説明

3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器

【課題】3次元画像の像構築手順を誘導することにより、このような操作に慣れていないユーザでも容易に3次元画像を構築できる方法等を提供する。
【解決手段】電子顕微鏡は、観察対象を撮像した観察像を表示可能な表示部と、表示部に表示される第1の観察像に対して、少なくとも移動、傾き、拡大/縮小のいずれかを調整可能な調整部と、調整部によって、第1の観察像に対して視差を生じる所定の角度に観察対象を傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点から第2の観察像を撮像するように大きさ又は位置を調整するよう誘導するための誘導部と、誘導部の誘導に従って撮像された第2の観察像と、第1の観察像とを用いて視差を利用して3次元画像を生成する3次元画像生成部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査型、透過型等の電子顕微鏡やデジタルマイクロスコープ等に適用可能な3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器に関し、詳細には取得した観察像に基づいて3次元画像を構築可能な3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、微小物体を拡大する拡大観察装置として、光学レンズを使った光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープ等の他、電子レンズを使った電子顕微鏡が利用されている。電子顕微鏡は、電子の進行方向を自由に屈折させ、光学顕微鏡のような結像システムを電子光学的に設計したものである。電子顕微鏡には、試料や標本を透過した電子を電子レンズを用いて結像する透過型の他、試料表面で反射した電子を結像する反射型、収束電子線を試料表面上に走査して各走査点からの二次電子を用いて結像する走査型電子顕微鏡、加熱あるいはイオン照射によって試料から放出される電子を結像する表面放出型(電界イオン顕微鏡)等がある。
【0003】
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)は、対象となる試料に細い電子線(電子プローブ)を照射した際に発生する二次電子や反射電子を、二次電子検出器、反射電子検出器等それぞれの検出器を用いて取り出し、ブラウン管やLCD等の表示画面上に表示して、主として試料の表面形態を観察する装置である。一方、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)は、薄膜試料に電子線を透過させ、その際に試料中で原子により散乱、回折された電子を電子回折パターンまたは透過電顕像として得ることによって主に物質の内部構造を観察できる。
【0004】
電子線が固体試料に照射されたとき、電子のエネルギーによって固体中を透過するが、その際に試料を構成する原子核や電子との相互作用によって弾性的な衝突、弾性散乱やエネルギー損失を伴う非弾性散乱を生じる。非弾性散乱によって試料元素の殻内電子を励起したり、X線等を励起したり、また二次電子を放出し、それに相当するエネルギーを損失する。二次電子は衝突する角度によって放出される量が異なる。一方、弾性散乱によって後方に散乱し、試料から再び放出される反射電子は、原子番号に固有の量が放出される。SEMはこの二次電子や反射電子を利用する。SEMは電子を試料に照射し、放出される二次電子や反射電子を検出して観察像を結像している。
【0005】
このような電子顕微鏡で撮像した電子線観察像を利用して、3次元画像を生成することが行われている。一般的には、電子顕微鏡で視差を生じさせるよう傾けて撮像した2枚以上のステレオペア像に基づいて、3次元画像を再構築することが行われている(例えば特許文献1)。この方法は、一般的にはまず1枚目の画像を撮像し、次に視差を生じされるよう所定の角度に観察対象を傾斜させて、かつ1枚目の画像と同じ視点となるように位置合わせを行い、2枚目の画像を撮像した後、これらの2枚の画像に基づいて画像処理を行い3次元画像を演算する。
【0006】
しかしながら、従来はこのような3次元画像の取得を実行するための操作が判り難く、誰でも容易に実行可能というわけにはいかなかった。実際には、ユーザは取り扱い説明書を見て手順や操作を確認しながら複数の視差画像を取得していたが、複数の画像取得等の手順が複雑で判り難く、また手順等が取り扱い説明書に記載されており、取り扱い説明書と画面を見比べて設定を行っていくという手間がかかった。また、視差画像を取得するためのプログラムと、3次元画像を構築するためのプログラムが個別のプログラムとなっており、どのような条件で視差画像を取得すればよいのかが判り難いことも多かった。このため、電子顕微鏡の操作に不慣れなユーザでは、3次元画像を生成するこのような操作手順を行うことが容易でないという問題があった。特にSEMやTEM等の電子顕微鏡は、光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープ等他の拡大観察装置に比べ、設定・調整項目が多く、その操作手順が分かり難いため、電子顕微鏡の操作は一般には熟練した専門のオペレータが行うことが多かった。このため、操作に詳しくないユーザでも手軽に3次元画像を取得できる電子顕微鏡が求められていた。
【0007】
また3次元画像を生成するには、上述のように1枚目の画像に対して同じ視点を維持しつつ、視差を生じる角度に傾けた画像を撮像する必要がある。このためにユーザが手動で観察対象を傾斜させて位置合わせを行う必要があり、3次元画像の取得には手間がかかるという問題もあった。
【特許文献1】特開平1−235140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、3次元画像を容易に取得することのできる3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の3次元画像生成装置は、複数の視差画像から3次元画像の構築を行う3次元画像生成装置であって、観察対象の観察像を撮像するための撮像部と、撮像部で撮像した観察対象の観察像を表示可能な表示部と、表示部に表示される第1の観察像に対して、少なくとも移動、傾き、拡大/縮小のいずれかを調整可能な調整部と、調整部によって、第1の観察像に対して視差を生じるように観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点から第2の観察像を撮像するように大きさ又は位置を調整するよう誘導するための誘導部と、誘導部の誘導に従って撮像された第2の観察像と、第1の観察像とを用いて視差を利用して3次元画像を生成する3次元画像生成部とを備える。この構成により、3次元画像を生成するために必要な操作手順が誘導部により誘導されるので、ユーザが誘導に従って3次元画像の生成に必要な手順を過不足なく行うことができ、操作に不慣れなユーザでも容易に3次元画像を再構築して観察することができる。
【0010】
また、本発明の他の3次元画像生成装置は、誘導部が、設定項目毎に対話形式で設定すべき項目の選択もしくは入力を促し、設定項目内容に応じた設定すべき項目の選択もしくは入力の指示メッセージに切り換える。この構成により、誘導部は一の項目が設定されると他の項目の設定に対応する画面に切り替えてゆき、3次元画像の生成処理に必要なすべての項目について入力や指定を得ることができる。
【0011】
さらに、本発明の他の3次元画像生成装置は、表示部は、誘導部による誘導動作により設定すべき項目の選択もしくは入力を説明する説明表示欄を有しており、説明表示欄が設定すべき項目について説明文を表示するよう構成される。この構成により、表示部の画面上に表示される操作手順に従い、必要な項目の設定を行うことができ、操作に不慣れなユーザでも迷うことなく3次元画像の生成動作を行うことができる。
【0012】
さらにまた、本発明の他の3次元画像生成装置は、さらに誘導部により操作手順を誘導する誘導モードと、誘導部による誘導をOFFして手動で観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを、第1の観察像に対して視差を生じる所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点で第2の観察像を撮像する手動モードとを切換可能なモード切替部を備える。この構成により、必要に応じて誘導モードと手動モードに切り換えることができ、ユーザの習熟度等に応じた最適な動作モードを選択でき操作し易い環境が実現される。
【0013】
さらにまた、本発明の他の3次元画像生成装置は、表示部が、第1の観察像を表示する第1観察像表示領域と、観察対象及び撮像後の第2の観察像を表示する第2観察像表示領域と、これらに基づいて生成される3次元画像を表示するための3次元画像表示領域とを有することを特徴とする。この構成によって、第2の観察像を撮像するための角度や位置を、第1の観察像と対比して調整することができ、また生成された3次元画像を別画面で確認できるので、ユーザが操作し易い環境が実現される。
【0014】
さらにまた、本発明の他の3次元画像生成装置は、誘導部により、観察対象を撮像した第1の観察像に対して観察対象を視差を生じる所定の角度に自動的に観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを傾斜させるよう構成される。この構成によって、所定の角度に観察対象を傾斜させる工程が自動化されるので、ユーザはさらに手間のかからない操作し易い環境が実現される。
【0015】
さらにまた、本発明の他の3次元画像生成装置は、観察対象を裁置するための観察対象台と、観察対象に対して電子線を照射するための電子銃と、観察対象から放出される二次電子または反射電子を検出するための1以上の検出器と、観察像を表示するための表示部とを備え、所定の像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して電子線を観察対象に照射し、観察対象から放出される二次電子または反射電子を検出器で検出しながら観察対象表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し表示部に表示可能な電子顕微鏡である。
【0016】
さらにまた、本発明の他の3次元画像生成装置は、3次元画像生成装置が、観察対象を所定の角度に相対的に傾斜させることで第1の観察像と第2の観察像との間に視差を生じるように構成している。これにより、観察対象側を傾斜させる簡素な構成により傾斜画像を得ることができる。
【0017】
また、本発明の3次元画像生成方法は、複数の視差画像から3次元画像の構築を行う3次元画像生成方法であって、観察対象を撮像した第1の観察像に対して、観察対象を視差を生じるように観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点で第2の観察像を撮像するように必要な設定項目の設定を誘導するステップと、誘導に従って撮像された第2の観察像と、第1の観察像とに基づいて3次元画像を生成するステップとを有する。
これにより、3次元画像を生成するために必要な操作手順が誘導部により誘導されるので、ユーザが誘導に従って3次元画像の生成に必要な手順を過不足なく行うことができ、操作に不慣れなユーザでも容易に3次元画像を再構築して観察することができる。
【0018】
さらに、本発明の他の3次元画像生成方法は、第1の観察像または第2の観察像の少なくともいずれかが、予め保存された画像データファイルから選択される。
【0019】
さらにまた、本発明の3次元画像生成プログラムは、観察対象を撮像した第1の観察像に対して、観察対象を視差を生じるように観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点で第2の観察像を撮像するように必要な設定項目の設定を誘導する機能と、誘導機能に従って撮像された第2の観察像と、第1の観察像とに基づいて3次元画像を生成する機能とをコンピュータに実現させる。これにより、3次元画像を生成するために必要な操作手順が誘導部により誘導されるので、ユーザが誘導に従って3次元画像の生成に必要な手順を過不足なく行うことができ、操作に不慣れなユーザでも容易に3次元画像を再構築して観察することができる。
【0020】
また本発明のコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器は、上記プログラムを格納するものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記録した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器によれば、電子顕微鏡の操作に不慣れなユーザであっても、ガイダンスに従って容易に3次元画像を再構築することが可能となる。それは本発明が誘導部により、3次元画像の生成に必要な手順をユーザに促すよう誘導しているからである。これによって、視差を生じさせるように角度を付けたり位置合わせを行う工程が段階的に案内され、ユーザは操作に迷うことなく必要な項目を順次設定することが可能となる。また必要に応じてこのようなガイダンス機能をOFFすることで、ユーザの熟練度に応じた使い易い操作環境とできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器を例示するものであって、本発明は3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0023】
本明細書において電子顕微鏡とこれに接続される操作、制御、入出力、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232x、RS−422、RS−423、RS−485、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x、OFDM方式等の無線LANやBluetooth等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらに観察像のデータ保存や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
【0024】
以下の実施例ではSEMについて説明する。但し、本発明はTEMやその他の電子顕微鏡関連装置、あるいはマイクロスコープや光学式顕微鏡のような拡大観察装置においても利用できる。本発明を具現化した一実施例に係るSEMについて、図1に基づいて説明する。SEMは一般に加速電子の電子線を発生させ試料に到達させるまでの光学系と、試料を配置する試料室(チャンバ)と、試料室内を真空にするための排気系と、像観察のための操作系で構成される。図1の電子顕微鏡100は、このような部材により荷電粒子線による電子線観察像の観察を行うための電子線撮像部42の構成を示している。また、図1のコンピュータ1にインストールされた電子顕微鏡の操作プログラムで、電子顕微鏡の像観察条件の設定や各種操作を行い、観察像の表示を行う表示部28に表示する。
【0025】
光学系は、加速電子の電子線を発生させる電子銃7、加速電子の束を絞り込んで細束化するレンズ系、試料から発生する二次電子や反射電子を検出する検出器を備える。図1に示す走査型電子顕微鏡100は、光学系として電子線を照射する電子銃7と、電子銃7から照射される電子線がレンズ系の中心を通過するように補正するガンアライメントコイル9と、電子線のスポットの大きさを細く絞る収束レンズ12であるコンデンサレンズと、収束レンズ12で収束された電子線を試料20上で走査させる電子線偏向走査コイル18と、走査に伴い試料20から放出される二次電子を検出する二次電子検出器21と、反射電子を検出する反射電子検出器22を備える。
【0026】
試料室31には、試料台33、試料導入装置、X線検出用分光器等が備えられる。試料台33(ステージ)はX、Y、Z移動、回転、傾斜機能を備える。排気系は、加速電子の電子線が気体成分通過中に極力エネルギーを失うことなく試料に到達するために必要で、ロータリーポンプ、油拡散ポンプが主として用いられる。
【0027】
操作系は二次電子像、反射電子像、X線像等を表示、観察しながら照射電流の調整、焦点合わせ等を行う。二次電子像等の出力は、アナログ信号であれば写真機によるフィルム撮影が一般的であったが、近年は画像をデジタル信号に変換した出力が可能となり、データの保存や画像処理、印刷等の多種多様な処理が可能である。図1のSEMは、二次電子像や反射電子像等の観察像を表示する表示部28と印刷のためのプリンタ29を備える。また操作系は、像観察条件として少なくとも加速電圧またはスポットサイズ(入射電子線束の直径)を設定するために必要な設定項目の設定手順を誘導(ガイダンス)する誘導手段を備える。
【0028】
図1に示すSEMは、コンピュータ1と接続され、コンピュータ1を電子顕微鏡100の操作を行うコンソールとして使用し、また必要に応じて像観察条件や画像データを保存したり、画像処理や演算を行う。図1に示すCPUやLSI等で構成される中央演算処理部2は、走査型電子顕微鏡100を構成する各ブロックを制御する。電子銃高圧電源3を制御することにより、フィラメント4、ウェーネルト5、アノード6からなる電子銃7より電子線を発生させる。電子銃7から発生された電子線8は、必ずしもレンズ系の中心を通過するとは限らず、ガンアライメントコイル9をガンアライメントコイル制御部10によって制御することで、レンズ系の中心を通過するように補正を行う。次に、電子線8は収束レンズ制御部11によって制御される収束レンズ12であるコンデンサコイルによって細く絞られる。収束された電子線8は、電子線8を偏向する非点収差補正コイル17、電子線偏向走査コイル18、対物レンズ19、および電子線8のビーム開き角を決定する対物レンズ絞り13を通過し、試料20に至る。非点収差補正コイル17は非点収差補正コイル制御部14によって制御され、走査速度等を制御する。同様に電子線偏向走査コイル18は電子線偏向走査コイル制御部15によって、対物レンズ19は対物レンズ制御部16によって、それぞれ制御され、これらの作用によって試料上を走査する。試料20上を電子線8が走査することにより、試料20から二次電子、反射電子等の情報信号が発生され、この情報信号は二次電子検出器21、反射電子検出器22によりそれぞれ検出される。検出された二次電子の情報信号は二次電子検出増幅部23を経て、また反射電子の情報信号は反射電子検出器22で検出されて反射電子検出増幅部24を経て、それぞれA/D変換器25、26によりA/D変換され、画像データ生成部27に送られ、画像データとして構成される。この画像データはコンピュータ1に送られ、コンピュータ1に接続されたモニタ等の表示部28にて表示され、必要に応じてプリンタ29にて印刷される。排気系ポンプ30は、試料室31内部を真空状態にする。排気系ポンプ30に接続された排気制御部32が真空度を調整し、試料20や観察目的に応じて高真空から低真空まで制御する。
【0029】
電子銃7はあるエネルギーをもった加速電子を発生させるソースとなる部分で、W(タングステン)フィラメントやLaBフィラメントを加熱して電子を放出させる熱電子銃の他、尖状に構成したWの先端に強電界を印加して電子を放出させる電界放射電子銃がある。レンズ系には、収束レンズ、対物レンズ、対物レンズ絞り、電子線偏向走査コイル、非点収差補正コイル等が装着されている。収束レンズは電子銃で発生した電子線をさらに収斂して細くする。対物レンズは最終的に電子プローブを試料に焦点合わせするためのレンズである。対物レンズ絞りは収差を小さくするために用いられる。検出器には、二次電子を検出する二次電子検出器と反射電子を検出する反射電子検出器がある。二次電子はエネルギーが低いのでコレクタにより捕獲され、シンチレータにより光電子に変換されて、光電子倍増管で信号増幅される。一方、反射電子の検出にはシンチレータあるいは半導体型が用いられる。
(試料台33)
【0030】
観察位置の位置決めは、試料20を載置した試料台33を物理的に移動させて行う。この場合は観察位置決め手段が試料台33で構成される。試料台33は試料20の観察位置を調整可能なように様々な方向への移動、調整が可能である。移動、調整の方向は、試料台33の観察位置を移動、調整させるため、試料台33の平面方向であるX軸およびY軸方向、R軸(回転)方向への移動および微調整が可能である他、試料の傾斜角度を調整するために試料台33のT軸方向の調整、ならびに対物レンズと試料との距離(ワーキングディスタンス)を調整するために試料台33のZ軸方向の調整が可能である。
【0031】
観察像の位置決めや観察視野の移動には、試料台を物理的に移動させる方法に限られず、例えば電子銃から照射される電子線の走査位置をシフトさせる方法(イメージシフト)も利用できる。あるいは両者を併用する方法も利用できる。あるいはまた、広い範囲で一旦画像データを取り込み、データをソフトウェア的に処理する方法も利用できる。この方法では、一旦データが取り込まれてデータ内で処理されるため、ソフトウェア的に観察位置を移動させることが可能で、試料台の移動や電子線の走査といったハードウェア的な移動を伴わないメリットがある。予め大きな画像データを取り込む方法としては、例えば様々な位置の画像データを複数取得し、これらの画像データをつなぎ合わせることで広い面積の画像データを取得する方法がある。あるいは、低倍率で画像データを取得することによって、取得面積を広く取ることができる。
(eプレビュー)
【0032】
この電子顕微鏡は、簡易観察像取得機能(プレビュー機能)としてeプレビューを備える。eプレビューとは、最適な観測条件を得るために電子顕微鏡もしくはコンピュータ側で推奨の観測条件を簡易的に複数作成し、各々の観測条件で観察像を取得し、複数の簡易観察像として一覧表示するものである。まずSEMの像観察条件の設定項目の内、1つまたは複数を変化させた設定を、簡易的な像観察条件として複数組準備しておく。例えば加速電圧や検出器の種類を変更した複数の簡易像観察条件を自動的に生成する。そして準備した複数組の簡易像観察条件を順にSEMに設定し、それぞれの条件で試料を連続的に観察する。観察した複数の簡易観察像は一時的に保存し、表示部28のウィンドウ等に一覧表示する。一覧表示の際には、簡易観察像を縮小して同時に表示させることができる。例えばユーザは、表示された複数の簡易観察像を比較し、チャージアップの発生を確認する。簡易観察像の画面でチャージアップによる像障害が発生しているものがあれば、その手前の観察像で用いた加速電圧が、チャージアップが発生しない最大の加速電圧になる。必要に応じて、eプレビューは複数回実行する。例えばチャージアップが確認されない場合は、加速電圧を上げて再度eプレビューを行う。あるいは、チャージアップが生じない最大加速電圧を詳細に調べるために、eプレビューで使用する加速電圧の変化量を小さくして絞り込みを行うこともできる。このようにして測定したチャージアップしない最大加速電圧を、除電終了電圧として設定する。設定は、第2表示領域48から該当する簡易観察像をユーザが選択することで、自動的にその加速電圧をチャージアップしない最大加速電圧として電子顕微鏡またはコンピュータが保持し、設定する。またチャージアップしない最大加速電圧をユーザが手動で記録もしくは入力してもよい。
【0033】
また、この電子顕微鏡において、以前に結像された観察像を像観察条件と共に記憶される画像ファイル、および前回に結像された観察像に対応する像観察条件は、例えばコンピュータ1のメモリやハードディスク等の記憶装置に記憶される。さらにこの電子顕微鏡では、排気系によって試料室内の真空度を変更して像観察を行うことが可能である。一般に試料室が高真空であれば分解能の高い鮮明な画像を得ることができるが、反面チャージアップが生じ易くなり、また水分を含む試料の観察に不適といった欠点がある。一方で低真空であればチャージアップが生じ難くなり、絶縁体や水分を含む試料の観察に適している反面、鮮明な観察像を得ることが困難になるという欠点がある。したがって、観察対象の試料や観察目的に応じて試料室内の圧力(真空度)を調整することで更に適切な観察像を得ることが可能となる。しかしながら、真空度を調整することによって、像観察条件のパラメータが更に増えることとなり、SEMの操作に慣れていない初心者にとっては条件設定がより困難となる。特に低真空観察では像観察条件の調整が困難となり、結像すら容易でない。そこでこの電子顕微鏡では、低真空観察用の観察モードに特化したガイダンス機能を設けることにより、このガイダンスに従って初心者でも容易に低真空観察が可能なユーザ環境を提供している。さらに、通常の高真空観察に適した高真空観察用のガイダンス機能も設け、ユーザにいずれの圧力(真空度)で観察を行いたいかを選択させることによって、それぞれに適したガイダンス機能が実行される。また、高真空観察、低真空観察の二段階のみならず、中真空観察、超高真空観察等も加えて三段階、四段階以上といった複数のガイダンス機能を設けることもできる。なお本明細書においては高真空、低真空の値を特に限定するものでないが、一般に高真空とは圧力が0.1Pa〜10−5Pa(10−3〜10−7Torr)あるいは更に真空度の高い10−5Pa〜10−8Pa(10−7〜10−10Torr)、また低真空とは100kPa〜100Pa(760〜1Torr)あるいは100Pa〜0.1Pa(1〜10−3Torr)を指す。低真空観察は、例えばESEM(環境制御型SEM)を用いて試料室の圧力を調整することにより実行される。
(3次元画像の生成)
【0034】
次に、以上のようにして撮像された観察像に基づいて、3次元画像を再構築する手順について図2〜図7に基づいて説明する。図2は、電子顕微鏡の3次元画像生成機能を示すブロック図であり、図3は、3次元画像を生成する手順を示すフローチャートであり、図4〜図7は、3次元画像生成プログラムのユーザインターフェース画面をそれぞれ示している。図2に示すように、電子線撮像部42で撮像された電子線観察像、あるいは撮像済みの画像データが保存された画像データ記憶部68に記録された観察像が、3次元画像生成部70に取り込まれる。3次元画像生成部70は、電子顕微鏡100に接続されたコンピュータ1や電子顕微鏡100の画像データ生成部27等で実現される。3次元画像生成部70は、2以上の視差画像に基づいて3次元画像を演算し、構築された3次元画像を表示部28に表示する。したがって、2枚の視差画像、特に基準となる一の観察像に対して、視差を生じさせるように傾斜させた画像を取得することが重要となる。しかしながら、ユーザが手動で正確な視差画像を取得するには、観察対象の試料を傾斜させたり位置合わせを行うといった面倒な作業が必要となり、操作に詳しくないユーザには敷居が高かった。そこで3次元画像生成部70は、誘導部72とモード切替部74を備えており、視差画像の撮像を容易にするために設定項目のガイダンスを行う誘導機能を備え、誘導部72によって操作手順を誘導する誘導モードと、手動設定を行う手動モードとをモード切替部74で切り替え可能としている。
(3次元画像生成プログラム)
【0035】
本実施の形態では、3次元画像の生成は、ユーザが3次元画像生成プログラムを操作することで行われる。3次元画像生成プログラムは、図1においてはコンピュータ1にインストールされ実行可能な状態としている。3次元画像生成プログラムをインストールされたコンピュータ1が電子顕微鏡100等の機器とデータの送受信や通信を行い、必要な情報を取得し、設定を行う。通信は、例えばRS−232CケーブルやUSBケーブルを介してシリアル通信で行われる。ただ、この形態に限られず電子顕微鏡自体に3次元画像生成プログラムを組み込む態様等も適宜採用できる。また、この3次元画像生成プログラムは、電子顕微鏡の操作プログラムを兼ねており、一のプログラムで電子顕微鏡で像観察を行うための操作と、得られた電子線観察像に基づいて3次元画像を再構築する操作を行え、これによって統合された環境でユーザが操作し易いプログラムとできる。ただ、各機能を別個のプログラムで実現することも可能であり、この場合は各プログラムの呼び出しを専用のメニュー画面等から行ったり、各機能を示すボタンにプログラムの呼び出しをリンクさせる等により、プログラムのスムーズな切換を行い、ユーザが操作し易い環境とできる。また、本発明を電子顕微鏡でなくデジタルマイクロスコープ等の拡大観察装置に適用する場合は、拡大観察装置の操作プログラムに3次元画像生成プログラムを付加、統合、連動等させることができる。さらに、3次元画像生成プログラムは、3次元画像を生成するのみならず、生成された3次元画像に対して表示、操作、計測等の処理を行う機能を付加することもできる。
【0036】
また図4〜図7等に示す3次元画像生成プログラムのユーザインターフェース画面の例において、各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。またこれらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、3次元画像生成プログラムを組み込んだコンピュータに接続された入力部で行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力部によりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータ等に固定されている。一般的な入力部としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、3次元画像生成装置等のハードウェアの操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示する表示部28のディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
【0037】
3次元画像生成プログラムを起動すると、図8に示すようなメニュー画面が表示部28に表示される。メニュー画面にはアイコン状のボタンが配置されており、各々のボタンを押下すると、該当する画面に切り替わる。本実施の形態では、後述する3次元画像生成のための操作を支援するガイダンス機能の他、電子線観察像の取得のための条件設定等を誘導するガイダンス機能も備えている。そのような電子線観察を支援するための複数のガイダンス機能として第一のオート観察モード、第二のオート観察モードを用意し、メニュー画面からいずれかを選択できる。ここでは第一のオート観察モードを高真空観察用のガイダンス機能とし、第二のオート観察モードを低真空観察用のガイダンス機能としている。さらに初心者ユーザに理解し易いよう、「低真空観察」を、電気を通さない試料や水分を含んだ試料の観察に適した「オート観察2」と呼び、通常の高真空観察を「オート観察1」と呼ぶことで、ユーザは真空度や圧力といった概念を意識することなく、単に観察したい試料に応じて適切なガイダンス機能を選択することができ、専門知識のないユーザでも容易に使用できる。また図8のメニュー画面には、手軽に使用したいユーザ向けの簡単操作による観察モード(第一のオート観察モード)に対応する操作画面に移行する「オート観察1」アイコン(第一のオート観察モード設定手段)101、電気を通さない試料や水分を含んだ試料の観察に適している観察モード(第二のオート観察モード)に対応する操作画面に移行する「オート観察2」アイコン(第二のオート観察モード設定手段)102、および全てのパラメータを操作できる観察モード(マニュアル観察モード)に対応する操作画面に移行する「マニュアル観察」アイコン(マニュアル観察モード設定手段)103からなる観察モード設定手段が表示される。また、メニュー画面には、観察モード設定アイコンの他に、取り込んだ画像の整理を行うアルバムモード(画像ファイル編集モード)の操作画面に移行する「アルバム」アイコン(画像ファイル編集モード設定手段)104、距離や面積を計測する計測モード操作画面に移行する「計測」アイコン(計測モード設定手段)105、消耗品の交換時に使われるメンテナンスモードの操作画面に移行する「メンテナンス」アイコン(メンテナンスモード設定手段)106、各種初期設定を行う初期設定モードの操作画面に移行する「初期設定」アイコン(初期設定モード設定手段)107、メニュー画面を終了する「終了」アイコン108、および3次元画像の生成、観察を行う3次元画像モードに移行するための「3D」アイコン(3次元画像モード設定手段)109が表示される。「オート観察1」アイコン101あるいは「オート観察2」アイコンを押下することにより、表示部28に表示される表示画面は、専用の画質設定画面に切り替えられる。「マニュアル観察」アイコン103を押下することにより、表示部28に表示される表示画面は、マニュアル観察モードの操作画面に切り替えられる。また「3D」アイコン109を押下すると、図4に示す3次元画像生成プログラムに切り換えられる。このように「3D」アイコン109はモード切替部74として機能する。
(マニュアル観察モード)
【0038】
マニュアル観察モードは、ユーザが像観察条件を設定可能なモードである。図9に、マニュアル観察モードにおける操作画面の一例を示す。この図に示す操作画面は、結像された観察像を表示する第1表示領域47と、位置表示、広域図、eプレビュー、および比較画像を表示する第2表示領域48と、観察像の画像補正を設定する画像補正設定手段601と、検出器、加速電圧、真空度、およびスポットサイズ等の像観察条件を個別に設定する個別条件設定手段603と、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定するファイル対応条件設定手段604と、プレビュー機能を設定するプレビュー設定手段605と、視野設定部として、観察像等の倍率を設定する倍率設定部611と、観察視野の移動を設定する観察視野移動設定部612と、コントラストおよび明るさを設定するコントラスト・明るさ設定手段613と、非点収差の調整を設定する非点収差調整設定手段614と、光軸の調整を設定する光軸調整設定手段615とを備える。マニュアル観察モードでは、画像補正設定手段601において、シャープネスを設定するシャープネス設定手段601aと、ハイライトを設定するハイライト設定手段601bと、ガンマ補正を設定するガンマ補正設定手段601cと、観察像の輝度分布を示す輝度分布図(ヒストグラム)601dと、オーバーレンジ抽出設定手段601eとが表示される。オーバーレンジ抽出設定手段は、オーバーレンジした領域を抽出して表示するよう設定するものである。具体的には、観察像が表示された状態で、オーバーレンジ抽出設定手段601eの一態様である「オーバーレンジチェック」欄をチェックすると、観察像のアンダー領域あるいはオーバー領域なったオーバーレンジ領域を他の中間色領域と異なる態様で表示される。また、上記と同様個別条件設定手段603によって像観察条件を個別に設定することもできる。個別条件設定手段603で設定可能な項目としては、「検出器」ボックス603a、「加速電圧」ボックス603b、「真空度」ボックス603c、「スポットサイズ」ボックス603d等が用意されているが、非点収差調整設定手段、光軸調整設定手段等を含めてもよい。また、「ファイルから読み出す」ボタン(ファイル対応条件設定手段)404によって、以前に記憶された画像ファイルに対応する像観察条件から一の観察条件を設定することができる。さらに、プレビュー設定手段の一態様である「eプレビュー設定」ボタン605によって、上述したプレビュー機能が実行される。
(3次元画像を生成する手順)
【0039】
次に、3次元画像を生成する手順を、図3のフローチャートに基づいて説明する。まずステップS1で、基準となる第1の観察像を取得する。図4は、SEMを操作して第1の観察像を撮像する様子を示す。図4〜図7の画面は図2の表示部28に表示されており、ここでは画面下段のタブの内「3D」タブ621が選択され、3次元画像の生成機能が選択されている。この3次元画像生成プログラムでは、下段のタブが各機能を切り換えるモード切替部74を構成しており、このタブを切り換えることで、機能を選択することができる。また上述した図8のメニュー画面からモードを切り換えることもできる。図4の画面では、表示部28に表示されるインターフェースの内、画面の右側が現在処置中の画像を示す第1表示領域47である。また画面左側の上部には、第2表示領域48が設けられ、第2表示領域48の下部に設けられたタブを切り換えることによって広域図や位置表示、eプレビュー、比較画像等を切り替えて表示する。
(第2表示領域48)
【0040】
またこの例では、第2表示領域48に広域図を表示させて、第1表示領域47で表示中の領域がどの部位に相当するかを枠状681で表示している。枠状681は、図の例では赤色の矩形状としている。また広域図とは、予め観察対象物を低倍率で撮像した広域画像であり、位置合わせのための参照画像等に利用できる。特に第1の観察像の撮像時に、予め同じ観察対象を低倍率で撮像しておき、これを参照画像として記録しておくことにより、広い視野の情報を有すことができる。
(説明表示欄630)
【0041】
さらに第2表示領域48の下方には、誘導部72の誘導動作により設定すべき項目の選択もしくは入力を説明する説明表示欄630が設けられる。説明表示欄630は、設定すべき項目について説明文を表示する欄である。文章の説明においては、説明を要する用語にマウスカーソルを重ねるとさらに用語の説明文をバルーンやチップ等で表示したり、HTMLヘルプのようにハイパーリンクを設定し、リンクをクリックすると説明文のファイルや画像が表示されるように構成することもできる。さらに必要に応じて、音声案内やアニメーションによる動画等を適宜組み合わせて説明することもできる。説明表示欄630は更に、手順の流れを示すフロー図640を左側に表示し、かつ現在表示中の手順がフロー図640のどの項目に該当するかをハイライト表示により示している。図4の例においては、「1枚目の撮影」欄641が明るく表示される。また、これに対応させて、この段階で行うべきこと、および確認すべき点や設定項目等を説明表示欄630に文字情報として表示している。ユーザはこの情報にしたがって、確認すべき項目、設定すべき項目を画面上から理解し、必要な設定を各種の操作を行うための観察条件設定部650から行う。観察条件設定部650は、図4の例では第1表示領域47の下方に設けられており、図9とほぼ同様の倍率の変更や中心移動、コントラスト、明るさ、フォーカス、非点、撮影、除電、印刷といった各種操作ボタンやメニューが配置される。
(「1枚目の撮影」ステップ)
【0042】
まず「1枚目の撮影」ステップでは、第1の観察像の撮影条件の決定および画像の調整を行う。ここでは、説明表示欄630で3次元画像の作成には2枚の画像が必要なことを説明した後、「撮影準備」として、対象となる画像が第1表示領域47に表示されているかどうかをユーザに確認させる。所望の観察像が第1表示領域47に表示されていない場合は、下方のタブを「3D」タブ621から「オート観察1」、「オート観察2」、「マニュアル観察」等のタブに切り換えて、3次元画像として表示したい観察対象の観察条件や観察位置等を指定し、第1表示領域47に表示させる。また必要に応じて画像の微調整を行う。例えばフォーカスの調整を行う際には「倍率誤差補正」ボタン652を押下する。このようにして所望の観察像を第1表示領域47に表示させた後、説明表示欄630の説明通り、「撮影」ボタン654を押下して第1の観察像を撮影する。撮影された第1の観察像は、必要に応じて画像データ記憶部68であるコンピュータのハードディスク、記録媒体等に保存される。このようにして第1の観察像を取得すると、説明表示欄630の下方に設けられた「次へ」ボタン656が押下可能となり、これを押下することで、図5の画面に切り替わり、図3のフローチャートのステップS2に進む。
【0043】
なお、第1の観察像は、上述のようにSEM等の電子線撮像部で新たに撮像する他、既に撮像されデータとして保存された画像データの中から選択することもできる。例えば図4の画面左で切替タブの上部には「最近保存した画像」の一覧表示欄660が設けられており、過去に保存した画像を呼び出すことができる。また図2に示す例では、画像データ記憶部68に記録された画像データ中から、ファイラ等を用いて所望の画像を第1の観察像として選択する。
(「2枚目の撮影」ステップ)
【0044】
次に、第1の観察像に基づいて第2の観察像を取得するために、図3のフローチャートのステップS2で観察対象となる試料の傾斜、位置合わせを行う。試料の傾斜は、第1の観察像に対して視差を生じさせる程度とする。その傾斜角度は、倍率によって最適値は異なるが、例えば3〜7°、好ましくは5°程度とする。図4および図5の例では、図4の「次へ」ボタン656を押下すると、第1表示領域47に表示中の試料が自動的に適切な回転軸及び傾斜角度にて傾斜され、図5の第1表示領域47に示すように傾斜前の第1の観察像と、傾斜後の第2の観察像とが並べて表示される。このように、プログラム側で自動的に傾斜を実行させることにより、ユーザは回転の角度や回転軸等を意識することなく3次元画像の生成を行える。例えばマウス等による回転操作では、回転軸や回転角度の微調整が困難であり、またキーボードからの指定では、数値での入力となるため実際の回転軸の位置等をイメージし辛い。そこで、このような面倒な操作を自動で行わせることにより、ユーザの負担を軽減できる。なお、操作に慣れたユーザ向けには、このような自動設定でなくマニュアル設定に切り換えるよう構成してもよい。すなわち、マニュアル操作によって傾斜角度を任意に設定することができる。
【0045】
試料を傾斜して表示させる方法としては、観察対象を傾斜させる方法、撮像部を傾斜される方法、光路を傾斜方法がある。この例では、試料を裁置する試料台を傾斜させている。ただ、電子線撮像部側を傾けたり、電子顕微鏡の入射電子の入射角を傾ける等光路を傾斜させる方法によっても同様の効果を実現することができる。これらの場合は試料台を固定させたままで傾斜画像を取得できる。
【0046】
また図5に示すように、回転前と回転後の観察像を並べて表示することにより、特に手動設定の場合はユーザが傾斜の状態を回転の前後で対比しながら確認できるので、調整が容易となる。図5の例では、第1表示領域47を左右に分割して、左の第1分割表示領域47Aに第1の観察像を、右の第2分割表示領域47Bに、第2の観察像を撮像するために操作中の対象画像が表示される。なお、これらの表示を入れ替えることも可能であることはいうまでもない。またこの例では第1表示領域47を2分割しているが、3以上の画面に分割することも可能であり、さらに左右に限られず上下に分割する等、そのレイアウトや画面サイズも適宜変更できる。さらに、第2表示領域48を利用して画像の対比に利用したり、第2表示領域48を複数の画面に分割することも可能である。
【0047】
このような自動設定の後、図3のステップS2ではさらに、傾斜された表示中の試料が、第1の観察像と同じ視点で表示されるように位置合わせと画像の微調整を行う。図5の説明表示欄630では、「位置を合わせる」、「2枚目を撮像する」との手順が説明される。ユーザはこれに従い、「倍率」ボタン611aで傾斜された観察像を拡大しながら、「中心移動」ボタン612a等を使用して、第1の観察像とほぼ同じ位置となるように移動させる。「中心移動」ボタン612aを押下すると、マウス等で表示領域状をクリックしたポイントが画面の中心となるように移動される。また移動には、マウスやキーボード等のポインティングデバイスを利用することもできる。
【0048】
なお、上記の手順は順番を入れ替えることも可能である。すなわち、一枚目の画像を取得し、視差を生じさせ、二枚目の画像を取得するフロー図の手順に限られず、例えば視差を生じさせるために傾斜させ、事前に撮影してあった一枚目の画像を読み出し、二枚目の画像取得する手順、あるいは視差を生じさせるために傾斜させ、一枚目の画像を取得し、事前に撮影してあった画像を二枚目の画像として読み出す、といった手順も可能である。
(倍率連動機能)
【0049】
さらに、第1分割表示領域47Aと第2分割表示領域47Bの表示倍率を同一に保つ倍率連動機能を備えている。すなわち、第1分割表示領域47Aまたは第2分割表示領域47Bのいずれか一方を拡大/縮小すると、他方もこれに追随して同様に拡大/縮小される。これによって、一方の拡大/縮小操作に合わせて他方の拡大/縮小操作を行う手間を省くことができ、常に第1分割表示領域47Aと第2分割表示領域47Bの表示倍率を等しくして、両画像の対比を容易に行える。特に、基準となる第1の観察像に関する参照画像を第1分割表示領域47Aに表示し、これに合わせるように第2分割表示領域47Bに表示される観察対象の位置や姿勢を倍率設定部611や観察視野移動設定部612等の視野設定部で調整する際、詳細な位置合わせのために拡大表示させる場合に、一々対応する画像の倍率を調整しなくて済むため、操作手数を少なくして使い易い環境が実現される。特にSEM等の荷電粒子線装置の観察倍率は、ダイナミックレンジが非常に広く、数万倍、数十万倍の高倍率まで観察可能であるため、同じ視野を探す対象が非常に広範になる可能性がある。このような場合に、倍率連動した参照画像を利用することで、作業能率を大きく向上させることができる。また倍率のみならず、視野の移動にも自動的に追随させるよう構成してもよく、これによってさらに操作を省力化して比較を容易に行える。なお、このような連動機能は、ON/OFFすることができ、第1分割表示領域47A、第2分割表示領域47Bの各画像を個別に拡大/縮小することもできる。また、いずれか一方の画像を操作したときのみ倍率の連動機能をONさせ、他方の画像を操作したときは連動させずに単独で拡大/縮小させるように構成してもよい。
【0050】
このような倍率連動機能の一例を図10〜図12の例に基づいて説明する。この例では、第1の観察像の撮像時に、同じ視点にて低倍率で撮像した広域画像を参照画像として第1分割表示領域47Aに表示し、第2分割表示領域47Bには現在観察中の観察対象が表示されている。低倍率とは、例えば第1の観察像の1/10〜1/1000の縮小率とする。広域画像の撮影は、ユーザが手動で行う他、電子顕微鏡が撮像時に自動で行うように構成することもできる。図10の状態から、倍率設定部611を操作すると自動的に倍率連動機能が働き、拡大することで図11、さらに拡大すると図12のように変化する。この際、上述のように第2表示領域48に表示される広域図では、第2分割表示領域47Bで表示中の領域が矩形状の枠状681に表示されるので、現在どの部位に視点が移動されているのかを容易に把握でき、ポイントを見失うことを回避できる。なおこの例では倍率設定部611が倍率連動部を兼用しているが、倍率連動部を別途設けて、倍率連動機能のON/OFFを切り換えるように構成することも可能である。また上記の例では、各分割表示領域を縦長にしているが、その際左右方向を圧縮して広く表示させてもよい。
(ガイド線682)
【0051】
さらに、各分割表示領域にはガイド線682を表示させることもできる。図10〜図12の例では、第1分割表示領域47Aおよび第2分割表示領域47Bにそれぞれ十字状のガイド線682を重ねて表示させており、それぞれの対応する位置の確認をサポートしている。ガイド線682は十字状の例に限られず、碁盤目状のグリッドやターゲット状の同心円、斜め方眼状等が適宜利用できる。
【0052】
以上のようにして第2の観察像の像観察条件が設定されると、図3のステップS3に進み「撮影」ボタン654を押下して第2の観察像を撮像する。撮像された第2の観察像は、画像データファイルとして画像データ記憶部68であるコンピュータのハードディスク、記録媒体等に保存される。
【0053】
そして図3のステップS4で、図6の画面に切り換えられ、これら第2の観察像および第1の観察像に基づいて、3次元画像生成部70で3次元画像を合成する。図6の例では、生成される3次元画像の精細さ、処理速度に応じて生成条件を調整した3次元画像生成モード選択部670として、「ファーストモード」と「ファインモード」の2つのモードを用意している。「ファーストモード」では3次元画像の構築時間が短いものの得られる3次元画像が若干荒くなり、「ファインモード」では構築に時間がかかるものの滑らかな3次元画像を得ることができる。ユーザは観察目的等に応じてこのような速度重視または画質重視のモードを選択し、「次へ」ボタン672を押下すると、選択されたモードにて3次元画像が生成される。2枚の視差画像から3次元画像を生成する手法は、既知の、あるいは将来開発される手法が適宜利用できる。
(3次元画像表示領域720)
【0054】
このようにして3次元画像が生成されると、表示部28に3次元画像が表示される。ここでは、図7に示すように別ウィンドウとして生成された3次元画像を表示するための3次元画像表示領域720が3次元画像生成プログラムのインターフェース画面上に重ねて表示される。この3次元画像表示領域720は、3次元画像の表示、操作、計測、照明シミュレーション等を実行する3次元画像表示プログラムのインターフェース画面700に組み込まれている。ユーザはこのインターフェース画面700から、構築された3次元画像に対して移動や回転、計測を行ったり、照明条件に基づいて仮想的に配置した光源で生じる照明光の反射状態を擬似的に表現した照明シミュレーションを再現できる。
【0055】
図7に示す3次元画像表示プログラムのユーザインターフェース画面700の例では、画面の左側に3次元画像表示領域720を、右側に照明シミュレーション設定部730を配置している。照明シミュレーション設定部730は、上から操作対象を指定するための「ドラッグ対象」欄731、3次元画像の表面における反射状態を設定するための「見え方」欄736、3次元画像の凹凸のみを表示するための「凹凸のみ表示」欄760、「見え方」欄736で「カスタム」を選択すると表示される、照明条件を構成する3次元画像表面の反射係数や拡散係数等の照明パラメータを連続的に変化させて反射の状態を調整するための「表面」スライダ736B、照明の光量を調整するための「ライト明るさ」欄734、3次元画像や背景の色を指定、変更するための「色指定」欄738、3次元画像の高さを強調するための「高さ調整」欄740、3次元画像の高さ毎に等高線状に色分けした画像と実画像とを重ねて表示する比率を変更するための「高さ/SEM像」欄750、高さの目安となるXYZ軸に関する寸法を示したスケールの表示、非表示を選択するための「スケール」欄770、及び印刷、保存、リセット、比較、終了等の各種操作を行うためのボタン類780が設けられている。図7の画面では「ドラッグ対象」欄731のラジオボタンを「物」に選択しており、3次元画像表示領域720で表示される3次元画像をマウス等の操作部で選択して移動、回転等操作できる。3次元画像表示領域720の下段にはマウスの操作方法が示されており、マウスの左ボタンでドラッグすると3次元画像を回転でき、右ボタンでドラッグすると拡大縮小でき、ホイールボタンでドラッグするとX−Y平面に移動できる。また、ツールボタンやスライダ等を設けて操作するように構成してもよい。また「見え方」欄736のドロップダウンリストでは「カスタム」の他、既定の照明条件セットとして「石膏風」、「プラスチック風」、「金属風」、「蛙の肌」、「照明なし」、「ワイヤフレーム」等、得られる反射付3次元画像のイメージを想起し易い名称を付された様々な照明条件に予め設定された照明状態を選択することで、照明シミュレーションを実行した反射付3次元画像を表示できる。また「ドラッグ対象」欄731で「ライト」を選択することにより、光源アイコンが3次元画像表示領域720に表示され、「ライト明るさ」欄734のスライダを調整することにより、照明光の光量を調整できる。また「凹凸のみ表示」欄760のチェックボックスをONすることにより、反射付3次元画像が表面のテクスチャを非表示とした凹凸のみのソリッドモデルで表示される。さらに「見え方」欄736のドロップダウンリストで「ワイヤフレーム」を選択すれば、3次元画像をワイヤフレームで表示することもできる。
【0056】
以上の3次元画像表示プログラムは3次元画像生成プログラムと一体的に統合されており、3次元画像生成プログラムの一機能として利用できる。また3次元画像の生成画面や表示画面、操作画面等のユーザインターフェース画面は、上記の例に限られず、例えば3次元画像表示領域と照明シミュレーション設定部を一体にした3次元画像表示プログラムとする等、デザインや配置、大きさや形状等を適宜変更することができる。
【0057】
なお以上の方法では、2枚の観察像に基づいて3次元画像を構築する例を説明したが、画像取得枚数は2枚に限られず、必要な画像枚数分視差を生じさせて画像取得を繰り返し、これらに基づいて3次元画像を構築することもできる。さらに、誘導部72による誘導動作は、3次元画像の構築までの手順に限られず、構築された3次元画像に対する表示、操作、計測といったステップを含めてもよい。
【0058】
さらに誘導部72は、各工程で操作が必要な項目のみ操作可能となるように操作に制限をかけてもよい。例えばユーザによる誤動作を防止するために、予めユーザが変更できない項目を設定しておき、このような項目についてはロックやグレーアウト等の処理を加えて変更不可能とすることもできる。また、このような項目を画面上に表示させない構成としてもよい。さらに各工程の操作は、適宜自動化させたり、あるいは手動設定への切り替えを可能とすることもできる。例えば、位置合わせの工程を、画像のパターン認識技術によって自動化させることもできる。自動化による処理も、パターン認識等の処理時間や精度が所定のレベルに達しておれば適宜採用できる。さらに誘導動作についても、フロー図によるガイダンスに限られず、例えば、質問に答える形式のウィザード方式やボタンにカーソルを合わせたときに次の手順を表示するポップアップやバルーン、チップ方式、画面下部等特定の領域に現在の状態や必要なメッセージを表示させるステータス表示等、既知のもしくは将来開発される手法が単独もしくは組み合わせにより適宜利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の3次元画像生成装置、3次元画像生成方法、3次元画像生成プログラムおよびコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器は、走査型、透過型等の電子顕微鏡や微細表面形状計測装置、デジタルマイクロスコープ等に適用して、撮像された観察像から3次元画像を生成する際に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子顕微鏡の電子線撮像部の構成を示すブロック図である。
【図2】電子顕微鏡の3次元画像生成機能を示すブロック図である。
【図3】3次元画像を生成する手順を示すフローチャートである。
【図4】「1枚目の撮像」ステップを実行中の3次元画像生成プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。
【図5】「2枚目の撮像」ステップを実行中の3次元画像生成プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。
【図6】「3D画像作成」ステップを実行中の3次元画像生成プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。
【図7】3次元画像を表示する画面の一例を示す3次元画像生成プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。
【図8】電子顕微鏡操作プログラムのメニュー画面を示すイメージ図である。
【図9】電子顕微鏡操作プログラムのマニュアル観察モードにおける操作画面を示すイメージ図である。
【図10】電子顕微鏡操作プログラムの倍率連動機能の一例を示すイメージ図である。
【図11】電子顕微鏡操作プログラムの倍率連動機能の一例を示すイメージ図である。
【図12】電子顕微鏡操作プログラムの倍率連動機能の一例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0061】
100…電子顕微鏡
1…コンピュータ;2…中央演算処理部
3…電子銃高圧電源;4…フィラメント
5…ウェーネルト;6…アノード
7…電子銃;8…電子線
9…ガンアライメントコイル;10…ガンアライメントコイル制御部
11…収束レンズ制御部;12…収束レンズ
13…対物レンズ絞り;14…非点収差補正コイル制御部
15…電子線偏向走査コイル制御部;16…対物レンズ制御部
17…非点収差補正コイル;18…電子線偏向走査コイル
19…対物レンズ;20…試料
21…二次電子検出器;22…反射電子検出器
23…二次電子検出増幅部;24…反射電子検出増幅部
25…A/D変換器;26…A/D変換器
27…画像データ生成部;28…表示部
29…プリンタ;30…排気系ポンプ
31…試料室;32…排気制御部;33…試料台
42…電子線撮像部
47…第1表示領域;47A…第1分割表示領域;47B…第2分割表示領域
48…第2表示領域
68…画像データ記憶部
70…3次元画像生成部;72…誘導部;74…モード切替部
101…第一のオート観察モード設定手段;102…第二のオート観察モード設定手段
103…マニュアル観察モード設定手段;104…画像ファイル編集モード設定手段
105…計測モード設定手段;106…メンテナンスモード設定手段
107…初期設定モード設定手段;108…「終了」アイコン
109…3次元画像モード設定手段
601…画像補正設定手段;601a…シャープネス設定手段
601b…ハイライト設定手段;601c…ガンマ補正設定手段
601d…輝度分布図;601e…オーバーレンジ抽出設定手段
603…個別条件設定手段;603a…「検出器」ボックス
603b…「加速電圧」ボックス;603c…「真空度」ボックス
603d…「スポットサイズ」ボックス
604…ファイル対応条件設定手段;605…「eプレビュー設定」ボタン
611…倍率設定部;611a…「倍率」ボタン
612…観察視野移動設定部;612a…「中心移動」ボタン
613…コントラスト・明るさ設定手段;614…非点収差調整設定手段
615…光軸調整設定手段
621…「3D」タブ;630…説明表示欄
640…フロー図;641…「1枚目の撮影」欄
650…観察条件設定部;652…「倍率誤差補正」ボタン
654…「撮影」ボタン;656…「次へ」ボタン
660…「最近保存した画像」の一覧表示欄
670…3次元画像生成モード選択部;672…「次へ」ボタン
681…枠状;682…ガイド線
700…3次元画像表示プログラムのインターフェース画面
720…3次元画像表示領域;730…照明シミュレーション設定部
731…「ドラッグ対象」欄;734…「ライト明るさ」欄
736…「見え方」欄;736B…「表面」スライダ;738…「色指定」欄
740…「高さ調整」欄;750…「高さ/SEM像」欄
760…「凹凸のみ表示」欄;770…「スケール」欄;780…ボタン類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の視差画像から3次元画像の構築を行う3次元画像生成装置であって、
観察対象の観察像を撮像するための撮像部と、
前記撮像部で撮像した観察対象の観察像を表示可能な表示部と、
前記表示部に表示される第1の観察像に対して、少なくとも移動、傾き、拡大/縮小のいずれかを調整可能な調整部と、
前記調整部によって、前記第1の観察像に対して視差を生じるように観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点から第2の観察像を撮像するように大きさ又は位置を調整するよう誘導するための誘導部と、
前記誘導部の誘導に従って撮像された第2の観察像と、前記第1の観察像とを用いて視差を利用して3次元画像を生成する3次元画像生成部と、
を備えることを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元画像生成装置であって、
前記誘導部が、設定項目毎に対話形式で設定すべき項目の選択もしくは入力を促し、設定項目内容に応じた設定すべき項目の選択もしくは入力の指示メッセージに切り換えることを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の3次元画像生成装置であって、
前記表示部は、前記誘導部による誘導動作により設定すべき項目の選択もしくは入力を説明する説明表示欄を有しており、前記説明表示欄が設定すべき項目について説明文を表示するよう構成されることを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の3次元画像生成装置であって、さらに
前記誘導部により操作手順を誘導する誘導モードと、前記誘導部による誘導をOFFして手動で観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを、第1の観察像に対して視差を生じる所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点で第2の観察像を撮像する手動モードとを切換可能なモード切替部を備えることを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の3次元画像生成装置であって、前記表示部が、
第1の観察像を表示する第1観察像表示領域と、
観察対象及び撮像後の第2の観察像を表示する第2観察像表示領域と、
これらに基づいて生成される3次元画像を表示するための3次元画像表示領域と、
を有することを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の3次元画像生成装置であって、
前記誘導部により、観察対象を撮像した第1の観察像に対して観察対象を視差を生じる所定の角度に自動的に観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを傾斜させるよう構成されてなることを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の3次元画像生成装置であって、前記3次元画像生成装置が、
観察対象を裁置するための観察対象台と、観察対象に対して電子線を照射するための電子銃と、観察対象から放出される二次電子または反射電子を検出するための1以上の検出器と、観察像を表示するための表示部と、
を備え、
所定の像観察条件に基づいて、前記電子銃に加速電圧を印加して電子線を観察対象に照射し、観察対象から放出される二次電子または反射電子を前記検出器で検出しながら観察対象表面の所望の領域を走査することで、観察像を結像し前記表示部に表示可能な電子顕微鏡であることを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の3次元画像生成装置であって、前記3次元画像生成装置が、観察対象を所定の角度に相対的に傾斜させることで前記第1の観察像と第2の観察像との間に視差を生じるように構成してなることを特徴とする3次元画像生成装置。
【請求項9】
複数の視差画像から3次元画像の構築を行う3次元画像生成方法であって、
観察対象を撮像した第1の観察像に対して、観察対象を視差を生じるように観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点で第2の観察像を撮像するように必要な設定項目の設定を誘導するステップと、
前記誘導に従って撮像された第2の観察像と、前記第1の観察像とに基づいて3次元画像を生成するステップと、
を有することを特徴とする3次元画像生成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の3次元画像生成方法であって、
前記第1の観察像または第2の観察像の少なくともいずれかが、予め保存された画像データファイルから選択されることを特徴とする3次元画像生成方法。
【請求項11】
複数の視差画像から3次元画像の構築を行う3次元画像生成プログラムであって、
観察対象を撮像した第1の観察像に対して、観察対象を視差を生じるように観察対象又は撮像部、光路の少なくとのいずれかを所定の角度に相対的に傾斜させ、かつ第1の観察像と同じ視点で第2の観察像を撮像するように必要な設定項目の設定を誘導する機能と、
前記誘導機能に従って撮像された第2の観察像と、前記第1の観察像とに基づいて3次元画像を生成する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする3次元画像生成プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載されるプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−49155(P2006−49155A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229902(P2004−229902)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】