3次元CADシステム
【課題】電気CADで設計した電気回路図の情報と、3次元CADで設計した機械図面の情報を相互に関連付けるシステムを提供する。
【解決手段】3次元CAD演算部を組み込んだ3次元CADサーバ計算機1と、3次元CADデータを保管する3次元データベース3と、電気CAD演算部を組み込んだ電気CADサーバ計算機2と、電気CADデータを保管する電気回路データベース4と、3次元CADサーバ計算機1および電気CADサーバ計算機2とネットワーク13を介して接続し、3次元CAD設計および電気CAD設計を行うクライアント計算機5、6から構成し、クライアント計算機に3次元CADデータと電気CADデータとを相互に関連付けるデータリンク処理部23を備えることにより、3次元CADと電気CADの関連付け情報を相互に表示できるようにした。
【解決手段】3次元CAD演算部を組み込んだ3次元CADサーバ計算機1と、3次元CADデータを保管する3次元データベース3と、電気CAD演算部を組み込んだ電気CADサーバ計算機2と、電気CADデータを保管する電気回路データベース4と、3次元CADサーバ計算機1および電気CADサーバ計算機2とネットワーク13を介して接続し、3次元CAD設計および電気CAD設計を行うクライアント計算機5、6から構成し、クライアント計算機に3次元CADデータと電気CADデータとを相互に関連付けるデータリンク処理部23を備えることにより、3次元CADと電気CADの関連付け情報を相互に表示できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤等の設計における電気回路図と機器実装図との関連付けを自動的に行う3次元CAD(Computer Aided Design)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御盤等の設計においては、電気回路設計によって作成される電気回路図を電気CADで、構造設計によって、電気回路図を基に制御盤等に電気部品をどのように配置するかを設計し、その構成、配置などを記した機械図面を3次元CADで作成していた。そのため、実際の制御盤の製造や運用後の点検や保守、修理などの作業のためには、これらの電気回路図と機械図面の両方を参照しながら行う必要があった。
【0003】
発電所などの大規模プラントにおける制御システムなどでは、多種の電気部品を1つの製品内に取り付けるため、電気回路図上の任意の電気部品が製品内のどの位置に取り付けられているかを確認することは非常に困難であった。また、多種の電気部品を取り付けた制御盤等の装置が多数配置されているため、任意の電気部品を容易に特定できることは、設計、製造作業に加えて、運用後の保守作業などに際しても、作業の効率化のために非常に重要な要件であった。そのため、従来は、制御盤などの製品内に取り付けられている電気部品の位置を判別する方法として、電気回路図の個々の電気部品について、製品内の物理的な位置を表す識別番号(以降、論理座標と称す)を電気回路図上に表記していた。論理座標とは、制御盤内の基板の位置、例えば、上から何段目かを表す記号と、基板上の特定の位置を原点とし、縦、横を特定の距離で区切り、その縦横の位置を表す記号とを組み合わせて定義する。例えば、基板の段数をA、B、C、D、基板上の位置として縦方向をA、B、C、D、横方向を1、2、3、4に区切った場合、これらを組み合わせて“FA1”、“FB2”などの記号で個々の電気部品の配置位置を表すことができる。
【0004】
これにより、制御システムを保守する保守作業者は、電気回路図上の論理座標を見れば、装置内に取り付けている部品の位置を特定することができた。一方、制御システムの設計過程においては、機械図面の3次元CADデータから電気部品の配置図を作成し、電気回路図上の電気部品を配置図上に配置し、配置図上の位置から作成した論理座標を電気回路図の電気部品に割り付けることで、電気回路図と機械図面に記載された電気部品の関連付けが分かるようにしていた。
【0005】
特許文献1には、機構設計を行うメカCAD、電気設計を行う電気CAD、光学設計を行う光学CADなど、他のCADシステムによって設計された設計情報に基づく3次元モデルを自動生成し、他のCADシステムによる設計情報と連動した動作シミュレーションを行いながら設計することが可能な3次元CADシステムの例についての開示がある。
【特許文献1】特開2006−195971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来作成していた配置図は、電気回路設計の電気CADと、構造設計の3次元CADの設計情報を関連付けるものであるが、配置図への電気部品の配置と論理座標の割り付け、及び電気回路図への論理座標の転記は、設計者が手作業で行っていた。そのため、作業に多くの時間を要するとともに、論理座標の割り付けや転記作業などにおける誤りなどが発生し、信頼性及び設計生産性が低いという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に示した例では、他のCADシステムによる設計情報を利用した3次元モデルの生成は可能であるが、例えば、電気回路図の電気部品と3次元モデルの該当する電気部品とを相互に関連付け、ユーザに提供するような機能はない。そのため、これら複数のCADシステムによる設計情報を関連づけた図面などの資料を、ユーザに利用可能な形態で提供することはできなかった。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、例えば、電気CADで設計した電気回路図の情報と、3次元CADで設計した機械図面の情報を相互に関連づけ、個々の電気部品の実装位置を容易に認識できる3次元CADシステムを提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部と、3次元CAD演算部により生成されるデータを保管する3次元データ保管部と、電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部と、電気CAD演算部により生成されるデータを保管する電気回路データ保管部と、3次元CAD演算部により生成されるデータと電気CAD演算部により生成されるデータとを相互に関連付けるデータリンク処理部とを備え、 データリンク処理部により関連付けた電気CADの情報を3次元CADの情報に貼付し、表示できるようにしたものである。
【0010】
また、本発明は、3次元CAD演算部により生成される3次元CADデータと、データリンク処理部により登録した電気部品の属性情報を基に、電気部品を取り付けて製作する製品の製作図面を作成する製作図面作成処理部を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、3次元CADデータと電気CADデータを相互に関連付け、自動的に割り付けた属性情報を3次元CADデータと電気CADデータに自動的に登録することが可能になる。このため、従来手作業で行っていた論理座標の割り付けなど、相互のデータを関連付ける作業を短時間に行うことができ、設計、製造作業時の生産性が向上する。更に、3次元CADデータと電気CADデータの相互に対応する電気部品の情報を容易に参照することができるため、制御システムの運用開始後の保守、点検作業においても、作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1に本例による3次元CADシステムの構成例を示す。本例は、構造設計を行う3次元CAD機能を実現し、3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部を組み込んだ3次元CADサーバ計算機1、3次元CADサーバ計算機1と接続し、3次元CADデータなどの設計情報を保管する3次元データ保管部である3次元データベース3、3次元CADサーバ計算機1とネットワーク13を介して接続し、電気回路設計を行う電気CAD機能を実現し、電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部を組み込んだ電気CADサーバ計算機2、電気CADサーバ計算機2と接続し、電気CADで設計した電気回路図などの設計情報を保管する電気回路データ保管部である電気回路データベース4、3次元CADサーバ計算機1および電気CADサーバ計算機2とネットワーク13を介して接続し、3次元CAD設計および電気CAD設計を行うクライアント計算機5、6から構成する。
【0014】
クライアント計算機5は、表示装置7、キーボード9、マウス11などの入出力装置を備えたパーソナルコンピュータ(PC)などの計算機に、3次元CADおよび電気CAD機能を実現するためのプログラムをインストールしたものである。なお、クライアント計算機6も同様の構成である。また、図1では、クライアント計算機として2台接続する構成としているが、2台以上接続する構成としてもよい。
【0015】
3次元データベース3には、3次元CADによる設計情報や電気CADによる電気回路設計情報との関連付けを行うための情報として、製品管理情報(3D)31、電気部品識別情報32、電気部品実装情報33、3次元モデル情報34を格納している。電気回路データベース4には、電気CADによる電気回路設計の情報として、製品管理情報(電気)41、回路属性情報42、電気回路情報43を格納している。
【0016】
次に、本例によるクライアント計算機の構成について説明する。クライアント計算機は複数台あるが、その構成は同じであるので、クライアント計算機5を例に説明する。
【0017】
図2に、クライアント計算機の構成例を表す構成図を示す。クライアント計算機5は、ネットワークを介して3次元CADサーバ計算機1及び電気CADサーバ計算機2と接続している。クライアント計算機5は、3次元CADの設計を行うための3次元CAD処理部21、電気CADの設計を行うための電気CAD処理部22、3次元CADサーバ計算機1と電気CADサーバ計算機2からデータを読み込み、相互に関連付けるデータリンク処理部23、3次元CADデータとデータリンク処理部23により作成した関連付けデータを基に、電気部品を取り付けて製作する製品の製作図面を作成する製作図面作成処理部24、3次元CADデータと電気回路図に記載された電気部品の対応を相互に確認するための画面を表示する電気部品表示処理部25、各処理部で参照するデータを保管するデータ保管部26から構成する。データ保管部26には、3次元CADサーバ計算機1から読み込んだ3次元データ27、電気CADサーバ計算機2から読み込んだ電気回路データ29、データリンク処理部23により作成した関連付けデータ28を登録する。
【0018】
本例では、3次元CAD設計または電気CAD設計を行う場合、設計者はクライアント計算機5、6を用いて作業し、3次元CADサーバ計算機1または電気CADサーバ計算機2を介して3次元データベース3または電気回路データベース4に格納されているデータを読み込み、表示装置7、8に表示して編集し、編集後のデータを3次元データベース3または電気回路データベース4へ書き込む。
【0019】
また、本例により、3次元CADデータと電気CADデータの関連付け作業を行う場合、設計者は、クライアント計算機5、6を用いて作業し、3次元CADサーバ計算機1及び電気CADサーバ計算機2から読み込んだデータを基に論理座標の割り付けなどを行い、相互に関連付けたデータを属性情報として3次元データベース3または電気回路データベース4へ格納する。その結果、3次元CADデータと電気CADデータに登録されている電気部品を1対1で関連付けることができる。
【0020】
次に、クライアント計算機を用いて、3次元CADデータと電気CADデータの関連付けを行う処理について説明する。本例では、3次元CADデータと電気CADデータとの関連付けは、電気CAD側の電気回路図上の電気部品に論理座標を割り付ける処理と、3次元CADの3次元モデルに電気部品の識別番号である器具番号を割り付ける処理とを行うことにより、相互に関連付けることができる。
【0021】
図3にデータリンク処理部23による論理座標、器具番号割り付け処理の処理例を表すフローチャートを示す。図3を参照し、論理座標、器具番号割り付け処理の内容について説明する。図3の左側には、データリンク処理部23から3次元CAD処理部21を介して行う処理を、右側には、データリンク処理部23から電気CAD処理部22を介して行う処理を示す。なお、以降の説明では、3次元CAD処理部21を介して行う処理を「3次元CAD」、電気CAD処理部22を介して行う処理を「電気CAD」と呼ぶ。
【0022】
まず、3次元CADにおいて、3次元モデル読込処理を行う(ステップS301)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから関連付けを行う対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、3次元CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデルを特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアント計算機へ読み込む。次に、読み込んだ3次元モデルの構成部品の中から電気部品のみを特定する電気部品識別処理を行う(ステップS302)。3次元モデルの構成部品の部品名称と、電気部品識別情報32の部品名称を照合し、電気部品に該当する場合は、電気部品実装情報33に3次元モデル名、階層名、XYZ(3次元モデル上の座標)、部品名称を設定する。次に、ステップS302で特定された電気部品に対し、論理座標の割付処理を行う(ステップS303)。論理座標の割付処理は、電気部品の取り付け位置を表す3次元モデル空間座標であるXYZから、電気部品の製品内での相互位置関係を表現する論理座標を割り付け、電気部品実装情報33に設定する。次に、ステップS303で割り付けた論理座標を該当する3次元モデルの上に重ねて表示する(ステップS304)。ユーザは、クライアント計算機の表示装置に表示された画面により、論理座標の割り付け結果を確認することができる。
【0023】
次に、電気CADに対して、該当する製品識別コードに対応する電気回路図に関する回路属性情報42を要求し、読み込む(ステップS305)。電気CAD側では、3次元CAD側から要求された回路属性情報42を出力する(ステップS311)。次に、電気部品実装情報33の部品名称と、読み込んだ回路属性情報42の部品名称とを照合し、一致する電気部品に対し、回路属性情報42の器具番号を電気部品実装情報33に設定する器具番号割付処理を行う(ステップS306)。なお、部品名称の照合の際に、同一部品名称が複数存在する場合は、予め設定した割り付けルールに基づいて割り付け処理を行う。なお、器具番号の割り付けルールについては、後述する。次に、ステップS303で割り付けた論理座標と、ステップS306で割り付けた器具番号を該当の3次元モデルに重ねて表示する(ステップS307)。ユーザは、クライアントの表示装置に表示された画面により、論理座標と器具番号の割り付け結果を確認することができる。確認の結果、変更があると判断した場合(ステップS308)、ユーザが論理座標の変更、または器具番号の割付位置を変更する(ステップS309)。ユーザが論理座標、器具番号の割り付けを変更する方法は、例えば、画面上で3次元モデルに重ねて表示している論理座標、または器具番号をマウスで選択し、3次元モデル上の任意の位置へ移動する。画面上での移動後、移動先の3次元モデル名と階層名を自動的に認識し、変更内容を電気部品実装情報33へ設定する。変更が必要な論理座標、器具番号の変更処理が全て終了し、ステップS308の判定で変更なしとなった場合、割り付けた論理座標と器具番号を回路属性情報42に設定して電気CADへ出力し(ステップS310)、処理を終了する。
【0024】
電気CAD側では、3次元CAD側から出力された回路属性情報42を読み込む(ステップS312)。電気CADでは、読み込んだ回路属性情報42を基に、電気回路図上の対応する器具番号の電気部品の回路の属性として、割り付けられた論理座標を重ねて表示する(ステップS313)。ユーザは、クライアントの表示装置に表示された画面により、電気回路図上で論理座標の割り付け結果を確認することができる。
【0025】
ステップS306の器具番号割付処理における器具番号割り付けルールについて説明する。器具番号を割り付けるルールは、データリンク処理部23内に割り付けルール定義情報として予め設定しておく。例えば、図10に示すように、割り付けルール定義情報35は、割付パターン351と割付条件352から構成する。割り付け条件352として「回路区分」や「定格」などの条件をユーザが定義しておき、論理座標、器具番号割り付け処理の起動前にユーザが任意の条件を指定することで、割り付けルールを選択できるようにしておく。例えば、割り付けパターンA「回路区分」を選択した場合は、同一部品名称が複数存在する場合、回路区分を基に電圧の高い順番に割り付け処理を行う。
【0026】
図14〜図17に、本例による論理座標、器具番号割り付け処理における画面表示例を示す。図14は、電気CADの電気回路図の表示例である。電気回路図51には、電気部品52、電気部品の器具番号53(図中“YFY1”と表示)、型式54(図中“TSC−6J”と表示)などの情報を記載している。
【0027】
図15は、3次元CADの3次元モデルの表示例である。本例による論理座標、器具番号割り付け処理では、3次元モデル61の情報から電気部品のみを識別し、識別した電気部品に対し、論理座標を割り付ける。図15の例では、当該3次元モデルの正面左上を起点とし、左上から右下の順に順次論理座標を割り付ける。その結果、左上に配置されている電気部品に“FY1”の論理座標62を割り付け、下へ向かって“FY2”、 “FY3”と順に割り付けている。
【0028】
図16は、3次元CADの3次元モデルに電気CADシステムから読み込んだ回路属性情報42を基に器具番号の割り付け処理を行った結果を表示した例である。図16の例では、3次元モデル61上に、割り付けた論理座標62(図中“FY1”と表示)、器具番号63(図中“YFY1”と表示)、回路属性情報42から読み込んだ型式64(図中“TSC−6J”と表示)などの情報を表示している。本例では、ユーザは、当該画面によって自動割付された論理座標や器具番号を確認することができる。また、割り付けを変更したい場合は、本画面を用いて変更したい論理座標または器具番号などの画面上の表示文字をマウスなどで選択し、変更したい箇所へ移動することにより、割り付け先を変更することができる。
【0029】
図17は、3次元CADの3次元モデル上で割り付けが確定した論理座標と器具番号を電気CADシステムへ読み込んだ結果を、電気回路図上に表示した例である。図17では、電気回路図51に、当初表示していた器具番号53(図中“YFY1”と表示)の他に、割り付けた論理座標55(図中“FY1”と表示)を表示することができる。本例では、ユーザは、当該画面によって論理座標、器具番号割り付け処理の結果を電気回路図上で確認することができる。
【0030】
以上説明したように、本例では、電気回路図の電気部品に論理座標を自動的に割り付けることが可能となり、従来手作業で実施していた電気回路図に論理座標を割り付ける作業に要する時間を大幅に削減することができ、生産性の向上が図れる。
【0031】
次に、本例による製作図面作成処理部24による電気部品組立作業指示図の作成処理について説明する。電気部品組立作業指示図とは、3次元CADにより設計された機械図面と、電気CADにより設計された電気回路図などの設計図面を基に、製品の組立に必要な電気部品の取り付け指示を行うための製作図面であり、機械図面である3次元モデルの図面と、電気部品実装情報33の内容を一覧表形式にした組立部品の実装一覧表を1枚の図面に編集したものである。
【0032】
図4に、製作図面作成処理部24による電気部品組立作業指示図作成処理の処理例を表すフローチャートを示す。図4を参照し、電気部品組立作業指示図作成処理の内容について説明する。
【0033】
まず、3次元CADにおいて、3次元モデル読込処理を行う(ステップS401)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから電気部品組立作業指示図の作成対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、3次元CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデルを特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアントへ読み込む。次に、読み込んだ3次元モデルの図面を電気部品組立作業指示図に貼付し、図面管理情報として図面を識別するための図面シート名、図面に貼り付けた3次元モデル名を格納する(ステップS402)。図面管理情報36は、作成した図面を管理するための情報で、例えば図11に示すように、図面シート名361と、3次元モデル名362から構成する。
【0034】
次に、電気部品実装情報33を基に、割り付けられた論理座標に一連番号を設定し、図面上の3次元モデルの該当する電気部品に、設定した番号の風船番号を付与する(ステップS403)。風船番号とは、該当する部品から引き出し線を引き、その先の丸記号内に番号を記入したものである。ここで、論理座標に設定する一連番号は、電気部品の製品への組み込み作業順番を表し、例えば、電気部品の物理的な位置を表す論理座標を基に、座標を昇順に並べ替えた順番に採番するなど、予め設定方法を定めておく。また、複数の採番方法を定義しておき、どの方法で採番するかを任意に選択できるようにしてもよい。次に、電気部品実装情報33の内容をステップS403で設定した一連番号の順番に並べ替え、一覧表の形式に編集して電気部品組立作業指示図に貼付する(ステップS404)。最後に、作成した電気部品組立作業指示図と図面管理情報を3次元CADサーバ計算機1へ送り、3次元データベース3へ保存して処理を終了する(ステップS405)。
【0035】
図18に、本例による電気部品組立作業指示図作成処理にて作成された電気部品組立作業指示図の例を示す。図18の電気部品組立作業指示図71では、左側に3次元CADで作成された3次元モデルの図面を実装図72として貼付し、右側に電気部品実装情報33の内容を一覧表の形式に編集したものを実装一覧表73として貼付している。実装一覧表73は、番号75、論理座標76、器具番号77、部品名称78、型式79、定格80などから構成する。実装図72には、各電気部品に対応した番号を風船番号74として表示してあり、風船番号74に対応した番号の実装一覧表73を参照することにより、当該電気部品に関する情報を確認することができる。
【0036】
このように、本例では、電気部品組立作業指示図に3次元モデルと電気部品実装情報を貼り付けることにより、電気部品組立作業指示図を自動的に作成することができる。また、論理座標から組立順番を自動的に決定できるため、電気部品組立作業指示図を作成する際の工数を削減することができる。
【0037】
次に、上記各処理で使用する3次元データベース3及び電気回路データベース4に格納されている情報の内容について説明する。
【0038】
図5に、3次元データベース3に格納される製品管理情報(3D)31のデータ構成例を示す。製品管理情報(3D)31は、製品識別コードに対応する3次元モデルを特定するために用いる情報で、製品識別コード311と3次元モデル名312から構成する。
【0039】
図6に、3次元データベース3に格納される電気部品識別情報32のデータ構成例を示す。電気部品識別情報32は、3次元モデルの構成部品のうちの電気部品に関する情報で、部品名称321と当該部品の3次元モデル名322から構成する。
【0040】
図7に、3次元データベース3に格納される電気部品実装情報33のデータ構成例を示す。電気部品実装情報33は、論理座標、器具番号割り付け処理、および電気部品組立作業指示図作成処理により、3次元CAD、電気回路図、電気部品組立作業指示図にある電気部品を相互に関連付けた結果を登録しておき、図面間の連携ができるようにするための情報である。電気部品実装情報33は、番号330、3次元モデル名331、階層名332、XYZ(3次元モデル上の座標)333、論理座標334、器具番号335、回路区分336、部品名称337、型式338、定格339から構成する。
【0041】
電気部品実装情報33には、論理座標、器具番号割り付け処理、および電気部品組立作業指示図作成処理によって、データを順次登録していく。図7には、登録したデータの一例をそれらの処理の順に(A)、(B)、(C)で示している。図7(A)は、論理座標、器具番号割り付け処理の電気部品識別処理(ステップS302)の結果、3次元モデルの構成部品の中で電気部品に該当するものについて、電気部品実装情報33に3次元モデル名331、階層名332、XYZ333、部品名称337を設定し、更に、論理座標割付処理(ステップS303)の結果、論理座標334を設定した例を示している。
【0042】
図7(B)は、論理座標、器具番号割り付け処理の器具番号割付処理(ステップS306)の結果、電気部品実装情報33の部品名称と、電気CADの回路属性情報42の部品名称が一致する電気部品に対し、電気部品実装情報33に回路属性情報42のデータである器具番号335、回路区分336、型式338、定格339を設定した例を示している。
【0043】
図7(C)は、電気部品組立作業指示図作成処理の番号付番処理(ステップS403)の結果、論理座標を基に採番した番号を電気部品実装情報33の番号330へ設定した例を示している。
【0044】
図8に、電気回路データベース4に格納される製品管理情報(電気)41のデータ構成例を示す。製品管理情報(電気)41は、製品識別コードに対応する電気回路図を特定するために用いる情報で、製品識別コード411と電気回路図名412から構成する。
【0045】
図9に、電気回路データベース4に格納される回路属性情報42のデータ構成例を示す。回路属性情報42は、電気回路設計により設定される情報で、電気部品を個別に識別するための器具番号421、電圧の高圧、低圧を識別する回路区分422、部品名称423、型式424、定格425、論理座標426から構成する。図9(A)は、論理座標、器具番号割り付け処理実行前の状態であり、論理座標426以外の情報が設定された状態を示している。図9(B)は、論理座標、器具番号割り付け処理の回路属性情報読み込み処理(ステップS312)で、電気CAD側に読み込んだ回路属性情報42の例を示しており、割り付けられた論理座標が論理座標426に設定された状態を表している。
【0046】
本例では、上記説明したように、3次元CADで設計した情報と、電気CADで設計した情報を自動的に関連付けし、連携できるようにしている。その結果、電気CADの電気回路図上の任意の電気部品が、実際の製品のどの部分に取り付けられるか、その取り付け位置を3次元モデル上に表示することが可能である。また、これとは逆に、3次元CADの3次元モデル上の任意の電気部品が、電気回路図のどこに記載されているか、その記載位置を電気回路図上に表示することも可能である。以下に、これらの表示処理について説明する。
【0047】
図12に、本例による電気部品表示処理部25による電気部品取り付け位置表示処理の処理例を表すフローチャートを示す。電気部品取り付け位置表示処理は、電気CADの電気回路図上の任意の電気部品が、実際の製品の中のどこに取り付けられているか、その取り付け位置を自動的に特定するための表示処理である。図12を参照し、電気部品取り付け位置表示処理の内容について説明する。
【0048】
まず、電気CADにおいて、電気回路図読込処理を行う(ステップS121)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから表示対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、電気CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(電気)41を参照し、電気回路図名を特定する。そして、該当する電気回路図の情報を電気CADサーバ計算機2からクライアントへ読み込む。次に、読み込んだ電気回路図をクライアントの表示装置の画面へ表示する(ステップS122)。次に、表示した電気回路図の特定の電気部品を、ユーザがマウスやキーボードなどにより選択すると、回路属性情報42を参照し、該当する電気部品の論理座標を特定する(ステップS123)。次に、製品識別コードと、特定した論理座標を3次元CADに転送し、該当する3次元モデルの表示要求を行う(ステップS124)。
【0049】
次に、表示要求を受けた3次元CADにおいて、電気CADから入力した製品識別コードを基に、製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデルを特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアントへ読み込む(ステップS125)。次に、電気CADから入力した論理座標を基に、電気部品実装情報33を参照し、該当する電気部品を特定する(ステップS126)。次に、クライアントの表示装置の画面に3次元モデルを表示し、特定した電気部品の部分をハイライト表示する(ステップS127)。なお、表示方法は、ハイライト表示の他に、部品の表示色を他の表示色と区別できる色に変えて表示する方法や、該当部品のシンボルをフリッカ表示する方法など、ユーザが区別し易い他の表示方法にすることもできる。
【0050】
図19に、本例による電気部品取り付け位置表示処理による画面表示例を示す。図19の(A)には、電気CADによりクライアントの表示装置に表示した電気回路図51の表示例を示す。ユーザが、電気回路図51上の任意の電気部品52(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をマウスでクリックするなどの方法で選択すると、当該電気部品の器具番号53(図中“CBINC101”と表示)、論理座標55(図中“FA1”と表示)を回路属性情報42から特定し、3次元CADへ転送する。3次元CADでは、転送された情報から3次元モデルを特定し、クライアントの表示装置に3次元モデル71を表示する。図19の(B)には、3次元CADにより表示した3次元モデル71の表示例を示す。ユーザが、電気回路図51上の任意の電気部品52を選択すると、表示切り替えにより当該3次元モデル71を表示し、該当する電気部品72(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をハイライト表示する。
【0051】
これにより、電気CADの電気回路図上で選択された電気部品から、3次元CADの該当する電気部品を瞬時に自動的に特定することができる。
【0052】
次に、図13に、電気部品表示処理部25による電気回路図記載位置表示処理の処理例を表すフローチャートを示す。電気回路図記載位置表示処理は、3次元CADにおいて、3次元モデル上の任意の電気部品が、電気回路図上のどこに記載されているか、その記載位置を自動的に特定するための表示処理である。図13を参照し、電気回路図記載位置表示処理の内容について説明する。
【0053】
まず、3次元CADにおいて、3次元モデル読込処理を行う(ステップS131)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから表示対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、3次元CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデル名を特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアントへ読み込む。次に、読み込んだ3次元モデルをクライアントの表示装置の画面へ表示する(ステップS132)。次に、表示した3次元モデルの特定の電気部品を、ユーザがマウスやキーボードなどにより選択すると、電気部品実装情報33を参照し、該当する電気部品の器具番号を特定する(ステップS133)。次に、製品識別コードと、特定した器具番号を電気CADに転送し、該当する電気回路図の表示要求を行う(ステップS134)。
【0054】
次に、表示要求を受けた電気CADにおいて、3次元CADから入力した製品識別コードを基に、製品管理情報(電気)41を参照し、電気回路図名を特定する。そして、該当する電気回路図の情報を電気CADサーバ計算機2からクライアントへ読み込む(ステップS135)。次に、3次元CADから入力した器具番号を基に、回路属性情報42を参照し、該当する電気部品を特定する(ステップS136)。次に、クライアントの表示装置の画面に電気回路図を表示し、特定した電気部品の部分をハイライト表示する(ステップS137)。なお、表示方法は、電気部品取り付け位置表示処理で説明したのと同様に、ハイライト表示の他に、ユーザが区別し易い他の表示方法にすることもできる。
【0055】
図20に、本例による電気回路図記載位置表示処理による画面表示例を示す。図20の(A)には、3次元CADによりクライアントの表示装置に表示した3次元モデル71を示す。ユーザが、3次元モデル71上の任意の電気部品72(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をマウスでクリックするなどの方法で選択すると、当該電気部品の器具番号、論理座標を電気部品実装情報33から特定し、電気CADへ転送する。電気CADでは、転送された情報から電気回路図を特定し、クライアントの表示装置に電気回路図51を表示する。図20の(B)には、電気CADにより表示した電気回路図51の表示例を示す。ユーザが、3次元モデル71上の任意の電気部品72を選択すると、表示切り替えにより当該電気回路図51を表示し、該当する電気部品52(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をハイライト表示する。
【0056】
これにより、3次元CADの3次元モデル上で選択された電気部品から、電気CADの該当する電気部品の電気回路図上の記載位置を瞬時に自動的に特定することができる。
【0057】
また、クライアント計算機の電気部品表示処理部25、及び電気部品表示処理部の処理に必要な他の処理部とデータを携帯端末装置などに組み込むことにより、携帯端末装置を用いて、上記説明した電気部品取り付け位置表示及び電気回路図記載位置表示の機能を実現することもできる。これにより、制御システムの点検、保守作業時などに保守作業員が携帯端末装置を所持することで、現場の装置の近傍などの任意の場所で各図面を参照することができる。
【0058】
また、携帯端末装置にクライアント計算機と同様のソフトウェアを組み込み、無線通信により3次元CADサーバ計算機1または電気CADサーバ計算機2と通信することにより、必要な3次元CADデータ、電気CADデータを読み込み、上記説明した電気部品取り付け位置表示及び電気回路図記載位置表示の機能を実現することもできる。これにより、大規模プラントなどの中央制御室などにサーバ計算機を設置しておき、点検、保守作業時などに保守作業員が携帯端末装置を所持することで、任意の場所で各図面を参照することができる。また、製品の組立作業時に、現場の作業員が携帯端末装置を所持することで、作業現場において各図面を参照することができる。更に、組立作業時などに部品の追加、変更などが発生した場合に、作業現場の実際の装置を確認しながら3次元CADデータや電気回路図などのデータを修正することが可能となる。
【0059】
以上説明したように、本発明により、製品の組立作業、製品運用開始後の保守、点検作業時などに、実際の電気部品が設計図上のどこに記載されているか、設計図上に記載されている部品が製品のどの位置に取り付けられているかを容易に確認することができる。そのため、従来、電気部品の特定のために、複数の図面を相互に確認しながら時間をかけて行っていた作業が、短時間で確認することができ、作業時間の短縮ができる。また、人間による確認では、誤りが発生する可能性があったが、本例によれば、正確に対応機器の確認を行うことができるため、安全性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態によるシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるクライアント計算機の構成例を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態による論理座標、器具番号割り付け処理例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態による電気部品組立作業指示図作成処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態による製品管理情報(3D)のデータ構成例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による電気部品識別情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態による電気部品実装情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による製品管理情報(電気)のデータ構成例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態による回路属性情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態による割り付けルール定義情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態による図面管理情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態による電気部品取り付け位置表示処理例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態による電気回路図記載位置表示処理例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態による電気回路図の画面例(1)を示す説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態による3次元モデルの画面例(2)を示す説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態による3次元モデルの画面例(3)を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態による電気回路図の画面例(4)を示す説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態による電気部品組立作業指示図の画面表示例を示す説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態による電気部品取り付け位置表示処理の表示例(1)を示す説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態による電気回路図記載位置表示処理の表示例(2)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1…3次元CADサーバ計算機、2…電気CADサーバ計算機、3…3次元データベース、4…電気回路データベース、5、6…クライアント計算機、7、8…表示装置、9、10…キーボード、11、12…マウス、13…ネットワーク、21…3次元CAD処理部、22…電気CAD処理部、23…データリンク処理部、24…製作図面作成処理部、25…電気部品表示処理部、26…データ保管部、27…3次元データ、28…関連付けデータ、29…電気回路データ、31…製品管理情報(3D)、32…電気部品識別情報、33…電気部品実装情報、34…3次元モデル情報、41…製品管理情報(電気)、42…回路属性情報、43…電気回路情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤等の設計における電気回路図と機器実装図との関連付けを自動的に行う3次元CAD(Computer Aided Design)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御盤等の設計においては、電気回路設計によって作成される電気回路図を電気CADで、構造設計によって、電気回路図を基に制御盤等に電気部品をどのように配置するかを設計し、その構成、配置などを記した機械図面を3次元CADで作成していた。そのため、実際の制御盤の製造や運用後の点検や保守、修理などの作業のためには、これらの電気回路図と機械図面の両方を参照しながら行う必要があった。
【0003】
発電所などの大規模プラントにおける制御システムなどでは、多種の電気部品を1つの製品内に取り付けるため、電気回路図上の任意の電気部品が製品内のどの位置に取り付けられているかを確認することは非常に困難であった。また、多種の電気部品を取り付けた制御盤等の装置が多数配置されているため、任意の電気部品を容易に特定できることは、設計、製造作業に加えて、運用後の保守作業などに際しても、作業の効率化のために非常に重要な要件であった。そのため、従来は、制御盤などの製品内に取り付けられている電気部品の位置を判別する方法として、電気回路図の個々の電気部品について、製品内の物理的な位置を表す識別番号(以降、論理座標と称す)を電気回路図上に表記していた。論理座標とは、制御盤内の基板の位置、例えば、上から何段目かを表す記号と、基板上の特定の位置を原点とし、縦、横を特定の距離で区切り、その縦横の位置を表す記号とを組み合わせて定義する。例えば、基板の段数をA、B、C、D、基板上の位置として縦方向をA、B、C、D、横方向を1、2、3、4に区切った場合、これらを組み合わせて“FA1”、“FB2”などの記号で個々の電気部品の配置位置を表すことができる。
【0004】
これにより、制御システムを保守する保守作業者は、電気回路図上の論理座標を見れば、装置内に取り付けている部品の位置を特定することができた。一方、制御システムの設計過程においては、機械図面の3次元CADデータから電気部品の配置図を作成し、電気回路図上の電気部品を配置図上に配置し、配置図上の位置から作成した論理座標を電気回路図の電気部品に割り付けることで、電気回路図と機械図面に記載された電気部品の関連付けが分かるようにしていた。
【0005】
特許文献1には、機構設計を行うメカCAD、電気設計を行う電気CAD、光学設計を行う光学CADなど、他のCADシステムによって設計された設計情報に基づく3次元モデルを自動生成し、他のCADシステムによる設計情報と連動した動作シミュレーションを行いながら設計することが可能な3次元CADシステムの例についての開示がある。
【特許文献1】特開2006−195971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来作成していた配置図は、電気回路設計の電気CADと、構造設計の3次元CADの設計情報を関連付けるものであるが、配置図への電気部品の配置と論理座標の割り付け、及び電気回路図への論理座標の転記は、設計者が手作業で行っていた。そのため、作業に多くの時間を要するとともに、論理座標の割り付けや転記作業などにおける誤りなどが発生し、信頼性及び設計生産性が低いという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に示した例では、他のCADシステムによる設計情報を利用した3次元モデルの生成は可能であるが、例えば、電気回路図の電気部品と3次元モデルの該当する電気部品とを相互に関連付け、ユーザに提供するような機能はない。そのため、これら複数のCADシステムによる設計情報を関連づけた図面などの資料を、ユーザに利用可能な形態で提供することはできなかった。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、例えば、電気CADで設計した電気回路図の情報と、3次元CADで設計した機械図面の情報を相互に関連づけ、個々の電気部品の実装位置を容易に認識できる3次元CADシステムを提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部と、3次元CAD演算部により生成されるデータを保管する3次元データ保管部と、電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部と、電気CAD演算部により生成されるデータを保管する電気回路データ保管部と、3次元CAD演算部により生成されるデータと電気CAD演算部により生成されるデータとを相互に関連付けるデータリンク処理部とを備え、 データリンク処理部により関連付けた電気CADの情報を3次元CADの情報に貼付し、表示できるようにしたものである。
【0010】
また、本発明は、3次元CAD演算部により生成される3次元CADデータと、データリンク処理部により登録した電気部品の属性情報を基に、電気部品を取り付けて製作する製品の製作図面を作成する製作図面作成処理部を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、3次元CADデータと電気CADデータを相互に関連付け、自動的に割り付けた属性情報を3次元CADデータと電気CADデータに自動的に登録することが可能になる。このため、従来手作業で行っていた論理座標の割り付けなど、相互のデータを関連付ける作業を短時間に行うことができ、設計、製造作業時の生産性が向上する。更に、3次元CADデータと電気CADデータの相互に対応する電気部品の情報を容易に参照することができるため、制御システムの運用開始後の保守、点検作業においても、作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1に本例による3次元CADシステムの構成例を示す。本例は、構造設計を行う3次元CAD機能を実現し、3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部を組み込んだ3次元CADサーバ計算機1、3次元CADサーバ計算機1と接続し、3次元CADデータなどの設計情報を保管する3次元データ保管部である3次元データベース3、3次元CADサーバ計算機1とネットワーク13を介して接続し、電気回路設計を行う電気CAD機能を実現し、電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部を組み込んだ電気CADサーバ計算機2、電気CADサーバ計算機2と接続し、電気CADで設計した電気回路図などの設計情報を保管する電気回路データ保管部である電気回路データベース4、3次元CADサーバ計算機1および電気CADサーバ計算機2とネットワーク13を介して接続し、3次元CAD設計および電気CAD設計を行うクライアント計算機5、6から構成する。
【0014】
クライアント計算機5は、表示装置7、キーボード9、マウス11などの入出力装置を備えたパーソナルコンピュータ(PC)などの計算機に、3次元CADおよび電気CAD機能を実現するためのプログラムをインストールしたものである。なお、クライアント計算機6も同様の構成である。また、図1では、クライアント計算機として2台接続する構成としているが、2台以上接続する構成としてもよい。
【0015】
3次元データベース3には、3次元CADによる設計情報や電気CADによる電気回路設計情報との関連付けを行うための情報として、製品管理情報(3D)31、電気部品識別情報32、電気部品実装情報33、3次元モデル情報34を格納している。電気回路データベース4には、電気CADによる電気回路設計の情報として、製品管理情報(電気)41、回路属性情報42、電気回路情報43を格納している。
【0016】
次に、本例によるクライアント計算機の構成について説明する。クライアント計算機は複数台あるが、その構成は同じであるので、クライアント計算機5を例に説明する。
【0017】
図2に、クライアント計算機の構成例を表す構成図を示す。クライアント計算機5は、ネットワークを介して3次元CADサーバ計算機1及び電気CADサーバ計算機2と接続している。クライアント計算機5は、3次元CADの設計を行うための3次元CAD処理部21、電気CADの設計を行うための電気CAD処理部22、3次元CADサーバ計算機1と電気CADサーバ計算機2からデータを読み込み、相互に関連付けるデータリンク処理部23、3次元CADデータとデータリンク処理部23により作成した関連付けデータを基に、電気部品を取り付けて製作する製品の製作図面を作成する製作図面作成処理部24、3次元CADデータと電気回路図に記載された電気部品の対応を相互に確認するための画面を表示する電気部品表示処理部25、各処理部で参照するデータを保管するデータ保管部26から構成する。データ保管部26には、3次元CADサーバ計算機1から読み込んだ3次元データ27、電気CADサーバ計算機2から読み込んだ電気回路データ29、データリンク処理部23により作成した関連付けデータ28を登録する。
【0018】
本例では、3次元CAD設計または電気CAD設計を行う場合、設計者はクライアント計算機5、6を用いて作業し、3次元CADサーバ計算機1または電気CADサーバ計算機2を介して3次元データベース3または電気回路データベース4に格納されているデータを読み込み、表示装置7、8に表示して編集し、編集後のデータを3次元データベース3または電気回路データベース4へ書き込む。
【0019】
また、本例により、3次元CADデータと電気CADデータの関連付け作業を行う場合、設計者は、クライアント計算機5、6を用いて作業し、3次元CADサーバ計算機1及び電気CADサーバ計算機2から読み込んだデータを基に論理座標の割り付けなどを行い、相互に関連付けたデータを属性情報として3次元データベース3または電気回路データベース4へ格納する。その結果、3次元CADデータと電気CADデータに登録されている電気部品を1対1で関連付けることができる。
【0020】
次に、クライアント計算機を用いて、3次元CADデータと電気CADデータの関連付けを行う処理について説明する。本例では、3次元CADデータと電気CADデータとの関連付けは、電気CAD側の電気回路図上の電気部品に論理座標を割り付ける処理と、3次元CADの3次元モデルに電気部品の識別番号である器具番号を割り付ける処理とを行うことにより、相互に関連付けることができる。
【0021】
図3にデータリンク処理部23による論理座標、器具番号割り付け処理の処理例を表すフローチャートを示す。図3を参照し、論理座標、器具番号割り付け処理の内容について説明する。図3の左側には、データリンク処理部23から3次元CAD処理部21を介して行う処理を、右側には、データリンク処理部23から電気CAD処理部22を介して行う処理を示す。なお、以降の説明では、3次元CAD処理部21を介して行う処理を「3次元CAD」、電気CAD処理部22を介して行う処理を「電気CAD」と呼ぶ。
【0022】
まず、3次元CADにおいて、3次元モデル読込処理を行う(ステップS301)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから関連付けを行う対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、3次元CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデルを特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアント計算機へ読み込む。次に、読み込んだ3次元モデルの構成部品の中から電気部品のみを特定する電気部品識別処理を行う(ステップS302)。3次元モデルの構成部品の部品名称と、電気部品識別情報32の部品名称を照合し、電気部品に該当する場合は、電気部品実装情報33に3次元モデル名、階層名、XYZ(3次元モデル上の座標)、部品名称を設定する。次に、ステップS302で特定された電気部品に対し、論理座標の割付処理を行う(ステップS303)。論理座標の割付処理は、電気部品の取り付け位置を表す3次元モデル空間座標であるXYZから、電気部品の製品内での相互位置関係を表現する論理座標を割り付け、電気部品実装情報33に設定する。次に、ステップS303で割り付けた論理座標を該当する3次元モデルの上に重ねて表示する(ステップS304)。ユーザは、クライアント計算機の表示装置に表示された画面により、論理座標の割り付け結果を確認することができる。
【0023】
次に、電気CADに対して、該当する製品識別コードに対応する電気回路図に関する回路属性情報42を要求し、読み込む(ステップS305)。電気CAD側では、3次元CAD側から要求された回路属性情報42を出力する(ステップS311)。次に、電気部品実装情報33の部品名称と、読み込んだ回路属性情報42の部品名称とを照合し、一致する電気部品に対し、回路属性情報42の器具番号を電気部品実装情報33に設定する器具番号割付処理を行う(ステップS306)。なお、部品名称の照合の際に、同一部品名称が複数存在する場合は、予め設定した割り付けルールに基づいて割り付け処理を行う。なお、器具番号の割り付けルールについては、後述する。次に、ステップS303で割り付けた論理座標と、ステップS306で割り付けた器具番号を該当の3次元モデルに重ねて表示する(ステップS307)。ユーザは、クライアントの表示装置に表示された画面により、論理座標と器具番号の割り付け結果を確認することができる。確認の結果、変更があると判断した場合(ステップS308)、ユーザが論理座標の変更、または器具番号の割付位置を変更する(ステップS309)。ユーザが論理座標、器具番号の割り付けを変更する方法は、例えば、画面上で3次元モデルに重ねて表示している論理座標、または器具番号をマウスで選択し、3次元モデル上の任意の位置へ移動する。画面上での移動後、移動先の3次元モデル名と階層名を自動的に認識し、変更内容を電気部品実装情報33へ設定する。変更が必要な論理座標、器具番号の変更処理が全て終了し、ステップS308の判定で変更なしとなった場合、割り付けた論理座標と器具番号を回路属性情報42に設定して電気CADへ出力し(ステップS310)、処理を終了する。
【0024】
電気CAD側では、3次元CAD側から出力された回路属性情報42を読み込む(ステップS312)。電気CADでは、読み込んだ回路属性情報42を基に、電気回路図上の対応する器具番号の電気部品の回路の属性として、割り付けられた論理座標を重ねて表示する(ステップS313)。ユーザは、クライアントの表示装置に表示された画面により、電気回路図上で論理座標の割り付け結果を確認することができる。
【0025】
ステップS306の器具番号割付処理における器具番号割り付けルールについて説明する。器具番号を割り付けるルールは、データリンク処理部23内に割り付けルール定義情報として予め設定しておく。例えば、図10に示すように、割り付けルール定義情報35は、割付パターン351と割付条件352から構成する。割り付け条件352として「回路区分」や「定格」などの条件をユーザが定義しておき、論理座標、器具番号割り付け処理の起動前にユーザが任意の条件を指定することで、割り付けルールを選択できるようにしておく。例えば、割り付けパターンA「回路区分」を選択した場合は、同一部品名称が複数存在する場合、回路区分を基に電圧の高い順番に割り付け処理を行う。
【0026】
図14〜図17に、本例による論理座標、器具番号割り付け処理における画面表示例を示す。図14は、電気CADの電気回路図の表示例である。電気回路図51には、電気部品52、電気部品の器具番号53(図中“YFY1”と表示)、型式54(図中“TSC−6J”と表示)などの情報を記載している。
【0027】
図15は、3次元CADの3次元モデルの表示例である。本例による論理座標、器具番号割り付け処理では、3次元モデル61の情報から電気部品のみを識別し、識別した電気部品に対し、論理座標を割り付ける。図15の例では、当該3次元モデルの正面左上を起点とし、左上から右下の順に順次論理座標を割り付ける。その結果、左上に配置されている電気部品に“FY1”の論理座標62を割り付け、下へ向かって“FY2”、 “FY3”と順に割り付けている。
【0028】
図16は、3次元CADの3次元モデルに電気CADシステムから読み込んだ回路属性情報42を基に器具番号の割り付け処理を行った結果を表示した例である。図16の例では、3次元モデル61上に、割り付けた論理座標62(図中“FY1”と表示)、器具番号63(図中“YFY1”と表示)、回路属性情報42から読み込んだ型式64(図中“TSC−6J”と表示)などの情報を表示している。本例では、ユーザは、当該画面によって自動割付された論理座標や器具番号を確認することができる。また、割り付けを変更したい場合は、本画面を用いて変更したい論理座標または器具番号などの画面上の表示文字をマウスなどで選択し、変更したい箇所へ移動することにより、割り付け先を変更することができる。
【0029】
図17は、3次元CADの3次元モデル上で割り付けが確定した論理座標と器具番号を電気CADシステムへ読み込んだ結果を、電気回路図上に表示した例である。図17では、電気回路図51に、当初表示していた器具番号53(図中“YFY1”と表示)の他に、割り付けた論理座標55(図中“FY1”と表示)を表示することができる。本例では、ユーザは、当該画面によって論理座標、器具番号割り付け処理の結果を電気回路図上で確認することができる。
【0030】
以上説明したように、本例では、電気回路図の電気部品に論理座標を自動的に割り付けることが可能となり、従来手作業で実施していた電気回路図に論理座標を割り付ける作業に要する時間を大幅に削減することができ、生産性の向上が図れる。
【0031】
次に、本例による製作図面作成処理部24による電気部品組立作業指示図の作成処理について説明する。電気部品組立作業指示図とは、3次元CADにより設計された機械図面と、電気CADにより設計された電気回路図などの設計図面を基に、製品の組立に必要な電気部品の取り付け指示を行うための製作図面であり、機械図面である3次元モデルの図面と、電気部品実装情報33の内容を一覧表形式にした組立部品の実装一覧表を1枚の図面に編集したものである。
【0032】
図4に、製作図面作成処理部24による電気部品組立作業指示図作成処理の処理例を表すフローチャートを示す。図4を参照し、電気部品組立作業指示図作成処理の内容について説明する。
【0033】
まず、3次元CADにおいて、3次元モデル読込処理を行う(ステップS401)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから電気部品組立作業指示図の作成対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、3次元CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデルを特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアントへ読み込む。次に、読み込んだ3次元モデルの図面を電気部品組立作業指示図に貼付し、図面管理情報として図面を識別するための図面シート名、図面に貼り付けた3次元モデル名を格納する(ステップS402)。図面管理情報36は、作成した図面を管理するための情報で、例えば図11に示すように、図面シート名361と、3次元モデル名362から構成する。
【0034】
次に、電気部品実装情報33を基に、割り付けられた論理座標に一連番号を設定し、図面上の3次元モデルの該当する電気部品に、設定した番号の風船番号を付与する(ステップS403)。風船番号とは、該当する部品から引き出し線を引き、その先の丸記号内に番号を記入したものである。ここで、論理座標に設定する一連番号は、電気部品の製品への組み込み作業順番を表し、例えば、電気部品の物理的な位置を表す論理座標を基に、座標を昇順に並べ替えた順番に採番するなど、予め設定方法を定めておく。また、複数の採番方法を定義しておき、どの方法で採番するかを任意に選択できるようにしてもよい。次に、電気部品実装情報33の内容をステップS403で設定した一連番号の順番に並べ替え、一覧表の形式に編集して電気部品組立作業指示図に貼付する(ステップS404)。最後に、作成した電気部品組立作業指示図と図面管理情報を3次元CADサーバ計算機1へ送り、3次元データベース3へ保存して処理を終了する(ステップS405)。
【0035】
図18に、本例による電気部品組立作業指示図作成処理にて作成された電気部品組立作業指示図の例を示す。図18の電気部品組立作業指示図71では、左側に3次元CADで作成された3次元モデルの図面を実装図72として貼付し、右側に電気部品実装情報33の内容を一覧表の形式に編集したものを実装一覧表73として貼付している。実装一覧表73は、番号75、論理座標76、器具番号77、部品名称78、型式79、定格80などから構成する。実装図72には、各電気部品に対応した番号を風船番号74として表示してあり、風船番号74に対応した番号の実装一覧表73を参照することにより、当該電気部品に関する情報を確認することができる。
【0036】
このように、本例では、電気部品組立作業指示図に3次元モデルと電気部品実装情報を貼り付けることにより、電気部品組立作業指示図を自動的に作成することができる。また、論理座標から組立順番を自動的に決定できるため、電気部品組立作業指示図を作成する際の工数を削減することができる。
【0037】
次に、上記各処理で使用する3次元データベース3及び電気回路データベース4に格納されている情報の内容について説明する。
【0038】
図5に、3次元データベース3に格納される製品管理情報(3D)31のデータ構成例を示す。製品管理情報(3D)31は、製品識別コードに対応する3次元モデルを特定するために用いる情報で、製品識別コード311と3次元モデル名312から構成する。
【0039】
図6に、3次元データベース3に格納される電気部品識別情報32のデータ構成例を示す。電気部品識別情報32は、3次元モデルの構成部品のうちの電気部品に関する情報で、部品名称321と当該部品の3次元モデル名322から構成する。
【0040】
図7に、3次元データベース3に格納される電気部品実装情報33のデータ構成例を示す。電気部品実装情報33は、論理座標、器具番号割り付け処理、および電気部品組立作業指示図作成処理により、3次元CAD、電気回路図、電気部品組立作業指示図にある電気部品を相互に関連付けた結果を登録しておき、図面間の連携ができるようにするための情報である。電気部品実装情報33は、番号330、3次元モデル名331、階層名332、XYZ(3次元モデル上の座標)333、論理座標334、器具番号335、回路区分336、部品名称337、型式338、定格339から構成する。
【0041】
電気部品実装情報33には、論理座標、器具番号割り付け処理、および電気部品組立作業指示図作成処理によって、データを順次登録していく。図7には、登録したデータの一例をそれらの処理の順に(A)、(B)、(C)で示している。図7(A)は、論理座標、器具番号割り付け処理の電気部品識別処理(ステップS302)の結果、3次元モデルの構成部品の中で電気部品に該当するものについて、電気部品実装情報33に3次元モデル名331、階層名332、XYZ333、部品名称337を設定し、更に、論理座標割付処理(ステップS303)の結果、論理座標334を設定した例を示している。
【0042】
図7(B)は、論理座標、器具番号割り付け処理の器具番号割付処理(ステップS306)の結果、電気部品実装情報33の部品名称と、電気CADの回路属性情報42の部品名称が一致する電気部品に対し、電気部品実装情報33に回路属性情報42のデータである器具番号335、回路区分336、型式338、定格339を設定した例を示している。
【0043】
図7(C)は、電気部品組立作業指示図作成処理の番号付番処理(ステップS403)の結果、論理座標を基に採番した番号を電気部品実装情報33の番号330へ設定した例を示している。
【0044】
図8に、電気回路データベース4に格納される製品管理情報(電気)41のデータ構成例を示す。製品管理情報(電気)41は、製品識別コードに対応する電気回路図を特定するために用いる情報で、製品識別コード411と電気回路図名412から構成する。
【0045】
図9に、電気回路データベース4に格納される回路属性情報42のデータ構成例を示す。回路属性情報42は、電気回路設計により設定される情報で、電気部品を個別に識別するための器具番号421、電圧の高圧、低圧を識別する回路区分422、部品名称423、型式424、定格425、論理座標426から構成する。図9(A)は、論理座標、器具番号割り付け処理実行前の状態であり、論理座標426以外の情報が設定された状態を示している。図9(B)は、論理座標、器具番号割り付け処理の回路属性情報読み込み処理(ステップS312)で、電気CAD側に読み込んだ回路属性情報42の例を示しており、割り付けられた論理座標が論理座標426に設定された状態を表している。
【0046】
本例では、上記説明したように、3次元CADで設計した情報と、電気CADで設計した情報を自動的に関連付けし、連携できるようにしている。その結果、電気CADの電気回路図上の任意の電気部品が、実際の製品のどの部分に取り付けられるか、その取り付け位置を3次元モデル上に表示することが可能である。また、これとは逆に、3次元CADの3次元モデル上の任意の電気部品が、電気回路図のどこに記載されているか、その記載位置を電気回路図上に表示することも可能である。以下に、これらの表示処理について説明する。
【0047】
図12に、本例による電気部品表示処理部25による電気部品取り付け位置表示処理の処理例を表すフローチャートを示す。電気部品取り付け位置表示処理は、電気CADの電気回路図上の任意の電気部品が、実際の製品の中のどこに取り付けられているか、その取り付け位置を自動的に特定するための表示処理である。図12を参照し、電気部品取り付け位置表示処理の内容について説明する。
【0048】
まず、電気CADにおいて、電気回路図読込処理を行う(ステップS121)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから表示対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、電気CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(電気)41を参照し、電気回路図名を特定する。そして、該当する電気回路図の情報を電気CADサーバ計算機2からクライアントへ読み込む。次に、読み込んだ電気回路図をクライアントの表示装置の画面へ表示する(ステップS122)。次に、表示した電気回路図の特定の電気部品を、ユーザがマウスやキーボードなどにより選択すると、回路属性情報42を参照し、該当する電気部品の論理座標を特定する(ステップS123)。次に、製品識別コードと、特定した論理座標を3次元CADに転送し、該当する3次元モデルの表示要求を行う(ステップS124)。
【0049】
次に、表示要求を受けた3次元CADにおいて、電気CADから入力した製品識別コードを基に、製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデルを特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアントへ読み込む(ステップS125)。次に、電気CADから入力した論理座標を基に、電気部品実装情報33を参照し、該当する電気部品を特定する(ステップS126)。次に、クライアントの表示装置の画面に3次元モデルを表示し、特定した電気部品の部分をハイライト表示する(ステップS127)。なお、表示方法は、ハイライト表示の他に、部品の表示色を他の表示色と区別できる色に変えて表示する方法や、該当部品のシンボルをフリッカ表示する方法など、ユーザが区別し易い他の表示方法にすることもできる。
【0050】
図19に、本例による電気部品取り付け位置表示処理による画面表示例を示す。図19の(A)には、電気CADによりクライアントの表示装置に表示した電気回路図51の表示例を示す。ユーザが、電気回路図51上の任意の電気部品52(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をマウスでクリックするなどの方法で選択すると、当該電気部品の器具番号53(図中“CBINC101”と表示)、論理座標55(図中“FA1”と表示)を回路属性情報42から特定し、3次元CADへ転送する。3次元CADでは、転送された情報から3次元モデルを特定し、クライアントの表示装置に3次元モデル71を表示する。図19の(B)には、3次元CADにより表示した3次元モデル71の表示例を示す。ユーザが、電気回路図51上の任意の電気部品52を選択すると、表示切り替えにより当該3次元モデル71を表示し、該当する電気部品72(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をハイライト表示する。
【0051】
これにより、電気CADの電気回路図上で選択された電気部品から、3次元CADの該当する電気部品を瞬時に自動的に特定することができる。
【0052】
次に、図13に、電気部品表示処理部25による電気回路図記載位置表示処理の処理例を表すフローチャートを示す。電気回路図記載位置表示処理は、3次元CADにおいて、3次元モデル上の任意の電気部品が、電気回路図上のどこに記載されているか、その記載位置を自動的に特定するための表示処理である。図13を参照し、電気回路図記載位置表示処理の内容について説明する。
【0053】
まず、3次元CADにおいて、3次元モデル読込処理を行う(ステップS131)。ここでは、例えば、ユーザがクライアントから表示対象の製品を指定することにより、製品識別コードが入力されるようにしておき、3次元CADでは、入力された製品識別コードを基に製品管理情報(3D)31を参照し、3次元モデル名を特定する。そして、該当する3次元モデルの情報を3次元CADサーバ計算機1からクライアントへ読み込む。次に、読み込んだ3次元モデルをクライアントの表示装置の画面へ表示する(ステップS132)。次に、表示した3次元モデルの特定の電気部品を、ユーザがマウスやキーボードなどにより選択すると、電気部品実装情報33を参照し、該当する電気部品の器具番号を特定する(ステップS133)。次に、製品識別コードと、特定した器具番号を電気CADに転送し、該当する電気回路図の表示要求を行う(ステップS134)。
【0054】
次に、表示要求を受けた電気CADにおいて、3次元CADから入力した製品識別コードを基に、製品管理情報(電気)41を参照し、電気回路図名を特定する。そして、該当する電気回路図の情報を電気CADサーバ計算機2からクライアントへ読み込む(ステップS135)。次に、3次元CADから入力した器具番号を基に、回路属性情報42を参照し、該当する電気部品を特定する(ステップS136)。次に、クライアントの表示装置の画面に電気回路図を表示し、特定した電気部品の部分をハイライト表示する(ステップS137)。なお、表示方法は、電気部品取り付け位置表示処理で説明したのと同様に、ハイライト表示の他に、ユーザが区別し易い他の表示方法にすることもできる。
【0055】
図20に、本例による電気回路図記載位置表示処理による画面表示例を示す。図20の(A)には、3次元CADによりクライアントの表示装置に表示した3次元モデル71を示す。ユーザが、3次元モデル71上の任意の電気部品72(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をマウスでクリックするなどの方法で選択すると、当該電気部品の器具番号、論理座標を電気部品実装情報33から特定し、電気CADへ転送する。電気CADでは、転送された情報から電気回路図を特定し、クライアントの表示装置に電気回路図51を表示する。図20の(B)には、電気CADにより表示した電気回路図51の表示例を示す。ユーザが、3次元モデル71上の任意の電気部品72を選択すると、表示切り替えにより当該電気回路図51を表示し、該当する電気部品52(図中に点線丸枠で囲んだ部分)をハイライト表示する。
【0056】
これにより、3次元CADの3次元モデル上で選択された電気部品から、電気CADの該当する電気部品の電気回路図上の記載位置を瞬時に自動的に特定することができる。
【0057】
また、クライアント計算機の電気部品表示処理部25、及び電気部品表示処理部の処理に必要な他の処理部とデータを携帯端末装置などに組み込むことにより、携帯端末装置を用いて、上記説明した電気部品取り付け位置表示及び電気回路図記載位置表示の機能を実現することもできる。これにより、制御システムの点検、保守作業時などに保守作業員が携帯端末装置を所持することで、現場の装置の近傍などの任意の場所で各図面を参照することができる。
【0058】
また、携帯端末装置にクライアント計算機と同様のソフトウェアを組み込み、無線通信により3次元CADサーバ計算機1または電気CADサーバ計算機2と通信することにより、必要な3次元CADデータ、電気CADデータを読み込み、上記説明した電気部品取り付け位置表示及び電気回路図記載位置表示の機能を実現することもできる。これにより、大規模プラントなどの中央制御室などにサーバ計算機を設置しておき、点検、保守作業時などに保守作業員が携帯端末装置を所持することで、任意の場所で各図面を参照することができる。また、製品の組立作業時に、現場の作業員が携帯端末装置を所持することで、作業現場において各図面を参照することができる。更に、組立作業時などに部品の追加、変更などが発生した場合に、作業現場の実際の装置を確認しながら3次元CADデータや電気回路図などのデータを修正することが可能となる。
【0059】
以上説明したように、本発明により、製品の組立作業、製品運用開始後の保守、点検作業時などに、実際の電気部品が設計図上のどこに記載されているか、設計図上に記載されている部品が製品のどの位置に取り付けられているかを容易に確認することができる。そのため、従来、電気部品の特定のために、複数の図面を相互に確認しながら時間をかけて行っていた作業が、短時間で確認することができ、作業時間の短縮ができる。また、人間による確認では、誤りが発生する可能性があったが、本例によれば、正確に対応機器の確認を行うことができるため、安全性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態によるシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるクライアント計算機の構成例を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態による論理座標、器具番号割り付け処理例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態による電気部品組立作業指示図作成処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態による製品管理情報(3D)のデータ構成例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による電気部品識別情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態による電気部品実装情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による製品管理情報(電気)のデータ構成例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態による回路属性情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態による割り付けルール定義情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態による図面管理情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態による電気部品取り付け位置表示処理例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態による電気回路図記載位置表示処理例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態による電気回路図の画面例(1)を示す説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態による3次元モデルの画面例(2)を示す説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態による3次元モデルの画面例(3)を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態による電気回路図の画面例(4)を示す説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態による電気部品組立作業指示図の画面表示例を示す説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態による電気部品取り付け位置表示処理の表示例(1)を示す説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態による電気回路図記載位置表示処理の表示例(2)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1…3次元CADサーバ計算機、2…電気CADサーバ計算機、3…3次元データベース、4…電気回路データベース、5、6…クライアント計算機、7、8…表示装置、9、10…キーボード、11、12…マウス、13…ネットワーク、21…3次元CAD処理部、22…電気CAD処理部、23…データリンク処理部、24…製作図面作成処理部、25…電気部品表示処理部、26…データ保管部、27…3次元データ、28…関連付けデータ、29…電気回路データ、31…製品管理情報(3D)、32…電気部品識別情報、33…電気部品実装情報、34…3次元モデル情報、41…製品管理情報(電気)、42…回路属性情報、43…電気回路情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部と、
前記3次元CAD演算部により生成されるデータを保管する3次元データ保管部と、
電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部と、
前記電気CAD演算部により生成されるデータを保管する電気回路データ保管部と、
前記3次元CAD演算部により生成されるデータと、前記電気CAD演算部により生成されるデータとを相互に関連付けるデータリンク処理部とを備え、
前記データリンク処理部により関連付けた電気CADの情報を3次元CADの情報に貼付し、表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項2】
請求項1記載の3次元CADシステムにおいて、
前記データリンク処理部により関連付けた3次元CADの情報を電気CADの情報に貼付し、表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項3】
請求項2記載の3次元CADシステムにおいて、
前記データリンク処理部は、前記3次元CAD演算部により生成される3次元CADデータの電気部品について、製品内の取り付け位置を示す論理座標を自動的に割り付けし、割り付けた論理座標を前記電気CAD演算部へ出力し、電気CADデータの当該電気部品の属性情報として登録することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項4】
請求項2記載の3次元CADシステムにおいて、
前記データリンク処理部は、前記電気CAD演算部により生成される電気CADデータの電気部品について、電気部品の属性情報を前記3次元CAD演算部へ出力し、3次元CADデータの当該電気部品の属性情報として登録することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項5】
請求項2記載の3次元CADシステムにおいて、
前記3次元CAD演算部により生成される3次元CADデータと、前記データリンク処理部により登録した電気部品の属性情報を基に、前記電気部品を取り付けて製作する製品の製作図面を作成する製作図面作成処理部を備えることを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項6】
3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部を搭載し、前記3次元CAD演算部により生成されるデータを保管する3次元データ保管部を備えた3次元CADサーバ計算機と、
電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部を搭載し、前記電気CAD演算部により生成されるデータを保管する電気回路データ保管部を備えた電気CADサーバ計算機と、
前記3次元CADサーバ計算機及び前記電気CADサーバ計算機と、ネットワークを介して接続する複数のクライアント計算機から構成し、
前記クライアント計算機は、前記3次元CADサーバ計算機と前記電気CADサーバ計算機からデータを読み込み、相互に関連付けるデータリンク処理部を備えることを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項7】
請求項6記載の3次元CADシステムにおいて、
前記クライアント計算機に電気部品表示処理部を備え、
前記電気部品表示処理部は、前記電気CAD演算部により生成された電気回路図を前記クライアント計算機に表示し、ユーザが任意の電気部品を画面上で選択することにより、前記選択された電気部品に該当する部分を識別表示した3次元CADデータを、クライアント計算機に表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項8】
請求項7記載の3次元CADシステムにおいて、
前記クライアント計算機の電気部品表示処理部は、前記3次元CAD演算部により生成された3次元CADデータを前記クライアント計算機に表示し、ユーザが任意の電気部品を画面上で選択することにより、前記選択された電気部品に該当する部分を識別表示した電気回路図を、クライアント計算機に表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項1】
3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部と、
前記3次元CAD演算部により生成されるデータを保管する3次元データ保管部と、
電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部と、
前記電気CAD演算部により生成されるデータを保管する電気回路データ保管部と、
前記3次元CAD演算部により生成されるデータと、前記電気CAD演算部により生成されるデータとを相互に関連付けるデータリンク処理部とを備え、
前記データリンク処理部により関連付けた電気CADの情報を3次元CADの情報に貼付し、表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項2】
請求項1記載の3次元CADシステムにおいて、
前記データリンク処理部により関連付けた3次元CADの情報を電気CADの情報に貼付し、表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項3】
請求項2記載の3次元CADシステムにおいて、
前記データリンク処理部は、前記3次元CAD演算部により生成される3次元CADデータの電気部品について、製品内の取り付け位置を示す論理座標を自動的に割り付けし、割り付けた論理座標を前記電気CAD演算部へ出力し、電気CADデータの当該電気部品の属性情報として登録することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項4】
請求項2記載の3次元CADシステムにおいて、
前記データリンク処理部は、前記電気CAD演算部により生成される電気CADデータの電気部品について、電気部品の属性情報を前記3次元CAD演算部へ出力し、3次元CADデータの当該電気部品の属性情報として登録することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項5】
請求項2記載の3次元CADシステムにおいて、
前記3次元CAD演算部により生成される3次元CADデータと、前記データリンク処理部により登録した電気部品の属性情報を基に、前記電気部品を取り付けて製作する製品の製作図面を作成する製作図面作成処理部を備えることを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項6】
3次元CADデータの生成及び管理を行う3次元CAD演算部を搭載し、前記3次元CAD演算部により生成されるデータを保管する3次元データ保管部を備えた3次元CADサーバ計算機と、
電気CADデータの生成及び管理を行う電気CAD演算部を搭載し、前記電気CAD演算部により生成されるデータを保管する電気回路データ保管部を備えた電気CADサーバ計算機と、
前記3次元CADサーバ計算機及び前記電気CADサーバ計算機と、ネットワークを介して接続する複数のクライアント計算機から構成し、
前記クライアント計算機は、前記3次元CADサーバ計算機と前記電気CADサーバ計算機からデータを読み込み、相互に関連付けるデータリンク処理部を備えることを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項7】
請求項6記載の3次元CADシステムにおいて、
前記クライアント計算機に電気部品表示処理部を備え、
前記電気部品表示処理部は、前記電気CAD演算部により生成された電気回路図を前記クライアント計算機に表示し、ユーザが任意の電気部品を画面上で選択することにより、前記選択された電気部品に該当する部分を識別表示した3次元CADデータを、クライアント計算機に表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【請求項8】
請求項7記載の3次元CADシステムにおいて、
前記クライアント計算機の電気部品表示処理部は、前記3次元CAD演算部により生成された3次元CADデータを前記クライアント計算機に表示し、ユーザが任意の電気部品を画面上で選択することにより、前記選択された電気部品に該当する部分を識別表示した電気回路図を、クライアント計算機に表示することを特徴とする3次元CADシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−116743(P2009−116743A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291079(P2007−291079)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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