3次元画像観察用眼鏡
【課題】本発明は観察者が3次元画像を3次元画像として鑑賞する機会を逸することなく、製作済みの3D−CGや実写で得られた3次元画像コンテンツにも利用可能であり、観察者の頭部の傾きによる3次元画像の融像障害に対応できる3次元画像観察用眼鏡、及び3次元画像観察用眼鏡を使用した3次元画像観察方法を提供することを課題とする。
【解決手段】互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く3次元画像観察用眼鏡であって、上記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、上記観察者に警告を行なう警告手段と、上記検出手段の検出結果に基づき、上記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、上記警告手段を動作させる制御手段とを有することを特徴とする。
【解決手段】互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く3次元画像観察用眼鏡であって、上記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、上記観察者に警告を行なう警告手段と、上記検出手段の検出結果に基づき、上記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、上記警告手段を動作させる制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に表示された互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く3次元画像観察用眼鏡、及び3次元画像観察用眼鏡を使用した3次元画像観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、観察者の左眼と右眼に互いに視差がある2次元画像である左眼用画像と右眼用画像を別々に提供して立体視を実現する技術が知られている。例えば、(1)左右の画像を夫々赤と青の2色で合成し、観察者の装着した眼鏡に各々青と赤のフィルタを取り付け、左眼では青色若しくは赤色の一方の画像のみ、右眼では青色若しくは赤色の他方の画像のみ観察できるようにして、両眼視差により3次元画像を得るアナグリフ、(2)左眼用画像と右眼用画像を交互に表示し、この交互表示と同期して観察者が装着したメガネの左右のシャッタを開閉させ、右眼には右眼用画像のみが見え、左眼には左眼用画像のみが見えるようにする方法、(3)左眼用画像と右眼用画像の偏光方向を異ならせ、観察者が装着したメガネの左右の偏光フィルタにより一方の画像のみが透過するようにし、右眼には右眼用画像のみが見え、左眼には左眼用画像のみが見えるようにする方法、(4)HMD(Head Mounted Display)などの観察者の左右の眼に独立して像を提供する光学系を備えた装置を使う方法が知られている。
【0003】
上述した、右眼用画像と左眼用画像の視差は、例えば2画像中の同一オブジェクトの位置がずれる現象として観察される。現実世界において両眼で同一オブジェクトを観察した場合、両眼の離間方向に視差として画像の位置のずれが生じる。3次元画像観察時においては、通常、観察者の頭部は正立しているので両眼の離間方向は水平となり、視差としての右眼用画像と左眼用画像の位置ずれは水平方向となるのが好ましい。このようにすれば、現実世界と同様に、両眼の離間方向(水平方向)と視差の方向(水平方向)が一致するので、前記オブジェクトは容易に融像して3次元画像として認識される。一方、観察者の頭部が傾いた状態で水平方向に視差のある画像を観察すると、融像が困難となる場合がある。
【0004】
図22及び図23はこの現象を説明する図である。
例えば、正常な場合、図22(a)に破線で示す観察者の頭部は垂直であり、頭部が水平方向に傾いていない。この場合、観察者の左右の眼も水平方向に離間しており、画像のズレ方向と両眼の離間方向が一致し、観察者は図22(b)に示す画像を観察した際の右眼用画像と左眼用画像の融像を容易に行なうことができる。
【0005】
一方、図23(a)に破線で示す観察者の頭部が、例えば右方向に傾いている場合、当然、左右の眼の離間方向も同方向に傾斜する。このため、上記図22(b)と同じ図23(b)に示す画像を観察した際、水平方向の視差による画像のズレと両眼の離間方向が一致せず、右眼用画像と左眼用画像の融像が困難になる。
通常、両眼視の融像検査では、許容される頭部の傾き(回旋)は、6度から10度と言われており、これを超えると融像に支障が生じる可能性が高い。
【0006】
このような3次元画像観察時の頭部の傾きに対応する発明として、特許文献1及び特許文献2が提案されている。例えば、特許文献1の第3の実施形態の説明には、3次元画像観察時に3次元画像観察用眼鏡の傾きを検出し、水平ならば眼鏡の右眼に右眼用画像が入射し、左眼に左眼用画像が入射するように制御して3次元画像を観察者に提示する技術が開示されている。この技術においては、水平でなければ眼鏡の左右の眼に両方とも右眼用画像を入射させる、又は両方とも左眼用画像を入射させるように制御して、観察者に2次元画像を提示する。
【0007】
また、特許文献2は、3次元画像観察時に3次元画像観察用眼鏡の傾きを検出し、この傾きに対応した方向の視差をもつ右眼用画像と左眼用画像を、例えば3次元データベースのデータを使用して生成し、表示装置に表示する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−296501号公報
【特許文献2】特開2006−084963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、観察者が知らないうちに3次元画像が2次元画像に切替わってしまう。このため、例えば観察者が2次元画像を立体感に乏しい3次元画像と誤認し、観察してしまう可能性がある。これでは、苦労して立体感のある3次元画像を作成した製作者の意図が観察者に伝わらず、映像作品が不当に低い評価しか得られず、観察者も迫力のある立体感を持つ3次元画像を鑑賞する機会を逸してしまう。
【0010】
また、特許文献2の技術は、観察時に逐次3次元データベースからデータを取り出し、例えばコンピュータを使用して右眼用画像と左眼用画像を生成する、所謂リアルタイム3D−CG(real time three dimensional computer graphics)環境が前提となっている。一方、製作済みの3D−CG画像を事後的に鑑賞する場合には、視差は製作時に決まっているので、後から視差の方向を変えることはできず、特許文献2の技術は使用できない。また、実写で3次元画像を撮像する場合にも、右眼用画像と左眼用画像や視差は撮像時に決まるので、後から視差の方向を変えることはできず、特許文献2の技術は利用できない。
【0011】
本発明は、このような課題を踏まえて成されたものであり、観察者が3次元画像を3次元画像として鑑賞する機会を逸することなく、製作済みの3D−CGや実写で得られた3次元画像コンテンツにも利用可能であり、観察者の頭部の傾きによる3次元画像の融像障害に対応できる3次元画像観察用眼鏡、及び3次元画像観察用眼鏡を使用した3次元画像観察方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の3次元画像観察用眼鏡は、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導くものであり、前記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、前記観察者に警告を行なう警告手段と、前記検出手段の検出結果に基づき前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合前記警告手段を動作させる制御手段とを有する。
上記検出手段としては、重力センサや加速度センサ等のセンサを用いることができる。上記センサが検出する傾きは、観察者が眼鏡を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡の傾きであり、センサは観察者の頭部の傾きを3次元画像観察用眼鏡の傾きを検出することで間接的に検出している。もっとも、3次元画像観察用眼鏡を装着した観察者の頭部にセンサを配設して、直接的に頭部の傾きを検出してもよい。
【0013】
詳細な構成例を述べると、本発明の3次元画像観察用眼鏡の一例は、例えば加速度センサ等で構成されるセンサによって観察者の頭部の傾きを検出し、この傾きが所定の閾値を超える場合、警告手段であるバイブレータを動作させて観察者のみに警告する。これは、周囲の人に迷惑となる大きな音や光を発生させない警告である。さらに、警告手段を複数設け、例えば左右にバイブレータを設け、観察者の頭部の傾きの向きに応じて何れか一方のバイブレータを動作させ、観察者に頭部の傾きの方向を容易に認識させる構成例も可能である。
【0014】
また、上記警告手段としては、バイブレータに限らず、観察者の頭部の傾きが所定の閾値を超える場合、3次元画像観察用眼鏡の一部を構成する右眼用光学シャッタや左眼用光学シャッタの開閉を制御して観察者に警告することもできる。また、観察者の頭部の傾きが所定の閾値を超える場合、少なくとも一方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材の透過率を変化させて観察者に警告することもできる。これらも、周囲の人に迷惑となる大きな音や光を発生させない警告である。
【0015】
本発明の3次元画像観索システムは、上記構成の3次元画像観察用眼鏡と、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置で構成され、上記表示装置の左右の傾きを変更する傾き変更機構と、上記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きと、上記表示装置の左右の傾きの差が、所定の閾値以下になるように、上記傾き変更機横に表示装置の左右の傾きを変更させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の3次元画像観索方法は、上記構成の3次元画像観察用眼鏡と、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置で構成される3次元画像観索システムにおいて、上記観察者の頭部の左右の傾き検出手段で検出し、上記検出手段の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定閾値以上の場合に警告を発することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の実施形態で説明するように、本発明の3次元画像観察用眼鏡を装着して3次元画像を観索する際、観察者の頭部が所定以上傾くと警告手段によって警告され、容易に3次元画像の融像障害の予防をすることができる。
また、警告手段を左右に設け、左右の傾きの方向によって何れかの警告手段を動作することによって、観察者は容易に自分の頭部の傾きの方向を知ることができ、傾きの補正が容易となる。
さらに、警告手段による警告は、周囲の他人に知られずに行なわれ、複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の警告を受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の斜視図である。
【図3】第1の実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図4】3次元画像観察用眼鏡の傾き方向に対する左右のバイブレータの駆動例を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の斜視図である。
【図7】第2の実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図8】(a)は、画像中のオブジェクがぶれて見える状態を示す図であり、(b)は、正常な場合の画像中のオブジェクが見える状態を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の斜視図である。
【図11】第3の実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図12】(a)は、右眼用透過率可変素子及び左眼用透過率可変素子が高透過率状態である場合の画像の見え方を示す図であり、 (b)は、右眼用透過率可変素子のみが低透過率状態である場合の画像の見え方を示す図である。
【図13】第3の実施形態の変形例を説明する図である。
【図14】第3の実施形態の変形例を説明する図であり、観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図15】第3の実施形態の変形例を説明する図であり、(a)は、右眼観察像が暗くなって見える状態の一例を示す図であり、(b)は、正常な場合の例を示す図である。
【図16】3次元画像観索システムの構成を示す図である。
【図17】3次元画像観索システムで使用される3次元画像観察用眼鏡の構成を示す図である。
【図18】3次元画像観索システムで使用される3次元画像観察用眼鏡の回路ブロック図である。
【図19】3次元画像観索システムで使用される表示装置の構成を示す図である。
【図20】表示装置の主要部の構成を示し、信号の流れに対応した表示装置の主要部のブロック図である。
【図21】3次元画像観索システムにおける3次元画像の観索方法を説明するフローチャートである。
【図22】正常な場合の例であり、(a)は、観察者の頭部が垂直であり、頭部が水平方向に傾いていない場合の状態を示す図であり、(b)は、上記状態で観察する画像を示す図である。
【図23】観察者の頭部が傾いた状態を説明する図であり、(a)は、具体的に観察者の頭部が傾いている状態を説明する図であり、(b)は、上記状態で観察する画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(策1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。本実施形態の3次元画像観察用眼鏡1は、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く眼鏡である。
【0020】
3次元画像観察用眼鏡1は、図1に示すように、観察者の頭部の左右の傾きを検出するセンサ2と、上記観察者に警告を行なう警告手段3と、上記センサ2の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定閾値以上の場合、上記警告手段3を駆動する制御回路4で構成されている。また、警告手段3は右バイブレータ5と左バイブレータ6を含んでおり、後述するように右バイブレータ5は観察者の右耳近傍に位置する箇所に設けられ、左バイブレータ6は観察者の左耳近傍に位置する箇所に設けられている。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡1の斜視図である。上記右バイブレータ5は、具体的には3次元画像観察用眼鏡1の右側のテンプル(つる)部分に取り付けられ、左バイブレータ6は3次元画像観察用眼鏡1の左側のテンプル(つる)部分に取り付けられる。3次元画像観察用眼鏡1は右バイブレータ5又は左バイブレータ6を駆動することによって、観察者に警告を発する。
【0022】
上記センサ2は3次元画像観察用眼鏡1の所謂ブリッジ部に配設され、制御回路4は3次元画像観察用眼鏡1の左側のテンプルに配設されている。さらに、3次元画像観察用眼鏡1の右側のテンプルにはバッテリー7が配設されている。尚、センサ2と制御回路4、及び制御回路4と左右のバイブレータ5、6は、3次元画像観察用眼鏡1に設けられた不図示の信号線で接続されており、制御回路4はセンサ2から傾き検出信号を受信する。また、制御回路4は上記センサ2からの検出信号に基づいて右バイブレータ5、又は左バイブレータ6に駆動信号を出力する。
【0023】
また、バッテリー7と制御回路4及び左右のバイブレータ5、6は、不図示の電源供給線で接続されており、バッテリー7から制御回路4及び左右のバイブレータ5、6に対して電源供給が行なわれる。
【0024】
センサ2は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡1の左右の傾きを検出するセンサであり、観察者が3次元画像観察用眼鏡1を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡1の左右の傾きを検出する。したがって、センサ2は間接的に観察者の頭部の左右の傾きを検出することになる。センサ2として、例えば加速度センサを使用することができる。尚、加速度センサ以外でも、例えば表示装置に取り付けた複数の赤外線マーカを検出し、その検出方向より3次元画像観察用眼鏡1の傾きを検出する赤外線センサ等を使用することもできる。
【0025】
次に、上記構成の3次元画像観察用眼鏡1を使用して、観察者の頭部が左右に傾いた場合の観察者への警告方法について説明する。
図3は本実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。また、図4は3次元画像観察用眼鏡1の傾き方向に対する左右のバイブレータ5、6の駆動例を示す図である。以下に両図を用いて、具体的に本実施形態の駆動動作を説明する。
【0026】
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡1を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ2は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路4に送信する。
制御回路4ではセンサ2から送信される検出信号を受信し、この検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡1(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いているか判断する(ステップ(以下、Sで示す)1)。ここで、上記傾きが閾値以下であれば、3次元画像の観察が終了したか判断し(S2)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(S2がNO)、S1実行前に戻り上記処理を繰り返す。
【0027】
一方、上記監視を続け、S1において例えば観察者の頭部が図4(a)に示すように右に傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路4は警告手段3である右バイブレータ5に駆動信号を出力し、右バイブレータ5を振動させる(S3)。観察者は右バイブレータ5の振動により、頭部が右に3次元画像を観察する際に融像にとって適切でない程度まで傾いたことを認識する。
【0028】
一方、観察者が3次元画像を観察中、S1において例えば頭部が図4(b)に示すように左に傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路4は警告手段3である左バイブレータ6に駆動信号を出力し、左バイブレータ6を振動させる(S4)。観察者はこの左バイブレータ6の振動により、頭部が左に3次元画像を観察する際に融像にとって適切でない程度まで傾いたことを認識する。
【0029】
したがって、何れの場合も、観察者は右バイブレータ5、又は左バイブレータ6の振動によって、自分の頭部が過度に右又は左に傾いていることを容易に知ることができ、頭部を正常な位置に戻し、3次元画像を眼の負担が少なく観察できる状態に修正することができる。
尚、図4(c)は観察者の頭部の左右の傾きと、その大きさによって右バイブレータ5が振動する場合と、左バイブレータ6が振動する場合を表形式にしたものである。例えば、3次元画像観察用眼鏡1が右に傾き、右側のテンプルが左側のテンプルに比較して下に位置する場合、右側のテンプルに配設された右パイプレータ5が振動し、左バイブレータ6は振動しない(NOP(no operation))。また、3次元画像観察用眼鏡1が左に傾き、左側のテンプルが右側のテンプルに比較して下に位置する場合、左側のテンプルに配設された左パイプレータ6が振動し、右バイブレータ5は振動しない(NOP)。また、3次元画像観察用眼鏡1の傾きが閾値より小さい場合には、バイプレータ5及び6共に振動しない(NOP)。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、観察者は右バイブレータ5又は左バイブレータ6が振動すると、観察者は3次元画像観察用眼鏡1、つまり自分の頭部が、振動したバイブレータ側が下になるように傾いていることを直ちに知ることができる。したがって、反射的に観察者は振動したバイプレ一夕側を上げるように頭部を回動させ、頭部の傾きを補正することができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、観察者の頭部が左右に過度に傾き3次元画像の融像が困難になったことを、バイブレータによって警告するので、周囲の他人に知られずに知ることができる。したがって、例えば複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の予防をすることができる。
【0032】
さらに、観察者の頭部の傾く方向が左右のどちらであるかに応じて、右バイブレータ又は左バイブレータを選択的に動作させるので、観察者は頭部を何れの方向に戻せばよいかを、直に知ることができ、反射的動作による傾きの補正が可能である。
尚、検出される傾きの方向と振動するバイブレ一夕の対応を逆にし、3次元画像観察用眼鏡1、つまり自分の頭部が左右に傾いて相対的位置が上になった側のテンプルに配設されたバイブレータを振動させるように構成してもよい。
(第2の実施形態)
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、光学シャッタ式の3次元画像観察用眼鏡に関するものであり、警告手段として観察者の左眼前に設けられる左眼用光学シャッタと、右眼前に設けられる右眼用光学シャッタを使用する。以下、具体的に説明する。
【0034】
図5は本実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡11の構成の主要部を示すブロック図である。本実施形態の3次元画像観察用眼鏡11は、観察者の頭部の左右の傾きを検出するセンサ12と、上記観察者に警告を行なう警告手段13と、上記センサ12の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、警告手段13を制御する制御回路14で構成されている。但し、本実施形態の警告手段13は前述の実施形態と異なり、光学シャッタ駆動回路15、右眼用光学シャッタ16a、及び左眼用光学シャッタ16bで構成されている。
【0035】
図6は、本実施形態の3次元画像観察用眼鏡11の斜視図である。センサ12は前述の実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡11のブリッジ部に配設され、制御回路14は3次元画像観察用眼鏡11の左側のテンプルに配設されている。また、3次元画像観察用眼鏡1の右側のテンプルにはバッテリー17が配設されている。尚、制御回路14と、センサ2、光学シャッタ駆動回路15等は3次元画像観察用眼鏡11に設けられた不図示の信号線で接続されており、制御回路14はセンサ12から傾き検出信号を受信する。また、制御回路14は傾きセンサ12からの検出信号に基づいて光学シャッタ駆動回路15に制御信号を送り、右眼用光学シャッタ16a、又左眼用光学シャッタ16bを駆動する。
【0036】
また、バッテリー17から不図示の電源供給線が配設され、上記制御回路14や光学シャッタ駆動回路15に電源供給が行なわれる。尚、センサ12は前述の実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡11の左右の傾きを検出するセンサであり、観察者が3次元画像観察用眼鏡11を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡11の左右の傾きを検出する。したがって、センサ12は間接的に観察者の頭部の左右の傾きを検出することになる。
【0037】
次に、上記構成の3次元画像観察用眼鏡11を使用して、観察者の頭部が左右に傾いた場合の観察者への警告方法について説明する。
図7は本実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡11を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ12は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路14に送信する。制御回路14はセンサ12から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡11(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いたか判断する(ステップ(以下、STで示す)1)。
【0038】
ここで、3次元画像観察用眼鏡11の傾きが閾値以下であれば、右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bを交互に開閉し、観察者に3次元画像を観察させる(ST2)。すなわち、表示装置には右眼用画像と左眼用画像が交互に表示されるので、これに同期して右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bを交互に開閉させる。具体的には、右眼用画像が表示されているタイミングで右眼用光学シャッタ16aを開として左眼用光学シャッタ16bを閉とする、また左眼用画像が表示されているタイミングで左眼用光学シャッタ16bを開として右眼用光学シャッタ16aを閉とする。これにより、右眼用画像は右眼に、左眼用画像は左眼に導き、観察者に3次元画像を観察させる。
【0039】
その後、3次元画像の観察が終了したか判断し(ST3)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(ST3がNO)、上記処理を繰り返す。
一方、上記監視を続け、ST1で例えば観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上になることが検出されると、制御回路14は光学シャッタ駆動回路15に駆動信号を出力し、右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bを開放にする(ST4)。この制御により、右眼用画像と左眼用画像が両方とも右眼と左眼に導かれ、観察者には右眼用画像と左眼用画像が重なり合って観察される。
【0040】
図8(a)はこの様子を示す図であり、図8(a)に示す画像中のオブジェクト18、19は水平の視差分だけ離間して2重に見え、立体感は無くぶれたように見える。尚、図8(b)に示す画像は、正常な場合であり、右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bが交互に開閉する場合の見え方の例である。オブジェクトは立体感がありぶれ無く観察される。
したがって、本実施形態によれば、観察者の頭部の左右の傾きが閾値以上になると、画像が急に左右にぶれたように変化するので、観察者はこの警告を見逃すことなく、容易に認識することができる。また、上記警告は周囲の他人に知られず、観察者のみ認識できるので、複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の警告を得ることができる。
(第3の実施形態)
【0041】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、警告手段として観察者の少なくとも一方の眼の前に位置する透過率可変部材を採用する3次元画像観察用眼鏡に関するものである。以下、具体的に説明する。
図9は本実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡21の構成の主要部を示すブロック図である。本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21は、観察者の頭部の左右の傾きを検出するセンサ22と、上記観察者に警告を行なう警告手段23と、上記センサ22の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、上記警告手段23を制御する制御回路24で構成されている。但し、本実施形態の警告手段23は前述の2つの実施形態と異なり、透過率可変素子駆動回路25、右眼用透過率可変素子26a、及び左眼用透過率可変素子26bで構成されている。上記右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bとしては、例えば透過型液晶を使用することができる。
【0042】
図10は、本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21の斜視図である。センサ22は前述の2つ実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡21のブリッジ部に配設され、制御回路24は3次元画像観察用眼鏡21の左側のテンプルに配設されている。また、3次元画像観察用眼鏡21の右側のテンプルにはバッテリー27が配設されている。尚、センサ22と制御回路24、及び透過率可変素子駆動回路25等は、3次元画像観察用眼鏡21に設けられた不図示の信号線で接続されており、制御回路24はセンサ22から傾き検出信号を受信し、制御回路14は上記センサ22からの検出信号に基づいて透過率可変素子駆動回路25に制御信号を出力する。
【0043】
また、バッテリー27から不図示の電源供給線が配設され、上記制御回路24や透過率可変素子駆動回路25に電源供給が行なわれる。尚、センサ22は前述の2つ実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡21の左右の傾きを検出するセンサであり、観察者が3次元画像観察用眼鏡21を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡21の左右の傾きを検出する。したがって、センサ22は観察者の頭部の左右の傾きを検出することになる。
次に、上記構成の3次元画像観察用眼鏡21を使用して、観察者の頭部が左右に傾いた場合の観察者への警告方法について説明する。
【0044】
図11は本実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ22は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路24に送信する。制御回路24はセンサ22から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡21(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いているか判断する(ステップ(以下、STPで示す)1)。
【0045】
ここで、3次元画像観察用眼鏡21の傾きが閾値以下であれば、透過率可変素子駆動回路25は右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを高透過率状態とする(STP2)。図12(a)は右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bが高透過率状態である場合の画像の見え方を示す。この場合、全体として明るい画像として観察者に知覚される。
【0046】
次に、3次元画像の観察が終了したか判断し(STP3)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(STP3がNO)、上記処理を繰り返す。
一方、上記監視を続け、例えば観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路24は透過率可変素子駆動回路25に制御信号を出力し、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを低透過率状態にする(STP4)。この制御により、観察者には画面全体が暗くなって見える。図12(b)は、この時観察者に知覚される画像の状態を示す。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、観察者の頭部の左右の傾きが閾値以上になると、画像全体が暗くなり、観察者は自分の頭部が閾値以上傾いたことを認識することができる。また、上記警告は周囲の他人に知られず、観察者のみ認識できるので、複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の警告を知ることができる。
尚、本実施形態の説明では右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを設ける構成としたが、何れか一方の透過率可変素子を使用する構成としてもよい。この場合、右眼用透過率可変素子26a又は左眼用透過率可変素子26bの何れか使用する一方の眼には暗い画像が見え、頭部が大きく傾いたことを観察者に認識させることができる。
【0048】
一方、図13(a)は本実施形態の変形例(変形例1)を説明する図であり、観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上の場合に観察者に見せる画像の状態を示す。この場合、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bの一部領域のみを低透過率、若しくは遮蔽状態に制御するものである。この変形例の場合、一部の領域のみが暗い画像となるので、例え透過率を遮蔽状態まで落としても、視野を全面的に遮ることはない。
【0049】
したがって、例えば図13(a)に示す例では、画面の上部分と下部分のみが影響を受け、画面の主要部分の鑑賞を耶魔せずに、警告を発生することができる。尚、図13(b)は比較のため、正常の場合の見え方の例を示すものである。
また、図14、図15は、本実施形態の更なる変形例(変形例2)を説明する図であり、観察者の頭部の傾く方向が左右の何れであるかに応じて、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bの透過率を変更するものである。
【0050】
図14は本変形例の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。この場合も、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する際、センサ22が観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路24に送信する。制御回路24はセンサ22から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡21(観察者の頭部)が予め設定した閾値以下であれば、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを高透過率状態とし(STP2)、上記処理を繰り返す(STP3がNO)。
【0051】
その後、上記監視を続け、例えば観察者の頭部が右に閾値以上傾くと、右眼用透過率可変素子26aを低透過率状態にする(STP5)。この制御により、観察者には左眼観察像は明るく見えるが、右眼観察像が暗くなって見える。図15(a)はこの状態を示す図である。尚、図15(b)は正常な場合の例である。
【0052】
また、逆に観察者の頭部が左に閾値以上傾くと、左眼用透過率可変素子26bを低透過率状態にする(STP6)。この制御により、観察者には右眼観察像は明るく見えるが、左眼観察像が暗くなって見える。
したがって、上記変形例によれば、観察者の頭部の傾く向きによって透過率を低下させる右眼用透過率可変素子26a又は左眼用透過率可変素子26bを選択するので、観察者は自分の頭部が何れに方向に傾いているか直感的に知ることができる。
(第4の実施形態)
【0053】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態は、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置と、当該表示装置に表示される3次元画像を観察するための3次元画像観察用眼鏡とを使用する3次元画像観索システムにおいて、3次元画像の観察方法に関する。
図16は本システムの構成を示す図であり、同図に示す3次元画像観索システム30は、3次元画像観察用眼鏡31と表示装置33で構成されている。また、図17は3次元画像観察用眼鏡31の構成を示す図であり、前述の第1乃至第3実施形態と同様、センサ32、制御回路34、バッテリー37等で構成されている。また、本例の3次元画像観察用眼鏡31には上記表示装置32と通信を行なう為の送信ユニット35が設けられている。
【0054】
図18は上記3次元画像観察用眼鏡31の回路ブロック図である。前述の第1乃至第3実施形態と同様、観察者の頭部の傾きを検知するセンサ32による検出信号は制御回路34に通知され、制御回路34によって観察者の頭部の傾きが閾値以上であるか判断する。送信ユニット35は制御回路34による上記判断結果に従って、表示装置33に制御信号を出力する。
【0055】
一方、図19は上記表示装置33の具体的な構成を示す図である。表示装置33は受信ユニット36、制御回路38、駆動回路39、傾き変更機構40、及び表示部41等を含んでいる。また、上記制御回路38と駆動回路39は台座42の内部に設けられ、台座42には支柱43が立設され、支柱43に上部に傾き変更機構40が設けられている。
【0056】
表示部41は傾き変更機構40を駆動することによって左右に回動する構成である。尚、表示部傾き検出ユニット44は、表示部41の傾きを検出し、制御回路38に検出結果を通知する。また、図20は上記表示装置33の主要部の構成を示し、信号の流れに対応した表示装置33の主要部のブロック図である。
【0057】
次に、上記構成の3次元画像観索システムにおいて、3次元画像の観察方法について説明する。図21は本実施形態の3次元画像の観索方法を説明するフローチャートである。
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡31を装着し、表示装置33に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ32は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路34に送信する。制御回路34はセンサ32から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡31(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いたか判断する(ステップ(以下、Wで示す)1)。
【0058】
ここで、3次元画像観察用眼鏡31の傾きが閾値以下であれば、3次元画像の観察が終了したか判断し(W3)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(W3がNO)、上記判断を繰り返す。
その後、上記監視を続け、例えば観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路34は送信ユニット35に制御信号を出力し、送信ユニット35は表示装置33の受信ユニット36に対して、頭部の傾きと表示部41の傾きの差が閾値以下になるように表示部41の傾きを変更させる指示を出力する(W2)。
【0059】
表示装置33の受信ユニット36は上記指示を受信すると、制御回路38に通知する。制御回路38は、上記指示に従って駆動回路39に制御信号を出力し、駆動回路39によって傾き変更機構40を駆動させ、3次元画像観察用眼鏡31が傾いた方向に表示部41を回動させる。
【0060】
この処理によって表示部41は3次元画像観察用眼鏡31の傾き方向に回動し、この表示部41の傾きは前述の表示部傾き検出ユニット44によって検出される。制御回路38は表示部傾き検出ユニット44によって検出した表示部41の傾きの情報と、受信ユニット36から入力する傾き情報とを比較し、両傾きの差が前述の閾値内に収まるように制御する。
【0061】
したがって、本実施形態によれば、観察者の頭部の左右の傾きと表示装置33の表示部41の左右の傾きがの差が所定の閾値以下になるように、表示部41が回動する。これにより、観察者は表示装置33の回動により、自己の頭部が左右に傾いていることへの警告を容易に受け取ることができる。また、頭部の傾きに追従して表示装置33の表示部41が傾くので、表示装置33の視差の方向と、観察者の両眼を結ぶ線の方向が一致するように動的に調整され、融像が困難になる現象が起こり難い。
【0062】
尚、本実施形態では、3次元画像観察用眼鏡31に傾きセンサ32を設けたが、表示装置33側に傾きセンサを設ける構成としてもよい。例えば、表示装置33側に撮像ユニットを搭載し、この撮像ユニットで観察者を撮像し、撮像画面から3次元画像観察用眼鏡31の対応する部分を検出し、この検出した3次元画像観察用眼鏡31の向きより、観察者の頭部の傾斜を計算するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1、11、21、31・・・3次元画像観察用眼鏡
2、12、22、32・・・センサ
3、13、23・・・警告手段
4、14、24、34・・・制御回路
5・・・右バイブレータ
6・・・左バイブレータ
7、17,27・・・バッテリー
15・・光学シャッタ駆動回路
16a・・右眼用光学シャッタ
16b・・左眼用光学シャッタ
18、19・・オブジェクト
25・・透過率可変素子駆動回路
26a・・右眼用透過率可変素子
26b・・左眼用透過率可変素子
33・・表示装置
35・・送信ユニット
36・・受信ユニット
38・・制御回路
39・・駆動回路
40・・傾き変更機構
41・・表示部
42・・台座
43・・支柱
44・・表示部傾き検出ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に表示された互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く3次元画像観察用眼鏡、及び3次元画像観察用眼鏡を使用した3次元画像観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、観察者の左眼と右眼に互いに視差がある2次元画像である左眼用画像と右眼用画像を別々に提供して立体視を実現する技術が知られている。例えば、(1)左右の画像を夫々赤と青の2色で合成し、観察者の装着した眼鏡に各々青と赤のフィルタを取り付け、左眼では青色若しくは赤色の一方の画像のみ、右眼では青色若しくは赤色の他方の画像のみ観察できるようにして、両眼視差により3次元画像を得るアナグリフ、(2)左眼用画像と右眼用画像を交互に表示し、この交互表示と同期して観察者が装着したメガネの左右のシャッタを開閉させ、右眼には右眼用画像のみが見え、左眼には左眼用画像のみが見えるようにする方法、(3)左眼用画像と右眼用画像の偏光方向を異ならせ、観察者が装着したメガネの左右の偏光フィルタにより一方の画像のみが透過するようにし、右眼には右眼用画像のみが見え、左眼には左眼用画像のみが見えるようにする方法、(4)HMD(Head Mounted Display)などの観察者の左右の眼に独立して像を提供する光学系を備えた装置を使う方法が知られている。
【0003】
上述した、右眼用画像と左眼用画像の視差は、例えば2画像中の同一オブジェクトの位置がずれる現象として観察される。現実世界において両眼で同一オブジェクトを観察した場合、両眼の離間方向に視差として画像の位置のずれが生じる。3次元画像観察時においては、通常、観察者の頭部は正立しているので両眼の離間方向は水平となり、視差としての右眼用画像と左眼用画像の位置ずれは水平方向となるのが好ましい。このようにすれば、現実世界と同様に、両眼の離間方向(水平方向)と視差の方向(水平方向)が一致するので、前記オブジェクトは容易に融像して3次元画像として認識される。一方、観察者の頭部が傾いた状態で水平方向に視差のある画像を観察すると、融像が困難となる場合がある。
【0004】
図22及び図23はこの現象を説明する図である。
例えば、正常な場合、図22(a)に破線で示す観察者の頭部は垂直であり、頭部が水平方向に傾いていない。この場合、観察者の左右の眼も水平方向に離間しており、画像のズレ方向と両眼の離間方向が一致し、観察者は図22(b)に示す画像を観察した際の右眼用画像と左眼用画像の融像を容易に行なうことができる。
【0005】
一方、図23(a)に破線で示す観察者の頭部が、例えば右方向に傾いている場合、当然、左右の眼の離間方向も同方向に傾斜する。このため、上記図22(b)と同じ図23(b)に示す画像を観察した際、水平方向の視差による画像のズレと両眼の離間方向が一致せず、右眼用画像と左眼用画像の融像が困難になる。
通常、両眼視の融像検査では、許容される頭部の傾き(回旋)は、6度から10度と言われており、これを超えると融像に支障が生じる可能性が高い。
【0006】
このような3次元画像観察時の頭部の傾きに対応する発明として、特許文献1及び特許文献2が提案されている。例えば、特許文献1の第3の実施形態の説明には、3次元画像観察時に3次元画像観察用眼鏡の傾きを検出し、水平ならば眼鏡の右眼に右眼用画像が入射し、左眼に左眼用画像が入射するように制御して3次元画像を観察者に提示する技術が開示されている。この技術においては、水平でなければ眼鏡の左右の眼に両方とも右眼用画像を入射させる、又は両方とも左眼用画像を入射させるように制御して、観察者に2次元画像を提示する。
【0007】
また、特許文献2は、3次元画像観察時に3次元画像観察用眼鏡の傾きを検出し、この傾きに対応した方向の視差をもつ右眼用画像と左眼用画像を、例えば3次元データベースのデータを使用して生成し、表示装置に表示する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−296501号公報
【特許文献2】特開2006−084963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、観察者が知らないうちに3次元画像が2次元画像に切替わってしまう。このため、例えば観察者が2次元画像を立体感に乏しい3次元画像と誤認し、観察してしまう可能性がある。これでは、苦労して立体感のある3次元画像を作成した製作者の意図が観察者に伝わらず、映像作品が不当に低い評価しか得られず、観察者も迫力のある立体感を持つ3次元画像を鑑賞する機会を逸してしまう。
【0010】
また、特許文献2の技術は、観察時に逐次3次元データベースからデータを取り出し、例えばコンピュータを使用して右眼用画像と左眼用画像を生成する、所謂リアルタイム3D−CG(real time three dimensional computer graphics)環境が前提となっている。一方、製作済みの3D−CG画像を事後的に鑑賞する場合には、視差は製作時に決まっているので、後から視差の方向を変えることはできず、特許文献2の技術は使用できない。また、実写で3次元画像を撮像する場合にも、右眼用画像と左眼用画像や視差は撮像時に決まるので、後から視差の方向を変えることはできず、特許文献2の技術は利用できない。
【0011】
本発明は、このような課題を踏まえて成されたものであり、観察者が3次元画像を3次元画像として鑑賞する機会を逸することなく、製作済みの3D−CGや実写で得られた3次元画像コンテンツにも利用可能であり、観察者の頭部の傾きによる3次元画像の融像障害に対応できる3次元画像観察用眼鏡、及び3次元画像観察用眼鏡を使用した3次元画像観察方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の3次元画像観察用眼鏡は、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導くものであり、前記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、前記観察者に警告を行なう警告手段と、前記検出手段の検出結果に基づき前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合前記警告手段を動作させる制御手段とを有する。
上記検出手段としては、重力センサや加速度センサ等のセンサを用いることができる。上記センサが検出する傾きは、観察者が眼鏡を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡の傾きであり、センサは観察者の頭部の傾きを3次元画像観察用眼鏡の傾きを検出することで間接的に検出している。もっとも、3次元画像観察用眼鏡を装着した観察者の頭部にセンサを配設して、直接的に頭部の傾きを検出してもよい。
【0013】
詳細な構成例を述べると、本発明の3次元画像観察用眼鏡の一例は、例えば加速度センサ等で構成されるセンサによって観察者の頭部の傾きを検出し、この傾きが所定の閾値を超える場合、警告手段であるバイブレータを動作させて観察者のみに警告する。これは、周囲の人に迷惑となる大きな音や光を発生させない警告である。さらに、警告手段を複数設け、例えば左右にバイブレータを設け、観察者の頭部の傾きの向きに応じて何れか一方のバイブレータを動作させ、観察者に頭部の傾きの方向を容易に認識させる構成例も可能である。
【0014】
また、上記警告手段としては、バイブレータに限らず、観察者の頭部の傾きが所定の閾値を超える場合、3次元画像観察用眼鏡の一部を構成する右眼用光学シャッタや左眼用光学シャッタの開閉を制御して観察者に警告することもできる。また、観察者の頭部の傾きが所定の閾値を超える場合、少なくとも一方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材の透過率を変化させて観察者に警告することもできる。これらも、周囲の人に迷惑となる大きな音や光を発生させない警告である。
【0015】
本発明の3次元画像観索システムは、上記構成の3次元画像観察用眼鏡と、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置で構成され、上記表示装置の左右の傾きを変更する傾き変更機構と、上記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きと、上記表示装置の左右の傾きの差が、所定の閾値以下になるように、上記傾き変更機横に表示装置の左右の傾きを変更させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の3次元画像観索方法は、上記構成の3次元画像観察用眼鏡と、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置で構成される3次元画像観索システムにおいて、上記観察者の頭部の左右の傾き検出手段で検出し、上記検出手段の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定閾値以上の場合に警告を発することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の実施形態で説明するように、本発明の3次元画像観察用眼鏡を装着して3次元画像を観索する際、観察者の頭部が所定以上傾くと警告手段によって警告され、容易に3次元画像の融像障害の予防をすることができる。
また、警告手段を左右に設け、左右の傾きの方向によって何れかの警告手段を動作することによって、観察者は容易に自分の頭部の傾きの方向を知ることができ、傾きの補正が容易となる。
さらに、警告手段による警告は、周囲の他人に知られずに行なわれ、複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の警告を受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の斜視図である。
【図3】第1の実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図4】3次元画像観察用眼鏡の傾き方向に対する左右のバイブレータの駆動例を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の斜視図である。
【図7】第2の実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図8】(a)は、画像中のオブジェクがぶれて見える状態を示す図であり、(b)は、正常な場合の画像中のオブジェクが見える状態を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の斜視図である。
【図11】第3の実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図12】(a)は、右眼用透過率可変素子及び左眼用透過率可変素子が高透過率状態である場合の画像の見え方を示す図であり、 (b)は、右眼用透過率可変素子のみが低透過率状態である場合の画像の見え方を示す図である。
【図13】第3の実施形態の変形例を説明する図である。
【図14】第3の実施形態の変形例を説明する図であり、観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
【図15】第3の実施形態の変形例を説明する図であり、(a)は、右眼観察像が暗くなって見える状態の一例を示す図であり、(b)は、正常な場合の例を示す図である。
【図16】3次元画像観索システムの構成を示す図である。
【図17】3次元画像観索システムで使用される3次元画像観察用眼鏡の構成を示す図である。
【図18】3次元画像観索システムで使用される3次元画像観察用眼鏡の回路ブロック図である。
【図19】3次元画像観索システムで使用される表示装置の構成を示す図である。
【図20】表示装置の主要部の構成を示し、信号の流れに対応した表示装置の主要部のブロック図である。
【図21】3次元画像観索システムにおける3次元画像の観索方法を説明するフローチャートである。
【図22】正常な場合の例であり、(a)は、観察者の頭部が垂直であり、頭部が水平方向に傾いていない場合の状態を示す図であり、(b)は、上記状態で観察する画像を示す図である。
【図23】観察者の頭部が傾いた状態を説明する図であり、(a)は、具体的に観察者の頭部が傾いている状態を説明する図であり、(b)は、上記状態で観察する画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(策1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡の構成の主要部を示すブロック図である。本実施形態の3次元画像観察用眼鏡1は、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く眼鏡である。
【0020】
3次元画像観察用眼鏡1は、図1に示すように、観察者の頭部の左右の傾きを検出するセンサ2と、上記観察者に警告を行なう警告手段3と、上記センサ2の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定閾値以上の場合、上記警告手段3を駆動する制御回路4で構成されている。また、警告手段3は右バイブレータ5と左バイブレータ6を含んでおり、後述するように右バイブレータ5は観察者の右耳近傍に位置する箇所に設けられ、左バイブレータ6は観察者の左耳近傍に位置する箇所に設けられている。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡1の斜視図である。上記右バイブレータ5は、具体的には3次元画像観察用眼鏡1の右側のテンプル(つる)部分に取り付けられ、左バイブレータ6は3次元画像観察用眼鏡1の左側のテンプル(つる)部分に取り付けられる。3次元画像観察用眼鏡1は右バイブレータ5又は左バイブレータ6を駆動することによって、観察者に警告を発する。
【0022】
上記センサ2は3次元画像観察用眼鏡1の所謂ブリッジ部に配設され、制御回路4は3次元画像観察用眼鏡1の左側のテンプルに配設されている。さらに、3次元画像観察用眼鏡1の右側のテンプルにはバッテリー7が配設されている。尚、センサ2と制御回路4、及び制御回路4と左右のバイブレータ5、6は、3次元画像観察用眼鏡1に設けられた不図示の信号線で接続されており、制御回路4はセンサ2から傾き検出信号を受信する。また、制御回路4は上記センサ2からの検出信号に基づいて右バイブレータ5、又は左バイブレータ6に駆動信号を出力する。
【0023】
また、バッテリー7と制御回路4及び左右のバイブレータ5、6は、不図示の電源供給線で接続されており、バッテリー7から制御回路4及び左右のバイブレータ5、6に対して電源供給が行なわれる。
【0024】
センサ2は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡1の左右の傾きを検出するセンサであり、観察者が3次元画像観察用眼鏡1を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡1の左右の傾きを検出する。したがって、センサ2は間接的に観察者の頭部の左右の傾きを検出することになる。センサ2として、例えば加速度センサを使用することができる。尚、加速度センサ以外でも、例えば表示装置に取り付けた複数の赤外線マーカを検出し、その検出方向より3次元画像観察用眼鏡1の傾きを検出する赤外線センサ等を使用することもできる。
【0025】
次に、上記構成の3次元画像観察用眼鏡1を使用して、観察者の頭部が左右に傾いた場合の観察者への警告方法について説明する。
図3は本実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。また、図4は3次元画像観察用眼鏡1の傾き方向に対する左右のバイブレータ5、6の駆動例を示す図である。以下に両図を用いて、具体的に本実施形態の駆動動作を説明する。
【0026】
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡1を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ2は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路4に送信する。
制御回路4ではセンサ2から送信される検出信号を受信し、この検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡1(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いているか判断する(ステップ(以下、Sで示す)1)。ここで、上記傾きが閾値以下であれば、3次元画像の観察が終了したか判断し(S2)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(S2がNO)、S1実行前に戻り上記処理を繰り返す。
【0027】
一方、上記監視を続け、S1において例えば観察者の頭部が図4(a)に示すように右に傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路4は警告手段3である右バイブレータ5に駆動信号を出力し、右バイブレータ5を振動させる(S3)。観察者は右バイブレータ5の振動により、頭部が右に3次元画像を観察する際に融像にとって適切でない程度まで傾いたことを認識する。
【0028】
一方、観察者が3次元画像を観察中、S1において例えば頭部が図4(b)に示すように左に傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路4は警告手段3である左バイブレータ6に駆動信号を出力し、左バイブレータ6を振動させる(S4)。観察者はこの左バイブレータ6の振動により、頭部が左に3次元画像を観察する際に融像にとって適切でない程度まで傾いたことを認識する。
【0029】
したがって、何れの場合も、観察者は右バイブレータ5、又は左バイブレータ6の振動によって、自分の頭部が過度に右又は左に傾いていることを容易に知ることができ、頭部を正常な位置に戻し、3次元画像を眼の負担が少なく観察できる状態に修正することができる。
尚、図4(c)は観察者の頭部の左右の傾きと、その大きさによって右バイブレータ5が振動する場合と、左バイブレータ6が振動する場合を表形式にしたものである。例えば、3次元画像観察用眼鏡1が右に傾き、右側のテンプルが左側のテンプルに比較して下に位置する場合、右側のテンプルに配設された右パイプレータ5が振動し、左バイブレータ6は振動しない(NOP(no operation))。また、3次元画像観察用眼鏡1が左に傾き、左側のテンプルが右側のテンプルに比較して下に位置する場合、左側のテンプルに配設された左パイプレータ6が振動し、右バイブレータ5は振動しない(NOP)。また、3次元画像観察用眼鏡1の傾きが閾値より小さい場合には、バイプレータ5及び6共に振動しない(NOP)。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、観察者は右バイブレータ5又は左バイブレータ6が振動すると、観察者は3次元画像観察用眼鏡1、つまり自分の頭部が、振動したバイブレータ側が下になるように傾いていることを直ちに知ることができる。したがって、反射的に観察者は振動したバイプレ一夕側を上げるように頭部を回動させ、頭部の傾きを補正することができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、観察者の頭部が左右に過度に傾き3次元画像の融像が困難になったことを、バイブレータによって警告するので、周囲の他人に知られずに知ることができる。したがって、例えば複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の予防をすることができる。
【0032】
さらに、観察者の頭部の傾く方向が左右のどちらであるかに応じて、右バイブレータ又は左バイブレータを選択的に動作させるので、観察者は頭部を何れの方向に戻せばよいかを、直に知ることができ、反射的動作による傾きの補正が可能である。
尚、検出される傾きの方向と振動するバイブレ一夕の対応を逆にし、3次元画像観察用眼鏡1、つまり自分の頭部が左右に傾いて相対的位置が上になった側のテンプルに配設されたバイブレータを振動させるように構成してもよい。
(第2の実施形態)
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、光学シャッタ式の3次元画像観察用眼鏡に関するものであり、警告手段として観察者の左眼前に設けられる左眼用光学シャッタと、右眼前に設けられる右眼用光学シャッタを使用する。以下、具体的に説明する。
【0034】
図5は本実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡11の構成の主要部を示すブロック図である。本実施形態の3次元画像観察用眼鏡11は、観察者の頭部の左右の傾きを検出するセンサ12と、上記観察者に警告を行なう警告手段13と、上記センサ12の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、警告手段13を制御する制御回路14で構成されている。但し、本実施形態の警告手段13は前述の実施形態と異なり、光学シャッタ駆動回路15、右眼用光学シャッタ16a、及び左眼用光学シャッタ16bで構成されている。
【0035】
図6は、本実施形態の3次元画像観察用眼鏡11の斜視図である。センサ12は前述の実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡11のブリッジ部に配設され、制御回路14は3次元画像観察用眼鏡11の左側のテンプルに配設されている。また、3次元画像観察用眼鏡1の右側のテンプルにはバッテリー17が配設されている。尚、制御回路14と、センサ2、光学シャッタ駆動回路15等は3次元画像観察用眼鏡11に設けられた不図示の信号線で接続されており、制御回路14はセンサ12から傾き検出信号を受信する。また、制御回路14は傾きセンサ12からの検出信号に基づいて光学シャッタ駆動回路15に制御信号を送り、右眼用光学シャッタ16a、又左眼用光学シャッタ16bを駆動する。
【0036】
また、バッテリー17から不図示の電源供給線が配設され、上記制御回路14や光学シャッタ駆動回路15に電源供給が行なわれる。尚、センサ12は前述の実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡11の左右の傾きを検出するセンサであり、観察者が3次元画像観察用眼鏡11を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡11の左右の傾きを検出する。したがって、センサ12は間接的に観察者の頭部の左右の傾きを検出することになる。
【0037】
次に、上記構成の3次元画像観察用眼鏡11を使用して、観察者の頭部が左右に傾いた場合の観察者への警告方法について説明する。
図7は本実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡11を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ12は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路14に送信する。制御回路14はセンサ12から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡11(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いたか判断する(ステップ(以下、STで示す)1)。
【0038】
ここで、3次元画像観察用眼鏡11の傾きが閾値以下であれば、右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bを交互に開閉し、観察者に3次元画像を観察させる(ST2)。すなわち、表示装置には右眼用画像と左眼用画像が交互に表示されるので、これに同期して右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bを交互に開閉させる。具体的には、右眼用画像が表示されているタイミングで右眼用光学シャッタ16aを開として左眼用光学シャッタ16bを閉とする、また左眼用画像が表示されているタイミングで左眼用光学シャッタ16bを開として右眼用光学シャッタ16aを閉とする。これにより、右眼用画像は右眼に、左眼用画像は左眼に導き、観察者に3次元画像を観察させる。
【0039】
その後、3次元画像の観察が終了したか判断し(ST3)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(ST3がNO)、上記処理を繰り返す。
一方、上記監視を続け、ST1で例えば観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上になることが検出されると、制御回路14は光学シャッタ駆動回路15に駆動信号を出力し、右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bを開放にする(ST4)。この制御により、右眼用画像と左眼用画像が両方とも右眼と左眼に導かれ、観察者には右眼用画像と左眼用画像が重なり合って観察される。
【0040】
図8(a)はこの様子を示す図であり、図8(a)に示す画像中のオブジェクト18、19は水平の視差分だけ離間して2重に見え、立体感は無くぶれたように見える。尚、図8(b)に示す画像は、正常な場合であり、右眼用光学シャッタ16a及び左眼用光学シャッタ16bが交互に開閉する場合の見え方の例である。オブジェクトは立体感がありぶれ無く観察される。
したがって、本実施形態によれば、観察者の頭部の左右の傾きが閾値以上になると、画像が急に左右にぶれたように変化するので、観察者はこの警告を見逃すことなく、容易に認識することができる。また、上記警告は周囲の他人に知られず、観察者のみ認識できるので、複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の警告を得ることができる。
(第3の実施形態)
【0041】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、警告手段として観察者の少なくとも一方の眼の前に位置する透過率可変部材を採用する3次元画像観察用眼鏡に関するものである。以下、具体的に説明する。
図9は本実施形態に係る3次元画像観察用眼鏡21の構成の主要部を示すブロック図である。本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21は、観察者の頭部の左右の傾きを検出するセンサ22と、上記観察者に警告を行なう警告手段23と、上記センサ22の検出結果に基づき、観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、上記警告手段23を制御する制御回路24で構成されている。但し、本実施形態の警告手段23は前述の2つの実施形態と異なり、透過率可変素子駆動回路25、右眼用透過率可変素子26a、及び左眼用透過率可変素子26bで構成されている。上記右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bとしては、例えば透過型液晶を使用することができる。
【0042】
図10は、本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21の斜視図である。センサ22は前述の2つ実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡21のブリッジ部に配設され、制御回路24は3次元画像観察用眼鏡21の左側のテンプルに配設されている。また、3次元画像観察用眼鏡21の右側のテンプルにはバッテリー27が配設されている。尚、センサ22と制御回路24、及び透過率可変素子駆動回路25等は、3次元画像観察用眼鏡21に設けられた不図示の信号線で接続されており、制御回路24はセンサ22から傾き検出信号を受信し、制御回路14は上記センサ22からの検出信号に基づいて透過率可変素子駆動回路25に制御信号を出力する。
【0043】
また、バッテリー27から不図示の電源供給線が配設され、上記制御回路24や透過率可変素子駆動回路25に電源供給が行なわれる。尚、センサ22は前述の2つ実施形態と同様、3次元画像観察用眼鏡21の左右の傾きを検出するセンサであり、観察者が3次元画像観察用眼鏡21を装着した状態での3次元画像観察用眼鏡21の左右の傾きを検出する。したがって、センサ22は観察者の頭部の左右の傾きを検出することになる。
次に、上記構成の3次元画像観察用眼鏡21を使用して、観察者の頭部が左右に傾いた場合の観察者への警告方法について説明する。
【0044】
図11は本実施形態の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ22は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路24に送信する。制御回路24はセンサ22から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡21(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いているか判断する(ステップ(以下、STPで示す)1)。
【0045】
ここで、3次元画像観察用眼鏡21の傾きが閾値以下であれば、透過率可変素子駆動回路25は右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを高透過率状態とする(STP2)。図12(a)は右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bが高透過率状態である場合の画像の見え方を示す。この場合、全体として明るい画像として観察者に知覚される。
【0046】
次に、3次元画像の観察が終了したか判断し(STP3)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(STP3がNO)、上記処理を繰り返す。
一方、上記監視を続け、例えば観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路24は透過率可変素子駆動回路25に制御信号を出力し、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを低透過率状態にする(STP4)。この制御により、観察者には画面全体が暗くなって見える。図12(b)は、この時観察者に知覚される画像の状態を示す。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、観察者の頭部の左右の傾きが閾値以上になると、画像全体が暗くなり、観察者は自分の頭部が閾値以上傾いたことを認識することができる。また、上記警告は周囲の他人に知られず、観察者のみ認識できるので、複数人で3次元画像を観察している場合でも、他人に迷惑を掛けずに、3次元画像の融像障害の警告を知ることができる。
尚、本実施形態の説明では右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを設ける構成としたが、何れか一方の透過率可変素子を使用する構成としてもよい。この場合、右眼用透過率可変素子26a又は左眼用透過率可変素子26bの何れか使用する一方の眼には暗い画像が見え、頭部が大きく傾いたことを観察者に認識させることができる。
【0048】
一方、図13(a)は本実施形態の変形例(変形例1)を説明する図であり、観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上の場合に観察者に見せる画像の状態を示す。この場合、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bの一部領域のみを低透過率、若しくは遮蔽状態に制御するものである。この変形例の場合、一部の領域のみが暗い画像となるので、例え透過率を遮蔽状態まで落としても、視野を全面的に遮ることはない。
【0049】
したがって、例えば図13(a)に示す例では、画面の上部分と下部分のみが影響を受け、画面の主要部分の鑑賞を耶魔せずに、警告を発生することができる。尚、図13(b)は比較のため、正常の場合の見え方の例を示すものである。
また、図14、図15は、本実施形態の更なる変形例(変形例2)を説明する図であり、観察者の頭部の傾く方向が左右の何れであるかに応じて、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bの透過率を変更するものである。
【0050】
図14は本変形例の観察者への警告方法を説明するフローチャートである。この場合も、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡21を装着し、不図示の表示装置に表示される3次元画像を観察する際、センサ22が観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路24に送信する。制御回路24はセンサ22から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡21(観察者の頭部)が予め設定した閾値以下であれば、右眼用透過率可変素子26a及び左眼用透過率可変素子26bを高透過率状態とし(STP2)、上記処理を繰り返す(STP3がNO)。
【0051】
その後、上記監視を続け、例えば観察者の頭部が右に閾値以上傾くと、右眼用透過率可変素子26aを低透過率状態にする(STP5)。この制御により、観察者には左眼観察像は明るく見えるが、右眼観察像が暗くなって見える。図15(a)はこの状態を示す図である。尚、図15(b)は正常な場合の例である。
【0052】
また、逆に観察者の頭部が左に閾値以上傾くと、左眼用透過率可変素子26bを低透過率状態にする(STP6)。この制御により、観察者には右眼観察像は明るく見えるが、左眼観察像が暗くなって見える。
したがって、上記変形例によれば、観察者の頭部の傾く向きによって透過率を低下させる右眼用透過率可変素子26a又は左眼用透過率可変素子26bを選択するので、観察者は自分の頭部が何れに方向に傾いているか直感的に知ることができる。
(第4の実施形態)
【0053】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態は、互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置と、当該表示装置に表示される3次元画像を観察するための3次元画像観察用眼鏡とを使用する3次元画像観索システムにおいて、3次元画像の観察方法に関する。
図16は本システムの構成を示す図であり、同図に示す3次元画像観索システム30は、3次元画像観察用眼鏡31と表示装置33で構成されている。また、図17は3次元画像観察用眼鏡31の構成を示す図であり、前述の第1乃至第3実施形態と同様、センサ32、制御回路34、バッテリー37等で構成されている。また、本例の3次元画像観察用眼鏡31には上記表示装置32と通信を行なう為の送信ユニット35が設けられている。
【0054】
図18は上記3次元画像観察用眼鏡31の回路ブロック図である。前述の第1乃至第3実施形態と同様、観察者の頭部の傾きを検知するセンサ32による検出信号は制御回路34に通知され、制御回路34によって観察者の頭部の傾きが閾値以上であるか判断する。送信ユニット35は制御回路34による上記判断結果に従って、表示装置33に制御信号を出力する。
【0055】
一方、図19は上記表示装置33の具体的な構成を示す図である。表示装置33は受信ユニット36、制御回路38、駆動回路39、傾き変更機構40、及び表示部41等を含んでいる。また、上記制御回路38と駆動回路39は台座42の内部に設けられ、台座42には支柱43が立設され、支柱43に上部に傾き変更機構40が設けられている。
【0056】
表示部41は傾き変更機構40を駆動することによって左右に回動する構成である。尚、表示部傾き検出ユニット44は、表示部41の傾きを検出し、制御回路38に検出結果を通知する。また、図20は上記表示装置33の主要部の構成を示し、信号の流れに対応した表示装置33の主要部のブロック図である。
【0057】
次に、上記構成の3次元画像観索システムにおいて、3次元画像の観察方法について説明する。図21は本実施形態の3次元画像の観索方法を説明するフローチャートである。
先ず、観察者は本実施形態の3次元画像観察用眼鏡31を装着し、表示装置33に表示される3次元画像を観察する。その後、センサ32は観察者の頭部の傾きを検出し、検出信号を制御回路34に送信する。制御回路34はセンサ32から送信される検出信号に基づいて、3次元画像観察用眼鏡31(観察者の頭部)が予め設定した閾値以上傾いたか判断する(ステップ(以下、Wで示す)1)。
【0058】
ここで、3次元画像観察用眼鏡31の傾きが閾値以下であれば、3次元画像の観察が終了したか判断し(W3)、観察者が3次元画像の観察を続けていれば(W3がNO)、上記判断を繰り返す。
その後、上記監視を続け、例えば観察者の頭部が左右何れかに傾き、その傾きが閾値以上になると、制御回路34は送信ユニット35に制御信号を出力し、送信ユニット35は表示装置33の受信ユニット36に対して、頭部の傾きと表示部41の傾きの差が閾値以下になるように表示部41の傾きを変更させる指示を出力する(W2)。
【0059】
表示装置33の受信ユニット36は上記指示を受信すると、制御回路38に通知する。制御回路38は、上記指示に従って駆動回路39に制御信号を出力し、駆動回路39によって傾き変更機構40を駆動させ、3次元画像観察用眼鏡31が傾いた方向に表示部41を回動させる。
【0060】
この処理によって表示部41は3次元画像観察用眼鏡31の傾き方向に回動し、この表示部41の傾きは前述の表示部傾き検出ユニット44によって検出される。制御回路38は表示部傾き検出ユニット44によって検出した表示部41の傾きの情報と、受信ユニット36から入力する傾き情報とを比較し、両傾きの差が前述の閾値内に収まるように制御する。
【0061】
したがって、本実施形態によれば、観察者の頭部の左右の傾きと表示装置33の表示部41の左右の傾きがの差が所定の閾値以下になるように、表示部41が回動する。これにより、観察者は表示装置33の回動により、自己の頭部が左右に傾いていることへの警告を容易に受け取ることができる。また、頭部の傾きに追従して表示装置33の表示部41が傾くので、表示装置33の視差の方向と、観察者の両眼を結ぶ線の方向が一致するように動的に調整され、融像が困難になる現象が起こり難い。
【0062】
尚、本実施形態では、3次元画像観察用眼鏡31に傾きセンサ32を設けたが、表示装置33側に傾きセンサを設ける構成としてもよい。例えば、表示装置33側に撮像ユニットを搭載し、この撮像ユニットで観察者を撮像し、撮像画面から3次元画像観察用眼鏡31の対応する部分を検出し、この検出した3次元画像観察用眼鏡31の向きより、観察者の頭部の傾斜を計算するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1、11、21、31・・・3次元画像観察用眼鏡
2、12、22、32・・・センサ
3、13、23・・・警告手段
4、14、24、34・・・制御回路
5・・・右バイブレータ
6・・・左バイブレータ
7、17,27・・・バッテリー
15・・光学シャッタ駆動回路
16a・・右眼用光学シャッタ
16b・・左眼用光学シャッタ
18、19・・オブジェクト
25・・透過率可変素子駆動回路
26a・・右眼用透過率可変素子
26b・・左眼用透過率可変素子
33・・表示装置
35・・送信ユニット
36・・受信ユニット
38・・制御回路
39・・駆動回路
40・・傾き変更機構
41・・表示部
42・・台座
43・・支柱
44・・表示部傾き検出ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く、3次元画像観察用眼鏡であり、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、
前記観察者に警告を行なう警告手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、前記警告手段を動作させる制御手段と、
を有することを特徴とする3次元画像観察用眼鏡。
【請求項2】
前記警告手段は、バイブレータを含むことを特徴とする藷求項1に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項3】
前記バイブレータは、前記3次元画像観察用眼鏡の右側と左側に各々配設され、前記制御手段は、前記観察者の頭部の傾く方向が左右何れかに応じて、前記右側に配設されたバイブレータと前記左側に配設されたバイブレータを選択的に動作させることを特徴とする請求項2に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項4】
前記バイブレータは、前記3次元画像観察用眼鏡のテンプルに配設されていることを特徴とする請求項3に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項5】
前記3次元画像観察用眼鏡は光学シャッタ式であり、
前記警告手段は、前記観察者の左眼前に位置づけられる左眼用光学シャッタと右眼前に位置づけられる右眼用光学シャッタを含み、
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、前記左眼用光学シャッタと、前記右眼用光学シャッタの両方の光学シャッタを開放状態にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項6】
前記警告手段は、前記観察者の少なくとも一方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材を含み、
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、前記透過率可変部材の透過率を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項7】
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合に前記透過率可変部材を低透過率状態とし、それ以外の場合に前記透過率可変部材を高透過率の状態にする
ことを特徹とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項8】
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合に前記透過率可変部材の一部の領域のみを低透過率若しくは遮蔽にすると共に他の領域を高透過率状態とし、それ以外の場合に前記透過率可変部材を全面的に高透過率の状態にすることを特徴とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項9】
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合に、前記観察者の片方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材のみを低速過率若しくは遮蔽の状態にする
ことを特徴とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項10】
前記透過率可変部材は観察者の左眼の前に位置付けられる左眼用透過率可変部材と右眼の前に位置付けられる右眼用透過率可変部材を有し、
前記制御手段は、前記観察者の頭部の傾く方向が左右何れかに応じて、左眼用透過率可変部材と右眼用透過率可変部材から透過率を変更する透過率可変部材を選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項11】
互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の左右の傾きを変更する傾き変更機構と、
観察者が前記3次元画像を観察する時前記観察者の顔面に装着され、右眼用画像を前記観察者の右眼に導き、左眼用画像を前記観察者の左眼に導く、3次元画像観察用眼鏡と、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きと、前記表示装置の左右の傾きの差が、所定の閾値以下になるように、前記傾き変更機横に前記表示装置の左右の傾きを変更させる制御手段と、
を有することを特徴とする3次元画像観察システム。
【請求項12】
互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察者に顔面に装着され右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く、3次元画像観察用眼鏡の使用時の3次元画像観察方法であり、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出手段で検出し、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定閾値以上の場合に警告を発する、
ことを特徹とする3次元画像観察方法。
【請求項13】
前記警告は、前記観察者の頭部の傾く方向が左右のどちらであるかに応じて、前記3次元画像観察用眼鏡の右側に配設されたバイブレータと左側に配設されたバイブレータを選択的に動作させることを含むことを特徴とする請求項12に記載の3次元画像観察方法。
【請求項14】
前記警告は、前記観察者の少なくとも一方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材の透過率を変化させることを含むことを特徴とする請求項12に記載の3次元画像観察方法。
【請求項15】
表示装置に表示された互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を、観察者の顔面に装着され前記右眼用画像を前記観察者の右眼に導き、前記左眼用画像を前記観察者の左眼に導く3次元画像観察用眼鏡を使用して観察する3次元画像観察方法であり、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出手段で検出し、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きと、前記表示装置の左右の傾きの差が、所定の閾値以下になるように、前記表示装置の左右の傾きを変更する傾き変更機構に前記表示装置の左右の傾きを変更させる、
ことを特赦とする3次元画像観察方法。
【請求項1】
互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察時に顔面に装着され、右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く、3次元画像観察用眼鏡であり、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、
前記観察者に警告を行なう警告手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、前記警告手段を動作させる制御手段と、
を有することを特徴とする3次元画像観察用眼鏡。
【請求項2】
前記警告手段は、バイブレータを含むことを特徴とする藷求項1に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項3】
前記バイブレータは、前記3次元画像観察用眼鏡の右側と左側に各々配設され、前記制御手段は、前記観察者の頭部の傾く方向が左右何れかに応じて、前記右側に配設されたバイブレータと前記左側に配設されたバイブレータを選択的に動作させることを特徴とする請求項2に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項4】
前記バイブレータは、前記3次元画像観察用眼鏡のテンプルに配設されていることを特徴とする請求項3に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項5】
前記3次元画像観察用眼鏡は光学シャッタ式であり、
前記警告手段は、前記観察者の左眼前に位置づけられる左眼用光学シャッタと右眼前に位置づけられる右眼用光学シャッタを含み、
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、前記左眼用光学シャッタと、前記右眼用光学シャッタの両方の光学シャッタを開放状態にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項6】
前記警告手段は、前記観察者の少なくとも一方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材を含み、
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合、前記透過率可変部材の透過率を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項7】
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合に前記透過率可変部材を低透過率状態とし、それ以外の場合に前記透過率可変部材を高透過率の状態にする
ことを特徹とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項8】
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合に前記透過率可変部材の一部の領域のみを低透過率若しくは遮蔽にすると共に他の領域を高透過率状態とし、それ以外の場合に前記透過率可変部材を全面的に高透過率の状態にすることを特徴とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項9】
前記制御手段は、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定以上の場合に、前記観察者の片方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材のみを低速過率若しくは遮蔽の状態にする
ことを特徴とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項10】
前記透過率可変部材は観察者の左眼の前に位置付けられる左眼用透過率可変部材と右眼の前に位置付けられる右眼用透過率可変部材を有し、
前記制御手段は、前記観察者の頭部の傾く方向が左右何れかに応じて、左眼用透過率可変部材と右眼用透過率可変部材から透過率を変更する透過率可変部材を選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載の3次元画像観察用眼鏡。
【請求項11】
互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の左右の傾きを変更する傾き変更機構と、
観察者が前記3次元画像を観察する時前記観察者の顔面に装着され、右眼用画像を前記観察者の右眼に導き、左眼用画像を前記観察者の左眼に導く、3次元画像観察用眼鏡と、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きと、前記表示装置の左右の傾きの差が、所定の閾値以下になるように、前記傾き変更機横に前記表示装置の左右の傾きを変更させる制御手段と、
を有することを特徴とする3次元画像観察システム。
【請求項12】
互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像の観察者に顔面に装着され右眼用画像を観察者の右眼に導き、左眼用画像を観察者の左眼に導く、3次元画像観察用眼鏡の使用時の3次元画像観察方法であり、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出手段で検出し、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きが所定閾値以上の場合に警告を発する、
ことを特徹とする3次元画像観察方法。
【請求項13】
前記警告は、前記観察者の頭部の傾く方向が左右のどちらであるかに応じて、前記3次元画像観察用眼鏡の右側に配設されたバイブレータと左側に配設されたバイブレータを選択的に動作させることを含むことを特徴とする請求項12に記載の3次元画像観察方法。
【請求項14】
前記警告は、前記観察者の少なくとも一方の眼の前に位置付けられる透過率可変部材の透過率を変化させることを含むことを特徴とする請求項12に記載の3次元画像観察方法。
【請求項15】
表示装置に表示された互いに視差を有する右眼用画像と左眼用画像を有する3次元画像を、観察者の顔面に装着され前記右眼用画像を前記観察者の右眼に導き、前記左眼用画像を前記観察者の左眼に導く3次元画像観察用眼鏡を使用して観察する3次元画像観察方法であり、
前記観察者の頭部の左右の傾きを検出手段で検出し、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記観察者の頭部の左右の傾きと、前記表示装置の左右の傾きの差が、所定の閾値以下になるように、前記表示装置の左右の傾きを変更する傾き変更機構に前記表示装置の左右の傾きを変更させる、
ことを特赦とする3次元画像観察方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図12】
【図13】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図12】
【図13】
【図15】
【公開番号】特開2012−53237(P2012−53237A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195127(P2010−195127)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(503200718)オリンパスビジュアルコミュニケーションズ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(503200718)オリンパスビジュアルコミュニケーションズ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]