
【0020】
記憶手段108は、コントローラ105で生成した画像ファイルF11〜F12を記憶する。記憶手段108は、デジタルカメラ100に着脱可能なメモリーカードであっても良いし、デジタルカメラ100に内蔵された内蔵メモリであっても良い。また、記憶手段108は、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良いし、光記録媒体や磁気記録媒体であっても良い。
【0021】
表示手段107は、立体視用のディスプレイである。表示手段107は、眼鏡なしで立体視が可能な直視型立体ディスプレイであっても良いし、液晶シャッタ眼鏡を用いて左右画像を切り換えて表示するディスプレイであっても良い。また、表示手段107は、これらに限らず、ユーザーが立体視をすることが可能なディスプレイであれば良い。例えば、左画像データと右画像データとを左右に並べて表示するディスプレイであっても良い。
【0022】
ここで、左画像ファイルF11は、本発明の第1の画像ファイルまたは第2の画像ファイルの一例である。右画像ファイルF12もまた、本発明の第1の画像ファイルまたは第2の画像ファイルの一例であるが、左画像ファイルF11が第1の画像ファイルに相当するときは右画像ファイルF12が第2の画像ファイルに相当し、左画像ファイルF11が第2の画像ファイルに相当するときは右画像ファイルF12が第1の画像ファイルに相当する。右光学系101、左光学系102、CCD103、画像処理手段104およびコントローラ105からなる構成は、本発明の取得手段の一例である。コントローラ105は、本発明の画像ファイル生成手段の一例である。また、記憶手段108は、本発明の第1の記憶手段、第2の記憶手段の一例である。
【0023】
なお、本発明において、立体視可能な画像データとは、ユーザーがそれを用いて立体視できるような画像データを広く意味する。例えば、三次元表示用の液晶ディスプレイに出力され、三次元表示される画像データも含み、また、プリンタに出力されて、視差の異なる画像を左右に並べて表示される画像データも含む概念である。立体視可能な画像データは、左画像データDLおよび右画像データDRそのままであっても良いし、これらを変形させ、あるいは、他の情報を付加するものであって良い。要するに、左画像データDLおよび右画像データDRに基づいて生成されるものであれば良い。
【0024】
(1−3)デジタルカメラ100におけるファイル作成動作
次に、左画像ファイルF11および右画像ファイルF12を作成する際のデジタルカメラ100の動作を説明する。図3は、このときの動作を示すフローチャートである。
【0025】
右光学系101および左光学系102を介して光学信号をCCD103上に結像する。CCD103は、結像された光学信号を光電変換して電気的信号を生成する(S101)。
【0026】
次に、測距手段106は、デジタルカメラ100と被写体との距離を測定し、その結果をコントローラ105に出力する。コントローラ105は、測距手段106から取得した測距データやその他の情報を3D情報として記憶する(S102)。
【0027】
次に、画像処理手段104は、CCD103で生成された電気的信号に基づいて、左画像データDLおよび右画像データDRを生成する(S103)。そして、画像処理手段104は、コントローラ105に左右の画像データDL、DRを出力する。
【0028】
次に、コントローラ105は、画像処理手段104から取得した左画像データDLに基づいて縮小画像D3を作成する(S104)。そして、コントローラ105は、データ部Dにヘッダ部Hを付加した構造の画像ファイルF11、F12を作成する。この際、画像ファイルF11のデータ部Dには左画像データDLを格納し、画像ファイルF12のデータ部Dには右画像データDRを格納する。そして、画像ファイルF11のヘッダ部Hには、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、作成日時D5等を格納する(S105)。これに対して、画像ファイルF12のヘッダ部Hには、作成日時D5等を格納する(S106)。
【0029】
最後に、コントローラ105は、作成した画像ファイルF11およびF12を記憶手段108に記憶させる。
【0030】
(1−4)デジタルカメラ100における画像ファイルF11、F12の表示
次に、デジタルカメラ100における画像ファイルF11、F12の表示動作を説明する。図4に、このときの動作を表すフローチャートを示す。
【0031】
まず、ファイル名の拡張子が“JPG”であるファイルの中から、ユーザーの指示により表示させたい画像ファイルを検索する(S201)。この検索は、サムネイル画像を表示して、ユーザーに選択させるものであっても良いし、画像ファイルのファイル名を一覧表示させてユーザーに選択させるものであっても良い。また、画像を順送りまたは逆送りさせながら選択するものであっても良い。
【0032】
対象画像ファイルとして、例えば画像ファイルF11が選択されると、コントローラ105は、記憶手段108から、ファイル名の拡張子以外の部分がF11と一致し、拡張子が“J3D”のファイルが存在するかどうかを判断する(S203)。その結果、拡張子が“J3D”のファイルが存在すればステップS204に移行し、存在しなければステップS205に移行する。
【0033】
ステップS204では、コントローラ105は、三次元表示用の表示装置に出力するかどうかを判断する。ここで、三次元表示用の表示装置とは、ユーザーに対して、視点の異なる画像を左右の目で見える様に表示することにより、立体画像と知覚させる表示装置をいう。例えば、偏光や色を利用して、専用眼鏡を用いる表示装置(右目用には縦偏光、左眼用には横偏光で表示)や、ディスプレイ表面にフィルタを設ける表示装置(より詳細には、レンチキュラーレンズを設けて、見る方向により異なる画像を表示する表示装置)等が含まれる。
【0034】
ここでは、デジタルカメラ100の表示手段107は三次元表示用の表示装置であるとすると、「Yes」と判断し、ステップS206に移行する。そして、コントローラ105は、画像ファイルF11の他に画像ファイルF12を記憶手段108から読み出して、これらを表示手段107に表示するように制御する。より詳細には、コントローラ105は、画像ファイルF11のデータ部Dから左画像データDL1を読み出し、画像ファイルF12のデータ部Dから右画像データDR1を読み出して、画像処理手段104に出力する。次に、コントローラ105は、画像ファイルF11のヘッダ部Hから3D情報D4等を読み出して、これらの情報に基づいて画像処理手段104を制御する。画像処理手段104は、左右の画像データDL1、DR1を表示手段107に表示可能な画像データに変換して、表示手段107に出力する。そして、表示手段107は、画像処理手段104から取得した画像データを表示する。より詳細には、表示手段107は、左画像データDL1を基に生成される画像をユーザーの左目に入射させるように、また右画像データDR1を基に生成される画像をユーザーの右目に入射させるように表示する。表示方法は、上記の方法に限定されず、たとえば、左画像データDL1を基に生成される画像をユーザーの右目に入射させるように、また右画像データDR1を基に生成される画像をユーザーの左目に入射させるように表示しても良い。
【0035】
このときの表示手段107の状態を図5に示す。図5は、デジタルカメラ100の背面図である。デジタルカメラ100は、背面に表示手段107を有する。表示手段107に立体視用の画像データ301が表示される。また、表示手段107は、立体視用の画像データ301を表示する際に、その画像が立体視用の画像であることを告知するための表示302を表示しても良い。この表示302を表示することにより、ユーザーは画像301が3次元画像であることを容易に把握することができる。
【0036】
また、立体視可能な画像データ301は、左右の2つの画像データから構成する関係で2次元の画像データよりも縦/横の比率が大きくなる(縦長になる)ため、縦/横比が2次元画像の表示に対応した表示手段に画像全体を表示すると、図5に示すように小さく表示されてしまうことになる。この問題を解決するために、図6に示すように、画像301の上下を表示せず、中央部のみを表示するようにしても良い。このようにすることで、ユーザーは、画像の中央部の見たい部分を十分な大きさで見ることができる。
【0037】
一方、ステップS203において、拡張子が“J3D”のファイルが存在しない場合(つまり、対象画像ファイルが2D画像ファイルである場合)には、コントローラ105は、これを検出して、ステップS205に移行する。ステップS205では、コントローラ105は、表示手段107に画像ファイルを2D画像として出力するよう制御する。
【0038】
(1−5)縮小画像の再生
上述のステップS201では、ユーザーの指示により表示させたい画像ファイルを検索する際に、サムネイル画像(縮小画像D3)を表示して、ユーザーに選択させても良いとした。ここでは、縮小画像D3を表示させる際のデジタルカメラ100の動作を詳述する。このときのデジタルカメラ100の動作を表すフローチャートを図7に示す。
【0039】
まず、表示すべき縮小画像を検索するために、ファイル名の拡張子が“JPG”である画像ファイルを記憶手段108から検索する(S301)。この検索は、画像ファイルの記録順でも良いし、記録の逆順でも良い。また、他の所定の方法により検索しても良い。次に、拡張子“JPG”を持つファイルに対して、ファイル名の拡張子以外の部分が一致し、拡張子が“J3D”のファイルが存在するかどうかを判断する(S303)。
【0040】
その結果、拡張子が“J3D”のファイルが存在すれば、ステップS304に移行する。コントローラ105は、ステップS304では、三次元表示用の表示装置に出力するかどうかを判断する。三次元表示用表示装置に出力すると判断した場合には、拡張子が“JPG”のファイルと、拡張子が“J3D”のファイルのそれぞれのヘッダ部Hに格納された縮小画像D3を読み出して表示手段107に出力することによって、縮小画像を三次元で表示する(S305)。この際、この縮小画像D3を2D画像とは区別して表示しても良い。例えば、2D画像として縮小画像を表示するときに比べて、縮小画像表示の外周の枠線の太さを太くするなどすれば良い。ステップS304で三次元表示用表示装置に出力しないと判断した場合には、ステップS307に移行する。ステップS307では、コントローラ105は、拡張子が“JPG”のファイルのヘッダ部Hに格納された縮小画像D3を読み出して表示手段107に表示する(S307)。
【0041】
このように、三次元表示用の表示装置に出力する場合には2つの画像の縮小画像を三次元表示し、三次元表示用の表示装置に出力しない場合には、拡張子が“JPG”のファイルの縮小画像D3を表示するようにすることによって、左右の画像ファイルの一方についてのみ縮小画像を表示し、左右の画像ファイルの両方について縮小画像を重複して表示するという状況を回避でき、ユーザーは画像管理をしやすくなる。
【0042】
また、ステップS303において、検索した画像ファイルとファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルが存在しない場合には、ステップS306に移行し、その画像ファイルに含まれる縮小画像を3D画像とは区別して表示する。
【0043】
以上のようにして縮小画像が三次元用でない表示装置に表示されたときの状態を図8に示す。図8は、デジタルカメラ100の表示手段107に縮小画像401〜404を表示した際の状態を示す模式図である。縮小画像401、404は、3D画像ファイルから読み出した縮小画像である。また、縮小画像402、403は2D画像ファイルから読み出した縮小画像である。これらは、枠線の太さによって区別されている。カーソル405は、ユーザーによる選択を示すマークである。カーソル405は、デジタルカメラ100に備えられたカーソルキー(図示せず)等で他の縮小画像に移動することができる。ユーザーは、カーソルを所望の縮小画像に移動させて、決定釦(図示せず)等で決定することにより画像ファイルを選択することができる。
【0044】
このように、3D画像ファイルから読み出した縮小画像401、404と2D画像ファイルから読み出した縮小画像402、403とを区別して表示することにより、ユーザーは表示を希望する画像が三次元表示されるのか、二次元表示されるのかを容易に把握できる。
【0045】
(1−6)画像ファイルの削除
コントローラ105は、記憶手段108内に記憶された画像ファイルを削除する場合、まず、その画像ファイルが、立体視用の画像ファイルであるかどうかを確認する。確認の方法は、画像ファイルのヘッダ部を読み出して、3D識別子D2があるかどうかで確認してもよく、また、「J3D」の拡張子を有する第2画像ファイルが記憶手段108内に記憶されているかどうかによって確認してもよい。
【0046】
その後、コントローラ105は、削除対象の画像ファイルが立体視用の画像ファイルである場合、削除対象と同じファイル識別子と有する2つの画像ファイルを特定する。次に、コントローラ105は、それらの画像ファイルの拡張子がそれぞれ「JPG」及び「J3D」であることを確認する。そして、コントローラ105は、これらの画像ファイルを記憶手段108から削除する。
【0047】
このように、関連する一方の画像ファイル(例えば、P1000001.JPG)を消去する場合に同時に消去する他方の画像ファイル(例えば、P1000001.J3D)を、他方の画像ファイルのヘッダ部を読み出さずにファイル名のみで検索可能である。そのため、立体視に必要な2つの画像ファイルの同時操作(例えば、削除操作等)を容易に行うことができる。
【0048】
なお、上記の実施例では、他方の画像ファイルのヘッダ部を読み出さずにファイル名のみで検索し、その後削除したが、検索の前後で画像ファイルのヘッダ部を読み出すようにしてもよい。これにより、立体視用の画像ファイルの組合せを確実に把握することができる。
【0049】
(1−7)プリンタによる出力
デジタルカメラ100で作成した画像ファイルF11〜F12は、プリンタでプリントアウトできる。プリンタとしては、3D画像を処理する機能を有するものとそのような機能を有しないものとがある。以下、プリンタがそのような機能を有する場合と有しない場合とに分けて、画像ファイルF11〜F12をプリントアウトする際のプリンタの動作を説明する。
【0050】
(1−7−1)プリンタが3D画像を処理する機能を有する場合
この場合、プリンタは、デジタルカメラ100と同様に、図4に示すフローチャートにしたがって動作する。
【0051】
まず、プリンタは、デジタルカメラ100から通信によりまたはメモリーカードにより画像ファイルF11〜F12を取得する。そして、ユーザーの指示等により、プリントアウトする画像ファイルを選択する(S201)。ここでは、画像ファイルF11が選択されたものとする。すると、プリンタに内蔵されるコントローラは、選択画像ファイルとファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルが存在するかどうかを判断する(S203)。F11とファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルF12が存在するので、ステップS204に移行する。ステップS204に移行すると、プリンタが三次元画像のプリントが可能な場合には、ステップS206に移行する。ステップS206では、プリンタのコントローラは、画像ファイルF11に格納された左画像データDL1および画像ファイルF12に格納された右画像ファイルDR1を読み出し、それらから生成される画像202、203を三次元画像のプリントに適した方法で処理して記録媒体としての記録紙201にプリントアウトするよう制御する。このときのプリントアウトの例を図9に示す。ユーザーは、プリントアウト結果を立体視することにより、3次元画像として認識できる。
【0052】
一方、ステップS203において、プリントアウト対象の画像ファイルに対して、拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルが存在しない場合には、ステップS205に移行して、2D画像としてプリントアウトする。
【0053】
(1−7−2)プリンタが3D画像を処理する機能を有しない場合
ステップS204において、プリンタが3D画像を処理する機能を有しない場合には、拡張子以外が一致し、拡張子が“JPG”である画像ファイルF11と拡張子が“J3D”である画像ファイルF12が存在する場合であっても、プリンタは拡張子が“JPG”である画像ファイルF11のみを2D画像としてプリントアウトし、拡張子が“J3D”である画像ファイルF12はプリントアウトしない。そのときの画像ファイルF11のプリントアウトの結果を図10に示す。記録紙201には、画像ファイルF11に格納されている左画像データDL1を基に作成された画像202がプリントされる。
【0054】
このように、プリンタが3D画像を処理する機能を有しない場合であっても、拡張子“JPG”を持つ画像ファイルのみをプリントアウトできる。これによって、3D対応の画像ファイルF11〜F12の両方を重複して2Dでプリントアウトする事態や、全くプリントアウトできないといった事態を回避することができる。
【0055】
(1−8)実施の形態1のまとめ
本発明のデジタルカメラ100は、立体視可能な画像データを生成する際に必要な左画像ファイルF11および右画像ファイルF12を取得する取得手段としての右光学系101、左光学系102、CCD103、画像処理手段104およびコントローラ105を備える。また、デジタルカメラ100は、コントローラ105の機能によって、左画像ファイルF11および右画像ファイルF12を、それぞれ、拡張子“JPG”を持つ画像ファイルおよびファイル名の拡張子以外の部分が一致し拡張子が“J3D”である画像ファイルとして記憶部108に記録する。コントローラ105は、この機能によって、3D画像ファイルを立体視に必要な画像ファイルごとにまとめて管理することができるため、3D画像ファイルの管理を容易にすることができる。
【0056】
また、デジタルカメラ100は、コントローラ105の機能によって、拡張子“JPG”を持つ画像ファイルを検索し、そのファイルとファイル名の拡張子以外の部分が一致し拡張子が“J3D”である画像ファイルが存在するかどうかを確認できる。この機能により、デジタルカメラ100は、画像ファイルのヘッダ内の解析を行わずに、ファイル名の検索のみによって、2D画像を再生処理するか3D画像を再生処理するかを判断できる。そのため、3D画像ファイルの再生処理および管理を容易に行うことができる。
【0057】
本発明のプリンタは、左画像ファイルおよび右画像ファイルを用いて立体視可能な画像データを出力するプリンタである。本発明のプリンタは、記憶手段とコントローラとを備える。記憶手段は、左画像ファイルおよび右画像ファイルを記憶する。コントローラは、拡張子が“JPG”である画像ファイルを検索し、拡張子が“JPG”である画像ファイルから左画像を読み出し、そのファイルとファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”である画像ファイルから右画像を読み出す。これらの画像データ処理し立体視可能な画像データとして、記録媒体である記録紙201に出力するよう制御する。この構成により、ユーザーは、記録紙201にプリントアウトするだけで、手軽に立体視を楽しむことができる。
【0058】
また、デジタルカメラ100は、三次元表示用の表示装置に出力しない場合には、左画像ファイルまたは右画像ファイルのいずれか一方に含まれる縮小画像のみを読み出し、読み出した縮小画像を出力するよう制御するようにしても良い。このようにすることで、左右の画像ファイルの両方について縮小画像を重複して表示するという状況を回避でき、ユーザーは画像管理をしやすくなる。また、デジタルカメラ100は、三次元表示用の表示装置に出力する場合には、左右両方の画像ファイルのヘッダに格納された縮小画像を用いて、縮小画像の三次元表示を行うことも可能である。
【0059】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1以外の他の実施の形態を以下にまとめて説明する。
【0060】
実施の形態1では、イメージセンサとして、CCDイメージセンサ103を用いたが、これに限らず、CMOSセンサ等を用いても良い。
【0061】
また、デジタルカメラ100は3次元画像として、静止画を生成しても良いし、動画を生成しても良い。
【0062】
また、本発明の実施の形態1では、立体視可能な画像データを生成する電子機器として、デジタルカメラ100やプリンタを例示したが、これに限らない。例えば、テレビジョン受像装置であっても良いし、PDAや携帯電話端末であっても良く、画像を出力できるものであれば良い。
【0063】
また、本発明の実施の形態1では、画像ファイルF11〜F12をいずれもJPEG規格に準拠した画像ファイルとしたが、これには限らず、MPEG規格に準拠したものでも良いし、ビットマップフォーマットに準拠したものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の電子機器等は、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合でも、画像ファイル管理を容易にすることができるため、3次元画像データを生成し、または処理する電子機器に利用可能である。たとえば、デジタルカメラのほかに、プリンタ、携帯電話端末、テレビジョン受信装置等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1における管理ファイルおよび画像ファイルのファイル構造を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの画像ファイル作成動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラまたはプリンタの画像ファイルの出力動作を示すフローチャート
【図5】本発明の他の実施の形態1におけるデジタルカメラの背面図
【図6】本発明の他の実施の形態1におけるデジタルカメラの背面図
【図7】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの縮小画像表示動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの縮小画像表示の一例を示す模式図
【図9】本発明のプリンタでプリントアウトした記録紙の平面図
【図10】本発明の別のプリンタでプリントアウトした記録紙の平面図
【図11】従来の画像ファイルのファイル構造を示す模式図
【符号の説明】
【0066】
100 デジタルカメラ
101 右光学系
102 左光学系
103 CCD
104 画像処理手段
105 コントローラ
107 表示手段
108 記憶手段
D データ部
DL1 左画像データ
DR1 右画像データ
D1 ファイル名
D2 3D識別子
D3 縮小画像
D4 3D情報
F11〜F12 画像ファイル
H ヘッダ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視用の画像ファイルを生成するデジタルカメラ等の画像ファイル生成装置、および立体視用の画像ファイルを再生する表示ディスプレイやプリンタ等の画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体視用の画像ファイルを生成する画像処理装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の従来技術は、立体視画像を構成する複数の画像について同時に同じ処理をする際に生じるユーザーの煩雑さを解消することを目的とするものである。
【0003】
その目的を達成するために、立体視画像を構成する複数の画像データをそれぞれ別の画像ファイルに格納するとともに、相互に関連する画像ファイルの属性情報をそれぞれの画像ファイルのヘッダ部に格納する構成とされている。
【0004】
図11を用いて、より詳細に説明する。図11は、従来技術における画像ファイルのファイル構造である。画像ファイル「P1000101.JPG」、「P1000102.JPG」のデータ部にはそれぞれ左画像データDL、右画像データDRが格納されている。左画像データDL、右画像データDRはペアであり、1つの立体視画像を構成するものである。また、ヘッダ部Hには、相互の画像ファイル名が格納されている。具体的には、画像ファイル「P1000101.JPG」のヘッダ部Hには画像ファイル名「P1000102.JPG」が格納されており、画像ファイル「P1000102.JPG」のヘッダ部Hには画像ファイル名「P1000101.JPG」が格納されている。
【0005】
画像ファイルのファイル構造を以上のようにすることにより、関連する一方の画像ファイルに消去等の処理を施した際に、他方の画像ファイルについても同様の処理をすることができ、ファイルごとの個別処理を自動化することができる。
【特許文献1】特開2000−99758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来の構成では、3D画像ファイルを読み出す場合には、画像ファイルのヘッダ部Hを読み出さなければ、ペアになる画像ファイルを特定することができなかった。そのため、3D画像の再生処理に時間を要していた。また、ヘッダ部を読み出さなければ、その画像ファイルが3D画像ファイルか、2D画像ファイルかを把握することができないため、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合には、ユーザーにとってそれらの画像ファイルの管理が煩雑であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題を解決するもので、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合でも、画像ファイル管理を容易にすることができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明は、立体視に必要な第1および第2の画像ファイルに対してファイル名の拡張子以外の部分(ファイル識別名)は同じとし、2つのファイルに対してそれぞれ拡張子のみが異なるファイル名を付与する。
【発明の効果】
【0009】
これによって、各ファイルのヘッダ部を読み出さなくても、ペアになる画像ファイルを特定でき、3D画像の再生処理に要する時間を短縮できる。また、ヘッダ部を読み出さなくても、拡張子のみが異なるファイル名が存在するかどうかに応じて、その画像ファイルが3D画像ファイルか、2D画像ファイルかを把握することができ、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合でも、画像ファイルの管理が容易になる。関連する一方の画像ファイルを消去する場合に同時に消去する他方の画像ファイルを、ヘッダ部を読み出さずにファイル名のみで検索可能で、立体視に必要な2つの画像ファイルの同時操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
(1−1)本実施の形態1の概要
本発明の実施の形態1のデジタルカメラ100は、立体視可能な画像データを生成する際に2つの必要な画像ファイルを、ファイル名の拡張子以外(ファイル識別名)が同一で、ファイル名の拡張子のみが異なる2つのファイル名を付与して生成する。
【0011】
図1は、本実施例によって記録されるファイル構造を示す。左画像ファイルF11のファイル名「P1000001.JPG」と右画像ファイルF12のファイル名「P1000001.J3D」は、拡張子のみが異なるため、これら2つのファイルは、組み合わせた状態で管理される。画像ファイルF11及び12は、ヘッダ部Hとデータ部Dとを備える。画像ファイルF11のデータ部Dには、左画像データDL1が格納されている。画像ファイルF12のデータ部Dには、右画像データDR1が格納されている。これらの左右の画像データDL1、DR1は、1つの立体視可能な(ステレオ視)画像データを生成する際に必要な画像データである。すなわち、これらの左右の画像データDL1、DR1は、左右に平行に配置した2視点からの画像をそれぞれ示すものであり、これらの画像には視差が生じている。この視差を利用して、ユーザーは、立体視をすることにより立体画像を見ることができる。
【0012】
左画像ファイルF11のヘッダ部Hには、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、ファイル作成日時D5等が格納される。ペアファイル名D1は、立体視に必要なもう一方のファイル名を示す。3D識別子D2は画像ファイルが立体視用の画像ファイルであることを示す識別子である。さらに、3D識別子D2が、「3D_L」となっている場合はその画像ファイルが左画像データを格納する左画像ファイルであることを示し、3D識別子D2が、「3D_R」となっている場合はその画像ファイルが右画像データを格納する右画像ファイルであることを示す。縮小画像D3は、サムネイル画像とも呼ばれ、左画像データDLを基に作成されたサイズの小さい画像データである。ユーザーは縮小画像D3を利用して画像検索等を行うことができる。3D情報は、3D画像を再生する際に利用する測距データや視差量等を示す。
【0013】
右画像ファイルF12のヘッダ部Hは、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、ファイル作成日時D5等を格納する。3D識別子D2として、「3D_R」を格納することにより、画像ファイルF12が右画像ファイルであることを示す。
【0014】
なお、右画像ファイルF12のヘッダ部Hには、3D識別子D2、3D情報D4を格納しないように構成しても良い。3D識別子D2を格納しなくても、ファイル名の拡張子「J3D」から画像ファイルF12が右画像ファイルであることは分かるからである。また、3D情報D4を格納しなくても、左画像ファイルF11に格納した3D情報D4を利用すればよいからである。
【0015】
また、右画像ファイルF12のヘッダ部Hに、3D識別子D2、3D情報D4を格納し、左画像ファイルF11のヘッダ部Hには、3D識別子D2、3D情報D4を格納しないように構成しても良い。これらの情報は、左右の画像ファイルで1つ存在すればよいので、上記の構成とすることにより、不必要な情報を重複して作成し、記憶することがなくなる。
【0016】
また、ペアファイル名D1については、拡張子のみ異なるファイル名を持つファイルを検索することで自明なので、左画像ファイルF11および右画像ファイルF12のいずれにも格納されなくても良い。これら格納情報の省略によって、情報を作成する処理時間を短縮でき、管理を容易にできる。
【0017】
(1−2)デジタルカメラ100の構成
図2は、デジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、右光学系101と左光学系102の2つの撮像系を有する。右光学系101を介した光学信号も左光学系102を介した光学信号もともにCCD103に結像される。CCD103は、右光学系101と左光学系102から取得した光学信号を光電変換して電気的信号を生成する。画像処理手段104は、CCD103で生成された電気的信号を処理して、右画像データDRおよび左画像データDLを生成する。ここで、右画像データDRは、右光学系101を介して入力された光学信号に基づいて生成された画像データであり、左画像データDLは、左光学系102を介して入力された光学信号に基づいて生成された画像データである。
【0018】
コントローラ105は、デジタルカメラ100の制御を行う。また、コントローラ105は、画像処理手段104で生成された右画像データDR、左画像データDLを受けて、それぞれの画像データごとに画像ファイルを作成する。左画像データDLに基づいて左画像ファイルを作成する場合には、データ部Dにヘッダ部Hを付加し、データ部Dに、左画像データDLを格納し、ヘッダ部Hに、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、ファイル作成日時D5等の必要な情報を格納する。一方、右画像データDRに基づいて右画像ファイルを作成する場合には、データ部Dにヘッダ部Hを付加し、データ部Dに、右画像データDRを格納し、ヘッダ部Hに、ファイル作成日時D5等の必要な情報を格納する。
【0019】
測距手段106は、被写体とデジタルカメラ100との距離を測定するためのセンサーである。測距手段106による測定結果は、コントローラ105に出力され、コントローラ105において、3D情報D4の一部として、左画像ファイルのヘッダ部Hに格納される。
【0020】
記憶手段108は、コントローラ105で生成した画像ファイルF11〜F12を記憶する。記憶手段108は、デジタルカメラ100に着脱可能なメモリーカードであっても良いし、デジタルカメラ100に内蔵された内蔵メモリであっても良い。また、記憶手段108は、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良いし、光記録媒体や磁気記録媒体であっても良い。
【0021】
表示手段107は、立体視用のディスプレイである。表示手段107は、眼鏡なしで立体視が可能な直視型立体ディスプレイであっても良いし、液晶シャッタ眼鏡を用いて左右画像を切り換えて表示するディスプレイであっても良い。また、表示手段107は、これらに限らず、ユーザーが立体視をすることが可能なディスプレイであれば良い。例えば、左画像データと右画像データとを左右に並べて表示するディスプレイであっても良い。
【0022】
ここで、左画像ファイルF11は、本発明の第1の画像ファイルまたは第2の画像ファイルの一例である。右画像ファイルF12もまた、本発明の第1の画像ファイルまたは第2の画像ファイルの一例であるが、左画像ファイルF11が第1の画像ファイルに相当するときは右画像ファイルF12が第2の画像ファイルに相当し、左画像ファイルF11が第2の画像ファイルに相当するときは右画像ファイルF12が第1の画像ファイルに相当する。右光学系101、左光学系102、CCD103、画像処理手段104およびコントローラ105からなる構成は、本発明の取得手段の一例である。コントローラ105は、本発明の画像ファイル生成手段の一例である。また、記憶手段108は、本発明の第1の記憶手段、第2の記憶手段の一例である。
【0023】
なお、本発明において、立体視可能な画像データとは、ユーザーがそれを用いて立体視できるような画像データを広く意味する。例えば、三次元表示用の液晶ディスプレイに出力され、三次元表示される画像データも含み、また、プリンタに出力されて、視差の異なる画像を左右に並べて表示される画像データも含む概念である。立体視可能な画像データは、左画像データDLおよび右画像データDRそのままであっても良いし、これらを変形させ、あるいは、他の情報を付加するものであって良い。要するに、左画像データDLおよび右画像データDRに基づいて生成されるものであれば良い。
【0024】
(1−3)デジタルカメラ100におけるファイル作成動作
次に、左画像ファイルF11および右画像ファイルF12を作成する際のデジタルカメラ100の動作を説明する。図3は、このときの動作を示すフローチャートである。
【0025】
右光学系101および左光学系102を介して光学信号をCCD103上に結像する。CCD103は、結像された光学信号を光電変換して電気的信号を生成する(S101)。
【0026】
次に、測距手段106は、デジタルカメラ100と被写体との距離を測定し、その結果をコントローラ105に出力する。コントローラ105は、測距手段106から取得した測距データやその他の情報を3D情報として記憶する(S102)。
【0027】
次に、画像処理手段104は、CCD103で生成された電気的信号に基づいて、左画像データDLおよび右画像データDRを生成する(S103)。そして、画像処理手段104は、コントローラ105に左右の画像データDL、DRを出力する。
【0028】
次に、コントローラ105は、画像処理手段104から取得した左画像データDLに基づいて縮小画像D3を作成する(S104)。そして、コントローラ105は、データ部Dにヘッダ部Hを付加した構造の画像ファイルF11、F12を作成する。この際、画像ファイルF11のデータ部Dには左画像データDLを格納し、画像ファイルF12のデータ部Dには右画像データDRを格納する。そして、画像ファイルF11のヘッダ部Hには、ペアファイル名D1、3D識別子D2、縮小画像D3、3D情報D4、作成日時D5等を格納する(S105)。これに対して、画像ファイルF12のヘッダ部Hには、作成日時D5等を格納する(S106)。
【0029】
最後に、コントローラ105は、作成した画像ファイルF11およびF12を記憶手段108に記憶させる。
【0030】
(1−4)デジタルカメラ100における画像ファイルF11、F12の表示
次に、デジタルカメラ100における画像ファイルF11、F12の表示動作を説明する。図4に、このときの動作を表すフローチャートを示す。
【0031】
まず、ファイル名の拡張子が“JPG”であるファイルの中から、ユーザーの指示により表示させたい画像ファイルを検索する(S201)。この検索は、サムネイル画像を表示して、ユーザーに選択させるものであっても良いし、画像ファイルのファイル名を一覧表示させてユーザーに選択させるものであっても良い。また、画像を順送りまたは逆送りさせながら選択するものであっても良い。
【0032】
対象画像ファイルとして、例えば画像ファイルF11が選択されると、コントローラ105は、記憶手段108から、ファイル名の拡張子以外の部分がF11と一致し、拡張子が“J3D”のファイルが存在するかどうかを判断する(S203)。その結果、拡張子が“J3D”のファイルが存在すればステップS204に移行し、存在しなければステップS205に移行する。
【0033】
ステップS204では、コントローラ105は、三次元表示用の表示装置に出力するかどうかを判断する。ここで、三次元表示用の表示装置とは、ユーザーに対して、視点の異なる画像を左右の目で見える様に表示することにより、立体画像と知覚させる表示装置をいう。例えば、偏光や色を利用して、専用眼鏡を用いる表示装置(右目用には縦偏光、左眼用には横偏光で表示)や、ディスプレイ表面にフィルタを設ける表示装置(より詳細には、レンチキュラーレンズを設けて、見る方向により異なる画像を表示する表示装置)等が含まれる。
【0034】
ここでは、デジタルカメラ100の表示手段107は三次元表示用の表示装置であるとすると、「Yes」と判断し、ステップS206に移行する。そして、コントローラ105は、画像ファイルF11の他に画像ファイルF12を記憶手段108から読み出して、これらを表示手段107に表示するように制御する。より詳細には、コントローラ105は、画像ファイルF11のデータ部Dから左画像データDL1を読み出し、画像ファイルF12のデータ部Dから右画像データDR1を読み出して、画像処理手段104に出力する。次に、コントローラ105は、画像ファイルF11のヘッダ部Hから3D情報D4等を読み出して、これらの情報に基づいて画像処理手段104を制御する。画像処理手段104は、左右の画像データDL1、DR1を表示手段107に表示可能な画像データに変換して、表示手段107に出力する。そして、表示手段107は、画像処理手段104から取得した画像データを表示する。より詳細には、表示手段107は、左画像データDL1を基に生成される画像をユーザーの左目に入射させるように、また右画像データDR1を基に生成される画像をユーザーの右目に入射させるように表示する。表示方法は、上記の方法に限定されず、たとえば、左画像データDL1を基に生成される画像をユーザーの右目に入射させるように、また右画像データDR1を基に生成される画像をユーザーの左目に入射させるように表示しても良い。
【0035】
このときの表示手段107の状態を図5に示す。図5は、デジタルカメラ100の背面図である。デジタルカメラ100は、背面に表示手段107を有する。表示手段107に立体視用の画像データ301が表示される。また、表示手段107は、立体視用の画像データ301を表示する際に、その画像が立体視用の画像であることを告知するための表示302を表示しても良い。この表示302を表示することにより、ユーザーは画像301が3次元画像であることを容易に把握することができる。
【0036】
また、立体視可能な画像データ301は、左右の2つの画像データから構成する関係で2次元の画像データよりも縦/横の比率が大きくなる(縦長になる)ため、縦/横比が2次元画像の表示に対応した表示手段に画像全体を表示すると、図5に示すように小さく表示されてしまうことになる。この問題を解決するために、図6に示すように、画像301の上下を表示せず、中央部のみを表示するようにしても良い。このようにすることで、ユーザーは、画像の中央部の見たい部分を十分な大きさで見ることができる。
【0037】
一方、ステップS203において、拡張子が“J3D”のファイルが存在しない場合(つまり、対象画像ファイルが2D画像ファイルである場合)には、コントローラ105は、これを検出して、ステップS205に移行する。ステップS205では、コントローラ105は、表示手段107に画像ファイルを2D画像として出力するよう制御する。
【0038】
(1−5)縮小画像の再生
上述のステップS201では、ユーザーの指示により表示させたい画像ファイルを検索する際に、サムネイル画像(縮小画像D3)を表示して、ユーザーに選択させても良いとした。ここでは、縮小画像D3を表示させる際のデジタルカメラ100の動作を詳述する。このときのデジタルカメラ100の動作を表すフローチャートを図7に示す。
【0039】
まず、表示すべき縮小画像を検索するために、ファイル名の拡張子が“JPG”である画像ファイルを記憶手段108から検索する(S301)。この検索は、画像ファイルの記録順でも良いし、記録の逆順でも良い。また、他の所定の方法により検索しても良い。次に、拡張子“JPG”を持つファイルに対して、ファイル名の拡張子以外の部分が一致し、拡張子が“J3D”のファイルが存在するかどうかを判断する(S303)。
【0040】
その結果、拡張子が“J3D”のファイルが存在すれば、ステップS304に移行する。コントローラ105は、ステップS304では、三次元表示用の表示装置に出力するかどうかを判断する。三次元表示用表示装置に出力すると判断した場合には、拡張子が“JPG”のファイルと、拡張子が“J3D”のファイルのそれぞれのヘッダ部Hに格納された縮小画像D3を読み出して表示手段107に出力することによって、縮小画像を三次元で表示する(S305)。この際、この縮小画像D3を2D画像とは区別して表示しても良い。例えば、2D画像として縮小画像を表示するときに比べて、縮小画像表示の外周の枠線の太さを太くするなどすれば良い。ステップS304で三次元表示用表示装置に出力しないと判断した場合には、ステップS307に移行する。ステップS307では、コントローラ105は、拡張子が“JPG”のファイルのヘッダ部Hに格納された縮小画像D3を読み出して表示手段107に表示する(S307)。
【0041】
このように、三次元表示用の表示装置に出力する場合には2つの画像の縮小画像を三次元表示し、三次元表示用の表示装置に出力しない場合には、拡張子が“JPG”のファイルの縮小画像D3を表示するようにすることによって、左右の画像ファイルの一方についてのみ縮小画像を表示し、左右の画像ファイルの両方について縮小画像を重複して表示するという状況を回避でき、ユーザーは画像管理をしやすくなる。
【0042】
また、ステップS303において、検索した画像ファイルとファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルが存在しない場合には、ステップS306に移行し、その画像ファイルに含まれる縮小画像を3D画像とは区別して表示する。
【0043】
以上のようにして縮小画像が三次元用でない表示装置に表示されたときの状態を図8に示す。図8は、デジタルカメラ100の表示手段107に縮小画像401〜404を表示した際の状態を示す模式図である。縮小画像401、404は、3D画像ファイルから読み出した縮小画像である。また、縮小画像402、403は2D画像ファイルから読み出した縮小画像である。これらは、枠線の太さによって区別されている。カーソル405は、ユーザーによる選択を示すマークである。カーソル405は、デジタルカメラ100に備えられたカーソルキー(図示せず)等で他の縮小画像に移動することができる。ユーザーは、カーソルを所望の縮小画像に移動させて、決定釦(図示せず)等で決定することにより画像ファイルを選択することができる。
【0044】
このように、3D画像ファイルから読み出した縮小画像401、404と2D画像ファイルから読み出した縮小画像402、403とを区別して表示することにより、ユーザーは表示を希望する画像が三次元表示されるのか、二次元表示されるのかを容易に把握できる。
【0045】
(1−6)画像ファイルの削除
コントローラ105は、記憶手段108内に記憶された画像ファイルを削除する場合、まず、その画像ファイルが、立体視用の画像ファイルであるかどうかを確認する。確認の方法は、画像ファイルのヘッダ部を読み出して、3D識別子D2があるかどうかで確認してもよく、また、「J3D」の拡張子を有する第2画像ファイルが記憶手段108内に記憶されているかどうかによって確認してもよい。
【0046】
その後、コントローラ105は、削除対象の画像ファイルが立体視用の画像ファイルである場合、削除対象と同じファイル識別子と有する2つの画像ファイルを特定する。次に、コントローラ105は、それらの画像ファイルの拡張子がそれぞれ「JPG」及び「J3D」であることを確認する。そして、コントローラ105は、これらの画像ファイルを記憶手段108から削除する。
【0047】
このように、関連する一方の画像ファイル(例えば、P1000001.JPG)を消去する場合に同時に消去する他方の画像ファイル(例えば、P1000001.J3D)を、他方の画像ファイルのヘッダ部を読み出さずにファイル名のみで検索可能である。そのため、立体視に必要な2つの画像ファイルの同時操作(例えば、削除操作等)を容易に行うことができる。
【0048】
なお、上記の実施例では、他方の画像ファイルのヘッダ部を読み出さずにファイル名のみで検索し、その後削除したが、検索の前後で画像ファイルのヘッダ部を読み出すようにしてもよい。これにより、立体視用の画像ファイルの組合せを確実に把握することができる。
【0049】
(1−7)プリンタによる出力
デジタルカメラ100で作成した画像ファイルF11〜F12は、プリンタでプリントアウトできる。プリンタとしては、3D画像を処理する機能を有するものとそのような機能を有しないものとがある。以下、プリンタがそのような機能を有する場合と有しない場合とに分けて、画像ファイルF11〜F12をプリントアウトする際のプリンタの動作を説明する。
【0050】
(1−7−1)プリンタが3D画像を処理する機能を有する場合
この場合、プリンタは、デジタルカメラ100と同様に、図4に示すフローチャートにしたがって動作する。
【0051】
まず、プリンタは、デジタルカメラ100から通信によりまたはメモリーカードにより画像ファイルF11〜F12を取得する。そして、ユーザーの指示等により、プリントアウトする画像ファイルを選択する(S201)。ここでは、画像ファイルF11が選択されたものとする。すると、プリンタに内蔵されるコントローラは、選択画像ファイルとファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルが存在するかどうかを判断する(S203)。F11とファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルF12が存在するので、ステップS204に移行する。ステップS204に移行すると、プリンタが三次元画像のプリントが可能な場合には、ステップS206に移行する。ステップS206では、プリンタのコントローラは、画像ファイルF11に格納された左画像データDL1および画像ファイルF12に格納された右画像ファイルDR1を読み出し、それらから生成される画像202、203を三次元画像のプリントに適した方法で処理して記録媒体としての記録紙201にプリントアウトするよう制御する。このときのプリントアウトの例を図9に示す。ユーザーは、プリントアウト結果を立体視することにより、3次元画像として認識できる。
【0052】
一方、ステップS203において、プリントアウト対象の画像ファイルに対して、拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”であるファイルが存在しない場合には、ステップS205に移行して、2D画像としてプリントアウトする。
【0053】
(1−7−2)プリンタが3D画像を処理する機能を有しない場合
ステップS204において、プリンタが3D画像を処理する機能を有しない場合には、拡張子以外が一致し、拡張子が“JPG”である画像ファイルF11と拡張子が“J3D”である画像ファイルF12が存在する場合であっても、プリンタは拡張子が“JPG”である画像ファイルF11のみを2D画像としてプリントアウトし、拡張子が“J3D”である画像ファイルF12はプリントアウトしない。そのときの画像ファイルF11のプリントアウトの結果を図10に示す。記録紙201には、画像ファイルF11に格納されている左画像データDL1を基に作成された画像202がプリントされる。
【0054】
このように、プリンタが3D画像を処理する機能を有しない場合であっても、拡張子“JPG”を持つ画像ファイルのみをプリントアウトできる。これによって、3D対応の画像ファイルF11〜F12の両方を重複して2Dでプリントアウトする事態や、全くプリントアウトできないといった事態を回避することができる。
【0055】
(1−8)実施の形態1のまとめ
本発明のデジタルカメラ100は、立体視可能な画像データを生成する際に必要な左画像ファイルF11および右画像ファイルF12を取得する取得手段としての右光学系101、左光学系102、CCD103、画像処理手段104およびコントローラ105を備える。また、デジタルカメラ100は、コントローラ105の機能によって、左画像ファイルF11および右画像ファイルF12を、それぞれ、拡張子“JPG”を持つ画像ファイルおよびファイル名の拡張子以外の部分が一致し拡張子が“J3D”である画像ファイルとして記憶部108に記録する。コントローラ105は、この機能によって、3D画像ファイルを立体視に必要な画像ファイルごとにまとめて管理することができるため、3D画像ファイルの管理を容易にすることができる。
【0056】
また、デジタルカメラ100は、コントローラ105の機能によって、拡張子“JPG”を持つ画像ファイルを検索し、そのファイルとファイル名の拡張子以外の部分が一致し拡張子が“J3D”である画像ファイルが存在するかどうかを確認できる。この機能により、デジタルカメラ100は、画像ファイルのヘッダ内の解析を行わずに、ファイル名の検索のみによって、2D画像を再生処理するか3D画像を再生処理するかを判断できる。そのため、3D画像ファイルの再生処理および管理を容易に行うことができる。
【0057】
本発明のプリンタは、左画像ファイルおよび右画像ファイルを用いて立体視可能な画像データを出力するプリンタである。本発明のプリンタは、記憶手段とコントローラとを備える。記憶手段は、左画像ファイルおよび右画像ファイルを記憶する。コントローラは、拡張子が“JPG”である画像ファイルを検索し、拡張子が“JPG”である画像ファイルから左画像を読み出し、そのファイルとファイル名の拡張子以外が一致し拡張子が“J3D”である画像ファイルから右画像を読み出す。これらの画像データ処理し立体視可能な画像データとして、記録媒体である記録紙201に出力するよう制御する。この構成により、ユーザーは、記録紙201にプリントアウトするだけで、手軽に立体視を楽しむことができる。
【0058】
また、デジタルカメラ100は、三次元表示用の表示装置に出力しない場合には、左画像ファイルまたは右画像ファイルのいずれか一方に含まれる縮小画像のみを読み出し、読み出した縮小画像を出力するよう制御するようにしても良い。このようにすることで、左右の画像ファイルの両方について縮小画像を重複して表示するという状況を回避でき、ユーザーは画像管理をしやすくなる。また、デジタルカメラ100は、三次元表示用の表示装置に出力する場合には、左右両方の画像ファイルのヘッダに格納された縮小画像を用いて、縮小画像の三次元表示を行うことも可能である。
【0059】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1以外の他の実施の形態を以下にまとめて説明する。
【0060】
実施の形態1では、イメージセンサとして、CCDイメージセンサ103を用いたが、これに限らず、CMOSセンサ等を用いても良い。
【0061】
また、デジタルカメラ100は3次元画像として、静止画を生成しても良いし、動画を生成しても良い。
【0062】
また、本発明の実施の形態1では、立体視可能な画像データを生成する電子機器として、デジタルカメラ100やプリンタを例示したが、これに限らない。例えば、テレビジョン受像装置であっても良いし、PDAや携帯電話端末であっても良く、画像を出力できるものであれば良い。
【0063】
また、本発明の実施の形態1では、画像ファイルF11〜F12をいずれもJPEG規格に準拠した画像ファイルとしたが、これには限らず、MPEG規格に準拠したものでも良いし、ビットマップフォーマットに準拠したものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の電子機器等は、3D画像ファイルと2D画像ファイルとが混在する場合でも、画像ファイル管理を容易にすることができるため、3次元画像データを生成し、または処理する電子機器に利用可能である。たとえば、デジタルカメラのほかに、プリンタ、携帯電話端末、テレビジョン受信装置等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1における管理ファイルおよび画像ファイルのファイル構造を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの画像ファイル作成動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラまたはプリンタの画像ファイルの出力動作を示すフローチャート
【図5】本発明の他の実施の形態1におけるデジタルカメラの背面図
【図6】本発明の他の実施の形態1におけるデジタルカメラの背面図
【図7】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの縮小画像表示動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの縮小画像表示の一例を示す模式図
【図9】本発明のプリンタでプリントアウトした記録紙の平面図
【図10】本発明の別のプリンタでプリントアウトした記録紙の平面図
【図11】従来の画像ファイルのファイル構造を示す模式図
【符号の説明】
【0066】
100 デジタルカメラ
101 右光学系
102 左光学系
103 CCD
104 画像処理手段
105 コントローラ
107 表示手段
108 記憶手段
D データ部
DL1 左画像データ
DR1 右画像データ
D1 ファイル名
D2 3D識別子
D3 縮小画像
D4 3D情報
F11〜F12 画像ファイル
H ヘッダ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体視可能な画像データを生成する際に必要な第1画像データを取得する第1取得手段と、
前記第1画像データとともに立体視可能な画像データを生成する際に必要な第2画像データを取得する第2取得手段と、
前記第1画像データを格納する第1画像ファイルを生成する第1ファイル生成手段と、
前記第2画像データを格納する第2画像ファイルを生成する第2ファイル生成手段と、を備え、
前記第1ファイル生成手段は、各画像ファイルを識別するためのファイル識別名に第1拡張子を付与して第1ファイル名を生成し、前記第1画像ファイルを生成する際に、前記第1ファイル名をその画像ファイルのファイル名として付与し、
前記第2ファイル生成手段は、前記第1ファイル名内のファイル識別名と同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子を付与して第2ファイル名を生成し、前記第2画像ファイルを生成する際に、前記第2ファイル名をその画像ファイルのファイル名として付与する、
画像ファイル生成装置。
【請求項2】
前記第1ファイル生成手段は、前記第1画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第1画像ファイルが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像ファイルであることを示す識別子を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項3】
前記第2ファイル生成手段は、前記第2画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第2画像ファイルが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像ファイルであることを示す識別子を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項4】
前記識別子は、前記第1画像データが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像データのうち右目に入射するための画像か、左目に入射するための画像かを示す情報を含む、
請求項2に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項5】
前記識別子は、前記第2画像データが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像データのうち右目に入射するための画像か、左目に入射するための画像かを示す情報を含む、
請求項3に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項6】
前記第1ファイル生成手段は、前記第1画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第2ファイル名を示す情報を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項7】
前記第2ファイル生成手段は、前記第2画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第1ファイル名を示す情報を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項8】
前記第1画像ファイル及び前記第2画像ファイルを記憶手段に記録する記録手段をさらに備え、
前記記憶手段内に格納されている各ファイルはディレクトリ構造を用いて管理され、
前記記録手段は、前記第1画像ファイル及び前記第2画像ファイルを前記記憶手段内の同一のディレクトリ内に記録する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項9】
前記第1画像ファイルおよび前記第2画像ファイルを生成する立体画像生成モードと、前記第1画像ファイルのみを生成する平面画像生成モードと、を有する制御手段をさらに備えた
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項10】
各画像ファイルを識別するためのファイル識別名に第1拡張子が付与された第1ファイル名をファイル名として付与され、第1画像データを格納する第1画像ファイルと、前記第1ファイル名内のファイル識別名と同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子がファイル名として付与され、第2画像データを格納する第2画像ファイルと、を取得可能なファイル取得手段と、
前記取得した前記第1画像データ又は/及び前記第2画像データを表示可能な表示手段と、
前記第1画像データ及び前記第2画像データを用いて、立体視可能な画像を前記表示手段に表示させるよう制御する立体表示モードと、前記第1画像データ及び前記第2画像データのいずれか一方を用いて、立体視はできない画像を前記表示手段に表示させるよう制御する平面表示モードと、を有する制御手段と、
を備える画像再生装置。
【請求項11】
各画像ファイルを識別するためのファイル識別名に第1拡張子が付与された第1ファイル名をファイル名として付与され、第1画像データを格納する第1画像ファイルと、前記第1ファイル名内のファイル識別名と同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子がファイル名として付与され、第2画像データを格納する第2画像ファイルと、を取得可能なファイル取得手段と、
立体表示と平面表示を切り替えて表示可能な表示手段と、
前記第1画像ファイルを検索し、前記第1画像ファイルと同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子が付与されたファイル名を持つ対応第2画像ファイルを検索し、前記対応第2画像ファイルが存在すれば前記第1画像ファイルと前記対応第2画像ファイルとを用いて立体表示を行い、前記対応第2画像ファイルが存在しなければ前記第1画像ファイルのみを用いて平面表示を行う制御手段と、
を備える画像再生装置。
【請求項1】
立体視可能な画像データを生成する際に必要な第1画像データを取得する第1取得手段と、
前記第1画像データとともに立体視可能な画像データを生成する際に必要な第2画像データを取得する第2取得手段と、
前記第1画像データを格納する第1画像ファイルを生成する第1ファイル生成手段と、
前記第2画像データを格納する第2画像ファイルを生成する第2ファイル生成手段と、を備え、
前記第1ファイル生成手段は、各画像ファイルを識別するためのファイル識別名に第1拡張子を付与して第1ファイル名を生成し、前記第1画像ファイルを生成する際に、前記第1ファイル名をその画像ファイルのファイル名として付与し、
前記第2ファイル生成手段は、前記第1ファイル名内のファイル識別名と同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子を付与して第2ファイル名を生成し、前記第2画像ファイルを生成する際に、前記第2ファイル名をその画像ファイルのファイル名として付与する、
画像ファイル生成装置。
【請求項2】
前記第1ファイル生成手段は、前記第1画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第1画像ファイルが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像ファイルであることを示す識別子を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項3】
前記第2ファイル生成手段は、前記第2画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第2画像ファイルが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像ファイルであることを示す識別子を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項4】
前記識別子は、前記第1画像データが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像データのうち右目に入射するための画像か、左目に入射するための画像かを示す情報を含む、
請求項2に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項5】
前記識別子は、前記第2画像データが立体視可能な画像データを生成する際に必要な画像データのうち右目に入射するための画像か、左目に入射するための画像かを示す情報を含む、
請求項3に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項6】
前記第1ファイル生成手段は、前記第1画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第2ファイル名を示す情報を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項7】
前記第2ファイル生成手段は、前記第2画像ファイルを生成する際に、ヘッダ部を生成し、前記第1ファイル名を示す情報を前記ヘッダ部に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項8】
前記第1画像ファイル及び前記第2画像ファイルを記憶手段に記録する記録手段をさらに備え、
前記記憶手段内に格納されている各ファイルはディレクトリ構造を用いて管理され、
前記記録手段は、前記第1画像ファイル及び前記第2画像ファイルを前記記憶手段内の同一のディレクトリ内に記録する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項9】
前記第1画像ファイルおよび前記第2画像ファイルを生成する立体画像生成モードと、前記第1画像ファイルのみを生成する平面画像生成モードと、を有する制御手段をさらに備えた
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項10】
各画像ファイルを識別するためのファイル識別名に第1拡張子が付与された第1ファイル名をファイル名として付与され、第1画像データを格納する第1画像ファイルと、前記第1ファイル名内のファイル識別名と同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子がファイル名として付与され、第2画像データを格納する第2画像ファイルと、を取得可能なファイル取得手段と、
前記取得した前記第1画像データ又は/及び前記第2画像データを表示可能な表示手段と、
前記第1画像データ及び前記第2画像データを用いて、立体視可能な画像を前記表示手段に表示させるよう制御する立体表示モードと、前記第1画像データ及び前記第2画像データのいずれか一方を用いて、立体視はできない画像を前記表示手段に表示させるよう制御する平面表示モードと、を有する制御手段と、
を備える画像再生装置。
【請求項11】
各画像ファイルを識別するためのファイル識別名に第1拡張子が付与された第1ファイル名をファイル名として付与され、第1画像データを格納する第1画像ファイルと、前記第1ファイル名内のファイル識別名と同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子がファイル名として付与され、第2画像データを格納する第2画像ファイルと、を取得可能なファイル取得手段と、
立体表示と平面表示を切り替えて表示可能な表示手段と、
前記第1画像ファイルを検索し、前記第1画像ファイルと同じファイル識別名に前記第1拡張子とは異なる第2拡張子が付与されたファイル名を持つ対応第2画像ファイルを検索し、前記対応第2画像ファイルが存在すれば前記第1画像ファイルと前記対応第2画像ファイルとを用いて立体表示を行い、前記対応第2画像ファイルが存在しなければ前記第1画像ファイルのみを用いて平面表示を行う制御手段と、
を備える画像再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−124963(P2008−124963A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308790(P2006−308790)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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